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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
1
:
◆POYO/UwNZg
:2019/09/24(火) 22:17:16
――「ブレイブ&モンスターズ!」とは?
遡ること二年前、某大手ゲーム会社からリリースされたスマートフォン向けソーシャルゲーム。
リリース直後から国内外で絶大な支持を集め、その人気は社会現象にまで発展した。
ゲーム内容は、位置情報によって現れる様々なモンスターを捕まえ、育成し、広大な世界を冒険する本格RPGの体を成しながら、
対人戦の要素も取り入れており、その駆け引きの奥深さなどは、まるで戦略ゲームのようだとも言われている。
プレイヤーは「スペルカード」や「ユニットカード」から構成される、20枚のデッキを互いに用意。
それらを自在に駆使して、パートナーモンスターをサポートしながら、熱いアクティブタイムバトルを制するのだ!
世界中に存在する、数多のライバル達と出会い、闘い、進化する――
それこそが、ブレイブ&モンスターズ! 通称「ブレモン」なのである!!
そして、あの日――それは虚構(ゲーム)から、真実(リアル)へと姿を変えた。
========================
ジャンル:スマホゲーム×異世界ファンタジー
コンセプト:スマホゲームの世界に転移して大冒険!
期間(目安):特になし
GM:なし
決定リール:マナーを守った上で可
○日ルール:一週間
版権・越境:なし
敵役参加:あり
避難所の有無:なし
========================
2
:
◆POYO/UwNZg
:2019/09/24(火) 22:17:49
【キャラクターテンプレ】
名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
性格:
特技:
容姿の特徴・風貌:
簡単なキャラ解説:
【パートナーモンスター】
ニックネーム:
モンスター名:
特技・能力:
容姿の特徴・風貌:
簡単なキャラ解説:
【使用デッキ】
合計20枚のカードによって構成される。
「スペルカード」は、使用すると魔法効果を発動。
「ユニットカード」は、使用すると武器や障害物などのオブジェクトを召喚する。
カードは一度使用すると秘められた魔力を失い、再び使うためには丸一日の魔力充填期間を必要とする。
同名カードは、デッキに3枚まで入れることができる。
3
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/09/24(火) 22:18:54
『皆さま、大変お待たせ致しましタ。
当魔法機関車は、間もなくアコライト外郭に到着致しまス。お手回りのお荷物など、お忘れにならないようお願い致しまス』
魔法機関車の客車の中で、車掌のボノがいつも通りに到着のアナウンスをする。
あまりに様々なことがありすぎた、キングヒルでの濃密な一日。
それから一夜が明けると、まだ早朝のうちから『異邦の魔物使い(ブレイブ)』たちは魔法機関車に乗り込み、王都を発った。
行先はアコライト外郭。現在、アルメリア王国とニヴルヘイムの戦いの最前線となっている場所だ。
ここで長い間兵の指揮を執り、たったひとりでニヴルヘイムの大軍と戦っている『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を援護する。
それが、今回バロールから言い渡されたミッションである。
《はいは〜い。うちやで〜。
これからナビとしてみんなのバックアップをさせてもらうさかい、改めてよろしゅうなぁ。
UI周りはおいおいアップデートしてくつもりやけど、最初のうちは慣らしちゅうことで不具合御免やね〜》
客車の壁面の一部がパッと切り替わり、窓くらいの大きさの画面にみのりのバストアップが大写しになる。
このアコライト外郭防衛クエストからは、みのりがキングヒルから『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の支援をするのだ。
なお、バロールは別の仕事があって同席できないという。早くもみのりに丸投げしている格好だ。
