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.。.:*・゚☆虹空☆.。.:*・゚
202
:
海
:2009/09/03(木) 15:34:34 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
その手紙は白紙。
白紙に綴られるはなにか。
白紙に綴られるは『想い』
誰かを想う、ささやかな想い。
203
:
栞
:2009/09/03(木) 20:17:06 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》
>>202
なるほど、白紙に綴られるのは『想い』かぁ。
私だったら何が綴られてるかなぁ?
う〜ん・・・・想いは想いでもケンカ友の男子からの苦情だったり(笑
204
:
海
:2009/09/04(金) 14:17:07 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
栞>>
※あくまでもうちの考えです(笑
ケンカ友達がいるっていいことだよ^^
うちもケンカ友達の男子(幼馴染)いるし(笑
なんかね、気を許しあってるというか…気が楽というかb
自分をさらけ出せるからいいんだよねw
でも最近、ラブレターとか書かないよね^^;
205
:
海
:2009/09/04(金) 15:29:02 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
自由を掴み取ってごらん。
この自由なき監獄の中で。
一生とらわれの身。
光の差さぬこの監獄で、
お前がどうやって自由をつかむのか楽しみだよ……。
206
:
海
:2009/09/04(金) 15:29:52 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
神様。
あなたは世界のすべてを、知っているのですか―――…?
どこかで泣いている人がいることも、
どこかで悲嘆にくれている人がいることも、
どこかで闇に飲み込まれそうになっている人がいることも。
それらすべてを、ご存知ですか?
知っているのならお願いします。
私は何も望みません。
何を引き換えにしてもかまいませんから……。
大切な人を、帰してください。
207
:
栞
:2009/09/04(金) 19:42:33 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》そうかぁ。海みたいに考えたらケンカ友も良いかもww
言われてみればその人には何の遠慮も無しで居れるというか・・・。
楽なんだよねぇ^^
>>206
最後の〝大切な人を、帰してください〟のところで泣きそうになった;;
何かほんと切なくなるなぁ。
208
:
海
:2009/09/05(土) 09:58:52 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
栞>>
友達なんだけどケンカ友達ね、みたいなw
楽なのが一番だよッ+。
うちは今でも友達として関係続いてるよb
相談相手もケンカ友達だし(笑
泣きそうに!?
泣きそうになってしまうほどの詩は書いてないよ(笑
でも本当にそうなってくれたなら嬉しい^^*
209
:
海
:2009/09/05(土) 10:52:53 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
儚い命。
儚い―――夢。
『生きたい』
って言ったのならば、
あなた方はどんな顔をするのでしょう。
この与えられた短い命。
叶うはずないとわかっていて夢見た将来。
それらを覆したいと言ったのならば。
あなた方は今でも僕を、
「恨んでいますか…?」
210
:
海
:2009/09/05(土) 10:53:43 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
裏設定。←
>>209
病室のベットに横たわる少年の想い詩です。
病気に蝕まれ、そう長くない命を抱えていて。
いつ死ぬかわからないのに、夢見てしまった将来のこと。
少年のいう「あなた方」とは、『両親』のことです。
彼、両親から虐待を受けていてですね…「いらない」と言われてしまったのです。
だから、生きることは意味がないと。誰にも愛されないと。
「僕は、いつまで恨まれるのかな…」
生まれてきたことで迷惑になっていると言われてしまったのですね…。
両親に恨まれ続けている限り、彼は「生きたい」と言えないのです。
211
:
海
:2009/09/05(土) 14:06:44 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
そうやって何もかもを隠すつもりですか?
言いたくないのなら深追いしないよ。
無理に聞き出そうだなんて思わない。
でも。
言って欲しいことだってあることを、
秘密にして欲しくないことがあることを、
あなたは知っていますか?
いつまでも隠していられるだなんて思わないで。
212
:
栞
:2009/09/06(日) 15:12:50 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》ほんと楽が一番だよねっ!!
私も親友の前では何か素丸出しというか・・・。
>>211
隠し事とかあるよねぇ・・・・。
で、それがバレてちょい危なくなっちゃったりって事が;;
213
:
海
:2009/09/06(日) 15:54:21 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
栞>>
親友がいることがうらやましい^^*
うち親友っていないからさ;;
ばれそうになるとめちゃあせる(笑
そしてこの隠し事が浮気だったら笑える←
214
:
栞
:2009/09/11(金) 20:21:59 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》親友・・・・っていっても、私の気まぐれな性格からか
一時期何か嫌に思えてくる時があるんだよね;;
でもやっぱり時が経てば元通り、みたいな・・・。
ほんと私気まぐれで^^;
215
:
海
:2009/11/07(土) 16:48:39 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
――― 愛されることを知らない人は、
愛される喜びを知らない。 ―――
――― 愛することを知らない人は、
愛する歓楽を知らない。 ―――
216
:
海
:2009/11/07(土) 16:49:05 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
良かったら、手を取り合ってみないかい?
僕の手は、君よりも冷たいけれど。
僕の手は、君よりも血を吸っているけれど。
そうだとしても。
共に戦い抜くために、この手を取ってはくれまいか?
217
:
海
:2009/11/07(土) 16:49:27 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
そうか、これが『夢』なのか。
ありもしない世界に入り浸り、
目が覚めたら現実へと引き戻される。
現実と幻想の、架け橋であるもの。
そうか、これが『愛』なのか。
目に見えない形のないもの、
誰もが心の奥に秘めている、とても尊いもの。
触れられると、温かい。
そうか、これが『命』なのか。
森羅万象に与えられた、神からの最初の贈り物。
善にも悪にも転ぶ、理解しがたい謎。
失ったら、二度と手に入ることはないもの。
そうか、これが『心』なのか。
どこにあるのかわからないもの。
どうやって生まれてきたのか解明できない。
自分の中にあるものだと、必ず実感できるもの。
我は、まだ知らないことが多そうだ。
218
:
海
:2009/11/07(土) 16:49:48 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
――― できるところまで、行ってみない?
これから、何が起こるかわからないけれど。
これから、何を失うのかわからないけれど。
けれど。
僕らは失うものなんて一つもないから。
すべてを置き去りに進むのだから、
怖いものなんて、―――一つもない。
219
:
海
:2009/11/07(土) 16:50:15 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
『夢』が君たちを強くするのなら、
『希望』が君たちの背を押しているのなら。
僕は。
『復讐』が僕の強さとなり、
『執念』が僕の背を押している。
220
:
海
:2009/11/07(土) 16:50:44 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
――― 僕らの違うもの?
嗚呼、それはなんのことかな?
