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Tohazugatali Tourist Bureau

172千葉9区:2008/12/02(火) 22:51:38
http://sankei.jp.msn.com/region/chugoku/hiroshima/081127/hrs0811270225000-n1.htm
「崖の上のポニョ」で注目 鞆の浦、龍馬とダブル効果期待
2008.11.27 02:25
 アニメ映画「崖の上のポニョ」の構想が練られた地として注目を集めた瀬戸内海の景勝地、鞆の浦(広島県福山市)で今度は、幕末の志士、坂本龍馬に観光関係者らの熱い視線が集まっている。船の衝突事故を巡り、龍馬が賠償交渉を行った「いろは丸事件」の舞台で、市などは龍馬をテーマにしたイベントを開催するなど、観光客誘致を図っている。平成22年には、龍馬の生涯を描いたNHK大河ドラマが放送されることもあり、関係者のポニョに続く“龍馬効果”への期待が高まっている。

 いろは丸は、坂本龍馬率いる海援隊が、大洲藩から借り受けた小型蒸気船で、慶応3(1867)年、鞆の浦沖を航行中に、紀州藩の大型蒸気船「明光丸」と衝突、積み荷とともに沈没した。

 龍馬は、最寄りの鞆の浦で、補償をめぐり紀州藩と談判。結局、紀州藩側に巨額の賠償金を支払うことを約束させた。しかし、後の龍馬暗殺の動機となったとする説もあるなど、龍馬の生涯で最も重要な出来事の一つとされる。

 鞆の浦沖では昭和63〜平成17年の間に4回に分けて、いろは丸とみられる木造の沈没船から、遺物や船体の一部の引き揚げ作業が行われ、現在は地元住民が運営する「いろは丸展示館」で、回収した約500点が展示されている。

 宮崎駿監督が一時、滞在しアニメ映画「崖の上のポニョ」の構想練った鞆の浦では、今年夏の映画公開から観光客が増加しているが、同館では今年4月〜10月の半年間で、例年のほぼ倍となる約1万6000人が来館するなど、「ポニョ」だけでなく龍馬に対する関心も高まっている。

 赤松宏記館長(67)は「鞆の浦を訪れる人のなかには、龍馬ゆかりの地であることを知らずに来られる人も少なくないですが、ポニョのおかげもあり、多くの方に見にきてもらってます」と笑顔で話す。

 また、今年6月には、いろは丸事件の交渉の場となった商家「旧・魚屋万蔵宅」を改装した旅館「御舟宿いろは」がオープン。交渉の際、龍馬が実際に座っていたとされる1階8畳間には、龍馬の写真などが飾られ、宿泊客以外にも多くの観光客らが訪れている。

 一方、福山市鞆の浦歴史民俗資料館でも、秋の観光シーズンに合わせて龍馬の遺品など約40点を集めた特別展を開催。期間中、龍馬の刀や、暗殺された京都・近江屋の部屋にあった血痕がついた掛け軸、書簡など、重要文化財を含めた貴重な展示品が訪れた人の注目を集めた。

 このほか、市教委などでは、龍馬にちなんだウオークラリーを11月24日まで開催。龍馬の宿泊場所や交渉場所などの現場に、足を運んでクイズに答えてもらう形式で、約1200人の応募があったという。

 こうしたなかで、平成22年のNHK大河ドラマで、人気タレントの福山雅治さんを主演に、龍馬の生涯を描いた「龍馬伝」の放映が決定。市観光課でも「主演俳優の名前が市と同じ“福山”で縁起がいい。今後も観光客誘致に向けて積極的にPRしていきたい」と、期待を膨らませている。


■鞆の浦

 瀬戸内海のほぼ中央に位置し、沖合で東西からの潮流がぶつかりあうことから、古来「潮待ちの港」として栄えた。「いろは丸事件」のほか、源平合戦や南北朝の争乱など、多くの歴史の舞台となった。江戸時代の商家などが今も多く残っており、古い町並みを気に入ったアニメ映画監督、宮崎駿さんが一時滞在。今年夏に公開された映画「崖の上のポニョ」の構想を練ったことから、インターネット上などで映画の舞台として注目を集めた。

201千葉9区:2009/01/24(土) 10:53:31
鞆の浦関連の記事が張ってなかった模様
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2009/01/10/2009011023585997001.html
ポニョ効果で脚光 福山・鞆地区
来年は坂本竜馬ブーム期待

 宮崎駿監督のアニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台とされる福山市鞆地区が脚光を浴びている。四半世紀にわたり埋め立て架橋計画の是非に揺れる港町は“ポニョ効果”で、普段静かな冬場も観光客の姿が目立つ。来年は鞆ゆかりの坂本竜馬がNHK大河ドラマの主人公とあって、市はさらなる知名度アップを目指す。

 宮崎監督が2005年、2カ月間滞在し、作品の構想を練った鞆地区は、万葉集に詠まれた「潮待ちの港」としても知られる。

 階段状の船着き場「雁木(がんぎ)」や常夜灯といった江戸の風情が色濃く残る一帯は、魚の市が開かれ、生活感も漂う。町家や保命酒店が並ぶ路地を散策していた倉敷市連島町鶴新田、会社員加藤建一さん(36)は「石畳の道を歩くと心が和む」と話す。

 一方、1983年に持ち上がった鞆港の一部を埋め立てる架橋計画は、県が昨年6月、認可申請したが、国は判断を留保したまま。景観論争の高まりから訪れる人も増えているというが、地元の飲食店主縄稚育子さん(60)は「理由はどうあれ、歴史が息づく鞆の素朴さを『期待以上』と感動する観光客は多い」と話す。


【詳しくは山陽新聞紙面をご覧ください。】

(2009年1月11日)

208千葉9区:2009/01/29(木) 21:48:22
>>201>>203
とりあえずここに・・・
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20090128-OYT8T01144.htm
鞆埋め立て 必要性訴え
羽田市長、国交相に直接要望
 福山市鞆町の港湾埋め立て・架橋事業で、同市の羽田皓市長は28日、埋め立て免許の認可を審査している国土交通省を訪れ、金子国交相と面会。早期認可に向け、鞆の現状や事業の必要性を訴えた。埋め立て免許の認可申請後、羽田市長が同事業に関して国交相に直接要望するのは初めて。

 面会は非公開で、約20分間、大臣室で行われた。羽田市長は終了後に読売新聞の取材に応じ、金子国交相に対して「鞆の伝統的文化や歴史を守るために、事業がどうしても必要」と訴えた事を明らかにした。

 一方、金子国交相は鞆について「文化や歴史で、日本として誇れる場所」との認識を示したが、認可の時期などには言及しなかったという。

 羽田市長は「地元の思いを直接伝えたいとの思いで訪問した。大臣は、鞆が歴史ある町という事や、鞆の課題について十分認識していると感じた。(この訪問が)早期の認可につながってほしい」と話した。

(2009年1月29日 読売新聞)
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20090129ddlk34010536000c.html
鞆港埋め立て・架橋問題:埋め立て免許、認可を 福山市長、国交相に求める /広島
 福山市鞆町の鞆港埋め立て・架橋計画を巡り、羽田皓市長が28日夕、国土交通省に金子一義国交相を訪ね、埋め立て免許の早期認可を求めた。昨年6月に県が国へ免許申請して以降、羽田市長が国交相と会談したのは初めて。

 埋め立て免許は通常なら2〜3カ月で判断が下されるが、鞆港については7カ月以上、経過している。

 金子国交相は昨年12月25日に藤田雄山知事が訪れた際、「歴史と文化を持つ鞆の浦をどのように残すかも大事なテーマ」と述べ、互いに知恵を出し合うよう提案した。

 羽田市長も早期に金子国交相と会談し、高齢化が進む町の現状や埋め立て架橋の必要性を伝える意向を示していた。【重石岳史】

毎日新聞 2009年1月29日 地方版

218千葉9区:2009/02/02(月) 23:55:15
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090202/plc0902022336013-n1.htm
福山市長が国交相に不快感 鞆の浦架橋めぐる発言で
2009.2.2 23:32
 瀬戸内海の景勝地・鞆の浦(広島県福山市)の埋め立て架橋事業で、金子一義国土交通相が「国民の同意を取り付けてほしい」と発言したことについて、羽田皓福山市長は2日の記者会見で「国民同意とはどのような手法で、何をどうすればいいのかが示されていない」と不快感を表明した。

 1月28日に金子氏との会談で求められた、反対派との対話についても「現在、裁判で係争中のため難しい」と、拒否する姿勢を強調した。

 金子氏は30日の記者会見で「(同意取り付けの過程で)計画見直しもあると思う」と発言したが、羽田市長は「見直しは考えられず、これで認可は難しくなった」との見方を示した。

 広島県は昨年6月、事業実施のための埋め立て免許認可を国に申請。審査は現在中断している。

228千葉9区:2009/02/07(土) 02:04:27
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090206/lcl0902062228012-n1.htm
鞆の浦埋め立て架橋事業めぐり、国交相と羽田市長が論戦 広島・福山市  (1/3ページ)
2009.2.6 22:27
 万葉の昔から瀬戸内海の景勝地として知られ、今も江戸時代の風情が残る鞆の浦(広島県福山市)の埋め立て架橋事業をめぐり、国と地元自治体との対立が深まっている。事業は着工に向けた手続きが最終段階に入っているが、埋め立て免許を認可する金子一義国交相が反対運動が起こっていることをふまえ「国民の同意を取り付けてほしい」として“待った”をかけた格好だ。これに対して、福山市の羽田皓市長が「民主主義の手続きを踏んだのに国民同意とは何事か」と反発するなど、論戦が続いている。

 事業をめぐっては、反対派住民らが昨年10月、事業主体の一つである県が申請した埋め立て免許を認可しないよう求める約10万人分の署名を国交省に提出。金子国交相は「一般論として言えば、風光明媚(ふうこうめいび)な所は避けた方がいい」などと述べた。

 これに対して羽田市長は当初、「(大臣は)こちらの事情を分かっていないのでは。あくまでも一般論と思う」などと受け流していた。しかし、通常は申請から2、3カ月で出される認可が、昨年6月に認可申請をしてから現在まで、判断されない状態が続いている。

 羽田市長は12月議会で「認可のハードルが高くなっている」と、国交省の対応に不満をぶつけた。さらに、今年1月28日には、金子国交相と会談。地元住民の大半が賛成していることや、地域活性化に不可欠の事業であることなどを説明し、早期の認可を求めた。

 ところが、金子国交相は同月30日の記者会見で「10万人の反対者がいる。国民の同意を取り付けてほしい」と強調。「反対派の人たちと会わない。交渉する余地がない、そんな話をしている限りは駄目だ。歴史や文化財をどうやったら守れるか考えてほしい。その過程で見直しもありうる」と指摘した。

 金子国交相の発言に羽田市長は猛反発。今月2日の会見では、市議会で事業実現の請願を採択した事業であることをふまえて「民主主義の手続きを踏んで進めてきた。国民同意が必要というが、何をもって国民同意となるのか定義づけが分からない」と、不快感をあらわにした。

 これを受け、金子国交相が翌3日の閣議後の会見で応酬。「思いが理解されずに残念。(福山市以外の)住民が何を考えているか、頭の中に入れてほしい」などと、改めて反対派との対話を求めるなど、平行線の状態が続いている。

 免許差し止めの住民訴訟を行っている原告団の大井幹雄団長(68)は「世界遺産の白川郷がある岐阜県選出の金子大臣は文化財保護への気持ちが強いと思う。正しい認識を持っておられることに勇気づけられる」と話す。

 一方、推進派の住民団体「明日の鞆を考える会」の北村武久会長(75)は「大臣は地域の事情をよく分かっていない。こちらも住民大会を開いたうえで、大臣に直接面会して思いを伝えたい」と強調。羽田市長も県と連係して、国への理解を求めることにしている。

 ■鞆の浦 弓を射る際、腕につける武具「鞆」が地名の由来とされる瀬戸内海の景勝地。美しい景観は万葉集にも詠まれ、江戸時代の朝鮮通信使も絶賛した。埋め立て架橋事業は交通渋滞緩和と地域振興などを目的に昭和58年に計画を策定。排水権者らの同意が得られず、一時凍結されたが、県が昨年6月に埋め立て免許の認可を国に申請した。一方、反対派住民らが免許差し止めを求めて広島地裁に提訴しており、今春にも判決が出る見通し。

238千葉9区:2009/02/11(水) 22:35:19
>>221>>228とか
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200902110025.html
ポニョの舞台「鞆の浦」、埋め立て計画はどうなる(1/3ページ)
2009年2月11日
 江戸時代の港や町並みが残り、映画「崖の上のポニョ」の舞台ともされる広島県福山市の「鞆(とも)の浦」で県や市が進める埋め立て・架橋計画の認可を国が渋っている。世界遺産登録を目指す10万人署名を前に、金子一義・国交相は「国民の同意を」と事実上の見直しを求めているが、地元自治体はそれに応じる気配はない。反対派住民が埋め立て中止を求めた訴訟も12日に結審し、司法判断もいよいよ秒読み段階だ。ポニョの里の将来やいかに――。

 「住民同意ではない。国民の同意を取りつけてくれ、ということ。その過程で当然、(計画の)見直しもあるんだろう」。1月30日、閣議後の記者会見で金子国交相がそう発言すると、広島に波紋が広がった。

 県と福山市は周辺の交通渋滞解消を理由に07年5月、鞆の浦の一部を埋め立てるための免許を藤田雄山知事に求め、知事は昨年6月に免許の認可を国に申請した。だが、通常は2カ月程度で済む認可手続きが半年以上も棚上げされ、しびれを切らした羽田皓(あきら)市長が1月28日に金子国交相に面会し、速やかな認可を求めたばかりだった。

 発言から3日後。定例会見で羽田市長は「何をもって国民同意となるのか定義がよく分からない。これは地元の問題だ」と憤った。

 金子国交相は翌日、再び「思いが理解されなかったのは残念。それではなかなか物事が前に進まなくなる。(地元の)住民以外が何を考えているかを市長も頭の中に入れてほしい」と応じた。

     □

 アニメ映画「崖の上のポニョ」の宮崎駿監督は作品の構想を鞆の浦で練ったとされ、地元の街並みを連想させる場面が登場する。1月13日の衆院国土交通委員会で、ポニョを引き合いに計画への姿勢を問われた金子国交相は、作曲家宮城道雄が鞆の浦で着想した曲『春の海』を挙げ、「これだけの伝統と歴史を持つ町並みを容易に損ねていいのか」と強調した。

 鞆の浦をめぐっては、昨年10月には鞆の浦の世界遺産登録を目指す国内外の約10万人分の署名を反対派の住民が国交省へ持参した。

 世界遺産の調査・評価を担当するユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」も同じ時期、埋め立て・架橋計画の中止を求める勧告を05年に続いて決議。11月にはイコモス本部(パリ)のグスタボ・アローズ委員長が代替案の検討を求める要望書を国交相や藤田知事らに送った。金子国交相はこうした「世界の目」を意識せざるをえない状況だ。

 住民も一連の大臣発言に気が気ではない。計画推進派の住民団体「明日の鞆を考える会」の北村武久会長は「町の人口は四半世紀で半減し、空き家が増えた。町並みを守るためにも架橋で過疎化を食い止めなければならない現状を大臣は理解しているのか」とカンカン。

 一方、反対派の住民団体「鞆の世界遺産実現と活力あるまちづくりをめざす住民の会」の松居秀子代表は「日本が世界に誇れる財産だから大臣発言は当然」と歓迎する。

     □

 県と福山市は、国からさらなる難題も突きつけられている。その一つが「埋め立て・架橋で失う利益よりも、得る利益が著しく大きいという客観的説明が必要」という「費用対効果」の証明だ。

 県の大野宏之・土木局長は「現在の計画がベスト。一人でも多くの理解を得られるよう市と協力して努力していく」と語るが、いまだに国の難題には答えられていない。

 国交省内部には「国交相の真意は、地元が架橋の必要性をもっと広く世間に訴える必要があるということ」と、深読みする声もある。

 羽田市長は今月4日に県庁を訪問して藤田知事と会談し、今後の対応や、世論への情報発信の方法について意見を交わしたが、国交相の翻意につながる妙案は浮かんでいない。(吉田博行、辻外記子)

     ◇

 〈鞆の浦〉 瀬戸内海のほぼ中央に位置し、古くから「潮待ちの港」として知られる。「万葉集」の大伴旅人の歌にも登場し、江戸時代に寄港した朝鮮通信使は、紺碧(こんぺき)の海にアカマツやウバメガシに覆われた島々を配置した景観を「日東第一形勝」(日本一の名勝)と称賛した。航海船の目印となった常夜灯、階段状の船着き場の雁木(がんぎ)、波止、船番所、船の修理場の焚場(たでば)など江戸期の港湾施設が国内で唯一まとまった形で残る。埋め立て・架橋計画は83年策定。港の一部を埋め立て約180メートルの橋を海上に架ける。工期は約10年で事業費約55億円。

