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松田亜利沙(29)「あっ、陸くん。久しぶり」
153
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/26(月) 05:10:08 ID:lAtp8E9.
工事完了です。 今回はとても難産でした…正直完璧とは程遠い出来なんですが、これ以上仕上げられそうになかったのでこれで納品ということで…
ASPもいきなりの登場になってしまい申し訳ナス。ただ、個人的にASのPとミリのPは分けたかったのでこういう形になりました。アニマスの赤羽根Pの雰囲気で受け取って頂ければ。
154
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/26(月) 06:24:58 ID:o4I9Tq/Q
2/26
●せっかく、昨日25日の夜あたりから良いものが腰のあたりに戻ってきたのに、
ザルみたいになっていたので、どこかに行ってしまったようだ。
直後の夢に出てきたじいさんが怪しいね?
奪ったりなどしたのは、14日前の12日あたりに見えた犬みたいな男かその関係者では?
どうやら、万が一腰に美形のエネルギーとかが来てもどこかに行ってしまうようにしてあるらしい。
私に縁のある悪い存在の所に行くようにとかやってた可能性が高いね!
もしそうなら、随分と念の入ったことをしますね。
155
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/26(月) 07:36:20 ID:6T08f0e.
月曜日の朝から尊すぎませんかね…
茜ちゃんプリンが有効活用されている
+100000076587634661572点
156
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/26(月) 08:17:56 ID:iDELsnHI
世界一やお前!
157
:
トヨネスキー
:2018/02/26(月) 10:19:38 ID:???
茜ちゃんプリンの空き容器は全てを見ていた!
158
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/26(月) 15:34:43 ID:5VGZLyzo
http://goodlg.seesaa.net/article/455861872.html
159
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/26(月) 23:39:47 ID:.p4wRVhI
ぷっぷかわいい
(34)でも絶対きつくない(確信)
160
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/27(火) 06:31:59 ID:jsRwhaWk
拗ね麗花さん可愛くてえっちでああ^〜たまらねえぜ
三十路の真壁くんもうまそうやなほんま
担当外しの提案が経験者は語る感あるけど
ASPはどのリボンと引っ付いたんですかね…?
161
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/02/27(火) 07:16:02 ID:tzCZZWa6
このスレのおかげでミリオンに興味が出て海美と出会えました
162
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:06:22 ID:Wc3Xg1nw
寒い日と暖かい日が交互にやって来る3月、シアターから少し離れた荒川沿いの桜並木。
今日は桜も満開になるほど一段と暖かくなり、一応の為に着てきた薄手のコートはお役御免となった。
「コート持つよ、亜利沙さん」
「うん。ありがと」
私の隣を歩くひとは、背の低い私よりふた回りほど身長が高く、スポーツマンらしい大きな体をしている。そんなひとに荷物を持つと言われると、遠慮なく頼ってしまう。
「桜、綺麗ですね」
「そうだね」
ゆっくりと流れる川の水音や散りゆく花びらに時間が遅くなるような雰囲気を感じながら歩く。その歩幅も心なしかいつもより狭く、遅くなる。
「ねぇ陸くん、桜の花が特別綺麗に見える理由って知ってますか?」
「…なんだろ。色?」
「桃色の花は沢山あるでしょう?その中でも桜は、特に可憐にみえませんか?」
「…確かに。なんで?」
そこまでマイナーな話ではないと思ったけど、今までスポーツに打ち込んできた彼はこういう話に疎いところがある。
そこがまた、かわいいんですけどね。
163
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:07:14 ID:Wc3Xg1nw
