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1帝王学の基本は闘争本能:2004/01/01(木) 20:33
・・・です

16帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 17:09
■科学に楽しさを:2003年『イグ・ノーベル賞』授賞式

 オーストラリア人のジョン・カルベナー氏は、羊の毛を刈ることにかけては非常にまじめに考えている。牧場で育ち、毛を刈るために羊を移動させるときに羊飼いたちがケガをするのを見てきたからだ。しかしカルベナー氏が10月2日(米国時間)夜、由緒正しいハーバード大学のサンダーズ・シアターで発表した、羊の毛を刈る際の安全性に関する研究は、会場に集まった1200人の騒々しい大学生たちの爆笑を呼んだ。今回発表された『さまざまな床面において羊を引っ張るのに必要とされる力の分析』という題の論文は、昨年11月、カルベナー氏が同僚たちとともに『アプライド・エルゴノミクス』誌に掲載したものだ。

 しかし、カルベナー氏は聴衆の反応を不快に思うことはなかった。なぜなら、どれだけ笑われようと、今年も開催されたこの第13回『イグ・ノーベル賞』授賞式では、物理学賞のトロフィーを授与されるからだ。イグ・ノーベル賞は、あのノーベル賞をパロディーにした人騒がせな賞だ。今年のトロフィーは、透明なプラスチックの箱に入った長さ1ナノメートル[10億分の1メートル]の金の延べ棒だった。本物のノーベル賞を受賞した科学者のウォルフガング・ケーテル氏やリチャード・ロバーツ氏たちも今年の授賞式のプレゼンターとして登場(写真)、授賞式の中では恒例の紙飛行機が飛び交い、美貌の科学者と酸素原子との恋物語を描いた「ナノ・オペラ」の『アトムとイブ』も披露された。今年のテーマ「ナノ」に合わせて受賞後のスピーチは24秒に制限され、続いて発表の要旨を明解に7語にまとめるよう求められる。ステージに呼ばれたカルベナー氏は、お礼の言葉をろくに言う暇もなく、側に立って「長すぎるわ。もうやめて。退屈よ」と繰り返す少女に遮られ、席に連れ戻されてしまった。アカデミー賞授賞式のプロデューサーも、この式次第を見習いたいと思っているかもしれない。

 ユーモア科学雑誌の『奇想天外な研究年次レポート』(Annals of Improbable Research、AIRという言い得て妙な略称でも知られている)が主催するイグ・ノーベル賞は、毎年、どういうわけか科学の主流から注目を浴びそこなってしまった研究に対して与えられる。受賞者たちによるとイグ・ノーベル賞の趣旨は、ただ面白がるだけでなく、科学に楽しさを取り戻すところにあるという。「もし自分を笑い飛ばすことができて、自分の仕事を楽しめるなら、もっとクリエイティブに思考でき、さらに成果があがるだろう。深刻な問題に取り組んでいるときでも、楽しめないわけはない」とカルベナー氏は話している。

17帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 17:12
■“和解”で図る競合つぶし--トロンに屈したMSにリナックスの影

 9月25日、米マイクロソフトの古川享副社長と国産OS(基本ソフト)「トロン」の開発リーダーである坂村健東京大学教授は揃って記者会見に臨み、マイクロソフトがトロン陣営に加わったと発表した。「歴史的な和解」と騒がれたこの提携。パソコン時代の勝ち組であるマイクロソフトといえども、もはや1社ですべてを独占することはできないという時代の変化を象徴したものとの見方がもっぱらだ。この見方はある面では正しい。業界関係者の中には、マイクロソフトにとっては「屈辱的な選択だった」という指摘もある。だが、積年のライバルであるトロンにただ屈したと考えるのは早計だ。その裏には、電子政府向け情報システムやデジタル家電で急成長中のリナックス陣営に対する反転攻勢の戦略がしっかりと織り込まれていた。

●大企業病で社内調整に遅れ?