忘れてしまったよ。
もう、遠い遠い儚い記憶。
白百合から滴る朝露のごとく、
僕の記憶から滑り落ちてしまったみたいだ。
嘘。
覚えているよ。
『君』と『僕』の違いをね。
――― 『人』か『悪魔』かと、いうことをね。
221
:
海
:2009/11/07(土) 16:51:10 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
上手く言葉をつなげられなくて、
いつも足りない言葉しか言っていなくて。
それでも、にーちゃだけは聞き取ってくれた。
同級生は聞いてもくれない、
目も見てはくれない。
―――…だって、僕は『犯罪者』だから。
記憶が残っていないのが恨めしいんだ。
記憶がないから、自分の罪がなにかもわからない。
そんな僕だけど。
存在を、認めてくれる人がいた。
ありがとう、にーちゃ。
222
:
海
:2009/11/07(土) 16:51:30 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
どうしようもないときは、泣いたらいいんだよ。
泣いたって、その苦しみから逃れられるわけじゃないけど。
けど、泣いてたって何も始まらないじゃん。
泣いてる暇があるなら、胸はりなよ。
堂々としてればいいじゃん。
――― また、起き上がればいいじゃん。
起き上がれるでしょ?
なら、早く起きてよ。
223
:
海
:2009/11/07(土) 16:51:50 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
たまには、起きてみてもいいんじゃないかって。
たまには、前を向いてもいいんじゃないかって。
______ 許されることではなかったとしても。
224
:
海
:2009/11/07(土) 16:52:28 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 僕の好きなもの、知りたいのかい?
残念だね。
それを知ったところで、君はどうするのかな?
僕の好きなものを持ってきてくれるのかい?
―――…無理だろう。
君に持ってこれるはずがない。
持ってこれたら、僕は君を褒め称えよう。
我が世界に君臨する神々と同じように、
君を厚かましく褒め称えてあげようじゃないか。
持ってこれたら、ね。
225
:
海
:2009/11/07(土) 16:53:08 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ この壁を、取り払いたい。
簡単に取り払うことができたなら、
簡単に乗り越えることができたなら。
きっと自分は、燃えるような想いをしなかっただろう。
締め付けられるような苦しみも、
昇天するような幸福な幸せも、
きっと味わうことができなかったはずだ。
―――― いつか、取り払ってみせる。
分厚い大きな、高い壁を。
226
:
海
:2009/11/07(土) 16:53:30 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
________ 簡単に手に入る感情だったなら。
そしたらきっと、「真実の愛」を知らない。
手に入らないからこそ、燃え上がる想いがある。
227
:
海
:2009/11/07(土) 16:54:07 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
―――あ、鈴の音。
ちりんちりんとどこからか響いてくる、
なんて物憂げな透き通る音。
毎夜聞こえるこの鈴の音は、
どこから鳴っているのかも、誰が鳴らしているのかもわからない。
けれど聞こえているのは自分だけのよう。
____ いつか、鈴の音の正体をつきとめてもいいですか?
228
:
海
:2009/11/07(土) 16:54:26 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 嗚呼、魅惑的だね。
その絹のような肌。
その潤いのある瞳。
その形の良い唇。
その艶やかな髪。
すべてが我を魅了する。
我のためだけに、子守唄を歌ってはくれまいか?
―――― 魅惑の華よ。
229
:
海
:2009/11/07(土) 16:55:30 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 教えてほしいことが、ひとつだけ。
どうやったら君がこちらを向いてくれるのか。
どうやったら君を口説き落とすことができるのか。
どうやったら―――…君は彼から離れるのか。
もう、面影に頼るのはやめないか?
___ 彼はもう、いないだろう?
なのになぜそこまで執着する。
僕は「彼」に似ていると、そういったのは君だろう?
だって僕は―――……彼の『クローン』なのだから。
230
:
海
:2009/11/07(土) 16:56:10 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
____ 幸せでしたね、あの頃は。
『ちょ、梓ばっかりずるいーっ!』
『だって秋桜可愛いから…』
『恭南さんも梓さんも可愛いですよ』
三人で笑いあっていた頃は戻ってこないけれど。
それでも、私は幸せでした。
コスモスのネックレス。
三人が写っている写真。
これから起こる悲劇も知らず、笑顔の自分たち。
まさかいなくなってしまうだなんて。
『……秋桜、お墓参り、行こうか』
『……そう、ですね…。椿と、コスモスを持っていきましょうか』
大事な人を失いすぎた親友は、今でも強く生きています。
_____ Dear.椿先生 and 梓さん
231
:
海
:2009/11/07(土) 16:56:48 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 欲しいものは、すべて手から零れていく。
零れていくのを、ただただ見ていただけの自分。
また掬おうとも思わずに。
それが愚かだったということに、いまさら気づいた。
232
:
海
:2009/11/07(土) 16:57:08 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
________ さあ、進むことをしよう。
何にも屈しない勇気を持って。
何にも吹かれない意思を持って。
233
:
海
:2009/11/07(土) 16:59:48 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
>>215
から、今まで溜め込んでいた詩(紛い物もありますが)を載せました。
詩というより誰かの思いを綴っているものもありますが;
サボっていた分を一気に載せたという感じですね。
こんなものたちでよければ読んでやってくださいb
234
:
海
:2009/11/08(日) 13:54:47 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ もう、そんなことは言わない。
欲しいものを「欲しくない」とは言わない。
欲しいんだ。
何にも屈しない勇気をもつ、君が。
君だけが。
235
:
海
:2009/11/21(土) 10:55:46 HOST:119-171-144-210.rev.home.ne.jp
苦しかった。
つらかった。
______ そうだね。
だって、苦しいのはあたりまえ。
だって、つらいのもあたりまえ。
楽しいだけだったなら。
嬉しいだけだったなら。
人はきっと、成長しない。
236
:
海
:2009/11/21(土) 10:56:25 HOST:119-171-144-210.rev.home.ne.jp
______ ひとつひとつに迷いがなければ。
______ ひとつひとつに確信がもてれば。
出口のない迷宮を、彷徨うことはないのかな。
237
:
海
:2009/11/21(土) 10:56:58 HOST:119-171-144-210.rev.home.ne.jp
「秋桜さん、今日もまた生けているのですね」
襖から差し込んでくる光が遮られたことがわかると、秋桜はゆっくりとその相手を見やる。彼女が振り向くとともに結わいている桜色の髪が肩を流れ、耳上に飾られている桃の髪飾りがしゃらりと音をたてた。
そして秋桜が微笑みかけると、襖に正座をし、無表情で彼女が生けている花を見つめていた人物はすっと腰を軽くあげたままで部屋へと入ってくる。
「毎日の日課ですから…」
「生けたくもない花を生けるのも日課ですか」
使用人たちが聞いたら無礼だと叱られるような言葉や態度、最悪の場合、解雇ということだって考えられるのに、彼はそういったことを気にしていないらしく思ったことは遠慮なくぶつけてくる。その素直さが秋桜には必要だったから、彼女はあえてそういう人物を自分専用の使用人とした。
―――生けたくもない花。
それは、華道家元本家の肩書きの元、展覧会へ出品しなければならない作品。
やらなければならないと思いながら生けることを、秋桜は何よりも悲しんでいた。花は、自分の感性のままに表現するものだから。
「私は秋桜さんがすることに文句は言いませんが。こうして傍で仕えさせていただいているだけで感謝しておりますので」
その感謝の気持ちも、彼は表情に出さない。時間が刻を刻んでいくように淡々と述べられる言葉。
「櫂さんは、幸せですか?」
いつだったか、「さんをつける必要はありません」と言われたことがあったけれど、自分に仕えてくれている人を呼び捨てにはできなくて今でもそれは健在だった。
―――幸せですか?
