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SSスレッ!!!!!!!!!!
1
:
しつじ
:2013/11/24(日) 08:46:00
我々の知恵と文章力の凝縮させ、今世紀最大の作品を作りあげてみせようではないか!
321
:
さくや
:2016/01/22(金) 21:53:23 ID:b/K6lGRE
後日
サクヤ「〜♪」
神流「やっほーサクヤ!一人で何してんの?」
サクヤ「うわあっ!?い、いや!?何も!?」
神流「んん?何か隠してるー?」
サクヤ「そそそそそそんなことは」
神流「この匂い……コーヒー?」
サクヤ「うっ」
神流「……ふうん」ニヤニヤ
サクヤ「ち、違……ただ鴛鴦茶のフレーバーづくりってだけだから!」
神流「アハハ!ルキに諭されてから落ち着きが無いと思ってたらそういうことかあ!」
神流「うん、黙っててあげるからさ!精々頑張りなよ!」
サクヤ「違うってば……!!」
神流「あーっと、なんか独り言呟きたくなったなー!」
神流「そう言えば執事はブラックなアイスコーヒーが好きだったっけなー!」
サクヤ「違うってーーーっ!!」
m2「よう、執事じゃないか。どうした?図書室に来るなんてお前らしくもない」
執事「まあ、その……なんだ、借りたい本があってさ」
m2「娯楽雑誌はA-2、漫画はB-7だ」
執事「そういう系統じゃねえよ!…………料理本とか、どこだよ」
m2「料理本……??」
m2「おい執事……言っとくが料理本を眺めたからって腹は膨れないぞ。絵に描いた餅って言葉知ってるか?」
執事「お前は俺をなんだと思ってんだよ!」
m2「いや、食い意地はってついに二次元にまで手を出すのかと」
執事「アホか俺は……いいから教えろ、出来ればお茶の入れ方とかが詳しく載ってる奴な」
m2「C-8だが……どうした、コーヒーの入れ方くらいマスターしてるんじゃないのか?」
執事「い、いやっ、その…………いいいいいそのだ!いそのに美味い茶でも淹れてやろうと思ってよ!」
m2「そういうことか。なら美味い日本茶の入れ方の本を―――」
執事「いや!出来ればお茶全部の淹れ方が載っている奴にしてくれ!!緑茶とかハーブティーとか……あと、紅茶とか」
m2「…………はは、わかってるさ。C-8-cの真ん中らへんにある、好きにもってけ」
執事「う……何を思ってるか知らねえがそのニヤニヤ止めろ!」
m2「汚すなよ……ああ、それと」
執事「ん?」
m2「サクヤは無糖のダージリンティーが好みだ」
執事「〜〜〜〜っ……!」
322
:
さくや
:2016/01/22(金) 21:53:58 ID:b/K6lGRE
サクヤ「……あっ」
執事「……お前か」
サクヤ「えっと……何その本」
執事「お前には関係ない本だよ!……それと、一ついいか」
サクヤ「いいけど」
執事「えっと、だな……今度、一緒にティータイムでも、どうだ」
サクヤ「……え」
執事「……は、ははは!冗談だ冗談!そうだよな!いいわけないよな!それじゃまた―――」
サクヤ「いいよ」
執事「えっ」
サクヤ「但し、ティータイムじゃなくて」
サクヤ「……『コーヒーブレイク』、でね」
執事「……ふはは……ああ、了解了解」
323
:
さくや
:2016/01/22(金) 21:57:34 ID:b/K6lGRE
自分で書いといてなんだけどすごい恥ずかしいからあまり深読みしないで…
324
:
しつじ
:2016/01/23(土) 20:27:13 ID:WYeYlJ2o
深読みもなにも
お前男だろうが。
325
:
さくや
:2016/01/24(日) 00:49:50 ID:b/K6lGRE
そういう意味じゃねえよ!!