 実はこの歴史的和解、発表からさかのぼること1年3カ月前の昨年6月には既に両者の間で合意されていた。坂村氏がトロンの開発団体「T-エンジンフォーラム」を発足させた際、マイクロソフト側から中核メンバーとして参加したいと打診してきたのだ。トロンは、携帯電話やデジタルカメラ、家電製品などのOSとして急成長し、非パソコン分野では業界標準の座を獲得した。T-エンジンフォーラムは現在、国内外の主要メーカーなど約250社が参加する一大集団となっている。これだけの格差が開いた以上、自前主義を貫くのは無駄。そうした判断はマイクロソフト社内でかなり早い段階で下されていた。だが、実際にトロン連合への参加を発表するまでには1年以上もの時間が空いた。変化のスピードが速く、決断の遅れが命取りになりかねないIT業界では、あまりにも長いブランクである。昨年6月時点で坂村氏は「大きくなりすぎた組織が弊害になっているようだ」と、米本社の開発部隊に残る抵抗勢力の説得といった社内調整に、マイクロソフトが手間取っていると見ていた。トロンとの提携をまとめた古川氏は、「技術、事業計画、知的財産権といった様々な点について、社内ではものすごく速いスピードで検討を進めた」と、大企業病説を否定する。もっとも、調布技術センター(東京都調布市)で、「隠れキリシタン」(古川氏)のように検討を進めていたという。トロンと組むことでマイクロソフトは自社OSの「ウィンドウズCE」を改造する必要に迫られる。社内調整を慎重に進めていたのは確かだが、今年2月には来日したビル・ゲイツ会長への説明も済ませ最終的なゴーサインを得ていた。この時点でも発表しなかったのには理由がある。

●水面下で突きつけた「踏み絵」

 複数の業界関係者によれば、マイクロソフトはこの間、何社かのメーカーやソフト会社に対して個別に提携交渉を持ちかけていた。その骨子は、デジタル家電向けのOSとしてトロンだけを採用し、リナックスなどのマイクロソフトのライバル陣営への対応を断念せよというもの。その代わり、今後の共存関係を保証する。トロン-ウィンドウズを取るか、それ以外を取るかという「踏み絵」を突きつけて、ライバルを追い詰めるための外堀固めを水面下で進めていたというのである。1980年代末にトロンOSを搭載したパソコンが登場した時、マイクロソフトはその優れた性能に戦々恐々とした。「トロンが普及すれば、過去の資産が無駄になり、他社と同じスタートラインに立つことになる。何が何でもトロンをつぶせという指示が下った」。当時のマイクロソフト日本法人に在籍した元社員は、そう証言する。米国政府からの圧力でトロンパソコン計画は頓挫し、マイクロソフトにとっての脅威は消えた。今、自前主義を捨ててまでトロンと組み、リナックスつぶしに突き進む。ライバルに追われた時、パラノイア(偏執症)的な拒否反応を示すマイクロソフトのDNAは、昔も今も基本的に変わっていない。ただ、マイクロソフト流のやり方で巻き返しなるかは未知数である。

18帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 17:57
■NECソフトが中国でのオフショア開発に失敗で20億円の損

 NECソフトは中国でのオフショア開発に失敗し、多額の損失を出した。中国に発注していたJavaによる大規模な販売物流システムの開発が難航し、このプロジェクトだけで上半期に約10億円の損失を出した。下半期と合わせると損失は20億円程度に膨らむ模様だ。オフショア開発は、コスト削減を目的に海外のソフト会社へ開発を委託すること。

 NECソフトは、販売物流システムの開発プロジェクトが難航した原因について、「タイトなスケジュールのもと、開発基盤となるフレームワークの整備やプログラム部品の活用に関する体制が整わないまま中国の提携ソフト会社に外注した。結果、テスト時にパフォーマンスが極端に低いことが分かり、日本の本社内で最初から作り直すことになってしまった」(広報)と説明している。

 現在も販売物流システムを急ピッチで作り直している最中。完成するのは来年春ごろになる。当初は2003年末までにシステムを納品する予定だったと見られる。この影響で、同社が10月22日に発表した2003年度9月中間期決算は、経常利益が前年同期比38%減の約29億円と大幅減益だった。

 上半期の予算に対する経常利益の減少分は約18億円。そのうちの大半が、このプロジェクトの影響である。2003年度通期(2003年4月〜2004年3月)の連結経常利益は、前年同期比約14%減の82億円になる見通し。

19帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 22:09
■Gartner Column:第115回 SunはMicrosoftに学ぶべきだ

