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俺は小説家を目指している。
1
:
某経大生
:2004/06/12(土) 05:10 ID:Vrdb/e4Y
俺は小説家を目指している。
主人公は高崎経済大学の学生だ。
それだけは譲れない。
冴えないダメ男が恋愛や挫折、色々な事件によって
成長していく話だ。
2
:
某経大生
:2004/06/12(土) 22:32 ID:vNYmxUDA
また私小説か?
3
:
某経大生
:2004/06/12(土) 22:42 ID:EF2cbGHM
ま た お ま え か
4
:
某経大生
:2004/06/13(日) 15:39 ID:teyCcAfk
気温28度、湿度は80%、不快指数はMAXで空は鉛色。
世界はじめじめと薄暗く、キャンパスに集まる学生らの
顔もどことなく不機嫌に見える。どいつも能面に見える。
タバコを咥えて傘を差して自転車こいでる学生。
おそらく新入生だろう。四年も通っていればおのずと
雰囲気でわかるようになる。これを人は老化現象と言
うこともある。知り合いとすれ違った彼は、挨拶をし
ようとしたが、咥えたタバコを膝の上に落とした。
その場に一瞬の笑いと気まずさが支配する微妙な空気
が流れた。僕ならば心のそこから思うがさま笑ってや
るのだが、そこが一年生たる所以なのだ。まだお互い
の関係が成立していない。
「やっべ〜…ありえねぇ〜…マジ最悪〜…」
一通りのお約束のリアクションで彼の役割が演じられる。
その言葉ははたしてイミダスに載っているのだろうかと
不思議になる。…あとで調べよう。
5
:
某経大生
:2004/06/13(日) 15:55 ID:teyCcAfk
タバコの薄紫にたゆたう煙が不定形の線形を空中に描く。
雨の日のキャンパス。三号館と図書館の間はこんもりと
茂る銀杏の覆われ、なお暗く、緑の匂いのかぐわしさは
いや増す。直接吐き出された煙はきれいな線を描かない。
なにより経大生はタバコの吸い方が下品だし、高校生の
延長を抜けていないように感じる。それはタバコの持ち方
ひとつとってもそうだ、彼らはタバコを吸うのが目的な
のではない、吸っている自分が他人にどう見られるかが
問題なのだ。哺乳瓶を手放せない乳児と似たようなものだ。
彼らにタバコの煙の、幾何学的で、動的なアルゴリズムなど
その思考の差し挟む余地など、始めからありはしなかったのだ。
6
:
某経大生
:2004/06/13(日) 16:31 ID:teyCcAfk
キャンパスでは多くの人間が生きている。学生だけではない、
社会人もいる、研究者がいる、維持管理を嘱託された人がいる、
運営し、経営する人がいる...サービスを供給する側と、享受
する側がいる。多くの接点、リレーションシップが構築され、
ダイナミックな動作を実現している。それはシステムだ。
しかし、個々の動作は緩慢で、ステティックだ。
ここで私は始めて一人称によって、自己をこのドラマのなかに
顕在させた。私が生きていることの証左であり、これは他への
顕示なのだ。見知らぬ不特定多数との交流が、ネットを通じて
行われようとしているのだ。
しかし、これは果たしてヴァーチャルだろうか?私はこうした
動的なファンクションに組み込まれていながら、私はこうした
ドラマの役割に参加してはいなかった。鶴鷹祭?三扇祭?イン
カレ?サークル?部活?ゼミ?講義?
