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【ファンキル】SSスレPart2

1ゆるりと管理人:2019/09/11(水) 07:51:29
前スレはこちら
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/15938/1563639218/

ファンキルの二次創作SSを投稿するスレです。

・18禁の内容はNGです
・原作のキャラクター性を著しく損ねる内容はご遠慮下さい、
また損ねている可能性がある場合は注意書き等でご配慮下さい
・複数レスに跨る場合は投稿者名(いわゆるコテハン)を利用しましょう
・投稿に対する暴言は規制対象になります
・ダモクレスばかり登場させるのは控えましょう

2名無しさん:2019/09/19(木) 18:06:07
ズラ!?

3名無しさん:2019/09/19(木) 18:23:51
前スレのラストのダモ、いやクレスちゃんにきゅんときた

投稿してくれている人達に感謝
楽しませてもらってます

4名無しさん:2019/09/19(木) 18:48:04
ここ覗くのが生きがいと化してきている

5名無しさん:2019/09/19(木) 19:35:03
ダモの偉大さがわかったダモ?
わかったらダモの活躍するSSを書くダモ!たたえるダモ!

6名無しさん:2019/09/20(金) 13:06:05
わたしのSSも書いてほしいレト!
7まんえんつっこむレト!

7名無しさん:2019/09/21(土) 00:28:47
前スレ見返しててアロンアバリスはもちろんだけど意外とセファーとガジャ姉さまの名前が目についた。人気?

8名無しさん:2019/09/21(土) 00:47:05
セファーは設定として使いやすいからねぇ

9アバリス新たなる力:2019/09/22(日) 03:12:42
アバリス「はぁー武器の新調はこんなに大変だなんて」

アバリスは今まで使っていた弓を見た

アバリス「長く使ったせいでこれももうボロボロですね」

アバリス(武器の新調は雑賀とかが勝手にもってきたりしていたから特に気にしませんでしたがこうも見つからないとはなにか良いものはなんでしょうか?)

アバリスが1人歩いていると1人の商人が頭を抱え込んでいた

商人「あーー!どうしたら良いんだーー!」

アバリス(どうかしたんでしょうか?)

アバリスは商人に声をかけた

アバリス「あの...」

商人「どうしたら良いんだよーーー!!」

アバリスが声をかけるも商人が気づかなかったのでアバリスは少し大きい声を出した

アバリス「あの!」

商人「俺のバカ!なんでこんなもん仕入れてしまったんだよ!!」

それでも商人の耳には入らなかったのでアバリスはさらに大きな声を出した

アバリス「あの!!!」

商人「うわっ!嬢ちゃんいつの間にそこに?」

アバリス「いつものことですから気にしないでください」

アバリス「それでなにか悩んでいるようですがどうかしましたか?」

商人「実はあるものを仕入れたんだ」

アバリス「はい」

商人「それを仕入れる際に仕入れ先の人から『これはいわくつきなんだ!どんなに安くても良いから貰ってくれ!』って言われたから貰ったんだが」

アバリス「それに問題が?」

商人「ああ、それは誰にも扱えない代物でよ俺は見る目がないってレッテルを貼られて誰も買ってくれないんだよ」

アバリス「それがこれですか?」

商人「ああ」

商人の手元には寒色系の色が多い弩だった

アバリス「これがあるから困ってるんですか?」

商人「ああ」

アバリスは立ち上がりその弩を指さした

アバリス「それ...ください!」

10アバリス新たなる力:2019/09/22(日) 03:26:45
アバリスは弩を担ぎながら歩いていた

アバリス(やはりポカーンとしてましたね)

アバリス(私のこと斬ル姫とは気づいてなかったようですので当たり前ですね)

アバリスは広い平原に出て今さっき買った弩を試し撃ちしてみた

アバリス(それにしてもこれ...重いですね)

アバリスは弩を持ち上げて矢を撃った

アバリス「!!」

アバリスは矢が撃ち出された瞬間の衝撃でしりもちをついた

アバリス「いたた」

アバリスは立ち上がり再び弩を持ち上げた

アバリス「なんて衝撃なんでしょう私が扱うには早すぎたのでしょうか?」

アバリスは少しため息混じりに隊へと戻った

夜ご飯を食べている時マスターがアバリスに声をかけてきた

マスター「アバリス新しい武器手に入った?」

アバリス「あ、あーえっと...まあとりあえずは...はい」

マスター「なんか返事悪いけど本当は手に入らなかったの?」

アバリス「そんなわけではないんですが...ちょっと扱えきれてなくて」

マスター「そうなんだ...扱えるようになると良いね」

アバリス「はい」

アバリス(本当に扱えるようにならないと...)

アバリスは少し焦りを感じていた

11アバリス新たなる力:2019/09/22(日) 03:44:40
アバリスは少し高台のところで弩を扱う練習をしていた

アバリス「はぁ!」

やはり衝撃が強すぎてまたしりもちをついた

アバリス「うう...衝撃が強すぎて肩や腕が少し痛い」

アバリスは腕をさすったり肩を回したりした

アバリスが休憩していると遠くでマスターが襲われているのを見つけた

アバリス「ええ!マスターなんで襲われているんですか!?」

アバリスはよく見るとマスターの周りに斬ル姫がいないのを確認するとマスターが斬ル姫と少し離れている間に襲われたと確信した

アバリス「マスターの元に向かうには距離が...」

アバリスは練習の合間に少し遠くにある木に自分の放った矢が刺さっているのを思い出した

アバリス(あの距離が届くなら)

アバリスは大声でマスターを呼んだ

アバリス「すぅー...マスター!!!」

マスターもアバリスの大声でアバリスに気づいた

マスター「アバリス!?」

アバリス「マスターこっちです!」

マスター「わかった」

マスターはアバリスの方へ向かった敵も見失わないように全速力で追いかけた

アバリス(落ち着いて私マスターを助けるためにこれを使うしかない扱えるかどうかの心配をする暇はないこれを扱いマスターを助ける)

アバリスは弩を構えた

マスターはつまづき転んでしまった

マスター(もうダメか)

敵がマスターに武器を振り下ろそうとした瞬間

ヒュン

風を切るような音がなりマスターがゆっくりと目を開けると敵の手に矢が刺さっていた

アバリスは弩を扱えていただが彼女は自分が扱えていることに気づかず2,3発ほど敵に当たらないように撃った

敵は高台にいるアバリスとは戦えないと判断し撤退していった

12アバリス新たなる力:2019/09/22(日) 03:56:07
アバリス「マスター無事ですか?」

アバリスは高台から少し顔を覗いてマスターを見た

マスター「大丈夫」

アバリス「ほっ...良かった」

アバリスが少しほっとして安心すると自分の服装が変わっていることに気がついた

アバリス(あれ?服装が変わっている...もしかして私の新しい力?)

アバリスは自分の隣に置いた弩を持ち上げた

アバリス(もしかしてこれのおかげ?)

アバリス「ありがとうございます私にマスターを守る新しい力を授けてくれて」

アバリスは立ち上がり少し伸びをした

マスター「おーいアバリス一緒に帰ろう」

アバリス「わかりました」

アバリスが再び顔を覗いて返事をした瞬間アバリスは滑り落ちてしまった

アバリス「あ..」

マスター「え?」

ドシーン!

アバリス「いたたたマスター大丈b..!!!」

マスターの顔が自分の尻の下にありアバリスは慌てて退いた

アバリス「マスター大丈夫すみません!」

マスター「アバリスのお尻柔らかかったから大丈夫だよ」

アバリス「/////////////////」

アバリス「そんな感想は聞いてませんーーーー!!//////」

アバリスは新しい力を手に入れたのは良いもののこの一件があまりにも恥ずかしく三日間ぐらいは戦闘に参加できなかったという

END

13アバリス新たなる力:2019/09/22(日) 03:59:05
アバリスの第3CCのロングハンターが実装されたのでとりあえずお祝いのSSです
淘汰値が15いってないので最大までレベルがあげれない悲しみ

14名無しさん:2019/09/22(日) 06:26:27
>>13
先陣おつ!
でかい武器を扱うアバリスも新鮮で格好いいぞ
早く淘汰値上がるといいな!

15エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:38:25

私のキラーズ、エロースが何を司っているか、マスターはご存知ですか?

あれ?知りませんか?

ヒントは人と人とが生きるのに大切なアレですよ〜

そう!そうです!

「恋」と「愛」を、司ってるんです!

マスター、私達の隊にはうら若き姫達が沢山いますよね?

乙女の原動力は「恋」。

時に繊細で、時に大胆になってしまう…。

そんな彼女達の恋愛をケアしてあげる必要があるんです!

恋と愛を知る私に、彼女達の背中を押させてください!

…………はい!

マスター、ありがとうございます!

さぁ、エロースの恋愛相談室を開講しますよ〜!










「許可はしたけど、本当に大丈夫かなぁ……?」

16エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:39:59

「…………あれぇ?」

恋愛相談室を開いてから数日、誰も訪ねてくることはなかった。

勿論この数日間、ただ手をこまねいていた訳ではない。

恋愛相談室の宣伝を何度もしたし、隊の姫達に何度も声をかけた。

でも苦笑して断られるばかりで、成果の方は全くのゼロ。

「何がいけないんでしょう……?」

原因がさっぱり分からずうんうんと唸っていると、マスターが声を掛けてきた。

「恋愛相談室の方は……、あまり順調じゃないみたいだね」

私の様子に、マスターは察してしまったみたいだ。

「何故か誰も来なくて……。その理由がさっぱりなんです」

「うーん……、皆が恋愛に悩んでる訳じゃないと思うよ」

「大体恋愛も何も、隊に男は僕しかいないし」

マスターの発言を聞き、しばらくポカンとして

「そ、それです!」

思わずマスターの手を握った。

「皆が恋愛に興味を持たないのは恋を知らないから!」

「殿方との出会いの場がないから、彼女達は恋ができないんですね!」

「そ、そうなのかな……?」

少し照れてる様子のマスターに気付くことなく、私の熱はどんどん上がっていく。

「マスター、私に任せてください!彼女達が理想の殿方と出会えるように全力でサポートします!」

「どうするつもりなの?」

「そんなこと決まってます!合コンです!」

「えぇ〜……」

面倒事の予感にマスターは溜め息をついた。

17エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:56:33

「恋の駆け引きは既に始まっています!」

合コンをセッティングするにあたり、姫達の好みを知る必要がある。

そんなことを考えていると、桃色の髪の少女が目に入った。

「ティルフィングさーん!」

「エロース、どうしたんですか?……もしかして恋愛相談室の話ですか?」

彼女は苦笑し、腰が引けているようだったが、構わず本編に入った。

「好みの男性を教えてください!皆の恋を育むために必要なんです!」

「え、えぇ!?」

「む、その反応……。もしかして既に意中の男性が?」

「そ、そんなことありません!」

あたふたとしている彼女が可愛いらしくてほっこりとする。

「やっぱり女の子はこうでないと!」

「な、何の話ですか!?」

「二人共、何をしてるの?」

「ま、マスター!?」

マスターの登場に、彼女は慌てふためく。

「マスター、乙女の秘密を聞くのはマナー違反ですよ」

「乙女の秘密……?」

「え、エロースの言うことは気にしないでください!隊の皆がマスターのことを待ってましたよ」

そう言って彼女はマスターの手を取り、どこか嬉しそうな様子で、皆の元へと歩きだした。

「…………うぅん?」

何かが引っかかった。

ティルフィングさんの表情は、恋する乙女のソレで。

ーーー隊に男は僕しかいないし

「いえいえ、まさか……」

考えついたその可能性に、チクリと胸が痛んだ。

18エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:57:31

その後も何人かに好みの男性を聞いてみた。

「間違いありませんね……」

隊の皆がマスターのことを意識している。

身近にいる唯一の男の人。

意識するなという方がムリな話だ。

「どうしてこんな簡単なことが分からなかったんでしょう……」

皆、恋愛に興味がないから恋愛相談室に訪ねなかった訳ではなく。

「分かり切ってる意中の殿方の事を、相談するのが恥ずかしかった、ってことですよね」

意中の殿方。

マスター。

他の子達からマスターの話を聞くと、嫌な気持ちが募っていった。

「私も、」

「マスターのこと、好きだったんですね……」

19エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:58:19

自分の気持ちに気づいてから、恋愛相談室は直ぐに取り下げた。

勿論合コンの話も。

「はぁ……」

私のやっていたことは、皆の迷惑にしかなっていなかった。

その事実を思い返す度に溜め息が出る。

芝生にごろんと寝転ぶ。

すると頭上にこっちを見つめているマスターと目が合った。

「マスター……、どうしたんですか?」

「聞いたよ。恋愛相談室、やめたんだってね」

「あはは、訪問者数0人でしたから……」

「それで、落ち込んでるの?」

身体を起こして、マスターの問いに答える。

「ちょっと違います。皆に迷惑を掛けてたことは確かにショックでしたけど……」

マスターが好きだと気づけたのに、私が余計なことをしたせいで気持ちを伝えづらくなったことが辛い。

なんて、とても言えそうにない。

「そっか……」

「恋愛相談室、もう少しだけ続けてみない?」

「え、でも……」

マスターの意外な提案に驚く。

恋愛相談室や合コンの話をしたとき、許可はしてくれたけど、良い顔はしなかったから。

マスターは私の隣に座りこんだ。

「僕の悩みを聞いて欲しいんだ」

「は、はい……」

そうして、恋愛相談室の第一号はマスターになった。

「最近、気になる子がいて」

「っ」

その事実に、胸がズキリと痛む。

そうだ。マスターに好きな子がいてもおかしくない。

そんな当たり前のことすら考えれてなかった。

「その子はすごく可愛いんだけど、抜けてる所が多くて……。マイペースっていうのかな?」

「……そんな子が皆のために頑張ってる姿を見て、気がつけば目で追うようになって」

少し照れながら話してる彼の表情は、恋をしてる人のそれで。

「短い間だったかもしれないけど、ハッキリと自分の気持ちに気づけたんだ」

……聞きたくない。

「彼女のことが大好きなんだって」

聞きたく、なかった。

20エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:58:57

「そう、ですか……」

声が震える。

瞳からポロポロと涙が零れ落ちていく。

泣き顔を見られたくなくて俯く。

そんな私にマスターは優しく手を重ねる。

「ごめん、もっと上手く言えたら良かったんだけど……」

「その子は金髪で、すごく可愛くて、今も僕の傍にいて……。まだ分からないかな?」

「え?……ん!」

思わず顔を上げると、マスターに唇を塞がれた。

触れるだけの優しいキス。

熱くて、気持ち良くて。

「ぷぁ……ま、マスター?」

「君のことが好きだ」

ズルい。

さっきとは別の理由で涙が零れていく。

「あ、あの、私は、えと……」

上手く舌が回らない。

聞きかじった知識が全く役に立たなくて、身体中がどんどん熱くなっていく。

「わ、私も……!」

「ま、マスターのことが好きです……」

蚊の鳴く様な声での告白。

「……えっと」

マスターには聞こえてないみたいだった。

「も、もう!」

言葉ではなく、行動で。

彼に好意を伝えるために、身体の隙間がなくなるくらいに強く抱きつき、そして。

そのままもう一度彼と唇を重ねた。

「エロースの気持ち、伝わりました……?」

「……まだ伝わりきってないかな」

「ま、マスターのえっち。そういうのは……」

「君のこと、大切にする。キス以上のことはしない。だから、ダメかな?」

「だ、ダメじゃ、ないです……ん、んぅ!」

そこからは凄かった。

互いに唇を求めあう中、多分これが愛なんだな、なんてことを考えた。

21エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 06:59:29

エロースと恋人同士になって数日が経った。

「マスター、恋愛相談室は取りやめました。今度はお悩み相談室を開きます!」

「え、お悩み相談室?それって恋愛ごとじゃなくてもいいの?」

「はい、今度こそ皆の役に立つためにも、困っていることや悩んでいることの手伝いが出来たらなって……」

「そっか……」

皆の為に頑張る彼女の姿を見て、思わず微笑む。

「それに恋愛相談室の時に、恋愛は知識だけじゃダメだって思い知ったので、その……」

「色々なことを教えてくださいね……?」

こうして、エロースのお悩み相談室が開講された。

隊の皆の色んな悩みに僕達が振り回されていくことになるのは、言うまでもない。

それでも、恋に真っ直ぐで頑張りや屋な彼女を支えていこうと心に誓った。

22名無しさん:2019/09/22(日) 07:42:52
>>21
そこからは凄かった(至言)
聞いて回った上にマスターとくっつくいたから
他の姫に嫉妬されそう

23名無しさん:2019/09/22(日) 10:14:20
感動した

24エロースの恋愛相談室:2019/09/22(日) 11:51:16
遅レスですみません。

エロースの覚醒イラストを見て、急に天上編のエロースのSSが書きたくなりました。

pixivにエロースの漫画をあげてくださってる方に影響されて、恋愛相談室という形でSSをあげています。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

需要があれば、「恋愛相談室 実践編」やお悩み相談室を書こうと思いますので、意見・感想の程宜しくお願いします。

25名無しさん:2019/09/22(日) 14:08:11
ファンキルで純愛SSとは…!

26解決アロンちゃん:2019/09/22(日) 14:44:07
解決アロンちゃん6

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

与一
「マスター相談が」

マスター
「俺じゃなくてタイトル的にアロンに言ってくれよ」

与一
「彼女では解決できないというよりかは相手してくれない相談なんです」

マスター
(解決できないってアロンがアホって意味かな?それにしても相手してくれないってどういうことだ?)

与一
「私の相談それは...」

マスター
「それは?」

与一
「あの魔性の女アロンダイトから梓弓を取り戻してください!!」

マスター
(なにを言ってんだこの娘ーーー!?)

27解決アロンちゃん:2019/09/22(日) 14:59:17
>>26
マスター
「いやいや落ち着け与一まずは順を追って話していこう」

与一
「彼女がまだあのにっくき女アロンダイトと出会うまではクールビューティーを具現化したような人でした」

マスター
「俺もその話は聞いたことあるよ」

マスター
(今では全然違うけど)

与一
「もうその頃の梓弓はカッコよかったです」

与一は梓弓との懐かしい日々を思い出した

********

梓弓
「与一あなたは今日は訓練でしょ?しっかりと起きて準備していきなさい」

与一
「す、すみません」

梓弓
「私に謝る暇があるならすぐに支度して行く」

与一
「は、はい」

*******

与一
「私今日も頑張れたのでしょうか?」

梓弓
「与一今日はあなたのおかげで勝てたのですよ胸をはりなさい」

与一
「はい!」

*******

与一
「とこのようにカッコよかったのにアロンダイトに会ってからは...」

******

梓弓
「はぁアロン大丈夫かしら?変態どもに変なことされてなければいいけれど」

******

梓弓
「今日のアロンも素敵な笑顔でかわいらくて良い香りがしたわ」

********

与一
「そして!なにより酷いのがアロンダイトがトレイセーマを抜けてあなた達のところに入った時ですよ!」

************

梓弓
「アロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンアロンどうして抜けたの?どうして抜けたの?どうして抜けたの?どうして抜けたの?どうして抜けたの?どうして抜けたの?どうして抜けたの?」

*******

与一
「これが一週間続いたんですよ!」

マスター
(うわーこの話聞かなきゃよかったー)

28解決アロンちゃん:2019/09/22(日) 15:05:34
>>27
与一
「マスターどうしたら良いんでしょうか?」

マスター
「もう直接梓弓に言ってみたらどう?」

与一
「梓弓に直接言うなんて私にはそんなこと出来ません...」

マスター
「いや俺にこんなに言えるんだから梓弓に言えるだろう」

与一
「アロンダイトに言うのは?」

マスター
「アロンは色んな意味で無理と思う」

与一
「そうですか...わかりました!勇気を振り絞って梓弓に言います!」

29名無しさん:2019/09/22(日) 15:21:51
エロースに与一と俺得が続くぜ

梓やっぱいいキャラしてんなw

30解決アロンちゃん:2019/09/22(日) 15:27:34
>>28
梓弓
「それでマスター私になんの用ですか?」

マスター
「俺じゃなくて実は彼女が梓弓に用があるんだよ」

与一
「梓弓...」

梓弓
「与一どうかしたのですか?」

与一
「アロンダイトのことを諦めてください!」

梓弓
「え?」

与一
「あなたは変わってしまったアロンダイトに会う前のあなたはカッコよくてクールビューティーで凛としてたのに今ではアロンダイトのことばっかり考える単なる変態になってしまった!」

マスター
(うわー言った)

梓弓
「与一それは違うわ」

与一
「え?どういうことですか?」

梓弓
「アロンに会う前の私はトレイセーマのために戦いなんの欲も目的もなく空っぽのまま生き続けた」

梓弓
「けれど彼女の信念と彼女の理想そして彼女の笑顔とその可愛さに触れて私は気づいたんです自分は空っぽのまま生き続けたことに彼女が空っぽの私を満たしてくれたんです!」

梓弓
「与一あなたに逆に問いますあなたは愛する人を諦めろと言われて諦めますか?」

与一
「い、いえ」

梓弓
「それと同じです私は彼女を愛しているんです!周りから変態と言われようともそれは周りの勝手です私は彼女を愛しているそれに嘘偽りはありません」

マスター
(梓弓すげえ正論述べてるなんか怖い)

与一
「梓弓、私が間違ってました自分の考えを押し付けていただけでした」

梓弓
「わかってくれたなら良いんですそれじゃあ...」

与一
「ん?」

マスター
「え?」

梓弓
「お二人にアロンの魅力を存分に教えます!」

マスター
(梓弓もなんか押し付けてねえ!?)