あなたは、私に仕えていて。
ほとんどの自分の自由をすべて私に捧げていて。
「……幸せじゃなかったなら、私はここに残っていませんよ」
なんて回りくどい言い方なのだろう。
それでもあたたかみのある言葉に思えて、秋桜はゆっくり微笑んだ。
238
:
海
:2009/11/27(金) 18:28:55 HOST:60-62-120-46.rev.home.ne.jp
______ 守りたいものはたくさんあった。
この手から零れ落ちるくらい、たくさんあったのに。
――― 守りきることができたのは、ひとつもなかった。
239
:
海
:2009/11/27(金) 18:30:14 HOST:60-62-120-46.rev.home.ne.jp
____ 結局僕は、なにもできなかった。
____ なにも、……できなかったんだ。
僕は君から、「奪う」ことしかできなかった。
僕は君に、「与える」ことができなかったんだ。
君の大切なものだけ存分に奪っておいて、
君になにも与えることができなかった。
――― こんな僕の、伴侶となってくれますか?
240
:
海
:2009/12/04(金) 13:48:42 HOST:116-65-143-187.rev.home.ne.jp
_____ もう、後戻りはできない。
なにもかもが遅すぎた。
決断するのも。
行動するのも。
―――……愛して、しまったことも。
俺が愛さなければ、君は傷つかなかった。
俺が感情のない人形だったら、君の涙を見つけることもなかった。
すべての責任は、俺にあるんだ。
―――だから。
君の手で葬り去って。
そしたら俺は、君から俺の記憶を消し去ろう。
……もう、君が苦しまないように。
241
:
大地・怜也・珠洲(海)
:2009/12/10(木) 18:47:26 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
手に入れるのは難しいのに、
________手離すことは簡単だ。
手に入れるのは難しくて、
________それを守り抜くのはもっと難しい。
242
:
海
:2009/12/10(木) 18:48:06 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
そうやってまた、いろいろなものを切り捨てていくの?
_______それには、代わりなんてないんだよ。
簡単に代わりが見つかるなんて思わないで。
そんなに簡単に見つかるのなら、
―――この世にあるものは、すべて“不必要”だ。
243
:
海
:2009/12/13(日) 10:04:01 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
_______叶うことはないとわかっているから、
私はこんなにも冷たくなれる。
「こんなところで話してないでさ」
本当は嬉しいのに。
「あの子と話せばいいじゃん」
冷たく突き放すしかできない自分。
感情のないふりをして、
興味がないように振舞って。
_____馬鹿だね。
それでも、諦めることができないんだ。
244
:
海
:2009/12/13(日) 10:04:50 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
閉じ込められた牢屋の中で、
私は救われるのを待ち望んでいた。
窓から差し込む朝日を、何度見たことだろう。
窓から見える夕日を、何度見つめたことだろう。
______外で瞬く星空に、何度願ったことだろう。
いつか救われるはずだと、自分に信じて言い聞かせた。
そうしないと、自分が崩れていく気がしたの。
けれどある日、私は子供を身ごもった。
_____黄金の雨に魅せられて。
それが偉大なるゼウス神だと知ったのは、
それからもう少し、先のこと。
245
:
海
:2009/12/13(日) 10:21:06 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
僕はずっと想ってるよ。
_____遠く離れた、空の果てから。
約束、守れなくてごめんね。
―――傍にいること、できなかった。
償っても償いきれないほどの罪。
それを抱えて僕は召された。
お願いします、神様。
一度だけ……一度だけでいいから。
______僕を、彼女の傍に。
246
:
麗奈
◆5M/IdXYC42
:2009/12/13(日) 15:18:11 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
はじめまして♪
読ませていただきましたww
描写の仕方がうまいですねbb
なんか読んでて素直にそう思いました!
実は初めましてじゃないんですb
学園アリス掲示板のある人ですよ^^*
私の小説「恋嘘」もよろしくですww
>海さん
247
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/13(日) 23:14:31 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
こここ、こんにちわ!((
どーもです、紅桜です!
今まで陰ながら愛読し、密かに(?)海に憧れを抱いていた読者です(ノω・*
感情の表現もうまいし、何より説明文が好きです←
私にもその文才分けてください、って本気で思ってまs((
これからも応援してます。
気が向いたらじゃんっじゃん感想書いちゃいます。え、ウザい?((
それでは、これにて失礼ノ゛
>海
248
:
海
:2009/12/16(水) 17:15:25 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
麗奈さん>>
こちらこそ初めまして^^*
自分のことは適当に呼んでやってくださいノシ
描写の仕方がうまいだなんてもったいないお言葉…!
嬉し恥ずかしです(ノω`*)
Σ学アリ掲示板にいるのですか!?
それはぜひあちらでも挨拶しなければ…!+。
「恋嘘」なんて素敵な題名ですね+。
早速お邪魔させていただきますvv
249
:
海
:2009/12/16(水) 17:20:40 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
憧れなんておこがましいΣ//
愛読なんてものすごく嬉しい(きらっきら
ΣΣわけられるほどの文才なんて持ち合わせていないのに(驚愕
じゃんじゃん書いてくれるの!?+。
そしたらうちも書いちゃいますvv
250
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/16(水) 21:33:55 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
…何と言われようと憧れ続けます+((
嬉しい…それは良かったよ。それに、そう言われるとこっちも嬉しい(//ω//)
�瑤┐АĄ€ 弔犬磴〜燭鬚發蕕┐个いい鵑澄³瑤Ľ�
じゃんじゃん書きます、暇を持て余してるんでb
うん。書いてくれたら多分テンションあがるよ!←
>海
251
:
海
:2009/12/17(木) 16:19:10 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
でもうちに憧れても何も真似する部分がありませぬよノシ+。
むしろ与えてください。(真顔
ぜひ自分に才能を分けてください…!
