したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

一人と二人

1雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/03(土) 18:11:21 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
初めましての方のほうが断然多いと思いますw
ひなぎくです!
いじめ系の話を書こうと思いますb
読んでいただけると嬉しいです。

よろしくお願いします(。uωu)

9ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/03(土) 19:57:08 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

うらぎりの方楽しみにしていたけど…どうやら色々とあったみたいですね;

突然ですがはじめまして!雛菊さんの小説楽しみにしていますノ
頑張ってくださいねー^^

10雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/03(土) 19:57:15 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「なんだぁー。」
歩きながら未来がため息をついてうなだれる。
「え?」
「梓のことだから「今日はいつもより早く来たのに、未来が遅いから意味ないじゃん!」
 って怒るかと思った。」
いくらなんでもそんな些細なことで怒ったりはしない。
「怒られたかったの〜?」
「怒られたくはないよ、でも怒った梓っておもしろい。」
未来が、無邪気な笑顔で言った。
けれど私には一瞬、未来が無理に笑っているように見えた。
「梓?」
…勘違いか。
「ううん、なんでもない。」
「そう?あ。走らないと学校間に合わないよ」
そう言って私の手を引っ張って学校に走っていく未来。
未来の長くて茶色い髪が思いきり私の顔に直撃する。
「痛っ。」
「ごめんごめんー」
私は未来の明るいところが大好き。
けれど……。

私と未来はギリギリアウトで教室についた。
「おいおい、また遅刻かぁー?お前らはー。」
担任の美香先生が呆れながら言う。
教室の人たちも見慣れた光景だ。

11雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/03(土) 19:58:04 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
ねここさん>
タイトルは変えましたが、
内容は全く変えませんよ〜^^
ありがとうございます!

12雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/04(日) 08:22:07 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
それよりも、私が気になるのは未来のことだった。
いつもなぜか学校に来ると大人しくなる。
登校中の明るさが嘘のように…。
毎日のように不思議に思っていた。
とりあえず私は自分の席に座った。
「また遅刻かよ、真城と神崎って仲いいよな〜」
隣から眠そうに話しかけてきたのは奥村時雨。
真城って言うのは私の苗字、神崎って言うのは未来の苗字。
「仲もいいけど一緒に行ってるから同時に遅刻するのは当たり前でしょ??
 っていうか今寝るのやめろ」
「それもそうだな。おやすみー。」
時雨はそういうとまた寝始める。
そしてすぐに先生に叩き起こされる。
「おい、人の睡眠邪魔するなよ!!」
「先生に向かってその口のきき方はやめろ!!」

13ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/04(日) 17:18:46 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

おお、そうなんですか!
面白いですノ

特に時雨くんが好き((

14雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/04(日) 20:54:55 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
ねここさん>
はいb
マジですかΣ(゚Д゚;)
ありがとうございます!
時雨は結構出す予定ですw

15雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/04(日) 21:03:16 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「あーあぁ。だから今寝るなって言ったのに。」
「うるせー。」
さっき怒られたときにどのように攻撃されたかは知らないけれど
時雨は少しおびえたように静かになった。
先生は何をしたのだろう……。
そして、朝のHRも終わって次の授業の準備をしようとした。
次は体育。更衣室で着替えるところだった。
「あれ?未来は?」
普段は更衣室に一緒に行く未来だったけれど
今日はもう教室にはいなかった。
廊下に出てみると未来は…
「……玲美?」
ヤンキーのような集団。
どこの学年にでもいるようなその集団の中心人物、玲美と一緒にいた。
玲美のいるクラスの1組と2組は場所は校庭、体育館と違うが、どちらも1時間目は体育だった。
更衣室も一緒。
少しだけ梓は嫌な予感がしていた。

16:2011/09/04(日) 21:14:11 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>ではこのままでw

お互い頑張ろうぜ!!!

17雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 06:35:36 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>
このままが1番…楽だよねっ((キリッ
えいえいおーw

18雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 06:49:08 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
未来はいじめられている。
私はそうだと思った。
それ以外に玲美たちと一緒にいるなんてありえないと思った。
「梓ーっ!!」
突然後ろから話しかけられてビクッとした。
後ろを振り返ってみるとそこには空と双葉がいた。
「一緒に行こうよ。更衣室。」
私はやっぱり未来のことが気になったけど
今から追いかけて、玲美がいるところで「玲美からいじめられてるの?」なんて聞けるわけがない。
そこまで私は勇敢じゃない。
「うん、いいよ。」
だから私は2人と一緒に行くことにした。
「あれ、ところで未来は?」
空が不思議そうな顔をして聞いてくる。
私と未来は一緒にいるのが定着しているから。
「さっき玲美といたの。」
「え!?それって大丈夫?」
「うん…多分。」

19:2011/09/05(月) 13:39:07 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>てか・・雛菊ってスケダンのデージーじゃまいかw

まさかそこから取ったん?

20雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 17:00:52 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>スケダン?何それ?

…あ、一行レスになってしまう…。((稼いでないしw

21:2011/09/05(月) 17:02:30 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>スケットダンスのry

うんw

知らんかw

で、その漫画に生徒会が居て、その生徒会の書記がデージーって女の子w

うんw毒舌の子やなw

22雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 17:17:29 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「大丈夫だよ。未来もそこまで弱い子じゃないし、
 いじめられたなら言ってくるよ。玲美も悪の塊なわけじゃないし。」
私の言葉をさえぎるように双葉が言った。
双葉も少しだけ心配そうにはしていたけれど、ニコニコもしていた。
双葉は私にとって何を考えているか読めない人の一人だ。
今も未来のことを心配しているのか、信頼しているのか、
未来がいじめられてるかもしれないのを知って喜んでいるのか、
全く分からなかった。
「大丈夫。いままでそこまで話したことはないけど…
 未来のことは信頼してるからっ!!…2人もそうでしょ?」
そのくせ双葉は私の考えていることがすぐ分かっている。
「「なんでそんなこと言えるの??」」
空も私と同じことを考えていたのか同時に双葉に聞く。
「勘。」
「……。」

23雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 17:20:29 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>銀魂とのコラボでスケダンが出てた!!
  ようやく思い出しましたよw
  生徒会までは知らなかったー。
  毒舌キャラ結構好きw

24:2011/09/05(月) 17:22:25 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>アニメでもやってるから見たらエエやんw

うんww

私も毒舌のキャラは好きやなw
うんw

25雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 17:52:41 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>じゃあみてみるww
  毒舌最高!!←オイ

26雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/05(月) 19:53:15 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
次の日。昨日玲美といた事には何も触れなかった。
普通どおりにワイワイといろいろなことを話して登校した。
ただ違ったのは、門の前に玲美、そして玲美の親友の瑠璃がいた。
2人とも悪い奴らには外見的に見えない。
むしろかわいいとも思う。
未来はその2人がいても何事もなかったように笑って私と話し、
2人に軽く会釈をした。2人は軽く睨み返す。
普段通りだった。
教室に行くといつもよりざわざわとしていた。
「どうしたの?」
近くにいた時雨に聞いた。
「しらねぇ。」
「え、何それー。」
「俺が来た時にはもうこうなってた。」
「そうなんだ…。」
正直言うと何が起こったかというよりは
自分の席に座りたかった。
けれどその騒ぎのせいで私の席には行けない。
「どうしよう!!早く片付けなくちゃ!!」
「ばれたらあいつどうなるか…」
ときどきそんな感じの言葉が聞こえる。
何があったんだろう。

27:2011/09/05(月) 19:57:40 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>来たよw

28名無しさん:2011/09/06(火) 00:51:37 HOST:wb92proxy09.ezweb.ne.jp
どうやって育てんねん(苦笑)

29雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 15:55:07 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>来られましたーww

名無しさん>育てるって何をですか??