「桜の花は、下を向いて咲くんです。つまり、私達が見上げると丁度顔を見合わせる形になる。だから特別綺麗に見えるんだそうですよ」
この話は、以前とある同僚に聞いた話そのままの請け合いだ。でも、きっとあなたは興味を持ってくれると思った。
歳はもう大人でも、私から見ればあなたはまだ素直な子供だから。
「あっ、そっか。普通の花って大体上向きですもんね」
「そゆことです」
私が得意げな表情を作ると、陸くんは少し笑ったあと鞄から何やら取り出した。
「それって…」
「あ、覚えてます? 昔亜利沙さんからもらったやつですよ」
覚えてるも何も、それは私が初めてあなたにあげたプレゼントだ。あなたの中学入学のとき、私が丁度新しい一眼を買ったので前に使ってたデジカメを譲ったのだ。
「あんまり使えて無かったんですけど、この前戸棚の掃除した時に出てきたので色々撮ってるんです」
「そんな昔のやつ、まだ使えるんですね…」
もう10年近く前のものだ。画素だけでいえば恐らく今のスマートフォンのほうが上だろう。
「ん…確かに花が全部下向きですね。今まで気にしたこともなかった」
液晶越しに桜を見つめる彼。私と違って姉譲りの高身長のあなたは、桜の花の目の前までレンズを寄せられる。
「あれ…白飛びしちゃった…なんかピント合ってないし…」
でも、まだまだカメラの扱いに慣れてない彼は上手く撮れない様子。
「ふふ、貸して下さい」
「お願いします」
「まず、明るいところを基準点にして下さい。あとは勝手に色調補正してくれるので、花の色が白飛びしません。それと、シャッターをいきなり押してはいけませんよ。少し押し込んでピントが合うのを待って下さい」
「なるほど、そうやるんだ…」
私の説明を熱心に聞く彼。ちょっとオタクっぽく思われないか心配になったけど、それも今更なこと。ほかの機能もそれぞれ教えてあげると、いちいち頷いてくれる。
嬉しくなる。
164
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:08:32 ID:Wc3Xg1nw
「…ま、こんなところですかね」
「分かりました。参考にしてみま…あっ」
ふと、彼が声を上げる。説明に夢中になっていたから気づかなかったけど、桜の花に向かってカメラを構える私の肩口に彼の顔が近づいていたようだ。
「…えっと、あの」
彼が身を引いて照れ臭そうに鼻を掻く。
「むふ」
ちょっと前まではお互いに気恥ずかしそうにしてたパターン。でも彼とお付き合いしてしばらく経った今、私はあまり慌てなくなってしまった。
やはり私はいい歳した大人で彼はまだ大人になりたて、ということ。
「そう照れなくていいんですよ」
「そうは言われても…」
それが寂しいようで、嬉しくもある。あなたは昔から控えめで、少し照れ屋さん。時々大胆なこともあったけど。
「そうだ。ちょっとメモリ見てもいいですか?」
「え? あぁ、いいですよ」
一応許可を貰ってからメモリを再生する。昔の彼を想起したことで一緒に思い出した。消されていなければ、確かこのカメラの本体側メモリの一番古い日付の写真に『彼ら』が映っている筈だ。
あなたが最近撮ったのであろうサッカーグラウンドやチームメイトの写真----やっぱり少し撮るのに不慣れなのが分かる----を遡り、目的のモノを探す。
「あった」
「…?」
「これ、見てください」
「あ…」
165
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:09:34 ID:Wc3Xg1nw
このカメラを渡したあの日。前日にメモリを全てPCに移し終えた後に消去して、翌日あなたに渡す直前に一枚だけ撮ったのは。
「…姉さん」
入学式の校門の前で佇む志保さんとあなたのお母さんの間に立つ、あなたの姿。まだ志保さんより背が低く、ぶかぶかの学ランが可愛らしい。
「…懐かしいっスね、亜利沙さんが撮りに来てくれたんでしたっけ。アハハ、なんか俺緊張してるし。姉さんすげぇ嬉しそう」
「むふふ」
腹を抱えて笑う彼。まさかこんなのが残ってるなんて思ってもいなかったのだろう。デフォルトがSDメモリだから、本体メモリの方に気づかないのも当然だ。
「あ、他にも昔の写真ありますね。うわぁ懐かしい」
「ほんとだ。志保さんも若いです。可愛い〜」
今となっては少し荒い画素の写真を二人で覗き込む。ややあって、最近の写真へとスクロールした。
「んー、やっぱ亜利沙さんの撮ったやつの方が綺麗ですね…俺、また撮ってみます!」
そういってまた桜の木に向かう彼。少しはしゃいで見えるのは気のせいではないだろう。
「どうっすか?」
「うん、いいと思いますよ!」
「やった!」
コツを掴んだのか、少しずつ腕前が良くなってきた。
166
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:10:31 ID:Wc3Xg1nw