326
:
さくや
:2016/02/14(日) 10:10:17 ID:ipcb7WK6
サクヤ「神流、神流ー」
神流「ん、何?」
サクヤ「これ、チョコ。バレンタインデーだから」
神流「くれるの?わぁい!……義理だよね?」
サクヤ「というよりも、友チョコかな」
神流「まあどっちでもいいけど!どれどれお味の方は……むっ」
神流「意外と甘くない?とはいえビターでもない感じ………ほのかにスパイスの香りが。これおいしい」
サクヤ「気に入ってもらえてなにより」
神流「何入ってんの?これ」
サクヤ「単純に甘さを控えめにして隠し味に香辛料をちょっとね。くどくならない程度だけど」
神流「成る程ねえ…ああ、これ以外にハマる味だ。あのチョコをまぶした柿の種とかと同じ風味」
サクヤ「執事、ハッピーバレンタイン。貴様にチョコをくれてやるから泣き喚きながら地べたに頭擦り付けて感謝しろ」
執事「喧嘩売ってんのかテメェ」
サクヤ「嫌がらせにカレールーでも渡そうかとも考えたけど、今年はちゃんとしたものをね……ほら」
執事「お前に貰わなくてももう他のメイドたちから貰ってるっつーの!……お、これは」
執事「……麦チョコ?いや違う、これはまさか……コーヒー豆にチョコをコーティングしてあるのか?」
サクヤ「そ。勿論コーヒー豆そのまんまじゃ苦味が強すぎるから色々工夫してあるけどね。チョコは甘めのミルクチョコだよ」
執事「ああ、昨日俺の部屋のコーヒー豆が若干減ってると思ったらそういうことかよ……あ、でも美味い」
サクヤ「美味くないわけがない。というか、不味いなんて言ったらその頭蹴り飛ばすところだった」
執事「荒っぽすぎんだろ……それと、一応聞いとくが、これ義理だよな?」
サクヤ「いや、人情チョコ。チョコを貰えない執事へ哀れみを込めて。」
執事「もう何個も貰ってるっつってんだろうがぶっ殺すぞコラアアアアアァァァ」
m2「バレンタイン。ああ、バレンタインか。すっかり忘れてた」
サクヤ「一応チョコ作ってきたんですけど、食べます?」
m2「うん?俺のために作ってきてくれたのか。それなら食わない訳にはいかないだろ」
サクヤ「それでは……どうぞ、師匠」
m2「お、っと……以外にデカイな。こりゃチョコケーキか」
サクヤ「ザッハトルテです。お口に合えばいいんですけど」
m2「……ふむ。見た目よりも甘い。濃厚な甘みだな。それにこれはジャム…イチゴジャムか?」
m2「成る程、この添えられた生クリームはこの甘さを中和するためのものか……ああ、まろやかになった」
サクヤ「チョコケーキの王様と呼ばれるだけあって調理には苦労しましたよ」
m2「美味しい。腕を上げたな、サクヤ……しかし義理チョコにこれほど気合を入れるというのもどうなんだ」
サクヤ「バレンタインですし?」
327
:
さくや
:2016/02/14(日) 10:28:23 ID:ipcb7WK6
サクヤ「リンさん、これを」
リン「やあ、バレンタインチョコか。別に気にしなくてもいいのに」
サクヤ「まあ一応メイド長ですから。この程度は苦にもなりませんよ」
リン「それは頼もしいことで……ふむ、ひんやりしているね」
リン「冷やしたトリュフチョコレートか。中のコレは……果実?意外と酸味がある」
リン「冷やすことで風味が増しているのか……良い味だ、ハーブティーと一緒に愉しみたいね」
サクヤ「お気に召していただけたようで何よりです」
リン「ところでこの果実は一体?あまり食べたことのない風味だけど」
サクヤ「近頃英の国で栽培され始めたコガラモモという桃の一種です。まあ、言ってしまえば小さい桃ですよ」
リン「ああ、まだ熟していないから酸味に青臭さも残っていたのか。勉強になったよ」
サクヤ「K、入るよ」
K「バレンタインは中止バレンタインは中止バレンタインは中止バレンタインは中止バレンタインは」
サクヤ「ウワッ負のオーラに満ちてる。ほら、そんな気を落とさないで」
K「サクヤ……お前も義理チョコか……」
サクヤ「本命チョコが欲しいの?ふうん。そっか。まあ義理だけどね」
K「絶望した!!」
