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【習作】1レスSS集積所【超短編】

431名無しさん:2017/05/03(水) 23:57:34 ID:ySYPaGnY0
>>427
ギャグごちそうさまでした
開幕の「さあ、私の傘をお食べ!」で笑いました
会話テンポも良いし好みのタイプです
なによりマタンゴちゃん可愛い

>>430
これは続きが読みたくなる作品
のんびり屋さんなマタンゴちゃんがすごく可愛いです
そして移動方法の発想が素敵でした

こうやってSSの輪が広がっていくのは嬉しいですね

432名無しさん:2017/05/04(木) 19:13:10 ID:quPYmig60
「じゃんけん、ぽん!」

バジリスク先輩の出した手の形を見て、僕は喜びのあまり飛び上がってしまった。
無事に畳の上に着地した僕は、はやる気持ちを無理やり押さえながら、ガックリと項垂れる先輩に命令する。

「さ、先輩。野球拳なんですから、項垂れてないで身に付けた物を脱いでもらえますか?」

喜色の強い僕の言葉に、片腕で胸を隠しパンツ一枚になっている先輩がビクリとその身体を震わせる。
今までは僕が先に全裸にされて、散々先輩にからかわれて来たが、今日は立場が逆転、とてもいい気分だ。

「・・・い、しても知らないからな。」

俯いたままの先輩が何か言っているが、所詮は敗者の戯れ言、全く気にする必要は無い。
わざとらしく胸を張り仰け反っていると、先輩は何故かパンツに手を伸ばさず、そのまま顔へと手を添えてしまった。

「先輩? な、何をしているんですか。」

先輩の様子が何かおかしい。
不安で声を上ずらせた僕を、添えた手に仮面を残したままの先輩が、今まで見たこともない素顔で、綺麗な真っ赤な瞳で真っ直ぐに見つめてくる。

この後僕を襲った悲劇については、最早言うまでも無いだろう。
ああ、折角のゴールデンウィークなんだから、先輩と少しは外でデートしたかったな・・・。

433名無しさん:2017/05/04(木) 19:26:29 ID:nJFcP4t.0
>>432
バジリスクの先輩と野球拳したうえに素顔も見れて
それからヤることヤッてとか何が不満なんだぁっ!
壁を殴りたくなる作品をごちそうさまでした。

434名無しさん:2017/05/04(木) 22:09:25 ID:o4m0W9xIO
「はあ……」

繁華街の駅前。クラシックギターを担いだまま、俺はため息をつく。
ここで歌い始めてから、数時間。
足元のギターケースには、申し訳程度の小銭が入っていた。数日前は、少なくとも数千円は稼げていたのが、今では信じることすら出来ないほどだった。

「あなたに〜伝えたい、私の気持ち〜♪」
「……」

隣から聞こえてくる、美しい歌声に顔をしかめる。
ちらりとそちらに視線をやると、鮮やかな翼を持つセイレーンの少女が、艶やかな声を披露していた。
周囲には、大きな人だかりが出来ており、足元の空き缶には沢山の金が入っていた。
聴衆に紛れて鋭い視線を送っているスーツの男性は、おそらく大手レーベルの社員だろう。

「もう、潮時か」

クラシックギターをケースにしまい、背中に背負う。
昔から音楽が好きだった。そして、歌には自信があった。
だから、大学進学と言い訳に、地元から都会までやってきた。
バイトをして生計を立てて、毎日のように自分で作った曲を歌った。勉強はいつも単位スレスレだった。
プロになれたら。
そんな甘ったれた事を考えながら過ごしていた。

けど、それももう終わりだ。
目の前で、これだけの差を見せつけられたのだ。
諦めても、良い頃合いだろう。

「みんな、ありがとー!」

彼女が歌い終えたのを確認して、財布から千円札を空き缶に入れる。
諦めさせてくれた事と、最後に素晴らしい歌を聴かせてくれた礼のつもりだった。

「初めて、私の歌、聴きに来てくれたね」
「……いつもゴメン。歌の邪魔だったよね」

微笑む少女から、目をそらす。
出てきた声は、不自然なほどにたどたどしかった。

「も、もう歌わないから。気にしないで」
「……え」

彼女の返答を聞かずに、俺は逃げるように走ろうとした。
けど、かなわなかった。
鮮やかな翼の魔物が目の前に回りこんでいたから。

「次の曲は、この人とデュエットで歌いま〜す♪」

そのまま、人だかりの真ん中へと連れて行かれてしまう。
困惑する俺に彼女は悪戯っぽく微笑んで耳打ちをする。

「ほら、お客さん待ってるよ」

周囲の視線に観念して、ギターを取り出す俺を見ながら、少女はくるりと回りながらこう言った。

「この人に憧れて、私もこの道を目指したの!」

ギターを構える。
声を張り上げる。
俺と、彼女のセッションが幕を開け始めていた。

435名無しさん:2017/05/04(木) 22:54:27 ID:RPpVSSx.0
>>434
うわぁ、なんかいかにも若者同士!って感じのSSですね
若さのせいで、こう、全身がムズムズしますw
フレッシュな作品をごちそうさまでした

436名無しさん:2017/05/07(日) 18:50:10 ID:95DpX76EO
「ふう……」

手元のページをめくりながら、紅茶を一口啜る。
長い時間放置していたせいで冷め切った紅茶は妙な苦味を口に残した。
なんとなしに窓を見れば、既に日は暮れ、白い月が浮かんでいた。

「もう、夜ですね」

隣で本を読んでいたリリムの少女の言葉に、頷きを返す。
彼女の長く伸ばされた前髪の下から、ちらりと美しい紅い瞳と長い睫毛がのぞいていた。

「休日、どこにも行かないまま終わっちゃいましたね」

肩を寄せ合いながら、本を読む。
目を向けると彼女の吐息の甘い香りがした。
普段はリリムらしからぬ目立たない少女だけれど、本当に綺麗だと思う。
読んでいるのは結構ハードな官能小説だけど……。

「いや、君が勧めてくれた本は面白いし、久々にゆっくり出来たから」
「良かったです」
「紅茶、淹れて来るね」
「あ、私も手伝います」
「良いから良いから」

お湯を沸かして、二人分の紅茶を淹れる。
のんびりと流れる時間。
僕には、その時間が何よりの宝物だった。

437名無しさん:2017/05/07(日) 19:38:01 ID:TjSCEvH20
>>436
休日の終わりにほっこり、ごちそうさまです

438名無しさん:2017/05/11(木) 21:04:26 ID:xojoJHaEO
「随分と晴れた」
「はい……」

五月の半ば、学校の昼休み。照りつける日差しに僕は額の汗を拭った。
昨日まで寒かったのが嘘のような陽気に頭がフラフラしてしまう。

「なかなかに暑い。キミの顔を見ればわかる」

隣に立つ彼女--氷の魔物であるグラキエスは無表情のまま、僕の額をなぞった。
ひんやりとした感触がじんわりとゆだった頭を冷やしてくれる。

「気持ちいい……でもいいの?暑くない?」
「大丈夫」

じわじわと体を冷やしながら、彼女はほんの少しだけ口角をつりあげる。
それが、彼女の全力の微笑みだと言うことを僕は知っていた。

「こうして、触った時にキミを喜ばせる事ができる。それが、嬉しいの」
「……ありがとう」

彼女の頭をなで返すと、ひんやりとした感触が伝わってくる。
同時に、彼女の心の暖かさにも、触れる事が出来た。

「帰りに、アイス屋行こうよ。奢るからさ」
「アイスクリーム……いいの?」
「うん、こうしてさわれる記念にね。この前貰ったクーポンもあるし、三段いっちゃおうか」
「チョコレートミント、チョコレートミント、チョコレートミントで三段。楽しみ」
「他の味は……?」
「今はチョコレートミントの気分」

食べるフレーバーを想像しながらくるりと回る彼女に苦笑する僕。
きっと他の味も食べたいと僕のアイスもねだるつもりだろう。
それも、いつもの事だ。

「そろそろ、授業始まるね」
「うん」

予鈴を聞きながら、次の移動教室に歩いていく。
絡め合った指の心地良い冷たさに、僕はにっこりと笑うのだった。

こうして暑い日も、なかなかに悪くない。

439名無しさん:2017/05/11(木) 21:48:07 ID:xojoJHaEO
「おはよう、朝ご飯出来てるよ」
「ふぁい……ありがとう」

寝ぼけ眼で大根と豆腐の味噌汁を啜るデュラハンの彼女を見ながら、僕は微笑む。

「ほら、じっとしてて」
「ふぁい……」

きっちりはまりきっていない首の継ぎ目からふわふわと漏れる魔力を止めるために指を当ててやると、彼女はされるがままに目を細めた。
早朝、何時もキリリとしていてかっこいい彼女が見せる数少ない隙だらけの時間。
こういう彼女の顔を独占出来るのは、心を開いてくれているみたいで嬉しかった。

「ふう、落ち着いた」
「……ふふ、おはよう」
「ああ、おはよう」

ご飯を食べ終え、何時もの調子に戻った彼女のネクタイを結んでやる。

「行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
「……その、いつものことだが大丈夫なのか?」
「最初は不安だったけれど、大丈夫だよ」

不安そうな彼女に、笑い返す。
彼女に言われて仕事を辞めてから一年、僕は主夫の仕事ばかりしていた。
最初は不安だったけれど、こうして彼女を支えられるのは嬉しかった。
今は、レパートリーを増やすために邁進中だ。

「そうか、杞憂だったな……行ってきます」
「いってらっしゃい」

彼女の頭をなでてから、僕は家に戻る。

「よし、今日も頑張ろう」

机の引き出しを開けると、僕の秘密の道具が出てきた。
小さな造花のセット。
僅かながら、稼ぐ事の出来る在宅の仕事だ。
彼女に隠れて、僕は働いていた。

「あと、もう少しだ」

壁のカレンダーを見ながら、僕は微笑む。
あと2日で、彼女との結婚記念日。
ケーキを買う位のお金が出来る筈だ。

「ふふ」

僕は、その日を夢見てニヤリと笑ったのだった。

440名無しさん:2017/05/12(金) 17:59:18 ID:5CnJ91h.0
暑い日が続く中、ほんわか甘い話を二作ごちそうさまです。

>>438>>439も、短い中で「あ、可愛いな」って思える箇所があって良いですね。
アイスの好みだったり、寝ぼけた様子だったり、すごく微笑ましいです。

また素敵な次作をお待ちしております。

441名無しさん:2017/05/17(水) 19:54:19 ID:RuX307XEO
「気が早いけど、買って来ちゃった」

日も暮れた、狭い庭の一角。
彼女の言葉を思い出しながら、僕はロウソクに火を灯す。

「準備、できたよ」
「ん、ありがとう」

ぼんやり、ゆらゆらと赤い炎が用意しておいた水入りのバケツを、そして天真爛漫な笑みを見せる彼女の姿を照らし出す。
トロールである彼女の大きな手には、近所のスーパーで買った線香花火のセットが入っていた。

「じゃ、はじめようか」
「うん……どうぞ」

彼女から花火を二本受け取って、先端の紙にろうそくの火を移す。
小さな火花が出たのを確認してから、一本を彼女に渡す。

「きれいだね」
「うん、綺麗だ」

パチパチ、パチパチ。

二つの火花が狭い庭と僕らを照らす。
赤くきらめく先端を落とさないように、手を動かさない事に気を使う。
浴衣なんて面倒なものは着ないから、二人とも普段着だ。風情もへったくれもない。

「あっ」

ぽたり。僕の線香花火が力尽きて光を失う。
ちょっと揺らしてしまったからなのか、先端の赤い部分が落ちてしまった。

「うう。僕の負けかぁ」
「いつの間に勝負になってたの?」
「なんて言うか、僕の中では線香花火は勝負なんだよ。どっちの方が長続きするかーって」
「……ふふ、男の子だね」

がっかり、首を垂れる僕に、彼女は笑って見せる。
その手にはまだまだ元気な線香花火が心なしか誇らしげに輝いていた。

「でも、残念。私も引き分けみたい」
「……え?」

すっ、と彼女は手をのばして、僕の消えてしまった線香花火の上に、火花を乗せる。
二つの持ち手の間で、パチパチと火花が囁く。
寄せられた彼女の身体からは、トロールの甘い香りと花の芳香。
夜闇の中、火薬の匂いと溶け合ったそれは、優しく僕の鼻孔をくすぐっていた。

「「あっ……」」

ぽたり。彼女の花火が消える。
なんとなく寂しそうな顔をする彼女の手に新しい花火を握らせる。

今度は、最初から一本を、二人で持とう。

442名無しさん:2017/05/18(木) 19:29:19 ID:v00yxusU0
>>441
情緒ある作品ごちそうさまです
二人で花火を持つなんて全力で壁を殴りたい衝動に駆られますね

443名無しさん:2017/05/19(金) 20:05:27 ID:6eBiw3RsO
「ほ、本当にこれを着るの……?」
「うねうね♪」

うねうね、ねうねう。
わたしの下で蠢くスライムちゃんの出してきた服に、スライムの寄生主であるわたしは何とも言えない声を上げた。
わたしとスライムちゃんとの付き合いは数年になる。
寄生された最初の頃は気持ち悪くて、何度も引きはがしたり、快楽に泣き叫んでいたわたしだが、意外なほどに面倒見の良い(掃除洗濯炊事ほか諸々完璧なのだ!)スライムちゃんにほだされて。
今ではスライムちゃんのいない生活が思い出せない位だ。
そんなスライムちゃんが選んだ服、着たほうが良いのだろうけれど……。

「うねうね♪」
「う、うん。本気……なんだよね。ラバースーツ……って言うんだっけ」

ごくり、唾を飲み込んでスライムちゃんが出してきた服を見る。
それはつやつやとした、伸縮性のある黒い素材で出来ており、首から下をぴっちりと覆う構造になっていた。
触るとぴちっと肌に吸い付くような触感。きっとスライムちゃんがローション代わりになってするりと着られてしまうだろう。

「ちょっと、駄目だと思う……」
「ねうねう……」

そう、着たら気持ちいい。それは間違いないだろう。
全身スライムちゃんの媚薬プールにつけられて、快楽の逃げ場がなくて悶え続ける事が出来る。
中に入ってきたスライムちゃんが処女子宮を縦横無尽に撫でさする性感を想像して全身がぞくりと泡立つ。
けど、けれどそれは駄目なのだ。

「で、デートに着る服だよ? 明らかにミスチョイスだよね?」
「うねうね!」
「ええ……冒険も大事?」

力強くうねるスライムちゃんの触手がわたしの体に覆い被さる。
ちょっとだけ見えた顔(?)が少しキリッとしていた。

「ひゃあぁ……女は度胸ってなんかちがっ……」
「うねうね♪」

そのままきていた服を器用に脱がされて、ラバースーツが近づいてくる。
体中を這いずるスライムちゃんの感触だけで気持ちよさが爆発する。

「ひゃううんっ……!」

結局快楽に負けて、スーツを着てしまうわたし。
待ち合わせの場所につくだけで、息も絶え絶えにされてしまった。

「……あの、その服すごくいいね!」
「!?」
「うねうね♪」

ちなみに、彼氏からは誉められて初夜まで行った。

スライムちゃん、恐るべし。

444名無しさん:2017/05/20(土) 13:11:22 ID:sA01VjDoO
「夕焼け、綺麗だね」
「はい……」

日暮れ時、寂れきった遊園地。
ぎしぎしと軋む古びた観覧車に二人、腰掛ける。
対面に座る少女--エンジェルの長い金髪と白い翼が、空気に溶け込むかのような儚げな輝きを放っていた。

「結構寂しかったけれど、楽しかったね」
「はい、まるで貸切みたいでした」

商店街の福引きで貰った割引券につられて来たけれど、本当に生きている廃墟と表現しても良いくらい、寂れた場所だった。
観覧車から見える全景も、どこかくたびれて見える。
僕ら以外に居るのは年老いた従業員の人達だけ。この観覧車も、居眠りをしていたおじさんに頼んで、動かして貰ったものだった。

ぎぃこ、ぎぃこ。

軋む音を立てて、観覧車は上に進む。
僕達は、ほとんど話さないまま外を見つめる。
彼女の小さな吐息の音が、耳朶を叩く。

「疲れは、とれた?」
「……1日歩き回って、疲れがとれたら異常ですよ」
「それも、そうだね」
「けど--そうですね。心は、少し軽くなったかも、しれません」

自嘲気味に、少女は笑う。その目には、心労で出来たクマが色濃いままだ。
魔物娘達がこの世界に現れて数年。
主神教のエンジェルの居場所なんて、ほとんど無い。
白い目で見られるだけならまだマシで、何もしていないのに、虐められる事もある。--そんな彼女を庇うのが、本来敵である筈の魔物娘だと言うのが、最高の皮肉だった。

「もう、私たちの時代は、終わったのでしょうね--この、遊園地みたいに」

彼女の細い指が、錆び付いたゴンドラを撫でる。
その目には、きらりと涙が光っていた。

「ただ、正しく生きて欲しかった。人に優しい人に、間違いを正せる人に、一生懸命、前に進める人に……なって欲しかったんです」
「……」
「けれども、それは息苦しい生き方なのでしょうね」

笑いながら、彼女は泣いていた。
僕はただ、何も言えなかった。
どちらが正しいかなんて、僕にはわからないから。
だから、かわりに。

「隣、座っていいですか?」

彼女の隣に座った。
甘い香りがする。さらりとした髪が触れる。
女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ている。彼女もきっと同じだろう。

「今日は、楽しかったですよ。遊園地」
「……はい」

手を握ると、暖かかった。

たまには、時代遅れも良いじゃないか。
僕はぼんやりとそんな事を考えていた。

445名無しさん:2017/05/21(日) 11:02:00 ID:jXi9pHTU0
>>443
寄生スライムちゃんで現代モノってのも新鮮でした
「うねうね♪」が可愛い

>>444
現代じゃエンジェルちゃん肩身狭そうですものね
ダークエンジェルちゃんになるっていう逃げ道はありますけど

446名無しさん:2017/05/21(日) 15:38:58 ID:fyvZi1isO
敗北した。
はじめから勝ち目なんて無い戦いだった。

「もう、ここももたないな」

とある教団国家、落日の日。教会の一室。
窓越しに見える黒くい太陽を眺めつつ、勇者は小さくつぶやいた。
狭い部屋の外から聞こえるのは魔物達と人間の嬌声。
一緒に避難しようと集めた人々も、ここまで逃げる間に全員が魔に染まっていた。

「……すまないな。お前の期待に応えられる勇者になれなくて」
「はは。最初から貴様は勇者に向かないと言っていただろう?」
「そうだな。いつも怒られてばっかだった」

勇者の対面には、白い翼を持つ天使--ヴァルキリーが座っていた。
その目には、勇者と同じく疲労の色が色濃く出ていた。

「貴様は優しすぎたのだ。勇者となるにはな」
「返す言葉もないな」

苦笑する勇者。
彼の腰についた剣は、ほとんど抜かれる事がない。
彼は、人の形をしたものを斬ることが出来ない、欠陥品の勇者だった。
泣いている魔女に飴を渡した時など、ヴァルキリーからの折檻は長時間に及んだ。

