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1幸平@管理人:2012/03/02(金) 23:00:18
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58【ver.1.80】(1):2018/04/23(月) 21:14:25
「あん! あんっ! ああんっ!!」
 白一色の無機質な空間、その中央のリング上で、ソフィアは途切れることのない攻撃を浴び続けていた。鞭打たれ、足蹴にされるたびに、ソフィアは艶のある喘ぎ声をあげる。
 上段から鞭を叩きつけられ、ソフィアの体がぐらつく。つま先が腹部に突き刺さり、体を折ったところで、今度は胸部を蹴り上げられて大きくのけ反る。その横っ面を後ろ回し蹴り(ウィンドミル・キック)で撃ち抜かれ、ソフィアはリングの床になぎ倒された。
 闘いというにはあまりにも一方的な蹂躙の様子は、リングを取り囲むように設置された多数のカメラに記録されていた。
 白っぽい灰色のバトル・コスチュームをまとったソフィアは、【被験体3号】というコードが与えられた個体であり、性能の一部を抑えるかわりに打たれ強さを重視した特性に調整されていた。鞭や足技がヒットするたびに、その衝撃で、豊満な乳房や長いポニーテールが不規則に揺れる。
 被験体3号を一方的に痛めつけているのは、彼女とよく似た容姿の女だった。【被験体4号】のコードが与えられた個体は、ライトブラウンの髪をポニーテールにまとめ、朱色と橙色を基調にしたコスチュームをまとったソフィアだった。
 被験体3号の白いコスチュームは、オリジナル・ソフィアと基本設計を同じくしていたが、被験体4号のコスチュームは、新型のものが採用されていた。上半身のデザインは、材質が一部変更されたものの基本的な設計は従来型を踏襲していたが、下半身には前後に垂が追加され、足元もニーハイブーツからシンプルなデザインのハイヒールに変更されていた。
 従来型ソフィアのコスチュームは、SMの女王様を強くイメージさせるようなボンデージスーツ風のデザインであり、挑発的な色香を放つものであったが、新型ソフィアのコスチュームは、フォーマルなドレスのようなデザインも取り入れられており、エレガントな色気を感じさせるものに変更されていた。

59【ver.1.80】(2):2018/04/23(月) 21:15:32
 被験体3号の鞭や足技はことごとく防がれ、避けられる一方で、被験体4号の攻撃は面白いように決まり、次々と被験体3号を打ちのめす。その様子は、ジェラード財団の会議室にライブ中継されており、その会議室には、ジェラード財団の主要幹部が召集されていた。

「この性能差。確かに、パワーもスピードも、更に強化されているようですね」
 スクリーンの正面に座る女の言葉に、何人かが頷いた。出席者のほとんどが黒服を着用しているのに対し、この女だけが白銀の甲冑を装備していたが、それが許されているのは、この女が、財団で最も高い地位にいるからに他ならなかった。

 スクリーンには、足元を蹴り飛ばされ、リングの床にうつ伏せで倒れる被験体3号の様子が映し出されていた。カメラが操作され、白いニーハイブーツがズームアップされる。焦茶色のストッキング、大胆なハイレグ状のボディスーツ、緑色の長いポニーテールへと、被験体3号のボディを舐め回すようにカメラが移動する。苦悶の表情が浮かぶ横顔が大写しになったところで、被験体3号は薄目を開けた。片膝を立て、何とか立ち上がろうとしたところで、再び鞭打のシャワーを浴びる。振り下ろされた鞭に首元を撃たれ、被験体3号は力なく崩れ落ちた。
 リングの床に仰向けになった被験体3号を、被験体4号が前かがみの姿勢で覗きこむ。カメラが切り替わり、被験体4号を正面からアップで映し出す。図らずとも胸の谷間が強調されるような構図となり、会議室の視線が、被験体4号の胸部に集中する。被験体4号のバストサイズは、被験体3号のそれよりも、より大きな闘気に対応するため、幾分か増量されているようだった。

65【ver.1.80】(3):2018/04/25(水) 21:17:07
「オーバードライブ・システムを適用したのですね」
 甲冑の女が、白衣の研究者風の男に訊ねた。 
「は。ご明察のとおりです」
 満身創痍の被験体3号は、片膝を突き、なんとか立ち上がった。その足元はふらついており、鞭を構えるのがやっとの状態であった。
「改修による性能向上は、確かに目を見張るものがある。より強力な技も必要なのではないか?」
 別の幹部の男が、白衣の男に意見を述べた。白衣の男は、その幹部の言葉に頷きつつも、端末機器にコマンドを打ち込んだ。
「オーバードライブ・モードを披露いたしましょう」
 被験体4号が、闘気を解放した。輝く闘気を身にまとい、被験体3号に向けて手招きする。キラキラと光輝く闘気が尾を引き、被験体4号が加速する――――。

「あん! あんあんっ! ああんっ!!」
 重い打撃音とともに、被験体3号の悲鳴が何度も響く。衝撃で体を折り、突き飛ばされて何度も床を転がり、リングの端でようやく停止した。うつ伏せに倒れる被験体3号の無防備な背中を、被験体4号がヒールで何度も踏みにじったが、被験体3号の反応はない。戦闘の継続が不可能なのは、誰が見ても明らかだった。
「オーッホッホッホッホ!」
 白一色の無機質な実験場に、被験体4号の高笑いが木霊する。

67【ver.1.80】(4):2018/04/25(水) 21:46:46
 オーバードライブ・モードの威力を目の当たりにしたことで、会議室に小さな波紋を生んでいだ。その余波が残っているなか、別の白衣の男が、状況を淡々と伝えた。
「被験体3号、闘気残量5パーセントを切りました。生命反応低下」
「よいでしょう。ソフィア強化改修型の研究開発計画は、この実証試験をもって完了とします」
 甲冑の女が、その美貌に似つかわしい優雅な口調で、満足の意を示した。最高幹部の言葉に、会議室の空気も幾分か緩む。
「ロールアウト待ちのソフィアは何体ありますか?」
「強化型は、この4号と5号が試験運用中、6号と7号がほぼ完成しております」
「わかりました。では、7号までの供用を認可します。被験体3号も、順次強化型に改修すること。廃棄待ちの2号は、改修の素材に用いて構いません」
 甲冑の女は、追加の指示を与えると、数人の腹心を伴って会議室を退出した。その美貌が、野心と欲望で醜く歪んでいることに気付いた者は誰もいない。
「人間兵器開発プロジェクト…、思わぬ拾い物でした。せいぜい、組織の――ひいては私の糧になるのです」
 甲冑の女――コードネーム【ウラヌス】は、かつてはクピードらと並び、ジェラード財団の【四天王】と称されていた。前回の闘神大武会で、クピードらがオリジナル・ソフィアに敗れ去ったことにより、組織の最高権力者となったウラヌスは、人間兵器開発プロジェクトすらも手中に収めていたのであった。

69【ver.0.01】:2018/06/06(水) 21:44:30
 景色が色彩を失い、全ての音が遠のいていく。意識が落ちようとするそのとき、ソフィアは、幻を見た。目の前の空間が淡い光を放ち、浮かび上がる一振りの鞭、どこか懐かしさすら憶える女の声が優しく響く。
『闘いなさい、ソフィア』
 その声は、幻聴にしては、やけにはっきりと聞こえた。ソフィアの手が、自分の意思とは関係なく、目の前の鞭へと伸びる。その鞭の名は――――
「来なさい…っ! クラースヌイ…ブーリァ……っ」
 鞭を手にした瞬間、ソフィアの体の中を、熱い鼓動が駆け巡った。
「(私のなかで…何が…起きてるの……?)」

 次の瞬間、ソフィアの闘気が爆発的に膨れあがり、至近距離で巻き込まれたプロトが吹き飛ばされていった。まばゆい光に包まれたソフィアは、空中に浮かびあがり、十字架に磔にされたような姿になった。ボロ雑巾同然になったライトグレーのパーカーも、デニムのホットパンツも、黒いサイハイソックスも光の中で弾け飛び、ソフィアは一糸まとわぬ姿になる。虚ろだったソフィアの瞳に力が宿り、白磁の柔肌に刻まれた無数の傷跡が一瞬で癒えた。なおも奥底から沸き続ける闘気が、黒光りするソフィア・オリジナルのバトル・コスチュームを形成していく。
 ピンヒールのニーハイブーツと、二の腕まであるロンググローブに、レオタードに似たタートルネックのボディスーツが、ソフィアの体にフィットした。超ハイレグのボディスーツは、胸元のジッパーが開け放たれ、そこから見事な谷間が覗いている。SMの女王様のようなコスチュームは、腕と脚が絶妙なバランスで露出しており、エナメルの光沢と相って倒錯的なエロスを醸しだしていた。長いブロンドの髪は、赤い髪留めでポニーテールにまとめられ、下乳にフィットする金属製の鎧と、丈の短い半袖のジャケットが装着され、ソフィアのバトル・コスチュームが完成した。

「オーッホッホッホッホ!」
 全身を満たす高揚感に、ソフィアは、女王様然とした高笑いをあげた。

71幸平@管理人:2018/07/16(月) 21:14:11
エイジ(まいったな…中距離はこの姉ちゃんの間合いだし)
エイジ(かといって懐に飛び込んでもスキはねーし…)
ソフィア(しぶとい…!!ずい分と体力バカの坊やだね)
ソフィア(だけど私の過去を取り戻すためにも――とどめを刺させてもらうよ!!)
ソフィア「コールミークイーン!!!」
ソフィア「え!?あの目は!?」
エイジ「今だ!!」
エイジ「飛翔斬!!」
ソフィア(あの目はどこかで――)
ソフィア「ああっ!!」
ソフィア(この技もどこかで…――どこで?)
ソフィア(ああ…やっぱりこの技だ…じゃあ あの人は…?あの男の人は一体――!?」
エイジ「連続でいくぜ!!!」
エイジ「百鬼猛襲剣!!!」
ソフィア「だめだ…思い出せても記憶の断片でしかない…すべての過去を取り戻すことはできないのか!?」

72幸平@管理人:2018/07/16(月) 21:33:07
ソフィア「どっからでもかかっておいで坊や」
エイジ「なに!?」
エイジ「とりあえずお手並み拝見といくぜっ!!烈空斬!!!」
エイジ「いない!?」
鞭蹴
エイジ「あぶね――っ」
ソフィア「まだまだよっ」
Q'sR
エイジ「ハァハァフウ――ッ」
エイジ「なかなかやるねお姉さん」
ソフィア「おだまりっ!!」
ソフィア「ラトルスネ――ク」
エイジ「うわっ!ちょっとまて!」
ソフィア(このまま一気に!!勝たせてもらうよ坊や!」
エイジ「くそっ!痛えーじゃねーかよチクショー!!」
ソフィア「オーロラレボリューション!!!」

75【エイジ1.0】:2018/07/19(木) 23:11:40
 洞窟内のステージに夕陽が差し込み、円形の闘技場が紅に染まる。濃い血の色を思わせる風景の中で、金髪ポニーテールの女戦士が、挑戦者を待ち受けていた。
ソフィアと名乗る美貌の女戦士は、愛用の鞭を手に、露出の多いボンテージスーツ風のバトル・コスチュームを展開していた。
 鞭を手にしている間、ソフィアは、しがない私立探偵という表の顔から、“風裂き”の二つ名で知られる冷酷無比の女王様と化す。
「……クラースヌイ・ブーリファ…………」
 物憂げな表情をしつつ、愛用の鞭を指先で撫でながら、ソフィアはその名を唱えた。戦いを前に、精神を集中させ、闘気を高める。やがて、対戦相手が闘技場に姿を現し、太刀を鞘から抜き放った。武道着を現代風にアレンジしたような、和洋折衷のバトル・コスチュームを展開したのは、冒険家を自称する、エイジ・シンジョウという若い東洋人だった。

 ソフィアとエイジの身長は、ほぼ同じであったが、ピンヒールのニーハイブーツを履いているぶんだけ、ソフィアがエイジを見下ろす形になっていた。
「どこからでもおいで。坊や」
 ソフィアは、一礼して太刀を構えるエイジに、挑発的に手招きした。
「とりあえず…! お手並み拝見といくぜっ」
 先に動いたのは、エイジだった。大上段に振りかぶった太刀から、闘気の炎弾を撃ち出した。
「烈空斬!」
「サンダーリング!」
 ソフィアが鞭を操り、雷の環を放って迎え撃つ。互いの闘気がぶつかり合い、リングの中央で爆発する。爆風で盛大に舞い上がった砂埃に紛れ、ソフィアは床を蹴って加速した。
「いない!?」

76【ウラヌス元】:2018/08/20(月) 09:11:05
ウラヌス「ようこそ、闘神大武会へ」
ウラヌス「待ちかねていましたよ、ソフィア」
エイジ(何だ…?こいつの異様なまでの闘気は……)
ソフィア(ま…まさか、ウラヌス自身が……戦闘…強化人間に!!?)
ウラヌス「私のめがねにかなった者、あなたがジェラードにやって来るこの時を」
エイジ「預かっててくれ、エリス」
エリス(エイジ…?)
エリス(う…うそ、今までこんなこと、鞘をあたしに預けるなんてことなかったのに……)
エリス(何…だろう、嫌な予感が…する)
ウラヌス「けれど…それも今や過去の話」
エイジ「いいっくいぜええっ!!」
エイジ「烈空斬!」「飛翔斬!!」
カイン「うまいっ!主導権を握ったぞっ」
エイジ「蹴撃弾!」「骸割り!!」
エリス「決まった!?」
!?

