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一人と二人

41雛菊 ◆h28m2qQSeY:2011/09/09(金) 06:56:58 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
帰り道。
私はただ未来が何を話したいのかだけが気になって仕方なかった。
「…………梓。」
「何?話したいことって。」
そう聞くと未来は少しうつ向いて、言うのをためらった。
でもそのあとすぐに、覚悟を決めたように私をまっすぐ見詰めた。
「今までずっと言えなかったことがあったの。
 けど梓に隠すのはもうやめようと思って…。」
「いいよ、話して?」
「梓…。」
未来が今日は少し違って見えた。
でもどういう風に違うのかはよく分からなかった。
「私が……、
 私が犯人なの。」
「え………!?」
『犯人』という言葉だけが、未来の声とは全く違うように聞こえた。
そしてその言葉は私に冷たくかけられた。
「だからね。
 私とはもう縁を切ろう。
 友達なんか……やめ…よう……。」
私はぼーっと未来の手のあたりを眺めていた。
すると未来の手が震えていた。
声も震えている。
顔をちらっと見ると未来は…
「未来?
 なんで泣いてるの?」
なんで未来が泣いているのかが分からない。
泣きたいのは私のほうだ。
「……。ばいばい。」
未来が先に帰った途端に顔も知らない人たちに囲まれる。
まだいじめは続いていくんだとすぐ悟った。
これからはエスカレートだってしていくと。
囲んだ人たちはみんな金髪だったり茶髪だったりした。
皆そろって私を見下す。
私は何もしていないのに。
未来が帰りながら私のほうを一瞬振り返る。
やっぱり泣いていた。未来も冷たい目で私のほうを見る。
「………………みらいっ……!!!」
名前を呼ぶと未来は走って行ってしまった。

「なんで?未来……。」
「おい。」
声がした方に顔を向けると、
一人の女子。……玲美が私に向けて言う。
「梓……。いじめられたくないでしょ?」
「え?どういうこと?」
「交渉。
 もしいじめられたくなければ1週間以内に…。
 そうね…空か双葉か奥村か梓のクラスの転校生。
 この誰かをいじめて?
 そうすれば梓。あなたはいじめないであげる。」
「…。分かった。」


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