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从'ー'从ブーン系小説&イラスト練習総合案内所
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从'ー'从いらっしゃ〜い。ここはブーン系小説読み物イラスト練習&総合案内所だよ
〜
初めての方や馴染みのない方は以下のブーン系wiki、テンプレ等をよく読んで、
理解と協力をお願いね〜。
・総合スレにおける最低限のルール、マナー
・よくあるQ&A
・作者様及び読者の方々への注意事項
・AAテンプレ一覧
・荒らしについて
ブーン系wiki
http://boonkei.wiki.fc2.com/
http://www43.atwiki.jp/boonkei/
↑が見れない、AAがコピー出来ない方の為の予備サイト
http://boonkei.web.fc2.com/top.html
http://boonkei.m.web.fc2.com/top.html(携帯用)
兄弟スレ ( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★44
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1333728643/
( ^ω^)ブーン系小説板のようです(旧避難所、スレ立て上限に達した)
http://jbbs.livedoor.jp/sports/37256/
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(;'A`)
(;^ω^)
(;`・ω・´)
(,, Д ) ……行くぞ
隊員の死体を残し、探検隊は階段を登り続けた
7日目、まだ階段の終わりは見えない
次に探検隊を襲ったのは耐え難い暑さだった
(; ω ) はぁ……はぁ……
(,;゚Д゚) マグマ溜りが近くにあるんだろう。しばらく進めば涼しくなるはずだ
(;` ω ´) はぁ……はぁ……
(illA ) ドサッ
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(; ω ) ドクオ!
(,; Д ) 構うな!
(; ω ) !
(,; Д ) ここで時間を取られれば、我々は全滅しかねない
(,; Д ) それともお前が背負って行くとでも言うのか!?
(; ω ) ……そうさせてもらうお
(;` ω ´) ブーン……
(,; Д ) ふん、勝手にしろ!
(; ω ) ドクオ、もう少しの辛抱だお。頑張るお……
隊員は二度と目覚めることなく、探検隊は三人になった
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14日目、終わりの見えない恐怖が一人の隊員の心を壊した
(;^ω^) お、落ち着くおシャキン!きっともうすぐ地上に出るはずだお!
(`゚ω゚´) もう限界だ!家に帰してくれ!
(,;゚Д゚) それは危険だ!食料も残り少ない、とても引き返せる状況じゃない!
(;^ω^) 地上に出れば食料は調達できるはずだお!帰るのはそれからだお!
(`゚ω゚´) そう言ってもう3日だ!俺は帰る!帰るんだ!ダッ
(,;゚Д゚) まっ、待つんだシャキン!
(`゚ω゚´) うおおおぉぉぉぉぉぉ! ダダダダダッ……ズルッ
(`゚ω゚´) えっ……う、うわあぁぁぁぁぁ! ゴロンゴロンゴロンゴロン
隊員は階段を転げ落ちる
ようやく止まることができたのは、隊員の一人が眠る土砂の前だった
探検隊は二人になった
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27日目、食料が底をついて4日目
( ω ) フラ……フラ……
(,, Д ) ドサッ
( ω ) 隊長!
(,, Д ) すまんな……俺はここまでらしい……
( ω ) そんな……
(,, Д ) 今思えば引き返すというシャキンの判断は正しかったかもしれないな……ははっ……
(,, Д ) ブーン、お前には辛い思いをさせてしまうな。約束通り頼むぞ
( ω ) ……はい
(,, Д ) 泣くな、水分がもったいない
(,, Д ) 後は任せたぞブーン、必ずや……地……上……に………… ガクッ
探検隊は一人になった。しかし、食糧問題は解決した
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35日目……
( ゚ω゚) あれは……!
ついに階段にも終わりが見えた
( ゚ω゚) ハッ……!ハッ……! ダッダッダッダッ
足取りは軽く、全身に力が漲るのを感じる
( ゚ω゚) ギコさん、ドクオ、シャキンさん、ニダーさん…… ダッダッダッダッ
そして……
( ゚ω゚) ついに、たどり着きましたお……
( ゚ω゚) ここが地上……
隊員は見上げる
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( ゚ω゚) これが……空……
( ;ω;) お……お……
……もしも彼が考古学に通じていたならば
もしそうであれば、彼の横に立てられた看板に書かれた「B2139」の文字を読むことができただろう
青く塗られた天井を愛おしそうに見つめながら、隊員はいつまでも、いつまでも涙を流し続けた
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おしまいです
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なんてオチだ……乙
良い話だった
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正直落ちは何となくわかっても看板の意味がわからない俺ガイル
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乙
蒼すぎる空の人?
>>607
地下2139階
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>>608
違う人です
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いいね オチもありきたりながら秀逸
描写にこだわってもっと膨らませば立派にスレ立て短編でいけるな
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バッドエンドでスレ建てって結構カロリー使いそうだな
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好きだ
乙
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<^ω^;削除>
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いちいち持ってこなくていいよ
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そういやペルソナってどうなったの?