77【ウラヌス元】:2018/08/20(月) 09:14:12
ウラヌス「こんなもの……なのか?」
トレーシー「き……効いてない」
ソフィア「全然……?」
カイン「ばかな…全て絶妙のタイミングで入っているはずなのに」
イーグルレイジ
カイン「たった一撃で……」
エリス「エイジ〜〜ッ!!」
エイジ「地獄門!!」
(スワニースワップ)
ウラヌス「がっかり……だわ。この程度のボウヤに固執していたなんてね」
カイン「エイジの技が全く通用しない!!?」
(膝突)(ダウン)(一方的)
トレーシー「ダメだぁ!まるでウラヌスに遊ばれているっ」
ソフィア(ジェ…ジェラードの強化人間とは、これほどのもの…なの!?」
ソフィア(だとしたら…だとしたらあたしは、戦闘人形としてもなんて中途半端なの…)
ソフィア「くっ…」

78【ウラヌス元】:2018/08/20(月) 09:15:48
トレーシー「なぁに、あたしは知ってるよ、エイジの力も底が知れないってことを!」
カイン「俺もそう思いたい。思いたいがしかし…」
カイン「事実エイジの攻撃は全くといっていいほどウラヌスには効いちゃいない。それも、俺が今まで知る中で技のキレもタイミングも最高のものだというのに」
エリス「そんな…そんなことぉっない!絶対にないわよっ!!カインのバカ!ここっからのエイジが凄いんだから〜〜っ」
ウラヌス「!?」
ウラヌス(妙だ……さっきから全力でエイジにトドメを刺そうとしているはずなのに、まさか、この私にくだらぬ哀れみの心でも残っていたとでも!?はは…バカな)
ウラヌス(だが奴の目!あの目の輝きは全く衰えていないではないか……!?)
エイジ(つ……強え…やっぱとてつもなく強え…や)
エイジ(こっちの攻撃をことごとく見切ってやがる……どうする!?)
カイン(どうするエイジ!!)
エリス(どうするつもりなの、エイジ!?)
エイジ(どうするもこうするも、だったら奴をも上回るスピードと、より以上の気合をもって立ち向かうっきゃねえよな!!)
エイジ「行っけええええっ」
ウラヌス「まだ来るかっ!」
ウラヌス「諦めの悪いっ!」
エイジ(速く!もっと速くっ!!)
エリス「あ!」カイン「ううっ!?」エリス「うそ……ぉ」カイン「は…速…い」
エイジ「くっ」

79【ウラヌス元】:2018/08/20(月) 09:16:55
ウラヌス「だが、まだこの程度では……」「!!?」「うぐっ」
エイジ(入った…!?入るじゃねえかっ)
ウラヌス(う…腕の自由が一瞬奪われた!?何故…)「何ぃっ!?」「くはぁっ」
ウラヌス(今度は足が…ば…バカな!)
ウラヌス「ちいいっ、何だってこんな時に、私の身体に何が起こったというのかっ」
ウラヌス「!?」
ソフィア(何だ!?あんなに隙だらけだったのかよ。あの隙を同時に攻撃出来ねえか…いや!やってやるぜっ!!」
ウラヌス「う…うぅ」
強化なんざよォ…ただのゴマカシに過ぎねえんだよ、ええ?ウラヌス
確かに仮初めには戦闘力は跳ね上がる、相手が弱え時はその差も圧倒的なものとなるが……だが一度計り知れない力と出会うと、その仮面はいとも容易く崩れちまうんだよ
ウラヌス「黙れっカオス、キサマなぞに何が分かるっ!!」「うっ!?」
エリス「や…やだ、鳥肌たってきちゃっ……」
ウラヌス「ぐううっ」「くそっ」「振り切れないっ」「うっ」
ウラヌス(バカな、バカなぁあっ、奴はただの人間のはずだ!!)ゲホォ
ソフィア(か…身体がバラバラになりそうだ、息も…出来ね…え)
ウラヌス「ええいっ、身体が思うように動かぬ……くっ」
エイジ「まだだぁっ、まだ、行けるっ!」「叩き込むんだ、この一撃にぃ」(俺の全てを!!)
エイジ「百鬼猛襲剣!!!」

80【ウラヌス元】:2018/08/20(月) 09:19:59
エリス「やったあ!」カイン「信じ…られない俺にも……エイジの力は本当に無限だとでも…いうのか」
ウラヌス「認めぬ……ぬ」「このようなこと……決し…て認めて…なるものか〜〜っ」
ソフィア「ウラヌス!?」「やめろ〜〜っウラヌス!勝負はまだ終わっちゃいねえだろっ!!」
ウラヌス「くくっ、そうか…くっくっくっ………やはりエイジ・シンジョウ、私が欲しがっただけある男だったというわけ……ね」
カイン「まずいっこのままでは塔が崩れるぞっ」
エイジ「な…何を言っているんだウラヌス」
ウラヌス「だからといって、勝ったと思ったら大間違いだ」「これ以上このウラヌスに指一本触れさせるものか〜〜っ」
エイジ「ウラヌス〜〜っ」
エリス「待って!エ…エイジがまだ……!」
カイン「エイジ〜〜っ」エリス「逃げて〜〜っ」

81【ウラヌス】:2018/08/20(月) 16:16:18
「サンダーリング!」
「オーロラレボリューション!!」
「上手い、主導権を握ったぜっ」トレーシーが拳を握った。
「ラブシャワー!」
「ラトルスネーク!!」
「決まった!?」
鞭の先端を握り、無傷で立っていた。
「!?」
「こんなもの……ですか?」心底落胆したような声、ゴミを見るような蔑んだ目

「き……効いてない」エリス
「全然……?」トレーシー
(ばかな…全て絶妙のタイミングで入っているはずなのに)ソフィア
「イーグルレイジ!」
「お姉さま――――っ!!」
「たった一撃で……」
吹き飛ばされながらも、空中で受身を取った。
「コールミークイーン!!」
「スワニースワップ!」
「がっかり……ですね。この程度の失敗作に固執していたなんて」
「お姉さまの技が全く通用しない!!?」

82【ウラヌス】:2018/08/20(月) 22:14:15
 バトル・コスチュームを展開したソフィアは、エリスとトレーシーを従える形で、闘いの舞台へと踏み入れた。
「ようこそ、闘神大武会へ」
 ソフィアは、声のする方を見上げた。翼を持つ異形が、闘気の淡い光を放ち、空中に浮いていた。
「貴女が秘密結社の最高幹部、ウラヌスね。貴女に聞きたいコトが沢山あるわ」
「待ちかねていましたよ、ソフィア」
 ウラヌスの優雅な口調の裏には、妖しい闘気が渦巻いていた。
「私の眼鏡にかなった者、あなたがジェラードにやって来るこの時を」
 ウラヌスの闘気が一段と輝きを増し、白銀色の甲冑に身を包まれていた。
「その力、まんざら失敗でもなかったようですが…、それも今や過去の話」
 “朱雀の弓”が姿を現し、ウラヌスの手に収まった。

「サンダーリング! オーロラレボリューション!!」
 雷の環がウラヌスを直撃する。左足を軸に高速でスピンし、遠心力の乗った鞭がウラヌスの中段を抉るように撃つ。
「上手い、主導権を握ったぜっ」
 ソフィアの速攻に、トレーシーが拳を握った。
「ラブシャワー! ラトルスネーク!!」
 変則的な軌道を描く足技に続いて、鞭の乱れ撃ちが炸裂する。
「決まった!?」

86【エイジ1.1】:2018/08/22(水) 10:36:36
 洞窟内のステージに夕陽が差し込み、円形の闘技場が紅に染まる。濃い血の色を思わせる風景の中で、長いアッシュブロンドの髪をポニーテールにした女闘士が、挑戦者を待ち受けていた。ソフィア、と名乗る美貌の女闘士は、愛用の鞭を手に、黒光りするバトル・コスチュームを展開していた。露出の多いボンデージ風のハイレグスーツと、ピンヒールのニーハイブーツ、二の腕まであるロンググローブから構成されたバトル・コスチュームは、ソフィアが手にしている鞭と相まり、女王様のような妖しい色香を放っていた。
「……“クラースヌイ・ブーリファ”…………」
 物憂げな表情をしつつ、愛用の鞭を指先で撫でながら、ソフィアはその名を唱えた。この鞭を手にしている間、ソフィアは、しがない私立探偵という表の顔から、“風裂き”の二つ名で知られる冷酷な女戦士となる。ソフィアは、戦いを前に、精神を集中させ、闘気を高めていた。
 少しして、ソフィアの対戦相手が闘技場に姿を現した。エイジ・シンジョウ――自称、冒険家――という若い東洋人は、、太刀を鞘から抜き放ち、武道着を現代風にアレンジしたような、和洋折衷のバトル・コスチュームを展開した。

 ソフィアは、ヒールの高さのぶん、エイジを見下ろす形になっていた。一礼して太刀を構えるエイジに、ソフィアは、挑発的に手招きした。
「どこからでもおいで。坊や」
「とりあえず…! お手並み拝見といくぜっ」
 先に動いたのは、エイジだった。大上段に振りかぶった太刀から、闘気の炎弾を撃ち出した。

87【エイジ1.2】:2018/08/22(水) 10:37:33
「サンダーリング!」
 ソフィアが鞭を操り、雷の環を放って迎え撃つ。闘気のエネルギー同士がぶつかり合い、リングの中央で爆発する。爆風で盛大に舞い上がった砂埃に身を隠し、ソフィアは床を蹴って加速した。
「いない!?」
 ソフィアの姿を見失い、狼狽するエイジの背後に、ソフィアは回り込んでいた。その無防備な背中に、ソフィアの鞭が、蹴りが、面白いようにヒットする。
「まだまだ、よ……」
 ソフィアは、エイジをひとしきりいたぶった後、後ろから抱きしめた。柔らかな乳房を押し当てるように、腕に力を込める。耳元に吐息を吹きかけては唾液を含んだ舌で舐め、それを繰り返しながら、ソフィアの手は、エイジの股間を探り当てた。ソフィアが撫でるたびに、その部分は急速に膨張していく。ソフィアは、ズボンのジッパーを開き、その中に手を突っ込み、エイジの肉棒を引っ張り出した。
「あら、可愛らしいボウヤね…」
 屹立する男根を指先でしごき続けきながら、ソフィアは甘い声で囁いた。
「私と対等に闘えるのかしら?」
 亀頭の先端、その裏側を指先で軽くつつくと、粘性の液体がじわりと染み出た。すると、ソフィアは、興醒めといった風に、エイジの体を手放した。
「ラトルスネーク!!」
 ソフィアの鞭が乱舞し、次々とエイジを打ちのめす。フィニッシュの一撃がエイジの足元を崩し、エイジは、錐揉み状に回転しながら地面に崩れ落ちた。

89古河ベイカーズ:2018/08/22(水) 16:39:45
「今日はサードやってましたけど、今はどこ守ってるんですか?」
「相変わらずだよ、キャッチャーとショート以外ならどこでも。空いたポジションを適当に使い回されてる感じ」
「セカンドもやるんですか?」
「たまーにね」
 俺は、軽く返事し、ジョッキ一杯の冷えたコーラを一気に飲んだ。

 あの日も、暑い夏だった。もわっとした湿気を含んだ熱い風が、内野グラウンドの不快指数を更に引き上げていた。あの日も、俺は、チームの正二塁手が不在だったため、その代わりにセカンドの守備位置についていた。
 右打者の速い打球が、秋生の足元を抜いた。俺は、二塁ベースの右側後方、深いところで手を伸ばし、グラブの先端でボールを捕まえた。右手でグラブの網を叩く、いわゆるウッドペッカー・トスを上げたのか、今でもよくわからない。何となく、ショートがそこに走って来るんじゃないか、ショートにボールを渡せば後は何とかなるだろうと、今思えば、そんな気がしていたんだと思う。
 実際、俺が上げたトスを、ショートの川澄舞が素手で掴み、素早いスナップスローで打者走者を一塁フォースアウトにした。

