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【ファンキル】SSスレPart3

1ゆるりと管理人:2020/06/02(火) 19:59:19
前スレはこちら
Part1
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/15938/1563639218/
Part2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/15938/1568155889/

ファンキルの二次創作SSを投稿するスレです。

・18禁の内容はNGです
・原作のキャラクター性を著しく損ねる内容はご遠慮下さい、
また損ねている可能性がある場合は注意書き等でご配慮下さい
・複数レスに跨る場合は投稿者名(いわゆるコテハン)を利用しましょう
・投稿に対する暴言は規制対象になります
・ダモクレスばかり登場させるのは控えましょう

42謎の邂逅:2020/06/25(木) 02:01:17
アロンダイト「それでAさんここは?」

A「まあここは夢の世界とでも思っておいて」

アロンダイト「私マスターのところに行かないといけないので」

Aは一瞬不服そうな顔をしたがすぐに笑顔になった

A「大丈夫大丈夫ここは夢の世界なんだよいずれ覚めるんだから慌てない慌てない」

アロンダイト「それなら早く起きないとこんなところで時間を使ってる場合では」

Aはアロンダイトの口に人差し指をぴとっと当てた

A「夢の世界で流れる時間はとてもゆっくりなんだ焦る必要はないよ」

そういうとAは自分が腰かけていた椅子に再び座った

Aは黒のロングにに右に赤、左に青のラインが縦に一本入っていて白と黒の服を着ていた

色が四色もあり白と黒の服によりダサいようにも見えるしあえて逆同士の色を組み合わせでセンスが良いようにも見える不思議な感じを纏っていた

アロンダイトは少し気になったことを聞いた

アロンダイト「あのその読んでる本なんですか?小説でもなにかの難しいような本でもないようですが」

A「これ?これはマンガだよタイトルはワン◯ースまだ終わってない超人気作だよ」

アロンダイト「マ、マンガ?」

A「覚えてないか.....やっぱりキラーズそれなりに記憶は抜け落ちるようだね....」

アロンダイト「どういうことですか?」

A「ううん気にしないで」

アロンダイト「そうですかわかりました」

A「はぁ君に教えてもらったものなのにやっぱり片方覚えて片方覚えてないは悲しいな」(小声)

Aはため息をついて大きく伸びをするとアロンダイトに提案をした

A「ねえちょっと運動しない少し目を覚ますために私と少し手合わせしない?」

アロンダイト「私は良いですけどあなたは大丈夫なんですか?」

A「大丈夫大丈夫私こう見えても鍛えてるからね」

Aは満面の笑みで答えた

43謎の邂逅:2020/06/25(木) 02:19:14
アロンダイトはAに案内されて大きい広場に出た

A「よーし存分に戦うぞ」

アロンダイト「さっき目を覚ますためにって言ってましたけどここ夢の世界?なんですよね?」

A「あーあれは殺されるような夢見たら目覚ますでしょ?そういう意味合いで言ったの」

Aはしっかりと準備運動をした

Aは脚に着けているホルダーについている本を手に取ると構えた

A「こっちの準備は良いよそっちは?」

アロンダイト「こっちも良いですよ」

アロンダイトは剣を構えた

アロンダイトは剣を振り下ろすとAは手に魔方陣を展開して剣を防いだ

アロンダイト「くっ!」

アロンダイトは素早く剣をAの脚、胴、肩と狙う

だがAは的確にタイミング良く魔方陣を展開して剣を防いだ

アロンダイト「なっ!」

A「次は私の番」

Aは素早く近づきアロンダイトの顔面を殴りアロンダイトがバランスを崩したところで頭を掴み膝蹴りを腹に決め右足でアロンダイトの顔面を蹴り上げアロンダイトの顔が上がった瞬間左足を軸に回転して右足の踵をアロンダイトの頭に当てぶっ飛ばした

アロンダイト「あ....が.....」

A「あ、ヤバい久々の戦闘だから少し張り切ってしまった....」

『お前なにやってる』

A「と、とりあえず早く手当てしなきゃ」

44謎の邂逅:2020/06/25(木) 02:34:19
A「大丈夫?ごめん手加減すれば良かった」

アロンダイト「いえいえ大丈夫ですよ」

『全く自分で丁重に扱うように言ってたくせに』

アロンダイト「あのこちらの方は?」

Aの隣には青白い炎で人型の姿をしたなにかがいた

A「あーこいつは夢の住人Bで私の使い魔みたいなものだから気にしないで」

アロンダイト「そうですか...」

Bは表情はわからないがあからさまに呆れていた

『はぁBだよろしく頼む』

アロンダイト「よろしくお願いします」

どこを見渡してもないはずの時計が鳴り響く

A「あー久々の仕事か...」

アロンダイト「仕事?」

A「ちょっと席を外すよ君はBとでも遊んどいて」

アロンダイト「え?あのちょっと」

Aは一直線の廊下しかないはずの扉を開けて部屋を出た

アロンダイトは後を追いかけて扉を開けるとAの姿はなかった

廊下は一直線でしかも出たばかりなのにAの姿が見えないことに驚いていた

『すっごい速さで歩いたんだろう』

二人の間に気まずい空気が流れた

『.....えっと......U◯Oするか?』

アロンダイト「ルール教えてくれますか?」

『もちろん教える』

アロンダイト「ならやります」

45謎の邂逅:2020/06/25(木) 03:08:40
Aは高台から見下ろしていた

見下ろす先にはマスターとそのキル姫が他のマスターのキル姫と戦っていた

A「はぁ一番知能があるのに醜い誰かを敷いたげ自分が優位であることにしか興味がなくそれにしか頭が使えない生命体」

A「人数と規模を見るに最終戦争って感じかな神まがいの奴らもいるだろうし少し暴れるか」

Aは高台から飛び戦場のど真ん中に降りた

男「誰だ!?」

Aはあくびをしながら答えた

A「誰でも良いだろ容量を食うだけの猿が」

男「なんだとてめえ!殺れ!」

男のキル姫が弓矢を引き矢を放った

Aはその矢を魔方陣で止め向きを変えてさっきの倍以上の速度で撃ち返した

撃ち返した矢は矢を放ったキル姫とその後ろにいた男の頭を貫いた

辺りは一瞬静まった

A「なに今一瞬ビビった?このチキンどもが」

その言葉で激昂したマスターたちは自分のキル姫にAを攻撃するよう命令し命令されたキル姫は次々とAに向かった

A「良いんだな?良いんだよな?それがお前たちの....彼女をこの世界から一人もいなくさせたお前らの答えなんだな?」

Aは次々とキル姫を返り討ちにし始めた

キル姫の攻撃はどれひとつも効果はなくAは次々とキル姫を殺して行った

その光景は戦いではなく一方的な殺戮と化していた

Aの展開する魔方陣は炎を燃え上がらせ氷を突き上げ雷を起こし風を吹き荒らせ光を撃ち闇を放った

「こうなったら...あのコマンドとか言う奴らの対策に用意してた罠だが.....いけ!」

どこからともなく飛んできた鎖がAを縛った

「どうだ!対キル姫用の鎖だキラーズに反応して強く縛りあげるんだこれで..」

A「これでどうするって言うの?」

Aはいとも簡単に鎖を破壊した

「お、おかしいだろ!キラーズがあれば絶対に逃げられるはずのない鎖だぞ!」

A「じゃあ簡単だね私は“キラーズがない”ってことだね」

Aは不適な笑みを浮かべた

46謎の邂逅:2020/06/25(木) 03:25:43
その頃アロンダイト

アロンダイト「U◯Oーーーーーーーーーー!!」

『あがりーーーーーーーーーー!!」

アロンダイト「あーーーーーーーーーー!!」

*********

戦場だった場所にはAだけが立っていた

A「常にここまで静かだったら良いのに」

フォルカス「あなた何をやっているの?」

フォルカスたちが現れた

A「何って君たちが否定してるバイブスとそのキル姫たち殺してやってたんだけど?」

フォルカス「そう...」

A「ああでも君たちも対象だよこの世界にいるからね」

フォルカスたちは素早く武器を構えた

A「神の力と名を使う紛い物たちと戦うんだ少し本気だそう」

Aが本を開くとAの周りに槍、斧、銃、弓、杖が形成された

A「剣は特別だからね私がふるってあげなきゃ」

Aはニコニコと笑いながらフォルカスたちを見た

A「さあ少しは私を楽しませてよね終焉は近いんだから」

********

その頃アロンダイト

アロンダイト「U◯Oーーーーーーーーーー!!それと同時にあがりーーーーーーーーーー!!」

『あーーーーーーーーーー!!』

アロンダイト「しゃあーーーーーーーーーー!!」

ただいまの戦績
アロンダイト:5勝
夢の住人B:195勝

47謎の邂逅:2020/06/25(木) 03:47:12
フォルカス「そ、そんな....」

フォルカスの以外のコマンドは全員殺されてしまった

フォルカスも立つのがやっとの状態だった

A「あ〜あここもそれほどじゃなかったよ」

フォルカス「あなた...一体何者?」

A「私?私はただの常人の範疇を越した知識で終焉で終末の未来を見るただの本だよ」

フォルカス「も、もしかして...アポカr」

Aはフォルカスの口を手で防いだ

A「それ以上の会話は不要だよどうやらここを覗いてる物好きもいるみたいだしね」

Aは手をフォルカスから離すとゆっくりと宙に浮いた

A「さあこの世界の終焉だ」

本とAの両手に今までとは違う異様な魔方陣が展開された

そしてAはその3つの魔方陣を重ね合わせポンっと送った

A「グッバイ一番知能のある生き物よさらば良いようにも扱われた戦姫たちよ」

Aが指をパチンと鳴らすと魔方陣はたちまち紫の光を放ち世界を覆った

しばらくすると紫の光は消えた

そして天上、地上、ましてや地底の人間とキル姫だけが消えた

Aは草原に降り立つと手をそっと伸ばし伸ばした指先に小鳥が止まった

A「ふふ人がいなければ神も存在する意義がない人が作り人が崇めるから存在する」

A「傲慢な神がいなくなり一番知能がある愚かな動物人間が消え小鳥や蟻は生き残る」

A「小鳥のさえずり風が植物を揺らす音これくらい静かなら良いものだよね」

Aはゆっくりと歩きだした

48謎の邂逅:2020/06/25(木) 04:06:04
Aが帰って来ると部屋が珍しく騒がしかった

アロンダイト「うおーーー!ようやく10勝目!!」

A「へぇー彼に10勝したんだおめでとう」

『ああおかげさまで俺は2895勝するはめになったけどな』

アロンダイト「ああAさん一体どこに行って..」

Aはまたアロンダイトの口に人差し指を当てた

A「もうおやすみの時間だよ」

アロンダイト「おやすみってことは」

A「夢から覚める時間だ」

アロンダイト「待ってくださいあなたに聞きたいこと....が.....」

アロンダイトは力がなくなったように倒れた

Aはアロンダイトをキャッチするとお姫様抱っこしてアロンダイトが目覚めた部屋へ運んだ

Aはアロンダイトをベッドに寝かしつけてあげるとゆっくりと頭を撫でた

A「おやすみトワ私に世界の広さを世界の素晴らしさを教えてくれたヒーローよ」

Aは戻ると椅子に腰かけた

『なにか飲むか?』

A「コーヒー」

『了解』

Aは本を見渡して思い出していた

*********

「あの娘ずーっと本読んでるわ」

「ずっと一人だしなんか気持ち悪い」

「やーいやーい本読み虫気持ち悪いんだよ!」

そういうと男の子は消しゴムやらなんやらを投げてきた

トワ(過去のアロン)「止めなさい!いじめるなんて恥ずかしいと思わないの!?」

「なんだよ偉そうに」

トワ(過去のアロン)「偉そうにしてるのはそっちでしょ?」

「なんだと!やるって言うのか?」

トワ(過去のアロン)「ええやってやりますよかかってこい!」

喧嘩が始まりしばらくして先生が来て止めた

「どうして私のために喧嘩したの?」

トワ(過去のアロン)「ヒーローになるならイジメは止めるべきです」

「ヒーロー...」

トワ(過去のアロン)「はいヒーローです!」

それが彼女との出会いだった

49謎の邂逅:2020/06/25(木) 04:15:50
帰り道

トワ(過去のアロン)「本ばかり読んでますけど一体何を読んでるんですか?」

「言ってもわからないよ」

トワ(過去のアロン)「そうだ!私の持ってる本と交換しましょう」

「交換?」

トワ(過去のアロン)「はい、これ」

「これは?」

トワ(過去のアロン)「私のお気に入りのマンガです」

「マンガ....」

トワ(過去のアロン)「読んだことないんですか?」

「う、うん」

トワ(過去のアロン)「それじゃあその本貸してください」

「どうぞ」

トワ(過去のアロン)「それじゃあ明日感想を言い合いましょう」

「えっと...それは早くない?」

トワ(過去のアロン)「それじゃあまた明日ね....えっと」

シオリ「シオリ!」

トワ(過去のアロン)「はいそれじゃあシオリまた明日」

次の日彼女は読んだけど理解が出来なかったようである

それから彼女は私を色んなところに連れて行った

山の山頂、デパート、喫茶店に映画館、本当に色んなところに連れて行ってくれた

私の閉じてた世界を開いて広げてくれた

50謎の邂逅:2020/06/25(木) 04:17:19
帰り道

トワ(過去のアロン)「本ばかり読んでますけど一体何を読んでるんですか?」

「言ってもわからないよ」

トワ(過去のアロン)「そうだ!私の持ってる本と交換しましょう」

「交換?」

トワ(過去のアロン)「はい、これ」

「これは?」

トワ(過去のアロン)「私のお気に入りのマンガです」

「マンガ....」

トワ(過去のアロン)「読んだことないんですか?」

「う、うん」

トワ(過去のアロン)「それじゃあその本貸してください」

「どうぞ」

トワ(過去のアロン)「それじゃあ明日感想を言い合いましょう」

「えっと...それは早くない?」

トワ(過去のアロン)「それじゃあまた明日ね....えっと」

シオリ「シオリ!」

トワ(過去のアロン)「はいそれじゃあシオリまた明日」

次の日彼女は読んだけど理解が出来なかったようである

それから彼女は私を色んなところに連れて行った

山の山頂、デパート、喫茶店に映画館、本当に色んなところに連れて行ってくれた

私の閉じてた世界を開いて広げてくれた

51謎の邂逅:2020/06/25(木) 04:30:53
私はそんな彼女を助けたい人を助けるためにキル姫になったのに人から疎まれ嫌われ道具のように扱われる彼女を