しかし、同じ『異邦の魔物使い(ブレイブ)』であるみのりがナビゲートした方が心強いし、安心できるだろう。
《ほな、到着前にもういっぺん説明すんで〜。
アコライト外郭は、現在アルフヘイムとニヴルヘイムの激突しとる最前線やね。
みんなも知っての通り、ゲームだと『聖灰』のマルグリットはんと最初に出会うイベントで有名な場所や。
ま……終盤でバロールはんと三魔将のひとり・幻魔将軍ガザーヴァが綺麗さっぱり消し去ってまうんやけどなぁ》
バロールがその場にいたら『ぐはぁ!?』と仰け反って苦しんだに違いない皮肉をさらりと交えながら、みのりが説明する。
アコライト外郭はキングヒル防衛の要。ここを突破されると、王都は丸裸になってしまう。まさに最重要防御拠点だ。
ゲームのストーリーモードでは、漆黒の鎧を纏い闇の天馬ダークユニサスに跨った幻魔将軍ガザーヴァがボスを務める。
ブレモンでも屈指のトリックスター、軽妙な喋りとボケ・セルフツッコミで敵も味方も煙に巻く幻魔将軍との決着の場でもある。
《もう連絡途絶えてえらい経つけど、最後に生存確認したときの外郭側の戦力は300、二ヴルヘイム側の兵力は目算で約6000。
こっちの兵士は体力的に限界で、兵糧も尽き掛けてる。持ってあと一週間ってとこやって》
しかし、それももうだいぶ前の話だ。
キングヒルも今回以前に幾度か兵士や兵糧、物資の支援を行っているが、これ以上兵力を外郭に回すと王都の防備が手薄になる。
王都防衛の観点からこれ以上の支援はできず、今はただ手をこまねいているしかなかった。
今回やっと『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を派遣し戦力を補充することができるが、外郭が現状どうなっているかはわからない。
陥落していないことから全滅は免れているだろうが、危機的状況には変わりないだろう――というのが王都の見解だった。
ならば、一刻も早く参戦して援護しなければならない。
「アコライト外郭……か……」
客車の長椅子に腰掛けながら、なゆたは呟いた。
これからなゆたたちを待ち受ける戦いは、言うまでもなく過酷なものだろう。きっと、無傷ではいられない。
だが――そんな戦いへの不安と同じくらい、なゆたの心を占めるもの。
それは、アコライト城郭を守る『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の存在だった。
キングヒルを守る堅固な外壁として建築された、長大な城塞――アコライト外郭。
難攻不落の要害ではあるが、城壁だけでは敵を食い止めることはできない。兵士はもとより、何より指揮官が有能でなくては。
自軍の20倍もの圧倒的戦力差。それを長い間埋めるとは、外郭にいる『異邦の魔物使い(ブレイブ)』は只者ではない。
その強力な『異邦の魔物使い(ブレイブ)』と、早く会ってみたい――
そんな気持ちが、なゆたを逸らせる。
《バロールはんが城郭に救援の一報を入れといたさかい、魔法機関車は攻撃されんはずや。
到着したら、まず『異邦の魔物使い(ブレイブ)』とコンタクトを取ってや〜?
そうそう、みんなのスマホのインベントリに入れた支援物資は、到着したら兵士に分けたってえな〜。
美味しい食べ物とぬくい毛布さえあれば、疲れもだいぶ回復するもんやからねぇ》
疲弊しきった心と身体を癒すのは、温かな食べ物と清潔な寝具。これにつきる。
それは、自衛隊活動の一環として地球で被災地へ救援に行ったこともあるジョンが誰よりもよく分かっているだろう。
《無事『異邦の魔物使い(ブレイブ)』と面通しできたら、うちに連絡してなぁ。
みんなのスマホにうちとの連絡手段は入っとるやろ? こっちはいつでも回線を開いて待ってるさかい、よろしゅうに〜。
ほなら……みんな、あんじょうおきばりやす〜》
にこやかに笑うと、みのりは一旦通信を切った。
みのりの言ったとおり、パーティー全員のスマホにはみのりと連絡を取り合うアプリが入っている。
これで、いつでもキングヒルとは通信ができる状態だ。
「よし……! みんな、いくよ!」
前方に、長々とその身を横たえる城塞が見えてくる。その巨大な壁一枚の向こう側は、血で血を洗う激戦地だ。
椅子から立ち上がると、なゆたは右拳を握りしめて仲間たちをぐるりと見回した。
「必ずこの戦いに勝ち残るんだ! レッツ・ブレーイブッ!!」