そんな折に彼の電話が着信音を鳴らした。申し訳無さそうな顔を向けられる。
「いいですよ。どうぞ」
「あっと…すいません。もしもし…はい、ええ…」
恐らくもうタイムアップだ。
「はい、それでは…。っとすみません亜利沙さん」
「時間、ですね」
「…ええ」
実は今日の花見は、お互い仕事の合間にできた数時間に設けたものだ。彼はこの後すぐミーティング、私も少し後に撮影が控えている。
でも、このままお別れというのも味気ないのでちょっと提案してみる。
「では一つ宿題です」
「宿題?」
私は彼の首に下がるカメラを指差す。
「課題は昔と一緒です。志保さんの写真を撮ってきて下さい」
「あー、小さいころ良くやったやつ。いいですよ、任してください!」
まだ彼が小さいころ、私はよくインスタントカメラを渡してお姉さんのオフショットを撮るように頼んでいた。まぁ、バレてこっぴどく怒られてからはやめたけれど。
「いい写真、期待してますよ」
「はい。それじゃ!」
* * * * *
167
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:11:48 ID:Wc3Xg1nw
* * * * *
「いたいた。亜利沙さん、遅いよ」
「すみません、桃子チャン先輩」
彼と一旦お別れした後、しばらく1人で桜見物をしてから撮影現場に向かうと桃子先輩が出迎えてくれた。
「早くテント入って。メイクしなきゃ」
「もー、時間通りじゃないですか」
「五分前行動!」
「はぁい」
流石プロ意識の塊。昔ほどキツいことは言わなくなったものの、彼女には未だに頭が下がりっぱなしだ。
今回の撮影はドラマのワンシーンの撮影。桃子ちゃん先輩は貫禄の主役、私は一話限りの端役。いわゆるバーターだ。
メイク台は隣だけど、ナチュラルメイクに普通の服の私に対して、先輩は目鼻立ちをしっかり映えさせて、衣装もキマッている。
鏡の前に並んで座り、ヘアメイクさんに髪を整えてもらう間に、彼女が鏡越しに目線を寄越しながら話しかけてくる。
「で、何してたの?」
「内緒です」
「またデート?」
「…なんで分かるんですか」
「顔がにやけてる」
「うそっ」
思わず鏡を見直す。そこには焦り顔の自分と苦笑いするヘアメイクさんしか映っていない。
「…カマかけましたね」
「亜利沙さんが分かりやすいのが悪いんだよ」
目を閉じて呆れ顔を見せる桃子ちゃん先輩。そういう仕草がいちいち絵になるところは流石売れっ子女優の周防桃子さん。今回出演するドラマ以外にも、映画やバラエティ、ネット配信の動画など彼女は引っ張りだこだ。
168
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:12:44 ID:Wc3Xg1nw
「私たちももうアイドル業は殆ど卒業してるけど、それでもフライデーには気をつけなきゃ駄目だよ」
「はぁい」
彼女の忠告はいつも耳に痛い。けれど、長年それを聞き入れてきたこの耳にはその痛みが心地よい。自他共にストイックな彼女の心意気はいつまでも魅力的だ。
「そういえば桃子ちゃん先輩、昔先輩がしてくれた桜の話覚えてますか?」
「んー?…あぁあれね。綺麗に見える理由はーってやつ」
「そうそうそれです」
先程陸くんに教えた話は何を隠そう桃子ちゃん先輩からの受売りだ。
その時私は、まるでアイドルちゃんみたいですね、と言ったのを覚えている。見る人に向かって顔を向ける姿は、観客に笑顔を振りまく舞台の上のアイドルに似ていると。
「まぁあれ、子役時代の舞台台本からの受け売りなんだけどね」
「えっ、そうなんですか」
確かその時、彼女は『じゃあ桜がアイドルなら、女優さんは一輪の花だね』と言った。
決して観客に顔を向ける訳ではなく、凛と立つ姿でもって見る人の心を奪うのが俳優の仕事だと。
「そうだったんですか。私陸くんに思いっきりドヤ顔で語ってしまいました…」
「いいんじゃない? ふふ、亜利沙さんらしいね」
ようやく見せた桃子ちゃん先輩の笑顔は、なんだか優しかった。
169
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:13:37 ID:Wc3Xg1nw
私が出るカットの撮影は一度リテイクがあったものの早々に終わり、場面は次の桃子ちゃん先輩演じる女主人公の長丁場。カメラさんや照明、音声さん、その他スタッフに囲まれながら、長台詞の独白のシーン。
先程の会話を想起する。アイドルが桜の花ならば、女優は一輪の花。成る程今の彼女はまさしく立てば芍薬と言わんばかりの佇まい、憂いを纏う百合の花だ。低めの身長が牡丹にも見える。
結局、私は早上がりせずに桃子ちゃん先輩の撮影が終わるまで居残った。
写真を撮ることもなく、ただただ見惚れてしまったからだ。
「お疲れ様でした、先輩」
「ありがと」