K「まあ貰えるもんはもらっとくけどね!で、どんなチョコをくれんの?」
サクヤ「うまい棒チョコ味」
K「まさかの市販品ーーーーーーッ!!!!」
サクヤ「街の◯ーソンで安売りしてた」
K「束売り10本セットで300円ーーーーーーーーッッッ!!!!!」
K「ク、ソ……でも美味い……このサクサク感しゅき……」サクサクサクサクサクサク
サクヤ「ダース単位で買ってきたからずっと食べているがいいよ」
K「サクサクサクサクサクサクサクアクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクアクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクアクサクサクサク」
サクヤ「どうも、いそのさん。バレンタインデーですね」
いその「……すまない、バレンタインデーとは何だ?」
サクヤ「(そこからか)」
サクヤ「まあ、簡単に言うと女性が男性にチョコを渡すイベントですよ」
いその「チョコ、チョコか……西洋の菓子には馴染みがないな」
サクヤ「そうだと思って、いそのさんへのチョコは抹茶風味にしてみました」
いその「抹茶味……ふむ、中々趣きのある味だ。シンプルで飽きの来ない味だ」
いその「どちらかと言えば和菓子の風味に近いか。甘さの種類は餡に近い……うむ、美味い」
サクヤ「ああ、それともう一つ付け加えておくと、今日は女性が意中の男性にチョコを渡す日でもあります。これは義理ですけどね」
いその「成る程…………もしや、先程ルキから貰ったチョコは……?」
サクヤ「ご想像の通りかと。ちゃんと来月、お返しを作ってあげてくださいね」
328
:
さくや
:2016/02/14(日) 10:47:51 ID:ipcb7WK6
むぅ「さくやーーーー!チョコ!チョコ頂戴!!!ギブミーチョコレート!!!」
サクヤ「では、どうぞ姫。メイドからのささやかなプレゼントです」
むぅ「やったー!……わぁ、きらきらしてる!宝石みたい!」
サクヤ「ウィスキーボンボンです。とはいえ、姫はまだ子供ですから、食べ過ぎには注意――」
むぅ「子供じゃないよぉ!これくらい食べられるもん!……あはは、美味しい!」
むぅ「でも不思議な味……これが大人の味っていうものなのかなあ。もぐもぐ」
サクヤ「ウィスキーの風味を重視しましたから。どちらかと言えば大人向けですが、そこはまあ少々調整して。」
むぅ「ふうん。もっと食べたいな!もっとちょーだい!」
サクヤ「え、もう食べ終わったんですか!?……ふふ、その食い意地はお姉さん譲りですね……」
甘楽「バレンタインデーだが」
サクヤ「だね」
甘楽「チョコは?」
サクヤ「……欲しいの?」
甘楽「住人に配り歩いていると聞いた。なら俺の分もあるはずでは?」
サクヤ「甘楽、今日が何の日か知ってる?」
甘楽「さっきも言っただろ、2/14はバレンタイ―――――っ!」
甘楽「1926年、血のバレンタイン。1919年、ソビエト戦争開戦……!」
サクヤ「そう。そんな日だというのにチョコを要求するつもり?」
甘楽「……サクヤ、俺は間違っていたよ。そうだな、今日は喪に服すべきだった」
甘楽「おお、迷える御霊に救いあれ……ナムアミダブツ」
サクヤ「(なんとかごまかせた)」
サクヤ「姉さん、いる?」
ルキ「おや、サクヤか……すまんな、先程までチョコを作っていたから研究室内がチョコ臭いだろ」
サクヤ「ああ、私もずっとチョコ作ってたし大丈夫だよ。それと、これ。姉さんに」
ルキ「私宛か?……はは、まさか本命とは言わないだろうな」
サクヤ「うん、家族チョコだよ。だって姉さんには、もう」
サクヤ「……こほん。ともかく、もし良かったら食べてくれると嬉しいな。拙い出来だけどね」
ルキ「ありがたく貰っておくぞ、妹よ」
ルキ「それと私からも……ほら。お前の大好物だ」
サクヤ「これは……和の国の名物菓子「ポット」!ありがとう、姉さん!」
ルキ「最後までチョコたっぷりだ、存分に味わってくれ」
329
:
さくや
:2016/02/14(日) 10:53:04 ID:ipcb7WK6