240千葉9区:2009/02/14(土) 15:44:52
http://www.asahi.com/eco/OSK200902110018.html
ポニョの舞台どうなる 埋め立て計画に10万人署名の盾
2009年2月12日8時4分
 江戸時代の港や町並みが残り、映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台ともされる広島県福山市の「鞆(とも)の浦」で県や市が進める埋め立て・架橋計画の認可を国が渋っている。世界遺産登録を目指す10万人署名を前に、金子一義・国土交通相は「国民の同意を」と事実上の見直しを求めているが、地元自治体はそれに応じる気配はない。反対派住民が埋め立て中止を求めた訴訟も12日に結審し、司法判断もいよいよ秒読み段階だ。ポニョの里の将来やいかに――。

 「住民同意ではない。国民の同意を取りつけてくれ、ということ。その過程で当然、(計画の)見直しもあるんだろう」。1月30日、閣議後の記者会見で金子国交相がそう発言すると、広島に波紋が広がった。

 県と福山市は周辺の交通渋滞解消を理由に07年5月、鞆の浦の一部を埋め立てるための免許を藤田雄山知事に求め、知事は昨年6月に免許の認可を国に申請した。だが、通常は2カ月程度で済む認可手続きが半年以上も棚上げされ、しびれを切らした羽田皓(あきら)市長が1月28日に金子国交相に面会し、速やかな認可を求めたばかりだった。

 発言から3日後。定例会見で羽田市長は「何をもって国民同意となるのか定義がよく分からない。これは地元の問題だ」と憤った。

 金子国交相は翌日、再び「思いが理解されなかったのは残念。それではなかなか物事が前に進まなくなる。(地元の)住民以外が何を考えているかを市長も頭の中に入れてほしい」と応じた。

     □

 アニメ映画「崖の上のポニョ」の宮崎駿監督は作品の構想を鞆の浦で練ったとされ、地元の町並みを連想させる場面が登場する。1月13日の衆院国土交通委員会で、ポニョを引き合いに計画への姿勢を問われた金子国交相は、作曲家宮城道雄が鞆の浦で着想した曲「春の海」を挙げ、「これだけの伝統と歴史を持つ町並みを容易に損ねていいのか」と強調した。

 鞆の浦をめぐっては、昨年10月には鞆の浦の世界遺産登録を目指す国内外の約10万人分の署名を反対派の住民が国交省へ持参した。

 世界遺産の調査・評価を担当するユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」も同じ時期、埋め立て・架橋計画の中止を求める勧告を05年に続いて決議。11月にはイコモス本部(パリ)のグスタボ・アローズ委員長が代替案の検討を求める要望書を国交相や藤田知事らに送った。金子国交相はこうした「世界の目」を意識せざるをえない状況だ。

 住民も一連の大臣発言に気が気ではない。計画推進派の住民団体「明日の鞆を考える会」の北村武久会長は「町の人口は四半世紀で半減し、空き家が増えた。町並みを守るためにも架橋で過疎化を食い止めなければならない現状を大臣は理解しているのか」とカンカン。

 一方、反対派の住民団体「鞆の世界遺産実現と活力あるまちづくりをめざす住民の会」の松居秀子代表は「日本が世界に誇れる財産だから大臣発言は当然」と歓迎する。

     ◇

 県と福山市は、国からさらなる宿題も突きつけられている。その一つが「埋め立て・架橋で失う利益よりも、得る利益が著しく大きいという客観的説明が必要」という異例の注文だ。

 県の大野宏之・土木局長は「現在の計画がベスト。一人でも多くの理解を得られるよう市と協力して努力していく」と語るが、いまだに国の難題には答えられていない。

 国交省内部には「国交相の真意は、地元が架橋の必要性をもっと広く世間に訴える必要があるということ」と、深読みする声もある。

 羽田市長は今月4日に県庁を訪問して藤田知事と会談し、今後の対応や、世論への情報発信の方法について意見を交わしたが、国交相の翻意につながる妙案は浮かんでいない。(吉田博行、辻外記子)

244千葉9区:2009/02/19(木) 00:07:49
鞆の浦関連
羽田皓・福山市長
初当選時は民主・社民推薦だったのか...
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1042226470/1267
□2004年9月5日実施の選挙の結果
◇福山市長選挙(広島県)開票結果 投票率48.19%
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃当 86026 羽田 皓(無新、民・社推薦、60歳、初当選)┃
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃  60696 大田浩右(無新、65歳)          ┃
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃   8020 寺田明充(共新、53歳)          ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
※今回の選挙は、三好章・前市長の任期途中での辞職(病気で辞職)に
よるもの。

☆08年の選挙結果
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2008/08/10/2008081022082728001.html
福山市長選 無所属現職の羽田皓氏再選

再選を決め、万歳する羽田氏(中央)
 任期満了に伴う福山市長選は10日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の羽田皓氏(64)=自民、民主、公明推薦=が、元ラジオパーソナリティーの長竹千賀氏(41)と元市議の小川順三氏(78)の無所属新人2氏を破り、再選を果たした。

当 羽田皓 無現 71014▽
長竹千賀 無新 31099▽
小川順三 無新 5906(選管最終)

249千葉9区:2009/02/23(月) 21:37:12
173 :中国新聞男 ◆PSBTQ9oLB. :2009/02/22(日) 20:23:37 ID:WUDSQqG/
2月15日(日)付 毎日新聞 闘論 「景勝地・鞆の浦開発」

架橋は町再生の第一歩 福山市長 羽田皓氏

鞆の浦は万葉の昔から潮待ちの港として栄え、歴史と文化と伝統が息づく素晴らしい町だ。埋め立て・架橋
事業は、再生と活性化を目指すまちづくりの第一歩と考えている。
ピーク時1万2000人だった人口は昨年11月に5000人を割り、高齢化率も40%近い。空き家率は23%に及ぶ。
これらは、町の住環境が現代の人に受け入れられないのが原因だ。町を横断する狭い県道は混雑し、住民
や観光客が安心して歩けない。生活排水は港へ垂れ流され、私が鞆で生まれ育ったころに比べ魚もすめな
い状況になった。通勤に便利な町外へ若い世代が流出し、このままでは歴史的な伝統行事を子や孫に引き
継げないという危機感がある。
事業は街中の交通渋滞を解消し、2ヘクタールの埋め立て地に、ふ頭や駐車場を整備する。長期間の通行
止めもなく下水整備ができ、住環境の改善を図ることができる。
景観への影響が指摘されているが、これまでも人口の防波堤を作るなど、住民の安心安全や町の発展の
ために手を加えてきた。景観は時代とともに、住民の知恵や工夫で変わっていく。83年の計画策定以降、
江戸時代の港湾施設を残すため、当初4ヘクタール以上だった埋め立て面積を縮小し、橋も港の景観と
調和するものを計画した。山側や海底にトンネルを通す案なども含めて、さまざまな議論をしたうえで、
住民の視点から一定の考えを整理したのが今の案だ。
まずは人に定着してもらい、新たな産業起こしが必要。その中心は観光産業しかない。江戸時代にタイム
スリップしたかのようなまちづくりに取り組み、橋から町を眺められるビュースポットも作る。歴史と平成の
新しい文化の融合を目指したい。
広島県が昨年6月、埋め立て免許を国へ申請したが、いまだに認可されていない。知事と市長が地元の
実態や住民の思いを踏まえ、鞆の再生と活性化のために不可欠と判断した事業だ。国は、地方の思いを
しっかり受け止めてほしい。



174 :中国新聞男 ◆PSBTQ9oLB. :2009/02/22(日) 20:26:19 ID:WUDSQqG/
今の景観こそ観光資源 東洋文化研究者 アレックス・カー氏

鞆の浦について、ユネスコの諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)は、「国際的な文化遺産
の宝庫」と結論付けている。鞆の浦には全国で唯一、「常夜灯」「波止場」「船番所」など江戸時代の
港湾施設が一式残る。イコモスは何回か現地視察し、歴史保全の観点に沿った整備をすれば、世界遺
産に推薦できるとの見解さえ示した。
しかし、福山市の埋め立て・架橋計画は壊滅的な打撃をもたらす。近代的な橋に覆われた時、価値ある
景観は消滅する。その代償に手に入れる生活の「便利さ」とは何か。鞆の浦の家庭にはテレビも冷蔵庫も、
冷暖房もないというのか。
中世の姿を残した欧州諸都市のインフラ整備は困難が伴う。イタリア・ベネチアの運河は現代交通機関
には妨げでしかなく、不便極まりない。だが、市民たちは苦にしない。先祖から引き継いだ文化遺産を
守るとの誇りと気概が支えにある。
ところが戦後日本は土建国家の道を選択した。公共事業を信奉し、立派な橋、道路、箱ものこそが文明
だと勘違いしている。貧しい発展途上国の発想だ。和歌や俳句にたたえられた景観にこそ、価値がある。
浮世絵に描かれた情緒を求め、世界中の人々はやってくるのだ。
鞆の浦のあり方には日本の未来がかかる。イコモスが感嘆した今の景観こそが観光資源だ。国内人口
が減少する中、旧来型の開発計画過疎問題の先送りでしかない。予算があるのなら、景観の妨げにな
る建物の再開発などに投入すべきだ。生活の不便さを補うのは公共事業ではなく、故郷を愛する人の
知恵なのだ。
ただ、個人的には絶望感が増している。10万を超える反対署名も集まりながら、なぜ、日本の文化庁や
観光庁は市に異議を挟まないのか。橋完成の暁には記念碑を建立してあげたい。そこには市を筆頭に
推進派の名を刻むつもりだ。先祖伝来の故郷破壊を良しとする日本の価値観が、世界の常識に勝利
したのだから。

255千葉9区:2009/02/27(金) 21:22:32
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902270040.html
羽田市長、鞆架橋推進を強調 '09/2/27

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 福山市議会は26日、定例会を開き、会期を3月23日までの26日間と決めた後、総額1594億3200万円の2009年度一般会計当初予算案など48議案を上程した。

 羽田皓市長は提案理由の説明で、鞆港埋め立て・架橋計画について「認可が得られるよう国に粘り強く説明し、事業の実現、推進に取り組む」と従来主張を重ねて強調した。

 新年度予算以外には、鞆の浦と仙酔島を結ぶ市営渡船「平成いろは丸」の建造費や発光ダイオード(LED)照明の街路灯の整備費を盛り込んだ08年度の一般会計補正予算案85億400万円は予算特別委員会に付託。27日に採決する。

358チバQ:2009/09/13(日) 12:35:08
>>354
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200909120076.html
市長、鞆世界遺産化へ消極的 '09/9/12

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 福山市の羽田皓市長は11日、同市鞆町の歴史的町並みの世界遺産登録について「地元住民は決して望んでいない」と述べ、取り組む考えがないことをあらためて表明した。市議会定例会で答えた。

 羽田市長は、国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内委員会が鞆の世界遺産化を示唆したことに触れ「多くの方々がすぐにでも登録できるかのように誤解している」と指摘。鞆は「登録を得るための厳しい基準を満たしていない」と続けた。

http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000000909130001
鞆の浦で夜の町並み楽しむイベント 
2009年09月13日







 江戸期の港と町並みが一体で残る福山市の鞆(とも)の浦で12日、ライトアップした夜景などを楽しむ二つのイベントが始まった。鞆港のシンボルの常夜灯周辺に灯籠(とう・ろう)をともしてライブ演奏をしたり、江戸期の町屋などが残る通りを電飾で彩ったりし、訪れた見物客は幻想的な眺めを楽しんだ。最終日の13日も夕方から午後9時ごろまで開いている。(吉田博行)
 イベントは、地元住民らが主催する「鞆の津ともえ祭り」と、東京大学大学院工学系研究科都市デザイン研究室などの有志が開いた「ヨルトモ2009」。いずれも、夜の鞆の浦の町並みの美しさをPRして、観光活性化につなげようと、昨年から始まった。
 「ともえ祭り」では、常夜灯周辺に手作りの灯籠数十個を並べて点灯。フォークシンガーらがギター演奏を繰り広げ、訪れた人たちは波静かな夜の港で、灯籠の温かな光とギターの音色を楽しんだ。
 「ヨルトモ」では、国指定重要文化財の太田家住宅前の石畳の通りに300個以上の電飾が飾られたほか、通り沿いの酒蔵で鞆の浦名産の保命酒を洋酒などで割ったカクテルが味わえるバーが設けられた。
 広島市内から訪れた50代の主婦は「ロマンチックな眺めで、風情を感じる。保命酒のカクテルもフルーティーで飲みやすい」と話していた。

359チバQ:2009/09/13(日) 12:35:42
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200909120069.html
鞆の老舗旅館が破産手続きへ '09/9/12

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 江戸時代末期に創業した福山市鞆町の老舗旅館「対山館(たいざんかん)」(資本金600万円、叺田哲司社長)が週明けにも破産手続きに入ることが11日、分かった。破産手続き申請を任されている代理人によると、12人の従業員全員を解雇して8日に事業停止した。負債総額は約5億8千万円。

 対山館は1850年代に創業され、1967年に鞆町の市営渡船場の隣接地に旅館を建設。90年には増改築していた。全室が海に面して弁天島や仙酔島など鞆の浦の景観が一望でき、瀬戸内海の魚介類を中心とした料理も人気があった。客室数は16部屋。

 景気低迷などから宿泊客が伸び悩み、増改築時に借りた約5億6千万円も重荷になり、行き詰まった。

【写真説明】事業停止し、週明けにも破産手続きに入ることが分かった福山市鞆町の老舗旅館「対山館」

362チバQ:2009/09/23(水) 22:48:14
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090921-OYO1T00450.htm?from=top
宮崎駿監督「架橋でさみしさ埋まらない」…鞆の浦埋め立て


 万葉集にも詠まれた広島県福山市の景勝地・鞆の浦の埋め立て・架橋事業を巡り、計画に反対する住民らが県に埋め立て差し止めを求めた訴訟の判決が10月1日、広島地裁で言い渡される。鞆の浦に滞在し、映画「崖(がけ)の上のポニョ」の構想を練ったという宮崎駿監督(68)=写真=が、判決を前に読売新聞のインタビューに応じ、開発か、景観保護かで揺れる鞆の町への思いを語った。(諏訪智史)

 スタジオジブリの社員旅行で初めて鞆の浦を訪れた時、たまたま泊まったのが崖の上の家だった。(ポニョの制作を前に)その家が気になって、2005年2月から約2か月間、滞在した。

 家の窓から海の景色を毎日見ていて、海に色々な表情があることがわかっておもしろかった。鞆の浦に行かなければ、ああいう映画にはならなかったと思う。

 埋め立て・架橋事業については、自分なりの考えは持っているけれど、賛成か反対かを主張する気はない。地元の人たちが決めることだと思う。

 ただ、過疎化や高齢化が進むことで感じるさみしさを、事業で埋められると考えている人がいれば、それは錯覚だと言いたい。

 鞆は、僕が住んでいる埼玉県所沢市よりもお年寄りが住みやすい町だ。僕も含めて、年を取ると、友人は死んでいくし、さみしい思いをいっぱいする。そのさみしさは、橋を架けても、摩天楼を建てても変わらない。じゃあ、橋を架けなければバラ色の未来が広がるかというと、それも違う。

 判決が出て、勝った、負けたで何が変わる訳ではないが、もし、景観を守ることが大事だという判断が出れば、日本の法制史上、大事な一歩になると思う。

 どういう判決でもしこりは残るだろう。狭い町の中で住民が賛成、反対に分かれていることは損なことだ。橋を架ける、架けないとは違うレベルで知恵を出し合ってほしい。そうすれば、鞆を穏やかで住みやすい町にしていけると思うし、若い人もやがて来るはずだ。

(2009年9月21日 読売新聞)

373チバQ:2009/10/01(木) 21:06:40
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200910010043.html
ポニョの舞台・鞆の浦埋め立て認めず 景観は国民の財産2009年10月1日


埋め立て・架橋計画で揺れる鞆(とも)の浦=広島県福山市、本社ヘリから、荒元忠彦撮影

 江戸期の港と町並みが一体で残り、宮崎駿(はやお)監督のアニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台として全国的な注目を集めた景勝地「鞆(とも)の浦」(広島県福山市)で県と市が進める埋め立て・架橋計画をめぐり、地元住民らが県を相手取り、知事が埋め立て免許を県と市に交付しないよう求めた訴訟の判決が1日、広島地裁で言い渡された。能勢顕男(あきお)裁判長は住民側の請求を全面的に認め、知事に埋め立て免許の交付をしないよう命じた。

 歴史的景観を保護するために大型公共工事の許認可を差し止めることができるかどうかが争われた初めての訴訟で住民側が勝訴した。各地の開発と景観をめぐる紛争に大きな影響を与えるのは必至だ。

 訴訟では、(1)埋め立て・架橋工事により、住民らが鞆の浦の良好な景観の恩恵を受ける利益が損なわれるか(2)事業によって交通が便利になったり、観光客用の駐車場などを整備したりすることで得られる利益が、景観を損なう不利益を大きく上回るといえるか(3)埋め立て免許が出されると回復不可能な重大な損害が生じる恐れがあるか――などが主な争点になった。