大きく右腕を天に突き出し、気合を入れる。
やがて魔法機関車が外郭の脇に停車すると、『異邦の魔物使い(ブレイブ)』たちはアコライト外郭の内部へと乗り込んだ。
4
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/09/24(火) 22:19:16
古今東西、籠城戦というものは酸鼻を極めたものになりがちである。
孤立無援で増援も物資の供給も断たれ、それでも持ち場を死守して戦わなければならない。
食糧は枯渇し、雑草をむしって食べる者、軍馬を殺して食べる者もいる。――いや、それならばまだマシな方だ。
中には進退窮まり、死んだ仲間の亡骸を貪ったり土を食べる者まで出始める。
激戦で埋葬する手が足りず、戦死者の亡骸がその場に放置されるということも珍しくない。
そんなとき、何が起こるかと言えば――死体の腐敗による疫病の発生だ。
不潔な環境は爆発的に伝播してゆき、生きている者たちは敵の他に死んだ仲間にも苦しめられる羽目になる。
日々精神的に追い詰められ、極限状態で死に瀕してゆくことを自覚することの恐怖もまた、筆舌に尽くしがたい。
中には、恐怖のあまり精神に異常をきたす者もいるくらいだ。
まさにこの世の地獄。そして、そんな籠城戦の最後はたいてい餓死か、敵も道連れの玉砕と決まっている。
アコライト外郭からの定期連絡はすでに途絶えて久しく、誰も内部の様子を知る者はない。
だが、その状況が決して楽観視できないものということだけは、容易に想像がつく。
歴史が示す通り、きっとこの城郭の中も埋葬されない屍があちこちに横たわり、汚泥の散らばる惨憺たる有様なのだろう――
と、思ったが。
「……はれ?」
仲間たちと一緒にアコライト外郭内に入ったなゆたは、思わず目を丸くした。
そう。
てっきり、城郭の中は酷い有様になっていると思っていた。亡骸のひとつやふたつ、いや十や二十はあると覚悟していた。
城郭に入ったらすぐさまインベントリの限界まで持ってきた物資を放出し、ひとりでも多くの人を救わなければ……と。
そう思っていたのだが。
「なんか、キレイ……」
なゆたは小さく呟いた。
片付いている。
むろん、戦場である。相応に破壊の跡や補修の形跡はあるものの、予想よりも遥かに状態がいい。
まるで、地球の有名な戦跡のような。観光地のような片付きっぷりである。
いや。このアコライト城郭の異様さは、そんなところにあるのではない。
『デコられている』。
無骨な城壁のあちこちに、大小さまざまな羊皮紙に描かれた似顔絵がずらりと貼られている。
一瞬、賞金首を捜索するための人相書きかと思ったが、違う。
ポップな書体で『MAHORO YUMEMI Absolutely Live in ACOLITE!!』と書いてある、その羊皮紙は――
「……ポスターだ」
そう。
これは賞金首の人相書きなどではない、紛れもないイベント告知のポスター。
そして、そのポスターにでかでかと描かれた、『キラッ☆彡』とばかりに茶目っ気たっぷりにポーズを決める人物は――。
「おぉ〜っ! お待ちしておりました!」
呆気に取られてポスターを見ていると、不意に背後で声がした。
振り返ってみると、ひとりの男が立っている。
見知らぬ顔だ。『異邦の魔物使い(ブレイブ)』パーティーでない。とすればこのアコライト外郭の兵士なのだろう。
……たぶん。
「え……えーと……」
男のいでたちを見て、なゆたは口元を引き攣らせた。
簡素な兜とチェインメイルを着込んでいる辺り、兵士であろうとは思う……が、それ以外の付属品が常軌を逸している。
額には『マホロ命』と書かれたハチマキを巻き、リングアーマーの上に蛍光ピンクの法被を羽織っている。
手に持っているのは剣や盾ではなく、ただの棒である。――いや、ただの……ではない。光っている。
そう。
どこからどう見ても、男はオタクだった。
5
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/09/24(火) 22:19:43
「いやいや! いやいやいや! 貴公らが王都からの増援でござるかァ〜! お待ち申し上げておりましたぞォ〜デュフフフ!」
男は満面の笑みを湛え、やけに馴れ馴れしく『異邦の魔物使い(ブレイブ)』に近付いてきた。
「よォ〜こそ! よォ〜こそ! アコライト外郭へ!