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ペルソナみないな最近
うまいタイトル、また読みたくなるようなタイトルの付け方のコツ教えてくれよ
そういう意味でいいと思ったがタイトル例も
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俺はストレートでタイトルから内容がほんのりイメージできるのが好きだな
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短編とか中編ならオチとかかってるのが個人的に面白いと思う
読み終えた後に改めてタイトル見て「ああ!」って思えると気持ちい
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俺は逆にひねりすぎたりまんますぎたりするタイトルはあまり見ようとは思わないな
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<^ω^;削除>
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たとえばうまいタイトルってどんなのよ
短編とか中編で
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>>620
誤爆です……死んできます……
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V のようですとか良かったと思う
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ぱーぺき!のようです
みれんのようです
ブーン小説が終わったようです
この辺が内容と合わせて上手いというか良かったなあ
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確かに名作のタイトルは解りやすくてシンプルなイメージ
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歩くとかね
綺麗な街もまんまなタイトルだけど意外性あっていい
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個人的には読点ある奴と言うか
―――、のようです とかが好きだ
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あいむNOT。
正直このタイトルは「ない」と思う。でも、内容さえ面白ければ評価されるといういい例。
タイトル悩むよりは本編捻ったほうがいい。
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ギャグ物はスレタイ重要やな
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Vはかなりいいタイトルだったが
意味に気づいた奴が投下中に思いっきりネタバレしたのがな
あれがなければ……
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創作板はようですつけなくてもいいからかなり自由度広がるよね
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でも個人的にはつけてほしいかな
「ようです」を含めてこそブーン系
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作中に別の作品の名前出すのって大丈夫かな?
許可取るべき?
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自分が気にしてて取れるならとったら?
別に作品名出すくらいいいだろ
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さんくす
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創作板はじめてきた
いつもVIPにいたけど、寂しくなってこっちきた
盛り上がってて嬉しいが
その分VIPがスカスカだと思うとまた寂しくなってきた
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>>636
welcome to underground
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いくら嘆こうとなるようにしかならん
場所なんざ些細なことだ
とにかく楽しめ
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ちょっと訊きたいんだけど、ブーン系で一枚絵ずつレスしてって
漫画みたいに物語作ってくようなスレたてたら、それはもうブーン系じゃないかな?
ミュウツーがポケマスめざすみたいなのをブーンたちで、ファンタジーバトルでしたいんだけど…
できれば創作版でしたいけど趣旨違うならVIPでやるべき?
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>>639
おお面白そう!
どっちがいいとかは分からないけどVIPの方が反応良さそうではあるよね。ブーン系初心者でも興味持てそうっていうか
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>>639
創作板でやりたいならこっちでもいいんじゃないか
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板の字チゲぇえぇえええ!!!!
>>640-641
さんくす!かきだめ済んだら創作に投下してみる!
そんで、なれたらVIPに突撃もしてみるわ!
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大分前にVIPで投下した作品をブーン系に再編集したいんだけどルール違反かな?
