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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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*「ここは 【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ の避難所です」
*「雑談や 連絡の場として どうぞ」
*「このURLの先が 現行の 本スレです」
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1246115227/
*「避難所の 過去スレです」
避難所1
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1206954054/
避難所2
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1211908307/
避難所3
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1221605457/
避難所4
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1232545359/
*「まとめサイトです」
ttp://www9.atwiki.jp/hutatuna/pages/1.html
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あー、エースほったらかしでごめんなさい!
近くに誰か来たら戦闘イベに持ち込もうと思っていたのですが、中々機会が来ず・・・
エースの書き込みは自分が担当しても良いですかね、それともNPCなので誰でも動かせる感じでしょうか?
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>>824
担当してくれるならそうして下さると有り難いです。
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天木さんに質問です。
Wikiの方は首筋に刺青があるとなっているのですが、本スレでは腕になっています。
設定を変更したということでよろしいのでしょうか?
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↑の質問はエースについてです。書き忘れました。
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>>826
おっと、修正しわすれてました、ごめんなさい。指摘ありがとうございます。
エースについて:
タトゥー部分の下に擬似狂戦士としての人格を発動する装置が埋め込まれているという設定にしたかったのですが、
首にあると流石に取り出せないかと思い腕に変更しました。装置破壊で戦士としての人格は消えます。
ちなみに装置は具現化系能力によるものとしたかったのですが、広域に干渉出来るジョーカーの能力の一端という事には出来ないですかね?
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>>828
ええ、構いません。
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ルールに乗っ取り先に進ませてもらいました。
エースの生死は天木さんにお任せします。
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投下遅れました、そして修正前の内容を>>25に貼り付けていました、申し訳ありません。
>>25は飛ばして、>>26からお願いします。
エースは一応生存の形を取ります。
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次の順番では神宮さんなのですが、
戦闘を一旦終了して次の展開に入らないと絡みにくいと思い、
勝手ながらターンを飛ばして書き込ませていただきました。
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ちなみに、ワイズマンの居場所は島の地下ですが、
そこに通じるルートは北東の洞窟となっています。
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>>832
構いませんよ。
闘っていたのは氷室さんだけなので、入り込む余地はなかったでしょう。
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このままだとまだ絡みにくいので、エースの返答を待ってからでいいでしょうか?
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書き込み途中で投下してしまいました。
>>29は無視でお願いします。
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ここでありがちな短期間での無茶な試練。
天木さん、すんませんw
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氷室さん、修練提供ありがとうございます!!!
めんどくさい流れにしてしまい申し訳無いですが、天木の心身的な成長イベントという事にさせてください汗
突っぱねるも良し、フォローも良し、放置も良しです。
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今ログ見直してます
かなり遅いですけどレオーネさんお疲れさまでした
今回隙を見て新規で入りたいのですが以前二つ名メーカーを使用してましたよね?
今回は使用しなくてもいいのでしょうか?
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すいません使用してましたね…
キャラの設定を細かく考えたら参加したいと思います
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前回参加されていた方でしょうか?
ともかくようこそお出で下さいました。
二つ名メーカーについてですが、現在では使用は強制されていません。
二つ名もつけるかどうかは各々の判断に任せております。
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>>838
とりあえず手伝う方向にしてみましたが、いかがでしょうか?
>>839>>840
ようこそ。宜しくお願いします。
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鎌瀬さんは洞窟が北西にあると書かれてましたが、実際は北東です。
勝手ながら私のレスでは台詞を修正させていただきました。
