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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。
『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
前スレ ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆
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>>347
ただし使用魔法はスターダストフォール
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ユーノとクロノがトーマをSM調教したりとか、逆にトーマとエリオがユーノをSM調教したりとか
エリオがトーマを調教するようなSSを書く猛者はおらんもんかね。
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はやてちゃんのアソコとか頭とか
くちゅくちゅしてアヘらせる尋問書きてぇ
でも時間が無ぇ
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>>350
さあ、睡眠を削って貰おうか
なーに、死なない死なない
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>>351
換えたばっかりのエコタイヤ「死ぬかと思った」
来月になったら書く
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>>347-348
ユーノの尻穴が真面目にヤバイ
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忍者が暗殺するときに狙った場所だったくらい尻穴は急所だからな
括約筋は一度切れると現代医学では再生できなくて人工肛門しか無いんだっけか
だから大事にしろよ!?
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それでも…それでもシャマル先生なら…!
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シャマル「旅の扉で本来ありえない四次元方向から縫合することはできるわよ? ちょっとうっかりしちゃうかもだけど」
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「うっかりヨスガノソラを見ちゃったフェイトさん」というネタが突然降りてきた
あれだね。今日暑かったもんね。しかも二番煎じ臭いよね。
こんなものは二秒で忘れてトーマ×ヴィヴィオで頑張ろうと思います、まる
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申し訳無いが誰かキャラスレにスレ立てしてくれんか?規制中で書けんのだ
【なのはsts】エリオの可愛さはプレシャス30
エリオ・モンディアル cv:井上麻里奈
使用デバイス:アームドデバイス「ストラーダ」(道の意)
ショタで赤くて短パンなエリオ君にきゅんきゅんしましょう
Mっぽいからってあんまりいぢめないこと!いいか、絶対いぢめるなよ! いぢめたら金髪やピンクが来々すっぞ!
もはや過去の人であるドリルのご使用は計画的に。テンプレは>>2-5のあたり。
新スレは>>980踏んだ人にストラーダ!
Q.5分エリオに成功しました
A.それは入り口に過ぎない。さあオーバーSランクに挑んで勝ち取るがいい!
Q.エリオきゅんは誰のもの?
A.皆のもの。
Q.エリオ君は総受け?
A.ええ、その通りです。
前スレ
【なのはsts】エリオの可愛さはプレシャス29
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1332947326/
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そういうのは、向こうのスレ立て代行とかレス代行つかったらどうだ? レス代行とかしてる板では一応書けるんじゃないのか
いくらなんでも、別サイトでの行動をこっちで頼むってのは、常識にもとる行為だろう
したらばと2chは別物で、ついでにここは2chとは違うBBSPINKのエロパロ派生二重にお門違い
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そうだな、同じベッドで無防備に眠っているエリキャロを目撃したフェイトそんの精神的葛藤を、
紳士的に妄想すればいいだけだ
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向こうは代行スレ無いんだよ。お門違いってのは分かってるがいつまでたっても立たんのだ。誰か協力してくれ
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たたないエリオきゅんか
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>>361
代行スレが無い?
2chのラウンジクラシックって規制中でも書ける板に、普通に板にこだわらないスレ立て代行スレがあるだろう
ちょっとググったらすぐ出てくるんだから、ちょっとは自分で探したらどうなんだ
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>>362
「大変です! エリオくんが勃たなくなっちゃったんです!」
と、シャマルの元に駆け込んでくるキャロか
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シャマ「前に前立腺マッサージ教えてあげたじゃない、あれでも勃たないの?」
キャロ「それも五回くらいまでが限界なんです!」
シャマ「いやその回数はおかしい」
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フェイト「ユーノなら30回は堅いのに」
なのは「しょうがないよ、エリオはまだお子様だから」
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ユーノ「なのはやフェイトはいつも最低でも10回は相手させられるから大変だけど、一度火がついたすずかのおねだりの回数と比べたら少ないほうかな。
アリサやはやては入れてる時間より手や口でしてあげる時間のほうが長いから回数は少ないし、あんまり動かさなくても満足してくれるから
疲れてるときでも相手してあげられるってこともあって気楽に出来るんだよね」
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>>367
まさか全員を一度に相手にした上での発言なのか!?
ユーノ恐るべし・・・
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数と量のユーノ、テクのクロノ、大きさのザフィーラ。
そして彼らから指導を受け、それらを兼ね備えたV3的なエリオ。
あれ、このエリオとセクロスした場合、キャロ壊れんじゃね?
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「え、フリードとヴォルテールはもっとすごいですよ?」
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ああ、竜の巫女ってそういう……
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>>369
トーマの場合ナカジマ家のお姉ちゃんズに鍛えられていたのか?
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ゲンヤさん直々に「手解き」してもらったに決まっておろう
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>>369
ユーノ達の相手がヴィヴィオやリインⅡやヴィータみたいなロリ体型の場合
前の穴なら何度も溢れて、後ろの穴だと精液が体内貫通とかそんなレベルだね
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どうもー
やっと書きあがりました
闇と本と時の旅人 第11話です
いよいよ物語は大きく動き始め!?
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■ 11
石畳が敷かれた浴室に、粘つく水音と荒い息遣いが規則的に響く。
一組の男女が絡み合っている。
天然の岩石を生かしたつくりの浴室で、岩に手をついて身体を伏せた格好で女は尻を突き出し、男が後ろから挿入してピストンしている。
女は聖王教会のシスター・シャッハ、男は管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。
昨夜の宴の酔いも冷めやらぬうち、シャッハは疼く身体をどうにもできず、こうして教会の浴場でクロノに慰めてもらっていた。
カリムに盛られたかもしれない、と頭の片隅で思いながら、クロノの若い肉棒を味わう。
教会の中ではカリムに続いて最古参で、修道女たちの指導役を務める彼女は、普段から何事にも厳しい人間であると見られている。
若いシスターたちは、年かさのシャッハにこのような顔があるなど思いもよらないだろう。
カリムをはじめとした大勢の女たちに群がられながらクロノとの初体験を果たしたフェイトは、身体を洗って自室に戻り、使い魔アルフと共に眠りについている。
竿役としてはクロノはこれで解放されたので、あとは他の女たちの要求にそれぞれこたえている、というところだ。
扉一枚を隔てた脱衣場では、アインスが見張りに立ち、クロノの若い肉体に群がろうとする他の女たちの順番争いを仕切っている。
ドゥーエもディエチも、クロノにすっかり懇ろになったようだ。
特にディエチは、初めてのセックスが二人の男に同時に責められる過激なものであったので、もう一度普通にやって、怖さを取り除いてほしい、と、今にも泣きそうな顔で訴えていた。
カリム、アインス──彼女たちは恐ろしい女だ。
聖王教会筆頭騎士として住民からの信頼篤いカリム・グラシアは、教会の深部を知っている魔人である。皆、あえて口に出しはしないが、彼女の持つレアスキルは預言だけではない。
ヒトの枠をはみ出た、禁断の力を持つ。
アインスも、きっとその同類なのだろう──
荒い息が湯の熱で曇り、魔力竈で沸かされた熱い蒸気を喉に吸い込みながら、シャッハは喘いでいる。
硬い肉棒で、腰の奥をかき回されたい。
膣の奥をほぐして、浚わなければ、ずっと使わずにいれば腐ってしまいそうだ。闇雲に禁欲するだけではよくない──公序良俗だと思っていたそれは、恥じらいの正当化だった。
健康に暮らすためには、無理な我慢を重ねてはよくない。
当たり前のことなんだ。
「はぁっ、はぁっ、クロノ、さんっ、ハラオウン、執務官──あぁ、あぁぁっ!」
クロノの激しい射精を受け、内臓の奥をドスンと重く突かれるような感覚を味わってシャッハは達した。
身体の質量が瞬間的に増えたようにさえ感じる。
よろよろと崩れ落ち、股間から白濁を垂らしながら、性感の余韻に浸る。
一発やったら、次の番に回さなければならない。
惜しむようにシャッハはゆっくりと立ち上がり、風呂の湯で股間を流し、うなだれ、クロノの目を避けるように俯いて浴室を後にした。
クラナガンに戻ってきたクロノは、フェイトの転入届を区役所へ提出した後、仮住まいとして用意した家へフェイトとアルフを送り届けていた。
このあたりは都心部からは離れた、比較的裕福な中流層住民たちが住む一戸建てが多く立ち並ぶ住宅街で、治安もよく安全である。
ハラオウン家邸宅とは、さすがに同じ通りではないが近くにあり、すぐに行き来できる距離だ。
とはいえ、クロノは今更ながらに、自宅に戻るのが気後れしてしまっていた。
あたかも竜宮城で過ごしたかのように、聖王教会での数日間は、クロノに日常生活の現実感を失わせるにじゅうぶんであった。
「また……会いに来てくれますか?」
宅内の案内を終えて帰ろうとしたとき、そう言ってフェイトはクロノの背中に抱きついてきた。
それが悦楽を覚えた少女の、恋焦がれる胸の鼓動だとクロノにはすぐにわかった。
フェイトは、恋を覚えた。それは真っ当な人間として幸せなことであるはずだ。特殊な生まれと身の上で、世間からずれてしまっていた感覚が、少しずつ戻り、芽生えつつある。
祝福すべきこと、確かにそうだが、クロノはそれでも踏みとどまってしまっていた。
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ここは聖王教会本部の奥の部屋でもない、普通の住宅街で、ごく普通の一般市民が暮らしている土地である。