『おい...おい....おい!』

A「ん?出来たの?」

『ああだけどお前がボケーっとしてたからな』

A「そうありがとう」

『あの女はお前にとっては何者なんだ?』

A「大切な人」

『大切な人か.....私の知識を持ってしてもそれは実際に体験しなきゃわからないだろうな』

A「そうねこれだけは知識だけじゃわからないものよ」

『ふぅー自分でもわからないものに会うとは思わなかったな』

急に図書館が大きく揺れた

『またか』

A「はぁゆっくり出来ないな」

Aは目を閉じ再び目を開けると黒かった目は灰色と金色になった

Aが手をかざすと揺れは収まった

『そろそろこの世界も終わりか?』

A「その時はその時」

Aの目は黒に戻っていた

Aはコーヒーを一口飲む

A(トワ今はゆっくりと幸せな夢を見ていてあなたが起きるまで私はいつまでも待ってるから)

52謎の邂逅:2020/06/25(木) 04:31:33
なぜこの話を思い付いたのか....知らん!

53謎の邂逅:2020/06/25(木) 05:07:25
>>52
追記
深夜テンションかどうかわからないがAのCVが水樹奈々で再生されながら書いてた

54今日は百合の日:2020/06/25(木) 22:53:16
アバリス「マスター今日は百合のらしいので白百合の花をどうぞ」

アバリスは勘違いしている百合は百合でも花の百合ではなく今日が指してるのは女性同士の恋愛の百合である

そうとも知らずアバリスは満面の笑みで白百合の花をプレゼントしている

オリビエ「......ねえアバリス」

アバリス「どうかしましたか?」

オリビエ「抱いて良い?いつもより激しく」

アバリス「え?」

今日の夜は特に激しく盛り上がったそうです

55梅雨を楽しく過ごしたい:2020/07/02(木) 21:40:19
マスター「はぁ、また雨か…」

6月某日。
梅雨に入ってじめじめとした日が続く。

イシュー「どうしましたマスター?」

マスター「イシュー…雨が鬱陶しくてね」

イシュー「なるほど。ではマスター、なぜ人は雨を嫌うか分かりますか?」

マスター「さあ」

イシュー「ずばり、濡れるからですわ!すなわち、それさえ克服すれば雨なんてへっちゃらです!」

マスター「嫌な予感がする」

イシュー「ではどうやって克服するか。それは身近にヒントがあります。そう、この子ですわ!」

イシューはカエルちゃんをかかげた。

マスター「カエルちゃん…?」

イシュー「カエルと言えば雨!雨と言えばカエル!つまりカエルに成り切ることができれば雨も怖くありませんわ!むしろご褒美です!と言うわけでマスター、雨が大好きなカエルちゃんの気持ちになりましょう!これぞトゥルース!」

マスター「えぇ!?」

イシュー「それではマスター、10分後に外で集合ですわ。ワタクシがマスターにカエルちゃんの気持ちを伝授いたします!」

マスター「了解…するしかないか」

10分後、約束通りイシューを待つマスター。

イシュー「お待たせしましたわ!」

カエル柄の傘、カエルを模ったレインコート、カエルがプリントされた長靴。

マスター「カエルちゃんの気持ちってそう言うこと?」

イシュー「形から入るのは決して間違いではありませんわ!」

マスター「とりあえず緑の全身タイツじゃ無いのは安心した」

イシュー「マスターにはこちらを用意しました」

イシューはカエルの着ぐるみを差し出す。

マスター「全身タイツの方がマシだった…」

数分後。

イシュー「あ、見て下さいマスター!カエルちゃんとカタツムリが仲良く遊んでますわ!」

一人はしゃぐイシュー。

マスター「駄目だ。着ぐるみが雨を吸って重いし、中もぐっしょり…これじゃカエルちゃんの気持ちを知るどころか息苦しいだけだ」

イシュー「ふふふ♪ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷらんらんらん♪」

マスター「まあイシューは楽しそうだし、いいか」

キル姫「マスター!マスター!」

マスター「あ、ごめんイシュー。呼ばれてるから行ってくる」

しかし雨を吸った着ぐるみでモタつくマスター。
盛大にすっころんで水たまりに倒れ込む。

イシュー「マスター大丈夫ですか!お怪我はありません?」

マスター「うがぁぁあ!」

着ぐるみを脱ぎ捨てるマスター。

マスター「もう普通に濡れた方がマシだ!雨なんてくそ食らえ!」

イシュー「えぇ?」

マスター「ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷらんらんらん♪さあイシューも!」

イシュー「ぴ、ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷらんらんらん?」

マスター「そうだ!ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷらんらんらん♪」

イシュー「ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷらんらんらん♪」

マスター&イシュー「ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷらんらんらん♪」

雨の中ではしゃぐマスターとイシュー。

雨は克服した(?)が、この後マスターが風邪をひいたのは言うまでもない。

56名無しさん:2020/07/02(木) 22:20:00
ほっこり

57カシウスSS:2020/07/03(金) 21:55:27
カシウスとマスターが恋人になってイチャラブするSS(R18)を下記URLに投稿しました。
ハーメルンの方で「水着カシウス目隠しエッチ」とのリクエストを受けて書いたものになります。
興味のある方は良ければ読んでやってください。
お目汚し失礼しました。

二次小説投稿サイトハーメルン カシウスR18 SS
https://syosetu.org/novel/226862/

※もし入れなかったら、ハーメルンにて「荒ぶる異族」で検索をかけて貰うと見つかると思います。

58七夕アロンちゃん:2020/07/07(火) 22:14:59
七夕アロンちゃん

アロンダイト
「七夕の願い事は何にしましょう?」

マスター
「なんでも良いんじゃないの?」

アロンダイト
「皆さんはどんなお願いしたんでしょうか?」

マスター
「ムラマサは美味しい団子を作ることらしい」

アロンダイト
「団子ですか?」

マスター
「うんカシウスのために作ってんだけどカシウスちょっとあれだから....」

**********

ムラマサ
「カシウス殿、団子を作りました」

カシウス
「ありがとう」

カシウスは団子を一口食べた

カシウス
「美味しい」

カシウスは無表情で答えた

ムラマサ
「そ、そうですか...」

ムラマサ
(またカシウス殿に気を使わせてしまった....)

********

マスター
「こういうことらしい」

アロンダイト
「なるほど和解できる日が来ると良いですね」

マスター
「和解とは違うような....」

アロンダイト
「そして今願い事が思いつきました!」

マスター
「へぇーなにをお願いするの?」

アロンダイト
「それは秘密ですよ」

マスター
「でも書くから後で俺が見てばれるじゃん」

アロンダイト
「見たら目潰しです」

マスター
「物騒だな....わかったよ見ないよ約束する」

アロンダイト
「はい約束です」

二人は笹に願い事を書いた短冊を着けてその場を去った

短冊:マスター
『みんなの願いが叶いますように』

短冊:アロンダイト
『みんな(特にマスター)と一緒にいられますように』

59七夕アロンちゃん:2020/07/07(火) 22:23:09
別ゲーの推しの誕生日を楽しんでたのは内緒だぞ

60名無しさん:2020/07/08(水) 02:06:51
久しぶりになんか読ませてもらおうかなと思ってスレ開いたらオリキャラやら内輪ネタやらでついていけなくて悲しい…

61名無しさん:2020/07/08(水) 02:42:32
見るなら記事とかpart1の方が良いと思う
part1なら作品ごとに分けてあったりするからおすすめpart2は作品ごと分けられてないからちょっとその面が苦しい
後オリキャラとか内輪ネタは変について行こうって考えず頭の中空っぽで読んだ方が良いよ

62名無しさん:2020/07/09(木) 21:23:59
もはやアロンちゃんにすら感想が付かないのか
アロンちゃんに限らず皆ももし読んでるのならもう少し作品に反応しようぜ

あとpart2にもまとめあるよ!
700〜800代のどこかにあるはずだよん

63名無しさん:2020/07/09(木) 21:28:42
おもしろい

64名無しさん:2020/07/09(木) 22:36:24
投稿日が週1とか隔週って決まってるなら定期的に反応できるけどな
不定期更新ならすぐ反応欲しがっちゃダメだろ

65名無しさん:2020/07/10(金) 13:00:47
ブーン系小説みたいにまとめサイトできればもう少し盛り上がるかもね

66名無しさん:2020/07/10(金) 19:44:45
まだ誰もなろう系書いてない不思議
現世で死んでキル姫のマスターに異世界転生した話誰か書いてくれw

67名無しさん:2020/07/10(金) 21:23:08
なろう系ってだいたい転生して転生した先で俺Tueeeeの無双だけど基本マスターって無能っていうかこれという活躍を出しにくいキャラのポジションだからわざわざ現世で死んで転生した先が〜でやるよりも最初からマスターの設定で書いた方が楽なような気がする

68名無しさん:2020/07/11(土) 00:50:50
ファンキルで俺Tueeな転生主人公やるなら天上編の団長に転生すれば解決じゃね?w

69名無しさん:2020/07/12(日) 02:11:40
>>原作のキャラクター性を著しく損ねる内容はご遠慮下さい
このルールがあるからなろう系とか独自の2次創作系物がここでは書けないんだよなぁ
ルールをエログロとかの18禁のみ禁止とかにしてくれれば、なろう系やギャグ系もガンガン生まれそうなのに残念。

70名無しさん:2020/07/12(日) 02:47:30
最初に注意書きで※キャラ崩壊注意みたいなのを書いておけばいいんじゃね?
記事にされてたヒョウハのとかアロンちゃんも一部そうだし18禁のエログロとあまりにも酷すぎるキャラ変じゃなかったら大丈夫なんじゃねえの

71名無しさん:2020/07/15(水) 03:12:04
夢は未来からの警告、別の世界の自分が見ている光景、記憶によって形成された体験など説が様々だ
時折自分が見ている夢があまりにもリアル過ぎると夢なのかはたまた現実なのかわからなくなる
夢なら夢ですよと報告されてほしいものである

「う〜ん夢か....見たり見なかったりでわからないなそうだな....記憶の体験って感じじゃないかな?」

自分のマスターに聞くが曖昧な返答だった

「逆に聞くけど夢ってどういうものだと思う?」

返答に困った自分で疑問を持っていながら自分での持っていなかった
「わかりません」
恥ずかしかったわからないと答える自分が
聞いておきながら逆に質問されるとわからない自分が

「わからないかじゃあ色んな人に聞いて答えがまとまったら教えて」

マスターは人に甘いような気がした

72名無しさん:2020/07/15(水) 03:29:25
私は次にフェイルノートに聞いた彼女は頭が良いしそれに自分になにかしら近しいものを感じる

「夢?なかなか面白い質問ね」

彼女は少し考えて答えた

「そうね夢は記憶の整理に行う際に起きる記憶の混同じゃないかしら?」

私は彼女の返答に困惑した
「あのどういうことでしょうか?」
彼女は少しため息をして懇切丁寧に教えた

「夢の中で見たことはある人物、光景なのにあるはずのない光景とかあるでしょ?
例えば場所はトレイセーマなのに私が堂々と歩いているとか
見たことある人物や光景が記憶を整理しようとした時にごちゃごちゃしてその時に見るのが夢なんじゃないのかしら」