設定は引き継いだのに大きく付け足して、文章も新しく書き下ろしてる最中
ちなみに前の奴は章でいうと一章目で完結させてあるって感じ
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荒らしやスパムでもなければ大体おkじゃね
リメイクならそもそも文句も出ないと思うし
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そうなのか、サンクス!
安心して書き溜めてくる( ^ω^)
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キーボードで内藤って打とうとしたらタイプミスで無い乙ってなった
touとotuの差だからさ…
(´:ω;` )
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, ,:‘. 。 + ,..
’‘ + ,.. . ..; ', ,:‘
. .; : ’ ' ,:‘.
あ あ ,:‘. +
.. ' ,:‘. . ...:: ’‘
’‘ /ニYニヽ こ ん な に も 「で ?」 っ て い う
/( ゚ )( ゚ )ヽ 。
/::::⌒`´⌒::::\ 気 持 ち に な っ た の は ,:‘. 。
| ,-)___(-、|
| l |-┬-| l | 初 め て で す .. ' ,:‘.
:: .\ `ー'´ / .. ' ,:‘.
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〈〈〈 ヽ
〈⊃ }
/ニYニヽ | |
/( ゚ )( ゚ )ヽ ! !
/::::⌒`´⌒::::\ /
| ,-)___(-、|/ こいつ最高にでっていうwwwwwwww
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ /
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/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
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風の料理人みたいな料理系の作品ない?
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ドラゴンクエストのようです
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ちょっと違うかもしれないが、板さんになりたいようですとか?
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料理がメインになってるのはしらんなあ
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美味しいお肉nいやなんでもない
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今あるウチごはんはカウントしないのか
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ブーン系料理食事シーン集とか集めてみたいね
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僕モナの食事シーンは面白かった
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ガンガン異食はちょっと違うか
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歯車の食事シーンも好き
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第107話 ◆azwd/t2EpE :2008/09/22(月) 22:45:01.04 ID:9jA+QYFf0
( ’ t ’ )(いい寒鰤が手に入ったことだし……)
次は昆布と鰹節を買い求めた。
その他、白菜や椎茸、大根や人参、葱などを次々に銭と引き換えて袋に入れていく。
最後に、小振りの銅鍋を手に入れてから、町を離れた。
町から五十里ほど、馬で駆ける。
雪化粧を施し終えた森に入って、雪の積もっていない場所に腰を下ろした。
風除けを作ってから火を熾し、鍋を掛けた。
水と昆布をまず煮込んでから、鰹節を投入する。
煮立つのを待つ間に、野菜を細かく切り分けて、寒鰤を捌いた。
火が通りやすいよう、寒鰤は薄めに切る。
少量の酒を混ぜ込み、十分に出汁の取れたところで、野菜と寒鰤を鍋に落とした。
鍋からは湯気が放たれ、ぐつぐつと音が立っている。
昆布と鰹節の匂いが鼻を満たした。
( ’ t ’ )(……よし)
寒鰤と野菜が煮えたところで、鍋から引き上げて食した。
出汁がよく取れていて、食材に味がしみ込んでいる。
特に寒鰤はやはり、見こんだとおり、脂が乗っていて旨かった。
料理は、ベルの従者だった頃に毎日やっていた。
本来は給仕の仕事だが、とにかくベルのために働きたい一心で、無理やり仕事を貰っていた。
味付けの好みは今でも思い出すことができる。
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>>660
全く同じこと考えててびっくり
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カルリナだっけ、そいつ
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脳味噌グラタンはある意味料理メイン
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アルファは食事シーンいいのよ これとか
荷物を降ろしてからは、すぐに火を熾した。
暖を取るためでもあるが、今晩の夕食を用意するためでもある。