うん、うちも暇を持て余してる+。(テスト期間でも普通に←
そしたら早速書きにいこう!←
252
:
海
:2009/12/17(木) 17:02:44 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
______とりあえずは、笑っていよう。
自分に不利な状況でも、
誰もいなくて寂しいときも、
変な疑いをかけられたとしても。
無理に笑顔をつくって、笑っていよう。
―――そうしたら、誰も近づいてこなくなるから。
253
:
海
:2009/12/17(木) 17:19:47 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
「触らないで!」
______残酷な、拒絶の言葉だったね。
そんなことを言ったのに、君はずっと傍にいてくれたよね。
―――馬鹿みたいに言った拒絶を、守り続けながら。
絶対に触らなかったね。
傍にいたのに、私に触れることをしなかったね。
______「……ごめん、…ね……」
こんなことになるとわかっていたら、
私はもう少し、素直になれたのだろうか。
254
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/20(日) 21:03:45 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
頑張って探すy�瑤Ľ�
…与えられるくらいなら自信もつくのにね…(溜息
才能は分けられませんが元気を上げます…!�瑤い蕕覆�
え、テストって何?って感じで現実逃避してるからね+((
ただしテンションが上がっても何もありませんのでご注意をb
>海
255
:
海
:2009/12/22(火) 18:06:25 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
マジですかΣ笑
さっきブログめぐりしてたら、「紅桜」って人のブログ見つけて、思わず「え! 紅桜!?」ってものすごく驚愕してしまった自分((
元気もらえるなら嬉しいy((
最近落ち込み気味なの、危ないの(涙
テンションあがったらうちもあがるy((
256
:
海
:2009/12/22(火) 19:12:20 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
『ありがとう』
『ごめんなさい』
______これは魔法の言葉だと、教えてくれたのは誰だったろう。
『大丈夫だよ』
『心配しないで』
______これは自分を追いつめると、教えてくれたのも誰だったろう。
『大好きだよ』
______これは特定の人だけに告げるのだと、
______教えてくれたのは母だった。
257
:
海
:2009/12/24(木) 18:29:16 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
―――『メリー・クリスマス』
聖なる夜に、魔法の言葉を紡ぎましょう。
聖なる夜に、世界へ輝きを与えましょう。
―――『メリー・クリスマス』
聖なる夜に、あなたへ言葉を送ります。
聖なる夜に、あなたから言葉をもらいます。
―――『メリー・クリスマス』
生まれてきてくれて、ありがとう。
258
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/24(木) 19:59:52 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
マジです。本気と書いてマジ+←
残念ながらブログなんて面倒な物私に管理できそうにないぜ(p_-。
じゃあ元気を与えよう!いくよ、ふうあちゃー!!�徧�
ど、どうして!?明日はクリスマスよ!?((
マジでか、そしたら上がりまくりだノ++
>海
259
:
海
:2009/12/25(金) 11:11:23 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
臨機応変と書いていい加減と読むべし!(ぇ
確かにブログは面倒だ(笑/←ブログ持ち
でも楽しいのも一理あるb
その効果音可愛すぎr((
クリスマス……フッ、塾さ(遠目/涙
260
:
海
:2009/12/31(木) 08:50:09 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
愛されたいと願って生まれてきたのに、
_______僕を愛してくれる人はいなかった。
愛したいと願って生きてきたのに、
_______僕は愛せる人に出会わなかった。
僕は、独り。
それでもいいと思うようになったら、
僕は一生、『独り』の檻から抜け出せないのだと思う。
261
:
海
:2009/12/31(木) 23:45:07 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
どうしようもなく悔しいときは、
_______真っ青な空を見上げよう。
どうしようもなく苦しいときは、
_______沈む夕日を見つめよう。
そして「明日からまたがんばろう」と、
自分の中で意気込めばいい。
262
:
海
:2009/12/31(木) 23:45:46 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
こぼした。こぼれた。こぼす。
手のひらから、―――星の雫を。
手のひらから、―――守るべきものが。
手のひらから、―――想いを。
きらきらと瞬く星の雫をこぼしました。
大切なものがこぼれました。
愛しい想いをこぼしました。
263
:
海
:2010/01/01(金) 18:24:36 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
決められたレールの上を歩いているだけではいけないと、
決められた未来を見据えているだけではいけないと、
_______教えてくれたのは君でした。
決められていないレールの上を歩いていくのは楽しいことだと、
決められていない未来を見据えるのは自分への挑戦だと、
_______教えてくれたのも君でした。
264
:
海
:2010/01/04(月) 16:53:52 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
_______笑顔で、「さようなら」を告げよう。
泣いて別れるなんて後味が悪いから。
僕にも君にも、罪悪感が残ってしまう。
―――そんなの、嫌でしょ?
だから『笑顔で』別れを告げよう。
「さようなら」と、僕は笑顔で別れるから。
265
:
海
:2010/01/04(月) 17:30:23 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
簡単に頷くことができるのなら、
_______こんなに楽なことはないよ。
頷けないから困ってるんだ。
それを君は知らないよね?
知るはずもない、か。
266
:
栞
:2010/01/05(火) 20:41:33 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
何故か一時此処に来てませんでした←((スイマセン
…というか、こんなにも素敵詩が書ける海は凄いよ!!
うちは似たようなパターンばっかになっちゃうから…((遠目
これからは地道にコメ返していきたいと思っております^^*
267
:
海
:2010/01/07(木) 11:55:31 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
栞>>
大丈夫、うちも時々忘れるかr((
だってもう詩しか載せてないぜ?;←
Σうちだって似たようなパターンのもの多しだよ!?
本当にもう似ているのしか載せてないんじゃないかと思われるほどに似ているのだけだよ!?
268
:
海
:2010/01/07(木) 11:58:16 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
「大好き」なんて、言ってほしくなかったよね。
「一緒にいて」なんて、聞きたくなかったよね。
―――困らせて、ごめんね。
269
:
海
:2010/01/09(土) 17:54:25 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
※文章のみです。
目が痛くなる可能性もあるので、読むのが苦手な方はスルー推奨。
煌々と輝く満月が頭上を飾るとき。どこからか狼の遠吠えが聞こえたとき。辺りの木々が一斉に静まったとき。
そして……漆黒に際立つ十字架が目に入ったとき。
決して深入りしてはならぬ。早々にその場から立ち去るべし。なぜならば……、
―――『眠りから覚めたお姫様は、見られることを嫌うからだ』。
暗闇の中、光が溢れだしていたとしたら、それはお姫様のお目覚めだ。とても美しく、その光は見るものを魅了する。ガラスの欠片の如く煌めきながら、お姫様のお目覚めを祝福している。
だから何も見なかったと、そう思って走りなさい。決して後ろを振り向かず、好奇心と恐怖心に負けてはならぬ。
負けてしまったら最期。
お姫様に従順な騎士が、君に襲いかかってくるぞ。
けれどそのお姫様は、心優しき素直なお方。きっと見逃してくれるだろう。だからといって、それを他言したら二度はない。騎士に襲われるのが目に見えている。
噂によると、お姫様は攻め入られた隣国のお方らしい。王族の血を途絶えさせるわけにはいかないと、この国へ逃げてきたという。
隣国の姫は愛らしいと謳われていたね。小鳥のように愛らしく、人前での態度は王族の威厳を放っており、その立ち姿は女神の如く麗しい。
色素の薄い髪色と、それと同じ瞳。聞いたところによると、毎日桜色のドレスを着ていたそうな……。
―――お姫様は身を隠しておられる。決して他言は許されぬ。
270
:
みむ
:2010/01/10(日) 21:13:38 HOST:119-231-144-211.eonet.ne.jp
三年に一度しかない書き込み★☆
この書き込みであなたの運命がかわるよ♪♪
1、今片思いしている異性と両思いになれちゃう☆
(無視した場合→二度と両思いになる事はありません)>>>>>>>2、うまくいかない恋人と超ラブラブになれちゃう
(無視した場合→ラブラブにならないで恋人から別れを告げられちゃいます)
3、にがてな科目が大得意になる☆
(無視した場合→にがてな科目じゃなく、すべての科目がにがてになっちゃいます
4、仲良くなりたい友達と親友になれる☆
(無視した場合→仲良くなれずもっと、仲が悪くなります)
5、貧乏な生活が金持ちの生活に変わる☆
(無視した場合→貧乏どころじゃなくホームレスみたいになっちゃいます)
6、今友達と喧嘩中、又はいじめられたりする人はその問題から解放される
(無視した場合→喧嘩やいじめがもっとひどくなります)→これを14箇所にはってネ♪あなたの願い事が叶いま〜す!!
