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酒の勢いで俺が適当にSS書いてみるスレ
1
:
名無しさん
:2009/10/14(水) 23:31:13
ソル「・・・・・・」
カイ「・・・・・・」
ソル「で、だ」
カイ「で、なんでしょう?」
ソル「SSの書き方ってのを教えてくれ」
カイ「・・・・・・」
856
:
名無しさん
:2012/05/17(木) 05:29:17
テスタ「久々にJF分を堪能した」
アバ「・・・はぁ」
テスタ「まさか『ソル君』の少女で1レス使うことになるとは」
アバ「・・・まさか」
テスタ「いや、このキャラも気に入ってはいるんだが」
アバ「・・・それにしても」
テスタ「私自身予定外だったのは認めざるを得ない」
アバ「・・・ねえ」
テスタ「ところで、まだ客がいたぞ」
アバ「・・・想定の範囲外」
テスタ「正直驚きを禁じ得ない」
アバ「・・・びっくり」
テスタ「世の中には変わった人がいるものだな」
アバ「・・・その言い方はどうかと」
テスタ「彼のためにも、改めて目指せ完結ということで」
アバ「・・・おー」
テスタ「とはいえ、おまけの終着点はどこなんだろうな」
アバ「・・・さあ」
テスタ「それでは今日はここまで」
857
:
名無しさん
:2012/05/18(金) 07:12:18
書き込んだだけでそんなに驚かれるとは思わなかったw
俺は最初から今までずっと読んでるよ。
>>1
の書くSSは好きだし、何回かレスも書いてるよ。
無理にとは言わないけど、できれば完結させてほしいな。
どう締めるかは勿論
>>1
の自由だけど、個人的な意見を言うとなるべく鰤エンドにしてほしいw
858
:
名無しさん
:2012/05/19(土) 04:01:13
朝、目を覚ます。
時間を確認すると、普段の起床時間には少し早い。
そんな時、ドアが静かに開けられた。
「おじゃましま〜・・・・・・あれ?ソルさんなんで起きてるんですか?」
部屋の外にお前の気配を感じたからだ。
「せっかくウチが起こしに来たのに、寝ててくれないとダメじゃないですか」
知ったことか。
「いいですか?今日から新学期ですよ?でもお休みに慣れてて『もっと寝ていたい』とか思いますよね?
そこでウチが幼馴染らしく起こしに来るわけです。『早く起きてくださいソルさん!遅刻しちゃいますよ!』って!」
休み中だろうと学校があろうと起床時間に変わりない。
「そしたらソルさんはこう言うんです『後5分』って!定番ですよね!
あ、ソルさんはその後『ダメです!遅刻してしまいます!』って無理矢理起こされるのと、
『もう、ソルさんは仕方ないですねえ』って寝顔を眺められるのでは、どっちがお好みでしょうか?ウチはどっちでもご期待に応えます!」
「うるさい」
朝から騒がしい。
「そんな感じで、ウチがソルさんの部屋に忍び込んで起こす所からやり直したいです。だからもう一度寝てください!」
「断る」
そんなことに付き合う気はない。
「眠れませんか?じゃあウチが添い寝しますよ?抱き枕代わりにどうぞウチを抱きしめてください!」
「ブリジット、貴方、朝から変なこと言うのやめてくれないかしら」
「え?あ、ミリアさん」
「おはよう、ソル。もうお目覚めかしら?」
「ああ」
ミリアがやってきた。
「どうしたんですか?」
「朝食ができたわ。貴方、ソルを起こしに行ったっきり、帰ってこないんですもの」
「はっ、すみませんつい」
「そんなわけだから、ソルも起きてくれるかしら?もう休みは終わったんだから、いつまでものんびりしてられないわよ」
そんな気はないが、ブリジットに時間を取られたか。
身支度を整えるとしよう。
「もう朝食並べてるから、早く降りてきて。行くわよ、ブリジット」
「あ、ウチのことはお構いなく。ソルさんの着替えが終わるまでここで待ってます」
「来なさい」
「えっ、わわっ髪が!?いいじゃないですかソルさんの着替えを覗くぐらい!」
「どうしてかしらね。良くない気がするわ」
「そんなっ!」
ミリアが強引にブリジットを部屋から連れ出す。
俺も早く着替えて階下に行くか。
すぐに支度を終わらせ一階へ。
「おはようございますお兄ちゃん」
「おはよう」
「おはようございますソルさん。さっきは言うの忘れてましたから改めて」
席に着く。すでに朝食は並べられている。
「久しぶりに朝ご飯を作りました。どうぞお召し上がりください」
「貴方はいつも昼近くまで寝てたものね。いただきます」
「いただきますです。ウチもディズィーさんの朝ご飯は久しぶりな気がします」
「いただく」
食事を始める。
「美味しいです」
「そうですか?ありがとうございます」
「でも、明日はウチに作らせてください!ディズィーさんに負けてられません!」
「はい、いいですよ」
「・・・ねえ、それについて今更なんだけど」
「なんですか?」
「冬休みが終わったけど、ブリジットはいつまでこの家にいる気なのかしら?」
当初の条件では、休みの間に限っていた。
「痛い所を突いてきますねミリアさん・・・」
「触れて当然の話題じゃない」
「そういえばそういう話でしたね」
惚けるなディズィー。忘れてないだろう。
「ウチとしては、あとちょっとなんです」
「何がかしら」
「あとちょっとでウチとソルさんは相思相愛の仲になれるんです!」
「ねえディズィー、この子を今すぐ家から追い出していいかしら?」
「遠慮無くどうぞ」
「ちょっと待ってください!?」
どうでもいい話だ。ディズィーとミリア次第だな。
859
:
名無しさん
:2012/05/19(土) 05:04:09
朝食を食べ終える。
「大体、貴方はすぐ隣に立派な家があるじゃない」
「わかってませんねミリアさん。ウチは少しでもソルさんの近くにいたいんです。距離的にも時間的にも!」
「大して変わらないでしょうに」
「全然違います!だったらミリアさんがウチの家に住んでみますか?この家の猫さんと引き離されますけど」
「そんなの嫌に決まってるじゃない」
「ですよね?ウチも同じです」
「お兄ちゃん、お茶はいかがですか?」
「ああ」
食後の茶を飲む。
これを飲み終えたら、そろそろ家を出なければな。
「そういえば、私は今日は生徒会の会議があるそうで、帰りは午後になります」
「俺も仕事だ」
「時間が合えば、一緒に帰れるかもしれませんね」
仕事の前に、学校の自室を軽く掃除する必要があるだろうな。
休み前に掃除はしたが、しばらく使ってないので埃も積もっているだろう。
「ちょっとそこの2人。貴方達の家の問題なのよ?どうして私より無関心なのよ」
「私としては、どちらでも構いませんので。決定権はお兄ちゃんにありますし」
主導権は妹にあるがな。
「結局どうなりました?」
「ウチはソルさんの妻としてここにいます」
「断る」
「ブリジットさん、残念ですがご自分の家にお戻りください」
「えええっ!ちょっと待ってください今のは1割ぐらい冗談です!」
「ほぼ本気じゃない」
「当然じゃないですか」
茶を飲み終えた。
が、再びディズィーに茶を注がれる。まだ席を立つなということか。
「あの、今更ですが真面目に率直に答えて欲しいんですけど、ミリアさんはウチと一緒に住むのは嫌ですか?」
「え?」
「これでもウチは男ですし、それで気を遣うこともあるでしょうし、ソルさんラブで周りが見えないこともありますし」
「まあ、それは無いとは言わないけど」
「それでご迷惑をおかけして、だからウチとは住めないと言うなら潔く諦めます。あと、謝ります」
「いいえ、そんな謝られるほどのことじゃないわ。冬休みの間、楽しかったわよ?」
「本当ですか?ありがとうございます。ウチもとっても楽しかったです」
「ソルがいたからでしょ?」
「ソルさん抜きでも、です」
もう、あまりゆっくりしている時間もなくなってきた。
そろそろ結論を出せ。
「・・・もう、わかったわ。認めればいいんでしょ?でも、私なんて所詮居候よ。ディズィーとソルが認めるかは知らないわ」
「ミリアさんが問題ないなら、私も異存ありません。後はお兄ちゃんだけです」
「好きにしろ」
ディズィーとミリアに不満がないなら、俺が口を出すことでもない。
「ありがとうございます!ソルさん、やっぱりウチの事を愛してクヴェ!?」
黙らせる。
「いたた・・・。ところでどうしてミリアさんはあんなに反対してたんですか?
まさかとは思いますが、ウチとソルさんが仲良くなるのに嫉妬してですか?」
「いえ、ただ、一般論というか、常識的な判断というか、本当に私が言えた義理じゃないけど、他人の同居なんて普通は簡単に許さないでしょ?」
「お兄ちゃんにそんなの通じませんよ」
「貴方にもね、ディズィー。兄妹揃ってネジが飛んでるわ」
「仲良し兄妹ですから」
話はまとまったらしい。
ならば、学校へ行くとしよう。
家を出る。
「いってきます」
「さあ行きましょうソルさん。手を繋ぎますか?腕を組みますか?」
「遊んでないで、少し急がないとまずいわよ」
学校へ向かう。
今日から3学期だ。
860
:
名無しさん
:2012/05/19(土) 05:12:46
テスタ「冬休みやっと終わった」
アバ「・・・おつかれ」
テスタ「とりあえずブリジットの居候を続けさせてみたわけだが」
アバ「・・・これからどうするの?」
テスタ「これから考える」
アバ「・・・もうちょっと考えて書いて」
テスタ「それができれば最初からやっている」
アバ「・・・ああ、うん」
テスタ「ブリジットエンドどころか、ミリアエンドさえ怪しい状況だしな」
アバ「・・・どうすんの」
テスタ「どうしようか・・・」
アバ「それでは今日はここまで」
861
:
名無しさん
:2012/05/24(木) 01:23:20
3学期が始まった。
その最初の授業。仕事のために1年の教室へ向かう。
「あ、おはようソル。ねえねえ昨日のテスト、ボクどうだった?ちょっと自信あるんだ」
「ウチもいつもよりできたと思います。きっとソルさんの愛のこもった家庭教師のおかげですね!」
「こら、二人共席に着きなさい」
「はーい」
エイプリルに注意されそれぞれの席に戻る。
「授業を始める。まず、昨日行ったテストを返却する」
休み明けに行われる恒例の試験。
昨日のうちに採点も終わらせたので生徒に返却する。
「ほら、いつものボクより大分良いでしょ?」
「やるじゃないメイ。それに比べて梅軒、あなたときたら」
「うるさいね。黙ってなイノ」
「宿題がないからって何もしないからよ」
「せっかくやらなくていいのに、わざわざ勉強なんかするもんかい」
「・・・ハァ・・・」
「いつも通りの点数だし、説教されるほどのことじゃないね」
「今回の平均点は――」
全員に返却し終え、平均点を告げる。
「・・・・・・あれ?ボク平均以下?」
「・・・ウチもです。おかしいですね?」
「ねえソル、何かの間違いじゃないの?」
「間違っていない」
今回のテストは難易度を他の教員レベルに合わせたからな。
これまでの俺のテストより難易度は下がり、その分平均も上がる。多少真面目に勉強していればだが。
「ちなみにエイプリルはどうだった?」
「私?満点取ったの久しぶり」
「えっ!?」
「アバはもちろん、ミリアとディズィーも満点だって」
平均を大きく引き上げてる連中だ。
「ソルさん、今回のテスト簡単にしすぎじゃないですか?」
「そんな事言う!?」
「エイプリルさん酷いです!」
「ちょっと言い過ぎだけど、どうなんですかお兄さん?」
「これが平均レベルの試験だ」
簡単に作ったわけではない。
生徒の習熟度が高いだけの話だ。
「聞いてた梅軒?このテストでいつも通りの点数のあなたって結構危ないわよ」
「うるさいね」
「うるさくもなるわ。しばらくの間、私とアバで勉強させるから」
「・・・逃がさない」
「嫌だね」
「冬休み遊びまくってたツケよ。大人しくしなさい」
「
862
:
名無しさん
:2012/05/24(木) 02:37:44
「静かにしろ。授業を始める」
結果を見てしばらく騒いでいた教室を静かにさせる。
テストの解説を行わなければ。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、授業を終える。
教材を片付けていると、メイがやってくる。
「ずるいよソル!」
「何がだ」
「せっかく点数が上がったって喜んでたのにさ、テストが簡単だっただけなんて!」
「それさ、ソル先輩ずるくないよね?」
「ウチもぬか喜びじゃないですか!ソルさんの愛の教育が実ったって喜んでたんですよ!?」
知ったことか。
「八つ当たりはやめなさいメイ」
「エイプリルはいいよね、満点だったし」
「そ、今結構いい気分なの。フフフフフ」
「うわぁ・・・なんか気味悪い」
「いつものエイプリルさんに戻ってください」
「しっかりしてエイプリル!」
騒がしいブリジット達を背に、教室を出る。
次の授業も教師側だ。一度自室にテストを取りに戻る。
その途中。
「どうも。お疲れ様です」
「ああ」
ファウストと出くわした。
「見せてもらいましたよ、試験結果。もちろん試験問題もですが。
まったく、あの結果はお見事です。一度貴方の教育方法を伝授してもらいたいものですね」
「特別なことはない」
ただ生徒が理解できるように教えるだけだ。それが仕事なのでな。
なので、本来、このテストでは全員が満点を取れるほどに学習させていなければならないのだが。
一部の勉強嫌いな連中でも授業を聞くだけで完全に理解できるようになる、というのは理想が過ぎる。
梅軒にも満点が取れるような授業を行うとなると相当に難しい。
「ご謙遜を。今度こっそり覗かせてもらいましょう。なに、仕事の邪魔はしませんよ」
邪魔にならないなら勝手にすればいい。
「そうそう、こちらから渡した資料には目を通して頂けましたか?」
「ああ」
「貴方が発見、開発した新治療法や新薬を試した結果、一部の治療不可とされていた患者を救うことができました。感謝しますよ。
ですが、上手くいかないケースもありましたね。悪化はしませんでしたが」
「ああ」
そういったケースの詳しい状況は渡された資料にあった。その理由、改善方法もファウストなりに推測されてある。
失敗が前提ではないが、全てがうまくいくとも思っていなかった。
また暇があれば研究し、適切な方法を考えればいい。
「いずれは世界中の患者を共に救いましょう」
