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第4章
1
:
OR
:2012/07/14(土) 14:53:21
毎年、プラトンの国家をギリシア語で読む授業に出てるんですが、最近読んだところがちょうど
今回の箇所と関わりのある内容だったので、なんか嬉しかったです。
プラトンは、計算術や数論といった数に関する学問は、我々を真実在へと引っ張っていく、といった
ようなことを言うんですが、今回の、「プラトンの学院アカデメイア」のところとを読んでなるほど
と思いました。
それから、文法の話や「ことば(logos)=神」の話も出てきましたが、そういえばプラトンがいう
「数論」って、原語ではlogosから派生したlogismosって語なんですよね。
そう考えると、数学も文法もキリスト教理解につながるという話も違和感なく理解できる気が。
(あんまり関係ない話ですが、「計算術」のほうは原語ではarithmetike techneなんですが、
このarithmetikosは、インドのヴェーダ等で「宇宙の法則」を表す「リタ」って語と語源を共有する
とかなんとかいう話も。偶然かもしれませんが興味深い話だと思います)
トマス先生が聖歌を作ってたという話も面白かったです。
でもよく考えてみれば、そういえばドレミファソラシドっていう音階の名前も教会音楽から
きてるんだっけ、と思い出し妙に納得してしまいました。
(ドレミファソラシドの元になった「聖ヨハネの讃歌」ttp://www.youtube.com/watch?v=3tmLARdqaIo)
あと、アベラールとエロイーズはもっとエロい話かと思ってました(小学生並みの感想)。
2
:
YS
:2012/07/15(日) 06:31:48
イデアを真実在と訳出するとは、なかなか通なって言おうと思ったのですが、イデアの訳語の主流って、
いまだと真実在なのです?
いや、その前にがんばって読んできまする!
3
:
YS
:2012/07/15(日) 10:17:13
どうにか八九ページまで読み終えました―そして集中力、途切れ気味になりました。
ですので、前半の該当箇所にレスさせていただきます。
>「プラトンの学院アカデメイア」のところ
わたしがここを読んだ際には、またリン・ホワイトの『機会と神』のある一節を思い出しました。
プラトンの友人が幾何学の解明に役立つ装置をつくったとき、プラトンはマジギレしたという話なのですが、
なんとも幾何学をめぐるプラトンの立ち位置は、哲学と宗教の関係よろしく、複雑ですね。
p. 88の中世の討論会の「定期討論」と「任意討論」の区分と、日本の文学における「歌合」と「連歌・連句」の形式的
近似の話は、大変に有益な話でした。
あれ?そういえば・・・
>算術や数論といった数に関する学問は、我々を真実在へと引っ張っていく、といった
>ようなことを言うんですが
このことを知らなかったのですが、プラトンにおいては―著者によると―、哲学もイデアの世界へ旅路をしめすものであり
この世界へといたるための精神修養っていわれてますよね?
となると、プラトンにとってはあらゆる学はイデアに通じる精神修養ということになるのです?それとも、ORさんの意図
としては計算術や数論こそが本質的であり、著者は付随的な点に着目しているがために本質的な事柄を見落としているとい
う批判が込められているのです?
もし前者の側(そこまで極端ではなく、あらゆる学ではなく、複数の学だとしても)の方であるならば、なぜプラトン以後、
哲学が宗教と密接な関係をもち、計算術や数論は宗教から離れていったのでしょうか?
もしかして近代以前の中世でも、計算術や数論は倫理的教えを肩代わりするような役割を担っていたのです?
って、不勉強ですみません・・・w
残りの箇所は、火曜夜までに読了して、レスさせていただきまする!