そんな場所で、こんな背徳的なことを。
執務官のスキャンダルともなればクラナガンのマスコミはいっせいに食いついてくるだろう。
社会生活を送る上では自制しなければならないことはたくさんある。
そっとフェイトの頭を撫で、宥めるように胸に身体を預けさせる。
社会の中で生きていくにはそれぞれの身分があり、それは節度を求められる。今のフェイトは、慎むことが必要である。
あの聖王教会での夜は、ひとときの夢だった。夢は、いつか覚めて、現実に戻らなくてはいけない。
今、クロノとフェイトは現実に戻ってきた。
今は、それぞれのやるべきことをやろう。
「会いにくる。僕も、提督も──母さんも、君のことはとても大切に思っている」
「──ありがとうございます」
フェイトの、華奢でしかし確かな芯の強さを感じさせる吐息の熱さを胸に受ける。
一夜の経験をしたことで、目くるめくセックスを経験したことで、彼女の中の何かは、確かに成長できたのかもしれない。
それは世間一般的にはふしだらかもしれなくても、迷いや心の闇を取り除いてくれるのなら、それはそれでよしとすべきである──カリムがあの催しを持ちかけたのは、そこまで考えてのことだったのだろうか。
せめてリンディを、自分の母親を、フェイトの起こした事件を検挙した管理局員としてではなく、少女を助けようとする大人の女性として呼んであげよう。
それが自分にできる、フェイトへの想いの表現だ。
ささやかな感謝の気持ちを抱き、クロノは笑顔でフェイトと別れ、本局に戻る便に乗ることができた。
時空管理局本局に戻ったクロノは、コロニー内部の居住区画にあるカフェで待ち合わせをしていた。
次元航行艦隊提督、ギル・グレアムとの再会である。
先日の機動一課隊舎内での事故の処理がひと段落し、グレアムは正式に、闇の書追跡作戦にクロノを招聘することを決めた。
新暦65年、6月21日。
先んじて第97管理外世界に赴いていた、グレアムの使い魔であるリーゼアリア・リーゼロッテの二人により、闇の書が間違いなく起動したことが確かめられた。
今のところ、闇の書の放つ魔力はなりを潜めているが、いずれ遠からず何らかの動きを見せるはずである。
そのために、グレアム率いる機動一課では、過去の事件の資料を集め、闇の書が今後起こすであろう行動の予測を立てていた。
「リンカーコア蒐集……ですか?」
テーブルに4人で相席になり、クロノは向かい合ったグレアムに聞き返した。
グレアムの隣にはアリアが、クロノの隣にはロッテが座っている。
ロッテはクロノに身体を寄せて座り、テーブルの下で太ももが触れ合っている。
さすがに若干の意識はしてしまうが、冷静に考えれば、アインスの肉感に比べればロッテなら今のクロノには十分落ち着いて対処できる。
ロッテの手を握ってやりながら、話を続ける。
「闇の書──“夜天の魔導書”と、かつては呼ばれていたこのロストロギアは、もともとは古代ベルカ時代の、本型デバイスのひとつに過ぎなったのだ。
それが、魔導師から魔導師へと受け継がれていく中で、次第にいくつもの機能を追加され、やがて人間の手に負えないほど肥大化していった。
過去の文献などから、旧暦の時代、少なくとも1500年以上前には、既に闇の書が存在していたと考えられている」
「デバイス、なんですか……しかし、その能力は、従来のミッドチルダ式やベルカ式の魔法では考えられないものが数多くあります。
それに1500年以上もの昔では、その当時に使われていたデバイスの構造や性能も現代のものとは比較にならないはずですが」
「うむ。闇の書がロストロギアと呼ばれるのは、古代ベルカ当事の技術では到底なしえないような異様な能力、すなわち蒐集能力を持っていることにその理由の一つがある。
われわれが使うストレージデバイスは、魔法を記録するには術式プログラムを専用のエディタを使って書き起こし、人間の手作業、もしくは思考スキャンによって入力するのが一般的だ。
しかし闇の書は、われわれが魔法を使うための器官、リンカーコアから、直接、それも強制的に、魔力と術式を吸い取ることができるのだ。
これは対象となった人間に強い負荷をかける。当然、これをやられる人間は抵抗するだろうから、そのために闇の書はあらかじめ蒐集対象を攻撃し、弱らせてから蒐集を行う」
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「そうすると……闇の書が蒐集を始めるということは、リンカーコアを持つ人間……それも多くの魔法を習得している人間、つまり魔導師が襲われる……ということに、つながると」
白い口髭に表情を隠し、グレアムは肯定の頷きをする。
「ハーヴェイ司書長からいくらかの説明を聞いたそうだが」
「ええ……。複数の魔導書端末を持ち、分散ネットワークを構築することができると……そのために、無限の転生能力を持っている。
つまり現時点で、無人世界に移送し封印した魔導書と、第97管理外世界で活動中の魔導書、2つの端末の所在を確認できているということですね」
アインスの名前をグレアムが口にしたとき、ロッテはかすかに表情を曇らせた。
クロノはグレアムの話に意識を集中していたため、ロッテの表情は見えなかった。
自分の推理を、この場で口に出すべきか。
グレアムは、アインスを以前と──11年前の闇の書事件以前と──同じように扱い、少なくともそのように接しているように見える。
機動一課へも、何か情報を検索するときは彼女へ頼め、と、無限書庫司書長アインス・ハーヴェイの名を紹介した。
自分の思い過ごしか。それとも、何か別の腹があるのか。
あるいは本当に、彼女を信じているのか。
もしアインスが本当に闇の書の意志であるのなら、クライドは彼女に殺されたも同然である。
友人を、大切な部下を殺した女を、自分の身の回りに置いたままであるということになる。
父親を殺した女を、その息子に無防備に接させているということになる。
不安。それとも、嫉妬か。
クロノは、グレアムとの会話の端々からでも、アインスを信頼しているという感情がロッテには読み取れた。
あの女の正体をクロノは知らない。
今ここで自分の推理を述べれば、クロノは迷うだろう。
アインスにどう接していいか、混乱するだろう。それは今後の状況にとってプラスに働くか。
いかにクロノが優れた執務官であっても、まだ14歳である。
確かに士官学校での成績はトップだったし、短期間ながら、実績も上げている。しかし、絶対的な経験値はどうしても不足を否めない。
執務官という仕事は、昨日の友人をも、自分の家族でさえも、任務とあらば容赦なく逮捕しなくてはならない仕事である。
クロノにそれを求めるのは酷というものだ。
よしんば真実を知らせたところで、これまでどおりにアインスと付き合い、彼女を堕とし手篭めにする──など、クロノにはとてもではないが無理な相談だろう。
ロッテは、感情をぐっと堪えた。
可愛い、自分の子供のようにさえ思っていた。
夫を喪ったリンディのことを思うと、胸が締め付けられる。
クロノは、どうだろうか。
彼が弱音を吐くところを、ロッテは見たことがない。
どんな厳しい修行にも、訓練にも耐えた。毎日、幼い身体が擦り傷切り傷だらけになるまで魔法の練習をし、夜も、決められた就寝時間になるまでずっと黙々と、勉強していた。
その意欲を発揮するにあたり、父の仇、とか、父のあとを継ぐ、などというような青臭い台詞も吐かなかった。
ただそれが当たり前であるかのように、膨大な法務知識を覚え、戦闘魔法を習得し、執務官になるための勉強をしていた。
士官学校では同期だったエイミィ・リミエッタは、次元航行艦に乗るための海軍士官コースを受講していた。
執務官は、通常の艦隊編成では各艦ごとに一人が割り当てられ、艦が派遣される世界での事件捜査を指揮することになる。
もし将来、クロノとエイミィがそれぞれの道で順調に出世を重ねていけば、執務官として前線に立つクロノと、それを後方から援護するエイミィ、という構図になるだろう。
歳も近く、互いによく知り合った仲である。
魔法という兵器を用いても、強力な次元航行艦に乗っていても、最終的な力となるのは人間、マンパワーである。
現代魔法戦闘は、おおぜいの人間がそれぞれの役割をこなして連携することが重要である。
人と人との結びつきは、それだけ連携を強め、ひとりひとりが持っている力を何倍にも高めることができるのだ。
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クロノとエイミィなら、まさにそんな関係に、なれるだろうし、またなっていくだろうと思う。
ロッテもアリアも、使い魔としては特に直接戦闘能力を高めて作られ、後方で指揮を執るグレアムがより強い戦力を運用できるようになっている。
絆で結ばれた人間は強くなる。ハラオウン家、グレアム家という家族。
提督としてのリンディ、グレアム、艦船オペレータとしてのエイミィ、執務官としてのクロノ、そして戦闘魔導師としてのロッテ、アリア。
自分なら、クロノをさらによく現場でサポートできるという自負がロッテにはあった。
闇の書に立ち向かうために、クロノの迷いを完全に取り去らなければならない。
クロノがまだ、父クライドのことを心の中で整理しきれていないとしたら、それは弱点となる。
強靭に思えるクロノの意志に、わずかなほころびが生じる可能性がある。
それを取り除き、支え、助けてやらなければならないとロッテは思っていた。
クロノの手をぎゅっと握り返し、指を絡ませる。やや驚いたように手を動かしたクロノだが、やがて落ち着き、ロッテに応じた。
胸が、切なくなる感覚をロッテは味わった。
「これは私の、あくまでも推測でしか今はないんだが──“転生”という、闇の書の能力そのものが、これまで管理局が考えていたものとは異なっている可能性があるんだ」
グレアムは温厚な紳士の顔を持ち、穏やかに、しかしその年老いた瞳の奥に血気盛んな船乗りの輝きを残しながら言葉を紡ぐ。
「分散ネットワーク。すなわち、デバイスとしての機能を特定の端末に依存しないということだ。
これは夜天の魔導書の本来の機能である、魔法の智恵知識を蒐集し後世に伝えていくという目的からすれば非常に理にかなった仕組みだ。
もし特定のデバイス、つまり魔導書そのものにデータを保存していたのでは、その魔導書が万が一破損してしまったら、データはそれだけで失われてしまうことになる。
重要な情報は常に複数の離れた場所に複製をとり、何らかの事故や災害でも一度に失われないよう、特にデータベースシステムなら冗長性を持っておくことが重要だ」
「そのために複数の端末が同時に稼動している」
「そのとおりだ。今、この時点で出現している端末は2つだけだが、次元空間には、おそらくもっとたくさんの端末が、いつでも実体化できるよう準備を整えているだろう。
闇の書が転生を行うとは、すなわちこの準備しておいた予備の端末が起動するということなのだ」
管理局で最先端魔法科学を学んでいるクロノには、グレアムの提唱している推理、闇の書の活動の理論がとてもよく、わかりやすく理解できる。
一般的に、転生という単語が表現することがらとは生まれ変わりである。
何某が転生した、といった場合、いったん死んだ者が、違う場所で再び誕生するということである。記憶は全てではないが引き継がれ、それほど時間がかからずに活動を再開することが出来る。
しかし、グレアムが仮説を立てた“闇の書の転生”は、見た目としては似ているが、その実態は全く異なる概念である。
闇の書は常に、複数のデバイス、魔導書端末へ、蒐集した魔法のデータと活動記録を書き込んでいる。
実体化して活動を行う端末は1つだけだが、実際にはバックグラウンドで、リアルタイムバックアップが行われている。
万が一、現在活動している端末が破壊される、もしくは致命的な損傷を負った場合、他の端末が直ちに起動し活動を継続することが出来る。
11年前の闇の書事件で、グレアム率いる管理局艦隊は次元破壊波動砲アルカンシェルを発射し、闇の書を運搬していた次元航行艦エスティアごと、闇の書を破壊することを試みた。
クロノの父クライドは、エスティアの制御を乗っ取った闇の書を押さえ込み、確実に破壊するために、他の生き残った乗組員を脱出させてひとり艦に残り、アルカンシェルを浴びて死んだ。
このときエスティアに積まれていた闇の書は間違いなく完全に破壊された。
いかに闇の書でも、デバイスとしての魔導書端末そのものは、一般的な本型デバイスとそれほど変わらず、特に強度が高いわけでもない。
破壊された闇の書そのものが生まれ変わったわけではない。
あらかじめあちこちに用意しておいた、いわば予備が起動したのだ。
これはたとえば、地下茎を広く張り巡らせる牧草が、地面から上に出ている葉や茎を刈るだけでは除草しきれず、埋まっている根の部分から次々と生えてきてしまうことに例えられる。
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アインスが無限書庫を捜索した結果、過去にいくつか行われていた闇の書を用いた実験で、この分散ネットワーク機能の制御を試みた主がいたことが判明していた。