「……だが、それも美点だった。強くなければ生きることは難しいが--優しくなければ生きる価値はない」
「……そうか」

ヴァルキリーの言葉に、勇者は静かに立ち上がる。
その手には、剣が握られていた。

「なら--また、怒られてしまうな」
「何をする気だ?」
「俺が、道を開く。その間に逃げろ」
「おい、何を言っているんだ!」

ヴァルキリーの制止を聞かず、勇者は扉を開く。
彼の前には、侵攻を決めたリリムが立っていた。

「あら、自ら出てくるなんて……どうしたの?」
「すまないが……惚れた女の手前なんだ。カッコつけさせてくれよ」

リリムと勇者、二つの剣が交錯する。

その後のことは語るまでもない。
数ヶ月後、彼らが魔界で結婚式を挙げ、リリムの独身期間が少し伸びた。

447名無しさん:2017/05/21(日) 17:58:00 ID:fyvZi1isO
「うむ、なかなかじゃな」
「……どうしてこうなった」
「ん、どうしたのじゃ?」
「い、いや。なんでもない」

狭苦しいアパートの中、風呂上がりのアイスを笑顔で頬張る少女を前に、俺は彼女から見えないようにため息をついた。
「そうか? 大分辛気くさい顔をしてるみたいじゃが」
「……気のせいだ」

財布の中身を思い出す。
残り五千円が俺の全財産だった。
友人だと思った奴に騙されて、借金の保証人にされた時の事が頭をよぎる。
誰も信じられない。
世の中はズルい奴が勝つ。

そんな事を考えて、俺はある凶行に及んだのだ。

「しかし、誘拐とは、初めての体験なのじゃ」
「……そうだろうな」

すなわち、誘拐である。
小さな子供を攫って、身の代金を受け取る最悪の行為。
計画は上手く行った。
道を歩いている、可愛らしい少女(口調はちょっと変わっていたが)を後ろから押さえつけ、縛り。ハイエースにのせて家まで運んだ。
しかし、そこからは全く上手く行かない。
彼女に家を聞いても、家族はいるのかと聞いても要領を得ない。脅しても全く怖がる様子がないのだ。
口を開けば、魔界とかバフォメットとかよくわからない事ばかりだった。

「とはいえ、夜も遅い。帰るとするかの」
「帰る。だと?」
「うむ、魔界にな」

アイスを食べ終えた少女はさも当然とばかりに笑う。
その後ろには、よくわからない空間の歪みが出来ていた。

448名無しさん:2017/05/21(日) 17:58:58 ID:fyvZi1isO
>>447
ぎゃあああ。
書きかけ投稿してしまった……。

449名無しさん:2017/05/22(月) 20:55:26 ID:TdybJQqQ0
>>446
真面目なSSのはずなのにオチがギャグ風で笑えますね
>>447の続きもお待ちしています

そして自分は駄文を投下

450名無しさん:2017/05/22(月) 20:59:02 ID:TdybJQqQ0
SS作者にとって、題材にする魔物娘の選択にはもちろん好みがある。
サキュバスやドラゴン、ヴァンパイアに稲荷などは人気種族の筆頭だ。
彼女たちは元の存在からメジャーであるためとっつきやすく、設定部分でも話が作りやすい。
そういうところでマイナー系の魔物娘たちとは投稿SS数に差が出るのは、まあ仕方ないことなんだろう。
だけど僕は、ちょっぴり可哀想にも思ってしまうのだ。
もし彼女たちが自分の種族のSS数が少ないのを見たら、やっぱり少し寂しいんじゃないかと。

「……あの、わたし……その……」

でもね。
だからといってね、ワーバットちゃん。
僕なんかのところにお悩み相談に来られても困っちゃうんだけど。

「あっ、うぅ……あの……」

目の前のワーバットちゃんは、翼で頭を抱えたままプルプル震えてしまっている。
というのも、彼女たちは光にとても弱く、明るい場所ではこうして何もできなくなってしまうのである。
かろうじて用件は聞き出せたけれど、このままだと会話が中々前に進まない。

かくなるうえは……えい、豆電球にスイッチだ。

「私のSSを書いてほしいんだけど、できるわよね?」

部屋の照明が薄明かりになった途端、彼女は先程おどおどしていたのが嘘のように口調が変わった。
次第に薄暗い中に目が慣れていくと、彼女の目隠れフェイスにはニヤニヤと嫌らしい笑み。
暗闇の中での彼女たちは意地が悪い。その表情にははっきりと『僕が困っているのが面白いです』と書いてある。

「あのさ、どうして僕なの?」
「だってあなた、前にマタンゴの頼みを聞いてたじゃない」
「いや、あれは、だけど……」

確かに前にマタンゴちゃんから青春ぐらふぃてぃーなSSを頼まれたけれど、結局あれも別の人たちがちゃんとしたものを書いてくれたわけで。
僕も一応はSS書いてみたけど、正直最初は書くつもりはなかったっていうか、そういうわけでして。

「ワーバットSS、最後に投稿されたのがもう5年前なのよ?」
「それはそうだけどさ……」
「同じような状況だったのに、マタンゴだけSS書いてもらうなんて! 不公平よ、不公平!」
「あーうー、それを言われると……」
「私にも青春をちょうだい! みんなが羨むようなスクールラブライフを!」
「え゛? またそっち方面なの?」

キーキーと甲高い声で不満を述べるワーバットちゃんと、思わず変な声が出た僕。
まあでも、前回のマタンゴちゃんに比べれば、彼女たちの青春SSはなんとかなりそうではある……けれど。
ここで彼女の頼みを聞けばどうなるか。おそらく続々と「私も青春したい!」という魔物娘たちが押しかけてくるはずだ。
次はシー・スライムちゃんかバブルスライムちゃんか。そのまた次にはおおなめくじちゃん辺りだろう。

……どうしてこうも学園生活と縁が遠そうな子たちばっかりなんだろうか。

「ほらぁ、もし頼みを聞いてくれたなら――」

僕が返事をためらっていると、ワーバットちゃんは艶かしい声で囁きながら、こっちに身を乗り出してくる。
そして、僕の頬にちゅっと口付けると。

「――とっても良いこと、してあげちゃおっかな?」
「〜〜〜〜っ!?」

かなり衝撃的な台詞が飛び出てきた。
キスされた箇所を中心に、かあっと僕の顔に熱が集中してしまう。

「分かったから、書くから! 書くから離れて! お願い!」
「顔真っ赤にしちゃって、かわいいんだからー♪」
「あうぅ……」
「あ、お友達にも書いてもらえると嬉しいんだけどなー」
「はぁい、分かりましたぁ……」

これで僕もSSを書かないわけにはいかなくなってしまった。
おまけに他の人の分まで頼まれてしまって……他の人たちはこんな事情で書いてくれるのだろうか。
仕方ないから、頼もう。また1レスSSスレの人たちに協力してもらおう。
まあお題は『ワーバットちゃんで学校舞台のSS』なら……集まるのか、不安だ。

僕はがっくりとうなだれたまま、部屋の照明の紐に手を伸ばす。
上機嫌で翼をはためかせていたワーバットちゃんは、明かりがつくと「ひゃんっ」と可愛らしい声をあげて、またプルプル震え始めるのだった。

451名無しさん:2017/05/22(月) 21:05:10 ID:TdybJQqQ0
マイナー気味のワーバットちゃんにも愛の手を、というネタ
みんなでSSを書いてあげればワーバットちゃんも喜ぶかなーと
そしてみんな大好き青春SSなら喜びも倍増のはず

お暇な方はご一緒にお書きいただけると嬉しいです

452名無しさん:2017/05/23(火) 15:05:29 ID:NyY73..2O
「アントラセンにフェノチアジン……」
「うん……」

かりかり、かりかり。
カーテンを閉め切った第二図書室の中、僕はワーバットの同級生に、勉強を教えていた。
小さなシャープペンシルが動くたびに彼女の真っ白なノートに、僕の書いた内容が写されていく。
彼女に教えるようになってから、ノートを書くのに気を使うようになったのを思い出す。

「化学は、こんな感じだったかな」
「……ありがと」

数時間の格闘の末、彼女に今日の範囲を教え終えた僕は、背もたれに寄りかかった。

「いつも、ありがと……その、わたしのために時間とらせちゃって」
「いいよ、僕も勉強になるから」

いつも通りのやりとりに、苦笑する。
ワーバットである彼女は昼間にあまり目がよく見えない。一番前の席に座らせて貰ってはいるものの、やはり黒板の文字を見るのもひと苦労だという。

「けど、最近知ったんだけど、この学校ってヴァンパイアやワーバット向けの夜間授業あるみたいだよ。僕に聞くよりそっちの方が効率いいんじゃないかな」
「……うん。夜間授業の事は知ってる」

前髪の奥にある、夜を写したような黒い瞳を揺らしながら彼女は首を振った。

「だって、君と過ごす時間が……」

彼女の言葉と同時に、すうと部屋が暗くなる。
どうやら日が完全に暮れたようだ。

「一番、楽しいのよ」
「……!?」

一瞬、暗さに戸惑う僕に、覆い被さる影。
唇に触れる甘い感触。

「これは料金だから、明日もよろしくね」

闇の中、にっこり笑う少女に、僕は小さく頷くのだった。

453名無しさん:2017/05/23(火) 18:32:23 ID:zzNRpiXI0
>>452
短い中でワーバットちゃんの特徴がばっちり盛り込まれていて
それでいてほの甘い青春な雰囲気……お見事です
こんなの出されちゃうと自分のSSが恥ずかしくなるなぁ

454名無しさん:2017/05/23(火) 18:37:54 ID:zzNRpiXI0
ああ、もう。
お日様がずっと沈んでいれば良いのに。
そうすれば私は、先輩のことを……。

「どうかした?」
「あ、いえ……なんでも、ないです」

ワーバットである私は光がすごく苦手だ。
もし街を照らす夕日を、この日傘が遮ってくれなければ。
私はこの場で一歩も動けなくなってしまうだろう。
今は学校からの帰り道。
駅までの10分ほどの距離が、今日最後に先輩と一緒にいられる時間。
この時間が幸せで、それでいて、とても歯がゆくて。

「それなら良いけど、気分が悪くなったらすぐに言ってよ?」
「はい……ありがとうございます」

先輩。
大好きな先輩。
日光に当てられて、倒れてしまった私を助けてくれた、素敵な先輩。
普段はおどおどして何も出来ない私に、こんなにも優しくしてくれている先輩。

この想いを伝えたいけれど、光の中ではそんなことはできなくて。
でも先輩と一緒に過ごせるのは、日が昇っている間だけ。
だから私は、今も臆病なまま。
二人の関係はただの先輩と後輩というもの。
その先の一歩を、私は踏み出せないまま。

「それじゃ、また明日ね」
「はい、先輩……また、明日……」

駅に着くと、バイバイと手を振って、先輩は雑踏へと消えていく。
もう少し。あともう少しだけ、先輩が私と一緒にいてくれれば。
先輩に本当の私を見せてあげられるのだけれど。
待ってという言葉が私にはかけられない。
光の中では、私は臆病なのだから。

ああ、もう。
お日様がずっと沈んでいれば良いのに。
そうすれば私は、先輩のことを。
好きにしてしまえるのに。
きっと私のことを。
好きにしてしまえるのに。

455埃ある古本:2017/05/29(月) 22:17:13 ID:MA9Ub8KI0
学校に入学して1週間が経った。
魔物が制服を着て歩いている姿が目に入ると、思わず身構えてしまう。
それでも初日よりは落ち着いて行動していると思う。
入学式の時は、いつ襲われるのかと気が気でなかったから。
僕は少しだけ怯えながら教室に向かう。
その途中で、俯いている女の子がいることに気づいた。
彼女も魔物だ。
頭から生えた大きな耳と腕の代わりに広がっている翼。
ワーラビットともワーウルフとも違う薄い耳は、周囲の音を拾おうと小刻みに震えている。
ハーピーともワイバーンとも違う薄い翼は、華奢な体を包み込んでいる。

アンデッドじゃなさそうだと思って、入学式にもらった図鑑を開く。
他の人の邪魔にならないように壁に寄りかかってページをめくっていくと、彼女に似た魔物の挿絵が出てきた。
ワーバット。
夜行性の魔物で、昼と夜とで性格が変わるらしい。
昼は臆病で夜は強気。
ワーバットの特徴を見て思ったこと。
「なんで夜間学校に通わないんだろう」
近くに人が通り過ぎるたびにびくっと震える彼女を見て、僕は不思議に思った。


どうやらワーバットの彼女は、同じクラスの子だったみたいだ。
彼女の席は窓側の最後尾。
その場所でカーテンを閉め切って、彼女は背を丸めて授業を受けていた。
「おはよう」
僕が声をかけると、彼女は大きく体を震わせて驚いた。
「え? え?」
慌てて周りを見渡して、そして僕を見た。
「よ、よん……だ?」
「うん」
「そ、そぅ、なんだ」
ぼそぼそと喋る姿を見ると、苛めているんじゃないかと不安になってしまう。
これで夜になると性格が変わるとか言われても、全然想像できない。
「夜の方が元気だっていう話だけど、どうして夜間学校に通わないのかなって」
いつでも行きたい時間に通えばいい。
入学式の時に聞いたから、よく覚えている。
彼女は何かを言おうと口をパクパクさせるけど、声は出てこない。
「あー、うん。無理には聞かないよ。どうしてかなって思っただけだから」
あまり話しても困らせるだけかな。
そう思って離れようとすると。
「あ……」
「ん?」
振り向くと、彼女はうつむいたまま、じぃとこちらを見つめている。
「あた、らしい……おともだち、つ……つくり、たか…ったの」

それから少しだけ話を聞いた。
夜に会う友達とは仲が良かったけど、せっかく学校に来たんだからもっと色んな人と友達になりたかった。
でも日中に出会う人たちに話しかけようとしても、本当に話しかけていいのか不安だった。
戸惑っている内に話をするグループが出来て、入り込む隙間がなくなっていた。
少し涙が混じった声で、少しずつ、彼女は話してくれた。

「それじゃ、僕と友達になってくれるかな?」
僕は、この1週間、殆ど誰とも話をしてこなかった。
魔物と友達になれるか不安だった。
人間の学生は積極的に色んな魔物に話しかけていて、話しかけるタイミングが掴めなかった。
気づけば一人きりで、お話をするみんなを眺めていた。
彼女と同じだったんだ。
そう思って、手を差し伸べた。
「こんな僕でよければ、だけどね」
少し冗談めかして笑う。
彼女は何度も瞬きをして僕の手を見つめる。
「あ、あのあ、あ、あうぅ、あの」
「うん」
慌てる彼女を安心させようと頷いた。
「よ、よろ、しく……ですっ」
尖った爪のある両手で、僕の手を握ってきた。



そして爪が刺さった。
痛くて血が出てお互いに慌てたり謝ったりしながら、僕たちは友達になった。

456名無しさん:2017/05/30(火) 19:33:42 ID:1nD9aj6k0
>>455
これまたワーバットちゃんが可愛いSSですね
ワーバットちゃん、きっと内心では男の子に対して
「お友達からお願いしますってことよね(はぁと)」とか思ってるんだろなと

いやはや、ごちそうさまでした
やっぱり出会いの場面は青春っぽさが出てすごく良いですね

457名無しさん:2017/06/18(日) 21:01:47 ID:18Ha84I2O
「はぁ……」
「どうしたの? ため息なんてついたら幸せが逃げるよ?」
「アレですよ」
「ああ。アレかあ……」

ため息を吐いた僕が指さした物を見て、同居人であるサキュバスの先輩は渋い表情で頷いてみせた。
パサパサと彼女の羽が動きに併せて揺れる。

「買い置き。ないですよね」
「うん。たしか無かったはず」

リビングに佇む僕たちの目の前には、ちかちかと点滅する蛍光灯。
端の方を見れば、寿命が来ていることを叫ぶように真っ黒だった。しかも、左右二本とも。
最近調子が悪い事は知っていたけれど、忙しさを言い訳に買いに行くのをサボった結果だった。
部屋が真っ暗になったり、明るくなったり。なかなかに忙しい。

「近所の電器屋……はもう閉まってるし。今日は通販で頼んで、明日付け替えかな」
「えー。明日お出かけでも良いじゃん。久しぶりにデートしたいし。あ、目に悪いから。これは消しとくね」

先輩の言葉と同時にパチリと電源を切る音。真っ暗になる室内。
明るいところから急に暗くなったせいで、周りが良く見えなくなる。

「でもこれだと僕が何も見えないんだけど……」
「大丈夫。代わりのものなら見つけたから」

不平をいう僕の前で、ぽう、と小さな明かりが灯る。
彼女の手元には、いつの間にか、小さなろうそくがあった。
サキュバスの魔力で作られた桃色の炎がゆらゆらと室内を照らしていた。

「こういうのも。悪くないでしょ?」
「……うん。たしかに良いかも」

ウィンクする彼女に、頷く僕。
暗闇の中、仄かに照らされる彼女の姿は、どこまでも扇情的な、妖しさを持っていた。
翼も、角も、尻尾も、闇の中では普段の親しみやすい彼女からは想像も出来ないくらい。危険な麗しさを秘めている。
先輩の白い肌の上に刻まれた快楽のルーンが、魔力の炎に反応して薄く輝いていた。

「ふふ、今日は積極的なんだね」

キスをせがんだのは、どちらからか。
妖しい炎に照らされながら、唇の粘膜を触れあわせる。
強い刺激を求めて舌を出すと、ちゅう、と吸われて唾液が纏わされる。
お返しとばかりに入れられた暖かな舌に歯列を丁寧に舐め溶かされると、くにゃりと力が抜けてしまう。

「キスだけじゃ収まりなんてつかないよね」

唾液の橋を作りながら、妖しく笑う彼女に、頷く僕。

結局、次の日に蛍光灯を買いに行ったけど、未だに付け替えは終わってない。
……夢中になってしまったからだ。

458名無しさん:2017/06/19(月) 21:42:56 ID:lfCGbgE.0
>>457
イチャイチャ短編ごちそうさまです
毎日さぞかし(性的に)豊かな生活を送ってるんでしょうなぁ

459名無しさん:2017/06/20(火) 23:01:03 ID:CtAeYXyM0

「「あっ」」

それは、一瞬の接触だった。
棚に陳列された、一冊の本……それを取ろうとした自分と、目の前の女性の手が重なってしまったのだ。
変な誤解をされても困るので、自分は慌ててこの事故が故意のもので無かったことを弁明する。

「ご、ごめんなさい……この本を取ろうとしたら、たまたま手がぶつかってしまったみたいで」

「い、いえ。こちらこそ済みません……まさか、そちらも同じ本を取ろうとしてたなんて思慮が至らなくて」

余計な心配だったようだ……少し安堵する。
目の前の女性は、見た目20歳前半といったところか。ウェーブした茶色がかった黒髪が、ちょっとふわふわしていて可愛い。
衣服はこの辺りでは珍しい……というかやや奇抜だ。
綺麗な肩を露出したノンスリーブに、トランプのクローバー柄をあしらったグリーンカラーという下世話ながらちょいセクシーな衣装に、
ネックと両腕のアーマーという「兵隊さん」染みた装甲が、妙にミスマッチだが、それが妙に背徳的……いかんいかん。
お世辞にも女性とまともに付き合った経験があるとは言えない自分にとっては、ちょっと目の毒というか煽情的というか、
流石に直視すると結構膨らみのある胸元に視線が向きかねないというか、かといって素肌を凝視するのも失礼というか、
……まぁなんだ、自他ともに認めるウブな自分は、微妙に女性から視線を外しながら会話を進めようとした。