これをやった貴方は夢や学校一のモテ子に
なりますw
やんなかったら不幸が突撃します
もうココまで読んでしまった人は最低3ヵ所は回さないと絶対不幸が100%突撃して死亡するでしょう
これをやった人は実際に
両思いになれたり、
学校一のモテ子になれたり、
夢が叶ったり
欲しい物が手に入ったり
キスされたり
告られたり
一気に幸せが手に入ります
だから移せば移すほどお得!
その他にもたっくさん叶った人がいます
だから回してね失敗した人なんていません
271
:
海
:2010/01/11(月) 18:02:11 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
そこはとても、不思議な世界。
現実とは似て非なるもの。時間の流れは現実より遅く、その世界の住人もどこか一風変わっている。
……おや? どうやら、子猫が迷い込んだみたいだね。
黒の燕尾服を身にまとい、片手に銀の懐中時計を握り締め、駆けていく兎を追いかけているようだ。ああ、哀れな子猫。そのまま行ったら君は現実へ戻れないよ。
まあ、僕の知ったことじゃないけどね。
子猫がどうなろうとも、僕の知ったことじゃない。戻れなかったらそれはそれ、戻れたならそれもそれ。僕にとっては同じこと。ただそれだけだ。
……今度はまた、毛色の違った黒猫か。今日は迷い子が多いようだ。
先ほどの子猫を追いかけているのかな? 直感で進んでいるのか、それとも確信があるのか。僕では断定できないね。
ああ、子猫はそっちへ行ったよ。やはりこれは確信があるのだろうか。この世界でたった一人を捜すだなんて、不可能に近いというものだ。愚か者のすることなのに。
けれど退屈しのぎにはなりそうだよ。もう少し、君たちを観察させてもらうとしよう。
あれ? いつの間に僕のところへ来たんだい? ……ああ、ここは時間がゆっくりだったね。
そんなに焦らなくてもいいよ。君たちを観察してとても愉快だった。変わっているね、ここの住人になってもいいくらいだ。
わかったよ。そのお礼に教えてあげよう。
―――『現実世界へ戻る方法を』。
幸運を祈ってるよ。
……さあ、次の迷い子は君かもしれない。
272
:
海
:2010/01/11(月) 18:02:58 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
もし、この世界で僕らだけしかいなかったなら。
君は僕の『華』であろう。
何の取り柄もない、何の特徴のない僕に、それだけで華やかさを与えてくれる。君がいるだけで、僕は違った人になれると思う。それくらい、君の存在は大きいということ。
僕はただの付属品で構わないから。君を際立たせる、脇役の存在でいい。
もし、僕が地球だったなら。
君は僕を包む『宇宙』であろう。
僕は君がいたから存在しているのだと、君がいなかったら僕の存在は歴史に刻まれることはないのだと。君から生まれた星も、惑星も、天文学で教えられることはない。
君から生まれた星たちを、僕はじっと見つめている。……ああ、なんて綺麗な星なんだろう。君の心そのもので、僕は触れてはいけないのだと思ってしまう。神聖なる『宇宙』を、僕の手で汚してはいけない。
君は僕の『華』であり、君は僕にとっての『宇宙』である。
273
:
海
:2010/01/16(土) 16:01:08 HOST:119-175-176-20.rev.home.ne.jp
太陽が地平線へ沈み始め、辺りに帳(とばり)をおろす。
まだ空は群青色に染まっていて、地平線は綺麗なオレンジのグラデーションがかかっている。その空を見上げた一人の街娘は、小脇に数冊の本を抱え、軽い足取りで駆けていく。
街外れの、古ぼけた図書館。手入れが行き届いていないのか、塗装が剥がれ落ち無造作に剥き出しになった壁に、近辺に群生している蔦が寄り添うように伸びていた。当初はとても美しい朱色だったらしく、塗装が剥がれ落ちてしまった今でもその色を垣間見ることができる。
背中へ垂らされた髪を風に靡かせ駆けていく街娘を、沈む太陽が優しく照らし、顔や服をオレンジに染め上げていた。
彼女の着いた図書館は、街外れで目立たないところにあるうえ、とても小さい。大型の図書館ができてからはそちらを使う住人が増え、この図書館は人の出入りが少なくなってしまった。置いてある書物の数も少なく、薄暗さも混じって、さらに人が寄り付かなくなってしまったのだ。けれど彼女は、この図書館が好きだった。
幼い頃から使っているので馴染み深いというのもあったし、なによりこの図書館の静けさが好きだった。街の図書館は居心地が悪かった。静かに本を読んでいたい彼女にとって、周りがあまりにも騒々しかったからだ。それに比べ、ここは人が寄り付かないこともあってものすごく静かである。時折、小鳥の鳴く声が聞こえたり、木々のざわめきが聞こえたりと、自然の中にいるような空間はここでしか味わえないものだった。
ギイ…と重く軋むドアを開けて中へ入ると、カウンターで優雅にコーヒーを啜っている青年が真っ先に目に入った。ドアが開かれたことに気づくと彼は顔を手元の本から上げ、いらっしゃいませ、と微笑んでみせる。そんな彼の微笑みに羞恥から頬を赤く染めた少女は、まっすぐにカウンターへと歩んでいく。
―――それは秘密の密会。
本を新たに棚から取り出し、少女は青年の座るカウンターへ入っていく。そして二人で、他愛もない話をし始めた。
彼らを見守るのは、これから訪れる夜だけ。
外では一番星が煌々と輝いている。
……まだ、あと少し。
この幸せな時間を噛み締めながら、少女は青年へ寄り添うのだった。
274
:
海
:2010/01/22(金) 15:55:21 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
【煌めきの奏鳴曲(ソナタ)】
ピアノソナタ第五番。
