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【人工言語】人工言語総論スレッド

456seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/02(土) 15:29:50
>音数が少ない言語でも必ずあると言う音が欠け落ちていて、本当に言語学者が作ったのか怪しい構成。

解散!

457luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/02(土) 19:24:19
=・д・=?

たしかにp/bの対立がなかったりして、確実にpと呼べる音がない場合もあるけど、
bも欠け落ちていて、どちらも音声上存在しないという事例は聞いたことがないよ。
それって唇のない部族なのかなと思ったら、mはあるし、原理的に発音できないはずがないのです。
不自然な音韻体系には違いなかったよ。

あとuがない言語と言うのも、aとシュワーの2つの弁別しかない言語が存在することからして、
あり得るとは言えるけど、oやeもあるような言語の場合ほぼ間違いなくuは存在するのが
自然なのです。
http://wiki.dothraki.org/dothraki/Phonology

アルカのように現実に人間が使うと言う利便性の追求がない分、
言語学的な定石から自由に非現実的な印象を与える言語を作れるという事情もあるんだろうけど。
『スタートレック』のクリンゴン語や『アバター』のナヴィ語もお世辞にも発音しやすい
音韻体系とは言えないのです。

458luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/02(土) 20:15:23
地球でない、別惑星の人類でない種族が話しているように聞かせる異質さの演出という、
確固たる意志を持って、わざとやった可能性も無きにしも非ずなのです。
ドラマ制作スタッフとしては、分かり易く異質な感じを視聴者に訴えたいという意図もあるだろうし、
言語学者が作ったのか怪しい、ではなく言語学者だからこそ意図的に演出できること、
という可能性も無きにしも非ずかな。

David J. Petersonについてだけど、詳細は不明だけど、1981年1月20日生まれで、
カリフォルニアのロングビーチ出身で
博士号または修士を取ったのがバークレイ大学とサンディアゴ大学な人らしいね。
http://wiki.dothraki.org/dothraki/David_J._Peterson

言語作者としてはいわゆる多産型で、色んな語族単位で違うようなものをたくさん作るタイプだね。
トールキンだとだいたい語族単位では繋がっているものが多いけど。
本人としては代表作はdothrakiでなく、kamakawi(2001〜)でポリネシアチックな
音韻体系の国際補助語目的人工言語なのです。
時期的にも年齢的にもプロトタイプ制アルカの方向性に極めて近いね。
語彙数からすると408語規模で、プロト制の2/5規模だし、少数分析言語なんじゃないかな。
http://dedalvs.com/kamakawi/main.html

まぁ、規模的にも読みもの的にも、目が肥えてしまうと、
「(日本の平均的な新興人工言語やヒュムノスとくらべれば)大したことあるけど、
(アルカシリーズと比べたら)大したことない」
ということで、楽しむには味が薄いし、量も少ないってなるね。
英語圏と比べてもレベルが高い日本語圏の人間で良かったと思うよ。

459seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/03(日) 02:04:15
ふと思ったんですが、cとqって人工言語ごとに何の音素を示すか結構異なる気がするんですよね。
逆にpはほとんどの言語で[p]な気がします。
安定している文字とそうでない文字があるような気がするんですが、みなさんの言語でもやはりcとqの扱いには困ってらっしゃいましたか。

460seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/03(日) 13:29:34
人工言語学研究会の実績をまとめました:http://constructed-language.org/record.html

461末広:2013/03/03(日) 21:43:17
>>457
アラビア語ではi〜eとæ〜ɑの区別はあっても、
ɔ〜o〜u〜ʊ〜ʉ〜ʏは一つの巨大な音素だったりします。
方言によっては条件異音で音価の区別もあるでしょうけど。
中国語でも音節内の位置によってはuとoの区別がなかったような…

iとeの違いに比べると、uとoの方が同じような音に聞こえるので
どちらを選ぶかはけっこう個人の裁量っぽいです。

462末広:2013/03/03(日) 21:44:16
>>459
うちはチャ行をtjで表してた時期もありましたが、
有声音のdjや摩擦音のjとまぎらわしいのでcに変更しました。

qはよく考えるといらない子かも。帯に短したすきに長し(死語)
シュワーは結局serishと同じようにuにして、ʊ〜uの音にはwを当てたし、
喉音はグレイヴ・アクセント「`」で統一した方がなんかそれっぽく見えるし、
ポコッという歯茎吸着音はq/tq/qtと書くとk/tk/ktと発音されそうだし。

463WYU ◆1in7cuyv5I:2013/03/03(日) 22:00:17
>>459
cはかなり早い時点でチャ行と決めていたのでそれほど困らなかったです
ただしqは現行のハ行になるまで結構時間がかかりました
最初はhでハ行を表していたのでqは暇させてたのですが、
hが母音になってからようやく音素としての役割を与えられるようになりました
もちろん、qがハ行というのは違和感がありました でももうとっくに慣れましたね……

464FAFS:2013/03/03(日) 22:12:22
リパスレでもいったようにc=sになってた(ドイツ語の影響で)
qはkwになってる(嫌いな音素なのに何故あったのかは不明)

465luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/04(月) 14:30:03
>>459
ええと、もともとラテン語のcは[k]または[g]だね。
沖縄うちなーパターンで、

k→[ts]/[tS]→[s]→[h]→[w]/φ
→[kj]/[s]
→[kh]→[g]→[ng]

の連続体があってこの中のいずれかの音に変化していると言うのが、
自然言語の傾向かな。

イタリア語だと、チャ行で、ドイツがツァ系
英語とフランス語がキャ行/サ行/カ行系と言うぐらいしか把握していないよ。

日本人がcに充てることが多いものはチャ行系とツァ行系のエスペラント方式か、
ラテン語が好きな人がカ行系、ロシア語が好きな人がサ行系だね。

>>460
時代が追いつくのは、セガハード(90年代に高画質・光ディスク・高性能・ネット通信)とか、
東京ミュウミュウ(00年代初頭にケモノ耳、メイド喫茶、ツンデレ喫茶)より、難航しそうな気がするのです。
2006年当時と比べると、遥かに時代が追いついてきた気はするけど、
まだまだはるか後方なのです。

一部の達人のみが「結果と言うものを見ることができる」職人芸的なものを
一般人でも気軽に一万語規模の架空言語が作れるような技術的なブレイクスルーと、
一般人でも気軽にフランス語程度の難度の言語を数ヶ月でマスターできるような手段の開発と
ファンタジーやSFの言語と言う細かい設定にまで目が届くようになるような心の余裕が生まれる
国際情勢の変化とか、いくつかの前提条件をクリアしてから、評価されるようになると思うよ。
20世紀末からみれば、人工言語作りはかなり省力化されているけど、
22世紀初頭あたりから見れば、全然で、
作る人にとっても、覚えて使う人にとっても、
目・肩・腰に多大な負担をかける体力勝負のコンテンツと言うことになるよ。
だからこそ大衆は評価を下す以前の段階なのです。
たぶん、この前提条件がクリアされるのは100年単位で後だろうけど、
その時に、とんでもないオーパーツの存在に驚愕するってことになるんじゃないかな。
300年後ぐらいに人工言語史の本があったら、確実に言及されるレベルなのは間違いないよ。
生きているうちに評価される芸術家は少数派なのです。

>>461
事実上の/u/なんだね。

466 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/03/04(月) 23:08:58
三百年たっても人工言語は secret vice だろうね。
一方、三百年も待たなくても、今もう既に一部の語学好きが人工言語に興味を持って、それぞれ評価しているよ。

前にクロさんが人工言語は芸術作品だというようなことをどこかの掲示板に書いていたと思う。
そのときに、誰かが、それをどうやって鑑賞するのか、と問うていた。
それが正解だろうね。

467seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/05(火) 11:44:21
>だからこそ大衆は評価を下す以前の段階なのです。
>その時に、とんでもないオーパーツの存在に驚愕するってことになるんじゃないかな。
>300年後ぐらいに人工言語史の本があったら、確実に言及されるレベルなのは間違いないよ。