「あの時、何が起こったかと思いましたよ」
 その時の一塁手が、この岡崎朋也だった。
「俺もさ。アライバの真似事なんて、あれっきり見たことも無い」

 10年前の当時は、中日ドラゴンズの荒木と井端はまだ一線級の選手で、12球団一の二遊間と言われていた。足が速くて守備範囲の広いセカンド荒木が、センター返しの打球に追いつき、ショート井端にトス、それを受け取った名手井端が一塁転送して打者走者をアウトにするというのは、年に1回、出るか出ないかというビッグプレーで、アライバでなければ不可能だと言われていた。

「あのプレーが出来そうな二遊間といえば、他にあったか?」
「北川さんと舞さん、芽衣と杏、美佐枝さんをショートにしても違うよなぁ…。リトルバスターズの恭介と来ヶ谷なら出来たかもしれないけど、あの2人、ポジション違うしな」
「あー確かに。リトバスも恭介と来ヶ谷で二遊間を固定してれば、ひょっとしたら出来たかもしれんな」

「懐かしいよな。中日の井端は巨人に行ってコーチになってるし。荒木も2000本打ったから、もう引退するんじゃないか?」
「俺、最近セ・リーグは見てないから、わかんないですよ…」


「けどあの時、井ノ原が巨人の原監督みたいな顔してたの、見ました?」
「まじか、俺、そのときコケてたから見てねーわ」
「残念」
「起き上がった後に春原からツーアウトって言われて、お前の方見たらランナーいねえし、そこでアウトになったのを知ったからな」

------------

・川澄舞(大3)右投左打、遊撃手、背番号6
 弾道3/ミートA/パワーD/走力A/肩力C/守備A/エラーB
 スタミナD/コントロールC/球速C/変化球C
 投B/二B/遊A/中C
 アベレージヒッター、流し打ち、守備職人

92【セツナ】:2018/09/14(金) 23:20:59
華麟の声が、雪那に届くことは、二度とない。“守護天使”の物語は幽祢の前に終焉を迎えた。

94【エイジ1.1】:2018/09/15(土) 22:54:51
 洞窟内のステージに夕陽が差し込み、円形の闘技場が紅に染まる。濃い血の色を思わせる風景の中で、長いアッシュブロンドの髪をポニーテールにした女闘士が、今日の挑戦者を待ち受けていた。ソフィア、と名乗る美貌の女闘士は、愛用の鞭を手に、黒光りするバトル・コスチュームを展開していた。露出の多いボンデージ風のハイレグスーツと、ピンヒールのニーハイブーツ、二の腕まであるロンググローブから構成されたバトル・コスチュームは、ソフィアが手にしている鞭と相まり、女王様のような妖しい色香を放っていた。
「……“クラースヌイ・ブーリファ”…………」
 物憂げな表情をしつつ、愛用の鞭を指先で撫でながら、ソフィアはその名を唱えた。この鞭を手にしている間、ソフィアは、しがない私立探偵という表の顔から、“風裂き”の二つ名で知られる冷酷な女戦士となる。ソフィアは、戦いを前に、精神を集中させ、闘気を高めていた。
 やがて、ソフィアの対戦相手が闘技場に姿を現した。エイジ・シンジョウ――自称、冒険家――という若い東洋人は、、太刀を鞘から抜き放ち、武道着を現代風にアレンジしたような、和洋折衷のバトル・コスチュームを展開した。

 ヒールの分、ソフィアはエイジを見下ろす形になっていた。一礼して太刀を構えるエイジに、ソフィアは、挑発的に手招きした。
「どこからでもおいで。坊や」
「お手並み拝見といくぜっ! 烈空斬!」
 先に動いたのは、エイジだった。大上段に振りかぶった太刀から、闘気の炎弾を撃ち出した。
「サンダーリング!」
 ソフィアが鞭を操り、雷の環を放って迎え撃つ。闘気のエネルギー同士がぶつかり合い、リングの中央で爆発する。爆風で盛大に舞い上がった砂埃に身を隠し、ソフィアは床を蹴って加速した。
「いない!?」
 ソフィアの姿を見失い、狼狽するエイジの背後に、ソフィアは回り込んでいた。その無防備な背中に、ソフィアの鞭が、蹴りが、面白いようにヒットする。

95【エイジ1.2】:2018/09/15(土) 22:55:48
「まだまだ、よ……」
 ソフィアは、エイジをひとしきりいたぶった後、後ろから抱きしめた。柔らかな乳房を押し当てるように、腕に力を込める。耳元に吐息を吹きかけては唾液を含んだ舌で舐め、それを繰り返しながら、ソフィアの手は、エイジの股間を探り当てた。ソフィアが撫でるたびに、その部分は急速に膨張していく。ソフィアは、ズボンのジッパーを開き、その中に手を突っ込み、エイジの肉棒を引っ張り出した。
「あら、可愛らしいボウヤね…」
 屹立する男根を指先でしごき続けきながら、ソフィアは甘い声で囁いた。
「私と対等に闘えるのかしら?」
 亀頭の先端、その裏側を指先で軽くつつくと、粘性の液体がじわりと染み出た。すると、ソフィアは、興醒めといった風に、エイジの体を手放した。
「ラトルスネーク!!」
 ソフィアの鞭が乱舞し、次々とエイジを打ちのめす。フィニッシュの一撃がエイジの足元を崩し、エイジは、錐揉み状に回転しながら地面に崩れ落ちた。

「美しい薔薇には、棘がある、って言うでしょう?」
「なかなかやるね…、お姉さん」
 鞭を握りなおしたソフィアに、エイジが起き上がりながら軽口で応じた。肩で息をしながらも、余裕そうなその態度に、ソフィアの視線が険しくなる。
「その粗末なモノを仕舞いなさいっ!」
 太刀を構えようとしたエイジの胸倉を掴んで持ち上げ、ソフィアは、鞭を手放した方の手で、エイジの頬を張り倒す。往復ビンタからフィニッシュの蹴り上げを決め、再び鞭を手にした。

 リングの床に仰向けになり、身動きができない様子のエイジに、ソフィアは馬乗りになり、体を重ねた。エイジに甘えるように、体全体をこすりつけ、唇同士を触れさせた。
「私を、イかせてくれるのかしら?」

97【エイジ0.5】:2018/09/24(月) 16:26:31
夜の闇の中、女が、ベッドで眠るエイジの姿を見つめていた。その微かな気配を感じ、エイジは浅い眠りから醒めた。エイジは、月明かりを頼りに眼だけを動かし、部屋中を見渡した。すると、ベッドルームの入口に、麗しいシルエットの女が立っているのが見えた。
エイジがベッドから身を起こすと、女は、ランウェイを歩くショーモデルのような足取りで、エイジの足元に近づいてきた。
すらりと伸びる手足と、魅惑的な曲線を描く腰まわりは、ただ細いだけではなく、しなやかに鍛えられた筋肉が隠れている。

------------------------

窓から差し込む満月の光に、女のカラダが照らし出される。
一糸まとわぬカラダが青白い光を浴び、幻想的な神々しさを放っていた。
左右の乳房が二の腕に挟まれ、深い谷間を見せつけていた。
唇同士を軽く重ねる。エイジの胸板に豊満な乳房が押し当てられ、
柔らかな尻肉
警戒心を抱くことなく、不思議と、エイジは女の行為を受け入れていた。

「ワタシハソフィア…………」
抑揚の無い声で囁いた。
瞳孔が開く。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
濁った咆哮とともに、鞭を振り上げる。
【白虎の太刀】を掴み取り、抜刀したのは、ほとんど本能的な行動だった。

「く…!」
エイジは、窓際から飛び降り、紅白2色のバトル・コスチュームを展開した。エイジを追いかけるように、ソフィアも、満月を背景に、バトル・コスチュームを展開した。バランスを崩しながらも辛うじて踏みとどまったエイジとは対照的に、ソフィアは、両脚を綺麗に揃えたまま宙返えりを決めた。

着地でバランスを崩したが、エイジはなんとか踏みとどまった。

エイジとは対照的に、

りし、静かに着地を決めた。
体操選手のような優雅で洗練された動作
青白い満月、幻想的ですらあった


「サンダー・リング」
鞭先から放たれた闘気の雷撃を、エイジは、居合い抜き真っ二つに叩き斬った。
「やめろ、【ソフィア】ッ!」
 エイジは一喝した。
「オーロラ・レボリューション!!」
耐えられず、吹き飛ぶ。吹き飛ばされたエイジに、追撃。
「やっっ!」
クイックなモーションで鞭先から放たれた追撃のプラズマ・リングが、もう一段、更にエイジを吹き飛ばした。
エイジは、無様に地面に叩きつけられた。
ソフィアが迫る。


「死ね――エイジ・シンジョウ」
 無機質な表情で死刑宣告を下したソフィアは、鞭を高く掲げた。上段から振り下ろされた鞭の先端から、乾いた破裂音が鳴る。体が思うように動かないエイジにとって、しなる鞭が叩きつけられる様子が、やけにスローモーションに感じられた。全身を強烈な痛みが駆け抜け、射精感とともに、エイジの意識はそこで途絶えた。

98【エイジ1.1】:2018/10/15(月) 22:47:45
 洞窟内のステージに夕陽が差し込み、円形の闘技場が紅に染まる。濃い血の色を思わせる風景の中で、長いアッシュブロンドの髪をポニーテールにした女闘士が、今日の挑戦者を待ち受けていた。ソフィア、と名乗る美貌の女闘士は、愛用の鞭を手に、艶のあるバトル・コスチュームを展開していた。胸部を大胆に露出したハイレグスーツと、ピンヒールのニーハイブーツ、二の腕まであるロンググローブから構成されたバトル・コスチュームは、ソフィアが手にしている鞭と相まり、SMの女王様のような妖しい色香を放っていた。
「……“クラースヌイ・ブーリファ”…………」
 物憂げな表情をしつつ、愛用の鞭を指先で撫でながら、ソフィアはその名を唱えた。この鞭を手にしている間、ソフィアは、しがない私立探偵という表の顔から、“風裂き”の二つ名で知られる冷酷な女戦士となる。ソフィアは、戦いを前に、精神を集中させ、闘気を高めていた。
 やがて、ソフィアの対戦相手が闘技場に姿を現した。エイジ・シンジョウ――自称、冒険家――という若い東洋人は、、太刀を鞘から抜き放ち、武道着を現代風にアレンジしたような、和洋折衷のバトル・コスチュームを展開した。

 ハイヒールの分だけ、ソフィアはエイジを見下ろす形になっていた。一礼して太刀を構えるエイジに、ソフィアは、挑発的に手招きした。
「どこからでもおいで。坊や」
「お手並み拝見といくぜっ! 烈空斬!」
 先に動いたのは、エイジだった。大上段に振りかぶった太刀から闘気を撃ち出した。
「サンダーリング!」
 ソフィアが鞭を操り、雷の環を放って迎え撃つ。リングの中央で、ソフィアとエイジの闘気が衝突し、爆風が巻き上がった。舞い上がった砂埃が視界を遮るなか、ソフィアは床を蹴って加速した。
「いない!?」
 ソフィアは、狼狽するエイジの背後に回り込んでいた。その無防備な背中に、ソフィアの鞭が、蹴りが、面白いようにヒットする。
「まだまだ、よ……」
 ソフィアは、エイジをひとしきりいたぶった後、後ろから抱きしめた。柔らかな乳房を押し当てるように、腕に力を込める。耳元に吐息を吹きかけては唾液を含んだ舌で舐め、それを繰り返しながら、エイジの股間を撫でる。ソフィアは、ズボンのジッパーを探り当て、一気に引きおろした。その中に手を突っ込み、エイジの***を引っ張り出す。
「あら、可愛らしいボウヤね…」
 盛大に勃起した***を指先でしごき続けきながら、ソフィアは甘い声で囁いた。
「私と対等に闘えるのかしら?」
 亀頭の先端、その裏側を指先で軽くつつくと、粘性の液体がじわりと染み出た。すると、ソフィアは、興醒めといった風に、エイジの体を手放した。
「ラトルスネーク!!」
 ソフィアの鞭が乱舞し、次々とエイジを打ちのめす。フィニッシュの一撃がエイジの足元を崩し、エイジは、錐揉み状に回転しながら地面に崩れ落ちた。

99【ソフィア3.0】:2018/10/31(水) 20:31:24
闘気を吸い取られ、足元がふらつく

ハイレグのコルセットとハイヒールの靴に、裸リボンという
「大丈夫? お嬢ちゃん」
両手を掲げ、闘気を解き放った。金色の光の壁が現れた。ステージ3に覚醒した状態ではじめて使用可能なソウルボム