 判決はまず、鞆の浦の景観は住民らの利益にとどまらず、瀬戸内海の美観を構成し、文化的・歴史的価値をもつ「国民の財産ともいうべき公益」と指摘し、法的保護の対象になると判断。瀬戸内海の環境保全を趣旨とする「瀬戸内法」によっても公益として保護されていると述べ、景観を侵害する政策判断は慎重になされるべきだとした。

 そのうえで、行政側が実施しようとしている道路や駐車場の整備などの事業に必要性や公共性があることは認めつつ、景観保全を犠牲にしてまでの必要性があるかどうかについては「大きな疑問が残る」とした。さらに、事業が完成した後に景観を復元することは不可能で、事業自体の調査・検討も不十分として、埋め立てを認めることは知事の裁量権を超えており差し止めの対象になるとの結論を導いた。

 県知事は昨年6月、埋め立て免許の交付に必要な国土交通相認可を申請した。金子一義・前国交相は「住民同意ではなく、国民同意が必要」として認可に慎重な姿勢を示し、手続きは事実上停止している。

   ◇

 ■判決の骨子

 ●居住者は鞆(とも)の景観による恵沢を日常的に享受していると推認され、法律上の利益を有する者に当たる。

 ●鞆の景観の価値は私法上保護されるべき利益であるだけでなく、瀬戸内海における美的景観を構成するものとして、また文化的、歴史的価値を有する景観として、いわば国民の財産ともいうべき公益である。しかも、事業が完成した後に復元することはまず不可能となる性質のものである。

 ●埋め立てなどの事業が景観に及ぼす影響は軽視できない重大なものであり、瀬戸内法等が公益として保護しようとしている景観を侵害する。

 ●事業者らが事業の必要性、公共性の根拠としている道路、駐車場整備の効果などの点は、調査、検討が不十分であるか、または合理性を欠くと言わざるをえない。従って知事が免許を出すことは裁量権の範囲を超える。

374チバQ:2009/10/01(木) 21:07:41
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009100102000236.html
『ポニョ』舞台、鞆の浦 埋め立て差し止め 『景観は国民の財産』
2009年10月1日 夕刊

 万葉集に詠まれ、昨夏大ヒットしたアニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台ともされる瀬戸内海の景勝地・鞆(とも)の浦(広島県福山市)の埋め立て架橋事業をめぐり、反対派住民らが知事の埋め立て免許差し止めを求めた訴訟の判決で、広島地裁は一日、「鞆の浦の文化的、歴史的景観は住民だけでなく国民の財産というべき公益で、事業で重大な損害の恐れがある」と免許差し止めを命じた。 

 歴史的景観が地元住民にもたらす「景観利益」保護のために大型公共事業を差し止める初の司法判断。免許認可をめぐる国の判断に影響するのは必至で、県と福山市の計画策定から二十六年の同事業は見直しを迫られることになる。

 判決理由で能勢顕男裁判長はまず事業について「公有水面埋立法には住民らの景観利益を保護する目的があり、慎重な政策判断がない限り計画は不合理」と判断。「侵害された景観利益は事業が完成すれば復元が不可能だ」と指摘した。

 その上で県側の主張していた渋滞解消や下水道整備といった観光・生活面の利便性向上について「必要性、公共性の根拠について調査、検討が不十分。行政の裁量権の範囲を超えている」とし、差し止めが必要と結論付けた。

 また住民側が提案したトンネル建設などの代替計画案について「渋滞解消で利便性を確保できる可能性が大きい」と評価した。

 住民ら約百六十人は、常夜灯の残る港や古い町並み、島々を一体的にとらえ「良好な景観を享受する利益がある」と主張。県側は利便性向上を根拠に必要性を主張し「法的保護の対象になる景観利益は公共のもので、住民ら個々人は対象外」と反論していた。

<景観利益> 最高裁は2006年、東京都国立市のマンション訴訟判決で「近隣住民が良好な景観の恩恵を受ける利益は法的保護に値する」と「景観利益」を認める初判断を示した。一方で「条例違反や権利乱用などがなければ違法な利益侵害とはいえない」と保護の条件を限定した。景観利益について判断した判例は少なく、法的権利として確立していないとの学説が有力。

375チバQ:2009/10/01(木) 21:09:29
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910011239007-n1.htm
【鞆の浦】景観保護が不可欠な時代に
2009.10.1 12:38
歴史的価値のある港町の景観を残すため、湾の埋め立てを差し止めた1日の広島地裁判決は、事業を進めるうえで景観の保護への配慮が必要不可欠な時代が到来したことを強く印象づけた。平成18年に言い渡された高層マンション訴訟の上告審判決で最高裁が示した「景観利益」が認められ、司法が大型公共事業を止めたという事実は重い。

 アニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台ともされる「鞆(とも)の浦」の自然の景観や、歴史的景観、都市景観を貴重なもの、保護すべきものとする考え方は近年急速に高まり、社会に定着しつつある。同様に歴史的景観の保護と開発の是非が争われた和歌浦景観訴訟で、平成6年に和歌山地裁が住民側全面敗訴の判決を言い渡したときとは状況が一変し、全国の自治体が次々に景観条例を制定。17年には景観を「国民共通の財産」と位置付け、各条例に法的根拠を与える景観法が施行された。

 しかし、騒音や大気汚染など具体的なデータで事業の影響を評価できる「環境」とは異なり、景観の価値を客観的に判断する指標や手法はその後も未成熟で、どの景観が法的保護に値するか、という判断は容易ではない。

 景観利益と、事業がもたらす利便性などのメリットとのバランスを適切に保つ役割は、本来裁判所ではなく、住民との距離が近い地元自治体にこそ期待されるものだ。環境と同様に景観への影響を計画段階から精査し、住民とこまやかに対話を重ねながら事業の妥当性を慎重に検討する姿勢が、今後さらに強く求められると言える。

376チバQ:2009/10/01(木) 21:10:09
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20091001-OYO1T00709.htm?from=top
宮崎監督「公共事業の幻想捨てて」 ポニョの海保護に「敬意」

 2005年2月から広島県福山市の鞆の浦に2か月間滞在し、「崖の上のポニョ」の構想を練った宮崎駿監督(68)は1日午後、スタジオジブリ(東京都小金井市)で記者会見。

 まず、「(事業については)賛成、反対を言う立場ではないが、とてもいい判断だと思う。裁判官に敬意を表したい」と切り出し、「今後の日本をどうするかという時に、いい一歩を踏み出せる。鞆の浦のような文化財に対して、準備や計画があまりにもずさんだと指摘した判決は、当を得ている。公共工事ですべてのことが、よくなるという幻想は、捨てなければいけない。この国をどうするかということを一番偉い人は哲学的、文化的に考えてもらいたい」と話した。

 さらに「広島県は税金の無駄遣いだから、控訴しないほうがいい」と強調した。

(2009年10月1日 読売新聞)

378チバQ:2009/10/01(木) 21:14:36
何年か前に福山駅〜バス〜鞆の浦
鞆の浦〜観光船〜尾道
で観光しましたが
バスも観光船も自分以外にもう一組しかお客さんしかいない惨状でした
完全に車で来る観光地になってるんですね、ここは
そしてその道も狭い!住民の車がほとんど軽でした。そんくらい狭い!

380チバQ:2009/10/02(金) 23:44:40
http://news.google.co.jp/news/search?um=1&cf=all&ned=jp&hl=ja&q=%E9%9E%86&cf=all&scoring=n
クローズアップ2009:広島・鞆の浦埋め立て差し止め 公共事業、あり方転機
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 瀬戸内海国立公園の景勝地、鞆(とも)の浦(広島県福山市)の埋め立て差し止めを県に命じた1日の広島地裁判決は、公共工事のあり方に一石を投じた。コスト面を重視する民主党が政治主導で、八ッ場(やんば)、川辺川ダム事業中止の方針を決め波紋が広がる中、この日の判決は開発より景観に重きを置いた。しかし、中止することにより地元住民や自治体の反発を招きかねないという点では共通する。1審段階とはいえ、判決は公共工事ストップの課題を改めて浮き彫りにした形だ。(25面に判決要旨)

 「今後の推移を見守っていきたい」。1日午後の閣議後会見で、前原誠司国土交通相は控訴を含む広島県の対応を見守る姿勢を示した。公有水面埋立法(公水法)では埋め立て工事の免許を出すに当たり、県知事は国交相の認可を得る必要がある。認可するかどうかについても「前提が整っていない」と慎重な姿勢に終始した。

 民主党のマニフェストに基づき、前原国交相は就任直後、八ッ場、川辺川の2ダム事業を中止すると明言している。2ダム事業の中止は、「今後の公共事業のあり方を見直していくうえでの入り口」と幅広くとらえる姿勢を見せつつも、発言はあくまでダム事業見直しに重点があった。

 公共事業のあり方と景観が争点となったこの日の判決については、「方向性は共感するところも多々ある」とする一方で「鞆の浦とダムは少し分けて考えた方がいい」と指摘。

 2ダム中止についても「景観を守る(ため)とは一言も言っていない」と強調、公共事業中止のモノサシで重視するのはあくまでもコスト面との姿勢だ。現在、景観か開発かを争点に争われているのは、香川県の景勝地・寒霞渓(かんかけい)(小豆島町)近くに予定された「新内海ダム」の再開発工事をめぐる訴訟があるが、こうしたケースは少数だ。しかし、事業の結果、景観が損なわれているケースは少なくないとの指摘もあり、判決が公共事業を見直す動きが改めて出てくるきっかけとなる可能性もある。

 一方、今回の鞆の浦埋め立てについては、鞆町の再生策として賛成派からは期待されていた。2ダム事業とは同列視できないものの、公共事業ストップをめぐり、地元とあつれきが生じるのは八ッ場ダムのケースを見ればすでに明らかだ。

 この日は、群馬県議会が八ッ場ダム建設中止撤回を求める意見書を可決した。前原国交相は「決議は重く受け止める」としつつも中止方針に変更がないとした。地元の理解を得るためのハードルは高い。判決は公共事業を中止する基準の難しさを改めて示す結果となった。【石原聖】

 ◇町再生策仕切り直し
 判決を受け、埋め立て・架橋計画の地元、福山市鞆町の住民や行政側には、計画を当初案通り進めることは困難になったとの見方が広まりつつある。町には過疎・高齢化や、車がすれ違えないほど狭い道幅、建物の老朽化などの課題が山積。賛成派住民は、計画が実現すればそうした課題が一気に解決すると期待をかけてきた。計画が中止になった場合、町の再生策はゼロからの仕切り直しとなる。

 鞆町の人口は1960年代以降減り続け、61年の1万3144人が、09年には4957人と3分の1近くにまで減少。65歳以上の割合は08年3月末現在で40・2%に上り、全国平均の2倍近い。住民には「鞆の町からは若者が流出し、衰退するばかり」と危機感を訴える声が多く、賛否にかかわらず、新たな町づくりの必要性があることでは一致している。

 市や賛成派住民は架橋によるバイパス道路で交通混雑を解消し、埋め立て地に観光バスなどを収容する大型駐車場等を整備し、地区を活性化したいと主張。計画に付随して、市は下水道整備や老朽化した建築物への修理費補助を行う予定で、判決にかかわらず進める方針だ。

 一方、反対派住民は、橋の代わりに山側にトンネルを掘ってバイパス道路とする案を提示。判決はトンネル案を「交通混雑は相当程度解消される」と評価した。【前本麻有】

388とはずがたり:2009/10/15(木) 15:49:16

鞆の浦原告団「環境調和の街づくり30年遅れる」
2009.10.15 13:08
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091015/trl0910151309006-n1.htm

 瀬戸内海の景勝地「鞆(とも)の浦」(広島県福山市)の埋め立て架橋事業をめぐる訴訟で、広島県が15日、知事に県と市への埋め立て免許交付差し止めを命じた広島地裁判決を不服とし、広島高裁に控訴したことについて、原告団の中心メンバーで、NPO法人「鞆まちづくり工房」の松居秀子代表(58)は「判決でも問題点は明らかにされたしイコモスも世界遺産級と認めるなど、客観的な判断が示されたにもかかわらず不服というのは一般常識からもかけ離れている」と反発した。

 矛先は藤田知事にも向けられ、「勇退を表明しているのに控訴するとは無責任な話だ」と憤りを隠さず、「景観を守ったうえでのまちづくりに移るべきだ。トンネルなどほかの方法を探るようなことをしないのか。控訴すればまた30年遅れることになる。残念でならない」と話した。

 原告団は今月1日の一審判決を受け6日、県庁と福山市役所に出向き、控訴断念を求める要望書を提出したばかり。「知事や福山市長が事業を推進すれば国民的批判を受ける。鞆の再生や活性化がかなうはずがない」と事業中止も求めた。その際、福山市の羽田皓市長に面会を求めたが、公務を理由に断られている。

419チバQ:2009/11/05(木) 00:19:36
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110401000625.html
鞆の浦、過去と現在つながる土地 イコモス会長、視察で絶賛
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関で、世界遺産の候補地を審査する国際記念物遺跡会議(イコモス)のグスタボ・アローズ会長が4日、瀬戸内海の景勝地・鞆の浦(広島県福山市)を初めて視察。県や市の埋め立て架橋事業計画を「破壊的な行為で、文化的価値を失う」と批判し、あらためて計画中止を求める考えを示した。

 イコモスはこれまで、鞆の浦の街並みを「世界遺産級」と評価。計画の中止や、景観を損ねない代替案の再検討を日本側に勧告している。

 アローズ会長は反対派住民の案内で、江戸時代に建てられた町家や「常夜灯」と呼ばれる灯台を見て歩き、海上の船から埋め立て場所の説明を受けた。

 視察後に「過去と現在が見事につながった素晴らしい土地」と絶賛。「街、海、人のかかわり一体が鞆の浦の価値。埋め立て以外の方法を検討してほしい」と強調した。

 鞆の浦の景観保護をめぐっては、広島地裁が10月「文化的、歴史的景観は国民の財産というべき公益で、事業で重大な損害の恐れがある」と原告側住民の訴えを認め、知事に県と市への埋め立て免許交付差し止めを命じた。県は控訴している。

2009/11/04 20:43 【共同通信】

628チバQ:2010/06/17(木) 00:32:30
>>373-376ほか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100616-00000656-yom-soci
ポニョ鞆の浦の観光、7割増の計算ミス…実は1割
6月16日13時0分配信 読売新聞

 2009年に広島県福山市鞆町に市外から訪れた入り込み客数(観光客数)を、同市が実際より約68万人多い182万1700人と誤って計算し、県に報告していたことが分かった。

 市内の観光客数を含めてしまったことによる単純な計算ミスで、新聞報道を見た市職員が、前年より69・9%も増えていることを不審に思って気付いた。実際には10%も増えておらず、市はすぐに修正した数字を県に届け出たといい、「ご迷惑をかけ、申し訳ない」と平謝りだ。

 市観光課によると、5月中旬、09年に鞆町を訪れた入り込み客数を、過去最多の182万1700人として県に届け出た。08年(107万2000人)と比べ、大幅な増加で、一部地元紙などに、アニメ映画「崖の上のポニョ」ブームなどを追い風にした観光客の急増ぶりを示すデータとして掲載された。

 「おかしい」と感じた市観光課の職員が検算したところ、09年の一部の月について、本来は市外の観光客の数字で計算するところを、市内の観光客も含めていたことが判明。正確な数字を出し直して、5月下旬に県に報告したという。

 県は、18日の県議会警察・商工労働委員会で、県内全市町や主な観光地の入り込み客数を報告する予定。今回のミスについて県観光課は、「各市町の数字を現在、取りまとめ中で、福山市からは訂正した数字が出されているので、特に影響はない」としている。

 修正後の鞆町の入り込み客数については、県、市ともに「18日まで公表しない」としているが、関係者によると、前年比1割弱増の114万人程度という。

 市観光課は「単純なミスで恥ずかしい限り。再発防止に向け、緊張感を持って取り組みたい」としている。

696チバQ:2010/10/10(日) 20:06:08
http://sankei.jp.msn.com/region/chugoku/hiroshima/101005/hrs1010050219004-n1.htm
福山・鞆の浦 「生活道路の確保前提」 市長、渋滞緩和策に言及 広島
2010.10.5 02:19
 福山市・鞆の浦の埋め立て・架橋問題を巡る県主催の住民協議会で合意があった、車の待避所設置などの交通渋滞緩和策の一部について、同市の羽田皓市長は4日の会見で「車の離合場所の確保は容易ではない。地権者の同意も必要で、幹となる生活道路(の設置)が確約できることが前提」と話し、架橋計画推進の必要性を示唆した。

 鞆地区中心部の県道は道幅が約4メートルと狭く、車のすれ違いが困難▽緊急車両が迅速に通行できない▽道路脇の民家の損傷−などの問題があり、26日の協議会で県は、待避所や時差式信号の設置などの緩和策を架橋賛成・反対両派住民に提案し、意見の一致をみた。