一般人はアルベドやクリンゴンなど、言語の出来よりFFとかスタートレックとか、作品の出来で評価すると思います。多分それは何年後でも。
なので企業がアルカのような言語を採用しないかぎり、すぐ作れるなんちゃって人工言語ばかりが有名になり、作り込まれた人工言語は無視される、という状況は変わらないでしょうね。

何年経っても大衆は言語を評価しませんよ。
FFXが好きでもアルベドが好きなんて人は1万人に1人いるかどうかで、それだったら紫苑の読者率と変わらなさそうですし。
まぁそんなもんです。

>三百年たっても人工言語は secret vice だろうね。
>一方、三百年も待たなくても、今もう既に一部の語学好きが人工言語に興味を持って、それぞれ評価しているよ。

僕もそう思いますし、それが実情でしょうね。

468末広:2013/03/05(火) 23:50:09
「エスとエフ」のパラディス文を見ても思ったんですが、クラークの第一法則風に言うと
「高度に作り込まれた架空言語はレトルト言語と見分けがつかない」んですよね。

そして大衆にとってのエスペラントが「苦労して勉強しなければならない西洋語が一つ増えただけ」
だったように、アルカのアフォーダンスは「フランスあたりの絶滅危惧言語が一つ増えただけ」
になってしまうと。

でも【アルカ関連の新規ツイートやブログ】スレを見ると、
ちょうどアルカ論に書いてあった「裏路地の古本屋」に通りがかった人の
頭の中っぽい感じがします。
ただ猫が入って行った横に「人類数十万年の〜」とかいうポスターが貼ってあったら
ちょっと雰囲気が違う気もしますがw

469渡久地 ◆td0aasgpcM:2013/03/06(水) 12:28:04
>>459
自分の場合,c,qはあまることが多いので,言語によって入れたい音素を割り当てていてバラバラです.
割り当てたことのあるのは思い付く限りc=/ts, s, ç, ǀ/, q=/ɣ, ɒ, q, ŋ, χ/です.

470seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/15(金) 10:35:12
>言われなければ日付なんて、2月4日と4月1日と4月4日と7月19日と11月30日が分かればあとは知らなくても何の問題もないのです。

(*´∀`*)サンクス

471helte ◆bvmIKJ7aiU:2013/03/19(火) 19:54:45
お久しぶりです。
ヘルテです。人工言語やってない人です。

最近、花を見るという謎の趣味が出来てしまった変な人ですが、
今日は近所の公園の白木蓮が見頃だという噂を聞いて見に行った感じです。
花を見に行くと言ったら「ジジくさい」と言われました。おっしゃる通りで。

どうでもいいことですが、ツツジの蜜に毒があるということを最近知って、
小学生の頃「甘ぇ」とか言ってよく舐めてた私は大丈夫なのかとか思ったりします。
まぁ、当時みんな舐めてたので別にいいだろうとは思いますが。

しかし、人工言語やらないと精神が安定して楽です。空想妄想が減るので精神が安定します。
一か月ぐらい前は結構精神不安定で人工言語を辞めたらしいです。どうやら。

それで公園で思ったことなのですが、
・幻日辞典にはレベルタグがある。
・ロシア語ではカマスは重要語らしい。(『その他の外国語』に書いてあったような。)
・サクラは日本語だと重要語になるだろうけど、モクレンとかはどう考えても重要語でもなんでもない。

などと思ったので、アルカでの花のレベルタグを見てみたわけです。

alismetin「山茶花」→[レベル]6
tikan「木蓮」→[レベル]5 ちなみに近所の木蓮はまだつぼみでした。
akleim「菜の花」→[レベル]4
ping「梅」→[レベル]3
seron「桜」→[レベル]2

で、これらの語彙のレベルタグはどのようにして決められたのかなぁ、と思ったので質問します。
文献に出てきたからなのか、風土の問題なのか、使用した主観なのか、みたいな。

しかし、アルカは花の名前揃ってて凄いなぁ。と思う所です。

韓国語だと、ムクゲとかが、レベルタグ的なのが重要度高そうです。
国花力凄いなぁと思う所です。国歌にも出てきますし。

個人的にいろんな人工言語のそういう話が聞けたら嬉しいです。

472seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/20(水) 10:14:32
Helteさん、お久しぶりです。

花を見るのは僕も好きですよ。
若いころ、嫁さんとのデートはたいてい花見か本屋めぐりでしたから。

アルカのレベルタグは僕・カノジョ・娘の立場を目線と定めた上で、僕が設定しました。
よって地球だと日本やフランス、アトラスだとアルバザードに住んだものと仮定して、その生活から見て身近なものほど低レベルになります。

473名無しさん:2013/03/20(水) 12:47:23
花を生で観察すると、サイズや匂いも体感できて造語の参考になりそうですね。

>>471の5種はシュライ語の履歴だと2008年にはあって、たぶんジェン語の頃に造語しました。
今見ると菜の花(アブラナ)以外はちょっと分かりにくいので、考え直さなくてはなりません<(-_-;)>
レベルはどれも1、もしくは2ぐらいになるかな…山茶花は分類的に椿とセットで扱いたいのと、
木蓮はマグノリア(属)として映画や音楽に使われていたりするので。

私は今小説コンテンツで遅筆の沼をかき分けているので、植物名の改訂となると
いつになるか分かりませんが…φ(-ε-;)

474末広:2013/03/20(水) 12:48:49
名前消えてますがいつもの人です↑

475helte ◆bvmIKJ7aiU:2013/03/20(水) 23:37:50
ご返答ありがとうございます。

>>472
風土という発想はあったのですが、
ヘルテは複数人で人工言語作ったことが無いので、
人の目線に立って設定するという発想がなかったです。

>>473
ミリ語やってたときは花とか木とか興味が全くなかったので、
植物の造語が全く手に付きませんでした。
今はヘルテは人工言語やってないですが、
やはり生で観察するのは良いことだと思います。

476seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/25(月) 22:51:23
seren arbazard ‏@serenarbazard 7秒
言語を作るための言語学:「完全に他者から独立した自分だけの思考・哲学・芸術を人間が行う唯一の方法」http://constructed-language.org/conlinguistics/create_9.html
開く 返信 削除 お気に入りに登録 その他
seren arbazard ‏@serenarbazard 40秒
言語を作るための言語学:「言語教育は価値観の押し付け」http://constructed-language.org/conlinguistics/create_8.html

477seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/26(火) 23:23:46
言語を作るための言語学:「言語と文化が乖離することによる違和感と齟齬」http://constructed-language.org/conlinguistics/create_10.html

478seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/26(火) 23:57:00
言語を作るための言語学:「舌先現象と英語帝国主義」http://constructed-language.org/conlinguistics/create_11.html

479 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/03/27(水) 09:48:17
言葉が出てこないときは科学的にはノドでも舌でもなく神経だろ。
じゃあ、どこだ?海馬か?言語野か?
ということで「記憶 想起」でぐぐったら面白い記事が見付かった。
http://kaiwa-kouza.com/contents/wh10_1_5.html

480seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/27(水) 10:02:42
脳の神経ということですよね。

481seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/27(水) 17:52:37
言語を作るための言語学:「エスペラントの文化と欠点と課題」http://constructed-language.org/conlinguistics/create_12.html

482luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/27(水) 19:29:02
たぶん、そういう部分を気にするほどに密な付き合いはしていないんじゃないかな。
チャットとかで元気なエスペランティストの9割方は英語もできるから、
英語的語法とか、慣用表現でどうにかなるんじゃないかな。
アシェット関係と違って、正確な意思疎通をしないと自分や相手の命も危ないという
シチュエーションもほぼないだろうし、純粋にあの環境下で求められる完成度の水準では、
このぐらいでも大丈夫だった、と言うことだと思うよ。
もし駄目だと思ったらこれまでの1873年からの140年の歴史の中で
とっくに何らかの対策がなされているはずなのです。