「断る」
興味が無い。一人でやってろ。
「惜しいですねえ。貴方と組めばより多くの人を助けることが」
人助けでやってるわけでなく、ただの暇潰しの副産物だからな。
「時間がない。行くぞ」
「おっと失礼。貴方は次も授業があるんでしたか。がんばってください」
そろそろ次の授業が始まる。
ファウストと別れ、自室に向かう。
授業の準備をし、教室へ。
チャイムが鳴り終えるとほぼ同時に、教室に入る。
「どったの旦那?こんなに遅いなんて、旦那がまさかの正月ボケ?」
遅刻はしていない。
「授業を始める。まず、昨日行ったテストを返却する。アクセル」
「はいはい。っとあれ?簡単じゃんとか思ってたけど、マジで?なんで?」
「席に戻れ。次」
返却を終え平均点も教えると、1年での状況が再現される。
「どうしたのですかソル?貴方がこんなことをするなんて何か深い理由でも?」
「下等生物メ。ヨウヤク身ノ程ヲ弁エタカ」
「なあ旦那、次のテストもこの難易度にしてくれよ」
「静かにしろ。解説を始める」
ただ、本来の学力を把握すればいいだけだ。
通常の俺のテストでは、そういうことは分かり辛いからな。
次の試験では、これまでのレベルに戻る。
863
:
名無しさん
:2012/05/24(木) 03:15:48
テスタ「久々にミスで途中送信をやってしまった」
アバ「・・・やる気ダウン」
テスタ「仕方がないので3学期のことを考えてみよう」
アバ「・・・バレンタイン」
テスタ「鉄板だな。もうそれをゴール地点としようかと思っている」
アバ「・・・おお」
テスタ「一応2年生という設定なので、卒業式でもない修了式じゃ微妙だからな」
アバ「・・・一年の終わり」
テスタ「春休みまで行って決着も有りか」
アバ「・・・どうまとめるのか」
テスタ「どうまとめればいいのか」
アバ「・・・そろそろ真面目に考えて」
テスタ「考えてはいるんだが」
アバ「・・・がんばれ」
テスタ「それでは今日はここまで」
864
:
名無しさん
:2012/05/28(月) 03:55:03
学校。
テストも終わり本格的に授業が始まる前に
「これから席替えするぞ」
ジョニーの一声で席替えが始まる。
「これでソルっちとチプっちともお別れかな」
「グッバイ!お前のことは忘れないぜ!」
席が固定されている俺には関係のない話だ。
「あ、そういえばよ。お前がソルの横が指定席ってあの話、本当か?」
「私?どうだろう、ただの偶然だと思うの」
「偶然はこんなに続かないって」
「なあ、じゃあさ、一番最初にクジ引いてきてくれよ。それでまた同じ場所を引いたら俺も信じるぜ!」
「え、でもそんな勝手なことできないの」
「いいアルヨ?」
「ああ、面白そうだし俺も構わねえぜ?みんなもいいだろ?」
紗夢と闇慈が賛意を示す。
「ほら、クラスのみんなもOKだって。久しぶりに呪いの凄さを見せてよ」
「別に呪いなんかじゃないの」
「ほれ、引きな」
「うん。じゃあこれで」
ジョニーに差し出されたクジ箱から無造作に一つ選ぶ。
「どうだ?」
「聞くまでもないと思うけど」
「・・・うん」
「マジかよ」
「凄いアルナ」
「ね?こればかりは一切細工無しだよ」
「またよろしく、バッドガイ君」
慣れたものだ。
「お祓いでもしてもらったらどうだ?俺がやってみるか?」
「害はないし大丈夫なの」
「ていうか御津っち、そんなことできるの?」
「効果は期待できないアルナ」
「おいおい、昔から踊りっていうのは神聖なものでなあ。邪を払ったりとか色々できるんだぜ?」
「だったらさ、ザッパ先生に憑いてる幽霊祓ってみてよ」
「いや、ありゃちょっとな。俺の手には負えねえ」
「ダメアルナ」
クジも引き終わり、席替えが行われる。
「戻ってきたアル」
「蔵土縁さんも、縁があるね」
「私こそ本当に偶然アル」
「よっ。チップに替わってよろしく頼むな」
闇慈が前の席へ。紗夢がその隣へ移動してくる。
「お前達、最後の学期だ。仲良くな。それでは残り時間も少ないし、適当に自習してろ。俺は戻る」
そう言って、ジョニーが教室を出ていく。
次の時間は、俺の授業がある。俺も自室に行くか。
「どこ行くのバッドガイ君?お仕事?」
「ああ」
「あ、次だっけ。がんばってね」
「最初の授業だ。お手柔らかに頼むぜ」
「ワタシには当てないでほしいアル」
教室を出て自室に向かう。
まだ時間はある。雑務を少し片づけておくか。
865
:
名無しさん
:2012/06/04(月) 03:22:07
朝、目を覚ます。
ベッドから出て着替えを済まし、階下へ向かう。
側で寝ていた猫共も付いてくる。
「ウチに作らせてくださいよ」
「貴方は昨夜の夕食を作ったじゃない。今回は私がやるから休んでなさい」
「お構いなく。朝早くから愛するソルさんのために苦手な早起きして朝食を準備するウチ。
これでソルさんの心も鷲掴み間違いなしです!」
「冬休みの間も、何度か同じ事やってなかったかしら?結果はどうだったかしらね」
「次は成功すると信じています!」
「・・・・・・前向きね」
ブリジットとミリアが既に起きていた。
台所に入る。
「あら、おはようソル」
「おはようございますソルさん!おはようのキスを!」
「断る」
「すぐ朝ご飯作るから、お茶でも飲んで待っててちょうだい」
「ああ」
ミリアが茶を用意したので、テーブルに着く。
「あ、ずるいですミリアさん。ウチがやりますってば」
「貴方はソルの相手をしていたらどうかしら?」
「わかりました!さあソルさん二人の愛を育みましょう!」
「断る」
「ミリアさんがいるからって、照れなくてもいいじゃないですか」
照れてなどいない。
茶を飲み、膝に飛び乗ってきたミケを撫でる。
「ソルさん、遠慮せずにどうぞウチのことも存分に可愛がってください!」
「添え物は何にしようかしら。ソル、リクエストは?」
「ない」
「いつもそれね。わかってるけど。新しいものでも試してみようかしら」
「ウチを無視しないでください!?」
騒がしい。茶を飲む。
「なんですか今の!ウチがいないもののように振る舞って」
「だって、まともに相手してられないじゃない」
「酷いこと言いますね」
ミケは満足したのか、膝から降りる。入れ替わりにタマが上ってきた。
まだ朝食は完成しない。相手をしてやる。
「ていうか、新しいものってなんですか?」
「最近読んだ料理の本で覚えたものよ。まだ作ったことはないけど」
「あれ、そんな本読んでるんですか?」
「同じものばっかりじゃ芸がないわ」
「まさか、密かに料理スキルを上げてソルさんの気を引こうって計画ですか!?」
「貴方と一緒にしないで」
茶が無くなった。
「あ、ウチが淹れますよ。どうぞ、ウチの愛情たっぷりのお茶を」
自分で淹れる。
「そんなひどいです」
「自業自得よ。少しは引くことを覚えたらどうなのブリジット」
「ウチの愛は攻めあるのみです!」
「まあ、貴方の好きにすればいいわ。ところでお皿を用意してもらえるかしら?」
「了解です」
朝食ができたか。タマを膝から降ろし、手を洗う。
「ねえソル」
「なんだ」
「ブリジットを家に置いたこと、少しは後悔してない?」
「いいや」
この程度の騒々しさは予測できていた。
「それはつまり、ウチと一生を共に過ごしたいってことですね!」
「違う」
「違うんですか!?」
そんな気はまるでない。
「でもですね、このままズルズルと同居を続けるなら、いつの間にかソルさんの内縁の妻に収まってみせますよ?」
「ありえそうで怖いわ」
お前がどう思おうと、俺にその気はない。
「さてと、お待たせしたわ。おふざけはその辺にして朝ご飯にしましょ」
「ウチはふざけてないです!」
「いただく」
「どうぞめしあがれ」
「また無視ですか!?って、いただきますです」
朝食を摂り始める。
866
:
名無しさん
:2012/06/04(月) 04:13:07
朝食中。
「どうかしら、新しいおかずの出来は」
「おいしいです!」
「そう?ソルはどうかしら」
「問題ない」
この出来なら十分だ。
「ありがとう。じゃあ、今後もたまに作ろうかしら」
「ウチもミリアさんに負けてられません!新しいお料理を覚えないと!!」
「私に張り合われても困るのだけど」
「現状に満足してちゃソルさんの嫁は務まりませんからね!」
「だから、私にその気はないわ」
魚の身を少し取り、足元にいるシロに与える。
「そんな事言って、ウチは騙されませんからね。ソルさんの妻の座は誰にも譲りませんよ」
「そもそも、貴方はその座に収まってないじゃない」
「うぐっ、痛い所を突いてきますね・・・」
「ソル、ご飯のおかわりはいるかしら?」
「ああ」
もらおうか。
ミリアに椀を渡し、よそってもらう。
「もうわざとですか?ウチに見せつけてますか!?」
「何のことよ」
「今の一連のやり取りです。以前から思ってましたが、いつの間にそんな仲良くなってるんですか?
いいですか?今のと全く同じやり取りをウチとソルさんがやったと想像してください」
「・・・できないわ」
「無理矢理想像力で補ってください。どうですか?どこからどう見ても仲睦まじいラブラブでお似合いな夫婦ですよね!?」
「・・・・・・そうかしら?」
ミリアから椀を受け取り、食事を再開する。
「なにしろ、ソルが無機質で無表情じゃない。とても仲睦まじいようには見えないわね」
「う、それはそうですけど・・・でもですね?なんというか、顔には出ないけど心で通じあってるみたいな、そんな感じで」
「貴方ね、さっきの私とソルが、そこまで深い関係に見えたわけ?」
「・・・見えないです。大体ソルさんがそんな人じゃありませんでした」
「わかってもらえて嬉しいわブリジット」
「ソルさんが内心で感情豊かな人なら、とっくにウチの魅力の虜になってますよね」
「それは知らないわ」
食事を終える。
「あら、もう食べたの?」
「ああ。ごちそうさま」
「お粗末さま」
食器を片付ける。
「皿洗いなら私がやるわよ?まだ食べ終わってないし、水に漬けておいてくれるかしら」
では、掃除をするか。
「ソルさんソルさん、お掃除ならウチにお任せ下さい!家中ピカピカにしちゃいますから!」
ならば、自室と地下書庫で資料整理か。
それが終われば、昼食まで暇潰しだな。
「お昼はウチが作りますからね?」
「ええ、どうぞ」
「期待しててくださいソルさん!ウチの愛を感じてください!」
自室に戻る。
867
:
名無しさん
:2012/06/04(月) 04:13:49
テスタ「とても眠たい」
アバ「・・・寝なさい」
テスタ「おやすみ」
アバ「それでは今日はここまで」
868
:
名無しさん
:2012/06/11(月) 03:13:10
朝、目覚まし時計が鳴ったので目を覚まします。
「・・・・・・あれ?」
でも、今日はお休みの日です。うっかり、いつものように目覚まし時計をセットしちゃいましたか?
本当はもっとゆっくり寝てられます。なんだかもったいないことをしました。
しっかりとお布団をかぶり直し、二度寝します。うーん、温かくて幸せです。
暖房が効いてるお部屋ももちろん素敵ですけど、温かなお布団の気持ちよさは格別ですね。
このまま一日中何もしないでお布団に包まったまま過ごしたいです。
いえ、そうしましょう!そうすればずっと寝てられます。幸せです。
そんなことを決心して横になっていると、また眠たくなってきました。
「おやすみなさいです」
誰にともなくつぶやいて、寝ちゃいます。今日のウチは自由です。
ピンポーン
「・・・はい?」
玄関のベルが鳴りました。時計を見ると、もうお昼ですか。結構寝ちゃってました。
ところで、誰か来たみたいですね。誰でしょう?
ディズィーさんかメイさん達が遊びにでも来たんでしょうか。
だとすると、出なきゃダメですね。他の人なら居留守してでも寝たいですけど、お友達にそれをするわけにもいきませんし。
仕方なくお布団から出てベッドから降ります。
「うぅ、寒いです」
冬ですもんね。寒いのは当然です。だからこそお布団が最高なんです。
なんてことは今は置いておいて、玄関に向かいます。パジャマのままですけど着替えは・・・まあ必要無いですよね。
多分ディズィーさん達の誰かでしょうし。
「はい、どちら様ですか?」
玄関のドアを開けます。と、
「・・・・・・ソルさん?」
予想外の人がいました。
なんでソルさんがウチの家に?これは夢ですか?夢ですね?
ウチってば起きたつもりで、まだおかしな夢を見てるんですね。
なんでソルさんの夢なんか見てるのかはわかりませんが。
もしかしてウチは、自分でも気付かぬうちにソルさんの夢を見たいとでも思ってましたか?
・・・・・・いや、さすがにそれはないです。ないはずです。
「おはようございますです」
とりあえず挨拶しましょう。
「ああ」
「夢の中でも無愛想ですね?せっかくですから、もっとはっちゃけたソルさんなんてどうですか?」
「あ?」
笑顔で陽気でハイテンションなソルさんなんてのも見てみたいです。
きっととても面白くて笑えそうです。そんな楽しい夢ならぜひ見たいです。
「笑ってください」
「断る」
「ダメです。これはウチの夢なんですから、ソルさんといえどもウチの言うことは聞いてもらいます」
・・・あれ、反応悪いですね?
あ、そうか。夢だからって、なんでも自由に見れるわけじゃないんですね。
そりゃそうですよね。自分の見たい夢が自由に見られる方法があるなら、いつでもそうしますもん。
「起きろ」
「はい?」
『起きろ』?夢から目を覚ませってことですか。
なんでそんなことを命令されなくちゃならないんでしょう。ウチの夢なのに。
それに起きたら夢が見れなくなるじゃないですか。
「ディズィーが昼食を作っている。お前と食べると約束していたというから、呼びに来た」
「・・・・・・あ」
そういえば、昨日そんな約束をしたような・・・。
確か、ディズィーさんが最近料理をソルさんに習い始めたから一度ウチに食べてみてほしいと。
「・・・え、あれ?じゃあ、今、ウチって起きてます?」
ソルさんがとても珍しくウチの家にいるから夢じゃないかって思ったんですけど、気のせいでした?
ウチは今起きてるんでしょうか。夢を見てるんでしょうか。
「・・・・・・あのすみませんソルさん。ウチのことを叩いてみてくれませんか?」
よく言いますよね。夢だと痛みを感じないって。
「さあ、遠慮せずにどうゾッ!?」
痛いッ!痛いです!これは間違いなく夢じゃないです!!
