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投句板 〜自由律俳句〜

339田中恭平:2014/10/22(水) 21:18:12
2014年10月22日(水)。

・善人にはなれないと悟って帰り道

・大きなものも愛そうと思い空ばかり観る

・父の皮肉に笑う余裕もなく影薄くなりゆく

・疲れて草となって黙り込んだ

・薬五錠飲みやっと普通になれて文芸する

・どこまでも飛べ山に海鳥来ていたよ

・疲れて泣きつつ書くより他癒える術知らず

・くたばれ鬱!とどこまでもどこまでも青い空

・安易な音楽選択でもツボに嵌まって許されて

・糸が切れてしまいもう戻れないし雨降る

・涙は涸れました御飯は炊けました

・救われるとしんじて歩む道の風が冷たい

・橋の上は溜息をつかない、俺の哲学

・寂しさを磨いたナイフでころしてしまう

・やっと安心して何にもない日常に戻ってゆく

・疲れて薬に頼って恋までしている

・善人になれないと自分で考え酒を雨に棄てる

・煙草辞めました体重減りました─山、山、山

・歩けなかった日に来る懺悔にもう蟋蟀も啼かず

・大きなものしかし阿弥陀如来は小さいと思う、愛す

・吹かれて風のそのまま行く

・私を支えてくださらないがにこにこしている地蔵様

・寂しさ酔い止めの薬も充分持っております

・御金も尽きて親の愛も尽きことばに弄ばれる他なく

・森は良いが只観照するより他なく寂しくさせる

・化学反応のこころ持って妹に疎まれていた

・どこまでつづくこの地獄の道

・はてない旅の書いても書いてもはみ出すこころ

・眠れない日は寂しく立って母のいびき聞く

・猫に餌やれる身分かよと思いつつカリカリやる

・失業者に煙草全部やって私の断煙ははじまりました

・懸命な祖父を思うと私はひたすら書くより他なく

・キッチンでも仕事のはなし私は父を肯定する

・寂しさ極まってナイフがうつくしく思えてくる

・旅に出れない身のゆるされて百合の園に眠りたい

・ひと救われ易く堕ち難し、遅い秋雨の降る

・どこか自力も信じているがすべては阿弥陀如来に任す

・山越えれば次の山があってときに夏の花まだ咲いている


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