アシェット的な硬派に厳密な意思疎通が求められる環境が長期にわたってあり、
語族レベルで違う人が色々集まるような環境が特殊だったんじゃないかな。
エスペラントコミュニティーは厳密な精度の意思疎通は需要がないんだと思うよ。
受動態になると無相と進行相の弁別が付かなくなるとか文法レベルでもいくつか欠陥があって
放置されているぐらいだし、そのレベルでも放置しても不便を感じないという水準だから、
より高度な語法・文化設定までは手が出せず、フランス語と英語のものを代用しても
違和感を感じられるような段階ではない、ってことだと思うよ。

エスペラント側を啓蒙して云々というのは2006-2008年までの数々の試みで、
結局のところあちら側の需要のなさで徒労に終わってしまうというのは歴史が証明しているよ。
だから、エスペラント層じゃなくて、アシェット的なガチな多言語集団を探して広めた方が
需要があるんじゃないかと思うけど、世の中になかなかああいう
力関係がそれほど大きくない語族レベルで違うような言語話者の集団ってあまり見ないのです。

これもまた、時代が追いつくのを待つというパターンじゃないかな。

483luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/27(水) 19:45:09
あと、語法・文化設定まで新規の人が作りこむというのは、実は敷居が高くて困難なのです。
1500語以下レベルだと、文法を作って語彙を作って当たりで精いっぱいで、
語彙のネットワーク構築とか、厳密な語法・語彙設定を作ることを考えられる余裕が出てこないあたりだよ。

アルカ史的にも古アルカ時代どころか、中期制アルカの半ばまで、
作り始めて13年以上たったあたりでようやく語法設定まで考える余裕が出てきたというぐらいなのです。
ちなみにこの段階で、古アルカ、アルカ・エ・ソーン、プロト制の膨大なコーパスがあり、
後の法副詞にあたるエクスプローダーなどのアルカっぽい言語の勘やノウハウの蓄積も
されていて、語彙数自体も7000語規模、この段階で、昨今話題のドスラキ語の2倍以上の
とんでもない規模であり、アティーリ、膨大な手書き資料、ヴァステなどの膨大な使用実例があり、
昨今の人から見ても化け物クラスなのです。
多くの人は歴史段階で言うと制定語彙(1996年)〜赤アンクノット(1998)ぐらいで、
まだ人類には早すぎるって感じかな。
語法設定は、使うならともかく、作るのはすごく難しいのです。
相当な広範な知識、洞察力、言語作者としての技量と経験値があってはじめてできる技術だと思うよ。
言語作者ですらないエスペランティストの人にそれを求めるのは結構酷な話かなと思うよ。

484seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/28(木) 15:50:24
>需要があるんじゃないかと思うけど、世の中になかなかああいう
>力関係がそれほど大きくない語族レベルで違うような言語話者の集団ってあまり見ないのです。

思うに、アシェット的な集団は最近あると思うんですよ。
skypeやネトゲの発達で、オンライン上には母語が互いに異なる多くの人々で構成される集団があると思います。

ただ問題は、その人達何も迷うことなく英語を使うんですよねぇ!
人工言語待ったなしって感じです。

485seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/28(木) 15:52:18
>多くの人は歴史段階で言うと制定語彙(1996年)〜赤アンクノット(1998)ぐらいで、
>まだ人類には早すぎるって感じかな。

なるほど。

>相当な広範な知識、洞察力、言語作者としての技量と経験値があってはじめてできる技術だと思うよ。
>言語作者ですらないエスペランティストの人にそれを求めるのは結構酷な話かなと思うよ。

まぁ言語学も人工言語もできる人材が見受けられないので、仕方ないのでしょうね。

486luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/29(金) 14:46:20
旧アルシェの場合は、1991年の段階で、まだ7〜10歳で、しかも当時は小学校の英語教育と言うのはなかったからじゃないかな。
英語教育以前だからこそ、英語を使うということもなく人工言語という選択肢が生じえたのです。
英語の影響力の弱さたるや、Be動詞の概念が理解できないから導入されなかったぐらいなのです。
英語ができるようになってからだと、学校で習っているからどちらにとっても多少は分かるということで、
選択肢が英語に絞られてしまうのです。
1994年段階ではもうすでに英語の影響が濃くなり、2000年の段階では、ミールの書を見る限り、
事実上のコミュニケーション用言語はアルカよりも英語だった実態がみられるのです。
アシェット側でも英語の影響力は少なくないのです。
対外的な国際補助語としては英語が採用され、それでしかないけど、
部外者にあまり知られたくないことを書くための符牒としての需要があったから続いたのです。
ネトゲギルドみたいなある程度開けた団体だったら人工言語の国際補助語が滅びた可能性が無きにしも非ずなのです。

ということで、いかに英語教育前に選択肢として提供するかと言うことになるけど、
2011年以降、小学5年生から英語が必修化しているとなると、20年前よりも状況は厳しいのです。
生まれるのが20年遅かったら、共通言語の需要は英語で満たされるために、アルカの発展も
なかったかもしれないのです。

東西冷戦末期というまだアメリカのほかにも対立軸があり、東欧に今ほどアメリカ文化の影響力がなかった
と言うこともプラスに作用していたと思うけど、今となってはウクライナでは義務教育1年生から英語必修、
フィンランドでは義務教育3年から英語必修であの当時より英語圏の勢力範囲が広がっているのです。
時代的背景からすると、人工言語の、実用段階の完成度を持つ国際補助語をつくる最後のタイミングだったとも
言えるのです。

487seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/30(土) 09:00:03
>ネトゲギルドみたいなある程度開けた団体だったら人工言語の国際補助語が滅びた可能性が無きにしも非ずなのです。
>時代的背景からすると、人工言語の、実用段階の完成度を持つ国際補助語をつくる最後のタイミングだったとも言えるのです。

なるほど。

それに当時はパソコンとネットが出始めた時期で、そこを生きたのもウチが一番乗りで色んなコンテンツを作れた理由かもしれませんね。
ただまぁ、なにげに紫苑とか世界初のものが多いんですが、その事実が周知されないというね。

488WYU ◆1in7cuyv5I:2013/03/30(土) 13:23:51
>>487
世界初だと信じてもらえないのが原因でしょうかね?
または、世界初だと信じていてもそれがどれほどすごいことなのか実感できないとか

489seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/30(土) 15:47:32
後者でしょうね。
前者は紫苑のような小説があるかどうかググればすぐ分かることですし、
言語学少女のように小説仕立ての言語学書があるかもすぐ調べられますから。

490seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/30(土) 15:50:02
まぁ砲丸投げに興味が無い人にいくら「この砲丸の質はほかの砲丸と違って世界一なんだよ」と言っても、
興味が無い人にとっては「はぁ……(違いなんてわかんねぇよ)」なわけで、
人工言語や言語学についてもそんなもんでしょう。そもそも人口が少ないから。

491nuluyo:2013/03/30(土) 17:31:53
人工言語辞典(シャレイア語の人のサイト)を開こうとしたら
「ページが見つかりません」と出ました。一時的なものでしょうか?