そしてソルさん、本当に容赦なく殴ってくれましたね・・・。手加減はしてくれてるんでしょうけど。
869
:
名無しさん
:2012/06/11(月) 03:56:39
部屋へ戻り急いで着替えとかして再び玄関へ。
「お待たせしました!」
ソルさんはまだ待っててくれました。
「あの、ソルさん。さっきはすみませんでした」
まさか、寝ぼけてあんな失敗をするなんて。
「これからは注意します!ですから、できればさっきのことは誰かに言ったりしないでほしいんですけど」
さすがに笑われちゃいます。
自分でもこれが他人事だったら絶対に笑ってます。
「ソルさん?聞いてます」
「ああ」
聞いてはいるんですよね。
まあ、ソルさんのことですから大丈夫でしょう。誰かに笑い話を語るような人ではないですし。
そういう点に関しては、わざわざお願いしなくても安心できる人です。
「あと、もう一つお願いがあるんですけど」
ソルさんが聞いてくれるかはわかりませんが。
「もしまたウチがさっきみたいに寝ぼけてたり夢見てるような事を言ったら、どうぞ遠慮なくウチを叩いてください」
ソルさんなら容赦なく、ウチの目を覚まさせてくれるでしょう。
さっきのは痛かったです。怪我したりはしてないみたいですけど。
さあ、ディズィーさんも待ってるでしょうしソルさんの家に行きましょう。
と言っても、お隣さんなんで一瞬なんですけどね。
「ディズィーさんのお料理、楽しみです」
すぐにお隣に着いて、家に上がらせてもらいます。
「おはようございます、ブリジットさん」
「おはようございますですディズィーさん」
わぁ、いい匂いです。そういえば、朝から何も食べてないからウチはお腹空いてました。
「もうすぐ完成しますから、少し待ってて下さいね」
「はいです」
美味しそうです。
「ソルさんは手伝わないんですか?」
「お兄ちゃんには一切手も口も出さないようにお願いしてますから」
「じゃあ、これ全部ディズィーさんが一人で作ったんですか?」
「はい。がんばりました」
「すごいです!」
ウチなんて家事は全く全然できないのに。
「ふぅ、完成しました。お料理を並べますので、どうぞお席へ」
「手伝いますよ?」
「今日は全部私にやらせてください。お兄ちゃん、お座りください」
「ああ」
ディズィーさんが手際よく・・・ってわけでもないですけど、出来上がったお料理を並べてくれます。
ウチもお料理とか家事を色々少しずつ覚えていかないといけませんね。
ディズィーさんにできるならウチにもきっとできるはずです。
「お待たせしました。ブリジットさん、美味しくなかったらすみません」
「大丈夫です。おいしくないはずがありません。いただきます!」
「いただく」
「どうぞお召し上がりください。いただきます」
箸を手にとって早速一口。
「おいしいですディズィーさん」
「ありがとうございます。お兄ちゃんは、どうですか?」
「まあまあだな」
まあまあって・・・。
「ソルさんひどいです!こんなにおいしいじゃないですか!素直に褒められないんですか?照れてるんですか?」
「いいんです、ブリジットさん」
「でもっ」
「お兄ちゃんはお世辞や社交辞令はいいませんから」
妹相手にぐらい言ってもいいじゃないですか。
「初めて全部一人で作った結果で、いきなり手放しで褒められる出来なんて思ってないですから」
「い、いえ、ウチは本当においしいって思います。嘘じゃないです」
「ありがとうございます。嬉しいです。でもお兄ちゃんに比べたら、まだまだですよね?」
「それは・・・」
えっと、なんて言えばいいんでしょう?
「だから、私はまだこれからです。お兄ちゃんに美味しいって言ってもらえるまでがんばります」
「ディズィーさん・・・」
なんというか、ウチのフォローとか必要なかったんですね。
ウチもまだまだこのお二人のことを理解しきれてませんでした。
でも、ウチもディズィーさんと一緒でこれからですよね。
これから頑張って、ソルさんとも仲良くなって、いつか何か一つでも認めてもらえるようにがんばりましょう。
870
:
名無しさん
:2012/06/11(月) 04:08:33
テスタ「ソルの設定を非暴力的にしたのに何故ブリジットだけ殴られるのか」
アバ「・・・謎が明らかに」
テスタ「後付って便利だな」
アバ「・・・ね」
テスタ「何故ブリジットだけやたら殴られてるんだろうと疑問に思っていた」
アバ「・・・自分でそうしといて」
テスタ「何も考えてなかったからな」
アバ「・・・伏線とかないしね」
テスタ「そこでこんなことが過去にあったんだと」
アバ「・・・捏造した」
テスタ「捏造ではなく後付だ」
アバ「・・・どっちも変わらない」
テスタ「細かいことは置いといて」
アバ「・・・置いといて」
テスタ「後はブリジットがソルにああまで惚れた理由が要るな」
アバ「・・・また捏造」
テスタ「後付な」
アバ「・・・一体どうするのか」
テスタ「一体どうなるのか」
アバ「・・・酒でも飲んで考える」
テスタ「それが一番だな」
アバ「・・・ほどほどに」
テスタ「それでは今日はここまで」
871
:
名無しさん
:2012/06/21(木) 01:18:35
放課後の自室。
仕事を進める。
「コーヒーいるかしら?」
「ああ」
ミリアがコーヒーを淹れ、カップに注ぐ。
「どうぞ」
カップを机に置くと、ミリアはコタツに戻り読書を再開する。
コーヒーを一口飲み、こちらも仕事に戻る。
しばらく静かに仕事を進めていると、ドアがノックされた。
「誰だ」
「私とヴェノムだ。邪魔させてもらう」
「何の用だ」
「なに、貴様に用はない。たまにはここでのんびりさせてもらおうと・・・ミリア?」
ザトーとヴェノムが部屋に入ってくる。
「おおミリアよ。こんな所で会うとは奇遇だな」
「邪魔よ。出ていきなさい」
「相変わらず冷たいな」
「ザトー様、お気になさりますな」
「貴方達二人でデートでもしながらさっさと帰るといいわ」
「わかったミリア。お前の意見を参考にさせてもらおう。さあザトー様、帰りましょう!」
「おい待て」
騒がしくなった。
雑務は終わらせた。明日の授業計画を立てる。
「しかしザトー様。ザトー様が愛するミリアからのアドバイスですが、無下になさるのですか?」
「せっかく私がザトーのためを思って言ってあげたというのに」
「それが本当なら嬉しいが、どう考えても私のためじゃないだろう」
「ザトーはヴェノムと一緒にいるのが一番の幸せなのよ。私にはわかるわ」
「おおおミリア!!やはりそう思うか!?聞きましたかザトー様?ミリアもああ言ってます」
「何も聞こえない」
「うるさい」
「あら、仕事の邪魔して悪いわねソル」
仕事を続ける。
「私の代わりにザトーを幸せにしてあげるのよ、ヴェノム」
「任せてくれ。ザトー様への愛と忠誠に誓おう」
「ミリアよ、頼むからヴェノムを煽らないでくれ」
「そんなつもりはないわ」
と、そこへ再びドアがノックされた。
「誰だ」
「すみません、ザッパですが。ああ、君達もまだ帰っていなかったんですか」
「まあな」
「何の用だ」
「至急まとめてほしい書類がありまして。誰も手が空いてませんので君にお願いできないかと」
仕事が増えるか。
「こちらです。頼めますか?」
「ああ」
「終わったら職員室に持ってきて頂けますか?」
「それならばヴェノムに届けさせよう。よいな?」
「はっ、お任せを」
「では頼みます。手間を取らせてすみません」
ザッパが部屋を出ていく。
「というわけで、我々は帰るわけにはいかなくなった」
「コタツに入らせて貰ってもいいかミリア?」
「ヴェノムはいいけど、ザトーはそこで正座でもしてなさい」
「愛の鞭が痛いぞ」
「ただの鞭よ」
「ザトー様だけに辛い思いはさせません。このヴェノムもお供します。まずはお茶でも淹れましょう」
授業計画立案を中断し、頼まれた仕事を始める。
至急というなら、手早く終わらせる必要がある。
「それにしてもミリアよ、何故私の愛を受け入れてくれない」
「何故も何も、貴方に対して欠片も好意を持っていないからよ」
「おおぅ・・・ズバッと来たな・・・」
「ザトー様の魅力がわからないとは、見る目がない」
「無くて結構よ」
書類整理を進める。
大して時間は取らないな。すぐに終わる。
「ところで、ミリアは一人なのか?」
「見ればわかるでしょう。ディズィーは生徒会、ブリジットは一人で夕食を作るってさっさと帰ったわ」
「そうか。つまり、ソルの仕事が終われば一緒に帰るということか
872
:
名無しさん
:2012/06/21(木) 02:00:07
ザッパに頼まれた仕事を終わらせる。
これで問題ないはずだ。
「ヴェノム、持っていけ」
「む、終わったか。了解した。確かに届けよう」
ヴェノムが自室を出ていく。
「で、貴方は何が言いたいのかしら?」
「いやなに、ミリアも随分とソルとうまくやっているようだな、と」
「一緒に暮らしているんですもの。当然でしょう」
「ぐっ、そういう台詞は心に刺さるから、あまり言わないでくれ」
元の仕事に戻る。
「私の求愛が断られるのは、もしかするとミリアに他に意中の相手がいるせいではないか、などとふと考えてな」
「だったらどうなの?」
「だとすれば、私は潔く諦め、ミリアの恋がうまくいくことを応援したい」
「あら」
「私自身の手でお前を幸せにできないのは残念だが、ミリアがそれで幸せになれるのならば私も満足だ」
「・・・そう」
授業計画も3クラス分終わった。
後は1年の分だけだ。
「ここで聞くのもなんだが、いいタイミングかもしれん。あまり会話の機会もないしな。どうだ、ミリア。私はお前が好きだ」
「悪いわね、貴方の気持ちには応えられないわ」
「理由を聞いてもいいか?」
「そうね。単に貴方に対してそういう気持ちを持てないというのもあるけど」
「けど、なんだ」
「もしかしたら、他に気になる人がいるのかもしれないわね。正直、私自身どうなのかわからないわ。
以前はただ貴方への拒否感で断ってたけど、今断ったのはそれだけじゃない気がする。そんな所ね」
「そうか。ならば、私はミリアのその気持を尊重しよう」
仕事が終わった。
片付けて帰るか。まずはコーヒーカップを洗う。
「私が行ってくるわ」
「ああ」
ミリアが自室を出ていく。
洗い物はミリアに任せ、帰りの準備を整える。
「貴様、本当に我々のことを無視してたな」
お前たちも俺を無視していただろう。
「話は聞いてたのだろう?思う所はないのか?」
「ない」
「平然としているミリアもミリアだがな」
「帰る。部屋を出ろ」
「失恋したばかりの人間を相手に厳しいな。もう少し優しさがほしいぞ」
「ザトー様、失恋なさったのですか?」
「ん?」
ヴェノムが戻ってきた。
「それはつまり、ミリアを完全に諦めたということでしょうか?」
「む、まあ、そうなるな。告白したが、振られた。それだけのことだ」
「おお、お労しやザトー様。愛に破れる辛さ、このヴェノムよくわかります。今夜は騒ぎましょう!」
「そうだな。そうするか」
「失恋と、私とザトー様の新たな愛の旅立ちに向けて!」
「それは待て」
「騒がしいわね」
ミリアが戻ってきた。
「ミリア、ザトー様の愛を拒んだというのは本当か?」
「ええ、事実よ。だから、貴方がザトーの心を癒してあげるといいわ」
「愚弄するな。弱った所に付け込んで好かれだとしても、嬉しくない。私は正々堂々と愛をぶつける」
「貴方もザトーもブリジットも、随分と真っ直ぐなことね。そこは尊敬に値すると思ってるわ」
「部屋から出ろ」
会話がしたければ後でやれ。
鍵をかける。
「では、帰りましょうザトー様」
「そうだな。さらばだ、ミリア、ソル」
「ええ、さようなら」
ザトー達と別れる。
「私達も帰りましょう。ディズィーはもう帰ってるみたいだし、ブリジットが夕食を作って待ってるわ」
「ああ」
帰途に着く。
「ところで」
会話も無く歩いていた道中、ミリアが話しかけてくる。
「さっきの話、貴方が気にすることじゃないわよ?こっちの問題だから」
「ああ」
どうでもいいことだ。
873
:
名無しさん
:2012/06/21(木) 02:12:34
テスタ「さて・・・」
アバ「・・・さて」
テスタ「どうしたものか」
アバ「・・・えー」
テスタ「最大の問題はブリジットでもミリアでもなくソルだということ」
アバ「・・・まあ」
テスタ「こいつがバカップルのごとくになる展開が想像できない」
アバ「・・・うん」
テスタ「というか、誰かに好意を抱く姿すら想像できない」
アバ「・・・・・・無理」
テスタ「どうしよう」
アバ「・・・愛の力で」
テスタ「奇跡は起こるのか」
アバ「・・・起きるといいね」
テスタ「それでは今日はここまで」
874
:
名無しさん
:2012/06/28(木) 01:45:19
朝、学校に向かう。
「ソルさん、ウチのマフラーが長いのはなんのためだと思いますか?」
横にいるブリジットが鬱陶しい。
「正解はソルさんと一緒にマフラーを巻けるようにです!」
「ブリジット、貴方のそれは長すぎるんじゃないかしら」
「ウチとソルさんの身長差を考えればこれぐらいで適正です」
「一人で使うには長すぎよね」
「ブリジットさんが頑張って編んだんですから、いいじゃないですか」
「そうです!ウチの愛情たっぷりの手編みのマフラー!暖かいこと間違いなしです!」
それが必要なほど寒くもない。
「さあソルさん存分にウチの愛で暖まってください!」
「断る」
「今ならさらにウチと腕を組むこともできますよ?」
いらん。
学校に着いた。
「残念です。じゃあ続きは帰りでやりましょう」
一人でやってろ。
「ディズィー達おはよー!」
「おはようございます!」
ジェリーフィッシュの連中と遭遇する。
「おはよソルっち。ちょうどいい所に」
「バッドガイさんに聞きたいことがありますわ」
「拒否は認めないから悪しからず」
「おはようバッドガイ君。朝からごめんね」
何の用だ。
「ズバッと聞くけど、昨日ミリっちに告白されたって、本当?」
「いいや」
昨日の放課後の話か。
「あれ、違うの?」
「話が違いますわ姉さま」
「え、でもザトーちゃんからそう聞いたよ〜」
「わるおじゃなくてミリアに聞いてみたら?」
「よし聞いてきてメイ」
「ボクが?いいけど」
放課後の後、ザトーとこいつらの誰かが会い、軽く事情を聞いたというところだろう。
「でね、ミリア。ソルに告白したの?」
「ちょっと待って。なんでそんな話になってるの?」
「ちょっと待って下さい!どういうことですかミリアさん!!」
「私も知らないわよ」
「昨日の放課後、ソルに告白したんじゃないの?」
「してないわよ」
「してないんだ」
教室に向かうか。
「こら逃げない後輩君。まだ時間に余裕はある」