4
:
OR
:2012/07/15(日) 15:30:15
あ、別に今回は著者の方の批判とかは意図してないです。
ただ、プラトン(というか『国家』の中のソクラテス)は、「数に関する学問が、学問の中で最も
基本的なものだ」「数に関する学問は、すべての学問が共通して用いるものである」みたいな
ことを言ってますので、数に関する学問だけあればいいというよりも、数に関する学問がないと
何もはじまらない、ということだと思います。
夏休み前では『国家』で幾何学の話をする直前の箇所までしか読んでいないのですが、
>プラトンの友人が幾何学の解明に役立つ装置をつくったとき、プラトンはマジギレしたという話
この話は面白いですねw
『国家』が出典かどうか分かりませんが、『国家』での幾何学の扱いがどうなのかちょっと注意して
眺めてみたいですね。
>真実在
原語ではaletheia(真実)とousia(実在)なんですが、邦訳ではくっつけて「真実在」という訳語を
あてているみたいですね。
(イデアの訳語の主流というわけではなく、当該箇所は原文を尊重した訳のようです)
これだけでも十分上手い訳ですが、さらに、ギリシア語では2つの言葉を連ねて1つの意味を
持たせる(ここではイデアを意味する)ということがあるので、くっつけて訳したのはそれを
踏まえてもいるようです。スゴイ!ワザマエ!
5
:
YS
:2012/07/17(火) 23:56:27
>「数論」って、原語ではlogosから派生したlogismosって語
テキストの文法と楽理の類比関係の説明や、それらの基礎にある神学と数学の話は、これまで
考慮したことすらなかった問題だったので、なんともコメントしづらいです―著者もこのこと
をすでに周知しているようで、何度か「日本人にとって中世が難解である原因のひとつ」とし
てたびたび指摘しておりますが。
しかもプラトンの数論という言葉も、原語だとlogosから派生した言葉であると。
そもそもの大枠の文脈として、普遍論争の問題から、この文法と神の関係についての論述がなさ
れておりますが、概説書だと普遍名詞をめぐる論述だけだったので、じつは―著者自身が述べる
とおりに―奥行きが相当深い問題なのですねー概説書でこの類の問題が避けられてきた理由もな
んとなく予想できますが。
何度か熟読したうえで、納得できた点がでてきたら、またこのスレで報告するように致します。
現代ですと、大学も音楽も娯楽的要素が顕著な消費の対象になっている傾向が強いといわざるをえませんが、
それとはべつのかかわり方もあるものなのですね―古代や中世だと権威づけ的要素が顕著な消費の対象になっ
ているにすぎない程度のちがいかもしれませんが、むむむ・・・
文法のところを読んでいたら、ひさしぶりに関口存男の著作を読みたくなりました。
関係はほとんどないといってもいいかもしれませんが、日本の語学屋で神がかった天才って
あのひとぐらいしか知らないもので。
彼の著作から直接的には読みとれませんが、かれもまた自分自身の仕事の内容を神に近づけていたのでしょうかね?
ってか、これは日本にかぎらず、西洋でも、職人系の仕事に従事していたひとたちって、自分自身の仕事を神の仕事に
近づけようと試みてますよね?
いや、、無関係な話題はここではだすべきじゃないですな・・・
まぁ〜結局何がいいたいのかといえば、著者自身が何度か述べているように、微妙にピンとこなかった箇所でした・・・w
後々読み進めたらちゃんと理解できるようになれたら、わしゃ〜幸せじゃー!
6
:
YS
:2012/07/18(水) 00:15:03
>数に関する学問がないと何もはじまらない、ということだと思います。
デカルトも(若い頃限定?)おなじかんがえをもっていたようですね。
筑摩の新書で数学の入門書が公刊されたし、すこし腰を据えて数学やってみようかしら・・・
むしろやってないで、哲学の研究がやれてる現状というか、自分自身におおきな穴があるような
気がしてきました・・・
>幾何学の扱いがどうなのかちょっと注意して眺めてみたいですね
リン・ホワイトの説明の仕方だと、装置の作成=手仕事=プラクシスで劣った仕事であるのにたいして、
思考はやはり上位(最上位?)に位置づけられており、この上位の仕事に従事するものが装置の作成に
手をだしたのがマジギレの原因(思考を汚した)らしいのですが。
しかしこの当時、すでに幾何学の証明にも技術をひつようとする場合があったにもかかわらず、いってみれば
技術に依存している学問が存在していたにもかかわらず、そこに明瞭な差別的区分を設けるその立ち位置とい
うのが気になった次第です。
>原語ではaletheia(真実)とousia(実在)
ハイデガーの『存在と時間』の冒頭を思い出しちゃった・・・w
なるほど、そういう意図のもとで真実在という訳語ができたのですか。これはいいマメ知識をいただきました、感謝!
