したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【人工言語】人工言語総論スレッド

1seren ◆Irq7AFcfv2:2011/10/29(土) 14:26:52
人工言語そのもの、人工言語全般について話し合うスレッドです。
特定の人工言語、個別の人工言語について話したい場合は、別途スレッドを立ててください。

●参考資料

人工言語学研究会:http://constructed-language.org/
人工言語の作り方:http://constructed-language.org/create
人工言語学:http://constructed-language.org/conlinguistics

533 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/17(水) 00:15:15
話題変えるよ。

自動詞と他動詞
http://constructed-language.org/conlinguistics/create_4.html

学習効率を考えると云々について。
自他同形で両方アリが学習も運用も一番楽なんじゃないかな、という提案。

まず文脈で判断できるでしょ。英語で open や break が自動詞か他動詞か迷うことはないよね。戸や花瓶は自動詞の主語で他動詞の目的語なのは常識で決まるし。それでもどうしても自動詞か他動詞か明示したい場合はどうすれば良いか考えてみた。
むしろ自案を発表して意見を募りたかった。←

というわけで自他同形語の文法概略。
・目的語があれば他動詞、なければ自動詞。
・目的語は省略できる。その場合は文脈で自他を判断。
・目的語を省略し、それでも他動詞と明示したいときは形式目的語を立てる。
・自動詞を、目的語を省略した他動詞と明確に区別したい場合も自動詞文であることを表す虚辞としての形式目的語を立てる。

語彙
death 動詞 「死ぬ」「殺す」

He deathed her. 彼は彼女を殺した。
→目的語があるので他動詞。
He deathed. 彼は死んだ。
→目的語がないので自動詞。
He deathed one. 彼は殺した。
→誰を殺したのかはわからないが形式目的語 one があるので他動詞。
He deathed none. 彼は死んだ。 = He deathed.
→自動詞を表す虚辞の形式目的語 none がある。
He deathed no one. 彼は誰も殺さなかった。
→目的語があるので他動詞。その目的語が否定代名詞なだけ。虚辞の none と混同せぬよう注意。
He deathed oneself. 彼は自殺した。
→再帰代名詞を目的語とした他動詞。

ここで、one と none を CV のような短い語形にすれば運用上も殆ど煩わしくないはずで、他動詞を基底にした場合と比べて、die と kill oneself が区別できる利点もある。

と、いうことを考えているのだけど、どうかな?何か欠点があれば教えて。

534seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/17(水) 12:00:34
記事にしてお返事します。
端的に言うと、表層構造は揃っているが深層構造と意味役割が整っていません。

535 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/18(木) 00:38:37
深層格というやつ?
記事期待してます。

536seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/19(金) 19:20:55
なんだかあまり面白い記事になりませんでした……
ご意見ちょうだいできれば

言語を作るための言語学「全ての動詞を自他両用にするとどうなるか」:http://constructed-language.org/conlinguistics/create_16.html

537 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/20(土) 00:59:54
記事ありがと……う?……ちょ、私の書き込みそのままwwww

まあ、いいやw

論点は「表層構造と深層構造の対応」と「効率」の二つかな。加えて、以前から再帰動詞については思うところがあったのでこの機会に述べたい。最後に自他同形語のより良い姿を再提出する。

表層構造一つに深層構造四つと説明されていたが私はどちらも二つのつもりだった。表層構造は SV と SVO の二つ。SV は当然自動詞文なので Patient Verb ということになる。一応、他動詞文の目的語を略したものも同じ形になるが、不完全なものまで文法が世話を焼く必要はないと思うので、SV = Patient Verb の一通りと考える。次に SVO はAgent Verb Object と Patient Verb の二通りと考えていた。再帰代名詞を用いる文も他動詞文の一種と考えるので Agent Verb Object (Reflexive) は一つとは数えない。自動詞文を表す形式目的語は記号に過ぎないので Cause や Agent のような意味を見出すことはできず深層構造としては虚辞 (Expletive) とみなすのが適当だろう。ということで、表層と深層の関係はつぎのようにまとめられる。

1 SV
1a Patient Verb

2 SVO
2a Agent Verb Object
2a' Agent Verb Object (Reflexive) = 2a
2b Patient Verb Expletive = 1a

2b の形式目的語は SVO 語順ならば動詞と一体化して接尾辞に、SOV 語順ならば主語と一体化して格語尾に発展する可能性のあるもの。当然、2b 文の Expletive の位置に来ることができる語は一つだけ、先の例文では none だけということになるので、Cause や Agent を考える必要はない。

次に効率だが、学習効率は非常に良く、運用効率も控え目に評価しても悪くないと思う。覚えることとしてはシニフィエの量を減らすわけにはいかないがシニフィアンが減るので楽になるはず。運用は英語の open や break の例があるので現実的に許容できるはず。自動詞文で SVO の形になるのは虚辞を用いた場合だけで、Patitent or Object Verb Cause or Agent という深層構造はあり得ないので、解釈で特別労力を要することもない。