30:2011/09/06(火) 15:57:48 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>うんw

タメで結構やでw

敬語やったら堅苦しいやんかw

31雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 16:36:14 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
気になって人の間から見てみると、私の机の上には
ゴミがたくさんあり、「死ね」と書かれた紙があり、汚い水でビショビショになっていた。
それはよくいじめの漫画やドラマで良くあるような光景。
この時私は初めていじめにあった。
他の人のいじめもみたことがない。
けれど…絶望感はなかった。
もちろん希望も持てなかったけど。
「あっ……梓…。」
一緒に片付けていた空が私を見た。
名前だけ呼んですぐに黙り込んだ。
「分かってるよ?空がやったわけじゃないことくらい。」
ようやく私がいじめられたことに実感が持てて、
悲しい気持ちより悔しい気持ちのほうが多くなって、
でも私はそんな気持ちを押し殺して空に微笑んで言った。
もしかしたら不自然な笑いだったかもしれない。
「梓……。」
「私が片付けるよ。
 私と…犯人以外には関係ないから、皆は気にしないで??」
私がそう言うとみんな少しずつ自分の席に戻っていく。
その中でまださっきと同じ場所に立っている人もいた。
「私も手伝うよ、梓。
 そっちの方が早いしね。」
やっぱり登校するときとは性格が違う、穏やかな笑顔で言う未来。
「関係あるのは梓と犯人だけじゃないよ。
 クラス全員が容疑者なんだから私たちも関係あるじゃん。」
さらっと言う、やっぱり何を考えているのか分からない双葉。
「良く考えると俺っていつもお前にウダウダ言われるてし、喧嘩もするだろ?
 だからもし先生にばれたら真っ先に疑われるの俺じゃん?って思ったんだよ。
 俺が相談室に行かないためにも早く片付けるぞ。」
長々と話していて話がめちゃめちゃな時雨。
「2人とも素直に「梓のこと心配だから手伝う」って言えばいいのに。」
「「うるさい。」」
「………うぅ。」
2人に苦笑しながらつっこんで、一刀両断された空。
どんなになっても優しくしてくれてうれしかった。
「ありがとう。」
この5人なら信じられる、絶対犯人じゃないって思えた。

32雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 16:37:36 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>うんw
  なんかPCだとタメで喋ってるつもりでも敬語が混ざっちゃうんだよねw
  だからときどき敬語入るかもしれないw

33:2011/09/06(火) 16:44:36 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>.そうなんかw

リアルではそうじゃないんかww

34雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 17:25:19 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>リアルでも少しw
  だがしかし!!PC程ではないのですw

35:2011/09/06(火) 17:30:01 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>そかそかw

でも、敬語はエエ事やなw

36雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 18:09:48 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
そして片付けが終わった。
なんとか先生がくる前に片付けられたのでよかった。
「本当にありがとう…。」
「これからも何かあったら言って?」
未来が微笑んで言う。
「そうそう、なんでもするからさ!」
空も未来に乗っかって言う。
でも…これからも4人に迷惑をかけるかもしれないと思うと
少し嫌な気持ちになった。
「何しょげた顔してるの?
 別に私は迷惑だなんて思ってないってば。
 自分で決めて行動したことなんだから。」
双葉が私の肩を叩いて言う。
双葉「ね?」と空と時雨と未来にも言うと3人ともうなずいた。
でも…やっぱり巻き込めないよ…。
「双葉の言うとおりだって。
 俺らが決めて行動したことなんだから真城が悪いと思うんじゃねーよ。」
双葉の言ったことにまだうなずきながら時雨が言う。
「最初のあたり私のパクっただろ時雨!!」
「パクってねーよ!!」
「はいはいはい。」
喧嘩に入る時雨と双葉を慌てて止める空。
なんだか漫才コントみたいにも見えてきた。
笑うところじゃないかもしれないけど私は少し笑った。


