したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

一人と二人

52雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/11(日) 06:13:38 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
あれから1年半がたち、もう高校受験も終わってそれぞれ別の道に行こうとしていた。
3年生のクラスは1組が私。2組が時雨、双葉。3組が空。4組が蓮。5組が未来(玲美もいた。)
ちなみに担任は私のクラスは声が大きくてハゲた先生だった。
美香先生は2組。
時雨を去年の担任として居眠りないようにしたい、ということや
クラスで1番授業中に話す双葉を大人しくさせたいということで頼んだらしい。
他の担任も「美香先生が1番怒ると怖いし、2人に好かれてるから」という理由で承諾したそうだ。
そんなんでクラスが決まるのかと思うと私は少し驚いた。
6人の中で1番変わったのは未来だったと思う。
いじめられるという不安もなくなって、性格が一気に明るくなった。
「梓、みんなそろったよ。」
卒業式の日。
私と未来で2年2組の教室に皆を呼んだ。
「なんでここに呼んだか分かる…よね?」
私が皆の顔を見た。
皆なんで呼ばれたのか分かっているようだった。
時雨は少し分かってなさそうな顔をしていたが。
空が歩いて昔の私の机に手をかける。
「ここ…懐かしいね。まだ2年経ってないのに。」
私は自分の席に座る。
「ここで私たちたくさん話したんだね。」
未来は近くにあるロッカーの上に座る。
「他の席でも話したけどねー。」
双葉が笑いながら教室の床にあぐらをかく。
「今はクラス違うからあんまり話せなくなっちゃったけどね。」
空は私の机だった机の上に座る。
「でも時雨と双葉は相変わらず喧嘩してそうやなぁ。」
蓮は予定を書くホワイトボードの前にあったくるくる回る椅子を持ってきてすわりながらくるくるする。
「してねぇよ!!」
時雨は自分の机だった机と蓮の机だった机をくっつけてその上に寝転がる。
「そない事ゆうて〜。喧嘩してなかったら仲良く話しとるんか?」
「それもちげぇよ!!っていうかお前こそ誰かと仲良く話してるんじゃねーの?」
「そんなことありまへん、俺は心に決めた女の子がいるんや〜」
「あ、絶対ウソだ。言い方がすっごいわざとらしい。」
蓮と時雨はやっぱり男同士だからかすごく話が盛り上がっている。
こうしていられるのも今日で最後だと思うと悲しくなる。
また遊ぶ約束をすればいいだけだけど、遊ぶこともあまりなくなるだろう。
「……平気だって梓。
 会いたければいつでも会えるよ?」
空が優しく話しかけてくる。
「…。」
「うわぁぁっ、泣くなぁー!」
空が慌てる。
「泣き虫やな、梓は」
蓮が軽く笑う。
「でも…卒業式は…泣かなかったもん…。」
「おぉー。偉いねー。」
未来が軽く私の頭をなでる。
「…いつでも会えるのは分かるけど…いずれ忘れちゃうでしょ?」
「大丈夫だって、忘れないよ。」
双葉がニコッとほほ笑む。

時雨が机から降りて言う。
「てかさ。
 俺らが行く高校って皆別々だけど降りる駅は近いし始まる時間も同じくらいだから
 一緒に行けるんじゃねぇか??話しながらでもさ。」

「あ、確かに。」


       -END-


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板