[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
友達はいらない
1
:
涙
◆M846ik5PsA
:2011/09/21(水) 21:57:13 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
初めまして。
涙と書いてるいといいます。
小説を書くのは初めてなのでアドバイスなどをいただけると嬉しいです。
ジャンルは書いていくうちに変わってしまうかもしれないですが
友情系でいくつもりです!
よろしくお願いします。
2
:
涙
◆M846ik5PsA
:2011/09/21(水) 22:29:00 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
朝の総合。
さっきからずっとデブが話している。
でも別に何を話しているかは聞く気にもならない。
俺はチラッと外を見ようとしたが、今はグリーンカーテンがあるから外が全く見えない。
「はい。じゃあ1時間目の準備しとけー。」
デブはそう言って教室を出た。
机の中から置き勉していた社会をとりだして机に置く。
そしてすぐに机に突っ伏して寝始めた。
どうせ10分休みなどトイレに行くしかやることがない。
他にやることもないのでいつも寝ている。
「また寝てるね、杉本。」
「いつものことでしょ?沙耶、そんなことより今日テスト直しださなきゃ!」
周りでザワザワと女子や男子が話している。
でも今はいつも以上に眠くて、その話を聞いている気力もなかった。
「―――昴!」
強くゆすられて目が覚める。
「え?」
目が覚めると目の前には社会担当の川口が居た。
普段は10分休みの終わりを告げるチャイムが鳴ると何となく起きるのだが
今回はそのままぐっすり眠ってしまっていた。
「授業中よ、寝るのはやめなさい。」
「あ、はい。すみません…。」
3
:
涙
◆M846ik5PsA
:2011/09/22(木) 08:04:40 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
新学期。俺、杉本昴は今年晴れて高校1年生になった。
新しい学校になってから大体2週間が過ぎ、おおまかにグループができ始めていた。
俺は友達なんて作る気にはならなかったから基本一人でいる。
特別違うことと言ったら風紀委員会に入ったくらいだ。
誰もいなかったから推薦されただけだけれど。
4
:
涙
◆M846ik5PsA
:2011/09/22(木) 19:40:21 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
風紀委員会どころか、生まれてこのかた委員会に入ったことすらない俺は
どうしたらいいかわからなかったがどうせサボるから問題ないと思った。
ちなみに周りからは少しヤンキーくらいに見られているらしい。
「少し」というのは周りには危害を加えない悪ということらしい(同級生談)
とりあえず学校もめんどくさいし頭が痛いと言って今日は早退した。
これが少しヤンキーと思われる理由なのかなと思ったがとりあえず帰った。
電車からも降りてもうすぐ家につく。
帰りがてら、マンガと昼ごはんを買おうとしてコンビニに寄る。
レジに向かうと
「あれ?昴。」
と声をかけられる。聞き覚えのある声でチラッと見てみると
小さい頃からの幼馴染、舞衣だった。
「またサボり?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
「サボってねーよ、頭が痛いだけ。
お前こそサボってバイトか?」
「昴のサボるときの理由っていつも頭が痛いだよね。
私は違いますー、今日は学校が休みなだけですー。」
笑いながら2人で話していると舞衣の上司的な人が出てきて
「そういう話はバイトが終わってからしろー。」
と言われたのでさっさとお金を出して帰った。
「やっぱし誰もいねーか。」
家についた。
さすがにこの時間だと兄も両親も学校や仕事に行っていていない。
5
:
涙
◆pmLYRh7rmU
:2011/09/23(金) 07:52:52 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
特にすることもなかったし、コンビニで買ったマンガを読んだ。
読み終わり昼ご飯を食べてゲームをやった。
「だたいまー。
…お、昴帰ってたのか。」
「あ、お帰り、兄ちゃん。」
6
:
涙
◆pmLYRh7rmU
:2011/09/23(金) 17:29:06 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
俺の兄、杉本裕貴。
俺とは5歳離れていて去年短大を卒業した。
とりあえず今はバイトだらけらしいが今日は早く終わったのだろうか。
「またゲームかぁ?