それから二人は梓弓からアロンダイトの魅力を約食事休憩などを挟み10時間聞かされたという

31解決アロンちゃん:2019/09/22(日) 15:29:32
与一の一人称って与一だったかもと思ったもし間違っていたら与一推しの皆さんすみません
今回アロンあんま関係ないことに気づいたが続行した

32名無しさん:2019/09/22(日) 15:53:46
与一推しだけど気にしとらんよ!

面白かった!

33名無しさん:2019/09/22(日) 16:06:06
>>31
とうとう姿すら出てねぇ!
でもいいぞ!

34名無しさん:2019/09/22(日) 16:13:25
>>24
あの先生の作品やな!
ネタがあればぜひ続きも見てみたいなぁ。

35解決アロンちゃん:2019/09/23(月) 02:03:38
解決アロンちゃん7

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

スイハ
「マスター相談があるのですが」

マスター
「アロンに言え前回みたいになるだろうが!」※前回タイトルにもなってる主役不在

スイハ
「彼女に相談するのは...その...いやなんです」

マスター
「なんで?与一みたいに怒ってるの?」

スイハ
「そんなんじゃありません!!」

スイハは大きい声を出した

マスター
「わ、わかったよ」

マスター
(アロン相当な恨み買ってんな...)

スイハ
「それで相談内容なんですが..」

アロンダイト
「お二人ともどうかしましたか?」

アロンダイトは急にひょっこり現れた

マスター
「うわっ!びっくりした〜急に出てくるなよ」

スイハ
「ア、アロン....ダイト」

スイハはぷるぷると小刻みに揺れていた

マスター
(!?)

マスター
(スイハが小刻みに震えている完全に怒ってるアロン一体スイハになんの恨みを買ったんだよ?)

アロンダイト
「それにしてもなんの話してたんですか?私の名前も聞こえましたけど」

マスター
(気づいてねーー!)

スイハ
「そ、相談があるんです」

アロンダイト
「その相談私も聞いて良いですか?」

スイハ
「え、ええ良いですよ」

アロンダイト
「ありがとうございます」

アロンダイトは笑顔になった

(かわいい///)

マスター
「ん?」

アロンダイト
「マスターどうかしましたか?」

マスター
「いやなんでもない」

マスター
(気のせいかな?)

36解決アロンちゃん:2019/09/23(月) 02:20:59
>>35
スイハ
「それで相談なんですが」

マスター
「一体どうしたんだ?」

スイハ
「最近ラグナロクの様子がおかしいんです」

マスター
「ラグナが?」

スイハ
「はい妙にこそこそしてることがあるんです」

マスター
「スイハ達とかには内緒で?」

スイハ
「はい」

マスター
「ラグナのことならアロンに相談した方が良いじゃんなぜかラグナと仲良いし」

スイハ
「そ、そうですか...」

(うらやましい!)

マスター
「ん?」

アロンダイト
「マスターどうかしましたか?」

マスター
「いやなんでもない」

アロンダイト
「そうですか...それでスイハすみませんがその事については知りません」

スイハ
「いえ謝る必要はありませんそれでいつもラグナロクとはどんな会話を?」

アロンダイト
「カッコいいセリフについて話してます」

スイハ
「カ、カッコいいセリフ?」

アロンダイト
「はい紅蓮の炎!とか凍てつく吹雪!とか後は傘とかを武器に見立てたりしてますラグナロクって想像力豊かですよね」

マスター
(それは想像力豊かと言うか単なる中二病)

スイハ
「そうなんですね」

マスター
(スイハ落ち着いてる怒ってるわけじゃなかったのかな?)

アロンダイト
「そうだ!ラグナロクを尾行してみましょう!」

スイハ・マスター
「尾行?」

37解決アロンちゃん:2019/09/23(月) 02:34:01
>>36
マスター
「なんで尾行するんだ?」

アロンダイト
「楽しそうだからです」

マスター
「理由が単純だな」

(楽しい基準で行動決めるなんて可愛い)

マスター
(なんか聞こえるけど気にしたらダメなんだろうなたぶん)

三人はラグナロクを尾行することにした

アロンダイト
「なんか人気のない路地裏まで来ましたね」

マスター
「こんなところまでなにしに来てるんだろう?」

スイハ
「二人ともラグナロクがあのお店に入りました」

マスター
(なんかいかがわしい店に入っていったーー!)

アロンダイト
「私たちも入りましょう」

スイハ・マスター
「え!?」

マスター
「アロンあの店がなんか知ってる?」

アロンダイト
「全く知りません!」

スイハ
「知らないなら言わないでくださいそれにあんないかがわしい店入りません!」

(知らないのに行こうとする勇敢さにこの純真さ守らないと)

マスター
(...........)

マスターはこの謎の声を気にするのを止めた

マスター
「うん...まあ少し待とう」

アロンダイト
「そうですね」

スイハ
「少し待ちましょう」

38解決アロンちゃん:2019/09/23(月) 02:48:22
>>37
数分後ラグナロクが店から出てきた

ラグナロク
「ふふ良い買い物したわ」

ラグナロクは買い物袋からチェーンと手錠を取り出した

スイハ
「チェーンに手錠?一体彼女はなんのために買ったんでしょう?」

マスター
(催眠術回の時のが治ってねえ!)※チャレンジアロンちゃん第12回の時に起きた事件です

マスター
(絶対あれアバリスからしてもらうために買ったプレイ用だろ!)

マスター
(それにラグナ今のところ一番キャラ崩壊してるぞ!)

アロンダイト
「わかりました」

スイハ
「わかったんですか?」

アロンダイト
「はいあれはきっと敵を捕縛するために買ったです」

スイハ
「なるほど、ラグナロクは敵に対する対策などを私たちには内緒で密かに準備していたんですね」

アロンダイト
「たぶんそうですマスターもそう思いますよね?」

マスター
「あ、ああうんそうだろうね」

三人はラグナロクの尾行を終わらせて帰った

ラグナロク
「ふへへこれでアバリスに縛られて...ふへへ」

39解決アロンちゃん:2019/09/23(月) 03:03:56
>>38
マスター
「まあスイハの悩み解決したし晩ご飯食べよう」

アロンダイト
「そうですねスイハ一緒にご飯食べましょう」

スイハ
「いえ私は一足先に寝ますので良いです」

アロンダイト
「そうですかおやすみなさい」

スイハ
「ええおやすみ」

(やったーおやすみなさい言われた!)

スイハは一足先に寝に行った

マスター
「なあアロン」

アロンダイト
「なんですかマスター?」

マスター
「なんか今日1日中変な声が聞こえてたんだけどあれなんだったんだろう?」

アロンダイト
「あれですか?私も聞こえてましたけどたぶん天の声じゃないですか?」

マスター
「なんで急に天の声とか聞こえんの!?それに全部アロンをほめるようなセリフだったし」

アロンダイト
「気のせいですよ」

マスター
「気のせいで良いのか....」

その頃スイハ

スイハは辺りを見回した

スイハ
「すぅーはぁー緊張した...まさか今日1日アロンと行動するなんて思わなかった」

スイハは懐からアロンダイトの写真を取り出した

スイハ
「ああ今日の彼女も素敵だったわそれに少し会話出来たしああ今日1日中ずっと幸せだったわ」

スイハ
「次はもっと会話出来るようにならないと」

スイハは新たな決意と幸福感を胸に眠りについた

スイハのこのことについては誰も知らない

40解決アロンちゃん:2019/09/23(月) 03:06:50
本当にラグナが一番キャラ崩壊しています
スイハとアロンのことについて知りたいと意見がありましたらその話でも書こうかな?とは思ってます
なんかどんどんと回を重ねるごとに混沌と化している

41名無しさん:2019/09/23(月) 07:34:40
>>40
アロンちゃん二人に狙われてるのか…
スイハと一体何が…

42名無しさん:2019/09/23(月) 07:53:25
アロンちゃんのアナルがぴんち!

43告白:2019/09/23(月) 15:37:08
死線を共にする度に募っていく想い

気がつけば視線はいつもその姿を追っていた

その人物の名はロンギヌス

こんな気持ちになるなんておかしいのは分かっている

それでも何度も何度も抑えてきた気持ちは限界に来ていた

いけないことだと思いつつも、その日ついにロンギヌスを呼び出した

約束の場所にロンギヌスを見つけ駆け寄る

振り向いたロンギヌスに間髪を入れずに想いをぶつけた

「好きだ。お前の"ロンギヌス"で俺を貫いてくれ!」

「あぁ?ふざけてんのか、ゼロ💢」

この後、めちゃくちゃボコられた

おわり

44名無しさん:2019/09/23(月) 16:01:16
>>43
痴情編かよぉ!
ワロタ

45告白:2019/09/23(月) 21:19:35
>>44
ありがとうございます!そのツッコミのために書きましたww

46名無しさん:2019/09/24(火) 00:54:22
わりとマジで膝を打った。ロンギってそっちかー

47名無しさん:2019/09/24(火) 11:24:49
┌(┌^o^)┐ホモォ...

48名無しさん:2019/09/24(火) 12:05:12
これは叙述トリック

49追いかけっこ:2019/09/24(火) 21:01:21
「こらぁ!マスター、逃げんじゃねぇ〜!」

いつものようにミトゥムに追いかけられるマスター

疲れたマスターは「シタが見てるよ!」と言う

「シタ姉ちゃん!?」

ミトゥムはようやく足を止めて周りを見るがシタは居ない

「って嘘かよ!やめろよな、マスター!シタ姉ちゃんが怒ると本当に怖いんだぞ!」

息を切らしたマスターは自分ではミトゥムの相手に限界があると正直に告げた

と、同時に追いかけっこが得意な姫を紹介する

マスターに呼ばれてやって来たのはアイムール

事情を説明するとアイムールは頷いた

「了解です。しかしマスター、私は追いかけるのが専門です。ミトゥムは私が引き受けるので、マスターが私を引き受けて下さい」

引きつるマスター

「では行きます」

「よっしゃぁ!行っくぜ〜!!」

結局、マスターを追いかけるアイムール、そのアイムールを追いかけるミトゥムと言う構図となり、マスターの負担は2倍になるのであった

おわり

50名無しさん:2019/09/25(水) 00:01:47
夕焼けの中を3人で走ってるイメージ。先頭は元気よく声上げて笑いながら、真ん中はやけにいいフォームで、後ろは息切れしながら

51名無しさん:2019/09/25(水) 00:17:50
>>50
マスターがサイドチェストしそう

52名無しさん:2019/09/25(水) 04:03:55
マスターとアバリスが街中を歩いているとメガネ店を見つけた

マスター「メガネ店があるよアバリス視力とか大丈夫?」

アバリス「大丈夫ですよ戦闘でも特に違和感を感じるようなことはありません」

マスター「でも知らない間に視力落ちてるかもしれないよ?」

アバリス「そうですねメガネ店なら視力を測れますしもしかしたらちょうど良いメガネがあるかもしれませんね」

二人はメガネ店に入った

アバリス「すみません視力って測れますか?」

女性店主はアバリスに気づいていなかった

アバリス「すみません!」

アバリスは大きい声を出すがそれでも気づかれなかった

マスター「俺が声かけるよ」

マスター「あのすみません」

女性店主「はい?」

マスター「ここ視力測れますか?」

女性店主「はい測れますよ」

マスター「この娘の視力を測ってくれませんか?」

マスターはアバリスを前に出した

女性店主「はいわかりましたそれではこちらの部屋です」

アバリスは女性店主に案内された部屋に行った

女性店主「それじゃあ彼氏さんは商品のメガネなどを見て少し待っていてください」

マスター「彼氏//....はい///」

マスター(カップルに見えるのかな?)

マスターは少しドキドキした

53名無しさん:2019/09/25(水) 04:24:03
数分後アバリスが部屋から出てきた

女性店主「はい終わりましたよ」

マスター「どうでしたか?」

女性店主「彼女さんすごく視力良いんですね」

マスター「そうでしたか」

アバリス「視力落ちてなくて安心しました」

女性店主「伊達メガネもありますので見ていってください」

マスターとアバリスは色んなメガネを見回った

マスターが少しアバリスから離れてサングラスなどを見ていると女性店主がアバリスに声をかけた

女性店主「あなたの心配してくれるなんて素敵な彼氏さんですね」

アバリス「カ、カップルに見えますか?」

女性店主「違うですか?」

アバリス「えっと...ち、違...くない関係ですかね?」

女性店主「なんで疑問系なの?」

アバリス「なんかそういう関係のようなじゃないような....私としては....」

女性店主「私としては?」

アバリス「そ、そういう関係になりたいです」ボソッ

アバリスはすごく小さな声で言った

女性店主「ああもう可愛いわね!」

女性店主はアバリスの背中を叩いた

アバリス「うわっ!びっくりしました」

女性店主「はいこれ」

女性店主は1つのメガネを渡した

アバリス「これは?」

女性店主「私からのプレゼント」

アバリス「も、もらえませんよ!ほぼ初対面の方から物をもらうなんて」

女性店主「良いのよちょっと良いもん見せてもらえたからそれに人からもらった物を無下に断るものじゃないわよ」

アバリス「そ、それじゃあありがたくもらいます」

女性店主「良いってことよ」

アバリスは女性店主からメガネをもらった

54魅力発掘:2019/09/25(水) 04:36:56
マスター「それでメガネをもらったと」

アバリス「はい」

マスター「着けてみる?」

アバリス「はい着けてみます」

アバリスがもらった伊達メガネは赤のフレームのメガネだった

アバリスは伊達メガネを着けてマスターの方を見た

アバリス「マスター似合ってますk...!?」

マスターの顔は真っ赤になっていた

マスター「に、似合ってるよ」

マスター(かわいい///)

アバリス「マスター顔が赤いですよ!大丈夫ですか?」

アバリスはマスターの額に自分の額をくっつけた

アバリス「ちょっと熱いですね」

マスター「だ、大丈夫だから」

マスターはアバリスから離れた

マスター「は、速く帰ろう」

マスターはアバリスの手を掴んで歩いた

アバリス(マスター顔赤いし少し熱かったけど大丈夫って言ってるし風邪じゃないと良いんですが)

マスター(メガネ似合いすぎこんなの反則だ)

アバリスの新しい魅力を見つけて1人熱くなるマスターであった

55魅力発掘:2019/09/25(水) 04:38:50
萌えスレでいつぞやにあったメガネをかけたアバリスのコラ画像が可愛いかった
やっぱりアバリスってなんでも似合うな

56名無しさん:2019/09/25(水) 05:06:05
>>55
何故かこんな時間に目覚めたと思ったら導かれたか…
あのコラは保存したわ
SS書く人が決まっているとはいえ次の人気投票に期待が高まる

57名無しさん:2019/09/25(水) 05:22:04
見返して見て書く人が決まっているという表現は違うな
もう1回寝てくるわ

58名無しさん:2019/09/25(水) 08:13:15
アバリスはなんでも合うね

59名無しさん:2019/09/25(水) 10:23:26
調味料みたい

60名無しさん:2019/09/25(水) 10:30:19
アバリスのエリート塩

61名無しさん:2019/09/25(水) 10:48:54
アバリスのエリート塩...アバリスの...塩.....それってつまりアバリスの汗...すみませんいくらですか?

62名無しさん:2019/09/25(水) 11:37:15
あ・ば・り・す・しお!

63名無しさん:2019/09/25(水) 17:17:00
ハリポタの呪文みたいな響き

64名無しさん:2019/09/25(水) 17:36:04
アバリスの素

65解決アロンちゃん:2019/09/25(水) 21:40:17
解決アロンちゃん7.5

スイハ
「はぁ彼女を遠くからしか見れない自分が不甲斐ない」

スイハはあの日のことを思い出していた

マスター
「新しく入ったスイハだみんな仲良く....ってそんなみんな露骨に嫌そうな顔するなよ」

マスター
「まあ確かに敵対してたし色々大変な目に合わせられたけど今は仲間なんだから仲良くしろよ」

スイハ
「私も仲良くするつもりないので結構です」

マスター
「スイハちょっと...はぁー仲良くしろよ」

アロンダイト
「私に任せてください」

マスター
「うんアロン任せたよ」

アロンダイトはスイハのところへ行った

アロンダイト
「私の名前はアロンダイトこう見えてもここでは古..古..古..古人参ですわからないことがあったら聞いてください」

スイハ
「それを言うなら古株です1つ質問良いですか?」

アロンダイト
「はいなんでしょう?なんでも聞いてください」

スイハ
「どうやったらあなたはどっかに行ってくれますか?」

アロンダイト
「うーんわかりません」

スイハ
「わからないならどっか行ってください」

アロンダイト
「仕方ありません今日の晩ごはんはなんでしょうね?」

スイハ
「人の話聞いてました?」

66解決アロンちゃん:2019/09/25(水) 21:55:06
>>65
スイハはみんなから少し離れた場所でご飯を食べていた

アロンダイト
「スイハなんでみんなから離れて食べてるんですか?一緒に食べましょうよ」

スイハ
「私は誰かとつるむ気はありません」

アロンダイト
「そんな冷たいこと言わないでください」

アロンダイトはスイハの隣に座った

アロンダイト
「私と一緒に食べましょう」

スイハ
「お断りします」

スイハは立ち上がりどこかへ行った

アロンダイト
「あ、スイハ待ってください」

それからアロンダイトはスイハに関わり続けた

スイハ
『うざい私に関わらないでほしい』

アロンダイト
「なんでそんなこと言うんですか」

スイハ
『私の心の声が読まれてる!?』

アロンダイト
「なんかどっからともなく声が聞こえるんですがスイハの声なんですか?」

スイハ
「..........」

スイハは心を無にしようと思った

67解決アロンちゃん:2019/09/25(水) 22:27:01
>>66
マスター
「敵の動向が怪しいから二人ほど偵察してほしいんだけど誰か引き受けてくれない?」

アロンダイト
「はい!私とスイハで行きます!」

スイハ
「はあ?」

マスター
「そうか二人とも良く一緒にいるから頼んだよ」

二人は敵の偵察を始めた

アロンダイト
「一体なにを運んでいるんでしょうね?」

スイハ
「そんなの私が知るわけないでしょ」

アロンダイト
「そうですよね知ってたらびっくりですよ」

スイハ
「......」

アロンダイトはニコニコと話していたがスイハはアロンダイトが自分に関わり始めた頃から徐々に徐々にイライラが募っていた

アロンダイトが見てない間にスイハは矢を空に放ちわざと敵に自分たちの居場所を教えた

アロンダイト
「スイハ!急に敵がこっちに来てますどうにかしないと」

スイハ
「多分この場所がばれているんでしょう仕方ありませんが倒すしかありません」

アロンダイト
「わかりましたスイハ私が敵を引き付けます後ろからの支援お願いします」

アロンダイトは敵と戦い始めた

スイハ
(ああうざい、うざいあなたには消えてもらいます)

スイハは戦っているアロンダイトの腕に矢を当てた

アロンダイト
「ぐっ!」

アロンダイトは負傷した腕を押さえながら敵と戦った

アロンダイト
「はぁはぁ」

スイハ
「どうですか?私と関わった罰ですよ」

アロンダイト
「はぁはぁ....ぐっ...うああああああ!」

アロンダイトは剣を持ち上げてスイハに向かって剣を突いた

68解決アロンちゃん:2019/09/25(水) 22:43:41
>>67
剣はスイハの顔を横切りスイハを後ろから襲おうとした敵を突き刺した

スイハ
「なんで私を助けたんですか?」

アロンダイト
「なんで?って理由は1つだけですよ」

スイハ
「その理由は?」

アロンダイト
「仲間ですしなにより私たちは友達でしょう?」

スイハ
「そんな理由で?」

アロンダイト
「そんなって私にとっては十分な理由です」

スイハ
「私はわざと敵に居場所を教えてあなたの腕に矢を当てたしあなたを危険な目に会わせたんですよ?それなのに友達とかって理由で助けるですか?」

アロンダイト
「はい助けます私は人を恨んで助けれるはずなのに助けないなんてことしませんし見捨てるなんてこと絶対にしません」

スイハ
「アロンダイト....すみません私のせいで」

アロンダイト
「気にしないでください私が不注意なだけでしたので」

スイハ
「本当にすみません」

二人は偵察を終わらせて戻ってきた

マスター
「アロン!?その腕の傷どうしたの?」

スイハ
「それは私が..」

アロンダイト
「敵に襲撃された際に受けた傷で」

アロンダイトはスイハの言葉を遮って言った

マスター
「そうなのかちょっと俺手当て出来ないからアバリス呼んで来るよ」

マスターがアバリスを呼びに行くとスイハは口を開いた

スイハ
「なんであんな嘘をついたんですか!?」

アロンダイト
「私はその出来事しか覚えてないので嘘をついてません」

アロンダイト
「それにスイハが罪を背負う必要なんてありませんから」

スイハ
「アロンダイト....」

この時スイハはどこかで胸がときめくのを感じた

69解決アロンちゃん:2019/09/25(水) 22:51:05
>>68
スイハはあの日の出来事を思い出して少し口角が上がっていた

スイハ
「ああアロンあなたのおかげで私は少し変われました私はあなたを遠くからしか見守ることしか出来ませんがあなたを想う気持ちは誰にも負けません...そうあの女なんかよりもあなたを愛しています」

スイハは懐から写真を一枚投げ矢で射ぬいた

その写真は梓弓の写真だった

スイハ
「あなたを梓弓なんかには渡しません...」

スイハの瞳の奥は情熱で燃えていた

70解決アロンちゃん:2019/09/25(水) 22:52:39
なにがあったんだ?みたいなコメントがあったので書いてみました
ハロウィンはアロンなので覚悟してガチャに取りかかります
ハロウィンアロン可愛い

71名無しさん:2019/09/25(水) 23:30:26
>>70
梓とスイハの間に火花散る…!
そしてハロアロンは卑怯だぞ運営…!