その主も結局は暴走事故を引き起こし死んでしまったが、記録は無限書庫に残されていた。
現代ミッドチルダの魔法技術ならば、闇の書を形作っているそのものの力、魔法プログラムに対して直接にクラッキングを行い、これを破壊することが可能である。
かつては神秘の力、限られた人間が持つ不思議な力とされていた魔法だが、現代ではその原理が次々と解明され、人々の暮らしや、科学技術に、広く用いられている。
いかなる魔法でも、それはプログラムとして──すなわちコンピュータたるデバイスが解釈できる機械語として記述が可能である。
闇の書とて例外ではない。
幾重もの強固な防壁を突破することは容易ではないが、それでも不可能なことではない。
もし闇の書が本当に人間の手によって作られたものなら、どんなものでも、人間の手によって破壊が可能である。
人間の作るものに完璧はない。
この世界に、永遠はない。どんなものでも必ずいつかは朽ち果てるときが来る。
そしてそれは、人間の力で求めることが可能である。
一杯のコーヒーを飲み干し、クロノはミルクと砂糖は入れなかったのでそのままにして、カフェを出る。
グレアムはこれから帰宅すると言った。
家まで送っていくとロッテが誘ったが、クロノは断り、また無限書庫へ行く、と言った。
「どーしたのよクロスケ、フェイトさんの裁判は、もうほとんど結果は出てるようなもんだろ?資料もそろってるし、もう大丈夫だよ」
「いや……。予習、というか。提督の言うとおり、闇の書が動き出しているんなら、いずれまた、第97管理外世界へ行くことになる。
そしたらきっと僕が呼ばれますよ。取り掛かるなら早いほうがいいですしね」
クロノはやや言葉を遅らせた。
本当なら今はもう、フェイトの身の振りも手続きが済んだので、しばらく暇になるはずである。
裁判も、少なくともフェイト個人に関しては管理局における案件の重要度はそれほど高くないため、判決が出る次の開廷はずっと先である。
普通の執務官なら、このスケジュールの空きを使って他の案件を進めたりするところだが、今のところクロノは管理局から正式に闇の書対策の任務を割り当てられたわけではないので、手が空いている状態である。
管理外世界での任務から戻ってきたので、規定の休暇が支給されている。
ゆっくり、自宅で羽を伸ばすことができる。
実のところ、クロノは自宅へ戻る気分になれなくなってしまっていた。
聖王教会本部へ行く直前の、エイミィとの出来事。
ずっと小さいころから暮らしてきた幼馴染との、初めての性的行為。
エイミィと顔を合わせるのが気まずい、とはっきり思ってしまっていた。
幼馴染が、初めて、フェラチオ──をした。
恋人、夫婦でなければしてはいけない行為、というわけではない。法律はそこまで、人間の感情には入り込んではいない。
それでもクロノは、何か踏み込んではいけない領域まで、自分とエイミィが落ちてしまっているような気がした。
今家に戻って、もしリンディが留守にしていたら、きっと間違いを犯してしまう。
自分が本当に描きたい未来、過ごしたい人生、添い遂げたい伴侶。
それはいったい何なのだろうと、今更のようにクロノは考えてしまっていた。
そんなことを思い悩むほど年はとっていない、まだこれからいくらでも未来を選ぶことができる。
とはいっても、根が堅物なクロノである。今まで進んできた道を、曲げるということがなかなかできない。
こんなとき、気持ちのやり場に困ったとき。
あの部屋に行けば、落ち着くような気がした。
無限書庫にいる、彼女のもとへ。
彼女はいつ自宅に帰っているのだろう、とクロノは思った。
あらかじめ連絡を取っていれば、訪ねたけれど留守だった、ということは今までになかった。
まさか毎日無限書庫で寝泊りしているわけでもあるまい。
そう口にすると、アインスは悪戯っぽく、二人で暮らしたいのか、と聞いてきた。
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大きく真ん丸な乳房に顔を埋めながら、クロノは頬を赤くした。
家を出る、ということを、考えたことがなかったわけではない。
管理局で仕事をするのに自宅から通うのもいいが、たとえばある次元世界へ出向とかそういう辞令で何年にも渡って滞在することもありうるだろうし、そうすればその世界での住まいが必要になる。
ただそれでも、ミッドチルダでは比較的、家族は何世代にもわたってひとつの自宅を継いでいくのが一般的ではある。
アインスを、改めてちゃんとした形でリンディに紹介しなくてはならないだろうか、と、その様子を想像する。
将来を考えた交際をしています。
母は、息子の成長を喜ぶだろうか。
「特定の本拠はない、と、初めて会った日に言っただろう。私は根無し草のようなものだ……この部屋も、本局艦艇の深い場所にあって比較的安全だからというだけだ。
幸い今は、外回りをしなければならないような仕事もない──」
帰るべき場所。
アインスにだって、親兄弟、家族はいるはず。ずっと独りきりで暮らすことなどクロノには想像もつかない。
この部屋が、彼女が心を落ち着けて休息をとることのできる場所なのだろうか。
愛情を混ぜた切なさは、どんな辛い出来事にも泣かなかったクロノの目じりに、かすかな一粒の涙を浮かべさせた。
「ずっと独りだったなんて……僕には、母さんや、ロッテたちや、エイミィや、いろんな人がまわりにいました──
どうしてなんでしょう、想像、できないんです──僕は、アインスさんが孤独だなんて──思いたくない──」
「いろんな身の上の人間が世の中にはいる。私だって自分が特殊だとは思っていない。それに提督は今の仕事を世話してくれたしな……」
「フェイトは、家族を失って、でも、アルフがいて──、僕は、父さんはいないけど、母さんがいて──いつでも、会えるんです。
でもどうして、僕は、家族に会うより、こうしてここにいることを選んでしまったのか」
ベッドの上で、アインスは寝巻きの上から抱きしめたクロノの背中を撫でる。
換えの布団を一枚出してきて丸め、背もたれのように使って、二人で並んでいる。
部屋の隅からは、旧式のエアコンが、ハスキーボイスのようなくたびれたコンプレッサーの音を広げている。
雑然とした、こみごみとした狭い部屋。
でも、そんな小さな部屋に、腰を落ち着ける心地よさがある。
「──クロノ。私と一緒に暮らしたいか?」
一緒に暮らす。その言葉が意味するものを、クロノも理解している。
「私はグレアム提督のチームに、今も籍を置いている。機動一課と、元エスティア幹部の一部が参加している。
提督と会ってきたのなら、いずれお前にも正式に話が来るだろう──私は、ここの暮らしが気に入っている。
本を扱い、情報を扱い、静かに毎日を過ごすことができている──それだけでじゅうぶん、満足だ。ずっとこうしていられればいいと思う、定年になったら、そうだな、アルトセイム辺りに隠居して……。
今の一課の作戦が終われば、私は管理局にも、無限書庫にも、未練はない──な」
グレアムと機動一課が立ち向かう、闇の書事件。
数年おきにその活動が観測されてきた闇の書は、前回の最後の事件が11年前。そして現代、新暦65年、再びその活動の兆候を、第97管理外世界において見せつつある。
今のアインスにとって、心残りとはなんだろうか。
闇の書を倒し、クライドの仇をとれれば、もう心残りはないということだろうか。
家族は。地方の出身で、クラナガンに上京したので独り暮らし、というだけだろうか。それとも、家族はもういないのか。
ある程度の大人だから、割り切れているのか。寂しさを感じることはないのだろうか。
まだ若いクロノには想像できない。
もし、アインスもまた天涯孤独であったのなら、彼女の心の中で、クライドはどれだけを占めていただろうか。
失った心の隙間を、埋めることはできるのだろうか。そのためにここにいるのだろうか。
「泣きたいなら泣け、感情を吐き出せ──。考えるのは、それからでも遅くない」
毛布をかけなおし、嗚咽の声を隠すように、アインスは再びクロノを抱きしめた。
-
L級は、管理局では単に艦船と呼ばれるがミッドチルダをはじめとした近代次元世界では巡洋艦に類別される軍艦である。
管理局の任務の性質上、多数の戦闘魔導師と執務官をはじめとした法務要員を乗せて長期航海を行うため、居住性を重視した艦が使用される。
エスティアは、どちらかといえば旧式艦であるL級巡洋艦のなかでもごく初期に建造された艦で、機器や設備のあちこちに年季の古さを見ることができる。
それでも、ハラオウン家に婿入りしたクライドにとっては初めて持つことができた自分の艦であり、この老艦とそれを動かす乗組員たちをよく気に入っていた。
アインス・ハーヴェイもまた、そんな若き提督を慕う少女局員のひとりだった。
艦長室の机の上には、クライドの妻と息子が一緒に写った写真がいつも飾られていた。
生まれたばかりの赤ん坊を抱く、豊かな女性。
リンディという名前は、クライドから聞いた。
彼女もまた優れた魔導師であり、今は産休中だが、夫婦揃っての提督というのは局内でも珍しいとそれなりに有名だった。
赤ん坊の目を写真で見るだけで、彼はクライドの性格と性質をよく受け継いでいる、とアインスは感じ取っていた。
自分とクライドが出逢ったのは運命だ。そして、クライドに男の子が生まれたのも。
自分が何者かを、生まれたときからわかっていた。
いや、ずっと、それをわかって、人里離れて、静かに生きていた。
「今度の任務が終わったら、艦長の家に遊びに行っていいですか?」
元気のいい管制官、というキャラクターだった。
いつも、可愛らしくそれでいて威勢のいい、愛らしい声でクライドの指示にこたえ、エスティアの兵装管制を担当していた。
トレードマークである、跳ねさせた一束の前髪に着けたX字型の髪留めをきらめかせ、笑顔を振りまいていた。
「艦長のお子さん、私も見てみたいです」
「そうだな、この作戦が終わればしばらく定期整備に入るし……皆も、久しぶりの休暇だな」
あと2日で本局に戻れる。
辺境世界での、ロストロギア違法使用事件の検挙に向かい、確保したロストロギアを本局へ移送するためにエスティアに積んでいた。
健気で無垢な子供のように、自分を慕ってくる蒼い目の少女を、クライドもまんざらではなかった。
若い男である。
もちろん妻は愛しているが、艦隊勤務という性質上、常に一緒にいられるわけでもない。
それでも多くの女性乗組員が互いの家庭を考慮して一線を引いている中、アインスは、まるで臆することなくクライドに触れていた。
時折、嘘のような悲しげな目をすることがあったような気がする。
いつも明るい彼女に何があったのだろうと心配して、しかし、深入りすることをためらっていた。
「艦長なら、きっとあの人も助けられると思うです。
悪いことをしちゃった人を、きちんと更正できるようにするのも、管理局の大切なお仕事ですから」
エスティアでは、闇の書とあわせて、当代の闇の書の主を護送していた。彼はある辺境世界において、地元魔導師の戦技競技会に乱入しようとしていたところを逮捕されていた。
「そうだな……。主は、自分の意志でなるんじゃないんだもんな。闇の書の目に留まる資質があったから、選ばれて、それで──誘惑、されるんだ」
「誘惑に負けるのは、弱いことだって思うですか?」
自分はどうだろう。仮眠室のベッドの上で、クライドは思案する。
管理局設立以前より、古代ベルカ地方では噂が語り継がれていた。
管理局が次元世界の警察を自任するなら、闇の書との戦いは避けては通れない道だ。闇の書を倒さずして、次元世界最強を名乗ることはできない。
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「もし、闇の書が悪意をもって人を唆しているならそれはよくないことだ。しかし、真実を教えた上で人がその力に惹かれるなら──それは、人間らしい心だと思うよ」
「艦長は、とっても男らしくて素敵です」
闇の書の主は、歴代の中でも真実を知っていた者はどれだけいただろう。
闇の書とてデバイスの一種であり、それ自体を責めるのは筋違いというものかもしれない。
自分がこうしてエスティアに乗り、自分の意志を持っていること。それがどのような因果か、闇の書自身が救済を求めた結果なのか、アインス自身にもわからない。
しかし、今の闇の書はもはや、永遠の無限ループの罠にはまった、ひたすらに積み上げた石を崩し続ける賽の河原の罪人である。
それが徒労に終わることに気づけないまま、もはや当初の目的さえも失われたまま蒐集を続ける。
それを制御している中枢が失われ、自我をなくした状態であることはせめてもの慈悲かもしれない。
闇の書を救えるのは自分だけだ。そしてそのために、闇の書の真実を突き止める。
よく鍛えられたクライドの胸板の上で、アインスはそっと頬ずりした。
力を求めることそれ自体は悪ではない。
真に不幸なことは、事実を正確に知ることができないことである。
知ること、知ろうとすることが、この世のありのままの姿を知ることができることが、人間にとっての至上の幸福である。
灯りを落とした、薄暗い部屋のベッドの上で、かすかに開いた少女の双眸は、普段の蒼い瞳から、血のような赤色へと変化していた。