492seren ◆Irq7AFcfv2:2013/03/30(土) 23:59:39
受験でしばし引退とおっしゃっていませんでしたっけ。

493luni ◆CcpqMQdg0A:2013/03/31(日) 10:15:40
ただのサーバートラブルだね。普通に表示されるよ

494seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/01(月) 23:12:34
言語を作るための言語学:「言語と知識と思考」:http://constructed-language.org/conlinguistics/create_13.html

495FAFS:2013/04/02(火) 14:05:42
サピア•ウォーフの仮定みたいな事ですね

496nuluyo:2013/04/02(火) 20:52:18
サピア・ウォーフの仮説ですね。

497 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/02(火) 23:41:43
>>494
上弦の月と下弦の月の問題はどういうものだったのかな?
全天の写真や図を見せて答えられなければそれはお粗末だと思う。
月だけを見て当てるとなると実用的ではない知識が必要になってくる。
日本語にも上弦、下弦という言葉が現にあるわけで、日本人はちゃんと区別できているはず。
そもそも日が暮れてすぐに南中するか、真夜中過ぎてから上ってくるかは誰だって区別できる。
太陰暦を使う農耕民族なら上弦、下弦を区別して当たり前だし、日本人はもっときめ細かく月を呼び分けている。
しかし問題が月だけを示して答えさせるなら難問とみなしても仕方がないと思う。
月の影の形を覚えていても役に立たないので、それがわかるか否かは東大卒だの気象予報士だのは関係ないだろう。
ちなみにウサギの頭側が上弦、足側が下弦だよね。
こういうことは天文が好きでよく観察していないとわからないかも知れない。
そしてそれを知っているからといって特に何かの役に立つわけでもない。

一方で、三日月の下弦版を何というのかわからなかったのでぐぐってみたら二十六夜というらしい。
この点は alj と inje のようにはいかない。
それだけでなく、二日かも知れない、四日かも知れない三日月っぽい形の月を何と呼べば良いのかわからず、いつも三日月という度にもやもやした気分になっていた。
半円形のものを半月というように「あの形」は三日月形という。
半円には上弦、下弦の区別はないので半月で充分。
図形としての三日月形も同様で三日なのか二十六日なのかは関係ない。

何がいいたいかというと、時刻や方角の情報も含めて上弦と下弦を区別するのは珍しいことではないが、月の影の形だけで上弦を下弦を区別するとなると何か特殊な設定が必要になってくると思うということ。

>人工言語を使うことによって自然言語では作り得ない思考の枠組みが出来上がる。
これはその通りだと思うし実に興味深い。

>それがアプリオリの自作言語だった場合、あなたは初めて自分の力で思考することができる。
これはどうだろうか。アプリオリのつもりでもやはり母語や既修言語の影響は避けられないと思うが。

新しい言語を使うことで新しい考え方ができるようになるのは人工言語だけでなく語学一般の利点だと思う。

498seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/03(水) 09:18:38
>上弦の月と下弦の月の問題はどういうものだったのかな?

http://homepage3.nifty.com/hosimi/mooga.jpg
こういう風なふたつ並んだ写真で、もっと間が空いたものでした。
どちらが上弦の月が当てろと。

>アプリオリのつもりでもやはり母語や既修言語の影響は避けられないと思うが。

制作の段階では、言語学を参考にゼロから構造を12年前に組み立てなおしたものなので、それはないです。古アルカの段階ではあったと思います。
使用の段階では、僕はアルカを使うときに日本語から訳さないので、それもないです。

>新しい言語を使うことで新しい考え方ができるようになるのは人工言語だけでなく語学一般の利点だと思う。

そう思いますが、誰かあるいはいずれかの民族の物の見方に支配されているのが、精神性の自由を獲得してないと思うのです。
こう思うようになったのは、娘がアルカを喋ることで、彼女の物の見方の土台を僕が個人的に支配したんだと肌で感じたのがきっかけです。追体験できないと共感しづらいかもしれません。

499seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/03(水) 09:30:50
まぁ自分でも造語するとき日英仏のwikiなどを見たりするので、自然言語の影響がないわけではないかなとも思うのですが、
実際それらを見てそのまま意訳することはないですからね。

その語ができた経緯を調べ、アトラスの歴史に照らし合わせて、アルカならなんと命名されるだろうかを独自に考えて
一語一語造語して18000語を突破したわけですから、影響は可能な限り排他していると思います。

500seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/03(水) 09:40:07
>しかし問題が月だけを示して答えさせるなら難問とみなしても仕方がないと思う。

多分そこが文化による感覚の違いだと思うのですが、
アルバザード人というか僕らはあれは5歳児でも即座に分かる問題だと感じるのですよね。

逆に日本人やフランス人が詳しくて僕らが疎いものもあると思います。
背景文化の違いですね。

501 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/04(木) 09:54:12
>>498
http://homepage3.nifty.com/hosimi/mooga.jpg
これは答えられなきゃダメでしょ。
うん、難易度2だ。
方向の情報が与えられているのだから中学の理科の問題だね。
半円形の向きを揃えて、こんなふうに→ D D 並べてクレーターの影だけで当てろとなるともう少し難易度上がるけどね。

>>アプリオリのつもりでもやはり母語や既修言語の影響は避けられないと思うが。
これはアルカではなく一般論なのだけどね。
逆に、自分で言語を作らなくても、外国語を学んでも、何語も学ばず母語だけで考えても、シニフィエを自由に切り出すことができれば「あなた以外の力から開放」されることになると思う。
その効率を考えると、日本語と英語の劣化コピーを自作するよりも、色々な言語を広く浅く学んだ方が良い場合が多いと思う。
私が人工言語で印象に残っているのは二つ。
グモソの「datenra 雨が降りそうな日に傘を持たず家を出て、帰る時に雨が降り出して『ああ、やっぱり傘を持って来るべきだったな』って気持ち」と、何語だったかは忘れたけど、「暑いか寒いかは問わず適温でないことを表す」語だ。

>娘がアルカを喋ることで、彼女の物の見方の土台を僕が個人的に支配したんだと肌で感じた
これはさすがにマネできない。非常に影響力の強いことをしたということは理解も共感もできるけどね。
でもそのこと自体は良くも悪くもないと思う。むしろ出来のいい言葉が母語になるなら得をしているかも知れない。
唯一、難点を挙げるとすれば、同じ言葉で通じ合える仲間が少ないことか。

502seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/05(金) 17:37:08
>方向の情報が与えられているのだから中学の理科の問題だね。

東大で気象予報士で月の画像見て上弦の月を選べないって驚きですね。

>シニフィエを自由に切り出すことができれば「あなた以外の力から開放」されることになると思う。

それができれば確かにそうだと思います。

>唯一、難点を挙げるとすれば、同じ言葉で通じ合える仲間が少ないことか。

だから子供にはアルカを教えたくなかったのですよ。僕の代で終わりにしたい。

503 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/05(金) 23:45:17
>僕の代で終わりにしたい。
でもお子さんはそう考えないかも知れないよ。
親から授かったものは特別だ。
ましてやそれがお手製で絶滅危惧言語となれば尚のこと。
お孫さんの代からはフランス語が第一、アルカが第二にするのが妥当なところじゃないかな。

まあ、あんまり重い話題を引っ張るのもアレなんで別の話題を。

人工言語で子音が出現する位置を規定しているものはあまりないように思います。
自然言語を見ると ng や r が語頭に来ない言語があります。
ラテン語や古典ギリシア語は語末に来る音節は (m), n, s, r だけと決まっています。
朝鮮語の平音のように位置によって清濁が変わるものもあります。
全ての音素があらゆる位置で現れるのが音節数が稼げてお得な感じですが、自然言語ではそのようになっていないということは、位置を限定する利点なり合理的な理由なりがあるんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。

504Y.U:2013/04/06(土) 11:12:02
>人工言語で子音が出現する位置を規定しているものはあまりないように思います

カルコレーシュ語の場合、細かい規定があります。

カルコレーシュ語では、音節末に破裂音や破擦音[ts]が立つことができません。
子音は20種類ありますが、音節末に立つ子音はn, m, r, l, s, f, v, th, dh, ch, ghに限られます。
(※chは摩擦音[x]、ghはその有声音)
また、子音クラスター(stやtrなど)は音節頭にのみ出現可能です。

実際に、語末の破裂音は発音しにくく、また、聞き取りも難しいので
これらの規定は合理的な設定だと思います。

505 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/06(土) 14:50:50
>>504
そう、それそれ。
破裂音で閉じる音節って発音しにくいよね。
内破音なら発音は楽だけど聞き取りにくいし。
破擦音は摩擦音以上によく響いて聞き取りやすいと思うのだけどね。
でもラテン語や古典ギリシア語では ts は嫌われて s になるんだよね。
方言音でも ts ではなく t だし。
アルカは適宜シュワーを補って良いことになっているのでその点は楽だけどね。

506seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/06(土) 23:23:29
子音連続についてはネットを調べたら以前僕が書いてた文が出てきたので載せておきます。

