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投句板 〜自由律俳句〜

1湯原/海紅社★:2012/10/06(土) 21:37:56
自由律俳句・随句・自由律句・自由律
定型俳句もOKです

323田中恭平:2014/10/09(木) 05:09:13
・仏は喉仏として喉に棲む

・のらりくらり夜を越えて窓が寒風に縮むのを見ていた

・暖房に心落ち着き抗不安剤に眠くなる、秋薔薇

・ひみつひとつを墓にいれるとして一体いくつ墓が必要?

・存在に意味はないのだ、サルトルサルトル夜更けに悟る

324田中恭平:2014/10/09(木) 10:56:13
2014年10月9日(木)。

・涼しい風の日陽は霧雲に隠れ

・石に意志あり私にも少しあり

・彼岸花も見なくなって鶏頭も寒風に縮こまる

・学び舎はこの体、ひたすら読み、書く

・火忌つり笑いの私はじゃぶじゃぶ洗顔をする

・覚めないであって欲しかった浄土にいた夢

・秋の花集まられ鮮やか鮮やかアフリカほど

・月もないか

・障子に目あり、指を差し込んでみる

・雨雲の流れ来てここに居ようか帰ろうか

325田中恭平:2014/10/10(金) 11:21:15
2014年10月10日(金)。

・今朝は陽に向かって歩く

・久しぶりによく歩いた脚嬉しがっている

・穂のなか音に溶ける

・永すぎる道ゆっくり行こう

・陽の下を選んで歩む

・白髪のお爺さんが何か言いたげだが黙している

・セブンのnanacoポイント全然溜まらない日々を
生きる

・灰皿煙っている、私は通り過ぎてゆく

・聖俗混濁してもう駄目なんだ、枯れた向日葵

・鶏頭蹴って歩いた

・完全に憧れて濡れた髪乾かす

・自動販売機となり眠りつつ働きたいのです

・柔らかいと思って蹴ったら固いスポンジ

・生死の中の鐘鳴り響く

・路上、光るマスクが舞っている

・悪夢に叛くようにここに着てこがらし

・寒風は北より着て南へ向かう

・陽が明けても不自由に違いなし─尊重を求める

・じっくり脚をほぐして一日に備える

・のぞまれて白百合のビニールハウスに眠りたい

・ブルース止まず指から指から溢れ出す

・ブルースの園に眠り草を食らって暮らすだけ

・明けない夜はないが病深まる
・歩き疲れて帰り道の脚が重たい

・寂しさ増して風邪こじらせて日が暮れて

・不機嫌な父を見ないように家へ帰らない

・ニヤニヤ笑っているオッサンを見つつ雑草気にしているように努める

・減りつづく体重の体で月食を見ていた

・女の部屋にテレビが二台在る

326田中恭平:2014/10/11(土) 11:29:16
2014年10月11日(土)。

・自らを自らで救い秋薔薇の咲く

・空を歩む私の話を君は聞こうとしない

・満月に願い眠って心の芥が流れてゆく

・土曜日の昼ごろ草の花に包まれて

・八木重吉借りる手の小指が震えてしまう

・朝になれば昨日の労忘れしゃかりき歩む

・果てのない未来を惜しみ筆をとる

・暮れなずみ子供の声が大きくなってゆく

・秋風さわやか同性愛の少年ほど

・咳をする老人多し誰かはひとり

327田中恭平:2014/10/12(日) 17:46:06
・悟ることなく今夜も眠れよ枯葉のように

328田中恭平:2014/10/13(月) 10:17:25
2014年10月13日(月)。

自由律俳句、今朝の十句

・昨日は歩いて今日は野分に歩けず何故か安心している

・今朝の洗顔のお湯に私がいっぱいになる

・食パン齧って今朝は挨拶がある朝

・昨晩は狂っちまって脳は一晩で回復する

・成長しないこころその微妙な変化を日記は映すのであって

・眠剤飲んだら体安らぐ眠剤依存症かも知れず

・必死に悪人の私の顔を洗う

・ニコチンガム噛みつつ今の所病以外に迷いなし

・野分来て本を返しに行けない子

・破芭蕉の下黒猫寝ている、私は文芸のことに不機嫌

329田中恭平:2014/10/14(火) 21:28:47
切れ痔して椅子に座れずまともに句も書けない、紅葉

330田中恭平:2014/10/15(水) 11:20:10
2014年10月15日(水)。

・書き出しの一句を捜し図書館の本棚に倚る
・朝起きてまずさぐる尻は病んでいる
・頭の次に尻を病み仰ぐ曇天
・バファリン二錠含み低気圧と頭痛が去るのをじっと待つ
・雨で歩けない日は寂しくて図書館の暖房に頬緩む
・食パンにピーナッツバター塗ってまるで晩年のエルヴィス
・今朝もしゃかしゃか掃除していらっしゃる図書館の掃除婦
・雲に雲重なり富士山見えない今朝も歩む
・何がどう効いているのかもう判らない今朝も向精神薬服薬
・惜しいに赤い月であったかと雑誌を棚に戻している
・御金はないが頭にことばが詰まっています
・便箋百枚買って詩を書き落としつづける日々のはじまり
・日陰の本を借りる
・何かおかしく何かわからず私はニヤニヤしていた
・オオイヌタデの花房握りつつひとり冷えていた
・イヌタデの道を帽をしっかり抑え歩む
・病む頭に共鳴するようにイヌタデ水滴に光る
・風吹いても風に滋養なし陽の射すことものぞんでいない
・自分に文書けばそれは自由律俳句として鳴るよ
・長袖の人ばかり青空も一日であった野分明け
・ヤレバショウの下黒猫死んでおり掌(て)を合わせる
・酒で脳味噌溶かしゆく贅沢な友にこの一句を
・とにかく水飲む痔が治る
・小さなのぞみにして見えないだけさ細々暮らす
・愛くるしい猫なだめつつ床に臥せっておった
・何かがおかしいと思いつつ歩むから曲がる道筋
・ひとり一合の飯を唯一夕餉に頂く
・寂しさ極まって洗顔しては項垂れて
・しんじつ善人になれました、私の日記の最後の頁
・菊花薫るこのごろ私の薬は増えるばかりですよ