私は納得できるようなできないような表情をしていたのだろう

「そんなに複雑な表情されたらこっちが困るわ
頭が良すぎるのも考えものね
たまに会話が成立しない時があるのよね」

私は慌てて彼女を慰めた
「いえですがフェイルノートは頭が良いおかげで危機的場面を脱したりとか色々助かる時ありますよ」
彼女は少し微笑んだ

「ふふふやっぱり面白いわね
あなたの答えが見つかると良いわね」

彼女の考えは私にはやっぱり良くわからなかった
「はい頑張って見つけます」

73名無しさん:2020/07/15(水) 03:42:55
後、何人に聞こうと考えていると天沼矛に合った
私は彼女に夢について聞いた

「ええ〜夢ですか〜?」

彼女はしばらく考えると口を開いた

「なんでしょうね〜」

色々と考える彼女だからこその答えのような気がする

「ふわふわしてぐるぐるしてなんかよくわかりませんね〜」

なぜだろう自分が出すよくわからないは許せなくて彼女が出すよくわからないは妙に納得できる
「夢って一体なんでしょう?」

「そんなに深く考える必要はないかと思いますよ〜
夢はふわふわしてて実感がないから楽しめば良いんですよ」

なるほどわからないからこそ楽しむべきということか
「ありがとうございますまた少し答えが見えそうです」

「そうですか〜それは良かったです〜」

彼女の雰囲気そのものがふわふわして夢のようだ

74名無しさん:2020/07/15(水) 04:03:05
う〜んと自分の思考を巡らして考えているとムラマサが団子を持って歩いていた
「あの...ムラマサ」

「ひゃい!ああ、あなたでしたか急に声をかけられてびっくりしました」

彼女はびっくりした際高くジャンプして危うく持っていた団子を落としそうになった
「それはすみません聞きたいことがあって」

「聞きたいこと?」

私は彼女に夢とは何か聞いた

「夢ですか....やはり夢とは目指すべき目標でしょう!
拙者は姉上を越えるのが夢です!後はカシウス殿に拙者の作った団子を食べて美味しいと言わせたいです」

彼女は夢をある意味で履き違えてる
しかもとても輝かしい目をしていた
「あの...非常に申し上げにくいのですが....私が言ってる夢は寝た際に見るもので目標とかの夢ではないんです」

「..............」

彼女の顔がみるみる赤くなる

「ええと...そうですね...やはり夢は幸せなものですね」

私はそういう意見もあるのかと感心した
「幸せですか」

「そうですねつい最近はカシウス殿とちゅちゅ...って違う違うカシウス殿と一緒に遊ぶ夢を見ましたすごく楽しかったですはい!」

なぜか彼女は慌てて訂正するような動きをした
「なにをそんなに慌てているんですか?」

「と、とりあえず答えが見つかると良いですね」

「はい必ず自分の答えを見つけます」

75名無しさん:2020/07/15(水) 04:27:55
そろそろ自分の考えをまとめて答えを出す必要があると思い始めた時にラグナロクに合った
「あ、ラグナちょうど良かったです聞きたいことが」
私は彼女に夢とは何かを聞いた

「なかなか難しい問いね
あなたはそれを聞いてどうするつもりなの?」

そういえば自分はこれの答えを出してどうするつもりなのだろうか?
「どうするつもりなんでしょう?」

「ふふ、私が聞いたのに質問で返すのね」

「あ、すみません」
私は謝ったそれはそうだ質問を質問で返すのは失礼なことだ

「謝らなくて良いわよ私が最初に質問で質問を返したんだから」

彼女は優しい人だ
最初この世界に来た時は恐ろしい感じがしたがあれはきっと自分がなすべき目的のためにやったのだろう
本当の彼女はとても優しい人なのだろう

「話を戻しましょう夢は自分がやらなければならない目的の啓示ってところかしら?」

「だから夢は自分のやらないといけないことを示してるってことですか?」

「まあそういうことね」

私は彼女に対して疑問を抱いた
「ラグナはそういう夢で見たからこの世界に来たんですか?」

「そうね夢では見なかったわ自分でやらねばって感じがしてこの世界に来たわ」

「自分の意思でここに来て自分の意志を貫いていたんですね私なんか」
少し自分の失態を思い出して嫌悪感が出た

「過去はどうやっても変えられないわ今変えようとしてるんだからそれで良いと思うわよ」

「そうですかありがとうございます」
私は夢についての答えがまとまって来た

76名無しさん:2020/07/15(水) 04:40:08
私は五人にしか聞いてないがだいたいなんとなく答えが出た
「マスター答えが出ました」

「答えが出たんだね
それで夢は一体なに?」

私は深呼吸して自分の答えを出した
「たぶん皆の答えが正解で不正解だと思います」
マスターは目をぱちくりさせていた
それはそうだ意味不明な答えだと言われてもおかしくない

「そうか確かに夢はなんなのか明確な答えなんてない否定でも肯定でもない優柔不断な答えだね
まあらしくて良いけど」

「バカにしてます?」
私はちょっとムッとなった

「いやいやしてないよ
まあとりあえず答えが出て良かったなアロn」

77名無しさん:2020/07/15(水) 04:56:00
急に目が覚めた
夢で夢について聞いて回った日のことを見るなんて
櫛で髪をとかし今日は三つ編みにする
いつもの戦闘服に着替える
下からドタバタと聞こえる
全く借りている宿でドタバタ騒ぎは止めてほしいものだ
少し夢を振り替える懐かしいあの頃だがあの頃の日々は名前とともに失くした
今はオートクレールなのだ
そう自分に言い聞かせているとぐぅーとお腹が鳴る
今日の朝食は一体なんだろう?パンだろうか?それとも白米か?
今日なにか起こるかもしれない出来事に少し心踊らせながら部屋を出る

夢...END

78荒ぶる異族:2020/07/15(水) 08:44:26

自らの尾を飲み込む蛇にして、死と再生の象徴。

それが私に獣刻されたウロボロスだ。

この世の真理は円環。あらゆる事象は繰り返される。

争いや悲劇も例外なく。それは逃れようのない運命にして、人という種が抱える宿痾なのだ。

故に私は、ティファレトのように民に尽くすのではなく、フェイルノートのように皆をまとめるでもなく、国の行く末をただ傍観する。

何も変わらないし変えられない。

私にできるのは、少し先の未来を眺めて謳いあげるだけ。

ーーーカシウス……、君に自分の夢や願いはある?

ーーー……行き過ぎた個の望みは全へと波及するの。力を持つ者なら尚更。私に「それ」を望む資格は無いわ。

夢はある。願いはある。

ただ、獣はそれを叶える術を持たない。

いつだって夢や希望を叶えるのは、運命という不条理を越える力を持つ特別な者だけなのだから。

ーーー変わらないモノが好きなの。だから、私のことは気にしないで。

この瞳に映る少し先の未来へと敷かれたレールの上を歩き続ける。

歩いて、歩き続けて、歩き疲れて。

いつの間にか目を瞑って立ち尽くしていた。

もうどこにも行けない、干渉しないでほしい。

でも、御館様はそんな私を放っておいてはくれなかった。

79荒ぶる異族:2020/07/15(水) 08:45:03

ーーー行こう、カシウス!

ーーー御館様…?

彼は私の手を取り、いろんな場所に連れ回した。

その先で彼と見た景色はとても美しくて、彼と出会った人達は笑顔に満ちていて。

御館様は私にたくさんの初めてをくれた。

レールを外れた少し先には、私の望むものが溢れていた。

ーーーふふっ…

自然と笑みが零れる。

ーーーやっと笑ってくれた。

ーーーぁ…。

嬉しそうに私を見つめる御館様の視線が余りにも優しくて。

トクンと心臓が跳ねる。

惹かれてしまった。「マスター」にではなく、彼自身に。

自分の中に御館様を慕う想いが息づいてから早数カ月。

何度も彼に手料理を振る舞った。

ーーー御館様、良かったら食べて。

ーーー美味しい。すごく凝ってるね

彼の為にと作った手料理を美味しそうに平らげてくれるから、心が暖かくなったのを覚えている。

それから、トレイセーマのいろんな場所へ一緒に足を運んだ。

自分的にはデートなのだけど、彼は鈍いから気付いてくれない。

ーーーあの、カシウス…?

ーーーこうしている方が暖かいから。

彼の腕を抱くと、御館様は視線を彷徨わせて照れた様に頬を掻いた。

彼との仲は少しずつ親密になっていって……。

ーーーカシウス、大事な話って一体…?

変わらないモノが好きだった筈なのに。

ーーー……御館様、好き。

膨らんでいった彼への想いが溢れ出した。

恋人になって、愛して、愛されて、そして……。

80荒ぶる異族:2020/07/15(水) 08:45:36

「カシウス」

式場の控え室で彼と過ごした時間を懐かしんでいたら、愛しい人の声が耳に届いた。

「御館様、どうしたの?」

「カシウスの花嫁姿を一番に見ておきたくて」

「そう」

御館様の率直な感想に自然と笑みがこぼれた。

昔の私だったら上手く笑えなかったかもしれないけれど、彼のお陰で変わることができた。

「カシウス、変わらないモノはまだ好き?」

「うん。御館様と過ごす毎日が幸せ。繰り返すことは嫌いじゃないわ。でも…、変わっていくことで見えてくる幸せもあるって、今なら思える。御館様が私に沢山の初めてをくれたように…。だから」

彼に左手を差し出す。

「変わらずに巡る日常を、毎日少しずつ、より良く変えていくことで大切にしていきたいの。終わりのない輪廻になるけど…。御館様、この手を取ってくれる?」

「もちろん」

左手の薬指に、指輪を通される。

永遠の愛を象徴する幸せの円環。

「一緒に幸せになろう」

「うん。御館様、好き…」

これまでも、これからも。

敷かれたレールに沿ってではなく、自分の意志で「これから」と言う名の未来に舵をとる。

どんな未来が待っていても、御館様となら共に歩み続けることができると信じているから。

「んっ…」

誓いをたてるように、御館様と口付けを交わした。



fin

81荒ぶる異族:2020/07/15(水) 08:46:16

ハーメルンの方で上げたカシウスのR18 SSのラストを少しだけ変えたものになります。

良ければこっちのエッチな方のssも(成人された紳士の方は)読んでやってください。

短いですが、読んで頂きありがとうございました。

二次小説投稿サイトハーメルン カシウスR18 SS
https://syosetu.org/novel/226862/

※もし入れなかったら、ハーメルンにて「荒ぶる異族」で検索をかけて貰うと見つかると思います

82名無しさん:2020/07/15(水) 10:05:11
ワイもカシウスと口づけかわしたい

83名無しさん:2020/07/17(金) 17:43:06
>>81
まとめにあがってたから読んできたゾ
目隠しカシウスとか薄い本で読みたい内容だった

84荒ぶる異族:2020/07/17(金) 18:31:41
レーヴァ(ロスラグ)とマスターが恋人になってイチャラブするSS(R18)を下記URLに投稿しました。
以前紹介させて頂いたカシウスとイチャラブするSSの倍の長さとなっている上に駄文ですが、興味のある方は良ければ読んでやってください。
お目汚し失礼しました。

二次小説投稿サイトハーメルン レーヴァテインR18 SS
https://syosetu.org/novel/226862/

※もし入れなかったら、ハーメルンにて「荒ぶる異族」で検索をかけて貰うと見つかると思います。

83さん、読んで下さりありがとうございました。
感想を頂けて凄く嬉しいです!
これからも不定期で更新するつもりなので、良ければ暇なときにでも読んでもらえると嬉しいです!

85名無しさん:2020/07/18(土) 00:08:41
カシウスみたいな綾波系キャラでえろいの書くの大変そうやな

86リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/07/21(火) 02:49:37
SSスレ設立一周年おめでとう!
と言うわけで今日一日だけ復活
まぁ記念日って事で多目に見てね
では正真正銘これが最後になりますので、思う存分楽しんで下さい!

87届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:50:22
今日はよく雨が降る。まるで私の心をそのまま映したようだ。
悪いのはあの人だ。
私は"それ"を持って部屋を後にした。



〜出題編〜
「被害者はマスター。普段から皆で集まってパーティーを開いていて、今日も6人のメンバーがこの屋敷に来ていました」

「そう…外部の人間の犯行は?」

「無理ですね。家主のマスターはもちろん、メンバーの6人は雨が降る前に全員が到着していました。最後のメンバーが到着した直後から雨が降り出したと言う証言もあります。それは全員が確認していました。ラグナロクさんも見たでしょう?事件発生直後に私達が訪れ時、雨で泥濘んだ道に足跡はありませんでしたから…」

「ええ。つまり私達が来るまでにメンバーの後に侵入した人はいないし、逃走した人もいない…犯人はまだこの屋敷にいる」

どうも、ミネルヴァです。
ここは人里離れた山奥に建てられたとあるお屋敷。
ある方の依頼でこの屋敷を訪れたところ、何やら事件に巻き込まれてしまいました…。
隣に立つのは依頼を受けた本人、探偵のラグナロクさんです。
私はその助手を勤めています。
今は私達に用意された客室にいます。

「ミネルヴァ、少し情報を整理したいわ」

「はい。では」

手帳に記した証言を読み上げます。私の仕事の一つです。

「パーティーは定期的に行われていて、皆でお菓子を持ち寄ったりする、いわゆるお茶会形式の小さな集いです。メンバーは6人。カシウスさん、ヘレナさん、リサナウトさん、ティファレトさん、ロンギヌスさん、エルキュールさんです。今日もいつものように会が開かれ、皆で談笑中に突然マスターが吐血し倒れ込み、あっという間に息を引き取りました。その瞬間に席を外した人はおらず、全員の目の前で起こった事になりますね。この少し後に私達がここへやって来ました。マスターに持病は無く、自前の検査キットで吐血の成分を調べてみましたところ、毒が検出されたので死因はそれとみて間違いないと思います。毒の種類や成分など、詳しくはまだ鑑識に任せないと分かりませんが…以上が事件発生直後に簡単に話を聞いた情報になります。でも、不思議ですね。マスターも含めて7人全員が同じお茶と持ち寄られたお菓子を口にしていました。なぜマスターだけが亡くなったのでしょう?」

