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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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規制に巻き込まれたので、代理お願いします。
>>42>>43>>44
(氷室の見立て通りだな)
修業が開始されてからおよそ数時間──
オーラの体内移動を繰り返す天木の姿を見て、海部ヶ崎はそんなことを思っていた。
未だ彼の『瞬脚』は完成されていないとはいえ、時間が経つたびに着実に、
それも常識では考えられない程の驚くべきスピードで成長しているのだ。
(僅かに数時間前まで何も知らず、何もできなかった奴の動きとは思えない。
この男は磨けば直ぐに輝きを発する原石……天才というやつかもしれない。
フッ……うかうかしていると直ぐに抜かれてしまうな)
グッと、愛刀が納められた鞘を握り締める海部ヶ崎。
それは、天木が疲労によって道路に倒れこみ、よろよろと立ち上がったのと同時であった。
「傷の回復にオーラのブースト、戦闘に訓練・・・流石に俺のオーラがもたねェや、オーラの量には自信があッたンだけどなァ」
「なに、これまで一度も休み無しで修業に励めば疲れもする。大したものだ」
言いながら、海部ヶ崎は自分の腕時計を見せ付ける。
そこに記された時間は、既に午前0時を過ぎていた。
修業を始めてから七時間は経過しているという計算になるだろうか。
意外にも海部ヶ崎の言葉に驚く者はいなかったが、
それでもやはり疲労は誤魔化せないのだろう、自然と休憩に入る雰囲気となった。
「そういやァ、海部ヶ崎も、神宮も…なンで最初から戦えたンだ?瞬脚だって…氷室は氷室で無茶苦茶強ェし、鎌瀬だってその歳で能力を使いこなせてる訳だろ、
考えてみりゃァ全然知らねェからさ」
休憩中、ふと天木が言った言葉に、神宮や鎌瀬は詳しく答えて見せたが、海部ヶ崎は答えようとはしなかった。
神宮の「およそ普通の人間とはかけ離れた道を歩いてきた」という台詞が全てを的確に表していたし、
父親を氷室らに殺され、それが切欠で戦闘訓練を積んだなどと、言ったところでどうしようもないと思ったのだ。
ましてや狂戦士を生み出したカノッサ、そこの四天王に氷室がいたなどと言えば、
予め事情を知る神宮はともかくとしても、他の者達が果たしてどう思うか……。
世の中、知らないこともあった方がいい……過去を蒸し返さない方がいい場合もある……
つまり、そういうわけなのだろう。
「んじゃ、アタシは今度こそシャワーでも浴びてくるわ」
話に一段落ついたところで、修業を終えたのであろう神宮が建物へと去っていく。
残された面々も、それを合図に休憩を終了し、各々の修業へと移っていった。
「夜明けまで残りはおよそ六時間。氷室は厳しいから一分足りともオーバーしたら見限られるぞ。
さぁ、気合入れなおせよ、天木──」
一方、建物の中では、神宮が氷室にシャワールームの場所を訊いていた。
「……」
既にシャワーと食事、着替えを済ませていた氷室は、
ほのかに石鹸の匂いのする親指を立てて、二階へと通じる階段を指した。
【海部ヶ崎 綺咲:小休止の後、修業再開】
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