 案に含まれた緊急車両の小型化について、羽田市長は「狭隘(きょうあい)な現状に見合った小型化は、県の要望がある、ないにかかわらず大きな課題」とし、市として検討を進める方針を示した。


http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20101001ddlk34010550000c.html
追跡2010ひろしま:鞆の浦埋め立て免許差し止め判決1年 県設置の協議会 /広島
 ◇反対派「長足の進歩」/推進派「解決の糸口見えない」
 福山市の景勝地・鞆の浦の埋め立て・架橋計画を巡り、県に埋め立て免許の差し止めを命じた広島地裁判決から1日で1年。藤田雄山前知事時代に計画を推進してきた県は、判決を不服として控訴したが、直後に就任した湯崎英彦知事は県の対応を一転。「課題をもう一度掘り起こして、共有できる部分を積み上げていく」として、推進、反対双方の住民が意見交換する協議会を設置した。訴訟では「被告」の県が住民間の調整に乗り出す異例の展開をたどる中、解決の糸口は見えるのか。【豊田将志、樋口岳大】

 9月26日、鞆町であった第4回住民協議会。非公開の協議会後に会見した有岡宏副知事によると、当面の交通対策として、(1)道幅の狭い町内の県道で離合場所を確保(2)救急車や消防車の小型化が必要−−との認識で、推進、反対双方が一致した。有岡副知事は「我々としてもできる限りの取り組みをしたい」と述べた。

 その日、反対派住民からは協議会への手応えが聞かれた。訴訟の原告となっている高橋善信さん(61)は「これまでは我々がいくら解決策を提案しても、県は『架橋しかない』の一点張りだった。新知事の下でこういう場が作られ、一つでも二つでも一致していくことによって、双方が力を尽くすというベースができ上がりつつある。長足の進歩だ」と述べた。

 一方、推進派の大浜憲司・鞆町内会連絡協議会長は「埋め立て架橋の議論から逃げていてはいつまでたっても結論は出ない」。さらに「解決の糸口がほしいから参加しているが、なかなか見えない」といら立ちを見せ、現在の月1回から週1回に協議の頻度を上げるよう提案した。

 控訴審は県が「住民協議を見守りたい」との姿勢を表明し、原告側も了承したため、実質審理は先延ばしになっている。推進派住民や推進を望む羽田皓・福山市長からは「裁判は住民協議と切り離して進めてほしい」と不満が聞かれる。

 湯崎知事は、年度内に一定の方向性をまとめる方針だが、「十分な議論をすることが最も大事だ」と慎重だ。8月の記者会見では「年度内に終わるかどうかというのは、正直言って分からない」とも語った。

 協議会では、弁護士が務める仲介者が、双方住民の意見を聞いたうえで、まちづくりの課題を6項目に整理した。現在は、そのうち一つの「道路交通」について議論が始まったばかり。対立点である埋め立て・架橋の議論には入ることすらできていない。湯崎知事が言う「禍根を残さないような形」は着地点がまだ見えていない。

697チバQ:2010/10/10(日) 20:06:58
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20100927ddlk34010320000c.html
鞆港埋め立て・架橋問題:交通対策の検討、進める考え示す 住民協議で副知事 /広島
 福山市の鞆の浦の埋め立て架橋計画を巡り、推進・反対派の住民が意見交換する住民協議の第4回会合が26日、同市鞆町の市役所鞆支所で開かれた。当面の交通対策として、(1)道幅が狭い県道への離合場所の設置(2)緊急車両の小型化−−についての早期実現を求める声が双方からあり、有岡宏副知事は検討を進める考えを示した。

 協議は非公開で、双方住民の代表者各6人と有岡副知事らが出席。仲介役の弁護士2人の進行で、車同士の相互通行が困難な町中心部の県道の問題について議論された。県側は、離合場所や信号機の設置、緊急車両の通行対策などについて説明。架橋・埋め立て計画の問題には今回も踏み込まなかった。

 反対派住民の代表で訴訟原告団事務局長の松居秀子さんは「県はやれることをやっていこうということだと思う。離合場所を造ってもらうなどの希望は持てたことは大きな一歩」と述べた。一方、推進派の大浜憲司・鞆町内会連絡協議会長は「合意ができた部分もあったが、根本には架橋計画の問題があり、そこを逃げていては結論が出ないのではないか」と、協議の進行度を早めるよう求めた。

 次回協議は10月24日の予定。【豊田将志、樋口岳大】

720チバQ:2010/10/24(日) 17:02:39
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20101018-OYT8T00015.htm
鞆控訴審開始めど立たず 
県の協議会優先賛否

 福山市鞆町の鞆港湾埋め立て・架橋事業を巡る住民訴訟で、事業を推進する県に対し、景観保護を理由に埋め立て免許の差し止めを命じた地裁判決から1年が過ぎた。県は判決を不服として控訴したが、控訴審が始まるめどは立っていない。判決後に就任した湯崎知事が、推進、反対の住民を交えて鞆町の街づくりについて話し合う協議会を設置し、控訴審より優先させる方針をとっているためだ。事業に反対する関係者は県の変化を歓迎するが、推進派住民や、共に事業を進めてきた福山市は不信感を募らせている。(石原敦之)

 昨年11月に就任した湯崎知事は「(橋を)架ける、架けないの前提を取り払い、何がベストか考えたい」として住民と話し合う考えを表明。今年5月に県と推進、反対の住民が意見交換する住民協議会を設置。9月までに4回、話し合いを行い、住宅が密集して拡幅もままならず、緊急車両の通行に支障が出ている鞆地区の道路問題などについて議論した。

 3月から今月15日までに3回、高裁で開かれた控訴審の進行協議では、県側が「住民協議会の行方を見守りたい」として、口頭弁論の期日を決めないよう申し入れ、原告の反対派住民側も受け入れた。

 事業をどうするのか判断する時期について、「今年度中をめど」としていた湯崎知事は、8月の記者会見で「(年度内に結論がでるかどうか)正直まだ分からない」とし、遅れる可能性を示唆した。

 事業に反対する松居秀子・原告団事務局長は、「1年が過ぎ、県の控訴理由もぼやけてきている。知事の速やかな英断を」と期待。住民協議会についても、「埋め立て架橋を前提に放置されていた街づくりが具体化され、希望を持てる」と評価する。

 これに対し、事業推進を求める住民団体「鞆町内会連絡協議会」の大浜憲司会長は、「控訴審は住民協議会と切り離して進めるべきだ」と県の対応を批判。「20〜30年前にも議論し、結論として埋め立て・架橋事業が必要となったはずのことを住民協議会で話し合っている。解決は遠のくばかり」と嘆く。

 福山市の羽田皓市長も、「一言で言えば忸怩(じくじ)たる思い。非常にストレスを感じる1年間だった」と振り返り、住民協議会についても「行方は見えない。深い樹海に入り、出てこられるのか」と強い懸念を表明している。

 五十嵐敬喜・法政大教授(公共事業論)は「裁判所が行政の開発にブレーキをかける傾向は強まり、世論も後押ししている。知事は、激突を避けて話し合いを選んだのだろうが、推進、反対両派の住民の対立は根深く、楽観はできない」と指摘する。

 鞆町では過疎化、高齢化が進み、問題の速やかな解決は、全住民の一致した願いだ。長年にわたりこじれてきた課題を、ときほぐし、納得させられる結論を導けるか、湯崎知事の指導力が試されている。

鞆港湾埋め立て・架橋事業 鞆町の渋滞緩和などを目指し、県と福山市が鞆港西側の約2ヘクタールを埋め立てて駐車場やフェリー桟橋を整備、長さ179メートルの橋を架ける事業。1983年12月に県が計画を策定し、計画見直しや事業凍結を経て、2008年6月、国に埋め立て免許の認可を申請した。事業に反対する住民らが埋め立て免許の差し止めを求めて提訴し、地裁は09年10月、鞆町の歴史的な景観を評価して県に免許を交付しないよう命じる判決を出し、県が控訴した。

(2010年10月18日 読売新聞)

http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20101016ddlk34040650000c.html
鞆港埋め立て・架橋問題:控訴審進行協議 口頭弁論、三たび先送り /広島
 ◇次回1月27日 住民協議見守る
 福山市の景勝地「鞆の浦」の埋め立て架橋計画を巡る訴訟の控訴審で、原告の反対派住民と被告の県による3回目の進行協議が15日、広島高裁であった。推進、反対両派が話し合う住民協議会の結果を待つことで合意し、口頭弁論の日程は決定時期を先送りした。次回の進行協議は来年1月27日。住民協議会は今月24日、同市で開かれる。

 これまで2回あった進行協議で、県側は「住民協議会を見守りたい」としたが、住民側によると、今回も同様の姿勢を示したという。原告団長の大井幹雄さん(70)は「早く解決したいところもあるが、長年の懸案なので慎重に住民同士の対話を進めたい」と話した。【中里顕】

 ◇速やかに訴訟開始を要望−−福山市長
 住民協議会に補助参加している福山市の羽田皓市長は「協議会はいつ本論に入るかわからない状況で、大多数の住民が不安を抱えたまま、鞆のまちづくりがさらに遅延する。住民協議会と切り離して速やかに訴訟を開始するよう強く県に要望する」とコメントした。

788チバQ:2011/01/30(日) 16:07:32
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20110127-OYT8T01119.htm
鞆訴訟取り下げ案 県・福山市に大きな波紋
 提訴取り下げの代わりに、県や福山市は埋め立て免許の出願取り下げを――。27日に高裁(小林正明裁判長)で開かれた、同市鞆町の港湾埋め立て・架橋事業を巡る控訴審の進行協議で、事業に反対する原告住民らが行った提案は、県や同市に大きな波紋を投げ掛けた。原告側は県が提案を受け入れ、事業が白紙に戻ることを期待。県は次回・3月24日の進行協議までに回答を出すとしたが、同市は免許出願を取り消す考えはないことを強調。事業推進派の住民からは戸惑いや反発の声が上がった。鞆の浦訴訟は新たな局面を迎えた。(石原敦之)

 原告弁護団の山田延広副団長は協議後に記者会見し、「本来は、裁判ではなく、話し合いで解決すべき問題」とこの日の提案の理由を説明。大井幹雄・原告団長も「解決をいたずらに延ばすのは最悪。(控訴審も、県の設置した住民協議会も)終わりに近づき、良い方向に向かっている」と期待を込めた。

 湯崎知事は「控訴した趣旨や住民協議会の状況などを踏まえて検討し、判断する」とコメント。控訴審への対応を担当する県土木総務課の担当者は「住民協議会が進行中で、難しい判断になる」と漏らした。

 これに対し、県と共に事業を進め、裁判に補助参加している福山市の羽田皓市長は「住民と協議しながら進めてきた事業。埋め立ての出願を取り下げることは出来ないと考えている。県にも市の意向を受け入れるよう求めていく」とした。推進派の住民団体「鞆町内会連絡協議会」の大浜憲司会長も「長年積み上げてきた事業を白紙に戻す提案は、容認できない。県は裁判を粛々と進めてほしい」と強く求めた。

 事業に関連する埋め立て免許の出願は、県と福山市が2007年5月、当時の藤田雄山知事に行った。

 1審・地裁は09年10月、「事業が鞆の景観に及ぼす影響は重大」で、埋め立て申請の前提となった調査や検討は不十分だったとして、知事に埋め立て免許を交付しないよう命じる判決を下したため、県が控訴。直後の同年11月に就任した湯崎知事は、原告ら事業反対派と、事業推進派の双方の住民や県が、鞆町の街づくりについて意見交換する住民協議会を設置、8回の会合を開いてきた。

 この間、県は「協議会を優先する」として、過去3回の進行協議で控訴審の口頭弁論の期日決定を先送りするよう求め、原告側も受け入れた。このため、控訴から1年3か月がたっても、控訴審は1度も開かれない状態が続いている。

(2011年1月28日 読売新聞)

835チバQ:2011/03/01(火) 22:58:31
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20110301ddlk34010525000c.html
追跡2011ひろしま:鞆の浦、住民協議 架橋の是非、埋まらぬ溝 /広島
 ◇問題点共有など、一定の成果も
 福山市・鞆の浦の埋め立て架橋計画で、推進、反対双方の住民が話し合う協議会が2月27日、9回目を終えた。鞆のまちづくりについて双方が意見を述べ、推進派は埋め立て架橋を中心に据えたまちづくりを改めて主張。反対派は、鞆の景観の価値を強調し、埋め立て架橋によらないまちづくりの必要性を訴えた。埋め立て架橋の是非については依然対立するが、一定程度、共通する問題意識が見え、意見の相違点も明確になってきた。【豊田将志、樋口岳大】

 協議会は湯崎英彦知事が設置。昨年5月から(1)道路交通(2)生活環境(3)産業(4)景色・景観(5)まちづくり全般−−について、弁護士が仲介する形で双方住民が話し合ってきた。県によると、仲介人は次回今月20日に総括的な協議をし、意見の「すり合わせ」をしたいとの意向を示したという。

 しかし、核心の埋め立て架橋については対立が根深い。大浜憲司・鞆町内会連絡協議会長は「我々の主張は架橋を中心に据えたまちづくり。なんぼすり合わせても合わない部分が出てくるのでは」と語る。協議会に毎回出席している有岡宏副知事も「共通点も対立点もある中で、解決の糸口を見いだすためのすり合わせはいるだろう、ということに尽きる」と語るだけだ。

 2月27日は推進派が▽渋滞が深刻▽各種調査・アンケート、選挙結果から見ても地元は計画推進を希望▽道路なしで人は住めない▽歴史的な町並み保存と埋め立て架橋はセット−−などと主張。反対派は▽港町の町並み保存は港を含めて保存されなくては意味がない▽現行計画は、高潮対策や避難場所確保などの面で技術的不備がある▽登り窯や空き家の再生がまちおこしにつながる−−などと訴えた。

 これまでの協議で、道幅が狭く混雑する県道の当面の交通対策として、離合場所が必要という点など、共通する問題意識も浮き彫りに。双方が「行政施策の面で放置されている」と主張する中、県が初めて離合場所設置で地権者と交渉するなど、成果も見え始めた。

 大浜会長は「少なくとも鞆をどうにかしなきゃいけないということは共通している」。反対派の松居秀子・訴訟原告団事務局長は「一朝一夕ではない。子どもが少しずつ成長するように、合意できるところから一つずつやっていくのがまちづくりでは」と提言する。

 双方住民と、県、福山市との微妙な距離感の中で、協議は佳境を迎えつつある。

1039チバQ:2011/06/09(木) 21:52:34
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110609/hrs11060903320002-n1.htm
観光鯛網1万人割る 鞆の浦、天候不順が影響 広島
2011.6.9 03:31
 福山市鞆町の鞆の浦で、5月に行われた「観光鯛網」(市観光協会主催)の観覧者が1万人を割り込んだことが8日、分かった。天候不順で開催回数が減ったことや東日本大震災によるキャンセルなどが要因という。

 今年の鯛網は5月1日スタート。22日までの毎日と28、29日(月〜土曜1回、日曜・祝日2回)に予定されたが、荒天のため最終日の2回が中止となり、実施されたのは23日間計30回。

 同協会のまとめによると、期間中の観覧者は9087人で前年度より9・7%減った。観覧者が1万人を割ったのは初めてといい、目標(1万2千人)を大きく下回った。1回平均302人、1日当たり395人で、最高は833人(5月4日)、最低は115人(同13日)。

 初日にセレモニーの一部が中止になるなど、雨の日が5日(前年度3日)もあり天候不順にたたられた。特に例年多くの観覧者がある最終日に、2回とも中止となったのが響いた。

 一方、地域別推計では、地元の福山市が23・2%(前年度30・3%)にとどまった半面、関東からは7・6%(同5・4%)と伸びた。震災でキャンセルもあったが、同協会は首都圏への宣伝を充実させた効果とみている。

1260チバQ:2011/10/04(火) 21:58:13
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000001109300002
正念場 鞆の浦<上> 漂う焦燥感
2011年09月30日
 三日月型の弧を描く港沿いに、古い商家や蔵、木造家屋がひしめく福山市の鞆(とも)の浦。網の目のような細い路地を縫うように、ほぼ毎月1回、県の委託業者がA3判の資料を家々の郵便受けに配って回る。


 埋め立て・架橋問題の推進、反対両派6人ずつが、仲介役の弁護士を交えて話し合う、県主催の住民協議会。その経過を住民に知らせる「課題等整理表」だ。両派が出した意見や共通点が課題ごとに羅列されている。県が地域の合意形成を進める手段として、鞆地区の約1900世帯へ昨年8月から配布を始めた。


 初回分は2ページだったが、回を重ねるごとに厚みを増し、今月分は2部構成で計30ページに及ぶ。


 「これを読んでも何も分からない」。出席者たちは、街で会う住民からこう指摘され、議論の進み具合をよく尋ねられるという。


 推進派の出席者は「自分たちにも議論の方向性がいまだに分からない」。反対派の出席者も「住民から『もういい加減にして』という声を聞く。早く決着してほしいという願望が強まっている」と明かす。


 協議会は湯崎英彦知事の肝いりで昨年5月にスタート。今月で16回目を数えた。今の主要な議題は、古い町並み特有の道の狭さに伴う車の混雑と、緩和策としてのバイパス整備。次回の10月23日は、県が具体的な整備案を示す予定だ。


