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一人と二人

46雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 17:09:35 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
私は子供のころみたいにたくさん泣いた。
涙がなくなるんじゃないかと思うくらいに泣いて、泣いて、泣いた。
「梓?どうしたの!?」
双葉が慌てて駆け寄る。
いきなり近くで友達がおお泣きしたらきっと誰だってそうなる。
「私が………私がっ…。」
「…落ち着いてからでいいんやで?」
蓮が私の頭をなでて言う。
私なんかにそんなに優しくしてくれなくていい。
なでてくれた手を払うように首を横に振った。
「ごめんっ………空……。」
「え??」
「私が…やりました…。」
「…え??」
空はまだよく状況を理解できていないような顔をしている。
「私がやったの。
 空を…。いじめようと…。」
私もすごく言いにくい。
言おうとしていた言葉もすべてふっとんでいってしまった。
「あず…「何それ。」
「双葉!」
喧嘩腰で「なにそれ」とつぶやいた双葉を
慌てて空が止めようとする。
「今まで空がどれだけ梓を心配してたのか分かってんの!?」
「それはっ…。」
「今回だけは双葉に同意だ。」
時雨も普段は何があっても双葉を違う意見を言おうとするが
今回だけは同意見。
それはそうだよ…。
「2人とも、落ち着いてって!!
 理由くらい聞こう?」
暴れたら絶対に手に負えない2人を
暴れる前に空が止める。
空に言われたらさすがに言い返せなかったらしく2人とも黙り込んだ。
「「………」」
「どうして急にそんなことしたんや?」
2人に代わって蓮が優しく話しかける。
「……。」
「大丈夫や、責めたりせぇへんから。ゆうてみ?」
「…本当?」
蓮と空が無言でうなずく。
時雨と双葉は同時に私から目をそらす。
「……この前玲美に言われたんだ。
 「もういじめられたくなかったら一週間以内に4人のうちの誰かをいじめろ」って。
 最初は絶対に嫌だって思ったけど…。
 どんどんひどくなって、耐えきれなくて、それで……。」
「要するに悪いのは玲美ってことだね!!」
双葉が急いで玲美のクラスに走っていこうとする。
「すぐに喧嘩を売りに行くのはやめなさい。」
空が双葉の制服のえりをつかむ。
普段は明るい空だが、本当に怒るとすごく怖い(らしい)。
「……はい。」
「まぁ…それならしかたねーか。」
「本当に…本当にごめんなさい!!」
空に思い切り謝る。
「ううん、全然いいよ。
 でもなんで4人の中で私を選んだの?」
「席が1番私から遠かったから…ばれにくいかなって。」
「自分でばらしてるやんか。」
少し馬鹿にした笑いで私を見る蓮。
「うるさい…。」
「でもよかった。私が1番嫌われてるとかそういうのじゃなくって。」
「そ、そんなわけないでしょ!!」
謝って、理由を話したら許してくれた。
それが本当にうれしくて、ほっとした。
「あれ?そういえばなんで4人なんだよ。
 未来は?」
ふと思い出して時雨が言う。
「「「あ、本当だ。」」」
「時雨でも的確なこと言うんだね。」
双葉がすごく感心している。
「うぜっ。」
また2人の喧嘩が始まる。
「…未来ね。
 私をいじめていた中の一人なの。」
「!?」
「多分…玲美に…だと思う。」
「また玲美かっ…。」
「あいつかよ…。」
双葉と時雨が顔を軽く合わせて同時に玲美のクラスに向かって走ろうとする。
「待て待て待て」
今度は空と私で2人を止める。
「…はい。」


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