「…そこが犯人に繋がるポイントだと思う。今の状況は?」

「現場はそのままです。6名は参考人なので別室に待機して貰ってます」

「そう。じゃあ次は本格的に…まずは全員に、その後個人での聞き取りを行うわ」

「雨で遅れているみたいですけど、じきに警察も来ますよ。任せないんですか?」

「ミネルヴァ、分かってるでしょ?行くわよ」

「はい!」

ええ。分かってます。ラグナロクさんがこの事件を放っておくわけがありません。なぜなら…

ラグナロクさんに依頼をしたのが、他でもない被害者のマスターだったのですから。

88届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:50:55
私達は6人の居る部屋にやって来ました。
こういう場合、証拠の隠滅等をされる恐れがあるので、お互いがお互いを監視し合う意味で一カ所に固めます。

「失礼します」

扉を開くと6人の視線が一気に向けられて、少し気後れしてしまいます…

「ちょうど混乱してる時に来たから、ちゃんとした挨拶がまだだったわね。私はラグナロク。探偵よ。家主のマスターに依頼されてここを訪れたの」

6人は驚いた表情を見せます。
おそらくマスターが探偵を雇っていたなんて予想もしていなかったのでしょう。

「それを証明する術を持っているの?本当に御館様の意思であると、私達の疑惑を晴らして」

彼女はカシウスさん。おっとりとしていそうで、その目の奥には強い意志を感じます。

「そうだな。確かにいきなり押しかけて先輩の雇った探偵だと言われても信じる事はできないぞ?」

ヘレナさんです。常に何かを企んでいそうな笑みを浮かべています。

「事が事だけについ成り行きで迎え入れたけど。当主様からそんな話は聞いた事もないし、怪しいわね!」

リサナウトさん。自信に溢れた表情は、大物感が抜群です。あれ……?口の端にクッキー?かなんかのクズが……

「ですが、もし本当に主様の依頼だったとしたら…今回の件に関係はあるはずです。もう少し話を聞いてはどうでしょう?」

ティファレトさん。所作や醸し出す雰囲気がとても可愛いらしいです。この事態に動じない芯の強さもあるようです。

「そんなの、どうでもいいです。探偵だって言うのなら、マスターをあんなにした犯人を見付けて下さい!私…私…ううぅマスター…」

ロンギヌスさん。もともと気の弱そうな方です。この件でよほどショックを受けたのでしょう…気の毒です…

「私はお二人を信じます。マスターがこんな事になったからこそ…探偵さん達がこのタイミングでやって来たからこそ私は納得しました。きっとマスターには予感があったのだと思います」

最後はエルキュールさん。気丈に振る舞ってはいますが、その目元は少し腫れ、涙の跡も見られます…

「犯人ね…残念だけどおそらくこの6人の誰かよ」

ラグナロクさんの言葉に、再び6人の表情が変わりました。

「それをはっきりさせるために詳しい話を聞きたいの。やましいことが無いのなら協力して。マスターのためにも…」

6人はゆっくりと頷きます。
ラグナロクさん…その言葉と表情には不思議な説得力があります。
私が助手を務めるのも、そんな彼女に魅力を感じたからなのですが…

かくして私達の聞き込み捜査が始まりました。

89届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:54:37
「助手のミネルヴァです。ではこれから色々とお話しをお聞きします。よろしくお願いします」

小さく会釈をし、いざスタートです。

「そもそも皆さんはどういった経緯で知り合われたんですか?」

「昨年開かれたあるイベントで。私達はそのイベントで上位を掴んだの」

「はい。そのイベントのスポンサーであった主様が「お祝いの席を」と呼んでくれたのが始まりでした」

「簡単に言えばコンテストの上位を集めた祝勝会だ。惜しくも2位で悔しかったな。くふっ」

「なるほど…それがお茶会と言う恒例行事となった訳ですね。その、失礼ですが仲は…」

「良かったです。マスターも皆も、とても優しくしてくれます」

「だからこそこの中に当主様を手にかけた犯人が居るなんて…」

「きっと皆の潔白は証明できます。しっかり答えましょう」

頷く6人。結束は固いように見えます。

「じゃあ、辛いとは思いますが今日のことを。個人のことは後ほど別にお聞きしますので、皆さんが集まってからの動向を教えて下さい」

「今日はどの担当でもなかったからな。ずっと先輩と一緒に準備が出来るのを待っていたぞ。カシウスもだろ?」

「訂正すべき点は無いわ。御館様とヘレナ、三人でひとつの時間を共有したの」

「担当…?ですか」

私の疑問に答えてくれたのはロンギヌスさんです。

「作業を持ち回りで分担してるんです。私は今回、"手作りお菓子"の担当でした。既製品ばかりでは寂しいし、話のネタにもなるので毎回一人が手作りを振る舞うんです。今日はパイを焼く予定だったので一番に準備に入りました」

「まぁ当主様はちょっと潔癖なとこがあって手作りはほとんど食べなかったけど。あぁ、私は食器のセッティングの担当だったわ。何故かエルキュールが手伝ってくれたから早く終わったけれど」

「私は後片付けの担当で手空きでしたから。それにリサナウトはたまに危なっかしいので…」

「私はお茶の担当です。すでにロンギヌスがキッチンに居たので二人で過ごしておりました。お湯が沸いたので先に会場へ向かいましたが、ロンギヌスも程なくパイを持って来たのでそれを合図にお茶会を始めたのです」

「と言うことは…」

黙っていたラグナロクさんが重い口を開きました。

「毒を盛れるのはパイを作ったロンギヌスか、お茶を用意したティファレトか、あるいは食器を出したリサナウトか、それを手伝ったエルキュールか…」

明らかに6人の表情が強ばりました…

「ま、待って下さい!私のパイは皆が食べてるんですよ?マスターに至ってはリサナウトの言う通り、手作りなので食べてすらいません!」

「ロンギヌスの言う通りです!私のお茶も全員が口にしています!ありえません!」

「私達もって、どう言うこと?」

「食器に毒を付着させた…ですか?会場には私とリサナウト以外にもマスターとヘレナ、カシウスもいたんですよ。そんなに人目があるのに、不可能です!」

「そもそも先輩が亡くなったのは会の最中だ。皆が見ている前だぞ?やはりこのメンバーに毒を盛るのは無理じゃないか?」

そう、前述の通り全員がお菓子を食べてお茶を飲んでいるんです。確かにマスターが使う食器に毒を仕込めばマスターだけを狙えますが…他の人が使うリスクもありますし…

「まさか、自ら毒を…?」

カシウスさんが呟きます。
ですが、すかさずラグナロクさんが否定します。

「無いわ。言ったでしょう?私はマスターの依頼を受けてここへ来たの。依頼の内容からそれは無いと断言できる」

ラグナロクさんは6人を見据えて…

「いいわ。次は個別に話をしましょう。私は、必ず犯人を捕まえる!覚悟して…!」

こうなったラグナロクさんは本気です。
私も気を引き締めて挑みます!

90届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:55:09
次は個別に事情聴取です。
皆さんの居る部屋の隣室で行います。
まずは…

「入るわ」

カシウスさんからとなります。

「よろしく。さっそく始めるわ。あなたから見て怪しいと思う人は居る?」

ラグナロクさんは最初からとんでもない直球を投げて来ました…

「……分からない。私には皆の心の曇りを見ることは出来なかった…ただ、御館様はいつもどこか影を抱えていた…」

「マスターがですか?」

「だからさっきマスターが自ら毒を飲んだ可能性を疑ったのね」

カシウスさんは小さく頷きます。

「今日もそれが気にかかって、極力御館様の側に居たわ。少なくとも会が始まるまでは御館様に手を出すことは不可能。私がずっと見ていたもの」

なんだかマスターを守ろうとしていた感じが伝わってきます…こんな事になってさぞ悔しかったでしょう…

「他に気になったことはある?」

「…ロンギヌス」

「え、ロンギヌスさん?」

「ロンギヌスも今回は珍しく御館様にパイを薦めていた。今日のは特に自信作だと。でも御館様は…」

「食べなかった…」

「そう。その後ロンギヌスに話しかけたの。笑っていたけれど、とても残念そうだった」

確かに自信作を食べてもらえないのは悲しいですよね…

「…ありがとう。次はロンギヌスね…」

91届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:56:09
「失礼します…」

遠慮がちにロンギヌスさんが入室します。

「あまり構えないで。落ち着いて答えてね」

「は、はい…!」

「じゃあ…本題。正直に言うと口にする物…今回で言うと手作りお菓子かお茶に毒が盛られた可能性が高い。つまりあなたが犯行を行ったと見るのが妥当…それは分かるわよね?」

「……はい。弁明になるか分かりませんが…今日の行動を話しますね。と言ってもさっきとほとんど同じですけど…。普段ク焼き菓子なんかは作ってから持って来るんですが、今日はパイの予定で…。雨の予報でしたし、湿気るのも嫌で…どうせなら焼き立てをと思って早めに訪問しました。時間のかかるパイ生地だけは事前に準備して、キッチンを借りて他の作業をさせ貰って…。作業中、皆も会場へ行く前に一度はあいさつに来てくれました。最後にティファレトもキッチンにやって来てお湯の準備を…。私はもう焼きの工程だったので、洗い物をしている所でした。お湯が沸く間、二人でゆっくり話して…まともにキッチンに入ったのは私とティファレトだけだと思います。ティファレトがお湯を持って会場へ行った後、直ぐにパイが焼き上がったので私も数分後には皆と合流しています」

ティファレトさんの話とも一致します。

「ただ、先ほども言いましたが私のパイ、皆が食べているんです。そして倒れたマスターは食べていません。私のパイに毒が入っていたのなら結果は逆になるはずです」

「皆が持ち寄ったお菓子に毒を盛るのは可能性でしょうか?」

「さぁ…どうでしょう…パーティーが始まる前にお皿に広げはしますけど、基本的に購入した状態のまま持って来ますから…」

つまり開けるまで手をつけることは不可能…と言うことです。

「もう知ってますよね?マスターは少し潔癖でしたから、皆も食べ始めるまではあまり開封はしないよう注意はしてましたので…」

じゃあ残りの可能性は…

「後はお茶か…ありがとう。次はティファレトね。ロンギヌス、最後に何か気になったことはある?」

「いえ。ただ…今日のパイ、食べて欲しかったなぁ…」

「カシウスも心配してたわ…自信作だったの?」

「はい…潔癖なマスターですけど、キッチンで作っている所を見てくれれば、あるいは安心して食べてくれるかと期待したんですが…」

「残念だったわね…」

「ええ、本当に…悔しいです…」

92届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:56:58
「入ります」

ティファレトさんです。
部屋に入るなり私とラグナロクさんを一瞥して…

「始めに言っておきます。私も、私の友人達も犯人であるわけがありません。直ぐに捜査の方針を外部の者の犯行である、と修正するべきです」

「どちらにしても話は聞く事になる。そうでしょ?」

「……確かに。分かりました。何なりとお聞き下さい」

こう言うとき、物怖じしないラグナロクさんは頼りになります。

「で、では!ティファレトさん、今日の詳しい行動をお願いします」

「はい。私はお茶の担当でした。皆の持ち寄ったお菓子を見てから、もっとも適した物を提供するべく、数種の茶葉を用意し会場へ向かいました。すでに皆は揃っていましたね。キッチンでの事は先ほどの通りです。お湯を持ち会場へ戻り、しっかりと皆の見ている前でお茶を淹れましたし、もちろん茶葉は新品でしたから毒を盛るなて不可能です。お湯を疑いますか?湧かす前の水だってロンギヌスの目の前で開封した新品のミネラルウォーターです。今直ぐにこの場で口にしても構いませんよ?」

やはり…皆が集まった中での犯行。潔癖だったと言うマスターへの配慮で持ち寄られた物はほとんど未開封。
さらに皆が同じ物を口にした…
本当に毒が入っていたのか不安になって来ました…

「ところで…」

「はい、何か気になったことでも?」

「なぜ現場の食品を調べないのですか?どれに毒が仕込まれていたか分かれば、もっとも捜査を絞り込めるのでは?」

「私は探偵よ?鑑識じゃないわ。簡易キットはマスターの検査に使ってしまったし…まぁ手配はしているから心配しないで」

そうです!私達にはもう一人心強い仲間がいます!早く戻って来て…

「他に気になったことはない?」

「いいえ。ですが…そうですね。友人を疑うわけではありませんが、毒が仕込まれた可能性があるのは主様の使ったカップぐらいしか無いのではありませんか?」

「ってことは、リサナウトね…」

次の相手が決まったようです。

93届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:57:37
「ようやく私の番ね!」

勢いよくリサナウトさんがやって来ました。
気落ちせずに元気なのは安心はしますが…ちょっと元気があり過ぎな気もします…

「えっと、今日使われた食器についてお聞きしたいのですが…」

「構わないわよ」

「その前に…」

私は自分の頬を触ります。リサナウトさんも同じように触り、ようやく食べカスに気付いてくれました。
まだ付けっぱなしだったことに驚きです…

「わ、わざとよ!お茶目さを演出していたの!可愛かったでしょ?」

そう言うことにしておきます。

「食器よね?うん!あれは元々この屋敷にあったものよ。会場にインテリアも兼ねた食器棚があったでしょ?人によっては自分でお気に入りなんかを持参するけれど、基本的にはそこにある物から選んで使わせて貰うの。今日は雨の予報だったから荷物は増やしたくなかったし」