 今のSunが苦しい状況にあることは否定できない。この苦境を乗り切るためには、彼らはMicrosoftに学び、ドラスティックな方向転換をする以外の道はないだろう。2001年初め、Sunは歴史的好業績を達成した。その後、私はこのコラム(第23回 サン・マイクロシステムズは勝ち組でいられるか?)で、ドットコムブームとも相まって向かうところ敵なしであったSunの経営陣に対し、Gartnerの某アナリストが述べた「今のSunは10年前のDECに似ている」という発言を紹介した。

 あれから約2年半後の現在、Sunの現状を見るに残念ながらこの某アナリストの観測は正しかったと言わざるをえない。連続10四半期にわたり同社の収益は継続的に低下しており、先の9月に終了した四半期ではキャッシュフローすらマイナスになってしまったからである。Sunの業績低迷の理由としては、ドットコムブームが去り、世界的にIT投資が控えられる傾向にあるという点はある。しかし、最大の理由は、Digital(DEC)の凋落の理由と同じ、つまり、SPARC/Solarisというプラットフォームにほれ込みすぎ、ほかの選択肢に目が向かなくなってしまったことであろう(DECもVAX/VMSというプラットフォームが優秀でありすぎたために、RISCとUNIXへの転換が遅れてしまったといえる)。英語の言い回しでは、「victim of its own success」(自らの成功の犠牲)という状態である。

 Linuxへの対応が遅れたことはSunの大きな誤りだった。LinuxがMicrosoftにとって大きな脅威となっているのはもちろんだが、現時点での市場のインパクトと言う点では、LinuxはUNIX市場においてより大きな脅威となっている。そして、Linuxが積極的に採用されているインターネットインフラの領域は、SPARC/Solarisが優位性を維持してきた分野でもある。実際、多くのサービスプロバイダーでWebサーバとして使用されているSPARC/SolarisからLinuxへのリプレースが行われている。さらに、Sunは、最近までIntelプラットフォームの販売、Linux向けのソフトウェアやサービスに積極的でなかったことから、結果的に最もLinuxの台頭によってダメージを被ったベンダーとなってしまった。ほかのベンダーは仮にUNIXサーバがLinuxで置き換えられても、IAサーバの販売、ソフトウェアやサービスの提供によりある程度収益を取り戻せるからである。もちろん、SPARC/Solarisのテクノロジーは現時点でも最高レベルであるし、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)のサポートは依然として強力である(ほかのUNIXでの標準化を強制している企業であっても、特定のソフトウェアの稼働のためにSolarisを使用せざるを得ないことも多い)。テクノロジー的にSolarisとLinuxを比較すれば、Solarisが遥かに上だろう。しかし、ITの歴史の中では「best」のテクノロジーが生き残ってきたとは限らない。「best」テクノロジーの最大の敵は「good enough」なテクノロジーなのである。

 ところで、ITの世界で「自らの成功の犠牲」となることを最も巧みに避けてきたベンダーのひとつはMicrosoftではないだろうか? かつてのコラム(第4回 マイクロソフトの.NET戦略は何故わかりにくいのか?)においても述べたが、従来型のパソコン通信の世界から大きく舵取りを変え、インターネットの世界でも重要プレーヤーとなることに成功した同社の変革のスピードの速さは驚嘆に値する。Microsoftの強みは、リスクをいとわず先行投資すること(実際、Microsoftの長期的イニシアチブの多くが失敗している)、競合の脅威に対して過剰なほど反応する「超心配性」企業であること、いったん、戦略転換を決定した場合には過去を否定することをいとわないこと、そして、「embrace and extend」、つまり、「(競合を)積極的に採用し、(自社に都合の良いように)拡張する」という戦略にある。Sunにとっては耳が痛い話かもしれないが、今、同社に求められているのは、このMicrosoftのような貪欲な姿勢であると言えるだろう。

20帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 22:10
■Gartner Column:第115回 SunはMicrosoftに学ぶべきだ

 今のSunが苦しい状況にあることは否定できない。この苦境を乗り切るためには、彼らはMicrosoftに学び、ドラスティックな方向転換をする以外の道はないだろう。2001年初め、Sunは歴史的好業績を達成した。その後、私はこのコラム(第23回 サン・マイクロシステムズは勝ち組でいられるか?)で、ドットコムブームとも相まって向かうところ敵なしであったSunの経営陣に対し、Gartnerの某アナリストが述べた「今のSunは10年前のDECに似ている」という発言を紹介した。