いや、貴公らは実に! 実に運がいい! 今、ちょうど午後のライヴの真っ最中でござる!
ささ、こちらへ! 貴公らも我らの女神! いやさ戦乙女のライヴあーんど生配信を観て、萌え萌えキュンキュンするでござる!
デュフッ! デュフフフフ……!」
「え、えっ? ちょっ、ライヴって……!
あたしたちは戦いに来たのであって、そんなのを観に来たわけじゃ……!
ここの責任者の『異邦の魔物使い(ブレイブ)』はどこですかーっ!?」
「デュフッ! 戦い? そんなのあとあと! まずはライヴに参加しなくてどうするんでござるか!
皆の者! お客人を会場まで運んで差し上げるでござる!」
「「「「「「「「御意!!!!」」」」」」」
どこから湧いて出たのか、いつのまにか何人もの兵士たちに囲まれている。
その兵士たちも最初の兵士同様ハチマキを巻き、法被を着込んでいる。城郭防衛隊の制服かとも思ったが、明らかに違う。
法被の背中には『MAHORO LOVE』と大書されている。意味が分からない。
なゆた、明神、エンバース、カザハ、ジョンの5人は瞬く間に城郭の内部へと運ばれていった。
「……ここは……」
到着したのは、城塞の中庭に続く扉の前だった。このアコライト外郭の中でも、もっとも堅固な場所である。
扉の中から、歌声が聞こえてくる。
それは、どこかで聴いたことのある歌声だった。
「ささ、存分にお楽しみくだされー! 我らの戦乙女、マホロたんのアブソリュートリィ☆ライヴを!」
兵士が観音開きの大きな扉を開く。
その途端、なゆたたち『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の視界に飛び込んできたのは――
中庭に設けられたステージの上で、煌めくライトに照らされながら歌うひとりの少女の姿だった。
「み――――ん――――な――――! 盛り上がってるっ! かぁ―――――――――いっ!!!」
眩しいほどの光の海。耳をつんざくような、アップテンポのメロディ。
地震かと思うほどに地面が激しく揺れているのは、ステージに集まったファンたちの鳴らす足踏みのせいだ。
中庭を埋め尽くす聴衆の前で、なゆたと同じくらいの年齢と思しき少女が踊り歌っている。
ほとんど足元まである長い金色の髪をツインテールに纏め、ヘッドセットと戦乙女の鎧一式を装備した、凛とした姿。
垂れ目がちな碧眼とキラキラした笑顔は、まさしく掛け値なしの美少女と言っていい。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお―――――――――!!!」
「マ! ホ! ロ! マ! ホ! ロ! マ! ホ! ロ! マ! ホ! ロぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「はい! はい! はい! はい! はい! はい! はい! はい! はい! はい!」
「マホた――――――ん!!! 結婚してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ファンたちが怒涛のような歓声をあげる。中にはキレッキレのオタ芸を披露している者までいる。
そう――これは、間違いなくライヴだった。そして――
なゆたは、ステージに立つ少女のことを知っていた。
「……ユメミ……マホロ……」
呆然とした様子で呟く。
ユメミマホロ。
ブレモン配信の第一人者と言われ、地球では圧倒的人気を博しているVtuberであった。
6
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/09/24(火) 22:19:57
動画視聴者に『ブレイブ&モンスターズ!』の配信者で一番有名なのは誰か? という質問をした場合――
10人中10人がユメミマホロと答えるだろう。