目を瞑っていると聴き慣れた音符がするりと耳へ入ってくる。これは幼い頃からずっと聴いている、いわば子守唄のようなものだ。普段、仕事で家にいない両親の代わりに、近所に住む三つ上のお兄さんがよく顔を出しに来てくれていた。
その彼がいつも弾いていたのが、このピアノソナタだ。
自分にはピアノというものの奥深さはわからないが、彼から紡がれる音符たちはどれも澄んでいて、音符が空に舞い上がるときにきらきらと太陽の光をうけて輝いているように見えた。そう言ったら、「音は弾き手の気持ちや思いが音符に乗せられて聴き手に伝わるから、いつどんなときでも気を抜けない」と幸せそうに笑っていた。
ピアノが好きなのかと問いかければ、いつもひとつ返事で答えが返ってくる。そのときの彼の表情は普段から想像できないほどの笑みで、それを見た自分が頬を赤く染めあげるのを、きっと彼は知らない。
聴き慣れたピアノソナタ。それは同時に、自分が彼とどのくらいの時間を共にしているかがわかる。
出会ってから十年が経った。自分は十五歳、彼は十八歳。
八歳の頃からピアノソナタを弾いていたと言うと、誰しもが驚くと言っていた。無理もないと思う。彼はその頃からピアノセンスに長けていて、将来は有望なピアニストになるだろうと、周囲から期待されていたからだ。そして彼はそんな期待に応え、着実に実力をあげている。
けれど普段は周囲から遠巻きにされる雰囲気で、どこか近寄りがたいというか話しかけずらいというか……そのためか、彼が誰かと帰っている様子は見たことがない。帰ったら真っ先にピアノの音色が響いてくるし、家にある中型のピアノで曲を弾いてくれたりもした。
彼はいまだに自分のことを世話してくれている。相変わらず両親は仕事で忙しく家に帰ってくることがほとんどない。そんな家庭なのに自分が横道に反れていないのは、きっと彼のおかげだろうとふと思った。
◇◇
自分は十七歳、彼は二十歳。彼が成人式を迎える日だ。
彼は地元の音楽大学へ進学し、さっそくその才能を開花させていると風の噂で聞いた。それを真っ先に伝えてみたら、ふいっとそっぽを向かれ、「……いちいち報告はいらない」と言われた。それが照れ隠しだと知ったのは、彼の妹経由だ。
「これからもピアノソナタ、聴ける?」
「いくらでも弾く。……あれは、一種の思い出の曲だし」
そう幸せそうに微笑みながら歩いていくふたつの影が、夕焼けに照らされたアスファルトの上を長く飾っていた。
******
文章だけで頑張ろうかと思ったが最後の方で挫折したorz
275
:
海
:2010/01/25(月) 12:18:16 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
それは、もう最後。
枯れることのない、血のような花。
ただ咲いているだけ。ただ風に揺れているだけ。
……けれどその花は、時たま物憂げに空を見る。
どこから見ても、空に広がるのは一面の蒼。雲ひとつ浮かんでおらず、春のあたたかく優しい陽の光が燦々と降り注いでいる。そしてその花の影をもつくっていた。
吹いてくるのは生あたたかい春の風。どこからかかぐわしい花の香りを運んできて、一輪の花を横切っていく。
それに揺れるは、紅い花。
血を塗ったように紅い緋色の花弁は、どんな風が吹いても定位置を離れることはない。そして根にしっかり根付いている茎も、折れたりすることはなかった。
毎日毎日、紅い花は揺れている。なにかを誘うように、なにかを待っているかのように。
空から一筋のきらびやかな光が差し込んだと思うと、その花はいっそう優しく揺れてみせた。
276
:
海
:2010/01/26(火) 21:12:09 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「冬だね」
「……うん。…寒くなるから、今日はあたたかくして寝てよ?」
「もう、心配性だなぁ、純は」
ちらちらと降る雪を見つめて、春歌(はるか)はすうっと微笑んだ。
閉じられた窓から見えるのはゆっくりと地面へ落ちていく雪で、先ほど外へ出たときの寒さはこれだったのかと純は思った。
今日は冬一番の寒さらしい。そうなると、雪が降るのも納得できる。
純の目の前でじっと外を見つめている春歌に、彼は黙ったままその肩へ毛布を掛ける。すると彼女はありがとうと再び微笑んで、掛けられた毛布を小さな手でぎゅっと握り締めた。
「雪って、やわらかい?」
「そうだね……触れたらすぐに溶けてしまうかな」
「繊細なんだね、雪って……」
まるでその手にあるかのように、彼女は空へそっと手をかざす。かざした手のひらの中に窓の外の雪が重なり、それは音もなく降っていく。純がちらりと春歌を見やると、彼女はシーツの上に手を下ろしていた。
「遊びたいな。早く元気になりたい」
「そしたら、一緒に遊ぼう。雪だるまやかまくら作って」
「楽しそう……純たちはいつもそうやって遊んでるんだね」
「自分たちで遊びを考えたりもしてるよ」
「そうなの? ならなおさら元気にならないとっ」
両手で拳をつくり笑顔を向ける春歌に、純はどこか複雑そうな笑みを浮かべた。
……このベットから、起き上がれる日が来るとは思えない。
彼女は生まれたときからずっとこのまま。ベットから起き上がることもなければ、地面を自分の足で踏んだこともない。
春歌の世界は、窓から見えるものだけ。
「春が、楽しみだな」
唐突に、彼女が言った。
「この雪が溶けたら春が来るでしょう? そうしたら、また一緒に桜を見ようね」
ふわりと微笑む春歌に、純はこくりと小さく頷いた。視線の先には、雪の重みで今にも折れてしまいそうな桜の枝。……春歌も、病気の重みに潰されているのだろうか。
「……そうだね。まずは一緒に冬を越えよう」
ぎゅっと力強く手を握り締めて、純は一人、目を伏せた。
277
:
海
:2010/01/26(火) 21:14:01 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
バレンタインは特別なイベント。
……そんなこと、誰が決めたの?