それらは私を通り抜けて、どこか遠い世界で行われた、ブラウ
ン管越しの出来事だった。私にとっては、唯一学生証だけが、
そのものとのかかわりを証明するものだった。そう、それは
タバコの煙のように、不定形で、不安定なアルゴリズム。
空中に消え行く非生産物。学生という機能が消滅すれば、最早
私はなんでもない。死人でもないのだ。
図書館の書庫で、気の遠くなるような時間を誰の手にも触れら
れず過ごしてきた本のように、私は存在しながら、その存在が
失われようとしていた。
7
:
某経大生
:2004/06/13(日) 16:49 ID:teyCcAfk
私が消え始めた兆候を、どこで認めるかは難しい判断だ。
とにかく私はこの大学で存在を失い始めていた。
見つけることは容易いはずだ。ただ、誰も私を知ることは
ないのだ。
都市に埋没していく人間を描く作家にポール・オースター
がいる。ニューヨーク三部作で一躍有名になった作家だが、
作品はあまりにおぞましく、グロテスクだ。その内容は
非日常性の顕在で、自己の内面の喪失、そして他の内面化
と自己の外部化だ。自分が他人に見せられた装置のように
振舞われる挙動という衝動は、抑えがたく暗鬱としている。
図書館の明かりだけが唯一現実味を帯びているように感じる。
人工物の明かりでも、暗いよりはよろしい。目で確認できる
ことの安心感。健常者に許された怠惰だ。
私はまだ失われてはいないのだと感じる瞬間。私を認めるのは
ほかの誰でもない、この蛍光灯の明かりだけだ。
8
:
某経大生
:2004/06/13(日) 17:24 ID:teyCcAfk
私はもうじきこの大学を去るだろう。
誰にも気づかれず、誰にも知られることもなくだ。
簡単な事務手続きが行われて、きっとこう言われる
はずだ。「もう少しがんばってみたら?せっかく入学
したんだから」それも悪い話ではない。ただ、私にとっ
て、それが良い話ではないというだけのことであって。
すべてが終わって、私の命が甦るという保証はない。
空は青を取り戻し、緑は風に揺れて木漏れ日の潤いを
差し出すとは限らない。すべてはもはや手のつけられぬ
ほどに事態は深刻かもしれないし、まだ一縷の望みは
期待できるかもしれない。どちらにしろ、私の命はもう
長くはない。失われたものの計り知れなさ。棘は進むべ
き道を閉ざし、それは私を立ち止まらせた。
畸形の心を外面にあらわした私の姿を、あなた方は想像
することができるだろうか?耐えうるだろうか?
狂った形態は言いえぬ形容詞を擬態に求める。
思えば彼女が私の傍から消え去ったときも、やはり私は
違う姿をしていた。この鉛色の空のように、憂鬱の正体
はもはやキリストの地獄征服以前に戻されたアダムのよ
うに、私を悠久のリンボに縛り付ける。
私は、ここから抜けださなければならなかった。
9
:
某経大生
:2004/06/14(月) 19:23 ID:SyvAwfu.
正直、おまい自分の表現に酔ってるだろ。
>この鉛色の空のように、憂鬱の正体
はもはやキリストの地獄征服以前に戻されたアダムのよ
うに、私を悠久のリンボに縛り付ける。
とか。見てるほうが気恥ずかしくなるぐらいだ。
小説家を目指してるんなら、まずは読み手の立場で考えられるだけの
想像力を養え。今の表現は興味のない読み手にとってどんな風に
受け止められるのだろうか、とか。話はそこからだ。
10
:
某経大生
:2004/06/14(月) 19:47 ID:vNYmxUDA
>>9
他人のすることにいちいち難癖つけてんじゃねーよ
我々の役割は「生暖かく見守る観客」なんだからよ
11
:
某経大生
:2004/06/14(月) 22:02 ID:SyvAwfu.
>>10
それは済まない事をしたな。じゃあ
>>1
よ、早く続きを。
12
:
1じゃないけど...
:2004/06/15(火) 19:43 ID:tabBtR.E
>>11
実は
>>1
がこのスレ立て逃げしたみたいなんで、モタイナイから書いてみただけ。
正直漏れ、自分の表現に酔ってる...むしろ酔ってなきゃ書けん罠。
散文形式をとったんで一応
>>8
で終わりなわけでつ。メンゴメンゴ┃ω・`)チラッ
では
>>1
よ、はよ晒せ!!