「お兄ちゃん、私もどういうことか知りたいです」
お前らに付き合う気がないだけだ。
「貴方達、説明を求めるわ」
「ウチもです!場合によってはソルさんの浮気を糾弾します!」
「バッドガイは何も悪くないと思うわよ、多分」
「落ち着いてミリア、ブリジット。知ってることは話すから」
エイプリルが事情を話す。
「・・・つまり、昨日、空元気のザトーと会ったから事情を聞いたら、『私はソルが好きだから』という理由で振られたって言ったわけね」
「聞いたのは姉さんだけど。で、これが本当なのかなって昨夜から私達の間で盛り上がってたの」
おおよそ予想通りだ。
「今の話は本当ですかミリアさん!?」
「・・・間違ってるわ」
「えええ」
「ザトーちゃんの嘘つき〜」
「お姉ちゃんの聞き間違いじゃないの?」
「そんなことないと思うけどな〜。ザトーちゃんかなり落ち込んでたもん」
正しくもないが完全に間違ってるというわけでもない。
「ミリちゃんがザトー先輩を振ったっていうのは事実なの?」
「それは、本当よ」
「その理由が『お兄さんが好きだから』じゃないの?」
「・・・違う、わね」
「今、間があったよ」
「ミリアさん!?」
そろそろ始業時間だ。
教室に向かう。
875
:
名無しさん
:2012/06/28(木) 03:08:06
教室。
「おはようアル。ミリアに告白されたそうアルナ」
「羨ましいぜこの野郎。でも、そいつを即断で一蹴したらしいな?酷いやつだなお前は」
紗夢と闇慈が話しかけてくる。
「バッドガイ君、ごめんなさい。なんだか、いつの間にかそんな話になってたの」
人通りの多い場所で騒いでいたからな。
かつ、告白されていたとして、そこでの俺の対応を想像すると、そういう尾鰭が付いたのだろう。
「お前らには関係ない」
噂がなんであれ、俺から話す事はない。知りたければミリアに聞け。
「あ、うん。ごめんねバッドガイ君」
「確かに興味本位で聞くことじゃあねえかもな」
「誤解ならソルにもミリアにも悪いアルナ」
それで納得したらしい。
「よおし席に着けお前達」
ジョニーがやってきてHRが始まる。
そしてそれが終わると、教室を出る。
「お仕事がんばってねバッドガイ君」
自室に向かう。
「ああ、待ちなソル」
教室を出ると、ジョニーに呼び止められる。
「なんだ」
「お前さん、随分と噂になってるな」
だからなんだ。
「うちの娘達がすまんな。悪気はなかったんだろうが、こうもデタラメな噂が広がってはなあ」
「そうか」
俺は噂などどうでもいい。
謝るならミリアにしておけ。
「まあ、お前さんが告白を一蹴したってのは実に想像しやすい光景ではあるんだがな」
普段のブリジットへの対応を見ていればな。
「とにかく、しばらく話題になるかもしれんが、あまり気にするな。もっとも、お前さんは大丈夫だろうがな」
元より気にしていない。
ジョニーと話を終え、自室に向かう。
「ソル」
「なんだ」
自室前にザトーがいた。
「いや、すまんな。私が迂闊にジェリーフィッシュに話をしたせいで、こうなるとは」
どうでもいい。
責任を追求する気もない。
「とはいえ、『実はこうだった』などと真実を詳細に語った所で、どれほど効果があるかもわからんしな。
かえって、本当だったと解釈される可能性もある」
昨日のミリアの言葉を考えると、十分そう考えることはできるだろう。
事実、ザトーはそう捉えたのだ。
「私にはどうすればいいかわからない。なので、お前に頼む。この状況をどうにかしてほしい」
しばらく放っておけば勝手に噂も消えるだろうが、今すぐにとなるとどうしたものか。
「今回の件、ミリアにとって面白い話ではないだろう。長引かせたくはない。私が言える義理ではないが、どうか頼む」
お前に頭を下げられても意味は無いが、同居人の問題だ。
ならば、少しは解決に手を貸してやろう。
「では私は教室に戻る。時間を取らせて済まなかったな」
ザトーと別れる。
自室に入り、教材を用意する。まず、1年の授業。
876
:
名無しさん
:2012/06/28(木) 04:13:23
1年の教室。
「てめえ、よくものこのこと顔を出せたもんだな」
「・・・どうどう」
「落ち着きなさい梅軒」
「これが落ち着いていられるかってんだ。それで、何しにきたんだ」
「授業だ」
他に何がある。
「ミリアは黙ってるけどな、俺はあんたを許さないね」
「あなたが口を出すことじゃないわよ梅軒」
「ああ!?ダチをやられて黙ってろってのかい!」
「・・・まあまあ」
まだ、具体的な出来事は話していないのか。
当然だな。ミリア自身、どう解釈されるかわかっている。
自分がそんな台詞を言ったということも、他人に言いたいことではないだろう。
「ソルさん!ウチはソルさんを信じています!!」
このままでは授業にもならない。
先にどうにかするか。
「ミリア」
「・・・なにかしら」
「結婚してくれ」
「・・・は?」
求婚する。
「ちょおおおおっと待ってくださいソルさん!!!」
「黙れブリジット」
「いやこれは黙れませ」
「ふざけてんじゃないよ!!」
「黙れ。全員静かにしろ」
ざわめく教室を静かにさせる。
「どうだ」
「いえ・・・あの、それは・・・えっと・・・・・・急にそんなことを言われても・・・」
「そうか。では。授業を始める。教科書を開け」
「ちょっと?どういうつもりなのかぐらい」
「授業中だ。静かにしろ」
授業を始める。
察しのいい連中なら、俺の意図を理解するだろう。
ディズィーとエイプリルだけでもいい。それでどうにかなる。
その後は問題もなく、授業を終える。
「あんた!最初のあれは一体なんだったんだい!?」
「・・・梅軒・・・そこまで」
「あん?」
「この話は終わり。さ、次の授業の準備しましょ。宿題は終わってるの?」
教材を片付ける。
「なんなのよ、一体」
「ミリアちゃん、わからない?」
「理解できないわね」
「お兄さんが本気であんなこと言ったわけじゃないのは、わかるよね?」
「ええ、まあ。そうでしょうね」
「だとすると、あれはミリちゃんのためにソル先輩が言ったんだよ」
「ソルさんがそんな奇行に走るぐらい、ミリアが困ってるってこと。ごめんね、色々無神経だったかも」
「あ、そういうことだったんだ」
「メーイ。わかってなかったの?」
片付けも終わり、自室に向かう。
「ソルさんソルさん」
「なんだ」
「もし、ミリアさんがプロポーズを受けてたら、どうしてたんですか?」
「それはない」
今のミリアが俺の求婚を受けることはない。
だからこの手を使った。
「万が一の話です」
その時は、後でミリアの意思を確認し、本気ならそのまま婚約関係となる。
「・・・・・・ウチなんて相手にもされないのに」
「落ち込むなんてブリジットさんらしくないと思います」
「わっ、ディズィーさん?」
「私はいつでも前向きなブリジットさんの方が素敵だと思いますよ?」
「そうですか?・・・そうですね!ウチにできることはミリアさんに負けないように頑張るだけですよね!!」
うるさい。
「あ、噂に関しては私とジェリーフィッシュの皆さんで後はどうにかしますから、任せてください」
「ああ」
ディズィーがそう言うなら、問題ないだろう。
877
:
名無しさん
:2012/06/28(木) 04:33:49
テスタ「どうするんだこれ」
アバ「・・・どうしようね」
テスタ「ブリジットかミリアか」
アバ「・・・きつい二択」
テスタ「本来迷う必要すらない選択のはずなんだが」
アバ「・・・ブリジットをメインヒロインに設定するから」
テスタ「何故こうなった」
アバ「・・・出オチだったのに」
テスタ「ここからブリジットが巻き返すにはどうすればいいのか」
アバ「・・・考えて」
テスタ「いつもそれだ」
アバ「・・・他に方法が?」
テスタ「ない」
アバ「・・・がんばれ」
テスタ「それでは今日はここまで」
878
:
名無しさん
:2012/07/11(水) 02:39:38
ブリジットの方がいいなぁ
ソルを振り向かせようと一生懸命に頑張ってるし
ブリジットの想いが報われてほしい
それにあの可愛さなら性別なんて関係ないんじゃない?
ここのソルなら「別に恋愛に性別なんて関係ない。好きになった奴がたまたま男だっただけだ」とか言っても不思議じゃないと思うしw
879
:
名無しさん
:2012/07/19(木) 01:01:52
朝、目を覚ます。
猫共を退かしベッドから出、着替えを済ませ階下に向かう。
猫に餌と水を与え、朝食を作る。
「おはよう、ソル」
「ああ」
ミリアが起きてきた。
「手伝うことはあるかしら?」
「ない」
「そう。だったらお茶を飲んで待ってるわ」
茶を淹れ、ミリアに出す。
「ありがとう」
朝食作りに戻る。
「ねえ、貴方が朝食を作ってるのは久しぶりじゃないかしら」
最近の休日はブリジットかミリアが作っていたし、平日はディズィー任せだからな。
確かに俺が朝食を作るのは冬休み以来か。
元より料理が好きというわけでもない。率先して作ろうとは思わない。
「私達の誰より料理が上手いのに、もったいないわね」
お前達が料理をしないなら、俺が作るがな。
そこまでして俺に料理をさせる気もないらしい。
朝食が完成した。盛り付ける。
「そういえば、ブリジットはまだ寝てるようね。せっかく久々の貴方の手料理なのに食べそびれるなんて」
一応三人分用意はしてある。
だが、ミリアも起こしに行こうとはしない。
寝ているなら無理に起こす必要もない。
「それじゃ、いただきます」
「ああ」
朝食を食べ始める。
問題ないな。味が落ちていることもない。
「相変わらずの美味しさね。簡単な料理なのに、どうしてこうも差がつくのかしら」
「技術的な問題だ」
包丁捌きや火加減がまだ甘い。
「まったく奥深いわね」
もっとも、ミリアの料理も文句など付ける必要のない程度に完成している。
更なる上達を求めなければ十分な出来だ。
「貴方ほどじゃなくても、ディズィーやブリジットには並びたいわ。一番下手なままというのも癪だもの」
「数をこなすことだな」
ミリアはただ経験値が足りていない。
何度もやれば上達するものもある。
その後朝食を終え、片付ける。
「私がやるわ。それと、昼食は私が作るから。一応聞くけど、食べたいものは?」
「ない」
「でしょうね」
好きなものを作れ。
「貴方にも好みの一つでもあれば、考えやすいんだけど」
食えるなら、文句は言わん。
「何を作ろうかしらね」
ミリアが献立を考えながら食器を洗い始める。
さて、俺も掃除をするか。
そしてテーブルから立ち上がった時。
「おはようございますソルさん!もう朝ご飯無くなっちゃいましたか!?」
「おはようブリジット。貴方の分は残ってるわよ」
「おはようですミリアさん。ありがとうございます。ウチとしたことが寝坊してしまいました・・・」
「すぐ温めるから座ってて。ほとんど冷めてないし」
「あ、どうぞお構いなく片付けを続けてください。自分でやりますから」
部屋を出る。
「あれ、もしかして今日はソルさんが作りました?」
「ええ。見ただけでよくわかるわね」
「せっかくソルさんがウチのために作ってくれた朝ご飯なのに、出来立てを食べられなかったなんて!!
どうして起こしてくれなかったんですかミリアさん!」
「たまには静かな朝食をと思って」
「そんな!?」
騒がしい。
掃除するか。
880
:
名無しさん
:2012/08/06(月) 02:18:50
目が覚めました。
時計を確認すると・・・まだ朝じゃないですか。
いつもならまだ寝てる時間ですけど、目が覚めちゃいましたしね。
休みの日でも早起きというのはたまにはいいと思います。
パンを焼いてミルクを用意して、朝ご飯も食べました。
さて、これからどうしましょうか。暇です。誰かと遊ぶ約束もしてませんし。
午後からならお隣のディズィーさんの家に遊びに行くんですけど、まだお昼前ですし。
きっとディズィーさんもまだ寝ています。あ、でもソルさんは起きてるかも。ていうか絶対起きてますよね。
この時間だと、お掃除してるんでしょうか。ソルさんは行動パターンが固定されてるので読みやすいです。
んー・・・たまにはソルさん相手に押しかけてみるのもいいかもしれません。
「断る」なんて言われるんでしょうけどね。あの人いつもそれです。
ま、それならそれでいいです。ディズィーさんが起きるまで待たせてもらいましょう。
ソルさんが作るお昼ご飯は美味しいですしね。
そんなわけでお隣へ。
チャイムを鳴らして玄関前で待機です。
ドアが開きました。
「おはようございます!」
元気よく朝の挨拶です。
「何の用だ」
そしてやっぱりソルさんはいつも通りでした。
「遊びにきました」
「ディズィーなら寝ている」
「わかってますよ?たまにはソルさんと遊びたいと思いまして。ウチと遊びませんか?」
「断る」
ですよね。わかってました。ここまで予想通りです。
「じゃあ、ディズィーさんが起きるまで待っていてもいいでしょうか?」
「ああ」
「お邪魔します」
家に上がらせてもらいます。
何度も来てるので慣れてます。一人、居間で待たせてもらいましょう。
なんて、居間に入ったのですが。
「よっ、おはよ」
「おはようございます、ブリジット」
「あれ?あ、おはようございます」
アクセルさんとカイさんがいました。
このお二人も、たまにこの家で見かけます。
「アクセルさん達も遊びに来たんですか?」
「まあな。旦那は相手してくんないけどな」
「アクセル、彼が午前中忙しいのはわかってたでしょう」
でも、押しかけちゃったんですね。
ソルさんが相手してくれるわけないのに。あ、それはウチもですか。
当のソルさんは掃除に戻っちゃいました。
「ま、ブリジットが来たなら丁度いいや。3人でできるゲームでもやってようぜ。旦那対策に」
「新しいボードゲームを仕入れてきましたので」
「へー。面白いんですか?」
「そりゃモチ。つまんないゲームやったって楽しくないだろ?」
それもそうですね。このお二人が用意して、かつソルさんに勝てる可能性のあるゲームですか。
ちょっと面白そうです。主に、ソルさんに勝てるという部分がですが。
ソルさんは反則的な強さですが、たまに負ける時だってあるんです。
勝ったことがあるのはアクセルさんとカイさんとディズィーさんだけですけどね。
ウチも一度くらい、ソルさんに勝ってみたいです。
「ルールはちょっと複雑だけどな。カイ、説明頼む」
「貴方はいつも。自分でやったらどうですか?」
「そういうの苦手なんだよ俺は。お前の方が向いてるだろ?」
「仕方ありませんね。では、簡単に説明します。その後、プレイしながら補足説明としましょう」
「わかりました。お願いします!」
ウチもソルさんに勝ちたいです!
