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トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

1ミケ:2006/02/03(金) 20:48:10 ID:zcGeqzE6
表の議論を見てて立てたくなりました。
探すのに苦労したソースや頻出するネタに対する突っ込みソース(著書、論文、ウェブページ)
を簡単な解説と引用をつけて列挙するスレ。

表は、メインとミラーの入れ替えで、過去ログを探しにくくなりましたし、
Yahoo!とか再評価掲示板とかで示したことがあるソースをまた探すのはきつい。

これを引用するようにすれば既出ネタで血圧を上げる心配もありません。
また、同じネタに対して異なる複数の論点での反論がある場合も、
ここのNo.○○と××と△△を見よ。
見たいな感じで『フクロ状態』を軽減できるかもしれません。

103ミケ:2015/06/13(土) 12:06:48 ID:P0ev.7kw
さて、前の投稿(>>100)で少し触れた「横道」の話です。
創造論者によるコリン・パターソン博士の引用は「中間型など存在しない」の他にもあるようです。
>>100-102>>82で紹介したライオネル・タニッセンの文章のタイトルには“Two Cites”と出てきますね。
Talk Origins Archive
「Patterson Misquoted - A Tale of Two 'Cites'」
ttp://www.talkorigins.org/faqs/patterson.html

コリン・パターソンからライオネル・タニッセンへの手紙の中で、
もう一つの“引用”について触れられています。
それが、1981年にニューヨークのアメリカ自然博物館で行われたという“keynote address”です。
この“keynote address”は、1981年、ニューヨークのアメリカ自然史博物館において
博物館関係者の勉強会のようなものでしょう、“Systematics Discussion Group”へ向けられたコリン・パターソン博士のトークでした。
そのタイトルは“Evolutionism and Creationism”ですが、
実際のところ、これは進化論と創造論をテーマにしたトークではなく、
分類学・体系学に関するトークだったようです。

とりあえず、ライオネル・タニッセンへの手紙の中の文章を読んでみましょう。
**********(以下引用1)**********
That brush with Sunderland (I had never heard of him before) was my first experience of creationists. The famous "keynote address" at the American Museum of Natural History in 1981 was nothing of the sort. It was a talk to the "Systematics Discussion Group" in the Museum, an (extremely) informal group. I had been asked to talk to them on "Evolutionism and creationism"; fired up by a paper by Ernst Mayr published in Science just the week before. I gave a fairly rumbustious talk, arguing that the theory of evolution had done more harm than good to biological systematics (classification). Unknown to me, there was a creationist in the audience with a hidden tape recorder. So much the worse for me. But my talk was addressed to professional systematists, and concerned systematics, nothing else.
I hope that by now I have learned to be more circumspect in dealing with creationists, cryptic or overt. But I still maintain that scepticism is the scientist's duty, however much the stance may expose us to ridicule.
**********(以上引用1)**********

**********(以下和訳1)**********
サンダーランド(私はそれ以前に彼のことを一度も聞いたことがないが)との小競り合いは、私にとって初めての創造論者との体験だった。[※訳者注:ここで「一方で」と入れるのが正しい?]1981年にAmerican Museum of Natural Historyで催された有名な“keynote adress”は、決してそのようなものではなかった。それは博物館の、(極めて)非公式なグループである“Systematics Discussion Group”へ向けたトークだった。私は彼らに向けて、“進化論と創造論 ”に関して話をするよう頼まれていた;ちょうどその前の週のサイエンス誌に掲載されたエルンスト・マイヤーによる論文によって憤激[※白熱?]していた。私はかなりざっくばらんなトークを行い、その中で、進化論は生物学的体系学(分類)に対して、利益よりも害をもたらしたことを指摘した。私は知らなかったが、その聴衆にはテープレコーダーを隠し持った創造論者がいた。私にとってはますます悪いことだ。しかし私のトークは他の何者にでもなく、プロの体系学者や関連する体系学に向けられたものだったのだ。
私も今では隠れたあるいは公然の創造論者を相手にする場合はもっと慎重であるべきだと学べた、と思いたい。しかし、私は今でも、いかに多くの嘲笑に晒されようとも、懐疑論は科学者の義務であるという立場を維持してる。
**********(以上和訳1)**********

読んだ直後の印象として、
どうやら受け取り手が正しい意味で引用しなかったのは間違いないようだなと。
しかし、「懐疑論的な考え方をヒートアップして喋って拡大解釈されたっぽいな」
というところまではな何となく想像できたものの、今ひとつピンとこなかったので、
色々とネット上を漁ってみました。参考になったHPの紹介は次のレスで。

104ミケ:2015/06/13(土) 12:22:48 ID:P0ev.7kw
>>103の続きです。
創造論者に引用される、コリン・パターソン博士の“keynote address”について。
ライオネル・タニッセンへの手紙ではいまいちピンとこないので
それについての詳細を探るべくネットを漁りました。

非公式のトークじゃ原文探すのは無理だろうと早々に諦めて概要だけつまんでるようなのを探していました。
……まあ隠れて録られたというテープを売ってるらしきページはありましたけどね。
そしてさしあたって、内容を推測する参考になったのは以下のHP

Colin Patterson quote misuse (ftqz's quoting)
by Brett J. Vickers
ttp://www.skepticfiles.org/evolut/missquot.htm

Colin Patterson Revisits His Famous Question about Evolution
by Paul A. Nelson(ID論者)
ttp://www.arn.org/docs/odesign/od171/colpat171.htm

So You Want to be an Anti-Darwinian
by John Wilkins
ttp://www.talkorigins.org/faqs/anti-darwin.html

Transformed cladistcs(Pattern cladistics)
@英語版Wikipedia
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Transformed_cladistics

オマケ
・Keynote addressの前の週にサイエンスに掲載された分類と進化に関するマイヤーの論文
Mayr E. 1981. Biological Classification: Toward a Synthesis of Opposing Methodologies. Science 30 Vol. 214 no. 4520 pp. 510-516


その結果、何となくですが流れが読めたのですが、
その過程でそのトーク全体の原稿が公開されていることに気付きました。
もっと早く探せばよかったorz

リンネ学会(Linnean Society)のHPから
Home>Our Publications>The Linnean>Vol.18, No.2 Aprilで見られるPDF

その15ページから33ページまでがそれです。
その直前に「Systematics and creationism」というタイトルで
それが公開されるに至った経緯等が書かれています。
長いので挫折しましたがSystematics and CreationismとEvolutionism and Creationism
それぞれ本文の最初と最後のほうを機械翻訳に頼りつつ流して読んでみました。
おおよそ推測どおり。またどのように切り取られたのかも分かって面白かったです。
それから科学史的な観点からも結構面白いです。

これまた結論から書きたいところですが、
その結論を理解するにはどうやらそれなりの前提知識を必要とするようです。

それなりの前提を必要とする主張であることを考えると、
このケースは不完全な引用でもありますが、もしかしたら無知からくる誤解もいくらか含まれるかなと感じました。
(一応はっきりと「このトークは進化論・創造論の論争についてのものではない」と本文中で述べられてはいますが)
それもあってネットに残っているパターソンの釈明は
“それは体系学のみに関するものであってプロに向けたものだ”くらいに留まっているのかもしれません。
本当に釈明しようと思ったら、次のレスにあるような内容を、
(場合によっては生物に興味も知識もない創造論者にも)一から説明しなければならないわけですから。

ということで、次のレスでは、まずその前提知識から解説していきます。
前提知識を読みたい方は>>104、要約・結論を読みたい方は>>105くらいの予定です。
もしかしたら、後でさらに突っ込んだ話を追記する可能性があります。


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