「ちなみにエルキュールはどのタイミングで一緒に?」

「そうね…私が棚から運び出そうとしたときにはもう側で待っていてくれたわ。私が食器担当の日はいつも皆の視線を感じるのだけど…どうしてかしら?」

「あの、食器を割ったりしたことは…?」

「ふふん!自慢では無いけれど一度も無いわ!落とした時には誰かが間一髪で受け止めてくれたから!」

あ、はい。視線の答え、ご自分で分かってるじゃないですか。

「つまり…持参した物なら別だけど、この家の食器に前もって毒を仕込んでも、どれを使うか分からないんじゃ確実では無いか…」

ラグナロクさんが呟きます。

「リサナウトさん、今日会場に最初に入ったのは…」

「もちろん当主様よ。パーティー会場と言っても、普段は当主様が食事を食べたり寛いだりする場所でもあるんだから」

もしリサナウトさんが犯人なら、事前に使う食器を決めて毒を塗っておけばいいだけです。
誰にも見られないよう、会場に一番乗りする必要はありますが、マスターが確実に居るとなると…

「なるほど…最後に、何か気になったことはない?」

「もう最後?ええと、そうね。もう食べカス付いてないかしら?今日もお茶会の時に頼まれて渡したお砂糖を滑らせちゃうし…私ってもしかしたらド…はっ!も、もちろんわざとよ!?場を和ませる為だったのよ!」

次は食器を触ったつながりでエルキュールさんかな…

94届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:58:22
「失礼します」

エルキュールさんです。まだ少し目が赤いです…

「すみません…辛いでしょうけど、どうか無理の無い範囲でご協力願います」

「はい。マスターのためにも、事件を解決させたいですから!私に出来ることなら何でも言って下さい!」

「ねえ、リサナウトって普段からあんな感じ?わざわざ食器の準備を手伝っていたみたいだけど」

「あはは…そうですね。今日はリサナウトが選んだ食器が、私も気に入っていた物だったので…もし落としたら…と心配で」

「今日も砂糖を落としたって言ってたわね」

「はい。ロンギヌスに渡す時に。先週はリサナウトが片づける担当で…皆ヒヤヒヤしながら洗い物が終わるのを見守っていました。最終的にカシウスが手伝って…」

大変そうです…

「あ、今ので思い出しました…先週のパーティーの時です。朝、会場へ向かったらヘレナが中から出て来て…普段と違って暗い表情だったので声を掛けようとしたんですが、すぐ行ってしまって。仕方なく会場に入るとマスターが…ヘレナと何かあったのか聞いてみたんですけどはぐらかされてしまったんです」

「ラグナロクさん…!」

「カシウスが言ってたわね。マスターが影を抱えていたって…」

「もしそうだったとしたら本当にマスターが自分で毒を飲んだ可能性もあるじゃないですか?」

確かにここに居る皆の容疑は晴れますが…なんて悲しい結末になるでしょう…
いえ…もうすでに悲しい結末なんですが…
やりきれない思いがこみ上げます。

「ヘレナ、今日はずっとマスターと居たはずよね。ヘレナの話次第で犯人がだいぶ絞れるんだけど」

いざ、最後の聞き込みです。

95届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:59:08
「やあ。調査は進展しているかい?」

ヘレナさんです。

「そうね。まずまずかしら…君には先週、マスターと何があったを聞きたいわ。いい?」

「……情報提供はやっぱりエルキュールかい?まぁ、先輩がああなった以上無視は出来ないだろうな」

「ヘレナさん…」

「いいぞ、話そう。ヘレナはこう見えて真面目だからな。くふっ」

一度笑うと、ヘレナさんの表情は途端に曇ります。

「ヘレナはちょっと…いや、相当な悪戯好きでね。つい色々とやらかしてしまうんだ。先輩も、皆も大抵は笑って許してくれるんだが、ちょっと前のお茶会でこっそり砂糖と塩を入れ替えてみた時だった。珍しく先輩が激怒してね…潔癖だった先輩らしく、口にする物に対しては特に厳しかったってわけさ。さすがにヘレナも反省して、先輩にちゃんと謝罪しに行った…それが先週のことだ。許してはくれたがこってり絞られたぞ。以上だ」

「…ちなみに今日、気になったことは?」

「う〜ん。そんなことがあったから先輩の機嫌をとる為に色々アピールしたかったんだが、やたらカシウスもピッタリで…正直ちょっと困ったな…そのくらいかな」

「そう…彼女もマスターのこと、気に掛けていたのよ」

「……なあ、探偵さん。ヘレナの悪戯くらいで…先輩が自ら、なんてことは無いよな?本当に申し訳ないと思ってるんだ…確かに先輩、最近元気無くて…ちょっと賑やかそうとしただけなんだ…」

「悪戯をどう受け取るかはその人次第よ」

「だな…」

「あの、私からも一つ…もし悪戯で既製品のお菓子に外から手を加えるなら、どんな方法がありますか?」

「……色々あるぞ。単純に一度開けて再び封をする。注射針みたいな細い物なら目立たない場所から射せばわりと気付かないしな。ようは開けるまで誤魔化せればいいんだ。でもあくまで悪戯だぞ?毒なんて盛るのにそんなお粗末な方法じゃすぐに捕まる」

「あ、いえ!参考に聞いてみただけです!ヘレナさんが…と言うつもりじゃ…!」

「ふふ、分かってるさ」

さて、はたしてラグナロクさんは何か掴めたでしょうか?

96届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 02:59:54
皆さんには引き続き隣の部屋で待機してもらい、私とラグナロクさんは一度情報を整理します。

「どうでした?」

「うん、まあ予想通りね。何人かは容疑から外れたわ」

「えぇ!?」

「断言は出来ないけど、まず間違いない。ひとまず物的証拠を見つけないとね…」

私から見たら、皆さん全員が怪しいような怪しくないような…と言う感じなのですが。

「あの…じゃあ全員が結託した可能性は無いって事ですか?」

「だとするとあまりにも回りくどいでしょ?6人もいればもっと楽に隠蔽工作も出来るのに、パーティーの会場と言う証拠を残している」

「マスターを亡き者にするのが目的ならわざわざ会を待たずに朝から全員でサクッと犯行に及べばいいだけですからね…」

「意外と物騒な事言うわね…」

「い、いえ…」

「私は一度現場に戻ってみるわ。ミネルヴァは皆の荷物検査をお願い」

「はい!」

と、その時です。コンコンと窓を叩く音が…

「あ、ニケ!」

そう、私達のもう一人の頼もしい仲間、フクロウのニケです!
鑑識を待っていられないと言うラグナロクさんの指示で、現場の様々な部分から採取した成分をいち早く知り合いの警察に届けて貰っていました。

「ニケ、ありがとう!寒かったね…おいで!雨の中、大丈夫だった?」

窓を開けてニケを抱きしめると、嬉しそうにスリスリと…

「ミネルヴァ…」

「あ、はい!すみません!」

急いでニケに取り付けたポーチから返答の書かれた紙を取り出します。

「グラーシーザ、何か言ってる?」

「とりあえず…あんまり無茶言うな!と言うお叱りの言葉が…」

「あはは!今度会ったらお礼しないとね!」

「で、鑑識の結果ですが…え…?」

そこには信じられない結果が記されていました。

「……現場にあったカップ、全てから遅効性の毒が検出されました……」

「……そう」

驚きです…マスターだけで無く、全員が毒を盛られていたんです…

「ミネルヴァ…指示通り荷物検査をお願い…」

「は、はい…」

ニケをタオルで包み、私は動揺したまま部屋を出ます。
犯人はやはり外部の人で、全員を狙った犯行だったのでしょうか?
最後に振り返った時、ラグナロクさんが届いた成分表をじっくり眺めているのが見えました。

「パイに毒は入って無かったのよね…」

気になりましたが、とにかく今はお仕事です。
結局、皆さんの同意の上で荷物検査を行いましたが怪しい物は出て来ませんでした。

97届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 03:00:29
荷物検査の後、私はラグナロクさんに連れられて、ある場所に向かいました。

「あの、ゴミ捨て場に何が…」

「物的証拠探しよ。私の予想通りなら…」

ここはゴミ捨て場です。外に設置されていますが、お屋敷から続く屋根のおかげで雨に濡れることはありません。
何を探しているのでしょう?

「無かったのよ。あるはずの物が。ミネルヴァに荷物検査をして貰ってる間に家中を調べたんだけど、キッチンや会場のゴミ箱にも、屋敷の掃除機の中にも…どこにも無かったの」

「はぁ、あるはずの物…ですか」

「やっぱり無いわね…砂糖…」

「へ?ラグナロクさん、どう言う…」

その時です。

「て、ひゃわぁぁ!!」

ゴミ捨て場からへ、蛇がぁ!!

「あはは!大丈夫?」

「もう、笑い事じゃありません!咬まれたら大変です!もし毒蛇なら毒が回る前に処置しないと一大事です!」

もう!ラグナロクさんは…!って、あれ?
蛇が出て来たあたりにもう一度目をやったとき、偶然気付きました。

「ラグナロクさん…あれ、見覚えが…」

ラグナロクさんも他の割れ物に紛れていたそれを手にし…

「現場の砂糖入れと同じ容器ね…」

なぜそんな物が?リサナウトさんが落とした時にヒビでも入ったのでしょうか?
ですがそこにあった容器からヒビのようなものは見当たりません。

「やっぱり…彼女だったのね……」

「え…ラグナロクさん、じゃあ…」

「皆の所へ行きましょう…」

この後私は、すれ違いが生んだ悲劇を目の当たりにします……

98届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/21(火) 03:01:18
ミネルヴァメモ

・雨と地面の状況からメンバー訪問後〜探偵コンビ来訪までに人が来た形跡は無い

・飲食物は全員が口に入れた

・マスターは潔癖で手作りは食べていない

・最近マスターは何か悩んでいるようだった

・既製品のお菓子は会が始まる直前まで未開封だった

・食器は屋敷の物で事前に毒を付着させるのは困難

・食器は少しドジなリサナウトが担当だったため皆が警戒

・やっぱりドジを踏んで砂糖を溢したリサナウト

・以前ヘレナが砂糖と塩を入れ替える悪戯をした

・共謀は無い

・荷物検査で怪しい点は無い

・毒は全員のカップに付いていた

・ゴミ捨て場からもう一つの砂糖瓶

※この他にも所々ヒントがあるよ!

99リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/07/21(火) 03:02:02
暇つぶしに予想でもしてみて下さい
解決編は21日中に

100名無しさん:2020/07/21(火) 07:05:30
一日だけ復活じゃなくてずっと復活して

101名無しさん:2020/07/21(火) 08:29:58

最近SSスレがアツいな

102名無しさん:2020/07/21(火) 10:54:35
カップに全部毒着いてるのは予想できたんだがなぁ
そこから先がわからーん!

103届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/22(水) 00:22:38
ラグナロクさんに指示され、全員が事件現場の会場へやって来ました。
室内は時計の小さな音が響くほど静かです。
ラグナロクさんが宣言します…

「残念だけど、やっぱり犯人はこのメンバーの中に居る。今から順を追って話ていくから」

皆は落胆します。おそらく分かっていたのでしょう…誰かが犯行に及んだと。
でも、友人を信じたかった…その祈りを、願いを…これから打ち砕くのです…

「まず最初に、これを見て」

ゴミ捨て場にあった砂糖瓶を掲げます。

「警察いに居る友人の協力で、毒がカップ全てから検出された事が分かったの。おそらく、犯行に使われたのは砂糖…お茶に砂糖を入れない人ってあまり居ないわよね?犯人は必ず毒がマスターに行き渡るよう、この方法をとったのよ。マスターのカップだけに工作するより確実に毒を盛れるようにね…」

「待ってくれ。つまり犯人は先輩だけではなく自分も含めて全員を…」

「いいえ、犯人は皆は助かるよう準備をした。何ならマスターだって助かる道はあったのよ…」

皆は息を呑みます。
私はもうラグナロクさんに聞いて犯人を知っていますが、未だに信じられません。
彼女も今は俯いたままです…

「砂糖を…お茶を準備したのはティファレトですよね…?」

エルキュールが恐る恐る尋ねます。

「はい…キッチンの調味料棚から、湧いたお湯と一緒に…」

さすがに皆さんはティファレトさんから距離をとります。

「じゃあ、当主様を狙ったのは…」

「はい、ストップ」

止めたのはラグナロクさん。砂糖瓶をテーブルに置き…

「今回起きた事件、まずは順を追って話すわ。その過程で、おのずと犯人が見えてくる」

いよいよ犯人との対峙の時です。

104届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/22(水) 00:23:33
「まずは事件の状況から。私とミネルヴァがこの家に来た時、雨で泥濘んだ地面に足跡は無かった。皆が雨が降る直前までに集合していた事から、外部の者が侵入した可能性は無いわね」

皆さんも頷き同意します。

「そして最大の壁、皆が同じ物を口にした。この事から犯人はマスターだけに毒を盛るチャンスがあった人間になる。でも、カップ全てから毒が検出された事で皆が使った物…砂糖が毒であったと判明した」

