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女用心棒

1ハチミツ:2012/07/26(木) 10:04:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 はんじめましてーーーー!!!!
 戦い大好きハチミツです!!
 戦い系が大好きな方、ドーンと来てください!!
 でも、荒らし目的な方は即スルーしまーす!

2ハチミツ:2012/07/26(木) 10:29:30 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『登場人物〜☆彡』

 一之瀬・魅夜 イチノセ・ミヤ 女の子♀
 左目に「完全一瞬記憶眼」を継承している、ちょっと変わった女子高生。 
 左目のせいで命を狙われているので、毎日護衛がついている。

 月乃神・守羅 ツキノガミ・シュラ 女の子♀
 ひょんな事で魅夜の護衛をすることになった刀少女。 
 生まれつき髪の毛が銀色で夜にはよく目立つ。(本人は物凄く嫌がっている)

 一之瀬・日向 イチノセ・ヒュウガ 男♂
 魅夜の父親。陽気な性格で何を考えているかわからない男。守羅とは知り合いで、守羅が魅夜の護衛につく引き金となる。

 山野芽・風翔 ヤマノメ・カケル 男♂
 魅夜の護衛人。守羅にひどく嫉妬心を抱きいつも殺気溢れている。(どちらかと言うと魅夜に片思い中)

                    他にも居ますがそれはその内、オイオイと…

3ハチミツ:2012/07/26(木) 10:40:22 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『用語説明〜☆ミ』

 テスク
 10人に3人が持つと言われている能力。超能力のような物で、テスクを継承した者は不思議な力が使える。 魅夜の持つ左目が一つのテスク。

 闇業者 ヤミギョウシャ
 全く能力を持たない者にテスクを植え付けさせ悪行を働かせる組織。
 
 清流丸 セイリュウマル
 守羅の持つ刀。切った相手のテスクを奪うことが可能。

4ハチミツ:2012/07/26(木) 10:59:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 漆黒の闇の中。建築途中のビル裏で、一人の少女の綺麗な銀色の長い髪が風になびく。
「く…そ‥がぁ!…てめぇ…一体…なにもん……何だ…」
 その少女の足元でうつ伏せになりながら倒れている男が途切れとぎれに言う。
 しかし、少女は何も答えない。そして、少女は手に持った刀をギュッと強く握る。
「生まれ変わったら、まずは正業に励みな」
 『ドスッ!』と言う鈍い音が漆黒の中に小さく響く。

5ハチミツ:2012/07/26(木) 11:03:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 Ⅰ 憧れなんです!!

6ハチミツ:2012/07/26(木) 11:51:27 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 日曜の昼過ぎ。 一之瀬・魅夜は、寝殿造りのような家の廊下でうたた寝をしていた。
「…………」
 目をつぶり、口からはヨダレを出し、首を左右にゆっくりと降る。
「…様……ひ…様…姫…姫様!」
 そんな魅夜の耳に聞き覚えのある男の声がかかった。
 驚いた魅夜はパッと、目を見開き声がしたほうを見る。
「…ビックリしたぁ〜…なに、風翔君!?」
 魅夜に声をかけた男は山野芽・風翔だった。
「こんなところで寝ていたら、お風邪をひきますよ。お休みするのであれば、お部屋でしてください」
 風翔は真面目に言う。 
 魅夜は嫌な顔をして風翔を視る。魅夜自身、風翔のような性格の相手は苦手なのである。

7ハチミツ:2012/07/26(木) 12:10:34 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ねぇ、風翔君。お父さんから頼まれてるからって、24時間私に引っ付いてなくていいんだよ?」
 魅夜がそう言うと風翔は少しだけ口角を上げる。
「お心遣い感謝します。ですが、お頭から我々に預けられた姫様の命は何があってもお守りします。姫様を守るためなら24時間365日どこに居ようと守ってみせます」
 流石にここまで言われると何も言い返せない。とういうか言えなかったかった、「心遣いとかじゃなくて、ただ単に私が嫌なだけだよ?」なんて。
「…い、一様…有難う…」
 堅苦しい、男が護衛に付いてしまった。内心そう思いながら、魅夜は礼を言うのであった。
「ナーにやってるの?」
 次も聞き覚えのある女の声が聞こえた。
 声のした方は、魅夜がうたた寝をしていた廊下のすぐ後ろにあった部屋からだった。
「その声、未津島(ミズシマ)か」