昨日、カレイドスター城の城下町で買った、骨のついた鶏の腿肉を火で炙っていく。
肉は拳以上の大きさがあり、骨を掴んで火に近づけても、手はさほど熱くならない。
皮の色が変わりはじめて、肉から油が落ちるまで焼き、裏側も充分に熱する。
鶏肉と一緒に買った鶏がらを、葱や大蒜、生姜や塩などと一緒に煮込んだタレを取り出した。
焼いている途中の肉に垂らすと、香ばしい匂いが広がる。
鶏肉の色はだいぶ深まってきていた。そろそろ頃合いだろう。
焼き上がった肉の表面に浮く油は、火に照らされて輝いている。
まだ火から離したばかりだが、すぐにかぶりついた。
71 名前:第112話 ◆azwd/t2EpE [] 投稿日:2009/05/04(月) 09:55:06.61 ID:Qic+ulwE0
ほんの少し固くなった皮が小気味のいい音を立てる。
しかし、肉そのものは程よい柔らかさだ。
火は中までしっかりと通っていた。
肉は咀嚼のたびに口の中を濃密な味わいで満たしていく。
昨日作ったタレとは上手く合っていたようだ。
すぐに一本目を食べ終え、二本目を焼いた。
一本目より少し、味付けを薄くして、あっさりとした味に仕上げる。
だが、一本目よりも一層味わうように、ゆっくりと頬張っていった。
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どっかの誰かが言ってた
「小説書くのうまいやつは決まって料理の描写がうまい」
逆だっけか? まあそんな感じの
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料理題材や描写はあっても、作り方まで書いた作品はあんまりないなあ
( ^ω^)のお料理教室
ttp://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/blog-entry-3097.html
( ^ω^)は日々変わらないようです
ttp://vipmain.sakura.ne.jp/end/508-top.html
( ^ω^)ブーンの愉快な大衆食堂
ttp://boonsyo.web.fc2.com/tyouhen/pleasant_restaurant/pleasant_restaurant.html
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ゴッドイーター
装術師
ってどうなったか知ってる人いる?
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>>667
ゴッドイーターのほうは作者が大スランプになって
続きが書けないような事を言ってた気がする
装術士のほうは単に期間が空いてるだけじゃないの
PC規制中、まだ次話が書けてないから投下できないとか
待ってればそのうち投下あると思う
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>>668
おお、ありがとう
ゴッドイーターは打ち切りか・・・残念
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とうかしま
ちょっとながい
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恋愛というものを、このかた十六年の間で僕は知らないでいた。
川 ゚ -゚)「…」
興味がなかったといえばそうなるし、そういった状況に至らなかったと言えばそうなるだろう。
だが高校生といえば勉学よりも恋愛、なんて断言できるほどに充実した条件が揃った環境なのは頷ける。
ξ*゚⊿゚)ξ「…」
そのような環境に居ながら自分は、恋愛というイベントに手を出さないでいた。知らないでいた。
そう、例えるならこんにゃくの作り方を知らないこんにゃく製造員みたいな。
从 ゚∀从「…」
歪で、どうしてそのような立場に至ったのかわからない人間が僕であるに違いなかった。
('(゚∀゚∩「…」
───まぁ、歪だろうがなんだろうが。
( ^ω^)「…お前ら相手と恋愛関係に至るなんて、正直な話」
絶対に嫌だもん、僕。
-
僕らが現在いる場所は放課後の教室であり。
そして僕を含め五人の高校生がこの教室に残っていた。
ξ*゚⊿゚)ξ「ちょっといいかしら」
ぼそっと呟いた言葉にまず反応したのは金髪ドリル頭の幼馴染だった。
彼女は前方の座席の椅子に足を組んで、もたれ掛かるように座っている。
( ^ω^)「なんだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「……1つだけ聞きたいんだけど、アンタってホモなの?」
空気を一瞬でブレイクさせる発言をする幼馴染。流石です、ツンちゃんよ。
クラスの中で伊達にブレイク姫と呼ばれるだけはある、つまりは空気を読めない女だな本当。
だがそれは、包み隠すことをよしとしない彼女の思いやりだということは、僕だけしか知らない事実だろう。
( ^ω^)「違うお、お前なにいってんだお」
ξ*゚⊿゚)ξつ
僕の返しに無言で指をさす彼女。
( ^ω^)「…」
その指さされた場所をゆっくりと視線を向ける。
('(゚∀゚;∩「えっ……」
そこには教室の端でポツンと立っていた僕の後輩の姿があった。
背は小さく、気も小さい。外見はまるで女の子と間違ってしまいそうになるぐらいに可憐な顔立ち。
だが男だ。
-
( ^ω^)「至極、真っ当な意見として聞き入れようお」
ξ*゚⊿゚)ξ「やっぱホモなのね」
( ^ω^)「聞けお。聞き入れるだけだ」
ξ*゚⊿゚)ξ「…聞き入れてる時点でアウトじゃない」
確かにそうかもしれない。だが、僕はそう答えることしか出来ないのだ。
なぜならそれは───
('(゚∀゚∩「───違うんです、出来ツンさん」
固まりかけた空気を解すような、可愛らしい声が教室の中に響き渡った。
発信源は見なずともわかる、僕の可愛い後輩であるナオくんだ。
ξ*゚⊿゚)ξ「……何が違うのかしら、それからどうしてアタシの名前を?」
('(゚∀゚∩「……すみません、内藤先輩から聞いていました」
ξ*゚⊿゚)ξ「そう……」