13
:
某経大生
:2004/06/17(木) 17:25 ID:bIs8UfKk
切腹チャーハン
夕暮れを悲しむ人...一日の終わりに虚無の慰撫。
冷たい暗闇の感覚。闇の帳がゆっくりとカーテンコールを知らせている。
「まるで人が死ぬのを見ているようだ...」
学生食堂の窓際に座り、従業員の制服を着た中年の男性が窓の外を眺めて
いた。横顔はどこか疲れた様子で、それはきっと西日の光の加減かもしれ
ない、ぼんやりと外を眺めていた。浅間山は赤く燃えていた。
こんなにもぼんやりと何かを思いつめたことはないなと、人生の大半を仕
事に追われて必死に生きてきた彼はふと思った。それは生きるため、家族
を養うため、そして尊厳のためだった。生きることの尊さと、生きねばな
らぬという切迫した観念が、これまで彼をなんら疑問を抱かせることもな
く猪突猛進させていた。学生が夕方の営業にあわせてちらほらと現れはじ
めていた。「幸せな光景だ」彼は思った。学生の笑顔が笑い声にのせてち
らほらと見えた。幸せな世界なのだと感じた。豊かで、そして不自由のな
い若者たち。不景気とは言葉だけの世界で、彼らは生きている。本当の地
獄を知らないのだから。いや、知る必要はない。そのような社会であるべ
きはずはないのだ。
彼はそこで一端思考を中断して、手元にあるメモ用紙に目を向けた。
それは、日ごろから学生たちの意見や要望を募るために用意したものだっ
た。学生食堂を経営するうえでは当然の処置と言えるし、何より彼らの意
見は参考になるものも多かった。
14
:
某経大生
:2004/06/17(木) 17:48 ID:bIs8UfKk
多くはメニューに対する要望だった。
中には実現したものもあるが、レシピのよっては難しいものもある。
鮮度、品質、コスト、手間、需要があれば実現したいのはやまやまで
はある。しかし、特に手間のかかるメニューは、単位時間が収益に明
確に反映される分、不可能なのだった。
彼は両手で優しくその紙を包んだ。そこには、入学したばかりの留学
生が書いたのだろう、形が崩れ、おぼつかない日本語で書かれていた。
「おいしいチャーハン 私 食べたいです」
握り締め、そして額に手をあてた。彼は迷っていた。銀シャリのように
長時間形が崩れず、鮮度が保たれる性質のものとは違う。時間がたてば
たとえ保温しても油が変質してまずくなる。しかも、材料を混ぜて炒め
る手間は他の料理の追随を許さない。何よりテクニックだ。チャーハン
は素人には無理なのだ。火の通り加減や塩の混ざり具合は、パートさん
の熟練度では実現できない。あの黄金の輝きを生み出すのは並大抵の技
ではない。ましてやお客に出す売り物であればなおさらだった。
彼はチャーハンの恐ろしさを知っている。知っているだけに、迷うのだ
った。そして心の中の、あまりに人間的な部分が、彼に訴えかけていた。
「チャーハンを食べさせてあげたい」と。
15
:
某経大生
:2004/06/17(木) 18:07 ID:bIs8UfKk
数日の間、彼の心を支配していたのはチャーハンだった。
現実的にはあまりに無理だった。しかし、仕事中に考えることは
手間を省き、コストをいかに下げるかということばかりで、まるで
なにかにとり憑かれたようだった。「無理なのだ」頭ではわかって
いるのだが、心はいつもどこかでチャーハンを求めていた。
やがて、彼は一つの結論に達した。
それは彼自身が一人でチャーハンを全部つくるというものだった。
宣伝をせず、高めの値段設定で需要を抑えることができると考えた
のだ。しかし、彼の仕事は多用だ。パートさんを統括し、指示をだ
し、業務の円滑な遂行に勤めなければならない。どれだけの潜在需
要があるか未知数なだけに彼の決断はまさに断腸の思いだった。
そう、それこそ腹を切るような思いのチャーハンなのだ。
「これだ!!!」
それは大地を裂く一条の稲妻のような衝撃だった。
そして、メニューの名前は決まったのだった。
16
:
某経大生
:2004/06/17(木) 18:10 ID:bIs8UfKk
↑
この物語はフィクションです。
現実の団体、人物とは関係ありそうでありません。
17
:
某経大生
:2004/06/17(木) 21:49 ID:vNYmxUDA
黒澤サン キター
18
:
某経大生
:2004/06/19(土) 18:36 ID:3Lfz3eWQ
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
新校舎作る前に食堂を何とかしてくれ…
19
:
某経大生
:2004/06/21(月) 11:23 ID:SG/1xjbY
もうね、おっさんになるとあの食堂行き辛くなるよ
ただでさえ昼間は混むのに最近は休み時間中に
食えるかどうかもわかんないほど混みすぎて…
新校舎に1000人くらい入れる食堂をって無理だな
イートインの店とかつくってくんねーかな
20
:
某経大生
:2004/06/25(金) 20:07 ID:62aMSOwE
誰もいない部屋
人の一生の中でどれだけ多くのものが人類の記憶として残るだろうか?
