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17帝王学の基本は闘争本能:2004/01/02(金) 17:12
■“和解”で図る競合つぶし--トロンに屈したMSにリナックスの影

 9月25日、米マイクロソフトの古川享副社長と国産OS(基本ソフト)「トロン」の開発リーダーである坂村健東京大学教授は揃って記者会見に臨み、マイクロソフトがトロン陣営に加わったと発表した。「歴史的な和解」と騒がれたこの提携。パソコン時代の勝ち組であるマイクロソフトといえども、もはや1社ですべてを独占することはできないという時代の変化を象徴したものとの見方がもっぱらだ。この見方はある面では正しい。業界関係者の中には、マイクロソフトにとっては「屈辱的な選択だった」という指摘もある。だが、積年のライバルであるトロンにただ屈したと考えるのは早計だ。その裏には、電子政府向け情報システムやデジタル家電で急成長中のリナックス陣営に対する反転攻勢の戦略がしっかりと織り込まれていた。

●大企業病で社内調整に遅れ?

 実はこの歴史的和解、発表からさかのぼること1年3カ月前の昨年6月には既に両者の間で合意されていた。坂村氏がトロンの開発団体「T-エンジンフォーラム」を発足させた際、マイクロソフト側から中核メンバーとして参加したいと打診してきたのだ。トロンは、携帯電話やデジタルカメラ、家電製品などのOSとして急成長し、非パソコン分野では業界標準の座を獲得した。T-エンジンフォーラムは現在、国内外の主要メーカーなど約250社が参加する一大集団となっている。これだけの格差が開いた以上、自前主義を貫くのは無駄。そうした判断はマイクロソフト社内でかなり早い段階で下されていた。だが、実際にトロン連合への参加を発表するまでには1年以上もの時間が空いた。変化のスピードが速く、決断の遅れが命取りになりかねないIT業界では、あまりにも長いブランクである。昨年6月時点で坂村氏は「大きくなりすぎた組織が弊害になっているようだ」と、米本社の開発部隊に残る抵抗勢力の説得といった社内調整に、マイクロソフトが手間取っていると見ていた。トロンとの提携をまとめた古川氏は、「技術、事業計画、知的財産権といった様々な点について、社内ではものすごく速いスピードで検討を進めた」と、大企業病説を否定する。もっとも、調布技術センター(東京都調布市)で、「隠れキリシタン」(古川氏)のように検討を進めていたという。トロンと組むことでマイクロソフトは自社OSの「ウィンドウズCE」を改造する必要に迫られる。社内調整を慎重に進めていたのは確かだが、今年2月には来日したビル・ゲイツ会長への説明も済ませ最終的なゴーサインを得ていた。この時点でも発表しなかったのには理由がある。

●水面下で突きつけた「踏み絵」

 複数の業界関係者によれば、マイクロソフトはこの間、何社かのメーカーやソフト会社に対して個別に提携交渉を持ちかけていた。その骨子は、デジタル家電向けのOSとしてトロンだけを採用し、リナックスなどのマイクロソフトのライバル陣営への対応を断念せよというもの。その代わり、今後の共存関係を保証する。トロン-ウィンドウズを取るか、それ以外を取るかという「踏み絵」を突きつけて、ライバルを追い詰めるための外堀固めを水面下で進めていたというのである。1980年代末にトロンOSを搭載したパソコンが登場した時、マイクロソフトはその優れた性能に戦々恐々とした。「トロンが普及すれば、過去の資産が無駄になり、他社と同じスタートラインに立つことになる。何が何でもトロンをつぶせという指示が下った」。当時のマイクロソフト日本法人に在籍した元社員は、そう証言する。米国政府からの圧力でトロンパソコン計画は頓挫し、マイクロソフトにとっての脅威は消えた。今、自前主義を捨ててまでトロンと組み、リナックスつぶしに突き進む。ライバルに追われた時、パラノイア(偏執症)的な拒否反応を示すマイクロソフトのDNAは、昔も今も基本的に変わっていない。ただ、マイクロソフト流のやり方で巻き返しなるかは未知数である。


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