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俺は小説家を目指している。

14某経大生:2004/06/17(木) 17:48 ID:bIs8UfKk
多くはメニューに対する要望だった。
中には実現したものもあるが、レシピのよっては難しいものもある。
鮮度、品質、コスト、手間、需要があれば実現したいのはやまやまで
はある。しかし、特に手間のかかるメニューは、単位時間が収益に明
確に反映される分、不可能なのだった。
彼は両手で優しくその紙を包んだ。そこには、入学したばかりの留学
生が書いたのだろう、形が崩れ、おぼつかない日本語で書かれていた。
「おいしいチャーハン 私 食べたいです」
握り締め、そして額に手をあてた。彼は迷っていた。銀シャリのように
長時間形が崩れず、鮮度が保たれる性質のものとは違う。時間がたてば
たとえ保温しても油が変質してまずくなる。しかも、材料を混ぜて炒め
る手間は他の料理の追随を許さない。何よりテクニックだ。チャーハン
は素人には無理なのだ。火の通り加減や塩の混ざり具合は、パートさん
の熟練度では実現できない。あの黄金の輝きを生み出すのは並大抵の技
ではない。ましてやお客に出す売り物であればなおさらだった。
彼はチャーハンの恐ろしさを知っている。知っているだけに、迷うのだ
った。そして心の中の、あまりに人間的な部分が、彼に訴えかけていた。
「チャーハンを食べさせてあげたい」と。


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