現場撤収のあと、プロデューサーの迎えの車の中で桃子ちゃん先輩を出迎えた。後部座席に並んで座り、飲み物を手渡す。
先輩に感想をひとしきり伝えてプロデューサーにも現場の雰囲気を教え、一息ついたところで桃子ちゃん先輩が口を開く。
「亜利沙さんも、結構よかったよ」
「っ!本当ですか?」
「うん。よかったらまたやってみない?」
まさかの提案。先輩からお褒め頂けるとは思ってなかったし、一度きりのゲスト出演だと考えていた。
しかしプロデューサーも「助演だけど一つ枠持ってるぞ」なんて言ってくる。
「んー…考えておきます」
「そう?まぁ無理にとは言わないよ」
この時は、一旦保留にした。
何故だか、私は芍薬や牡丹にはならない気がしたのだ。
* * * * *
170
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:14:25 ID:Wc3Xg1nw
* * * * *
後日、事務所のライブ後パーティー。
この日は二期生達の初単独ライブ成功のお祝いで、私たち一期生は会場の隅で各々お喋りをしていた。
メインの二期生が真ん中でスタッフや親御さん達と交流している中、私たちは今日集まれた人達で料理やお酒に手を伸ばしつつ、彼女らを見守っている形だ。
しかしせっかくのシャッターチャンスを無下にはできない。二期生アイドルちゃん一人一人が壇上で挨拶する姿をカメラに収めながらニヤニヤ笑いそうになるのを堪える。
一通り撮影に満足し元のテーブルに戻ると、次は桃子ちゃん先輩と志保ちゃんがやってきた。
「久しぶりね、亜利沙さん」
「志保さん!お久しぶりですね!」
桃子ちゃん先輩とは先日の撮影で一緒になったが、志保ちゃんとはご無沙汰だ。
「ちょうどよかった亜利沙さん。この前の映画のお仕事だけど」
「あっ、はい」
「さっきプロデューサーと話して志保さんがやることになったんだけど、亜利沙さんがやりたいなら譲るって」
「えっ」
そう聞いて少し面食らう。志保ちゃんが人に役を譲るなんて、普通じゃ考えられない。
「元々ウチの事務所で持ってる枠みたいですし…亜利沙さんがやりたいなら是非やって欲しいんです」
「そんな…何で」
「この前のドラマ、見ました。桃子の言う通り、亜利沙さんの演技も多少不足はありますけど結構いい感じだったと思います。なので、もしこちらの方の仕事を考えているなら是非に…と」
「え、ええっと…」
役を譲るだけでなく、志保ちゃんにお褒めの言葉まで頂いて思わず言葉が詰まる。
あんなに役者を熱望し、かつその夢を掴んだ彼女にそう褒められると悪い気はしないというのが人情だ。
…しかし、
「…いえ、やっぱりやめときます」
「そう、ですか…」
「はい。せっかく譲って頂いたのに、すみません」
「いえ。それでは予定通り私が入ります…けど、その…理由を聞いても?」
「えっと…」
171
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:15:19 ID:Wc3Xg1nw
確かに女優という道も悪くはない。今の私は、どちらかというと元アイドルのタレントという立場で、主にアイドルの裏話に詳しいキャラとしてバラエティに出るのがほとんどだ。女優も出来るとなれば、仕事の幅は広がるだろう。
でも、私が憧れたのは、芍薬でも牡丹でもなく桜の花だったのだ。こちらに向けて満面の笑顔を振りまく彼女達に惚れて、手を伸ばして、届かなくて、それならいっそと私自身が桜になったんだ。
一輪の花も美しいけど、そこに私の求めるものは無い気がした。
それに、百合の花では許されない、今の元アイドルの私だからこそ触れ合える『繋がり』がある。
『そこ』に関しては言わないように、2人に理由を伝える。
「そっか。亜利沙さんは本当にアイドルオタクだね」
「むぐっ!」
「まぁまぁ桃子、そう言わないの。分かったわ。本当は亜利沙さんに一つ恩でも売っておこうとおもったんですけどね」
「お、恩?」
「これから長い付き合いになりそうだと思ったので」
志保ちゃんが意地悪な笑顔を向ける。
「な、なんのことでしょうか」
「またデートしたらしいですね」
「うぐっ」
桃子ちゃん先輩も何か察したようで、信用できない大人を見るような目でこちらを見てくる。うぅ、肩身が狭い。どうしよう。
そんな折、私の携帯がビビッと震える。これ幸いとばかりに取り出した。
「失礼します!」
2人にジロジロと見つめられるのを肌で感じながら画面を開く。通知はなんと当の彼から。
『北沢 陸 が画像を送信しました』
『今朝撮れたものです。採点よろしく』
(…なんだろ)
一応の為、前の2人に見えない様に画像を開く。そこにはなんと…
172
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:16:17 ID:Wc3Xg1nw
(ぎょえっ!)