 議論はようやく、架橋問題の「本丸」に入りつつある。だが、「両派が納得できる解決策」はいまだ見えず、地元には重苦しい空気が漂っている。


 協議会の議論には加わっていないものの、県と架橋計画を推し進めてきた福山市もこの間、微妙な立場に立たされ続けてきた。


 市は2009年8月、架橋計画を前提とした鞆の浦の交通対策や防災、住環境の整備方針の素案を作成。だが、同年10月には広島地裁で埋め立て免許差し止めの判決が出され、同年11月に就任した湯崎知事は、計画を白紙に戻して再検討する意向を表明。市は素案を成案にする作業を中断せざるを得なかった。


 羽田皓(あきら)市長は鞆の浦出身だ。初当選の04年から、一貫して埋め立て・架橋計画の推進を公約。協議会に配慮して静観を保ってはいるが、毎月の定例会見では「鞆の街づくりは待ったなし。一日も早い決断を」と、知事に早期決着を促す発言を繰り返している。


 鞆の浦は、宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台としても注目され、地裁判決後、さらに観光客が増えた。だが足元では、歯止めがかからない過疎化への焦りを抱える。


 計画策定時(1983年)は約8800人にのぼった鞆地区の人口は今夏、約4600人に半減。7月現在の高齢化率は41・9%に達し、50%超が目安とされる「限界集落」寸前だ。


 来年は任期満了に伴う市議選、市長選を控える。2期目の羽田市長の任期は、架橋計画実現のめどが立たないまま残り1年を切った。支援者の一人は「市長への地元の期待は大きい。忸怩(じく・じ)たる思いがあるのでは」とおもんぱかる。


 羽田市長は取材に対し、「ようやく核心の議論に入ったが、本当に一致点を見いだせるのか」と複雑な表情を見せ、湯崎知事に対し、こう釘を刺した。


 「決める前には私に当然相談があると思う。これだけ待ったのだから年内には結論を出してもらいたい」


  ◇ ◆ ◇ 


 鞆の浦の埋め立て免許の差し止めを命じた広島地裁判決から10月1日で2年。歴史的景観を認められたまちの将来に向け、法廷外の対話は実を結ぶのか。住民も行政も、正念場を迎えている。



【鞆の浦の埋め立て・架橋計画と広島地裁判決】


 交通渋滞の解消などを目的に福山市・鞆港の浜を約2ヘクタール埋め立て、港内を横断する長さ約180メートルの橋を架けて県道を整備し、駐車場やフェリー埠頭(ふ・とう)を造る計画。県と福山市の事業で工期約10年、総事業費約55億円。計画に反対する住民らは2007年4月、知事が埋め立て免許を県と市に交付しないよう求める差し止め訴訟を広島地裁に起こした。同地裁は09年10月、鞆の浦の歴史的景観を「国民の財産ともいうべき公益」として法的保護の対象になると判断。知事に埋め立て免許を交付しないよう命じた。県は同月控訴した。

1261チバQ:2011/10/04(火) 21:58:40
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000001110030004
正念場 鞆の浦<下> 決断、早くしたい
2011年10月01日

 ひっそりと静まりかえった県議会棟の一室に、福山市選出の県議11人が顔をそろえた。9月定例会の一般質問が始まった26日の昼休み。県の担当幹部から、地元・鞆(とも)の浦の住民協議会について経過を聞く初めての会合だ。


 「『協議会も大詰め』という報道もあったが本当か」。そんな質問の一つに、幹部は「協議会の終わりは県が決めるものではなく、住民なり仲介者なりが判断すること」と応じた。


 11人の中には、埋め立て・架橋計画に対し推進派もいれば反対派もいるが、この場では、まばらに質問があっただけで激しい応酬はなかった。「今は議員が首をつっこむタイミングではない。知事の出方を見守るしかない」。あるベテラン議員はそう解説する。


 埋め立て免許の差し止めを知事に命じた広島地裁判決が出たのは、2年前の10月1日。県が控訴した当時の藤田雄山知事に代わって、翌月就任した湯崎英彦知事が選んだのは、「法廷外」での解決を探る道だった。


 協議会は知事の呼びかけで昨年5月にスタート。知事が採り入れたのが、メディエーションという手法だ。弁護士2人が進行役を務め、住民双方の意見を聞いて対話を重ね、解決への糸口となる共通点の洗い出しを進めてきた。


 一方、広島高裁での免許差し止め訴訟の控訴審はこの2年間、1度も口頭弁論が開かれていない。かわりに事前の打ち合わせとして進行協議を重ねる「異例の対応」(湯崎知事)が続いている。


 もし判決が確定すれば、結果的に反対派の意向を追認する形になってしまう。協議会での対話を尊重する立場の県にとって、控訴を取り下げる選択肢は今はない。


 協議会が始まって1年たつころ。毎週火曜に開かれる知事の定例会見では、協議会の終了や知事の最終判断のタイミングを問う質問が相次いだ。知事が当初、協議会を続ける期間について「1年ぐらいをめどに」と発言したからだ。


 「そういう約束をしたつもりはない」。3月には声を荒らげた知事が、7月には「ゴールに近づいている感じがする」と答えた。


 「知事の本心は分からない」。複数の県幹部は打ち明ける。


 職員から9月19日の協議会の報告を受けた湯崎知事は「これまでの努力を仲介者に感謝したい」と話したが、それ以外は言わなかった。


 「本当は何も策を持っていないのではないか」「協議会が終わるまでは、自分の考えを漏らさないと決めているのだろう」――。知事周辺から何も聞こえてこないことに、県議からも職員からも、正反対の臆測が飛び交う。


 「橋を架けるにしても、架けないにしても、早く判断した方がいい」


 最近知事と直接話した関係者は、こう水を向けた。約2年後に迫った知事選を念頭に置いての会話だった。地裁判決からの2年は、知事の任期とほぼ重なる。


 「よく分かっている。できるだけ早くしたい」


 知事は真顔で答えた。


 (この連載は吉田博行、水田道雄が担当しました)


 ◇ ◆ ◇


【メディエーション】


 公共事業から家庭問題まで様々な紛争を裁判以外で解決する手法の一つ。弁護士や専門家など第三者のメディエーター(仲介者)が、対立する当事者双方の対話を促し、共通意見を見いだしながら解決策を探る。双方が納得のいく解決をめざすため、感情的な対立が残りにくいとされる。

1338チバQ:2011/11/27(日) 15:01:19
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20111126-OYT8T00978.htm

議論1年半 知事判断は 推進、反対派 対立明確に

鞆の浦事業 県きょう新提案


港湾の埋め立て架橋事業の是非を巡り、長年揺れてきた鞆の浦。湯崎知事の判断が注目される  福山市の景勝地「鞆(とも)の浦」の埋め立て架橋事業をめぐり、県と住民が続けている協議会が27日、地元で開かれる。湯崎知事の提案で1年半にわたり、同じテーブルで17回の議論を重ねた推進、反対両派だが、決着まで紆余(うよ)曲折が予想される。任期折り返しを迎える湯崎知事の事業判断が最大の焦点となる。(矢沢寛茂、石原敦之)

 「県民起点、現場主義、予算から成果主義への転換に尽きる」――。湯崎知事は22日の定例記者会見で、29日の就任2年を前に、県政トップが重視する事項は当初と変わらないと強調した。

 県主導の投資ファンドは地元のマツダや中国電力などの出資を取り付け、目標を上回る約105億円となる見通しだ。4月に松井一実市長が就任したのを機に、広島市とは11年ぶりに10月から人事交流を再開。県と政令市の二重行政解消をテーマに研究会も設置した。

 県議会の林正夫議長は「着実さ、スピード感という新しい風を吹き込んだ」と評価する。知事がマニフェスト(公約)として提唱した新規事業は順風満帆に見えるが、それとは対照的に、鞆の浦の事業では慎重さが際立つ。

 「禍根を残さないように、解決につなげたい」。湯崎知事は昨年5月、訴訟とは別に推進・反対派による協議会の設置を提案。観光客の車による渋滞緩和や生活環境の改善などの解決に向け、月1回のペースで話し合いを重ねた。県道に離合場所を設けたり、港湾整備など周辺環境を改善したりする点では意見が一致した。

 ところが、景観や事業の是非に及んだ10月23日の協議会では、双方の住民の対立が明確化。県側から埋め立て架橋のほか、▽埋め立て海中トンネル▽埋め立てをせずに、山側にトンネルを掘ってバイパスを2ルート通す――計4案が提示された。県は27日の協議会でさらに山側に移した別ルートのトンネルも想定し、家屋移転のない案を示す。

 県の提案を受けて、「今までの議論は何だったのか」と不満をあらわにするのは、推進派の鞆町内会連絡協議会の大浜憲司会長。「1年半もかけて過去の議論に逆戻りしただけだ」と、埋め立て架橋の実行を強く求める。住民訴訟原告団の松居秀子事務局長は「景観への配慮で優れる山側トンネルが最適なのは明らか」とし、意見は平行線だ。

 福山市の羽田皓市長は「信じて見守ってきたが、あまりにも県の判断が遅い」とし、こう指摘した。「控訴審で高裁の判断を仰ぐのが、地元にとって最も禍根を残さない」

 知事の「決断」が待たれる。

■鞆の浦埋め立て架橋事業

 県が1983年に事業計画を策定。沿岸1.9ヘクタールを埋め立て、駐車場やフェリー桟橋を整備し、海上に長さ179メートルの橋を架ける。工期は約10年で、事業費は約55億円。

 事業に反対する住民らは2007年4月、「世界遺産級の景観を損なう」などと県の埋め立て免許の差し止めを求めて提訴。地裁は09年10月、原告の主張を認め、県に事業を差し止める判決を出したが、県が控訴して係争中。

 ご意見、ご感想を広島総局にファクス(082・243・0103)や電子メール(hiroshima@yomiuri.com)でお寄せ下さい。

(2011年11月27日 読売新聞)

1341チバQ:2011/11/29(火) 23:54:44
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000001111280004

山側トンネル案追加/鞆の浦問題
2011年11月28日

 鞆(とも)の浦の埋め立て・架橋問題について推進、反対両派が話し合う県主催の住民協議会が27日夜、福山市鞆町鞆であった。県は、県道の混雑を解消するバイパスをめぐり、前回示した4案に加え、家屋移転のない山側トンネル案を示した。仲介役の弁護士は、「議論が一定の到達点に達した」とし、今後、幅広い住民に協議会の議論に関する説明会を開き、最終的な意見をまとめる考えを示した。


 協議会は非公開。両派の住民各6人と仲介役の弁護士、県側から城納一昭副知事らが出席した。


 終了後の県の会見などによると、新たな山側トンネル案は、前回県が示した二つの山側トンネル案のルートより、山奥側を通る。鞆の浦の町中から遠くなるが、工事の際に移転させる家屋がないのが特徴。前回の二つの山側トンネル案では、10〜20戸程度の家屋移転が必要だとしている。


 また県は、フェリー乗り場や駐車場の整備について、鞆の浦の湾内に設ける案と、湾外となる鞆の浦北部の海岸に設ける案を説明。埋め立てとセットの架橋案や海底トンネル案なら一緒に整備できるが、山側トンネル案の場合は別に整備する必要があるとした。


 仲介役の弁護士は、両派のこれまでの議論で「意見が完全に一致したとは考えていない」としつつも、道路事情の悪さやバイパス整備の効果、景観の大切さなどについて一定の共通認識ができたと説明。協議会に参加していない住民にも説明会で議論の内容を報告し、意見を聞くとした。その後、改めて協議会を開くが、その時期や、湯崎英彦知事が出席するかは未定という。


 終了後の会見で、推進派で鞆町内会連絡協議会の大浜憲司会長は「景観をベースにした(反対派の)考え方と、『生活道路としての機能を優先させてほしい』という我々の主張は平行線だ」と話した。


 反対派で埋め立て差し止め訴訟原告団の松居秀子事務局長は「もっと早く検討案を示してもらいたかった。歴史的景観の価値を認識すれば、埋め立て・架橋はあり得ない」と訴えた。(吉田博行、水田道雄)

1342チバQ:2011/11/29(火) 23:55:50
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20111128-OYT8T00022.htm

鞆の浦事業 住民協 次回で最終取りまとめ 推進派不満、反対派は歓迎

県第5案提示


仲介者の弁護士2人(手前)を前に、分かれて座った推進派(左側)と反対派の住民たち(福山市鞆支所で)


 福山市鞆町の港湾埋め立て・架橋事業を巡り、県の主催で推進、反対両派の住民が話し合う、18回目の鞆地区地域振興住民協議会が27日夜、同町の市鞆支所で開かれた。仲介者の弁護士は、「(話し合いは)一定の到達点に来た」とし、議論の内容を広く町民に説明する会合を近く開き、次回の協議会で最終的な取りまとめを行う方針を示した。湯崎知事はその後、事業について判断するものとみられる。(石原敦之)

 県は、10月の前回会合で、幅の狭い県道のバイパスに必要な機能を議論するため、従来の埋め立て・架橋案と、埋め立て・海中トンネル案、2ルートの山側トンネル案の計4案を提示。埋め立て・架橋以外の案では家屋移転が必要とされ、住民から懸念の声が上がったことから、この日、家屋移転が不要な山側トンネルの新ルートを第5案として示し、両派の意見を聞いた。

 会合は非公開で、県によると、仲介者が、18回の会合を重ねた今も「(両派の)意見が完全に一致したとは考えていない」としながらも、「何らかのバイパスで地域の課題に対応できることが、共通に理解できた」と説明。協議会で両派の認識が一致した項目について、住民に直接、話す機会を設けることを提案。両派とも受け入れたという。

 協議会が大詰めを迎えたことについて、終了後に会見をした、推進、反対両派には温度差があった。

 推進派の住民団体「鞆町内会連絡協議会」の大浜憲司会長は「到達点の意味がよく分からない。反対派は景観、私たちは(交通環境を改善して)『命を守ってくれ』というのが主張のベース。平行線であることを改めて感じた」と不満をにじませた。

 反対派で、住民訴訟原告団の松居秀子事務局長は、「もっと前に到達点に来ていた」と最終的なとりまとめを歓迎。「生活環境、景観を破壊しない(いずれかの)山側トンネルという結論に達するはず」と期待した。

(2011年11月28日 読売新聞)

1344チバQ:2011/11/30(水) 19:52:04
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20111129-OYT8T01302.htm

瀬戸内観光 海空一体で 空港起点に沿岸、島クルーズ
県、旅行業者に魅力売り込み


船から阿伏兎観音を撮影する参加者(福山市で)  瀬戸内海に点在する観光資源をつないで広域的な観光振興に結び付けようと、広島空港(三原市本郷町)を起点に、主に客船で沿岸、島しょ部の観光スポットを巡る「空と海をつなぐ瀬戸内クルーズ」を県が企画した。三原市から尾道市を経て福山市の景勝地・鞆の浦までを船で巡るルートで29日、旅行業者を案内し、魅力を売り込んだ。(石原敦之)

 湯崎知事が瀬戸内地域のブランド力向上を目指して推進する「瀬戸内 海の道構想」の一環で、旅行業者3社の計8人が参加した。一行は午前9時30分に広島空港をバスで出発し、三原市の筆影山展望台から瀬戸内の多島美を眺めた後、三原内港から30人乗りのチャーター船に乗り込んだ。尾道市の生口島や市中心部の桟橋「おのみち海の駅」に立ち寄り、沼隈半島に向かった。

 福山市沼隈町の造船所では、係留されている船を間近に見て、参加者らはその大きさに驚いた様子。海にせり出した岩肌に立つ、磐台寺の朱塗りの観音堂「阿伏兎(あぶと)観音」が近付くと、船室の外に出て写真に収めていた。

 日本旅行広島仕入販売センター(広島市)の金満修二所長は「海から眺める陸の姿は新鮮だった。クルーズは旅情もあり、旅行商品として可能性は高い。船をチャーターすると費用がかかるため、満足度と価格のバランスをどう取るかが、今後の課題になる」と話していた。

 県港湾企画整備課の友道康仁・港湾計画担当監は、「瀬戸内の魅力を、潮風の香るクルーズという新しい観点でブランド化することで、各地域の港のにぎわいにも結び付けていきたい」と力を込めた。

 県は30日にも竹原、呉両市を経て広島市内に向かうコースを案内。参加業者にアンケートをして、コースや桟橋の改善点を検討、商品化を提案していく。

(2011年11月30日 読売新聞)

1421チバQ:2012/01/30(月) 22:53:52
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120130-00000164-mailo-l34
鞆港埋め立て・架橋問題:安どと疲労、住民ら 賛否意見折り合わず−−最終協議会 /広島
毎日新聞 1月30日(月)12時50分配信