ちなみにここは、親魔物領の片隅にひっそりと建っている古本屋……
決して大きい訳ではないボロッチィ店だが、反面品揃えは昔人気を博した一般文芸から専門書、果ては官能小説まで
意外な「掘り出し物」が見つかると評判の隠れた穴場だ。
どちらかというと中年のおっさん、せいぜい俺みたいな20代後半のしがない趣味人が立ち寄るようなアングラな場所に
このような色っぽさを携えながらも清楚美人な女性がいるのは結構珍しい気もするが……そういうこともあるのだろう。

自分と彼女が手にしていたのは、やや黄ばみがかった「戦史もの」のハードカバーだ。
それもこの世界の物品ではない……数年くらい前に、リリムの何女だったかが接触したとかいう「チキュウ」なる異界から持ち込まれた、
その世界における、それはもう凄惨な戦争に携わった人々の物語を記した類のもので、とてもだが女性が読むイメージの本ではない……

「こういう本……読まれるのですか?」

「えぇ。ちょっと変わってるってよく言われますけど、興味深いんですよ。
 決して面白いわけじゃなくて、やっぱり悲惨で目を背けたくなる描写も多いんですが……それでも、そういった本って
 世界が決して優しくなかった時代でも、懸命に生き抜こうとした人たちの、決して忘れちゃいけない『記録』じゃないですか。
 だから、世界が変わりつつある今だからこそ、そういった物語は大事に未来へ繋げていきたいと、私はそう思うんです」

凛とした女性の眼差しと微笑みに、つい先ほどまでよからぬ想像をしていた自分自身を恥じた。
古本屋に訪れる様な変わり者かと思えば、しっかりした女性ではないか。
過去から語り継がれた『物語』に決して偏見を持たず、真摯に受け止めようとするその姿勢。
物語をただ単純に娯楽として読み漁るくらいしか能のない自分が、少し情けなくなってしまった。

「……自分も、素敵だと思いますよ、上手くは言えないのですがそういうのって。本はお譲りします」

「あ、ありがとうございます」

女性は頭を下げると、アコースティックギターを演奏していた老年の店主の元へと駆け寄り、本の会計を済ませる。
店からの去り際、彼女を見送ろうとしたその刹那……その女性は「姿を消した」。
消したというのは語弊があるが、厳密にいうと彼女は「巨大なトランプ」に飛び込み、そのまま目の前から消失してしまったのだ。

「魔物……だったのか」

店に戻ると、文庫の陳列棚から一冊の小説がはみ出していた。ふと手に取ってみると、そのタイトルは『不思議の国のアリス』。
何となくだが、彼女からのメッセージに思えた自分は、その本を手に、ギター演奏を再開しようとしている店主の元へと向かった。

460名無しさん:2017/06/20(火) 23:04:33 ID:CtAeYXyM0
他の皆様に触発されて、自分も未熟ながら数年ぶりにSSっぽいものを書いてみました……
求められてるSSの内容とあまり噛み合ってなかったら済みません。

461名無しさん:2017/06/21(水) 19:10:32 ID:gzlt60lM0
>>460
丁寧な描写の作品をごちそうさまです
真面目なトランパートちゃんというのも珍しいですね
またお気軽にSSを投稿してください

462名無しさん:2017/06/21(水) 19:57:20 ID:obbpp/5kO
豪雨が降った後の夜の帰り道。

「あー。晴れた晴れた」

澄んだ色の夜空を見上げて、伸びを一つ。
ついでに息を深く吸い込んだら肺の中に蒸し暑い夏の空気が一杯に入ってきて、僕は顔をしかめた。
傘をささなくても良くなった代わりに、今度は蒸し風呂である。
豪雨の後は大体晴れ。
梅雨が終われば、不快指数の高い夏がやってくる。
昔から夏が好きでは無い僕にとっては、まだ雨が降り続いた方がましなのだ。
暑い上に--

「どしたの? そんないやそな顔して」

夏の風物詩。
プーンという、人類の天敵の羽音。

「夏が来るからだよ」
「ええー、良い季節じゃないの」

不機嫌そうに顔を上げると、そこにはある夏の昆虫--をかたどった姿の同級生の魔物がニヤリと笑っていた。

「雨は降らないし、植物は元気な緑になるし--何より、君が半袖になるから吸いやすいし」
「僕は蚊が嫌いだって言ってるだろ……」

鋭い歯を見せて笑う少女の姿に眉間に皺がよる。
そう、彼女は蚊の魔物、ヴァンプモスキートだった。
蚊は僕にとって不倶戴天の強敵である。
あの抜けがたい痒みに肌の弱い僕は悩まされ続けてきた。
今では数年前に流入した魔界の技術で痒みなどは抑えられるようになったけれど、それでも未だにあの羽音が聞こえると首をすくめてキョロキョロしてしまう。
そもそも、人間にとって蚊は人間以上の天敵なのだ。
マラリアなどの伝染病で命を落とした人が沢山いる。
だから、不快に思うのは僕だけのせいじゃない。本能だ。

「ふーん……でも、君ってさ」
「な、なんだよ」

プーンと、耳に響くあの羽音。
思わず首をすくめる僕の後ろに、彼女はいつの間にか回り込んでいた。

「蚊がキライって割には。血が美味しいよね」
「……」

ペリペリと首筋に貼っていたかゆみ止めのシートが剥がされる。
むき出した肌の上にあるのはじくじくとかゆい、虫さされ。

「健康な方が美味しいって言ったら、毎日ジョギングしたり、お野菜をバランス良くとってくれたり」

意地悪な声を出しながら、首筋を舐める少女。
痒みが独特の快楽に変わる、不思議な感覚が襲ってくる。
振り返れば、相変わらずの天敵の不敵な笑み。

「蚊は嫌いだよ……でも」
「でも?」
「……君は、好きだから良いんだよ」

それが真っ赤に崩れた所を見ながら、僕は痒みとも快楽ともつかない。彼女の歯に身を委ねていた。

463名無しさん:2017/06/22(木) 18:54:53 ID:m/pWcK/s0
>>462
お天気にタイムリーなSSごちそうさまでした
ヴァンプモスキートちゃんらしさと情景のマッチした良いSSですね
最後に照れちゃうところが可愛らしい

464名無しさん:2017/06/26(月) 16:51:40 ID:s9En9B8o0
「おいすー」
「よう脳内お天気バカ河童」
「町内一美人のエロ河童? やだ、本当のことを堂々と!」
「河童以外言ってねえよバカ」

「いやー、梅雨ですねー。最高の時期ですねー!」
「最悪の時期だっての。ジメジメするわ、バカは来るわ」
「そこは『お前に会えるからいい時期だな』でしょー!」
「お前自身が言うんじゃねーよ」
「とかいーつつも、昨日と同じく、氷水につけたきゅうりと自家製味噌の横には、
 何故か二人分の取り皿があるのでございました」
「うるせっ」
――――――――――――――――――――
浮かんだものをそのまま。
地の文なくても気軽に書けるのがいいね、このスレ。

465名無しさん:2017/06/27(火) 18:58:32 ID:FGqs83LE0
>>464
あ、良い。なんか良い会話

466名無しさん:2017/07/11(火) 14:33:25 ID:v40936eg0
デユラハン「くっ、敵国の軍に囚われてしまった……このままでは殺されるよりもひどい目に……」

将軍「くく……いい女じゃないか。兵士の慰み者にしてやろう。
『態度はでかいがおっぱい揉んだだけで下着の中に射精しちゃう系早漏ツンデレ耳年増ショタ兵士』の慰み者にな」

デュラハン「(そう焦ることもないか)」

467名無しさん:2017/07/11(火) 22:37:09 ID:qYUj.SR.0
>>466
むしろご褒美ですなw
(そして終了スレ流しage)

468名無しさん:2017/07/12(水) 16:52:14 ID:arNLr99U0
結局リャナンシーちゃんの批評云々言っていた輩共は別スレ立てず

リャナンシーちゃんも来なくなったね。

希望すればリャナンシーゆあん来てくれるのかな?

来てくれるなら希望したい。んで批評云々言って何もしない輩は
来ないで欲しい。

469名無しさん:2017/07/12(水) 19:08:30 ID:L9z9tkIQ0
>>466
早く慰みものにされるシーンを書くんだ

470名無しさん:2017/07/12(水) 21:42:23 ID:L9z9tkIQ0
>>468
そういうケンカ腰のレスしてたら駄目だよ
リャナンシーちゃんも怖がって来なくなるって

471名無しさん:2017/07/12(水) 22:07:03 ID:Fa/5DXVE0
>>468
元リャナンシーの中の人だけど、書いてくれたら書くよー。
……まあ、他の人がうるさいって言うなら辞めたほうがいいと思うけど……。

472名無しさん:2017/07/13(木) 16:48:44 ID:0HXGt0fI0
反対する筋合いのある人間なんていないと思うよ
リャナンシーちゃん達が出て行ってからスレがまた更地になったんだから
過疎化を見過ごして来たのに文句を言おうなら勝手が過ぎる

473名無しさん:2017/07/13(木) 18:01:09 ID:gKHRMZIo0
批評スレ立てようかって話で急にキレてスレ立て反対しだした人がリャナンシーちゃんのことを余計だと言ってたもんな
ほんと自分勝手だし短気すぎるわ

474名無しさん:2017/07/13(木) 19:31:49 ID:0Cfx6hFg0
本当に正義感で言ってたと思わないほうがいいぞ

ちょうどつつけそうな遊び道具があったから
壊れるまで遊ばれただけってのが案外真相だろう。
なんでもかんでも真摯に対応すれば良いという訳じゃない。何にでも突っかかりたい輩は雑音と断じ、無視する強硬さも時には必要だ

475名無しさん:2017/07/13(木) 21:03:50 ID:Ghy43cHY0
妬ましいの。
貴方が妬ましいの。
ああ、ああ。
妬ましくてたまらないわ。
妬ましいのよ。

何が妬ましいって、それよ。
貴方のその言葉よ。
『愛してる』って、その言葉よ。
どうして、どうしてなのよ。
貴方の『愛してる』は、こんなにも私の心を揺さぶるのに。
私からの『愛してる』は、ちっとも貴方の心に届かないんだわ。
同じ『愛してる』なのに何が違うっていうの?
ああ、妬ましい。妬ましくて妬ましくて気がおかしくなりそう。

ちゃんと届いてるって? そんなはずないわ。
私の『愛してる』が届いてるなら、貴方はそんなに落ち着いていられないはずよ。
だって私は、貴方に『愛してる』って言われると、それだけで気が遠くなりそうなの。
魂だけの私が、愛おしさで燃え尽きてしまいそうになるの。
胸が苦しくて、熱くて、もうどうにかなってしまいそうになって。
涙が溢れそうなほどに……貴方の言葉が嬉しくて。

貴方の『愛してる』は、こんなに厄介で、素敵だっていうのに。
私が『愛してる』って言っても、貴方はこうならないでしょう?
妬ましい、妬ましいの。
私の『愛してる』の、何がいけないの?
私の方が貴方を『愛してる』はずなのに。

ああ、妬ましい。貴方は本当にずるいわ。ずるくて、酷い人ね。
何か秘密があるんでしょう? 教えてちょうだい。

そんなの無い? 妬ましい、貴方ったら嘘を言うのね。
妬ましいわ。笑ってごまかそうなんて、そうはいかないわよ。
さあ教えなさい。貴方の『愛してる』に、どんな秘密があるの?

ほら、また『愛してる』だなんて言って。
私は一層、この心が愛で焦がれてしまうのに。
ああ、妬ましい。貴方が妬ましい。
何をニヤニヤ笑っているの? 早く白状した方が身のためよ。
まあ、貴方ったら。妬ましい、妬ましいわ。
私はこんなに悩んでいるのに、貴方は分かったような顔をして。

妬ましい、妬ましい。
ああ、ああ。
妬ましくてたまらないわ。
もう、貴方ってば。
妬ましくて、愛おしくて、変になりそうよ。

貴方ってば、もう。
まったく、妬ましいわ。

476名無しさん:2017/07/14(金) 15:59:10 ID:WHtNQUyk0
リャナンシーちゃんも希望すれば戻って来てくれるようだし、また活性化
すると登校する人も増えそうだし、嬉しい限りだ。
雑音はスルーするしかないね。

477名無しさん:2017/07/14(金) 16:50:27 ID:WHtNQUyk0
連投すみません。以前、投稿しなかったお話。

「へぇ〜男の人の部屋って……あたし、初めて入りました」

魔法学校の放課後、一緒に登下校しているトトとサーヤ。
帰り道、ひょんな会話からトトが持っている魔石を見せてもらえることになった。

「はは……ちらかっていてごめんね」
「そんな事ないですよ。あたしの部屋なんかより、ずっときれいですよ」
「ありがとう。ちょっと待っていて、今何か飲み物持ってくるから」
「はーい」

そう言ってトトは部屋を出て行った。
サーヤはベッドにちょこんと座り、辺りを見回す。
本棚にはきちんと整頓された魔法書や、魔法生物の図鑑。
机の上には魔法研究部で発表された魔石が飾ってあった。
そして、その横には皆に冷やかされ照れながらも、夏の海水浴で撮ったツーショットの写真。

「…………」

サーヤは『ふふっ』と笑うと何を思ったかバフっとベッドに倒れ込んだ。
俯せになり、柔らかい生地のシーツに顔を埋める。
トクトクと心の臓の音が自分でも驚くほど大きく脈を打っている。

(……先輩の匂い……いつもここで先輩は寝ているんだ……)

枕に頭をのせ、今度は天井をむく。

(先輩があたしのことを考えながら……って、それは欲張り過ぎか……あ……やだ
ちょっと濡れて……)

サーヤの下着が僅かに湿気を帯びた。
意識しなくとも、本能が高ぶるのだろう。
魔法学校の女生徒、サーヤはれっきとした魔物娘であり、魔女なのだ。
が、未熟なため『黒ミサ』には行けず、使い魔も使役できないが……。

(もっと魔力を高めて、立派な魔女にならないと……先輩にふさわしい彼女に)

サーヤは呆然とそんなことを考えていた。、
すると、ふと後頭部に何か平たいものがあたる感触を感じた。

478名無しさん:2017/07/14(金) 16:51:02 ID:WHtNQUyk0
(枕の下?……何だろう?)

サーヤはパッと枕をのけた。

「ひっ……!?」

そこにあったのは、『ド淫素人娘〜童顔の誘惑〜』『女の子をイかせる方法(初級)』
とデカデカと銘打たれ本だった。

「え……えと……そ、その……」

サーヤの頭の中は完全にパニックにおちいった。

(先輩もやっぱり男の人だから当然……でも私がいるのに? い、いや、でもやっぱりそういうのを求めるのは恥ずかしくて……)

その時、親友達からしょっちゅう言われている事を思い出した。

『サーヤが先輩の部屋に行くって事はエッチしてもいいよ、OKって事なんだからね』
『ちゃんと準備して、排卵日はちゃんと計算してる?』
『経験したらたら報告すること』
『あたし達は魂の友だもんね?』

(ああ…も、もしかして先輩は……わ、私と、そ、その、そういうことしたくて……)

嬉しいやら恥ずかしいやら、あたふたしている内に部屋のドアが開いた。

「サーヤちゃん、お待た……」
「あ……え!?」

止まる時間、その空間を包む気味が悪いくらいの清寂。
それをやぶったのはサーヤだった。

「すっごーい! こういう本、初めて見ましたぁ! 先輩も男の人なんですねっ!」

ぽむっと手を叩いてにっこり微笑むサーヤ。
そして再び止まる時間、その空間を包む気味が悪いくらいの清寂。
それをやぶったのはトトだった。

「ご、ごめん! 本当にごめん、サーヤちゃんが来るのにそんな……そんな本を置いていて!」
「あ、せ、先輩! そんな泣くことないですよ! あたしの方がもっとすんごいの持ってますから!」
「へっ……ほ、本当!?」
「ゴメンナサイ……ウソデス」
「あああ…………」

この世の終わりを告げられたような顔して床に伏せるトト。
いてもたってもいられなくなり、サーヤはベッドから降り、歩み寄った。

「大丈夫です、先輩。 こんなことで先輩を嫌いになったりしませんから」
「サ、サーヤちゃん……でも……」
「そんなに謝るくらいなら……罰として顔を上げて目をつむって下さい」
「あ……う、うん」

言われた通りに顔を上げ、目をつむるトト。

「先輩……好きです」

ふっと触れる柔らかい感触、それが一瞬だけ訪れた。

「え……?」
「もういいですよ、目を開けても」
「サ、サーヤちゃん、さ、さっきのって」
「ふふ、二人だけの秘密です。誰にも言わないで下さいよ、初めてのキス」

おしまい

上げてすみません。
リャナンシーちゃんを希望。柔めでお願いします。

479名無しさん:2017/07/14(金) 21:35:20 ID:LEUe8YQ60
>>478
まず君はこのスレが1レスSS投下スレってことを理解しよう
複数レスにまたがったSSを投下してる時点でマナー違反
リャナンシーちゃんに来てほしいのは分かるけど、ageてるのも含めて配慮が足りてない
ちゃんと謝って出直して来ようね

リャナンシーちゃんもお願いだから甘やかさないでね
折角戻って来れるかもしれない状況なのに、違反者の相手をしちゃうと事例として良くない
せめて謝罪レスを確認してから批評をお願いします

480名無しさん:2017/07/14(金) 22:05:06 ID:bmsuYnRU0
そうだな、ここは1レスSSであって自治厨が好き放題スレでもない
確かにマナー違反ではあったけど謝罪要求とか馬鹿かと
お前はゴルスタ運営か何か?

481名無しさん:2017/07/14(金) 23:04:04 ID:LEUe8YQ60
>>480
俺に突っかかっても何も良いことないぞ
違反しちゃった奴が謝って、次は気を付けてねってことにしてからリャナンシーちゃんが来てくれた方が丸く収まる話じゃないか
これで俺らが喧嘩でも始めようものなら、更にリャナンシーちゃんもレスし辛くなるだろ?
止めようぜ。喧嘩して喜ぶのは荒らしだけだ

482名無しさん:2017/07/14(金) 23:11:01 ID:bmsuYnRU0
SS書いた人が荒らしとは恐れ入る
リャナンシーちゃんも自治厨が我が物顔で闊歩するところには居たがらないだろうな

483名無しさん:2017/07/14(金) 23:35:02 ID:2n7gau.I0
>>482
レッテル貼り、煽りに、相手の意見無視。

まだこのスレ荒らしがいるのか・・・。

484名無しさん:2017/07/14(金) 23:39:32 ID:bmsuYnRU0
素晴らしいブーメランの持ち主だな
ただ相手のマウント取りたいだけのガイジよかマナー違反だろうと作品投下した奴の方ががよっぽどマシだろうに

485名無しさん:2017/07/14(金) 23:46:23 ID:LEUe8YQ60
じゃあみんなでSS書こうぜ
それで投下すれば良いんだよ
まさか書けないなんて言わないよな?