その言葉にツンがそっと流し目をこちらに送ってくる。
なんだよ、世間話で出たぐらいで何も話しちゃあいないさ。多分ね。
-
ξ*゚⊿゚)ξ「それで? 話は戻すけど何が違うっていうのかしら」
('(゚∀゚∩「……先輩が、ホモだって言うことです」
ごくり、と。
顔全体に真面目要素たっぷり振りまいて答えてくれるナオくんだったが。
実際問題、そのことを疑ってる人物は誰一人としていないことは僕だってわかっていた。
そんな勘違いもかわいいよ、ナオ君。
ξ*゚⊿゚)ξ「うん、そんなことは分かってる」
('(゚∀゚;∩「あ、あれ? そうなんですか……?」
ξ*゚⊿゚)ξ「アタシも冗談で言っただけだから」
('(゚∀゚;∩「そ、そうなんですか……スミマセン…」
ああ、ちくしょう。そんなしょんぼりとした顔もキュートだなナオ君、君は本当にもったいない。
川 ゚ -゚)「かわいいな」
そんな僕の気持ちを代弁してくれたかのように、僕のすぐとなりで立っていた女子が言葉を零す。
壁にもたれ掛かるようにして腕を組む女の子、黒髪を腰まで伸ばし無表情に近い色を顔面に貼りつけた。
名前は素直 空、この学園でもっとも名の知れ渡った有名人だ。
川 ゚ -゚)「是非とも蝋人形にしたい」
変人として。
-
( ^ω^)「…」
ξ*゚⊿゚)ξ「…」
('(゚∀゚;∩「えっ?」
同じクラスである僕とツンは慣れたもんだったが、一年であるナオ君はモロに衝撃を受けたようだ。
表情を強ばらせて、ただえさえ離れた場所に居たのにさらに距離を置くようにして一歩遠ざかってしまう。
川 ゚ -゚)「…」
その様子に少しショックを受けている彼女。変人として謳われ崇められている彼女だが。
これでも繊細で気の小さいウサギのようなメンタルの持ち主であることを、僕だけしか知らなかった。
川 ゚ -゚)(またやってしまった……)
( ^ω^)(またやってしまったと、思ってるんだろうなこの馬鹿)
だが実に良い展開だ。このまま僕のノリに任せて事を進めさせていただくことにしてもらう。
( ^ω^)「空、彼はどうだ可愛いだろう」
川 ゚ -゚)「…ああ、可愛いな。いつの間に手を出した?」
( ^ω^)「部活の後輩だこのアマ」
駄目だ、変人に言葉は通じないらしい。
しかしながらその返答は僕にとっては予測していたものだった。いいぞ、それでいい。
-
( ^ω^)「如何せん、空。君が言葉にした意味もわかる」
言葉を紡ぎつつ、視線を左へと向け彼女の視線と合わせる。
( ^ω^)「事実、彼は女の子のように可愛い。だが男なのだよ、本当に」
川 ゚ -゚)「そのようだ。男子生徒の制服を着ている時点で、わかることだ」
うむ、と頷く彼女。
川 ゚ -゚)「だから手を出したのだろう? 私はどうやら、君のことを見くびっていたようだ」
見くびったままでよかったと思う。
しかしそれでだけでは僕は怯まない、だってそれは彼女の冗談だということがわかっているからだ。
( ^ω^)「……相変わらず、僕を虐めることが好きなようで」
川 ゚ -゚)「はて? なんのことだが……内藤、君はわたしをどのように捉えているのかさっぱりだ」
( ^ω^)「変人だろ?」
川 ゚ -゚)「ごもっとも」
いつも通りの会話。そして彼女が望んでいるノリでもある終わりの形。
-
言葉にしなくても、表情に表せなくても。阿吽の呼吸として通じ合う僕と彼女の定義的な会話形式。
川 ゚ー゚)
( ^ω^)
ああ、なんて心地いいものだろうか。僕はどうやらこのような空気の持ち合わせを好んで居るらしい。
そして、少なくともこの滲み出る感情を好んでいるのは僕だけじゃないはずだった。
ξ*゚⊿゚)ξ「…」
('(゚∀゚∩「…」
だが、そんな僕ら二人に嫌に露骨な表情を浮かべるとある二人。
とりあえずその貧乏揺すりをやめなさいツンさんよ。
( ^ω^)「とりあえずだお、僕は何が───」
「───とりあえずもクソもねえよ、内藤」
僕が色々とひっくるめて結をまとめようとした瞬間。
从 ゚∀从「さっきから色々と突っ込みどころの満載な会話しやがって」
教室の中で限りなく前方に位置する、教卓の上に腰掛けた女子が声を上げた。
( ^ω^)「ハイン」
-
僕は彼女の名前を口に出す。
そう、彼女の名前は対馬ハイン。現在進行形で表現しているように素行の悪い生徒さんだ。
もう少し説明すれば僕のサボり仲間といったほうが簡単で良いだろうね。
( ^ω^)「居たいんだおね、全く気づかなかったお」
从 ゚∀从「わざとクセェ態度はそれぐらいにしとけ、元からわかってただろうが」
わかってましたとも、だとしても僕はお前の存在をどうにか消し去りたい限りだったもので。
なんて口にしてしまえば彼女のお得意の鉄拳がここまで伸びてくることがわかっていた。
从 ゚∀从「俺は言いたいことは言うタチだ。
だから、この場の状況について気兼ねなく突っ込ませてもらうつもりで居る」
( ^ω^)「この場の状況?」
从 ゚∀从「ああ、さっきからなにやってんだかわっかんねー会話ばっかしやがって。
あんたら本当に内藤に───」
从 ゚∀从「ベタ惚れなんだな」
川*゚ -゚)ポッ ('(゚∀゚*∩テレッ ξ/⊿//)ξモジッ
( ^ω^)「なわけないお」
-
ハインの発言した言葉に即答をかます僕。
───ああ、空気の読めていない発言だってぐらい自分自身わかっちゃいるから心配はない。
从 ゚∀从「相変わらず認めねえなオマエ、頑な過ぎるだろ」
( ^ω^)「僕は恋愛というジャンルに属した人世を歩んだつもりはないお」
从 ゚∀从「周りの反応どうみても露骨すぎるだろ、認めろよ」
( ^ω^)「認めないお」
从 ゚∀从「じゃあ今起こってしまっている不可思議な状況は?」
( ^ω^)「僕もわかってない」
从 ゚∀从「嘘をつけ、どう考えてもオマエを中心に揃った人間どもばっかだろうが。
そして皆一同、何かしらの意図を持って放課後の教室なんかに残っちまっている」
从 ゚∀从「だが、誰一人としてこの集まりに疑問を口に出す人間が居ねえ。
当然のように、当たり前のように、さもこれが日常だと言わんばかりにな」
( ^ω^)「………」
从 ゚∀从「だが、俺は違う。これが普通だと思っちゃいねえんだよ、これっぽっちも」
そうだろうね。わかっていたさ、それぐらいのこと。