「……はあ」
本日何度目なのかわからないため息をついて、沙羅は騒々しい教室を見渡した。それぞれに趣向を凝らし、綺麗にラッピングされたものを持ち寄って、クラスの女子は耳に残る甲高い声をあげている。
それに興味がないように見せかけている男子たちも、ちらちらと彼女らの様子を伺っているのが見てとれた。
―――バレンタインは、嫌い。
心の中で悪態をついて、がたりとその場を立った。いつもなら皆その音に注目するが、今回は騒々しいせいでなにも聞こえなかったらしい。誰も音に反応しなかった。
それを好都合だと思い、沙羅は静かに教室を出た。
この日だけはどうしても好きになれない。
過去の出来事がトラウマになっているのかと訊かれれば、そうだと素直に言えない自分がいる。確かにそれが原因なのかもしれないが、はっきりとはわからない。
自分で自分のことがわからないだなんて、滑稽だ。
「今日一日はここで過ごそうか」
辿り着いたのは屋上。毎日なにかがあるとここへ来る。……いや、逃げている、と言ったほうが正しいのかもしれない。
今頃あの教室はチョコの匂いが充満しているだろうし、あの状態で授業を受けられるとは思えない。それにここの学校の教師はほとんどいい加減だから、まともに授業なんてしないだろう。ならばここで一日潰せばいい。
出てくるときに机の中から持ってきた読みかけの本を開いて、西日もあたる場所の壁に寄りかかった。
―――いつかさ、沙羅がバレンタインを楽しめるようになることを祈ってるよ。
……無理だよ、父さん。あんなことがあって、好きだなんて言えない。
寂しげに微笑んで頭を撫でてくれた父の顔が思い浮かんで、沙羅は思い切り頭を振った。
そして開いたままの本に目を通し始め、黙々と読み続けるのだった。
278
:
海
:2010/02/03(水) 16:38:42 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
―――大丈夫だよ。大丈夫。
握りしめた手のひらはとても冷たくて、
握りしめてくれた手のひらは、とてもあたたかかった。
「なにを根拠に大丈夫だと言うの?」
その言葉を鵜呑みにしろと?
僕が地を這う現実を、君はきちんと見ているの?
「根拠なんてないよ。ただ、……いつか救われることを信じているから」
それは見えないものだったから。
当時の僕は、信じることができなかっただけだ。
279
:
海
:2010/02/09(火) 18:07:23 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
陰陽が混ざるとき。
_______世界は混沌へと巻き込まれる。
280
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/02/09(火) 18:19:40 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
久々に来たぞえ(・ω・)ノノ←
うーん…いつ読んでも海の小説&詩はいいねぇ+*
心がホッとしたよww
また来るwそしてコメするから頑張ってちょ^^
んじゃ、see you∀ノシ
281
:
海
:2010/02/10(水) 17:52:54 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
お久しぶりでしーv
そんなこと言ってくれて嬉しいよ(感涙
よくここまで気力が続いてるなぁ、と自分で自分を褒める(涙
暇なときにでも作品をまとめてみよう、うん+。
282
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/02/10(水) 18:03:37 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
よし、じゃあ、なでてあげよう((←
イイ子イイ子\(∀・
ゆっくり海の詩を鑑賞できないからそうしてくれると助かるω
ってまたコメしに来た麗奈ですたw
おじゃましてごめんよっ…
靴の跡をふいておかなきゃ…←((は?
283
:
海
:2010/02/10(水) 18:21:03 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
うにゃー^^*(ぇ
うん、じゃあまとめてみるー+。
けどかなりの時間を有するー(笑
よし、今から少しだけまとめてみるよb
何をおっしゃるウサギさんΣ(△・
むしろ残してくださいそのままでッ!+。
284
:
海
:2010/02/10(水) 18:36:26 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
心に響くは君の音
>>28
凍
>>192
異世界風味
>>220
、
>>224
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
285
:
海
:2010/02/10(水) 18:42:04 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
凍
>>192
異世界風味
>>220
、
>>224
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
○小説○
>>269
、
>>271
、
>>272
、
>>273
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
286
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/02/10(水) 20:53:25 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
かわいいねぇ^^*←
ますますなでたくなr(((ry
読んだぜぃ+°何度読んでも泣きそうになる…
特に神話がいいな∀♪
急がなきゃ急がなきゃ!
時間がなーい!急がなきゃ!
(どこいくの?)
。。。どこだっけ?
うわーーーwww超デジャブww
287
:
海
:2010/02/11(木) 12:16:36 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
にー、にーっ(^^*(もう逝けばいいと思う←
アネモネ好きなのですよーっ!vv
神話も花も花言葉もb
これから神話類を増やしていこうかなー、とも考えてます+。
不思議の国のアリスーっ! アリスーっ!(ぇ
あのウサギさんが着ている燕尾服が好きです。←
銀の懐中時計持って走ってるとかvv
288
:
海
:2010/02/13(土) 09:59:45 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
【女神が恋し紅い花】
「アプロディテ、今日も行くのか?」
「ええ、アレス。……あなたには、不快なことでしかないとしても」
「……」
ふわりと頬を撫でていく春風が、腰まで伸ばされた女神の金の髪を靡かせた。頭には大きな金の髪飾りをつけており、風が吹くたびに、そこから下がる真珠がしゃらしゃらと涼やかな音をたてた。
女神は足元までを覆う絹の衣を翻し、隣を歩く男神を振り返ることなく歩いていく。その態度にむっとした表情をした男神アレスは、ぐいっと思い切り女神の腕を引っ張る。その痛さに、女神は美麗な顔をゆがめて抗議した。
「なにするのよアレス! 私は行かなければならないのっ」
「なぜ。彼はお前の愛人か?」
「違うわよっ……けど、あの子は私の傍にいたのよ。世話だってしてくれて、侍女と同じくらいの働きをしてくれたわ。その彼が今、私を待って咲いてるの。私が行かなくて誰が行くのよっ」
金の髪から覗く透き通った水色の瞳が、真剣なまなざしでアレスを見やる。その決意のまなざしを受け、アレスはふう、と小さくため息をついた。そして掴んでいた女神の腕を離し、掴みすぎて赤く痕のついてしまった場所を、指先でそっと撫でる。
「……わかった。けれど、いつもの時間までには戻ってきてくれ」
「そうするつもりよ。あなたとの時間も大切にしたいもの」
愛しむように撫で、アレスはその痕にそっと口付ける。そして名残惜しそうに口を離し、金の髪を一房持ち上げてそちらにも口付けをした。それがくすぐったかったのか、女神はくすくすと笑う。
「アレス、あなたはまだ子供ね」
「……断じて違う」
「大丈夫よ、ちゃんと戻ってくるわ。それまでエリスとでも戯れていて?」
「エリスか……」
脱力したような声音に、アプロディテはなおもくすくすと笑い続ける。そしてむっとしたアレスから離れ、すうっとひとつ微笑をこぼした。
「行ってくるわね」
そう言ったアプロディテは、駆け足で彼の元へと急ぐ。草原は女神が走り抜けるたびに息吹き、花は咲き乱れ木々は芽を出す。
息が切れつつ彼女がついた場所には、ぽつんと一輪、紅い花が咲いている。女神が歩み寄ってそっと包み込むと、その花は嬉しそうに花弁を揺らした。
「……アドニス、あなたはアネモネとなっても素敵ね」
そして女神は、アネモネの花に接吻をする。
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:
海
:2010/02/13(土) 10:03:39 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
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:
海
:2010/02/15(月) 20:43:06 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
透き通ったその空を見れば、
僕らはひとりじゃないと実感できる。
―――ほら、どこかで誰かが僕を呼んでいる。
そのために存在しているのだと、
箱庭のような空間でそう思った。
291
:
海
:2010/02/15(月) 20:43:45 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
凍
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:
海
:2010/02/17(水) 15:59:37 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
手に入らないとわかっていたからこそ、手に入れたいと思った。
手に入れてもすぐに零れ落ちてしまうと、頭のどこかでわかっていたのかもしれない。
―――けれど、そうだとしても手に入れたかった。
自らの身を滅ぼすことになろうとも。
君の甘美な甘さが、僕の心を、身体を、蝕んでいく。
見えない鎖で繋ぎとめられているかのよう。
君に僕は溺れていく。酔っていく。狂っていく。
僕の目の前に映るは君だけ。
―――ほら、もう少しで手に届く。
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:
海
:2010/02/17(水) 16:00:30 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
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海
:2010/02/20(土) 11:20:42 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
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:
海
:2010/02/20(土) 11:28:11 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
_____「この青い薔薇はどうしたのです?」
_____「くれたの。……昨日の真夜中、仮面をつけた人が」
また、来てくれるのかな。
鮮やかな蒼い色をした薔薇を手に。
隠された仮面の下の素顔を見てみたいと望むのは、いけないこと?
