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ネタバレ@サム/フロド 2

72萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:23:10





(2/4)
「やっぱりね、男は家庭的でないと」
「………はあ」
「私ね、えと、熊の丸焼きとか超得意」
「………はあ」
「でも、親密さを深めるのにワイルドさはむしろ邪魔って分ったんだ、サム、貴方の料理
みたいな何かこう………あーんしてって感じのが欲しいの」           
「………はあ」
「サムお願い、私を助けて、お料理教えて」
頼りなく(見えるだけ)跪いて訴えるレゴラスを、サムはオロオロとなだめてながら、
妙に申し訳ないような気がして頭を掻いた。 
「あの、おら、旨いモンてより、おら……フロド様のお口に合うモンだけ作ってますだ、
だから、えーと」
実際、ホビットの好みを最優先にして、大きい人たちやエルフやドワーフの好き嫌いなど
考えてもいなかった。
もちろん、自分の味付けに自信を持ってはいたが、レゴラスの求めているものは多分、
そう言う事ではないのだと、サムは朧げながら気付いた。
レゴラスが喜ばせたいのは、ある特定の人物なのだと。
「おらが他人様に教えられる事なんて無いですだ」
「ああ、そんなサム!フロドをあんな素敵に笑わせる事ができる貴方なんだもの!
その癒しの技が私には必要なの、貴方みたいな頼れる男のなりたいの」
エルフに憧れを持たれるという事態に、顔を覆いたい程恐縮しサムは夢中で首を振った。
「いえ、本当におら大した腕じゃないんで……ただガキんころからフロド様の喜んで
下さる通りに塩だの砂糖だの鍋にぶち込んできただけなんですだ、おらの腕を育てて
下さったのはフロド様の舌なんですわ」
「……………………………ずるいや、そんなの」
とうとう膝を抱えてしまったレゴラスの横に、サムはどっこいしょと陽気に声をかけて
座り込んだ。
「レゴラスの旦那のお役に立ちたいですだ、でもおら本当に旨い料理の作り方なんて
知らないのですわ、知っているのはおらのフロド様が旨いと言って下さるモンだけ」
サムは賢者のごとく語り、赤子のごとく笑った。


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