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投稿遅れて申し訳ありません!
修行中のシーンはあえて省いたのですが、どんな事をしてたのかとかは自由に書いて下さい!
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>>43の最初の10行は無視してください(;^ω^)
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鎌瀬さん、内面まさかの超ブラック…!!!
予想外すぎたw
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規制に巻き込まれたので、代理お願いします。
>>42>>43>>44
(氷室の見立て通りだな)
修業が開始されてからおよそ数時間──
オーラの体内移動を繰り返す天木の姿を見て、海部ヶ崎はそんなことを思っていた。
未だ彼の『瞬脚』は完成されていないとはいえ、時間が経つたびに着実に、
それも常識では考えられない程の驚くべきスピードで成長しているのだ。
(僅かに数時間前まで何も知らず、何もできなかった奴の動きとは思えない。
この男は磨けば直ぐに輝きを発する原石……天才というやつかもしれない。
フッ……うかうかしていると直ぐに抜かれてしまうな)
グッと、愛刀が納められた鞘を握り締める海部ヶ崎。
それは、天木が疲労によって道路に倒れこみ、よろよろと立ち上がったのと同時であった。
「傷の回復にオーラのブースト、戦闘に訓練・・・流石に俺のオーラがもたねェや、オーラの量には自信があッたンだけどなァ」
「なに、これまで一度も休み無しで修業に励めば疲れもする。大したものだ」
言いながら、海部ヶ崎は自分の腕時計を見せ付ける。
そこに記された時間は、既に午前0時を過ぎていた。
修業を始めてから七時間は経過しているという計算になるだろうか。
意外にも海部ヶ崎の言葉に驚く者はいなかったが、
それでもやはり疲労は誤魔化せないのだろう、自然と休憩に入る雰囲気となった。
「そういやァ、海部ヶ崎も、神宮も…なンで最初から戦えたンだ?瞬脚だって…氷室は氷室で無茶苦茶強ェし、鎌瀬だってその歳で能力を使いこなせてる訳だろ、
考えてみりゃァ全然知らねェからさ」
休憩中、ふと天木が言った言葉に、神宮や鎌瀬は詳しく答えて見せたが、海部ヶ崎は答えようとはしなかった。
神宮の「およそ普通の人間とはかけ離れた道を歩いてきた」という台詞が全てを的確に表していたし、
父親を氷室らに殺され、それが切欠で戦闘訓練を積んだなどと、言ったところでどうしようもないと思ったのだ。
ましてや狂戦士を生み出したカノッサ、そこの四天王に氷室がいたなどと言えば、
予め事情を知る神宮はともかくとしても、他の者達が果たしてどう思うか……。
世の中、知らないこともあった方がいい……過去を蒸し返さない方がいい場合もある……
つまり、そういうわけなのだろう。
「んじゃ、アタシは今度こそシャワーでも浴びてくるわ」
話に一段落ついたところで、修業を終えたのであろう神宮が建物へと去っていく。
残された面々も、それを合図に休憩を終了し、各々の修業へと移っていった。
「夜明けまで残りはおよそ六時間。氷室は厳しいから一分足りともオーバーしたら見限られるぞ。
さぁ、気合入れなおせよ、天木──」
一方、建物の中では、神宮が氷室にシャワールームの場所を訊いていた。
「……」
既にシャワーと食事、着替えを済ませていた氷室は、
ほのかに石鹸の匂いのする親指を立てて、二階へと通じる階段を指した。
【海部ヶ崎 綺咲:小休止の後、修業再開】
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代理完了
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>>848
遅れましたが感謝
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参加希望。ひとまずこちらに人物テンプレを投下します。
【プロフィール】
名前:ユーキ・クリスティ(偽名:来栖 悠希)
性別:女
年齢:17
身長:157cm
体重:45kg
職業:無職
容姿:肩辺りまである金髪に碧眼。夜に紛れられるように黒い布を羽織っている。男装。
能力:物体の強化及び遠隔操作 強力な気殺
キャラ説明:
カノッサの複合術研究部門において調整を施された英国の少女。
5歳の時に両親が売り渡したことによりカノッサの手に渡った。
その調整内容は彼女の年齢もあり過酷なもので、その影響で素の身体能力は成長の伸び代を奪われ皆無に等しい。
彼女が7歳の頃に起こったカノッサ事件に於いて、それに紛れ行方を眩ませる。
以降、"正体を悟られたら殺される"という恐怖心を抱くようになる。
偽名・男装はそれに基づき始めたものであり、能力者である事を悟られないために気殺能力にも熟練した。
その内面上当然好戦的ではないが、相手に交戦の意思がある場合は、自分の存在を広められないためにその相手を生かして帰さないことを信条としている。
カノッサに於いて与えられた二つ名は『いのちを与えるもの(the animator)』。
元々が操作術を使用できる能力者であったが、カノッサの調整により具現化術・強化術を行使できるようになった。
それらを複合した、大小や素材も様々な"ゴーレム"を生成して操作する術が彼女の必殺技と言える。
ただし、彼女のオーラの絶対量からして長期・大量使用できるものではないため、戦闘では主に道端の土塊や砂利をゴーレム化しオーラを節約したり、オーラの使用は銃弾の強化やその軌道の操作のみに控えたりしている。
【パラメータ】
(本体)
筋 力:D
敏捷性:D
耐久力:D
成長性:D
(能力)
射 程:S(ただし強化能力に於いては距離が遠いほどその効果が減衰する)
破壊力:A-C(術の複合具合やゴーレムのスペックにより変化)
持続性:D
成長性:D(オーラ使用可能量の上限が主)
所持品:拳銃二挺 約3戦闘分の銃弾 拳銃についてはカノッサ脱出時に拝借した物。
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>>850
機を見て本スレに文章を投下してください。
これからよろしくお願いします。
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>>850
ようこそいらっしゃいました。
宜しくお願いします。
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今夜中に天木さんのレスが無い場合は、明日にでも私の方で進めることにします。
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あ、何も鎌瀬さんや神宮さんにそれまで待てと言ってるわけではないので、
私のレスを待たずご自分のキャラクターを動かして下さって結構です。
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//規制中ですので代理お願いします、遅れて申し訳ありません。
「最初から?……ああ、この島に来てすぐって事か?