それから、カイさんにゲームを習って、テストプレイも終了。
「ルールは覚えましたか?」
「はい、多分大丈夫です」
「よし。じゃあ旦那、やろうぜ」
「断る」
・・・ですよね。
「掃除終わったんじゃないの?」
「昼食を作る」
「ああ、もうそんな時間か。じゃあ昼飯食い終わったらやろうぜ」
「断る」
ですよね。さすがソルさん。
もう慣れましたけどね。
「んじゃ昼飯後にな。旦那、昼飯なに?」
「すみません、ご馳走になります」
「ウチはディズィーさんを起こしてきますね」
全員食べる気満々です。まあ、ソルさんはちゃんと人数分作ってくれるんですけど。
881
:
名無しさん
:2012/08/18(土) 04:11:07
放課後、自室。
雑務の整理と明日の授業予定を立てる。
「知ってますかソルさん?そろそろバレンタインデーだということを!」
「まだ先じゃない?」
「甘いですねメイさん。そうやって油断してるといつの間にか当日になってしまっているんです」
騒がしい。
「どっちでもいいけど、ちゃんと課題やりなさい二人共」
「はい・・・」
エイプリルに注意され静かになる。
「でも、もうそんな時期なのね」
「ソル先輩は今年も大量にチョコ貰うんだろうなあ」
「お兄さんは律儀に3倍返しを守らなくていいと思うんです」
ディズィーが返礼はきちんとしろと言うんでな。
「絶対に3倍になって返ってくるんだから、誰だってソルにプレゼントあげるよね」
「ウチの愛も3倍にして返してください!」
「ブリちゃんの愛を3倍返しするとどうなるんだろうね」
「ソルさんが壊れるんじゃない?」
「そんなお兄さんは見たくないかも・・・」
仕事を進める。
「きっと『ブリジット愛してる!大好きだ!!』って会うたびに言うんだよ」
「それだけじゃ3倍にならないんじゃない?」
「じゃあ抱きしめてキスも追加しよう」
「うわあ・・・そんなのソルじゃないよ」
「最高じゃないですか!」
「えええ・・・」
「ソルさん、お願いですから正気を保ってください」
そんな返礼をする気はない。
「ソルさん、ホワイトデーは期待してますから!ホワイトデーと言わず今からでも大丈夫ですけど!!」
「ブリジット、さっきから手が止まってる」
「はっ。すみませんでした」
静かに課題をやっていろ。
「バレンタインかあ」
「どうかしたの?」
「え、いや。毎年だけど、姉さん達にとっちゃ複雑なイベントだなって」
「それ、お兄さんの前でする話題じゃないと思う」
「あ、そだね。ソル先輩、今の会話は聞かなかったことにしてください」
どうでもいい。
「メイ、終わりそう?」
「うーん、もうちょっと。最後の問題だもん」
「もう少しね。ブリジットは?」
「助けてください」
「はいはい」
そろそろこちらも仕事が終わる。
882
:
名無しさん
:2012/08/18(土) 04:22:44
テスタ「なんか色々とダメだな」
アバ「・・・駄目駄目」
テスタ「前回と前々回は寝落ちしてた」
アバ「・・・飲み過ぎ」
テスタ「しばらく書いてないからやる気が出ない」
アバ「・・・困った」
テスタ「この先の展開も考えつかない」
アバ「・・・アイディア不足」
テスタ「どうにもならないな」
アバ「・・・どうにもならないね」
テスタ「書いてない間にブリジットルートをどうするか考えてみたが」
アバ「・・・考えたんだけど」
テスタ「何も思いつかない」
アバ「・・・じゃあミリアルート?」
テスタ「ところがそれも思いつかない」
アバ「・・・ええー・・・」
テスタ「なのでもうどうしようもないので」
アバ「・・・ないので?」
テスタ「ルート確定なんかせずにその時に思いついたままで行こうと思う」
アバ「・・・行き当たりばったり」
テスタ「その結果もし『俺達の戦いはこれからだ』エンドになってもしょうがないと開き直ろう」
アバ「・・・仕方ないね」
テスタ「風呂敷畳むの難しいと今更知った」
アバ「・・・遅すぎた」
テスタ「とりあえずバレンタインイベント始めて強制的に終わりに向かわせる」
アバ「・・・決着付けばいいけど」
テスタ「どうなることやら」
アバ「それでは今日はここまで」
883
:
名無しさん
:2012/09/03(月) 03:27:57
放課後、自室。
「『復習』とは自分の運命への決着をつけるためにあるッ!」
「わかってるなら宿題やりなよ」
「疲れたからちょっと休憩」
「一問解くたびに休憩してますわ」
「早く終わらせたほうがいいと思うの」
ジェリーフィッシュの4人組が宿題をやっている。
「今日の宿題の量は多過ぎる」
「文句を言っても減らないの」
「君だけ進んでないからね」
「バッドガイさん、紅茶飲みます?」
机に紅茶と茶菓子が置かれる。
「お疲れ様ですわ」
一口飲み、仕事を続ける。
「終わる気がしない」
「私はそろそろ終わるの」
「えっ、もう?」
「真面目にやるとそんなもんだよ」
「そういう自分はどうなのさ」
「もうちょっとかかるけど、まあなんとかなるかな」
「似たような感じですわ」
「あれ、あたしだけ遅れてる?」
「今気づいたの?」
雑務を片づけた。
後は明日の授業計画を立てる。
「わかんないとこが多くてさ」
「教えられるとこは教えるの」
「ありがとう!」
「わからないのに、答えを丸写ししようとはしないよね」
「そうだな・・・わたしは『結果』だけを求めてはいない。『結果』だけを求めていると人は近道をしたがるものだ・・・・・・・・・・・・。
近道をした時真実を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。
大切なのは『真実に向かおうとする意思』だと思っている。向かおうとする意思さえあれば、
たとえ今回は問題が解けなかったとしてもいつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな。
・・・・・・・・・・・・違うかい?」
「違ってはいませんが、それなら宿題以外でも毎日勉強してはいかがでしょう?」
「いや、それはちょっと・・・」
俺の仕事もそろそろ終わる。
終わらなかった場合、残りは家でやれ。
「ふぅ、私の方は終わったの。どこがわからないの?」
「次の問題」
「そこだけ?」
「そして次のもわからない問題だ」
「・・・だけじゃないよね」
「その次の次のも。その次の次の次のも・・・・・・その次の次の次の次のも・・・次の!次も!
わからない問題だあああ――――――ッ。これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!」
「そういえば、私は今日お夕飯のお手伝い当番だったの」
「あ、私は風呂掃除だった」
「なんだか姉さんの顔が見たくなりましたわ」
3人が帰り支度を始める。
「あれ?ちょっと、ねえ」
「残りはソル君に聞くといいよ」
「バッドガイさん、後はお任せしましたわ」
「終わらせてから帰ってきてね。夕飯は貴方好みの献立にしておくの。バッドガイ君、また明日」
3人が帰っていく。
「なんか・・・・・・急に涙が出てきて・・・・・・おもいっきりさ――あんたのとこで、泣きたいんだけれど・・・・・・
そんな時間・・・泣いてる余裕なんてないかもしれない」
「宿題やれ」
「ソルっちまであんまりだー!」
泣いてる余裕があるなら宿題に取り掛かれ。
「でも、ソルっちが教えてくれるならすぐ終わるよきっと」
教えなければいけないのか。
仕事は終わったが、帰れそうにない。
「そっちも終わったの?紅茶でも飲む?」
「いらん」
さっさと宿題を終わらせる。
884
:
名無しさん
:2012/09/20(木) 01:42:11
テスタ「今日はがんばろう」
アバ「・・・はい」
テスタ「もうこうやって自ら宣言でもしないとやる気が出ない」
アバ「・・・酒が足りない」
テスタ「有言実行は大切だ」
アバ「・・・寝落ちしないように」
テスタ「・・・どうだろうな」
アバ「・・・えー」
テスタ「今日の展開もこれから考えるし」
アバ「・・・アイディア不足」
テスタ「眠くなる前にやるしかない」
アバ「・・・がんばれ」
885
:
名無しさん
:2012/09/20(木) 02:37:36
とある連休の日。その初日。
メイさん達の家にお泊り会です。
「こんにちはです」
「こんにちはメイさん。今日はお世話になります」
ディズィーさんと一緒にやってきて、ご挨拶です。
「いらっしゃい!上がって上がって」
「はい。おじゃまします」
「お邪魔します」
靴を脱いで家に入って、とりあえずメイさんの部屋へ向かいます。
「おう、お前達か」
「あ、こんにちはですジョニーさん。お久しぶりです」
「こんにちはジョニーさん。お邪魔しています」
「ああ、うちに泊まるんだってな。ゆっくりするといい。メイ、ちゃんとお客さんをもてなすんだぞ」
「わかってるよジョニー。任せてよ!」
あんまりお気遣いしていただかなくても大丈夫です。
いつも通り遊ぶだけですから。
「ブリジットちゃん、ディズィーちゃん。いらっしゃ〜い」
「こんにちはです」
「こんにちは」
「リープおばさんがお菓子用意してくれたからね〜。お部屋に持っていったよ〜」
「ありがと姉さん」
「ありがとうございます」
「うん。ごゆっくり〜」
その後も何人かとすれ違って、ようやくお部屋にたどり着きました。
さすが、ここは人が多いです。皆さん仲良しで楽しそうです。
「いらっしゃいデズちゃんブリちゃん」
「こんにちは。飲み物どうぞ」
「こんにちはです。ありがとうございます」
「いただきます」
「二人共、荷物は適当に置いておいていいからね」
「はい」
お泊りの荷物を置かせてもらって、やっと一息付きました。
「さ、遊ぼ!何しよっか?」
「最近買ったボードゲームやろうよ。6人プレイも可能なやつだしさ」
「あれは今お姉ちゃんがもってるんじゃないかな?」
「じゃ、取りに行ってくるわね」
「お願いエイプリル」
おおう、口を挟む間もなく話が決まっていきます。
まあ、別に文句もないんですけど。
あんまり難しいルールは苦手なので、簡単だといいですね。
「あ、ディズィーちゃんとブリジットちゃんもそれでいいかな?」
「はい。大丈夫ですよ」
「ウチもお任せします」
「結構面白いよ。うちで流行中」
そういうのいいですね。
ウチは一人暮らしなのでそういうのありませんし。
「ただいま」
「おかえりなさい」
エイプリルさんがゲームを抱えて戻って来ました。
「やっほー。いらっしゃいデズっち、ブリっち」
「こんにちはです」
「こんにちは」
あれ?この人も一緒にゲームをやる気なんでしょうか?
「あー、邪魔はしないよ。ちょっとデズっちに聞きたいことがあってさ」
「私ですか?何でしょう?」
「ソルっちはさ、今日も家にいるの?」
「お兄ちゃんですか?はい、いつも通り部屋に引きこもってますけど」
あ、ディズィーさん、ソルさんの勉強熱心を引きこもりって言っちゃうんですね。
「じゃあさ、あたし達も遊びに行っていいかな?」
「はい、どうぞ。お兄ちゃんの相手をしてもらえるなら喜んで」
ソルさん的には多分迷惑な話が勝手に進んでるんですけど。
「ディズィーちゃん、ディズィーちゃんのお兄さんは勉強中じゃないの?邪魔していいの?」
「いいですよ?」
「いいんだ」
「ソル先輩にはきっと良くないよね」
「ディズィーはソルさんには強気だものね」
ウチ達にはとっても優しい人なんですけどね。
「ありがとーデズっち。それじゃ、お邪魔させてもらうね」
「はい。なんなら、泊まっていただいても構いませんよ?」
「え、いいの?」
「はい。お夕飯はお兄ちゃんに作らせてください。なんでも作れますから」
またソルさんの負担が増えてます。
886
:
名無しさん
:2012/09/20(木) 04:05:43
それにしても、ソルさん抜きでそこまで決めていいんでしょうか?
「ディズィーさん、勝手にそんな約束までして、ソルさんは大丈夫ですか?」
「これぐらいでうろたえるお兄ちゃんじゃありません」
「ドイツ軍人はうろたえないッ!」
「姉さん、ちょっと静かに」
あ、おとなしくなりました。
「とにかく、お兄ちゃんもお休みの日ぐらい、お友達と遊んだりしてもいいと思うんです」
「ソルってずっと一人で勉強してるだけだもんね。ボクだったら絶対できないよ」
「メイは宿題さえ一人じゃできないでしょ」
「宿題ぐらいちゃんとやりなよメイ。あたしを見習え!」
「お姉ちゃん、嘘は良くないよ」
「お姉ちゃんを信じてよ!?」
ウチも勉強は苦手です。ソルさんみたいに暇潰しで勉強なんてとてもやりたくないです。
「そういうわけですので、お兄ちゃんをよろしくお願いします」
「うん、オッケーわかった。遠慮無く泊まらせてもらうね」
「姉さん、あんまりソルさんに迷惑かけないようにね?」
「わかってるってエイプリル。一晩中遊ぶだけだよ」
「わかってないよね」
「ボク達だって徹夜で遊ぶもんね!」
「張り合わないで」
うーん、ソルさんがそんな遊びに付き合ってくれるんでしょうか。
この前、カイさんとアクセルさんと一緒に遊んだ時は付き合ってくれてましたけど。
あれはきっと、仕方なくって感じでしたね。楽しそうでもなかったですし。
それでも、ほとんどのゲームに勝ってたのはさすがですけど。
と、そんな所にもう一人やってきました。
「ごめんね、ちょっとお邪魔するの。いらっしゃいディズィーさん、ブリジットさん。ねえ、何やってたの?宿題がまだ途中なのに」
「姉ちゃん?さっき信じてとかなんとか」
「ちょっと待って、今はそれどころじゃないんだって」
「さっきもそうやって休憩したの」
「いやいや話を聞けばきっと」
「ごめんね、お邪魔したの。ゆっくりしていってね」
「はい」
「お兄ちゃんをよろしくお願いします」
「え?うん・・・・・・?」
それでドアが閉じ、連れて行かれました。
「ディズィーちゃん、今の言い方だとまともに伝わらないと思う」
「まあいいじゃないですか」
「いいんだ」
「ねえ、何の話?」
「さあ?」
なんとなくわかりますけど。
なんとなくわかりたくない気がします。
あの人達はきっとソルさんの家に遊びに行くんでしょうね。
それでソルさんを無理矢理引きずり出して、美味しい料理を作ってもらったり、色々遊ぶんでしょう・・・。
楽しそうだなあ・・・っていやいや、別にうらやましがることないじゃないですか。ウチはウチでメイさん達と楽しく遊ぶんです!