―――きっと、堕ちたのね。
堕ちる、堕ちて、堕ちていく。
深く、深く、地の底まで。
連れ出して、この城館から。
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:
海
:2010/02/20(土) 11:28:53 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
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:
海
:2010/02/20(土) 11:39:52 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「ごめん」と小さくつぶやいた唇は、かすかに血が滲んでいた。
______それは、とても強く唇を噛み締めていたということ。
「ごめん」と訴えかける揺れた瞳から、一滴の涙が零れ落ちた。
______それは、今の状況をとても嘆いているということ。
ならば私は、あなたが帰ってくることを祈りましょう。
唇を彩る血を指で拭き取って、零れていく涙にそっと口付けて。
幾度となく日が昇ろうと、幾度となく日が沈もうと。
298
:
海
:2010/02/21(日) 09:20:43 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
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:
海
:2010/02/28(日) 09:27:00 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
【ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―】
「この小節からト音記号に変えたほうがいいのかなぁ……」
ぶつぶつとつぶやきながら、ひとりの少女が五線譜を前に悩みこんでいた。机に置かれた一枚の五線譜。それになにかを書き込もうとしているのだろうが、右手に握られたシャーペンが動く気配は一向にない。しまいには俗に言うペン回しというものを始める始末である。
彼女の右手を優雅に回るペンはとまらない。先ほどから休むことなく回り続けている。落とすことがないところを見ると、どうやら回すことに慣れているらしい。暇なときはいつも回しているのだろう。
がちゃりと扉が開き、ひとりの少年が入ってきた。それに彼女も気づいたらしいが、特になんの関心も持たず微動だにしない。
「……あれ? まだやってなかったの?」
「……思いつかないの、いちいち刺激しないで」
背後からかけられた声にも彼女は振り向くことなく返事をする。見据えているのはやはり五線譜で、どこか睨んでいるようにも見える。
そんな彼女をちらりと見やり、しばらくその場に立ち尽くしていた少年だったが、小さくため息をつくと少女の隣へ無遠慮に座った。そこには少女の鞄が置かれていたが、彼は邪魔なものだと思ったのだろう、掴んで無造作に端へと追いやる。
もちろんそれに彼女は激昂し、彼を睨む。力が相当こもっているらしく、シャーペンを握っている右手は白かった。けれどそんな彼女の睨みは痛くないのだというように、彼はさらりと受け流す。その態度が彼女の怒りを煽っていることを知ってのことなのだろうか。
「なにしに来たの? 私を馬鹿にしに来たの?」
「ここは僕の教室だよ。僕がどこでなにをしてようが君には関係ないよね」
「立ち去ってほしいんだけど。私、今ものすごく必死なの」
「見れてばわかるよ。だから手伝ってあげようとしているんだけど。僕が手伝ってくれるなんて、きっと全校生徒の憧れの的だよ?」
「頼んでない」
長机にどかっと足を乗せ、背もたれに体を預ける彼を一瞥し、彼女は何事もなかったかのように再び五線譜へと目を通し始める。
五線譜にはいくつかの小節に音符が書き込まれていて、作曲の途中だということが見て取れた。その音符も最後の三小節目で切れており、彼女がそこで悩んでいるということがわかる。
「それで、悩んでたのはその変わり目のこと?」
「……そうだけど」
「幻想的にしたいならト音記号に変えるべきだね、音が流れるような構成にすれば、もっと幻想的な情景が思い浮かびやすい。逆にヘ音記号にした場合、暗黒なイメージが付きやすい。力強くしたい場合もヘ音記号のほうがインパクトがあるよ」
「……さすが、優等生と言うべきところだね。性格に問題ありだけど」
「いちいちうるさいね、君は。教えてあげたんだから感謝してもらいたいな」
「だから頼んでないって」
この俺様主義の優等生はなんなのか。
誰に問いかけたって、返ってくる答えは決まっている。
天才音楽少年でしょ? と。
「……まあ、君が弾くものならなんでもいいんだけど」
ぽそりとつぶやいた声は、静けさの残る教室へ消えていく。
西日が教室へ入り込んでいる。部活終了のチャイムが鳴る。
―――鼓動が、どきんと大きく脈打つ。
「……なら、下手でも最後まで聴いてくれるの?」
恥ずかしさで語尾が震える。顔が赤いのは夕日のせいだと、自分に言い聞かせる。
「もちろんだよ。結果がどうであれ、ね」
少し微笑みながら彼は言った。
それを直視することができず、彼女は手元のペンを走らせたのだった。
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:
海
:2010/02/28(日) 09:27:48 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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:
海
:2010/02/28(日) 11:43:10 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
―――夢を、見ていた。
辺り一面はやわらかな草が敷き詰めている草原で、その草原を涼やかに風が通り抜けていく。風に揺れる草はさらさらと音を立て、自分の履いているズボンにあたって擦れた音がしている。
ふと上を向けば、炎帝は光を弱めている。日没が近いからというわけではないようで、どうやらもともと弱いだけらしい。普段なら直接見ることはできないのに、それは肉眼で直視することができた。
草原の向こう側には、頂点が白い山と透き通った青空が見える。この景色は、いつかの本で見たことがあった。
けれどその本がどんなものだったのか思い出せない。
******
続きが抜け落ちてしまった作品orz
ここからどうもっていこうとしてたんだ自分……。
歳……かなぁ…(涙
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