よく飽きないなー。」
荷物を置いてから俺の隣に座ってテレビを見る。
「だってやることねーんだもん。」
「じゃあ学校行けよ。」
笑いながらそう言って自分用のコントローラーもだして2Pとして入る。
すると画面にもう一人鎧や盾、剣を装備した本人より少しかっこいいキャラクターが入ってくる。
「えぇ、協力プレイやんの!?」
「なんで、いいじゃんかよ〜。」
「協力するの苦手なんだよな。」
そんなこんなでしばらくゲームをやっていた。
「…あ、負けた。」
自分の操作しているキャラが負け、ゲームオーバーしたとたんに
裕貴はコントローラーの電源を切り、急に立ち上がって
「よし、外行こうぜ昴!」
と言った。
都合のいい兄だと思った。
でもどうせゲームくらいしかやることもなかったし一緒に外に行くことにした。
「あら、二人ともどこかお出かけ?」
玄関を出ると同時に近所のおばさんが話しかけてきた。
よくみると厚化粧。
「ちょっとそこら辺を。あまりに暇なんで。」
「そうなの〜、二人とも本当に仲がいいわね。」
おばさんと裕貴が二人で笑って話しているのをボーっと見ていた。
実際女子高生みたいにキャーキャーしているからこのおばさんはあまり好きじゃない。
7
:
涙
◆pmLYRh7rmU
:2011/09/24(土) 10:25:44 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「昴君、受験勉強はどう?進んでる?」
「……あの、俺受験終わったんですけど。」
「あら…、間違えちゃったわ、ごめんね。」
おばさんがふざけたように謝る。
そしておばさんに少しイラッとき時、遠くから別のおばさんが呼んでいる声が聞こえた。
「平田さーん。」
「あ、今行くわ!じゃあね。」
手を振りながら隣のおばさんは呼ばれた方に走っていく。
すると裕貴が俺のほうを見て笑って言う。
「俺もあのおばさんあんまり好きじゃねーなぁ。」
「え、俺もって?」
「昴も好きじゃねーだろ。」
「なんでわかったんだよ。」
「何となく。」
「俺さ、正直言っておばさんもだけど親も嫌い。」
「どうしたんだよいきなり。」
いきなりの言葉に驚いたのか、裕貴の笑顔が消える。
急に心配そうな顔をして俺を見る。
「だってあいつら、家に帰ってきたらすぐに「勉強した?」じゃん。
自分のことくらい自分でできるのに勉強勉強ってさ。
勉強しなくて困るのは俺なんだからいいじゃんそれで。」
裕貴は黙って俺の話を聞いていた。
そして俺と向かい合って一言言う。
「…まだ気にしてんのか?」
「…そういうわけじゃねーよ。」
8
:
涙
◆pmLYRh7rmU
:2011/09/24(土) 21:58:24 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「先生も母さんもとうさんも…大人なんて大嫌いだ。」
「そっかー。…あ、じゃあ俺も!?」
仮にも大人な裕貴も入っているのかと慌てて聞く。
「兄ちゃんは別。」
そう言った後、小声で「だって精神的に子供だし。」
と聞こえないように付け足した。
でも聞こえていたようで軽く怒られる。
「聞こえてないつもりか?」
「わざと聞こえるように言いましたー。
っていうかめんどくさいしやっぱり家でなんかやろう。」
Uターンして引き返そうとすると兄ちゃんが苦笑する。
「めんどくさいって…、最初から行かなけりゃよかったのに。」
「確かにそうだな。」
「まぁいっか。」
次の日。
いつも通り少し遅刻しそうな時間に起きて、
いつも通りコンビニに寄って学校で食べる昼ごはんを買う。
いつも通り少し急いで登校する。
いつも通り席に着いて、いつも通りデブの話を適当に聞く。
ただいつもと違うこともあった。
「杉本くーんっ。」
朝総合が終わって寝ようとした時、俺の目の前に2人の男子が出てきた。
確か名前は…
「渡辺翔!」
「柏木梨玖!」
9
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 07:38:25 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
ワタナベカケルとカシワギリク……。
そうだ、そんな名前だった。
「……で、渡辺も柏木も俺に何か用?」
「いや、用はないけど一回話してみたくってさ。」
「うんうん、いつも杉本寝てるじゃん。」
と言いながら二人に頭をなでられる。
あまりいい気はしない。
「眠いからな。」
「休み時間に話す友達とかいないの?」
友達……。
そんなもの居たって傷ついたり傷つけるだけだ。
だから友達なんて…
「いらない。」
「え、なんでだよー。」
翔が少しいじけた顔をして聞く。
「……誰とも関わりたくないんだ。」
10
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 07:38:38 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
トリップ変えました。
11
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 10:42:14 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「杉本、お前可愛い顔して何言ってんだよー。」