それなら話は簡単さ。アンタとは歩いてきた道が違うからだよ。アタシも海部ヶ崎も、そして氷室も、な。
丁度いいから少しアタシの事、話しておくか。アンタも不思議に思ってただろ?アタシの体」
そういう神宮に、天木は神妙に頷く。そう、異常なタフさと耐性の高さ。
「では改めて。アタシは神宮 菊乃、歳は16だ。ぶっちゃけて言うと100%人間じゃねえ」
「そういや海部ヶ崎には少し話したんだったな……。
繰り返し言うが、アタシは純粋な人間じゃない。──いや、なくなったと言うべきかな。
アタシはガキの頃からカノッサの研究機関にいてね。まぁ早い話、人体実験の被験体だったんだよ。
実験の内容については割愛させてもらう。聞いても仕方ねえだろうし話すつもりもねえ。
…っと、話が逸れたな。アタシはその研究所で実験を受けた結果──痛覚を抜き取られた挙句、サイボーグになっちまったってわけだ。
つっても、まだ半分以上は人間だ。人間として見てくれると嬉しい。
戦闘技術に関してはそこで叩き込まれた。──まぁ初めて使ったのがその研究所の研究員を殺すためだったっつーのは皮肉な話だがな」
驚いた。そう、立場は違えど、まかり間違えば神宮が狂戦士になっていてもおかしくなかったという事実に。
そして目の前の、どうみても人間の少女が既にサイボーグ化していることに。
その後の激励も、納得が行った。なるほど、確かに全く彼女は違う道を歩いてきたのだ。
去り行く背中に、天木が声をかける。
「悪かったなァ、変な事聞いて。…いや、知れてよかった。ありがとう、なァ」
次に鎌瀬が口を開く。
「えっと…離せば長くなるんですけど、…僕は生まれた時からこの欠点(のうりょく)を抱えているんですよ。
生まれた時から他の子供より力が弱くて。ハイハイ出来るようになったのも、立てるようになったのも、歩けるようになったのも…他の子供より半年程遅かったんですよ
もちろん親に心配されましたし、僕も僅かながらの劣等感を抱いてました…
で、幼稚園に入ったのですが…そこでは運動も、勉強も、工作も…何もかも他の子より劣ってたんです。
で、馬鹿にされるのが悔しくて…たくさん努力したんですけど…
それでも追いつけず、劣等感が強くなり、そして僕の能力はどんどん悪化(きょうか)していき…
そこからはもう悪循環(トントンびょうし)ですよ。僕は益々弱くなる一方でした…
そんな僕に転機が訪れたのが10歳の時。その時に本屋で偶然見かけた本…“オーラ”と言う本でした。
僕は引き寄せられるようにその本を手に取りました…。その本を読んで気づいたんです。僕の弱さは能力のせいなんだって。
さらに僕は閃きました。どんなに頑張っても、努力しても高みに追いつけないなら…周りを引きずり堕ろせば良いんだ…って
それから僕は自分の能力を使いこなす訓練に明け暮れました。来る日も来る日も…
そして何年も積み重ねて、ついにここまで使いこなせるようになったんです。
…いやぁ、僕の能力で他の人がどんどん蝕まれるのは。他の人の努力がじわじわ崩れていくのは。本当に傑作でしたよ…!」
「お前、そンなダークな奴だッたンだなァ…くく」
初めて知る以外な一面に、思わず笑ってしまう。理由はどうあれ、彼はコンプレックスを武器に成長を遂げていたのだ。その劣等感(ちから)は確実に彼のエネルギーなのだ。
「皆さん、誠にお待たせいたしました。訓練用のメカが完成しましたよ!」
「さぁ、休憩が終わりましたら其れをお付けになって下さい。あなた方の訓練に必ず役立ててみせますよ!
それが有ればオーラの移動、その度合い、スピード…あらゆる物を一度に知ることが出来ますから!」
「いやァ、こっちも丁度話が終わったとこだ、それぞれのルーツは面白ェもンだな」
にひひ、と笑って。
「ンじゃァ、そのすげェメカを使わせて貰おうかねェ。数値化すりゃァ、何が課題でどうすりゃ良いか、解ンだろッ!」
オーラを開放する。回復したオーラ量は、先ほどよりも多いぐらいだ。
「練習後半戦、行ってみるかッ!……!」
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そこで天木は気付いた。
巻きつけたワイヤーが、異常を示している。
誰かが、天木のトラップの上に、『乗った』。
慎重に周囲を見渡す。異常を示したワイヤーの位置から、隠れている大体の場所が解るが、…本当にそこに居るのか?自信がもてない。
何しろ、全く気配が無いのだ。異常は確かにその上に誰かがいる事を示している。重さの度合いから体格もわかるが…それでも信じられないほどの、存在の希薄さ。
恐らく周りも気付かないのは、オーラによる感知が出来ていないからだろう。つまり、敵はオーラを一切放っていない。
それはつまり、奇襲の可能性もあるということだ。
流石にこの人数に攻撃してこないと思うが、四天王、エースレベルの能力者なら、瞬脚を修得すらしていない者が束になって勝てるのか、
――解らない。解らないから、彼は海辺ヶ崎に、ひっそりとメッセージを伝える。小石を動かして、地面に地図と文字を書くことで。
『この場所に誰かが潜んでいる。先手を、俺が取る。』
真剣な眼差しを海辺ヶ崎に向けて、天木は何事も無かったかのように修行を再開した…ように見えた。
地面が爆発するかのように割れて、ワイヤーがのたうち、その物陰にいるはずの人物を絡め取ろうと襲い掛かる。
「そこにいる奴!何が目的だィ!?」
天木が正体不明の人物に向かって、呼びかけた。
【天木、潜んでいた人物を捕獲しようとする。】
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代理しました。
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名前:マックス・ガートルード
性別:男
年齢:38歳
身長:195cm
体重:230kg
職業:傭兵部隊「マーダーズ」隊長
容姿:デブ、筋骨隆々、黒人、スキンヘッド、サングラス、葉巻
能力:ありとあらゆる銃器の攻撃を脳内イメージに基づいて強化する。
直接手に持った銃器にのみ効果が現れ、弾をオーラエネルギーで代用可能。
複雑なイメージであればあるほど、強化具現に時間を要する。
キャラ説明:悪名高い傭兵部隊「マーダーズ」を率いる巨漢の軍服黒人。
一方的な戦いと殺戮を好む性格で、「ストレートな下種人間」を自称している。
生身のままでも常人を遥かに上回る強靭な肉体を有している。
(本体)
筋 力:S(素)
敏捷性:C(オーラでの影響下のみB)
耐久力:S
成長性:B
(能力)
射 程:使用銃器・イメージ内容により変動
破壊力:使用銃器・イメージ内容により変動
持続性:B
成長性:B
よろしくお願いします。
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>>858
ようこそ。機を見て本スレに文章を投下して下さい。
さて…Part2もこれからは終局へ向かう流れになりますので、
ここで一旦新規の参加を打ち切ろうかと思います。
そしてPart2以降の展望ですが、実はPart2で第一部終了という形を予定しており、
更に第二部ではオーラとは全く違った概念の異能とするのを予定しています。
Part2開始時点で予め伝えておければよかったのですが…
その時はPart3まで続けるのを考えてたので、
今回のように急な発表になってしまって申し訳ないと思ってます。
