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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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投下遅れてすいません。
あと、規制に巻き込まれたっぽいので代理お願いします。
>>142>>143
「……どういうことだ? いや、それよりお前は一体……?」
「質問は一つずつにしてもらえんかのう、お若いの?
せっかちは損をするということを知っておいた方がええぞ? フォッフォッフォ」
いきなり現れた老人に対し、天木が不快感を露にして質問を投げかける。
「フォッフォッフォ、感情の出やすい奴じゃな。
まぁ……折角じゃ。お主の質問には一つずつ答えてやることにしよう。
まず一つ。何故、狂戦士がいずれ死にゆく運命なのか……。
──狂戦士には痛覚がないことは既に知っておろう。
痛覚がないということは、肉体のダメージや負担の一切を無視できるということ。
それは狂戦士にとって最大の武器になる──と同時に最大の欠点にもなるのじゃ。
何故だか解るかの?」
「……」
「ダメージや負担は無視できる……そう、あくまで“知らぬ振り”ができるだけなのじゃ。
“ないがごとく”を決め込んでも、その肉体にはダメージが刻まれ、負担が蓄積されている。
そして極限まで蓄積されたそれらが、肉体を最終的にどこへ導くか。
──そう、肉体の“崩壊”──つまり“死”じゃよ」
老人は懇切丁寧に説明した。狂戦士の肉体の秘密を。
「ゴホッゴホッゴホッ!」
話が途切れたところでキングが咳き込む。それを一瞥しながら老人は話を続けた。
「崩壊の前兆にはおよそ二段階がある。第一段階は、肉体に訪れる激痛。
そして第二段階は、痛みとは違う体に起こる変調。
通常の人間であれば第一段階で自らの体に起こった危機に気がつく。
じゃが、痛みを感じない狂戦士は、例外なく第二段階で気がつくのじゃ。
今の医術ではどうすることもできない状態になって初めてな。
──キングの場合、これまでの闘いによって全身に蓄積されたダメージや負担が、
胸に溜まった“淀み”のようなものになって、それが苦しさとなって表れている。
わしが開発した生命維持の特殊カプセルをもってしても、余命は残り一ヶ月といったところじゃろう。
もっとも、寿命が近いのはキングだけではない。他の四傑も似たようなものじゃがな」
他の四傑も似たようなもの──その言葉を聴いて菊乃はクイーンと別れるときの事を思い出していた。
あの時彼女は軽口を叩いてはいたが、その表情はどこか哀しげだった。
もしかしたら──いや、十中八九彼女は自分の運命を理解していたのだろう。自分の命はこの先長くない、と。
(それなのに、アイツは最後までそんなそぶりを見せずにアタシを治療してくれた。
そんなことをしたら自分の寿命を縮めるだけなのは分かっていたはずなのに……)
菊乃はクイーンの境遇を不憫に思った。それ故に、老人から放たれた次の言葉は彼女を黙って聞く事は出来なかった。
「しかし、誤算も誤算であったわい。自らの生命(いのち)に関わること、
もう少し必死になってくれるかと思ったのじゃが……まさかここまで役立たずだったとはな。
所詮はカノッサが生み出した『失敗作(クズ)』、命令一つまともにこなせぬという訳か」
「……!ふざk──」
「てっ……めぇえ……!!」
ふざけるな、と叫ぼうとした菊乃の言葉は遮られ、隣にいた天木から今までに聞いた事のないほど低い声が上がった。
「フォッフォッフォ、もう闘いたいというのかな?
好戦的でせっかちじゃのう。まだわしは名乗ってすらおらんというのに」
対して老人は、今までと変わらず飄々とした態度で笑っていた。
「うるせぇ……! だったらさっさと名乗りやがれ! その瞬間、テメェをぶっ飛ばしてやらぁ!!」
「いいじゃろう。わしの名は──」
「──白済。『白済 閣両』だ」
その声はこの場にいた誰のものでもなく、背後から聞こえてきた。
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