72名無しさん:2019/09/26(木) 01:08:31
相変わらず不義が止められなさそうだった

73なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 04:38:28
初書き込みかつ初投稿しようかと思う・・・
フライシュッツを主役とした一品
心いくまで御覧あれ(この一行はどうでもいい)
そしてクオリティの低さと
作者の頭の悪さに笑いたきゃ笑えよ存分に

題名・魔弾の射手との誓い〜君を想うが故〜


それは、任務中に起きた事故が原因で
二人の関係が拗れ始めた


事故が起こる数日前のとある一室にて

「あっマスターくんだぁ!ハグだよ〜ハグ!」

紫色のロングヘアーでスタイル抜群な女性
フライシュッツが一人の男の後ろ姿を見つけては
両手を広げては駆け寄り、抱き着こうとする

「・・・?」

しかし、いくら走っても男の下へは近寄れない
まるで足踏みをしているかの様に全くと言っていいほど
自分と目の前で歩いている男との距離が縮まらなかった

「えっ?なに?何なのこれ・・・マスターくん!」

どれだけ走っても目の前に居る男との距離は
縮まらない事に焦りを感じて
男を呼びながら更に懸命に走り始める

「マスターくん!マスターくん!?」

フライシュッツは何度も後ろから男を呼び続ける
すると男は漸く立ち止まりフライシュッツへと振り返る
フライシュッツはその事に不安が無くなり
安堵の表情を浮かべると

「もう、マスターくん!おねーちゃんに意地悪しちゃダメでしょ?めっ!悪い子はオ・シ・オ・キだよ?」

腰に手を当てながら頬を膨らませて男を叱るが
すぐに頬を紅潮させながら笑顔を向けて
両腕を大きく広げては受け止める体勢を取る

「でも、うーんとハグしてくれるなら特別に許してあげちゃう」

「・・・」

少し待ってみるが、男から歩み寄ってくる気配は無い

「うん?どうしたの、マスターくん?」

「・・・」

小首を傾げながら尋ねてみるが返事は来ない
すると突然、男は何か語りかけてくる

「えっ?マスターくん、何を言ってるの?おねーちゃん聞こえないよ?もうちょっと聞こえる声で言って」

男は何かを言っている様だが、何も聞こえない

「マスターくんどうしたの?ねぇ、マスターくん?」

広げていた両腕を下ろし、男を心配そうに見つめた
フライシュッツの心には、不安と焦りが募り始める
すると男は突然、フライシュッツに背を向け
再び歩み始めた

「えっ・・・」

男とフライシュッツの距離は離れ始める
突然の事でフライシュッツは驚き戸惑うが
走って追いかける

「待ってマスターくん。ねえ、待ってよ!」

走っても走っても距離は縮まらない
それどころか段々と離れていく

「マスターくん、ねえ、待ってったら!お願いだから待ってよ!!」

懸命に男を追いかけるが全然追い付かず
やがては男の姿が消え去った

「そんな・・・」

男が消えるとフライシュッツの足取りは重くなり
その場で力無く座り込んでしまう

「マスターくん、そんな・・・なんで」

「うそ・・・うそだよこんなの・・・いやだよ」

ただ呆然と呟き、ポツリポツリと涙をながしていた

74なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 05:03:31
>>73

「うぅん・・・〜〜っ!まって、どうして・・・イヤ!」

「・・・ハッ!?」

フライシュッツは目を覚まし、身体を起こし
荒くなった呼吸を落ち着かせようと
何度かペースを落としゆっくりと呼吸し最後に深呼吸する

(今のは・・・夢?)

フライシュッツはゆっくりと辺りを見回し始め
自室である事を確認すると少しだけ不安を払拭する

(そっか、そうだよね・・・夢に決まってるよね。マスターくんがいきなり居なくなったりする訳・・・ないよね)

安心したのも束の間、でも、もしもと考えてしまうと
どうしても不安に陥ってしまう

(そうだ、マスターくんを探そう・・・)

覚束ない足取りでフライシュッツは部屋を出た

(大丈夫、マスターくんは居なくなったりしない)

心の中で何度も大丈夫と
自分に言い聞かせながら歩み続ける
そうしながら暫く歩き続けていると

(あっ、マスターくんのお部屋・・・)

目的地に到達し、ドアノブに手を掛ける

(大丈夫、マスターくんは絶対に居るっ!)

強く念じる様に思いながら
ゆっくりとドアを開けると・・・

「すぅ・・・すぅ・・・」

横たわって静かに寝息をたてて眠っている男が居た

(ああ・・・よかった。マスターくん居たよぉ)

フライシュッツは胸を撫で下ろして
ホッと一息ついてから微笑みを浮かべた
そして、音を立てない様に慎重に男の部屋に入る

「マスターくん・・・」

男の目の前まで近付いて、頬を紅潮させながら
小さな声で男を呼ぶとフライシュッツは突然
男が眠ってる布団へと潜り込み
向き合う形で抱き着き始める

「マスターくん、突然おねーちゃんの前から居なくなったりしちゃ・・・イヤだよ?」

男の耳元でそう囁いてから再び眠りについた・・・

75なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 05:53:36
>>74

朝陽が昇り始めた頃、何だか妙に息苦しさを覚え
男は目を覚ます

「っ!?」

何だかよく分からないが自分の顔が
目の前にある大きいが何だかよく分からない物に
埋められている事に気付く

「〜〜〜っ!?!?」

突然の事態に驚いた男は身体を動かして
何とか訳の分からない物から離れようとする

「っ!?」(ば、ばかなっ!?)

だが、身体を動かそうにも片腕は
目の前の何かにのしかかられて重くて動かせない
そして両足は何かに絡まれて動かしにくい
唯一動かせられるのは下敷きにされてない片腕のみ

(なんだ?いったいなにが!?)

何だか訳の分からない状況だが
男はこれだけはハッキリと理解していた
このままだったら、俺死ぬな。と

(ちっくしょう、こうなったら片方だけで何とか)

男は片手で目の前にある物体を押し退け
何とか離脱しようと考え、行動に移した
だが・・・

「っ!?」(な、なんだこりゃ!?)

目の前の物体を押してみると
柔らかく、物体は形を変え、それでいて弾力がある
何故か不思議とずっと触っていたいと思ってしまう

(バカ野郎、くだらねぇ考えは捨てろよ)

頭の中で自分を思いっきり
殴り飛ばすイメージをして邪念を振り払うと
目の前の物体から顔を離し、息を吸う

(クソッ!片腕だけじゃあ・・・)

僅かとは言え何とか窒息死は免れるものの
脱出が出来ない事に変わりはない

(せめてもう片方の腕が下敷きになってなけりゃっ!)

どうにかして、脱出しなければ
何とかしなければ・・・そう思い始めたその時
ふと、顔をあげてみると、男は顔を凍りつかせた

(なん・・・だと・・・)

良く知る顔が、そこにあった・・・

(なんでお前がここに・・・フライシュッツ!?)

心地好い夢でも見てるのだろうか?
気持ち良さそうに眠ってるフライシュッツが居た

「マスター、起きてますか?」

突然、扉の方からノックする音が聞こえた

「!?」

目の前には連れ込んだ覚えの無いフライシュッツ
しかも、密着状態で自分の頭は今
フライシュッツの豊満な双丘の間に埋まっている
・・・つまり何が言いたいかと言うと
これまでにない非常にヤバい状態
緊急事態である・・・色んな意味で死んでしまう

「・・・」

さて、これから先はどうしよう?
男は何とかならないか方法を考え始める・・・

76なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 06:06:14
すまない、続きは書きたいんだが睡魔に勝てそうもない
悪いが続きは後にしてくれ(期待はしなくてもいい)
ただ、一度書いた以上、この物語はキチンと完結させる
エンターテイナー(と言うのは当て嵌まらんだろうけど)
として、途中で投げ出すと言うのは
流石にやっちゃいけないと思うんでな・・・
(まあ、こんなもん見て読者さんが
面白いと思うかつまらんと思うかは別の話だけど)

77名無しさん:2019/09/26(木) 07:35:00
やたら()が多いな

78名無しさん:2019/09/26(木) 07:40:32
おう。
ちゃんと睡眠とれよ!
シリアス系の入りだったがやはりおっぱいなのか…!?

79ファントム・オブ・ブラック:2019/09/26(木) 08:08:40
新章では黒ーズが出るかもしれないと話題になっていたので、ちょっとしたSSを製作して見ました。

黒と白のお話しの序章のようなものです。

著しいキャラ崩壊はないとは思いますが、グロテスクな表現、一部キャラにヘイトが向かうなどの表現が苦手な方は読むのをやめておいて下さい。

この物語ではコマンド世界のお話しで、登場人物はブラックとコマンドがメインとなりますのであらかじめご了承を。

ちなみに続編は考えていません。
もしかして気が向いたら製作するかもしれませんが、そこら辺を踏まえて読んでいただければ幸いです。

80ファントム・オブ・ブラック:2019/09/26(木) 08:12:27
>>79
ファントム・オブ・ブラック
プロローグ【散り逝く命】

どうしてこうなってしまったのだろう。
僕は後悔をしながら、彼女たちを前に膝をついていた。

「まだだ、まだ諦めない」

僕はありとあらゆるものを犠牲にして努力をしてきた。時に悩み、これ以上成長の余地はないのだと思って足を止めたこともあった。それでもまだ力を高めてこられたのは仲間と、大切なマスターのお陰だ。
この身が『暴食』の衝動にかられたときも、彼が支えてくれたからこそ、この身に宿る悪魔の力を制御できたのだ。
なのに、その力をもってしても、彼女には遠く及んではいなかった。

「もう、諦めてください」

感情のこもってない声が彼女の耳に届く。
酷く聞き触りの悪い言葉だ。イライラする。僕は一番嫌いな言葉をその相手は簡単に僕に言い放ったのだから。
ああ、でも、もうわかってるのだ。この状況を打破できるほどの奇跡など起こらないと。誰よりも努力した僕だからわかる。
それにこの場に仲間だってこない。だって、僕はこうなることがわかってて、マスターたちを行かせたのだから。

「今は逃がしてしまいましたが、いずれ貴女の仲間もマスターも殺しまーーー」

彼女が身の丈ほどの戦斧を降りあげた瞬間、一発の雷の銃弾がそれを弾いた。

「ハッハァ!ベリィデンジャー中だったねパラシュ!」
「な、クーゲル・・・なんで、ここに・・・!?」

僕は驚いた。森の奥から現れたのは、マスターと一緒に戦線を離脱したはずのクーゲルだったからだ。

「愚かしいですね。現れなければ、もう少し生き長らえたというのに」
「残念!ここで仲間を助けるのが私の『傲慢』だよ。ただで逃げるなんて私のハートが響かない」
「そうですか、それは良かった。探す手間が省けましたからね」

ああ、どうして彼女はこんなにも愚かで傲慢なんだろう。さげずまれても仕方がない。彼女が現れても彼我の戦力さは覆らないのに。
どうして、僕は、こんなに涙が流れそうなほど嬉しく思っているのか・・・そうだ、弱音を吐いてなんていられるものか!

「では、死んでもらいます」

満身創痍な彼女は僕よりクーゲルに標的を替えた。その瞬間を僕は見逃さない。

「黒式・烈空断!」

僕は最後の力を振り絞って技を出す。
本来なら3連撃を相手に叩き込む技だが、放てたのは一撃のみ。体勢も崩れて威力も乗ってないが、悪魔の血が宿した僕の技は相手の動きを一瞬封じるのに支障はない。

「クーゲル!」
「ノープログレム!!」

僕はすぐに『骸砕・粛清』を捨てて飛び引き、クーゲルの波状攻撃を避ける。
クーゲルの『黒式・雷閃輝』が放たれ、彼女はその雷の奔流に飲み込まれた。

81ファントム・オブ・ブラック:2019/09/26(木) 08:13:38
>>80
「さあ、エスケープするよパラシュ!ゴーゴー!」

僕を抱えてすぐさま逃げ出すクーゲルの背に安堵を感じながら、僕は彼女の心境を察する。
彼女の体は震えている。汗をかいているが、体温は僕よりも低いように感じた。

「クーゲル・・・その・・・」
「シャラップだよパラシュ」

感謝を伝えたかったが、それをクーゲルに遮られた。

「それを声を出して緊張を解くのはバットだし、それに・・・感謝なんて必要ないよ。だって私たちはソウルを共鳴させたファミリーでしょ」

ああ、まったくいつもはこんな言葉を吐かずにわけもわからないことばかりいうのに。
こんなときだけ、そんな言葉を使うのはーー卑怯だ。

「パラシュ?オー、もしかして泣いてる?」
「泣いてない」
「そう?さっきから私の肩にスコールが当たってるんだけど?」
「泣いてない!」
「ふふ、この事は私たちだけのトップシークレットにしておいてあげる」

今さらになってあふれでる安堵の涙で前が見えない。
どう考えても助からない、心が諦めていたあの場から生還した奇跡で胸がいっぱいだった。








ーーーそんなか細い希望が、簡単に打ち砕かれるのを僕は知っていたのに。

82ファントム・オブ・ブラック:2019/09/26(木) 08:14:55
>>81
突如として、視界が回る。
自分がクーゲルの肩から放り出されていたことに気づいたのは、地面に転がり終えたあとだった。

「クーゲル!」

地面に叩きつけられた体の痛みにもかわまずに、クーゲルの安否を確認する。

「あ・・・ぁぁ・・・」

クーゲルの腹部に一本、太股に一本矢が刺さっていた。

「ソーバッド、油断した。随分とご機嫌な挨拶をしてくれるじゃないのさ。モーニングコールにはまだ早いよ」
「モーニングコール?カーテンコールの間違いでは?まあ、そんなものを聞くことはありませんか。貴女ここで終わるのですから」

森の中より現れ、クーゲルを射ぬいたのはスイハだった。
青い輝きを放つ弓をクーゲルに向けている。

「ハァ、なんでアンタなのかな?正直、私はフライシュッツが来ると思ってたのに」
「ふむ、私では不服と?」
「ライフが尽きるラストデートなら、一番親しいフレンドにキルされたほうがマシってやつじゃない?」
「傲慢ですね。フライシュッツの信仰を頼りに懐柔でもするつもりでしたか?無駄ですよ。私たちは彼女の力によって変わりました。もうあの頃の弱い私ではない」
「彼女って、まさか・・・」
「私たちが最も信頼を寄せる人物です。とはいえ、神令の執行者として私たちは独立して動いていますし、許可も得ている。私一人で事をなすのは簡単でしたが・・・不甲斐ないですねエルキュール」

彼女が名前を呼ぶと、僕の後方から気配を感じた。
当然、そこから現れたのはエルキュールだった。

「邪魔をしないでください。どのみちスイハの力を借りなくても、追い付いていましたし、始末もすませられました」
「本当に?」
「ほ、本当です!」
「まだ貴女は迷っているように感じられます。彼女の指令をこなすことが我らの神令。これを行えば私たちは心より強くなれる」
「わかっています。だからこそ、共鳴を棄てたこの『信念』を、私は貫かねばならない」

エルキュールが巨大な戦斧を振り上げる。

「最後に言い残すことはありますか?」
「オー、ソーリー。じゃあ一つだけいいかな?」
「いいでしょう。語りなさい。せめて最後に」

エルキュールの顔は苦悶の表情を浮かべているように僕は思えた。彼女ならやはり話し合っていればわかりあえていたかもしれないという淡い希望が生まれてくる。
だが、そんなものは幻想だ。幻想でしかない。

「パラシュ!エルキュール!スイハ!私が大好きになったキル姫たち!私はいまだってハートとハートで私たちの繋りがあるんだって信じている!だからーーー」

そんな希望はスイハの弓によって打ち消された。

83ファントム・オブ・ブラック:2019/09/26(木) 08:15:40
>>82
「貴女は本当に、傲慢な人だ」

脳天を弓で貫かれたクーゲルは絶命した。
崩れていく彼女の体を前に、僕はそれを見ているしかなかった。

「スイハ!?そんな、どうして?」
「こんなものを聞くのに意味はありません。思考を鈍らせる雑音を聞くなど、そんな行為に意味なんて、ない」

目の前が真っ赤に染まる。思考がうまく纏まらず、彼女たちの声すら僕の耳には届いていない。
そして僕の体は羽のように軽くなって、エルキュールの喉を目掛けて神器を振るっていた。

「パラシュ!この期に及んでまだ歯向かって来るのですか!?」

聞かない。聞こえない。僕が自分が俺が私が何をしているかなど、どうでもいい。
あの太陽のように輝き共に汗を流した赤い希望はもういない。みんなのムードメーカーで人一倍明るいハーピーな彼女も、心の弱さで悩んだ小さな勇気で相談をしてくれた彼女ももういない。その虚しさもかきけされてしまった。
僕にはもう憎さしかない。ただ、彼女が憎かった。もうそれ以外に考えたくはなかった。
そんな僕の戦いが通用するなど、ありはしないと言うのに。僕は託されたパラシュの神器をがむしゃらに振り回した。そしてーー

84ファントム・オブ・ブラック:2019/09/26(木) 08:16:21
>>83
気づけば僕は胸元から袈裟斬りにされていた。
もう耳も機能していないらしい。エルキュールが何かいっていたようだが、なにも聞こえない。
ああ、死ぬときはもっと恐いと思っていたのに、まるで眠るように意識は消えていくのか。

『ああ、マスター。みんな・・・不甲斐ない僕を許してくれ』

最早誰も掴んでくれない虚空に僕は手を伸ばす。伸ばして伸ばして、伸ばし続ける。

『最後に、美味しいものを・・・みんな笑顔で・・・わけあって、食べたかった・・・な・・・・・・・・・・・・・・・・・』

死ぬ間際、最後に見えたのはマスターと彼女と、エンシェントキラーズとファーストキラーズのみんなが笑顔で平和に並ぶ食卓。もう二度と戻らない日常と平和に、僕の意識は埋没してゆく。
そして最後には見えていた僅かな幻想も消え去り、僕の意識はそこで途絶えた。

85名無しさん:2019/09/26(木) 13:22:15
プライドの口調真似るの地味にハードだったと思うんだけど書ききっててすげえなと思った

86リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/09/26(木) 13:31:50
>>76
トチュウデナゲダス…グフゥッ…_(´ཀ`」 ∠)_

87名無しさん:2019/09/26(木) 14:11:06
>>79
ぜひプロローグだけと言わず書いて欲しいなぁ
ハード系が好きという訳では無いがついつい引き込まれたぜ

88名無しさん:2019/09/26(木) 14:16:49
>>86
気が向いたらでいいんやで兄貴…

89名無しさん:2019/09/26(木) 17:18:04
>>86
いつまでも待ってるぜ兄貴

90名無しさん:2019/09/26(木) 18:16:18
>>86
あなたは悪くない

91なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 21:06:20
>>78
すまん、ちと欲望書いちまった。
ちゃんとシリアス系に仕上げる予定

>>86
申し訳ない、ただ心意気を書いたつもりなんだ
気を悪くしたなら謝る


よし、よく眠れたし続きを書く
今日で仕上げられるかは分からんが
次の書き込みから続き行くぞ

92なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 22:17:21
>>75

しかし、一つの案が思い付く前に
扉からガチャっと音を立てて開かれ
一人のキル姫が男の部屋に入る

「おはようございます、マスター。もう朝ですよ、起きてください」

男に挨拶をしながら起こしに来たキル姫は
短い金髪と緑色の瞳が特徴のシタだった
この瞬間、男は悟った・・・死んだ。と
もう、逃れる事も助かる事も叶わない
ただ、これから起こるであろう未来に
大量に流れる冷や汗と震えが止まらなくなる

男は思った、何故来てくれたのがミネルヴァでも
スイハでもラグナロクでもなくシタなのかと
シタが来る事に不満がある訳では
寧ろ逆に嬉しいしありがたい
しかし、この状況でシタが起こしに来ると言うのは
非常にまずい・・・有罪がほぼ確定する

「あっ、・・・まぁ」

部屋を入るなり、男の部屋を見回して
男を見つけたシタは一瞬だけ笑顔になるが
フライシュッツと抱き合って寝てる姿を見て
すぐに驚きの表情と共に一言だけ声を出す

(あっけないもんだよね、人生って・・・)

男は涙を溢しながら歯を食いしばり
目を瞑って悟りを拓いた

「全くもう・・・マスター、いけませんよ?部屋に私以外の女の子を連れ込むなんて」

シタは片手を頬に当てて困った様な表情を浮かべ
ゆっくりと男の下へと歩み始めて・・・

「今、お布団から出してあげますね」

フライシュッツの体を優しく叩いたり
揺すったり、名を呼んだりして
フライシュッツを起こそうとするシタ
そして男はただただ、この後の裁判で
自分が無罪である事を願うだけだった