泣き疲れて眠ってしまったクロノをそっとベッドに寝かせ、毛布をかけてやってから、アインスはベッドを降りた。
第97管理外世界にある闇の書の活動状況は、こちらでもある程度わかる。
アインスに残された能力として、闇の書のいわばモニタリングツールのような機能があった。
これは手持ちのデバイスにインストールして使うことができる。それによれば、守護騎士システムは起動しているが、彼らヴォルケンリッターはいまだ主の周辺にとどまったまま、蒐集を開始していない。
今の自分は、闇の書の主、そして守護騎士たちにとって何者なのだろうか。
闇の書の管制人格、融合騎。
そう呼ばれていたかつての自分を覚えている。
だが、今はなんだ。自分の意識の中に、自我とも表現される意志とは別の、啓示の声のようなものがある。それはおそらく闇の書の本来のプログラムが、自分の中で機能し続けていることを意味する。
自分は少なくともただの人間ではない、と、冷蔵庫からトマトと卵を取り出しながらアインスは思案する。
空気を呼吸し、水を飲み、食事をしてエネルギーを補給する。守護騎士たちは、魔力供給さえじゅうぶんに行えるならば飲まず食わずで活動できる。
グレアムの計らいで、アインスは管理局の全職員が受ける定期健康診断を、数値を誤魔化すことができている。
その処置は、いずれクロノにも必要になるだろう。
いかに見た目が普通の人間であっても、生物として異常な生理活性数値をはじき出してしまうことは隠せない。
闇の書の力を持った人間。
おそらくクロノ自身もおぼろげながら気づき、自分の肉体に起きた変化に混乱している。
これから先、ますます変化はやってくるだろう。
そのとき、彼が自分を見失わないよう、自分が守ってやらなければならない。
そして、彼に真実を教えなければならない。
コンロのスイッチを入れ、フライパンに油をひいて発熱プレートに置く。
油があたたまるまでの間に、卵を小皿に割り、胡椒とパセリをふっておく。トマトはへたを取って切り分ける。
やがて、卵が焼ける音と匂いに、クロノが目を覚まして起きてきた。
フライパンをコンロからおろし、へらで目玉焼きを皿に移す。
「あ……すみません、寝過ごしてしまって」
「いいよ。元々私の部屋だ、ゆっくりしていていい」
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台所に立つアインスの後ろ姿を、しばらく呆けながら見つめる。
普段は自炊をしているのだろう、しかし今朝はちゃんと二人分の朝食を用意してくれていた。バスケットにはカットされたバゲットが香ばしい風味を放っている。
コンロの上を片付け、フライパンとまな板と包丁を流しにつけて調理器具棚に戻すまでの間、クロノはずっと立ち尽くしていた。
アインスはやや苦笑するようにして、そっとクロノの両肩を押してテーブルに着くよう促す。
「い、いただきます」
妙にかしこまってしまい、クロノはおずおずとマーガリンのビンに手を伸ばした。
アインスが作ってくれた料理。仕事ばかりの人間ではない、家事もなんでもそつなくこなせる。
気を張ることなく、ゆったりすごせる。
寝起きで少し頭がぼうっとしているが、それゆえに純粋な幸福感が味わえた。
ひとときの、幸せな時間。
今日はこれからどうしよう。今日は、特にやらなければならない用事もない。フェイトの件については、事務手続きは済ませたし必要な資料はもう作ってある。
アインスは今日も無限書庫で仕事だろうか。彼女の仕事を見に行くことは大丈夫だろうか。
「クロノ」
「は、はいっ?」
唐突に呼びかけられ、クロノは思わず上ずった声で返事をしてしまった。
アインスは穏やかに微笑み、しかしどこかその笑顔は憂いを含んでいるように見えた。
「なんだか今朝は夢見がよくなくてな……。もしお前の都合が大丈夫なら、このあと──少し慰めてくれないか」
口の中の食べ物を飲み込んでから、クロノはさらに唾を飲んだ。
アインスが弱さを見せる。それもクロノにとっては初めてだったし、このように誘われ、甘えてくる彼女を見るのは驚きだった。
常に大人の女の余裕を見せ、クロノをリードしていたアインスのイメージ。
そんな彼女でも、男に甘えたいと思うときはある。
朝食を済ませ、起き抜けだったので顔を洗ってから、クロノはベッドに戻った。
少し横になって胃を落ち着けてから、事に及ぶ。
この部屋にいると、いろんなことを思い出せるような気がする。
無限書庫という、次元世界のさまざまな情報を集めた場所だからだろうか。アインスは、クロノの知らないクライドを知っている。
聞けば、教えてくれるだろうか。
ベッドに仰向けになり、腕を持ち上げて蛍光灯の光にかざす。
自分の筋肉。アインスにはかなわないが、それでもこの年代の男子としてはかなり鍛えているほうだ。リーゼ姉妹の修行の成果である。
魔法を使いこなすには、その基礎となる体力がなければならない。いくら魔力があってもひ弱な肉体では、強力な魔法の使用に耐えられない。
執務官になってから久しぶりに会ったりしたとき、ロッテはよくクロノの力こぶを触らせてとはしゃいでいた。
この腕で、アインスを抱きたい。アインスに抱かれるだけでなく、男として彼女を満足させたい。
いつまでも、彼女に頼ってばかりではいられない──クロノの男心である。
にわかに腰の疼きが高まり、栄養分を補給された肉体がその活動レベルを上げてきたことが感じ取れる。
特に強壮効果のあるものを食べたわけではない──普通の食事だが、それでも今のクロノの肉体は、普通の少年と比べて精力が桁外れに高まっている。
無限書庫に泊り込むようになってから、聖王教会に滞在していた間。何度も何度もセックスし、射精し、その精液の量も増えていた。
アースラに乗っていて自慰を抑えていた後のときよりも、今は連続で大量に射精できる。
アインスなら、この射精を全部受け止めてくれる。そして、彼女もきっとそれを欲している。
果てしないクロノの精液を、その胎に受け止めたい。それが彼女の性欲だ。
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「クロノ──」
潤んだ声。彼女もまた、交わりを待ち望み、気持ちを高めている。
今日はそういう気分だ。
「うああっ、クロノ、あぁぁん……離れたくない、会いたい、お前と一緒にいたい……あぁぁ」
「アインスさん、あぁ、アインスさん──」
感極まり、声を上げて泣きながらアインスはクロノに覆いかぶさった。
キスを交わし、頬をすりあい、胸を合わせて抱きしめあう。アインスの大きな背中を腕いっぱいに撫でながら、クロノは精一杯の優しさでアインスを抱いた。
自分にはまだわからない、アインスには、きっと誰にも話せない悲しみがある。
今の自分は、まだ彼女の気持ちを受け止めきれないかもしれない、でも、心から彼女に向き合いたい。
おびえる子供のように、その大きな体格とは裏腹にアインスはクロノにしがみつくように抱きついている。
「私なんかが、お前と付き合う資格なんてないかもしれない、でも好きなんだ、どうしようもない──」
「そんな、母さんはわかってくれますよ、母さんはそんな……」
もしかしたら既にリーゼ姉妹は気づき、それをリンディに伝えているかもしれない。
今クロノが付き合っている無限書庫の司書長は、その正体は闇の書の意志である。
管理局員に身をやつして潜入し、クロノを手にかけるつもりなんだ。リーゼロッテは、アインスがクロノを騙しているとリンディに話すだろう。
ロッテの主張をアインスは否定などできない。
追及されたら言い訳はできない。逃げるしか、遠い世界へ隠れるしかない。
「クロノ──、せめてお前に捨てられるなら、私はまだそのほうが救われる、このままじゃ、私はお前を傷つけてしまう、奪ってしまう、苦しめてしまう」
頭の中に、黒く響く声が聞こえる。
この男を奪え。何もかもを奪取しわがものにしろ。
クロノが執務官だろうが、ハラオウン家の人間が他にいくらいようが、彼らは切り捨てろ、一顧だにする価値はない。
アインスの中に、声が響く。
未だ蒐集が開始されず、闇の書がアラートを発している。
警告である。
周辺に観測される魔力が極めて弱いことを検出し、リンカーコア蒐集タスクをいったん保留して、闇の書の主の魔力を消費するモードに切り替わる。
必要最低限の機能を残して拡張モジュールを停止し、主が動けるうちに他の次元世界へ探索の手を伸ばす。
このとき、魔導書端末は現代の魔力センサーでは非常に探知しにくくなる。
歯がゆい。
今度の主は、自分の置かれた状況を理解していない。
今の闇の書は、自身がその役目をはっきりとわからないまま動き続けているのだ。守護騎士たちさえ、守るべき主を正しく導けない。
そして自分もまた、愛する男に真実を教えることができないでいる。
ギル・グレアムとて、アインスにとっては利用できる駒のひとつでしかなかったはずだ。
それなのに、クロノに心を奪われた自分がここまで堕落してしまったことが悔しい。
「くっ、うう、うぅあぁぁっ、く、クロノぉ!もっと、突っ込んで、きつくぅ、あぁ、私をめちゃくちゃにしてくれ!犯してくれ、私を犯してくれ!
頭を真っ白にしたい、私を、ああ、もう、わたし、クロノ、たすけて……」
言葉の脈絡が崩れるほどにアインスは嘆願する。アインスの重い身体を抱き上げ、クロノは腰を突き上げる。
彼女を、狂わせたい。自分の力は彼女によってもたらされた。
アインスと溶け合いたい、セックスをしてつながりたい。
その欲望が、本能として自分の中に加わりつつある。
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体位を変えて仰向けになり、脚を広げて股を開き、アインスはクロノに突かれ続ける。
揺れる身体が、涙をとめどなく零していく。
「クロノぉっ、あぁ、だめだあ、わたしはだめだ、もう私を、クロノ、奥までぶち込んで、壊してくれぇ!
ひっ、ひぃっ、うあひっ、いいんだぁ、おまえのものになりたいっ、お前に滅茶苦茶に壊されて、いかれて、そのままトびたい──」
自棄になっている?確かにそうかもしれない。
このまま死ねたら幸せだろうが、アインスの生命力はそれを許さない。
どうやっても死ねない肉体は──殺しても死なない──何百年何千年と、人の業を呑み込み続けてきた。
だから、楽になりたい。
クロノを取り込んで、クロノを自分と同じにして、共に生きていきたい。
仲間を増やしたい。
それは一般的な意味のグループではなく、闇の書という存在としてだ。
拡大する闇の書の力は、次元世界を着実に侵蝕し、取り込まれた人間はその糧となる。
まさしく人の命を喰らって成長してきた魔導書。
それは単なる書物ではない。ただ見た目が書物なだけで、その実態は、人智を超えた精神生命体とも呼べる。
人間の姿をもち、人間の中に溶け込んで生活していても、その本能と存在の根本から違う。互いに相容れない生命体。
人間を喰らい続けることが、生きる命そのものだ。
アインスにとってはそうだ。そしてクロノもいずれそうなる。
世界じゅうの、人類の敵となる。
クロノにとって辛い運命になることは間違いない。
それでも、自分の欲望に勝てなかった。
それはいけないことだっただろうか。
11年前、エスティアの艦長室のベッドの上で聞いたクライドの言葉が、いまさらのように反響する。
力を求める、すなわちどんな分野においても高みを目指すのはとても人間らしい心のあらわれ。
そうやって人類は進化し、道具をつくり、魔法の技術をみがき、文明を築いてきた。
その過程で、衝突や争いも起きるだろう。それは人間の自然な姿だ。
迸るような射精を受け止め、アインスの膣口から、激しく白濁液が噴き出してシーツに飛び散った。
もはやクロノの射精量はヒトのそれをはるかに超えてしまっている。
化け物のような精力の男になった。荒ぶる性に溺れることが快感だ。アインスもクロノも、互いを求める意味がある。
机の上に置いていたクロノの携帯端末が、メールの受信をインジケータの点滅で知らせてきた。
機動一課での観測により、第97管理外世界、海鳴市において闇の書がその活動モードを変更したことが判明した。
グレアムの予測では、この時点でもはや、闇の書の主──八神はやてという名の9歳の少女は、もって半年少々の寿命になると見積もられた。
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投下終了です
提督とぬこさま登場!ロッテはやっぱりクロノにアレコレ…
そしてアインスさんの手料理!
まるで新婚さんですのー
次第に明らかになる闇の書のシステム
私のSSでは、謎の多いロストロギアに
ユニークな解釈をつけていきたいとおもうですよー
そしてアインスさんも11年前はですです言ってたのですねー
ではー
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いつも通り気合の入った作品GJです
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ですですアインスさん可愛いですです
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相変わらず濃いぜ・・・・GJ!