次の日も、その次の日も。
同じようにいじめは続いた。
でもそれ以上にエスカレートすることはなかった。
ずっと同じようなこと。朝だけいじめられる。
その繰り返しだった。
そんなある日。私のクラスに転校生が来た。
「坂田蓮って言います。
 よろしく。」
席は窓際の後ろの角、私の左の左。
つまり時雨の左隣だ。
フレンドリーな性格なのか、時雨とはすぐに仲良くなって、
そのうち私や未来、空に双葉とも仲良くなった。
「今日も大変やなぁ…、大丈夫??」
朝も一緒に片付けを手伝ってくれた。
蓮はよく親が転勤するらしく今回が3回目だそうだ。
最初はこの近く、次に大阪、その次に京都に住んでいたらしくて
京都弁や関西弁で話していることが多い。
最初のところへ戻ってきたし、もう転勤はないだろうとのことだ。
「わぁ〜、じゃあ…お好み焼きとかたこ焼きとか食べ放題だったの?」
空が目を輝かせて蓮に聞く。
双葉も少し目を輝かせている。
「あと水道からたこ焼きが流れてきたり?」
双葉の頭の中はもうたこ焼きワールド。
水道からたこ焼きが出るなんてないし、
たこ焼きの生地を食べたらおなかを壊すに決まっている。
「そんなのあるわけないやろ〜?」
笑いながら答える蓮。
なんだか前まででも明るかったところがもっと明るくなった。
毎朝のようにあるいじめもだんだん気にならなくなっていた。

37雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 18:49:33 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>私的にはまるっきりタメで話そうと思うんだけど、
  なんとなーくそうなっちゃうw
  先輩ができてからはもっと敬語率がw

38雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/06(火) 20:22:47 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
蓮が転校してきてから一週間目。
朝学校に行くと上履きがなくなっていた。
教室に上がるとゴミ箱に私の上履きがあった。
「最悪やないか…。」
「またひどくなったね…。」
5人は少し黙りこむ。
いじめが始まってぴったり1ヶ月目。
上履きがゴミ箱に捨てられて、
教科書もどこかになくなった。
そしてそれと同時に……
未来が私たちと一緒にいることが減った。
話しかけようとしてもあまり話してくれない。
一緒に登校もしなくなった。最近は空と双葉と行くようになった。
……私たちは未来を疑い始めた。
---------------------------------------------------------------
>>31の訂正です。
×「この5人なら信じられると思った」
○「この4人なら信じられると思った」

です!
自分信じてどーすんねんw
自分を信じるのも大事だけどね?

39雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/08(木) 07:02:31 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
それからはまた朝だけ机が汚くなるだけだった。
あの時だけ、いじめがひどくなった。
私はとりあえず、一人でトイレに向かった。
行きたくもないのに一緒にいくのはあんまり好きじゃないから。
「…未来。」
一人になるのを見計らったかのように未来が私の前に現れた。
「梓っ!!……あの、今日…、一緒に帰れる?」
まるで、私と未来が初めて会ったときみたいな感じで
未来が言う。
「いいけど…。どうしたの?」
「話したいことがあるの。」
「うん、分かった。」

私と未来は初めて会ってからそこまで時間は経っていなかった。

*2年前*

小学6年生の夏休みが明けたばかりのころ。
「神崎未来です、よろしくお願いします。」
一人の転校生が来た。

…次の日

「うわぁっ!!」
「へへっ、びっくりした?」
私はこのころ双葉と一緒にいた。
双葉は今とはほとんど変わらなかった。
「水かけてこないでよ〜!」
「うわぁっ、逃げろー!!」
教室の中で双葉を追いかけていると
ちらっと女の子が見えた。
「双葉。あのこ誰?」
「梓は昨日風邪で休んでたもんね。
 あの子はーって本人に聞きなよー。」
双葉が私の背中を押してその子のところまで行く。
「あ、えーっと。名前…なんて言うの?」
「神崎未来…です。」

40雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 06:17:01 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「へぇー。
 私は真城梓!よろしくー。」
「うん。」
「……。」
なんだか話が続かなくて、
沈黙だけが続く。
「……。」
「………。
 あの!!」
その沈黙を破ったのは未来だった。
「ん?」
「あの…梓ちゃん…!今日…あの、その…一緒に遊んでもいい?」
「どんだけオロオロしてんの〜?」
「ご、ごめん…」
「いいよ!」
 いいよね、双葉。」
「うん。」
そして追いかけられる人が一人増えた。
それから私は未来とも一緒にいることが増えた。

41雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 06:56:58 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
帰り道。
私はただ未来が何を話したいのかだけが気になって仕方なかった。
「…………梓。」
「何?話したいことって。」
そう聞くと未来は少しうつ向いて、言うのをためらった。
でもそのあとすぐに、覚悟を決めたように私をまっすぐ見詰めた。
「今までずっと言えなかったことがあったの。
 けど梓に隠すのはもうやめようと思って…。」
「いいよ、話して?」
「梓…。」
未来が今日は少し違って見えた。
でもどういう風に違うのかはよく分からなかった。
「私が……、
 私が犯人なの。」
「え………!?」
『犯人』という言葉だけが、未来の声とは全く違うように聞こえた。
そしてその言葉は私に冷たくかけられた。
「だからね。
 私とはもう縁を切ろう。
 友達なんか……やめ…よう……。」
私はぼーっと未来の手のあたりを眺めていた。
すると未来の手が震えていた。
声も震えている。
顔をちらっと見ると未来は…
「未来?
 なんで泣いてるの?」
なんで未来が泣いているのかが分からない。
泣きたいのは私のほうだ。
「……。ばいばい。」
未来が先に帰った途端に顔も知らない人たちに囲まれる。
まだいじめは続いていくんだとすぐ悟った。
これからはエスカレートだってしていくと。
囲んだ人たちはみんな金髪だったり茶髪だったりした。
皆そろって私を見下す。
私は何もしていないのに。
未来が帰りながら私のほうを一瞬振り返る。
やっぱり泣いていた。未来も冷たい目で私のほうを見る。
「………………みらいっ……!!!」
名前を呼ぶと未来は走って行ってしまった。

「なんで?未来……。」
「おい。」
声がした方に顔を向けると、
一人の女子。……玲美が私に向けて言う。
「梓……。いじめられたくないでしょ?」
「え?どういうこと?」
「交渉。
 もしいじめられたくなければ1週間以内に…。
 そうね…空か双葉か奥村か梓のクラスの転校生。
 この誰かをいじめて?
 そうすれば梓。あなたはいじめないであげる。」
「…。分かった。」

42雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 16:15:42 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
犯人が分かってすっきりした気持ちがある。
でもそれ以上にもやもやした気持ちが増えた。
1つは未来が犯人だったということ。
もう1つはいじめられたくはないけど他の人をいじめるのも嫌だということ。
「あーずーさー!!」
「どうしたの?」
ずっと座って何か考えている私を見て双葉と空が心配して覗き込んできた。
「いや……、なんでもない。」
私は心配する2人を振り切ってトイレに行く。
「梓、どうしたのかな。」
「分からない…。」
女子が1つのトイレの周りにたまっている。
中を見ると私の筆箱がトイレの中に捨ててあった。
トイレを済ませてから、無言で拾って教室に戻る。
周りの女子の視線が痛いほど刺さる。
いじめはこの1週間の間にどんどんとエスカレートしていった。
とうとう私は堪え切れなくなって…