前に話題になった、「世話をする」という言葉を遡ると、牛の世話やらおべっか使いという意味にまで遡れるのと同様、
アレーティアもレーティアの否定という造語で、レーティアって、忘却って言葉と関連しているのですよね?・・・たしか・・・w
ギリシャ神話だと黄泉へいくという発想なのでしょうが、プラトン的発想―あるいはその同時代人たち?―だと黄泉(イ
デア国)から現象界へ来ているという発想なのでしょうかね?それとも、ギリシャ神話でもレーテの河って、いくだけではなくて
そっちからこちらへやってくるというイメージも象徴化されていたのでしょうか?
しかしさすが古代・中世の議論だな。
近現代に比べると、たしかにとっつきづらいな・・・w
7
:
OR
:2012/07/22(日) 18:20:11
レス大幅に遅れてすみません!
あ…ありのまま今週起こったことを話すぜ!
『おれはやる気がなくなって引きこもってダラけてたらいつのまにか一週間も過ぎていた』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが(以下略(AAも略
こういう不測の事態が起きても若干余裕ができるのが隔週開催の利点ということでここはひとつ…
>数学
プラトンは、頭の体操および忍耐力の養成(数学は難しいから)という意味もかねて数学プッシュ
してたみたいですが、デカルトはどうなんですかね?
デカルトはもう少し深遠な(いや、プラトンも深淵といえば深淵なんですが)意味を持ってたん
でしょうか?
しかし数学できないド文系には耳の痛い話ですなあ…
>装置の作成
装置というのがどのようなものか分かりませんが、定規とか分度器とかコンパスの類
なんでしょうか?
もう少し複雑なものだとしても、当時の技術ではコンピューターなんで作れないでしょうし、
ちょっとプラトンの沸点低すぎるような…w
>レーテー河
現世に生まれ変わる死者の魂は、レーテー河の水を飲んで前世の記憶を忘れるとかなんとか…
言われてみると、レーテー河って三途の川なのに、魂が現世へ「やってくる」ことに関わる河ですね。
死ぬとき渡るのは専らアケローン河なのに…(とはいえどちらの河もステュクス河の支流なんですが)
ちなみに、letheの語源は「隠す」という意味らしく(動詞lanthanoは「こっそり〜する」の意)、
記憶を「隠す」ってことなんでしょうね。
だから、仰るとおりその否定は「隠されていないこと」=「明らかなこと」=「真実」となるという。
8
:
YS
:2012/07/24(火) 10:32:53
>おれはやる気がなくなって引きこもってダラけてたらいつのまにか
人間って気分にかなりの程度で左右されますよね・・・
ってか、わたしもそれはよく経験するので、むむむ・・・w
>デカルト
概説レベル程度の言葉で申し訳ありませんが、あらゆる学の基礎としての期待がおおきかったみたいです(原文に
直接あたったわけではないので、じつはそうでなかった可能性も残ります・・・)
ORさん、理系分野も得意そうな気がしておりました。
>プラトンの沸点
某院生室に在籍していたら、確実に多数の者たちからの陰口の対象になってそう・・・w
>ステュクス河の支流
ktkr
すまん、レーテー河しか存在を知りませんでした・・・w
アケローンなんて、Wizででてきた渡し主という記憶しかもっていないという始末・・・
河の名前でもあったのですか
じゃ〜われわれは、小貝川は遠すぎるので、hsnm川でも越えて、いやな記憶を隠すことにしますか^−^
・・・スケールがちっちゃいぞ・・・w
ご存知のとおり、名前の点で、そういってるのではないのですが・・・w
9
:
OR
:2012/07/27(金) 06:09:28
研究会乙でした!(院生室のホワイトボードで昨日知りましたが…)
>デカルト
それならプラトンの立場とかなり近いですね。
プラトンもデカルトもそう言ってるとなるとうーんやっぱり耳が痛い…
センター数ⅠA39点ですまぬ…!すまぬ…!
