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トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

105ミケ:2015/06/13(土) 13:32:00 ID:P0ev.7kw
>>103-104の続きでコリン・パターソン博士の“keynote address”についての解説です。
>>104の最後の文ではアンカー間違えましたね。要約・結論は>>106の予定です、
と書こうと思っていましたが、前提知識が1レスで終わりません(汗。>>107かなあ?

創造論者にしばしば引用されるコリン・パターソン博士の“keynote address”が、
実際にはコリン・パターソンが進化否定論者であることを示すものでない
と理解するにはそれなりの前提知識が必要になります。
ということで、ここではそれについて説明していきましょう。

まず、体系学とは何でしょうか?
「体系学」[Systematics]は、生物の類縁関係を研究する学問であり、分類学と系統学の両方にまたがっています。
ダーウィンの時代から既にあった用語(種の起源にも出てくる;和訳では分類学)であることを考えると、
文脈によってはやや分類学よりになると言えるでしょう。

そして生物の分類については、その目的や方法論や考え方の違いからいくつか学派があります。
第一掲示板過去ログでのたまごちゃん (^-^)ノの
2008年3月4日あたりからの一連の投稿が分かりやすいかと思います。
ttp://members.jcom.home.ne.jp/natrom/board080323.html
一応さらに、自分の学んだことを解説します。(一部解釈の違いがあるかもしれません。)

多様な生物をまとめて整理するのが「分類学」[Taxonomy]。
分類学者たちは、今はどうか分かりませんが、少なくとも昔は、
唯一の(真の、そして客観的な)分類体系(=自然分類)があると信じ、それを目指していました。

近代に入る頃になると、
従来の分類における“まとめ方”などが客観的でないことに批判が集まってきます。
なんとなくそれらしい感じになってるけど、よく見るとそのまとめ方が分類群や研究者によってまちまちで、
科学として重要な(と思われる)、客観的な基準がなかったことに問題意識が集まってきたんですね。
それを受けて1950年代に現れたのが「分岐学」[Cladistics]と「表形学」[Pheneticis]というわけです。

さて、ここでちょっと時代は戻りますが、
“分け方”に統一的な基準こそ無かったものの、とにかくみんなで生物を分類整理していくと、
入れ子構造になるとか、おぼろげな法則っぽいものが見えてきていました。
そして、ダーウィンに代表される、共通祖先からの変化と分岐(進化)という考え方が現れ、
どうやらその入れ子構造のほとんどは進化の歴史に由来することが分かってきたと。

客観的なまとめ方が提案できなかった中で現れた、
「現在の類似度の構造は進化の歴史を反映したものである」という考え方は魅力的でした。
(逆に言えば、たまごちゃん(^-^)ノの投稿にもあるように、
「分類」それ自体は必ずしも進化という考え方を必要としない・しなかったわけです。)

進化の考え方を元に、分岐の順番を使って分類してみよう、として現れたのが
「分岐学」[Cladistics]・「分岐分類」[Cladistic classification]と呼ばれる分類法
これで自然で客観的な真の分類・整理が可能になった!
……と思いきや、話はそう簡単ではありませんでした。
分岐学的基準を用いると、爬虫類や魚類といったまとまりが分類群として成立しなくなってしまうのです。
これでは人間の感覚と乖離する。目指していたのは誰がどう見ても正しい分類ではなかったか?と。
参考として私の投稿
ttp://6609.teacup.com/natrom/bbs/13721

ともかく分岐分類とは、そういった人間の感覚的な分類を割り切った手法と言えるでしょう。
ちなみに、現在でこそ手法が発達して(現生の生物であれば)DNAを直接比較して分岐学を適用できますが、
初めの頃は特定の形質を選んで比較する方法でした。
これは選ぶ形質が適切でないと変な結果になってしまうので注意を要します。


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