 あれから約2年半後の現在、Sunの現状を見るに残念ながらこの某アナリストの観測は正しかったと言わざるをえない。連続10四半期にわたり同社の収益は継続的に低下しており、先の9月に終了した四半期ではキャッシュフローすらマイナスになってしまったからである。Sunの業績低迷の理由としては、ドットコムブームが去り、世界的にIT投資が控えられる傾向にあるという点はある。しかし、最大の理由は、Digital(DEC)の凋落の理由と同じ、つまり、SPARC/Solarisというプラットフォームにほれ込みすぎ、ほかの選択肢に目が向かなくなってしまったことであろう(DECもVAX/VMSというプラットフォームが優秀でありすぎたために、RISCとUNIXへの転換が遅れてしまったといえる)。英語の言い回しでは、「victim of its own success」(自らの成功の犠牲)という状態である。

 Linuxへの対応が遅れたことはSunの大きな誤りだった。LinuxがMicrosoftにとって大きな脅威となっているのはもちろんだが、現時点での市場のインパクトと言う点では、LinuxはUNIX市場においてより大きな脅威となっている。そして、Linuxが積極的に採用されているインターネットインフラの領域は、SPARC/Solarisが優位性を維持してきた分野でもある。実際、多くのサービスプロバイダーでWebサーバとして使用されているSPARC/SolarisからLinuxへのリプレースが行われている。さらに、Sunは、最近までIntelプラットフォームの販売、Linux向けのソフトウェアやサービスに積極的でなかったことから、結果的に最もLinuxの台頭によってダメージを被ったベンダーとなってしまった。ほかのベンダーは仮にUNIXサーバがLinuxで置き換えられても、IAサーバの販売、ソフトウェアやサービスの提供によりある程度収益を取り戻せるからである。もちろん、SPARC/Solarisのテクノロジーは現時点でも最高レベルであるし、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)のサポートは依然として強力である(ほかのUNIXでの標準化を強制している企業であっても、特定のソフトウェアの稼働のためにSolarisを使用せざるを得ないことも多い)。テクノロジー的にSolarisとLinuxを比較すれば、Solarisが遥かに上だろう。しかし、ITの歴史の中では「best」のテクノロジーが生き残ってきたとは限らない。「best」テクノロジーの最大の敵は「good enough」なテクノロジーなのである。

 ところで、ITの世界で「自らの成功の犠牲」となることを最も巧みに避けてきたベンダーのひとつはMicrosoftではないだろうか? かつてのコラム(第4回 マイクロソフトの.NET戦略は何故わかりにくいのか?)においても述べたが、従来型のパソコン通信の世界から大きく舵取りを変え、インターネットの世界でも重要プレーヤーとなることに成功した同社の変革のスピードの速さは驚嘆に値する。Microsoftの強みは、リスクをいとわず先行投資すること(実際、Microsoftの長期的イニシアチブの多くが失敗している)、競合の脅威に対して過剰なほど反応する「超心配性」企業であること、いったん、戦略転換を決定した場合には過去を否定することをいとわないこと、そして、「embrace and extend」、つまり、「(競合を)積極的に採用し、(自社に都合の良いように)拡張する」という戦略にある。Sunにとっては耳が痛い話かもしれないが、今、同社に求められているのは、このMicrosoftのような貪欲な姿勢であると言えるだろう。

21帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 22:14
■国立大 法人化で変わる収入方程式

 来春、法人化され、自ら“稼ぐ”ことが課題となる国立大学で、研究成果を基に取得される特許などの知的財産が、金のなる木として注目されている。そんな戦略を練りはじめた各大学が、論文のほかに“知財”になっているかどうかを研究者への評価対象に加えるのは確実だ。しかし「大学が知財を考えて研究するのは本末転倒」という声も上がっている。 (科学部・大島弘義)

■帰 属

 特許に代表される知財の帰属は、現在の国立大学には法人格がないため、原則として発明者個人だった。法人化後はそれが大学となる。その特許を、発明した研究者が関与するベンチャーが利用するのか、高額での購入を望む他の企業に与えるのかという問題が生じる可能性がある。