331田中恭平:2014/10/16(木) 10:53:13
2014年10月16日(木)。

・飽きるまでままごとしろよ秋の朝

・朝の快便待つことじっと青い鳥が来ている

・無我にして怖れてしまう秋の森

・疲れちまって仮面を窓辺にかけておく

・脚本のない人生を演じけり

・今朝は純心ああこんなにも鶏頭の花は残った

・病人になり友減りつづくこと句作が親友

・実存の限り書くがそもそも論実存がよくわからん

・儚いし力の限り登山する

・こうこうと肺碧きまで空のぞむ

332田中恭平:2014/10/17(金) 19:11:27
2014年10月17日(金)。

・脳髄の隅にちらつく幽霊よ

・脳髄の底に沈みゆく船よ

・脳髄の隅の辺りの小さな火

・脳髄の底に仔馬がいて涙

・脳髄の隅に豆腐の冷たさよ

・脳髄の底に木乃伊の居り踊る

・脳髄の隅に晩秋芥川

・脳髄の底に晩年芥川

333田中恭平:2014/10/17(金) 21:29:04
2014年10月17日(金)。

・愛に充ち故に憎しみに充ち木々の影

・閉じた目を開けてはならぬ幻聴夜

・扉開けこころを入れてあげましょう

・靴に息を吹きかけ拭いて明日の朝に備える

・ハイウェイは案外静かで月が出ている

・好きな場所を増やししあわせに生きてゆく

・ディラン聞きつつ県道を往く、布団など蹴りつつ

・エミネムで病態悪化秋の暮

・書くことに命を捧げ私は秋も蛍

・眠り薬を牛乳で飲む、針が10を指すのを待つ

334田中恭平:2014/10/18(土) 09:49:50
2014年10月18日(土)。

・いつも物食べている女の出てくる小説を開く

・禁煙ガム旨しそれはそうと富岳冠雪三日目

・寒ン空の翳に隠れて枯葉のその裏の粘菌

・コーヒーの香りのついたコート出す

・理数系男子の疎い定家の歌を諳んじつつ草の上を歩む

・卵割る度どこかでさようならと言っている

・難解書読む脳味噌があと二つ欲しい

・おそい足取り秋風揺らす金木犀の裏に冬は隠れて

・何より自分その他に親それ以外なし

・財布空っぽになって軽くなった足取りで歩く

335田中恭平:2014/10/19(日) 11:38:05
・死んだものとして文書くとたのしく指が震える

336田中恭平:2014/10/20(月) 11:19:13
・まだ生きており飼い猫を秋のそとに慣れさせている

337田中恭平:2014/10/21(火) 20:44:28
・生かされており砂漠に水を撒くわざしかなく

338田中恭平:2014/10/22(水) 11:19:43
・道が分かれるその内しろい一本の道を選んで急ぐ

339田中恭平:2014/10/22(水) 21:18:12
2014年10月22日(水)。

・善人にはなれないと悟って帰り道

・大きなものも愛そうと思い空ばかり観る

・父の皮肉に笑う余裕もなく影薄くなりゆく

・疲れて草となって黙り込んだ

・薬五錠飲みやっと普通になれて文芸する

・どこまでも飛べ山に海鳥来ていたよ

・疲れて泣きつつ書くより他癒える術知らず

・くたばれ鬱!とどこまでもどこまでも青い空

・安易な音楽選択でもツボに嵌まって許されて

・糸が切れてしまいもう戻れないし雨降る

・涙は涸れました御飯は炊けました

・救われるとしんじて歩む道の風が冷たい

・橋の上は溜息をつかない、俺の哲学

・寂しさを磨いたナイフでころしてしまう

・やっと安心して何にもない日常に戻ってゆく

・疲れて薬に頼って恋までしている

・善人になれないと自分で考え酒を雨に棄てる

・煙草辞めました体重減りました─山、山、山

・歩けなかった日に来る懺悔にもう蟋蟀も啼かず

・大きなものしかし阿弥陀如来は小さいと思う、愛す

・吹かれて風のそのまま行く

・私を支えてくださらないがにこにこしている地蔵様

・寂しさ酔い止めの薬も充分持っております

・御金も尽きて親の愛も尽きことばに弄ばれる他なく

・森は良いが只観照するより他なく寂しくさせる

・化学反応のこころ持って妹に疎まれていた

・どこまでつづくこの地獄の道

・はてない旅の書いても書いてもはみ出すこころ

・眠れない日は寂しく立って母のいびき聞く

・猫に餌やれる身分かよと思いつつカリカリやる

・失業者に煙草全部やって私の断煙ははじまりました

・懸命な祖父を思うと私はひたすら書くより他なく

・キッチンでも仕事のはなし私は父を肯定する

・寂しさ極まってナイフがうつくしく思えてくる

・旅に出れない身のゆるされて百合の園に眠りたい

・ひと救われ易く堕ち難し、遅い秋雨の降る

・どこか自力も信じているがすべては阿弥陀如来に任す

・山越えれば次の山があってときに夏の花まだ咲いている

340田中恭平:2014/10/22(水) 21:19:08
・人間は雑草に負けるか、歩き、書きつづける

・寂しさ背負って分け入れば青い山

・故郷降る降る貰ったカーディガンを羽織る

・薬効いてきてやっと普通になれて指も震えない

・とおく大きく一歩を歩む

341田中恭平:2014/10/22(水) 21:21:19
・がんばれ、どこかでがんばりすぎるなと、紅葉

・心身弛緩してゆく、このままお湯になってしまう

342田中恭平:2014/10/22(水) 21:27:04
・俳の道に入れば苦しみも肯定されると思いつつ秋雨
・あなたは鴉をまじまじ見たことあるか、うつくしいぞ
・雨の日も風の日も歩いては書く
・幻聴もなくなり寝室がしんと少し涼しい
・やっぱり普通が良い、適度に冷たい水を頂く
・その苦しみはその日のみ、それが案外難しく秋雨
・ついに悟って猛烈に大説書く、疲れて眠る
・鳥渡る病院の反対側は仏具屋であった
・がんばれ、どこかでがんばりすぎるなと、紅葉
・心身弛緩してゆく、このままお湯になってしまう
・俳の道に入れば苦しみも肯定されると思いつつ秋雨
・あなたは鴉をまじまじ見たことあるか、うつくしいぞ
・雨の日も風の日も歩いては書く
・幻聴もなくなり寝室がしんと少し涼しい
・やっぱり普通が良い、適度に冷たい水を頂く
・その苦しみはその日のみ、それが案外難しく秋雨
・ついに悟って猛烈に大説書く、疲れて眠る
・鳥渡る病院の反対側は仏具屋であった
・やっぱり自由律俳句しかない、キーボードを丹念に拭く
・涙堪えて男の道と母は知っていた
・統合失調症抱え今日も狂いを正しい日本語へ
・夜が世界を締め上げて空より水が落ちてくる
・とても酷いことになったが風呂に入れば極楽浄土
・やはり酒は合わない、文学の毒を摂る
・簡素な飯頂いて風呂に入るまで鬱であった
・野良猫が家猫になってしまって又寂しい
・草食って暮らせば一抹のひかり射すのか
・どこまでつづく道の途中に草となり
・風吹けば病んだ体更に病む、棒切れを西方に指す
・又救われて又白い道
・夜を怖れて薬の数数えておった
・罪を忘れて生まれ変わって阿弥陀如来に生死を任す
・疎ましく思われて二年いまはいないものとされる
・狂いに似て常識というものあり時に餓鬼道をのぞく
・炎天思い出しこころが白い煙を上げた
・詩友もなく孤独に震え不安が私に何を書かせる
・逃げないで立ち向かうことを知らず森のなかへ
・疲れて日記も書かず流れるままにこの詩を書く
・木々は語らっている、私に語らう友なく
・睡眠薬に沈殿し目をこすりつつイメジに遊ぶ
・翼をもがれた鳩、わたしのことだ
・腹に怒りが溜まりゆく、尻の穴に軟膏を刺す
・思考に悩み身体に悩み指標が清貧しかなくなった
・健忘ひどく毎日毎日鮮やかな道と園を周っている
・尻の軟膏少し零れた
・午後十時まで眠ること許されず籠のなかの鳥
・伝えたいこと沢山あるが悪人なので黙すに努める
・父の撒く水に濡れゆく竹の春
・書けばさいわいならば何処かこころ欠損している
・眠剤飲んだに眠気来ず深刻な夜
・私に仏性はない、そう告げて貰いたく寺へ行こうとする