今度は梨玖に頭をなでられる。
特に気にしたことはないけどよく周りからは童顔と言われる。
でも改めて言われると少し気にする。
「可愛い顔じゃねーよ。」
とりあえず反発する。
「あ、気にしてた?ごめんな。」
「別に気にしてはないけど。」
「そっか、ならいいや。」
「でもさー、なん……」
そう言いかけた時チャイムもなって教室に居た先生が
「翔、梨玖。チャイムが鳴ったら座るんじゃなくて、チャイムが鳴った時には座ってなきゃだめでしょ。」
と言って教科書で2人を軽くたたいた。
「はーい。」
12
:
燐
:2011/09/25(日) 10:49:03 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
涙s>>はろはろw
来ましたですw
何か友情的な物語なんで一度読んでみたかったんですよ!!
こーゆう話←
ではでは頑張ってください(@^^)/~~~
13
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 11:08:05 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐s>
ありがとうございます^^
今は暇暇なのでたくさん更新できると思いますw
燐sも「道化師と仮面」、「蝶が舞う時」どっちも読んでます、
がんばってください!
14
:
燐
:2011/09/25(日) 11:10:10 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
涙s>>おお!!
ありがとうございますw
最近は道化師の方を書いておりますw
蝶はネタギレなもんで・・。
15
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 11:16:14 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「はぁー。」
疲れた。
とにかく今日は1日中、翔と梨玖にいじられたり話したりして疲れた。
明日からはまた関わるのをやめよう。
あの2人まで稜みたいになったら……。
そう考えるだけで少し頭が痛くなる。
だから決めた。もう誰一人友達を作らないと。
もう二度と先生なんか信じないと。
*1年前*
「昴。おきなよ。」
授業中。
その日、珍しく早起きして眠かった俺は堂々と寝ていた。
すると隣から稜が叩き起こしてきた。
16
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 11:17:31 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐s>やっぱりすごく長いとネタ切れするんですかね…?
私も長編書こうかなと思ってるんですが;
17
:
燐
:2011/09/25(日) 11:22:16 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
涙s>>ネタギレしますよ・・。
ホワイトryだってそうですし・・。
18
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 20:33:06 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐s>するんですか〜;
じゃあちょっと短くしてみようかなぁ。
19
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/25(日) 21:16:15 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「稜。どうしたんだ?」
「どうしたんだって…、授業中だし起こそうと思って。」
稜が少し苦笑いして言う。
「ん?…あ、ホントだ。ありがとな稜!」
苦笑いに対して俺は普通に笑って返す。
「よく毎日授業中に寝てられるね…。」
そう稜が言ったあと、チャイムが鳴った。
最後に号令をかけた後、俺は隣の席の稜に近づく。
「そんなに寝られて尊敬するよ。」
笑いながら稜が言う。
俺は軽くあくびをしてから稜のほうを向いて
「そうか?じゃあ今度特訓してやるよ。」
と言った。
「いや…それはいいよ。」
「えぇー、なんで。」
「えっと……尊敬はしてもその技がほしいわけじゃないから。」
いいわけを言うのに少し考えてから、稜は微笑んで言った。
俺と昴は小学3年生のころ同じクラスになってそれから中学3年生までずっと同じクラスだった。
いわば親友という奴だ。
最初に会った頃からずっと稜は微笑んでいた。
どんなに嫌なことがあっても稜のほほ笑みを見ると嫌なことも忘れてしまった。
「ふーん、まぁいいや。」
いつも他愛もない話をして休み時間を過ごしていた。
今は席も隣だから授業中も俺が寝ない時は話しっぱなしだ。
「うん…………。」
最近稜が浮かない顔をしていることがある。
でも何があったのかは聞く勇気が出なかった。
ある日の放課後。
理科室の掃除担当だった俺は帰る前に荷物を置き忘れていたのを思い出して教室に戻ろうとした。