ついでにいえば、相談せずに勝手に予定を立ててしまったことも、申し訳ないと思います。
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>>858
よろしくお願いします。
明日以降一週間か二週間ほど文章を投下できなくなりますので連絡させて頂きます。
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こっちになら書き込めるのか。
この文章が書き込めていれば、投下は代行をして頂く形で続行可能です。
ご迷惑をおかけしました。
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//規制中につき代理お願いします(天木)
何か計算するようにこちらを眺めた後、その侵入者は何か諦めたように言葉を紡ぐ。
「悪いね。覗いていただけだよ。ちょっと気になったものでね」
無論その言葉をその通りに受け取れるわけでは無いが、少女は自分でワイヤーを切断してしまった。
その後も、特に攻撃してこないところを見て、天木は一先ずワイヤーを戻す。
「キミもこのゲームに参加させられた人間のようだが、交戦を望んでいるわけではなさそうだな。
なら話は早い。我々は理由あってこのゲームを仕組んだ連中に積極的に命を狙われている身。
ただ、興味本位で我々に近付いただけなら、今すぐ立ち去った方がいい。それがキミの為だ」
海部ヶ崎がそういい、修行を再開するように、と無言で合図したが、天木も少女に興味があった。
これだけの人数から察知されない程の気殺能力。自分のワイヤーが無ければ、かなりの接近を許したであろう。
つまり、彼女もまた、達人レベルの能力者かもしれないのだ。
「成程。大体理解したよ。今君達に近づいた"目的"が出来た。
……ちょっと実演してみようか。僕の力を」
そういって、彼女がやって見せたのは、驚くほどに精細なゴーレムの操作。
オーラの拡散範囲と精度、どれをとっても天木の上を行く。
(すげェな、氷室や海部ヶ崎みてェなのだけかと思ってたが、…こンなタイプも居るンだな、可能性って奴ァ不思議だ)
恐らく、先ほどまでの天木なら、その事実に打ちのめされていたかもしれないが。
貪欲な向上の姿勢をとった天木が感じたのは、素直な賞賛であった。
「ちょっとしたもの以上ではあると……自負しているよ。問題は……僕の身体の方でね……。
いくら……能力自体が強くて……応用の効くものであろうと……本体がこれじゃあ……僕は……『生き残れない』。
……このゲームの主催者に反旗を……翻すつもりなら……僕も、連れて行ってはくれないか……?
僕の目的は……景品じゃない……ただ、生き残りたい……だけなんでね……。
君達に着いていった方が……可能性は、高そうだ……」
斎葉はその能力に共通する何かを覚えたのか、とても興奮していたが、
天木もまた、その力に刺激を受けていた。
「…海部ヶ崎、彼女をどうするンだィ?見たとこ、俺よりも有能だぜ。
それに、言ってる事も良く解る…この島のルールは、俺達みてェな絡め手使いに厳しいンだ。
俺も彼女も、恐らく固体の戦闘能力では無く、サポートや自分以外の誰かが戦闘の中心になることで活躍出来るタイプだ。
…信用に足ると感じたら、連れてッても良いンじゃねェか?」
そして、その返事を待たずに一方的に天木は彼女に告げる。
「ッてェ訳で、俺はあンたが一緒に来る事に賛成だ。俺も似たような理由でくっついてるからなァ。
さっきは手荒く扱ッて悪かッた」
そして、後は任せた、と言わんばかりに修行へ戻った。
大分上達はしたものの、やはり転んだり、危なっかしい挙動が目に付くが、
新たな目標が出来た事で、その目は更に鋭く光っていた。
【天木:ユーキの同行に賛同する】
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>>862
代理完了
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あまり時間をかけてもあれなんで、二日目の朝に突入させました。
その間の修業の過程は、各々自由に描写して下さっても構いませんし、
面倒だからと飛ばしてくれても構いません。
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代理投下お願いします。
>>63
「ありがとう。改めて宜しくお願いするよ。僕の名前は来栖・・・」
否。そこで偽名を使うべきか。
初めて出来た「仲間」に対し、それで良いのだろうか。
「・・・違うね。私の名前は、ユーキ・クリスティ。『いのちを与えるもの(the Animator)』のユーキ・クリスティ」
手櫛で髪を梳き、軽くお辞儀をする。
「・・・早速で悪いけど、ぼ・・・私は少し休みたいかな・・・。どこか、適当な場所は無いかな?」
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代理完了。
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天木さんが来られないので先へ進めました。
次で四天王戦に入らせたいと思いますが、
それまでに一応誰と誰が闘うか決めておきたいと思います。
既に闘ったことのあるキャラ同士で、というのも別に不自然じゃないんですが、
前回と違ってPCも多いんで、どうせなら違った顔ぶれにした方がいいかなと。
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斎葉の装置により、天木は自身の能力に何が足りないのかを客観的に知る術を得た。
極端な瞬脚もどきを何度も行い、どのような動作がどのような結果に繋がるのかを調べていく。
足りないのは経験と、誤差修正の方法だけだった。
しかしそれも、数値化され必要な力が晒されてしまえば、努力の『方向』が解るのだ。
結果として、飛躍的に彼の修行の速度を上げる事となった。
そして、氷室がタイムアップを告げる僅か三十分前に。
天木はようやく、その感覚を自分の物として扱うことに成功する。
なめらかな、とは行かないまでも、敵の動きにある程度ついていけるであろうレベルの瞬脚。
バランスを崩す問題や、移動中の知覚の問題も、反復練習により感覚を掴み、解決する。
彼の顔にあったのは、疲労よりも大きな達成感であった。
「ここまでしてもまだスタートラインにたったばかりッてェのはいささか困ッたもンだが、
それでもまァ…戦えるだけ、マシってとこだなァ。可能性が0じゃァ無くなったンだ、嬉しいこッたぜ」
そしてその目は神宮や海部ヶ崎、斎葉達に向いた。
「ありがとうなァ。……いや、やっぱり良いか。」
素直な感謝と、何かを言おうとして止めた事。
どちらも偽らざる本心であり、それを全て言葉にすると重すぎる、と彼が判断した為に言いよどむ事になった。
そして、氷室に。
「最初は投げ出してすまなかッた、だが…チャンスと機会を。与えてくれた事に感謝する。ありがとう」
目を合わせずにそう告げて。彼は海部ヶ崎の後ろに続き、洞窟へ向かう。
【天木 諫早:各人に礼を言い、洞窟へ向かう。】
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↑代理お願いします!