つうかクロノちょっと爆発しろwww 一体何人女くってるんだwww
だがこのまま行くとアインスと一緒に人類の敵になってしまいそうなフラグ・・・・
あといつもどおりエイミィの影が極限まで薄いのに全俺が泣いた
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頭の悪い短編投下します
概要 おっぱい
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どこの世界にも俗信というものがある。俗信とは多くの人々がそうと信じるだけの理由はあるものの、論理的な根拠の無い説を言う。
その中で社会に何らかの害悪をもたらすようなものは迷信と呼ばれている。
時空管理局において広報で活躍が伝えられる前線隊員は女性隊員が多い。もちろん、広報という性質上その方が都合がよろしいという理由はある。
ある程度の実力と資質のある魔導師であれば男女関わらず戦闘員として用いることができるとはいえ、一般的にはこのような職種を選ぶ女性は男性に比べれば少ない。
更に前線で活躍する戦闘魔導師となればその数はぐっと少なくなる。
時空管理局における女性構成員の割合は3割から4割程度とされているものの、その多くは一般事務や施設、艦船要員など主に前線を間接的に支援する部署に配置されており、
直接戦闘には関わらない者がほとんどであるという。次元航行艦に危険はない、というと語弊はあるが、時空管理局が相対するのは基本的に犯罪組織であり、
高価で高性能な戦闘艦艇を有していることは稀である。艦そのものが攻撃されるというケースは黎明期ならともかく、各世界の政体が比較的安定化した現在ではそうあるものではない。
つまるところ、前線要員として配属されるのは男性が多い。即ち時空管理局において不足が叫ばれる彼らの後輩を募集する広告塔には麗しき乙女がふさわしいということになる。
しかし、魔法が武力として運用され始めた黎明期より魔導師の才覚についてよく言われることがある。曰く……
高位魔導師には女性が多い。
中でも胸の大きい女性ほど保有魔力量が多い。
……あくまで俗説である。魔導科学的裏づけは何ら存在しない。
しかしながら、第一線における戦闘魔導師の男女比率に対し、魔導師として士官や要職にある管理局員において女性の割合が高いのは事実である。
戦闘魔導師としては女性は一割未満であるが、魔導師の佐官以上に絞ると2割程度になるという調査結果も存在する。
もっともこれには反論もある。管理局はまだ若い組織であり、発足直後は世界も安定しているとは言い難く、男女関わらず入局者も多かった。
また局内でも実力主義で才覚があればかなりのスピード昇進が女性であっても可能であった。しかし人手不足が叫ばれるとはいえ、既に管理世界は安定傾向にある。
どちらかといえば治安が安定したが故に、民衆からなんとかしなければならないという焦燥感が消えたことで志願者が減少したことこそが“人手不足”の真実であるのかもしれない。
後者についてはある管理局員の言葉を引用するに留める。ちなみに彼女は佐官の地位にある人物であることを付記しておく。
「おっぱいにはな。夢がつまってるんや」
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「……ところでスカリエッティ。アルハザードの遺児としてはあの俗説についてはどう思う?」
「真実、と言ったらどうするね?」
「君の娘達の中では相関性はないように思うが」
「あれは私のこだわりだよ」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
俗説は俗説である。だが、時に真実を突いていることもある。貴方は信じますか?
「おっぱいには夢がおっぱい。もといいっぱい詰まってるんや」
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11分間で21回おっぱいって言うくらいにおっぱいな時に書こうと思ったおっぱい
深く考えたら負けだと思うおっぱい
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おっぱい言ってたらタイトル間違えました 俗信です;
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乙 何してんのwwww
ていうかキャロ涙目じゃないですかーやだーwww
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つまり、魔力保有量の多い男性は○○◎が大きい、と。
乙
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乙です
姉と8はみんなに夢を与えてるんだよ!!
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おっぱいがおおきいほど魔力が強い・・・
すなわちアインスさんは最強というわけですね(謎)
はやてちゃんもおっぱいだいすき!クロノくんが海鳴にきたらいっきに4人のおっぱいをご馳走デスヨ大変デスヨ奥さん(コンフュ)
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乙っぱいでしたwww
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高位魔導師ほど性欲が強いという俗説
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>>400
莫大な魔力を持つが故に性欲もとてつもない強さしている三人娘と
彼女たちが満足するまで相手してあげるユーノか・・・
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>>400
ということはリンディさんやプレシアママンや聖王陛下はさらにとんでもないことに
インターミドル選手たちも試合の後は超発情状態なんだね
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>>402
発情状態の雷帝さんと執事の燃えるように激しい情事とか最高だな
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「トーマ←ヴィヴィオの片想い中でトーマに振り向いてもらう為に大人モードで逆レイプ」
こんなありがちだけど超俺得な電波を送ったのはどこのどいつだ
先生怒らないから名乗り出なさい
というかトーマSSもっと増えろ
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>>402
試合後だと色々妄想膨らむな
敗北に涙しながらオナニーするミカヤちゃんとか
性欲の発散のさせ方を知らないアインハルトにヴィヴィオ達3人がオナニー教えたりとか
オナニーしようと場所見つけたら偶然同じ場所見つけてオナニーできず性欲を昂らせ続けるハリー&エルスとか
「気絶しててまだ発散してないでしょう。身体に溜め込むと毒ですよ」とか言いながら、恥ずかしがる弟子を慰めるシャッハとか
ヴォルケンに「きちんと発散できてるかどうか見るのも師匠の務め」と言われて、反論できずオナニーを観察され挙句「そんなんじゃ発散できんだろ」と愛撫されて強制連続絶頂を味わうミウラとか
自分の性欲発散の為に試合の応援に来てたキャロを電気あんまやスパンキングで虐めるルーテシアとか
他にも色々ありそう
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雷帝千生神将軍というキャラクターがいたことを思い出した
ほんとうにただそれだけ
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SAN値直葬もののナニかを連想させたいのか?w
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ごきげんよう。
ちょっとした超ショートが出来たんで投下
タイトルは一瞬の邂逅
美沙斗×〇〇〇〇 一応バトルもの
投下は2310予定
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ドアを蹴り破って室内に突入する。
「大人しくしろ」
美沙斗は小太刀と鋼糸を構えながら室内の犯人たちに警告をしてから、異変に気付く。
室内中に呻き声を挙げながら倒れる男たちと、部屋の中心に立つ一人の剣士。
「すまないな。こちらの都合でそちらの仕事を奪ってしまった」
窓から差し込む光が、その剣士の容姿を照らす。
「いや、面倒事が減ってありがたいが、ところで貴女は?」
その問いに、白い鎧を纏い、長髪を一纏めにした剣士は手にしていた剣を鞘に納めながら返す。
「ただの通りすがりの騎士さ」
自分のことを騎士と言った剣士は、人質の一人に左手を向ける。
次の瞬間、向けられた人質からクリスタル上の物体が浮き出してくる。
「おまえっ」
美沙斗は反射的に鋼糸を投げつけてその動きをけん制する。
「何をする気だ」
鋼糸で右手を封じながら、美沙斗は小太刀を構える。
「これはロストロギアと言う異世界の遺失物でな。私はそれを回収する任務でここにきた。このままでは彼に悪い影響が出てしまう。戒めを解いてくれ」
「…すまない。わたしも霊や妖狐などに触れる機会があるが、仕事の時は目の前の事が真実なんでな」
「まぁ、そうだろうな」
そういうと、剣士は鋼糸が巻きついた右の拳を握る。すると次の瞬間、拳から炎が吹き上がり、鋼糸を焼き切る。
美沙斗は間髪置かずに飛針を投げつけ、弓を射るように小太刀を引き付けながら駆け出す。
剣士は飛針を最低限の動きで受け流すと、その流れで抜刀の構えをとる。
二人が交差した瞬間、キーンと甲高い音が響く。
「……」
「……」
剣を振るった形のまま動かない二人。
パサッ…
止まっていた時間は、お互いの結わえていた髪が解ける事で動き出す。
二人同時に振り返りつつ、獲物を突きつける。
「…」
「ッ‼」
不意に剣士のほうが何かに気付き、美沙斗に背を向ける。
「レヴァンティンッ」
剣士が叫んだ次の瞬間、何かが見えない壁にぶつかる。
それが先ほどクリスタル状のモノを抜かれかけていた人質だと気付いた瞬間には、美沙斗は剣士に突き飛ばされていた。
「くそっ。活動し始めてしまったか」
ロストロギアの影響で肢体が変貌してしまった者に対して剣を構え直すと、剣士は裂帛とともに宣言する。
「管理局特務六課・シグナム。参るっ」
ガチャンと言う撃鉄音とともに剣から炎が吹き上がる。
その様を見て、襲い掛かる憑依体。
「紫電……一閃っ」
シグナムは剣を逆袈裟に閃かせる。
剣の軌道の後を追うように炎が奔り、そのまま閃上の憑依体を襲う。
一瞬で炎が憑依体を包み、そして爆ぜる。
爆煙で視界を塞がれながらも、シグナムは確かな手ごたえを感じていた。
しかし、煙の中から飛んできたのはクリスタルではなく、室内にあった大型の机であった。
それをシグナムは真っ二つに一刀両断にして回避するが、真っ二つにされた机の間から、憑依体の鋭く変化した腕が伸びてくる。
(くっ)
そのスピードはシグナムでも対応しきれない速度で、払おうと振るわれるレヴァンティンを搔い潜り、シグナムを捉える。
しかし、その切っ先はシグナムの届くことはなかった。
眼にもとまらぬ速さで飛んできた美沙斗の刺突が、憑依体を横から弾き飛ばす。
それは美沙斗の必殺の刺突である奥義・射抜であり、弾き飛ばされた憑依体はそのまま壁にめり込む。
「いまだ」
美沙斗の声に、シグナムも反応してレヴァンティンを上段に構え、振り下ろす。
「ハッ」
再び炎に包まれる憑依体。
先ほどと違い、燃えながら真っ二つになり、そして閃光を発して爆ぜる。
コロン…
閃光が収まると、そこには憑依されていた人質と、クリスタル状のロストロギアが転がっていた。
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今回は以上です。
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GJ
てか短編物かと思ってたんだけどこれは連載物の予定なのかな?
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シグナムっておっぱいばっかり話題になるけどBJからチラリと見えるあの太股のエロさも相当なものだよね
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>>412
よう同志
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9歳ユーノの半ズボンから見える太ももこそ至高
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スリット0の白ロンスカの清純さと黒インナーのエロさを併せ持つなのはこそ至高
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アインスの生足あんど絶対領域は究極!
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絶対領域は消えたがスリットからチラリと覗く太腿という新たな武器を手に入れたリインフォースは強すぎる
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しかしスリットと生脚という組み合わせはシグナムと被ってしまうよな
そこでわたしに良い考えがある
思い切ってどっちかの騎士服をビキニアーマーにしてはどうだ!
たぶん剣士属性的にシグナム姐さんが適任?
羞恥心強そうなので物凄い恥ずかしそうにしながら顔真っ赤でビキニアーマーつけて衆目にその柔肌を視姦されて屈辱に打ち震えるシグナム姐さんとかどうよどうよ。
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ヴァイスがアップを始めたのを見てティアもアップを始めたようです
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>>404
好きなキャラのSSを増やす一番簡単な手段は自分で書いて投稿する事さ
だからトーマのSSを投下するよ!
相手はお望みのヴィヴィオじゃないけどな!