8ハチミツ:2012/07/26(木) 12:23:01 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 風翔がそう言うと、部屋のふすまが開き中から金髪の女が出てきた。
「冷蘭(レイラ)さん」
 部屋から出てきた女は、未津島・冷蘭(ミズシマ・レイラ)だった。
「なんのようだ!未津島!」
 ガウッと噛み付くように風翔は冷蘭に怒鳴る。
「あらあら。お邪魔だったかしら〜?」
 ウフフと笑みを浮かべ冷蘭は魅夜の隣に座る。
「それにしても最近は悪い世の中なんだか、いい世の中なんだか分かんなくなってきたわね〜」
 冷蘭は片手に持っていた新聞を魅夜に見せるかのように大きく開く。

9ハチミツ:2012/07/26(木) 14:46:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 魅夜は出された新聞のページの一番大きな見出しに目を落とす。
『連続強盗犯逮捕!』
 という見出しで、特におかしいとは思わなかった。
「これがどうしたんですか?」
 魅夜は新聞から目だけを冷蘭に向ける。
「この連続強盗の人、テスクで強盗してたらしいのよ。でも、証拠も何も無かったのに自分から自首してきたんですって」
 冷蘭は記事の内容に目を下ろす。
「だけど、なぜかテスクが使えなくなってるのよ。警察の方は、公開されていないことを知ってるから、犯人には間違いないだろうって言ってるらしいんだけど…」
 冷蘭の声が途中から小さくなっていく。それと同時にその場の空気が重くなっていく。
「で、でも、良い事じゃないですか!自分から罪を認めてるんですから!!」
 場の空気を戻すために魅夜は作り笑いをしながら言う。

10ハチミツ:2012/07/26(木) 14:57:52 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…ッフ‥それもそうね…」
 冷蘭は頑張って空気を戻そうとする魅夜を見て小さく笑いながら呟くような声の大きさで言った。
「…ハイ!!!」
 魅夜は明るい顔つきになりながら言葉を返した。
「…そ、そんなことより…!」
 今の今まで全く話の輪に入れなかった風翔が突然話に入ってくる。
「お前は一体何をしにここに来たんだ!?新聞を見せるためだけに来たんじゃないだろう!!?」
 風翔は人差し指を立てる。
「だって外の方が水アルだもん〜。水のテスクを持つ私にとって水がないところは地獄なの!!」
 冷蘭はきつく言うのであった。 この主張には風翔も言葉を飲まされる。

11ハチミツ:2012/07/26(木) 16:37:34 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「風翔君は風のテスクだから、どこでも天国だからね〜」
 本人には自覚ゼロだろうが、今の一言は風翔の心にザクッと刺さった。
「……ハイ…天国です………」
 泣きたい気持ちを押し殺して風翔は、何の考えも持たない魅夜に言うのだった。
「それにしても…」
 魅夜は話を変える。 青と白が混じり合う綺麗な空を見る。
「なんで、テスクなんてあるんだろう?」
 そう、つぶやいた。

12ハチミツ:2012/07/26(木) 16:43:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 テスク。10人に3人が持つと言われている、未だ深くまでは解明されていない能力。
 種類は様々で、冷蘭のように水を操る者、風翔のように風を操る者。そして、魅夜のようにすべてを一瞬にして記憶する者。
 他にもいろんな者がいるが、一体どこの誰が、どんな力を持ってるかは、誰にもわからない。

13ハチミツ:2012/07/26(木) 16:54:36 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「……姫…様」
 生まれつき目を継承している魅夜は、よく、意味のわからない者たちに命を狙われていた。皆に、自分を狙っているのは誰なのだと聞いても返ってくるのは「姫様はお考えしなくてもいいことですから…」だけだった。
 一体自分に宿った目はなんなのだろうか?いつもそんなことばかり思っていた。

