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昔桃子やベリの学園小説書いてた者だけど〜新狼

5871:2018/08/04(土) 02:48:15
「じゃ…、じゃあ、俺か宮本が病院に付き添いますよ。あっ、その前に清水先生に報告しといた方がいいか。俺、ちょっと話してきます」と、走り出そうとした俺を、稲場さんは「待って!」と引き留めた。

「えっ?」
「清水先生には黙っていて。お願い!」
「で、でも…」
「お願い。今は黙っていて」
「そういうわけにも…」
「明日まなかが自分で先生に説明するから…。清水先生とは約束があって…、どっちみちきちんと自分で話をしなきゃならないから…」
「約束?」
「お願い…。今はそれ以上聞かないで」

稲場さんは泣きそうな顔をしてそれだけ言うと黙り込んだ。

俺と宮本は思わず顔を見合わせた。
すると宮本は「わかりました。それじゃとにかく一緒に病院に行きましょう」と、稲場さんを促した。
「俺も行く!」と俺は慌てて後を追った。

1人で部の練習に戻ったところで、いろいろみんなに聞かれるだろうし、聞かれたところで「清水先生には黙っていて」との稲場さんの頼みに従えば、俺は皆にも説明するわけにはいかなくなるのだ。

つまり、病院に着いていく以外の選択肢は、俺にも宮本にもなかったのだ。


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