 研究者と大学の利益が一致しない場合も想定される。東大はそうした場合に備えて、学内の委員会が事前に判断するとのルールを決めた。国立大では知的財産本部を設置してルールづくりを急いでいるが、東大のやり方が他大学の取り組みにも影響するとみられる。

 「学内の意識は確実に高まっている」と、石川正俊・東大産学連携推進室長はいう。同室長のもとには、ベンチャー企業の設立を目指す学生から、大学に支援してほしいという相談も届く。

■賛 否

 現在、大学や研究機関の研究成果を産業界へ移転する業務は、株式会社や財団法人として設立した「TLO(技術移転機関)」が担う。文科省と経産省が承認したTLOの数は三十六に上る。

 東大の研究者が出資した「先端科学技術インキュベーションセンター」(東京都千代田区)もその一つ。国内では数少ない黒字企業だ。昨年、研究者が持ち込んだ発明が三百件と、TLOが盛んな米スタンフォード大とほぼ同数だった。

 今年はそれを上回る勢いで、山本貴史社長は「学会発表の前に相談してほしいと、研究者に呼びかける活動が浸透してきた」と話す。

 だが、「特許を取るだけなら、発明の九割は可能だと思うが、マーケティングが問題」と山本社長。使われない特許ならメリットは小さい。それを見極める優秀な人材を、自前でどう集めるかが課題とみる。

 これまで研究者がTLOに特許取得や出願の相談や依頼を行っていたが、今後は知財本部が大学としての戦略やルールをつくり、それをもとにTLOが実務を担うという体制が基本になりそうだ。このため、知財本部とTLOの連携も大きなかぎとなる。

 一方、企業にとっても研究者との関係は変わる。知財が研究者に帰属していた時は、知財の扱いを事前に決めない“おつきあい型”の共同研究も少なくなかった。TLOを介さず、特許を企業に任せることも可能だったが、今後は難しくなる。

 大手電機メーカー関係者は「知財問題を先送りせず、クリアにしてから研究を始められる」と前向きにとらえる。一方「大学が知財のことばかり考えて研究するのは本末転倒」(食品メーカー関係者)と心配する声も聞こえた。

 文科省は本年度から知財本部の整備に力を入れ、三十四大学を重点的に支援する。特許収入は大学にとって有力な収入源になる。これまで“官”の一部だった大学には、産業界のスピードに合わせた迅速な意思決定が求められそうだ。

 (メモ)知的財産

 人間の創作や発明による成果で、特許、実用新案、意匠、商標の工業所有権と、小説や音楽などの著作権がその代表。昨年、政府の知的財産戦略会議が「知的財産戦略大綱」をまとめ、今年3月、基本法を施行。知財の保護と活用が、経済活性化と国際競争力アップのかぎの一つとなっている。

22GPL関係 その1:2004/01/02(金) 22:33
■GPLは契約として成り立つか---日本法との整合性を検証する

 オープンソースライセンスとして広く利用されているGPL(General Public License)は、日本の法律上、契約に当たるのだろうか。それともプログラム製作者が一方的に著作権を行使しないと宣言しただけの話なのだろうか。東京平河法律事務所の小倉秀夫氏は12月5日、オープンソースに関するカンファレンス「Open Source Way 2003」において、この問題について解説した。

 GPLは、リチャード・ストールマン氏が1980年代に考案したライセンス供与条件で、全ての人にソースコードの修正、配布を認めたもの。ただし、修正版を配布する際には修正内容を公開することが条件となっている。現在はLinuxカーネルをはじめ、多くのオープンソースプロジェクトに採用されている。

 小倉氏によると、GPLは契約なのか、プログラム製作者が自分の著作権を行使しないという宣言(これを不行使宣言という)なのかによって、いくつかの点で法律を適用する際に違いがでてくるという。具体的には派生物(derivative work)の範囲を超えた関連作品の扱いや、ソースコードの引き渡し義務の有無、GPLが定める無保証条項の効力といった点で、違いが生まれるという。