486名無しさん:2017/07/15(土) 00:15:16 ID:hC9iIJQI0
なんでこんな急に治安悪くなったんだ・・・
ぶっちゃけこのスレ閉鎖して大人しく短編集としてCGIに投稿した方がいいんじゃないかな・・・結構ガチで
ここはもう何やったって炎上するし、させたい人もいっぱいいるから触らんほうが良い。

リャナンシーちゃん・・・ってか、その中の人もだいたい特定されてるから言っておくけど
今はマジで戻ってこない方が良い。匿名ならまだしもほとんど名前が割れてるのにこの状態で戻ってきたらヤバい
あなたを待ち望むファンもたくさんいるのは分かってるけど、
鬼畜軍曹も鍵山白煙も消えた今、このクロビネガで一番アンチが多いのもおそらくあなただ。
大概、謂われない中傷が殆どだが、ここの殆どの投稿が貴方だったというのは正直言って賛否両論あっても仕方ない。
そういう所を執拗に叩く奴が出て来るのは断言できるし、それへの反論でさらに収集が付かなくなり炎上するのは目に見えてる。
もちろん、あなたが悪いとは思わないがただ、この状況を鑑みて察してくれるとありがたい。

487名無しさん:2017/07/15(土) 00:29:12 ID:U7bqT7aI0
犬コピペ改変SS

犬  「何処いくの!? 散歩!? ねぇ! 散歩! 散歩いくの!?」
飼い主「仕事だよ」
犬  「本当!? 散歩じゃないの!? リード持たない!?」
飼い主「あぁ、仕事だからリード要らないよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから仕事わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でも仕事なんだ! そうなんだぁ! じゃあ着いてっていいんだよね!」
飼い主「違うよ。お留守番だよ」
犬  「そうかぁ! じゃあお留守番だね! 守ってよう!」
飼い主「うん、守ってようね」
犬  「あぁ! お仕事だからお留守番だね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、いい子で待ってていいよ」
犬  「あぁーご主人様とボクは今家を出てているよー! お散歩だよねぇー!」
飼い主「お留守番しててよ」

 ◇

犬  「投げるの!? それ、投げるの!? ねぇ!ボール! ボール投げる!?」
飼い主「あぁ、投げるよ」
犬  「本当!? ボール投げるの!? 嘘じゃない!?」
飼い主「あぁ、ボール投げるから大丈夫だよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから投げたふりとかわかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でもボール投げるんだ! そうなんだぁ! じゃあ取って来ていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。取っていいんだよ」
犬  「よかったぁ! じゃあ投げようね! ボール投げよう!」
飼い主「うん、投げようね」
犬  「あぁ! ボール投げるからボール取れるね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、ボール見てていいよ」
犬  「あぁーご主人様がボールを今投げているよー!」
犬  「ボールないよ! ボール!」
飼い主「投げたふりだよ」

 ◇

犬  「渡るの!? これ、渡るの!? ねぇ! 信号! 信号渡る!?」
飼い主「あぁ、渡るよ」
犬  「本当!? 大丈夫なの!? 赤じゃない!?」
飼い主「あぁ、青だから大丈夫だよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから色わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でも青なんだ! そうなんだぁ! じゃあ渡っていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。渡っていいんだよ」
犬  「よかったぁ! じゃあ渡ろうね! 信号渡ろう!」
飼い主「うん、渡ろうね」
犬  「あぁ! 信号青だから信号渡れるね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、前見てていいよ」
犬  「あぁーご主人様とボクは今信号を渡っているよー! 気をつけようねぇー!」

 ◇

犬  「眠るの!? 僕、眠るの!? ねぇ! 今! ここで眠る!?」
飼い主「あぁ、眠るよ」
犬  「本当!? 大丈夫なの!? ただ疲れただけじゃない!?」
飼い主「あぁ、15年も生きたから大丈夫だよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから歳わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でも15年も生きたんだ! そうなんだぁ! じゃあ眠っていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。いいんだよ」
犬  「よかったぁ! じゃあ眠ろうね! 穏やかに眠ろう!」
飼い主「うん、眠ろうね」
犬  「あぁ! 15歳だから大往生だね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、静かに眠っていいよ」
犬  「あぁーご主人様は今ぼろぼろ泣いているよー! 笑って見送って欲しいよー! 今までありがとねぇー!」

 ◇

クー・シー「天国!? ここ、天国なの!? ねぇ! 天国! 本当に!?」
飼い主  「いや、違うよ」
クー・シー「本当!? 本当にご主人様なの!? 嘘じゃない!?」
飼い主  「あぁ、本当だから大丈夫だよ」
クー・シー「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だからあの世とかわかんないから!」
飼い主  「違うよ、もう犬じゃないよ」
クー・シー「うん! でも天国じゃないんだ! そうなんだぁ! じゃあご主人様と離れなくていいんだよね!」
飼い主  「そうだよ。離れなくていいんだよ」
クー・シー「よかったぁ! じゃあ散歩いこうね! 一緒に歩こう!」
飼い主  「うん、歩こう」
クー・シー「あぁ! これからずっと一緒にいられるね! ね、ご主人様!」
飼い主  「うん、ずっと一緒だよ」
クー・シー「あぁーご主人様とボクはずっと一緒だよー! 幸せだねぇー!」

488名無しさん:2017/07/15(土) 01:44:06 ID:UouuTg760
>>484
いや……投稿する以上最低でもマナーは守るべきだろう……

489名無しさん:2017/07/15(土) 01:54:25 ID:fJZM3zj.0
>>487
やめろ、その話は俺に効く・・・やめてくれ・・・
いや、話としてはいいんだがね
そのなんだ、心にくるんだ

490名無しさん:2017/07/15(土) 02:22:58 ID:rDW8IA7IO
空を飛ぶためには、大切な事があるのだと、少女は言った。
彼女は翡翠色の美しい翼を持ったワイバーンだった。
蒼い空を自在に翔る彼女の姿は宝石のようで、他の誰よりも美しいと評されていた。

「空を飛ぶために大切な事。それは、一体どんな事なんですか?」
「うーん、一言で言うなら、愛かな?」

手作りの飛行機械を飛ばす準備をしながら質問する僕に、彼女は柔らかく笑ってみせる。
さらりとした銀髪が飛行機械の作る風を含んできらきらと光った。

「愛?」
「そう、愛情なんだ」

訝しげな声を上げる僕の唇を、彼女の竜の指が優しく塞ぐ。
ジワリと伝わる。少女の体温。

「この空は広くて、本当に広くて。そして自由で」

少女は一旦言葉を切る。
風が頬を撫でた。

「独りきりじゃダメなんだ」

彼女の言葉が終わる。
飛行機械のセットアップが完了する。
プロペラがバタバタと音を立て始めた。

「だから、僕は君に追いつこうと思って、これを作ったんだ」

僕は、小さく首を振った。
愛が大切なら、僕だって飛べる。
彼女の隣で、飛びたかったのだから。
さみしそうな顔をする彼女から目をそらす。
機械が飛び始める。
しがみつく僕の身体がガクガク揺れる。
ゆっくりと重力のくびきを断ち切る機械の翼。
ふわりと感じる独特の浮遊感。

そして、ぎしっという不吉過ぎる音。

「うあっ!?」

真っ二つに折れる機械の翼。
実験では上手くいったのになんて言い訳は通用しない。
投げ出された身体が中空に浮かぶ。

掴むものの無い。孤独なソラ。
一直線に落下する僕。

「……!?」
「もう、言ったでしょ?」

叩きつけられる!
目を瞑る僕の体に衝撃はない。
いつの間にか、彼女が抱き留めていたのだ。

「独りで飛ぶ必要はないの」
「……」

翼で抱き留めながら、少女は僕を覗き込む。

「キミと居るだけで私はとべる」
「……」
「キミの翼は、私がなってあげる」

ふわり、再び体が持ち上がる。
ずっとずっと高い世界へと。
それは何時も彼女が飛んでいるよりもずっと上の世界だった。

491名無しさん:2017/07/15(土) 14:15:31 ID:U7bqT7aI0
>>490
爽やかなようで、少し苦味も感じられる作品をごちそうさまです。

492名無しさん:2017/07/15(土) 14:21:25 ID:U7bqT7aI0
子供が生まれたらクー・シーを飼いなさい。

子供が赤ん坊の時、
子供の良き守り手となるでしよう。

子供が幼少期の時、
子供の良き遊び相手となるでしょう。

子供が少年期の時、
子供の良き理解者となるでしょう。

子供が青年になった時、
自らの体をもって子供に命の生まれる仕組みを教えるでしょう。

そして子供が父親になった時、
子供の最愛の妻として幸せな家庭を築いていることでしょう。

493名無しさん:2017/07/15(土) 16:08:16 ID:CpWPHccs0
>>492
いいですな〜
・・・ところで、コボルドでもいいかな?

494名無しさん:2017/07/15(土) 21:10:20 ID:U7bqT7aI0
>>493
もちろんコボルドちゃんでも大丈夫なはずですよ。

何かこのスレがまた盛り上がる方法はないでしょうかね。
SSコンペの企画でも考えてみましょうか……。

495名無しさん:2017/07/16(日) 17:38:18 ID:6ZKxICyM0
「おデブのオチンチン臭い、ちゃんと洗っているの?」
「そんな……ノラ様が洗うなって言ったじゃないですか」
「んんん? そんなこと言ったかな?」
「まぁいいよ。おデブはチンチンの大きさだけは大人以上だし」
「あ、あの……ノラ様、その……できれば語尾に『にゃ』って付けてくれませんか?」
「えー、あれってさ、人間の幻想だって。 スフィンクス全員が『〜にゃ』なんてつけると思ってる? キモイんですけど、唾吐いてやる、んぐんぐ……ペッ!」
「そんなぁ〜、初めて会った時『逃がさないにゃ』って言ってくれたじゅないですか」
「あれは気分だよ、気分、その時の気分」
「お願いします、交尾頑張りますから」
「……はぁ〜しょうがないなぁ、いいよ、そのかわりちゃんと気持ちよくすること」
「はい、褐色猫娘様、万歳!」
「ったく返事だけはいい……にゃ。 じゃ、あたしのここに早速入れるにゃ」
「ノラ様のオマンコ、パクパクして……美しいです」
「ニャハハハ、照れるにゃ……じゃ、ここで問題にゃ!」
「はいい」
「1+1は?」
「任して下さい! 2ィ」
「お利口にゃぁ、じゃ、ハムがなっている木って何ていう木にゃ?」
「?????」
「はやく言うにゃ〜、ハムができる木にゃ〜素晴らしい木にゃ」
「ハムって何ですか?」
「おデブ、とんてもないバカにゃ! オチンチン食べてやるにゃ!」
「あああん、らめぇ!」
このあとめちゃくちゃセックスした。

おしまい

496名無しさん:2017/07/17(月) 13:03:58 ID:p6Rcc3ZI0
>>477-478
久々に召喚されました、新人リャナンシーです。今日も熱にうなされながら微乳な感想を口走っちゃいます。

さて、柔らかめの感想は、実は苦手なんだけど、真綿で首を締める感じでいいのかな?。
魔女のサーヤちゃんがとってもかわいく書けていたと思います。遠慮せずに、もっと淫らになっていいのよとか背中を押してあげたくなるわよね。
問題なくシーンの想像もできるし、特にわかりにくいところも無かったわ。文章的に問題なしね。
気になった点は色々とあったけど、柔らかめなので、その中で一つだけ。
体言止めが多いことが目についたわ。しかも、登場人物名のものが特に多いわよね。
だから、テレビドラマなんかでやっている「目の不自由な人のための副音声」みたいになっちゃっているのよね。わかりやすくはあるけど、情緒に欠ける感じがするわ。
人物名の体言止めは「(人物名)は〜」という形と互換性が高いから、多分、「サーヤは〜」「トトは〜」というのを連発するのを避けるために体言止めしたんじゃないかな?
そういう場合は、明確なら主語を抜く方法もあるから、そっちの方がいい感じになると思うわ。
>ぽむっと手を叩いてにっこり微笑むサーヤ。
→ぽむっと手を叩いて、精一杯の明るい笑顔を浮かべた。
違和感ないでしょ? 誰だかわからなくても、次の台詞で確定するから問題なし。そもそも登場人物が二人なら混乱も少ないから、適度に主語を抜くのは気にせずにバンバン使っちゃっていいわ。
私の個人的な感覚だけど、体言止めの多い作品を読むと、手抜きっぽく感じちゃうのよね。だから、ついつい指摘しちゃうけど、そのあたりは個人の判断でよろしくね。
それじゃあ、またの投稿をお待ちしています。

497名無しさん:2017/08/27(日) 10:04:21 ID:WUCu0OBY0
SSやら感想やらはさておき、とりあえず流しageさせていただきます。

498名無しさん:2017/08/27(日) 19:10:46 ID:G3/k6wHo0
(一月過疎なこのスレより考察スレとかageた方がよかったんじゃ……)

499名無しさん:2017/08/27(日) 19:15:25 ID:G3/k6wHo0
申し訳ありません
考察スレってageられないんですね
失礼致しました

500名無しさん:2017/08/27(日) 20:48:51 ID:WUCu0OBY0
お気になさらず。
こちらこそ、ほかの選択肢の存在を考えていませんでした。
とはいえ、考察スレもダメとなると何がいいのやら・・・
(これ以上はここでするべき話じゃなくなりそうですし)

501名無しさん:2017/09/03(日) 16:07:09 ID:uI2HUhX.0
デビル「えへへ……ねぇ、出ちゃう? 出してもいいよ♪(チュクチュク」
「あうう……やめてぇ……」

「オイオイオイ」
「デビルだわアイツ」

「ほう インピオですか…たいしたものですね」

「インピオとはロリショタ同士の絡みのことを指す隠語であり、ほしの○うたなど
このジャンルを専門に書いている作家もいるくらいです」

「なんでもいいけどよォ」
「相手は女の子みたいに可愛いショタだぜ」

「それに背後からささやきながらの手コキというシチュエーション。
これも即効性のシコリティポイントです。竿役が性知識皆無のショタという
設定も添えて、状況設定のバランスもいい」

「ああっ、なんか出ちゃうよぉ(ピュッ」

「それにしても精通すらまだだというのに、あれだけスムーズに射精まで追い込めるとは、
超人的な手淫というほかはない」

デビル「よし…と♪」

502名無しさん:2017/10/05(木) 20:50:56 ID:H8hN.q020
「先輩。最後の詩、できました?」
「ううん……これは没みたい」

私は首を振って、たった今しがた書き付けていたものが彼の目にふれないように、ノートをパタンと閉じた。
さっき下校を促すチャイムが鳴ったところだから、そろそろ帰り支度をする頃合。
きっと夕日が遠い町並みに消えていき、窓から漏れる光が彼の横顔を照らしているんだろう。
それを直に見ることができないのは、やっぱりちょっと悔しくて、私は自分の仮面の端を爪で軽く引っかいた。

「キミは、どうだった?」
「俺もうまくいかなくて。ちょっと恥ずかしくて口には出せないです」

そう言って彼は頭を書いて苦笑を漏らす。
図書室での、二人だけの部活動。
私と彼は、文芸部の先輩と後輩という間柄。
今日の活動は詩を書いてみようというもので、できたものを二人で朗読して、感想を言い合うという、お遊びみたいなものだった。

「どんな詩だったの?」
「自分のことだったんですけど……なかなか、明け透けっていうか。先輩のは?」
「私も同じようなもので……人に見せられるようなものじゃないかな」

特に、キミにはね。
思っても口には出せないまま、机に広げていたノートや筆記用具をしまっていく。
彼のほうも、それ以上は何を言うでもなく、自分の荷物をまとめ始めている。

沈黙が心地良くて、だけど、もどかしくもある。
人付き合いが苦手な私にとって、唯一の繋がりと言える、彼と一緒にいる時間。
あの詩は、彼に対する私の気持ちを、思うままに綴ったものだ。
本当は彼のことを見つめてみたい。熱探知と魔力探知での仮初めのものでない、彼の本当の姿を見てみたかった。
そうして、彼を私のものにしてしまって――魔物娘としての本能と、私の陰気な欲望が、暗い炎になって私の胸にちろちろ燻っている。
けれど、臆病な私にはそれができない。むしろ、彼との関係が壊れないようにするほうが、ずっと大変なことだった。
あくまでも今の私は、彼にとって『良い先輩』でしかないのだから。

「それじゃ、先輩。出ましょうか」
「そうね。行きましょう」

私たちは司書さんに挨拶をして、昇降口に向かった。
今日、あと彼と一緒にいられるのは、ここから駅に到着するまでの間だけ。
それまでにどれぐらい、彼との仲を近づけられるんだろうか。
手を繋いで、抱きしめあって、キスをして――そんな恋人関係に、いつかなれるんだろうか。

駅までの道のりは、いつも短くてあっという間の、近いものに感じられるのに。
隣り合っているはずの彼との距離は。
どうしてだろう。
歯がゆくて、切なくて、手を伸ばしても届かない。
そんな遠いものに、感じられるのだった。

503名無しさん:2017/10/05(木) 21:37:49 ID:H8hN.q020
また書き手同士でワイワイ交流したいなぁ……

504名無しさん:2017/10/29(日) 13:29:42 ID:m0oy0PYQ0
「やい、炬燵並びー。俺の横に入るのは止めろー狭いだろー」

「やぁですー、ウチはお兄様の隣じゃないとやぁですー」

「まったくお前はどうしようもない甘えん坊だなー」

「お兄様が甘やかしてくれるから良いんですー、うふふー」

「はぁー」

「はふー」

「あったけー」

「あったかいですー」

「尻尾がチリチリにならないようにだけ注意しろよー」

「はーい♪ それならお兄様がウチの尻尾を抱えててくださいー」

「仕方ないヤツめー。存分にもふってやるから覚悟せいー」

「やぁっ♪ お兄様ー、そんなに付け根をさわさわしちゃやぁですー♪」

「代わりに後でお兄様が特製きつねうどんを作ってやるからなー」

「お兄様ぁー? 愛してますぅ、お兄様ぁー?」

「あー、ぬくぬくもふもふの幸せー」

「ぬくぬくさわさわの幸せー」

「へへー」

「うふふー」

505名無しさん:2017/10/29(日) 13:31:26 ID:m0oy0PYQ0
あー文字化けしてもうたー
仕方ないから貼りなおしー

506名無しさん:2017/10/29(日) 13:32:34 ID:m0oy0PYQ0
「やい、炬燵並びー。俺の横に入るのは止めろー狭いだろー」

「やぁですー、ウチはお兄様の隣じゃないとやぁですー」

「まったくお前はどうしようもない甘えん坊だなー」

「お兄様が甘やかしてくれるから良いんですー、うふふー」

「はぁー」

「はふー」

「あったけー」

「あったかいですー」

「尻尾がチリチリにならないようにだけ注意しろよー」

「はーい♪ それならお兄様がウチの尻尾を抱えててくださいー」

「仕方ないヤツめー。存分にもふってやるから覚悟せいー」

「やぁっ♪ お兄様ー、そんなに付け根をさわさわしちゃやぁですー♪」

「代わりに後でお兄様が特製きつねうどんを作ってやるからなー」

「お兄様ぁー♪ 愛してますぅ、お兄様ぁー♪」

「あー、ぬくぬくもふもふの幸せー」

「ぬくぬくさわさわの幸せー」

「へへー」

「うふふー」

507名無しさん:2017/10/29(日) 18:38:45 ID:a2TWz7yA0
妖怪妹稲荷によるシュガー・ハザードが掲示板にまで・・・
感染者?それともまさかご本人!?

508名無しさん:2017/10/29(日) 19:58:43 ID:JQgtNfz60
ハニーハザード......という名称を提案してみる。
甘いのと、バカップルの「ダーリン・ハニー」とかけてみる...