神流「……そういえばさ、サクヤから本命貰った人、いる?」
執事「いや?俺のは義理だったが」
K「右に同じく」サクサクサクサクサクサクサクサクサクサク
リン「ボクのも義理だね。メッセージカードにそう添え書きされていたよ」
いその「俺のも、恐らくは……こういう習慣に疎いものでな、察するのは難しい」
m2「俺のはデカかったが義理だと言われた。それにしては手のこんだもんだったが」
ルキ「私へは家族宛てのチョコだと言っていたが……」
むぅ「じゃあきっと私が本命―――あ、義理って書いてあった」
執事「甘楽はそもそも貰ってない……というか、チョコ貰った?って聞いたらチョコを欲しがるとは何事だ!と怒られた」
神流「むむむ、謎だねえ……ルキへのチョコも本命じゃないとすると、本命は一体誰に……?」
330
:
さくや
:2016/02/14(日) 11:30:04 ID:ipcb7WK6
――――――屋上
サクヤ「本命チョコは自分に、ってね」
サクヤ「ううん、自分を愛するなんて、慣れないことするもんじゃないなあ」
サクヤ「……でも、あの時決めたから。これからは自分も愛していく、って」
サクヤ「そうだよね、“私”」
331
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:40:46 ID:2KBpkoWU
3/30日。この日はサクヤの誕生日であった。
当の本人であるサクヤが忘れるはずもなく、この日は何の日よりもソワソワしていた。
トントン
ドアのノックされる音。一気に心臓が高ぶった。
サクヤ「はぁーい」
何の気なしに返事をしたつもりではあったが、その声は完全に浮かれていた。
ころね「私だけど。」
普段よりかしこまった声。もしかしたらそう聞こえただけかもしれないが、とにかく扉を開けた。
ころね「・・・」
うつむき加減のころね。
ころね「お、おじゃまするね」
サクヤ「ど、どうぞ・・・?」
ただでさえサクヤおり背の低いころねが下を向き、表情の全く伺えない様子を見ると、とても人を祝いに来たようには見えない・・・が、これもサプライズか何かだろう。黙って見てお
くのが受け側の務めである。
ころね「ドア・・・閉めて?」
部屋の奥のソファに腰かけたころね。
依然として俯いて表情は見えない。
そこからしばらくの沈黙。
仕方なく、当人から切り出した。
サクヤ「えと・・・どうしたの?」
ころねはその言葉にピクリと反応し、そしてその紅潮した顔を見せた。
ころね「きょ、今日さ・・・誕生日・・・だったよね?」
少しの間。
なんだかやけに一言一言が重い。
サクヤ「う、うん。そうだけど、覚えててくれたんだ。嬉しいな。ありがとう」
その言葉に一層頬を赤らめるころね。一体なんだと言うのか。
ころね「その・・・これ、誕生日プレゼント。」
その手には小さい四角の、綺麗に包装された物があった。
サクヤ「ありがとう!!中、見てもいい?」
ころね「うん・・・いいよ」
中身は、前々からサクヤが欲しいと思っていたピアス。相当値の張る物だ。
サクヤ「うわあ!!本当にこれ、貰っていいの?!」
ころね「うん。」
サクヤが早速ピアスを耳につけ、披露してあげようと鏡の前で格闘していると、ころねはまた俯いて、立ったまま動かなくなってしまった。
やっとこさ装着が終わり、振り向くと、初めてまたその異変に気付く。
流石のサクヤも困惑し、立ち尽くす以外なかった。
再び沈黙。
しかし、その沈黙を破ったのは、ころねの方だった。
ころね「あのね・・・サクヤ・・」
今にも泣きだしそうな震えた声。
一体何を言い出すのか不安でたまらないサクヤは、返事すら出来ない。
ころね「その・・・私・・・その・・・」
サクヤはひたすら話の結末を待つ。
ころね「私ね・・・その・・・」
全く話が進まないころねに、流石に自分が引き出してあげるべきだと思い、言葉を発しようとした時、それを遮る様にころねは言った。
ころね「私、サクヤの事が好きなの・・・」
サクヤ「え?」
332