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たとえばCVCやCCVCCなどの音節が考えられるわけですが、このCには何が入ってもいいというわけではありません。
一般にソノリティ(音の聞こえ)の高いものが中心に来ます。CCVCCを山の形にイメージしてください。
母音のソノリティが一番高く、山のてっぺんです。裾野、つまり外側の子音に行くほどソノリティが低くなる。
これが音節のソノリティによる仕組みです。

ソノリティは一般に閉鎖音が最も弱く、側面音や鼻音は強く、母音が最も強いです。
しかも母音の中でもアが一番強いとされています。
大きく叫べというと「アー!」っというのはソノリティから見れば理に適ってます。
側面音や鼻音は子音の中ではソノリティが高いので母音に近い性質を持ちます。
音節はふつう母音が作りますが、littleのように側面音や鼻音が音節を作ることがあるのはそのせいです。

[plei]という発音があるのは、ソノリティがp<lだからです。[lpei]なんてないですよね。
ただ、言語には例外が付き物です。
英語にはspainやspiritなどの単語が存在しますが、実はソノリティをみるとs>pです。

こういう変な子音連続は偶にあります。アルカでも古アルカ由来でルフェルという固有名詞は/lfer/です。
側面音のほうが摩擦音よりソノリティが高いので、ふつうはありえません。

じゃあこのソノリティの法則って使えないのかっていうとそうでもありません。
エスプリって言葉、哲学とかで聞きますよね。あれはフランス語のespritから来ています。
また、spainはスペインではespana(字上符省略)です。

なぜe-が付いているのでしょう。あれはspという子音連続を避けた結果です。
eを付けることによってspではなく、esとpに分けたのです。
ソノリティが山形の音節を描くのが一般的という感覚が活かされています。
因みにこの感覚はラテン人にはなかったのか、ラテン語ではこの語にsp-を使います。eが付きません。

また、調音するのが難しいという理由で却下される子音連続もあります。
dkmatbrとか発音できますか?CCCVCCCなんですが。私はムリです……。多分多くの人類もムリでしょう。

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507seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/06(土) 23:29:52
>全ての音素があらゆる位置で現れるのが音節数が稼げてお得な感じですが、自然言語ではそのようになっていないということは、位置を限定する利点なり合理的な理由なりがあるんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。

確かにそうですね。
アルタイ語でrが語頭に立たないなど、その現象は広く知られているのに、ではその原因は何かと言われると言語学者でも答えられないわけです。
結局はその語族の伝統とか特徴というしかないわけです。
rから始まる単語が言いづらいという説があるかもしれませんが、別に他の語族だとふつうにそういう単語は存在するわけですし。

508seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/06(土) 23:44:10
世界を作るための文化人類学「キャラとストーリーと世界観」:http://constructed-language.org/conlinguistics/create_14.html

509 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/06(土) 23:52:01
みんな『はたらく魔王さま!』見てるかい?
http://animan.doorblog.jp/archives/26405058.html
https://twitter.com/wagahara211/status/319797826848702464
https://twitter.com/wagahara211/status/319798073150799873
http://blog.livedoor.jp/kaigai_no/archives/26400998.html

510 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/06(土) 23:59:40
語頭の sp- はソノリティだけでは説明できないと思うんだよね。
むしろ p の前に s で気流を起こしておくことで p の閉鎖が際立って聞き取りやすくなるんじゃないかな。
s はどこに現れても発音しやすい良い子。
余談になるのかも知れないけどスペイン語の s はかなり「シュ」に近いよね。
語頭の s- が es- になるのは西イタリック語派だから、イベリア半島の原住民の言葉が影響しているんじゃないかな。

511seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/07(日) 01:41:33
>はたらく魔王さま!

見ました。
ドイツ語っぽい響きの不明な言語が出てましたね。人工言語なのかな?

やっぱり人工言語が前面に出ることってないですねぇ。
娯楽の限界なんでしょうね。
一瞬で日本語堪能になってたし、声優さんは謎言語より日本語のほうが流暢だし。

512seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/07(日) 01:44:22
言語・文化的にはテルマエ・ロマエのほうが面白いかな。
一応ラテン語考察してるみたいですし、ちゃんとご都合主義の日本語適応をしてないですし、
あっちは主人公が日本文化に順応していくシーンを丁寧に描いてますし。

513末広:2013/04/07(日) 02:26:44
>>508
なるほど、非常に参考になりますねφ(@_@+)
私は今まで「シュライ語が主人公でキャラクターが一歩引く」感じで書いてましたが、
もっとキャラ萌え(燃え)の視点に立って考えてみます。

514seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/07(日) 12:24:31
>もっとキャラ萌え(燃え)の視点に立って考えてみます。

まぁそのほうが人口に膾炙するでしょうね。

515seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/07(日) 22:54:17
言語を作るための言語学「人工言語にはたくましい想像力が必要か」:http://constructed-language.org/conlinguistics/create_15.html

516 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/07(日) 23:56:33
はたらく魔王さま!気に入らなかった?言語はかなり丁寧に扱っていたと思うけど。
向こうの言葉の出来はわからない。声優さんの演技は作者の責任ではない。
それ以外の部分は模範的だと思うよ。
最初は言葉が通じない。そこで魔力でお巡りさんから日本語を含めた知識を得る。
魔力は限りがある。バイト先のポテトの調理器が壊れたときも節約していたのに警察官から知識を得るときと役所で戸籍を作るときだけは魔力を使った。
その後は徐々に日本語に慣れていく経過が描かれている。
名詞のアクセントが奇妙だったが、ハンコ、点滴、国民保険とだんだん自然になってくる。
カツドゥンだけトーキョーやケーサツとはアクセントが異なったがフドゥーサンも似たような発音なので do に何かこだわりがあるのかも知れない。
不動産屋ではカタコトでなんとか通じる程度だったが働く頃には流暢に喋れるようになっている。
決して一瞬で堪能になったわけではない。
言語が話の本筋ではないのにここまで詳しく表現しているのは異例のことだよ。
漢字二文字で略すと「働魔」となって「ろうま」から「ローマ」につながるしね。
お後がよろしいようで。

517seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/08(月) 00:09:26
あ、いや、別に気に入らないわけではないのですよ。
1話目後半で既にペラペラになってたのが気になっただけです。

もうちょっと日本語に慣れていくのを12話くらい使ってゆっくりやってほしかったなぁと思いました。
ただエンタメとしてそれだと成立しないから、紫苑の書なんかはいわんやだよなぁと思ったのです。

あと、「どうせ人工言語作るなら適当にやらずに某漫画家さんのように僕に頼めばいいのに」、とも思いましたね。

518 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/08(月) 00:26:29
あれは作者が自分で作りたかったらしいよ。
原作の出版年が 2011 年だから、ひょっとしたら紫苑の書や新生人工言語論を知っているのかもと思ったり。
それに……
>1話目後半で既にペラペラになってたのが気になっただけです。
紫苑の超人的な学習能力に比べれば魔王なんだから上達速くてもいいじゃないか(笑)

519seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/08(月) 07:32:55
>あれは作者が自分で作りたかったらしいよ。

あぁなるほど。

>ひょっとしたら紫苑の書や新生人工言語論を知っているのかもと思ったり。

まぁ人工言語でググれば最初のページにウチの作り方が出てくるので、参考にされてる可能性は高いですね。
書籍かて作り方の本なんざウチのものしかないですし、ネットだよりになるから結局はウチってことになりそうです。

520seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/08(月) 08:01:06
そういえばあのアニメの謎言語ってやっぱり人工言語なんですかね。
何語っていうんだろう。
公式サイトとか解説サイトはあるのかなぁ。

521末広:2013/04/08(月) 12:04:24
>>516
確かに紫苑の書を彷彿とさせますね。
ノリがあまりにも魔王らしくないのがけしからんですがw

522 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/08(月) 22:14:22
>>520
通称「エンテ・イスラ語」だそうで。
近々公式サイトで講座を開くらしいよ。
https://twitter.com/anime_maousama/status/319870897408331778
>公式サイトで近々『すぐ話せるエンテ・イスラ語講座』をオープンしようかとw 〜 #maousama

作者のツイートがこれ。
https://twitter.com/wagahara211/status/319797826848702464
アニメ制作現場では『エンテ・イスラ語』と呼ばれてるこの言葉。構想自体は原作三巻で生まれ、アニメサイドからの要望もあり初めて形にしました。全て和ヶ原が作りました。文字、単語、文法、発音、全て設定が存在します。この言葉の全責任は和ヶ原が負っています。 #maousama
https://twitter.com/wagahara211/status/319798073150799873
台本にはカタカナが並んでいたのですが、音響監督さんにチェックを求められても、作った俺本人が正しいのか分からないって言う。でもそんな無茶な言葉を、本当にある言葉のようにそれを流暢に演じてくださっている声優の皆さんが本当に凄いと思います #maousama
https://twitter.com/wagahara211

フォローして絡んでみては?