343田中恭平:2014/10/22(水) 21:28:13

・鬱そのままにボソボソ御飯を頂きます

・善人になるのは無理であった、そして神の監視も薬で消えた

・私は貧しいこころも貧しい、花を見ている

・歩かなかった日は眠くならない、それが私を不安にさせる

・貧しい山を観て私はそれを羽織る

・どうして生きると問われて書く為と応える、草の花

・母に全財産を渡して忘れて貰いたい

・家の灯りが近づくころ私は不安に襲われる

・脈の遅い今朝やっぱりこんな最低な日になると思ったよ

344田中恭平:2014/10/23(木) 05:43:09
・文学という毒持て他に毒要らず

345田中恭平:2014/10/24(金) 05:20:56
・早く起床し過ぎ家族に疎まれる病者、あんなにこころ晴れていたのに

346田中恭平:2014/10/24(金) 19:36:30
2014年10月24日(金)。

・病みつづくこと鶏頭は枯れ寒風吹きすさぶ

・どうしようもない涙も涸れきった

・遅い晩の月が耐え抜く寒風

・句を書くと嬉しい青空

・病という泥にまみれ過呼吸になる私です

・耐えても神はいない夜

・どこか狂って可笑しくて笑う可笑しくない

・みんな好きなことばかり言っている先生を信じる

・あの声に耐えられなくて扉を閉める

・世界の終わりの寂しい限りをハアハア歩く

・夜道を往く寂しい皇帝ペンギンと化しつつ

347田中恭平:2014/10/24(金) 20:00:46
2014年10月24日(金)。

・神のいない空に手を振る

・本当を求めることを諦め秋の夜の道

・寂しさしたしく羽織って歩む

・気分良いこともなく只管書き綴る

・ざわめき連れず烏飛んでいる

・逃げ場所もなく夕暮眺めてもからっぽ

・消毒アルコール手に塗って日陰の本を抜く

・繋がることもなく携帯電話下げて歩む

・絶望の今宵ほんに月がうつくし

・居場所無くしてただ手を繋いでいるだけ

・高架線下で泣いていた顔を夢にみた

348田中恭平:2014/10/24(金) 20:22:31
2014年10月24日(金)。

・寂しさ置いておく机が欲しいだけ

・もう諦めてしまって月がとおくなりゆく

・とれたての林檎を齧りよろけ歩む道

・語り合い弱さ見せあい眠るだけ

・家族の傷となり膿を孕みつづける

・逃げられずロックンロール聞きつつ座り込む

・一本道ずっと青信号

・地獄の底に花を咲かせる

・溜息ばかりのまだ歩ませる体

・月を見よと目の見えない方が告げ空を仰ぐ

・やっとここまで生きていました鶏頭の花

349田中恭平:2014/10/25(土) 07:29:54
2014年10月25日(土)。

・砂糖のようにひととき固くなり哀しみは溶けゆく

・無為な日々つづき手を広げ空吸い込む

・静かな朝に花、静かな朝にスウィートジェーン

・遠すぎる明日が確実来るよう静かにしている

・この人生、悔いばかりのこの町に教会はなく

・病んだ頭を下げて寒風爽やか

・壊れたラジオが唯一の娯楽の和室に眠る

・朝来て闇は去る、嗚呼人生は期待と虚しさの繰り返し

・温水で温める指先まで震え病んでいる統合失調症

・朝陽したしくルー・リードしたしくことばと遊ぶ

・鬱ひどく肩こる、もう逢えない友がいる朝

350田中恭平:2014/10/26(日) 09:51:46
2014年10月26日(日)。

・熱っぽい夜只脚を温水で洗い眠る

・沢山観た夢のなかに宝石を掴んでいた

・サンデーモーニング、寒さに慣れていないか山よ

・心底落ちつけて風のない部屋

・午後は陽を浴びにゆくと決心すればもう午前十時

・もう御金のない身の清貧に努め断捨離している

・猫が啼きますそれは深い寒ン空に

・今朝もルーリードの声の暗さ明るさにわざを始める

・鶏頭咲きつづくこと冬の到来は遅いらしい

・ニコチンガム噛みつづくこと後三個でガムも尽きる

・文字書くに嬉しい寒ン空

351田中恭平:2014/10/26(日) 10:27:07
・夕暮れの陽に仏をみて枯野を急ぐ

352田中恭平:2014/10/26(日) 19:07:32
2014年10月26日(日)。

・ことば無力なること宇宙に書き出されことば何を思う

・鬱から転調し何を聴いても微笑む秋の午後

・今朝も音ひとつ立てず眠っていたらしい秋薔薇

・ヒーロー現れず土壇場は隠していた本心が出る

・風吹けば揺れる鶏頭すこし撫でて去りゆく

・この秋空に神さまはいない神学論にも飽きてしまって

・疲れても秋日照ること憎みもせず又歩きだす

・やはりふざけた病であったと調子のいいとき大いに笑う

・夢は文士になること風呂掃除のスポンジ絞りつつ

・あなただけ思い出せれば私の人生盤石であり青空

・しぐれて寝室に薄く音楽かける

353田中恭平:2014/10/27(月) 02:38:55
2014年10月27日(月)。

・早く目覚めて静かに努めるいつも静かだが

・鬱寄せて返すさざなみのひとり砂浜に遊ぶ

・しんじつ孤独は孤高と遠い秋桜の花

・書いて埋め合わせる心の穴

・祈り飽きてやはり神さまはいないと思いつつ神さまに書く気で書く

・左脹脛痛むやはり無理に歩いていたかと気づく真夜中

・晴れの日をのぞみ借りたままのCD三点重ね置かれて

・見なくなったつくつくぼうし歩みつづける赤い帽子

・鳥が寒ン空に冷え動かない

・明るい心持ちの今朝の白米御飯を頂きます

・寂しさ埋め合わせる為書きつづく

354田中恭平:2014/10/27(月) 03:11:04
2014年10月27日(月)。

・ラジオ放送も終わり空白の時間八木重吉詩集捲る

・何が欲しかったのだろうとコンビニで溜息つく

・秋の星空体育座りで眺め友がなかった

・考えないように努めることも又難しく寒ン風

・汚れちまった哀しみの必死猫の毛を服よりとる

・大きな星の輝きひとつ光る道往く

・真夜中起きていることのこころに拡がるみずうみ

・ぐさり!とやってしまいたい夜もあり寝るに努める

・別れの涙思えばまだやっていける郊外の夜

・孤独擦り合わせあなたは都会の方であった

・どれだけ辛くいるか分らないよう手紙を書く

355田中恭平:2014/10/27(月) 10:11:18
2014年10月27日(月)。

・爽やかな朝が台無しな人生を憎む

・病態悪化していると告げたのに聞き入れて貰えない私です

・泣きたい朝のひとり歩んでひとり頷く

・病的エゴイストに振り回され病者にされたわたし

・いいかげんにしてくれと顔に冷水浴びせる

・疲れて疲れすぎて自殺願望さえもう湧かない

・死は眼前にありいつでも私を見つめています

・なぜこんな幼い人物ばかり寄ってくる

・ひとをあやめたい!朝の一本道をとぼとぼ歩む

・居場所なくしぶらぶらしている今朝の寒ン風吹く

356田中恭平:2014/10/28(火) 09:07:02
・木の葉散る考えつづける

・凩の先に陽を浴び座っている

・依存するから鎮痛剤を流し捨て確証はないが又善人になる

・耐え忍ぶこころ最近は敬遠されそれでも耐え忍ぶわたしの道

・次は浄土で逢おうと其々の道往く

・馬鹿だから風邪をひかない、くじをひく

・退屈な病室、週刊少年ジャンプだけが明るい

・ルーリード聞き惚れて溜息をつきつつ詩を書く

・爽やかな朝の誰にも邪魔されない善人の王国を築く

・しぐれない夜の満天の星落ちてくる

357田中恭平:2014/10/28(火) 19:25:53
2014年10月28日(火)。

・夜は怖いが豚汁と鯖味噌と家族の前で笑っていた

・カームダン含み効いてくるのを待つに頭掠める地獄の日々

・白鳥は夕陽に溶けてゆきにけり

・こころがわりは化学反応に依り起こって鶏頭黒ずむ

・安らか安らか何より今も生きていたこと

・凍える声の録音されてルーリードの「ベルリン:ライヴ」のロックメヌエット

・物語は終わらない風切って歩く

・安心増すことやっと笑える

・蟋蟀も聞かなくなって相変わらず疲れて寝ていたよ

・ボロボロの靴今日も丁寧に履く

358田中恭平:2014/10/29(水) 07:48:16
・寂しさ野良猫のドンの目が病み

・雨降り何も買いにゆけない父の誕生日

・こだまさない山眠りつづく

・困り果てた親の肩なだめている

・寒風に風呂の窓鳴り目を閉じ居場所はないと呟く

・鶏頭病みつづく我が魂も病みつづく

・ついに御金がない、キッチンに料理酒光る

・詩を書くものもいる、踊るものもいる路上

・寂しさ食いつつ句を書いていた

・なぜ淘汰されないのか分らず自分の役割捜す

359田中恭平:2014/10/29(水) 17:45:01
2014年10月29日(水)。

・秋、今朝も美味しい珈琲を頂きました

・今朝も良い日のお弁当できました

・父にこにこ母にこにこ猫が庭で遊ぶ秋の朝です

・ヘリコプターの音のみ聞こえ風に任せて南進して

・ようやく闇より解放されて秋日に空気澄みゆく

・平和の祈りは無意味、だが止めませんずっと

・寂しさ通り越し何もない朝の爽やかなこと

・陽が強く下を向いて歩こう

・鳥も見ない秋に飼い猫草木にじゃれている

・孤独を書き尽してひとり

・詩人は異形の者か、病みゆく鶏頭にうつくしさ

360田中恭平:2014/10/29(水) 17:45:41
2014年10月29日(水)。

・みんな自分のことばかり、私もわたしのことばかり

・醒めない夢の句を書き綴り続ける

・黒いジャンパー着込んで白い街を何処へ往く

・まつりの次の日の図書館静かで本捜している

・しっかり立って富士山を見つめる

・疲れてひとりまじない唱える

・痛んだ左足首時々さすっては歩むのをやめない

・ゾピクロンまだ効いていて苦い冷水を飲みます

・病んでお守り握って寝ていたよ

・薬効いてきてやっと安心の御茶を頂く

・転がる石のように生きてゆきます

361田中恭平:2014/10/29(水) 17:46:17