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:41:31 ID:2KBpkoWU
突然の出来事。
理解が追い付かないサクヤは必至に頭を回転させるが、それでも追い付かない。
ころね「サクヤはどうなの・・・?」
サクヤ「えと・・・その・・・」
滅多に無い体験が為に普段キレる頭は全く使い物にならない。
一方、全てを語りきったころねは落ち着いた面持ちでいる。
サクヤ「・・・」
気まずい沈黙。
素直にハイと言えばいいのだが、口が思う様に動かない。
無理矢理に動かせば、変な声にもならぬ音が出そうで、怖くて動かせない。
この気まずさに耐えかねたころねは、定石を踏む。
ころね「返事はまた・・・まとまったらでいいから・・・。」
そういうとサクヤ一人置いて彼女は出て行ってしまった。
しばらく立ち尽くすサクヤ。まだ頭がぼうっとする。
サクヤ「とにかく、飯を食おう。」
自分に言い聞かせ、食堂へ向かった。
執事「おう、サクヤ、こんな時間に飯か?珍しいな。」
サクヤ「!!!!!!??????」
道中突然話しかけられたサクヤは、異常に反応してしまった。
執事「うおっ、なんだよその反応。もしや・・・隠し事か?」
別に隠してるつもりはないが、図星と言えば図星だった。
サクヤ「なななな、ないないない!そんなの断じてない!」
そういってサクヤは食堂まで全力で走った。
執事「なんだあれ。あるって言ってるようなものじゃねえか。」
333
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:42:11 ID:2KBpkoWU
食堂につくと、m2、リン、ルキが談笑していた。
m2「お、サクヤ。そういやお前、誕生日だよな。」
落ち着かなくては、落ち着かなくてはと必死に自分に暗示をかける。
サクヤ「お、おう。そうだよ」
その顔は十分に引きつっていた。
ルキ「な、なに!?そうなのか!?」
リンに耳元で話しているが、丸聞こえである。
リン「えー、知らなかったの?ひどい!」
ルキ「ば、ばか!お前も小声で話せ!」
いつもの日常を眺めることで、少し落ち着きを取り戻したサクヤ。m2はいつの間にかどこからか取り出した綺麗な石を持っている。
m2「ほら、誕生日プレゼント。お前、前に魔結晶欲しいって言ってただろ?こいつは近年でも稀に見る高純度の結晶だ。売ればそうとう高値がつくぞ・・・?」
サクヤ「あ、ああ。ありがとう。」
プレゼント、という言葉がころねと被る。
m2「なんだ。あんま嬉しそうじゃないな・・・これじゃあ不服か?」
サクヤ「いや、決してそんなんじゃない!とても嬉しいよ!」
m2「ふうん・・・ならいいが。売るなよ?」
サクヤ「当たり前だろ!!で、リンもなんかくれるのか?」
おこがましいとは思ったが、洞察力の鋭いm2とは早めに会話を切りたかった。
リン「もちろん!!ジャジャーーーン!スカーフ!!絶対に合うと思うんだよね!!」
取り出したのは緑色のスカーフ。素朴だがそこがいい。
サクヤ「おお!いいセンス流石リン!」
リン「へへへ〜」
ルキ「おいサクヤ。すまないが今ここにプレゼントはない。あとで、私の部屋に来てくれ。」
忘れてたんだろ、っと心の中で一喝。
するとそこへ執事が食堂へやってきた。
食堂内を見て一瞬絶句し一言。
執事「サクヤ、後で俺の部屋こいや。いいもんやるよ」
サクヤ「お前忘れてただろ。」
普通に一喝。
334
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:42:54 ID:2KBpkoWU
それからしばらく食堂で過ごしたが、どうにも気持ちがフワフワする。
落ち着かない。
何か気分転換がしたかったが、特に出来ることも無いため、ルキの部屋へ向かってみることにした。
コンコン
「どうぞー」
いつもとかわらぬ白を基調とした殺風景な部屋。
科学者はみんなこうなのかと毎回思う。
ルキ「おう、よく来たな。お前への誕生日プレゼントは、これだ!」
そういって差し出したのは大量のカルメ焼き。