GPLは契約として成立しうるか


東京平河法律事務所の小倉秀夫氏

 小倉氏はまず、GPLが契約として成立しうるのかという点について検証した。GPL第5条では、「プログラムの改変や配布を行った場合、GPLを受け入れたことを意味する」という条項がある。しかし、契約というのは通常、利用者が契約書にサインするといった承諾行為があって成立するとされている。

 小倉氏はこの点について、民法526条の条項から契約として成り立つだろうと語る。526条には、承諾の意思表示と認められる事実があれば契約が成立するという項目がある。つまり、契約によって得られる権利を実行した人は承諾の意思を示したと考えられるのだ。したがってプログラムの改変や配布を行った人は承諾の意志を示したと判断でき、GPLは契約と見てよいと考えられるという。

GPLの「無保証」は法律上有効か

 小倉氏はGPLが掲げる無保証条項について、GPLが契約と判断された場合と、不行使宣言である場合の違いについて紹介した。GPL第11条には、「このプログラムは無償でライセンスされるため、適用法の範囲内でプログラムに関する保証はない」と記載されている。これが免責条項として成立するのか、という問題だ。

 GPLがもし不行使宣言にすぎないとしたら、これは著作権者の一方的な宣言であり、利用者に損害賠償権を行使するなと言うことはできない。一方、GPLが契約であれば、利用者がプログラムを変更、翻案、配布した際に契約が成立したと考えられる。したがって、免責に関しても合意がなされたものと判断されるという。

23GPL関係 その2:2004/01/02(金) 22:34
 ただし、利用者がプログラムを入手して使用しただけの場合、話は異なる。プログラムの使用はライセンスの範囲外だからだ。ここではGPLの契約が成立したとは判断されない。したがって、免責事項についても合意があったとは認められない。「これはGPLにとってつらい話かもしれない」(小倉氏)。もしGPLの下で公開されたプログラムにバグがあって、利用者が損害を受けた場合、訴訟を起こされる危険性があるというのだ。

 「いままでGPLのソフトウェアを使っていた人はFSF(Free Software Foundation)の理念に共鳴する“いい子”だったので、訴訟を起こすようなことはなかった。しかし今後ソフトウェアがより広く利用されれば、“悪い子”も出てくるだろう。この点には気を付ける必要がある」(小倉氏)

プログラムの改変が著作権を侵害する可能性も

 小倉氏はGPLと日本の法律が合わないケースが存在することについても紹介した。GPLは米国で起草されたライセンスのため、日本の法律とは一致せず、FSFの意図した通りに適用されない場合があるという。

 GPLと日本の法律の間で最も整合性が取れていないのが、著作権法で守られている著作者人格権の問題だと小倉氏は話す。著作者人格権とは、著作物を作った人物(著作者)の権利を保証するもので、他人が著作者に無断で著作物を公表したり、著作者の名誉を損害する方法で著作物を利用したりすることを禁止している。さらにこの著作者人格権には、著作者の許可なく表現を勝手に変えてはならないという同一性保持権が含まれる。この同一性保持権がGPLと合わない場合があるというのだ。

 GPLが作られた米国では著作者人格権というものが保護されておらず、問題にならなかったという。しかし日本の法律の場合、「世界でもまれなくらい著作者人格権が強く守られている」(小倉氏)ため、プログラムを改変すると同一性保持権に触れる可能性があるというのだ。

 小倉氏が問題にするのは、GPLでプログラムを公開した人が、プログラムの著作者から著作権を譲り受けた人である場合だ。「このとき、著作者がプログラムの改変について同意しているとは限らない」(小倉氏)。

 著作権法20条には改変に関する例外規定があり、「プログラムの著作物をコンピュータでより効果的に利用するために必要な改変」であれば、例外として認められるという。ただしその改変が「効果的」であると判断するのは誰か、という点で課題が残ると小倉氏は指摘する。改変した本人が効果的だと思えばそれでいいのか、それとも客観的に見て効果的であると認められるものでなければならないのか、という問題だ。小倉氏は、判例が少ないのでどちらとも決められないとしながらも、「個人的には主観的な判断で効果的だと思えばいいのではないか」との考えを示した。

24帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 22:53
オープンソースは日本のソフトウェア産業に福音をもたらすか