ティファレトさんが挙手をし、意見を述べる意思を伝えてきました。

「始めからカップ全てに毒を塗ることは?何故砂糖なのです?」

「カップ…食器を準備したのはリサナウト、エルキュール。そもそもどの食器をリサナウトが選ぶか分からないエルキュールは毒の仕込みようが無いから白。そしてリサナウトは少なからず自分がドジで皆から注視されていいることを理解していた。毒を仕込むのに危険が高すぎる。イレギュラーでエルキュールの加勢もあったし。人目が避けられないリサナウトも白よ。つまりカップ全てに毒が付いているのは全員がカップで使用した砂糖が原因であるとしか考えられない。茶葉やお湯…に使った水もその場で開けた新品だったのだから」

皆は黙ったまま立ち尽くします。
容疑者から外れたからでしょう…リサナウトさんとエルキュールさんは少し緊張が解けたように感じました。

「砂糖…砂糖を用意したティファレトが御館様を?」

「私ではありません!そもそも何故主様意外が無事なのです?皆が毒を飲んだのに…!」

「そう、そこよ。逆だったの。"マスターだけに毒を盛った"では無く、"マスターだけが助からなかった"…思い出して。マスターだけがしなかった事を」

勘のいい方は気付いたようです。
犯人が視線を集めます…

「うん…マスターだけが食べてないのよ。君の"解毒剤入り"のパイを…ね…」

私は目を伏せます…やはり辛いです…

「そうでしょう、ロンギヌス…」

ロンギヌスさんは顔を上げ…寂しそうに笑いました…

105届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/22(水) 00:26:57
「二つある砂糖瓶、ヘレナの悪戯、そして優秀なウチの助手のおかげよ。今から説明するわ」

私も?情報収集くらいしか出来てませんが…

「君は朝、皆より早く来てパイの材料と遅効性の毒を入れた、そっくりそのまま同じ形の砂糖瓶を持ってキッチンへ向かう。そして砂糖瓶を入れ替えた。後は素知らぬ顔であらかじめ解毒剤を練りこんでいたパイ生地に、その場で作った材料を包むだけ。砂糖瓶はティファレトが勝手に運んでくれる。会が始まって、ロンギヌス自身はパイを切り分け皆に振る舞う。それで自然に"ある状況を"作った」

ある状況?

「君はお茶に砂糖を入れる順番を自身が最後になるよう仕向けたの。ロンギヌスがパイを切り分けている時間で先に皆はお茶の用意をしたはずよ。さらにパイを取り分けるときに食器を広げるわよね?邪魔な物は一旦退かすから、その時にさり気なく砂糖瓶をリサナウトの方へ寄せる。全て終わったらリサナウトに砂糖を要求するればいい。砂糖…毒はそのままには出来ない。そこでリサナウトのドジを利用し、わざと手を滑らせて砂糖を落としたの」

「確かそのあと、ロンギヌスが溢した砂糖の補充に一度部屋を出たわ…落としたのは私だから行くって言ったけど、笑って…大丈夫って…」

「その時に溢した砂糖は?誰が処理したか…は、聞くまでも無いわね」

「ロンギヌス…側にあったお盆に、全て集めていたわ。それにも意味があったの?」

カシウスさんの問いにラグナロクさんは続けます。

「家中のゴミ箱から見当たらなかったの。おそらくトイレか水道に流したのね。証拠隠滅に。空いた瓶はゴミ捨て場に捨てた。キッチンへ急いで向かい、朝すり替えた砂糖瓶を持って会場へ戻る。あとは、その時を待つだけ。すり替えはヘレナの悪戯からヒントを得たわ。解毒剤の存在に気付いたのはウチの助手が教えてくれたから。蛇に咬まれたら大変だって。毒が回る前に処置しないとって言われてね…それで」

あ、あれで!

「やたら薦めていたんでしょ、パイ…君も、本当はマスターを…」

「もう、いいですよ」

ロンギヌスさんはようやく口を開きました。

「私、悔しかったんです。最初に手作りお菓子の提案をしたの、私なんです。マスターの潔癖を知らなかったから…辛かった…皆、分かってるのに少し期待するんです。マスター、今日は少しくらい食べてくれないかなって。でも、マスターは食べなくて…やっぱりね…仕方ないよね…って、皆諦めたように笑って…私、皆にそんな顔して欲しくて、提案したんじゃないんです!マスターはさぞ重荷だったでしょうね」

マスターの悩みって、もしかして…

「最初は申し訳なさと後悔でした…でもどんどん、それが憤りに変わって…何でここまで食べてくれないかなって…どうして皆の思いの籠もったお菓子を…って」

「だから、毒を?」

「マスターも悩んでいたんです。だったら、食べて潔癖を克服するか、食べずに楽になるか選んで貰おうと思ったんです。一口でも食べてくれれば助かったのに…私のトマトパイ…」

「君が用意したラストチャンスだったってわけね…」

「マスターは皆の気持ちを踏みにじり続けたんです…」

ラグナロクさんは深呼吸をして…

「そう言えば、私が受けた依頼、言ってなかったわね。『せっかく皆が作ってくれたお菓子を自分が食べてあげることが出来ない。せめて少しでも多くの人食べて貰いたい。パーティーに参加して欲しい』よ…」

「え…」

「実はマスターと知り合いなの。私もコンテスト、参加して上位に入っていたのよ。皆と同じように誘われたわ。ま、断ったけど」

ロンギヌスさんは崩れ落ちます。

「そんな、じゃあ…」

「皆の気持ちは伝わっていたわ…マスターは思い悩むくらい、応えられないことを悔やんでた…」

「そんな…マスター…マスターぁぁぁ!!!」

ロンギヌスさんの慟哭が響く会場…外の雨は止み、警察がやって来る音が聞こえました。

106届けたい想い、届かなかった想い:2020/07/22(水) 00:27:36
「雨、上がってよかったですね」

「ええ。でも…」

「でも?」

「雨さえ降らなければ間に合ったかも…ってね」

「ラグナロクさん…」

今回、私達が暴いた事件は切ないものでした…ラグナロクさんも落ち込んでなければいいのですが。

「あ、そう言えば。マスターに聞いたわ。ミネルヴァ、コンテスト出てたのね」

「ふええええええええ!!!」

「ふふふ、いいじゃない!何位だったの?」

「…どうせ知ってるんですよね」

惜しくも11位ですよ…トップ10ならずです…

「さあ、行くわよ!」

「は、はい!」

こうして事件は解決しました。
でも、きっとすぐに謎がやって来ます。
なぜなら、彼女は探偵…なのですから。

おわり

107リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/07/22(水) 00:29:02
少し遅れた!
ちょっとでも楽しんで貰えたら幸いです
これからもSSスレが盛り上がりますように!

ではこれで、さよなら!

108名無しさん:2020/07/22(水) 16:14:06
こういうのでいいゾ

109荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:00:31

出会った頃のマスターに抱いていた印象はあまり良くない。

お節介。世話焼き。私にとっては有難迷惑だった。

「私に構わないで。面倒くさいことは嫌いだって言ってるでしょ」

昼寝を邪魔するなと言っても無遠慮に起こすし、馴れ合わないでと突き放しても独りにしてくれなかった。

「……しつこすぎ。ヘンタイ」

短くない時を彼と過ごしている内に、嫌悪感は心地よさに変わった。

色んなことがあった。

天上世界でのこと、地上世界でのこと、失われた千年王国でのこと。

天上世界では怠けてばかりいた私も、今ではディスラプターズのリーダーだ。

リーダーを務めることがこんなにも面倒で難しいなんて思いもしなかった。

ヘレナはすぐにふざけるし、カリスはマイペース過ぎるし、ソロモンはとても頭が固い。

そんな彼女達でも、私にとっては大切な仲間だ。

「マスターにとっての私も、そうだったのかな…?」

彼のことを想うだけで、こんなにも胸が苦しい。

今更、だとは思う。でも。

「……鈍すぎ」

彼も。私も。

小さくボヤいた言葉は誰の耳に届くこともなく、空気に溶けていった。

110荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:01:11

「レーヴァ、昼前だぞ。そろそろ起きた方がいいんじゃないか?」

熟睡しているところをヘレナに肩を揺すられ、意識が覚めていく。

「……もう少しだけ」

「レーヴァのそれは信用できないなぁ…」

呆れたと言わんばかりにヘレナは溜息をついた。

この世界に平和が訪れた今、朝から張り切る必要もない。

マスターと同じ時間を過ごしていた頃の夢をせっかく見れたのだから、放っておいてほしかった。

「今のレーヴァを先輩が見たら「だらしない」って思うだろうなぁ…、くふっ」

「……ヘレナ、うるさい」

「ご機嫌斜めだな。じゃあヘレナは心苦しいけど、先輩にはレーヴァは忙しいと伝えておくか」

「はいはい……。……。……ん?」

ヘレナが何か聞き捨てならないことを言った気がする。

「先輩がレーヴァに会いたがってたけど、仕方がないから代わりにヘレナが行ってくるよ」

「待って、もう起きるから」

目を擦りながら、頑張って寝起きの身体を起こした。

そんな私を見ながらヘレナは「健気だなぁ」と笑っていた。

(……しょうがないでしょ。マスターが私に会いたがってくれてるんだから)

もしかしてデートの誘いだろうか、なんてことを考えながら身だしなみを整えて彼に会いに行った。

111荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:01:51

「…………」

勝手にデートだと舞い上がっていた数十分前の自分を叱りたい気分だった。

清々しい程の短絡的思考に、我ながらイライラする。

「あ、あはは……。そんなに嫌だった?」

「……別に」

マスターは忙しい。新生ラグナロク王国の為にと彼は毎日頑張っている。

今日の誘いは、忙しいから手を貸して欲しいと彼の手伝いに駆り出されただけだった。

(マスターがなんで私に会いたがってるのかなんて、確かに聞かなかったけど……)

今はこうしてマスターと埃を被った古そうな書物を運んでいる。

彼に悪気は無いのだろうけど、自分がいいように弄ばれてるみたいで恨み言の一つや二つ言いたくもなる。

「私、ヒマじゃないんだけど…」

「最近のレーヴァは寝てばかりで、ぐうたらしてるってヘレナが教えてくれたよ」

「ヘレナ……」

頭の中でヘレナにくふっと笑われた気がした。

「いたっ…」

「……マスター?」

マスターが手に取っていた本をドサリと落とした。

「…大丈夫、少し切っただけ」

マスターは指先を紙の端で切ったみたいだ。

「指、見せて」

「放っておいても、これぐらいの傷ならすぐに塞がるよ」

「いいから見せて」

本を脇に置き、彼の手をとる。

マスターの指先からツ…と血が一筋流れていた。

「あむ…」

「れ、レーヴァ…?」

「ちゅ、ちゅぷ…」

マスターの指を咥えて、傷口についた血を舐めとる。

指先を唇から離して、初めて彼の戸惑っている視線に気付いた。

……マスターのことを心配しての行動(のつもり)だったけど、少し恥ずかしいことをしたかもしれない。

「……見過ぎ」

「ご、ごめん」

なんだか後に引けなくて、もう一度彼の指を咥え、血が止まるまでの短い間ちゅぷちゅぷと血を舐め取った。

その後は少しだけ気まずくなりながらも、私とマスターは作業を再開した。

112荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:02:49

「……疲れた」

結局夕方まで彼の作業を手伝い、適当な部屋で休憩した。

「レーヴァ、助かったよ。手伝ってくれてありがとう」

「貸し一つね」

「何か欲しいものはある?」

「……冗談なのに」

それでもマスターは「僕の気が済まないから」と答えた。

欲しいものなんて特に無いから、少しだけ考えて…。

「マスター、膝貸して」

「そんなことでいいの?」

「……疲れたから、それでいい」

ソファの上に寝転び、頭をマスターの膝に預けた。

「これでいいかな?」

「ん…」

こうしてマスターに甘えていると昔を思い出す。

天上世界で一緒に過ごした時間を。

「レーヴァとこうして過ごすのが、少し懐かしいよ」

「……そうかもね」

彼の指が私の髪を梳いていくのが心地良い。

恋人同士の様な距離感だな、と思う。

そんなことを考えながらマスターを見つめると、彼は気まずそうに視線を彷徨わせていた。

「……どうしたの?」

「ご、ごめん…、レーヴァ。その、太腿より上が、凄く見えそうになってる…」

「……ヘンタイ。他の子達をそういう目で見てバレても、フォローなんてしてあげないから」

特に何をするでもなく、そのまま私は目を閉じた。

「い、いや、レーヴァ。下着が見えそうだから起きてほしいんだけど」

「ダメ、もう少し寝たいし。それに、わざとじゃなかったら見てもいいから…」

「……レーヴァが満足するまで僕も目を瞑っておくよ」

薄っすらと目を開けると、マスターは顔を逸してギュッと目を閉じていた。

(律儀過ぎ。マスターになら、別にいいのに…。どうしたら素直になれるのかな…?)

分からない。

考えるのは疲れてしまうから、湧き立った疑問はすぐに投げ捨てた。

彼と居る心地良さに身を委ね、意識を手放し微睡んでいった。

113荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:03:25

「…ーヴァ、レーヴァ」

「ん……」

愛しい人の声に意識が覚醒していく。

「レーヴァ、起きた?」

「……まだ寝てる」

彼とこうして過ごす時間が惜しくて、見え見えの嘘をついた。

「そっか。じゃあ僕は今から独り言を言うけど、気にしないでね」

「……?」

マスターは私の頭を撫でながら、優しい声色で喋り始めた。

「本当は天上世界にいる頃に伝えたかったんだけど、振られたらと思うと言えなくて…」

(え?)