敵側ですが、エース、ジャック、クイーン、キングでよろしいですか?
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代理しました。
>>869
後、ジョーカーです。
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すみません
次は誰のターンでしたっけ…?
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ユーキさんではないでしょうか
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敵の一番手はジャックにしたいと思いますが、
彼の相手を務めたい方はいますか?
いれば次の私のレスでジャック戦に突入させます。
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3Dカメラで撮ったおっぱいエロすぎw
すれ違いおっぱい@ともも
http://nwitter.chu.jp
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今帰宅。
地震で全国各地が大騒ぎですが、皆さんは大丈夫でしょうか。
私の家は幸い本棚が崩れた程度で済みましたが…
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こちらでは停電がありました
ですがもう復活しました。被害はあまりなくて良かったです
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>>876
酉ミス
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今のところ報告があるのは鎌瀬さんだけですか。
他の方々も無事で居られることを願っております。
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ようやく落ち着いたので報告します。
停電、津波……色々ありましたが何とか無事です。
福島や女川の原発は大丈夫ですかね…
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神宮さんもよくぞご無事で。
さて…今夜中にはとりあえずジャックを動かしたいと思いますが、
この非常時ですので、果たして今後、通常通りにルールに乗っ取ってスレ運営するべきかどうか…
皆さんの意見を聞かせていただければと思います。
天木さんとユーキさんからご連絡あるまでは待つべきかとも思ったんですが、
仮にお二方が被災地におられるなら、しばらくはTRPどころじゃないでしょうし…
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すみません、就活で東京の方に出ていたのですが帰還しました。無事であります!
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天木さん、就活ご苦労様でした。
ユーキさんも無事だといいのですが。
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すみません、普通に無事でした。
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ユーキさんも無事でよかったです。
えー、ジャックが動き始めたので、そろそろクイーンも動かそうと思います。
どなたか戦闘を希望される方はいらっしゃいますでしょうか?
いなければ適当に絡ませますが…
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これで全員無事というわけですね、よかったです。
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生存報告はあるのに書き込みが減ってるな
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私の方はしばらく氷室を動かさないので、
クイーン戦は他の方々にお任せします。
今はジャックだけですが、この後はジョーカーの方も動かさないといけないので…。
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追記。
ちなみにジョーカー戦は一対一ではなく、対複数を考えてますので、
クイーンとは戦わない残ったキャラが当てられる感じになると思います。
あらかじめご了承のほどを。
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他の人は順番待ち?
それとも自粛してんのかね?
いずれにしても定期的に報告ぐらいしようよ。
神宮とか動けなくなってんじゃん。
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次でジョーカーを動かそうと思いますが…
皆様、まだおられるのでしょうか?
よろしければ生存報告といつ頃から本スレに復帰できるか
その書き込みを願いします。
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生存報告。
よろしければクイーンの相手を引き受けようと思います。
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報告できなくてすみませんでした。
親戚が倒れたとのことで大阪に行っていました。
大事には至らなかったようなので先日帰宅。
>>891
ではその様にいたしましょう。
そちらから絡んできて下さると助かるのですが・・・。
こちらは問いかけた状態ですので、それに答える形でお願いします。
よろしいでしょうか?
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すみません生きてます
混乱していました
-
てs
-
んー、天木さん来られませんねぇ…。
ジョーカー戦はエース戦と一緒にこなす気だったんですが…
これだとエースも天木もNPCとして動かすことになりますね。
まぁ、仮にエースも私が動かすとしても、フリーなのが鎌瀬さんだけになると
明らかに味方側のPCが少なくなるので、とりあえずクイーン戦が終わって
ユーキさん達が空くまで待とうと思います。
-
参加希望の者ですが、参加は新章が始まるまで待った方がいいのかな?
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>>896
はい。既に物語りも終盤に向かってますので、現在は打ち切っております。
すいません。
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8
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9
-
0
-
順番では次はユーキさんですが、もう三日以上経過しているので、
今日の夜にはジョーカーを動かそうと思います。
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これでエース戦は終了です。
ジョーカー戦のレスはまた次にします。
-
ジョーカー戦投下。
なお、レスにもあるように、鎌瀬さんらは(今のところ)悪夢の発動対象にはなっていません。
発動前に能力に気が付いていた、という流れにしたいなら別ですが。
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逆転の兆しが見えるのが少し早すぎましたかね……。
もう少し引っ張ったほうがよかったでしょうか?
