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ネタバレ@サム/フロド 2

67萌えの下なる名無しさん:2005/10/30(日) 00:40:50
>>63-65さん、嬉しいです!
久々に主従話を読ませて頂いて心からほのぼのとしました。
ギムリ好きなエルフも好みなので、わくわくしながら拝見
いたしましたですよー。
後日談(何年も後?)でそのエルフ語の歌詞の意味を知って
うろたえる庭師殿、なんてのもいいなと勝手に想像しました。

68萌えの下なる名無しさん:2005/10/31(月) 00:11:08
>66
て、天然危険物って、ワラタ。

69萌えの下なる名無しさん:2005/11/03(木) 21:18:41
>>67
>そのエルフ語の歌詞の意味を知ってうろたえる庭師殿
旦那が実演して教えてくれるわけですね。
「何を驚いているんだね。こうしたいってお前が歌ってくれたじゃないか。」
とか言いながら。

70萌えの下なる名無しさん:2005/11/07(月) 18:56:47
>>64「いやいやいやこーゆー歌はね、あまり広めると御利益が薄れるのさ!確実に獲物を
射る為にはね!」

>>69「何を驚いているんだね。こうしたいってお前が歌ってくれたじゃないか。」

上記の様な展開になれば、確かに「ご利益のある歌」ということになりますな。
良かったね、サムやw。…あ、ギムリは大丈夫か?w

71萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:21:50
レゴラスが非常に出張っているんですが、 基本はサムフロなので
こちらに書かせてもらいます。
しるけ無しです。 
  

(1/4)
「私、お料理覚えたいの」
レゴラスは、強く、堅く、サムの手を握りしめた。
まず、いきなり暗い茂みの中に引きずり込むなとか、据わった目が怖いとか、言いたい
事は色々あったが、サムは取り合えず引きつった笑みを浮かべた。
「……………………えーと、り、料理ですだか?」
「ええ!師匠と呼ばせて下さい!」
更に激しく詰め寄って来られ、半端じゃない美貌のアップに思わず彼岸に逝きかけた。
最後の幸せな思い出に、本日の夕食の模様が走馬灯のごとくサムの前を過る。

何時の間にかサムの野営料理は、旅の仲間達の大きな楽しみとなっていた。
おまけに今日は火を使っても良いだろうとの野伏の御墨付きで、久しぶりに温かいものを
主人に食べてもらえると、サムは上機嫌で腕を振い、ホビット達はもちろんのこと、
ゴンド−ルの宮廷料理を食べなれているボロミアさえも、うっとりとしてサムに賛辞を
送る素晴らしい出来となった。
フロドもはしゃぎながらお代わりを繰り返し、
「サムってば凄いでしょう!でも彼の一番の得意料理、あのスペシャルゴールデン
プディング食べた事あるの私だけですからね!そりゃあもう美味しいんだから」 
と、仲間に向かってフフンと子供の様に胸を張った。
メリー達がずるいずるいと頬を膨らまして喚きだしたが、
「ありゃ、ギャムジー家秘伝のプディングですだ、バギンズ家の方以外にそう簡単に
お出し出来ませんです」 
フロドの言葉に誇りにはち切れそうになりながら、サムは得意そうに仰け反って笑った。
フロド・バギンズに認められる程晴れがましい事は、サム・ギャムジーにとってそう
多くはない、全くもって満足すべき夕餉だった。
そして、すっかりイイ気分で鼻歌混じりに後片付けをしている最中、このエルフに
捕まってしまったのだ。
そういえば最近、主人と自分のやり取りを、レゴラスが食い入る様に見つめているのは
感じていた。
…………もしや、指輪の誘惑が…………
とか、心配していたのだが、何を言い出すのかと思えば……
やはりエルフは良く分らない。
と、いうかレゴラスは分らない。

72萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:23:10





(2/4)
「やっぱりね、男は家庭的でないと」
「………はあ」
「私ね、えと、熊の丸焼きとか超得意」
「………はあ」
「でも、親密さを深めるのにワイルドさはむしろ邪魔って分ったんだ、サム、貴方の料理
みたいな何かこう………あーんしてって感じのが欲しいの」           
「………はあ」
「サムお願い、私を助けて、お料理教えて」
頼りなく(見えるだけ)跪いて訴えるレゴラスを、サムはオロオロとなだめてながら、
妙に申し訳ないような気がして頭を掻いた。 
「あの、おら、旨いモンてより、おら……フロド様のお口に合うモンだけ作ってますだ、
だから、えーと」
実際、ホビットの好みを最優先にして、大きい人たちやエルフやドワーフの好き嫌いなど
考えてもいなかった。
もちろん、自分の味付けに自信を持ってはいたが、レゴラスの求めているものは多分、
そう言う事ではないのだと、サムは朧げながら気付いた。
レゴラスが喜ばせたいのは、ある特定の人物なのだと。
「おらが他人様に教えられる事なんて無いですだ」
「ああ、そんなサム!フロドをあんな素敵に笑わせる事ができる貴方なんだもの!
その癒しの技が私には必要なの、貴方みたいな頼れる男のなりたいの」
エルフに憧れを持たれるという事態に、顔を覆いたい程恐縮しサムは夢中で首を振った。
「いえ、本当におら大した腕じゃないんで……ただガキんころからフロド様の喜んで
下さる通りに塩だの砂糖だの鍋にぶち込んできただけなんですだ、おらの腕を育てて
下さったのはフロド様の舌なんですわ」
「……………………………ずるいや、そんなの」
とうとう膝を抱えてしまったレゴラスの横に、サムはどっこいしょと陽気に声をかけて
座り込んだ。
「レゴラスの旦那のお役に立ちたいですだ、でもおら本当に旨い料理の作り方なんて
知らないのですわ、知っているのはおらのフロド様が旨いと言って下さるモンだけ」
サムは賢者のごとく語り、赤子のごとく笑った。

73萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:24:24





(3/4)
眩しそうに目を瞬かせ、庭師を見つめレゴラスは、
「………貴方って好い男だなぁ、貴方とフロドみたいに仲良くなりたい……………
……どうして上手く行かないのかしら」
と、淡く小さく笑い返した。
同じような思いを知っているだけに、どうしようもない切なさに胸を詰まらせて、
サムは自分からレゴラスの手を力強く握りしめた。
「あの、とっつぁんが言うには、あ、いや、ハムファスト・ギャムジーが言うには
初めから上手くいくことなんざ大したモンじゃねぇってこってす、昔おら何度フロド様に
焦げたシチュー食わせちまったか分らないですだ………でもフロド様はいつも旨いって
言って下さって……おら嬉しくて嬉しくてもっと頑張れましただ、チャレンジですだ!
レゴラスの旦那!」
「サム……」
「とりあえず好物で釣るんですだ、そんで旨くて強いビールと一緒に出して、自分の味に
馴れてもらうんですだ、計画的にネチネチ攻めましょう!」
いったい何の相談をしていたんだか、犯罪じみてさえきた会話に、
「サム!勇気が湧いてきたよ、そうだねチャレンジだ!」
と、萌える若木のごとく蘇り、レゴラスは瞳を輝かせて頷いた。
もう料理がどうのこうのと誤魔化す事も無く、本音で語り合う男達を止めるものはない。
「それでこそ、猛しエルフの旦那!」
「ああ、高潔たるホビットの庭師よ!」
二人は感動にあらためて硬く手を取り合い、互いの思いの成就について祈った。
まだ影去らぬ中つ国の空の下、熱い友情が生まれた。 
   

次の日、小さな窪地で眠りを取る事になったが、染み入ってくる寒さにホビット達は
ぴったりと体を寄せあって横になっていた。
こんな時でも集まれば、軽口をたたけあうのがホビットの好いところだ。
「お気の毒にねぇ」
「だよねぇ、だって長窪印だよ」
「ギムリったら今日レゴラスと、一度も口を聞こうとしなかったよね」

74萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:25:25





(4/4)
フロド、メリー、ピピンと繰り替えされる会話を、サムは微妙に目線を外しながら
聞いていたが、
「………………………………で、でもエルフの旦那に悪気があったとは限らねえですだ
何か事情が………」
怖ず怖ずとレゴラスの為に一言言うと、メリー達は呆れて肩を竦めた。
本日の朝食時の騒ぎは大変だった。
レゴラスがどういうつもりで、ギムリのパイプ草を全て酒に浸してしまったのか、
しかもそのグチャグチャになった茶色の物体を、笑顔でドワーフの口に突っ込もうと
したのか、旅の仲間達には理解不能だったが、その後のギムリの酷い嘆きぶりには、
喫煙者達の深い同情を呼んだ。
慌てて彼等を取り成したのは、何時に間にかレゴラスと仲良くなったサムだったが、
エルフとドワーフの異種族間のしこりは、増々大きくなった様に思われる。
「ああ、サムや、お前は本当に優しいね、でもギムリが可哀想でねぇ、レゴラスは何が
したかったのだろう?」
不思議そうに首を傾げる主人に、サムは引きつった表情で答えた。
「その…………仲良くなろうとしているんじゃ……ないでしょうか?」
フロドは何か探り出すようにサムの瞳を覗きこむと、不意に納得いったのか大きく頷き、
サムの動揺して動く鼻の頭を、ピンと軽く弾いた。
「もう、優しいんだから」


ちなみにレゴラスがギムリと口を聞いてもらえたのは、それから三日後の事だった。
しかも
「こっち来んな!」
と、一言。

お粗末様でした
すいません、フロドがちょっぴりしか出ていなくて。

75萌えの下なる名無しさん:2005/12/02(金) 23:53:44
>>71-74さん、ありがとう。
自分しか食べたことないプディングを自慢して
皆を牽制する(違)possessiveな旦那が可愛いです。
しかし三日で口聞いてあげるなんてギムリ優しい。

76萌えの下なる名無しさん:2005/12/25(日) 08:28:05
サ、サムが可愛いですだ…v
旦那とのラブラブっぷりもいいですわ〜
71の女神様、萌をありがとうございますv

77萌えの下なる名無しさん:2005/12/27(火) 23:33:21
サムフロなんですが、かなり妄想というか捏造が入っているので
お許し下さい。
しるけ無しです。


(1/3)
「フロド様、フロド様、フロド様」

遥かに続くトル・エレスセアの白い海岸を、泣きじゃくりながら駆けてゆくホビットの
後ろを、テレリ族の水夫が困りきった顔で追って行く。 
航海の間、ひどく緊張し落ちつかない様子に、定命の身の脆さと儚さを心配していたが
陸に着いた途端、その小さな身体に確かな変化が訪れた。
エルフの手を借りてやっと地面に降り立った、老いて緩慢な動きだった両足が、まるで
小兎の様に跳ね出して、ただ一つの名前を泣き叫びながら走り出したのだ。
「フロド様、フロド様、来ましただ、貴方のサムが来ましただ、フロド様」
まるで親鳥を探して嘆く雛の様だ。
潮風に乗る鳥達の他、動く影のない砂丘に何度も足を捕られ、柔らかな砂を蹴り散らし
ながら進む姿に、無理にでも休ませた方が良いのではと思ったが、あれ程激しく一途な
感情に戸惑い、小さな身体を止める事は出来なかった。
かといって放っておくわけにもいかず、砂浜に残された足跡をおろおろと辿って付いて
ゆくしかなかった。
東から還って来た同胞ほど知識はないにせよ、水夫はこの土地でホビットと言う種族を
直接知る数少ないエルフだったが、イメージとは違う生物に戸惑っていた。
以前も小さい人を実際に紹介された時まで、歌われる輝かしい功から、猛々しい武人を
想像していた水夫は見事に裏切られた。

そっと首を傾げた白い横顔は、まるで綻び始めた待雪草の蕾のごとく清楚で愛らしく、
穏やかで何処か寂し気な微笑みに、胸が痛くなった憶えがある。
そして、この静かで深い海の色の瞳を持った……

「フロド様!」
暖かな砂浜の上を転がり落ちるように、こちらに駆け寄ってくる知己に、エルフは目を
見開いて驚いた。
新しくやって来たホビットと同じように、顔をくしゃくしゃにして泣きながらフロドは
腕を広げた。
この浄福の地で始めて見る、指輪所持者の涙だった。

78萌えの下なる名無しさん:2005/12/27(火) 23:35:05

 