さて、再帰動詞。以前から再帰表現を自動詞と同等に扱うことには違和感があった……のだが、そろそろ寝なければならないので続きはまた明日。アルカの set, vort, latyur を見れば再帰代名詞や繋詞で自動詞を表すという決まりが通用しないことがわかるので、この点もからめて論じたい。

538seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/20(土) 13:02:15
なるほどです。これは記事を直さなければなりそうですなぁ。
続き楽しみにしてます。
あと僕以外の方は基本スレを上げていただいて大丈夫です。

539 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/21(日) 00:12:35
昨日の続き。今朝からノドが痛くてアレだけど気付かないフリw

正直に言うと私は再帰表現がどうもしっくりこない。日本語の母語話者だからだと思う。なので自言語に取り入れようとは思わない。しかしそれはそれ、これはこれ、ということで自動詞と他動詞を区別する効率の良い方法を探る目的で再帰表現について、形態論と意味論から極力公平に考えてみる。効率は学習、発語、理解に分ける。この場合の発語とは口頭にせよ筆記にせよ言葉を発することを指す。

まず形態論に限って述べると、再帰表現の学習効率は最高だと思う。これは疑いない。運用では、発語は再帰代名詞が短ければ無害、長ければ煩雑ということになろう。フランス語の場合はエリジオンすれば音節は増えず、エリジオンしない場合も無アクセントの一音節、開音節のものばかりなのでほぼ無害。ロシア語のся動詞も同様。アルカの nos も閉音節ではあるものの省略することもできやはりほぼ無害。ところが英語の oneself になると二音節なので少々煩わしい。理解のためには再帰代名詞は目立つマーカーとして役立つのでむしろ有利だと思う。

こう考えると再帰表現は効率の良い上手い方法のようだが、意味と汎用性を考えると不利な部分もあると思う。意味では、ある他動詞の再帰表現と、その 他動詞に対応する自動詞が等価になることは少ないので私のように抵抗を感じる人もいる。また、kill oneself と die が等価ではないということは、自殺と自然死を区別するには再帰表現だけでは苦しいということになる。アルカでも set と set nos だけでは足りず、運用効率を考えてか set, vort, latyur の三形態がある。幻日辞典で "set nos" を検索しても何も見付からなかったが、自然な感覚では set の自動詞が vort で set nos が latyur と等価だと思う。ところが vort も latyur も他動詞ということになっているので、では vort nos や latyur nos はどういう意味かと考えるとわけがわからなくなる。アルカは他動詞しかなく自他を覚える必要がないということなので楽そうだが、実は nos 化できるものとできないものを覚えなければならず、決して楽はさせてもらえない。結局、アルカに限らず、他動詞の再帰表現を自動詞の代わりにするという方法は、形態が覚えやすいことと再帰代名詞がマーカーとして理解の助けになることは有利だが、大幅に効率化できるというわけではないように思う。

次に自他同形語の再考案だが、目的語の有無だけで自他を区別しようとすると、動名詞や分詞で不都合が起こるような気がするので更に検討を要する。先の例では deathing が「殺すこと」なのか「死ぬこと」なのか区別できない。能動分詞でも同様。ならば他動名詞と自動名詞、他動分詞と自動分詞を分ければ良いことになる。文法事項が一つ増えてしまうが、頻度を考えると本動詞としての自他の区別を減らし、代わりに分詞の種類を増やす方が、少しは効率が良いのではないかと想像する。結局はアプラウトで自他を区別するやり方が一番効率が良いように思えてきた。しかし乗りかかった船ということで、自他同形語の文法をもう少し考えてみようと思うけど、くしゃみも出てきたので葛根湯を飲んで休むことにする。続きはまた明日。

540 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/21(日) 20:16:28
続き。今回で完結。

自他同形語の学習・運用効率に関する考察。

本動詞
孤立語では統語で自他が区別できる。
二項あれば他動詞、一項なら自動詞。
屈折語や膠着語では項の格からでも判断できる。
主格対格言語では対格があれば他動詞、なければ自動詞。
能格絶対格言語では能格があれば他動詞、なければ自動詞。
学習効率は最高、発語と理解は孤立語でやや劣るが屈折語や膠着語では良好。

準動詞
準動詞でも項に頼って自他を判断することはできるが冗長になるので避けたい。
e.g.
deathing [自] 死ぬこと、deathing one [他] 殺すこと
deathing man [自] 死にかけている人、man deathing one [他] 殺している人
代替案として自動詞と他動詞で異なる語形を用意する。
自動名詞 deathing 死ぬこと
他動名詞 deathend 殺すこと
自動不完了分詞 deathing man 死にかけている人
他動不完了分詞 deathend man 殺している人
自動完了分詞 deathed man 死んだ人
他動完了分詞 deathen man 殺した人
受動分詞 gedeathen man 殺された人
準動詞の数は英語のように -ing と -ed しかない言語もあれば古典語のように各時相に別々の語形があるものもある。一例として上記七種五形態を用意したい場合、自他同形だと不定形一つに準動詞五形態で覚える形態は六つ。自他別形では不定形二種と不完了分詞、完了分詞、受動分詞の三種で覚える形態は五つ。こう考えると負担は同じようだが、自他同形語では接辞のみで機能を判断するが、自他別形語では語幹と接辞の組み合わせで機能を判断することになる。どちらが便利かは甲乙付け難いが、準動詞の種類が増えれば自他同形語の方が負担は増すような気がする。