ステージ2のコスチュームは完全に破壊され、残された闘気では、ステージ1を維持するのが精一杯という状態になっていた。
ローキック、ローキック、蹴り上げ、ウィンドミル・キックと足技を繰り出し、アッパー・ウィップ、無抵抗な3号機に鞭打のシャワーを浴びせる。
「オーロレレボリューション!」
指先で掴まれていた。
闘気の光「あんあんあんあんあんっ! ああんっ!!」闘気の乗った超高速の往復ビンタ、フィニッシュの蹴り上げ

「どっちが食い込んでるかしら?」

100【ソフィア0.00】:2018/12/23(日) 23:03:42
 東欧諸国の夜ははやい。それは賑やかな街の中心部でも同じだ。そんな街中の簡素なマンションの一室。
 ダイニングのソファに家族を招いた姉に、妹が話しかけた。
「何よ、姉さん。仕事でイヤなことでもあったの?」
 母親も心配顔で部屋に入ってくる。姉はふたりを見つめ、話した。
「私の記憶が変なこと、知ってるでしょ?そのことを調べている内にある結社が浮かんだんだけど、その結社から一昨日、私あての手紙が来たの。武闘大会の招待状」
 母親の顔が恐怖に歪んだ。
「(闘神大武会!やはり私たちはすでに見つかっていたんだわ……)」
「私、参加するわ。ずっと調べてきた謎の答えが見つかるかもしれない」
「ダメよ!!そんな危険なこと、母さん許しません!決して!!」
 しかし、翌朝、姉は旅立った。ふたりを起こさぬように静かに、愛用の鞭だけを持って。その姿を見送る母には気付かず。
「(ソフィア、お前が真相を知ったとき、母さんを許してくれるかしら。それとも……。それでもいいんだよ。無事に帰ってくれさえすれば……)」
 老いた女科学者は、朝靄の中でいつまでも自分の「実験体」の後姿を見送っていた。

101【エリス0.00】:2018/12/24(月) 19:47:48
 石畳のリングの上で、私は、対戦相手と向かい合った。対戦相手は、トルコ生まれの女の子で、名をエリスといった。ショートカットの緑髪が、童顔とよく似合っている。白を基調とした踊り子のコスチュームは、レース地が多用され、繊細な年頃の少女らしい魅力を引き立たせていた。
「わあっ、素敵なひと……」
 私の姿を見たエリスが、うっとりしたような声をあげた。
「あら、可愛らしいお嬢ちゃんね」
 私はエリスに歩み寄り、そのカラダを胸元に抱き寄せると、愛でるように頭を撫でた。
「まるでお人形さんみたい。ん…ちゅ……」
 私は、指先でエリスの顎を持ち上げ、唇同士を軽く触れあわせた。
「んっ…、ありがとうございます…。……って、違いますっ!」
 エリスは、気を取り直したように私の腕から逃れ、間合いを取った。警戒感を見せるエリスに、私は挑発するように言い放った。
「貴女が私の相手なの? 嘘でしょ、信じられないわ」
「本当ですっ! 私みたいな子供がってお思いでしょうけど、本当なんです」
「悪いことは言わないわ。このまま、お帰りなさい。貴女に大怪我させてしまうかもしれない」
「それだけの覚悟はできています。私、行かなければならないんですっ!」
 エリス真剣な表情で食い下がり、両手の短剣を構えた。
「そう。…来なさい。いつでもお相手するわよ」

102【エリス0.00】:2018/12/24(月) 19:48:46
 一礼するエリスに対して手招きし、私は、鞭を構えてエリスとの間合いを計った。互いに見つめあい、じりじりと動く。そんな膠着状態に、私は、鞭を振って探りを入れた。最大射程で放った鞭先は難なく回避されたが、それは想定のうち。私は、エリスを追い立てるように、続けて鞭を操った。
「ほら、どうしたの。もっとこっちに来なさい…?」
 挑発するように手招きするが、私の鞭は、エリスのスピードを捉えることができない。
「くっ…、すばしっこいわね」
 私は舌打ちするのと同時に、エリスが高く跳躍した。
「アーク・スラッシュ!」
 エリスは空中で身を翻し、両手の短剣を構えて頭から急降下する。間一髪で、私は鞭でガードしたが、エリスに懐に入られる形になった。
 私は、後ろにステップして間合いを取ろうとしたが、エリスのスライディングに足元を崩された。足を止めた私は、今度は下から突き上げられた。
「ソアー・ウィンドウ!」
「っ…あんっ!」
 エリスの体当たりを受け、私は体を折った。エリスの着地を狙って鞭を振ったが、私の鞭は石畳を叩き、エリスの姿も見失なった。
「捕まえた…、お姉さま……」
「――――!」
 うなじに、柔らかい唇の感触。私は、エリスに背後を取られ、エリスに抱きつかれていた。エリスは、私の背中に体を密着させ、すり寄せた。
「おっぱいも、腰も、お尻も…。お姉さまのカラダ、素敵……」
 エリスは、恍惚とした声で、私の体のあちこちを撫でる。
「そうね。私は極上でしょう?」

103【エリス0.00】:2018/12/24(月) 19:49:27
 エリスの体を振り払い、鞭を振るが、当たらない。
「やあっ、たあっ、たあああーっ!」
「っく…、あんっ、あんっ!」
 私が鞭を振るよりも早く、2本の短剣と足技が、次々に私を攻め立てる。ガードも回避も間に合わず、私の傷が少しずつ増えていく。
「この…っ!」
「きやっ!」
 苦しまぎれに放ったハイキックが、エリスの頭部を捉えた。ぐらつくエリスに追撃の回し蹴り、しかしエリスの頭上で空を切った。エリスのソアー・ウィンドウを受け、今度は私がぐらつく番だった。高く跳躍したエリスが、短剣を構えて急降下する。私は、エリスのアーク・スラッシュを鞭で受け止めた。
「えいっ!」
「あんっ!」
 エリスが跳びあがり、私は後頭部を踏みつけられ、地面に蹴りつけられた。石畳とキスする羽目になった私の横で、エリスは、可愛らしいポーズを決めていた。
「負けないモンっ」

 ――――サービスタイムは、これぐらいでいいかしら?
 私は起き上がりざまに、エリスに向けて鞭を放った。エリスは油断していたのか、私の鞭は、その華奢な体をいともたやすく絡め取った。
「よそ見してちゃダメよ」
 エリスは、可愛らしい悲鳴をあげながらもがいていた。鞭から逃れようともがくエリスの姿をしばらく愉しんだあと、私は、エリスの体を力任せに引きずりよせた。小柄なエリスの顔は、ちょうど私の胸のあたりになる。私は、エリスを抱きしめると、胸の谷間でエリスの顔を挟み、頭を撫でた。すると、エリスは抵抗を諦めたのか、身を委ねるような反応を示した。私は、エリスの体をくまなく撫でまわしたあと、エリスの顔を谷間から解放した。
 左手でエリスの胸元を掴み、持ち上げる。エリスの頬を打つたび、乾いた破裂音とともに、エリスの上体が右へ左へと揺れる。

104【エリス0.00】:2018/12/24(月) 19:50:59
「はっ!」
「ああっ!」
 フィニッシュの蹴り上げが決まり、エリスは、この日はじめてリングの床を這った。
「ラトルスネーク!」
 起き上がりかけたエリスの真正面から、鞭の乱舞を浴びせる。なすすべもなく全て受けたエリスは、再びリングの床を転がる。

「えいっ、たあっ」
不規則な軌道で宙を舞い、足技を放つエリスを、鞭で撃ち落とした。

アークスラッシュ、ソアーウィンドウ、エリスの技が絶え間なく
「スターダスト・ナイト!」

「いっくぞおーっ」
 短剣を構えたエリスは、闘気を完全に解き放ち、金色に光り輝くオーラに包まれた。宙を舞い、私の正面に躍り出たエリスは、最後のラッシュに出た。
「たあーっ、たあーっ、たあーっ」
 エリスの短剣が加速し、絶え間なく私を傷つける。
「たあーっ、たあーっ、たあーっ、たあーっ、たあーっ」
 私は、絶え間なく刺され続け、喘ぎ声をあげることすらできない。
「フレンチ・キッス」
 キラキラと輝く闘気が密度を増しながら収縮し、投げキッスのようなモーションとともに臨界点に達し、そして爆発する。
「あああああんっ」
 闘気の爆発を直接ぶつけられ、私は吹き飛ばされた。
「(こんな小さな体のどこに、こんな力が――――)」
 床に叩きつけられ、バウンドしながら何度も転がり、何とかリングの端に留まった。闘気を直接ぶつけられたダメージで、体が思うように動かない。

 おぼつかない足取りで、エリスが近づいてくる。

105【エリス0.00】:2018/12/24(月) 19:51:41
 鞭と足技で痛めつけられ、性技で何度もイかされたエリス

 膝は震え、肩で息をしていた。
 奥義の大技を続けて放ち、闘気のほとんどを使い果たしたエリスは、闘う力はほとんど残っていないようだった。

 立ち上がった私の姿を見て、エリスの表情が絶望に染まっていく。私は、エリスに、力任せに鞭を叩きつけた。なすすべもなく鞭を受け、エリスが短く鳴いた。体を折ったエリスに、私は続けてウインドミル・キックを浴びせる。
「っ――――」
 鈍い打撃音が響き、エリスは声にならない悲鳴をあげ、力なく吹き飛んでいった。
 リングの床に沈んだエリスを見下ろし、私は、その腹部をヒールで踏みにじった。エリスはほんの少しだけ苦しそうな声を漏らしたが、そのほかに反応はない。私は、エリスが完全に戦闘力を失ったことを確かめると、勝ち名乗り代わりに高笑いを上げた。
「オーッホッホッホッホッホッホッ」
 そして、私は、ぐったりしたまま動かないエリスを抱き上げ、帰路についた。

 ――さて、この可愛らしい踊り子の少女を、どうやって私好みに調教していこうかしら?

109【エリス1.00】:2018/12/24(月) 23:48:41
 ――トルコ東部、アルメニア高原

 乾燥地帯特有の青い空と、高山植物の濃い緑に彩られた盆地状の地形には、朽ち果てた石造りの古代遺跡が無数に点在している。
 【闘神大武会運営本部】より指定された場所は、その遺跡群の中にあった。
 古代アルメニア人の手によって造られた、8メートル四方の建造物が、今回の【闘神大武会】のステージだった。

 石畳をハイヒールのブーツで踏みしめ、ソフィアは、リングの上に立った。
 愛鞭【クラースヌイブーリファ】を手に、SMの女王様のようなバトル・コスチュームを展開したソフィアは、硬い足音とともにリングの中央へと歩いた。
 そこには、荒涼とした大自然を背景に、小柄な少女が、ソフィアを待ち受けていた。

「わぁ、素敵な女性(ひと)……」
 ソフィアの姿を見た少女が、うっとりしたような声をあげた。
 ポニーテールにまとめた長い金髪、整った怜悧な顔立ち、170センチ前後の長身にすらりと伸びる手足、
 細くくびれたウェストに、豊満で形の良いバストとヒップ、それらを惜しげもなく見せつけるバトル・コスチュームは、
 同性である少女をも魅了するような色香を放っていた。

「あら、可愛らしいお嬢ちゃんね。貴女がエリスかしら?」
「はい。わたしがエリス…です」
 ショートボブにした緑色の髪を揺らしながら、エリスが答えた。
 愛嬌のあるつぶらな瞳に、あどけない顔立ち、発育途上の華奢な体は、まだ10代の半ばといったところだろうか。
 白を基調にしたエリスのバトル・コスチュームは、ベアトップのハイレグレオタードに薄手のレース生地を加え、
 ピンクのリボンをアクセントにしたデザインで、童話に出てくる妖精のような、純粋無垢な魅力をふりまいていた。

「まるでお人形さんみたいね。貴女が私の相手なんて、嘘でしょう。信じられないわ」
 ソフィアは、頭一つ分だけ背の低いエリスの顎を指先で持ち上げた。
「本当ですっ! 私みたいな子娘がってお思いでしょうけど、本当なんです」
 エリスは、ソフィアの手を払いのけ、食い下がるように答えた。
「悪いことは言わないわ。このまま、お帰りなさい。貴女に大怪我させてしまうかもしれない」
「それだけの覚悟はできています。私、行かなければならないんですっ!!」
「そう。…来なさい。いつでもお相手するわよ」
 ひたむきなエリスの姿勢に、ソフィアは一瞬だけ物憂げに目を伏せたが、すぐに表情を切り替え、女王様然とした態度で手招きした。
 エリスは一礼して両手の短剣を構える。ソフィアも鞭を構え、うら若き乙女による闘いが始まった。