(2/3)     
「サム!サム!」
二人して夢中でぶつかった勢いに、サムとフロドはどさりと砂丘に倒れ込み、そのまま
固くきつく抱き締めあった。
「フロド様、おら、おら、来ましただ」
「うん、うん、待っていたよサム」
しゃっくりをあげてばかりで、ほとんど声になっていなかったが、それでもお互いの
言いたい事は伝わっていた。
強く背中に回された腕の確かさに、更に涙が溢れてきた。
「サムやサムや、ああ、顔を、顔を見せておくれ」
幾分か白の混じった、しかしそれでも暖かな色合いの巻き毛を何度も撫で上げながら、
フロドは頼んだが、サムは主人の肩から顔を上げる事が出来なかった。
もう一瞬でも離れるのが恐ろしかった。
「お会いしたかった、フロド様」
稀代の名庭師として、七度庄長を勤め上げたホビット庄の有力者として、西方世界の
勇者サムワイズ・ギャムジーとして、長い年月欠ける事の無い一つのものとして
暮らしてきても、彼の求める場所はフロドの傍らにあった。
「お前がここに一緒にいてくれて嬉しいよ」
懐かしい言葉にやっと顔を上げて、主人とまじまじと見つめあうと、変わる事のない
ふくよかな頬を優しく摘まれた。
「そうですだ、旦那のお側にはおらがいますだ」
「うん、うん」
不意に押さえきれない笑いが、甘雨の嵐の後のサムとフロドを襲った。
「ああ、おら、海を渡ってきちゃいましただ!おら達の物語がまた始まるんですね?」
「そうさ!さあ、私と一緒においで!」
すっかり砂塗れになった自分達の格好に大笑いしながら、手を繋ぎ寄り添って丘を登る
二人の姿を、太陽の光が優しく包み込んできらきらと輝かせていた。
「本当に綺麗な所ですねぇ、さすがエルフの故郷ですだ」
「お前の作る庭には適わないけどね、さあ早くおいで!ビルボが待ちくたびれちゃうよ」
素早くサムの頬に口付けると、庭師の腕から逃れ走り出した。
「フ、フロド様!」

79萌えの下なる名無しさん:2005/12/27(火) 23:39:58





(3/3)
ホビットの再会を邪魔にならぬ様に、離れて佇み眺めていた水夫の目が、愛おしさと
切なさに細められた。
長く生きるうちに何時しか、情熱を胸の奥に仕舞いこんでしまっていた自分には、
熱く眩し過ぎる光景だった。
彼はそっと踵を返して、新しい住人の為に開く盛大な宴を、手伝う為仲間の元へ急いだ。
そしてその後は、久しぶりに妻の所にでも顔を出そうと思っていた。
エルフにとっても、この世界にはまだ十分に美しいもの驚くもの、そして愛すべき
ものが在るのだから。 





おまけ
「やれやれ、サム、お前やっぱりフライパン持ってきたんだ」
「ちゃんと特別な塩も有りますだよ」
「ふふ、ここでは食べ物の心配は一切いらないよ、何でもおいしくってねぇ
惜しむ事は、パイプ草が見当たらない事ぐらいだよ」
「もちろん長窪印を、持てるだけ持って来ましただよ!」
「ああ有難う嬉しいな、でもチビチビ吸わなきゃ、どれくらいもたせられるだろう」
「安心して下さい!ちゃんとパイプ草の追加は頼んでおいて来ましただ」
「追加だって?誰に?」
「レゴラスの旦那です!なんでも旦那が言うにゃあ『ギムリの為にね、船は一艘
余計に作ってパイプ草とビール樽専用にするつもり、もちろん君達の分も有るからね。
宝石と金とミスリルも、後何持っていけばいいかしら、ドワーフを海に引っ張り出す
のって大変』なんだそうです」
「…………相変わらずなんだね、あの二人」

お粗末様でした

80萌えの下なる名無しさん:2005/12/28(水) 00:37:41
女神様ありがとうございました〜!!
ああぅ〜親鳥を探す雛のようなサムの姿が目に浮かぶ〜!
じんわり泣けました。
おまけもカワイイです。

81萌えの下なる名無しさん:2005/12/28(水) 00:39:07
>>77-79さん、ああ、ありがとうございました!
最初の3行でもう、鬼の眼からも涙が…
クリスマスプレゼントとお年玉を1度に貰った子供みたいに
おらの胸は感動と嬉しさで一杯ですだ!

82萌えの下なる名無しさん:2006/09/23(土) 01:02:00
一日遅れのうえ手ぶらですけど

フロドの旦那も
ビルボの旦那も
おめでとうございますですだ!


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