509505:2017/10/29(日) 20:30:51 ID:m0oy0PYQ0
>>507
えっと……作者本人ですみません……

>>508
さ、災害扱い……

510507:2017/10/30(月) 00:32:27 ID:1OwISv/c0
>>508
アリですな!

>>509
何というか、感想欄の阿鼻叫喚(いい意味で)ぶりを見てしまうと、つい・・・

511名無しさん:2017/11/07(火) 20:29:05 ID:Bn2Yvbzo0
コーヒーを飲むとき、俺はいつもブラックで飲んでいる。

それは別に甘いものが嫌いだとか、ブラックで飲む方が格好良いと思ってるとか、そうではない。
単純にコーヒーを飲むのは気付けみたいな意味があって、わざわざ甘くすることもないかなと思っているだけだ。
だから、飲んでて苦いことは苦い。飲み込むときに少し渋い顔にはなるけど、ガマンして飲むってほどでもない。
俺にとってのコーヒーは、そういう嗜好の飲み物だ。

さて、そんなコーヒーなんだけれど。
どうやら彼女にとっては、すごく興味深い飲み物らしい。

「うー?」
「ああ、うん。これはコーヒーだよ」

真っ黒の飲み物が入ったカップと、それから俺の顔を交互に見比べてから、彼女は不思議そうに小首を傾げた。
様子を見た限り、ゾンビである彼女は今までコーヒーを目にしたことがないようだ。
果たしてこれは飲めるのかな、といった感じで匂いをかいだり、熱いカップを指先で突っついたりもしている。
確かに彼女が俺の家に来てから、コーヒーを淹れるのは初めてだった気がする。
いつも飲んでいるのは缶コーヒーの方だったし、それも家でなくて他所で飲んでばかりだったし。 

「うー、うー」
「え、飲みたいの?」
「でもコレ、すごく苦いけど……」
「うーっ、うーっ」
「わ、分かったよ」

こっちの腕を取ってねだる彼女に負けて、仕方なく俺は自分のコーヒーカップを渡した。
大丈夫かな、と思う俺の目の前で、彼女はニコニコとコーヒーに口をつけるけれど。
彼女のニコニコ顔は、みるみる内に渋い顔に変わっていき。
最後は口からだぁーっと零れ落ちていく、彼女には苦すぎたブラックコーヒー。

「ああ、だから言ったじゃないか」
「うー……」
「ほら、あーんして」
「うー?」

口周りを拭いてあげてから、俺は彼女にコーヒーシュガーを一杯差し出す。
本当はこういう使い方じゃないのだけれど、彼女の口直しにはぴったりだろう。

「今度は甘いから大丈夫。さ、あーん」
「うー」

渋面の彼女が、茶色い固まりの乗ったスプーンを口にすると。
その渋面は、すぅっとニコニコ喜びの笑顔に変わっていった。

「うー♪」
「こらこら、食べ過ぎると虫歯になっちゃうぞ」

コーヒーシュガーが気に入ってしまったのか、ポットから彼女はシュガーをすくっては口に運んでいき。
苦笑しながらその様子を見ていた俺が、自分のコーヒーカップに口をつけ……かけたところで、またも彼女が俺の腕をとって、それを制止した。

「どうかした?」
「うーうー」

駄目だよ、とでも言うように首を振る彼女。
どうも彼女からすると、もうコーヒーは口にしてはいけないもの認定されてしまったらしい。
俺がそんな劇物を飲もうとしてるので、心配になってしまったんだろう。

「いや、俺はそのままで飲むから」
「うーうー……」

まだ不安そうな顔をする彼女の頭を撫でて、コーヒーを口に含む。
ブラックコーヒーの香ばしい香りが鼻を抜けていき、それから舌に残るきつい苦味。
熱い苦味が喉を通るとき、やはり俺は少し顔をしかめてしまう。

「うーっ、うーっ」
「あのさ、俺は大丈夫だって――」

それを見ていた彼女は、一大事だとばかりに俺のことを揺すってから。
コーヒーシュガーを口いっぱいに頬張って、そして俺の両頬を掴んで。

「んぅっ!」
「――っ!?」

――俺の口の中に砂糖が流し込まれていった。

舌の上の苦味が、強烈なコーヒーシュガーの甘味にかき消されていく。
驚きで身が固まってしまった俺にお構いなしに、たっぷりと彼女は甘い甘い口付けを味わって。

「うーうー?」

そして、長いキスを終えてから、無邪気な笑顔で首を傾げる。
『大丈夫?』、なんて気軽に言うみたいな仕草で。
俺の心臓の鼓動なんて、まるで分かってないような仕草で。

……ああ、もう、本当に彼女ってゾンビは。

「……ありがと、苦くなくなった」
「うー♪」

胸から溢れる愛おしさに、彼女をそっと抱き寄せて頭を撫でる。
彼女は優しく俺を抱き返して、また嬉しそうな声を上げる。

すっかり甘ったるくなってしまった口の中は。
けれど全く嫌なものなんかでない。
幸せな甘味を、俺にいつまでも残していた。

512名無しさん:2017/11/07(火) 20:30:57 ID:Bn2Yvbzo0
私とリャナンシーちゃんはここにいるぞぉ!
誰もいないなら二人でSS畑にしちゃうもんね!

513名無しさん:2017/11/07(火) 22:25:38 ID:DO9MNwWQ0
魔物娘になら、『シュガー・ハザード』、『ハニー・ハザード』っていうスタンドが使えるやついそうw
能力はエロ方面。

514名無しさん:2017/11/07(火) 23:40:23 ID:RB1XM47g0
何かしようとしても白蛇に止められて全部やってあげると言われ堕落したい。

515名無しさん:2017/11/08(水) 06:37:57 ID:namQ193I0
>>512
がんばってくれ わたしにはもうかけない

516名無しさん:2017/11/08(水) 19:34:04 ID:AHVL.rGU0
>>514
男を堕落させる女性、といって人はどんな女性を想像するのだろうか。
それはきっとこんな女性のことをいうのだろうと、俺は今思っている。

「あなた、お茶が入りましたよ」
「……ありがとう」

お盆に湯呑みを乗せて現れた女性……自称は『俺の妻』なのだけれど。
彼女は美しい微笑を浮かべながら、ちゃぶ台の上にお盆を置くと。
スルスルと、その真っ白な蛇の下半身を俺に巻きつけ、隣にぴったりと寄り添った。
ふわりと香るほの甘い香りと、柔らかな女性の感触に、俺の中で気恥ずかしさが湧いてしまい。

「……君はどうしていつも、俺に巻きつくんだ?」
「あ……お嫌、でしたか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「ふふっ……なら良かったです」

しゅん、と悲しそうな表情が一転、彼女はまたも優しい微笑みに変わる。
彼女はいつだってこうだ。儚げに泣きそうな顔をされると、俺もそれ以上何も言えなくなってしまう。
参ったな、とため息をついてから、俺が淹れてもらった湯呑みに手をかけると。
ひょい、と。何故か彼女は、湯呑みを俺から遠ざけた。
俺が手を伸ばすと、ひょい。ひょい、ひょい、ひょい。

「なんのつもりだ?」
「いけません、あなた。熱いお茶ですから、あなたが舌を火傷しては大変です」
「いや、それぐらい自分で気をつけるけど……」
「いけません。私が冷ましてさしあげます」

そう言って彼女は、優しい笑顔のまま。
俺の湯呑みの口をふぅふぅ、ふぅふぅと冷まし始めた。
いくらなんでも甘やかし過ぎじゃないか、と俺の顔に熱が集まっていく。

「あのな、流石にそんな真似をされると俺だって……」
「あ……お嫌、でしたか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「ふふっ……なら良かったです」

しゅん、と悲しそうな表情が一転、彼女はまたも優しい微笑みでふぅふぅ。
しばらくそうしてから、「はい、あなた」と俺に湯呑みが手渡され。
俺はなんだか複雑な気分で、その湯呑みを受け取り、お茶をずずっと口に流し込む。
……俺の好みの適温なのが、ちょっと悔しい。

「はぁ……」
「あなた、どこかお加減でも?」
「……いや、大丈夫だ」
「何かあれば仰ってくださいね。全部、私がやってさしあげますから」
「はぁ……ありがとう」

その台詞がため息の原因なんだ、とは言えなかった。
彼女はいつも嬉しそうに、あれもこれも俺に世話を焼き、何をするのも全部「私がやってさしあげます」と返し。
それでいて、隙あらば常に俺と身を寄せ合うという生活を送っている。
そんな日常に困惑しつつも……その毎日が段々と当たり前に、そして心地良く感じる自分がいるのが、妙な気分で。
……ついでに、堕落の道にまっしぐらに進んでいる気がするのも、悩みの種ではあるけれど。

「……あなた」
「どうかしたか?」
「ふふっ……すみません、呼んだだけです」

ただ、どこか儚げで、ふとしたら簡単に消えてしまいそうな彼女が。
俺と一緒にいることで、幸せそうに笑ってくれるから。

「……お茶、おかわりを持ってきてもらって良いかな?」
「もちろんです、あなた。少し待っていてくださいね」
「あぁ、うん。ありがとう」

俺は今日も彼女に甘やかされ。
ふぅふぅされたお茶を飲んでいる。

517名無しさん:2017/11/08(水) 19:46:35 ID:AHVL.rGU0
なんとなしに書き込んだであろうレスをSSにするのって練習になって良いよね。

①自分がレスを元にSSを書いていく
②その内に誰か他の書き手さん達も食いついて同じことをしてくれる
③そのタイミングで自分がゲイザーちゃんにしてほしいことを大量に書き込む
④このスレにかわいいゲイザーちゃんSSが溢れる!

なんという素晴らしい計画。素晴らしき未来。

518名無しさん:2017/11/08(水) 22:21:55 ID:.76WITg20
>>516
愛は重そうだけど優しい白蛇さんっていいですねえ…… 
一緒にどこまでも堕ちていきたい

519名無しさん:2017/11/09(木) 07:59:28 ID:9DxZWG3I0
「…………」

「お兄様、どうかなさいましたか?」

「おかしい……俺がパフェを食べようとしてるのに、妖怪『小さじ奪い』が出てこない」

「もう、お兄様……ウチだっていつまでもお兄様に甘えてばかりでないんですよ?」

「いやだって、お前はいつも俺の小さじを取って『やぁです、お兄様が食べさせてくれないとやぁですぅ』とか言ってたし」

「ウチも大人になってきたんです」

「なら、良いんだけど……」

「さぁ、お兄様。早く食べないとアイスやチョコが溶けちゃいますよ?」

「あ、うん……そうだな。いただきまーす」

「うふふ……いただきます」

「んむ……美味い」

「美味しいですねぇ」

「ほら、こっちのチョコはお前にやるよ」

「まぁ、ありがとうございます。ならこのクッキーはお兄様がどうぞ」

「おう、ありがと」

「んー♪ アイスも冷たくて美味しいです」

「あ、こら。俺の分も残してくれよ」

「はぁい、お兄様」

「俺はアイスと下のフレークを合わせて食べるのが好きでなー」

「ウチはプリンのカラメルとクリームが好きですー」

「美味いなー」

「うふっ……うふ、うふふっ」

「どうした、ニマニマして。そんなにパフェが美味いか?」

「だってお兄様、こうやって一つのパフェを二人で一緒に食べるなんて……まるで本当の恋人同士みたいで♪」

「…………」

「……お兄様?」

「ごちそうさま。残りのパフェはお前にやる。たらふく食うが良い俺は行くぞじゃあな」

「やぁっ! お兄様、やぁです! どうして食べるのを止めてしまうんですか!」

「小さじ奪いが出てこない衝撃ですっかり油断してたわ! 当たり前みたいに自分の小さじ用意して一緒に食べ始めやがって!」

「やぁです、ウチはお兄様が一緒に食べてくれないとやぁですぅ!」

「ええい、離せぇ! 俺はお前とバカップルごっこに興じるつもりはない!」

「やぁです、絶対に離しませんっ!」

「ならば弱点を突くのみ! 食らえ、尻尾付け根わしゃわしゃアタック!」

「やぁっ! やぁっ、お兄様、そこは優しくしてくれないとやぁですぅ♪」

「この、しつこい奴め! うりゃうりゃっ!」

「やぁっ♪ やぁっ♪ やぁーーーーっ♪」

520名無しさん:2017/11/09(木) 16:14:39 ID:RzqGlnHY0
 似たような話をもう数作ほど上げてるけど、
 俺が一番書きたいのは多分この瞬間。

 体に力が入らない、頭もぼんやりとして働いてくれない。
 目の前の魔物を、女を、ただ見ていることしかできない。

「ふふ、まだ我慢するの? 早く諦めて幸せになりましょう?」
「だ……まれ……魔物め……魔物め……」

 もう、口だけの強がりだ。
 重ね掛けされた魅了魔法に体も心もすっかり侵されてしまっている。

 目を合わせるだけで鼓動が止まらない。
 声を聴くだけで背筋がぞくぞくする。
 鼻腔をかすめる匂いを感じれば心が陶酔してしまう。

 わずかに残った兵士としての矜持によって剣を握れてはいるが、
 もう構えも取れず、ふんわりと手に引っ掛けているような状態だ。

「でももう限界みたいだね、動かないでねー…… チャーム!」
「ッ!? ……うぁ……あ……あ……」

 抵抗できない、もう何もできない。
 ふわふわ好きになって、ぼーっとして幸せになってしまう。

 魔物が近づいてくるのに体が全部ドキドキして嬉しくなるだけで、

 もう目の前なのに、大好きでぼんやりでふんわりでとろとろでドキドキで、

 ああ、ギューって抱きしめられて、嬉しい、好き、好きぃ……

「これからいーっぱい、大好きしようね……チャ〜ム♪」

 ……カランと手から落ちる剣の音が、教団兵としての私が聞いた最後の音となったのだった。

521名無しさん:2017/11/09(木) 21:21:38 ID:9DxZWG3I0
>>520
さあ、あなたが誰か白状するんだハリーハリー

522名無しさん:2017/11/09(木) 22:13:47 ID:J6hKCUpo0
>>521
たぶん『さきゅなじみちゃんのチャーム』や『囁く声にどこまでも』でググれば幸せになれるよ

>>520
貴方の作品、大好きです
私も、何も考えずふわふわのトロトロにとろかされて、チャームをかけてきた相手を一心に愛したいです。

523名無しさん:2017/11/09(木) 22:14:09 ID:p0jl9eBw0
>>519
店ごと消し飛ばしてやる(血涙

524名無しさん:2017/11/10(金) 06:28:24 ID:GREyJTcc0
>>522
サンクス。あの方だったのね……
いくつも好きな作品あるのに気が付かなかった。反省

>>523
実はお店じゃなくてお家の中だからセーフ!

525名無しさん:2017/11/12(日) 12:17:51 ID:e8OyPP120
図鑑スレの>>628に触発されてファンタ学園シリーズをレスカティエでやってみた

≪Θ 三年ウィル組 サキュバス先生!(異世界語/魔法)≫
先生『Oh, YEAH!』
生徒全員「おぅ、いぇー…」
先生『Baby, c'mon!! Yes, YEES! YEEAAASS!!! 』
生徒全員「……」

エリス「いろいろ間に合うかな…」
【もうすぐ夏だよ! 新不安多! 魔界勇者のトリコ味! 】


≪乙 三年メル組 エキドナ先生!(保健体育/技術家庭)≫
先生『ホァタァ(バキッ)ホォァア(グシャッ)、チョァア(パリーン)、ン゙ーン!(ガシャーン!)』
生徒全員「……」
先生『はーい、これ修理に出しまーす。』

校長「(修繕費用的に)やってらんない…」
【 新学期だけど! 新不安多! 教官の陶酔フルーツ味! 】


≪╋ 三年サシャ組 ダクプリ先生!(数学/神学)≫
先生『イチキュッパのお布施が1パーOFF(税金)! 貧民街への炊き出しに5割引き!
    孤児院の運営費は3掛けで対応して、さて、いくら!?』
生徒全員「……」

リシア&エミユ「「(今日もごはんが)6割引きだったよ…」」
【 新不安多! シスターブルーフォール味出た! 】


≪● 三年サプ組 ダクマタ先生!(理科/精霊学 ※外部講師)≫

先生『ツギツギッツギノモンダイハァ〜 エルエルイェルトクンッ!』
生徒「3Xです。」
<キュッキュッシシシキュッ シャバドゥビダッチヘンシーン
先生『違います。5S●xです。キャッ///』

精霊たち「(ポローヴェの威信が)傷つくかなぁ……」
【 不安多! ポローヴェネーブリ味出た! 】


≪☆ 三年ミミ組 魔女っ娘先生!(社会/体育)≫
先生『授業だよーっ☆』
生徒全員「……」
先生『この問題がわかるひとーっ♪ いるかな〜☆ いないかな〜★』
生徒「はいっ」
先生『あたまが高いっ! (ウワァァンン』

ユーリ「どうすればいいんだろう…」
【 しっぽりぱっくり 不安多! サバトマタモド味! 】


≪@ 三年フラ組 女王先生!(古文/保健)≫
先生『…ファラオの碑文には……』
先代国王「フラン!」
先生『今更なによ…!』
先代国王「俺たちが悪かった…!」
先生『ばかぁ…っ さみしかったぁ…っ』
先代王妃&三姉妹「「「「……このかわいい娘/妹(こねこ)ちゃん」」」」
先生『お母さま(とお姉さまたち)!』
生徒全員「……」

メイド「授業し……なくていいですね。」
【 あなたは不安多! 王家の睦び味! 】


≪▲ 三年コヨ組 お稲荷先生!(ジパング語/魔法)≫
先生『漢字テストすんで!
    黄昏、妹やったら読めるやろこんくらい。』
生徒「読めまへん…」
先生『女狐饂飩油揚増増(うちのことはやくたべてほしいな)やぁ!』
生徒全員「……」

黄昏「そんなご無体な…」
【 不安多! 天之宮のネバリ茸汁味出た! 】


≪∫ 三年プリ組 オオカミ先生!(理科/魔法)≫
先生『(スッ    ギリリ…    シュッ!)』
    ドスッ!
生徒「!」
先生『掃除当番よろしく。(シッポパタパタ』

巻末さん「そんなの(ウィリアムテル的あれ)ありなのか…。」
【 不安多! 春だから! 森のメオティカルフルーツ! 】


≪◎ デルちゃんだよ! 校長先生!≫
先生『明日から夏休み…
    の、はずでしたがァ!』
< ホァチャー!!
先生『自慰やオナニーなどで、エロスタイムが無いので、パンデモニウムに行きます!!』

あなた&生徒一同「もおいやぁあ…」
【 新不安多! 魔王家のどっぷりタケリ味! 】

526名無しさん:2017/11/12(日) 21:28:23 ID:AJpwvhEM0
>>525
考えてたネタを先に取られちまったいw
漢字テストとか読めるかいな!ってなる良いネタでした

527525:2017/11/13(月) 06:55:23 ID:t9ywa74U0
>>526
良いネタという感想いただき嬉しいです
貴方の考えてたネタも見てみたいです

