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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

6崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2019/09/24(火) 22:19:57
動画視聴者に『ブレイブ&モンスターズ!』の配信者で一番有名なのは誰か? という質問をした場合――
10人中10人がユメミマホロと答えるだろう。
ユメミマホロはブレモンのモンスター『笑顔で鼓舞する戦乙女(グッドスマイル・ヴァルキュリア)』をアバターとするVtuberである。
ブレモンの膨大なデータを独自に研究し、日々新しいコンボや戦術を提案してはそれを配信している。
外見が可愛いのは当然だが、その喋りも楽しい上に分かりやすく、決してマニアックな技術の披露だけに留まらない。
ブレモンのみならずアニメ、時事ネタ、レゲーから最新ハードの話題まで広範な知識を有し、その視聴者数は他の追随を許さない。
もちろん、ただ喋るだけではない。デュエルにおいても相当の強豪である。
ユメミマホロのアバター『笑顔で鼓舞する戦乙女(グッドスマイル・ヴァルキュリア)』は高レアでステータスも高い。
光属性のデッキはアンデッド、魔族、吸血鬼等にめっぽう強く、イベントでも引っ張りだこだ。
最近は声の良さを買われ、バーチャルライヴまで開催するほどの売れっ子ぶりである。
なゆたとはまったく別のアプローチでの、ブレモン界隈の寵児と言えよう。
そのバーチャルアイドル・ユメミマホロが、この場にいる。

「まさか……ユメミマホロがアコライト外郭を守る『異邦の魔物使い(ブレイブ)』だっていうの……?」

地球にいたときは、なゆたもユメミマホロの配信をよく視聴していた。
きっと明神も、エンバースもよく知っているだろう。
番組の中でぽよぽよ☆カーニバルコンボを取り上げられたこともある。『スゴいけど強いづらい』と評価はいまいちだったが。
しかし、アコライト外郭の『異邦の魔物使い(ブレイブ)』がユメミマホロだというのなら納得である。
彼女ほどの腕があれば、生半な相手に押し負けることはないだろう。

「じゃあ、次の曲! いっくよ―――――――――――――っ!!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

ステージは大盛り上がりだ。ここだけ見ていると、地球にいた頃のユメミマホロのライヴ配信と何も変わらない。
プログラムは流れるように次の曲へと移行した。地球で聴いたことのある、彼女の代表曲とも言うべき歌だった。

「……なんか……全然予想と違うね……」

傍らにいる明神に、ぎこちなく笑いながら言う。
てっきり、外郭の中は死と腐敗と絶望の渦巻く極限の世界だと思っていたのだが。
実際に見る外郭は死や絶望とはまったく無縁だった。どころか、漲るパワーに満ち溢れている。
それはきっと、ユメミマホロのお陰なのだろう。
Vtuberのトップアイドルとしてのカリスマが圧倒的不利にある兵士たちを結束させ、ひとつに纏めているのだ。
……纏めすぎてちょっと目も当てられないことになっているが、それはとりあえず不問としておく。

《はぇ〜、ほんなことになっとったんやねぇ。わからんもんやわぁ〜。
 ま、とにかく城塞の中の人たちの士気がまだまだ高いんなら安心やねぇ。
 うちは配信とか観たことあらへんから、そのマホロちゃんはよう知らへんのやけど……。
 詳しく事情を聞いて、敵さんを撃退する方法を考えなあかんねぇ》

「はい。……とりあえず、ライヴが終わってから彼女にコンタクトを取ろうと思います。
 彼女ひとりなら、食い止めるのが精一杯でも……『異邦の魔物使い(ブレイブ)』がこれだけいれば、きっと勝てるはず!」

《ほうやねぇ。まずまず、最悪の状況は回避できたことやし。
 次は敵さんの指揮官とか、軍の編成とか。なゆちゃん、その辺詳しく訊いといてぇな?
 情報が多ければ多いほど、うちもこっちで対策立てやすくなるしなぁ》

「了解です!」

スマホでみのりと交信してから、またステージの方を見遣る。
結局、なゆたたち『異邦の魔物使い(ブレイブ)』はその後40分、たっぷりユメミマホロのライヴを観た。


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