だって君は唯一、アレを含まない人間関係だったから。
-
从 ゚∀从「おい、そこの女みてぇな一年坊主」
('(゚∀゚;∩「えっ!? ぼ、ぼくですか……っ?」
从 ゚∀从「……ひとつ聞く。俺はこのような状況に陥ったことは初めてなんだが、
オマエラ自体はこの状況……初めてじゃねえだろ?」
ハインが確信めいたような物言いに、ナオ君は戸惑いながらも小さく呟くように答えた。
('(゚∀゚∩「……初めてではない、です」
从 ゚∀从「ありがとうよ、そして……そこの変人とドリル」
川 ゚ -゚)「なんだ」
ξ#゚⊿゚)ξ「誰がドリルよっ」
常人では臆してしまう威圧のこもった二人の言葉と態度。
だがハインは気後れすることもなくそのまま言葉を続けた。
从 ゚∀从「オマエラもそうなんだろ?」
短文にして明快。
これが答えだろうと元から決めつけた物言いに、彼女ら二人は無言で切り返したが。
僕にはわかっていた、二人が微細に怯んだ空気を醸し出していたことを。
( ^ω^)「ハイン」
从 ゚∀从「黙れデブ、お前は最後だ」
-
バッサリと切り捨てられる僕だったが慣れたもんだったので気にはしなかった。
从 ゚∀从「……これでわかったな。いや、なんにもわかっちゃーいねえけど、俺はだいたい分かった」
从 ゚∀从「お前らは多分、この馬鹿……内藤に惚れちまっている。
そして惚れてる奴は自分以外にいるってことをわかっちまっている」
('(゚∀゚∩「…」
ξ*゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚)「…」
从 ゚∀从「どんな経緯で知っちまったのかはわかんねーけど、この状況に至るまでは大体カンで想像できる」
从 ゚∀从「……アンタら、自分がいかに内藤とラブラブかを放課後に残って言い合ってんな?」
───至極、つまらなそうに答えを告げた彼女。
( ^ω^)「……」
そう。
彼女が言った全ては───全部『正解』だった。
( ^ω^)「おっお」
从 ゚∀从「笑うなゲス男、そしてお待たせだ腐れ野郎」
-
転がすように暴言を吐く彼女は、飛び降りるように教卓から降りると。
流れるように走りだした彼女は、飛び出すように僕に蹴りを繰り出す。
( ^ω(#)
从 ゚∀从「よけねーんだな」
避けれるわけ無い、まるで忍者みたいな動きだった。
从 ゚∀从「つまるところ、やっぱりお前も悪いって気があるってことか?」
( ^ω∩)サスリ
無言で蹴られた顔の右半分を手で抑える。
……悪いって気か、ああ、少なからず。
( ^ω∩)「…そんなことも、あった気がしないでもないお」
从 ゚∀从「…あった気がしないでも、ない?」
僕の言葉になにかしら癇に障ったこともでもあったのか。
額にビシッと血管を浮かべた彼女は、虎でも尻尾巻いて逃げ出しそうな。
今すぐ念動力者にでも就職できそうな凄まじい視線を向けてくる。
( ^ω∩)「そうだお、そんなこともあったなと懐かしい気分にさせる言葉だお」
悪かったって、なんやかんや誤魔化してすまかったって。
-
この場に居合わせた人たちに向けて発する謝罪の言葉を。
言ってしまいたいことが、昔はあったなんて懐古してしまうぐらいに。
( ^ω∩)「すでに、どうっでもいいことを言ってくれてありがとうだおハイン」
从 ゚∀从「殺されてえのか」
( ^ω∩)「まったく」
これっぽっちも。思ってなんかいない。
ハインに向けていった言葉のひとつひとつに、後悔なんてこれっぽっちもなかった。
从 ゚∀从「…ひとつ、言わせろ。俺はだな、お前を怒る必要なんて無いと思ってる」
( ^ω∩)「怒ってるお」
从 ゚∀从「ああ、そうだな。だがやっぱり俺は怒っちまってる、テメーの糞加減にな」
彼女は淡々と言葉を口から放り出していた。
今にも爆発してしまう力をギリギリのラインで抑えていているような印象を抱かせた。
从 ゚∀从「内藤、楽しいか? 今の状況を作り上げたことを……まるで王様みたいだな」
从 ゚∀从「自分を好き好んで居る相手どもを良いように集めて、いい加減に返事をして
苦もなく楽しんで自分だけの王国を見事作り上げたワケか」
从 ゚∀从「お前が恋愛関係を遠ざけていたことは昔から知ってたよ、長い付き合いだからな。
……だけど、これはなんだ? 結局はこんなモンを望んで生きてたのか?」
-
彼女は語ってくれた。僕に向かって。
表情は鬼のように歪んでいるというのに、口から出る言葉は優しく、そして冷たい。
从 ゚∀从「お前は糞だ、女心を弄んで楽しむ畜生だ」
( ^ω∩)「…」
从 ゚∀从「俺はソレに怒っちまっている。
なんだかな……俺は、別にお前がどんな奴でも良いと思ってたのによ」
从 ゚∀从「残念だよ、内藤───」
そう小さく呟いた彼女は、語尾を伸ばしたまま合わせた視線を断ち切ると。
音を立てずにその場から立ち去っていく。僕の側から立ち去っていく。
从 ∀从「───……」
そして最後に、教室のドアを潜ろうとして。
( ^ω∩)「ハイン」
从 ∀从「んだよ、というかもう名前で呼ぶな。気分が悪くなる───」
( ^ω∩)「しゃがめ!」
从 ゚∀从「───はっ…?」
-
思わずといった条件反射だったのか、僕の突然の叫びに反応したハインは。
从 ゚∀从「…」
地に伏せる体勢までに身体を低くさせた。
僕はただ単にしゃがめといっただけで、伏せろまでとはいってないけれど。
逆にそれが功を奏したようだった。
ガアアアアアアン!!!
('(゚∀゚∩「……あっれー? きちんと予測立てて降ったのになあ」
从 ゚∀从「はっ……? えっ……?」
呆気にとられたように戸惑う彼女、そして心底楽しそうに戸惑う、僕の後輩。
('(>∀<∩「うーん、よいしょっと!」
ガリッ、と削り落ちる音を立てて壁に突き刺さった手斧を抜き取る、僕の後輩。
('(゚∀゚∩「よしっ! 次は外さないよ!」
ブンブンと腕まくりをしながら手斧を振り回し標的を見定める、僕の後輩。
从 ゚∀从「なに、それ……斧?」
伏せた状態のまま、見上げるようにして彼女は疑問を口にする。
-
('(゚∀゚∩「そうだよ? まあ、貴方がいたので隠して持ってたんだけどね!」
从 ゚∀从「…………………」
意味がわからないと無言になる彼女は、それでもゆっくり脳が状況判断を済まし始めているのか。