2014年10月29日(水)。

・震える枯葉に触れて溜息ひとつ

・この人生にひとつひとつ鍵を閉めて安心する

・新しい病院から電話の掛かってこない朝又溜息つく

・明るい顔で頭中に拡げていた宇宙

362田中恭平:2014/10/31(金) 19:35:29
2014年10月31日(金)。

・ラーメン食べつつ父母に今日もありがとうと告げなくちゃ

・私の王国としてノート一冊ナップサックへ入れる

・空がブラック、乳粉として溶けゆく体

・今日は外を歩けなかった、窓より空の深さ増して

・飛翔して星を掴んで大火傷

・郊外に灯の一つありこがらし吹く

363田中恭平:2014/11/01(土) 03:19:47
2014年11月1日(土)。

・淋しいぞ畑に積木を埋めておる

・目をこすり物書く真夜中に雪を幻視した

・火を起こし白い煙流れる寒ン空

・ひと救われ易く父怒り易く私の家は浄土です

・益々自閉してときとして風と戯れる

・生きる活気なく眠りつづけるほうほう梟

・病みつづくこと寒ン空に釘を打ちにゆく

・病みつづくこと闇続く、月がぽっかり

・光溢れる浮き草にあなたのこころを見ていた

・やっとひとりの夜を好める

364田中恭平:2014/11/02(日) 10:37:29
2014年11月2日(日)。

・秋日高く救われつつも救われようとする 恭平

・今朝は富士見えず真に孤独を思わせる 恭平

・寝疲れた朝も大望に白紙の頁をひらく 恭平

・無用の者寄り添い風に別れゆく 恭平

・さよなら晩秋時計の針を正して眠る 恭平

・家に倚り冷えた茶を飲む 恭平

・善人悪人の問いが又浮上してしぐれる 恭平

・無用の者が有用な者を助く日であり鶏頭 恭平

・句にて自分の城築く 恭平

365田中恭平:2014/11/03(月) 11:45:57
2014年11月3日(月)。

・蛾の火より出でて一瞬顔となって去る

・罪人のその後は仏黄葉散りゆけばわたしの道

・子供向け三国志読みはじめ戦闘場面息をひそめる

・明治節ひとり貝殻に海を聞く

・希望の朝だって自分で言うな、歌うな

・叱られて思考分断ロシア領

・西行の返り桜に肩寄せる

・手をさして水の色見る天高し

・無用の者として今朝も出せない手紙書く

・正岡子規も見たかったかな富士の冠雪

366田中恭平:2014/11/04(火) 11:30:04
2014年11月4日(火)。

・無用の者同士歩いてゆくロードムーヴィーめいて来る

・統合失調症の俳句狂いと伝うべし

・夜が世界を締め上げて少しずつ苦くなりゆくミルク

・暖房の効いた部屋多幸感いっぱいに冷たいミルク飲む

・しぐれけり空想に建つ満腹寺

・貶される快感夜寒余生観

・ヒーローついに現れず現実を知りまた大人になる

・あの台風も忘れそう青空つづく晩秋

・腰痛を労わり抱くや黄色と白の猫

・どれだけ惨めでも生きていきます温かに墓

367田中恭平:2014/11/04(火) 14:24:36
2014年11月4日(火)。

・無用の者とて天が高いと喜ぶぞ

・また生と遊べる

・寂しさを噛みしめ眠り過ぎた朝

・心の貧しさの実感脚の痛みかな

・夜を越え若くなりゆく心かな

・秋日の麦藁帽子畑に水撒く

・腰痛の厳しさにして秋日照る

・水を撒かせて貰いなおあたらしき心かな

・燃え残る大望の火を掌で守る

・名月や洒落た女の水かがみ

368田中恭平:2014/11/05(水) 23:57:28
2014年11月5日(水)。

・アルバムそっと開いて自分の写真の少なさに気づく

・死の観念が額に貼りついている

・やっと弛緩して気楽となり妹と俳句鑑賞している

・苦いと牛乳を棄てつづける夢を観た

・猫撫でる快感夜寒余生観

・妹帰り明るい家庭となって起きている

・じっと手を見る失くした指がついている

・地球蹴って海がざわつく

・一途青空を毎日眺める

・寂しさが痛みとなった鶏頭花

369田中恭平:2014/11/06(木) 09:12:06
2014年11月6日(木)。

・暮れの秋私を罰する者はなし

・天上の道を見つけた暮れの秋

・暮れの秋季節外れの花火かな

・暮れの秋腰を痛めて立っている

・涙さえ涸れきるころの暮れの秋

・テーブルに卵ころがす暮れの秋

・静けさに氷となって暮れの秋

・妹の帰るは零時暮れの秋

・一抹の痛みの緩和暮れの秋

・寝つづける猫うらやまし暮れの秋

370田中恭平:2014/11/06(木) 14:56:52
2014年11月6日(木)。

・枕辺に子規句集ありあがなうわれら

・疲れては晩秋休み休みかな

・石語る思想ひとつや黙して伝う

・変身のつづく毎晩床に冷や汗

・朝は躁夕方は鬱心なる庭

・力尽き遂に地に着く秋の蝶

・さいわいの今朝訪れてひとり林檎を齧る

・病み深くしかしさいわいな朝、旗流れる

・ようやく静かになりました、己の業を滅しつづけ

・監視妄想耐え難きかな秋の暮

371田中恭平:2014/11/07(金) 20:06:36
2014年11月7日(金)。

・夕暮落ちつけず腹膨らむまで水を飲む 恭平

・命の軽さを載せ身体は歩きつづける 恭平

・愛していた原付が動かず坂道を押してゆく 恭平

・カームダン効きはじめやっと小指の震え止まります 恭平

・腐葉土の香りのなかに猫捜す 恭平

372田中恭平:2014/11/08(土) 12:48:08
2014年11月8日(土)。

・観音の夢観た日スーパーで仏花買う

・皆疲れて眠る昼病者ひたすら昼食を待つ

・マーヴィン・ゲイに少し小躍りしつつ小春を歩む

・無用の者セブンイレブンのアイスコーヒーを大切に飲む

・武器には花を持って闘う日々つづく

・狂気の家をとおく離れてひたすら歩む

・余所行きの恰好をしていつまでも洗顔している

・インディアンサマーにて白煙上げる灰皿よ

・ツルツルの声の時期のディラン聞きつつ南下してコンビニへ

・小春日の墓へと花を供えけり

373田中恭平:2014/11/08(土) 21:40:48
2014年11月8日(土)。

・石握り浮かぶ奇想もない

・石放り良い石だったと思う

・薬に酔い道が光って見える

・憂鬱に家へと帰り道

・図書館の本を返さず陽に眠る

・腹立って何で雨かと空へ告ぐ

・とんぼの群れ見ず秋終えて茶を頂く

・疲れちまってスリッパ壁に叩きつける

・恥ずかしい私の前に水かがみ

・あとは眠るだけの時間持て余している

374田中恭平:2014/11/09(日) 20:18:12
2014年11月9日(日)。
・抗不安薬効いてきてわたしは孤立無援の花ではない

・明日はどんな一日わくわくして安々眠れない

・鶏頭の花枯れ残る冬帝にひれ伏すことになるのか

・父に評価され泣くのをぐっと堪えお好み焼き頂く

・猫餌用意する、母は皿洗いして八時にはキッチンの電気消す

375田中恭平:2014/11/10(月) 10:54:27
2014年11月10日(月)。

・句を書けばこの世極楽冬黄葉

・カームダン一錠がないために今日も夕方辛いな

・一人寝の冷たい風が窓叩く

・冬日の温かさ他力也紙に句を書きつけること他力也

・立冬よりはじめの印象冠雪富士

376田中恭平:2014/11/10(月) 17:16:23
2014年11月10日(月)。

・悪くなった頭で考えること悪いことばかり冬紅葉

・逃避してひとりになって夢はない

・どこに行けばいい細すぎる指に訊ねていた

・吐く息が白い普通の散歩の先いつもの家

・ただこうふくなる頭中が欲しく飲み干すコーヒー

・いつもの雨がこころに降っていた

・highになって救われるならこの世界を壊していいよ

・獣になって幽閉されて詩を紡ぐのみ

・書いた詩なのか、書かされた詩なのか分らず七日

・みんななんでそんなに急ぐひとり空を仰ぐ

377田中恭平:2014/11/10(月) 17:24:44
2014年11月10日(月)。

・連れてってくれないか普通の世界のなかへ

・物音がする完全になれない体で暗号を解こうとする

・ディス・ボーイ、絶望の戸しか開いていない

・薬含んでしんしん揺れて只手を繋いでいるだけ

・レシートでパンパンになった財布、普通のズボンに差し込む

・夕飯の服薬を待つのが辛い、夕暮が世界を泣かせている

・ことば紡ぐこと紡がされているのか、神はいないとして悪魔に

・母との約束破ってそれからおかしくなってしまって天罰をみたよ

・詩を書くと赦されず癒されて買ってきた仏花眺める

・まずは正しくあることが肝要、私は私を否定する

378田中恭平:2014/11/10(月) 17:32:36
2014年11月10日(月)。

・禁煙は三日の我慢菊の花

・ニコチンの離脱症状か鬱病か、ドクターがいなくなっちゃった

・自分の頭で考えられずいつも多忙な母に訊ねてしまう

・輪郭も忘れた女性のことで今も時々泣く

・宗教は浄土真宗、只己を救う為己教を築き上げる

・いちばんつらいのは母、今はもっと信じられるよう病を癒す

・シヴァ大神、大きな罰を与えないでよもう受けている

・仏壇に飴を供えて己の為だけに南無観世音

・ときとして時間は人を殺めそして反省はなし

・統合のとれない精神、ひきつり顔で只詩を書き綴る

379田中恭平:2014/11/10(月) 17:43:32
2014年11月10日(月)。

・愛したと過去形になるわたくしに罰を与えて雨よ上がれ

・朝の光りのなか死んだ目の私だれの所為でもなく

・嘘をつき自分を傷つけ埃っぽい寝室に詩を綴る

・朝が来て空っぽになるのが愉しい、後の月

・おかしくなった原因は嘘になるとして詩人は全員おかしいか

・寒ン空にひこうきぐもの幻覚でした

・人生はつづく、頭に嘘乗っけたまま歩く

・この道の見飽きたところあなたは立っていました

・痛みを伴って歩き往くひとの群れに私は加わります

・憂鬱は青ではなくてましろなる頭(限界極点)