110【エリス0.00】:2019/01/13(日) 22:09:39
「サンダーリング!」

最初に動いたのはソフィアだった。優雅に振るった鞭の先端から、紫電の環を放った。しかし、その

鞭を巧みに操り、2撃、3撃と
それ以上の機動力で

「アーク…」
「スラッシュ!!」

着地を狙い、大技を繰り出す。

青白い闘気の輝きに包まれ、空中で急激に旋回した。
闘気を放出し、

「ソアーウィンドウ! りゃあっ!!」
「えいっ!!」
「ええーいっ、たあっ、りゃあつ!」


唇を奪った。絡める。
レース生地を破り捨て、


胸のブローチに鞭の先端が刺さり、

汚い悲鳴を上げる。

バトル・コスチュームを維持することができなくなり、セパレートタイプの水着姿となった。濃いピンク色の

表面を覆う薄手のレース生地が消滅し、腰帯
ベアトップのハイレグスーツ

圧倒的に不利な状況にも関わらず、戦意は衰えていない。

闘気を完全に消耗し、シャツにミニスカート、オーバーニーソックスという普段着姿になった。

「ここは…?」
「KGBの格闘訓練場として使われていた場所よ。書類上ではソ連崩壊時に放棄されたことになっているわ」

「私たちを、倒してごらんなさい」
「本気で“壊して”あげる…!」
金髪

111【エリス0.00】:2019/01/13(日) 22:37:44
 一礼するエリスに対して手招きし、私は、鞭を構えてエリスとの間合いを計った。互いに見つめあい、じりじりと動く。そんな膠着状態に、私は、鞭を振って探りを入れた。最大射程で放った鞭先は難なく回避されたが、それは想定のうち。私は、エリスを追い立てるように、続けて鞭を操った。
「ほら、どうしたの。もっとこっちに来なさい…?」
 挑発するように手招きするが、私の鞭は、エリスのスピードを捉えることができない。
「くっ…、すばしっこいわね」
 私は舌打ちするのと同時に、エリスが高く跳躍した。
「アーク・スラッシュ!」
 エリスは空中で身を翻し、両手の短剣を構えて頭から急降下する。間一髪で、私は鞭でガードしたが、エリスに懐に入られる形になった。
 私は、後ろにステップして間合いを取ろうとしたが、エリスのスライディングに足元を崩された。足を止めた私は、今度は下から突き上げられた。
「ソアー・ウィンドウ!」
「っ…あんっ!」
 エリスの体当たりを受け、私は体を折った。エリスの着地を狙って鞭を振ったが、私の鞭は石畳を叩き、エリスの姿も見失なった。
「捕まえた…、お姉さま……」
「――――!」
 うなじに、柔らかい唇の感触。私は、エリスに背後を取られ、エリスに抱きつかれていた。エリスは、私の背中に体を密着させ、すり寄せた。
「おっぱいも、腰も、お尻も…。お姉さまのカラダ、素敵……」
 エリスは、恍惚とした声で、私の体のあちこちを撫でる。
「そうね。私は極上でしょう?」
 エリスの体を振り払い、鞭を振るが、当たらない。
「やあっ、たあっ、たあああーっ!」
「っく…、あんっ、あんっ!」
 私が鞭を振るよりも早く、2本の短剣と足技が、次々に私を攻め立てる。ガードも回避も間に合わず、私の傷が少しずつ増えていく。
「この…っ!」
「きやっ!」
 苦しまぎれに放ったハイキックが、エリスの頭部を捉えた。ぐらつくエリスに追撃の回し蹴り、しかしエリスの頭上で空を切った。エリスのソアー・ウィンドウを受け、今度は私がぐらつく番だった。高く跳躍したエリスが、短剣を構えて急降下する。私は、エリスのアーク・スラッシュを鞭で受け止めた。
「えいっ!」
「あんっ!」
 エリスが跳びあがり、私は後頭部を踏みつけられ、地面に蹴りつけられた。石畳とキスする羽目になった私の横で、エリスは、可愛らしいポーズを決めていた。
「負けないモンっ」

 ――――サービスタイムは、これぐらいでいいかしら?

112【エリス0.00】:2019/01/13(日) 22:38:28
 私は起き上がりざまに、エリスに向けて鞭を放った。エリスは油断していたのか、私の鞭は、その華奢な体をいともたやすく絡め取った。
「よそ見してちゃダメよ」
 エリスは、可愛らしい悲鳴をあげながらもがいていた。鞭から逃れようともがくエリスの姿をしばらく愉しんだあと、私は、エリスの体を力任せに引きずりよせた。小柄なエリスの顔は、ちょうど私の胸のあたりになる。私は、エリスを抱きしめると、胸の谷間でエリスの顔を挟み、頭を撫でた。すると、エリスは抵抗を諦めたのか、身を委ねるような反応を示した。私は、エリスの体をくまなく撫でまわしたあと、エリスの顔を谷間から解放した。
 左手でエリスの胸元を掴み、持ち上げる。エリスの頬を打つたび、乾いた破裂音とともに、エリスの上体が右へ左へと揺れる。
「はっ!」
「ああっ!」
 フィニッシュの蹴り上げが決まり、エリスは、この日はじめてリングの床を這った。
「ラトルスネーク!」
 起き上がりかけたエリスの真正面から、鞭の乱舞を浴びせる。なすすべもなく全て受けたエリスは、再びリングの床を転がる。


------------
「えいっ、たあっ」
不規則な軌道で宙を舞い、足技を放つエリスを、鞭で撃ち落とした。

アークスラッシュ、ソアーウィンドウ、エリスの技が絶え間なく
「スターダスト・ナイト!」
------------


「いっくぞおーっ」
 短剣を構えたエリスは、闘気を完全に解き放ち、金色に光り輝くオーラに包まれた。宙を舞い、私の正面に躍り出たエリスは、最後のラッシュに出た。
「たあーっ、たあーっ、たあーっ」
 エリスの短剣が加速し、絶え間なく私を傷つける。
「たあーっ、たあーっ、たあーっ、たあーっ、たあーっ」
 私は、絶え間なく刺され続け、喘ぎ声をあげることすらできない。
「フレンチ・キッス」
 キラキラと輝く闘気が密度を増しながら収縮し、投げキッスのようなモーションとともに臨界点に達し、そして爆発する。
「あああああんっ」
 闘気の爆発を直接ぶつけられ、私は吹き飛ばされた。
「(こんな小さな体のどこに、こんな力が――――)」
 床に叩きつけられ、バウンドしながら何度も転がり、何とかリングの端に留まった。闘気を直接ぶつけられたダメージで、体が思うように動かない。

 おぼつかない足取りで、エリスが近づいてくる。

 鞭と足技で痛めつけられ、性技で何度もイかされたエリス

 膝は震え、肩で息をしていた。
 奥義の大技を続けて放ち、闘気のほとんどを使い果たしたエリスは、闘う力はほとんど残っていないようだった。

 立ち上がった私の姿を見て、エリスの表情が絶望に染まっていく。私は、エリスに、力任せに鞭を叩きつけた。なすすべもなく鞭を受け、エリスが短く鳴いた。体を折ったエリスに、私は続けてウインドミル・キックを浴びせる。
「っ――――」
 鈍い打撃音が響き、エリスは声にならない悲鳴をあげ、力なく吹き飛んでいった。
 リングの床に沈んだエリスを見下ろし、私は、その腹部をヒールで踏みにじった。エリスはほんの少しだけ苦しそうな声を漏らしたが、そのほかに反応はない。私は、エリスが完全に戦闘力を失ったことを確かめると、勝ち名乗り代わりに高笑いを上げた。
「オーッホッホッホッホッホッホッ」
 そして、私は、ぐったりしたまま動かないエリスを抱き上げ、帰路についた。

113【エリス1.00】:2019/01/14(月) 22:51:21
 ――トルコ東部、アルメニア高原

 乾燥地帯特有の青い空と、高山植物の濃い緑に彩られた盆地状の地形には、朽ち果てた石造りの古代遺跡が無数に点在している。
 【闘神大武会運営本部】より指定された場所は、その遺跡群の中にあった。
 古代アルメニア人の手によって造られた、8メートル四方の建造物が、今回の【闘神大武会】のステージだった。

 石畳をハイヒールのブーツで踏みしめ、ソフィアは、リングの上に立った。
 愛鞭【クラースヌイブーリファ】を手に、SMの女王様のようなバトル・コスチュームを展開したソフィアは、硬い足音とともにリングの中央へと進んだ。
 そこには、荒涼とした大自然を背景に、小柄な少女が、ソフィアを待ち受けていた。

「わぁ、素敵な女性(ひと)……」
 ソフィアの姿を見た少女が、うっとりしたような声をあげた。
 ポニーテールにまとめた長い金髪、整った怜悧な顔立ち、170センチ前後の長身にすらりと伸びる手足、
 細くくびれたウェストに、形の良い豊満なバストとヒップ、それらを惜しげもなく見せつけるバトル・コスチュームは、
 同性である少女をも魅了するような色香を放っていた。

「あら、可愛らしいお嬢ちゃんね。貴女がエリスかしら?」
「はい。わたしがエリス…です」
 ショートボブにした緑色の髪を揺らしながら、エリスが答えた。
 愛嬌のあるつぶらな瞳に、あどけない顔立ち、発育途上の華奢な体は、まだ10代の半ばといったところだろうか。
 エリスのバトル・コスチュームは、ベアトップのハイレグ水着のようなボディスーツの上に薄手のレース生地を被せ、腰に巻いた淡いピンク色の帯を背中でリボン結びにしたものであった。童話の妖精をモチーフにした白いコスチュームは、純粋無垢なエリスの魅力を引き立てていた。

114【エリス1.00】:2019/01/14(月) 22:55:21
「まるでお人形さんみたいね。貴女が私の相手なんて、嘘でしょう。信じられないわ」
 ソフィアは、頭一つ分だけ背の低いエリスの顎を、くい、と、指先で持ち上げた。
「本当ですっ! 私みたいな子娘がってお思いでしょうけど、本当なんです」
 エリスは、ソフィアの手を払いのけ、食い下がるように答えた。
「悪いことは言わないわ。このまま、お帰りなさい。貴女に大怪我させてしまうかもしれない」
「それだけの覚悟はできています。私、行かなければならないんですっ!!」
「そう。…来なさい。いつでもお相手するわよ」
 ひたむきなエリスの姿勢に、ソフィアは一瞬だけ物憂げに目を伏せたが、すぐに表情を切り替えた。一礼して両手の短剣を構えるエリスに対して、ソフィアはサディスティックな笑みで手招きする。ソフィアが隙を見せれば、エリスはソフィアの懐に入り込み、両手の短剣で超接近戦を挑んでくるだろう。それ故に、ソフィアは、隙を見せることなく鞭を構えていた。

 石畳のリングの上で、バトル・コスチュームをまとった美しき乙女が、武器を構えて対峙する。最初に動いたのはソフィアだった。
「来ないなら、こっちから行くわよ…。サンダーリング!」
 ソフィアは、優雅に振るった鞭の先端から、紫電の環を放った。その雷撃を、エリスは軽やかなステップで回避する。
「(これを避けられるのは、計算のうちっ!)」
 初撃のサンダーリングは、あくまでも相手の反応を探るためのもの。ソフィアは巧みに鞭を操り、エリスを追い立てる。しかし、エリスは、素早い身のこなしでソフィアの鞭打を次々に回避していく。
 傍目には、遠距離戦に優れるソフィアが、エリスの間合いの外(アウトレンジ)から一方的に攻め立てているようにも見える。だが、ソフィアの感覚は違っていた。
「(くっ…! 素早しっこいわね…!)」
 紙一重で鞭を躱し続けられているのは、ソフィアの鞭の軌道が読まれているからに他ならない。エリスの足元を狙った鞭は、石畳の床を叩き、低い音を立てた。その大振りな攻撃をハイジャンプで躱したエリスは、空中で身を翻し、ソフィアに向けて一直線に急降下(ダイブ)した。