>>521
ね。紫苑読んだことのある人にはニヤリとできる前半でしたね。
あの魔王は適応が良い現実派なのでしょうw

525seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/10(水) 12:04:35
>通称「エンテ・イスラ語」だそうで。

人工言語だったんですね。

>音響監督さんにチェックを求められても、作った俺本人が正しいのか分からないって言う。

やはり言語学できて人工言語できて物書きもできるって中々揃わないみたいですねぇ……。

526 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/14(日) 23:35:56
「ヤマト Hoffnung」でぐぐってみ。

527seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/15(月) 12:13:27
外人さんが言語制作受注したのですか?

528 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/15(月) 23:47:11
日本人らしいよ。綾波レイが好きみたい。

529seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/16(火) 01:47:05
どこでその人の情報見れます?人工言語や言語学に詳しい人なのか、単にアニメ業界にコネがある人なのか。

530seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/16(火) 01:49:20
10年前と比べて作品に人工言語が増えたのは新生人工言語論や人工言語の作り方の影響なのかもしれませんね。
10年前と今で何が違うかと言ったらそれなので。PCもネットも当時からありますからね。
今期のアニメは特に人工言語が多いようで。

531 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/16(火) 11:53:33
ここの「集会所」の「☆ 管理人の独り言」の 2012/06/08 (Fri) 21:41:50 参照のこと。
ttp://ayanamiten.web.fc2.com/
人物像はホームのフレームの中ごろに
> Q:あんたら何者?
> A:単なるヲタのヲヤヂどもです(w
だそうな。
しかしながら「言語学者の監修」という情報も。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%82%B9%E5%B8%9D%E5%9B%BD
17 宇宙戦艦ヤマト2199
>言語
>本作では言語学者の監修[7]によるガミラス語も設定されており、
>7.^ 『YRAラジオヤマト』第2回(2012年4月9日配信)でチョーが明言。
つまり Hoffnung 氏がヲタの言語学者なのかも。

人工言語でぐぐるとアルカの関連サイトが上位に来るので近年の人工言語で作りがしっかりしているものはその影響も受けているんじゃないかな。
ただ、ゼントラーディー語のマクロスが '82年、ラピュタ語のラピュタが '86年なので、それを見て育った世代が独自に作っている可能性もあるだろうね。

作中で読めない資料が出てくることは多々あってもさほど影響力はないと思うけど、アニメで意味のわからない台詞が音声として聞こえると印象が強く、後々それに倣う人も出てきて当然だと思うよ。

532seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/16(火) 12:07:42
ありがとうございます。
言語学やってて人工言語やってて僕らが存在すら知らなかったって、かなり珍しいですね。

533 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/17(水) 00:15:15
話題変えるよ。

自動詞と他動詞
http://constructed-language.org/conlinguistics/create_4.html

学習効率を考えると云々について。
自他同形で両方アリが学習も運用も一番楽なんじゃないかな、という提案。

まず文脈で判断できるでしょ。英語で open や break が自動詞か他動詞か迷うことはないよね。戸や花瓶は自動詞の主語で他動詞の目的語なのは常識で決まるし。それでもどうしても自動詞か他動詞か明示したい場合はどうすれば良いか考えてみた。
むしろ自案を発表して意見を募りたかった。←

というわけで自他同形語の文法概略。
・目的語があれば他動詞、なければ自動詞。
・目的語は省略できる。その場合は文脈で自他を判断。
・目的語を省略し、それでも他動詞と明示したいときは形式目的語を立てる。
・自動詞を、目的語を省略した他動詞と明確に区別したい場合も自動詞文であることを表す虚辞としての形式目的語を立てる。

語彙
death 動詞 「死ぬ」「殺す」

He deathed her. 彼は彼女を殺した。
→目的語があるので他動詞。
He deathed. 彼は死んだ。
→目的語がないので自動詞。
He deathed one. 彼は殺した。
→誰を殺したのかはわからないが形式目的語 one があるので他動詞。
He deathed none. 彼は死んだ。 = He deathed.
→自動詞を表す虚辞の形式目的語 none がある。
He deathed no one. 彼は誰も殺さなかった。
→目的語があるので他動詞。その目的語が否定代名詞なだけ。虚辞の none と混同せぬよう注意。
He deathed oneself. 彼は自殺した。
→再帰代名詞を目的語とした他動詞。

ここで、one と none を CV のような短い語形にすれば運用上も殆ど煩わしくないはずで、他動詞を基底にした場合と比べて、die と kill oneself が区別できる利点もある。

と、いうことを考えているのだけど、どうかな?何か欠点があれば教えて。

534seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/17(水) 12:00:34
記事にしてお返事します。
端的に言うと、表層構造は揃っているが深層構造と意味役割が整っていません。

535 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/18(木) 00:38:37
深層格というやつ?
記事期待してます。

536seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/19(金) 19:20:55
なんだかあまり面白い記事になりませんでした……
ご意見ちょうだいできれば

言語を作るための言語学「全ての動詞を自他両用にするとどうなるか」:http://constructed-language.org/conlinguistics/create_16.html

537 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/20(土) 00:59:54
記事ありがと……う?……ちょ、私の書き込みそのままwwww

まあ、いいやw

論点は「表層構造と深層構造の対応」と「効率」の二つかな。加えて、以前から再帰動詞については思うところがあったのでこの機会に述べたい。最後に自他同形語のより良い姿を再提出する。

表層構造一つに深層構造四つと説明されていたが私はどちらも二つのつもりだった。表層構造は SV と SVO の二つ。SV は当然自動詞文なので Patient Verb ということになる。一応、他動詞文の目的語を略したものも同じ形になるが、不完全なものまで文法が世話を焼く必要はないと思うので、SV = Patient Verb の一通りと考える。次に SVO はAgent Verb Object と Patient Verb の二通りと考えていた。再帰代名詞を用いる文も他動詞文の一種と考えるので Agent Verb Object (Reflexive) は一つとは数えない。自動詞文を表す形式目的語は記号に過ぎないので Cause や Agent のような意味を見出すことはできず深層構造としては虚辞 (Expletive) とみなすのが適当だろう。ということで、表層と深層の関係はつぎのようにまとめられる。

1 SV
1a Patient Verb

2 SVO
2a Agent Verb Object
2a' Agent Verb Object (Reflexive) = 2a
2b Patient Verb Expletive = 1a

2b の形式目的語は SVO 語順ならば動詞と一体化して接尾辞に、SOV 語順ならば主語と一体化して格語尾に発展する可能性のあるもの。当然、2b 文の Expletive の位置に来ることができる語は一つだけ、先の例文では none だけということになるので、Cause や Agent を考える必要はない。

次に効率だが、学習効率は非常に良く、運用効率も控え目に評価しても悪くないと思う。覚えることとしてはシニフィエの量を減らすわけにはいかないがシニフィアンが減るので楽になるはず。運用は英語の open や break の例があるので現実的に許容できるはず。自動詞文で SVO の形になるのは虚辞を用いた場合だけで、Patitent or Object Verb Cause or Agent という深層構造はあり得ないので、解釈で特別労力を要することもない。