少しして起き始めるフライシュッツ
寝惚けているのか目を擦りながら身体を起こし
その後に両腕を上に伸ばして大きな伸びをした後に

「おはよう、マスターくん、シタちゃん」

良い笑顔で挨拶するフライシュッツ

「はい、おはようございます。フライシュッツ」

シタも良い笑顔で挨拶を返す

「それにマスターも、おはようございます」

男にも良い笑顔を向けるが、目が笑っていなかった
そしてシタはマスターの目の前で
片手でガベル(裁判で使われている木槌)を
叩く仕草をして暗に
マスター、後でお話がありますと伝える
それを知った男はと言うと・・・

「ああ、うん・・・おはよう、二人とも」

生気の無い声、そして死んでる目で
二人に挨拶を返した・・・

93なんだ、ただのーーか:2019/09/26(木) 23:42:09
>>92

男はフライシュッツと共にシタにリビングへと
連れて行かれると・・・

「皆さん、これより緊急裁判を開廷します」

シタから感情のこもってない冷たい声が聞こえた
突然の裁判の開廷にリビングに居たキル姫達から
どよめきが走った・・・

「被告人はテーブルの前で正座してください」

シタはどこから取り出したのか不明なガベルを
テーブルの上に置いて椅子に座る
そして、テーブルの前に男は正座させられていた

「いや、ちょっと待って。おかしくない?これ」

何故自分が被告人なのかと、異を唱える男
しかし、シタの酷く澱んだ瞳がそれを許さなかった

「マスター・・・どうして、フライシュッツと一緒に抱き合って寝ていたんですか?」

冷たい笑みを男に向けて問い詰める様に話す
男が女性と共に寝たと言う話が出ただけで
リビングに再びどよめきが走った
するとシタが静粛にと一言言ってからガベルを叩く

「待ってくれ、俺は無罪だ。俺が寝ている時にフライシュッツが部屋に入ってきて布団に潜り込んだんだ!信じてくれ、本当なんだよぉ!!」

必死になって弁解をする男

「フライシュッツ、それは本当ですか?」

冷たい瞳が男からフライシュッツへと移り尋ねる
しかし、フライシュッツからは返事が来ない

「・・・フライシュッツ?」

「むにゃ・・・ますたーくぅん・・・きもちよかったよぉ・・・えへへ・・・」

フライシュッツは椅子に座りながら
テーブルに突っ伏して二度寝をしていた
そして、フライシュッツのとんでもない寝言で
場の空気が凍り付いた・・・

「・・・有罪ですね」

シタの一言にリビングに居たキル姫達は頷いた

「待ってくれ、無実だ。俺は何もして」

男は裁判の判決に待ったをかけようとするものの

「被告人を本日より三日間、自由剥奪に処します」

無表情で慈悲のない冷たい声で処罰を下す

「いやいや、少しは話を聞いてくれ」

「これを以て、緊急裁判を閉廷します」

「待って!おかしい、この裁判おかしいよ!!」

最後にガベルしまうシタ
男の反論など一切聞き入れないと言う
あまりにも酷い裁判は終わりを告げた
そして、裁判が終わるとキル姫達が騒ぎ始めた

自由剥奪、それは決められた日付までは
男に休む暇などなくキル姫達の
ワガママに付き合わなければならないと言う
肉体的にも精神的にもえげつない負担を強いる
とんでもない罰である

その日から三日間、男は地獄を見たと言う・・・

94なんだ、ただのーーか:2019/09/27(金) 01:08:52
>>93

地獄のような三日間を越えて肉体的にも精神的にも
かなりの負担を負った男は現在
昼だと言うのに自室の布団に身を委ねていた

「無理・・・死ぬ・・・疲れた・・・」

その言葉を何度も何度も繰り返し呟いていた
端から見れば軽いホラーである
突然、部屋の扉からノックする音が聞こえた

「マスターくん、おねーちゃんだけど、今ちょっと良いかな?」

扉の向こうからフライシュッツの声が聞こえた

「ああ、うん・・・良いよ」

男が力無く、そう返事をすると
フライシュッツは扉を開けて部屋に入り
扉を閉めてからマスターに歩み寄って
布団に身を投げ出しているマスターに
そっと優しく背中から抱き着き始めた

「マスターくん、急に来ちゃってごめんね・・・でも、どうしてもあの日の事を謝りたくて・・・」

「ん?ああ、アレはもう・・・まあ、大丈夫だ」

「おねーちゃんがしっかりしてたら、マスターくんはあんな事にはならなかったのに守ってあげられなくてごめんね?」

ほんの僅かに力を込めて
男を抱きしめるフライシュッツ
すると、そこへ・・・

ドンドンドンドンッ!

「「っ!?」」

扉を乱暴にノックする音が聞こえた
フライシュッツと男は驚いて
男はすぐに立ち上がり身だしなみを整え
フライシュッツは急いで男から離れた

「マスター、居ますか!?緊急事態です!!」

何事かと思うと、男は部屋の外に居る声の主に
入ってくれ、と一言だけ言う

「失礼します」

部屋に入って来たのは、赤いショートヘアー
そして髪と同じ色の瞳が特徴のキル姫
バルムンクだった

「マスター!・・・あっ」

部屋に入るなり、男がフライシュッツと二人きりで
居た事に驚き固まるバルムンク

「バルムンク?緊急事態ってどうした?」

この状況はマズイと思いつつも
慌てて来たバルムンクに何が起きてるのか尋ねる

「あっ、そうでした・・・マスター、大変な事が起きたんです!」

頭を軽く横に振って、事情を説明し始めた
バルムンクの話によると、四人の子供達が
冒険と称して森へと向かって行くのだが
その森は、なんと異族が現れるらしく
そうとも知らない子供達は
森の中へと入ってしまったらしい

「・・・そいつは、かなりマズイな」

軽く頭を抱えつつ険しい表情をする男

「早くしないとな・・・よし、今すぐ準備を整えさせろ!子供達を救出し、その森に居る異族を殲滅する!!バルムンク、悪いが皆にこの事を・・・」

「大丈夫です、マスター。この事は他のキル姫達にも伝わっていますから」

「お、おう・・・そうか」

カッコ良く決めようとしていた訳ではないが
バルムンクに皆の戦闘の準備をさせようと
命令をしようとするも
バルムンクの言葉に軽く勢いが削がれた

そして、この時は誰もが知る由も無かった
その子供達を救うのに支払う代価が
必要以上に大きかった事を・・・。

95なんだ、ただのーーか:2019/09/27(金) 01:21:25
まだ続き書くんだけどさ・・・
一つ良いかな?と言うかマジで解決方法教えて下さい
キチンと今書いてる作品を書ききって物語を終わらせる為
もとい、今後の作品のモチベに関わる事なんだ

返信押して、続きを書こうとするとさ
何か変な広告が現れて邪魔してくるんだ
話の内容を修正したり確認したりするのに
スッゲェ邪魔でさ・・・何とかする方法、無い?

96名無しさん:2019/09/27(金) 01:57:53
>>95
パソコンで打つ時は特に不便は感じなかったなぁ
むしろ携帯でこの長文はすごいな

97リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/09/27(金) 02:49:53
みんな温かい…今回や前スレでも励ましの言葉を下さったみなさん、ありがとうございます。
色々とお騒がせしてすみませんでした。
未完なのはモヤッとしているのでどうするか考えてはいます。
出戻りのようで格好悪いですが、また投稿させていただくことがあれば、改めて御報告いたします。

>>91
いえ、自虐ネタなので気を悪くとかではないですよ!
むしろみなさんに謝るきっかけになりました。ありがとうございます!

98名無しさん:2019/09/27(金) 02:55:56
>>95
やっぱり前の人が言ってるようにスマホだからじゃないかね。パソコンのが書きやすいと思うよ

99愛してる:2019/09/27(金) 03:02:50
世界が平和になり俺は一緒にある一人のキル姫と結婚した

今日、彼女と一緒に草原に来ていた

彼女は両手を左右に広げ全身に風を受けて気持ち良さそうにしていた

そういう俺は呑気に日向ぼっこして彼女を見ていた

日向ぼっこしていた俺は彼女を見た

瞳を閉じて風を感じていて髪は風になびいていた

「.......」

俺はそんな彼女に見惚れていた

綺麗な横顔少し癖っ毛のある髪すらりとした細く美しい身体

どこを見ても彼女に見惚れてしまう

そんな彼女と俺は結婚している

はっきり言うと今だに実感がわかないけど幸せであることには変わりない

俺は立ち上がり大きく伸びをした

「帰ろうか」

「はい」

帰り道にある言葉が浮かんだ今言わないとすっきりしなかったから彼女に言った

「愛してるよアバリス」

「はい私も愛してますよ」

100愛してる:2019/09/27(金) 03:03:35
話のネタが降ってきた書いた楽しい

101なんだ、ただのーーか:2019/09/27(金) 03:59:54
>>94

異族が現れたと言われる森に入った子供達を救出すべく
準備を整え、森の前に立つ男とキル姫達
そして子供の救出を優先するチームと
異族殲滅を優先するチームを作る
子供達の救出には四人一組、異族殲滅には三人一組
その結果、子供達を救出するチームは五組
異族殲滅するチームは四組が出来て
一名は残り男の護衛に回して作戦を開始した

「皆、無事でいてくれよ・・・」

子供達の無事を願い、呟きながら空を仰ぎ見ると
男は軽く舌打ちをした、どうやら雲行きが怪しくなってる

「本当にあんまり時間がねぇぞ、こいつは・・・」

男は悪態をつきながら予想した、制限時間は約15分弱
それが過ぎれば、きっと状況が悪化して
作戦行動に支障がきたすと・・・
最悪、異族殲滅が不可能と判断しても
子供達だけでも全員助け出す
これだけは何としても達成しなければならない

男が考え事をし始めてから、五分ほど経つと
突然、森の中から金属と金属が
ぶつかってる様な鈍い音が響いた

「先に見つけたのは子供じゃなくて異族か・・・」

「大丈夫だよ、マスターくん。皆、強いから敵にやられたりなんかしないよ。それに、子供達だってきっと無事だよ」

ため息を吐く男に、フライシュッツは微笑みながら
男の手を握って元気付けようとする

「ああ、そうだな・・・信じて待つか」

それから約五分ほど時間が経つと・・・

「まあ、そう簡単に見つかる訳が無いよなぁ」

子供一人見つからず、森の中からは鈍い音が響いていた
見つけたのが異族じゃなく子供だったら良かったのに
などと思いながら男は苦笑いを浮かべていた

「・・・ねえ、マスターくん」

「うん?」

突然、フライシュッツが心配そうな顔で
男に話し掛けてきた

「おねーちゃん、空から探そっか?」

連れて来た不死鳥に乗ろうとして
提案を出すフライシュッツ

「・・・いや、それはやめるべきだろう」

それも一つの方法かも知れないと思った男だったが
すぐに却下した

「どうして?時は一刻を争うんでしょ?」

「確かにその通りだが・・・それでも、空中からと言うのはどうしても、ダメなんだ・・・」

男はフライシュッツの質問に一つ一つ答えを返していった
空からなら確かにある程度見回せるかもしれない
しかし、だからと言って森の中が見える訳でもなく
知れたとしても森全体の大きさくらい
それにもし、敵の中に弓を使う奴が
一人だけでなくそこそこの数が居れば
一方的に攻撃されて、ただの的になりかねない
それ故に、今回の作戦には騎乗して飛行可能なキル姫には
申し訳ないが竜や鳥には乗せず徒歩で活動させている事を
フライシュッツに説明したりすると

また少しだけ時間が進み、空が完全に曇りとなった
雨が降り始めるまで、そんなに時間は掛からない
もし、雨が降り始めたら足場は悪くなり
間違いなく子供達の救出が困難になる

男は空を見上げながら、自分のキル姫達と
森に迷い混んだ子供達の無事を祈りながら
彼女達の帰還を待ち続けた・・・

102名無しさん:2019/09/27(金) 04:03:52
>>95
ファントム・オブ・ブラックを書いた作者です
確かに不便ですよね、間違って広告押すと飛んで文章がーってなりますし
そういう自分も携帯投稿ですが、自分はソムノートというアプリを使って、そっちで書いてコピペして掲載しましたね
文章をかく本体を別のところに書いた方がみやすいですし、コピペだったら事故も減りますよ

103なんだ、ただのーーか:2019/09/27(金) 04:14:30
チックショウ・・・ウゼェ広告のせいで
ミスって書き直させられるわ
モチベがえげつなく削られるわ
俺では絶対に勝てないアイツ(睡魔)がやってくるわ
あー、もう今回はここまで!
次回は起きて、自分を落ち着かせて
そして、モチベを回復させてからだ!!
どいつ(鬱陶しい広告)も、こいつ(睡魔)も
俺の邪魔しやがって覚えてやがれよ、腹立たしい

>>96

あんまり褒めるなよ、つい付け上がっちまうだろ()
パソコン、無いんですわ(´・ω・`)

>>97

上手く物を言えないが、その・・・なんだ
頑張ってくれ

>>98

くっ、パソコンが羨ましい妬ましい


俺にも、レヴィアタンの力が手に入らないかな
そしたら、全部水に流してやるのに
洪水を引き起こして大規模な災害とか・・・
・・・バカか、と言うよりバカだな俺は。

104なんだ、ただのーーか:2019/09/27(金) 04:36:42
あっ、最後にもう一つの書き込みを・・・
今書いてる物語が終わったら
以下の四つから一つだけを行う予定(多数決)

1・僕とキル姫と豊かな日常
子供マスターとキル姫達のほのぼのとした日常を
淡々と書くかもしれない、所謂おねショタ物
(キャラ崩壊有り)

2・千年王国保育園
マスター(園長)と幼女化したキル姫達と
ほのぼのとした日常を淡々と書くかもしれない物語
・・・これ、なんて言えば良いんだ?
(ギャグ崩壊有り)

3・現在書いてる最中の物語の別のキャラ編
シリアスになるか、甘酸っぱくなるかは不明
ギャグ崩壊は極力起こさない様に努力はしてみる。
(ちなみにキャラのリクエストは受けぬ)

4 ・もういい、お前は休め
(つまり、もう書かなくて良いんだよ)

投票の締め切りは今書いてる物語の終了まで
投票の方法は返信かつ番号のみでよろしく。

105名無しさん:2019/09/27(金) 08:37:38
お、おう…

106名無しさん:2019/09/27(金) 10:43:34
エロースまとめられてるじゃん!
やったね

107名無しさん:2019/09/27(金) 14:54:42
改めて見返すとSSそれなりに色々まとめられてたんだな。2回ノミネートした人すごい

108名無しさん:2019/09/27(金) 20:59:39
>>104
3
でも自分の描きたいのを書けばいいんやで!

109名無しさん:2019/09/27(金) 21:10:14
>>104
1
おねショタあくして

110名無しさん:2019/09/27(金) 21:18:07
>>102

コピペかぁ・・・でも、俺あんまり上手く無いのよね
でも、良い情報どもです

>>108

ダモクレスとの一品を書いて削除してもらうぞ!()


しゃおらぁっ!!行くぞ、次の書き込みから
フライシュッツとの物語の一品を進めんぞ
白き正義の行進を聴きながら書くぞ!
今日中には仕上げられなくても
終わりは近づきつつあるんだ、折り返しは越えた筈なんだ

111名無しさん:2019/09/27(金) 21:20:10
書き溜めてから投稿しよう

112名無しさん:2019/09/27(金) 21:35:57
>>100
楽しそうでなりよりです

113なんだ、ただのーーか:2019/09/27(金) 23:01:42
>>101

暫くの間、彼女達の帰還を待ち続けていると
突然、ポツポツと雨が降り始めてきた

「これは・・・マズイな」

「マスターくん、おねーちゃんはもう我慢できないよ」

フライシュッツは唐突に男の腕を引っ張って
共に不死鳥に乗ろうとする

「フライシュッツ、話聞いてた?」

「聞いたよ、でもね、おねーちゃんは皆が心配なの」

何だかんだで男は無理矢理乗せられ
その後ろのフライシュッツも乗る

「マスターくん、しっかり捕まっててね」

「えっ?いや、ちょっとまて!」

フライシュッツは男の言葉を無視し
空からの捜索を始めた

「うーん・・・木しか見えない」

空から目を凝らして地上の様子を伺うフライシュッツ
しかし、見えるのは木ばかりで
キル姫や子供、異族が見当たらない

「・・・」

この時、男は不安を抱いていた
乗り慣れてるフライシュッツなら
例え敵から攻撃が来たとしても、それを避けて
落ちずに何とかなるだろうが
自分ならどうなるだろう?と
すぐに思い付いたのは落下
馬とかは乗った数はそこそこであるが
鳥や竜に乗った事は無い・・・と言う訳ではないが
それでも二桁にも満たない数で
ハッキリ言ってしまえば乗り慣れてないし怖いのである

「なあ、フライシュッツ・・・やっぱ歩きでいかない?」

「っ!マスターくん、アレを見て!!」

「なんだ!?」

あまりの高さに恐怖心が勝ったのか
男はフライシュッツに情けない提案を出すが
フライシュッツは突然、大きな声を出して指を指す

「何も見えんぞ」

「えっ?でもあれ・・・木が」

フライシュッツは確かに見えていた
木が揺れたり倒れたりしているのを
しかし、それは男には分からなかった

114解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 01:32:43
解決アロンちゃん8

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

ミネルヴァ
「マスター相談が」

マスター
「なんでみんな俺に言うの!?俺がなんかしたのか?それともこういう流れでも流行ってるのか?二度あることは三度あるってか?それでなんだよミネルヴァ?」

ミネルヴァ
「そんなに怒りながらも聞く辺りマスターはお人好しですね」

マスター
「それでなに?」

ミネルヴァ
「実は私の仲間たちが一人のキル姫にうつつを抜かしてる気がして」

マスター
「それって...」

ミネルヴァ
「アロンダイトです」

マスター
「........」

マスターは思った相談に来る人が抱えている悩みのだいたいの原因はアロンなんじゃないのか?とそれならアロンがなにもしなかったらこっちにはなんの面倒ごとが降りかかってこないんじゃないのかと?

115解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 01:50:29
>>114
マスター
「なんでそう思うの?」

ミネルヴァ
「まずスイハは彼女をずっと見ていますし」

マスター
(それはうつつを抜かしてるかどうかはわかないけど不思議だな)

ミネルヴァ
「エルキュールは彼女と一緒に楽しそうにご飯を食べてますし」

マスター
(多分信念がうんたらかんたら同士なにか通じあってんだろうな後はどことなくアホ同士だし)

ミネルヴァ
「ネスは彼女からお菓子を貰ってますし」

マスター
(アロンがたまに作るお菓子だろうけどお菓子あげるぐらいいいじゃん!いやでもネスだからダメなのか?わからん)

ミネルヴァ
「グラーシーザは彼女と甘い物がどうこうと話してますし」

マスター
(アロン甘い物食べちゃったのか...)

ミネルヴァ
「フライシュッツは彼女にハグしてますし」

マスター
「それはほぼいつものことじゃない?」

ミネルヴァ
「..........いつものことでしたね」

ミネルヴァ
「ダモクレスは......特にありませんでした」

マスター
「ないんかい!ここに来てないんかい!」

ミネルヴァ
「そして一番の問題はラグナロクです!」

マスター
「ラグナ?なんでラグナなの?」

ミネルヴァ
「とりあえず彼女は私たちのリーダーです!それなのに彼女と一緒に話したり時々鎖とかロープとかを持ったりしてニタニタ笑ってますし!」

マスター
(それはアロンの責任というか俺含め数人のせいだと思う)

ミネルヴァ
「それじゃあマスター調査に行きますよ」

マスター
「え?」

116名無しさん:2019/09/28(土) 01:55:26
最近アロンちゃんの物語に動きが出てきた。上手く言えないけど

117解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 02:05:33
>>115
マスター
「それで最初はネスを見ると」

ミネルヴァ
「はいだいたいこの時間に物の受け渡しがあると」

マスター
「物って....」

マスターは本来断るつもりだったがミネルヴァのある交換条件が気になり手伝うことにした

*******

マスター
「嫌だよ」

ミネルヴァ
「なぜ断るのですか?」

マスター
「やってもろくな結果にならないことを俺は知ってるから」

ミネルヴァ
「それでは交換条件を出しましょう」

マスター
「交換条件?」

ミネルヴァ
「はいあのアバリス、カシウス、アロンダイトの三姉妹(笑)の共通点を見つけました」

マスター
「え?髪色だろ?そんなの知ってるよ」

ミネルヴァ
「いいえそれ以外にも見つけました」

マスター
「なんだろう?そう言われたら気になる」

ミネルヴァ
「それなら手伝ってくれますね?」

マスター
「はぁーわかったよ」

******

そして今に至る

マスター
「特になんの変化もないけど」

ミネルヴァ
「しっ、マスター黙って見てください来ましたよ」

アロンダイトが手作りのケーキをネスに渡した

アロンダイト
「またケーキを作り過ぎたのでネスにも少しあげます」

ネス
「仕方ありませんね貰っておきます」

ネスはアロンダイトから貰ったケーキをアロンダイトからは見えないように美味しそうに食べた

ミネルヴァ
「情けないなんと情けないことか!ケーキを貰うなんて!!」

マスター
(いや単なる微笑ましい光景なんだけどこの娘が嘆く理由がわからない)

マスターは今回こんなことを後何回か繰り返すのかとミネルヴァと一緒に調査を始めたことを後悔し始めた

118解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 02:17:43
>>117
ミネルヴァ
「次はグラーシーザです」

マスター
(次は一体なにを見せられるんだろう?)