115【エリス1.00】:2019/01/24(木) 21:17:22
「アーク・スラッシュ!」
「かは…っ!」
 ソフィアは鞭でガードしようとしたが間に合わず、エリスの交差した両腕が鳩尾付近に直撃した。ソフィアは大きくよろめいたが、何とか踏みとどまった。ソフィアは、鞭と足技のコンビネーションでエリスを迎え撃つが、エリスのスピードは、ソフィアのそれを遥かに凌駕していた。
「たあっ! たあーっ! えいっ! やあっ!」
「あうっ! あんっ! ああんっ! あんっ!」
 鞭の間合いの内側へと入り込まれ、両手の短剣による連撃と、緩急自在の蹴り技で、ソフィアの体にダメージが刻まれていく。接近戦から一転、空中からの一撃離脱、再び接近戦と、闘いの主導権は、完全にエリスに握られていた。
「ソアーウィンドウ! りゃあっ!!」
「く…っ!」
 身を低くして体当たりしてきたエリスは、短剣に闘気を乗せ、下段から突き上げた。高く跳びあがったエリスの一撃を、ソフィアは辛うじて鞭で受け止めた。
「っく…浅いっ!?」
 ソフィアの強烈なハイキックが、着地寸前のエリスを撃ち据えた。エリスは短い悲鳴をあげて吹き飛んだが、石畳の上に墜落する寸前で受身を取って立ち上がり、再び空中を舞う。リーチは長いが強力な対空技を持たないソフィアは、鞭を放つものの、エリスの空中機動を捉えることができない。
「シックルダンシング!」
「あうっ!」
 空振りし、隙を晒したソフィアの顎に、空中で回転しながら不規則な軌道を描くエリスの爪先がヒットする。
「たあっ! たああっ!!」
 小柄なエリスの一撃一撃は軽いものの、圧倒的な手数とスピードで攻め立てられ、ソフィアの体に傷が刻まれていく。
「アースキッス! えいっ!!」
「ああんっ!!」
 肩に飛び乗られ、エリスの靴底に後頭部を踏みつけられたソフィアは、その技の名前の通り、リングの床とキスする羽目になった。

116幸平@管理人:2019/02/23(土) 21:40:01
「君、本当、マニアックなとこばかりに行くよねえ」
 航空自衛隊戦術教導団飛行教導群(アグレッサー)整備隊本部で、和田3佐が口許を微かに引き攣らせながら言った。
「ええ、まったく」
 半笑いの整備統制(メンコン)班長、和田3佐につられるように、俺も苦笑いしながら答えた。
「でもさ、ウチよりも、最初に第6航空団(ろっくうだん)の装備部と整備補給群(せいほぐん)に行かなあかんやろ。これから死ぬほどお世話になるんだから」
「そりゃそうですけど、気が重いっすよ」
「うん。気持ちは解らんでもないけどさ」
 小松で最初に和田3佐のところへ挨拶しに行ったのは、単純に、和田3佐が話しやすい先輩だから、という理由だった。
「で、君は、技術研究本部(ぎほん)で、例の無人機の整備なんだっけ?」
 和田3佐は、声のトーンをひとつ落とした。そのとき、俺は、自分自身の新しい仕事をよくわかっておらず、曖昧に頷くしかなかった。

 日本海に面する石川県小松市。航空自衛隊小松基地に所在する、技術研究本部特別技術研究室小松試験場。そこで試験運用されている無人戦闘機の整備班長というのが、俺の新しい配置先だった。
「まあ…、色々お世話になると思いますんで、よろしくお願いします」
 俺は、和田3佐に軽く頭を下げて退出しようとしたところ、和田3佐は半笑いのまま付け加えた。
「それがねえ、僕、君のお世話、したくても出来ないから」
「へっ?」
「僕、8月1日付(はってんいち)で入間に転出だから」
「ガッデム! ガッデェェェム!!」
「……君ぃ、その口癖と、中指立てる癖は、いい加減やめといた方がええで…」
 最後に和田3佐とコントめいたやりとりをしたあと、俺は飛教群の庁舎を辞した。飛行教導群は、新田原基地から小松基地へと移転事業を終えてから日が浅く、その航空機整備部門を現場で取り仕切っていたのが和田3佐だった。小松基地での整備業務が軌道に乗ったところで、入間基地の中部航空方面隊(ちゅうくう)司令部の装備部にご栄転、ということだった。
「(畜生、6空団と上手くやれなかったら、中空司の和田さんに泣きついてやるからな…!)」
 俺は、心の中で毒づきながら、6空団司令部へ挨拶回りに向かったのであった。

119GAF:2019/03/17(日) 00:40:06
 民間飛行場である小松空港と、航空自衛隊小松基地は、1本の滑走路を共有しており、昼間の時間帯では、民航機と自衛隊機が、絶え間なく離着陸を繰り返している。その間隙を縫うようにして、1機のT-4型練習機が着陸灯(ランディングライト)を点灯させ、滑走路にアプローチしてきた。
「F-4乗り(ファントムライダー)か。上手いな」
 T-4の着陸の仕方を見れば、そのパイロットが、どの戦闘機に乗っているか、判る人が見れば一発で判る。主脚(メインギア)をソフトにランディングさせたあとも、前脚(ノーズギア)を浮かせたままエアロダイナミクスで引っ張るのがF-15乗りの特徴であり、逆に、深い降下率から主脚と前脚を同時に着地させるのがF-4乗りの特徴であった。
 大きな迎角を取ったまま、機首の向きをラダーで微調整しながらスロットルを開き、ハードな3点同時着地を決める。この着陸(やりかた)は、熟練したF-4乗りのそれだった。
「T-4、798、ランディング」
「班長了解(ライン・リード、コピー)」
 俺は、統制所からの無線通信に応答した。小松の独立実験飛行隊には、3機のANMが所属しているが、T-4は所属していない。D2P形態――両翼に燃料タンク、胴体にトラベルポッドを吊下げた赤白塗装のT-4は、外来機、すなわち独飛(ウチ)のお客さんらしい。タクシーバックするT-4の垂直尾翼には、小松では見慣れない部隊章が描き込まれていた。
「青い山笠マーク…、西司飛(せいしひ)か?」
「そのようですね」
 髭面の整備員、舟木1曹――通称フナさん――が頷いた。6空団の飛行場勤務隊(ひきんたい)の整備員が、両手の指先で首の両側を掻き切るような手信号を出し、T-4のエンジンがシャットダウンされた。俺は、インテークの吸気が十分に弱まったことを確認し、オレンジ色の梯子(ラダー)を機体に取り付けた。
「お疲れーっす。…って、ええ!?」
 コックピットに手を伸ばし、2人のパイロットから荷物を受け取ろうとした俺は、盛大に噴き出し、そして固まった。
「あれ、お前、昔浜松にいたよな。もう1尉になったのか?」
「よう。お前、横田から異動したのか」
 T-4の前後席にいたのは、2人とも、俺と面識があるパイロットだった。航空学生出身の年喰ったファイター上がりの万年3佐とは、古強者のオーラを出している人間が多いが、2人の3佐も、その例に漏れない人物であった。
「西部航空方面隊司令部支援飛行隊、飛行班長の渡辺3佐と、総括班長の岡本3佐ですね。ようこそ、独立飛行実験体へ。わたくし、RF-4EJ-ANM、ファントムと申しますわ」
 エメラルドグリーンの髪を揺らし、ファントムは、スカートの両端を摘まんで優雅に一礼した。静かな口調だが、ファントムの声は、ジェット機の爆音が支配する飛行場地区でもよく通る。
「おい依田、どういう事だ?」
 ファントムと俺を見比べ、岡本3佐が眉を顰めた。そりゃそうだ、戦闘機部隊に不釣り合いな、10代ぐらいの女の子の姿を見れば、誰だってそういう反応を返すに決まっている。
「僕に言われてましても…。なんと説明したら良いか……」
「こういう事だ。ポン」
「ジークさん…!」
 ポンというのは、岡本のタックネームだった。定年退職を数年後に控えた岡本に、基地内で先輩風を吹かせることができる人物は、そう多くはない。タイミングを見計らったかのように、那須野が現れた。
「先輩…! 南米で死んだんじゃなかったんですか…!?」
「…ポンさん、知り合い?」
 岡本の隣から、渡辺3佐が訊ねた。
「ジークさんが那覇の302飛行隊にいた頃、岡本さんとよく編隊を組んでいたそうですね。岡本さんとペアを組んでいた縄田さんは、少し前に定年退職なされたそうですが。岡本さんと縄田さん、それに渡辺さんも、昔は信濃飛行隊で一緒だったんですよね」
 岡本と渡辺が、装具を持ったまま、顔を見合わせる。
「積もる話もあるでしょうが、お父様――室長がお待ちです。案内いたしますわ」
「装具は…、ベストは機体にセットしておけば良いですよね。ヘルメットはどうします?」
「いいえ。お2人には、後でシミュレーターにも乗ってもらうので、装具類はシミュレーター室に持ってきてください」
 狐に包まれたような顔をした岡本と渡辺から、俺は装具類を受け取り、飛勤隊の電源車の車内に置いた。
「あの2人から、後で八つ当たりされるのはイヤだぜ……」
ファントムと那須野に促され、技本庁舎に向かう岡本と渡辺の背中を見送り、俺は軽くため息をついた。

120GAF:2019/03/17(日) 18:37:37
小嶋3尉→6空団副官、航空機整備幹部、防大時代はニコニコ超会議で自衛隊写真集を売ってる同人サークルの手伝いをしていたらしい

斎藤1尉→6空団司令部法務班長、青学卒、P免、最近まで最終型のFD3Sに乗っていたが、子供が生まれたので泣く泣く手放した

古田1尉→斎藤1尉の後任の法務班長、こちらもP免組、口の悪い関西人、カートレースの経験あり

阿川1尉→6空団飛行群総人班長、P免、高専卒、名航三菱でF-15MJの計器パネルの改修設計を担当していた経歴あり(その関係でイーグルとの絡みを多目にしたい?)。趣味はミニ四駆の魔改造

山田曹長→6空団飛行群准曹士先任、以前は303SQや31SQに所属、妻は306SQの整備員から、最近、総隊司の副官になったらしい。浜松に単身赴任していた頃、台風でゴールポストが愛車のGRMNヴィッツに直撃した。フナさんとは、他の同僚(乾曹長、石井1曹、牧1尉、釘尾1尉、小翠1尉、小林1尉)とともに長い付き合い。

藤井“ジーク”1尉→303SQ所属のパイロット、航学出身。モットーは「航学は身を削って飲む」。イーグル被害者の会終身名誉顧問。独飛に那須野が加入したことにより、TACネームを変えようかと悩んでいる。

樋口“タッチ”1佐→名前のみ登場。元31SQ隊長、現在は空幕に所属。小松F-15僚機撃墜事件の当事者で、イーグル(#864)に搭乗していた。後述する渡辺3佐とは航学の同期。

桑野“ボブ”1佐→名前のみ登場、現在は定年退官。2空団所属時、前世イーグル(#079)に搭乗中、小松沖で炎上してベイルアウトした。前述の樋口1佐と、あともう1人と合わせて『ベイルアウト3兄弟』と呼ばれていたらしい。

渡辺(ラッコ)3佐→西部航空方面隊司令部支援飛行隊飛行班長、過去には信濃飛行隊の若手パイロットとして活躍。前任意は中司飛で、総隊司令官の要務飛行のためよく横田に来ていた。10年ほど前にはブルーインパルス5番機を務めており、ローアングルテイクオフのブチギレぶり(本人いわく「高度計がマイナスを指していた」)には現在もファンが多いらしい。

岡本“ポン”3佐→西部航空方面隊司令部支援飛行隊総括班長。過去には83空時代に那須野(ジーク)の僚機を務めたり、信濃飛行隊の若手パイロットとして活躍。浜松に自宅があり、少し前は1空団飛行群運用主任も務めていた。なお、かつての相棒であった縄田“リーチ”3佐は数年前に定年退官している。

大石1尉→技本航装研所属の技術幹部。名大の院生時代にベンチャー起業を経営しており、その時に稼いだ貯金でTRD仕様の86ターボとAE86を所有している。八代通とは妙にウマが合うらしい。

山本1尉→飛実団所属の技術幹部。部内幹部出身の古参。八代通被害者の会第3号。コミケときにはよく野上武志のサークルを手伝っているらしい。

初沢→陸自のヘリ整備から空自航学P免、現在は海保の固定翼操縦士。海保学校時代の教官が、慧の母親の上司だったらしい。KLX250のほか、カワサキのバイクを多数所有するサバゲーマニア。

那須野“ジーク”→鳴海章『ゼロと呼ばれた男』シリーズの主人公。架空の人物。南米で死んだという噂があったが、イスラエルのPMC(アドバイザリー部隊)の顧問をしており、日米のアニマ開発にも関わっている。ファントムが苦手とする数少ない人間。