命令法
逼迫した状況では他動詞でも目的語を省略する場合が考えられるが、その場合は自他同形では区別しようがないので文脈に頼るしかない。
Death! だと文脈に頼らなければ「死ね」なのか「殺せ」なのかわからない。

以上から、本動詞だけを考えるなら自他同形でも問題はなく、自他別形よりも有利な可能性があるが、準動詞まで考慮すると自他同形の方が明らかに有利という状況は考えにくく、命令法になると自他別形にした方が良さそうである。

意味論
ある他動詞に対応する自動詞や、ある自動詞に対応する他動詞が、どのような語でも唯一通りに定まるか、対応するものがない場合は自他同形でも別段問題はない。しかし対応するものが二つ以上ある場合は自他同形では区別することができない。
「紹介する」という他動詞に対応する自動詞は「自己紹介する」であり、他動詞の目的語となる再帰代名詞を抱合して自動詞ができている。同様に考えると「殺す」に対応する自動詞は「自殺する」があるが、それだと「死ぬ」と競合することになる。更にアルカでは latyur の他動詞としての語義は「自殺させる」で使役の意味になり、vort の他動詞としての目的語は、それを主語にして受動態に書き換えることができるのか疑問であり、実際に vortat yu で用例検索したが一件も見付からなかった。英語の enter は他動詞で、その目的語を主語にして受動文に書き換えることもできるが、しかし enter に対応する自動詞はないように思う。
このように考えると自動詞と他動詞の関係は形態よりも意味の方が複雑であり、自他同形にしたところで、個々に自動詞、他動詞としての意味を、場合によってはどちらか一方を欠くことを覚えねばならず、語形を記憶する負担など些細なことと思えてくる。むしろ積極的に自他別形にして、形態から再帰や使役の意味がわかるようにした方が学習、運用とも効率が良いと考える。

以上。

541末広:2013/04/22(月) 00:27:00
確かに、vortが他動詞というのは意味的に想像しにくいですね。latyurはまだ分かりますが。

自動詞統一のシュライ語では目的語だけでなく、主語を埋めても他動詞用法になります。
パターンを並べ替えて追加するとこんな感じ↓

自動詞用法 yor (death) 死ぬこと
他動詞用法 nem-yor (death by man) 人が殺すこと(自殺も含む)
      `aw-yor(self-death) 自分で死ぬ→自殺

自動不完了分詞 yor-nem (death-man,) 死ぬ人
自動完了分詞 yor-nu-nem (man from death) 死からの人→死んだ人

 処格の明示による他動詞・受動表現
受動不完了分詞 rem-nem-yor-nem (agent-death-man) 他人(によって)死ぬ人
受動完了分詞  rem-nem-yor-nu-nem (man from agent-death) 他人(による)死からの人→殺された人

 絶対格の明示による他動詞・能動表現
他動不完了分詞 zem yor fai-nem (man doing patient death) 相手の死を実行する人→殺している人
他動完了分詞 zem yor fai nu-nem (man from doing patient death) 相手の死を実行してからの人→殺した人

基本文法による迂言法は冗長に見えますが、補助動詞の長さはfaiでCVV2モーラ、
完了マーカー(奪格助詞)の長さはnuでCV1モーラなので、ほぼ接辞サイズです。
後は目的語の省略ですが、これも許容してしまうと文法が煩雑になるのでうちでは自己責任としますヽ( ゚ ∀、゚ )ノ

542 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/04/22(月) 01:07:02
vort が他動詞といっても表面的なことで、つまり格詞のない名詞が動詞の直後に来ることができるというだけで、意味としては対象ではなく結果ですよね。
latyur の他動詞としての意味も使役なので、使役を使うなら全ての自動詞を他動詞にすることができます。
つまり使役を一般化すると落ちるの他動詞として落とすと落ちさせるの二つを認めなければならなくなります。

シュライ語の分詞は長さよりも意味の中核をなす動詞語幹の割合が気になりますが、削っていけば yor fai nu まで縮めて見ることができそうで、これなら大丈夫かなと思います。

543seren ◆Irq7AFcfv2:2013/04/22(月) 12:32:20
統語論的には問題ないが、意味論的には微妙ということですね。
納得です。

アルカは全てが他動詞だけど、対格の深層格が対象だったり様態だったり場所だったりと様々で、そこを覚える労力があります。
深層構造をそのまま表層構造にすれば論理的にはなりますが、そういう設計だと表層構造がたいてい冗長になるので、アルカでは避けています。
この辺りの問題は難しいですね。

おいおい記事を書き換える必要があるように思います。
ありがとうございました。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板