放課後皆が帰った後に空の机に水をかけた。

「これ……ひどい…」
「梓の次は空…」
最近私は空達と一緒に登校するようになった。
今日は放課後に私がやったことがなるべく空にばれないように
すこし待ち合わせ場所に遅れて行った。
未来と同じようなことをすれば絶対にばれない。そう思った。
「私、片付けるよ。空。」
「梓…。」
「私だっていじめられてるから、辛さは良くわかるから…。
 それに、助けてくれたお礼。」
不自然だと思われないように、今できる限り精一杯微笑んだ。
「ありがとう、梓。」
本当は泣きたいくらい辛い。空をいじめたくなんかない。
でも今泣いたら皆にどう思われるかわからない。
一人になるのが怖い。
空達に嫌われるのが怖い。
私がいじめたことがバレるのが怖い。
これからもいじめ続けるのが怖い。
でも空をいじめるのをやめて自分がいじめられるのも怖い。
未来はどういう気持ちで私をいじめたんだろう。
もしかしたら未来も玲美達に同じことを言われて私をいじめたのかもしれない。
だとしたら未来はこんな気持ちにずっと耐え続けていたのだろうか。
泣いたらだめだ。
私よりもっと泣きたいのは空なんだ。
そう自分に言い聞かせた。
でも駄目だった。
私はその場でしゃがみこんで泣いてしまった。

43:2011/09/09(金) 16:21:34 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
おお!!

何か凄い展開じゃまいかw

これからも更新&応援してるぜw

44雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 16:26:05 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>おう!
  ありがとよーww
  コメントはしてないけど更新するたびに読んでますぜー!!
  夜那cに買ってあげた服かわいいw

45:2011/09/09(金) 16:28:09 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>www

それでエエよw

うんw

てか・・菊って呼んでエエ?

46雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 17:09:35 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
私は子供のころみたいにたくさん泣いた。
涙がなくなるんじゃないかと思うくらいに泣いて、泣いて、泣いた。
「梓?どうしたの!?」
双葉が慌てて駆け寄る。
いきなり近くで友達がおお泣きしたらきっと誰だってそうなる。
「私が………私がっ…。」
「…落ち着いてからでいいんやで?」
蓮が私の頭をなでて言う。
私なんかにそんなに優しくしてくれなくていい。
なでてくれた手を払うように首を横に振った。
「ごめんっ………空……。」
「え??」
「私が…やりました…。」
「…え??」
空はまだよく状況を理解できていないような顔をしている。
「私がやったの。
 空を…。いじめようと…。」
私もすごく言いにくい。
言おうとしていた言葉もすべてふっとんでいってしまった。
「あず…「何それ。」
「双葉!」
喧嘩腰で「なにそれ」とつぶやいた双葉を
慌てて空が止めようとする。
「今まで空がどれだけ梓を心配してたのか分かってんの!?」
「それはっ…。」
「今回だけは双葉に同意だ。」
時雨も普段は何があっても双葉を違う意見を言おうとするが
今回だけは同意見。
それはそうだよ…。
「2人とも、落ち着いてって!!
 理由くらい聞こう?」
暴れたら絶対に手に負えない2人を
暴れる前に空が止める。
空に言われたらさすがに言い返せなかったらしく2人とも黙り込んだ。
「「………」」
「どうして急にそんなことしたんや?」
2人に代わって蓮が優しく話しかける。
「……。」
「大丈夫や、責めたりせぇへんから。ゆうてみ?」
「…本当?」
蓮と空が無言でうなずく。
時雨と双葉は同時に私から目をそらす。
「……この前玲美に言われたんだ。
 「もういじめられたくなかったら一週間以内に4人のうちの誰かをいじめろ」って。
 最初は絶対に嫌だって思ったけど…。
 どんどんひどくなって、耐えきれなくて、それで……。」
「要するに悪いのは玲美ってことだね!!」
双葉が急いで玲美のクラスに走っていこうとする。
「すぐに喧嘩を売りに行くのはやめなさい。」
空が双葉の制服のえりをつかむ。
普段は明るい空だが、本当に怒るとすごく怖い(らしい)。
「……はい。」
「まぁ…それならしかたねーか。」
「本当に…本当にごめんなさい!!」
空に思い切り謝る。
「ううん、全然いいよ。
 でもなんで4人の中で私を選んだの?」
「席が1番私から遠かったから…ばれにくいかなって。」
「自分でばらしてるやんか。」
少し馬鹿にした笑いで私を見る蓮。
「うるさい…。」
「でもよかった。私が1番嫌われてるとかそういうのじゃなくって。」
「そ、そんなわけないでしょ!!」
謝って、理由を話したら許してくれた。
それが本当にうれしくて、ほっとした。
「あれ?そういえばなんで4人なんだよ。
 未来は?」
ふと思い出して時雨が言う。
「「「あ、本当だ。」」」
「時雨でも的確なこと言うんだね。」
双葉がすごく感心している。
「うぜっ。」
また2人の喧嘩が始まる。
「…未来ね。
 私をいじめていた中の一人なの。」
「!?」
「多分…玲美に…だと思う。」
「また玲美かっ…。」
「あいつかよ…。」
双葉と時雨が顔を軽く合わせて同時に玲美のクラスに向かって走ろうとする。
「待て待て待て」
今度は空と私で2人を止める。
「…はい。」

47雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 17:11:11 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>うん、なんて呼んでもいいよw
  雛でも菊でもなんでもw
  がんばってねー!

48:2011/09/09(金) 18:55:11 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
菊>>了解w

嫌やったらいつでも言ってなw

すぐ辞めるから!!!

49雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/10(土) 06:19:54 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>うん、嫌なら言うねw
  多分言わないと思うけどw
  ありがとう^^

50雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/10(土) 06:45:54 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「あ、未来。」
何を話しているのかは話からなそうだったが、
急に泣き出した私を驚いた顔で他の人たちも見ていた。
見飽きてみんなが別々のことを始めた時に未来が私たちのところに来た。
「ごめん。」
急に未来が私に向かって頭を下げた。
「未来?」
「私…、今話してた梓の話を聞いて思った!!
 ちゃんと謝らなくちゃって!」
「未来…。」
ただただ頭を下げている未来の頭をポンと叩いて双葉が言う。
「大丈夫、せめたりしないから言ってみ?」
さっき蓮が梓にやっていたのと同じように優しく言う。
「………私も玲美に脅されたの。梓と同じように。」
「それで?」
「私、小学校6年生の時にこのあたりに引っ越してきたの。
 引っ越してくる前はずっと、ずっといじめられ続けてた。玲美に。」
「っ!?」
「それが原因で引っ越した。
 でも中学生になった時、偶然玲美も転勤が決まって…。」
「同じ中学になっちゃったってこと??」
未来がうなずく。
「最悪の偶然じゃねぇか!!」
「うん…。
 それで「またいじめられたくなかったら1番仲のいい人をいじめろ」って。」
「そうだったんだ…。」
そのことを聞いて思い出したかのように双葉が言う。
「だから小学校にいたときと中学校に来た時と性格も変わっちゃったてこと?」
「うん、大人しくしなきゃって思って…。」

「だから…本当にごめんなさい!梓、みんな…。」
「いいよ。しょうがない!」

51雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/11(日) 05:27:40 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「ありがとう…。
 みんな優しいんだね…。」
その言葉に私もうなずく。
未来が言った言葉は私もさっきから思っていたことだった。
「そう??
 どっかのお2人さんはすぐに殴りこむような凶暴な方たちだけど〜??」
空がどっかのお2人さんを見ながら笑う。
「うわぁ、いやみー。」「うわっ、ひでぇ。」
空と目があった2人が目をそらす。
私は思わず笑ってしまった。
「なんで笑うのさー!!」
双葉が私を見て驚く。
「だっておもしろくって…」
隣にいた未来も笑いだす。
未来の笑顔を見たのはずいぶんと久しぶりだ。
少しだけいじける双葉を見て空も笑った。
蓮も面白そうに笑っている。
皆で笑ったのはずいぶんと久しぶりだ。
双葉も時雨もだんだんと笑顔になった。

