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ネタバレ@サム/フロド 2

1萌えの下なる名無しさん:2004/06/01(火) 23:45
旦那のサム&サムの大事な旦那を語り合うスレです。
原作も映画もサムフロもフロサムも有りで
SSも萌え話もこちらでどうぞ。

■『萌える子馬亭』の約束(必読)■SS投稿時には必ずお読み下さい。
http://0024.hiho.jp/pony/fellowship_rule.html

■前スレはこちら(過去ログ倉庫)■
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63萌えの下なる名無しさん:2005/10/27(木) 23:19:47
複数キャラSSでレゴギムも入っているんですが、基本はサムフロなので
こちらに書かせてもらいます。
ネタバレ、しるけ無しです。 


(1/3)
「ん?歌を知りたいの?」
頷く勢いでブンブン音をたてる陽に焼けた髪を、レゴラスは小首を傾げて見つめた。
どうもエルフの自分に対して、まだ遠慮というか緊張して接してくるサムが、
エルフの歌を教えてくれと頭を下げてきたことに、戸惑いつつもちょっとお近づきに
なれたかしらと嬉しく思った。
「は、はい!エルフの歌で何かその…悲しいんじゃなくて、景気のええ、明るいやつを…
あ、あの、フロド様が知らないようなやつを」
顔を赤らめつつ俯いてしまったサムを、しみじみと見てしまったレゴラスは、
「うんうん、フロドにね」
と、強い親近感に彼の肩を叩いた。
届かぬ思いについて野郎同士、一杯飲みながら語り合いたいと思ったが、どうも自分的に 
普通に振る舞っているだけなのに、サムの持つ『高尚なエルフのイメージ』とやらを
崩すなと、魔法使いや野伏が訴えるので、サムの前ではまあそれなりに上品に振る舞う
事にしていたので諦めた。
「おらビルボの旦那に、エルフの歌を色々教わりましただ、でもフロド様はもっと沢山
綺麗なのを知ってますだ。だからおら、目新しい歌で驚いてもらいたいですだ」
旅が進むにつれて笑顔の淡くなってゆく主人を元気づけようとする、健気な庭師に
すっかりレゴラスは感じ入り、にっこりとサムに笑いかけた。 
「もちろん喜んで教えて差し上げるよ!アラゴルンに聞いたところ貴方は大した歌い手
らしいじゃないか」
「そんな…おらなんかフロド様に比べりゃ…」
「えーとやっぱり、恋歌とかが良いかな?ああ、プロポーズに最高の歌があるんだ!」
「いえっいえっあの、そんな」
(聞いてない)「いや、フロドみたいなタイプには寧ろ強引に攻めた方が…」
「いえっいえっあの、そんな、レゴラス?」
(聞いてない)「いや、いっその事、動きを封じる呪文を…」
「普通の歌で良いんですだっ!普通のっ!応援歌みたいなっ!」
「えっそんなんで良いの?」
口を尖らせて残念がるエルフに対し、サムは微妙な親近感と強い不安を感じた。 
「じゃあ…私の作った新作をお教えしましょう、甘酸っぱい友情の歌なんだ」
「ふ…普通のですだね?」

64萌えの下なる名無しさん:2005/10/27(木) 23:21:13




(2/3)
午前中姿が見えないと思ったら、いきなり鯱張ってフロドの前に現れて背を伸し
歌い出したサムに、旅の仲間達の反応は大きく分けて三種類だった。
エルフ語を解さない四人はその響きの美しさに目を細め、魔法使いと野伏は思いきり
パイプの煙に咽せた後、エルフに向かって歯を剥き出し、そのエルフと残りの
ホビットは静かに耳を澄ませて聞いていた。
「上手いじゃないか!サム、エルフの歌だね!どういう意味なんだい?」
汗を流しつつ歌いきったサムにメリーが大興奮で飛びつくと、すっかり師匠気取りの
レゴラスが得意そうに講釈を垂れた。
「これはね、ちょっと切ない…うん…秘めた思いっていうのかなぁ…友情……
うん…友情なんだよね…大切な友について語っているのさ」 
「ああ、僕にも教えて下さいな、とても綺麗な歌なんだもの!ホビット庄に是非伝え
なくっちゃ、緑竜館で歌うんだ!」
少々喉に自信のあるピピンがはしゃいで叫ぶと、レゴラスは笑って首を振った。 
「いやいやいやこーゆー歌はね、あまり広めると御利益が薄れるのさ!確実に獲物を
射る為にはね!」
「「…………………獲物?」」
妙に冷静な目になったホビットとキラリと輝く瞳のエルフの視線の先に、素直にサムの
歌に感心したギムリがボロミアと仲良く拍手を繰り返していた。

「……お気に入りましただか?」
どうも声を押さえている様に唇を噛み締めている、複雑な笑顔の主人にサムは
不安な面持ちで訪ねると、とうとう耐えきれず弾けた様にフロドは笑い出し、
「サムや、サムや、ああ、サム、お前はなんて素敵なんだろう」
と、優しく腕を広げてサムを招いた。
「ち…ちっと疲れましただよ、レゴレスはえらく熱心に教えてくれまして、歌詞の
意味は分からんのですけどね、とにかく気合いを込めろって仰るもんで……あの… 
ほんとにお気にいってくれましただか?」
上目遣いに聞いてくるサムをフロドはそっと引き寄せると、昔幼かったサムによく
繰り返した様にその豊かな頬を柔らかく摘んだ。
久しぶりのその感触の心地よさに、サムは足下をグラグラふらつかせた。

65萌えの下なる名無しさん:2005/10/27(木) 23:22:42





(3/3)
「当然だよ、お前はとても上手く歌ったね、うん、とても、その、…気持ちのこもって
いる良い歌だ」
フロドは倒れてしまいそうな庭師を抱き締め、彼の肩ごしに魔法使いと野伏に
向かいツッコミ無用と片目を瞑り、レゴレスには軽く眉を顰めて流し目を投げたが、
エルフはそれに対してぺロリと舌を出して返した。 
再び声を上げて笑い出した楽し気な主人に、サムは自分の努力は正しく報われたのだと
嬉しく思い、おずおずとフロドの背を抱き返した。
「ああ、サム、例えばお前がどんな歌を歌ってもだね、私はお前の口から流れている
言葉なら何でも美しいと思えるよ」
クスクスと耳元で呟かれた事に、多少の疑問を感じはしたが。
 
ガンダルフは生暖かい目で旅の仲間を眺めながら、何よりフロドが幸せそうだしーと
彼らしくあっさり前向きに考えた。  
旅を無事に率いてゆく為というより、もともと細かい事は気にしない魔法使いは
傍らの野伏に重々しく呟いた。
「まあ、仲良き事は良き事かなじゃ」
「…ええ…まあ」
おいおいおい、その一言でまとめちゃうのかよ、
真っ昼間に歌うモンじゃねーよ、エロだよ、エロ、
サム、お前さん放送禁止用語を大声で……
フロド、そこんとこツッコマナイあんたは優しいよ、
でもほら、これ以上あの馬鹿エルフを調子に乗せるとさぁ…
ってゆーか明らかに、これギムリ用の作ってたろ?
やばい、ギムリ狙われてるよ、
逃げて、逃げて、超逃げて、
様々な言葉がアラゴルンの頭を一気に駆け抜けたが、目の前の誰もが小さな幸せに
満ちている光景に、溜息も小さくなってしまった。
それでも、一応後であのエルフに一言言わないと!と顔を顰めたが、それはどう見ても
笑顔にしか見えなかった。 
                                    
お粗末様でした


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