528名無しさん:2017/11/13(月) 21:06:14 ID:oLFFfrU.0
「ほら、絶対大丈夫だから! がんばってきてね!」

そう言って私は、明るく彼の背中を押す。
すると彼は緊張でぎごちない笑顔を浮かべて、一言お礼を残して、教室を後にした。

これから彼が向かう先は夕日が照らす屋上だ。
そこには彼が想いを寄せるあの子が待っている。

彼はあの子が好きで、あの子も彼のことが好きで。
でもお互いに想いを伝えることはできなくて。
だから私は、彼とあの子を引き寄せるために、今日まで色々とお手伝いをしてきたのだ。
彼には映画のペアチケットをあげて、あの子を誘うように仕向けたり。
あの子とは彼へのプレゼントを一緒に考えてあげたり。
二人はゆっくり、だけど確実に距離を詰めていた。
告白はもちろん成功するだろう。
明日の教室には初々しいカップルが誕生しているに違いない。

「あー! 長かったなぁ、もうっ!」

誰もいない教室の静寂を突き破るように、私は少し大きな声で独り言をぶちまける。

「二人とも両想いなのバレバレなのに、どうしてこんなに手間かかるのさっ!」

そうだそうだ。お互い奥手だからとは言え、もう少し積極的になっても良かったんじゃないか。
私の手助けがなかったら、お弁当を一緒に食べるぐらいのことすらできなかったのだから。

「まーでも、これで私もお役御免だよねっ! 明日から二人でイチャイチャしてるに決まってるんだしっ!」

誰も聞いていない教室に、私の声がむなしく響く。

「二人でお弁当を食べて!」

「二人で手を繋いで帰って!」

「二人でデートもして!」

「二人でラブラブ幸せはっぴーはっぴー!」

「そのうち結婚とかしてさ! 私も式に呼ばれたりとかして……!」

「そうやって、二人ずっと幸せに……!」

ああ、もう。
私、何を言ってるんだろう。
涙流しながら、一人で、何を言ってるんだろう。

「幸せで……さっ……!」

決めてたのに。
彼が好きなのは私じゃなかったから。
私じゃ彼を振り向かせることはできなかったから。
だから、彼とあの子を応援するって。
すっぱり彼が好きなのは諦めて、二人のことを応援しようって。
大好きな彼と、大好きなあの子を応援しようって。
そう決めてたのに。

「うぅ……ぁ……」

何でだろう……
ぼろぼろぼろぼろ、泣けて仕方ないんだ。
胸が痛くて、ズキズキって、痛いよ。
こんなところ誰かに見られるわけにいかないのに。
涙……止まってくれないよ。

「ひっく……ぅぁっ――うぁああああああああああああっ!」

もう声を押し殺すことなんてできなくて。
私はまるで赤ん坊みたいに泣き叫んでしまう。

神様がいるなんて、嘘ばっかり。
いたとしても……きっと意地悪だ。
私の願いを。私のこの胸の痛みを。知らん振りしてるんだから。
素敵なハッピーエンドを、用意してくれないのだから。

ねえ、悪魔さん。
神様じゃなくて、悪魔さん。
いるならお願い。
私の声を聞いてください。

どうか私を、彼と幸せにしてください
私と、あの子と、それから彼と。
3人で、幸せにしてください。
勝手かもしれないけれど。虫が良いって言われるかもしれないけれど。
でも、幸せが良いんです。
みんなが笑顔の、幸せが良いんです。


ねえ、悪魔さん。
私の声を聞いてください。


「――ねえ」

「聞こえたわよ、あなたの声」

「もう泣かなくて良いのよ」

「ハッピーエンド――用意してあげるわね」

529名無しさん:2017/11/13(月) 21:07:50 ID:oLFFfrU.0
なんか変なSSができてしまった

530名無しさん:2017/11/13(月) 23:12:51 ID:xaCFqIm.0
>>529
続けろと言っているのだッ!

531名無しさん:2017/11/14(火) 23:41:11 ID:X2Nmj0fg0
>>529
個人的には恋人二人が悪魔さんと結託してて、魔物化した二人が主人公を引き入れるタイプの展開もいいかなって

532名無しさん:2017/11/15(水) 22:50:44 ID:tSAp/ioM0
自分としては彼のあずかり知らぬ所で二人仲良く魔物化しちゃって
彼を挟んで三人幸せな展開も良いかなって

533名無しさん:2017/11/15(水) 23:19:24 ID:tSAp/ioM0
汚いケット・シーを見つけたので虐待することにした。
他人の目に触れるとまずいので家に連れ帰ることにする。

嫌がるケット・シーを風呂場に連れ込みお湯攻め。
充分お湯をかけた後は薬品を体中に塗りたくりゴシゴシする。
薬品で体中が汚染された事を確認し、再びお湯攻め。
お湯攻めの後は布でゴシゴシと体をこする。
風呂場での攻めの後は、全身にくまなく熱風をかける。

その後に、乾燥した不味そうな魚を食わせる事にする。
そして見るからに怪しい牛女のラベルが貼ってある白い飲み物を買ってきて飲ませる。
もちろん、温めた後にわざと冷やしてぬるくなったものをだ。

その後は俺の股間に屹立するグロテスクな物体を中に散々出し入れして
ケット・シーの生殖本能を著しく刺激させ、体力を消耗させる。

ぐったりしたケット・シーを何年も使用しているせいでくたびれた布団の中に放り込み、寝るまで監視した後に就寝。

534名無しさん:2017/11/16(木) 07:56:06 ID:YtMsiSVY0
これにはバステト様もニッコリ

535名無しさん:2017/11/19(日) 18:51:42 ID:bXUtiljM0
『もしMGS3でネバリタケをキャプチャーできたら』
P:パラメディック S:スネーク


P:ネバリタケをキャプチャーしたのね。

P:ネバリタケは湿地や洞窟などの湿った場所によく自生していて、魔界でもそれなりに見かけるし、時には人間界にも生えているわ。
名前の通り表面からネバネバの粘液が絶えず分泌されているのが特徴ね。
だけど、この粘液、洗っても全然落ちないから、バックパックにしまうときには注意してね。

S:なるほど、で、味は?

P:おいしいらしいわ。
甘辛い独特の味と、香ばしい風味がいつまでも口内に残り続けるそうよ。
スープにするのが良いらしいわ。

S:そうか!こってりしているんだな!

P:……ただスネーク、食べる時には一つ注意点が……あ、やっぱりなんでもないわ。

S:なんだ?何があるんだ?

P:別に大したことないから、知らなくても大丈夫よ。

S:そう言われると余計気になるじゃないか!

P:言いたくないの!

S:ならせめてヒントでも教えてくれ。

P:わ、わかったわ。た、食べると、あ、あるものが… ね、ネバネバになるそうよ。

S:???何がネバネバになるんだ?

P:く、口では言えないんだけど……ひ、ヒントなら教えてあげるわ!……き、気持ちいい時に出る白いアレよ。

S:一体何……あっ!あれか!

P:答えは言わなくていいから!

S:葉巻の紫煙だな!

P:………は?

S:確かに粘ついたら困るが……

P:そんなわけないじゃない!第一、どうやって煙が粘つくのよ!?
そもそも粘ついた煙って何よ!?

S:じゃあ何が粘つくんだ?

P:………自分で調べなさい!…………恥ずかしがったのがバカみたい……

S:???

◯………うまいじゃないか!

536名無しさん:2017/11/19(日) 19:51:46 ID:h5/u/7WQ0
というか魔界の食い物で腹下す物があるのかと

537名無しさん:2017/11/19(日) 21:49:58 ID:z4P.b8KA0
>>535
P:スネーク!身体をよく見て!

S:?・・・今日も元気だな!

538名無しさん:2017/11/19(日) 22:50:07 ID:WqV.r4Qw0
>>536
あなたに灰色のキノコを進呈しよう

539名無しさん:2017/11/19(日) 23:11:46 ID:Ufx0E92g0
>>538 アンデッドハイイロナゲキタケverも考えてたんダナ
>>537 (マタンゴモドキ等を食べた結果)
>>536 多分腐らないし、ナゲキタケ以外では下さないけど副作用はありそうですな
勢いで書いてたけど投稿する程のものでないと思ってて溜めてた。ネタはまだまだ思いつきそうだが

アンデッドハイイロナゲキタケ1

P:アンデッドハイイロナゲキタケをキャプチャーしたのね。

S:アン……?何だって?

P:アンデッドハイイロナゲキタケ。魔界の墓地や樹海など鬱蒼とした場所に自生する毒キノコね。
禍々しい見た目通り、旧魔王時代は人も魔物も七日七晩苦しめた後に死に至らしめる恐ろしいキノコだったわ。
それが今では女性が食べるとアンデッド系の種族になって蘇生するという更に厄介な効果になったみたいね。

S:なるほど、で、味は?

P:は?

S:味。

P:スネーク、話聞いてた?このキノコは毒だって…。

S:でも、女が食ったら蘇生したんだろ?味だってわかるはずだ。

P:……資料によると、アンデッド系種族にとっては男性の精の次においしいらしいわ。
彼女たちに投げてやったら飛びついて食べるんじゃないかしら?

S:そうか!なら男が食っても旨いんじゃないか?

P:何でそうなるの!?
………確かに男が食べた場合の報告は載ってないけど、どう考えても危ないから普通食べないわよ!

S:だけど、もし、うまかったら…


P:大したフロンティアスピリットね……
でもここであなたを失うわけにはいかないの。
絶対に食べちゃ駄目だからね!

S:………わかった。仕方ないな。


◯毒だ!……ウワァァァ!(GAME OVER)※蘇生薬で復活可能



アンデッドハイイロナゲキタケ2

S:パラメディック、例のアンデッド・キノコだが

P:アンデッドハイイロナゲキタケがどうしたの?

S:食ったぞ。

P:……え?

S:不味かった。

P:食べちゃったの!?あれほど食べちゃ駄目って言ったのに !?

S:ああ。

P:ちょっとスネーク!
あなた死んでないわよね!?宙に浮いてないでしょうね!?
足元にもう一人の自分いないでしょうね!?

S:なんともないぞ。この通り。

P:ホントに?

S;あぁ。たださっきまで倒れてた。
丁度仮死薬使ったときみたいにな。

P:仮死状態だったってこと?

S:あぁ。多分な。だが蘇生薬のおかげでなんとか起きれたみたいだ。

P:そう。それは良かった……って良くないわよ!本当に他に何もなかったでしょうね!?

S:関係ないかもしれんが、いつの間にかアンデッド系の魔物に取り囲まれている。
吸血鬼もいるからさっさとこの場を離れたいんだが。

P:きっと、そのキノコの効果ね。多分男性が食べると仮死薬状態になると同時にフェロモンのような物質を体内で合成して彼女たちをおびき寄せるようね。やっぱり代替わり後でも危険なキノコね。
でも、あなたの話からするにもしかしたらそのキノコ、仮死薬の代わりになるかもしれないわ。
それに何の訳に立つかわからないけど、アンデッド系種族を誘導するのに使えるかもしれないわね。
仮死状態で襲われたらまず助からないでしょうけど。

S:不味くてもう食いたくないんだが……。

P:あなたって、本当にワガママなのね……。

S:それに、ヴァンパイアもアンデッドなんだろ?夢はおろか、現実にまで襲われるのはゴメンだ

P:そうね。そのキノコは上級者の舐めプ用ってとこかしら。

S:?

540名無しさん:2017/11/22(水) 23:23:32 ID:jicu9HeY0
リッチ「剣製勇者ァ! 何故君が神の祝福を受けずに、勇者になれたのか? 」

アロワナノー

リッチ「何故一度見た聖剣を寸分たがわず再現できるのか、何故能力を使った後に頭が痛むのかァ!! 」

ワイワイワーイ

騎士「それ以上言うな! 」

リッチ「その答えはただ一つ……。ハァ…… 」

狙撃兵「やめろぉ!」

リッチ「勇者ァ!! 君が、世界で初めて、私のハートを奪った男だからだ―――っ!!!」
リッチ「ハハハハハハッ!ハァーハハハハハハハァ!!!

ターニッォン ソウトウエキサーイエキサーイ

「僕が......魔物のハートを......?」

ッヘーイ(煽り)

541名無しさん:2017/11/24(金) 23:04:04 ID:sabbVOtI0
デルエラ「私には夢がある」
   
ウィルマリナ「夢……?」

デルエラ「確かに、魔族の誇りも世界征服もくだらない」
    「私が目指すのは真の自由よ!」
    「異性に欲情する自由、律法のくびきなど必要ない」
    「もちろん誰もが異性に欲情すれば淫行は生じる、
     だがそれでいい」
    「それこそが私の目指す世界、真の淫行の世界よ!」
      
ウィルマリナ「うあぁ!!」
      
デルエラ「この私が、枷にはめられたニンゲンの目を覚まさせてやる!」
    「何が魔族の誇りよ! 何が世界征服よ!」
    「そんなものはオークに襲わせろ!」

ウィルマリナ「うう、ああぁ……!」

デルエラ「愛する人は押し倒す、それが私の目指すレスカティエよ!」
    「私が占領したらふざけた教条[ドグマ]をぶっ潰してやる!」
    「お高くとまっているウブな修道士だの
     司祭だの女性蔑視者[ミソジニスト]だの
     エロを解さない奴らをブチ犯してやる!」
    「受けはクチュクチュされる、エロい攻めがまたがる
     私たちは原始宗教時代の混沌を、古き良きレスカティエを、
     生命が本来あるべき姿を取り戻すってわけよ!」
  
ウィルマリナ「どうやって、そんな……」
  
デルエラ「為政者[やつら]の企図かは知らないけど、
     レスカティエの規範は腐り果てた。
     今や淫行も子づくりもすべて恥辱[スティグマ]!」
    「だけどそんな淫行も最後よ。私がこのくだらない現実を、
     画一化された生殖を解体してやる!」
    「裸で語り合う夫婦の淫行を取り戻す!」
    「どう、私の理想は?」
   
ウィルマリナ「貴様本当に……魔王の皇族なの……」

デルエラ「私の演説に感動した?」

542名無しさん:2017/11/25(土) 06:56:03 ID:9GgIYLag0
>>541
元ネタは何てすか?

543名無しさん:2017/11/25(土) 23:12:58 ID:GC4A0Eik0
>>542
メタルギアライジング・リベジェンス
ttps://youtu.be/bWTCyUxBN9k?t=20m40s

544542:2017/11/26(日) 00:39:29 ID:zVAn9HmY0
>>543
ありがとうございました

545名無しさん:2018/01/21(日) 21:56:25 ID:Y8MADwF60
今日も夢を見ている。

「今晩は。愛しい、貴方♪」

彼女はアパートの隣人だ。
一度だけドアから出たところを見かけたことがある。
それだけの関係だ。
夢以外では。

「今日も愛し合いましょう♪」

隣人は、タールに似た黒い粘液に包まれた俺の部屋の中へと、壁をすり抜けてやってきた。
彼女は衣服をするりと脱ぎ捨てる。
蝙蝠の様な羽と悪魔めいた尻尾。
喜色陶然と笑うことも含めて、まるでサキュバスのようだ。

「私は貴方を愛します♪」

何時もの様に俺の上にのしかかり、交わり始める。

「私は貴方に焦がれています♪」

玉のような汗を飛び散らせ、激しく愛を交わす。

「貴方が望むなら、あらゆる奉仕をしましょう♪」

こちらの都合を考えない暴力的な快楽に、何度も彼女の中に果てる。
そして限界が訪れると、夢の中で気絶する。
遠ざかる意識の中、決まって最後の一言が耳に入る。

「愛しています。心の底から」

どこか涙ぐんだような声は、別の言葉を発しているように聞こえた。

『こんな私ですが、愛していただけますか?』

俺は夢の中でも不器用なこの隣人に一言言いたくて。
でも夢から覚めるといつも夢の事は忘れてしまうから。
今晩も心の中でそっと呟いた。

『せめて夢の中だけでも、一度くらい返事する余裕を与えてくれ』

そうして俺は、今回も告白できないまま目を覚ました。

546名無しさん:2018/01/23(火) 21:03:52 ID:XQ4m.fVQ0
>>545
さぁ、枕元に彼女へのラブレターを置いておくんだ!

547名無しさん:2018/02/01(木) 19:35:41 ID:bMqWMrSM0
魔物娘スレでマスドライバーと空耳った者たけど、
残土やリリム様のお尻の温もりつき魔力のたまっころやスライムゼリーなら兎も角、ダークマターちゃんを打ち出しただけだとなんかちょっとなんだったので(なんだよ)、ちょっと話みたいにしてみた。
後日使うかもしれないけれど、投稿所に投げるにはシーンに偏り過ぎているのでこちらに投げておきます。御笑覧ください。

エロ魔物娘図鑑スレ13 232 のネタより

 月から放たれた矢が、ある人間の街に降り注ごうとしていた。

 "彼女"の有り余る魔力に触れた魔法的なコイルは作動して、電磁誘導にも似た発生した力によって彼女は宇宙へと放たれた。弱い月の重力を振り切って彼女は地球を目指した。
 外では蒼き鷹の異名を持つ宇宙まで来た勇者が戦っていたが問題は無かった。
 真っ直ぐと落ちてくる彼女を落着地点の人間達が見つけたのは夜であった。

 大気圏突入の航跡を帚星のように伸ばして、頭に漆黒の矢尻を備えた真っ直ぐ天から放たれた降り注ぐ一本の矢のように見えた。

 主神教団の勢力圏のやや入った所にあるその街は、神々の加護で街が覆われていた。
 魔法的なガラス張りの温室は、言わば魔物や魔界と言う空気とを隔てる卵の殻であった。
 だがそれもついには、秒速10kmで飛来した彼女によって砕かれる。
 魔法防壁の天蓋を破られた音は意外と軽く華奢で、護られている人間にとっての絶望の音色である筈なのにそれは綺麗だった。術式を引き千切られズタズタにされて、それでありそれではない、そんな何にでもなれる、つまり可能性の塊としてあらゆる事態に対処できる曖昧な状態で維持されていたそれは一瞬で死を迎え硬化、結晶化した魔力の破片となった。破片はやがて破片すらも維持できずにやがて粉になり、最初は流星雨のように見えていたそれも、随分と遅れて地上に降り注ぐ頃には雪のようであった。

 きらきらと輝き落ちてくる空、空を破った彼女。
 見上げる人々の眼に映るその姿が、もはや地上までの落着まで刹那であるはずなのに、まるで暇を赦されたようにゆっくりと流れる時間の中、彼女が腰掛けた魔力の球形は綻んで、蕾が華開くようにゆっくりと変化させながら 飛来し落下しやがて落ちていった。

 街の中央広場で人々はそれを見上げ、見蕩れ、やがて我に返って逃げ惑った。
 そんな人のわちゃくちゃの中で、彼は広場の真ん中でずっと立ち尽くしていた。
 あたかも38万kmの彼方から彼を見ていたように、あるいは見詰め返して居たからであろうか、
 彼は自分がその落着点にいる事を見詰められて自覚しながら、しかし恐怖は無かった。
 抱擁が降って来た。

 ゆっくりになって落ちてくる彼女は、それはもはや矢でも隕石の代わりでも戦略爆撃用の弾頭ではなくでもなく、まるで一輪の花のようだった。
 手折られた黒薔薇のような真っ黒な花びらは漆黒のウエディングドレスだった。
 広場の真ん中に取り残された彼は、花嫁を迎える為に腕を伸ばした。
 指が触れて体温が流れ込んでくる。腕を絡め体を重ねて体温を溶かし合った。