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いえ、あれで十分です。
ジョーカー戦だけ長引かせるわけにもいきませんので。
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すみません。
ちょっと忙しいので投下は明日になってしまいますがよろしいでしょうか?
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構いません。
-
ありがとうございます。
遅くても明日の夜(日付は変わってしまうかも)には投下するつもりです。
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ジョーカー戦終了。次はキング戦に突入させたいと思います。
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キング戦開始。次でキングvsその場にいる全員という形にしたいと思います。
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やっとこさキング戦の本戦に突入。
ところで、鎌瀬さんたちはまだいるのかな?
それとも参加できる戦いまでが長いんでいなくなっちゃったかな?
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生存報告。
どう復帰して参戦する形にしましょうか?
特に掛け合いなどの指定または希望が無いようならば、適当に復帰して参戦する形にしようと思います。
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>>912
お任せします。
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ユーキさんの書き込みを待ってたんですが、
今日までないので先に書き込みました。
というか、むしろこっちの書き込みを待ってたのかな?
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ちょっと遅れましたが投下しました。
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投下は明日以降になります。すいません。
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遅れましたが投下しました。待たせてすいません。
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ちょっと忙しいので投下が遅れます。すいません。
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投下遅れてすいません。
あと、規制に巻き込まれたっぽいので代理お願いします。
>>142>>143
「……どういうことだ? いや、それよりお前は一体……?」
「質問は一つずつにしてもらえんかのう、お若いの?
せっかちは損をするということを知っておいた方がええぞ? フォッフォッフォ」
いきなり現れた老人に対し、天木が不快感を露にして質問を投げかける。
「フォッフォッフォ、感情の出やすい奴じゃな。
まぁ……折角じゃ。お主の質問には一つずつ答えてやることにしよう。
まず一つ。何故、狂戦士がいずれ死にゆく運命なのか……。
──狂戦士には痛覚がないことは既に知っておろう。
痛覚がないということは、肉体のダメージや負担の一切を無視できるということ。
それは狂戦士にとって最大の武器になる──と同時に最大の欠点にもなるのじゃ。
何故だか解るかの?」
「……」
「ダメージや負担は無視できる……そう、あくまで“知らぬ振り”ができるだけなのじゃ。
“ないがごとく”を決め込んでも、その肉体にはダメージが刻まれ、負担が蓄積されている。
そして極限まで蓄積されたそれらが、肉体を最終的にどこへ導くか。
──そう、肉体の“崩壊”──つまり“死”じゃよ」
老人は懇切丁寧に説明した。狂戦士の肉体の秘密を。
「ゴホッゴホッゴホッ!」
話が途切れたところでキングが咳き込む。それを一瞥しながら老人は話を続けた。
「崩壊の前兆にはおよそ二段階がある。第一段階は、肉体に訪れる激痛。
そして第二段階は、痛みとは違う体に起こる変調。
通常の人間であれば第一段階で自らの体に起こった危機に気がつく。
じゃが、痛みを感じない狂戦士は、例外なく第二段階で気がつくのじゃ。
今の医術ではどうすることもできない状態になって初めてな。
──キングの場合、これまでの闘いによって全身に蓄積されたダメージや負担が、
胸に溜まった“淀み”のようなものになって、それが苦しさとなって表れている。
わしが開発した生命維持の特殊カプセルをもってしても、余命は残り一ヶ月といったところじゃろう。
もっとも、寿命が近いのはキングだけではない。他の四傑も似たようなものじゃがな」
他の四傑も似たようなもの──その言葉を聴いて菊乃はクイーンと別れるときの事を思い出していた。
あの時彼女は軽口を叩いてはいたが、その表情はどこか哀しげだった。
もしかしたら──いや、十中八九彼女は自分の運命を理解していたのだろう。自分の命はこの先長くない、と。
(それなのに、アイツは最後までそんなそぶりを見せずにアタシを治療してくれた。
そんなことをしたら自分の寿命を縮めるだけなのは分かっていたはずなのに……)
菊乃はクイーンの境遇を不憫に思った。それ故に、老人から放たれた次の言葉は彼女を黙って聞く事は出来なかった。
「しかし、誤算も誤算であったわい。自らの生命(いのち)に関わること、
もう少し必死になってくれるかと思ったのじゃが……まさかここまで役立たずだったとはな。
所詮はカノッサが生み出した『失敗作(クズ)』、命令一つまともにこなせぬという訳か」
「……!ふざk──」
「てっ……めぇえ……!!」
ふざけるな、と叫ぼうとした菊乃の言葉は遮られ、隣にいた天木から今までに聞いた事のないほど低い声が上がった。
「フォッフォッフォ、もう闘いたいというのかな?