砂糖と重曹を混ぜ合わせれば小学生でも簡単にできるお菓子だ。
よく部屋の隅を見れば、アルコールランプや台が冷やされている。
そしてなによりカルメ焼きは、熱かった。
サクヤ「時間ないのはわかってたけど、科学者としてこれはどうなんだよ・・・」
サクヤにとってはほんの些細な小言だった。
大した悪意のない、小さな小言。
だが、彼女の心を壊すのには十分だったようだ。
ルキ「うっ・・・グスッ・・・」
サクヤ「ええ!?」
サクヤは心底驚いていた。
普段からこの程度の小言、さんざん言ってきたからだ。
違うところと言えば、今日が自分の誕生日と言うところだが、それでも泣くほどのことか。
ルキ「私はどうせ科学者の端くれにも置けませんよぉ・・・」グスッ・・・
サクヤ「ご、ごめん・・・でも、そんな、泣くこともないだろう?」
ただの本音だったが、ぶつけてはいけなかった。
ルキ「うるさい!!バカ!!!私はね!!あんたのことが、心から好きだったの!!愛してるの!!なのに・・・こんなのって・・・こんなのってないよ・・・!!」
サクヤ「は?」
335
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:43:39 ID:2KBpkoWU
困惑するサクヤ。泣きじゃくるルキ。
この部屋はまさにカオスだった。
その時、おもむろにドアが開いた。
執事「んだよ騒がしいなぁ・・・て、お前何泣かせてんだ!?」
サクヤ「あいや、これはその、」
執事はまさに怒り心頭と言ったところだ。
執事「お前ちょっとこっちこい」
そのまま執事の部屋へと引きずり込まれた。
執事「はぁ・・・で、ルキの気持ちに気付かず、ひどいことを言ってしまったと。」
サクヤ「悪いと思ってる・・・」
執事はなにやら考え込む素振りを見せ、おもむろに立ち上がり棚から何かを出した。
手にはなにやら歴史の古そうなバタフライナイフが握られている。
執事「心配するな。こいつは過去の遺物。もう殺傷能力はない。観賞用だ。」
サクヤ「は、はあ・・・」
執事「これがお前へのプレゼントだ。」
サクヤ「あ、ありがとう・・・」
サクヤにそれを手渡すと、棚の戸を閉めに、また背中を向ける。
そして振り返ることなく、サクヤに語った。
執事「んでさ、答えは・・・どうなの?」
サクヤ「答え・・・?」
一瞬ころねの方かと思ってしまったが、状況的に考えてルキの事だと察する。
サクヤ「別にコクられたわけじゃないし・・・」
執事「いや、答えは必要だろ。イエスか、ノーか。今答えなくても、いづれ答えることになる。」
もっともだった。
ここで逃げてもただの延命措置。
それに、答えは決まっていた。
サクヤ「・・・ノーだ。」
執事の肩が下がるのが目で見てわかった。
執事「よかった。ならまだ俺にも、チャンスがあるってものだな。」
これは驚いた事を聞いたサクヤだが、ここは冷静にすますことにした。
サクヤ「ああ。そうだ。超強力な恋敵が自ら辞退するなんて、願っても無いことだよなあ。」
ハハハッと笑うサクヤだったが、想像と違う。
執事の笑い声が重ならない。
嫌な予感がし、執事の背中を凝視する。
執事「まっっっっったくわかってないよお前。一昔前のラノベの主人公かよ。」
それ以上言うな!言わないでくれ!!と心の中で叫ぶサクヤ。
執事「こんだけ頑張ってんのにお前はどこ向いてんの。なあ。」
サクヤ「お、おちつこ?」
執事「この際だハッキリ言うよ。俺はお前が」
身を返し、目を見る執事。
執事「俺はお前が、好きだ。サクヤ」
336
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:44:12 ID:2KBpkoWU
サクヤ「はああああああああああああああああああ!?いやいやいや、お前、男だろ!?」
きょとんとする執事。
執事「いやお前、女だろ。」
きょとんとするサクヤ
サクヤ「あ、ああ。そういや、そうだ。何もおかしくない。でも、でも私はころねが好きなの!だから・・・執事とは・・・」
バタン!!!