アロンダイトはグラーシーザの前で正座していた

グラーシーザ
「また食べたのか?」

アロンダイト
「....はい」

グラーシーザ
「あんなにあまいものは食べないといってただろ」

アロンダイト
「.......はい」

グラーシーザ
「さいきん気をぬきすぎじゃないか?」

アロンダイト
「............はい」

グラーシーザ
「それでいいとおもってるのか?」

アロンダイト
「......いいえ」

グラーシーザ
「それじゃあどうすればいいとおもう」

アロンダイト
「甘い物は食べません」

グラーシーザ
「反省したか?」

アロンダイト
「はい」

グラーシーザ
「今回の断罪はみのがしてやろう次はするなよ」

アロンダイト
「はい」

ミネルヴァは驚きを隠しきれてなかった

ミネルヴァ
「事件です!グラーシーザが断罪をしないなんて!!事件ですよ!大事件!!」

マスター
「それほど事件じゃないだろグラシも断罪するだけじゃなくて人を許すことを学んだんだろう」

ミネルヴァ
「いいえ!これは完全に彼女にうつつを抜かしてる証拠です!」

マスター
(ミネルヴァこいつめんどくせえ)

ミネルヴァ
「さあ次行きますよマスター!調査をしたらまだ証拠がボロボロ出てくるはずです!」

マスター
(誰か助けて)

119解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 02:28:09
>>118
ミネルヴァ
「次はエルキュールです」

マスター
「うん....そう」

マスターは二人調査しただけでも精神的に疲れていた

エルキュールとアロンダイトは二人でご飯を食べていた

エルキュール
「美味しい!このサンドイッチ美味しいです!」

アロンダイト
「そうですか作ったかいがありました」

エルキュール
「こんなに美味しいサンドイッチ初めて食べました」

アロンダイト
「そんなに褒めないでください」

エルキュール
「いえこれは私の掲げる信念と同じように貫くなにかと同じです」

アロンダイト
「そうですかそのなにかって何ですか?」

エルキュール
「なにかはなにかです!」

アロンダイト
「そうですかなにかですか」

二人は楽しそうに笑っていた

ミネルヴァ
「エルキュールが自分の信念と同じと褒めている!?これは病気ですよ!」

マスター
「自分の仲間に対して病気って酷くない?」

ミネルヴァ
「エルキュールの信念すら自分のものにしてしまうとは....アロンダイト恐ろしい女」

マスター
(なにを言ってんだろうこの娘は?)

120解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 02:37:48
>>119
ミネルヴァ
「さて次はスイハのつもりでしたが」

マスター
「でしたが?」

ミネルヴァ
「彼女の場合見てるだけなのでこれと言う証拠にはならないんですよ」

マスター
(今までのもこれと言う証拠にはならないような気がするんですけど....)

ミネルヴァ
「そして残るはフライシュッツとダモクレスの二人ですが...」

二人はフライシュッツの方を見た

フライシュッツ
「アロンちゃんハグだよ〜」

アロンダイト
「はいハグしましょう」

アロンダイトとフライシュッツは互いにハグをした

フライシュッツ
「ギュー」

アロンダイト
「んーんーんー」

アロンダイトは少し苦しそうだった

ミネルヴァ
「フライシュッツは心許した人なら誰かれかまわずハグしますし」

マスター
「なんならキル姫全員にハグしてるし」

ミネルヴァ
「ダモクレスは特になにもありませんし」

マスター
(なぜダモだけはここにきてなにもないんだよ)

ミネルヴァ
「ということで最後は彼女ですね大トリですね」

マスター
(一番見に行きたくねえ)

121解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 02:49:51
>>120
ミネルヴァ
「いました密会してる瞬間です」

マスター
(密会ではないだろう....)

マスター
「それでなんでこんなに離れてるの?」

ミネルヴァ
「ラグナロクは勘が鋭いのでこのくらい距離が離れてる方がばれなくていいんです」

マスター
「なるほど...そうかなるほど...」

マスターは頭を使うから疲れるんだ頭を使うのは止めようと思ったが今ここで止めたら惨劇が起こるのでは?とも思いやっぱり頭を使うようにした

ミネルヴァ
「なに言ってるかわかりませんね」

マスター
「どうするの?」

ミネルヴァ
「私が最近得た読心術で読みます」

マスター
(大丈夫かな?)

ミネルヴァ
「ラグナロク『それでどう?』」

ミネルヴァ
「アロンダイト『良いと思いますが....やはり』」

ミネルヴァ
「ラグナロク『いいえあなたなら出来るわ私が保証する』」

ミネルヴァ
「アロンダイト『うーんですが...やはり考えさせてください』」

ミネルヴァ
「ラグナロク『わかったわ良い返事を待ってるわ』」

ミネルヴァ
「アロンダイト『はい』」

ミネルヴァ
「.......」

マスター
「ミネルヴァなんか良い証拠掴めた?」

ミネルヴァ
「わかってしまった....」

マスター
「え?」

ミネルヴァ
「とんでもない事実がわかってしまった....」

122解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 03:05:05
>>121
マスター
「いやミネルヴァなに言ってんの?」

ミネルヴァ
「なるほど彼女...いえアロンダイトは私たちコマンドキラーズの九人目の仲間にするつもりですね!!」

マスター
(..........)

マスターはミネルヴァのあまりにも衝撃的な一言に一瞬思考が止まった

マスター
「いやいやミネルヴァどういうこと?」

ミネルヴァ
「それぞれがそれぞれの審査をしてたんです」

マスター
「はぁー」

ミネルヴァ
「ネスは料理などの家事が出来るかの確認、グラーシーザは何者にもなびかないかの確認、エルキュールは食事場というリラックス空間などの時と場合に応じて適応出来るかの確認、スイハは不正や怪しい行動の監視としてフライシュッツは耐久面の確認そしてダモクレスは少し思考があれなため協力を求めれなかったそしてラグナロクは彼女が私の仲間にふさわしいかの検査」

ミネルヴァ
「こんなのにも気づけないなんて....そして多分私の役目は第三者の視点として彼女はどうかの確認が暗黙の任としてあったのですね」

マスター
(暗黙の任ってなんだよ...)

ミネルヴァ
「それならこうしてはいられない!」

マスター
「ちょミネルヴァどこ行くの?」

ミネルヴァ
「アロンダイトを私たちの仲間に迎え入れるための準備です!では!!」

ミネルヴァはどこかへと行ってしまった

マスター
「交換条件の共通点聞いてないんだけど....」

その後ミネルヴァに聞いたところ三人ともまずメガネが似合うのと和服とか和風なのが似合うということ

マスターは一緒に調査に行ったことを後悔するのであった

123解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 03:11:28
>>122
ちょっとしたおまけ

アロンダイトとラグナロクの本当の会話

ラグナロク
「これでどう?」

ラグナロクは一枚の紙を渡した

紙には少々いたいセリフが書いてあった

アロンダイト
「良いと思いますが....やはり」

ラグナロク
「あなたなら似合うわ私が保証する」

アロンダイト
「うーんですが...やはり考えさせてください」

ラグナロク
「わかったわ良い返事待ってるわ」

アロンダイト
「はい」

ラグナロクが考えて来たセリフを自分が言って似合うかどうかの会話だった

124解決アロンちゃん:2019/09/28(土) 03:16:34
アロンがコマンドの面々と会話しているのはアロンだとコマンドと仲良くなれそうな気がするから
アロンは自分の過去は気にするけど他人の過去や今までやって来た行いに関しては今それをしてないなら気にせずに許すってイメージがある
それでいて仲間が悪いことをしていたら全力で止めるそんなイメージがある

125名無しさん:2019/09/28(土) 07:32:05
三姉妹(笑)の新たな共通点…だとぉ!?

126なんだ、ただのーーか:2019/09/28(土) 12:24:11
>>113

「マスターくん、少し飛ばすよ!」

フライシュッツは手綱を強く握ると
速度を上げ始めた
この後、男の絶叫が空に響いた・・・

「あっ、やっぱり、皆戦ってるよマスターくん!」

空から見下ろしてみるとそこには
子供達を守りながら戦ってるキル姫の姿があった
どうやら異族に包囲されてる様で
やや苦戦を強いられていた
そして男はと言うと若干ぐったりしていた

「マスターくん、いくよ」

「えっ?いや、ちょっ」

フライシュッツは男に密着して急降下を始めた
またもや男の絶叫が響いた

「おねーちゃんの力、見せてあげちゃう!」

急降下しつつも銃を構えて狙いをつけ
そして引き金を引き、弾丸を数発放つと
その全てが異族に直撃し、次々と倒れていく
一定の高さになるとフライシュッツは飛び降りて
地面へと着地し周囲の状況を確認しはじめる

傷付いてるキル姫は多いが、戦死者は居ない
その事に安堵のため息を吐く
その後に、次々と現れる異族を
傷を負ってない者や軽傷の者達と
上手く連携し倒していく

殆どの異族を倒したところで
森から出る準備を始めた

しかし準備の途中で後方から少し離れた所に
飛行する異族二体がこちらに向かって来る
それに気付いたフライシュッツは
零式・幾億の罪を放って迎撃する

二体の異族は直ぐ様、回避に移った
片方は斜め上空に飛び森から一度出る
もう片方は高度を下げ一直線に突き進む
しかし、フライシュッツから放たれた弾丸は軌道を変え
回避しようとしてる異族を追いかけた

低空飛行していた異族は真上から叩き潰す様に
一発の弾丸が命中し地面へ叩き付けられ沈黙した
もう一体の異族は弾丸を避けつつ
フライシュッツに向けて
直上から槍を構え、急降下を開始した
しかし、放たれた零式・幾億の罪が速度を増して
追いかけて直撃させた

だが、当たった高さと位置
そして地上との距離が悪かった
零式・幾億の罪を受け、落下する異族の下には
フラフラと覚束ない足取りの男が居た
どうやら、フライシュッツのやや荒い操縦に
酔ってしまった様だ

「マスターくん、危ない!!」

このままでは男の上に落下して怪我どころではなくなる
そう思ったフライシュッツは
再び銃を構えて異族に向けて弾丸を放つ
落ちてくる異族に当て、吹き飛ばすと
フライシュッツは安堵のため息を吐く

しかし、安心したのも束の間だった
この後、男の身に危険が降りかかり
重症を負う事など誰もが知る由も無かった

127エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 15:56:38
エロースの恋愛相談室後の話ですが、これ単体で見て頂いても特に問題はないです。

恋愛相談室と違い、オチのない台本形式のssとなります。

お悩み相談室はネタが思いついたらその度に投稿していこうと思いますので宜しくお願いします。

128エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 15:57:13
エロースのお悩み相談室!

アナタの悩みをエロースが解決!……できるかは分かりませんけど、一緒に頑張りましょう!

困ったことがあれば遠慮せずに相談してくださいね!

129エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 15:57:45

レーヴァテインの場合

レーヴァテイン
「エロース、ちょっといい?相談に乗って欲しいんだけど……」

エロース
「ほ、本当ですか!?あなたがお悩み相談室お客様第一号です!どんな悩みを抱えてるんですか?」

レーヴァテイン
「マスターが昼まで寝かせてくれないの」

エロース
「…………………」

エロース
「朝までじゃなくてですか?」

レーヴァテイン
「他の姫は朝までだけど……エロース?」

エロース
「急用ができたので待っててくださいね〜」

その後マスターは理不尽に叱られた。

130エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 15:58:52

ガ・ボーの場合

ガ・ボー
「姉様を探してるの」

エロース
「ふむふむ。お姉さんの名前はなんていうんですか?」

ガ・ボー
「姉様の名前は、姉様」

エロース
「ネーサマですね!分かりました」

マスター
「そうじゃないと思う」

マスター
「お姉さんの特徴は?」

ガ・ボー
「姉様は綺麗」

エロース
「そうなんですね。外見的な特徴は……」

ガ・ボー
「綺麗」

マスター・エロース
「…………」

あ、これムリだわ と2人して思った。

131エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 15:59:34

ダモクレスの場合

ダモクレス
「クレスのこと、皆がダモって呼ぶんだ……」

エロース
「愛さえあれば関係ないですね〜」

132エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 16:00:19

アルテミスの場合

エロース
「エロースにどんな相談事ですか?」

アルテミス
「相談ではなく注意をしにきました」

アルテミス
「規律を乱すような服装は控えてください」

エロース
「…………ブーメランって知ってます?」

133エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 16:01:02

エルキュールの場合

エルキュール
「いつもお世話になってる人に、何かお礼をしたくて……」

エロース
「キターーーーー!!」

エルキュール
「わ!」

エロース
「こういう悩みを待ってたんですよ!それでお相手はどんな方なんですか?」

エルキュール
「とても聡明で、落ち込んでいる私をいつも慰めてくれて……」

エロース
「キャー!!それはもう恋ですね!間違いありません!」

エルキュール
「え?わ、私がミネルヴァにですか!?」

エロース
「へ?」

エルキュール
「え?」

ちょっとした恋バナでも激しく反応するエロースに、どの道恋愛相談室はムリだった。byマスター

134エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 16:01:33

アロンダイトの場合

アロンダイト
「ダイエットって、どうしたら一番効果的なのでしょうか……」

エロース
「女の子特有の悩みですねぇ。……でも、私達って同じご飯を食べてますよね?」

マスター
「体質の問題じゃないかな」

アロンダイト
「そ、そんな……」

エロース
「マスター、そんな酷いことを女の子に言っちゃいけないんですよ」

マスター
「ごめん、そういうつもりで言ったんじゃなくて……、ムリなダイエットはかえって太りやすくなるって知ってる?」

アロンダイト
「そ、そうなのですか!?」

マスターがアロンダイトに正しいダイエット方法をレクチャーした。

お悩み相談室らしいことが出来たのは彼女が初めてだと、エロースとマスターは気づいていない。

135エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 16:02:06

アバリスの場合

エロース
「今日も1日疲れましたね、マスター」

マスター
「うん、お疲れ様」

エロース
「頑張ったエロースにご褒美をくれないんですか?」

マスター
「あまり人前でそういうことは……」

エロース
「今は誰もいませんし……、ね?ん、んぅ……」

アバリス
「あ、あの……」

終始気付かれず、いたたまれない気持ちになるアバリスだった。

136エロースのお悩み相談室:2019/09/28(土) 16:08:15
読んで下さった方々、ありがとうございます。

エロースの恋愛相談室 実践編は恋愛相談室と同じ書き方で現在作っており、でき次第投稿する予定です。

お悩み相談室について感想・意見あれば宜しくお願いします。

137名無しさん:2019/09/28(土) 17:51:20
>>136
アバリスの扱いににっこり
後で慰めてあげなければ…!
エルキュールの流れはエロースならやりそう!

138名無しさん:2019/09/28(土) 17:58:46
レーヴァのせいで理不尽がマスターを襲う!
読みやすくて良かったです。ちなみに続きをやるとして天上キャラオンリーでやるんですか?

139なんだ、ただのーーか:2019/09/28(土) 22:47:37
>>126

「マスターくーん!終わったよーー!」

銃を下ろし、大声で男を呼びながら
片手を上に伸ばして大きく振った
しかし、その姿はどことなく気怠げだった

「おう、お疲れ!」

男も大声を出して片手を上げて返事をする
返事をくれた事にフライシュッツは嬉しく思ったのか
笑顔になって男の下へと歩き始めるが
その足取りは妙に覚束ない

突然、上の方から不吉な音が聞こえた
二人は音源の方へ視線を向けると
男の真上で折れた木の枝が降ってきた

「なにっ!?」

「マスターくん!?」

異族を吹き飛ばした時の弾丸の威力が大き過ぎたのか
男の身近にそびえ立つ大木の
やや大きめな木の枝を深く傷付けてしまい
へし折れて垂直に落下し始め
途中で他の枝とぶつかりながら向きを変えて
男の方へと向かって落ち続けた

男は急いでその場から離れようと走り始め
フライシュッツは男を助けようと再び銃を構え
男の上に落ちてくる木の枝に狙いを定めて
引き金を引いた

「・・・えっ?」

しかし、引き金を引いても、弾は出なかった

「ウソ・・・なんで?どうして!!」

落ちてくる木の枝に狙いを定めたまま
引き金を二回、三回と引き金を引くが
やはり弾は出てこなかった

どうやら、数多くの異族との戦闘によって
体力を激しく削られてしまい
一発すら打てないくらいに体力が無くなっていた
フライシュッツはすぐに銃を捨てて
男の下へと一直線に走ろうとしたが・・・

(なに?体が、重たい・・・)

走ろうとするが、体が物凄く重く感じ
とてつもない疲労感が襲ってくる

(本当に、こんな時に限って!!)

唇を噛み締め、目尻に涙を溜めて
ゆっくりとマスターの下へと歩み始める

(イヤ・・・お別れなんてイヤだよぉ・・・)

そんな時、フライシュッツはある事を思い出した
それは数日前に見た夢である
男が何かを告げて去っていった
追いかけても追いかけても追い付く事が出来なかった

そして、もしここで助けられなかったのなら
きっと失ってしまうのではないだろうか?
そんな不安がフライシュッツの胸中に渦巻く

「あっ・・・」

何かに躓いたのか、転んでうつ伏せに倒れる
服や肌に泥がベットリと着くが
フライシュッツは拳を握りながら顔を上げ

「マスターくん、逃げてえぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

必死になって叫んだが・・・

「う、うわああぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

惨い事に落ちてきた木の枝は男に直撃し
大きな音を立てて地面に落ちた

「そんな・・・ウソ、だよね・・・?」

目は見開き、声は震え、頭の中が真っ白になる
悔やんでも悔やみきれない気持ちが強くなっていき
フライシュッツはその場で泣き叫んだ

140もしこの願いが叶うなら:2019/09/29(日) 02:06:08
私はアバリス私はマスターのことを愛している。

マスターは存在感のない私なんかを認識して優しくしてくれました。

私は今まで誰にも知られることなく生きてこのまま永遠に誰にも知られずに生涯を終えるんだろうなと思ってたけどマスターに出会ってその考えは変わりました。

マスターは奥手でなにもしようとしない私の手を掴み私が今まで体験したことのないような色んな世界を見せて教えてくれました。

そんなある日マスターからこう言われました。

マスター「ずっと俺があっちこっち引っ張り回って嫌じゃない?」

アバリス「嫌じゃありませんマスターは私に色々な世界を見せてくれましたから」

マスター「なら良かった」

マスター「アバリスもさたまにはわがまま言って良いんだよ?」

マスター「あそこ行きたい!とかあれ食べたい!とかさ」

アバリス「すみません私あまりそういうのなくて」

マスター「そうなんだ」

マスター「それじゃあアバリスの初めてのわがままは絶対聞くよ」

アバリス「どういうことですか?」

マスター「どんなに行けないような場所でもどんなに高い食べ物だとしても絶対にアバリスの最初の望みを叶えるってこと」

アバリス「そうですか...それならじっくり考えて叶えさせてもらいます」

この時私は初めて嘘をついたかもしれない。

私が叶えてほしい唯一の望みそれは

マスターから愛してもらいたい。

けど私にはそんな資格はない。

たぶんマスターが思ってるよりもひどいわがままかもしれない。

そんな愛してもらう資格のない私が愛してもらおうなんてわがままにしては度が過ぎている。

マスター「あ、流れ星だ。お願い事しよう」

マスター「アバリスの望みが見つかりますように」

マスター「よし、これでアバリスの望みが見つかると良いな」

私も両手を合わせて握って目をつむった。

愛してもらう資格があるかどうかもわからない私ですが

もしこの願いが叶うなら....

私はゆっくりと目を開けてマスターの方を向いた。

アバリス「私を愛してくれますかマスター?」

141もしこの願いが叶うなら:2019/09/29(日) 02:08:38
アバリスって自分に自信がないから愛してもらう価値とか資格とかないって思ってそう
アバリスみたいに奥手で自分に自信がないキャラほど幸せになってほしい

142名無しさん:2019/09/29(日) 04:24:31
自分に自信がない奥手な子が、マスターにだけ心を許してくれるのが凄く好きです。

自分の場合、ロンギヌスが好きです。

143名無しさん:2019/09/29(日) 04:43:18
>>142
すげーわかる
でも俺的には、黒ロンギヌスみたくちょっと嫉妬してほしい

144名無しさん:2019/09/29(日) 06:55:27
>>142
同志よ…
それでいて賀正ストーリーでしっかり芯の強い所も見せてくれる。
早くアバリスにドレスを着せてやりたいものだ。

145エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:29:03
エロースのお悩み相談室 その2です。

エロースの恋愛相談室(>>15)からの物語です。

お悩み相談室の相談相手ですが、とりあえずは天上編の子を出していこうと思ってます。

その1と同じく台本形式のSSとなりますので、もし良ければ気楽に読んで下さい。

146エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:31:33

エロースのお悩み相談室!その2です!

アナタの悩みをエロースと解決!……できる様に一緒に頑張りましょう!

困ったことや悩みがあれば遠慮せずに相談してくださいね!

147エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:32:16

・ダグダの場合

ダグダ
「マスターがダグダを寝かせてくれないの〜」

エロース
「このパターン、もうエロースには効きませんよ」

ダグダ
「夜なのにダグダをムリヤリ運動させて〜」

エロース
「いえいえ、エロースはマスターのこと信じてますから……」

ダグダ
「イヤだってダグダは言ってるのに、マスターは聞いてくれなくて……」

エロース
「もう!マスターのバカ!」

マスターを問い詰めたけど、案の定誤解だった。

恋は盲目って、こういうことかぁ……。byエロース

僕のこと、もう少し信じて欲しいな……。byマスター

148エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:33:09

・芭蕉扇の場合

エロース
「お引き取り願いますね〜」

芭蕉扇
「ちょっと!まだ用件も聞いてないじゃない!」

エロース
「……エロースの杞憂ならいいんですけど」

芭蕉扇
「私の旦那をたぶらかさないでくれる?」

エロース
「人の恋人を旦那呼ばわりするのはいけませんよ?」

芭蕉扇・エロース
「…………」

エロースがマスターの恋人になってからというものの、この2人の仲の悪さがマスターの悩みのタネだったりする。

149エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:34:03

・タスラムの場合

タスラム
「た、助けてくれ!最近おかしいヤツらを見かけるんだ!」

エロース
「む、女の子を怖がらせる不届き者は許せませんね!ストーカーですか?」

タスラム
「いや、それよりも恐ろしいモノだ!アイツら自分を唐揚げにして食べてくれとか、意味の分からないことを言うんだよ!」

エロース
「あ、タスラム教の方達でしたか。愛の深い方達ですよね〜」

タスラム
「は……?何言ってるんだ?」

エロース
「ごめんなさい、エロースは愛と恋の味方なので……。頑張ってくださいね?」

タスラム
「ちょ、エロース、待て!おい!私を助けろ!」

宗教って怖いなぁ、と改めて思うエロースだった。

150エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:35:08

・ダーインスレイヴの場合

エロース
「アナタに悩みがあるんですか?」

ダーインスレイヴ
「今日は相談に来た訳ではないが、私は完全無欠ではないよ。そしてそれは君も同じ」

ダーインスレイヴ
「皆の悩みを聞いてくれる君に、皆が感謝してる。だが、君の悩みを聞く人はどこにいる?」

ダーインスレイヴ
「エロース、悩みはないかい?私で良ければ力を貸そう」

エロース
「ダー様……」

ダーインスレイヴの余りのイケメンぶりに、惚れそうになる姫は少なくない。

マスターと恋仲になってなかったら危なかった。byエロース

151エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:35:51

・パラケルススの場合

パラケルスス
「エロース、私に恋を教えてくれないか……?」

エロース
「キターーー!!」

エロース
「こ、今度こそ間違いなく恋バナ!こういう相談を待ってたんですよ!」

パラケルスス
「恋をすると極度の興奮状態に陥るようだな」

エロース
「ど、どうして恋に興味を持ったんですか!?」

パラケルスス
「分からないからだ」

エロース
「……んん?」

パラケルスス
「理解出来ないことを知ろうとするのは、科学者として当然のことだろう?」

パラケルスス
「それで唯一隊の中でマスターと恋仲である君に教えて貰おうと思ったんだ」

エロース
「きっかけは人それぞれですよね〜。でも女の子が恋に興味を持つことはいいことです!」

エロース
「恋っていうのは、好きな人への想いが募って、胸がキュッとすることをいうんですよ。それで……」

パラケルスス
「すまない、エロース。もっと定量的に教えてくれ」

エロース
「ふえ……?」

パラケルスス
「曖昧な表現は要らない。数学的な表現で頼む」

エロース
「あ、あれれ〜……?」

間違いなく恋バナなのに思ってたのと違う、……と首を傾げるエロースだった。

152エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:36:45

・ミネルヴァの場合

ミネルヴァ
「エロース、少し時間を頂いてもいいですか?」

エロース
「勿論です!どんな悩みだってエロースが解決しちゃいます!」

ミネルヴァ
「あ、私は悩み事がある訳じゃなくて……」

エロース
「え?」

ミネルヴァ
「エルキュールの悩みをエロースが聞いてくれたんですよね?」

エロース
「あ、あ〜……。ちょっぴり恥ずかしい思いをした記憶が……」

ミネルヴァ
「いつも助けてくれるお礼だと言って、エルキュールから手編みのマフラーを貰ったんです。私だけじゃなく、ニケの分まで」

ミネルヴァ
「それがとても嬉しくて、だから」

ミネルヴァ
「ありがとうございました。これからもお悩み相談室、頑張ってくださいね」

153エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:37:33

・今日の反省

ーーー皆の悩みを聞いてくれる君に、皆が感謝してる。

エロース
「……」

ーーーこれからもお悩み相談室、頑張ってくださいね

エロース
「〜〜〜っ!!」

マスター
「エロース、何かいいことでもあった?」

エロース
「あ、マスター。えっと、」

今日の出来事を私はマスターに話した。

マスター
「そっか。頑張ったね」

そう言ってマスターは私の頭を撫でてくれた。

マスター
「彼女達だけじゃないよ。口にはしてないかもしれないけど、皆が君に感謝してる」

エロース
「ほ、本当ですか?」

マスター
「うん。君が相談室を開いてから、隊も明るくなってきた。皆が毎日を楽しそうに過ごせてる」

マスター
「だから、その……。僕からもありがとう」

エロース
「マスター……」

マスター
「皆の為に頑張る君のことが、僕は」

マスター
「…………」

マスターは頬を赤くして黙ってしまった。

そんな些細な事が、凄く嬉しくて。

エロース
「マスターのハート、エロースが打ち抜いちゃいます!」

マスター
「ハートならもう奪われてるよ」

エロース
「んぅ、ちゅ……」

これからも頑張ろうと思える様な1日だった。

154エロースのお悩み相談室 その2:2019/09/29(日) 08:43:07
最後まで読まれた方、ありがとうございます。

お悩み相談室のその3以降についてですが、ネタが5、6人分思いついたらその都度投稿しようと思っています。

完全な不定期投稿ですが、SSをあげた際には読んで頂けると嬉しいです。

もし良ければ感想・意見の程、お願いします

155名無しさん:2019/09/29(日) 09:19:43
>>154
今回も面白かったです

次回も期待してます!

156名無しさん:2019/09/29(日) 15:22:14
>>154
タスラム教の教えがここまで…!

157名無しさん:2019/09/30(月) 00:11:27
ダー様

158チャレンジアロンちゃん:2019/09/30(月) 00:32:23
チャレンジアロンちゃん始まりの理由

アロンダイト
「マスター聞きたいことがあります」

マスター
「ん?なに?」

アロンダイト
「なぜ私でこういうチャレンジ事をするようにしたんですか?」

マスター
「あーそれは....うーんあんまり聞かない方が良い理由だけど聞きたい?」

アロンダイト
「はい理由があるなら是非聞きたいです」

マスター
「それは隊のみんなにアロンのイメージを聞いたんだよそしたら」

アロンダイト
「そしたら?」

マスター
「みんな口を揃えて『何も出来なさそう』って」

マスター
「それで俺も『あーアロン確かに出来なさそうだな〜でも実際はどうなんだろう?』って思って始めたのが理由」

アロンダイト
「..................あのあまりにも衝撃的な理由と言いますか皆さんの私に対するイメージがすごくて一瞬意識を失いましたが...要は私が不器用と思われていてマスター自身もそう思ったけど実際はどうなのかと調べるためにやっていたと」

マスター
「まあそうなるね」

アロンダイト
「.......」

マスター
「ごめんなんか大層な理由でも求めてたなら期待に応えられなくてそれとも不器用って思われていたのがそんなにショックだった?」

マスター
「でもみんな悪意があってそう思ってるわけじゃなくて第一印象でそう思われていただけであって」

アロンダイト
「大丈夫ですよ!私はこのくらいじゃへこたれたりしませんから」

アロンダイト
「それにマスターと一緒に色々出来て楽しいですし」ボソッ

アロンダイトはとても小さな声で言った

マスター
「なんか言った?」

アロンダイト
「な、なんでもありません!」

アロンダイト
「とりあえずこれからも色々な挑戦事よろしくお願いしますねマスター」

マスター
「よろしく」

二人は固く握手するのであった

おまけ

アロンダイト
「そう言えば『アロンちゃん』ってどういう意味合いがあるんですか?」

マスター
「みんなが親しめるように親しみを込めて」

アロンダイト
「へーためになりました」

マスター
「ためになるかこれ?」

159なんだ、ただのーーか:2019/09/30(月) 01:13:33
>>139

声が枯れるまで泣き叫んだフライシュッツは
その後に自責の念に駆られていた

マスターくんと仲良くなっちゃったから・・・
マスターくんの傍に居たから・・・
ぜんぶ、おねーちゃんのせいでマスターくんを失って
だから・・・だから、こんなことに・・・

フライシュッツは虚ろな瞳でブツブツと呟き続ける
すると突然、遠くから物音が聞こえる
大切な人も守れないで、こんなところで終わるんだ
何もかも諦めて目を瞑った瞬間

突然、男とフライシュッツを呼ぶ声が聞こえた
どうやら、先程の大きい音を聞きつけ
急いで駆けつけに来てくれた様だ

皆はフライシュッツの下に駆け寄ると
状況を把握する為にフライシュッツに質問した
しかし、フライシュッツは首を横に振った
声を出そうにも、声が出なくなっていた

その答えにキル姫達はそれぞれの反応を示していた
ある者は、目を見開き驚いた顔を見せ
ある者は、力無く膝から崩れ落ちて
ある者は、両手で顔を覆って泣き出し
ある者は、強く歯噛みし、後悔をする

しかし、何名かは枝の方へと向かい調査を始めた
すると、枝の下敷きになってる男を見つけた
そして、その場で男が居たと大声で叫んだ
その事にフライシュッツを始めとする多くのキル姫が
一斉にその声の主へと振り向いた

フライシュッツの傍に、二人ほどその場に残し
他の者は皆その場に駆けつけると
確かに男はうつ伏せになって枝の下敷きになっていた

キル姫達は協力しあい、男の救出に力を尽くした
救出された男は深手を負っており
所々に切り傷、大きな打撲や捻挫の痕などがあった
急いで応急処置を施し、何とか一命を取り留める

その後は、男を家に安静にさせるべく
フライシュッツを乗せてやって来た不死鳥に
騎乗に長けてる者と男を乗せて真っ先に帰還させた

そして、他のキル姫達はと言うと
二人のキル姫はフライシュッツに肩を貸し
子供達を守りながら帰路に就いていた

160名無しさん:2019/09/30(月) 01:26:55
突然ですが予定変更のお知らせ
フライシュッツとの物語を何時までも
上手く纏められずに長々と書いちまってる駄作者だが
次回作はおねショタ物を優先して書こうかと思います
ダモクレスとの物語は書き溜めしてから投稿
と言う形で頑張ってみよう・・・と思っただけです

・・・ですので、ご理解の方を何卒よろしくお願いします

161チャレンジアロンちゃん:2019/09/30(月) 01:41:33
>>158
ふと思ったけどアロンちゃんでの人間関係は把握してるけどそれを相関図に表したらどうなってんだろうなと思った

162名無しさん:2019/09/30(月) 07:20:52
>>160
ゆっくり書いていってね!

163名無しさん:2019/09/30(月) 07:30:28
>>161
アロンを中心に置いたらアバリスカシウス三姉妹と梓弓スイハに狙われてるあたりかなぁ
あとミネルヴァにコマンドとして歓迎だったりラグナがアバリスの奴隷志願だったり
…アロン(とアバリス)の明日はどっちだ!?

164名無しさん:2019/09/30(月) 10:17:52
書き溜めて投稿

165名無しさん:2019/09/30(月) 10:20:07
書溜め要求野郎アク禁にしろよ、後々の為だぞ

166名無しさん:2019/09/30(月) 10:26:11
1つのスレの中に作品乱立するのはキツいよな
なんかうまい方法ないものか

167名無しさん:2019/09/30(月) 11:01:41
さすがに1レス分だけ書いて投稿はきついな

168名無しさん:2019/09/30(月) 14:48:05
書き溜めて投稿しないと前みたいに途中で飽きて未完くんがでてくるゾ

169名無しさん:2019/09/30(月) 16:37:07
>>168
人の都合もあるしそういう煽るような言い方するな

170名無しさん:2019/09/30(月) 17:07:19
アロンちゃんみたいなタイプならともかく
地続きのストーリーを何日かに分けて投稿する意味はない気がする

書き溜めるのが無理っていうのがよくわからん
完成するまで投稿しなければいい話じゃないんか??

171名無しさん:2019/09/30(月) 17:35:05
ちょいちょい投稿しないとモチベが続かないタイプの人もいるから
わからん人にはわからんだろうけど

172名無しさん:2019/09/30(月) 17:35:54
書き貯めを投稿するか少しづつ投稿するかでモチベーション変わるなら本人のやりたいようにがいいだろう。
始まりが自由なら終わりも自由で致し方なし。
そもそも見せてもらってる立場で人のやり方にケチつけるのは如何なものか。

173名無しさん:2019/09/30(月) 19:24:55
見せてもらってる?
俺はアロンちゃんが見たいんであって他のは強制的に見せられてるんだが?

174名無しさん:2019/09/30(月) 19:29:24
いちいち喧嘩売ってくんなよカス

175名無しさん:2019/09/30(月) 19:30:25
煽りカスは全員規制してくれや

176チャレンジアロンちゃん:2019/09/30(月) 19:39:17
>>173
読んでくれてるのはありがたいけどいちいち他の方の書いた作品をけなしたりケンカを売ってくるような人には読んでほしくない

177名無しさん:2019/09/30(月) 19:39:20
私のためにケンカは止めて!

178名無しさん:2019/09/30(月) 19:50:03
この話題は閉廷!解散!
結局はSS作者さんの都合だから気にせず自分のペースでやって欲しい!

179名無しさん:2019/09/30(月) 19:58:51
ケンカするくらいなら萌スレに行っておっぱいの話をしてこい!

180名無しさん:2019/09/30(月) 20:20:28
もうID投入でいいんじゃないの
んで要求ksはブロックすればいいし

181リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/09/30(月) 21:27:42
なんかもうため息しか出ない

182名無しさん:2019/09/30(月) 21:41:52
作品ごとにスレ分けすれば解決なのでは?

183名無しさん:2019/09/30(月) 21:49:04
管理人ちゃんもまとめやすいしな

184名無しさん:2019/09/30(月) 21:51:41
明らかに1作品1スレ立ててやるほどの量じゃないだろ
なんとなく1レスくらいのネタを書きたいときにもわざわざスレ立ててもらうのか?

185名無しさん:2019/09/30(月) 22:03:37
ログもスレ立ても管理人ちゃんが自由にできるんだしまとめ記事化した作品だけ個別にスレ立てればいいんでない?
ぶっちゃけその方が管理人ちゃんもまとめ記事化しやすいだろうし作者さんもまとめ記事のコメ欄に感想もらえるしでwinwinやない?

186名無しさん:2019/09/30(月) 22:11:38
スレ乱立はちょっと・・・

187名無しさん:2019/09/30(月) 22:16:34
スレを見る人のことを考えれば書き溜め

自分のモチベのことだけ考えて書いてやってるという精神ならバラバラに投下(1話完結系は別)

大事なのは見てる人がどう思ってるかじゃなく書く側がどう考えているか

188名無しさん:2019/09/30(月) 22:26:22
自分がそう思ってるからって勝手に他人の意見代表して考え押し付けんなよ

189名無しさん:2019/09/30(月) 22:27:43
>>187
こんな考え自分が読んでやってるってお客様精神じゃないと浮かんでこんわカスが

190名無しさん:2019/09/30(月) 22:46:06
黙ってろよ要求kz野郎
お前韓国人とか言われたことないの?それとも今泉?

191名無しさん:2019/09/30(月) 23:21:08
>>187
これまた4番の投稿への暴言に抵触してるんじゃないか?
要は書き溜めしない作者は読者を考えてないって貶めてるということだよな?
これ以上不穏な空気になるのも嫌だし辞めにしないか?

192名無しさん:2019/09/30(月) 23:23:14
話蒸し返して辞めにしないか?は草

193名無しさん:2019/09/30(月) 23:56:43
アロンちゃんシリーズがレジェンドだわ

194名無しさん:2019/10/01(火) 00:00:11
とまあこうやって対立煽り始めるんだわ
ほんと規制かけてほしい

195名無しさん:2019/10/01(火) 01:03:11
なんでこんなに荒れてるんですかね?
みんな仲良くしません?

196名無しさん:2019/10/01(火) 01:13:18
短編なら一気に書いた方が良いんでしょうけど
長編に関して言えば、一気に投稿したらそれこそ凄い長い文章になりそうですし
真面目に「長編」書いたら平気で1コメントで書ける内容のMAXの文章で50とか100コメント越えそうですし
それだったら1部、一章、1話、一幕とわけて書いた方が作者さんののモチベ管理も、読者さんたちも読みやすいと思いますよ

以前投稿したマスターより

197 ◆Y5g8YZ9wkQ:2019/10/01(火) 01:30:42
以前話題に上がった酉というものができればもう少し見やすくなるのでしょうか…?

たしか名前の欄に#を入れて文字(題名?)を入れると自動的に変換されるとかでしたっけ?

198 ◆Y5g8YZ9wkQ:2019/10/01(火) 01:32:08
>>197
題名じゃないですね。作者さんがわかりやすくなるとかそういうものでしょうか。忘れてください

199名無しさん:2019/10/02(水) 00:59:39
これ普通に思っただけで他意はないんですけどパート1で連載形式で長編完結させた人ってよくできましたね

200うしろのしょうめんだあれ:2019/10/03(木) 21:49:07
マスターは一人佇んだ

背後から目隠しをされる

「誰でしょう?」

聞き慣れない声に驚いて振り向いた

「ああ やっぱり君か」

マスターは一人でいつまでも笑っていた

201水面:2019/10/03(木) 21:49:55
戦闘を終え近くの川で休息をとる

ひとまず川の水で顔を洗う

ふと水面に映る自分の顔を眺めた

水面の自分の瞳には自分が映っている

さらにその瞳の奥にも自分が映っている

その先にもずっと

ずっと

ずっと

ずっと

自分ばかりが映っている

目の前に自分がいるということは……

ワタシハイッタイダレダ?

202名無しさん:2019/10/03(木) 21:58:09
マスターはふとあることを思い出していた

熊は獲物の意識があるうちから貪りはじめるんだと言う

(そうか、こんな感じなのか)

マスターは自分を貪る異族を見てそんな感想を漏らした

203名無しさん:2019/10/03(木) 22:08:43
隊の姫がどんどん減っていく

みんな任務の犠牲となった

一人残った姫は今日もボロボロになって戦う

戦闘後、マスターは尋ねた

「どうしてそこまで頑張れるんだい?」

「だってせっかくマスターと二人きりになれたんだもん」

やっぱりこの姫だけ残しておいてよかった

204名無しさん:2019/10/03(木) 22:24:37
な、なんか怖い

205名無しさん:2019/10/04(金) 00:57:55
残った姫は誰なんだろう

206名無しさん:2019/10/04(金) 01:03:03
ティルかエロースだろう

207名無しさん:2019/10/04(金) 01:22:03
ベトティルさんか

208名無しさん:2019/10/04(金) 01:46:56
>>203
作者だけど誰かは想定してないので好きなキャラを想像してね

あとこの話だけは他の3本と違って意味が判ると・・・って奴です

209名無しさん:2019/10/04(金) 07:22:40
>>203
「やっぱりこの姫だけ残しておいてよかった」
マスターは意図的に他の姫を任務で犠牲にしていた…?

210名無しさん:2019/10/04(金) 08:42:03
レイドボスのメシア駄女神ティル、けもスラーンド、またはその同系統の味方撤退バフ攻略やな!

211名無しさん:2019/10/04(金) 10:22:55
ブラッディクロス

212苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:05:37
※この話は思い付きかつ勢いだけで書いたネタ話であり矛盾点や誤字脱字、キャラの口調がおかしいかもしれませんがご容赦ください。カシウス語が分からねぇ!!オートアバター達の口調がぼんやりとしか分からねぇ!!

※新章終了後にリサナウトがマスターの仲間になり、それからすぐくらいの感じをイメージしてます。

※マスター兄貴達の皆さん!自分の推しに投票しましょう!

213苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:06:25
〜とある休日〜

リサ「協力しなさいレーヴァ!!」

レヴァ「やだ、めんどくさい」

リサ「ふふ、そう言うと思っていたわ。けど残念ねレーヴァ、あなたは10秒後私に進んで協力するわ。
そう、これは予言ではない。確定事象の報告に過ぎないの」

レヴァ「あのさ、何言われたって私がリサに協力するなんて面倒なこと……」

リサ「協力してくれないと当主様に膝枕されて頭を撫でられながら気持ち良さそうに昼寝しているあなたのこの写真をティルフィングとアルマスと三国のトップと他のディスラプターズ達に渡すわ」

レヴァ「こんなの知らないんだけど?えっ??いつ私はマスターにこ、こんな……え?」

リサ「ふふん、別の時間軸から撮ってきたのよ」

レヴァ「能力の無駄使いすぎ……なに考えてるのよ」

リサ「まぁ、少し私にも事情があるのよ。それでどうするの?私に協力してくれたらこの写真破棄してあげるけど?」

レヴァ「…………今回だけだから」

リサ「流石私の親友よっ!」

レヴァ「私一応リサの事殺そうとしたの忘れてない?」

214苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:07:20
レヴァ「それで、何に対してどう協力しろっていうの?そもそもどうして私なの」

リサ「いい質問ねレーヴァ。50ポイントあげるわ」

レヴァ「ポイントはいいから……で?他の子達じゃダメなの?」

リサ「ダメという事ではないけれど、適任なのはあなたよ。私が地底出身なのは知ってるでしょう?」

レヴァ「聞いてもいないのにリサが話したからね……地底出身が私とどう関係するの?」

リサ「いいえ、地底出身の点は話にあまり関係ないの。結論を急ぎすぎるのはあなたの良くない所ね。マイナス10ポイントよ」

レヴァ「だからポイントはいいって。早く教えて」

リサ「簡単なことレーヴァ。あなたが妹キャラだからよ!!」

レヴァ「………………………………は?」

リサ「私はアルマス達におねーちゃん♥️って呼ばれたいのよ!!」

レヴァ(無言で帰ろうとする)

リサ「ま、待ちなさいレーヴァ!今帰ったらさっき言った写真をばらまくわ!それにまだ私の話は終わってな……ぶへっ!」

レヴァ「どうして何もない場所でこけるのよ……」

215苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:08:05
レヴァ「そんな事アルマス達に自分は姉ですって名乗ればいいだけじゃない」

リサ「カシウスは『そう……』の一言で終わるわ」

レヴァ「……確かに」

リサ「フェイルノートは無言で攻撃してくるわね」

レヴァ「……ありえそう」

リサ「ティファレトは事情を話せば姉扱いはするでしょうけど、おねーちゃんとは呼んでくれないと思うの」

レヴァ「………………おねーちゃん呼びがそんなに重要なの?」

リサ「アルマスは『絶・意味分かんない!』って言い出すわ」

レヴァ「アルマスに関しては流石にバカにしすぎ……でもないか、うん」

リサ「……あなたアルマスの事嫌いでしょ……」

216苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:08:52
リサ「とにかく、どうすれば4人が私の事を自然とおねーちゃん呼びをしてくれると思う?兄がいた妹キャラのあなたならきっと役に立つ意見が聞けると思ったから協力を仰いだの」

レヴァ「妹キャラって……姉がいるキル姫なら他にもいるでしょ。何でそんな面倒なことを私に?」

リサ「私達が地底出身なのを知っていて私達5人と知り合いな妹キャラはあなたしかいないわ。だからあなたが適任なのよ。それで何かない?(そういえばモラベガも分離すれば一応妹キャラ生まれるわね……まぁ後でいいかしら)」

レヴァ「はぁ、めんどくさい。…………まずあの4人はリサが地底出身なの知ってるの?いや、そもそも前提として彼女達に面識あるの?」

リサ「アルマス以外は当主様と共に全員一度ずつ。ちなみにアルマスとは一度もないわ」

レヴァ「じゃあダメじゃない」

リサ「でも一樹の陰一河の流れも他生の縁という言葉もあるわ。どんな小さな出会いでも深い因縁があってのことであるって意味。きっと彼女達も私との繋がりを感じてくれているはず」

レヴァ「……会ったことのないアルマスも?」

リサ「うっ……」

217苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:09:24
レヴァ「はぁ。もう素直に普通に自己紹介すれば?マスターと一緒に行けば攻撃される事も無視される事もないって」

リサ「えー、だって当主様は暇じゃないし」

レヴァ「まるで私を暇人のように言うのやめて。いや実際暇だけど」

リサ「お願いよレーヴァ、あの4人がどうすれば私の事を可愛らしくおねーちゃんって呼んでくれるのか考えて!じゃないと色々な時間軸から集めたあなたと当主様のイチャイチャコレクションをありったけ皆に配るわよ!」

レヴァ「それマスターにも被害大だからね!?ってか何でそんな事してるのよ!?」

リサ「…………時間軸を探してたついでにね」

レヴァ「ついで?」

リサ「あの子達が私をおねーちゃんと呼ぶ時間軸を探すついでによ!どうして一つもないのよ!?おかしいでしょ!!」

レヴァ「知らないわよ……」

リサ「当主様が私と結ばれたり、ラグナロクと結ばれたり、ギルとか言う小僧と結ばれたり、妖精王と結ばれたり、オッティモオッティモうるさい変態仮面と結ばれたりする時間軸はあるのに!!」

レヴァ「百歩譲ってあなたとラグナロクはともかくギルとオベロン、ましてやゲパルトとかやめて。本当にやめて」

218苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:10:27
レヴァ「第一、あなたあの村ではリサ姉って呼ばれてたでしょ?姉呼ばわりはもうされてるんだから……」

リサ「それよ!それで私は妹萌えに目覚めたのよ!!そして私にはあんなに強くて綺麗で可愛くて個性豊かな妹が4人もいるのよ!?おねーちゃんって呼ばれて慕われたいに決まってるじゃない!!その時間軸がない以上自分で作るしかないでしょ!!どうしてレーヴァにはそれが分からないの!!?」

レヴァ「何でキレるの!?っていうかそんなの分かるわけないでしょ!!」

リサ「レーヴァのばか!」

レヴァ「リサの方がよっぽどでしょ!」

??「あ、いた。レーヴァテインもいるみたいね」

??「あのー、って二人には全く聞こえていませんね。どうしましょうか?」

リサ「いいわレーヴァ!あなたは五分、いや三分後。地面とキスしながら『妹萌えサイコー』と言うわ!!」

??「ふん、人をこんな所に呼び出しておいて自分はいない。しかもこんな痴話喧嘩を見させるなんてあいつも随分偉くなったものね」

レヴァ「私に一度敗けてるくせにそんな事出来ると思ってるの?この一撃で終わらせる!!」

??「レーヴァテインとリサナウト。二人の争いの輪廻は途切れることなく廻り続ける。私の瞳でも二人の終焉は見えない」

??「つまりただの喧嘩友達って事でしょ。マスターも絶・面倒なことを私たちに押し付けるんだから!」

リサ・レヴァ「くらええええぇぇぇぇっっ!!!」

219苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:11:25
アルマス「せいっ!」

リサ「ちょっ!?誰よ!危ないじゃない!……ってあなた……」

レヴァ「……何であなたがここにいるのよアルマス。それに三国のトップまで揃ってるし……」

ティファ「ご無沙汰していますねレーヴァテイン。そしてリサナウト……でよかったのでしょうか?」

レヴァ「えぇ久しぶり……」チラッ

リサ「な、何よ……彼女たちがここに来る時間軸なんて探してなかったんだから分からなかったのは仕方ないじゃない」

レヴァ「はぁ、それで何であなた達がこんなにタイミングよく全員揃ってるわけ?」

カシウス「全ては御館様の意のまま。私達より先に生まれた円環の因子と邂逅せよと」

アルマス「リサナウトって新しい仲間が私達の姉にあたる人だから挨拶くらいした方がいいんじゃないかってマスターに言われたのよ」

リサ「へっ!?まってまって!何で当主様がそんな事を知ってるのよ!?」

フェイル「お前が酔っ払ってその辺りを全部話したと聞いたわ。それをそのまま私達に伝えたようね」

リサ「当主様ぁぁぁぁっ!!?」

レヴァ「リサ……うるさい。あなたのせいなのにマスターに当たらないで……もう状況が状況だし普通に自己紹介して終わりでいいじゃない」

リサ「……くっ、確かにそうするしかなさそうね」

リサ「もう当主様から聞いているようだけど改めて自己紹介させて貰うわ。私はリサナウト・針枷(リード)・クロノス。そう、あなた達4人の強くて頼れるおねーひゃ……」

レヴァ・アル・ティ・カシ・フェ「「「………………」」」

リサ「わ、わざとよ!噛んだのはわざとなんだからぁ!!」

レヴァ・アルマス「いやいやいやいや」

220苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:12:34
リサ「と、とにかくあなた達は私に言うことがあるわ。それを言って貰うわ。さぁ言いなさい!」

ティファ「?……言うこととはどういうことでしょうか?」

アルマス「ぷ、アハハ!『言うことはどういうこと』って、プッフフフフ!!ちょっ、ティファレトいきなり笑わせないでよ!」

ティファ「え!?す、すみませんアルマス」

フェイル「お前が謝る事はないわ。悪いのはこんな下らない事でゲラゲラ笑うアルマスよ」

アルマス「は?どうして今ので私が悪いのよ!あなたもそう思うでしょカシウス!」

カシウス「フェイルノート……アルマスのこれは諦めるべき……」

フェイル「……確かにそうね。うかつな発言をしたティファレトと私のせいね。悪かったわアルマス」

アルマス「納得いかないわ!」

221苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:13:11
リサ「ちょっと!?私は無視なの!!?」

アルマス「あ、忘れてた。それでレーヴァテイン。リサナウトは私たちに何を言わせたいのよ?」

レヴァ「あなた達に姉と呼ばれたいらしい。呼ばなきゃ面倒くさい事になると思う。ていうか多分帰してくれない」

フェイル「あれを姉と呼ばなければならないの?帰るのを阻止されても全員で囲んで叩けば済むわ」

ティファ「フェイルノート、彼女は我々のもう仲間であり一応は姉ですよ?そんな手荒な事をするべきではありません」

カシウス「リサナウト・針枷(リード)・クロノス。彼女は時を操る能力を持っているわ。数が多いからといって勝てるとは限らない」

レヴァ「一度本気で戦ったことあるけど本当に面倒。過去の自分とか見せてくるし、壊したもの時間操作して直すしで戦力で勝てばいいって問題じゃない」

アルマス「うわ、本当に面倒そうに言うわね……それで普通に姉扱いすれば満足するの?」

レヴァ「多分。それで満足すると思う」

ティファ「だそうですよ、フェイルノート?」

カシウス「私は御館様に挨拶くらいはした方がいいと言われた……あなたは?」

フェイル「……はぁ、分かったわ。お前達の言うようにあれを姉扱いするわよ。でもまずはあの状態をどうにかするべきね(指差し)」

222苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:15:18
リサ「忘れ……忘れてた……普通に妹に存在を忘れられた……」

レヴァ「リサ?」

リサ「どうして……言い方は悪いけど私ぽっと出キャラよ……それなのに超人気キャラになったのよ……?あのゴッド達の一応の姉よ……?」

レヴァ「あのー?リサー?」

レヴァ「キャラが薄いわけないのに短時間で忘れられた……それとも次の人気投票で10位圏内を狙う私のキャラが薄いと言うの……?そんなに印象が弱いの……?お尻よりおっぱいが大きくないから……?ポンコツキャラには頭のいいフクロウみたいなマスコットがいなきゃいけないの……?それとも水着で実装されなかったから……?モラベガには水着来たのに私に水着がないから……?斧で炎はもっと火力インパクトがあるゴリラが海上にいるとでもいうの……?」

レヴァ「いや何言ってんの?」

アルマス「あれなに?」

レヴァ「知らないわよ……どうにかして……」

アルマス「この状況で丸投げするの!?」

223苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:16:12
アルマス「ああ、もう面倒だわ!三人とも私に合わせてね!」

レヴァ「ねぇリサ」

リサ「何よ……基本モテモテな上にディスラプターズなんて花園作ってるハーレム女王のくせに当主様の事も虜にしようと画策しているレーヴァ」

レヴァ「…………色々言いたいことあるけど、あっち」

アルマス「せーの!!」

ティファ「お姉様」

フェイル「姉上」

カシウス「姉様(あねさま)」

アルマス「姉さん!」

アルマス「……って何で皆バラバラなのよ!?」

レヴァ「しかも見事におねーちゃんがいないし……リサ?どうしたの急に膝ついて」

リサ「……どうしようレーヴァ……おねーちゃんって呼ばれてないのに嬉しすぎて立てないし顔を上げられない……」

レヴァ「…………知らないわよ」

224苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:17:06
アルマス「これでいいの?なんか倒れかけてるけど」

レヴァ「嬉しすぎて立てないらしい」

アル・ティ・フェ・カシ「「「…………。」」」

ティファ「で、ではこれで彼女の願いも叶えられたことですし私はそろそろ国に戻ります。アルマス、たまには主様と一緒に遊びに来てくださいね」(循環せし幻神使用)

アルマス「ん、分かったわ」

フェイル「私も帰るわ、何だか嫌に疲れた気分……お前様の間抜け面をたまには見せなさいと伝えておいて」(循環せし幻神使用)

アルマス「……もっと普通に会いに来てって言えばいいのに」

カシウス(クイクイ)

アルマス「どうしたのよ?」

カシウス「……御館様……会いたい」(循環せし幻神使用)

アルマス「こっちはストレートすぎるわね……」

レヴァ「じゃあ私も帰るからマスターのところに連れてって」

アルマス「いやムーがいるでしょ。何で私があなたを……」

レヴァ「そのムーがいないのよ。別にいいでしょ目的地は同じなんだから」

アルマス「……もう、今回だけだから。ほら捕まって。飛ぶわよ」


〜アルマス達がいなくなって少しした後〜


リサ「ふぅ。やっと落ち着いたわ。見苦しいところを見せたわね。でもここから先私はこんな醜態を晒すことはないわ。これは予言ではない。確定事象の報告に過ぎないの」

リサ「さぁ、妹たち!今日は国の事なんか忘れておねーちゃんと一緒に遊びま……あれ?」

リサ「レーヴァ?アルマス?ティファレト?フェイルノート?カシウス?ちょっとー、みんなー!?」

リサ「な……なんで誰もいないのよぉ……」

225苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:18:07
〜一方その頃レヴァ以外のディスラプターズ+オートアバター達〜

ヘレナ「先輩も人使いが荒いな。ヘレナ達にリサナウトの部屋を掃除させるなんて。しかもここ元々物置小屋だろう?そんな所に案内する先輩も酷いと思わないかい?」

ソロモン「ここしか空いている部屋がないんだし仕方ないわ。マスターもリサナウトも不在だし知り合いの私たちが掃除を任されるのは自然よ」

カリス「文句はダメだよヘレナ、リサちーが帰ってくるまでにお部屋ちゃんと綺麗に整えてあげないと!」

ニール「ま、この人数でやればすぐに済むわよ。ところでレーヴァの姿が見えないわね。サボってるのかしら?」

グラウ「レーヴァテインは現在リサナウトに呼び出されています。レーヴァテインがムーを連れていかないあたり、かなり内密な話の可能性が高いかと」

ムー「寝てたら俺を置いて出ていったんだよ。レヴァの奴酷いと思わねぇか?」

ドサッ!

キプル「すみませんすみませんすみませんすみませぇぇぇん!!」

226苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:18:45
カリス「もーキプルったら。リサちーのバックなんだからもっと丁寧に扱わないと」

キプル「すみませんすみませんすみませんすみませぇぇぇん。思ったより中身が入っていて重くてつい落としてしまいました」

ムー「うわー、盛大に中身ぶちまけたな……なんだ?写真かこれ?」

ヘレナ「……おや、これは?」

ニール「ちょっとヘレナ。流石に人の荷物漁るのは悪趣味すぎるわよ」

ヘレナ「ヘレナみたいな善人がそんなことするわけないじゃないか。落ちている物がリサナウトの物かを確認しただけだ……くふっ。そんな事より、これ気にならないか?」

つレーヴァ、当主様。写真

カリス「当主様ってマスター事でしょ?それとレーヴァの写真ってこと?なんでリサちーの荷物からそんなもの出てくるんだろ?」

ソロモン「しかも落ちた写真にはレーヴァがマスターに寄りかかっているものが多いわね」

ムー「やっぱりソロモンも気になるのか?写真の覗き見なんていい趣味してるなぁ」

ソロモン「なっ、違うわ!これは落ちた写真を戻そうとして見えただけよ!」

227苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:19:20
ヘレナ「……もしかして、これはまずいんじゃないかな?」

ニール「まずいって何がまずいの?」

ヘレナ「写真にはレーヴァが先輩に寄りかかって寝ているだろ?」

カリス「わかった!レーヴァはきっと疲れてるんだね!レーヴァが帰ってきたらカリスちゃんが癒してあげなきゃ!」

ヘレナ「それもあるが、いくら先輩の前とはいえレーヴァがこんなに安らかに眠るなんて疲労以外にも原因があると思うな」

ソロモン「まさか怪我や病気!?」

グラウ「写真を見る限りではレーヴァテインに外傷はありません。病気の方が可能性は高いです」

カリス「ってことはレーヴァ病気なの!?早く治しに行かなきゃ!それじゃ私行ってくるね!」

ソロモン「待ってカリス!もしこれが感染病だったら他の隊の子達も同じ様な病状が出ているかもしれない。それも調べないと!ヘレナ、この写真借りるわ。先にリサナウトに謝っておいて!」

キプル「カリス〜!?ソロモンさ〜ん!……行ってしまいましたね……」

228苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:20:52
ヘレナ「相変わらずあの二人はからかいがいがある。見ていて飽きないな」

グラウ「ではヘレナ引き続き作業を行いましょう」

ヘレナ「作業?なんの話をしているんだい?」

キプル「リサナウトさんの部屋の掃除ですよ。私達も手伝いますから」

ヘレナ「…………これはヘレナが一人でやらなきゃいけないのかな?」

ニール「あの二人が出ていっちゃった原因作ったのはヘレナなんだし仕方ないんじゃない?」

ヘレナ「………………面倒だ」

ムー(しっかしあんな写真どっから仕入れたんだ?しかもあんなのがバラまかれてレヴァもマスターも大変になるのは分かってるだろうに。ま、面白そうだしいっか!)

229苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/04(金) 23:24:12
後日、リサナウトが持っていたレヴァとマスターの写真はヘレナのせいで勘違いしたカリスとソロモンの手により他のキル姫達に見られる事になる。

しばらくの間ティファレトとティルフィングは羨ましそうにレヴァを見つめ、フェイルノートとアルマスはマスターに事情を説明するように迫り、カシウスは無言でマスターに抱きつき、ラグナロクがやはりバイブスを消すかとマスターに剣を向けるのは別の話である。

レヴァが他のキル姫達にどういう事だと追われながらリサナウトやディスラプターズにぶちギレるのもまた別の話である。

〜Fin〜

230名無しさん:2019/10/05(土) 00:26:40
やっぱりポンコツなりさちーはいいなぁ!
そしてレヴァの懸念は止められなかった

231名無しさん:2019/10/05(土) 00:27:36
面白かった!
それぞれの場面がイメージ出来て笑える

232名無しさん:2019/10/05(土) 02:31:06
マスターとオッティモが結ばれる時間軸がある…だと

233名無しさん:2019/10/05(土) 12:45:21
これも全部バイブスってやつの仕業なんだ

234名無しさん:2019/10/05(土) 18:06:11
マスターとレヴァの関係がすごい気まずい空気になってそう

235エロースの恋愛相談室:2019/10/05(土) 18:57:41
エロースの恋愛相談室を投稿していたものです。

エロースの恋愛相談室シリーズで、投稿予定の実践編とは別にR18SSを書こうと思ってます。

R18内容の投稿は此方のスレでのルールに抵触するので、需要があれば下記のサイトにて挙げる予定です。

今までゆるりとで投稿したSSも順次掲載予定なので、意見の程お願いします。

↓二次小説投稿サイト ハールメン
https://syosetu.org/?mode=user&uid=289229

236苦労人レヴァとシスコンリサちーと時々ゴッド:2019/10/05(土) 19:57:48
遅くなりましたが感想ありがとうございます。ちなみに>>222は私の本音が入っています。なぜリサちーに水着来なかった!?

237名無しさん:2019/10/05(土) 20:14:04
>>236
ほんこれ!
デートしたかったよ…
まぁガチャがまた大変なことになりそうだがな!

238名無しさん:2019/10/06(日) 00:26:09
ファンキル創作勢ってハーメルンにけっこういるよな。見てみるとしっかりした小説形態の人が多くて驚く

239名無しさん:2019/10/06(日) 00:28:37
アロンちゃんの新作はまだか!?

240チャレンジアロンちゃん:2019/10/06(日) 01:04:25
書くのに99%のやる気と1%のネタの思考が必要
今は99%のやる気が足りてない後98%のやる気が必要

241ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:11:29
>>84
気が向いたのでファントム・オブ・ブラックの続編です
最初にもあるように、一部キャラへヘイトが向かうないようになっている場合があるので、読む場合は注意してください

なお、今回のお話はストーリーで語られなかったものに対しての作者が脳内保管した設定が入っています
公式の設定ではないものがあるので注意です

242ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:13:03
>>241
ファントム・オブ・ブラック
第一幕【太陽が欠けた月】

パラシュとクーゲルが死んでから3ヶ月が経過しました。
私たちはあれから難を逃れ、時には彼女らと交戦し、なんとか逃亡を続けている毎日。それはとても苦しく、いつ終わるかもわからない苦悩の日々が続いている。
いや、終わらせることは簡単なのかもしれません。逃亡生活をやめ、この命を差し出せば終りはくる。
ならどうして?時折私は考える。私たちは何故、生に終着してこうもみっともなく抗っているのかを。
1ヶ月前、突如として謎の光が世界を覆った。それを受けたバイブスを持つマスターと、キル姫以外は神令に落ちた。
私たちはそれでも戦い、戦い、戦って、いまこうして逃げているだけの生活をしている。
仮にマスターが不在だったなら、もうは私は諦めて死んでいただろう。最愛の妹のいない世界で生きる意味など、マスター以外になかったのだから。

「マスター・・・」

そう、だから今膝で寝ている彼の温もりをずっと感じていたかった。
こんな平穏をずっと感じていたかった。
それはパラシュだって、クーゲルだって同じだっただろう。
私は胸に沸き立つ黒い靄を払うかのように、マスターの頭に触れた。

「・・・ん?・・・アルテミス?」
「あ、起こしてしまいましたか?」
「んん・・・すまない。少し寝てしまってたよ」
「いいんですよ、マスター。休めるときに休んでおいたほうがいいのですから」

マスターの声は少し前まででは考えられないほど枯れていた。
痛わしい。ここまで逃げる旅に私たちに指示を出し続けていた。コマンド退けるために、この前は自分を囮にすると言う危険まで犯した。
それで彼女たちを撒いたのは良いが、あまりにも危険で無謀な行為に精神も肉体もすりきれてしまっている。

『私は、どうしてこんなにも・・・』

無力なのか。
最愛の妹アポロンを失った日、最友のクーゲルとパラシュを失った日、コマンドに反旗を翻し反撃を試みた日、そして世界に神令が訪れた日にも何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もーーー強くなると誓ったのに。
彼女たちの力に近づいていてはいても、その歴然とした差はいつまでも埋まってはいない。

「アルテミス?大丈夫?」

マスターが私の顔を見てくれている。
このまま私の心(色慾)に身を委ねて、彼と一夜を明かせばこの感情は消えるのだろうか?このどうしようもない、不安感を消せるのだろうか?