すると教室から話している声が聞こえた。
深刻そうな声音だったので教室に入らないで廊下で聞き耳を立てていた。
20
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/26(月) 21:56:58 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「はい……、ありがとう…ございました…。」
聞いてみるともう話は後半のほうな感じがした。
今ここにいると盗み聞きしようとしたのがバレると思った。
荷物は明日取りに行けばいいや、そう思って俺は昇降口に向かった。
そして昇降口で靴を履いていると
「あれ、昴?今日部活ないのに遅いね。」
稜に追いつかれた。
少しバレるかもと心配したけれど稜は全く気付いていないみたいだ。
ちなみに稜と俺は同じバスケ部だ。
「今日理科室の掃除だったんだよ。
んで杜村先生と話してたら時間かかっちゃってさ。」
これは嘘じゃない。
杜村先生はバスケ部の顧問で、部員や生徒と同学年みたいに接してくれるため他の生徒からも大人気だ。
しかも顔もいい方で女子生徒からも人気らしい。
「そうなんだ、僕も畑中先生と話してたんだ。」
畑中先生とは俺らの担任だ。
特徴は…ほとんどない。
さっき話していた相手は畑中だったのだろう。
「へぇー、でも畑中と話しててもあんまりおもしろくないよなぁ。」
「うん、まぁね…。」
畑中の話を続けようとすると稜が少し浮かない顔をした。
気になったがまた聞けなかった。なかなか聞けない自分が少し嫌になる。
「途中まで一緒に帰ろうか。」
稜がいつものように微笑んで言った。
途中までは稜と帰り道が一緒なので部活帰りは一緒に帰る。
でも部活がない時はバラバラで帰っている。
今日も帰りにたくさん話した。
「さっきさ、畑中先生と話してたって言ったよね。」
唐突に稜が言ってくる。
「え?あぁ。」
「実はあれ、相談だったんだ。先生に。」
稜は少し俯いてそう言った。
その目は絶望が半分以上を占めているような、そんな死んだ目だった。
「相………談……?」
その目をみて少し嫌な予感もした。
でも俺は恐る恐る聞く。
「うん。」
21
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/27(火) 21:33:21 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「……。」
「……。」
しばらくお互いに黙り合う時間が続いた。
なんだかこんな空気は久しぶりでとても気まずかった。
「なぁ。少し聞いてもいい?」
先に口を開いたのは稜だった。
「ん?」
「もしもさ。
誰かがいじめられたら昴はどうする?」
22
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/28(水) 06:59:34 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「え?俺は……
いじめられた奴を助けるよ。」
「そっか。
じゃあさ、もし自分がいじめられたらどうする?」
「うーん、そうだなぁ。
俺なら稜に助けてって言うか自分でそいつらを片っ端から殴ったりするな。」
俺がそう言いながら肩を回していると稜がクスクスと笑った。
「昴らしいね。」
「そうかぁ?」
「ホント、昴らしい。」
後ろから声がして振り返ってみると麻衣が立っていた。
なぜか舞衣もクスクス笑っていた。
「あ、舞衣。なんでいるんだ?」
「舞衣ちゃん。」
「なんでって…方向一緒なんだからあたりまえでしょ?」
23
:
きずは
:2011/09/28(水) 18:51:24 HOST:ntehme071147.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
こんにちは(^^)
はじめまして。きずはです。
小説、おもしろかったです!
丁寧な文がほんとうに読んでいて楽しいです!
私も小説を「幼馴染みの彼を・・・」というところで書いているので是非読んでみてください(^^)/
これからも応援してます(^^ゞ
24
:
燐
:2011/09/28(水) 18:52:43 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
これって2人で小説書いてるんですか?
25
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/28(水) 20:22:23 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
きずはs>ありがとうございます^^
では早速書いたら見に行きますb
これからもありがとうございます(笑)
燐s>一人で書いてますよーb
26
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/28(水) 20:49:32 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
確かに舞衣とは家が向かい側なので帰る方向は同じだ。
「何話してたのかは知らないけど、私も一緒に帰らせてー?