「…なんででしょうね〜…」
 難しい顔をしている魅夜を冷蘭は少しだけ笑いながらギュッと抱きしめた。
「れ、冷蘭さん!!?」
「難しい生き物なんですよ…。人間は…」
 冷蘭も上を向きながら、魅夜より人生を生き抜いてきたという様な顔で言った。

14ハチミツ:2012/07/26(木) 17:15:31 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「って、それはそうと。さっきお頭が姫様探してましたよ」
 今さらのように言う冷蘭の顔をへっというような顔で魅夜は見つめ「そういうのは先に言ってくださいよー!!」と言いながら靴下ではツルツル滑る廊下を裸足で走って行く。
「お前絶対、覚えてただろ」
「あらバレた」
 腹黒女。と思いながら風翔は冷蘭を見た。

「ハァ、ハァ、ハァ…お父さん…」
 この家広すぎと、魅夜は改めて思う。先ほどのところから、父、日向の部屋に着くまで走っても2分とちょっとはかかる。
「おう、きたかぁ」
 部屋のふすまを間にして、日向の声が魅夜の耳に入る。
 魅夜は、ふすまをゆっくりと横に引く。

15ハチミツ:2012/07/26(木) 17:32:49 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 そして、ふすまを開けた時、魅夜の目に写ったものは、日向だけではなかった。
「銀……色…」
 魅夜の目に映ったのは長い銀色の髪の毛をポニーテールにした少女だった。
「大手ぇ!!!!」
 魅夜がつぶやいたと同時に、そんな叫びが飛んできた。
「って、またお前の勝ちかよ!!?」
「お前弱すぎんだよ〜!」
 そして、日向と銀髪をした少女が将棋をしている光景も映った。
「……あの、お父さん?」
「ん?誰だ、こいつ」
 銀髮少女は魅夜を見るなり日向に聞く。

16ハチミツ:2012/07/27(金) 20:16:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「お前に会わせんのは、初めてだったんだっけか?」
 日向は、将棋盤の前から立ち上がり魅夜の横につく。
「俺の娘。魅夜だ!魅力の魅に夜街の夜で、魅夜だ。どうだ可愛いだろ?!」
 銀髪の少女には、どっからどう見ても自分の子供が大好きな親の自慢にしか聞こえなかった。
「……そうか…んじゃ、第2回戦すんぞ…」
「もうちと、人の話聞け」
 
――「改めまして…一之瀬・魅夜…です」
 魅夜は将棋の第2回戦をしている銀髪少女に静かに自己紹介した。
「ん、あぁ」
 しかし、少女は特になにも返さない。
「おい、自己紹介してやってもいいだろ…!」
 日向は将棋盤に駒を一つうった時に言う。

17ハチミツ:2012/07/27(金) 20:51:09 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ッチ…」
 少女は舌打ちをしながら振り返り、魅夜と顔を合わせる。
「月乃神・守羅。悪行テスク持ち主退治人だ。そんで、この中年バカおやじとは…って、お前なに駒動かしんじゃー!!」
 守羅は少し目を日向に向けるなり怒鳴るのだった。 自分が負けていたからと言って、駒を動かしていたのだからそれは、怒るだろう。
「ブ〜…。いいじゃねーかよ…、駒の一つや二つ動かすぐらい…。減るもんじゃないだろ〜?」
「私の勝数が減る!?つか、『ブ〜…』じゃねぇよ!!てめぇはガキか!!?」
 守羅は日向に思いっきり掴みかかる。
「俺の心はいつまでも子供だよ☆」
「キモ!?つか心がいつまでも子供ってダメだろ!!一児の父がいつまでもそんな理想語ってんじゃねぇ!!!」
「いやだって俺っていつまでも若々しくいたいから心だけでもって…」
「なんの言い訳だ!ちょびひげ生やしてる中年が悲しい夢見んな!!」
 見ている者は笑いこけそうな光景だった。見ていると友達同士の喧嘩にしか見えない。