という訳でトーマ×リリィのエロSS投下します
-
「・・・・・・んっ・・・・・・ちゅっ・・・・・・あむ・・・・」
「ちゅっ・・・・・・ちゅぱっ・・・・・・んんぅ・・・」
月明かりだけが部屋を照らす薄暗い部屋の中で互いに下着姿のトーマとリリィは舌を絡ませ合い情熱的な口付けを交わし合っていた
「あむっ・・・・・・ちゅっ・・・・・・トーマぁ・・・」
リリィはトーマの首に手を回し自身のたわわな乳房を押し付けよりトーマに密着しながら更に舌をトーマの舌に絡ませる
(リリィ・・・・・・甘くて・・・良い匂い・・・・・・)
熱心にキスをしてくるリリィに負けじとトーマもリリィを強く抱き締めると舌の先端から根元までマッサージするように絡める
熱く・・・とろけるような感覚が二人の脳を焦がしていく
長い長い口付けに満足し口付けを終えトーマは唇を解放したが互いの舌を繋ぐように伸びた銀色の懸け橋と
熱に浮かされたような紅潮した顔とうるんだ瞳でこちらを見つけるリリィにトーマは思わず息を呑み彼女に見惚れてしまう
すると隙だらけのトーマにリリィが飛びつく
「トーマぁ!」
「わわっ、リリィ!?」
リリィはトーマに抱き付きそのままベッドに倒れこむ
「えへへ、えい♪」
「わぷっ!?」
いたずらっ子のような声と共にリリィは純白のブラジャーに包まれたたわわな胸の谷間にトーマの顔を埋めると
そのまま抱え込むように抱き締めトーマの顔に自分の胸に擦り付ける
「っ!?」
「どうかな・・・トーマ?」
「・・・うん、良いよ・・・・・・柔らかくって・・・暖かくて・・・気持ち良い・・・」
「えへへ、良かった♪」
リリィはトーマに褒められまるで子犬の用に無邪気に喜ぶリリィの事をトーマは愛おしく感じていた
(リリィ・・・俺の事こんなに求めてくれてるんだ・・・・・・)
ブラ越しに豊満な乳房をむにゅむにと押し付け精一杯トーマへの好意をを表現しようとするリリィの愛情たっぷりの抱擁に心が熱くなる
そんなリリィに応えようとトーマはリリィのお尻に手を伸ばすとぶるんと震える白桃のような尻肉を掴むといやらしく撫でまわし始めた
「ふぁ・・・・・・トーマぁ・・・うぅ・・・やぁん・・・」
お尻を緩急つけて撫でるとリリィはそれに反応して身体をくねらせ悦ぶ
そんなリリィの様子にクスリと笑うとトーマは背中のラインをゆっくりとくすぐるように下から上へとなぞるとリリィの胸を包んでいるブラジャーのホックへと手をかけた
可愛らしい下着を付けたリリィを見るのも良かったがそれ以上を見たいという気持ちを抑える事が出来ない
両手で丁寧に外すとトーマの顔に触れていた柔らかな胸を支えていた張力が失われたのが分かった
「脱がすよ、リリィ」
「うん・・・」
たわわな胸の感触が名残惜しかったがそこから更に先に進みたいトーマは
自分を包むリリィの手をどけると顔を上げそのままブラジャーを脱がしにかかる
肩紐をずらして腕から抜いていくと隠れていた豊かな乳房が柔らかく揺れながら露わになる
羞恥と緊張で頬を染めながら更なる快楽を求めるように機体を込めてこちらを見つめるリリィに応えるようにトーマの両手は豊かな乳肉にかぶりつくと
きめ細やかな肌の感触とその重みを確かめるように下から揉み上げ、一気にその柔らかな膨らみを弄ぶ
「きゃあ!・・・やっ、やぁぁぁあんっ」
先程の行為のお陰で十分すぎるほど敏感になっていた身体は一気に襲い掛かった乱暴な快楽によって歓喜の声を上げた
むにゅむにゅと遠慮なく乳肉を捏ね繰り廻すトーマの熱い手が次々とリリィの脳に快楽を刻み込む
その度にリリィが熱い吐息を漏らす
「あぁ、ぁ・・・トーマ・・・うぅん・・・」
「気持ち良い?」
「ふぁっ・・・う、うん・・・すごく・・・気持ち良いよトーマぁ・・・」
指の間から零れてしまいそうな程たわわに実った乳肉の双丘を揉みし抱く度にふわふわとしたその柔らかな感触と
それに相反するような弾力と確かな手ごたえがトーマを愉しませる
するとトーマは胸の頂に佇む桜色の蕾を右手の親指と人差し指で挟み込んだ
「ん、あぅっ」
「もうこんなに固くなってる・・・」
指先でコリコリとつまむとリリィは切なげな声を上げる
トーマの愛撫に息も絶え絶えなリリィの呼吸を遮るようにリリィの唇を奪うと今度は首筋に舌を這わせる
そのままたわわな双丘まで舌を這わせていきリリィの可憐な乳首を口に含むと唾液をこすりつけるように硬くなったそれを舌先で転がす
「ふぁっ!あっ、ああっ・・・はぁん・・・うくぅ・・・」
気持ち良さそうに甘美な悦びの声を上げ身悶えるリリィの姿がトーマには嬉しかった
-
ぐちゅ、くちゅ・・・
「はあぁっ・・・あぁん!」
下着の上から秘部を撫で上げるとそこは愛液がたっぷりと染み込み十分すぎる程濡れているのが分かった
胸から口を離し、そこを見つめる
濡れたお陰で秘部にぴったりと張り付きリリィの大事な処の形を浮き彫りにしていた
「あうぅ・・・やぁん」
「リリィのここ、もうこんなに濡れてるよ」
「トーマが私の事・・・気持ち良くしてくれるからだよ・・・」
恥じらいに震えながらもそう答えたリリィの言葉に更なる欲情に駆られたトーマはリリィの女性として大事な部分を守りながらも
扇情的に彩っていた彼女のショーツの縁に手を掛ける
「脱がすよ」
「うん・・・・・・」
短いやり取りを終えるとトーマはリリィの裸体を隠す最後の一枚をゆっくりと下していき
リリィもトーマが脱がしやすいように恥じらいながらも腰を浮かせ手助けをする
――――そうしてトーマに脱がされリリィはトーマと出会ったあの日と同じ一糸まとわぬ生まれたままの姿となった
月明かりが照らすリリィの裸体にトーマは思わず息を呑み見とれてしまう
うっすらとかいた汗が白磁のようなきめ細やかな肌をきらめかせ艶めかしい色気を放っており普段の清純で無邪気な彼女とは別物の美しさだった
そんなトーマの様子を不思議そうに見つめるリリィの愛くるしさが子供っぽくまたギャップがあって良いとトーマは感じていた
「リリィ・・・凄く・・・綺麗だよ」
「えへへ、ありがとうトーマ」
はにかみながらそう答えトーマに口付けたリリィにトーマは優しくキスを返すと充分に濡れそぼったリリィの膣口に自身をあてがう
「いくよ」
「うん・・・来てトーマ・・・私の中に」
リリィのその言葉に応えるようにトーマはゆっくりとリリィの膣内へと自身の肉棒を沈めていく
「あぁっ!と、トーマがぁ、はっ、はいって、る! んん、あぁん!」
「くぅ!リリィの膣内・・・凄く・・・熱いよ・・・」
押し寄せてくる快楽の波に負けず腰を突き入れ彼女の一番深いところまで肉棒が入ると結合部からは愛液が溢れ出す
リリィの膣内へと肉棒が沈みゆく度に頭の中には快楽の波が押し寄せてくる
その快楽の味とリリィの膣内を押し広げ自身の肉棒で満たしていく感触と更に味わおうとトーマは更に奥へ奥へと押し進めていき
そのままかき回すように腰を動かし彼女を攻め立てる
「ふぁ、んぁ、トーマぁ!・・・もっと、もっとしてぇ!」
喘ぎ声を上げながら乱れるリリィのリクエストに応えるようにトーマは激しく揺れる彼女の乳肉を鷲掴み揉みし抱きながら指先で乳首を転がし弄ぶ
「あぁぁぁんっ!・・・やんっ・・・んんっ・・・!」
「・・・ん・・・ちゅ・・・ちゅっ」
唇を重ね舌を絡ませる度にリリィへの愛しさがこみ上げてくる
その想いをリリィにもっと伝えようとトーマの腰はその動きの激しさを更に増していく
リリィもまたそんなトーマを求めるように更に強く抱き締める
それに呼応するように彼女の膣壁はトーマを攻め立てるように締め付ける
(体が・・・熱いっ・・・リリィの膣内・・・気持ち良過ぎて・・・っ・・・気が狂いそうだっ・・・!)
(あぁっ・・・トーマのが私の膣内で・・・っ・・・おっきくなってるぅ・・・私っ・・・私もう・・・)
-
「り、リリィ・・・俺・・・もう・・・」
「うぅ、うん・・・いい・・・よ・・・きてっ!・・・きてトーマぁっ!!」
それが合図のようにトーマはリリィを強く抱きしめ彼女の子宮に精液を一気に放った
熱く滾るトーマの精液がリリィの子宮を満たしていく
「あぁっあぁぁぁぁん!!」
「くぅっ・・・り、リリィ・・・う、ぁあ」
絶叫をあげて果てたリリィの膣内にありったけの精液を吐き出し力尽きたトーマは覆い被さるようにリリィの上に崩れ落ちた
リリィは未だトーマが与えてくれた快楽の余韻に体を支配されているものの、感謝の気持ちを込めてトーマを愛しげに抱きしめる
「はぁはぁ・・・リリィ・・・」
「えへへ・・・ありがとうトーマ・・・凄く・・・気持ち良かったよ」
汗ばみ赤らんだ顔のまま満面の笑みを浮かべるとお礼とばかりにリリィはトーマにキスをする
彼女の唇の感触と甘い吐息が熱に浮かされたようなトーマの思考を刺激し、まるで夢のような今の状態が現実である事を強く認識させていた
トーマも自分にこれだけの快楽を与えてくれた彼女への感謝の気持ちを込めて優しくキスをお返しした
一つに繋がりながらこうして相手への愛情と感謝を込めて口付けを交わし合うこの一時
それは二人にとってまさに至福の時だった
「ありがとうトーマ・・・大好きだよ」
「俺の方こそさ、俺もリリィの事大好きだよ・・・」
結合部からは収まりきらず溢れ出した精液が愛液と共に零れ出していたがそれに構う事無く二人は互いの温もりを味わうように抱き合い余韻に浸る
だがそうして抱き合い温もりを感じるうちに段々と相手への愛しさがより強くこみ上げてくる
やがてトーマはリリィの胸元へ顔を動かし彼女の乳首を啄むと母乳を求める赤子のように吸い始めた
リリィもそんなトーマの頭をかき抱くと慈愛に満ちた表情で抱き締めトーマが自分に与えてくれる快楽に身を委ねる
そしてトーマの腰が再び動き始め二人の愛の巣と化したこの部屋を再び熱気と嬌声に満ちていく
明日は訓練もお休み、今夜は思う存分繋がっていられる――――
その安心感もあってか互いを求め愛し合う若い二人の愛の営みは激しさを増しながら明け方近くまで続いたのだった・・・
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投下終了です
やっと予定していたトマリリ物を書き終えた・・・エロパロでのトマリリ物の1番乗りできたのかな?
主人公カプなのに2次創作全般見回しても未だに数が少ないトマリリを少しでも広められるようにこれから色々と書きたいな
ではまた・・・
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乙っす
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乙です。
トーマは実にトロンベ……
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乙です。
トーマは実にトロンベ……
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>>426>>427
ダブったのか?
トーマが穴馬なら、フェレットは斬艦刀か星穿の槍か
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クイズミリオネア
トーマとリリィがしているの偶然見つけたスウちゃんの取る行動は?