さて、再帰動詞。以前から再帰表現を自動詞と同等に扱うことには違和感があった……のだが、そろそろ寝なければならないので続きはまた明日。アルカの set, vort, latyur を見れば再帰代名詞や繋詞で自動詞を表すという決まりが通用しないことがわかるので、この点もからめて論じたい。

538seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/20(土) 13:02:15
なるほどです。これは記事を直さなければなりそうですなぁ。
続き楽しみにしてます。
あと僕以外の方は基本スレを上げていただいて大丈夫です。

539 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/21(日) 00:12:35
昨日の続き。今朝からノドが痛くてアレだけど気付かないフリw

正直に言うと私は再帰表現がどうもしっくりこない。日本語の母語話者だからだと思う。なので自言語に取り入れようとは思わない。しかしそれはそれ、これはこれ、ということで自動詞と他動詞を区別する効率の良い方法を探る目的で再帰表現について、形態論と意味論から極力公平に考えてみる。効率は学習、発語、理解に分ける。この場合の発語とは口頭にせよ筆記にせよ言葉を発することを指す。

まず形態論に限って述べると、再帰表現の学習効率は最高だと思う。これは疑いない。運用では、発語は再帰代名詞が短ければ無害、長ければ煩雑ということになろう。フランス語の場合はエリジオンすれば音節は増えず、エリジオンしない場合も無アクセントの一音節、開音節のものばかりなのでほぼ無害。ロシア語のся動詞も同様。アルカの nos も閉音節ではあるものの省略することもできやはりほぼ無害。ところが英語の oneself になると二音節なので少々煩わしい。理解のためには再帰代名詞は目立つマーカーとして役立つのでむしろ有利だと思う。

こう考えると再帰表現は効率の良い上手い方法のようだが、意味と汎用性を考えると不利な部分もあると思う。意味では、ある他動詞の再帰表現と、その 他動詞に対応する自動詞が等価になることは少ないので私のように抵抗を感じる人もいる。また、kill oneself と die が等価ではないということは、自殺と自然死を区別するには再帰表現だけでは苦しいということになる。アルカでも set と set nos だけでは足りず、運用効率を考えてか set, vort, latyur の三形態がある。幻日辞典で "set nos" を検索しても何も見付からなかったが、自然な感覚では set の自動詞が vort で set nos が latyur と等価だと思う。ところが vort も latyur も他動詞ということになっているので、では vort nos や latyur nos はどういう意味かと考えるとわけがわからなくなる。アルカは他動詞しかなく自他を覚える必要がないということなので楽そうだが、実は nos 化できるものとできないものを覚えなければならず、決して楽はさせてもらえない。結局、アルカに限らず、他動詞の再帰表現を自動詞の代わりにするという方法は、形態が覚えやすいことと再帰代名詞がマーカーとして理解の助けになることは有利だが、大幅に効率化できるというわけではないように思う。

次に自他同形語の再考案だが、目的語の有無だけで自他を区別しようとすると、動名詞や分詞で不都合が起こるような気がするので更に検討を要する。先の例では deathing が「殺すこと」なのか「死ぬこと」なのか区別できない。能動分詞でも同様。ならば他動名詞と自動名詞、他動分詞と自動分詞を分ければ良いことになる。文法事項が一つ増えてしまうが、頻度を考えると本動詞としての自他の区別を減らし、代わりに分詞の種類を増やす方が、少しは効率が良いのではないかと想像する。結局はアプラウトで自他を区別するやり方が一番効率が良いように思えてきた。しかし乗りかかった船ということで、自他同形語の文法をもう少し考えてみようと思うけど、くしゃみも出てきたので葛根湯を飲んで休むことにする。続きはまた明日。

540 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/21(日) 20:16:28
続き。今回で完結。

自他同形語の学習・運用効率に関する考察。

本動詞
孤立語では統語で自他が区別できる。
二項あれば他動詞、一項なら自動詞。
屈折語や膠着語では項の格からでも判断できる。
主格対格言語では対格があれば他動詞、なければ自動詞。
能格絶対格言語では能格があれば他動詞、なければ自動詞。
学習効率は最高、発語と理解は孤立語でやや劣るが屈折語や膠着語では良好。

準動詞
準動詞でも項に頼って自他を判断することはできるが冗長になるので避けたい。
e.g.
deathing [自] 死ぬこと、deathing one [他] 殺すこと
deathing man [自] 死にかけている人、man deathing one [他] 殺している人
代替案として自動詞と他動詞で異なる語形を用意する。
自動名詞 deathing 死ぬこと
他動名詞 deathend 殺すこと
自動不完了分詞 deathing man 死にかけている人
他動不完了分詞 deathend man 殺している人
自動完了分詞 deathed man 死んだ人
他動完了分詞 deathen man 殺した人
受動分詞 gedeathen man 殺された人
準動詞の数は英語のように -ing と -ed しかない言語もあれば古典語のように各時相に別々の語形があるものもある。一例として上記七種五形態を用意したい場合、自他同形だと不定形一つに準動詞五形態で覚える形態は六つ。自他別形では不定形二種と不完了分詞、完了分詞、受動分詞の三種で覚える形態は五つ。こう考えると負担は同じようだが、自他同形語では接辞のみで機能を判断するが、自他別形語では語幹と接辞の組み合わせで機能を判断することになる。どちらが便利かは甲乙付け難いが、準動詞の種類が増えれば自他同形語の方が負担は増すような気がする。

命令法
逼迫した状況では他動詞でも目的語を省略する場合が考えられるが、その場合は自他同形では区別しようがないので文脈に頼るしかない。
Death! だと文脈に頼らなければ「死ね」なのか「殺せ」なのかわからない。

以上から、本動詞だけを考えるなら自他同形でも問題はなく、自他別形よりも有利な可能性があるが、準動詞まで考慮すると自他同形の方が明らかに有利という状況は考えにくく、命令法になると自他別形にした方が良さそうである。

意味論
ある他動詞に対応する自動詞や、ある自動詞に対応する他動詞が、どのような語でも唯一通りに定まるか、対応するものがない場合は自他同形でも別段問題はない。しかし対応するものが二つ以上ある場合は自他同形では区別することができない。
「紹介する」という他動詞に対応する自動詞は「自己紹介する」であり、他動詞の目的語となる再帰代名詞を抱合して自動詞ができている。同様に考えると「殺す」に対応する自動詞は「自殺する」があるが、それだと「死ぬ」と競合することになる。更にアルカでは latyur の他動詞としての語義は「自殺させる」で使役の意味になり、vort の他動詞としての目的語は、それを主語にして受動態に書き換えることができるのか疑問であり、実際に vortat yu で用例検索したが一件も見付からなかった。英語の enter は他動詞で、その目的語を主語にして受動文に書き換えることもできるが、しかし enter に対応する自動詞はないように思う。
このように考えると自動詞と他動詞の関係は形態よりも意味の方が複雑であり、自他同形にしたところで、個々に自動詞、他動詞としての意味を、場合によってはどちらか一方を欠くことを覚えねばならず、語形を記憶する負担など些細なことと思えてくる。むしろ積極的に自他別形にして、形態から再帰や使役の意味がわかるようにした方が学習、運用とも効率が良いと考える。

以上。

541末広:2013/04/22(月) 00:27:00
確かに、vortが他動詞というのは意味的に想像しにくいですね。latyurはまだ分かりますが。

自動詞統一のシュライ語では目的語だけでなく、主語を埋めても他動詞用法になります。
パターンを並べ替えて追加するとこんな感じ↓

自動詞用法 yor (death) 死ぬこと
他動詞用法 nem-yor (death by man) 人が殺すこと(自殺も含む)
      `aw-yor(self-death) 自分で死ぬ→自殺