 福山市・鞆の浦の埋め立て架橋計画を巡り、推進・反対の双方が参加する住民協議会は29日夜、最終回を迎えた。1年8カ月に及ぶ協議を終え、鞆のまちづくりのあり方について認識の共有を図るため、忍耐強く対話を重ねてきた住民らは、安どと疲労の入り交じった表情を浮かべた。最大の懸案である架橋の是非では、最後まで双方の意見が折り合うことはなく、湯崎英彦知事の決断に委ねられることとなった。【豊田将志、矢追健介、高山梓】
 過去の協議は仲介者の弁護士2人の意向で非公開だったが、この日は議論の経過を初めて報道陣に公開。湯崎知事も出席し、議論の行方を見守った。
 協議は、今月9日の住民説明会で出た意見を報告後、前回協議までに行われた議論の内容を、課題整理表に基づいて改めて説明。仲介者は「事実上意見は尽くされたと思う。こちらから提案すべき議論はありません」と述べ、過去の協議で形成された双方住民の共通認識として、▽バイパスに求められる機能▽景観への配慮の必要性▽駐車場や下水道、防災対策の必要性−−など、八つの要点を挙げて総括した。
 出席した住民からは「結論ありきでなく具体的な課題に基づいて話し合うことができた」「参加して改めて架橋の必要性がわかった」などの感想が寄せられた。湯崎知事は「大変長い期間にわたり、貴重な時間を割いて熱心な議論をしていただいた。大変感謝している」と出席者に謝意を表した上で、「高齢者や子どもを守る道路、また歴史や景観を大事にしたいという皆様の思いは理解している。今後は目指す方向性を考え、福山市とも連携しながら最終的な決定をしたい」と述べた。

1月30日朝刊

1440チバQ:2012/02/14(火) 20:57:56
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20120213-OYT8T01044.htm
知事判断 紆余曲折も 鞆の浦事業 最終局面
福山市長選、控訴審影響か


最後の住民協議会に出席し、意見に耳を傾ける湯崎知事(右)(1月29日、福山市鞆町で)  福山市鞆町の港湾埋め立て・架橋事業が最終局面を迎えている。推進、反対両派が1年8か月にわたって話し合いを重ねた住民協議会が終わり、事業是非を判断する「ボール」は湯崎知事に返された。15日に知事と同市の羽田皓市長との会談が市役所で予定されるが、決断までに選挙や裁判などの事情が絡み、紆余(うよ)曲折も予想される。

(矢沢寛茂、石原敦之)

 「今年中」「なるべく早く」――。これまで湯崎知事は慎重に言葉を選び、協議会の行方を見守る立場を強調していた。一方、県と市の幹部職員による事務折衝は続けられ、事業推進を前面に掲げる羽田市長と直接、話し合う機会が探られてきた。

 住民協議会終了後の初会談は3日夜。福山市内で、2人だけが約1時間にわたり、ざっくばらんに意見交換したという。湯崎知事は協議会の結果報告書を7日に受けることを伝え、事業判断に向けて連携、協議することを提案。羽田市長も応じた。県の担当部局は8日から、住民ニーズとして挙がった下水や防災対策など環境整備の検討を始めた。

 8月にも予定される市長選に、3選出馬が注目される羽田市長。「市としてはこれまで通り、地元が最も必要とするのは埋め立て・架橋だと県に伝えていく」との立場は変えていない。2008年の前回選では事業の推進を公約にしており、事業の是非が、選挙戦に影響する可能性もある。

 市は12年度当初予算案に事業の工事費負担分として前年度と同額の4900万円を計上したほか、事業に直接影響がない公共施設の活用策などを検討する事業費500万円も盛り込んだ。

 埋め立て免許交付の差し止めを求めた住民訴訟の控訴審も懸念材料の一つ。09年10月に「景観利益」の保護を理由に免許の交付差し止めを認めた地裁判決に、湯崎知事は「大きな不満があり、受け入れられない」と表明。公共事業全体への影響も気にかける。

 控訴審は2年以上始まらず、県が事業を進めるには、1審の判断を覆す必要がある。あるいは、事業を中止し、国への埋め立て免許の認可申請を取り下げれば、訴訟自体が成立しない。原告弁護団副団長の山田延広弁護士は「実質的に解決できればよい」と中止なら、訴えを取り下げる意向を示している。

 あるベテラン県議はこう語る。「推進にせよ、中止にせよ、様々な摩擦は避けられない。県事業である以上は、知事が決断するしかない」

 ご意見、ご感想を広島総局にファクス(082・243・0103)や電子メール(hiroshima@yomiuri.com)でお寄せ下さい。

(2012年2月14日 読売新聞)

1725チバQ:2012/05/27(日) 17:21:20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120526-00000269-mailo-l34
観光鯛網:不振、「予約制」導入が裏目に 船調達効率化に配慮も…客からは敬遠−−福山 /広島
毎日新聞 5月26日(土)16時13分配信

 福山市・鞆の浦で毎春約1カ月間、伝統の鯛網(たいあみ)漁を遊覧船から見物する「観光鯛網」が不振にあえいでいる。日によってばらつきがある乗船客数を事前に把握し、遊覧船の調達を効率化するため、「原則予約制」を導入した影響とみられる。本四架橋道路の料金割引や燃料費高騰で不況に陥り、保有船舶を減らす船会社への配慮が裏目に出た形だ。観光鯛網は26、27日、今年最後の操業を迎える。
 鞆の浦に約380年前から伝わる鯛網は、6隻の船団によるチームプレーで魚群ごと揚げる漁法。4月末から約1カ間続く観光鯛網は71年から始まり、フェリーや客船を遊覧船に仕立て、ピークの72年には2万3000人が乗船した。
 客は多い日に1000人近く、少ない日では100人ほどと大きな差がある。網の中で躍るタイを見ようと乗客が船の片側に偏ることも多く、危険防止のため乗客数によっては予備船が必要。遊覧船は1〜3隻、大きさも人数に応じて大小を決める。少ない保有船舶をやり繰りする船会社に配慮し、主催の同市観光協会は10年から「原則予約」を導入。今年までは予約がなくても受け付けているが、来年からは完全予約制に切り替えるという。
 近年の乗船客は1万1000人ほどで推移していたが、10年は前年比7%減の1万59人、11年は東日本大震災の影響もあり同10%減の9087人と初めて1万人を割った。今年も23日現在で8561人と昨年並みと見込まれる。特に県内客が激減しており、予約する手間を敬遠したり、キャンセル料を懸念する声があるという。渡船で仙酔島の船着き場まで来ても、出漁前の大漁祈願の儀式だけ見て帰る観光客も増えている。平靖行・市観光協会事務局長は「予約の敬遠で空席が増えたとしたら逆効果。毎年1500万円ほどの赤字になっているが、伝統のため続けざるを得ない」と苦しい表情を浮かべている。【稲生陽】

5月26日朝刊

1740チバQ:2012/06/02(土) 19:23:16
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000001206010001
「知事判断を懸念」/鞆の浦問題
2012年06月01日

 鞆(とも)の浦の埋め立て・架橋問題について、福山市の羽田皓(あきら)市長は31日の定例会見で、「埋め立て・架橋という結論は、最終的な知事の判断の中に出ないのではないかという懸念を持っている」と語った。湯崎英彦知事との会談について「事務方の協議での意見は出尽くした。次回は知事の判断が示されるだろう」との見通しを示した。


 羽田市長は「架橋は、県が民意を踏まえ、課題解決の最善の方法として市と一緒にやってきた」とした上で、「万が一にも県の事情で方針変更すれば、住民との信頼関係は損なわれる」と話した。


 事業の方向性をめぐる湯崎知事と羽田市長の会談は、3月28日を最後に開かれていない。これまでの会談では、埋め立て・架橋を求める市と、県との考え方に「相違がある」と双方が認め、事務方での協議を重ねてきた。(奥田貫)

1783チバQ:2012/06/22(金) 21:12:35
>>1260-1261>>1338>>1341-1342>>1421>>1440>>1740
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120622/lcl12062214490001-n1.htm
ポニョの景観は観光資源…「鞆の浦」の架橋を撤回 広島知事
2012.6.22 14:47

瀬戸内海の景勝地・鞆の浦=2011年11月、広島県福山市で共同通信社ヘリから
 瀬戸内海の古くからの景勝地「鞆(とも)の浦」(広島県福山市)の埋め立て・架橋計画で、広島県の湯崎英彦知事が景観に配慮し計画を撤回する方針を固めたことが22日、関係者への取材で分かった。25日にも福山市の羽田皓市長に最終判断を伝える見通し。計画をめぐっては、平成21年10月、広島地裁が「鞆の浦の景観は国民の財産」として埋め立て免許の差し止めを命じ、県は控訴しているが取り下げるとみられる。

 県は鞆の浦の景観保護や文化的価値を訴える住民意見、観光資源としての可能性を考慮し、住民ニーズには埋め立て・架橋でなくとも応えられると判断、今後は山側トンネル案を軸に地元と協議を進めるとみられるが、地元には架橋を望む声もあり、反発の声があがることも想定される。

 地裁判決後の21年11月に就任した湯崎知事は、地元住民に賛成・反対両派があるとして、双方の認識を共有するため住民協議会を設置。昨年12月までに計18回話し合いの場を持っていた。

 その中で、県は架橋以外に山側トンネル案や海底トンネル案を提示。今年2月にはバイパス道路の有用性や景観への配慮の必要性など8項目で合意したが、架橋の是非は最後まで平行線をたどり、以後は県と市のトップ会談や事務レベルで計画を協議してきた。

 湯崎知事は取材に対し、言明を避けたが「住民協議会でいろいろ議論いただいた。住民ニーズに沿った考えを提案することになる」と述べた。

 鞆の浦は、瀬戸内海に面した広島県福山市にある歴史的港湾とその周辺地区。江戸時代の船着き場・雁(がん)木(ぎ)や常夜灯、波止、船番所などの港湾設備が残り、映画監督の宮崎駿さんがアニメ映画「崖の上のポニョ」の構想を練った場所としても知られている。


http://www.asahi.com/national/update/0622/OSK201206220001.html
2012年6月22日8時5分
ポニョの舞台・鞆の浦、埋め立て中止へ 広島知事が意向
江戸時代に建てられた常夜灯が今も鞆港を照らす=広島県福山市

 宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台としても注目を集めた広島県福山市の景勝地「鞆(とも)の浦」の埋め立て・架橋計画について、同県の湯崎英彦知事が中止の意向を固め、県が福山市に伝えていたことが関係者への取材でわかった。25日で調整している羽田皓(あきら)福山市長との同市での会談で、正式表明するとみられる。

 県は今後、景観を壊さず地元の渋滞解消を図るため、山側にトンネルを通す案を提案する見通し。1983年の計画策定から約30年にわたり住民を二分し、景観論争に発展した問題は歴史的な区切りを迎える。

 県は住民への説明会を1カ月以内に開く方向で調整に入る。一方、市側は賛同できない意思を表明した上で、渋滞解消や防災対策、下水道整備などの早期実現を強く求める方針だ。

1784チバQ:2012/06/22(金) 21:13:33
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120622-00000012-mai-soci
<鞆の浦>埋め立て撤回…広島知事、福山市長に伝達へ
毎日新聞 6月22日(金)2時32分配信


拡大写真
湾を横断する架橋計画が問題となっている鞆の浦=広島県福山市で2012年4月24日、本社ヘリから宮間俊樹撮影

 瀬戸内海国立公園の景勝地・鞆(とも)の浦(広島県福山市)の埋め立て・架橋計画を巡り、同県が計画を撤回する方針を固めたことが関係者への取材で分かった。湯崎英彦知事は25日、羽田皓(あきら)・福山市長と会談し、方針を伝える。原告住民の景観利益(景観を享受する権利)を認め、着工前の工事差し止めを初めて命じる広島地裁判決を受けて県が検討してきた。判決から2年8カ月を経て歴史的景観が残される方向になった。【寺岡俊、稲生陽、豊田将志】

 埋め立て工事は知事の免許が必要で、知事はその前に国土交通相の認可を得なければならないが、県は、国に提出していた事業認可申請を取り下げる方針。1審判決を不服として控訴し、広島高裁で係争中の控訴審についても取り下げる見通し。更に架橋に代わる措置として、鞆地区の後背にある山側にトンネルを建設する案を軸に、地元と協議を進める。

 埋め立て・架橋計画を巡っては、反対する住民が埋め立て免許の差し止めを求めた訴訟で、広島地裁が09年10月、鞆の浦の景観は「国民の財産」で、県側の裁量権逸脱を理由に免許の差し止めを命じた。

 同11月に就任した湯崎知事は、鞆地区のまちづくりのあり方について計画賛成・反対双方の住民間で認識を共有するため、住民協議会を10年5月〜今年1月に計19回開催。道路や下水道の整備や防災対策、景観配慮などの要点8項目をまとめた。

 県側は▽埋め立て架橋▽海中トンネル▽山側トンネル(複数ルート)を提示し、市と実務レベルの協議を重ねた。知事と市長も3回会談したが、羽田市長は計画推進の立場を変えず、湯崎知事の判断に委ねられていた。

 ◇鞆の浦◇

 広島県福山市の沼隈半島南東に広がる鞆港と周辺海域。良港として栄え、万葉集にも詠まれた。宮崎駿監督が映画「崖の上のポニョ」の構想を練ったことでも知られる。道路が狭く、渋滞が慢性化し、歩行者が危険なため、県や市は港湾約2ヘクタールを埋め立て、湾を横切る架橋を計画。07年に反対派住民らが「景観を壊す」と埋め立て免許差し止めを求めて提訴。広島地裁は09年10月、原告の請求を認めたが、県は控訴した。

1799チバQ:2012/06/24(日) 20:31:52
>>1783-1784
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20120622-OYT8T01348.htm
<鞆の浦架橋中止方針>「海残る」「住民犠牲に」・・・歓喜と憤り

古い民家などが立ち並ぶ狭い通りを通行する乗用車(福山市鞆町で)(一部画像を加工ています) 福山市の景勝・鞆の浦の埋め立て・架橋事業について、県の中止の方針が明らかになった22日、反対の立場の住民は笑顔を見せ、事業推進を望んだ住民らは憤った。住みよいまちを望む思いは一つになるのか。鞆の人たちの声を聞いた。

 鞆の浦観光情報センターの片岡明彦事務局長(48)は「世界中の観光客がアニメ映画『崖の上のポニョ』から鞆を知る。ポニョの海が残ることは喜ばしい」と歓迎する。男性住民(65)も「知事の判断は当然だ。橋が架かれば、鞆のシンボルといえる常夜灯を入れた眺望も台無しになる」と話す。

 一方、埋め立て・架橋を支持していた住民たちは不満を隠せない。浄泉寺住職の大仲伸隆さん(63)は、狭い県道で自動車とすれ違う際に何度も危険な思いをしていると言い、「町の活性化や安全の確保のために橋は必要。このままでは住民が減り、鞆は限界集落になってしまう」と嘆く。

 鞆町内会連絡協議会の水本久登副会長(75)は「事業には住民の大半が賛成してきた。住民を犠牲にして景観を守って何になるのか」と声を荒らげた。

◇「これ以上無用な対立避けて」

 一方で、県の判断を前向きにとらえようという声もあがった。

 飲食店を営む男性(37)は「昔から変わらない港町の眺めを僕らの世代で変えてしまうのは残念。生活基盤が整備されれば、架橋がなくても納得してもらえるのでは。これ以上無用な対立は避けてほしい」とする。

 鞆の浦史跡めぐりガイドのメンバーは「今住んでいる人の暮らしを考えないと、若い人はどんどん減ってしまう。歩道や駐車場、下水道などを整備し、安心して来てもらえるまちになることを願う」と話していた。

◇福山市長「聞いていない」

 福山市の羽田皓市長は22日、取材に応じ、湯崎知事が鞆の浦の埋め立て・架橋事業を中止する方針を固めたことについて、「聞いていない。一方的に伝えられるだけであれば、知事に会う必要もない」と憤り、代替案とされる山側トンネル案に関しては、「(鞆の活性化が果たせると)思っていない。だから架橋をしてほしいというのが住民の思いだ」と強くけん制した。

◇大林監督がコメント

 尾道市出身の映画監督大林宣彦さんは「わが古里・鞆の浦が、このような賢さ、美しさを示し得た事を、僕は心より自慢する。鞆の浦のみなさん、おめでとうございます」という内容のコメントを発表した。

(2012年6月23日 読売新聞)

1800チバQ:2012/06/24(日) 20:34:40
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120623-00000283-mailo-l34