「それじゃお姉ちゃんと話してる間にゲームの準備も整ったし、始める?」
「はい!お願いします!」
「どうしたのブリちゃん?なんかテンション高いね」
「そうですか?ウチはいつもこんな感じです!さあやりましょう!ルールを教えて下さい!」
「う、うん。えっとね・・・」
それからしばらくは皆さんで楽しくゲームです!
確かに、おっしゃっていた通り結構面白いですねこれ。
「いえー!ボクの勝ちー!」
「あ、私は2位ですね」
「おお、すごいねデズちゃん」
「最下位はブリジットちゃんだね」
「ま、負けました・・・」
「初めてだからしょうがないわ。次はがんばりましょ」
「は、はい。今度こそ!」
ルールは理解しました。次は勝ちます!
そしてゲームスタートです。
「姉さん達はもうディズィーの家に行ったのかしら」
「まだじゃない?行くならデズちゃんに声かけると思う」
「なんでそんなにソルと遊びたがるかなあ」
「メイだってディズィーちゃんのお兄さんにはお世話になってるのに」
「宿題は見てもらうけどさ、遊んだりとかあんまりないよ?ソルが相手してくれないんだもん」
そうですよね。ソルさんは基本、ウチ達とはあんまり遊びませんね。
「やっぱりクラスが同じだと仲良くなったりするんじゃない?」
「姉ちゃん達が強引なだけだと思うよ?ソル先輩ってそういうのに弱いみたいだし」
「ウチはあんな態度をソルさんには取れません」
「年上だしね。お姉ちゃん達はその点は気楽だと思う」
「お兄ちゃん相手に遠慮なんか必要ありませんよ?歳の差も気にしなくていいです」
「ディズィー、私たちはそんな簡単に割り切れないの」
「ディズィーさんは割り切りすぎです」
一番ソルさんに無茶な要求してるのはディズィーさんですからね。
それとも妹だからわがままも言いやすいんでしょうか。
887
:
名無しさん
:2012/09/20(木) 05:35:59
再びゲームが終わって。
「あ、今度は私が1位ですね」
「やりました、ウチは2位です」
「・・・あれ?おかしいな、なんでボク達負けてるの?」
やった!2位です。
ディズィーさんに負けたのは残念ですけど、最下位から大躍進です!
「ディズィーちゃんが手強いね」
「ソル先輩並に強いよね」
「いえ、私なんてお兄ちゃんにはまだまだです。たまにしか勝てませんし」
「たまに勝つんだ」
「ディズィーさんは対ソルさんだと一番勝率高いですよ?」
カイさん達と一緒に遊ぶ時、やはりソルさんは強いですが、たまにディズィーさんも勝ちますからね。
次にカイさん、アクセルさんときて、ウチは一番弱いです。
「よし、次はディズィーを徹底マークだね」
「あ、ウチはそういうのなら得意です」
「そうなの?」
「ブリジットさんがそういうプレイをするとかなり厄介ですよ」
ひたすらソルさんの足止め役に徹したりしますからね。それで鍛えられました。
ウチが抑えている間に早く!ってプレイングも面白いです。
「よしじゃあもう一回やろ。その後は別のをやろうよ」
「そうね。じゃあ始めましょう」
そしてゲームスタートです。
と、部屋のドアがノックされました。
「失礼しますわ。ディズィーさん、貴方の家にお邪魔させてもらいますが、バッドガイさんに伝言はありますか?」
「そうですね。『お客様を丁重におもてなししてください』と伝えていただけますか?」
「わかりましたわ。必ずお伝えします。では今夜は貴方の家に泊めさせていただきます」
「はい、どうぞ我が家と思っておくつろぎください」
「ありがとうございます。貴方もごゆっくり。ブリジットさんも。では失礼しますわ」
「ソルによろしくねー」
やっぱり泊まるんですか。
「姉ちゃん達はソル先輩に親しすぎじゃないかな」
「仲が良くていいじゃないですか」
「ふと思ったんだけどね、そろそろバレンタインじゃない?」
「そうだよね。クラスのみんなやジョニーにあげるチョコ用意しないと」
「姉ちゃん達はソル先輩にチョコをあげるのかなって」
あ、そういう話題って有りなんですか。
「義理ぐらいは渡すと思うけど」
「そんなんじゃなくてさ、ほら、本命の方を」
「わ、それ言っちゃうんだ」
「姉妹だからって詮索するのはダメでしょ」
「何?何の話?」
「メイさん、次はメイさんの番ですよ?」
「あ、ボク?うーん、どうしようかな」
一人確実な人がいますけど・・・。
他の3人はどうなんでしょう。
「ひょっとしてちょっとした修羅場になったりするかな?」
「姉さん達はそんなんで喧嘩しないわよ」
「お兄ちゃんって人気なんですね」
「ソル先輩のどこがいいのかわかんないけどね」
全くです。愛想も無いですし付き合いも悪いですしほとんど喋りませんし。
まあ宿題見てくれたり料理が美味しかったり無茶な要求に応えてくれたりでいい所もあるんですけど。
「ていうか、あの姉さんに関してはみんな気付いてたんだ?」
「そりゃまあ。割りとバレバレだし・・・」
「お姉ちゃん、なんていうか可愛くなったと思う」
「恋する乙女は綺麗になるって言いますしね」
「それにしても、ソルさんは気付いてるんでしょうか?」
「ソル先輩が人の気持ちとか察する人かなあ?」
ああ、確かに。他人なんてどうでもいいって人でした。
「ソルってそういうの得意じゃないの?」
「メイ?なんで?」
「だって、宿題とか教えてもらう時、ボクが休みたいと思ったらすぐ注意してくるもん」
「・・・あー」
「おかげで宿題が進むんだよ」
「メイ、今年はソルさんに義理でいいからチョコを渡すようにね」
「へ?なんで?」
お世話になりすぎです。あ、ウチもですね。ソルさんにはなんだかんだでお世話になってますし。
はっ、いやいや、ウチは男じゃないですか。でも、同性同士で贈り合うなんてありますし、おかしくはないですか?
ソルさんにバレンタインチョコですか。どんなチョコだと喜んでもらえるんでしょう?
「あ、ボク2位だ。ちぇっ、惜しかったな」
「え?」
いつの間にかゲームが終わってました?
「ブリジットちゃんがまた最下位だね」
「それでまたデズちゃんが1位かあ」
「ブリジットさん、何か考え事してました?心ここにあらずでしたよ」
やっちゃいました!普通に負けてるじゃないですか。
き、気持ちを切り替えましょう。今はバレンタインのことじゃなく、遊びを満喫しましょう!
888
:
名無しさん
:2012/09/20(木) 05:45:06
テスタ「よし、がんばった」
アバ「・・・まだ途中」
テスタ「がんばった」
アバ「・・・・・・うん」
テスタ「久々に長々と書いたな」
アバ「・・・お疲れ」
テスタ「そしてとうとうバレンタインに踏み込んだわけだ」
アバ「・・・過去でだけど」
テスタ「この調子で現在の方でもサクッとやってしまおう」
アバ「・・・お泊りの続きは?」
テスタ「これで終わりだが?」
アバ「・・・えー」
テスタ「さてさて、現在のブリジットとミリアの方はどう展開させるかな」
アバ「・・・JFは?」
テスタ「所詮は名も無き脇役なんだよ・・・」
アバ「・・・・・・かわいそうに」
テスタ「では今後も終わりに向けてがんばろう」
アバ「・・・おー」
テスタ「それでは今日はここまで」
889
:
名無しさん
:2012/10/09(火) 02:31:23
テスタ「さあがんばろう」
アバ「・・・おー」
テスタ「今日何を書くか、まだ何も考えていないが」
アバ「・・・えー」
テスタ「風呂敷を畳むのって難しい」
アバ「・・・何度も聞いた」
テスタ「とりあえずミリアを出そう」
アバ「・・・最近出てないしね」
テスタ「状況は放課後か休日か。どっちかだな」
アバ「・・・選択肢がない」
テスタ「放課後は最近多用してる気がするから、休日にするか」
アバ「・・・それも多用してるような」
テスタ「・・・・・・そもそも放課後と休日以外の選択肢がほとんどないな」
アバ「・・・ああ・・・」
テスタ「ネタに詰まるわけだ」
アバ「・・・とにかくがんばろう」
テスタ「おお」
890
:
名無しさん
:2012/10/12(金) 04:23:30
朝、目を覚ます。
ベッドから出て着替えを済ませ、階下に向かう。
台所に向かうと、すでに朝食が作られはじめていた。
「おはよう、バッドガイ君」
「ああ」
昨日、ディズィー達がジェリーフィッシュの所に泊まりがけで遊びに行き、こいつらがうちに遊びに来た。
「もうちょっとかかるから待っててね。コーヒーあるの」
コーヒーを用意される。テーブルに付き、それを貰う。
すでに猫に餌や水は与えているようだ。朝食が出来上がるまで待つとしよう。
膝の上のサンタナを撫でていると、一人、起きてきた。
「おはよう」
「おはようレイジさん。早いね」
「貴方もね。何か手伝おうかしら?」
「もうすぐできるから大丈夫なの。ちょっと待っててね。コーヒー飲む?」
「いただこうかしら」
ディズィーとブリジットに付いていかず、ミリアはうちに残っていた。
「結構濃いめに淹れてるから、ミルクとお砂糖は多めにするといいの」
「ありがとう。でも少しぐらい苦くても大丈夫よ。目覚ましにはちょうどいいわ」
「・・・忠告はしたの」
ミリアがコーヒーをそのまま飲む。
「ッ!?」
「だ、大丈夫?お水いる?」
「大丈夫よ・・・でも、何よこれ。失敗したの?」
「ううん、味はわりと狙い通りなの」
「貴方、苦味が強いほうが好きなの?」
「そんなことないの」
「だったらどうしてこんなコーヒーを淹れたのかしら?」
「バッドガイ君はこれぐらいが好みだから」
「なんですって?」
俺に好みなんてないが。
「そういえばソル、貴方はよく平気な顔してこれを飲めるわね。苦いとか思わないの?」
「多少はな」
飲めるのだから気にするほどのことではない。
「ていうか本当なの?貴方にこんな好みがあったなんて知らなかったわ」
俺もだ。
この味が好きかと問われても、そんなことはない。
「違うみたいよ?」
「そんなことないの。それと、朝食できたから、3人を起こしてきてほしいの」
「・・・随分な自信ね」
こいつがここまで言うのなら、俺はこの味が好みなのかもしれない。
参考にしておこう。
席を立ちまだ寝ている連中を起こしに行く。
「貴方が行くの?仮にも女性を起こしに行くなら、私の方がいいんじゃないかしら」
「仮はいらないと思うの。でも大丈夫だから。レイジさんには難しいだろうし、お願いバッドガイ君」
「ああ」
今までに何度もやってきたことだ。
「随分と慣れてるわね。私にはわからないわ・・・」
3人の寝ている部屋に向かう。
ノックをし、声を掛ける」
「起きろ。朝食ができた」
「は〜い。今行くよ」
返事はするが、動く気配はない。
ドアを開け部屋に入る。
「起きろ」
「おはよ〜ソルっち。おやすみ」
「ん?朝?時間は・・・まだ早いね」
「zzz」
あいつは、毎朝こいつらを起こすのに苦労しているのだろうか。
「起きろ。朝食ができた」
「後で食べる〜」
「昨夜遅くまで遊んだから眠たいんだよ」
「zzz」
起き上がる気配がない。
だが、この部屋にいた猫共は起きてきた。
餌を求めて部屋を出ていく。
891
:
名無しさん
:2012/10/12(金) 05:59:55
3人共起きる気配がない。
「ソルっち、このお布団がいけないんだよ。気持ちよすぎ」
「ずっとこうしていたいよね」
「暖かくて、フカフカで、寝心地良くて、柔らかくてそして濡れている」
「起きる気力を奪われた」
「zzz」
このままでは朝食が冷める。
部屋の空調の設定を変え、室温を最大まで上げる。
自身の炎も使い、部屋を熱する。
「暑いよッ!」
「ていうか熱いね」
「・・・おはようございます、バッドガイさん」
起きたか。
「支度をしてこい。朝食ができている」
「はーい」
「はぁ、起きようか」
「・・・どうしてこんなに暑いのでしょうか?」
部屋を出て、台所に向かう。
「長い付き合いだから、なんとなくわかるの」
「そんなものかしら」
「レイジさんは一緒に暮らしてるんだから、これからだと思うの」
「別に、彼を理解したいわけじゃないわ」
「そう?」
部屋に入る。
「あ、おかえりバッドガイ君。みんな起きた?」
「ああ」
「ありがとう。こっちももう準備できたの」
すぐに、残りの3人もやってきた。
「おはよー」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよう。どうぞ召し上がれ」
「いただきます」
「いただく」
朝食を摂る。
「やっぱり同じメニューでも結構味が変わるものね」
「うん。私のはリープおばさんに習ったレシピだから」
「でも、これってうちで食べるのとも味が違うよね?」
「うちとは道具とか食材が違うからちょっと変わるの」
「なんにせよ美味しいよ。どうソル君。感想は?」
「美味い」
「ありがとう。おかわりあるから、たくさん食べて欲しいの」
朝食を食べ終える。
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした。お茶淹れるの」
「・・・ソル好みに?」
「ううん、普通に淹れるの」
「そう。良かったわ」
俺の好みに合わせることもない。
「この後どうしようか」
「ソル君、君の予定は?」
「掃除する」
「暇なのですわね」
「いつもなら、いつまでいるの?」
「お昼を食べてから帰るかな。デズっち達もそんな感じ」
「とにかく、お昼まではいるんだよ」
掃除を始めるか。
「それじゃ、あたし達も掃除しよっか」
「結局それだよね」
「必要ない」
「立つ鳥跡を濁さずですわ」
「みんなでやればすぐに終わるの」
すぐに終わらせる必要もないんだがな。
「遊びに来たのに、掃除なんてするの?」
「掃除も遊びだよ、ミリア君」
とにかく、掃除をするとしよう。
892
:
名無しさん
:2012/10/12(金) 06:08:33
テスタ「前回がんばると言ったのに寝落ちするという」
アバ「・・・かっこ悪い」
テスタ「そんな日もある」
アバ「・・・頻繁に」
テスタ「それはそうと、このスレが始まってから3年が経つ」
アバ「・・・3年も・・・」
テスタ「我々は何をやっているのか」
アバ「・・・何してるんだろうね」
テスタ「1年前を探してみたら、『来年には終わってると思いたい』と」
アバ「・・・無理だった」
テスタ「この1年何をしていたのか」
アバ「・・・・・・何してたんだろう」
テスタ「酒を飲んでた」
アバ「・・・それは間違いない」
テスタ「来年は何をしているだろう」
アバ「・・・酒を飲んでる」
テスタ「それは間違いない」
アバ「・・・命があれば」
テスタ「恐ろしいことを言う」
アバ「・・・1年後までには終わらせよう」
テスタ「できればそうしたい」
アバ「それでは今日はここまで」
893
:
名無しさん
:2012/10/25(木) 01:25:45
テスタ「さてやるか」
アバ「・・・がんばれ」
テスタ「もっと酒を」
アバ「・・・飲み過ぎ注意」
テスタ「飲まないとやってられない」
アバ「・・・自棄」
テスタ「どうやって終わらせればいいのかまったくわからない」
アバ「・・・ここまできて」
テスタ「だから酒を飲もう」
アバ「・・・乾杯」
テスタ「乾杯」
894
:
名無しさん
:2012/10/25(木) 02:53:09
放課後の自室。
通常の業務を行なっていると、ノックの音がした。
「ソルさん、お邪魔します!」
ブリジットがやってきた。
「ってあれ?珍しいですね。誰もいないんですか」
お前が来なければな。
「ってことはウチとソルさんの二人っきりってことですね!」
コタツに入り、飲み物を用意し始める。
「お仕事お疲れ様です!今日はミリアさんがお夕飯を作るので、ウチはソルさんのお仕事が終わるまでここで待ってます!」
机に茶を置かれる。
「そういえば、二人っきりというのも最近はあまりなかったんじゃないでしょうか?