「好きだよ、レーヴァ。天上世界にいた頃から」

その告白に驚いて、身体を起こして彼をまじまじと見つめてしまう。

私とマスターは似た者同士だった。

不器用で。素直じゃなくて。

「もっと早く言ってよ、バカ…」

「ん、ごめん……」

本当は嬉しいのに、口をついて出たのは非難の言葉。

(違う。私も素直にならなきゃ…)

「……私も、マスターのことが好き」

「うん」

「……大好き。んむっ!」

乱暴に唇を奪われた。

身体を擦りつけ合うように抱き締めあって、何回も口付けをして。

「レーヴァ…」

「ちゅ、ちゅぴ…、ぷぁ…。いいよ、マスター…。きて…」

この日、私の初めてはマスターに奪われた。

114荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:03:59

マスターと恋人同士になったことをディスラプターズの皆に打ち明けた。

ヘレナにからかわれ、カリスが祝福してくれて、ソロモンは「レーヴァが再びドレスを着る日も近いわね」なんて言い出した。

私とマスターが恋人関係になってから数ヶ月、彼は今でもは忙しいままだった。

「ねぇ、今日も手伝いに行っていい…?」

普段なら面倒くさいと一蹴してしまうようなことも、彼の為にならと頑張った。

毎日のように足を運ぶものだから、ヘレナに「甲斐甲斐しいな」と毎朝笑われてしまう。

「はい、お弁当…。……何が可笑しいの?料理くらいできるから」

マスターは毎回嬉しそうにお弁当を食べてくれる。

料理は元からできるけど、より美味しく作るためにカリスに毎晩教えて貰っているのは秘密だ。

「ね、マスター…。ご褒美ちょうだい?ンっ、ちゅ、ちぅぅ…。ちゅ、ちゅぷ…」

手伝いの後は毎日のようにキスをねだり、唇を重ね合った。

恋人らしく甘えるのに、グラウに恋愛相談を聞いて貰ってる。

「グラウより私を頼ってよ」とソロモンが不服そうにしているのが最近の悩みになりつつある。

幸せだった。

仲間に恵まれたこと。マスターと出会えたこと。

彼と付き合ってからも、想いは留まるところを知らないままに膨らんでいく。

ある日、マスターに初デートはどこがいいか訪ねられた。

「落ち着いたら海に行きたい…」

「レーヴァは明後日の予定は空いてる?」

「え?……空いてるけど」

「レーヴァが手伝ってくれたから、まとまった休みがとれそうなんだ。一緒に海に行こう」

「ん…、おっけ」

素っ気ない返事を返したけど、内心ではすごく嬉しかった。

(水着、新しいの買わなきゃ…)

マスターの前だと私は、キル姫でも、ディスラプターズのリーダーでもなく…。

(はぁ…、べた惚れしてるなぁ…。マスターのバカ…)

「…?」

少しだけ照れくさくて、キョトンとした表情で私を見つめるマスターを心の中で毒づいた。


続く

115荒ぶる異族(レーヴァテインR18 SS):2020/07/23(木) 22:04:31

以前こちらでも案内させて頂いた、ハーメルンの方で上げたレーヴァのR18 SSの導入部分になります。

ガッツリR18なのでこちらにあげることは出来ませんが、興味が湧いた(成人された紳士)の方は良ければ、下記URLからレーヴァのエッチな姿を見てやってください。

短いですが、読んで頂きありがとうございました。

二次小説投稿サイトハーメルン レーヴァR18 SS
https://syosetu.org/novel/226862/

※もし入れなかったら、ハーメルンにて「荒ぶる異族」で検索をかけて貰うと見つかると思います

116名無しさん:2020/07/23(木) 23:32:56
乙です。
ちょっとマゾっぽいレヴァがえちえちて善きかな

117名無しさん:2020/07/26(日) 11:49:08
ありそうでなかったマスター×レヴァssがいつの間にやら来てた…
いい…

118名無しさん:2020/08/02(日) 19:48:11
リサナウトのSSを書いたのは誰だあ!
可愛かった

119荒ぶる異族:2020/08/02(日) 20:23:52
118さん、読んでくださってありがとうございます!
自分が他に上げたSSは下記のサイトにあるので、良ければ読んで貰えると嬉しいです!

二次小説サイトハーメルン
https://syosetu.org/novel/226862/

120荒ぶる異族:2020/08/02(日) 20:25:41
すみません、リンクを間違えました。
↓こちらになります。

https://syosetu.org/?mode=user&uid=289229

121名無しさん:2020/08/03(月) 23:59:13
※この話は思い付きかつ勢いだけで書いたネタ話であり矛盾点や誤字脱字、キャラの口調がおかしいかもしれませんがご容赦ください。主にラグナとカシウス分からねぇ!

※ゴッド達とリサナウトの関係はいつぞや書いた『 苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド』を参照。

※うちのモラベガは自由に分離・合体可能です。なにそれこわい。

※今回キャラ崩壊多め。

※続ける気なんてなかったけど速報にのった&水着リサちー実装記念。

※書いたら当たるという願掛け。頼むから来てくれ

122名無しさん:2020/08/04(火) 00:00:07
〜とある休日〜

リサ「失礼するわ」

ムー「おー、リサナウトじゃねえか。何かあったのか?」

リサ「協力しなさいレーヴァ!!」

ムー「いきなりだな」

レヴァ「すごいデジャブ。とりあえず却下。めんどくさい」

リサ「ふふ、そう言っていられるのも今のうちよ。今回はあなたにもメリットのある話だもの。あなたは1分後、ガシッと熱く私の手を握りながら『やるわリサ!ええ今すぐにやりましょう!!』と自分から進んで協力する。これは予言ではない。確定事象の報告に過ぎないの」

レヴァ「……この前みたいに脅すつもりなの?」

リサ「私が親友のレーヴァにそんな事するわけないじゃない。失礼なレーヴァにはマイナス30ポイントよ」

レヴァ「…………」

リサ「へ?レーヴァどうしたの?いきなり立ち上がって……っふぇいふぁい!!いふぃふぁひほぉおふへははふぃふぇ!?ふぃふぁふぉふぁふぁひふぉんひぃひゃふぁい!(訳:って痛い!いきなり頬をつねらないで!?しかもかなり本気じゃない!)」

ムー(俺にやってるときは割と優しめにやってたんだな……)

123名無しさん:2020/08/04(火) 00:00:42
ムー「レヴァ〜、それ以上やったらリサナウトの頬千切れちまうぞ。もういいんじゃない?」

レヴァ「それもそうね……リサ、用がないなら帰って」

リサ「いたたた……用はあるのよ。さっきも言った通りあなたも今回は積極的に手を貸してくれるわ」

レヴァ「そんなのあり得ないから。私寝るね。ムー、適当にリサの相手しておいて」

リサ「ここから先の時間軸で当主様が男と結ばれる可能性を無くしたいのだけど」

レヴァ「やるわリサ!ええ今すぐにやりましょう!!」ガシッ

リサ「チョロいわねレーヴァ!(ありがとうレーヴァ!)」

ムー「おーい。本音と建前逆になってんぞー」

124名無しさん:2020/08/04(火) 00:01:13
〜その夜〜

モラ「モラだよ!」

ベガ「ベガだよ」

モラ・ベガ「「二人合わせて〜!」」

モラベガ「モラベガだよ!!」

アルマス「……モラベガ、流石にその一発芸見飽きたわ」

モラベガ(分離)

モラ「…………私たちに飽きたんだって、ベガ」

ベガ「…………私たちを捨てるんだよね、モラ」

モラ「あんなに私達を守ってくれたのに」

ベガ「あんなに私達と戦ってくれたのに」

モラ「捨てちゃうんだよ、アルマスは」

ベガ「捨てちゃうんだね、アルマスは」

モラ・ベガ「ねぇねぇ知ってる?ねぇ知ってる?」

モラベガ「こんな可哀想な私達と酷い女たらしですぐに女の子をとっかえひっかえするアルマスをねぇ知ってる?」

アルマス「ちょっと、そんな言葉どこで覚えたの!?というか女たらしなんかじゃないわよ!」

モラベガ「借りた絵本に書いてたんだ。こう言えばアルマスが私達と遊んでくれるって!」

アルマス「……誰から借りたの?」

モラベガ「ヘレナだよ」

アルマス「レーヴァテインッ!!」

レヴァ「私にあたらないでよ」

アルマス「あなたの仲間でしょ!」

レヴァ「いや、そうだけどさ……」

モラベガ「あとピスカもアルマスの姿使って女の人誉めてたよ。だから女たらしも間違えてないと思うんだ」

ティル「それただのナンパなのでは……?」

アルマス「ピスカァァァァッ!!」

125名無しさん:2020/08/04(火) 00:01:45
リサ「はいはいレーヴァもアルマスも落ち着きなさい」

レヴァ「私は落ち着いてる。騒いでいるのはアルマスだけ……それで?この面子は何?明らかに一人おかしい人がいるでしょ」

アルマス「私だけが騒いでいるってどういうことよ!……まぁ、おかしい人がいるのは同意するけど」

リサ「え?誰のこと?」

ティファ「主様の邪念を絶つための懇談会と聞いたのですが……」

カシウス「料理会と聞いた」

フェイル「姉上をゲパルトの代わりの下僕に出来ると聞いたのだけど」

リサ「何サラッと酷い捏造してるのよ!?」

ティル「下僕なんですか?」

リサ「ティルフィングー?ちょっと黙っててくれるかしら」

ラグナ「…………はぁ」

レヴァ・アルマス「いや、あなたよ。あなた」

126名無しさん:2020/08/04(火) 00:02:19
アルマス「何で普通にここにいるのよラグナロク」

ラグナ「そこのリサナウトというのに無理矢理連れてこられた。というより拐われた」

アルマス「はぁ!?あなたを無理矢理ってどうやって……」

リサ「属性で勝てたから問題なかったわ!」

アルマス「嘘でしょ!?」

ティル「私は属性で勝てたのにやられてるんですよ……なのに……」

レヴァ「ティル、あまり気にしちゃダメ」

ラグナ「それより聞かせて、あの娘達から逃げ切れたのは何故?なるべく戦わないように侵入したのだろうけどタイミングが良すぎるわ」

リサ「そういう時間軸を選んだの。あなた一人だけならなんとか相手に出来るけど流石にそれにコマンドキラーズ全員が加わったら無理よ。ちなみに時間軸を改変した回数は100回からは数えてないわ」

レヴァ「相変わらず能力の無駄使いね……」

127名無しさん:2020/08/04(火) 00:02:59
フェイル「姉上、バカやってないでそろそろ説明してくれるかしら。私たちだけならばまだしも何故ラグナロクまでこんな所に呼んだのか。どんな話をすためにこれだけの者を集めたのか。懇談会やら料理会やらも嘘でしょう?」

リサ「そうね、そろそろ始めましょう。じゃあ皆、当主様が人生の伴侶にオッティモ仮面を選んだらどうする?」

全員(レヴァ除く)「「「「………………は??」」」」

リサ「今日集まってもらったのは当主様が男と結ばれるのを防ぐため、少なくともオッティモ仮面とのイチャラブ時間軸を潰すためよ」

ラグナ「殺すわ」

アルマス「…………誰を?」

ラグナ「バイブスを持つ者を」

アルマス「やめて。あなたは本当に洒落にならないからやめて。というか何で今の話でマスターを殺そうとするのよ!?」

128名無しさん:2020/08/04(火) 00:03:30
モラベガ「ねぇねぇアルマス」

アルマス「ちょっと待ってモラベガ、端的に言ってラグナロクが今にも剣抜きそうで顔が恐ろしいことになってて、外にラグナロクが普段乗ってる変な黒い奴も呻き出してるし……」

リサ「いや、端的に言えてないわよ」

モラベガ「それよりアルマスあっちも止めないとだよ」

アルマス「へ?」

ティファ「ふふふ、主様ったら普段から邪念は絶つべきだと言っているのに……ですが私が許しましょう」

レヴァ「銃出そうとしながら許すとか信じろって無理よ!?」←ティファレトの銃を剣で押さえてる

フェイル「退きなさい。私はゲパルトを始末するだけよ。その後は……フフッ」

ティル「その後何をする気ですか!?まさかマスターまで下僕にするとか言いませんよね!?」←フェイルノートに剣を向けて牽制

フェイル「何か悪いのかしら?あぁ、楽しみだわ……あの声で今度は私が『お前様』と呼ばれるなんて」

リサ「あの二人色々ダメじゃない!?妹がヤンデレなんてそんな時間軸……」

ラグナ「…………何故言葉に詰まる?」

リサ「いや、ヤンデレ時間軸なんてないと言おうと思ったのだけど思い出してみればそれなりにあったなぁなんて」

ラグナ(無言で帰ろうとする)