廊下で私たちを見ていた一人は気に食わない顔をしていたらしい。
けれど再びいじめがおこることはなかった。

52雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/11(日) 06:13:38 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
あれから1年半がたち、もう高校受験も終わってそれぞれ別の道に行こうとしていた。
3年生のクラスは1組が私。2組が時雨、双葉。3組が空。4組が蓮。5組が未来(玲美もいた。)
ちなみに担任は私のクラスは声が大きくてハゲた先生だった。
美香先生は2組。
時雨を去年の担任として居眠りないようにしたい、ということや
クラスで1番授業中に話す双葉を大人しくさせたいということで頼んだらしい。
他の担任も「美香先生が1番怒ると怖いし、2人に好かれてるから」という理由で承諾したそうだ。
そんなんでクラスが決まるのかと思うと私は少し驚いた。
6人の中で1番変わったのは未来だったと思う。
いじめられるという不安もなくなって、性格が一気に明るくなった。
「梓、みんなそろったよ。」
卒業式の日。
私と未来で2年2組の教室に皆を呼んだ。
「なんでここに呼んだか分かる…よね?」
私が皆の顔を見た。
皆なんで呼ばれたのか分かっているようだった。
時雨は少し分かってなさそうな顔をしていたが。
空が歩いて昔の私の机に手をかける。
「ここ…懐かしいね。まだ2年経ってないのに。」
私は自分の席に座る。
「ここで私たちたくさん話したんだね。」
未来は近くにあるロッカーの上に座る。
「他の席でも話したけどねー。」
双葉が笑いながら教室の床にあぐらをかく。
「今はクラス違うからあんまり話せなくなっちゃったけどね。」
空は私の机だった机の上に座る。
「でも時雨と双葉は相変わらず喧嘩してそうやなぁ。」
蓮は予定を書くホワイトボードの前にあったくるくる回る椅子を持ってきてすわりながらくるくるする。
「してねぇよ!!」
時雨は自分の机だった机と蓮の机だった机をくっつけてその上に寝転がる。
「そない事ゆうて〜。喧嘩してなかったら仲良く話しとるんか?」
「それもちげぇよ!!っていうかお前こそ誰かと仲良く話してるんじゃねーの?」
「そんなことありまへん、俺は心に決めた女の子がいるんや〜」
「あ、絶対ウソだ。言い方がすっごいわざとらしい。」
蓮と時雨はやっぱり男同士だからかすごく話が盛り上がっている。
こうしていられるのも今日で最後だと思うと悲しくなる。
また遊ぶ約束をすればいいだけだけど、遊ぶこともあまりなくなるだろう。
「……平気だって梓。
 会いたければいつでも会えるよ?」
空が優しく話しかけてくる。
「…。」
「うわぁぁっ、泣くなぁー!」
空が慌てる。
「泣き虫やな、梓は」
蓮が軽く笑う。
「でも…卒業式は…泣かなかったもん…。」
「おぉー。偉いねー。」
未来が軽く私の頭をなでる。
「…いつでも会えるのは分かるけど…いずれ忘れちゃうでしょ?」
「大丈夫だって、忘れないよ。」
双葉がニコッとほほ笑む。

時雨が机から降りて言う。
「てかさ。
 俺らが行く高校って皆別々だけど降りる駅は近いし始まる時間も同じくらいだから
 一緒に行けるんじゃねぇか??話しながらでもさ。」

「あ、確かに。」


       -END-

53雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/11(日) 06:15:33 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
終わりましたw終わり方がグダグダ…。書きなおしたいです全部をw
私長い話は好きだけど書くのはアレなので、
今回は初めてって言うのもあって早めに終わらせてみました。
また別の話書こうかなって思ってます。

54:2011/09/11(日) 09:44:37 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
www

短編ですか!?

私は断然、長編ですw

55雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/11(日) 10:48:37 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
なんていうか…
短編でも長編でもなく、
中編が好き←
読むのは長編かな?

56:2011/09/11(日) 10:49:56 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
中編!?

読むのは長編かw

私は読むのも書くのも長編じゃないと・・と言うプライドがあるねんw

57志摩 雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/11(日) 11:10:50 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
短編でも長編でもない感じww
ウダァーっとしてる長編は苦手だけどね;
かっこいいプライドだww

58:2011/09/11(日) 11:14:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
菊>>wwww

説明テキトーやろww←

中編って・・。小説にないやろ・・。;;


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板