声を上げなかった自分を褒めたい。そこに映るのはソファで横になる志保ちゃんの姿だった。ご丁寧にデジカメで撮ったらしく、この前教えたテクニックも使って背景の小物のピントをズラしており、より志保ちゃんの寝る姿が映えている。
『何撮ってるんですか💢!』
『あれ、こういうのじゃダメでしたか?』
ダメではない、むしろ眼福だ。けど…
『タイミングが悪いんですよ!今目の前にお姉さんいるんですけど!』
『マジっすか。しまったな笑』
『笑じゃないです!』
まるで他人事のような返信に思わずため息がでる。
しかし改めて考えると、こういうことができるのも、彼らが姉弟であり、私が『元』アイドルだからだ。
こうしてこまめに連絡やバカ話をしたり、たまにお忍びデートにいけるのも私が芸能活動を昔より減らしているから。もし本気で女優業を始めるというなら、彼との付き合いをできるだけ控えなくてはならない。バレてからではマズイのだ。
ならば、ちょっとだけなんて端役にお邪魔するよりは、他の本気でやってる人達にやってもらう方が余程有意義だ。
私はもう、こっちの方が心地よくなってしまった。アイドルちゃん失格、と言われても仕方ない。
手の届かない高嶺の花になるより、彼の手の届く高さに咲く花びらとしてありたい。
弟でもない限り、女優さんに触れ合える人など居ないのだから。
173
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:17:33 ID:Wc3Xg1nw
再度、着信音。
『で、何点ですか?』
『んん…100点です』
『やりぃ!』
取り敢えず写真の完成度は高く希望通りの納品だったことは伝えて、携帯を閉じた…
…が。
「亜利沙さん。誰からだったんですか」
…目の前の2人のことを失念していた。
「まぁ、聞かなくても分かってるよ」
「ま、またまた桃子パイセンったら〜。またカマかけようったってそうは…」
苦笑いでやり過ごそうとしたところ、志保さんが席を立つ。
「貸して下さい」
「ああっ!ありさの携帯!」
手に持っていたそれを掠め取られ、私の手が宙を切る。
「ロックは確か…こうかな?」
「な、何故知って…」
「私、記憶力はいいんですよ」
無慈悲にも私の携帯ちゃんは、数秒後にその中身を開け広げた。
その後は、お決まりのお説教。何故か桃子ちゃん先輩にも怒られた。お説教自体は会場の控え室に移動してからだったものの、一瞬会場で見せた志保ちゃんのあまりの形相は、二期生の間でも噂になったとか。
終わり
174
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 15:23:41 ID:Wc3Xg1nw
桜の季節なので(地の文有は)初投稿です。そして最終回です。
もう東京は散ってるんですかね?(北国並感)
175
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 16:50:56 ID:xYSFUOhM
やりますめぇ!
176
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 19:46:21 ID:teInzWNA
はぁぁぁあああっ…!(畏怖)
177
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/28(水) 21:03:01 ID:tFp/LHsI
(地の文が心に)食い込んで気持ちいい!!
178
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/29(木) 00:17:03 ID:ZVT8buFc
なんだこの長文!?
179
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/03/29(木) 06:41:16 ID:zN93T5xE
クッソ爽やかな最終回書いちゃって誇らしくないのかよ?
180
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2022/07/28(木) 18:32:21 ID:5W4qwcOY
https://i.imgur.com/7z6lUXP.jpg
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