从;゚∀从「う、うわぁああああああっ……!!!?」
転がるようにその場から退避する。
その直後にて床に振り下ろされる手斧、そして轟音。
('(゚∀゚∩「あちゃー……あんまり学校を傷つけると後で面倒なんだけどなぁ」
なんの悪気もなく床に突き刺さった手斧を抜き取ると、肩にゆっくりと担ぎ。
从;゚∀从「なっ……なにを、してッ……?」
('(゚∀゚∩「なにをして? んんー……もしかして、まだ状況を掴めてないのかな?」
クスクスと神経を逆なでするような笑い声を上げて、彼は瞳を歪ませ口を開いた。
('(゚∀゚∩「それはね───」
ξ*゚⊿゚)ξ「おい、ホモ野郎」
('(゚∀゚∩「はい?」
ガン!
-
('( ∀ ∩「うげっ……!」
彼の身体がくの字に折れ曲がる。
崩れ落ちるように膝をつくと、床に黄色の吐瀉物を散らばせた。
ξ*゚⊿゚)ξ「何勝手に始めてんのよ、ここ最近に入ってきた新顔の癖して」
何ら感情を含ませない冷淡な言葉を浴びせた彼女は、彼の腹部を殴打した椅子を放り投げる。
ξ*゚⊿゚)ξ「合図があってからの約束でしょ、勝手な行動は許されないんだから」
('( ∀ ;∩「あっ……あははっ! ば、バケモノがッ……!!」
ξ*゚⊿゚)ξ「結構、口答えする元気があるなら上等ね───………ああ、本当に楽しみ…」
足元に崩れ落ちている彼に近づくと、その髪を掴み顔を近づけ彼女はそっと呟いた。
ξ*゚0゚)ξ「あなたはどんなかおしてしぬのかしら?」
彼女は掴んだ頭をそのまま床へと叩きつける。
吐瀉物の中に勢い良く頭部を打ち付けた彼は、ピクリとも動かなくなった。
ξ*゚⊿゚)ξ「あら? もう死んだの? うそでしょ……勘弁してよね」
心からどうでもよさそうに見つめると、視線を替えすぐとなりへと向ける。
ξ*゚⊿゚)ξ「対馬ハイン」
从;゚∀从 「ひっ……!」
-
名を呼ばれただけなのに、まるで刃物を突きつけられたのような反応をするハイン。
ξ*゚ー゚)ξ「くすくす……ごめんなさい、怖がらさせちゃったわね。
このホモ野郎のせいよね───ほら、謝りなさいよ」
倒れこんだ彼の頭を踏み潰す彼女。
勢いの乗った踏みつけは、見えない彼の顔から鈍い音が響き渡る。
从;゚∀从「や、やめっ……」
ξ*゚⊿゚)ξ「あら? とめるの? 貴方を殺そうとしたのに……良い人ね、さっきまでは
アタシもアンタのこと嫌いだったからいち早く殺そうと思ってたんだけど」
ξ^⊿^)ξ「気に入ったから、殺すのは最後にして上げるわね」
从;゚∀从「っ……な、なに……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「なに? え、ちょっと……わかんないの? 気に入ったから最後に殺すって言ったのよ。
まってまってよ、それぐらいのこともわかんないのかしら? 脳みそ入ってるの?」
ξ;゚⊿゚)ξ「最後に殺してあげるって言ったのよ! もうっ……しっかりしてよね!」
从;゚∀从「………」
訳がわからない、といった表情をするハインは。
それでも健気に小さく頷くことしか出来ないようだった。
ξ*゚ー゚)ξ「よしっ、じゃあ最後まで生き残っててよね? アタシはもう一人の方に用があるから」
-
川 ゚ -゚)「……」
ξ*゚⊿゚)ξ「……勝手に始めちゃってごめんなさいね、退屈だったでしょ?」
今だに壁際に背を預けていた一人に、彼女は視線を向ける。
その視線を向けられた髪の長い女子生徒は、小さく微笑みながらゆっくりと背を壁から離した。
川 ゚ー゚)「いや、今日は最初からイレギュラーがいたからな……いつも通りになるとは思っていなかった」
ξ*゚⊿゚)ξ「そうよね、新顔もいたし。そもそも見知らぬ奴が居るってどうなのかしら」
川 ゚ー゚)「はっはっはー……いいんじゃないか? 余興だと思えば、それで」
ξ*゚⊿゚)ξ「困るわよ、それで死んだらいやじゃないの」
川 ゚ -゚)「それは同意する。だが、まぁ、決めるのは私達じゃないからな……」
ξ*゚⊿゚)ξ「……」
二人の視線が、一箇所に集まる。
从;゚∀从「……」
そしてもうひとつ、その視線が集まった。
( ^ω^)「………」
僕の元へと。
-
从;゚∀从「内藤……内藤ぉぉおお!!」
ハインが叫ぶ。僕の名前だけを呼んだ絶叫だった。
なにか言いたいのだろう、色々なことを僕から聞き出したいのだろう。
从;゚∀从「ない、っとうっ……! ないとぉおおっ……!!?」
だが、彼女は僕の名をしか口にしない。
やっぱり通常一般的な人間がこの場に居合わせたらこのようなことになってしまうのだろうか。
( ^ω^)「…ハイン」
从;゚∀从「ッ……!!」
僕の声に過剰に反応するハインは、瞳を様々な色に彩らせる。
色が語るのは二つの意味。
目の前のやつは正気か、否か。
( ^ω^)
从;゚∀从
だが、それはどうだっていいのだ。
正気じゃなくともいい、ただただハインの本心が求めるのはひとつだけ。
( ^ω^)「───ハイン、これは僕が作り上げた状況だお」
-
それは、僕の『答え』だ。
( ^ω^)「僕は昔から……恋愛が嫌いだった、なぜ人と人が好き会えるのかがわからない。
人は脆く、弱く、そしてとても矮小な存在なのに」
( ^ω^)「それなのに人は恋をし、恋を育み、愛へと発展させる。
……一体それは何なんだ? それは一体何なんだ?」
( ^ω^)「僕はそれを……別に知りたくは無い。なんら興味もないし、答えも別に知りたくない」
言葉を続けながら、僕は片手を上げていく。
天井に向けてまっすぐに、指先から肩までびしっと伸ばす。
( ^ω^)「でも、周りが考えさせるのをやめさせない。
僕はこんなにも知りたくないのに、周りが、世間が、他人が、僕を止めさせない」
( ^ω^)「だから僕は考えるのをやめない。恋というものを考え続ける。
これを一般的にはモテ期ってやつらしいんだけど、そんなことはどうだっていいんだ」
( ^ω^)「───ハイン、僕は恋を争奪だと考えた」
バッ! と、手を振り下ろした。
それはまるで合図のようで、実際にそれは合図だった。
ξ* ⊿ )ξ「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!」
从;゚∀从「ひっ…!」
-
川 ゚ -゚)ノシ
椅子を持った女が床の上をのたうち回る。