永井美智子(CNET Japan編集部)
2003年12月15日(月) 1時29分


 オープンソースの登場は、日本のソフトウェア産業に福音をもたらすのだろうか。このようなテーマに対し、12月12日、都内で有識者による鼎談(ていだん)が行われた。

 議論を行ったのは中央大学理工学部教授の土居範久氏、北海道オープンソース&セキュリティ(HOSS)理事長でIPテレコム社長の関崎裕一氏、NTTコムウェア取締役ビジネス創出部長の長野宏宣氏の3名。司会はOSDLジャパン ラボディレクタの高澤真治氏が務めた。

 鼎談(ていだん)はまず、日本のソフトウェア産業が抱える問題点の指摘から始まった。土居氏は日本のソフトウェア産業はほとんど国際競争力がなく、人材の層も薄いと指摘する。

 その原因の1つは、大学側に問題があると土居氏は認める。日本の国公私立大学で、情報通信関連を専門にする教師の数は約2600人、その中でソフトウェア関連の教師は130人ほどしかいないという。カリキュラムについても、「OSやコンパイラなどを教えようとすると“古臭い”と言って拒否される」(土居氏)といい、環境情報学などの応用分野ばかりがもてはやされていると嘆く。「OSに関しては教える人もいない。コードを見せることはできても、アルゴリズムやその背景にある哲学を教える人がいない」(土居氏)

 研究員の数も欧米に比べ日本は突出して少ないという。土居氏によると、情報関連の国立研究所は全国で3つしかなく、研究員も合計で300人程度とのことだ。それに比べ、例えばドイツでは約2500人、フランスとインドはそれぞれ2000人ほどおり、フランスとインドでは倍の4000人にしようという国家的な取り組みがなされているという。


OSDLジャパンの高澤真治氏(左上)、NTTコムウェアの長野宏宣氏(右上)、中央大学の土居範久氏(左下)、北海道オープンソース&セキュリティ(HOSS)の関崎裕一氏(右下)

 ただし、原因は大学側にだけ存在するわけではないと土居氏は訴える。日本でプログラマがという職業が魅力的なものになっていないことも問題だというのだ。大企業はシステムの受注を行った後、小さな下請け企業に不平等な契約でプログラミングをさせていると土居氏は指摘する。結果として、大学などで専門的な技術を学んでいない人がプログラマになっており、大学などで専門技術を身につけて大企業に入社した人はプログラマでなく、プロジェクトの管理を行うという現状が生まれているという。「大学が人材を育てていないという批判もあるが、これでは産学連携が機能しない」(土居氏)

 ではこのようなソフトウェア産業の現状において、オープンソースはどのような役割を果たせるのだろうか。長野氏は、オープンソースを利用して企業が技術力を磨くことで、中小企業でも業界の構造を打ち破る可能性があると語る。

 その例として挙げたのが、NTTコムウェアが出資するVA Linux Systems ジャパンだ。長野氏によると、VA Linuxには実際にLinuxカーネルのメンテナンスを行っている人がおり、最近ではチェコなど海外からVA Linuxに就職したいというメールが舞い込むそうだ。また、国内大手ベンダーからもカーネルのチューニングの依頼を受けているという。「ここはあいつらしかいないというのが生まれればビジネスになる」(長野氏)

 一方関崎氏は、オープンソースを利用することで、新しいパラダイムのコンピュータ環境を作れる可能性があると語る。コンピュータが誕生した当時はネットワークが存在せず、UNIXも元々はエンジニアリングツールだったと指摘し、「今使っているソフトウェア環境や通信環境はこのままでいいのかとういう疑問がある」と関崎氏は言う。オープンソースを利用すれば、ネットワーク中心の現状に合わせた新しいコンピュータ環境が作れるのではないかというのだ。方法としては、新たなOSを作ったり、現在すでにあるものを組み合わせて新しいものを作るといったものが考えられるとした上で、「オープンソースでならできるかも、ということはたくさんあるだろう」(関崎氏)とした。

 長野氏も関崎氏の意見に賛同する。Windowsについて「Microsoftはどのベンダーのハードウェアでも使えるようにしたという点でたしかに素晴らしいことをした」と述べた後、「ただ、いくらパッチを当てても直らない」と手厳しくコメント。そして、Linuxであれば自分たちでパッチを作ることも可能だと話し、「オープンソースであれば選択肢が広がる。本物のオープンになる」と期待を寄せた。


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