18ハチミツ:2012/07/27(金) 23:03:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…どうした、何事だ!!?」
 外にも響くような声で守羅が怒鳴っていると、廊下から風翔と冷蘭が走ってきた。
「……って、貴様お頭に何をしている!!」
「っあ?!」
 駆けつけたそうそう、風翔は守羅に怒鳴り散らした。
「この馬鹿者が!!?手を振るっている者の位も知らず、一体何をしている!!!!?」
 風翔は、そう言うと行き成り手を挙げた。すると、挙げた手を集中に風が吹き荒れた。
『え、え、…ちょ、ちょっと、タンマー!!!!!!』
 守羅と日向の声が重なり外に響き渡る。

『ドオォォォォォォーーン!!!!!!!!』

 近所迷惑ハタハタしい音がそこらじゅうに響き渡った。

19ハチミツ:2012/07/28(土) 08:58:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「よし!」
「……風翔君…」
 一人ガッツポースを取る風翔を横に、唖然とする魅夜はつぶやいた。
「なんでしょうか?姫様」
 風翔は座っている魅夜に目を向け、聞く。
「お父さんも一緒に吹き飛ばしてる…」
『………あーーー!!!!!』
 今更のように気付いた風翔は声を上げながら、日向達が吹き飛ばされた場所に走っていく。
 日向達と共に家の壁なども吹き飛んだせいでどこにいるか全くわからない。
「ちょっと、何やってんのよ風翔ぅ〜。お頭どこに居るか分からなくなったじゃない」
 冷蘭もがれきの方に近寄り日向を探す。

20ハチミツ:2012/07/28(土) 09:02:41 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
  
 『龍装抜刀術、2番。¨風切¨…』

21ハチミツ:2012/07/28(土) 09:37:17 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 風翔、冷蘭ががれきに近づいた瞬間、守羅らしき者の声が小さく二人の耳に聞こえた。
 それと同時に何かが風翔と冷蘭の頬にかすれた。
「………風翔君、冷蘭さん…。血…」
 魅夜は震える手で二人を指さす。確かに二人の頬には一筋の傷から流れる血があった。
「っな…!!?」
「全く…。アブねーじゃねーか!怪我したらどうすんだよ」
 立ち込める砂煙の中から守羅の声と姿、そして縦長に輝く刀が見えた。
「てめぇ…」
「っま、確かにこれはやりすぎだな山野芽?」
 日向もやんできた砂煙から現れ、風翔を笑いながら叱る。

22ハチミツ:2012/07/28(土) 10:21:26 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「っは、申し訳ありません、お頭!今後はより一層気を付けます」
「なに、仕切り返してんだ!二重人格か、おい!!?」
 守羅は風翔の顔をまじまじと見ながら叫ぶ。
「ほざくな外道者が!部外者のくせして何様だ!!?」
 風翔も切り返して怒鳴る。
「お前だって何様だ!ふざけたこと言うとしばくぞぉ!!」
 守羅も風翔に怒鳴り返す。

23ハチミツ:2012/07/28(土) 10:30:38 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「しばかれるのは貴様の方だ!」
「いーや、しばかれんのはてめぇだ!」
「貴様だと言っているだろうが!!」
「死んでもそれはねぇ!しばかれんのはお前の方だ!!」
 二人とも相手の胸ぐらを掴み、似た言葉を繰り返す。
「…エ〜イ。もうやめんか。お前らは子供か?!」
「将棋の駒勝手に動かして勝つほうがガキだろうが!!」
 グワッと噛み付くように守羅は日向に顔を向け怒鳴った。
「だから貴様何様だと聞いている!?」
「ウッセーナ!!お前少し黙れ!!!?」
 この喧嘩は夜になるまで続く勢いだった。

24ハチミツ:2012/07/28(土) 12:05:25 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――夜8:00。守羅と風翔の二人は顔も合わせないで一つの居間で正座していた。他にも数名の者がいたが空気の重さに耐えられずほとんどが二人と目をそらしていた。
「これって、一体どんな状況なんですか?」
 二人の前に座っていた魅夜の隣りで、護衛役、会津日・朝日(アイズカ・アシタ)は聞く。
「私たちには、荷が重い状況…」
 少し考えたように魅夜は朝日に言った。
「なぁ〜。お前等いい加減この空気直さねーか?」
 日向は手を組みながら二人に言う。
「やなこった。私はこいつが謝るまでは死んでもこの空気は直さん」
 守羅はそっぽを向きながらそう言う。
「なんだと〜!!貴様の口は余程暴言を履きたがると見える!!」
 風翔は身を乗り出し守羅に掴みかかる。