こっち方面の人って本当に少ないからさ。」
舞衣が俺と稜のど真ん中に入って肩を組んでくる。
実際俺と稜より背の低めな舞衣は少し大変そうだった。
「俺は良いけど。稜は?さっきの話とか…」
「ううん、全然大丈夫。明日でも平気。」
「何の話か気になるけど…ありがと!!」
笑顔で舞衣がそう返す。
この間本人から聞いたのだが稜は舞衣が好きらしい。
いつもニコニコしているほんわかなところが好きらしいが、あんまり分からない。
とりあえず俺は2人をたくさん話させようと思い、ほとんど黙っていた。
「じゃあ僕こっちだから。ばいばい舞衣ちゃん、昴。」
「おう、また明日なー。」
「ばいばーい。」
そう言って手を振って稜は別の道を行った。
「そうだ昴、今日の授業で中村さんが…」
「中村さんって誰だよ。」
「え、知らない?」
そう話しながらも、やっぱりさっきの稜の質問が気になり稜のほうをチラッと振り向いた。
稜と目があった。でも気のせいかもしれない。
稜があの時、舞衣を見ていたのか、俺を見ていたのか。
俺を見ていたならどういう気持ちで見ていたのかは、もう今では分からないことだった。
27
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/29(木) 08:12:53 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
次の日。
稜は学校には来なかった。
風邪だろうと思った。
その次の日。
稜は今日も学校に来ていない。
風邪が長引いているのだろうと思いメールをした。
次の日。
今日で稜が休んでから3日目。
メールの返信が来た。
内容は「大丈夫」の3文字だけだった。
4日目。まだ稜は来ない。
インフルエンザみたいな風邪だろうか。
来週は来るだろうか。
一週間後。
やっぱり稜は来ない。
稜の住所は知っていた。だからお見舞いに行くことにした。
月曜日は部活がないからお見舞いにも行ける。
稜の家のインターホンを押すと稜のお母さんが出てきた。
「はい、どちら様ですか。」
「稜と同じクラスの古山昴です。」
「えっと、コヤマスバル君ね?稜ならいるわよ、上がって。」
28
:
涙
◆WtwNEFVgig
:2011/09/29(木) 21:11:36 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
そう言って稜の母は俺をソファーに座らせ、小皿にお菓子を持ってきてくれた。
そして2階にあるらしい稜の部屋に向かって行った。
しばらくして稜の母は階段を下りてきた。
「ごめんね昴君、今は誰にも会いたくないんだって。」
「……え?」
「でも昴君だったらドアの前くらいならいいって…。」
「そう…ですか。」
俺は荷物をソファーに置かせたままにしてもらい、
お菓子だけ持って2階の稜の部屋の前まで行く。
中には入れないだろうが一応ノックをする。
「……どうしたんだよ、昴。」
稜の声がドアの向こうから聞こえた。
いつもの稜とは声が少し違って聞こえる。でも前に一度聞いたことのある声。
前に稜が死んだような目をしていた時…、あのときの声だった。
「風邪ひいてんのかと思って…お見舞い。」
「大丈夫って言ったでしょ。」
「一週間休んだら心配だろ。
家も近い方だし。」
そう言っても返事が返っては来なかった。
けどしばらくし待ってみると一言返ってきた。
「……ありがとう。」
「……なぁ、急にどうしたんだよ?」
「別に。」
「別にじゃねーだろ、何かあるんだろ?」
帰りに質問をされた時からずっと稜の様子がおかしい。
何かないわけがない。
「何もない!!」
「なんでだよ、俺いっつも稜に助けてもらってばっかりだから、今回は俺が助ける番だって。」
「何も困ってないんだから助けなんて必要ない。」
最後に冷たくそう言われ、俺はあきらめた。
言いたくないことを無理矢理言わせるつもりもない。
「…そうか、ならいいよ。持ってきたお菓子置いていくな。」
「……………。」
「…月曜日は学校来いよ。」
稜にも聞こえるか聞こえないか位の声でそう呟いた。
「……………。」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板