A、「トーマも大人になったねぇ」とドアの隙間から見守る
B、「まだ早すぎるでしょ!万が一赤ちゃん出来たら責任取れるの!?」と説教
C、「よくも、私のトーマを寝取ったな、この泥棒猫!」と修羅場
D、乱入しトーマに女の子の気持ちよくさせるテクニックを伝授。リリィ受難の巻
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E、覗き見しながら自分もオナニー
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>>430
それはディエチちゃんあたりがやりそう
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F、ベットの下でトーマのパンツをほむほむ中
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>>424
だれも作らない場合はやっぱ自給自足しかないっすよね、うん。
それと、超いまさらだけどコミケ行った人はお疲れ様でした。
当日は自分も某サークルで売り子をしていたのでエロパロ住人の人ともどこかでエンカウントしたかもね。
さて、コミケ終わってからのそのそ書いてたSSがようやく出来たので投下します。
カリムさんがエロスバーストしてる聖王教会のエロSSシリーズ『堕落性女』のオットー編でござい。
言うまでもなく18禁、あとフタとか。
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堕落性女 オットー両性具有(前編)
「ここは……」
目覚めた時、オットーは見知らぬ部屋にいた。
柔らかいシーツの感触に包まれている。
天蓋付きの大きなベッドの上に寝かされていた。
薄暗い部屋にはしかし、ぼぅ、と微かに灯る光があった。
自分の寝ているシーツの下から発せられている、視線を向ければ、それがベルカ式の魔法陣だと知れた。
「あら、オットーもうお目覚め?」
「……騎士カリム?」
声がした方へ顔を向ける。
そこには、黒い法衣を纏った輝くブロンドの美女、カリム・グラシアが立っていた。
聖王教会で保護されたオットーが仕える、教会の重役である。
だが、平素の彼女らしからぬ、どこか艶然とした妖しさが滲み出ているのは気のせいだろうか。
ただ笑っているだけで言いようのない色香を漂わせているカリムに、同じ女性ながらも背筋をぞくりとさせられながら、オットーは当然の疑問を問い掛けた。
「あの、ここはどこですか? 僕は一体……」
何故自分が見知らぬ部屋に寝ていて、そこにカリムがいるのか。
湧き上がる当たり前の問いに、美しい聖女はくすりと笑う。
慎ましくささやかに、そして妖艶に。
「ここは教会の南倉庫よ、知ってるでしょ?」
「え、ええ……」
カリムの言葉にオットーは訝った。
南倉庫、もちろん聖王教会で生活をしているのだから、おおまかな施設の配置はとっくに覚えている。
だが倉庫にこのような部屋が設けられていたとは初耳だ。
ましてや自分がどういう理由でここに来たのか、いや……そもそも自分の足で来たのかさえ分らない。
そんなオットーの内心を察していたのか、カリムは妖しい微笑と共に言葉を連ねた。
「この部屋は秘密の部屋だから、あなたが知らないのも無理はないわ。使う人間は一握りですもの」
まるでオットーを焦らすように、カリムはベッドの回りを歩きながら、ゆっくりとした口調で言う。
響く声音は甘く、吐息も熱い。
聞いているだけで体の芯がむずむずしてきそうだった。
一体なんのつもりなのか、もう一度自分から質問しようとして、そのオットーの言葉をカリムがさえぎる。
「ここに連れて来るのに、紅茶に薬を盛らせてもらったけれど、体は大丈夫かしら?」
「薬……どういう事ですか騎士カリム、僕は……何が何だか……あなたは何故そんな事を」
「だって、本当の事を言ったらあなた聞いてくれなさそうだったんですもの。大丈夫、安心して? 酷い事なんてしないわ、むしろ――とても素晴らしい事をしてあげるんだから」
悩ましい吐息と声音。
その最後の言葉の残響は、オットーの背筋を凍らせるほどの艶やかさを秘めていた。
カリムの潤んだ瞳に捉えられ、機人の少女は実を強張らせる。
「素晴らしい、こと……?」
「ええ。そろそろ頃合かしら」
「え、な……うあぁッ!?」
突如、オットーの下腹部に強烈な熱が生まれた。
何かが脈動し、肥大化し、盛り上がる感覚。
神経が広がるようなむず痒い刺激に少女は悶えた。
股ぐらが熱い。
ベッドの上で身をよじりながらそっと手を伸ばす。
-
穿いていたズボンの前が突っ張り、大きく膨らんでいた。
触れる。
その瞬間、ぞわりと脳髄まで触覚への刺激が到達した。
「ひぅ! な、なに……これは……えぇ?」
未知の感覚に震えるオットーを見下ろしながら、カリムはベッドに身を乗り出した。
黒い法衣に包まれた肉感的な体がオットーに覆いかぶさるように手足を付き、さらさらと長いブロンドヘアが流れる。
するりと動いたカリムの指先が宙で軽く曲げられ、向かった先はやはり、盛り上がったオットーの股ぐらだった。
指がその硬い何かをなぞった。
「あぅッ!」
その刹那、オットーは悲鳴に近い声を上げてのけぞる。
だがそれは痛みが生まれたからではない。
むしろその逆……堪らない快感だった。
むず痒く甘い電気が神経を駆け上り、体が弛緩する。
半ば放心したようなオットーの姿に笑みを深めながら、カリムは少女のズボンに手を掛けた。
バックルを外し、ファスナーを下ろし、丁寧に中のものを取り出す。
ボロンッ、と、それは勢い良く飛び出した。
赤黒い肉の塊は、血管を脈動させながらびくびくと震えている。
外に出て、触れた外気の冷たさに呻くオットーは、自分の体から生えたそれを見て絶句した。
「……ッ!? な……なん、ですか……これ」
「あら? 分らない?」
まるで小馬鹿にするように問い返し、カリムは白魚のような指先で、つぅ、とそれをなぞった。
たったそれだけの事に、オットーは唇を噛み締めて喘ぎ声を耐えねばならなかった。
「ペニス、男性器、そう言えば分るでしょう? ふふ……でもそれじゃあ呼び方も味気ないわよね、おちんちん、チンポって言った方が良いかしら。ねえ、オットー? あなたに生えたオチンポ、とっても大きくてステキだわ」
うっとりと頬に血の気を増しながら、カリムはオットーに生えた凶悪な肉棒を巧みに弄り回した。
決して強すぎないよう、形や質感を楽しむように撫でる。
とてもその指使いは慎ましい淑女のそれではない。
幾人もの男と夜のしとねを共にした、淫らな娼婦のものだった。
それを前にオットーは、ただ喘いで悶える事しかできない。
生まれて初めて味わうペニスの快感には、戦闘機人とて無力な少女となる。
「どう、して……こんなもの、が……ひぅ! や、そんな扱かないでください! ん! はぁぁ!!」
焦らすようなカリムの手淫で既にオットーのそれは完全に勃起し、先から滲み出たカウパー液で濡れそぼってにちゃにちゃといやらしい音を立て始めていた。
幹は鉄のように硬く、そして熱い。
しっかりと先走り汁を全体に塗りこみながら、カリムは少女の耳を甘噛みして、妖しく囁いた。
「もちろん魔法よ。あなたのクリトリスを巨大化させて陰茎にする、ね。先走りだけじゃなくて、ちゃんと精液も出るのよ? 凄いでしょ」
「せ、精液って、そんな……ふぅ! や、だめ! それ以上したら……なにかくる! きちゃうぅ!!」
むずむずと肉竿から広がる刺激から、オットーは自分の知らない現象が起こると予感した。
だが、それが達せられる前に、カリムはさっと手を離した。
糸を引いて宙を泳ぐ繊手を、オットーはこの世の終わりのような目で追った。
湧き上がる衝動が途中で止められるのは、生殺しのようなものだ。
物欲しそうな顔のオットーを、カリムは恍惚とした顔で見下ろす。
「もう出そうだったのね。でも、そんなに速くイっちゃつまらないでしょう?」
自分の指についたオットーの先走りを舐めながら、美女は妖艶に告げた。
そして、その白魚のような指先が己の服に掛かる。
ぷつ、ぷつ、と上着の前を外せば、ブラジャーを着けていなかったらしく、黒い服の隙間からたっぷりとした量感の白い乳房が露になった。
-
やや乳輪が大きく桃色の乳首が揺れる。
スカートの裾を持ち上げると、むっちりと肉付いた太股と、その上にまします腰と黄金の繁みが現れた。
胸と同じく、彼女は下着を着けずに訪れたらしい。
既に秘所は期待でじっとりと蜜に濡れていた。
むわっ、と鼻を衝くような甘酸っぱい雌の香りが漂う。
本来ならば同性を相手にいかがわしい気持ちになどならない筈が、カリムの体のあまりのいやらしさと、発情した雌の匂いとフェロモンに当てられたのか、オットーは思わず唾を飲んでしまった。
絶頂寸前で愛撫を止められたペニスが、目の前の美女の姿にびくびくと震える。
熱く滾る幹に、淫婦はそっと手を触れてその上に跨った。
「安心なさい、ちゃぁんと……気持ちよくしてあげるから」
ゆっくりと腰を下ろす。
くちゅっ、と触れた。
お互い、あまりの熱さにぶるりと痙攣する。
カリムはオットーがすぐにイかないように、慎重に腰を沈めて行った。
凄まじいサイズを誇るオットーの竿に徐々に秘裂を押し広げられ、カリムの顔はたちどころに蕩けた。
「んぅぅ……はぁ……す、ごぉい……オットーのチンポ、ほんとにおっきいわぁ……こんなの、はぁん! 私も、初めてよ」
「騎士、カリムぅ……やぁ! これ、うぁああ……騎士カリムの中、熱い……だめ、こんなの、あああああ!」
蜜でとろとろと濡れ、複雑なヒダの起伏で肉棒をしゃぶるカリムの膣に包まれて、オットーは背筋を駆け巡る射精の欲求でどうにかなってしまいそうだった。
思い切り腰を振りたくり、この中で達したい。
欲望のままに、この衝動を解放したい。
しかし豊満なカリムの腰に跨られ、それは叶わない。
結果として行為の主導権は全てカリムに握られ、オットーに出来る事はただ甘い声を上げてよがるだけだった。
ようやく、オットーの竿を全て飲み込み、聖女の腰が下りた。
「はぁぁ……ぁぁッ」
子宮口にこつんと当たる亀頭の、膣を広げる幹の太さの、広くエラの張ったカリの。
それら全ての感触を味わい、カリムはぶるりと震えて法悦の声を漏らした。
軽くであるが、それだけで絶頂してるらしい。
対するオットーは、焦らすような刺激を前にとても射精ができない。
下唇を噛んで、自分の上のカリムに恨めしそうな視線を送る。
それにようやく気付いたのか、聖女は妖艶に微笑んで髪を掻き上げた。
「ふふ、じゃあ、動くわよ」
「〜ッ!」
言葉と共に、スカートに包まれた安産型の尻が上に跳ね上がった。
凄まじい粘着質な音を立て、肉棒と膣が強烈にこすれ合う。
その瞬間発生した快楽に、オットーは全身を震わせて声にならない声を発した。
高まる射精のボルテージ。
だがそれでもなお、カリムの腰の律動は焦らすように、再びゆっくりとした動きになってしまう。
まるでオットーをあえて射精させぬようにしているようだった。
少女に生やされた肉棒が絶頂に達さないよう、同時に快楽は極限まで与えるよう配慮したように、絶妙な腰使いと力加減でカリムは腰を動かし続ける。
上下に音を立てて振られたかと思えば、ねっとりと左右や斜めに揺れる様は、淫行を味わい尽くした淫婦としか言いようがない。
むき出しになった乳房を自分で揉みしだき、乳首を抓りながら、黄金の髪を振り乱す。
「ああ! いいわぁ、オットー! あなたのチンポ、最高よ! ……こんなの、んぅ! 癖になっちゃいそぉ……あぁ……もうイきそうよ! あなたのメスチンポでイきそう!!」
濡れた唇からは堪らなく甘い声を零して愛欲を歌った。
唾液をだらしなく垂らしながら、腰を強く大きく振りたくる。
パンッ、パンッ、と二人の結合部がぶつかりあい、オットーもいよいよ限界を迎えた。
-
来る。
何か――大きく、熱く、凄まじい快楽が自分の中から。
それが迸るのだと、少女は漠然と理解し、恐れるよりなお、期待した。
出したい。
早くカリムの中に、それを思い切り出して、ぶち撒けたい。
いつしか、カリムと同じく唾液と涙でめちゃくちゃに蕩けきった顔をしたオットーは、自分から少しずつ腰を突き上げ始めた。
カリムの腰に手を添えて、必死に快楽を高めるように。
「きし、カリム! ぼくも……ぅあああ! ぼくも、イきますううッ!!!」
そして、ついに二人の絶頂が重なる。
カリムは体を思い切りのけ反らし、びくびくと痙攣して膣を締め付けた。
オットーもまた、溜まりに溜まった欲望を要約解放させ――――
「ぐぅあああああ!! な!? え……や、だ……なに……これぇ」
られなかった。
下半身から襲い掛かる強烈な痛みともどかしい感覚に、オットーは涙目になる。
出る、と思ったものが、出せない。
見れば、幹の根本に光る輪が掛かっていた。
バインドである。
魔法で形成されたバインドでペニスを縛り上げられ、射精を強制的に止められたのだ。
それは想像を絶する生き地獄だった。
しかし、淫猥なる聖女は自分の絶頂の余韻を味わいながら、嬉しげに告げた。
「オットー、やっぱりね、簡単にあなたをイかせるのはつまらないわ。ね? そう思わない? こんなにおっきくて、いやらしい素敵なチンポなんですもの――ハジメテはもっと素晴らしい時までとっておきましょうね♪」
嗜虐的で淫らな悦びに満ちた声で、嬉々としてカリムは言った。
彼女のその言葉を、オットーは絶望の極地という顔で受け止めた。
その日から、文字通り地獄のような日々が始まるのを、彼女はまだ知らなかった。
続く
-
投下終了。
フタナリ娘が最も美しいのは、射精できずに悶えている様だ。 by MISS BLACK
というわけでオットーにふたなりおちんぽを生やしてたっぷり扱き上げた末に根本縛って寸止めしてやりました。
いやぁ、MISS BLACK大先生のお言葉はほんと至言っすねぇ。
もっと広がれ! ふたなりの輪!!
あとオットーふたなりエロについて熱いご意見を頂いた野狗氏にも感謝感謝です。
(−人−)
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乙でーす
-
流石、鬼畜なシガー氏だ。
こちらまで射精を止められたような気分になるね。
ぜひ続きでは阿呆になるほど腰を跳ねさせるオットーの恥態を期待。
-
GJ!
ガンガン虐めてください
ふたは虐めてこそ華!