自動不完了分詞 yor-nem (death-man,) 死ぬ人
自動完了分詞 yor-nu-nem (man from death) 死からの人→死んだ人

 処格の明示による他動詞・受動表現
受動不完了分詞 rem-nem-yor-nem (agent-death-man) 他人(によって)死ぬ人
受動完了分詞  rem-nem-yor-nu-nem (man from agent-death) 他人(による)死からの人→殺された人

 絶対格の明示による他動詞・能動表現
他動不完了分詞 zem yor fai-nem (man doing patient death) 相手の死を実行する人→殺している人
他動完了分詞 zem yor fai nu-nem (man from doing patient death) 相手の死を実行してからの人→殺した人

基本文法による迂言法は冗長に見えますが、補助動詞の長さはfaiでCVV2モーラ、
完了マーカー(奪格助詞)の長さはnuでCV1モーラなので、ほぼ接辞サイズです。
後は目的語の省略ですが、これも許容してしまうと文法が煩雑になるのでうちでは自己責任としますヽ( ゚ ∀、゚ )ノ

542 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/22(月) 01:07:02
vort が他動詞といっても表面的なことで、つまり格詞のない名詞が動詞の直後に来ることができるというだけで、意味としては対象ではなく結果ですよね。
latyur の他動詞としての意味も使役なので、使役を使うなら全ての自動詞を他動詞にすることができます。
つまり使役を一般化すると落ちるの他動詞として落とすと落ちさせるの二つを認めなければならなくなります。

シュライ語の分詞は長さよりも意味の中核をなす動詞語幹の割合が気になりますが、削っていけば yor fai nu まで縮めて見ることができそうで、これなら大丈夫かなと思います。

543seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/22(月) 12:32:20
統語論的には問題ないが、意味論的には微妙ということですね。
納得です。

アルカは全てが他動詞だけど、対格の深層格が対象だったり様態だったり場所だったりと様々で、そこを覚える労力があります。
深層構造をそのまま表層構造にすれば論理的にはなりますが、そういう設計だと表層構造がたいてい冗長になるので、アルカでは避けています。
この辺りの問題は難しいですね。

おいおい記事を書き換える必要があるように思います。
ありがとうございました。

544Ziphil ◆Dd3zsepES.:2013/04/22(月) 22:59:50
>>533-543

久々に休憩がてらこの掲示板を見たところ、魚楠さんの自動詞と他動詞の考察の内容が、シャレイア語(3代6期)とほぼ同じで驚いています。
虚辞がないのが相違点です。
深層構造については考えてなかったので、いずれ考えようと思います (1年後かな…)。


シャレイア語の動詞は自他同形です。
自他は、他動詞の相手を表す助詞(前置詞) je の有無で決まります。
「死ぬ」「殺す」については考えが少し違うので動詞を変えます。

・ pansas a del. → 私は死ぬ。
・ pansas a del je tees. → 私は彼を起こす。

形式目的語の「one」には muus を使います。
je muus は冗長なので1音節の jem という短縮形を用意しようかなと思ってます。

・ pansas a del je muus. → 私は起こす。

再帰表現は自動詞の意味になりません。

・ pansas a del je del. → 私は私を起こす。 (妙な文ですが「私は起きる」とは意味が違うことが分かれば大丈夫です)

分詞はなく、動名詞は「起きる」「起こす」ともに動詞と同形の pans を用いるので、 文脈なしでは区別できないのが問題点です。
分詞がないのは、 関係詞 (といっても「関係詞」というものはないんですが) 表現で十分かなと思っているためです。

・ zas pansas a → 起きる人
・ zas pansas a jem → 起こす人
・ zas pansas je → 起こされた人

545 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/23(火) 00:39:09
語を一列に並べて表現できることは限られているので発想が似ることもたまにはあると思います。
虚辞は 3-5 の自他詞に近いものと理解できそうです。
自他の組み合わせを厳密に考えると難しくなりますが、その前に、他動詞とはどういうものかということもなかなか難しい問題だと思います。
英語では目的語があれば他動詞ですが、ドイツ語では3格と4格があり、3格をとる helfen (英 help) は自動詞扱いです。

ところで勉強はいかがでしょうか。
私も国語と地理が苦手でした。
センター試験で真面目に答えた地理とふざけて答えた理科Ⅰが同じ 53 点でにょろーん(・ω・`)となった覚えがあります。
国語は漢文、古文、現代文の順にコストパフォーマンスが良くなります。
現代文は自分がいっぱしの物書きになったつもりで上から目線で問題に向き合うと良いかも知れません。
地理はあまり助言できませんが、常に地図を眺めてそれぞれの地域の特色をイメージすると良いそうです。

546seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/23(火) 12:15:01
理科と地理その点数で、例の大学によく入れましたね……?
自分はセンター全科目8-90点台でしたが、例の学校ですよ……。

547 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/23(火) 16:50:49
理科Ⅰは遊びで受けただけで受験で使ったのは物理と生物だよ。
センターは 637/800 点。二次は英語と物理が九割、数学が七割くらい、生物が……まあ、運も実力のうちというしね!w

548Ziphil ◆Dd3zsepES.:2013/04/23(火) 20:58:18
>>545

数理英は問題なさそうですが、地理が今のところ壊滅的です。
直近のマーク模試では46点でしたからね…。

それよりも、気が小さくて入試間際で体調を崩しそうなので、そちらの方が心配です。

あ、スレッドのテーマと関係なくてすいません。

549seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/23(火) 22:37:29
>>547

あぁ、そうですよね。それなら納得です。

>>548

緊張からの不調なら、デパスとか飲んでおいたほうがいいかもしれませんね。
眠くなりますけど。

550nuluyo:2013/04/24(水) 18:03:13
したらば掲示板とライブドアwikiの運営会社が変更されて、
そのうち利用しているサイトのアドレスも書き換えられます。

serenさんやKPHTさんはリンクの修正などが必要になります・・・。

551nuluyo:2013/04/24(水) 18:06:46
〈アドレスが変わってしまう人工言語サイト〉

人工言語掲示板(この掲示板)、ユーゴック語公式サイトetc...

552名無しさん:2013/04/26(金) 21:30:42
お初です

自動詞の二分、非能格動詞と非対格動詞に関する記述を読んでいて疑問に思ったことがあります。
例えば「笑う」という動詞は非能格動詞の例として挙げられていますが、
「何(誰)かが誰かを笑わせる」という他動詞の文を原型として考えた場合、
「笑う」という動作は因果関係でいえば結果なので
「Φが誰かを笑わせる」という非対格動詞の構造だとも考えることができると思うのですが、どうなのでしょうか。

553 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/27(土) 00:24:37
>>552
ウィキってみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%A9%9E

2つの自動詞を区別する基準としては表面上の主語における"動作主性"の有無が一例として挙げられる。すなわち、非対格動詞は動作主を項として取らない。
"laugh"という動詞は主語が意志的に行うことができる行為を表す。
それに対し"die"という動詞は意志を持って行うことではなく、自然に起こる現象あるいは状態変化である。この場合には形式上の主語 John は"意味上の目的語"つまり内項であると考えられるわけである。


要するに「わざとできるか否か」で区別するのですね。
もちろんこれも考え方によって判断が分かれることもあるとは思いますが、因果関係やφについて考えるよりはわかりやすいと思います。

554552:2013/04/29(月) 01:00:00
>>553
では、「死ぬ」はどうでしょうか。
わざと死ぬ、というのも不可能ではないわけですが、dieは非対格として説明されています

555 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/29(月) 20:46:03
「死ぬ」の語義をどう定めるかによって話が変わってくるね。
私の感覚ではわざと死ぬことはできないと思う。
意図的に自分の魂を抜いたり心臓を止めたりすることはできないよ。
「わざと死ぬ」とは自殺のことだと思うけど、それは「死ぬ」ではなく「殺す」の一種。

と、ここまで書いて少し考えがまとまってきた。

「死ぬ」の基本は老衰による自然死であって、自然現象なんだよ。
だから事故や事件で「殺される」ことはイレギュラな死で考えないことにするとわかりやすいのよ。

今から夕飯食べながらもっと推敲するよ。


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