よく見れば二つのハードダーツが顔面に何本も突き刺さっているのが確認できた。
ξ ∴∴)ξ「ぎゃあッ! ギャッ……! あがががっがが!!」
川 ゚ -゚)「…人の皮膚は実に脆い。君もやはり蝋人形になった方がいい的になるな」
髪の長い女は転げまわる女に淡々とダーツを投擲していく。
制服を貫き、皮膚を貫き、身体へと突き刺さる。
( ^ω^)「ハイン、君が言ったことは全て当たってる。
確かに皆、何かしらの意図を持って集まり、そして僕の前で競い合っている」
( ^ω^)「僕は最低だ、こんなにも人の感情を弄び、自分を好いてくれる人物を集めて
王国を作り上げた僕は……本当に屑だろう」
( ^ω^)「だがもうそれはどうだっていいんだ。それはもう……考え飽きた。
このような状況になったことを悔やむことなんて、考え飽きたんだよハイン」
从;゚∀从「………」
( ^ω^)「僕はもうそろそろ……いや、もう既に答えを決めかけている。
最初に言っただろう? 僕はお前ら相手と恋愛関係になることは嫌だって」
( ^ω^)「それが答えになりかけているんだ。僕は恋愛関係になる人間を決めるのは嫌になった」
( ^ω^)「だから、君を呼んだんだ。ここに」
-
从;゚∀从「…お、俺を……?」
( ^ω^)「そうだよ、だから君をこの場に呼んだ」
ハインがこのような状況になって初めて、意識のこもった言葉を口にし。
その瞬間、どこかで鈍く響く音が鳴った。
川 o )「ぎゃっ」
('(¨∀¨∩「へ、へへっ……!」
髪の長い女───……いや、頭部を叩き割られた為にカットされた髪の短い女は。
派手に机や椅子を押しのけながら、地へと中身をぶちまけ倒れ込む。
( ^ω^)「君は僕と……初めて恋愛関係にならず、そして僕の嫌になるほどの話術にも
惑わされず、自我を保ちながら長年の付き合いを共にした君だからこそ」
( ^ω^)「この飽和した状況になにかしらの波を起こしてくれると思っている」
('(¨∀¨∩「や"っ……や"っだぁ"……っ! ぼ、ぼぐがっ……い"ぢばんだあ"…!!」
ξ ∴∴)ξ"
('(#¨∩「ぎゅえっ…!」
振り回された椅子で顔面を打ちつけられ、顔のパーツを削ぎ落とされる後輩。
从 ゚∀从「……」
その様子を、実に冷静に判断し始めた彼女は。
-
从 ゚∀从「……お前は、俺になにをさせたい」
しっかりとした瞳を僕へと向けてきた。
( ^ω^)「どうもしなくていい、ただただ、殺せばいい」
僕はその瞳の語りかける。
淡々と、それがリアルなんだと、なんら間違ってはいないと正しいことなんだと親切に。
( ^ω^)「君も交わればいい、他人を押しのければいい、ぞんざいに扱い、力の溢れ出る限りに
ふるえばいい。そして勝ち取ればいい」
なにを? なんてことは聞かないでほしいけどね。
( ^ω^)「どうかな? ハイン、君も参戦してくれるかな?」
从 ゚∀从「…………」
ハインは無言で僕を見つめ返してくる。
僕も無言で見つめ返す、もうなにも言うことは無い。言いたいことは言い切った。
从 ゚∀从「わかった……」
ハインは───彼女は、ひとつそう返事をすると。
立ち上がり、膝をはたき、そして前を見据える。
ξ ∴∴)ξ
从 ゚∀从「……」
-
彼女の目の前には、体中にダーツを突き刺させた人間が立っていた。
从 ゚∀从「ひでえありさまだな……」
从 ゚∀从「……アンタ、そうなってまで…内藤と恋愛関係になりたかったのか?」
ξ ∴∴)ξ「ぅぁ……ぁ……」
从 ゚∀从「馬鹿だな、もっと他にやりかたあっただろ。なんで椅子を持って人を殴るんだ、
どうしてそんな傷つけあうんだよ。どうしてそんな……」
( ^ω^)「ハイン」
从 ゚∀从「わかってるよ、黙って見てろ」
彼女は、ハリネズミ状態の人間に近づき───その顔を殴った。
从 ゚∀从「ッ……いってぇっ…」
殴った拳をもう一つの手で握る。殴った時、刺さったダーツもろとも殴ったせいだろう。
こちらからでも拳から血が出ているのが見えた。
从 ゚∀从「……これで、いいのか内藤」
( ^ω^)「ありがとうだお、これですべてがおわっ」
さいごまで、ことばがいえなかった。
-
从 ゚∀从「………」
( ^ω^)「……ぁぅ…?」
ぼくは、そっとじぶんのくびへとてをのばした。
从 ゚∀从「……ああ、これで全部終わったな。この屑」
( ^ω^)「……ああ、なるほ……ど」
くびにだーつがつきささっていた。ふかく、じぶんのなかへとはいりこんでいた。
たぶんだけど、なぐったときにぬきとったのかと、ぼくははんだんした。
从 ゚∀从「………」
( ^ω^)「……」
ぼくとかのじょはみつめあう。
かのじょはなにをおもっているのだろう、ぼくにはわからなかった。
( ^ω^)「はいん……おねがいが、あるお」
从 ゚∀从「わかってる、長い付き合いだ、何が言いたいのかはわかってるよ」
かのじょはかがみこむと、ゆかにおちていたておのをひろった。
从 ゚∀从「安心して、死んでいけ」
-
かのじょがふりかぶる。
それがさいごのけしきになるのかとおもうと、ちょっとかんがえぶかかった。
从 ゚∀从「内藤」
( ^ω^)「……ぁ…?」
从 ゚∀从「最後だけさ、言いたいこと言わせてもらうわ」
( ^ω^)「……ん…」
从 ゚∀从「お前、本当に不器用だな」
( ^ω^)「……ぁぅ…」
確かにな、僕は本当に不器用だ。
振り下ろされた手斧を見届けた後、僕は最後の最後に演技を解いた。
ああ、なんて僕は馬鹿だったんだろう。
この状況を作り上げたこと、ひとつだって後悔は無かった。
でも、なんにしろ逃げたことは変わりなく。
この状況になってしまったことは過去に悔やんだこともまた事実だった。
从 ゚∀从「……お前は、ただの屑で馬鹿だ」
そうだな、もし生まれ変わっても人間になれるのなら。
僕は恋愛なんてわからない、だけど。
今度はきちんと考えて、恋愛をしてみたいと心からそう思った。
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びっくり展開書こうと、思ってね…
おわりどぅえす
タイトルは
( ^ω^)恋愛要素不十分のようです
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