121【ソフィア1.02】(1):2019/03/17(日) 22:33:26
「ラトルスネーク!!」
「くは…っ! あんっっ!!」
 ライトブルーの一条鞭が風を裂いて乱舞し、ソフィアの全身を打ちのめす。音速でしなる鞭に足元を薙ぎ払われ、ソフィアは力なく崩れ落ちた。
「ぐ…ぁ……!」
 受身を取れず、したたかに背中を打ち付けたソフィアは、リングの床で押し殺すように呻いた。
「その程度?貴女の力というのは」
 仰向けになったまま動けないソフィアは、鞭打たれた胸元を押さえ、苦しげに呻いている。ハイヒールの硬い足音を鳴らし、【もう1人のソフィア】が、その様子を見下していた。
「オーッホッホッホッホ! 全く話にならない殺試合(コロシアイ)だわ」
「だまれ…っ!」
 体中の痛みをこらえながら、ソフィアは立ち上がった。闘いのダメージでふらつきながらも、再び鞭を構えた。
「貴方は何も感じないの…?こうして同じ容姿をした私たちが、こんな形で闘ってるなんて…っ!」
 向かい合う2人のソフィアは、ポニーテールの髪型も、胸の谷間を露出したハイレグのボンデージスーツも、鞭使いの戦闘スタイルも、全てが同じであった。ただ、そのカラーリングだけが大きく異なっていた。
 痛めつけられ、ボロボロになった【オリジナル・ソフィア】は、長い金髪をポニーテールにまとめ、バトル・コスチュームは黒光りするエナメル質で、長い一条鞭は闘気でライムグリーンに染まっていた。もう1人のソフィアは、ライトブルーの髪に緑を基調にした迷彩模様のバトル・コスチューム、鞭の色も髪と同じライトブルーとなっていた。そして、オリジナル・ソフィアとは大きく異なり、緑色のソフィアの顔とふとももには、朱色の幾何学模様が浮かび上がっていた。

124 【ソフィア1.02】(2):2019/03/23(土) 18:03:53
「私たちは、あの秘密結社に、運命までも弄ばれようとしているのよ!?」
 ダメージから十分に立ち直ることができないまま、ソフィアは鞭を振る。しかし、その鞭撃は精彩を欠き、試作型ソフィアを捉えることができない。肩で呼吸をするソフィアの前で、試作型ソフィアが軽く鞭を鳴らした。
「もちろん知ってるわよ、その程度のこと。でもねぇ、要は、世の中強い者が勝つ、それでいいじゃない。それに、この闘神大武会は、私にとっては願ってもないチャンスなのよ」
 試作型ソフィアは、軽く鞭を鳴らすと、身を低くしてダッシュし、攻撃態勢に移った。
「まず第1に、己の力の限界を知る為に――」
「かは…っ!! あううっ!! あああんっ!!」
 試作型ソフィアの美脚がしなり、ソフィアを打ちのめす。
「そして第2に――私は二人いらない!!目ざわりなんだよ!実験体の分際で!!」
「ああっ!ううんっ!ぐはっ!!」
 サンドバッグと化したソフィアは、試作型ソフィアのブーツに何度も打ち据えられ、力なく膝をついた。
「消えてしまいな!!」
「あんっ! あんっ! あうっ! ああんっ!!」
 試作型ソフィアは、足技から鞭へと切り替え、なおもソフィアを痛めつける。四つん這いの姿勢になったソフィアの背中から尻にかけて、無数の傷痕が刻み込まれていったる。
「オーッホッホッホッホ!なに、気持ち良さそうにアンアン喘いでるの?」
「っく…! あんっ! ああんっ!!」

126 【ソフィア1.02】(3):2019/03/23(土) 21:31:16
 ソフィアは右脚を鋭く振り抜いた。狙いすましたハイキックが、試作型ソフィアの顔面にクリーンヒットした。
「かは…っ!?」
「そうよ。何が何でも、私は、この大会――――」
 追撃体勢に移ったソフィアは、自分自身に気合を入れるように、ピシャッと鞭を鳴らした。
「負けられないのよっ!!」
 ソフィアは鞭を振り、最大出力のサンダーリングを放つ。
「貴様ァァ!!」
 女王様然とした態度をかなぐり捨てた試作型ソフィアは、その鞭でサンダーリングを叩き落とした。集中力が極限まで高まったソフィアにとって、その動きはスローモーションも同然であった。力任せの大振りな迎撃で、試作型ソフィアに隙が生まれた。そのチャンスを、今のソフィアが見逃すはずもなかった。ソフィアは、残された全ての闘気を解放し、青白い光に包まれた。
「コール・ミー…」
 新体操のリボンのように鞭を操り、螺旋を描いたソフィアは、自らも高速でスピンを開始する。ソフィアの闘気がダイヤモンドダストのように光輝き、ソフィアのスピンは更に加速していく。
「クィーン!!」
 地面を離れ、宙を舞ったソフィアは、急カーブを描いて試作型ソフィアに襲い掛かった。
「あああああんっ!!」
 遠心力の乗った鞭と、闘気で加速した空中からの強烈な体当たり――ソフィアの秘伝必殺奥義が炸裂し、試作型ソフィアは悲鳴とともに吹き飛んでいった。リングの床に叩きつけられた試作型ソフィアは、何度も地面をバウンドし、リングアウト寸前でようやく停止した。気を失い、戦闘不能となった緑を見下し、ソフィアは、腰に手を当て、色気のあるポーズを取った。
「いつでもお相手するわよ」

127 【ソフィア2.00】:2019/03/25(月) 17:57:30
 富士の樹海、その奥には【夜鬼】と呼ばれる一族の集落がある。集落の最深部では、夜鬼の族長が広大な屋敷を構えており、その敷地内には闘技場が設けられている。その、闘技場の床に、夜鬼一族最強の槍使い【モンド】が力尽きて倒れていてた。
モンドとの死闘を制した【エイジ・シンジョウ】が、

「エイジ・シンジョウ……ね!」
「あ……アンタ確かモンドと闘った後の……美人のおね〜〜さん」
「あ……ありがと」
「ショウ・シンジョウの弟……よね」
「に…兄さんのことを知っているのかっ!?」
「兄さんはどこなんだっ!!」
「どこにいるの彼は!!」
「そう…。素直に話してもらえるはずがないと分かってたのに、もしやと思ってしまって……」「馬鹿よね」
「ちょ…、ちょっと待ってくれよあんた。ショウ兄さんと一体どういう関わりがあるんだ!?」
「明日!その場所に来るのよ待ってるわ」
「お、おいそんな自分勝手に! 俺は忙しいんだ、用件があるんなら今ここで済ませば…」
「こんな他人目の多い場所なら、具合が悪すぎるでしょう?」
口許を歪め、

「何だぁ?つぶれたディスコクラブ……かな」
「な〜〜んか嫌な予感がするけど……まァいいか」

ソフィア「変わり身?」
ソフィア「さすがだわ。ショウの弟だけあってただのデクの棒じゃないようね」
エイジ「わざわざ来た客にずいぶんな歓迎してくれるじゃね〜〜か」
ソフィア「ウフフフ…ほんのあいさつ代わりよ」
ソフィア「私の名は『ソフィア』!!わけあって闘神大武闘会に途中参加させていただくわ!!」
エイジ「大体そんな事だろうと思ってたけどな。やめといた方がいいんじゃねえかな。ココんとこの俺はちょっと強ぇぜ!」
ソフィア「そうかもしれないわ。けれど、もう後には退けないの。クラースヌイ・ブーリファを手に取った以上」
エイジ「何のことかわかんねえけど、後悔するなよっ」
エイジ(奴の武器は鞭だリーチがあるっ。但しフトコロにもぐり込みさえすりゃあ)
エイジ(よしっ!!かいくぐった)
エイジ「何っ!?」「くっ」「むおっ」「おおっしこのスキにっ」「うあっ」
ソフィアは
「ラトル・スネーク!」

128 【ソフィア2.00】:2019/03/25(月) 18:03:27
 ソフィアは手首を返し、鞭の軌道をコントロールし、エイジを追い込んでいく。
「ラトル・スネーク!」
 エイジは太刀で受け止めるが、捌ききれずに滅多打ちにされ、吹き飛んだ。
 口の中を切ったのか、口許に付いた血を拭った。

「く…くそっスキがねえっ!」
「ホホホホッどうしたのっ」「手も足も出ないのかしら?ボ〜〜ヤ」
「サンダー・リング!!」
「ぐっ」
 太刀で防ぎ、鈍い音を立てる。

「触ってもいいのよ。出来るものならばね」
「何おぉ…」
「ラブ・ラバーーッ」
大技が次々と決まる。場を支配しているのはソフィアだった。

(こ…攻撃が読めねえ。なぜだトレーシーの時はあれほど見切っていた俺が……)
(何てザマ…だ)
「戦闘強化人間を甘く見たわね」
(強化……人間!?)
「さあ話しておしまいなさい。ショウ・シンジョウの行方を!」
「それさえ分かれば鞭を退くわ。この勝負もあなたの勝ちということで構わない…もとより大武会なんかに関わりたくはなかったのだから」
(なん……だとぉ!?)
「彼はどこっどこに行けばショウに会えるのっ!?」
「……だから言ったろ。俺も、ずっと捜してるって。だからこそ、この大武会に出たんだ」
「……………………」ソフィアは沈黙。
「ならば仕方ないわ。残された手段はひとつ、大武会を自分で勝ち抜くしかないようね。覚悟なさい。もう手加減はできない……から」
(な…何だ表情がガラッと変わりやがった)
「ハアッ」
(止めようとしてももう止まらない戦いの高揚感が我が身を精神(こころ)を支配してゆく)
(あの男ヒトにもう一度会いたい)(強化される以前の記憶も何もかも失くしていた私に初めて人間らしい感情を持たせてくれたあの男ショウに!!)
(けれど…けれどそのために強化人間としての能力ちからにすがっている)(それ以外にやり方を知らない哀れなソフィア)
(ダメだっ攻撃に耐えるのが精いっぱいで反撃の糸口すら見つからねえ)
(中略)

129 【ソフィア2.00】:2019/03/25(月) 18:06:44
(中略)
「俺は敗けねえっ!そう決めたっ今決めたあっ!!」
(ば…ばかな急に……何だこの気迫は!?)
「熊刃閃!狼牙斬!破脚斬!鋼鉄割りッ!!」
優勢だった筈のソフィアに、次々にダメージが刻まれていく。
(敗けるワケにはいかないのよっ!!ここで敗けてしまっては…あの男ヒトへの糸が途切れてしまうっ)
「ローリング・スピア!!」
「夏塩脚!!」
「ぐうっ」「がはぁ」
(まだまだっ)
(このくらいでぇ)「倒せると思うなっ!!」
エイジの突きが、ソフィアの脇腹を掠めた。掠めただけとは思えないほどの重い衝撃が、ダメージや疲労、ソフィアの体を突き抜ける。
「ううっ」
呻きながらも脇腹を庇うが、一瞬、すぐに力任せに鞭を叩きつけた。
「もらったぁ」
「ぶっ」
(よしっ手応えあった…これはっ……)
「な…んのぉ」
雄たけび
(な…なぜ?彼にはダメージというものが無いとでも……!?)
(たかが猪突猛進の直線攻撃リーチの差でこっちのものよ)
「しまった」
「つかんだっ!!」「よしっ!」
「地獄門!!!」
「あ…あなたにあなたに届か…ないだめぇえ」
 白目を剥いて気絶したソフィア、戦闘不能

133【ソフィア2.00】(0):2019/04/03(水) 22:49:58
 富士の樹海、その奥には【夜鬼】と呼ばれる一族の集落がある。集落の最深部では、夜鬼の族長が広大な屋敷を構えており、その敷地内には闘技場が設けられている。その、闘技場の床には、夜鬼一族最強の槍使い【モンド】が力尽きて倒れていた。その傍らで、満身創痍になった青年が、太刀で体を支えて辛うじて立っていた。死闘を制した【エイジ・シンジョウ】に忍び寄る影があった。どこからともなく現れたソフィアは、硬いヒールの音とともにエイジに歩み寄った。
「勝者に、祝福を――」
 エイジの頬に軽く口付けしたソフィアは、呆然とするエイジの前から、風のように去っていった。

136【ソフィア2.00】(1):2019/04/03(水) 22:57:40
 暗闇に身を潜めたソフィアは、闘気を研ぎ澄ませながら、時が来るのを待っていた。静寂が支配する部屋のなかで、建て付けの悪い扉が微かな音を立てた。
「つぶれたディスコクラブ…か? なーんか嫌な予感がするけど、まァいいか」
 人の気配を感じたソフィアは、感覚だけを頼りに、長い一条鞭を放った。鞭を握る右手から、鞭先が標的の首を捉えた感触が伝わってくる。ソフィアは勢いよく右手を振り、標的を足元に引きずり寄せた。
 ガシャン、という重い機械的な音が響き、煌々とした照明が灯った。ソフィアの足元には重そうな布の袋が転がっており、腕を組んだソフィアは、ハイヒールの爪先で、その布袋をもてあそんだ。
「変わり身? さすがだわ。ショウの弟だけあってただの木偶(デク)の棒じゃないようね」
「わざわざ来た客に、ずいぶんな歓迎してくれるじゃねーか」
「ウフフ…、ほんのあいさつ代わりよ」
 妖艶な笑みで標的(エイジ・シンジョウ)の言葉を受け流したソフィアは、闘士の顔へと表情へ切り替え、鞭を構えて名乗りを上げた。
「私の名は【ソフィア】!! 理由(ワケ)あって闘神大武闘会に途中参加させていただくわ!!」
「大体そんな事だろうと思ってたけどな。やめといた方がいいんじゃねえかな。ココんとこの俺はちょっと強ぇぜ!」
「そうかもしれないわ。けれど、もう後には退けないの。【クラースヌイ・ブーリファ】を手に取った以上――」
 ソフィアが手にした鞭の名を唱えると、その長い一条鞭は、ソフィアの闘気で濃いピンク色に染まった。自信に満ちた表情で抜刀したエイジの前で、ソフィアは、バレエの演目を舞うように鞭を振った。
「何のことかわかんねえけど、後悔するなよっ」