好戦的でせっかちじゃのう。まだわしは名乗ってすらおらんというのに」
対して老人は、今までと変わらず飄々とした態度で笑っていた。
「うるせぇ……! だったらさっさと名乗りやがれ! その瞬間、テメェをぶっ飛ばしてやらぁ!!」
「いいじゃろう。わしの名は──」
「──白済。『白済 閣両』だ」
その声はこの場にいた誰のものでもなく、背後から聞こえてきた。
-
その声はこの場にいた誰のものでもなく、背後から聞こえてきた。
(……やっと来やがったか)
天木ら一同が声の方へ振り向く。菊乃も倣って振り向くと、そこには予想通り氷室 霞美の姿があった。
(白済……?どっかで聞いた事あるな……)
「……君はあの老人を何者か知っているのか?」
誰も言葉を発さない一同を代表して、海部ヶ崎が氷室に質問する。
氷室はそれに答えるように僅かに頷いた。
「白済 閣両……カノッサ機関の参謀だった男だ。
三ヶ月前の本拠地崩壊に巻き込まれて死んだかと思っていたが……
なるほど、魔水晶と共に脱出し、こんなところに行き着いていたとは。
狂戦士が処分されずに生き残っていたのも、お前の手引きがあったからだな?」
(ああ、それでか。道理で聞いた事あると思ってたぜ)
菊乃は思い出していた。
かつて研究所にいた頃、こんな噂を聞いたことがあったのだ。
本部には桁外れの知識を有した参謀がいる。その男の名前は──
(確か白済、だったな)
菊乃が過去を思い出し、目の前の男について分析していると、老人──白済は氷室の質問に答えるべく口を開いた。
(おっ……)
しかし、その口から言葉が発せられる事はなかった。その前に海部ヶ崎が白済に接近し、その首を切り落としていたからだ。
「カノッサの亡霊が──!」
憤怒の形相で吐き捨てる海部ヶ崎。菊乃も、まさかいきなり殺すとは思っておらず、しばし固まっていた。
「──!?」
しかしその次の瞬間には、今度は海部ヶ崎も含めた全員が驚愕する事態を目の当たりにした。
首を切られ、盛大に血を噴き出して死ぬかと思われていた白済だが、切断面からは一滴の血も流れず、代わりに火花が散っていた。
──そう、目の前にいた老人は人間ではなく機械だったのだ。
「どういうことだ……? ワイズマンが……機械……?」
思わず天木が呟くが、その呟きに答えられるものはいなかった。
「……この先に行ってみれば解るさ」
否、一人だけいた。蹲っているキングである。
「白済 閣両という老人は、ワイズマン様が遠隔操作している機械人形。
ワイズマン様自身じゃないんだ。ワイズマン様は理由(わけ)あって動けないお体だから……
普段は白済を使って、この世で暗躍しているんだよ」
「……ワイズマンってのは、一体……?」
「ボクには何もいう権利がない。全ては、その目で確かめてみるといい。
ボクを倒したキミ達には、ワイズマン様のフロアへ行く資格がある……」
キングは天木の質問には答えず、それだけ言うと口を閉ざした。
天木が全員を見回して皆が頷いたのを確認すると、何も言わずに走り出した。他の面々もそれに続く。ただ一人を除いて──。
菊乃も皆についていくために走り出そうとした。しかし次の瞬間──
「グッ、ゴホッ……!」
突然その場に蹲って咳き込み始めた。
しばらく咳き込んだあと、口元を手で拭うと、そこには真新しい血液が付着していた。
「キミも……ボク達と同じなのかい?」
すぐ近くにいたキングが話しかけてくる。
「冗談じゃない。アンタらみたいな人形と一緒にするな。
アタシは今まで独りで生きてきた。アンタらみたいな誰かの手を借りなきゃ生きられない人形とは違うんだよ」
それだけ言うと、立ち上がって走り出した。フロアを出るまでキングの視線を感じながら──。
走って行くうちに皆の背中が見えてきた。もうすぐ追いつくだろう。
(さっきはキングにああ言ったけど、アタシももう長くはない、ってことかねぇ……。
結局はアタシも人形だった、ってことか。泣けてくるじゃないか)
皆の背中を追いながら、己の死期が近いかも知れない事を菊乃は考えていた。
【神宮 菊乃:皆より少し送れてワイズマンのいるフロアへ向かう】
-
代理完了
-
代理お願いします。
どうやら忍法帖というものに引っかかっているみたいです・・・。
Lvが足りないから無理、ということなのかな?
>>149>>150>>151
皆から少しだけ遅れた菊乃であったが、扉を抜けたところで立ち止まっていたので追いつくことが出来た。
どうやら遅れてきたことには誰も気がついていないらしい。少しホッとした。
「泣いても笑ってもこれが最後の闘いだ。
……正直言うと、ここまで誰一人欠けずにこれるとは、私も予想していなかった。
誰もが満身創痍とはいえ、ここに戦力として未だ存在していること……これは大きい。
私と海部ヶ崎の二人だけでは、ここに辿り着くまでに殺られていたはずだ。
よしんば辿り着けていたとしても、恐らくワイズマンと闘えるだけの体力は無かっただろう。
だから今、改めて思う。お前達と会えて良かったとな」
表情はいつも通りだったが、その言葉にはいつもなら存在しない暖かみが込められていた。
皆が好意的な表情でそれを受け止める中、菊乃は少しだけ違う感情でそれを見ていた。
「へっ、一人も欠けてねェってのは、何も“ここまで”の話じゃねェだろう?