なんだか随分と久しぶりな気がします。お茶が入りましたよ」
茶を飲み、仕事に戻る。
「二人だけの時間。いいですねえ。なんだか、この世界にウチとソルさんしかいないなんて錯覚を覚えませんか?」
「いいや」
そろそろ学年末の最後のテストもある。
多少復習に時間を裂くか。
「例えばですよ?世界が滅んで最後に残った二人がウチとソルさんだったら、とてもロマンチックだと思います!」
そんな状況になる前に、滅びを止めてやる。
「想像してください!荒廃した都市、今にも崩れそうなビル、裂けた道路、かろうじて原型を留めている人造物、
人の気配のない静寂、徘徊する野生動物、明日をもしれぬ我が身、そんな中でウチとソルさんはお互いを支えあって生きているんです!」
そろそろテストの範囲を決めなければな。
といってもこれで最後だ。今年の内容全部入れるか。
問題の難易度を設定するのが難しいが、やれるだろう。
「希望を捨てずに明るいウチと、そんな時でも相変わらず無口で無愛想なソルさん!
やがて二人の間に子供ができ、家族が増え、いつしか人類は再生します。
その始まりのウチとソルさんの愛は永遠に語り継がれるんです!」
どこから子供が湧いてきた。
「壮大なラブストーリーだと思いませんか!?」
「思わん」
「ソルさんってば夢がないです」
仕事を続ける。
「だったらソルさんはどんなのがご希望なんですか?」
そんなものはない。
「ベタベタに、ウチが朝にパンをくわえて登校中、曲がり角で転校生のソルさんとぶつかるっていうのはどうでしょう!」
どうもこうもない。
「ハッ!?もしかして数年前にソルさんが初めて登校する時、今のシチュエーションは使えたんじゃないでしょうか?
千載一遇のチャンスを逃してしまいました!!」
家が隣にあるのに、どこの曲がり角でぶつかるというのか。
「ああ、ウチはなんてバカだったんでしょう!もしやり直せるなら、曲がり角でソルさんを待ちぶせて見事にぶつかってみせます!」
明日の授業予定を立て終わる。
仕事は終わりだ。帰るか。
「もうお仕事終わったんですか?」
「ああ」
帰り支度を整える。
「ソルさん!こういう時はわざとスピードを落として、二人の時間を長くするとかそういう気配り必要だと思います!」
「断る。部屋から出ろ」
「ちょ、ちょっと待って下さい。ディズィーさんがまだ生徒会で学校に残っていると思います」
「だからなんだ」
「ディズィーさんの方も終わるまで、ここで待っていませんか?」
「必要ない」
卒業式が近く、生徒会の連中も忙しいらしいが、待つ理由もない。
「いやでもですね・・・ん?ディズィーさんがいると二人で下校というのもできませんね・・・。
待つか、帰るか。それが問題です」
「出ろ。鍵をかける」
「わっ。わかりました!二人で仲良く手をつないで帰りましょう!」
「断る」
ただ帰るだけだ。
「え?腕を組みたいんですか?」
自室に鍵をかけ、学校を出、帰路につく。
895
:
名無しさん
:2012/11/17(土) 01:51:41
テスタ「最近の停滞っぷりときたら」
アバ「・・・やる気ない」
テスタ「どうにもモチベーションがな」
アバ「・・・保たない」
テスタ「色々とどうするか考えたんだが、もう私ではブリジットエンドは不可能と悟った」
アバ「・・・とうとう」
テスタ「所詮出オチだったのだ」
アバ「・・・そうだけど」
テスタ「というわけでブリジットルートはきっぱり諦めよう」
アバ「・・・ミリアルート?」
テスタ「この際それでいいやと思っている」
アバ「・・・適当」
テスタ「もはや決着はどうであれ、早く終わらせたいという心境」
アバ「・・・投げやり」
テスタ「このままではここまで来て投げ出してしまいそうで」
アバ「・・・今になって」
テスタ「そういうことだから後はなりふり構わずいこう」
アバ「・・・がんばれ」
896
:
名無しさん
:2012/11/17(土) 02:51:43
お休みの日の朝。
目覚まし時計の音で目を覚ましました。
「うぅ・・・まだ眠いです・・・」
時計を止めてお布団をかぶり直します。
はぁ、暖かくて幸せです。お部屋も十分に温かいんですけど、お布団の温もりはまた格別です。
この魅力に抗える人がいるなんてウチには信じられません。
まあ、ソルさんなんて当たり前のように起きだすんですけど。
あ、そうだ。
目覚ましをかけてるのも、ソルさんより早く起きて朝ご飯を作るためだったじゃないですか。
すっかり忘れてました。でもまだ眠たいですし・・・。
って感じで結局いつも寝過ごすんじゃないですかウチは。
たまにはがんばりましょう。これも愛のためです!
気合を入れてお布団から抜け出します。
すると、一緒に寝ていたタマさんも目を覚ましたみたいです。
「おはようございますタマさん」
タマさんは「にゃー」と一鳴きして挨拶を返してくれました。かわいいです。
抱き枕代わりに抱きしめてたロジャーを棚に戻し、さて、今日も一日がんばりましょう!
着替えを済ませて時間を確認すると、そろそろソルさんが起きる時間。
よし、間に合いました。いつも几帳面に起きる時間がずれないソルさんは、こういう時はありがたいです。
「行きましょう」
タマさんを連れてお台所へ。
餌を上げて、それから愛情たっぷりの朝ご飯を作りましょう。
今日はどんな献立にしましょうか。
なんて考えながら台所に向かうと、すでにお味噌汁のいい匂いや何かをジューッと焼いている音が。
「あら、おはようブリジット。早いわね」
「おはようございますミリアさん」
台所には既にミリアさんが!
ソルさんのことばかりで忘れてしまってました。
「もうちょっとかかるわ。待っててくれるかしら?」
失敗しました。ミリアさんも早起きさんじゃないですか。
「ウチもお手伝いします」
「私一人で大丈夫よ」
せめて手伝いくらいはと思いましたが、断られてしまいました。
せっかく早起きしたのに、まさかこんな結果になるなんて。
とりあえずお茶を用意して大人しく待ちましょう。ソルさんもそろそろ起きてくるでしょうし。
それにしても。
「ミリアさんって、最近よくご飯を作ってますよね」
「そうかしら?」
「そうです」
お休みの朝の日はもちろん、ディズィーさんが主に担当してた平日の朝ご飯もミリアさんが作る事が多くなってるような気がします。
それにお夕食も、先生のお仕事で忙しいソルさんや生徒会に入ったディズィーさんの代わりに作ってます。
さすがに夕食はウチと交互にですけど。ウチだってソルさんに手料理を食べて欲しいんです。
「貴方と違って早起きするのが苦じゃないもの」
「う・・・」
それを言われると辛いです。
今日もお布団の誘惑に負けそうになりましたし。
でも、なんというか、お料理しているミリアさんはそれだけじゃないような。
「ミリアさん。聞きたいことがあるんですけど」
「なにかしら?今日の献立ならもうできるから、見たほうが早いわよ」
「そんなことじゃなくてですね。もしかして、えーと・・・」
なんて聞けばいいんでしょう?
「どうしたのよ」
「あの、ミリアさんはソルさんのためにお料理してるんですか?」
「は?」
怪訝な顔をされてしまいました。
「どういう意味かしら?」
「えっと、だからですね。ミリアさんはソルさんに美味しいご飯を食べて喜んでもらえるためにお料理をしているのかな、と思ったんです」
「ちょっと意味がわからないわ」
「えーっと、だから・・・つまり・・・ミリアさんはソルさんが好きなんですか?ってことです」
そう、もう直球で聞いてみましょう!
好きな人に自分の作った料理を食べてもらう。これはとっても嬉しいことなんです。
ウチの経験則ですから間違いありません!
ミリアさんもそうだから、進んで料理をしているんでしょうか?
「ブリジット」
「はい、なんですか?」
「寝ぼけてるなら顔を洗ってきた方がいいわよ?」
「ウチは正気ですよ!?」
冗談でもなんでもないです!
ウチの言いたいことはわかりにくかったかもしれませんけども!
897
:
名無しさん
:2012/12/03(月) 02:23:23
まったく、ブリジットったら朝から何を言い出すのかしら。
「もうすぐ朝食もできるから、顔を洗って頭を冷やしてくるといいわ」
「だからウチは至って正常です。寝ぼけてもいません!」
そうかしら?
「じゃあもう一度聞くけど、さっき、貴方は私に何て質問したかしら?」
聞き間違えであればいいけど。
「こうなったらウチも引けませんよ?ミリアさんはソルさんが好きなんですか?」
どうやら冗談でもなさそうね。
一体どういうことかしら。どうしてそんな質問をされるのか理解できないわ。
「何故そんなことを聞くのかしら?」
「普段から、ミリアさんって意外と献身的だなって思ってたんです」
「私が?誰に?」
「もちろんソルさんにです」
どこが?ブリジットの勘違いじゃないかしら?
普段、ソルに何かしてあげてるということはない。彼は他人の世話なんか必要としてないもの。
せいぜい適当な時間にお茶を淹れて部屋に運ぶぐらいね。
そんなの、私でなくてもディズィーやブリジットもやっていること。献身的だなんてほどのことじゃないわ。
献身的っていうのはそう、ジェリーフィッシュの彼女みたいな人のことをいうのよ。
「それはないわ」
「そうですか?」
この子はまさか、意味をわかってないんじゃないかしら。
「いい?献身っていうのは、要するに相手のために尽くすことよ?」
「それぐらい知ってます!」
あら、意外ね。っていうのはブリジットに失礼かしら。
「最近のミリアさんはまさにそんな感じだと思うんです」
「どこがかしら?」
「例えば、ソルさんのお仕事が終わるまで学校の自室で待ってたりしてますよね?前はそんな事してなかったです。
それに、朝ご飯を作る回数も最近増えてます」
「貴方の夕飯の支度を邪魔するのも野暮でしょう?