380田中恭平:2014/11/10(月) 18:04:34
2014年11月10日(月)。

・心の黄金を捜して憂鬱なる午後四時五時代をいま抜けます

・変われても自由になれる身でもなし

・愛される資格なくして今日も利用されないバスケットゴール

・公然と愛していると歌うなかれ冬黄葉

・雪を見て感じることの生と死のちがいが私とあなた

・光のなかを歩く勇気なくコンビニ前に立ち尽くす

・ミスターロンリー雨の日も合羽で畑を見てまわる

・生きる術だけ授かって闇に放り出された

・この世に存在する恐怖感じつつ顔を洗う

・罪感じつつ今日は今日のごはん頂く

381田中恭平:2014/11/10(月) 22:41:31
2014年11月10日(月)。

・痩せゆく体に魂協力することにも臆してしまう

・無用の者として生きる覚悟や菊の花

・安倍総理許せない即刻国民の信を問うべきだ

・段々自分を見捨ててゆくわたしに声を掛けない父であったよ

・ちょっと無理を押して句を書く、ちょっと希望が見える

・私は気がおかしいけれど父母を想う気持ちは持っていたよ

・風吹いて就寝前を不安にさせる

・もう疲れてしまったのです、永久風に吹かせて

・庭の隅に罪は消えない、鬼が立っている

・疲れて九時間眠ってぼうとした頭に起きる

382田中恭平:2014/11/10(月) 23:10:31
2014年11月10日(月)。

・善を積み悪徳ひとつに崩れさる

・なにもなかったようなうみがつづく

・下等遊民が羊を飼って羊はすぐに亡くなりました

・排水溝に詰まった髪の毛を今日も取り除く

・弱い私は変身願望の塊として石を握る

・眠りたい、眠れない、夜の底が白く光った

・静かな夜、石が伝える、黙すということ

・叫び出したい夜必死に堪え枕を濡らす

・エアコンが切れたら布団に入ろう、満月

・明日こそとおく歩いて自分を救う

383田中恭平:2014/11/10(月) 23:33:31
2014年11月10日(月)。

・今宵の詩の収穫、充実を感じつつ野菜ジュースで乾杯

・父眠り取り残されてひとり咳をして

・病んだ町に善人としてシャキシャキ歩む

・頭に夢が侵入してきて言葉を失う

・瞼というブラインドを下げて一句頂く

・ひれ伏す神もなく仏壇に花を供える

・心底病んでお尻が痛い

・鏡に魔法が掛かったのか、私の頬がこけている

・妹夜学より帰宅して溌剌、元気を貰う

・泣ける曲を捜してitunesを色々弄る

384田中恭平:2014/11/11(火) 10:48:03
2014年11月11日(火)。

・食パンひとり頂き朝のわざをはじめます 

・抗不安剤効くまで今朝は懸命に顔を洗う

・冬なれば早七週のことしかな 

・快晴もコート必須に年のくれ

・冬富士は雲へと隠れ模様替え

・蟲を食う夢より覚めて吉兆らし

・凩の吹くこの頃の悪時世

・目を覚ましまずは柿食い句を成しぬ

・立冬の子等微笑ましくも変わりゆく

・疲れてはベンチに腰掛け鶏頭花

・ひとつだけ大望を得て鰯雲

2014年11月11日(火)。

・やや健康やや病んでおり年のくれ

・明日もなき身に吹く風は凩や

・大望を抱き筆持つ冬安吾

・一句得て一句忘れる白き菊

・凩のなかを南下し黒き石

・壊れゆく車のなかの一台かな

・しぐれけりしばし傘開き歩むとす

・湯を待って立ちつつ眠る洗面所

・ひらける道に狭まってゆく心かな

・しぐれつつ暮れゆく里に涙かな

・しぐれけりタイヤの下の軍手かな


・風邪ひいてうつす来賓もなかりけり

・しぐれつつ弧寒染み入るひとりかな

385田中恭平:2014/11/11(火) 16:46:51

・母姉の化粧短し冬黄葉

・充実の一日にして息白し

・財布へと薬忍ばせレストラン

・妹の車を洗う父の背よ

・ロックという聖域をこころのなかに悪の華

・冬霧の中にて唱える呪文かな

・恙なく我写生せり冬黄葉

・庭の壁ひとつ無くなり冬の雨

・こころねのそこに不安の塵ひとつ

・くしゃみして妹健気に夜学へと行く

386田中恭平:2014/11/11(火) 17:37:35
・それでも信じることを止めない路傍が夜に埋まっても

・歩いて羽ばたく軽い風になる

・コンクリ粉まみれの父風呂に入れて寝室で詩を書いている

・違った夜の感じ、頭はセロトニンにみちて

・生と死は対立概念ではなく冬黄葉凍りつく

・変身したくて歩きつづけて得たものはほっこりとした安堵だった

・なぜそんなに急いでいる、夜は平等に訪れる

・地獄抜けてあたらしい地獄しかし日々は進んでゆく

・寂しさ雪のようだと思っていたら冬の霧

・はやく浄土に行けないかなと絵本めくっていた

387田中恭平:2014/11/11(火) 20:01:01
・はいくとはいのちのすべてかんなづき
・泡のように消えてなくなるそんな素直な性が良い
・歩きつかれてベッドに深く沈みこむ
・けんめいにくさはらを駆けるわたしはわたしを追って
・だらくでありついらくでなし低空飛行に句を書きつづく
・薬が胃のなかでカクテルされていますごくいたい
・さとうきびばたけにねむるみいらかな
・ふにゃりふらふらひらがなはひらけてぱっかり
・あきらめて幽玄のにわは父にこわされた
・十一月十一日のよるのひこうきのおと