25ハチミツ:2012/07/28(土) 12:18:12 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「あぁ、もう、うっぜーな!!てめぇ斬るぞ!!」
「斬る?!っは、一体何でだ!?先ほどの刀は今ここにはないじゃないか?!」
 悠々という風翔に守羅はイラつきを感じる。
「そこまで言うなら斬って、てめぇの¨不死能力¨無くしてやろうか?!!あぁ!!」
 守羅も立ち上がり風翔に掴みかかる。
「不死能力?」
 魅夜は咄嗟にそうつぶやく。

26ハチミツ:2012/07/28(土) 12:34:00 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「お父さん、不死能力ってなに?」
 魅夜は日向に聞く。
「テスクの正式名称だ。由来は知らんがテスクが人に身に付けられている頃からある名だ」
 横目で魅夜を見ながら日向は説明した。
「っは、テスクを無くす?一体どうやってだ?!!脅しもほどほどにすることだなぁ!!?」
 風翔は高笑いをしながら守羅にもう一度怒りを高めるようなことを言う。
「おいおい、山野芽…そのぐらいにしとかないとこいつ…」
「あっそう…ならお望みどうり斬ってやるよ…ただし……」
 守羅は肩ぐらいまで手を挙げる。すると、手がある空間が、波打ち空間の中から赤い柄のした刀が出てきた。
「テスクなくなっても逆恨みすんじゃねーぞ!!!!」

27ハチミツ:2012/07/28(土) 15:45:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おい、止めねーか、守羅!山野芽もこんな野郎の安い挑発に乗ってんじゃねぇ!!」
 刀の柄をとった守羅の前に日向は立ちはだかり、二人を見比べる。
「お頭、どいてください!刀を持っているからといって負ける俺じゃありません!!」
 そういう問題じゃない、と真面目な顔でいい日向は続ける。
「こいつの刀…清流丸はただの刀じゃねぇんだ!!」
 日向はものすごい剣幕で叫ぶ。風翔はどう言う意味だというような顔で日向と守羅の顔を見る。
「そうそう…これで斬られたら、てめぇのテクス、いや不死能力は完全に消えてなくなる。せめて斬られない様に頑張りな!!」
 守羅はそう言うと立ちはだかる日向を避け風翔に向かって走っていった。
「だからちょっと、待てって…」
 日向は右手をチョキのような形にして、人差し指と中指をくっつける。

28ハチミツ:2012/07/28(土) 17:28:56 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「いい加減にしなさい…」
 日向が何かをする直前、黙って見過ごそうとしていた冷蘭の堪忍袋の尾が切れた。
『氷水!!!!』
 冷蘭が手を前に出してそう叫ぶと、守羅と風翔の体が大きな氷に捕まった。
「っな…!!」
「んだよこれ!!?」
 二人は同時に言う。すると冷蘭は金髪の髪をなびかせながら二人のあいだに入る。そして守羅にきつい眼差しで向き合う。
「ここは一之瀬の城。喧嘩をするならよそでしなさい。もしこれ以上重荷としか思えない空気を貼り続けるのであれば、凍死か溺死させるわよ」
 冷蘭は片手を胸の前まで移動させ、『ザンッ』という音と共に氷を作り、脅迫に似た言葉を超低音の声ではなった。
「…スミマセンデシタ……」
 ほとんど恐怖心に押せれた結果、守羅はわざとらしく作り笑いを浮かべ謝罪した。

29ネコ・ヌコタン(=‘x‘=):2012/07/29(日) 11:41:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「よろしい」
 冷蘭はニコッと笑みに顔を変え、二人の氷を解く。
「それじゃあそろそろ晩ご飯の準備すしてくるわね。身位知らずのあなたも食べていきなさい」
 これもまた裏がないほどの笑みを浮かべて冷蘭は居間を出て行った。
「あの姉ちゃん、くそこエーな…」
「同感だ…」
 守羅と風翔は二人だけにしか聞こえないぐらいの声で冷蘭に向ける感情をさらけ出す。


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