揺り篭から墓場まで、私を構成する時間と所作の多くは、私以外の人間に
とって認知しえない事象であり、その価値もないだろう。
では価値あるものとはなんだろうか?
六月の光、梅雨の合間にのぞく晴れ間は倦怠感を誘い、講義室に漂う空気
もどこか上の空で、まるで閑古鳥が鳴いているようだ。
「あっ、いま天使が通りましたね。」
なんて不意打ちを食らわせても誰も反応しないような気がする二時間目。
講義室に集う履修者は実際の三分の二にも関わらず、起きている学生は
その四分の一に過ぎない。彼らは何のためにここにいるのだろうかと考え
ながら講義を進める。試験結果はさんざんなんだろうなと思うと今こうし
て教えていることがむなしくなってくる。期待できる学生は所詮1%。
そのためだけにこの貴重な時間を費やさねばならないのだ。
時間通りにレジュメの内容を終えた。
眠そうな学生たち。民間企業に就職しても似たようなことをしていくの
だろう。どんなに社会が変わっても、人間は変わらない。これこそ黄金律
というものだ。
21
:
某経大生
:2004/06/25(金) 21:04 ID:62aMSOwE
講義を終え、昼食のために一刻も早く研究室に戻りたかった。
最近は不意打ちに学部会が召集されることが多いように感じる。
学部の新設に伴って講師陣も充実した感があるが、それにしても
新設学部はいかにもである。ブルーノ・タウトが言うところの
“いかもの”というやつだ。上越新幹線の上りに乗ると右手に
見えてくる大学と発想はほぼ変わらないだろう。綺麗じゃない。
学生が何人か質問に来た。熱心なのはいい。しかし、調べてわかる
ものは自分で調べるべきだ。私の見解を聞きたいのならまだしも、
「これってなんなんすか?」はないだろう。
適当に切り上げて研究室に戻る。
ドアの鍵を開けようとしたら引っかかった。鍵をかけわすれたらしい。
中に入ると明かりがついていた。安物のパイプ椅子に見知らぬ男性が
座っているのがみえた。
こぎれいな身なりで、スーツは私のより高そうだ。
彼は私を見ると、落ち着いた調子でジェントルな微笑みを浮かべた。
「失礼しております。鍵が開いておりましたもので。」
「はじめまして。部屋はこちらでよろしいのですか?」
「ええ、もちろん。」
「失礼ですがどちらさまでしょうか?」
「ああ、自己紹介が遅れたようで。私は以前、先生にお世話になった
者で、ちょうど近くによったものですからご挨拶をと。」
「そうでしたか。失礼しました。最近忙しいものでしたから。お茶で
よろしいですか?」
「ええ、おかまいなく。」
まったく心当たりがなかった。記憶力は学生時代に比べれば衰えたが
たいてい見聞きしたことは一度で覚えることはできる。
お茶を出し、私もパイプ椅子に座った。
「お元気そうですね。お子さんはお元気ですか?もう中学ですか?」
「ええ、おかげさまで。」
「お仕事のほうも順調のようでなによりです。ご高名は伺ってます。」
「恐れ入ります。」
「先日、本を出版されたとかで。」
「ええ、はずかしながら、大学のテキスト用にと依頼がありまして。」
「そのお若さでテキストを書かれるだなんてすごいな。」
「いいえ、本当にたいしたものでもなくて」
それからしばらくそのようなやりとりが続いた。
名前も素性も、それにつながるようなヒントも得られなかったが、なぜ
か会話が成立していた。論文雑誌の話題も研究仲間のくだらない新刊本
の話題もない。ただ近況や世間話によくあるような、記憶にすらとどま
らないような話題ばかりだ。
いい加減次の講義の準備もしなければならなかったし、何より空腹がひ
どかった。そういえば、朝にシミュレーションの準備をしていて朝食をと
らなかったのだ。
退屈が苦痛に変わる。この男は何をしたいのだろうか?