ワイズマンを倒したその時も、俺達は全員生き残ってる! そうだろ!?」
氷室の言葉に感化されたように天木が全員を見回して言う。
それに合わせて全員が最後の敵に向かって一斉に足を踏み出した──。
──薄暗い回廊を抜け、辿り着いた先は、一言で表すなら研究所だった。
キングと闘ったフロアやこれまで通ってきた道とは一線を画した──まさに別世界だった。
四方を見渡しても、見えるのは壁に埋まった機械や試験管の数々。
「──反逆者一行のお出ましだぜ! さぁ、とっとと出て来たらどうだ、ワイズマン!」
人影どころか生き物の気配すらしないフロアに天木の声が響き渡る。
「ククク……」
だが、誰もいないはずのフロアから声が返ってきた。
その声はこの島に来て一番最初に聞いた、それでいて忘れようのない声──ワイズマンの声であった。
「哀れな異能者諸君、我が『聖域』にようこそ」
次の言葉と共に、フロア全体が振動する。
咄嗟に周囲を警戒して素早く見回す。そして菊乃の視線はある一点で止まった。
それは前方──自分達の逆位置に相当するフロアの端。その部分の壁がせり上がっているではないか。
(今度こそワイズマンのお出ましってわけか。どんなツラか拝んでや──)
そう思って見えてきたものに視線を向け、そこで数秒間思考が停止した。
見えてきたもの──それは、もはや試験管とすら呼べないような代物に満たされている不気味な液体、そしてそこに浮かんでいる脳みそだった。
(おいおい……拝むツラすらないとは。こりゃあ予想の斜め上だね。キングが言ってたのはこの事だったのか)
しばし唖然としていると、海部ヶ崎がワイズマンに語りかけていた。ワイズマンも言葉を返している。
(脳みそと喋るなんて中々──いや、この先死ぬまで体験できない貴重な経験だね)
などと場違いな事を考えていたが、会話の内容はしっかりと聞いていた。
会話の内容を要約するとこうだ。
まずワイズマンは人間ではなく(脳みそだけで生きている時点で当たり前だが)人造生命体であるということ。
遥か昔に栄えた古代文明の技術によって造られたらしい。
そしてその時代に現れた『始祖』という存在に敗れ、その肉体を失った。
しかし核となるあの脳みそだけは残り、消えてしまった始祖の代わりに新たな目的を見出し、活動を開始した。
その目的とは始祖に成り代わること──即ち、最強の存在としてこの世に君臨し続けることだった。
-
(成る程な。この島で起こした下らねえバカ騒ぎは自分の体を手に入れるためのもんだったって事か)
話はまだ続く。
始祖は『化身』と呼ばれる存在になって転生を繰り返し、度々地上に現れていた。
ワイズマンは当初、その肉体を手に入れようと白済を作り上げ、化身とぶつけた。
しかし結果は惨敗。
そんな折、『降魔の剣』なるものの情報を手に入れ、化身の肉体ではなく異能(ちから)を手に入れようと考えた。
その為に雲水らを扇動してカノッサの乱を引き起こし、『魔水晶』なるものを入手した。
そしてここ、幻影島でベースとなる肉体を手に入れ、ワイズマンの計画は完遂するはずだった。
(その『魔水晶』ってやつが化身とやらの力の塊って事か?しっかし──)
「まさか、か? 肉体となる候補者に追い詰められたのは誤算だったな」
菊乃の心中を代弁するように氷室が皮肉を言う。しかしワイズマンは意にも介さず、静かに笑い始めた。
「誤算? 確かにそうだ。しかし、ククク……私を追い詰めてしまったことが、逆に諸君らの誤算なのだ。
何故なら、肉体がない今の私でも、諸君らをこの世から消し去ることは十分に可能だからだ──」
ワイズマンがそう言うと、脳みその一部が発光し出した。
よく見ると、ワイズマン自体が発光しているのではなく、そこに埋め込まれた"あるモノ"が発光しているのに気がついた。
今までの話を統合すると、恐らくはあれが魔水晶と呼ばれるものなのだろう。
その力の程は知れないが、先程の話を聞くにあれは異能者の祖たる存在の力の結晶。
実際に目の当たりにしなくともその効果は推して知れるだろう。
「──私の人造生命体としての能力は“オーラをバリアーと化す”こと。
この島を覆うバリアーは私が持つオーラの大部分を割いて展開したものだ。
故に本来であれば今の私は丸腰同然、戦闘能力は皆無。
しかし、私はその戦闘能力を、この魔水晶によって補うことができる──!」
魔水晶が一層強く輝き、試験管の中の液体が沸騰したように泡立つ。
「ククク、さぁ、今こそ見せてやろう! 魔水晶の力を──!!」
その叫びと共に、巨大な試験管が砕け散り、中の液体と共に破片が周囲に飛び散る。
──と同時に視界を埋め尽くすほどの光の鞭が、菊乃達に襲い掛かってきた。
「!?」
それを見た瞬間、氷室の表情が劇的に変化したのを菊乃は見ていた。
(何だ?あれを見た途端氷室の表情が──っと、今はそんなこと考えてる場合じゃねえ!……ん?)
目の前の光の奔流を見た瞬間、菊乃の頭に一つの情報が流れて込んできた。
(何だこりゃ……?百…雷…槍…?あの光の事か?と言うより、何でアタシはそんな事を知ってるんだ?)
考えている間に光は眼前に迫っており、慌てて回避する。しかし──
「それを紙一重で避けるな!!」
氷室の怒号が響き渡る。しかしその時には既に遅かった。紙一重でかわしていた菊乃に、軌道を変えた光が襲い掛かる。
「──チッ!そう言うことかい……!」
地面スレスレを跳んで回避していた菊乃は、無理矢理体勢を変え、地を蹴って跳び上がる。
しかし無理な体勢で跳び上がったため、かわし切れずに足に光が掠る。
「……ッ!」
激痛に顔を顰めながらも、空中で体勢を整えて離れた場所に着地する。
「今のは……カノッサ四天王『切谷』の技・『百雷槍』だな? なぜお前が──」
「まだわからぬのか? これが魔水晶の力なのだということを。
私はこれまで見た異能者の技を、この魔水晶を通して完全に“再現”できるのだ」
(カノッサ四天王の技だって……?何でアタシがそんなもん知ってたんだ!?)
先程頭の中に入ってきた情報、その正体を知って混乱する菊乃。しかし相手にそんな事は関係ない。
「そう、このようにな! 『雷光乱咲槍』──!!」
ワイズマンが再び叫ぶと、金と白、二色の光が混ざり合い、激しくスパークしながらこちらに向かってくるのが見えた──。
【神宮 菊乃:ワイズマン戦開始。足に軽傷を負う】
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