388田中恭平:2014/11/12(水) 11:22:29
・発達障害の女性を待つ図書館前、来ないかも知れず

・あてもない人生に疲れては昔の日記読みかえす

・今日午後一時あたらしいバイクが来る冬黄葉

・この冬もしばし悪人とならん寒椿

・夢も見ず今朝目覚めてはふっくらフレンチトースト

・曇天しかし降らず午後は図書館にCD返そう

・充実の昨日今日しかし詩の降りず霜降りる 

・わざわざと悪に染まらず冬の昼の月見ている

・ひょいひょいと保険の話だけ聞く秋の朝

・ぱらぱらとしぐれ身をうつ年もくれ

389夢空:2014/11/13(木) 14:49:42

・ 天高く羽毛がふわり金の風

・ 天高く光風とともに走る子等

・ 天高くぬくもり探す銀の羽

390田中恭平:2014/11/13(木) 21:05:15
・寒ン空、あたらしい病院になっても健気にしてゆきます

・また母が一緒に問診受けてくれてありがたい診察室

・デイケア見学する、みなさん一日精一杯生きてる

・あたらしい薬で楽になってもう必要もない煙草

・昨晩の残りの豚汁に味噌と水足して今晩は豚汁うどん

・あたらしいバイクでツーリングすることのろまな風となる

・私の中に仏がいることのあなたの中にも仏がいます

・やさしいひとに頼ってばっかりだ頼られるひとになりたい

・曇天が私のこころ温かい湯呑みを握っている

・無用の者とて風切ってぐんぐん歩む

391田中恭平:2014/11/13(木) 22:21:53
2014年11月13日(木)。

・見上げれば眩暈がするや冬銀河

・宛てもなく旅する日々も終わりかな

・眠剤や少し酔い仰ぐ冬銀河

・今生は己に仏感ずべく

・悪人は日々好日に還るべし

・ぽつぽつとしぐれない夜は幻聴夜

・寂しさを禁煙ガムに紛らわす

・戸を開ける戸を閉められず猫二匹

・今生に花とし生けるものすべて

・病み軽く途端半日笑っている

392田中恭平:2014/11/14(金) 10:08:11
・不眠甚だことばととかしあいすくりん

・夜更け静かに詩を書いて冬の水と化す

・青空のもと無用の者同士集い笑いあう

・心臓重たし朝の坂道ゆっくり急ごう

・青空パリッと割りつつ鴉が飛んで去る

・充実は平凡に似て力漲るJAZZを聞いている

393田中恭平:2014/11/15(土) 10:50:20
・冬日眺め残りの月日想い水と化す

・さよならテレビあたらしい手帳を手にし旅へ出る

・冬銀河仰ぎ全身でペンを握っている

・改めて野をゆく日々や昼の月

・顔ジャブジャブ洗うしんじつの顔で外へ出る 

・野に遊び暮れて眺める手塚漫画

・こうふくのじかん、どれ程風に冷えているのか 

・ハレルヤと明日晴れるよと鉛雲

・雪遊び見つからないのは誰の子か

・全身でペン握りつつ一句得る

・だらけては立つ秋晴れのひとひかな

394田中恭平:2014/11/16(日) 07:03:49
2014年11月16日(日)。

・日曜日の朝の感興に、指のふるえが止まらない

・身力のほどなく抜けて冬にお湯

・冬山、ひめしゃらは立ったまま眠る

・ひとり齧る食パン寂し冬の朝

・歩き眺める沼は男をやさしくす

・山茶花の向こうましろき日下に猫通す

・冬月やなお文学を志す

・朝七時の鐘鳴り無為なる一日本日も又

・運命に逆らって寂しホットコーヒーを頂く

・陰性症状に黙々とキーボードを打つ

395田中恭平:2014/11/17(月) 17:45:54
2014年11月17日(月)。

・女子中学生に励まされては暮れる郊外の道

・徳を積み上げること一回の悪にすべて崩れる

・これ以上痩せなくてはと考えずコンビニのチキンを齧る

・好きなものに囲まれる生き方はせず本をまた捨てる

・さよなら私の古い世界死にたいなんて考えないよ

396田中恭平:2014/11/17(月) 17:46:42

・秋晴や湧き立つ熱い水に手を

・蒲団から蒲団に移り猫と居り

・夕落葉これが万札だったなら

・愚に生きて愚に死ぬべきか山眠る

・咳をして病気を払い金払う

397田中恭平:2014/11/18(火) 11:01:28
2014年11月18日(火)。

・哀しみは人生の花、鶏頭まだ咲いている

・理由のない罪悪感が続く、床を磨きつづける

・宛てもない人生は旅に似て温かいコーヒー頂く

・冬空の青さより影薄らいで静かに眠る

・鬱と化しつつ花はようござんす一輪抜いて帰る

・寂しさのない人間は鈍感、畑を耕す

・息つく暇もない人生に会いたくて原付走らせる

・寂しさまったく雲のない空に合掌

・寂しさも人生の花、花弁を一枚一枚抜いてゆく

・寒風勝ること、もう宛てのないひとだ私は

398田中恭平:2014/11/18(火) 16:38:03
2014年11月18日(火)。

・冬が深くなる、胃が荒れている

・ひとり昼食を頂いては寂しく泣いている

・悪癖断ってしんじつ愚のまま歩む

・凩吹くことわっと鳴り窓を閉める

・暗いこころに灯りを点す

・胃が荒れることしんじつ癒されない寝室であり

・眠い時間帯の過ぎること草だらけの道

・水を飲みつづくことこころより澄みゆく

・何を怖がって勝とうとしないで寝ようとするの

・赦されつづける長い道行く

399田中恭平:2014/11/20(木) 18:13:30
2014年11月20日(木)。

・初デイケア缶コーヒーを差し出すことより始まった

・唯一知る「ふじのたかねにゆきはふりつつ」獲る百人一首

・中島美嘉流れつつも曇天のデイケアは静かなり

・眼前に黙々漫画読む男居り全身雪のように白し

・見守られつつ放っておかれデイケアは雨に濡れつつ

・「努力はひとを不幸にする」という文字眺めデイケアの壁温し

・今朝は抗不安剤の服用忘れ勇み足にも扉を開ける

・雨本降りしかし帰りの心配はせず万感に句作する

・場所が変わっても辛さ苛立ちは抜けず耐える他なく


・冬の雨旅慣れている漢居り

・冬の雨ひとりひとつの席を持つ

・冬の雨デイケア掃除準備かな

・冬の雨野に立つ煙のなかに立つ

・冬の雨世に旅慣れて漢かな

・今生のいまは凍て星やけのはら

400田中恭平:2014/11/21(金) 17:16:06
2014年11月21日(金)。

・明日のデイケアに緊張し眠れなくなり句を綴る

・ひとりの朝食頂き寒ン空を往く

・龍の絵画いて龍の目玉が私を見ている

・ぽかぽかと草ながめいる一日かな

・昼食愉しみに少しずつ集いゆく人々

・寂しさの遂に入る余地なくデイケアかな

・今生の孤独を忘れシーフード・カレー頂く

・明るみに出てはたなびく旗を見る

・陽に病んで静かに花を握りけり

・孤独とは感情の問題冬黄葉

・仏は私のなかにも居り冬黄葉

401田中恭平:2014/11/22(土) 10:13:17
2014年11月22日(土)。

・バイクについて語りあうこと三人の漢

・久々の休日にして午後は富士文芸講座

・さまざまなことを願いつつ冬の寺