鞆港埋め立て・架橋問題:歓迎と失望、双方の声 県撤回方針で住民 /広島
毎日新聞 6月23日(土)16時33分配信

 「よく英断してくれた」「住民不在の不当な判断だ」−−。鞆の浦(福山市)の埋め立て・架橋計画について、湯崎英彦知事が撤回の方針を固めた。地元の同市鞆町では、計画に賛成、反対の双方住民から、長年の思いを胸に歓迎と安堵(あんど)、反発と失望の声が聞かれた。【豊田将志】
 「予測はしていたけれど行政には裏切られ続けてきたので一抹の不安があった。うれしさよりも、ほっとしたという気持ち」。県の埋め立て免許差し止めを求めた訴訟の原告団事務局長、松居秀子さん(61)は晴れやかな表情で湯崎知事の意向を歓迎した。知事が提案し、1年9カ月にも及んだ住民協議会について「双方住民が話し合った結果を踏まえたうえで『まちづくりは架橋ありきではない』という訴えを尊重してくれた」と評価した。また、「賛成反対を問わず、鞆の行く末を案じながら亡くなっていった『犠牲者』が大勢いる」と話し、知事の方針に強い反発を示す市側に「今こそ垣根を取り払う時。私たちを排除せず、一緒にまちづくりのスタートラインに立ってほしい」と呼びかけた。
 原告団の1人で「鞆酒造」社長の岡本純夫さん(61)は「日本中で鞆しか持っていない貴重な財産を行政が無視してきたことに疑問を抱いてきたので、まっとうな判断だと思う。貴重な建造物の保全や防災対策など、架橋計画以外の問題を一刻も早く解決してほしい」と話した。
 一方、計画に賛成する大浜憲司・鞆町内会連絡協議会長(64)は「我々に何の説明もない。まるで辻斬りに遭った気分だ」と憤る。
 大浜さんは「架橋はまちづくりの根本だ」として、「計画撤回はまちづくりをしないということに等しい」と強く批判。住民協議についても「(議論を尽くしたという)アリバイづくりに利用されるのではと懸念したが、我々の思いを理解してもらおうとあえて席に着いた。今は知事を信じた自責の念にかられている」と肩を落とした。今後の対応は湯崎知事と羽田皓市長のトップ会談の状況を見守った上で検討するとしつつも「(推進派の)皆さんと話をする。泣き寝入りするつもりは全くない」と語気を強めた。
 平(ひら)町内会連合会長の水本久登さん(74)は「憤りで言葉を失っている。鞆町の奥にある平地区はトンネルでは全く生活改善につながらず、到底納得できない。地元の生活が完全に無視されている」と批判した。

6月23日朝刊

1802チバQ:2012/06/25(月) 22:32:51
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20120624-OYT8T00735.htm
県、利便性・景観に配慮・・・「鞆の浦」代替案



 福山市の景勝地・鞆の浦の埋め立て・架橋事業について、計画中止の方針を固めた事業主体の県が市に伝える代替案の概要がわかった。県は山側にトンネルを通した上で、500台程度の駐車場を整備するなど生活の利便性を高める数項目の対策を示し、景観保護を目的とした基金も創設する。湯崎知事が25日に市役所を訪れ、午後3時半から羽田皓市長に意向を伝える。(矢沢寛茂、石原敦之)

◇駐車場整備/町並み保護基金

 県は、住民ニーズを踏まえ、鞆の景観と文化的財産を守ることが将来的な評価につながるとして、市に協力を求める。

 県によると、1983年の計画策定から約30年がたち、景観や文化財への考えが変わったことを重視。江戸期から続く町並みや港の風景を守って観光資源とし、生活利便性も両立できる観点から、山側トンネルを採用することにした。

 山側に全長1・5キロのトンネルを通して県道と結ぶバイパスを整備。トンネルの両端近くに計約500台の駐車場やバスロータリーを設けるほか、湾内では埠頭や高潮対策の護岸整備などを盛り込む。市が強く求めていた住民への説明会も開く。また、鞆の歴史的景観を守るため、全国から募金を集めた「まちづくり基金」もつくる。

(2012年6月25日 読売新聞)

1805チバQ:2012/06/28(木) 23:41:29
>>1783-1784>>1799-1800>>1803
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120626-00000213-mailo-l34
30年目の“撤回”:鞆の浦架橋/上 「早期決着」トップに亀裂 /広島
毎日新聞 6月26日(火)15時14分配信

 ◇政治日程、住民要望で駆け引き
 25日午後、福山市役所。4回目のトップ会談は30分程度で終わった。湯崎英彦知事の判断を聞いた羽田皓市長は「住民合意とはほど遠い。新たな火種をまくことになる」と反発した。湯崎知事は会談後の記者会見で「あくまでも中間点。決着したとは露とも思っていない」。鞆の再生に向けた道のりの険しさを予感させた。
  ◇  ◇
 「架橋が知事の最終判断の中にないのではと懸念している」
 5月31日、羽田市長は定例記者会見で、憤りを押し殺すように語った。
 同市の幹部は驚いた。報道機関からの質問用に作成された答弁内容から外れ、悲観的なトーンに覆われていたからだ。「県がいつまでも姿勢を変えず、もう議論の余地無し、と感じたんだろう」。この幹部は羽田市長の心境を推測する。
 これに対し、湯崎知事は翌日(6月1日)の取材に対し、「(架橋か否かの)2項対立から抜け出られていないのだな、と改めて確認した」と発言。溝の深さがあらわになった。
 この時点で、前回トップ会談から2カ月が過ぎていた。「3月までに決着したかった」(県幹部)。1年8カ月に及んだ住民協議会が今年1月に終了し、県側は年度末までに判断を示したい意向だった。しかし、福山市側は、埋め立て・架橋計画を一切譲らなかった。古くからかかわる市幹部は「湯崎知事の就任前から何度も検討し、橋以外には鞆の生活改善につながらないと結論が出ていたはず」と言う。羽田市長は初当選した04年市長選で、一時凍結されていた架橋計画の「推進」を掲げた。非公開のトップ会談では、声を荒げて架橋を主張する一幕もあったという。
 6月にはお互いの定例議会があり、福山市長選の告示が7月末に迫り、政治日程が埋まりつつあった。湯崎知事は「今年中のできるだけ早い時期に決断したい」と繰り返し述べていた。年度が代わり、市の担当者は「強引にでも決めたいという思いがひしひし伝わってきた」と振り返る。
 4月下旬、推進派住民らは県と市に、会談内容の公表を申し入れた。反対派は会談の完全公開を求めた。「公開される以上、物別れとなると格好がつかない。最終判断か、それに近いものを出す必要がある」(県幹部)。双方住民の声が県側の動きを加速させた。
 トップ会談の日程を巡る両者の交渉は、市長発言後に本格化した。市は公務や市議会、選挙準備を理由にかわしてきた。県は定例議会の開会中は避けたい意向だったが、林正夫議長は「(架橋の是非は)議決が必要な案件ではない。しっかりと(県側から)説明があれば問題ない」と容認する姿勢を見せた。とはいえ、26日には知事が答弁に立つ一般質問が始まる。25日はギリギリの日程だった。
 しかし、会談では両トップの亀裂が露呈した。羽田市長は「地元の8割は架橋計画の推進派」と述べて、「住民の理解を得られないから凍結、という事態はあってはならない」とくぎを差した。
  ◇  ◇
 鞆の浦の埋め立て・架橋計画は25日、県が撤回を表明し、83年の計画策定から30年目にして、重大な転換点を迎えた。鞆地区住民の暮らしの利便性と、歴史景観の保全をどう両立させるか。方針転換の舞台裏や、これからの課題などを追った。

6月26日朝刊

1806チバQ:2012/06/28(木) 23:42:02
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120627-00000274-mailo-l34
30年目の“撤回”:鞆の浦架橋/中 減る人口「平消えるのか」 /広島
毎日新聞 6月27日(水)17時15分配信

 ◇遠い「街」高齢者は買い物難民
 消波ブロックに囲まれた浜に、段ボール箱に入った野菜や果物が並ぶ。「じゃあ、このカボチャ、あとで家まで持ってくからねえ」「ありがとうねえ」。手押し車を押す高齢女性は、ゆっくりと来た道を戻っていった。
 架橋計画の発端となった福山市鞆町の狭い県道の奥。鞆の中心街から南西に約1キロの平(ひら)地区は、斜面にへばりつくような集落だ。この数年でスーパーも八百屋も消えた。週2回、福山市北部の駅家町から食料を売りに来る夫妻が、足の弱い高齢者にとって数少ないライフラインだ。
 夫妻は06年ごろ、スイカ売りの途中に初めて平地区に来た。「今度はお米も売って」「お肉はないの?」と住民にせかされ、品数は次々増えた。重い野菜や米は、妻(65)が迷路のような坂を上って配達もする。
 しかし、集落は高齢化が急速に進む。なじみの客も年間10人ほどが鬼籍に入っていく。常連客が買い物の直後に急死し、次に来た3日後には葬儀が終わっていたことも。夫(70)は「体が動く限りここで働きたいが、お客が今後増えることはない。先は分からない」
 83年の架橋計画決定から約30年。町並みは変わらなくとも、暮らす人々は確実に年齢を重ねた。64年以降、鞆町の人口は減少の一途をたどる。当時1万3000人だった人口は、今年度は4600人を切った。うち4分の1は75歳以上。特に高齢化率の高い平地区では、今後、加速度的に減少すると予想される。主が亡くなるなどして増えた空き家も、07年の市調査で2割弱に上った。
  ◇  ◇
 「道がつくけえ。町まで近うなる」
 約60年前、学校からの帰り、山の中腹まで広がるミカン畑に立てられた木のくいを不思議に思った胡(えびす)政次さん(71)は、祖母の返事に驚いたことを覚えている。先を赤く塗った四角いくいは、県が道路用地として買収する土地に立てたものだった。交通の便の悪さから、鞆町中心部の同級生に「平べえ」とからかわれたこともあった。くいは中心部に向かって続いていた。この道が現在の県道で、架橋につながるはずだった。その先に、明るい未来が見える気がした。
 しかし今回、計画の撤回が決まり、長年の夢は消え去った。県は鞆の中心街を迂回するトンネルをバイパス案として示したが、平地区にとって交通の便はほとんど変わらないからだ。平地区の最も奥「旧平3丁目」に住む水本久登・平町内会連合会長(74)は「インフラ整備が止まっても、住民は年を取るし、若手は故郷を捨てて出ていく。わしらは当たり前の生活もさせてもらえんのか。このまま平は消えていくのか」といらだちを口にした。

6月27日朝刊

1807チバQ:2012/06/28(木) 23:42:35
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120628-00000233-mailo-l34
30年目の“撤回”:鞆の浦架橋/下 「合意形成」住民翻弄 /広島
毎日新聞 6月28日(木)16時4分配信

 ◇問われる知事の手腕
 「景観は大切だが、住民の生命や安心を守るために架橋はやむを得ないと訴えてきたのに、『景観は大切』という部分だけを切り取られた」。大浜憲司・鞆町内会連絡協議会長(64)の憤りは収まらない。
 湯崎英彦知事の提案で10年5月から1年8カ月、19回を重ねた住民協議会。大浜さんは架橋に賛成する立場から、反対派とのテーブルに着いた。湯崎知事は協議を踏まえて「景観は尊重されるべきという住民のコンセンサス(総意)を重視した」と説明する。しかし、大浜さんは「そんなことは、誰でもわかりきっていることだ」。
 早期に鞆の住民向けに説明会を開く意向の湯崎知事も「多数が架橋を希望している」(25日の記者会見)と認める。地元理解のハードルは低くない。
  ◇  ◇
 訴訟当事者である県が、鞆の地域振興を巡る賛否両派住民の合意形成を図れるのか。住民協議会は、懸念を抱えての出発だった。
 「鞆のまちづくりのために今何ができるかを話し合う場がようやくできた」(松居秀子・訴訟原告団事務局長)。「知事に白紙委任するわけにはいかなかった」(北村武久・明日の鞆を考える会会長)。協議に着いた双方は「同床異夢」ともいえる関係にあった。
 湯崎知事は初回協議の終了後、「住民の意見を十分に尊重して最終的にいい案をまとめたい」と説明し、その後も折に触れて「合意形成を図ることは不可能ではない」と繰り返し強調してきた。
 道路の安全性の確保や鞆地区の将来像、景観保護……。協議は項目ごとに進んだ。幅の狭い県道の問題は、双方の認識は共通しており、一部に離合場所を設置するなどの成果を生んだ。松居さんらは県の姿勢の「変化」を感じた。鞆地区を通過する車両の通行量や各バイパス案ごとの通行短縮時間などが、具体的数値を伴う形で示されたからだ。「何度求めても出なかった客観的な資料が出た。架橋でなくても課題は解決できると証明されつつある」。反対派は手応えを感じ始めていた。
 しかし、架橋の是非という核心部分では平行線をたどった。「このままでは双方に禍根が残る」。昨年3月の第10回会合で仲介役の弁護士は協議延長を提案した。推進派からは「これ以上、何を話し合えというのか」と不満が噴出した。反対派からも「もう翻弄(ほんろう)しないで」との声が挙がった。
 協議会は、仲介役が▽バイパス道路の有用性への理解が一定程度進んだ▽駐車場の確保や下水道整備、港湾機能の確保は必要▽住民は鞆の歴史や伝統に誇りを持ち、景観を愛し、再生させたい−−など8項目の「共通認識」をまとめて終了した。しかし、今年1月に地元住民向けに県が開催した説明会では、推進派の出席者から「どこが共通認識なのか」「議論は無駄だった」と批判が渦巻いた。地元の不信を残したまま、最終判断に至った。
  ◇  ◇
 計画決定から約30年が経過し、景観や文化的財産に対する世論は変わった。湯崎知事は「景観だけを重視したわけではない」と言うが、「中長期的に考えて、江戸時代からの町並みや港の風景を観光資源として保全・活用することは、非常に重要」と説明する。しかし、地元の協力なくして、こうした方針は具現化できない。「景観行政のあり方に一石を投じた」という評価は、これからの湯崎知事の手腕によって決まる。
  ×  ×
 この企画は、稲生陽、豊田将志、寺岡俊が担当しました。

6月28日朝刊

1809チバQ:2012/06/29(金) 21:52:07
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000131206270001
【鞆の浦 架橋撤回 30年目の選択】


協議難航 幕引き図る
2012年06月27日





「県のやり方は間違うとったということだ」。湯崎知事(右)に吐き捨てるように言って会場を後にする福山市の羽田市長(左)=25日、福山市役所、小玉重隆撮影

 「最初から観光だけを重視するなら、就任時にすぐ計画を撤回している」


 今年に入ってからの庁内協議で、湯崎英彦知事は「撤回ありき」を否定するかのように県幹部らにそう漏らしていたという。そんな知事が25日、鞆(とも)の浦の埋め立て・架橋計画の撤回を表明した。知事の判断の大きな根拠となっているのは、自ら設置した住民協議会での議論だ。


 09年11月の就任会見で湯崎知事は、計画の再検討と推進・反対両派の住民が対話する場の設置を表明。ある県幹部は「協議会には、住民が景観保全をどの程度求めているのか、測る目的もあった」と漏らす。


 10年5月から12年1月まで1年8カ月かけ、計19回の話し合いがもたれた。景観保全と、バイパスの有用性への理解など8項目の共通認識が報告書にまとめられた。県側はこの8項目を主な共通の「住民ニーズ」とみて、最もバランスよくそれを満たす案は何かという視点で検討を進めた。


 ただ、福山市は違った。「架橋計画の原点は、生活道路をどうするかだったはず。住民ニーズの項目を並列にはできない」(羽田皓(あきら)市長の会見から)。そのずれを抱えたまま、県と市はトップ会談に臨む。


 3月28日の3度目の会談で県と市は、「架橋は一度横に置いてゼロベースで話し合おう」という点までは合意。実質的な協議が始まったものの、認識のずれがどうにも埋まらない。


 「調整は限界に来ていた。これ以上やっても、市側は埋め立て・架橋から脱しない状況だった」と県幹部は振り返る。


 5月下旬、計画撤回を前提とした今回の提案のもとになる資料が、事務レベルの協議で県から市に示された。「決定権を握る県からの事実上の結論通告」と市側は受け止めた。


 同31日の会見で羽田市長は「埋め立て・架橋という結論は、最終的な知事の判断の中に出ないのではないかという懸念を持っている」と、いつになく強い口調で牽制(けん・せい)した。


 それから約1カ月間、県と市の攻防は水面下で続いた。市関係者によると、協議の焦点の一つは、「県が地元の住民に説明責任を果たせるか」だったという。


 市幹部は「県は『市と協力・連携する』という文言を入れたがったが、突っぱねた」と話す。なかなか調整がつかず、会談の実施そのものが危ぶまれた。


 「あなたが決めないといけない。あなたがリーダーなんだから、それが役目だ」


 県議会関係者はこの間、知事に早い決断を促していた。「福山市側が会談を受けなければ、単独で知事が方針を表明することもあるかもしれない」との情報を得た市側が、6月25日の会談を受け入れた。


 鞆の浦出身でもある羽田市長は、県と歩調を合わせて地元を説得する道は取らなかった。羽田市長は25日の会見で「行政間の協議は終了した。県が住民の納得を得るステージに進んだ」と語った。


      ◇


 計画策定(1983年)から約30年。鞆の浦に橋を架けない道が選ばれた。決断の背景、地元の受け止めや課題を3回に分けて報告します。


 (この連載は中野寛、奥田貫が担当します)

1810チバQ:2012/06/29(金) 21:52:39
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000131206280001
【鞆の浦 架橋撤回 30年目の選択】


根深い対立 今も町に
2012年06月28日





県道を歩くお年寄り。車がクラクションを鳴らしながら通り過ぎていった=福山市鞆町鞆

 「狭い鞆(とも)の県道 苦痛な毎日」。福山市の鞆港を望む海沿いの狭い1本道。その脇に、海風を受けてボロボロにすり切れた黄色いのぼりがはためく。


 周辺は焚場地区と呼ばれ、奥へ進むと平地区がある。住民のほとんどが埋め立て・架橋計画の推進派だ。銀行やスーパーなどがある町の中心部に行く道はここだけ。幅3メートルほどのところもあり、車がすれ違うどころか、道の端を歩くのも難しい。27日も、お年寄りが身をすくめるそばを、車がクラクションを鳴らして次々に通り過ぎた。