勢いよくドアが開く。
そこに居たのはリン、m2、レイ、かんら、いそそ・・・
全員が何かを決心した表情をしている。
一瞬で何かを察知したサクヤは、必死に執事に懇願する。
サクヤ「頼む!!後生の願いだ!!助けてくれ!!何とかしてくれ!!!」
しかし執事は顔色一つ変えない。
執事「無理だ。もうわかってると思うが・・・皆お前のことが好きだ。愛しているんだ。」
そうだ、そうだと口々に皆が言う。
執事「お前には全員の愛を受け止める義務がある。」
サクヤ「そんなのない!!!」
執事「ある!!!!!!」
あまりの迫力に圧倒されるサクヤ。
こんな執事見たことない。
執事「もし受け止めきれないというのなら・・・。」
懐から取り出したのは、もちろん銃。
執事「皆一緒に死のう。」
これは光国の策略だと気づいたサクヤ。
必死に原因を探るが、思い当たる節が無い。
後ろの野次馬達も死のう死のうと言い始めめる。
まさにホラーだ。
だんだんと、目の前が真っ暗になっていくサクヤ。
もう、ダメだと思ったその時、ひときわ大きく聞こえる声に気付く。
ころねの声だ。
「思い出して!!これまでの事!」
サクヤ「これまでの・・・こと・・・」
まずころねに告白された・・・戸惑って・・・困惑して・・・緊張して・・・そのあとルキに告白されて・・・そのあと執事に・・・私は・・・俺は・・・
・・・。
私・・・俺・・・?
あれ、どっちだっけ・・・?
だが確かにころねに告白されたときは男だった。確かに・・・。しかし、今は女。・・・。まさか・・・
まさか・・・リアルとネットが混在している・・・。
ということはこれは・・・。
不意に起き上がるサクヤ
執事「どうだ?答えはきまったか?」
不敵な笑みを浮かべるサクヤ。
勝利はもう決まっていた。
サクヤ「答えは・・・こうだ!!!!!!!!」
思い切り自分の頬をつねる。
執事「まて!!やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!」
目覚めた先は自分のベッド。時刻は3/30日の午前3時。
寝汗でびっしょりだったが、それ以上に眠かったため、そのまま寝た。
今日は楽しい一日になるんだろうなと思うと、胸が躍った・・・。
一同「サクヤ、誕生日おめでとうーーーー!!!!!!!!」パンパンッ!!!
ころね「おめでとうサクヤ!これからもよろしくね!!」ガヤガヤ
サクヤ「う、うん。よろしく・・・」ポッ
ころね「何赤くなってんの?」
337
:
サクヤお誕生日でとうSSプレゼンテッドバイ執事
:2016/03/30(水) 02:45:16 ID:2KBpkoWU
製作時間実に2時間
ん〜最高傑作
338
:
かんな
:2016/03/30(水) 11:15:52 ID:???
読む前のぼく「なんだこれ」
読んでるときのぼく「なんだこれ」
読み終わったぼく「なんだこれ」
339
:
さくや
:2016/03/30(水) 18:21:11 ID:t1OrrVP6
3回くらい読み返したぼく「なんだこれ」
340
:
しつじ
:2016/03/31(木) 09:51:30 ID:4MS6Lb3A
嬉しいか、そうかそうか!
341
:
さくや
:2016/07/06(水) 11:09:19 ID:kI5.mXzQ
サクヤ「けーちゃーん、プレ◯テやらせてー」ガチャッ
k「だからノックもせずに入ってくるなよ!?いいけどさ!」
サクヤ「ぬああまた負けた!壊れてるんじゃないのこれ!」
k「壊れてねえよ…しっかしサクヤ、なんだって一々俺の部屋でゲームするんだ?自分の部屋にもってけばいいだろ」
サクヤ「え?やだよ、そうしたらけーちゃんの部屋で二人で遊べなくな………っ」
k「え」
サクヤ「あっ」
サクヤ「ち、違っ、ほら私の部屋って家具とかあんまりないし!コンセントもないからさ!」
サクヤ「それに私の部屋は最上階だし!?そこに持ってくまで大変だし!あは、あはははは!!!」
k「そ、そうか……」
サクヤ「う、ん………」
k「………………………」
サクヤ「………………………」
k「サ、サクヤがいいなら……」
サクヤ「?」
k「サクヤがいいなら、俺はお前の部屋で遊んでやっても……いいけど……」
サクヤ「〜〜〜〜っ!?!?///」
サクヤ「で、でも私は………」
サクヤ「け、けーちゃんの部屋で……遊びたい、から……」
k「なっ……///」
サクヤ「……あ、レアアイテムゲット」
k「まじか、おめ」
342
:
しつじ
:2016/07/28(木) 18:25:57 ID:Wlf4LsZ6
ほう
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