137【ソフィア2.00】(2):2019/04/03(水) 22:59:33

 【白虎の太刀】を構えたエイジに狙いを定め、ソフィアは鞭を振りかぶった。ソフィアに向かって駆け出したエイジに向けて、ソフィアは鞭を振り下ろす。鞭の間合いの内側に入り込もうとするエイジだが、ソフィアは手首を返して巧みに鞭を操り、エイジを寄せ付けない。
「何っ!? …くっ…、むおっ! うあっ!!」
 ソフィアの鞭は急激に軌道を変え、エイジを執拗に狙い撃つ。ソフィアの鞭に追い立てられ、無理な回避で体勢を崩したエイジに、ソフィアは必殺技を解き放った。
「ラトル・スネーク!」
「くっ…! うぉあああっ!!」
 ソフィアの鞭が自在に乱舞し、無数の打撃をエイジに与える。その鞭を、エイジは太刀で受け流そうとするが、捌ききれずに全身を鞭で叩かれ、フィニッシュの一撃とともに吹き飛んだ。
「く…くそっ! スキがねえっ!」
 エイジは辛うじて受身を取り、素早く立ち上がった。口の中を切ったのか、エイジは口元に付いた血を手の甲で拭った。
「ホホホホッ! どうしたのっ? 手も足も出ないのかしら、ボウヤ?」
 挑発するような高笑いとともに、ソフィアの必殺技がキレを増していく。

138【ソフィア2.00】(3):2019/04/03(水) 23:05:34
「サンダー・リング!!」
「ぐっ…」
 ソフィアの闘気が雷の環となって、鞭先からエイジに向けて放たれる。エイジは間一髪でガードし、太刀が鈍い音を立てた。
「触ってもいいのよ。出来るものならばね」
「何おぉ…」
「ラブ・ラバ――ッ!」
 ソフィアは、豊満な胸元を強調するように、魅惑的な手招きでエイジを誘惑する。ソフィアの体がエイジに触れた瞬間、ソフィアは独楽のように回転して変則的な軌道を描き、四方八方からエイジに体当たりを炸裂させた。ソフィアの究極宝技に、吹き飛ばされ、エイジは力なく宙を舞った。ソフィアが手元に戻した鞭先を掴むのと同時に、エイジは、背中からリングの床に叩きつけられた。

「戦闘強化人間を甘く見たわね」
「強化……人間!?」
「さあ話しておしまいなさい。ショウ・シンジョウの行方を!」
「それさえ分かれば鞭を退くわ。この勝負もあなたの勝ちということで構わない。…もとより大武会なんかに関わりたくはなかったのだから」
(なん……だとぉ!?)
「彼はどこっどこに行けばショウに会えるのっ!?」
「……だから言ったろ。俺も、ずっと捜してるって。だからこそ、この大武会に出場たんだ」
「……………………」ソフィアは沈黙。
「ならば仕方ないわ」
太刀を放り投げた。
「残された手段はひとつ、大武会を自分で勝ち抜くしかないようね」
ゆらりと鞭を構えた。闘気のオーラが立ち上った。
「覚悟なさい。もう手加減はできない……から」

139【ソフィア0.00】:2019/04/19(金) 23:09:26
「これは…!」
 原型をとどめないほどに破壊された機材が、その威力を物語っていた。
「うふふ…、よく避けたわね。でも、そうでなくっちゃ。私を、愉しませてくれる?」

140【ソフィア0.00】:2019/04/24(水) 17:47:55
中華服の老人が肩で息をしていた。対照的に、余裕そうなソフィア、指先で挑発的な手招き
「けえええッ轟曇発破――」
ケケケケケーッ
「鮮血にまみれてハジケとべ――」「何ッ?」「!!」
「サンダーリング」
「わしの妖術が…人間ごときにやぶられると…は…」
「人間じゃ……ないかもね」

141【エリス】:2019/04/24(水) 18:09:24
「シて?」
子犬のように潤んだ瞳で見上げるエリス、ソフィアの理性を破壊するに十分だった。
事務所の下の階、閉鎖されたディスコクラブ、会場になっていた。

142【ソフィア1.02】(1):2019/05/08(水) 21:33:58
「ラトルスネーク!!」
「あうっ! ああんっっっ!!」
 全身を何度も鞭打たれ、その痛みでソフィアは悲鳴を上げる。ライトブルーの長い一条鞭は、風を裂いて乱舞し、ソフィアを何度も打ち据えていた。音速でしなる鞭に足元を薙ぎ払われ、ソフィアはリングの床に崩れ落ちた。
「…く…ううっ……」
 受身を取ることができず、背中をしたたかに打ちつけたソフィアは、押し殺すように喘いだ。
「…その程度? 貴女の力というのは」
 大技をまともに受けたソフィアは、仰向けに倒れたまま、思うように動けない。ソフィアのバトル・コスチュームは所々が破損しており、白い柔肌には、幾筋ものキズや無数のアザが刻み込まれていた。、胸元を押さえ、苦しげに呻くソフィアを、【もう1人のソフィア】が見下していた。
「オーッホッホッホッホ! 全く話にならない殺試合(コロシアイ)だわ」
 ハイヒールの硬い足音を響かせながら、もう1人のソフィアが近づいてくる。ボロ雑巾も同然となったソフィアとは対照的に、もう1人のソフィアはほとんど無傷であり、余裕の表情を浮かべていた。

143【ソフィア1.02】(2):2019/05/08(水) 21:35:51
「だまれ…っ!」
 体中の痛みをこらえながら、ソフィアは立ち上がった。ふらつきながらも、ソフィアは鞭を握り直し、なんとかファイティングポーズを取った。
「貴方は何も感じないの…? こうして同じ容姿をした私たちが、こんな形で闘ってるなんて…っ!」
 向かい合う2人のソフィアは、ポニーテールの髪型も、胸の谷間を露出したハイレグのボンデージスーツも、鞭使いという戦闘スタイルも、全てが同じであった。ただし、そのカラーリングだけが大きく異なっていた。
 痛めつけられ、ボロボロになった【オリジナル・ソフィア】は、長い金髪をポニーテールにまとめ、バトル・コスチュームは黒光りするエナメル質で、長い一条鞭は闘気でライムグリーンに染まっていた。【試作型(もうひとりの)ソフィア】は、ライトブルーの髪に緑を基調にした迷彩模様のバトル・コスチューム、鞭の色も髪と同じライトブルーとなっていた。そして、オリジナル・ソフィアとは大きく異なり、緑色のソフィアの顔とふとももには、朱色の幾何学模様が浮かび上がっていた。

146【ソフィアprolog】(1):2019/10/12(土) 11:22:24
 人々の欲望が蠢く大都会に、時折、緊急車両のサイレンが遠く響く。不夜城と化した都心から、寝静まった街外れへと疾駆する人影があった。ポニーテールの長い髪を風になびかせ、夜の闇を縫うように走り去るのは、最近、裏社会でその存在を知られつつある女怪盗であった。
 彼女の目的を知る者はいない。だが、彼女の標的となった企業や人物は、いずれも、ある【秘密結社】との繋がりを持っていることが共通していた。ただし、その共通項に気付いた者はほとんどいない。
 飛び交うサーチライトを巧みに回避し、彼女は、軽やかなステップで屋根から屋根へと飛び移る。雲の隙間から淡い月明かりが差し込み、猫科の猛獣を思わせるようなシルエットが浮かび上がった。彼女を覆う黒いボディスーツは、しなやかに鍛え上げられた肢体にぴったりとフィットし、すらりと伸びた手足や豊満な体つきを強調していた。
 長い髪をかき上げた女怪盗は、火照った体を冷ますため、首元のジッパーを下げ、胸元のあたりまで開け放った。たわわに実った胸の谷間を大胆に露出し、素肌に涼しい夜風を感じながら、彼女は都心の方を振り返った。
 整った顔立ちと、凛とした意志の強さを宿した瞳。ほんの僅かだけ歪んだ口元は、喜びか、嘲笑か。
 都心の巨大なビルから伸びるサーチライトが、女怪盗のいる一帯を薙ぎ払った。硬いヒールの足音が静かに響く。サーチライトの暴力的な光が去り、再び闇が訪れたときには、既に、彼女の姿はどこにもなかった。

147名無しさん:2020/03/31(火) 18:47:28
エリス(通常)/アリス(赤)/クリス(黒)
ソフィア(通常)/ソフィーティア/ゾフィー

148【エリス】:2020/12/30(水) 21:25:40
「いっくぞぉぉぉっ!」
 満身創痍となったエリスが叫んだ。空高く飛び上がり、高まった闘気が
「あうっ!!」
 空中からソフィアに一撃。
「たあっ! たあっ! たあっ! …たああああっ!!」
「フレンチ・キッス!!」
 投げキッスとともに、闘気のエネルギーをぶつける。

「んんっ…。今のはちょっと、痛かった…わよ?」
力を使い果たしたエリスは、なすすべもなく鞭打たれ、足蹴にされる。
アッパー・ウィップが顎に入り、エリスは断末魔の悲鳴を上げて吹き飛んだ。

「きゃああっ!」

149【beforestage】:2021/01/02(土) 23:59:31
その秘密結社は、巨大財閥【ジェラート財団】のグループ内部に存在していた。
世界各地に点在するジェラート財団の拠点の中でも、一際勢力
北欧のとある小国、ジェラート財団北欧本部ビルにて。
「ウラヌス様。ソフィア、ただいま戻りました」
「ええ。ご苦労でした」
主に跪くソフィアを、ウラヌスが労った。
「首尾はどうですか?」
「はい。招待状を送った者たちは、全て揃ったようでございます」
「さて、その中に、わが眼鏡に叶う者がいればよいのですが」
「選りすぐりの者たちです。必ずや、ウラヌス様のお眼鏡に叶うかと」
「だと…いいですけれど」

赤色灯が明滅し、異常事態を報せるブザーが鳴り響いた。
「何事か!?」
「どうやら、このアジトにネズミでもまぎれこんだようですね」
「何者かが忍び込んだと…?」
「ソフィアよ、追いなさい」
「はい」
「任せたぞ」

(鞭、風切り音)

「いい気なものだ。貴様が武術家を集め、何をしようというのか解らぬとでも思ったか」

(足音)タッタッタッ

150【beforestage】:2021/01/03(日) 00:00:01
足音を響かせ、うら若き乙女が駆け抜ける。息を弾ませ、蜂蜜色の長い髪
「はっはっ…」
目鼻立ちの整った容貌
体にぴったりとフィットしたハイレグのボンデージスーツね

黒い背広姿の男が
ソフィアの行く手を阻むように現れた。
拳銃を構える。

「待て!」
「追い詰めたぞ」
「大人しく我々と来てもらおうか」
「くっ…しつこいったらありゃしない!」
(鞭)
多勢に無勢
圧倒的な戦闘能力で
「何が目的か、たっぷりと絞り上げてやる!!」
(蹴り)
「じゃあ貴女たちは…」
「ならば私が相手をしてやろうか」
「何」
「ソフィア様」
「また会ったな、オリジナル・ソフィア」
「その女はわが組織の情報を探っていたらしい。こちらに渡してもらおうか」
「私をどうするつもり?」
「むろん、わが組織の秘密に近づこうとする者には、死あるのみ」
「冗談じゃない。あんたらの組織の秘密を暴くまでは、死ねるものか」
「(笑)何が知りたいというのだ。お前の失われた記憶のことか。それともお前の母親が、元はわが組織である実験をしていたことか」
「何故、お前おまえがそんなことを知っている!?」
「知れたことよ。お前たちをこの闘神大武会に招待するにあたって、わが組織が徹底的にお前たちの過去を調べ上げているのだ。それにお前の場合は、もともと組織の中に資料が豊富に存在したからな」
「それじゃあ…、やっぱり私は、お前たちの人間兵器開発プロジェクトのために、実験台にされていたのか!?」
「さあ。それ以上は言えないわ。恨むならばお前の母を恨むのね」
「くっ…貴様……」
「さあ、おしゃべりはここまでよ。死んでもらおうかしら」
「ふっっざけるんじゃないよ。逆に私がお前たちを倒して、本当のことをきかせてもらうよぉ…」
「面白い。闘神大武会の予行演習といこうじゃないか」


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