朝食を作ってるのは、居候させてもらってるお礼みたいなものね」
夕飯の手伝いが欲しいなら、言ってくれれば手伝うわ。
「本当にそれだけですか?ウチみたいに、ソルさんに手作り料理を食べてもらうのが嬉しいなんてことはありませんか?」
「自分の作った料理をおいしく食べてくれるなら、気分が良いのは当たり前じゃないかしら?」
ソルは「それがどうした」って感じでどうでもよさそうだけど。
私は「美味しい」と言われて悪い気はしないわね。
「そうですけど・・・でもそれだけじゃなくてですね」
「朝ご飯、できたわよ」
ブリジットはまだ言いたいことがありそうだけど、時間切れ。
魚が焼けたわ。盛りつけて、テーブルに並べる。
ご飯にお味噌汁、焼き鮭にきんぴらごぼう。卵焼きに冷奴もあるし十分よね。
タイミングよく、ソルもやってきたわ。
「おはよう、ソル」
「ああ」
「おはようございますソルさん!」
ブリジットがおかしな話をしてたけど、気にするようなことじゃないわね。
「今できたところよ」
ブリジットをあしらい、ソルがテーブルに座る。
私もそれに続き、ブリジットもソルの隣に座る。
「いただきます!」
「いただく」
「どうぞ、めしあがれ」
さ、食べましょう。
足元にやってきたシロ達に少し魚を分けつつ、朝食を取る。
「ところでソルさん、今日の予定は?」
「掃除する」
「午後は暇ですよね?ウチとデートに行きませんか?」
「断る」
ご飯を食べながら、ブリジットがソルを誘う。
よく懲りないわね。
「デートがダメなら、一緒にお散歩に行きませんか?」
「断る」
何も変わってないわブリジット。
それでソルがOKすると思ってるのかしら。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さま」
朝食を終え、食後のお茶を淹れる。
一息ついたら、片付けを始めましょう。
898
:
名無しさん
:2012/12/03(月) 04:07:04
朝、目を覚ます。
ベッドから出て身支度を整え、階下に向かう。
「おはよう、ソル」
「ああ」
「おはようございますソルさん!」
すでに朝食が用意されていた。
「今できたところよ」
席に着く。
「いただきます!」
「いただく」
「どうぞ、召し上がれ」
朝食を食べ始める。
「ミリアさんのお料理、美味しいです」
「そうかしら?」
「はい。これはウチも負けてられません!」
隣が騒がしい。
「ところでソルさん、今日の予定は?」
「掃除する」
いつも通りだ。他に何もない。
「午後は暇ですよね?ウチとデートに行きませんか?」
「断る」
「デートがダメなら、一緒にお散歩に行きませんか?」
「断る」
そんなことをする理由がない。
「ソルさんツレナイです」
それでもブリジットは静かになった。
朝食を続け、食べ終える。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さま」
ミリアが茶を淹れる。
「どうぞ」
「ああ」
「ありがとうございます」
置かれた茶を飲む。
「ミリアさん、後片付けはウチがしますよ?」
「ありがとう。でも大丈夫よ。ブリジットはソルを手伝ったらどうかしら」
必要ない。
「それならウチはソルさんのお部屋をお掃除します!」
「断る」
「・・・はっ、まさかソルさん、ウチに見られたくない物を隠してるとか!?これは徹底的に家探しをする必要ガッ!」
俺の部屋は常に整理されている。
余計なことをして荒らすな。
「まあブリジットはソルの邪魔にならないように、サンタナ達の相手をしてあげてるといいんじゃないかしら」
「うう・・・そうします」
茶を飲み終わり、席を立つ。
「それじゃ、片付けるわ」
午前中、家中を掃除する。それを終わらせると、昼に近い。
ディズィーが起きてくる時間だ。昼食を作るか。
「おはようございます、お兄ちゃん」
「ああ」
料理の際中、ディズィーが起きてきた。
「おはようございますディズィーさん」
「おはよう。ようやく起きたわね」
「おはようございます」
ミリア達とも挨拶を交わし、テーブルに着く。
コーヒーを出す。
「ありがとうございます」
昼食もすぐに完成する。
「ソルさん、何かお手伝いすることはありませんか?」
「ない」
静かにしていろ。
899
:
名無しさん
:2012/12/03(月) 04:12:46
アバ「・・・今回のは・・・有り?」
テスタ「なりふり構わずってことで」
アバ「・・・えー」
テスタ「しかし、何か進展があるわけでもないという」
アバ「・・・無意味」
テスタ「ちょっと違う視点でやってみたらどうにかなるかもと思ったんだ」
アバ「・・・どうにかなった?」
テスタ「詰んでる感が増えた気がする」
アバ「・・・あーあ」
テスタ「まあ、色々試していこう」
アバ「・・・ここにきて」
テスタ「JF視点とか」
アバ「・・・それはちょっと」
テスタ「ダメか」
アバ「・・・奥の手」
テスタ「確かにそうだ」
アバ「・・・なるべく・・・やらない方向で」
テスタ「そうだな」
アバ「それでは今日はここまで」
900
:
名無しさん
:2013/02/21(木) 01:40:03
休日の午後。
昼食後、玄関のベルが鳴る。
「私が出てきますね」
ディズィーが立ち上がり、玄関に向かう。
「ソルさん、お茶はいかがですか!」
「いらん」
食後の茶なら、もう十分だ。自室に戻るか。
立ち上がり、キッチンを出る。
「あ、お兄ちゃん。ちょっと待ってください」
部屋に戻る途中、ディズィーに呼び止められる。
「なんだ」
「ええと、お兄ちゃんにお客様なんですけど」
「こんにちは、バッドガイ君」
「ああ。何の用だ」
一人か。
「あ、とりあえず居間へどうぞ。お茶を用意しますね」
「ありがとう、ディズィーさん」
居間に入る。
「何の用だ」
「ソルさん、せめてお茶が出るまで待ったらどうでしょうか?」
「随分と大きな荷物を持ってきたのね。何かあったのかしら」
ブリジットとミリアもやってきた。
「いいの、ブリジットさん。急に押しかけてごめんなさい。お願いがあって来たの」
「なんだ」
「少しの間、具体的にはバレンタインデーまでの一週間、ここに住まわせて欲しいの」
「断る」
どういう事情か知らんが、そんな頼みを聞く理由はない。
「ちょっと、ノータイム過ぎるわソル。ちょっとぐらい理由を聞いてみたらどうかしら」
「そうですソルさん!この方がこんなこと言い出すなんて、よっぽどのことですよ!!」
興味が無い。
「家出でもしたのかしら?」
「姉妹喧嘩ですか?仲直りしたいなら、ウチも協力します!」
「あの、気持ちは嬉しいけどそういうのじゃないの」
「だったらどうして」
「失礼します。お茶をお持ちしました」
ディズィーが戻ってきた。
「ありがとうディズィーさん。いただきます」
「どうぞ、ごゆっくり」
茶を飲み、一息付く。
「それであの、どうして急にソルさんの家に住まわせてくれなんてことになったんですか?」
「えっと、それは・・・」
口ごもる。再び湯のみを手に取り、話しだす。
「少し、がんばってみようかなって、思ったの」
「はい?」
「意味がわからないわ」
「だから、その・・・このままじゃ目標に届きそうにないから、思い切った行動も必要なの」
それで押しかけたのか。
「あー・・・わかりました。そういうことですか」
「思い切りよすぎじゃないかしら。ていうか、それをここで言っていいの?」
「無理を言ってるから、少しぐらいは。・・・恥ずかしいけど」
「私は反対する理由はありませんが・・・どうしますお兄ちゃん?」
「断る」
魂胆はわかった。とはいえ、それを受け入れる理由もない。
「ソルさん鬼ですか!」
「最低ね」
「お兄ちゃん、それはさすがに酷いと思います」
「いいの、みんな。バッドガイ君ならこういう反応だろうなって予想してたから」
そうだろう。それぐらいわかってる奴だ。
「だから、反対されても押し切るの。こういうやり方は迷惑だと思うけど、一生懸命がんばるの」
「押しかけ女房ですか!?そのポジションにはすでにウチが収まってますよ!」
「貴方、意外な行動派だったのね」
「がんばってください。お部屋なら来客用のが一つ余ってますから、そこをどうぞ」
「ありがとう。これからよろしくお願いします」
「ウチは負けませんからね!!」
結局、また居候が一人増えた。
部屋に戻るか。
901
:
名無しさん
:2013/02/27(水) 04:53:48
朝が来て、時計の音で目を覚ます。
布団から身体を起こすと、側で寝ていたネコ達も目を開けた。
「おはよう」
この子達を起こしちゃったかしら。まあ、餌の時間だしいいわよね。
支度を整えてから、部屋を出る。顔を洗うと、少し残っていた眠気も飛んだ。
朝食を作りましょうか。キッチンから物音がするけど、ディズィーはもう起きてるのかしら?
「あら?」
「え?あ、おはようレイジさん」
「え、ええ、おはよう」
そこにいたのはディズィーではなく、新しい同居人だった。
突然人が増えるというのは違和感があるものね。ブリジットの時もそうだったかしら。
でも、私が言えたことじゃないわね。ソルとディズィーも、始めはこんな気持ちだったのかもしれないわ。
・・・ディズィーはともかく、ソルはないわね。彼がそんなことで乱れるような人には思えないわ。
「レイジさん?」
「・・・あら、ごめんなさい。まだ少し眠気が残っていたみたい」
「ちょっと待っててね。お茶を淹れるの」
「ありがとう」
そう言って、茶葉を取り出しお茶を淹れてくれる。
「どうぞ」
「ありがとう」
「今から朝ごはん作るから、少し待っててほしいの」
「手伝いましょうか?」
「ゆっくりしててほしいの。昨夜は歓迎会ってことでレイジさん達にご飯を作ってもらったから、今朝は私の番」
「そう?」
そこまで言うなら、手伝うのも野暮ってものかしら。
自らの分のお茶を飲むと、彼女は朝食に支度にかかった。
・・・随分と慣れてるみたいね。料理にではなく、この家の台所に。動作に淀みが見えない。
調理器具や調味料の場所も、当然のように把握しているわ。今までどれほど・・・。
「おはようございます。早いですね」
「おはよう、ディズィーさん」
「おはよう」
ディズィーが起きてきた。この子は、休日は昼まで寝るくせに、平日は普通に起きられるのよね。
私がこの家に住み始めるまで、食事は基本的に彼女が担当してたというのだから当然かしら。
「もう作り始めてるんですね。お手伝いすることはありますか?」
「大丈夫なの。はい、お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
ディズィーもテーブルに着く。
やっぱり、手出しをする気はないみたいね。
「おはようございます!」
「おはようございますブリジットさん」
「おはよう、ブリジット」
「おはよう、ブリジットさん」
続けて、ブリジットも現れた。
朝が苦手な彼・・・彼女かしら?にしては早起きね。ソルのためなんでしょうけど。
「朝ご飯ですね!ウチも手伝います!」
「ありがとう。でも大丈夫だから、ゆっくりしててほしいの」
やんわりとブリジットを抑え、お茶を差し出す。
「ブリジットさん、今朝はお任せしましょう」
「う、ディズィーさんがそう言うなら。でも明日はウチが作りますからね!」
「わかったの。明日の朝食はお願いね」
「はい!」
あら、今後家事全部を自分でやるつもりってわけでもないのね。
そうね、彼女はそんな自分勝手な人でもないか。
正直、他の人達ほど彼女のことを知っているわけじゃないけれど、それぐらいはわかるわ。
「はぁ、お茶が美味しいです」
「朝ご飯も楽しみですね」
「そんな、期待されても大したものは出せないの」
ブリジットとディズィーは自然に彼女と接してるけど、考えてみると、私ってあまり彼女と接点がないわね。
私だけ知り合って一年も経ってないのだし、年も違うから当然なのだけど、昨夜もあまり会話はなかった気がするわ。
やっぱり、付き合いの長さっていうのは重要みたい。
「ミリアさん?どうかしましたか?」
「いえ、なんでもないわディズィー」
「そうですか?」
まさか、軽い疎外感を感じてたなんて、言えるわけないわ。
そんな時に、タイミングよくソルが現れた。
「おはよう、ソル」
「ソルさんおはようございます!!」
「おはようございますお兄ちゃん」
「おはよう、バッドガイ君。ちょうど朝ご飯ができたの」
「ああ」
それぞれに挨拶を口にする。
朝食も出来上がったらしいわ。ご飯にしましょう。
902
:
名無しさん
:2013/02/27(水) 05:55:59
家を出て、学校に向かう。
「ブリジットさん、宿題はちゃんと終わりましたか?」
「がんばったんです。ウチはウチなりにがんばったんです!」
「つまり終わってないのね」
前を行く3人の会話が聞こえてくる。
興味もなく、ただ学校への道を歩く。
ほどなくして、学校に到着する。
「あ、おっはよー!ソルっちも」
「おはよう。いきなり並んで登校か。順調みたいだね」
「おはようございます。花嫁修業はいかがですか?」
「そ、そんなんじゃないの」
ジェリーフィッシュが教室で待ち構えていた。
「よお旦那!聞いたぜ、随分と羨ましいことになってんじゃないの」
「てめえばっかりモテやがって!」
「代ワレ。我輩ト代ワレ。下等生物ノ家ヲ明ケ渡セ!」
「ホリーシット!」
「貴方に限って無用な心配とは思いますが、風紀を乱すような真似は謹んでくださいよ」
「うるさい」
朝から騒がしい。
「照れんなって旦那。どうよ、新妻を迎えた気分は」
「愛人もほどほどにしとけよ?後ろから刺されるぜ?」
「我輩ガ刺シテ殺ル」
「ヘイロボ、気持ちはわかるけど落ち着こうぜ!」
「私は特に口出しする気はありませんが、修羅場にならないよう気をつけてください」
自室に行くか。朝の雑務を片付ける必要がある。
「逃げないでよソルっち」
「それとも実は本当に恥ずかしいのかな?ソル君のそういうシーンは貴重だからね」
「バッドガイさんも人の子だったのですわね」
「ごめんね、バッドガイ君。お仕事いってらっしゃい」
教室を出る。
「おおっと、こいつは丁度いい。ソル、お前さんに話がある」
「何の用だ」
「ここじゃなんだ。自室に行っていいか?」
廊下でジョニーと出くわした。
そのまま、自室へと同行する。
机へと向かい、書類を片付ける。
「朝からご苦労さん。ま、それはそれとして、うちのお姫様のことだが」
だろうな。
「急にすまんな。俺の方も一昨日の夜に突然『家を出る』なんて宣言されて驚いたんだ」
宣言の翌日に、うちに来たわけだ。
「だが衝動で動くような子じゃないからな。つまりそれほどの決意と覚悟を持ってるってことだ。それを汲んでやってほしい」
どうでもいい。
「期間限定ではあるが、あの子をどうかよろしく頼む」
書類仕事が終わった。
後は授業の準備をして、教室に戻るか。
「お前さんに限って間違いはないと信じたいが、それでもやはり娘が心配でな。もしうちの子を泣かせたら、命は無いと思え」
知ったことか。
自室を出て教室に戻る。
「ああ、その書類は俺が預かっとこう。それじゃ、HRでな」
ジョニーと別れ、教室に向かう。
教室に入る前に、
「バッドガイ君、おかえりなさい」
「何の用だ」
廊下で待ち構えていた。
「うん、あの、周りが騒がしくてごめんなさい」
「ああ」
この程度、昨日受け入れた時から予想はできていた。
「それと、今まで言うタイミングがなかったから今更なんだけど・・・」
「なんだ」
「えっと・・・ふ、不束者ですが、よろしくお願いします」
「ああ」
頭を下げられる。
どの道もう決まったことだ。1週間、好きにやればいい。
903
:
名無しさん
:2013/02/27(水) 07:01:38
テスタ「間が開くと前回の展開とか忘れてしまうな」
アバ「・・・だからって」
テスタ「とりあえずどんな形であれ完結させることを最優先にしよう」
アバ「・・・無理矢理ソルに改心させれば?」
テスタ「それはさすがに最後の一線だからな」
アバ「・・・改心しないとエンディングが見えない」
テスタ「切り札のJFを投入してみたが、いざやってみると反応がなさ過ぎて困る」
アバ「・・・なんのための押しかけ女房」
テスタ「こんな主人公にするんじゃなかった」
アバ「・・・何度目の後悔」
テスタ「こうなったら誰かと結ばれて終わるという形のエンディングは諦める方向で」
アバ「・・・どんどんハードルが下がっていく」
テスタ「それでも越えられないんだがな」
アバ「・・・がんばれ」
テスタ「それでは今日はここまで」
904
:
名無しさん
:2014/05/14(水) 22:56:14
あー結局おわらなかったみたいやねー
久々にみにきたけど 残念 まぁ悩んでたみたいだし
しかたないか
905
:
名無しさん
:2015/06/12(金) 19:56:40
やっとおいついた。紗夢が普通にめっちゃいい子で応援したかったけどもう無さそうだな。
ミリアいいね!
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