「しかし、アプテ学長の版にこれら新しい特長を加えるにあたり、私たちの
主な目的は、ただ、サンスクリットを読む人一般、とりわけ学校や大学の
生徒たちの必要を満たすことにあります。この版の際立った特徴の一つは、
大きな付録(A)〔※注:ここで特には、付録(F)を指すと思われる〕で、
『サンスクリット文法用語索引』として付け加えられました。この仕事は、
パーニニ、ヴィヤーディ、パタンジャリ、バリトリハリ等々といった、
まさにヴェーダ諸学派の時代から現代までの、サンスクリット文法学の
権威ある32以上の諸著作を綿密に研究したあとで、Mm. Prof. K. V.
Abyankar, M. A.(現・名誉教授、B.O.R.I., Poona)によって編纂され
ました。この付録への登録数だけでも4,000を超え、技術的・その他の
用語を含めた文法的に意味をもつ幾らかの単語、著作者の名前、そして
出版されたか写本としてある著作物の名前という各分野をカヴァーして
います。」
>>6
○ Poonaというのは、インド連邦中西部の街・プネーの古い英文表記。
○ B.O.R.I.というのは、プネーにある、Bhandarkar Oriental Research
Instituteの頭文字。インド古典文献の、歴史ある研究所。
○ M.A.というのは、Master of Arts 或いは Magister Artium(文学修士)。
○ Prof.は「教授」(professor)。Mm. Prof. もインドの大学にある
役職名・肩書と思われるが、調べがつかない。(まさか経済修士や音楽
修士ではないだろうし、陛下や殉教者でもない(K. V. Abyankarはこの
時点で存命だったろうから)と思う。)
「編集者の会議は、この版と約3年前に始められた編集作業のために指名
されました。これだけ重要性のある改訂増補作業には、インド中の膨大な
人数の学者の自発的な共同作業が頼りにされるのは自然なことであり、
喜ばしいことに、私たちは多くの令名高いサンスクリット学者をここに
記すことができます。例えば、Kshitishchandra Chatterji 博士(コルカタ)、
Dineshchandra Bhattacharya 教授(コルカタ)、Bhabatosh Bhattacharya
教授(バトパラ)、Chintaharan Chakravarti 教授(コルカタ)、
G. V. Devasthali 博士(ナーシク)、A. D. Pusalkar 博士(ムンバイ)、
N. A. Gore 教授(ムンバイ)、Shri. D. G. Padhye(ムンバイ)、
Mm. Prof. K. V. Abhyankar(プネー)、M. D. Sathe(プネー)、
V. G. Rahurkar 博士 と G. B. Palsule 博士(プネー、デカン大学、
辞書部門、副編集者のお二人)、Y. R. Agashe 教授(プネー)が、
それぞれの分担で今日まで寄与してくださり、この書籍に組み入れられ
ました。」
というのは余談として、アプテの梵英は、今では一冊で刊行されています。
印刷・製本技術が進んだためでしょう。
ただ、増補改訂版の最初が出た当時の巻の境目は、「以上何巻」という
表記と、ページ組みから分かります。
a から k までが第一巻(〜p.632)、kh から m までが第二巻(p.633〜
p.1296)、y から後ろが第三巻です。