・様変わりした居間一度ながめ外へと出る

・爽やかな朝、昨日の夜を孕みつつ眠る

・週刊少年ジャンプ携えて冬の空を戻る

・富士山は冬をどさっと被り冬の装い

・童謡つぶやきつつ冬の畑ながめる

・寒ン空ひとりひとつの命を持つ

・午後の文芸講座愉しみに今朝はゆらゆら歩んでいたよ

402田中恭平:2014/11/22(土) 18:27:35
2014年11月22日(土)。

・歩みゆくこともなくなり今日も変わらずお茶を頂く

・路傍に花が咲いている、来世は私になる花が咲いている

・鶏頭は枯れゆくままだ、新しい人生に馴染めないでいる

・寒ン空に死を感じては安心したり怖れたり

・凩の吹くに任せてあたらしい街となりゆく

・陽に病んでやっと起きて空は真っ暗でした

・只寡黙に句作つづけること時代おくれの男となり

・本当に喉が渇くのは薬の所為と自分に言い聞かす

・天空にひとり眠ること、大忙しの母を鑑みず愚か者

・デイケアに行けず寂しさ少し、砂を握る

403田中恭平:2014/11/22(土) 19:30:38
2014年11月22日(土)。

・我慢の日々つづきだからといって安心の日々は遠く

・しんじつ不安な頭にじわじわ薬効きゆく

・夕飯頂きあとは疲れて寝てしまうよ

・寝室の蜘蛛を放っておいたこと、私に消せない傷のあること

・水に似た感情にして天高し

・寒く火を見つめては眼の光る

・世に泣く

・詩と寝る

・火に似る

・詩の降りて息で指を温める

404田中恭平:2014/11/22(土) 19:41:38
2014年11月22日(土)。

・不安増し木陰

・心の嵐のあとに窓拭く

・湯と遊び沈む

・落葉し病気のひとが多くなる

・ガムに茶を飲み横になる

・垂直のこころ天まで届く

・あったまって寒ン空

・ひきこもりみのむしでしたよ

・雪に灯が当たる

・風があおいろ

405田中恭平:2014/11/22(土) 20:26:54
2014年11月22日(土)。

・風吹いてみのむし

・木々の影避け陽のなかを往く

・空があいいろ

・懐かしい匂り煙草の匂り

・風切る

・目と寝る

・震えつつ握手する

・善を尊ぶ、凩吹く

・風邪ひいて馬鹿じゃなかった

・薬飲んで溶ける

406田中恭平:2014/11/23(日) 04:24:38
2014年11月23日(日)。

・夜明け待つ鴎となりつつ

・句を待つ

・比喩練り夜明け前

・鼻暮れのこり凍り

・序を去る

・冬銀河に白い息

・野へ酒

・冬着く

・樹と立つ

・日と惑う

407田中恭平:2014/11/23(日) 04:56:28

・手が白

・傷をそのまま眠る

・詩に書かせられている

・まだ寝言の範疇で午前四時冗談を言う

・しんそこ落ちつけず指の任せるままとする

408田中恭平:2014/11/23(日) 10:26:11
2014年11月23日(日)。

・亀の啼く国に生まれて大津波

・若さとは心のことや秋のくさはら

・句を書くにまるでナイフを研ぐように

・寒ン空の富士の麓に元気です

・寒ン空の富士の麓の南瓜かな

・寂しさの増すこと薪を割っている

・しぐれやまず鳥たちの声はやみ

・心病み夜に枯草と化しにけり

・私も還るあの寒ン空の冷えている

・寒ン空が頭痛と共に襲いくる

409田中恭平:2014/11/23(日) 10:50:03
2014年11月23日(日)。

・霜降や送り迎えの侘しさと

・朝霧の向こうに鬼の居ておりし

・水を飲み爽やかの増す体かな

・濁水流れ込むオーシャンに身を清めけり

・寒ン空に水、青と透明

・ジョンレノン聞きつつ膝を抱く

・カラフルなバスが往くのを猫とみる

・本当に思いのままの心なら善い

・こころはないからだがあるだけ

・起きて地獄の眠り天国

410田中恭平:2014/11/23(日) 18:18:21
2014年11月23日(日)。

・震える指を握って眠っていた

・寒暮に起きて飯頂いて又眠る

・病んだ体懸命に温めている

・うらうら蝶は死んで静かだ

・霜晴、今朝も御飯炊けたか

・ひとり冬日のあたたかく野原

・ごみだらけの道も生死の道

・夜も深くなり溶けた水の又凍りはじめる

・どうにもならない私が熱い湯のなか

・明日も休みの頭が曇りはじめる

411田中恭平:2014/11/24(月) 05:51:10
2014年11月24日(月)。

・山里や寒ン空を切る鴉翔ぶ

・ひとりチーズを頂くこと夜が明けない

・異性になる夢観たあと冷たい水を頂く

・凍て星の雲っていてもうつくしき

・又眠る準備整え起きており

・猫に餌やり冷たい朝を過ごしていたよ

・くさはら向かい風私は私を断罪する

・なおつづく詩の旅にして山を観ている

・病んで今朝は元気がなくて泣いている

・ほんに哀しいそんなこと知らず凩吹く

412田中恭平:2014/11/24(月) 10:33:06
2014年11月24日(月)。

・冬日温かほっこり行こう

・腐れば匂い立ち窓を開け放つ

・寂しさ抱えてぶらぶら何処へ

・詩に病む

・冬日ほっこり洗濯物を出して眠る

・休みに寂しく詩で癒されている

・おどけて寂しい空は寒ン空

・曲がれば我が家の道をけさはまっすぐ進む

・竹ばかりの故郷の花が枯れました

・体を丹念に洗い丹念に拭いている寒暮

413田中恭平:2014/11/25(火) 08:05:38
2014年11月25日(火)。

・今朝は昼の雨となりけりおりしも昼食バーベキューと

・架空を乗せて母の自動車は行ってしまった

・よく眠り今朝は食パンを食べ薬にしんそこ落ちつけました

・鉛空に幼稚園児の列が行く

・私の悪などこれっぽちのものだチョコクリーム塗り過ぎる


・今朝は爽やかの増し体冷えきってしまった

・ジャージで出歩くこと今日はバーベキューなのですと告げた

・アルバイトで疲れた妹は眠り兄はデイケアに行ってきます

・鉛空に病んで錆ついていた

・夜を越えた顔冷水で洗っている

414田中恭平:2014/11/25(火) 17:47:25
2014年11月25日(火)。

・夜を越えて静かに三国志めくりけり

・嗚呼遠し雨の日のデイケアへの道

・火に疲れては手帳を開く

・寂しさそれと日に疲れては横になり眠る

・雨の日あたたかいお茶を頂く

・騒がしい雨を避け頑なにここに居る

・ひとり疲れては路地の寂しい火だ

・ぐしょぐしょに濡れた靴私を呪う

・野に咲く花避けて通るのは私の良い部分だ

・ひらりひるがえりどこ往く鴉

・ゆるしてくれカンパネルラと冬空を仰ぐ

・野原をながめていれば空っ風

・ふるさと自分を憐れんでは空っ風

・泣き疲れ眠る他ない冬の一日

・孤独抱きしめて抱きしめられてありがとう

・ひとりひなげしのように咲くべし

・ひとりの焼き芋を頂く

・ぽっかり空いた時間を自由律俳句で埋め尽くす

・とうとうと雨に打たせるこの身愛さずにおる

・髪がそっと抜けてそれからながい旅