>某院生室に在籍
そして陰口叩いた人を見つけては得意のパンクラティオンでフルボッコにしてくるんですね
分かります。コワイ!
>アケローン
RPGではよくあることですが、Wizはアケローン河の渡し守のカローンと混同してるみたいですね。
とはいえギリシア神話では河もそのまんま擬人化されて人間や他の神様と子供作ったりするので
そもそもカオスなんですが。
>hsnm川でも越えて
それってどっちが彼岸でどっちが此岸なんですか!?w
そういえば、ギリシア神話の死後の楽園エーリュシオンって「幸福の島」とも呼ばれるんですよね。
(もともとエーリュシオンと幸福の島は別物だったけど後に混同された)
つまり福島県はChamps-Élyséesだったんだよ!!
10
:
YS
:2012/07/28(土) 10:04:32
>研究会乙でした!
先に雑談のほう書き込んじゃいましたが、どもどもです!
感想というか、愚痴も書き込んじゃいましたよ
>得意のパンクラティオン
その源流に位置づけられる方々とのコミュニケーションを試みてきましたが、あの自分の土俵じゃないと
一切やりませんよという決然とした態度と、土俵にひっぱりこむ力は、接していて、すげ〜なと思うといか
人間であることをめぐる美しさすら感じざるをえませんでした。
ガラパゴス現象と類比的な生命の美しさですが、他と接することで自己の成長の必要性を感じない人には、
ただただ圧巻ですな。
わたしの今回の発表は、さらっと撫でた内容のもので、そこへの突っ込みは、本来なら自分でちゃんと整理する意義等考えてから
やらなくちゃいかん作業を、前もって指摘されると、「誰でもやっぱりその作業のひつようは感じるのだな」という安心に支えら
れるので、すこし楽ができるという意味でおおいにメリットがありました。
>アケローン河の渡し守のカローンと混同してる
おれの記憶混同の可能性がたかい気がしてきた・・・w
カローンという名詞もかつて接した記憶があるのは確かですw
>ギリシア神話の死後の楽園エーリュシオンって「幸福の島」
媒介に支配されまくりの現世にくらべて、そうした媒介のない世界へ憧憬をいだく気持ちはよくわかります
自己の意志の実現を媒介する金に支配された社会に生きていると、どうにもこうにもですね・・・
逆に媒介を恨むひとがでてくるのも、なんだかわかるときも・・・
天使が堕落した理由って、神を媒介にして、こっち側に力を行使してくる存在への恨みなんじゃね〜の?w
すみません、冗談です(半ば本気なところもありますが)
11
:
OR
:2012/07/29(日) 17:53:01
>自分の土俵じゃないと一切やりませんよという決然とした態度
たしかにこういう人と話すと、「自分の土俵に絶対の自信を持っていること」に尊敬の念すら
覚えますが、やっぱりその反面で、ある種の寂しさを覚えたりしませんか?
共感してもらえてないというか…
友達の家に遊びに行ったら、その友達がやり込んでる対戦型ゲームをやろうぜと言われ、
じゃあそれで、ということでプレイしたら、容赦なくフルボッコにされてサンドバッグ状態に
されちゃった的な…
>アケローン
そういえばあんまり関係ないですが、子供のころ、「アーケロン」っていう古代の巨大亀の化石を
見たとき、「うわあ冥界の河の名前つけられてるなんてこの亀かっけえええええええええええ」と
感動したんですが、後で綴りが全然違う(archelon)ことを知ってすごくガッカリした思い出が…
>天使が堕落した理由って、神を媒介にして、こっち側に力を行使してくる存在への恨みなんじゃね〜の?w
それはあると思いますw
やっぱり権力の代行者ってのは虎の威を借る狐的に、権力を行使される側からは疎まれるもの
なんじゃないでしょうか。
しかし天使も上からの圧力と下からの恨みで大変…って中間管理職だこれ!?
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