 すぐに初夜が始まり、まるで見詰め合った刹那がもう何年か前からであったように、二人は自然と求め合い、結合して、そして魔界に堕ちた。

 迸る精液でとある彼のとある故郷は魔界となり、それから祝福するようにほかほかに蒸し上がった大量のスライムゼリーが空から降って来て街を埋め尽くした。
 ジパング出身者がそれを紅白のまんじゅうと喩えた。


 これにイチャエロを加えなくて、は……ぱたっ

548sage:2018/10/30(火) 03:49:31 ID:R7v6wMxI0
忘れてしまったことがたくさんあった。
それはどういったものたちだったのか、思い出すにも記憶の泥濘の手応えは曖昧で判然としない。
だからもう、綺麗さっぱりに忘れてしまうことにした。
有り体に言って、僕は昔の冷えて形もぼやけてしまったそれよりも、今の熱を選んだ。
口さがない人たちはそれを薄情と言うのだろうけど、今の冷えた熱は僕と彼女だけの体温だった。誰もが邪魔できない狭く、熱く、そして寒い僕たちだけの実感だった。
しとどに濡れた彼女の秘丘を割って入るだけで、身体が溶けそうになる。
堕落しているだろう。爛れてもいるだろう。
構いやしないと――掛け値なしにそう思った。

549名無しさん:2018/11/08(木) 00:50:46 ID:.pbm.9yo0
今晩は月がきれいな夜だ。
森の動物に大人気な川にも、その光が下りてくる。
俺は腰に差した得物の位置を確かめ、じっと待つ。
森の怪物と、今日こそ決着をつけると決意して。

「ばぁああああああああ!!」

月光に照らされた輝くほど白い毛皮と、クマの様に強靭な腕。
ラミアのように長い体をくねらせて、森の怪物が襲い掛かってきた。
もう何度も戦った相手であり、速いが単調な動きは既に見切っている。

「ふー! ふー!」

明らかに正気を失った眼が、俺を捉える。
雪のように輝く毛皮と、深い沼のような黒い肌。
獣とも蛇ともつかないそいつは、まさしく怪物。
だからこそ、俺は一瞬も気が引けない。

「ばぁああああああああ!!」

怪物が飛びかかってきた。
それを完全に見切ってバックステップで飛びつきを回避する。
着地した怪物の眼前に踏み込み、俺は腰の得物を引き抜く。
化け物の毛皮に似た色の花弁が舞い散る。



「いい加減にプロポーズ受けろやおらぁあああああああ!!」
「ばぁああああああああああああ!!(嬉しいけど恥ずかしいいいいいいいい!!)」



花束はあっけなく散り、怪物は去っていった。
どうやら。
まだまだ俺と怪物の決着は尽きそうにないらしい。

550名無しさん:2018/12/18(火) 00:37:25 ID:hnym.5hc0
妻のショゴスがお菓子を作ってくれた。
ガトーショコラだと思ったらショゴスゼリーで出来ていた。
「ガトーショゴス」なんて言葉が頭をよぎった。

・・・まあ、美味しいので良しとする。

551名無しさん:2018/12/18(火) 23:25:53 ID:qb4MfLoc0
カトーショゴスに空目してしまった…
誰や『加藤ショゴス』って、芸人か

どうでもいいけど、魔物娘さんの名前って、作品中だとやっぱジパングや霧の大陸以外では横文字になるよね

552名無しさん:2018/12/19(水) 06:34:11 ID:mMyddY9U0
「すみませーん、隣に住んでる者ですが……あのー、カレーを作りすぎちゃって……」

 来た!ついに来た!実家から出て一人暮らしを始めた俺の大学生活一か月めに!
 隣に住むのは背と胸が大きい、けど優しそうな女性!俺の見立てではおそらく彼女は”ホルスタウロス”という種族の魔物娘だ!
 その情報を知ってから叶わぬ願いとは思いつつも、ずっと待ち焦がれていた……
 『隣人の女性が作りすぎた料理をおすそ分けしてくれる』シチュエーション!!
 麦わら帽子にワンピースの黒髪少女と同じくらいの都市伝説だと思っていたが……まさか自分にも訪れるとはッ!!

「それで……えっと、ちょっと言いにくいんですけど……」
「……はい」

 緊張で震えそうな身体を抑えながら、俺は努めて冷静に返事をした。
 そして。


「白ごはん、余ってませんか?」
「……はい?」

 その言葉が、彼女と過ごす日々の始まりだった。

553名無しさん:2019/01/22(火) 22:53:27 ID:rTfPi7a60
とてもいいお話だったけど、カレーと聞いてフーリーちゃんの
「大っきいほうの清らか」
の話だとガチで勘違いしてしまった。もう死にたい……

554名無しさん:2019/02/10(日) 22:58:45 ID:g/V430.A0
 ――彼女に対して一つ不満を挙げるとするならば、それは彼女自身の性的嗜好に他ならない。
 彼女は嗜虐と被虐とを孕んだ行為を好む。いわゆるSMプレイだ。褐色の肌と尖った耳を持つ、エルフの崩れの嗜好としては何らおかしいものではない。
 ではないのだが。

 今日も彼女はどこから持ってきたのか判らない荒縄で私の手足を縛る。文字通りに手も足も出せなくなった私に彼女は跨り、その魔性の腰つきでもって私を搾る。
 もう幾度出したか判らない。どろどろに蕩けた私の貌に彼女は愉悦の笑みを零して、それが引き金になったみたいによりいっそう抽送は激しさを増す。吐精は終わりを知らない。
 とうの昔に、私は彼女の奴隷となっている。彼女の気紛れな求めに応え、彼女のためだけに精を捧げる肉人形。
 だから彼女が私を虐げることそのものは全く問題にならない。私が求める快楽の行方は全て彼女の手中にある、その感覚にこそ悦楽を覚えるほどに私は彼女に対して堕落しているのだ。
 彼女に私の全てを捧げようとも、苦ではない。望外の喜びでさえある。
 
 ――ただ、つらいのは。
 如何な愛情を以て私を縛り上げているとき、私の両腕が縛られている以上は彼女を抱擁することができない。彼女の愛に対する応答ができない。
 出来るのは、彼女の望むようなあられもない声を上げるだけで……私を愛してくれていているだけ、私も君を愛したい。その間、君を抱きしめられないのは、ひどくさみしい――私は傲慢なのか?
 聴いた彼女は生娘みたいな、私の見たこともないような真っ赤な顔をして俯いた。それ以上私が話すことを許さないかのように私の唇を塞いで、体と体を擦り合わせる。
 ――自由だった。

555名無しさん:2019/02/11(月) 06:22:32 ID:i8BamNuw0
>>554
最後の本茶臼…もとい、女の人が抱きつく対面騎乗位からのキスするシーンでほっこりしました、ごちそうさまでした

556名無しさん:2019/03/02(土) 01:59:10 ID:gS2qFhgU0
ご主人様。

今、ワタクシの体に簀巻きにされている理由、自明で御座いますね?

...皆目検討がつかない、と。

ほう...左様で御座いますか。

どうか、その様なお顔で怯えないで下さいまし。

ワタクシで出来たネクタイを御締めになって、外出なさったのですから。

ご主人様が他のメスと逢瀬したことなど、この目で見たようなもので御座います。

それでも、ご主人様は。

シラを切る、と?

嗚呼、憎い、憎い、憎い。

愛しい、愛しい、愛しい。

いっそ、ワタクシのこの身体に埋め込んd

...はい?

"会話の中身までキチンと聞いたか"で御座いますか?

とてもとても。考えるだけでこの身が裂けそうで。物理的に。

...へっ?この贈り物を?ワタクシに...?

贈り物の相談を...?

......ゴホン。

有難う御座います。ご主人様。ワタクシめには勿体無い贈り物で御座います。

いえ、動揺などしておりません。ご主人様。

お食事の準備を致します。

はい、ご主人様。決して、動揺して、ナイフとフォークを誤って生成したりしておりません。

鼻歌など、ワタクシが歌うはずがありません。

...赤くなどなっておりません。ご主人様。

557名無しさん:2019/03/02(土) 02:02:27 ID:gS2qFhgU0
>>556
ショゴスだよ、と書くのを忘れていた。

558名無しさん:2019/03/18(月) 22:47:40 ID:5Xhab0pA0
リビングアーマーさんで独自解釈
「私たちの出産について…ですか。」
「まず中身だけが産まれて、次に母親の鎧の一部が分離して子供の鎧になると母から聞きました。」
「信じられないという顔をしていますね。」
「では私を孕ませて確かめてくださいませ旦那様❤️」

559名無しさん:2019/06/09(日) 20:50:10 ID:H4G3PAvk0
ホワイトホーンさん好感度一覧表in雪山にて
好感度低
「お一人で雪山を歩くのは危険ですよ、麓まで案内しますからついてきてくださいな」
好感度中
「あら、お一人でどうされましたか?私が麓まで送り届けて差し上げますからどうぞ背にお乗りくださいね」
好感度大
「あの、こんなところで出会えるなんて奇遇ですね…宜しければ少しお話でもしませんか?大したおもてなしはできませんが、私の家ならば暖もとれますよ」

好感度大+発情
「ハァハァそこ行く貴方こんなところで寒くありませんか寒いですよね私の家に来ていただければ温まれますよさあ背に乗って私の上着を羽織るのです心配いりませんむしろ私は熱いくらいでしてこんなものなんか着ていられなくて矛盾脱衣でもないですから安心してくださいそれよりこれから雪も溶かすような熱い夜を共に過ごすんですから貴方様は体力を温存してくださいませウフフ」

560名無しさん:2019/11/04(月) 11:08:00 ID:iklCwJuU0
以前教国民スレで見かけたネタをやってみる

『魔物娘笑点』

えー、では次、英語圏では古典的という「ノックノックジョーク」というものをやってみたいと思います。
私は魔物をよく知らない一般人です。皆さんは魔物になりきって、私の家の扉をノックしてください。私は「どなたですか?」と尋ねますので
魔物になりきって『〇〇だよ!』と答えてくたさい。 続けて私が「〇〇ってどんな?」と返します。そうしたら、上手く返事してオトして下さい。

『(コンコン)』(Knock, knock!)
「どなたですか?」(Who's there?)
『ダンピールだよ!』(Dhampir!)
「ダンピールってどんな?」(Dhampir, who?)
『人間みたいな…、いや、吸血鬼みたいな…、じゃなくて、ええと…』
(The dhampir like human... no... vampire... no... hmm...)

『(コンコン)』(Knock, knock!)
「どなたですか?」(Who's there?)
『アリスだよっ!』(Alice!)
「アリスってどんな?」(Alice, who?)
『あのねっ、サキュバスのアリス!』 (Well... Alice the succubus!)
「どっち!?」(Which is!?)

『(コンコン)』(Knock, knock!)
「どなたですか?」(Who's there?)
『カースドソードよ!』(Cursed sword!)
「どちらのカースドソード?」(Cursed sword, who?)
『カースドソードのフランキスカ!』 (Francisca the cursed sword!)
「どんな武器!?」(How's your arms !?)

※『ノック・ノック ジョーク』(The knock-knock joke)とは、ジョークのテンプレの一つである。
具体的なテンプレは以下の通り。

1.訪問者『(コンコン)』(Knock, knock!)
2.家 主「どなたですか?」(Who's there?)
3.訪問者『〇〇(名前など)です』(XX!)
4.家 主「どちらの〇〇?」(XX, who?)
5.訪問者『〇〇●●(名前にかけた駄洒落/オチを答える)』
※本来は、『ジョンです』「ジョン、どなた?」『ジョン・スミスです。鍛冶屋の』といったやりとりがある場面。

561名無しさん:2019/11/04(月) 16:26:39 ID:v8mYmUsU0
正直ジョークは意味というか笑いどころがよくワカラン……
特に3コ目

562名無しさん:2019/11/04(月) 22:15:52 ID:ri/mtNc60
ジョークは聞く側にも同じ程度の知識が必要だからね。そういうときはこう言えばいいと思うよ!
「※※さん、あなた、とってもダンス上手ね。でも必殺のジョークは全然面白くなかったわ」

野暮を承知で解説させてもらうと、3番目の意味は「カースドソード(剣)のフランキスカ(斧)」と言われたので「どないやねん」と反応してる。
『カースドソードのフランキスカ!』 (Francisca the cursed sword!)
「聖剣ソードトマホーク!?」(Getter Robo Go!?)

563名無しさん:2019/11/04(月) 22:49:24 ID:sFf1yhyg0
>>562氏、それ某日英ハーフの軍曹さん…?

それはともかく補足すると、フランキスカが女性名でもあり武器名(斧)でもあるのがミソやね
カチューシャみたいなもん

564名無しさん:2019/11/05(火) 21:59:47 ID:fA/VkZSE0
>>562,563
このジョークを解さぬ人擬きにわざわざ解説していただきすまない…
フランキスカっておにゃのこの名前なのか……

565名無しさん:2019/11/13(水) 00:21:35 ID:GwZ8uT2k0
>>562
最後の英文www

566名無しさん:2019/12/24(火) 21:27:18 ID:Vpt.q1ic0
某映画は、沈黙の戦艦とか「沈黙の〜」ってあるけど、
「チンも食うの〜」とかタイトルで、「チンも食うの戦艦」とかでやったら、
俺TUEEEモノじゃなくて、魔物娘TUEEEモノでできないかな?

第一章は、「チンも食うの帝国」とかでどうかひとつ。
主人公兼ヒロインの名前と種族はなんでもいいけど、苗字はセガールで統一で。

567名無しさん:2019/12/24(火) 21:28:05 ID:Vpt.q1ic0
ごめん、スレ違いか? >>566

568名無しさん:2020/02/09(日) 18:44:23 ID:5FZJnyGY0
【ラーヴァゴーレムのサウナのお話】

ここはサウナだった。そう、サウナだったはずである。
それが、今はラーヴァゴーレムたちで大洪水、
彼女たちは一人の男を取り合って、競い合うように、
数々の淫らな言葉で男を煽り立て、犯していた。
皆男を我がものとするために必死だった。

「どうだ?熱く蕩けるアタシの膣内(なか)は♡アタシが一番いいだろ」

そう言って一体のラーヴァゴーレムが上から男の逸物を下の火口に咥えこみ、
しなだれかかって、興奮のあまり全てが赤く蕩けたその女体で男を撫でまわす。
掌からもこぼれるそのトロトロおっぱいは男の胸板で潰れ、
柔らかい太ももを絡ませ、全身密着して、赤く熱い舌で耳を舐める。

「いいや、アタシの時の方が息も荒くてすごかったぜ♡こいつの膣内なんてぬるいだろ」

下からも溶岩に包まれている。同じ火山から生まれていながらも、
下のラーヴァゴーレムから感じる熱の方がわずかに高かった。
そして、左右からも間隙なく、容赦なく、ドロドロの女体に抱きつかれる。
男は完全に溶岩に飲まれてしまっていた。

それだけじゃない。周囲には一度男と交わった後、その余韻でオナニーする者、
男の喘ぐ様を見てそそられ、焦らされ、自分の番を待つ者、
サウナの中にいる者だけで軽く数十は数えられる。
そこから押し寄せる熱も凄まじいものだった。

振り返ると、これまで男は、口の中を溶岩の舌で貪られ、完全に溶け蕩けきった口で
逸物を咥えこまれ、何枚もの舌が逸物や全身を這いまわっただけでなく、
その赤熱する二つのおっぱいで逸物を挟み込まれては、四つのおっぱいの中に沈められ、
最初の正常位で脳が快楽で焼け落ち、対面座位で溶岩の深くて熱いところで
激しく犯され、それから様々な体位で、包まれながら、何度も何度も犯され、
もう射精の回数も覚えていないほどだった。しかも、そうやって蹂躙されるたびに、
彼女たちから「アタシのものになれ」と囁かれるのだった。

そもそも、ここはとある火山にある町。精霊たちとその契約者たち、
魔物たちとその伴侶たちが集まり、発展を続けていっていたのだが、
ただ一つだけ問題があった。

供給されるマグマと魔力の量があまりにも多すぎるのだ。
噴火こそないものの、日に日に産まれくるラーヴァゴーレムたちの数が、
ここに住むインキュバスたち、外からやってくる男たちと比して
あまりにも多くなってしまい、男性不足という頭の痛い問題を抱えることとなった。

街の皆は言う、「やってくる男の数が増えれば問題は解決する」と。
しかし、火山と言えば危険な印象が付いてまわる。
この町にも魅力を感じてもらうためにはどうすればよいのか?
そこである者が言った。

「ジパングには温泉に入る習慣があるどころか、
わざわざその温泉に入るためだけに長い道のりを旅して人が集まってくるという。
温泉ならこの町にもある。何とかそれを利用して、男たちを外から招き、
あわよくば夫のいない者たちと結ばれて、ここに定着してくれれば……」

積極性のある彼女たちのことなので、実現するのはとても速かった。
もちろん、既に結ばれている精霊たち、魔物たち、インキュバスたちも協力した。
訪れた男たちをもてなす(意味深)のは独り身のラーヴァゴーレムたちだ。
もちろん客の中から自分たちの伴侶を見定めるため、
相手を魅了して自分のものにしてしまうためである。

今日がその営業初日。発想そのものはよかったのだが、
宣伝が足りなかった上に、交通も不便な土地柄、やってきたのは男一人だけだった。
さらに不幸なことに、今日は町中の独り身のラーヴァゴーレムたちが、全員出勤していた。
それが何を意味するか。そう、一人への多人数の集中である。

さて、そうしているうちに男は全身をビクビクと痙攣させ、限界を迎え、
白い溶岩を赤い溶岩の中にぶちまけてしまった。
同時に、上のラーヴァゴーレムも大きく震え、絶頂を迎え、
鉄も溶かしかねないほどの熱を放つ。
そのせいで、男は全身が溶けてなくなってしまうような、
文字通り死ぬほど気持ちいいという段階にまで連れていかれてしまった。

「なあ……♡やっぱりアタシが一番だっただろ?」

男は答えない。比べられるはずがないのだ。

「欲張りなやつだな♡♡♡いいぜ♡決められるまで何周でも犯してやるから♡」

上から犯していたラーヴァゴーレムが退く。その瞬間外が見えたが、
男は逃げようという気にもならない。なぜなら、外にはまだ数百の
ラーヴァゴーレムたちが控えていたからである。

569名無しさん:2020/02/09(日) 20:12:22 ID:P4.CylZ.0
>>568
>逃げようという気にもならない
つっ、強すぎる……!