22
:
某経大生
:2004/06/25(金) 22:13 ID:5R9dk0LY
十二時三十分になり、私はこの苦痛から解放されるべく手を打たねば
ならなかった。講義に遅れるのはかまわない、実際遅れたことでクレ
ームがきたことはない。しかし、私は非常に苦痛を感じ始めていた。
男の声、口調、笑ったときの口の動かし方、のどを鳴らす癖。表面的
な問題だけではないのは確かだった。もっと言いようのない、感覚的な
もの。ねっとりとまとわりつく感覚。不愉快だけでは説明できない人間。
そう、わからないときのあのイライラに似ていた。統計データの不備や
推敲不足の論文を読まされたときのような不快感。
私はおもむろに腕時計に目を向けた。
「申し訳ありませんが私はこのあと講義がありまして。」
「ああ、すいません、気がつかなくて。では私はそろそろ。」
以外にあっさりと彼が引き下がったことに少し物足りなさを感じた。
彼は立ち上がると一礼した。
「今日は会えて光栄でした。」
右手を伸ばす。握手をしてくれという意味か?私も手を伸ばし、握手する。
「こちらこそ、おかまいもせずに。」
「お体にお気をつけて、それでは、失礼します。」
あくまで彼はジャントルだった。彼がいなくなると、研究室は以前の静寂
を取り戻した。それは、本の湛える静寂。知性ある無機物の静謐だった。
そこにとらわれた私もまた、ステテューのように一つの無機物の様相を
呈していた。外は静かだった。応援団の練習も今日は終わっていた。キャ
ンパスが静かに感じた。この研究室が外部化しているようだった。
そう、もともとこの世界には何もなかった。
私はその表層に穴を穿ち、空虚な世界に色を与えようとした。
世界は美しい姿をしている。しかし、それは見る人間によるものだった。
それに気づいたとき、私の研究はすでに終わったようなものだった。
ベランダに立ち、銀杏を眺めた。
緑の濃い季節だ。樹木の胎動を感じる。風のやわらかさが心地よい。
「ここは、人間の住むべき世界だ。」
研究室をのぞく。ベランダから自分の研究室を覗いたのは初めてだった。
そこには誰もいなかった。あたりまえのことだが、自分の姿をそこに
投影させてみようとしても、うまくいかなかった。
不釣合いに感じた。
空間は私の居場所を残しはしなかったのだろうか?
いや、もはや私は一部になっていたのだ。これらの本の、壁の、扉の
一部に。そして、私はそれらの機能の外部化として、今ここにいた。
私がいることで、この部屋は補完されえない。私はもはや一つのパー
ツなのだから。
ここは人間のいない部屋。そして、彼は、私以外の、この部屋のため
の人間だったのだ。
23
:
某経大生
:2004/06/25(金) 23:57 ID:2svRe7ow
T松さん?
24
:
某経大生
:2004/06/26(土) 10:43 ID:EhNB3koU
それはヒ・ミ・ツ!☆
25
:
某経大生
:2004/07/31(土) 22:01 ID:hoSK9L1A
ムーンライト
自分でも気付かないうちに膨れ上がった欲望を、
もはや私は収めることが出来なかった。
サンバのリズムで野を駆ける私を、
彼の国の人々は、一体どんな目線で見ていたのだろう。
「パンジャーブ地方って、知ってる?」
坂本金八ゆずりの長髪をたなびかせ、
君は僕にそう訊ねたっけ。
思えば、あれが最初の出会いだったんだね、ジュテーム!
「イタイイタイ病知ってる?」
「サッカリン食べた事ある?」
「お父さんお金持ち?」
次々と浴びせられる問いかけに僕は少々ウンザリしながら、
質問を遮るように彼女の唇を奪った。
「ん・・・若草の香り・・・」
唇を離すと、君は照れたように笑いながら、
そう呟いた。
右手は僕の顔面をアイアンクローで捉えたままで・・・。
あれから5年。
僕はサラリーマンとなり、
団地妻に浄水器を売り歩いている。
浄水器の蛇口をひねるとき、ときどき君を思い出す。
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