 推進派の稲葉繁人さん(66)は「『毎日』という言葉に、住んでいる者にしかわからんという気持ちを込めている。山側トンネルでは、町中に向かう生活道路にならない」と憤った。


 土地が狭く下水設備が未整備の鞆地区は、汚水の多くを海に流している。週末も海辺で遊ぶ子どもの姿はない。橋ができれば、狭い道の交通を止めて工事しても住民生活への影響は少なく、下水設備の整備が進むと期待されていた。平地区の男性(71)は「海の環境の課題はどうしてくれるのか聞きたい」。


 別の女性(68)は嘆く。昨年、同居していた息子が「もう橋はかからん」と、中学生と小学生になる孫を連れて出て行ったという。「子どもが少なく、クラブ活動も満足にできないからしょうがない」。鞆小学校の全校児童は137人、鞆中学校は59人。10年間で半減した。


 県は30年近く埋め立て・架橋計画を掲げ、町は推進派と反対派に二分。計画は進まず、町づくりは停滞した。


 「30年間で景観を求める住民ニーズが強まった。県は、そんな変化に十分注意を払えずに突き進んだ」。湯崎英彦知事は、計画撤回を表明した25日の会見でこう振り返り、謝罪した。「住民の対立を先鋭化させ、柔軟な話し合いをできなくしてしまった。率直におわびしたい」


 県は今後、地元への説明という重い責任を負う。


 26日、県職員2人が推進派の鞆町内会連絡協議会の大浜憲司会長(64)の元を訪れた。「できれば7月中に説明会を開きたい。知事の体が空きやすい土日がいい」と話があったという。「住民協議会でも人を集めるためだけに利用された。今後のことは、みんなとよく相談して決めたい」と大浜さんは言う。


 30年近い月日は、住民の生活に根深い対立を残した。「あそこの店は反対派だから使わないようにしよう」といった示し合わせがあったり、親戚同士で縁を切る人もいたりする。


 60代の女性は「推進派の気持ちも分かるが、もめても町づくりは進まない。知事には架橋で約束していたことを少しでも埋める努力をして、早く事業を進めてほしい。みんなもう疲れている」と話す。


 反対派の鞆まちづくり工房の松居秀子代表(61)は「勝ちも負けもない。これからは推進派、反対派の垣根を捨て、一緒に町づくりをやりたいと願っている」。


 開発から取り残されてきた小さな港町の時計の針はようやく動き出したばかり。将来像はまだ、ぼんやりとしたままだ。

1811チバQ:2012/06/29(金) 21:53:14
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000131206290001
【鞆の浦 架橋撤回 30年目の選択】


町再生へ 潮目の観光
2012年06月29日





鞆の浦のシンボル「常夜灯」。観光客が絶えない=福山市鞆町鞆

 「潮待ちの港」で知られた鞆(とも)の浦。港近くには、穏やかな瀬戸内の海を眺められる観光客向けの宿泊施設が点在する。


 「住民の生活を考えると複雑だが、正直なところほっとした」。埋め立て・架橋計画の撤回を受け、その一つに勤める男性は安堵(あん・ど)の表情を見せた。


 男性は、県外の旅行業者を回り、港の写真を見せて鞆の浦を売り込んできた。「橋がかかったら、最大の『売り』が駄目になるところだった」


 鞆の浦が観光地として注目され始めたのは、最近のことだ。


 宮崎駿監督がアニメ映画「崖の上のポニョ」(2008年)の構想を練った地として関心を集め、NHK大河ドラマ「龍馬伝」(10年)の舞台の一つとして波にのった。10年の鞆の浦の観光客数は約240万人。ポニョが公開される前年の07年から4割増えた。ブームが落ち着いた11年は、前年から2割減の約200万人になる見込み。観光地として、確たる地位を築いたとまでは言い難い。


 湯崎英彦知事は25日の会談で、鞆の浦を「(瀬戸内の観光ビジョン)『海の道構想』の中心的観光拠点にする」と宣言した。県幹部によると、湯崎知事は鞆の浦について「宮島に並ぶ価値がある」と周辺に話しているという。県の中山雅文地域政策局長は「地域振興につながるような、鞆の住民生活と歴史文化を生かす観光施策を検討していきたい」と話す。


 一方で、住民には「これ以上、観光客が増えるのは迷惑だ」との不満もくすぶる。


 観光客の姿が絶えない常夜灯。近くに住む70代男性は「ツアーのガイドや観光客の声がうるさい」と漏らす。男性は、自宅窓を防音ガラスにしたという。町中心部から少し離れた地区の男性(70)は「狭い町にこれ以上、よそから来させてどうする。わしらは観光で食っているわけじゃない。静かに暮らさせてほしい」と訴える。


 鞆の浦観光情報センターの片岡明彦事務局長(48)は「鞆は京都や宮島と違う。江戸期の港湾5施設も貴重だが、全体の雰囲気が鞆の魅力。人が増えて静けさがなくなると、全く違うものになる」と釘を刺す。


 ユネスコの諮問機関で世界遺産の評価・調査を担当する国際記念物遺跡会議(イコモス)国内委員会の矢野和之事務局長はこれまで何度も鞆を訪れた。「地元の暮らしや歴史文化を楽しむ持続可能型の観光地にすれば、リピーターを生む高い可能性がある」と指摘する。


 ただ、鞆地区では過疎化が進み、「家に住むのは私の代で終わり。高いお金をかけて残す必要もない」と家を修理、保全する人も少なくなった。伝統家屋は老朽化が進んでおり、保全に向けた対策が観光施策として急務になる。


 古い町並みに人が住み続け、古い港から小さな漁船が、漁に出てまた戻る。そんな光景や、人の風情も、鞆の浦の魅力だ。


 長い月日をかけ、鞆の浦に橋をかけない道が選ばれた。30年目の選択を、鞆の浦の将来像を描く出発点にできるかが今、問われている。(この連載は、奥田貫と中野寛が担当しました)

1822チバQ:2012/07/04(水) 22:09:16
>>1805-1807>>1809-1811
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120704/hrs12070402390004-n1.htm
「思いをくみ取って」推進派が県に抗議文 鞆の浦架橋計画撤回 広島
2012.7.4 02:39
 瀬戸内海の景勝地・鞆(とも)の浦(福山市)の埋め立て・架橋計画を県が撤回したことに対し、架橋推進派の住民団体「鞆地区道路港湾整備早期実現期成同盟会」のメンバーら約150人が3日、県庁を訪れ、湯崎英彦知事宛てに抗議文を提出した。

 抗議文では「知事の言葉に対して、不審と怒り、やり場のない失望感で胸の中が、煮えたぎる思いで満ちあふれています」と強調。「踏みにじられた9割以上の鞆住民の思いを改めてくみ取っていただくため、文書として提出いたします」としている。

 県は9日午後7時から福山市鞆町の市立鞆小学校体育館で住民説明会を開き、湯崎知事が計画撤回について県の考え方などを説明、住民に理解を求める。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20120703-OYT8T01304.htm
鞆架橋推進派、県に猛抗議

城納副知事ら県幹部に抗議する架橋推進派の住民(広島市中区で)  県が福山市の「鞆の浦」埋め立て・架橋事業の計画を中止し、代替案として山側トンネルを掘り、駐車場などの地元振興策をまとめる方針について、架橋事業を支持してきた住民団体の大浜憲司会長ら約150人が3日、県庁を訪れ、方針の撤回などを求めるなど猛抗議した。一方、湯崎知事は同日の定例記者会見で、「住民理解を得るため、時間をかけて真摯(しんし)に説明する」と述べ、複数回にわたり住民説明会を開く考えを明らかにした。

◇知事、説明会「時間かけ真摯に」

 県庁本館6階の講堂に通された住民は、架橋を求めるのぼりやプラカードを掲げた。大浜会長らが「多数の住民の意見を無視」「県の方針が先で、住民の意見は置き去りだ」などと城納一昭副知事らに約1時間50分にわたって詰め寄り、架橋中止に反対した。

 城納副知事は「今回の方針はスタートライン。信頼関係を築けるよう全力で取り組みたい」と述べた。

 大浜会長は「県のやり方は一方的で誠意がなく、怒りを覚える。当面、方針撤回を求めて活動していく」とした。

 湯崎知事は会見で推進派住民には「どういう経緯や考え方で(計画中止の)結論に至ったかを説明し、理解を求めていく」とし、説明を終える時期は「わからない。時間はかかると思う」とした。県は9日午後7時から、同市の市立鞆小体育館で住民説明会を開く。

(2012年7月4日 読売新聞)

1908チバQ:2012/08/24(金) 22:33:25
今日はポニョやってる〜〜
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20120824ddlk34040435000c.html
追跡:2012ひろしま 鞆・架橋計画撤回 トンネル案交錯 福山市、県との協議内容開示 知事、2月から姿勢変えず /広島
毎日新聞 2012年08月24日 地方版

 県が撤回を表明した福山市・鞆の浦の埋め立て架橋計画で、同市は、1月の住民協議会終了後に県と続けてきた協議の内容を開示した。開示資料によると、湯崎英彦知事は公式では最初の会談である2月15日の段階で架橋の代わりに山側トンネル案を推す考えを示しており、その後は同案の評価を上方修正したい県と、逆の立場の市とで綱引きが延々続いた。ただ「市とのすり合わせが必要」としながら知事は当初からほとんど姿勢を変えておらず、「県は結論ありき」とする地元の架橋推進派の批判が強まりそうだ。【稲生陽】

 毎日新聞の情報公開請求を受け、市が10日付で開示した。県と市は6月の最終会談を含めトップ会談を3回、事務レベルでの協議を10回重ねてきたが、最終回以外は非公開とし、知事・羽田皓市長とも内容をノーコメントとしていた。

 資料によると、県は最初に(1)埋め立て架橋(2)海底トンネル(3)山側トンネル(4)現道活用の4案を提示。市長が「(3)が県の案という受け止めで良いか」と質問したところ、知事は「住民ニーズを踏まえて評価すると、(3)が『×』が最も少なくなる」と回答。さらに「(1)や(2)の場合、(港内に)不可逆的な変化になる」と懸念を示し、市と県の対立が決定的になった3月28日の会談では、議論の冒頭に「景観や観光振興は県の判断として重要と考える。山側トンネルに追加策を加えるのがベスト」と断言した。

 これらに対し、市は「県の言う『住民ニーズ』が、本来の住民ニーズとかい離している」と猛反発。県による各工法の評価基準についても、県が景観への配慮や観光振興を、防災対策やバイパス効果よりも優先させたことに反論した。

 しかし、県も「住民協議会での共通認識」を盾に譲らず、羽田市長は3月の会談で「架橋以外にも住民が納得できる形がとれるか議論すべき」と譲歩。市は続く事務レベルの協議で、現在の狭い県道より海沿いを一部埋め立てて道路を整備する案などを新たに提案したが、今度は県が「埋め立てという代償と引き換えにしてまでのものでない」とはねつけ、決裂が決定的になった。副知事、副市長級による最後の事務レベル協議となった5月24日も、改めてトンネル案を説明した県は「住民の反対が多くても、理解を得るため説明していく」とし、一致点は見つからなかった。

 県は7月9日の地元説明会後も地元自治会と日程の調整を続けているが、今のところめどは立っていない。

2086チバQ:2012/11/09(金) 00:02:44
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20121107-OYT8T01459.htm
鞆の浦埋め立て中止  県と住民 なお溝深く


風情ある鞆港。地区のまちづくりの協議は停滞したままだ(福山市鞆町で)  湯崎知事が福山市鞆町の港湾埋め立て・架橋事業の中止方針を示し、県による山側トンネル案の住民説明会が7月9日に開かれてから、4か月が経過する。県は2度目の住民説明会開催を模索するが、架橋事業推進派が多数を占める住民側は県に対する不信感をぬぐえぬまま開催を拒み、行き詰まったままだ。市は「住民の意見を聞く場を設けたいが、地元はまだ心の整理がついていない状況だ」と頭を悩ます。(大森篤志)

 ■いらだち

 7月の説明会は架橋事業推進派の住民団体が欠席し、会場に空席が目立った。県は2回目の開催に向け、幹部が地元に出向くなどして調整を試みるが、開催の見通しは立たない。鞆町内会連絡協議会会長で、推進派団体の代表も務める大浜憲司さんは「まずは撤回についての謝罪と経緯説明が必要。山側トンネル案の説明だけならいらない」と憤りがおさまらない。

 湯崎知事は9月県議会で「鞆の課題を解決するには、駐車場や港湾機能の確保、防災対策などについて、住民の理解を得ながら着手したい。福山市にも協力を呼びかけていく」と述べたが、羽田皓市長は今月5日の定例記者会見で「誠意をもって対応するという知事の言葉はどうなったのか」といらだつ。県と市の溝は埋まらぬままだ。

 ■訴訟の行方

 鞆の浦の埋め立て・架橋事業中止を求めた住民訴訟も宙に浮いた状態だ。

 知事の事業中止表明を受け、県は埋め立て免許申請の取り下げ方針を示した。しかし、埋め立て架橋を求める住民の一定の理解を得ることが必要と考えており「時期は全く未定」とする。

 原告団は、県の免許申請取り下げを確認してから訴訟を取り下げる方針だ。松居秀子・事務局長は「県は住民と十分協議したうえで中止を決めたはず。早く免許申請を取り下げるべきだ」と話す。

 ■町並み保存

 江戸期の町並みを残す鞆町の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)。8・6ヘクタールの指定区域に、250世帯が住む(4月末現在)。景観を守るため、建物を改修する場合は様々な制限がある。市は、住民が厳しい規制を受け入れることと引き換えに、埋め立て架橋を進めて生活環境を整えると説明してきたが、事業中止でその前提が崩れた形だ。

 市は国の支援が受けられる「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建地区)指定を目指し、昨年度に調査を終了したが、申請のめどは立っていない。また、今後の鞆まちづくりについて住民の意見を聞くための会合を開きたいとするが、こちらも「地元の様々な混乱が収まっていない」と、開催時期は未定だ。

(2012年11月8日 読売新聞)

3031チバQ:2014/09/23(火) 09:35:12
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140923-00000018-spnannex-soci
横須賀沖の猿島が聖地化!ジブリの「ラピュタのよう」
スポニチアネックス 9月23日(火)7時0分配信
横須賀沖の猿島が聖地化!ジブリの「ラピュタのよう」
横須賀市にある無人島・猿島にある要塞跡
 神奈川県横須賀市沖の東京湾に浮かぶ無人島「猿島」が、スタジオジブリの人気映画「天空の城ラピュタ」を連想させるとして人気となっている。来島者の増加と景観や史跡保護のため、同市は来年4月から入園料を導入する方針を決めた。宮崎アニメの舞台や、似ている風景は観光地として人気が高く、同島も新たな聖地の一つとなりそうだ。

【写真】無人島・猿島の全景

 同島は周囲1・6キロで、島の半分が猿島公園となっている。同市の三笠桟橋から定期船(中学生以上往復1300円)で10分の距離だ。夏場の海水浴やバーベキューのほか、島内に旧日本軍の要塞(ようさい)跡や砲台跡が残されていることもあり、史跡めぐりが人気。自然豊かな緑や、レンガの要塞跡が「天空の城ラピュタの舞台のようだ」とインターネットなどで話題となり、じわじわと人気が出ている。

 また、「仮面ライダー」の撮影にも使われており、ショッカーの基地があることでも知られている。来島者は2013年度が約11万人で、03年度の1・7倍となっている。同市の公園管理課によると、数年前からバーベキューの利用客数の制限をしているため「海水浴やバーベキュー以外の観光客が増えている」と見ている。

 市は年間約3300万円(14年度)をかけて島の整備を行っているが、ガス・電気・水道はない無人島で、トイレは雨水の循環式。昨年の台風で、木が倒れ、根が張っていた史跡の一部が崩れたこともあり、より本格的な整備が必要となっている。

 「70年以上手を入れていない植物の整備や、なにをするにも資材や機材を船で運ばなければいけない島の管理にはどうしても費用がかさむ」(同課担当者)として、入園料の徴収を検討。今夏、来島者にアンケートを取ったところ、約8割が100〜300円の徴収に理解を示したため、11〜12月に開催される定例議会へ議案として提出することに決めた。正式な料金は未定。

 市では「自然や歴史に興味を持っていただき、観光客が増えるのはありがたいこと。受益者負担として入園料をお願いし、いい状態で保存をしていきたい」と話した。

 ◇ジブリ作品のモデルになったとされる場所

 ▼となりのトトロ(88年公開) 埼玉県所沢市から東京都東村山市にかけて広がる狭山丘陵

 ▼もののけ姫(97年公開) シシ神の住む森は、鹿児島県屋久島の白谷雲水峡

 ▼千と千尋の神隠し(01年公開) 公衆浴場「油屋」のモデルの一つが愛媛県の道後温泉本館。また、入りくんだ路地の風景は台湾北部の町・九分

 ▼崖の上のポニョ(08年公開) 港町の風景は、広島県福山市鞆の浦


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