570名無しさん:2020/02/11(火) 06:55:41 ID:f4KcebXU0
流石に3桁の娘さんたちを相手するのはつらそう
私的にはやっぱ夫婦は1対1シチュが好きだなぁ

571名無しさん:2020/02/11(火) 14:19:31 ID:D2PFpPr20
>>568
仕事中に見るんじゃなかった…

572名無しさん:2020/02/11(火) 21:32:46 ID:KdlRSVG60
相思相愛による1対1もいいけど
図鑑世界的にはやっぱりハーレム体制がいいな
でも3桁はさすがにムリッス。

573名無しさん:2020/02/11(火) 22:32:42 ID:pC1GSE5Y0
3ケタは無理でも、11〜99の2桁のハーレムはあこがれる......
20台ならギリギリ行ける......無理かも。

574名無しさん:2020/02/12(水) 12:20:08 ID:RitonElg0

――流れの傭兵をしていたアタシは、戦で一人の教団兵と対峙した。

一介の少年兵と、自分で言うのも何だが、屈強なオーガ。
その差は歴然で、アタシはアイツをワンパンで気絶させて。
それからアタシ軍も抜け、ねぐらで絶えずアイツを犯している。

アイツは戦場からずっと、アタシに犯されている。
膝を震わせ怯えていた、初めての時から。
今となっては、恐怖に歪む顔を見せなくなったが、それでもアイツは無抵抗だ。

無論、だからと言ってアイツを解放なんてしない。
アタシは勝者で、強者。アイツは敗者で、弱者。
だから、アタシは、好きな時、好きなだけ、アイツを、蹂躙する。

――ただ、アタシも犯すだけじゃ、物足りない。

戦場からは身を引いたが、同じくらい『闘争』も好きなのだ。
しかし、アイツは攻めるのが下手だ。いつも、なすがままになってしまう。
だから、今日アタシは、アイツにハンデを与えることにした。

両腕だけを縛らせ、主導権をアイツに取らせる。
縄は魔界製で、アタシでもそうそう簡単に引きちぎれない魔法付き。
だからといって闘わず逃げたなら、足だけでも追いつける。

――さあ、いいぜ、こいよ。

アイツは、ゴクりと唾を呑み、まずは胸を揉み始める。
そして、口を乳首にあて、吸い始める。いい感じだ。
程よい刺激は、アタシを少し興奮させてくれる。

するとアイツは、アタシの全身に触れ始めた。
普段触れる余裕もないからと、丹念に、じっくりと。
予想外のアイツの行動に、少しだけ、ドキリとする。

静かに、アタシと、アイツの、唇が、触れる。
跳ねる胸に、一層の、追い討ち。何度も、なんども。
やがて、その何度は、全身に、広がってく。

――ああ、どうして、こんなに、あまくて……。

征服する、口づけが、アタシの、大事なところに、忍び込む。
そのまま、花びらを、蜜を。吸って、キスして、またねぶる。
なぜ、そんなに、執拗に、アタシを、アタシなんかを?

濡れるまなじり、そしてナカに、アイツのモノが、はいってくる。
受け入れる準備は万全で、滑りが一層、アタシを、責め立てる。
混乱する、アタシの、唇が、もう一度、アイツに、奪われる。

突かれながらの、舌を絡めた、濃くて、あつういキス。
とろけるような、という言葉の意味が、今なら、理解できる。
アイツは、そのまま、突いて、ついて。唇は、橋を架け、言葉を紡ぐ。

無理やり連れてこられた戦場で、僕は貴女に出会えた。
助けてくれた貴女の、やりたいようにしてくれれば、幸せだった。
だけど、ずっと、ずっと、伝えたかった。貴女が、好きだと。

――アイツの、吐き出した、想いの吐露に。

――アタシは、敗北した……。

……オーガから、逃げる手段は、絶頂させて、逃げること。
あーあ、敗けちまって、逃げられちまって、アタシったら……
そんな、アタシの縄が解かれ、驚くままに、抱かれ、口づけが。

……オマエって、バカだなぁ。今なら、逃げれたのに。
オーガって、すぐに回復して、また闘争を、挑むんだぜ?
……だけど、だから、今なら、腕の中。オマエの、次の言葉を、返せるな……♪

『好きです、愛しています。ジュノーさん』「ああ…、アタシもさ…。エルク…。」

575名無しさん:2020/02/13(木) 08:08:51 ID:4T2S91Z60
甘いな、とても

576名無しさん:2020/02/14(金) 02:20:01 ID:lfVtBdEA0
>>575
スピードワゴン呼んで来ようぜ、芸人の方のな!!

577名無しさん:2020/02/14(金) 05:58:13 ID:XKCZFqD20
んあむぁあああああああああいッ!

こういうジャンルっておねショタでいいの?

578名無しさん:2020/02/14(金) 21:35:52 ID:lfVtBdEA0
甘ーい!! 話といえば婚活、結婚。

図鑑世界の結婚事業はとんでもない大企業がやってそう、当然名前はスピードワゴン財団。

579名無しさん:2020/02/14(金) 22:47:33 ID:Xqu5fBKY0
古すぎるけどモンハンワールドのCMパロ


ワイバーン「今度のモンハンワールドめっちゃリアルですよねー」
ドラゴン「……よし、モンハンワールドごっこやるぞ!」
ワイバーン「え?」

テケテケーン テテケテケテーン テテテーテ♪

ドラゴン「――ネルギガンテェッ!」 ドゴォォォォン
「グワー!」「どわーっ!?」「だばーっ!?」
ワイバーン「ドラゴンさん!?」


ドラゴン「」 スッ
ジャブジャブ「ちょっ、それ私の卵!」
ドラゴン「クルルヤックゥ! クルルヤックゥ!」ドダダダダダダダダ
ジャブジャブ「持ってかないで卵ー!」
ドラゴン「クルルヤックゥー!」ポーン  グシャア
ジャブジャブ「あああああああああ」
ドラゴン「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」
ハンプティ・エッグ「」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ガチャ ヴィーーーーン!!
ドラゴン「パオウルムーッ! はをわっがぉぉぉぉぉ!」
パピヨン「ぎゃああああああ飛ばされるぅぅぅぅぅ!」
モスマン「鱗粉があああああ!」
マタンゴ「胞子があああああ!」
マッドハッター「帽子がああ!」
ワイバーン(扇風機の風圧やばぁ……)

ダダッ ズザァ!
ドラゴン「ぬおおおおおお!」  ガガガガガガ!


ワイバーン「ドラゴンさんっ! ドラゴンさーん!?」


ドラゴン「ディアブロスッ!」  ズバァァァン!


サハギン「………………何?」

580名無しさん:2020/02/17(月) 20:22:02 ID:9eu87F820
――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
見張りの交代時間前、仮眠をとれたと思ったら、この砦が魔物に襲われる夢とは。
速足で見張り塔に向かい、兵士Bと交代。置いてもらった見張り用の軽食の丸パンを取る。
……うん? 何だ……この妙に柔らかく生暖かい感触は……?

「それは私のお目玉さんだ」

丸パンと思い手の触れたそれは、ゲイザーの触手目玉であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、触手に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
ようやく見張りを交代して、整備し休もうと思ったら、同僚が魔物に襲われる夢とは。
新兵Cに置いてもらった、整備具と自分の兜を取る。が、重い。何だ、中に何か……。
……うん? 何だ……この妙に粘りつく生暖かい感触は……?

「それは私の生首さんだ」

兜と思い手を入れた先は、デュラハンの生首の切れ目であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、首から下に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていたようです。全くなんということでしょう。
気分の悪そうな先輩に兜と整備具を渡して、朝食の準備と思ったら、先輩が魔物に襲われる夢だなんて。
いけない、手が手が止まっていた。先輩のDさんに渡してもらったスリコギで、ゴマを擂ろうとする。
……うん? 何だ……この妙に手に吸い付く生暖かい感触は……?

「それは私の上腕骨さんだ」

スリコギと思い渡されたそれは、スケルトンの骨であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、残りの骨格に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
調理具を探していた後輩にそれを渡して、司令室に朝食を運ぼうと待機していたら、後輩が魔物に襲われる夢とは。
いけない、食事の時間だ。司令のE閣下に繋がる呼び鈴の紐を、引いてベルを鳴らそうとする。
……うん? 何だ……この妙にザラザラした生暖かい感触は……?

「それは私のお触覚さんだ」

呼び鈴の紐と思い手に取ったそれは、デビルバグの触覚であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、他の仲間に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
そろそろ食堂から朝食が運ばれてくるというのに、服装を整えて待っていたら、調理兵が魔物に襲われる夢とは。
それにしても今朝は遅いな、妙だと思い、念のためAの見張り塔を確認しようと、窓枠のレンガに手を掛ける。
……うん? 何だ……この石なのにぐにゃりとした生暖かい感触は……?

「それは私のぱふぱふさんだ」

砦の壁と、いや砦そのものが、ゴーレムの一部であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、私の砦自体に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
そろそろ朝食というのに、配膳を待っていたら、この砦自体が魔物になっている夢とは。

「夢かな?」『えっ!?』



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。


――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

――うとうととしたまどろみから

――うとうとと

――

581名無しさん:2020/02/18(火) 11:33:48 ID:szV7n1Ao0
変態仮面パロかと思ったら、最後微妙にホラーじゃねーか! こういうオチ好きだけど

582名無しさん:2020/02/21(金) 22:53:37 ID:V0O.jhqk0
>>577
おねショタじゃなくて「姐ショタ」かな…?

583名無しさん:2020/02/26(水) 12:27:00 ID:zrC6LRDU0

私は月が嫌いだ。

アレはいつも私を狂わせ、悩ませる。
あの煌々とした輝きが、夜に満ちるとき、私はワタシでいられなくなる。
そうしてワタシは、もう一人のアタシになるのだ。

もう一人のアタシというのは、毛深く、野性味溢れ、あまりにも本能的だ。
それはこの国の男性が好むような、『かわいい』や『やさしい』とはかけ離れてて。
だからこそ、この口吻から涎を垂らすような獣欲を、彼にはとても、見せられない。

月が輝きを満たすほど、ワタシはくすんだアタシになり、
月が光を手放せば、アタシはやさしいワタシになれる。
どうにもそんな、私と月は、裏と表。同じムジナの関係らしい。

なんともおこがましい例えだ。

そう、こんなのは、結局、妬み。
暗闇を照らし、皆に好かれる、輝かしいアイツに、
薄汚く、意地汚い、人狼の私は、あの美しい月に、吠えるだけ。

「月に吠える」だなんて、詩的だね。
でも、「無いものねだり」なんかじゃないよね。
だって、どちらの君もかわいいから。

彼の部屋の中、正体を露わにしたアタシに、彼が言った。
うっとりするような満月が昇る前、逃げられなかったワタシは、アタシになってしまった。
しかし、彼は驚くどころか、飄々と、どうにもアタシの本能をいじるのだ。

この女だけは、大丈夫だなんて、思っているのだろうか。
普段、図書室の隅で本を読んでるような、ワタシとは違うのに。
アタシも、心の中の狼が、牙を剥こうと、舌なめずりをしているのに。

アタシは、本能で、獣欲のまま、いたいけな羊を、押し倒す。
両肩を押さえつける、狼の爪。それに連なる、獣毛と獣臭。
ねえ、どう、こんな、狼に食べられるなんて、恐ろしいでしょう。

だけど、羊は、彼は。微笑みを絶やさず、私に言うのだ。
そんな君も愛らしいと、狼の君もかわいらしいと。
君になら、爪で服を切り裂かれ、肉を貪り食らわれて、

死んでもいいよ、などとのたまうのだ。

ああ、アタシの獣の耳が揺れ、ふさふさとした、尾が振られる。
心臓は激しく胸を打ち、息はさながら走狗のそれ。
アタシとワタシは、二人でいる必要もなくなって、私になる。

ふと、窓の外を見ると、私を狂わせる、魔性の光が、私を照らしている。
もう、アレに吠えなくてもいい。欲しいモノは、ここにある。
そうして、私は妬みにお別れし、瞼を閉じながら、彼に言うのだ。

月が綺麗ですね、って。

584名無しさん:2020/02/29(土) 01:47:05 ID:4RJ91WTc0
甘い文学少女、って感じ。好き。

585名無しさん:2020/05/02(土) 02:53:46 ID:d4QGO7.Y0
 ある日、何だか綺麗なランプを見つけた。
 思わぬ掘り出し物にラッキーと思いつつ、それを持って帰ることにした。
 売れば金にもなるだろうかと思ったが、何となく売る気にはなれず、家宝にでもしようかと思い立つ。
 その為には、とりあえず磨いてやるか、といらない布地を使って拭いてやることにした。
 仲間で磨いた後は茶入れにでも使おうか、と試案しながら拭いていたら、ランプの先端の穴から何やら煙がモクモクと湧き上がる湧き上がる。
 むせるほどの煙に咳込み、辺りを確認すると、なんだか褐色肌の別嬪さんが目の前に立ってらっしゃる。
「アタシはランプの魔人――ジーニー。アタシを呼び出した、あなたの願いを叶えてあげる。もちろん代償は頂くけど」
 陽気でありながらも、わずかな高飛車感を匂わせつつ、そう言い放つ少女。
 しかし、そう言われても俺には頭を掻く以外の返答が出来なかった。
「ちょっと、なんでそんな微妙そうな顔するのよ。あなたの願いがなんでも叶うのよ?」
 それはもちろん重々承知である。
 しかし、特に不自由なく平和に生きてきたこの人生。
 願いや夢が無いと言えば嘘になるが、さぁ言ってみろ、と言われれば思いつかないのもまた事実。
「いや、あるでしょ普通。不老不死ーとか、巨万の富ーとか、世界征服ーとか」
 どれも言われてもピンと来ない。
 特に今の人生に無限の命や財産が欲しいと思ったことはないし、世界なぞ制服したところで自分の手に余る事は目に見えている。
 むしろその三種は壮大すぎて選択肢にも入らない。
 というよりも先に聞いておきたい事があった。
 ――願いの代償とは一体何なのか。
「あ、聞いちゃう? それもう聞いちゃう? まぁ、聞かれちゃったら答えるしかないかー」
「えーっと、それはね、願いはもちろん叶えるけど、前払いでその願いを叶えるための魔力を貰う事」
 ほう、つまり?
「つまりあなたは男性だから、わたしとえっちして精をくれるのが一番手っ取り早いかなーって」
 なるほど……つまりは射精しろって事か。
 そういう事ならば、すでに今渡してしまっても問題はないのだろう?
「えっ、そ、それって――」
 今はきっと生きていれば願いの一つや二つは出てくる。
 これでも俺は一般男性だ。暇なときにゃ自慰、オナニー、マスターベーション。
 そうなってくると、どうせは精の無駄撃ちとなる。ならばその分は魔力の補充に充ててもらった方が無駄がない。
「へぇ……ふふっ、そういう思いきりの良い人、アタシ嫌いじゃないよ」
 と、この前払いの前払いには相手も文句はないらしい。
 目の前の美少女と仲良く話せて、ちょうどムラムラしてきていた所だった。
 それなら遠慮なく、と俺は下半身のロングソードを露出し、ランプを手に取る。
「……えっ」
 何故かこの状況が分からないらしい目の前の美少女に見つめられながら、俺は股間の剣を――ランプの先端の穴に挿入した。
「ちょっ、あ、あなた何してんの!?」
 あ、この金属のひんやりとした感覚と美少女と繋がってる煙のちょっと温かい感覚が俺の股間に纏わりついてて、思っていた以上に気持ちいい。
 まずい、この快感に不慣れな事もあり、既に俺の魔剣から白濁した水のエンチャントが暴走しそうだ!
「うわ、ちょ、やめっ、出すならアタシの中に、あぁいや、アタシって言ってもランプの方じゃなくてっ」
 ――あぁー、イクっ!
「やーめーてー!!」

 その後、ジーニーの美少女にガン泣きされた後、滅茶苦茶に犯された挙句、無理やりこの子と伴侶になる願いを言わされた。

586名無しさん:2020/05/02(土) 04:43:49 ID:Qae2bq3c0
勘違いというか思い込みってこわいね
乙でした

587名無しさん:2020/05/05(火) 12:20:36 ID:69clnwco0
冷静になって考えると中々のロングソードだな

588名無しさん:2020/05/07(木) 22:00:56 ID:zrgI2zDo0
>>585
これを第一話に連載が読みたい

589名無しさん:2020/06/14(日) 10:51:26 ID:51TeexkU0
一噛み、二噛み。
牙が触れる度に恐怖が生まれる。肌が粟立ち、手足の感覚が薄れていく。
三噛み、四噛み。
抉られた傷口から幾筋も血が伝う。毒々しい紫に変色した痕から熱が広がっていく。
五噛み、六噛み。
失われていく血液の代わりに粘ついた欲望が染み込んでいく。全身に回った熱は股間のそれを大きく隆起させた。
最後にもう一噛みして、牙はようやく離れた。
紫の糸が橋を作り、やがて切れる。

「次はあなたの番」

言葉に導かれるまま肩口に口を寄せる。
一噛み、二噛み。
噛みしめた口から吐息が漏れる。肌が徐々に赤らむ。
三噛み、四噛み。
噛み痕から唾液が伝う。紫の毒腺が滲み揺らいでまだらに溶ける。
五噛み、六噛み。
溢れ出した毒と汗と愛液とが混じり合った粘液に埋もれていく。ぐずぐずになった境界線で乳頭が膨らみ擦れ合う。
最後にもう一噛みして、歯をようやく離す。
唾液の糸が切れる前に口づけを交わされ、無数の肢と両の手で抱きとめられる。

「今度はわたしの番」

一噛み、二噛み。
首筋を噛まれ一物を咥えこまれる。緩やかに、確かめるように動く。
三噛み、四噛み。
睾丸が膨れ上がる感触と共に生まれる放出感。体内に吐き出された精は潤滑と伝熱の役割を果たした。
五噛み、六噛み。
しかし彼女はそれでは足りない、足りないと訴えている。もっと注げ。己が全てを精と変えてでも注ぎこめと。
薄れていく理性とは裏腹に、欲望は更なる悦楽を求めさらに雄々しく勃っていた。

「今度もわたしの番……くふふ」

二度目の吐精の瞬間、彼女の声が聞こえた気がした。
そして、これから私を待ち受ける運命も分かったような気がした。

大百足に捕らえられた人間がどうなるか知る者はいない。
彼の森には近づくなと、そう伝えられるばかりである。





「ぱぱー、ままー」
「わあ可愛いなあ我が娘ながら! ずっとパパとママと一緒に暮らそうなあ!」
「もうあなたったら親バカなんですから。だめですよ、大きくなったらこの子にも好きな人ができるんですもの」
「わたしはぱぱのことすきだよ?」
「うふふ、ママの方がパパのこと大好きですよ? だから盗っちゃダメ」
「ガチトーンでビビらせるのはよくない」

590名無しさん:2021/01/02(土) 19:23:08 ID:e5MrXIvA0
ここに保存しておきたかった。

810: 名無しさん :2015/09/19(土) 22:27:00 ID:mcfFMVZcO
ふむ、狂福亭蜍宕蘇とな

811: 名無しさん :2015/09/21(月) 00:40:25 ID:qc9g/fOc0
「ええ、古今東西、縁は異なもの味なもの、などと申しまして。
ワタクシの旦那は、大悪人。世界の反魔物領を股にかける大泥棒でございました。
そんでその大泥棒が、教会で主神のものはあらかた手をつけた、今度は混沌の神さんにもお邪魔しようってんで、かくゆうワタクシめに鉢合わせた、と。
おっとこいつは始末がいけねえ、見逃しちゃあくれねえか、
そうのたまうもんだから、ならばこのワタクシめは、アナタとひとつになりたいと申したわけです。
すると向こうも、そいつぁいけねぇ、大悪人のおいらと一つになりゃあ、お前さんまで悪人になっちまう、と。
だからこっちも負けじと、おやおやそれならあなたと添い遂げようっていう、ワタクシめの半身はどうなんでしょう、と言やあ、
ああ、お前さんにそこまで言わしちゃあ、おいらは悪人どころか下種じゃねえかと返してくるが、そこは魔物の性、下で種なら上玉ですよと言って、一つになったわけで。
そんで一つになった身で、旦那がね、訊くんですよ、お前さんまで悪人なっちゃないかと、だからワタクシめは申したわけです。とんでもない、アナタはワタクシの良人(おっと)だって。
おあとがよろしいようで。」


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