ユメミマホロはブレモンのモンスター『笑顔で鼓舞する戦乙女(グッドスマイル・ヴァルキュリア)』をアバターとするVtuberである。
ブレモンの膨大なデータを独自に研究し、日々新しいコンボや戦術を提案してはそれを配信している。
外見が可愛いのは当然だが、その喋りも楽しい上に分かりやすく、決してマニアックな技術の披露だけに留まらない。
ブレモンのみならずアニメ、時事ネタ、レゲーから最新ハードの話題まで広範な知識を有し、その視聴者数は他の追随を許さない。
もちろん、ただ喋るだけではない。デュエルにおいても相当の強豪である。
ユメミマホロのアバター『笑顔で鼓舞する戦乙女(グッドスマイル・ヴァルキュリア)』は高レアでステータスも高い。
光属性のデッキはアンデッド、魔族、吸血鬼等にめっぽう強く、イベントでも引っ張りだこだ。
最近は声の良さを買われ、バーチャルライヴまで開催するほどの売れっ子ぶりである。
なゆたとはまったく別のアプローチでの、ブレモン界隈の寵児と言えよう。
そのバーチャルアイドル・ユメミマホロが、この場にいる。
「まさか……ユメミマホロがアコライト外郭を守る『異邦の魔物使い(ブレイブ)』だっていうの……?」
地球にいたときは、なゆたもユメミマホロの配信をよく視聴していた。
きっと明神も、エンバースもよく知っているだろう。
番組の中でぽよぽよ☆カーニバルコンボを取り上げられたこともある。『スゴいけど強いづらい』と評価はいまいちだったが。
しかし、アコライト外郭の『異邦の魔物使い(ブレイブ)』がユメミマホロだというのなら納得である。
彼女ほどの腕があれば、生半な相手に押し負けることはないだろう。
「じゃあ、次の曲! いっくよ―――――――――――――っ!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
ステージは大盛り上がりだ。ここだけ見ていると、地球にいた頃のユメミマホロのライヴ配信と何も変わらない。
プログラムは流れるように次の曲へと移行した。地球で聴いたことのある、彼女の代表曲とも言うべき歌だった。
「……なんか……全然予想と違うね……」
傍らにいる明神に、ぎこちなく笑いながら言う。
てっきり、外郭の中は死と腐敗と絶望の渦巻く極限の世界だと思っていたのだが。
実際に見る外郭は死や絶望とはまったく無縁だった。どころか、漲るパワーに満ち溢れている。
それはきっと、ユメミマホロのお陰なのだろう。
Vtuberのトップアイドルとしてのカリスマが圧倒的不利にある兵士たちを結束させ、ひとつに纏めているのだ。
……纏めすぎてちょっと目も当てられないことになっているが、それはとりあえず不問としておく。
《はぇ〜、ほんなことになっとったんやねぇ。わからんもんやわぁ〜。
ま、とにかく城塞の中の人たちの士気がまだまだ高いんなら安心やねぇ。
うちは配信とか観たことあらへんから、そのマホロちゃんはよう知らへんのやけど……。
詳しく事情を聞いて、敵さんを撃退する方法を考えなあかんねぇ》
「はい。……とりあえず、ライヴが終わってから彼女にコンタクトを取ろうと思います。
彼女ひとりなら、食い止めるのが精一杯でも……『異邦の魔物使い(ブレイブ)』がこれだけいれば、きっと勝てるはず!」
《ほうやねぇ。まずまず、最悪の状況は回避できたことやし。
次は敵さんの指揮官とか、軍の編成とか。なゆちゃん、その辺詳しく訊いといてぇな?
情報が多ければ多いほど、うちもこっちで対策立てやすくなるしなぁ》
「了解です!」
スマホでみのりと交信してから、またステージの方を見遣る。
結局、なゆたたち『異邦の魔物使い(ブレイブ)』はその後40分、たっぷりユメミマホロのライヴを観た。
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