と書こうとしたらすでに自分の名前が書かれているショックw
-
おはようございます。トリップ失くしてしまった……
しかしめげずに行くぜ! 5分後に投下します。
-
5分経ったので投下します。
・珍しくシュテル
・凌辱、もちろんR-18
・生やすので注意
>司書の方へ
短篇集「七つの大罪」へ保管をお願いします。
-
──切り裂かれた花弁を見ながら、私は何を想うのだろうか。
私自身すら、震えるばかりで何も見ようとしないのに……
重なる時の中で、私は何に絶望するのだろう──
「うぶっ……げほっ、ごほっ」
短髪の少女が、噎せ返るような蒸気の中で溺れていた。
温度こそそこまで高くないが、スチームサウナのような暑さが空間を支配している。
本来ダークブラウンだったはずの髪には、べっとりと白い粘液が付着していた。
同じ物が、ボタボタと少女の唇から垂れ、どこへとも知らぬ場所へ落ちていく。
少女の腕に絡みついた蔦は、無数の毛氈を持って、幼い肌を蹂躙していた。
本来透けるように肌だったのが、今は全身が充血し赤く染まっている。
「やめ……もう、苗床には……あぐぅぅぅぅぅぅっ!」
蔦の一部がコブ状に膨らみ、先端へと移動していく。その先は少女の胎内に繋がっていて、少女は必死に身を捩った。
しかし、全ては無駄な努力だった。
花粉を粘液で包んだような、白いダマが少女の膣中へと入っていく。
入口で僅かに引っかかったダマは、少女の秘肉を強引に押し広げていった。
「いやっ、いや……いやあああああああああぁぁぁぁっ……」
コブが爆発し、どろどろとした粘液が注ぎ込まれた。少女の虚ろな目が、凌辱の瞬間に一瞬だけ灯り、そしてすぐに光を失う。
「かふっ……誰か、誰か助けて……」
ズタズタに引き裂かれたバリアジャケットを見下ろしながら、壊れかけた声帯で呟いた。
***
「くっ……どうしてこんなところに」
シュテルが対峙していたのは、メデューサの頭にセイレーンの声、イカの足、
それからゴリラの腕をくっつけたような悪鬼だった。
しかもそれだけに留まらず、足は鉱物で腕は植物、
趣味の悪い錬金術師が失敗作を時空の彼方に放流したとしか思えないような物体だった。
見れば見るほど、まるで闇の書の闇『ナハトヴァール』
……シュテル達が「存在している」という時点において、いる訳のない悪魔が、目の前に君臨していた。
三人は「修行」と称して、夏の星座が見えなくなるまで個々人で活動していた。レヴィやディアーチェの協力は、得られない。
「はぁっ!」
魔杖を展開し、高速の魔力弾を散発的に発射する。
しかし、一発の威力が小さかったからか、攻撃は殻状の表皮にぶち当たって止まった。
「普通に闘っても勝てませんね……ならば!」
シュテルは魔力を体内で錬成し、デバイスの先に集中させる。
自分のクローン元──高町なのはと同じように、強烈なバスターを打ち込んだ。
しかし、あまり効果はない。次第に防戦一方になるが、まだ勝機は見えていた。
「後少し……もう少し耐えれば、スターライトブレイカーが打てます……それまでは」
だが、シュテルは勝つことにのみ固執していて、それが致命的な誤りを生んでいたことに気付かなかった。
もう少しもう少しと頑張っている間に、四方八方を化物の蔦に覆われていることを知ったのは、
やにわに月明かりが消え失せた瞬間だった。
「何……!」
繭の中に閉じ込められたようだった。これでは逃げることもできない。
前に進むしかないと覚悟を決めたのだが……この化け物に対策もなしで勝てるとは到底思えなかった。
-
大技を打つ暇もなくなる。今まで攻撃が大した威力でなかったのは、全てこの繭のためだった。
しかも、並大抵の大きさではない。この次元世界の四半分は覆っているといっても、過言ではない。
次々と襲い掛かる蔦を避けながら、必死に機会を探る……それも、名も無き化物の咆哮で途切れた。
「あ……ぅ……うぅっ……」
セイレーンの放つ高周波と音圧は、シュテルの意識を飛ばすには十分な威力だった。
目も見えない程力が入らなくなった頃、蔦が作ったハンモックに軟着陸したのを、辛うじて感じた。
「ん……ここは……」
シュテルが目を覚ますと、肩と同じ高さで腕が拘束されていることが分かった。
続いて、足が開かれて固定されていることも分かる。
さて、どうやって逃げたものかと考えていると、おかしなことに気が付いた。そして同時に、顔がかっかと熱くなっていく。
「服が……!」
熱にも雷にも衝撃にも、酸にすら負けないはずのバリアジャケットが、ボロボロに溶けていた。
ノーブラの胸に蔦が吸い付いていて、出るはずのない母乳を飲もうとしているかのようだった。
頭が明晰になるにつれ、抵抗のために全身の筋肉をひたすらに振り絞る。
だが、混乱が脱出に繋がることはなく、逆に一本の蔦から大量の粘液を浴びせかけられる羽目になった。
「くぅっ……やめて……やめなさいっ!」
咄嗟にデバイスを握ろうとしたが、左手には何もなかった。
肝心要の武器を失っていたことに気付き、シュテルの顔はあっという間に青ざめた。
眼前に白い霧が広がっていることを認識したのは、それからすぐのことだった。
蔦で覆われた繭は、それ自体遥か向こうにあったが、それにしても白い霧は濃く、どこが世界の境目なのか、理解できなかった。
「これは一体……んふぅっ!」
呼吸をしていただけなのに、子宮へ疼きが生じたのを、シュテルは認めない訳にはいかなかった。
何の間違いでそうなったのかすら分からず、目を瞑って精神を集中し、意味不明な性感を忘れることにした。
……が、子宮の疼きはどう足掻いても止まらない。
不審に思って目を開けると、一寸先も見えないくらい特濃の霧に覆われていた。
「まさか、これが……?」
今更気付いてももう遅い。手足に痺れが走り、身動きがまともに取れなくなってから、化物は本格的に動き始めた。
「やぁっ……はぅぅっ……こいつ、敏感なところばっかり……ひゃぅんっ!」
乳首に吸い付いていた蔦が、中で繊毛を蠢かし始めた。性に敏感な突起を舐められるのは背筋に震えが走る心地がした……
が、それ以上に得体のしれない快感が足をぴくりと動かした。
「くっ……こんなのに負ける訳には……ひぁぁっ! ひ、卑怯です……こんなの……くぅんっ!」
乳首を攻撃しているのと同じ蔦が、シュテルの幼い淫核にかぶりついた。
神経を直接嫐られるような快感に悶え、腰を弱々しく左右に振る。
それでも蔦が淫核へ吸い付くのは止まらず、きゅんきゅんリズミカルにシュテルの肉豆を舐めしゃぶってきた。
「ひぁぅ……くふぅっ……はっ、はっ、はっ……この、離して下さい……離せぇっ」
弱々しく罵詈雑言を浴びせ掛けるが、もちろん化物には無意味だった。
やがて霧は腰すらも見えなくなるまで世界を覆い隠し……そして急に激痛が下半身に走った。
「うぐっ……ぁぁぁぁぁああああああああああああぁっ!」
鋭利な刃物で刺されたかのような痛みだった。
濃霧は目を隠されているのに等しく、何が起こったのかにわかには理解できなかった。
身体をぐるりと上下逆に回される瞬間、股間に図太い蔦が挿入されていることに気付いた。
「あ……あぅ……いやぁっ……」
それが意味することは、シュテルにも分かっていた。
ただ……今まで相手は元より、処女を失うかどうか──
そしてそれはいつなのか、それすら考えたことすらなかったのだ。
「それなのに……どうして……」
-
何の罰なのか、濁った頭でシュテルは考えた。
当然、こうなったことに咎もなければ罰もない……ただ、負けるべくして負けた者の末路でしかない……
それでも、シュテルは認めない。認める訳にはいかない。
「必ず……殺しますっ!」
瞳を真っ赤にして右腕に力を込め、拘束していた蔦の一本をブチブチと引き剥がす……が、抵抗らしい抵抗はそこまで
だった。所詮シュテルの腕は一本だが、蔦の数は無数にある。
「きゃぁぁぁぁぁぁっ……!」
強引に抽送される痛みで、記憶も闘志も吹き飛んでしまう。
がむしゃらに魔法弾を飛ばしたが、ぺちぺちと小さな触覚を焼くのが精一杯だった。
二の腕へと強烈に蔦が絡みつき、血の巡りが悪くなって指先が冷える。
止めとばかりに鳩尾に突きを入れられて、シュテルは抵抗の意志を失った。
時折、蔦から大量の粘液が噴出していたのには気付いていた。
だが、今のシュテルには、打ち上げられた魚のように軽く痙攣を起こしながら、
いつ終るのかも分からない凌辱にただ耐えるしかなかった。
次の瞬間に何が起こったのか、シュテルは理解できなかった。
クリトリスに吸い付いていた触手が牙を出し、先端に血が出る程強く噛み付いてきた。
「ひぁっ……くぅぅんっ!」
鮮やかな緑色の蔓から淫核へと、何らかの液体を注入されたのが分かった。
殺されるのか……と思い背筋を凍らせたが、むしろ身体がどんどん熱くなっていく。
「何なんですか……これは……」
偶然か、それともこの時のためなのか、白い霧が一瞬だけ腫れた。
恐る恐る足元を見ると、肥大化した淫核は、男性のモノによく似ていた。刺された部分に穴が空き、エラも張っていた。
肉棒と化したクリトリスに、触手の蔦が迫る。狭い穴が空いていて、棒を入れるには丁度ぴったりの大きさだった。
「まっ……まさか、そんなことされたら……あぅぁああああああああああああぁぁぁぁっ!」
触手に肉棒を飲み込まれ、シュテルの意識は一瞬飛んだ。
重力の方向すら分からなくなり、目が覚めてからは半狂乱になって叫んだ。
「助けて! ここから出して下さいぃっ! ひゃぅぅっ、いやぁぁぁぁ……」
恐怖と錯乱の中でさえ、脳髄を芯から刺す快感の波がシュテルを襲っていた。
怖い、気持ちいい、怖い、気持ちいい、怖い、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい……
頭がおかしくなりそうだった。今にも殺されそうなのに、肉体は快感だけを脳に伝えてくる。
肉棒が触手の中でじゅぽじゅぽと音を立てる。それだけでも飛びそうなくらい感じまくっているのに、更に締め付けてくる。
多量の粘液が絡みつき、今まで感じたこともない鈍い疼きが背筋に走った。
「あぐっ……やめ、それ以上は……出る、何か出ちゃいますからぁぁぁぁぁぁぁ……」
弱々しい声で哀願するが、無論意味はない。
嫌なのに、怖いのに、死にたくないのに……ぎゅっと緑色の蔦が肉棒へ深々と刺さった瞬間、シュテルは果てた。
白目を剥いて痙攣し、肉棒を脈動させる。
何か液体が先端から出ていったのが分かって、ああこれが精液なのかと呆けた頭で直感した。
その次は膣内射精。絶対孕むと思える量がどくどくと胎の中に入っていって、シュテルはただその様子を虚ろに眺めるだけだった。
「あはは……ははははは……」
不思議と恐怖が消え失せ、快感と愉悦だけが残るようになった。
射精して敏感になった肉棒に絡みつく触手に、嬌声を上げるようになる。
「ふぁぁっ……もっと、もっとじゅぽじゅぽして下さいぃ……いっぱい出させてぇ……」
シュテルはこの時悟った。これから一生、この化物の苗床にされ、更に化物に種付けし続ける運命が待っているのだと。
本当に不思議なことに、不快な感じはない。肉体に与えられる快感に支配されてしまったかのようだった。
この霧にも、恐怖を和らげる効果があるのかもしれない。
また、白い霧が濃くなっていく。肉棒を包み込んだ触手がまた蠕動を始め、シュテルの理性は失われた。
「ひゃぅ……まだ出る、出ちゃいますぅぅぅっ!」
虚ろな視界に何も映さぬまま、シュテルは触手の中で二度目の射精を迎えた。
-
以上。
そろそろセインちゃん中編も終りにするよ!
ではまた。
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