リサ「待ってラグナロク!この状況で帰ろうとしないでぇ!!」

アルマス「状況が絶・混沌としてるんだけど……」

129名無しさん:2020/08/04(火) 00:04:00
カシウス「…………みんな元気ね」

アルマス「カシウス、あなたは大丈夫なんでしょうね」

カシウス「問題ないわ……ムラマサとマサムネが言っていた。殿方は一日の円環の糧を支配すれば手に入ると」

アルマス「それってよく言うあれよね?胃袋を掴めばってやつ」

カシウス「ええ。だから御館様にたまに料理を作る私は……」

アルマス「まぁマスターも確かにレーヴァテインの料理美味しそうに食べてるしムラマサ達が言っていることは間違いないわね」

ティル「そうですね。昔からレヴァは料理上手かったですし、マスターも好きだと言っていましたね」

リサ・ティ・フェ・カシ「「「「………………ん??」」」」

レヴァ「…………」

フェイル「それはどういうことかしら、アルマス?」

アルマス「いや、マスターは簡単な物しか作れないし私もモラベガもティルフィングも料理できないからレーヴァテインが料理作るためにヘレナ達を連れて来てくれるのよ」

リサ「見えない所で点数稼いでたのね、レーヴァ」

レヴァ「ちょっと黙ってて」

ティファ「…………それはそれは、とても良い行いをしていますねレーヴァテイン」

フェイル「あれが美味と言うのだから、是非一度食べてみたいものね。ねぇ?」

レヴァ「あ、ありがとう。考えておくわ……」

リサ(うわー脂汗すごいわねー)

カシウス「これが、怒り……」

130苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:05:26
ラグナ「話が進まないわね。結局お前達はバイブスを持つ者をどうしたいの?これ以上無意味な会話をするのなら帰らせてもらうわ」

アルマス「そうだった!マスターとあの悪趣味な変態が付き合うなんて絶・認めないんだから!!それを阻止するために姉さんは私達を呼んだんでしょ、何か策とかあるのよね!?」

リサ「んー?……まぁ私は皆の意見を聞いた上で話すわ」

モラベガ「おねーさん、皆を集めたのに何も考えてなかったの?」

リサ「そ、そんな事ないわよ!あらゆる時間軸を見て最後に答える。それが私の最適解よ!!」

レヴァ「ソロモンの決め台詞取らないでくれる?」

ティファ「意見と言われましても、そもそも主様の女性の好みが分かりませんし、まずそこを明らかにさせるのが先では?」

全員(モラベガを除く)「「「……」」」

モラベガ「皆怖い顔してどうしたの?」

ティファ「ど、どうして皆私を睨むんですか?しかも視線が何だか下に向いてるような……」

リサ「無自覚って怖いと思っただけよ、気にしないで」

フェイル「……あんな無駄なものなど不要よ。私こそが至高の肢体。それを分からないあれではないわ」

カシウス「本当にそう思っているの?」

フェイル「うるさいわね……」

ティル「やはり小さいままではダメですか……」

アルマス「だ、大丈夫よティルフィング!あなたは小さいままでも絶・綺麗だから!」

131苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:06:21
モラベガ「じゃあ、マスターに好きな人誰なのって聞けばいいと思うな」

レヴァ「マスターの事だから皆大切だと言うとか思うわよ。昔からそういう人だったし」

リサ「思い切り女たらしの受け答えね……よく当主様今まで刺されなかったものだわ」

ラグナ「刺したわ。死ななかったけど」

リサ「……何であなた達同じ顔なのにこんなに性格違うのよ」

レヴァ「聞かないでよ……」

132苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:07:18
カシウス「姉様が見てきた円環の中では御館様は誰と共に時を過ごしたの?」

リサ「少なくともここにいる全員は一度はあったわね。やっぱりアルマスとティルフィングが多かった印象があるわ。あとラグナロク」

ラグナ「?……何故私が?」

ティファ「…………あぁなるほど……主様は刺されるのがお好きなのですね。殿方を選んだのもそういうことでしたか……」

カシウス「槍ならここにある」

フェイル「少し待ちなさい。アスカロンから剣を借りてくるわ」

レヴァ「ティル、アルマスいざとなったら私達であの3人止めるわよ……ってティル、アルマス?」

アルマス「……へぇ、マスターってば私の事を多く選んでくれたんだ。ふーん」

ティル「やっぱり小さくなっても長く一緒に居た私がいいということですね……ふふっ」

レヴァ「…………」

リサ「ダメね、浮かれてる」

モラベガ「わ、私はレヴァのこと助けるよ!」

133苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:08:03
ラグナ「何故バイブスを持つ者が私を気に掛ける?別の時間軸とやらでは私はあの男を殺そうとしなかったの?」

リサ「それが私にもよく分からないのよね。やっぱり当主様本人に聞いてみたほうがいいかしら?」

ティル「答えてくれるとは思いませんけど」

カシウス「御館様の好みの女性も分からないままね」

フェイル「あれが気兼ねなくその辺りの事を話せる相手はいないの?」

ティファ「あのギルという少年はどうでしょう?アルマスが頼めば聞いてくれるのでは?」

リサ「ダメね。あの子も当主様と結ばれる時間軸あったわ」

アルマス「マスター節操なさすぎでしょ……」

モラベガ「マスターが気を使わなくてよくて気軽に話せて恋人にならない人ってこと?私達はダメかな?」

リサ「ちなみにモラもベガも当主様と結ばれる時間軸あるわよ」

アル・ティ・フェ・カシ「「「「ダメ」」」」

モラベガ「うぅ……」

レヴァ(マスターが気を使わなくてよくて気軽に話せて恋人になる可能性が限りなく0の人。そんなの……あっ)

レヴァ「いるわ」

全員「「「「え??」」」」

レヴァ「1人……というか1体だけど」

134苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:08:47
〜翌日〜

ムー「……?……、……!」

マスター「…………。」

ティファ「オートアバターを使うとは考えましたね」

レヴァ「ムーは性格的には男っぽいしマスターも気軽に話せそうじゃない?それに普段からあなた風に言うなら邪念まみれだし、マスターが私達に気を使って言わないような事でも言いいそうでしょう」

フェイル「にしても離れすぎよ。いくら私達の存在を気付かれないようにするためとはいえ、全く会話がここまで聞こえてこないわ」

アルマス「……ねぇカシウス」

カシウス「なに?」

アルマス「あなた達ってもしかして暇なの?こんなことしてるし」

カシウス「暇ではないわ。……御館様の将来の方が大事なだけ」

アルマス「……なんかムラマサとかアスカロンとか苦労してそうね」

135苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:09:25
ラグナ「…………はぁ」

リサ「どうしてため息なんてついてるのよ」

ラグナ「こんな面倒に巻き込まれるならやはり最初からバイブスを消し去るべきだと思っただけよ。それ以外の他意はないわ」

リサ「…………」

ラグナ「なに?私を見てどうしたの?」

リサ「いや、流石に元の存在が同じだけあってレヴァと似てるわね」

ラグナ「は?」

リサ「二言目には面倒とか言いつつ、こんなことにもなんだかんだで付き合ってくれてるじゃない。それに仲間にも慕われてる」

ラグナ「……私はバイブスを持つ者の観測者。それだけよ。あの娘達だって昔の名残で私を立てているにすぎないわ」

リサ「そうかしら?昨日の夜あなたを拐おうとした時だって全ての時間軸で彼女達は私を本気で迎撃してきたのよ?もし他のコマンドキラーズ達があなたのことを自分達の仲間として見ていなかったら私はあなたを拐う時にあそこまでやり直したりしなかった。もっと簡単に済んだはず。彼女達皆はあなたを守ろうとしていたわ。
あなたは仲間に大切にされている。それを自覚できないなんてマイナス1000ポイントよ」

ラグナ「…………ポイント?それはなに?」

リサ「それは貯まったときのお楽しみよ。マイナススタートだけど頑張りなさい」

ラグナ「下らないわね」

136苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:09:59
ティル「ムーが帰って来ましたよ」

モラベガ「お帰りなさい。どうだった?」

ムー「うーん、言っていいのか分からねぇけど。まぁ一応伝える。マスターに好きな人いないのかって聞いたんだよ」

レヴァ「なんでそうストレートに聞くの」

ムー「いいじゃねぇか。で、マスターは好きな人はまだいないけど気になる人はいるって言ったんだ……ってラグナロク以外近くない!?嬉しいけど圧がヤベェ!!」

レヴァ「いいから答える!マスターは誰だって言ったの!?」

ムー「いやその、それが…………ラグナロクって……」

全員「「「えっ!?」」」

ラグナ「……だから何故私なの?」

ムー「距離があるからもっと仲良くなりたいらしい……それと仲間に慕われるリーダーになり方を学びたいとか言ってたな。あと隊のキル姫を助けてくれているお礼をちゃんと言いたいって」

ラグナ「……直接言えばいいのにどうして言わないの?」

ムー「自分が不用意なことを言ってまた敵対しちまって隊のキル姫に傷を負わせるような結果になったら皆に申し訳立たないってよ。ほら、前にレヴァとマスターが付き合ってる疑惑出たとき剣向けただろ?あれが脅しじゃ済まなくなることを考えたらどう接したらいいか分からないって話だ」

137苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:10:38
レヴァ「…………って話要約するとこの前のリサのせいじゃない!」

リサ「違うわよ!?私はただレーヴァをからかうために撮った写真がいつの間にか盗られてたの!!私は被害者よ!!」

レヴァ「そもそも盗撮なんてする方が悪いでしょ!!」

ラグナ「……うるさいわね。……少し話をしてくるわ。向こうもちょうど気付いたようよ」

フェイル「……行ったわね」

ティファ「主様は大丈夫でしょうか?やはり誰か側についた方がいいのでは?」

カシウス「もう暫くは御館様とラグナロクの二人の円環がどう結ばれるか見守るべき」

モラベガ「あれ?マスターとラグナロクが結ばれていいの?」

ゴッド「「「……」」」

リサ「はい、武器取らない。落ち着きなさい。ついでに目の光消えてるわよ。あとモラベガも煽るようなこと言わないで」

モラベガ「……私達って今何か悪いことしたのかな?」

138苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:12:04
ティル「アルマス?やっぱりマスターが気になりますか?ずっとマスター達を見てますけど」

アルマス「マスターも気になるけど、ラグナロクの方が気になって……」

ティル「?」

アルマス「なんかいつも眉間にしわ寄せてカシウスとは違う意味で変なことばかり言っているから、あんな穏やかにマスターと話してるのが以外っていうか、ああいう風にマスターとちゃんと話せるんだなって」

レヴァ(……もしかしてリサは最初からマスターとラグナロクのわだかまりを解消させるために動いてた?あの2人のためにこんな面倒な事を……)チラッ

リサ「くっ……こんなはずじゃ……」

ティファ「何が『当主様の側に行きたいなら私を倒しなさい!おねーちゃんに勝てる妹など存在しないのよ!!』ですか……」

フェイル「そもそも何故3対1戦えると思っているの」

カシウス「踏み込んだ瞬間こけるなんて……私の円環の因子にもそんな事象存在しないわ……」

リサ「や、やめなさい!そんな生暖かい呆れた目で私を見ないで!!」

レヴァ「………………なさそうね」

アルマス・ティル「?」

139苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:13:18
〜その夜〜

レヴァ「ここにいたのね」

リサ「あらレーヴァ。どうかしたの」

レヴァ「ラグナロクのこと。あなたが何を考えていたのかは知らないけど、結果的にマスターと和解したような形になったし、一応お礼を言っておこうと思って」

リサ「やっぱりラグナロクの事気にしてるのね」

レヴァ「まぁそれは……」

リサ「三つ子の魂百までという言葉があるわ。幼い頃の性格は成長しても変わらないという意味。あなたが面倒くさがりなくせに人からの頼みを断れなくて困っている人を見ていられない損をするタイプのいい人なんだから彼女もきっとそうだと思ってね。
そもそもやり方こそアレだけど平和な世界を目指していた人が悪人なわけないじゃない?だったら仲良くしていた方がきっといいわ。仲間は素敵なものよ。あなただって解っているでしょう?」

レヴァ「……まぁそうね。あと前半のやつって褒めてるの?貶してるの?」

リサ「これ以上ない褒め言葉よ。それが分からないレーヴァにはマイナス100ポイント」

140苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:14:19
レヴァ「ところでリサ、私に何か言うことない?」

リサ「ん?言うこと?」

レヴァ「…………これ」

つリサ+マスター+女の子の写真

リサ「あぁ。これね!どう可愛いでしょ?別の時間軸の私と当主様の娘よ」

レヴァ「何でそんな写真を枕元に置くの!?」

リサ「ふふん、他の時間軸の私からの幸せのお裾分けよ。ちなみにその子の名前はアマネよ」

レヴァ「そんなお裾分け要らないわよ!というかどうしてよりによってその名前なの!?」

リサ「私に言わないでよ。名付け親は当主様よ」

レヴァ「マスタァァァァァッッ!!!」

141苦労人レヴァと災難の元リサちーとラグナロク:2020/08/04(火) 00:18:07
後日、ラグナロクはマスターの隊とのキル姫と少しずつだが交流を深めていくことになる。

しばらくした後、もともとの人望やカリスマ性の高さもありラグナロクを隊のキル姫達が慕いはじめたり仲良くしようとしているのを見て嬉しく思うのと同時に自分の立場危なくないか?とマスターが危機感を持つのは別の話である。

マスターの所に行くようになったのを怪しんだコマンドキラーズ達がマスターの所に向かった結果、先日自分達を襲ったリサナウトを発見しラグナロク以外のメンバーがリサナウトと戦闘になりリサナウトが命からがらレヴァの所に逃げディスラプターズ達にまたおかしな事をやったのかと呆れられたのも別の話である。

〜Fin〜


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