・愚かに汚れるこの身清めようと雨に打たせる

・どれ程寂しい雪山のぞんでも

・激しい寂しさにこの身伏せておる

・冬の夜銀色の月がぽっかり

・眠たい、薬よく効いて雨空

・くらがりを往く暗いこころもちぐっと抑え

・苛々しつつ耐え抜く雨の道

・苛々しつつ耐え抜く心は鶏頭だ

・苛々しつつ耐え抜く心は赤い花だ

・一息に冬の午後は眠っていたよ

415田中恭平:2014/11/26(水) 10:37:06
2014年11月26日(水)。

・雨の日の雲静かなり冬黄葉

・こころ和やかこころ和やか温泉ほど

・雨に降られてひとり歩んで休日かな

・寂しさを句に紛らわし休日かな

・果てるまで歩む性だよ鶏頭花

・夜を越え草と語らう

・この世から消えて浄土に眠りたし

・十一月青空は傷つき血として雨

・この身憎んで汚れちまった哀しみと

・何の為日々を記載し生きるのか

・万感の朝することは少なくもありしよう

・鴉啼くその声は迷いがないようだ

・砂とじっと考えごとしていた

・雨が混乱させるからまっすぐ歩けない

・冬色めく樹々の影に泣いていた

・寂しさ、心臓に巣食う心の翳は

・私のなかの仏と遊ぶ

・暗がりひとりの荒野に遊ぶ

・雨の日暗がりのこころを放っておく

・薬の酔いより覚めて光る水滴

・風邪ひきつつ鳩に餌やっている

・汚い歯おし隠して笑っていたよ

・十代は飲めなかったコーヒーで朝を始める

・炭の火にあたり野に笑う人、ひと、ひと

・病んだ体寒ン風にあたらせている

・ストーヴ職人さんの頭に巻いたタオルの頼もしさ

・この道で善い、句を書きつづく

・雨に冷えた体炭火にあててこれも万感

416田中恭平:2014/11/27(木) 17:37:04
2014年11月27日(木)。

・冬帝にひれ伏しデイケアへの道

・小鳥囀る和やかな朝は

・陽にもう疲れ一日苦楽をはじめよう

・乾いた風吹く顔を洗っている

・冬日、走りだせば煌めく海

・とうとうと流るる雨水を頂く

・煎餅二枚頂きデイケアは朝の歌に溢れる

・休み明け病み上がりのデイケアの戸開く

・カームダンよく効きつつ雨上がりの道

・寒風に吹かれつつ職人さんは煙突建てる

・寂しさ冬日に病みつつ歩きはじめる

417田中恭平:2014/11/27(木) 17:37:40
・名前を呼ばれて嬉しい冬の日

・眠たくて名もない花になりたいよ

・冬日のラジオ体操水滴きらきら光る

・夜風の音思いつつ泣きそうになっていた

・ふるさと冬もあたたか

・手をこすってあったまる冬の日

・そっと手をふる冬の坂道をYさんがのぼってくる

・寒ン空、冷えた指で遊んでいたよ

・きらきら窓辺水滴光ってはひとり佇む

・やっと永い夜越えて椅子に座って安心していた

・この雨の鬱陶しいこと母に叱られていた

・脚をこすってはムズムズ症に耐えておる

・まひるのあおぞらにさくしろいはないちりん

・つとめて寂しい御金のない身を寄り合わせ

・私の道を往く句を書きつづける

・寂しさひるがえりひるがえる旗の翳

・寝転んで安心することなく夜の明けきる

・すすきも水滴に濡れましろく光る

・果てない旅のこの世のつづくこと街を見る

・風邪ひきつつ歩めばふわりとする世界

・くさはらさわやか靴を濡らして歩む

・野に咲けば酷い雨の後悔しつづける

・飛ばない鳥ながめいり心開かれる

・雪の降らない朝安心のずっとつづいて

・陽にあたる漢のぼうとしている

・くさはらさわやか風のように往こう

・なつかしい匂いコロッケの香りにしばし佇む

・冬の雨に打たれつつ歩む

・くさはらさわやかそこにこっそり水音

・目の笑っていない漢と歩む

・つねに星となること考えつつくさはら

・哀しみ服薬してやっと止まる指の震え

・お腹空かせた女性とだらだらしゃべっている

418田中恭平:2014/11/27(木) 17:38:53
・なつかしい夏の星座を思い描きつつ眠り

・空ッ茶の恭平でござい観音様

・改めて禁煙の誓い新たに冬日浴びる

・私は私それで宜しい寒ン空

・ひとりひとつの命頂きありがたい冬陽

・冬萌ゆる芽のあり寒ン空

・脚の付け根痛める男が少しずつ歩む

・食前にお茶を一服、しんじつ落ちつく

・こころ洗われること熱い空ッ茶であった

・ひとり救われてくさはらに冬の花々

・冬の厳しさに耐えかねて凍った花だ

・極地で救いを求めモールス信号打ちつづく

419田中恭平:2014/11/28(金) 17:43:09
2014年11月28日(金)。

・曇天に病みひとりのお湯を頂く

・降ったり止んだりこころいったりかえったり

・眠るという孤独の道往けばさびしさ

・囚われ惑い昼寝して諦める

・己を恥じて冷たい空気吸っている

・石と石ぶつけるように文字書き怒り晴らしていた

・雨が又石打つ永遠に?

・温かなそば啜り諦めておった

・病んで情けない、降ったり止んだりの昼過ぎよ

・病みつづく、眼で空捉えつづける

・昇る陽と会話しておる

420田中恭平:2014/11/28(金) 20:25:54
2014年11月28日(金)。

・火を見つめゆるりと思想する父

・悪癖よりついに脱却して禁煙ガムを噛みつづく覚悟

・デイケアでのこと母に語ってふたり安心していたよ

・さっきまでしかめっつら今は笑うデイケアではよくあること

・ひとり笑うこと今日の安堵の笑みだったよ

・たらふく水飲む、ひとりひとつの胃袋を充たす

・今日が終われば明日がやってくる当たり前のこと噛みしめる

・自分の世界持て、語れ、それがデイケアの洗礼だった

・今生救われつづけるに申し訳ないデイケアでの日々

・やさしいひとばかりのデイケアで空ッ茶又頂く

421田中恭平:2014/11/29(土) 04:20:09
2014年11月29日(土)。

・爽やかな朝のわざ済ませ水で一服している

・雨降りしきるしずかに屋根の病んでゆく

・回想すれば夕焼け空

・小鳥よ、冬もふんだん啼けよ

・静かな朝を満喫しつつこころは蒲団に焦がれて


・今日は統合失調症講演会のしっかり聞こうとする

・爽やかな朝掃除を始めるに顔洗っている

・悪を晴らすように丹念に顔洗っている

・鬱を晴らすように丹念に顔洗っている

・こころが何処かへ行きそっと見送る

422田中恭平:2014/11/30(日) 12:03:39
2014年11月30日(日)。

・教えふにおちるところあり昨晩はぐっすり眠れ

・寂しさ昇天の児を仰ぎ歩む

・ひとひ囚われを捨てて蜘蛛を殺していた

・温かなこの地で観るにパソコンウィンドウの冬ざれ

・休み堪能しつつひたすら床を磨く

・清水港の愉しきかな海鳥と共にこころ翔びゆく

・猫に餌やり自分の弁当買いに冬の道へ

・父母を見送り妹を見送り自分を見送る

・帆立のクリームパスタ頂きつつ静かな政治の動向を見ている

・お地蔵さんの首に誰が編んだか花飾り


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