「ごめんな。不甲斐ないマスターで・・・俺にもっと、何か力があれば、こんな日々を過ごさなくてもいいようになってたかもしれないのに」

マスターは悪くない。
マスターはただの人間、ですが私たちを導いてくれた大切な人。私が悪魔の血を受け入れた時に支えてくれたあの時から、私にとってはアポロンと同じぐらい大切な人。
守りたいと切に思う。誰よりも何よりも、失ってしまった妹と仲間の分まで。
でも、私はもう、疲れきってしまったのかもしれない。
マスターを不安にさせないよう、誠意一杯の笑みを浮かべ取り繕う以外に、私にできることはなかった。

243ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:14:02
>>242
「アルテミス、行くのか?・・・やはり拙者も行こう。万一エンシェントキラーズが襲ってきた場合に貴女一人では対処できない」
「心配性ですね。問題ありませんよ、マサムネ。さすがに街にまで襲ってくるような節操なしではありませんよ、彼女たちは」
「しかし、万一ということも!」
「何人もいけば、かえって目立ちます。こういうことは私の方が得意ですし、適材適所でしょ?貴女はマスターを守っていて下さい」

マサムネは『憤怒』を司る悪魔の血を宿しても、彼女は彼女のままだ。少々怒りっぽくなっただけで、仲間のために進言してくれる。
街に食料を買ってくるだけでも、この騒ぎように私は思わず笑ってしまった。

「何を!笑いごとではないのだぞ?」
「ええ、ふふ、そうですね。でも、貴女のラース(憤怒)は街の人たちを見て我慢できますか?」
「そ、それは・・・」

マサムネは苦虫を噛み潰したような表情をしていた。あの住民を見たらそうだろう。そんな表情にもなる。憤怒を司る彼女ならなおをこと。

「あいわかった。なればこそ必ず、危険があれば知らせるのだぞ!必ずだ!約束できるな!」
「ええ、約束します。その時は必ず、伝えますよ」

私は闇に紛れるほど黒いローブ被り、森のなかへと歩を進める。
それからしばらく歩き、深い森の出口に差し掛かるところで、キル姫の気配に気付いた。
キャンプをしている場所から、わざわざ遠い場所の木の上で寝ていたのは『怠惰』を司ったレーヴァテインだった。

「行くの?一人で」
「ええ」
「そ、甘いもの買ってきてね」

素っ気ない会話だ。
私たちは特別仲がいいわけでも、会話をよくかわす間柄でもない。だから、よく衝突したものだ。
彼女は戦闘以外ではいつでも怠惰で、私は真面目であろうとしたから当然意見も合わずにこれまでやって来た。
でも、私は彼女の良さを知っている。
この場所にいるのも、エンシェントキラーズが襲ってくるのを察知するためのもので、エンシェントキラーズが唯一殺すのを躊躇い続けている自分を最前線で盾にして私達を庇うため。
本人は絶対にその事を認めはしないけれど、それがレーヴァテインの不器用な優しさなのだから、私は黙ってそれに感謝している。

「行ってらっしゃい。・・・気を付けて、待ってるから」

最後の声は酷く聞こえ難いかったけれど、確かに私の耳に届いた。

「行ってきます、レーヴァテイン」

また帰って来なければと思う。レーヴァテインの不器用なお帰り聞くために。
今夜は何にしようかなと、夕飯の献立を考えながら私は街の城壁を目指した。

244ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:15:19
>>243
街へは特にこれと言ったこともなく、すんなりと入ることができた。
それもそのはず、神令の影響を受けるものは他者への興味がまるでない。例え隣人が目の前で、突然死んだとしても誰も動じない。自分に危害さえ加わらなければどこ吹く風だ。
それを私たちは人間とは呼びたくないが、世界はそのように変わってしまった。

「相変わらず、気味が悪い」

街には人がいる。
商売もしているし、客もいて、活気もあるようにも思える。だが、それは表面的なもので、全てが事務的に行われているものにすぎない。
誰も彼もが人の目を見ていない。そこで会話をしているのに、まるでゲームのNPCと話しているかのように無機質だ。
全てが自己で完結する神令。確かにここには平和がある。でもここには、他者に求める欲がなかった。

「私が司るものも最早、この世界には不要なのかもしれませんね」

色慾を司る私は、自らの情念をいつも抑え続けている。一度解き放てば、無作為に色慾の業をばらまいてしまうだろう。
しかし、この世界は、私が業を放とうと関心を寄せることはない。それが私にとってはありがたく、それと同時に吐き気がするほど気持ちの悪いものだと感じている。

「こんな世界には一秒だっていたくありませんね」

まるで私達だけが世界に弾き出されたかのようで、私達こそが間違ってるのだと突き付けられるようで不快でーー私は早足で買いものを済ませていった。


私の背中を追う視線を感じながら。

245ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:16:26
>>244
私は買い物を済ませた後、街の中心にある教会を尋ねた。
昔のロンギヌスならば、神に祈る神聖な場として訪れていただろうが、私は特に用はない。
でも、訪れなければならない理由ができた。何故なら、私を付け狙うものがいたからだ。
教会の中は信者が祈っているが、歪なほど静寂に包まれている。私が教会に入っても誰も反応しないからだ。
こつん、こつんと私の歩く足跡だけが響いている。

「来ましたね」

その足音に異物が混じる。私は入り口の方へ振り替える。
そこにいたのはフライシュッツだった。

「貴女・・だったのですね、フライシュッツ」
「お姉ちゃんじゃ、不満だったかな?」

私は今、人生で心の底から落胆しているのかもしれない。
この場で一番出会いたくなかった彼女を見据えながら、私は諦めたように口を開く。

「ええ、そうですね。正直、貴女とダモクレス以外なら誰でも良かった」
「酷いな〜。でもわかるよ、その気持ち。貴女がこれからどうしたかったのかも、私にはわかってる」

にっこりと柔和な笑みを浮かべている彼女の風貌は以前のものとは違う。
七つの美徳が一つ、信仰を司っていた純白の彼女自信を包み込んで汚すような黒衣など、彼女には似合っていないと私は思う。

「貴女に宿った、その力で観たんですね、未来を」
「うん。貴女はここにいる住人を人質にとりながら、私とダモクレスちゃん以外を相手取って相打ち覚悟で戦おうって考えだったんでしょ。ちゃんと観てたよ、私の瞳で」
「・・・・・」

読まれていた。当然だ。彼女の瞳には未来を観測する力がある。それによって幾度となく、私たちは窮地に陥ったのだから。

「ごめんねー。私が観た未来だとみんな凄く苦戦したんだ。だって容赦なく街の人たちを盾にすものだから、まるで悪魔みたいな貴女を相手をさせるわけにはいかなかったの」
「一つ、聞いてもいいですか?」
「な〜に?」
「貴女が観た未来で、私は一人でも貴女達を下せましたか?」
「うん、無理だったよ。貴女の死は避けられなかった。お姉ちゃんがここに来た理由は、貴女がみんなに勝ったからじゃない。私がみんなが困ってるのが嫌だったから来ただけだもの」

彼女は彼女のままに答える。
一見、彼女は変わってないように思えたけれど、やはり違っていた。
そこにあるのは自己の陶酔だ。自分が嫌だから来たという想い、そんなもの本来の彼女なら抱けるはずもないのに。

246ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:18:06
>>245
「何か他に言い残すことはある?いっぱい質問していいよ、最後だから、答えられることなら答えてあげる」
「・・・前々から疑問でした。どうして貴女たちは1対1でわざわざ戦おうとするのですか?貴女たちが本気ならもうとっくの昔に、私たちは・・・」
「楽になれた?・・・うん、そうだね。そうしなかったのには理由があるの」
「理由?」
「世界は神令を受けて、神令によって人は個を尊重し、他者を共鳴することをやめたことで争うこともやめることができたの。でもね、本来ならあの日に全ての決着がつくはずだったのに、バイブスを持つマスターとキル姫という神令の影響を受けない例外があることがわかった」
「そう、だから貴女たちはバイブス持ちと繋がったキル姫を殺そうとしてたのですね」
「・・・うん。完全な神令ってのはね、実は肉体を消して完全な一人の唯一神とするというものだったらしいの。難しいことはお姉ちゃんにはよくわかんないけど」

肉体を消し、精神と魂だけの存在になる。それはまるでキル姫やイミテーションのようだ。

「そしてこれが重要なんだけど、神令が不完全のまま発動した原因。初めはバイブスとキラーズの影響のせいかもと彼女は言っていたけれど、でも違った。原因は私たちににあったの」
「貴女たちに?」
「神令は神令の影響下にある神の一部であった私たち全員の力と彼女の制御が必要だったんだけどね、私たちの神令が不完全な状態だったから発動も不完全になっちゃったの」

フライシュッツは少し悲しそうに、私から目をそらしながら続けた。

「・・・それがわかったのは、ミネルヴァちゃんがセブンスキラーズのみんなを殺したとき。その時、ミネルヴァちゃんの涙から仮面が形成されたの。後で彼女が言ってたよ、その仮面はペルソナで、本当の自分を切り捨てるためにあるものだって」

仮面を形成させて初めて完成するのが神令のキル姫ということに私は納得がいった。
ミネルヴァとはいまだに出会っていないが、クーゲルとパラシュを倒した後に出会ったエルキュールとスイハが趣味の悪い仮面つけていたのを覚えている。彼女たちにわずかに残った情すらもなくなっていたことも。

「それと、その仮面を作る条件が、親しい友達を殺して心から悲しんだ時、その時の流した心からの涙が私達の余計な感情を洗い出すの」
「・・・だから私達を殺さなければならなかったというわけなのですね」

なんて趣味の悪い儀式だ。
他者との共鳴を捨てさせるには有効であることは理解できても、それを実行するエンシェントたちの気持ちを思えばーーーと、考えたところで私ははっとなってフライシュッツに質問をする。

247ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:21:16
>>246
「もしかして、こうして私とこんな会話を続けているのは」
「うん、少しでも長く生きてもらいたいからかな?貴女に。・・・だって・・・お姉ちゃん・・・エンシェントのみんなのことも、君たちのこともみんな、みんな大好きだもん、殺したくなんて・・・ないよ」

フライシュッツの心の叫びが教会へ響き渡る。
彼女に残された唯一の良心が吐露される。
思えば彼女は老若男女誰でも好きになることができる美徳持つ。そこに隔たりはない。時に好きという感情が暴走することもあるが、それは心からの好きという感情の裏返し。
もしかしたら私たちがこうして今まで生きていられたのは、彼女の本心が、私達を極力殺さない未来を導いていたのかもしれない。

「今だってそっちのマスターくんと、彼女が和解してほしいって思ってる。けど、もう私たちはいっぱいいっぱい人を殺しちゃったし、彼女は絶対に歩みを止めない。だから私は選ばなくちゃならなかったの・・・貴女たち全部とエンシェントのみんなのどちらかを・・・」

そして選んだ結果が今ということ。
なんて残酷な懺悔なのだろう。こんなことで許されるはずのない大罪を、いまこのときに私に語るなんて。
聞きたくなかった。こんな想いを知ったら、私は弓を引けない。私にとっても彼女は大好きな友人であり、彼女の誰にたいしても本音で好意を伝えられるその美徳に憧れを持っていたのだから。

「ごめんね・・・ごめんね・・・」

フライシュッツは銃を出現させ私に突き付ける。その手は酷く震えていた。放ったとして当たるかはわからないほどだったが、それでも彼女は当てるだろう。
彼女は魔弾の射手、一度打てば必中の呪い。必ず私を絶命に追い込む。
殺さないようにするためには、撃たないという選択をとらなければならないが神令はそうさせてくれないだろう。
私は弓と矢を出現させ、フライシュッツへ矢尻の焦点を合わせた。

『さようなら。フライシュッツ』

鈍い銃声の音が、教会の中に響き渡る。

『そして、さようなら。みんな』

フライシュッツの魔弾は私の心臓を抉った。
急速に血の気がひいていき、意識が断絶しようとする。
黒ずんでいく視界のなかでフライシュッツは泣いていた。流れた大粒の涙は固まっていき、徐々に仮面へと形が変化していく。
こんなことがあっても、周囲の教会で祈っている人たちはフライシュッツにも、死にゆく私にも関心を向けてはいない。ああ、本当に気持ちが悪いと私は思う。

『ごめんなさい』

もし私が強ければ彼女を苦しみから解き放てたかもしれない。それが死であったとしても。

『ごめんなさい』

先立つ私を許してください。でもマスター、みんな、私が死んでも悲しまないで。諦めてしまった私はここで歩みを止めて眠ります。

『ごめんなさい』

でもどうか、最後に私が撃った矢が、マスターたちの助けとなれれば幸いです。

『いままで、ありがとう』

私は最後にマスターたちへ感謝を、そしてこれからの行く末を祈りながら、太陽も月も沈む暗闇に意識を沈ませていった。

248ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:22:19
>>247
レーヴァテインは街の中心から巨大な魔力を感じ、即座に森を飛び出して街へと向かっていた。
普段の怠惰な彼女を知るものが見たならば、何事かと思うほどに焦りを感じさせる。

「・・・死んでいないでよ、アルテミス。あなたの作る料理・・・いつも、楽しみだったんだから」

もうすぐ街の正門付近に早々と辿り着いたレーヴァテインだったが、そこまでに差し掛かって歩みを止めた。
空から何かが飛来してくる。
彼女はその何かを迎撃しようとレーヴァテインの神器を出現させようとしてーー

「嘘・・・!?」

神器現出をキャンセルして、ふってきたそれをキャッチする。

「これは、アルテミスの神器の矢・・・」

手に握られたのは月の光が宿ったかのような暖かな銀色の矢だった。
エンシェントと交戦したさいに飛んできたものとは考えがたい。とするならば意図的にレーヴァテインへ届けられたものであると考えるのが妥当だろう。
だが、しかし、何故?そんな彼女の疑問は数秒で解消されることになる。

「頭の中に記憶が入ってくる・・!」

アルテミスの記憶がレーヴァテインにフラッシュバックする。脳に投影された記憶は、フライシュッツと会話した一部始終と、彼女の最後の遺言に等しい独白だった。

「・・・・・・」

レーヴァテインは絶句する。
仲間の死を確信させられ、フライシュッツの心情を知った。心がぐちゃぐちゃにかきみだされしまいそうな混乱の中、彼女のきた道から気配を感じる。
レーヴァテインは彼女をいかせまいと、その場に立ち塞がった。

「どけ、レーヴァテイン。拙者は行かねばならぬ」
「行くってどこへ?」
「決まっておる。アルテミスのところだ」
「もう、助けられないってわかっているのに?」

レーヴァテインはアルテミスの神器をマサムネに見せた。銀色の弓矢は優しい光を放ち、マサムネにも記憶を共有した。

「ああ、・・・あアッ!!」

言葉にならない怒りがマサムネに駆け巡り、彼女は腰の刀を抜いてその刀を地面に突き刺した。

「また私は、友との約束も果たせずに!」

向かい先のない憤りは彼女の中に溜まっていく。既に決壊しかかっている感情を止める術を忘れてしまいそうなほどに荒れ狂っていた。

「私は!私は!もう我慢など!」
「このままエンシェントを倒しに行く?マスターを一人残して」

静かに告げたレーヴァテインの一言で、マサムネは駆けだしそうになる脚を残った理性で押し留めるが。

「しかし!このままでいいのかレーヴァテイン!仲間の無念を果たさずして何がーーー」

そう言いかけたマサムネは言葉を失う。
レーヴァテインは静かに怒っている。憤怒を司るマサムネですら畏縮させられるほどに。

「それ以上言わないで・・・面倒なことになる」

声音は静かに。
それでいて透き通るように。
そして研ぎ澄まされた刃のように漏れた殺気が突き立てられている錯覚をマサムネは覚えた。

「ティルフィングとロンギヌスはまだ帰っていない。いまここで、感情のままに私たちがエンシェントと戦いにいけば私達の気は晴れるでしょうね。面倒事とあの二人とマスターに任せればいい。そう任せれば楽になれる。・・・でもそれは嫌」
「・・・そうだな。すまなかった。戻ろう、マスターの下へ」

互いにのぼった血を沈めながら、彼女たちはマスターの所へ帰っていく。

『すまぬ、アルテミス。この仇は必ず取る!だから安心して眠っていてほしい』
『面倒だけどちゃんとやるよ最後まで、だからアルテミス・・・天国があったら、アポロンと仲良くね』

二人は急ぎ足でその場を後にし、アルテミスに別れを告げて走り去った。
これから先、さらに厳しい戦いが待つの明白だ。心を挫いてもいられない。
まだティルフィングもロンギヌスもいる。全てが終わったわけではないからと、自分に言い聞かせる二人はマスターの下に戻ると、一つの知らせを聞くことになる。

ーーこの日、アルテミスと同様に、ロンギヌスも死亡したのだと。

249ファントム・オブ・ブラック:2019/10/06(日) 22:31:06
あ、訂正です
マサムネの二人称は主君でしたねすみません

コマンドチームの謎の仮面と神令の詳細について書いてみました
それと最後にコマンドシュッツがアルテミスを殺した際に涙したのは、自分への陶酔の涙だったのか、それとも本当にアルテミスを殺したことについて悲しんでいたのかはご想像にお任せします(自分の中では決まっているのですが)

続編は時間があれば書こうと思いますので、気長に待っていてください

250名無しさん:2019/10/07(月) 00:35:50
ズレた感想かもだけどキル姫って人格はあるけど殺人兵器でもあったんだよなあとしんみりした

251名無しさん:2019/10/07(月) 01:06:53
ブラックのマスターは女?

252ファントム・オブ・ブラック:2019/10/07(月) 01:19:18
マスターの性別は決めていません
女性かも知れませんし、男性かも知れません
それは読み手次第とさせていただきます

253ファントム・オブ・ブラック:2019/10/07(月) 01:24:18
まあでも一応私のイメージとしては男性としては書いていますね

254名無しさん:2019/10/07(月) 12:39:17
SSスレのレスが増える度アロンちゃんの新作が来たかと一喜一憂してしまう

255名無しさん:2019/10/07(月) 13:45:27
アロンちゃんはSSスレ界のレジェンドだからな

256名無しさん:2019/10/07(月) 14:58:56
こいつらアロンちゃんアンチだからわざとこんなレスしてんだろうな
>>240でアロンちゃんの作者がこういうレスしてんのもこれが原因だろ

257名無しさん:2019/10/08(火) 19:39:21
ちょうど人気投票やってるし俺らもSSスレで人気投票やらないか?
俺はこのSSスレも生み出したダモのSS書いた不詳の作者に一票な

258名無しさん:2019/10/08(火) 20:05:04
こんな誰でも書き込めるような場所でそういうのはやめとけ

259名無しさん:2019/10/08(火) 21:22:39
作者さん方のモチベーション低下にも
繋がりそうだしそんなもんは止めるべきだ
迂闊な事はやらん方がいい

260名無しさん:2019/10/08(火) 23:35:42
荒しの種になるようなこと書き込むのやめていただけませんかねぇ

261名無しさん:2019/10/08(火) 23:45:00
どうせアロンちゃんが優勝するんだからやる意味無い

262EPILOGUE ティルフィングAFTER:2019/10/10(木) 22:40:26
以前投稿したEPILOGUEティルフィングの後日談です。

R-18なシーンがメインの話になっており、このスレのルールに抵触してしまうので、下記URLのサイトに投稿しています。

R-18シーンを抜いたものは後日こちらで投稿する予定です。

良ければ、感想・意見を頂けると嬉しいです。

二次小説投稿サイト ハールメン
https://syosetu.org/?mode=user&uid=289229

263名無しさん:2019/10/10(木) 23:29:10
私の名前はネス、これは私がまだキル姫になる前の話です。

当時、仲が良かった男の子の友達が居ました
彼はとても悪戯が好きで私はその度に「節制が足りませんね、規律を定めます」なんて彼を叱っていました。

その日も私は彼と一緒に遊んでいました。

彼はまた何かを企んでいるようでとあるアパートの前まで連れて行かれました

「また悪戯する気ですか?」と尋ねると彼はニヤリと笑い突然叫びました
「出てこいオカ マ野郎ーーwww」
そこはオカ マが住むとても危険なアパートでした

叫んでから瞬きを2、3回する程度の時間でしょうか、私が呆然と立ち尽くしているとオカマはすぐに部屋から出てきました

「んだクソガキくぉらぁ‼︎」

そう言ってこちらに向かってきました
私は身の危険を感じ全力で走りました、彼も同時に走ります「ひゃっほぉおおおいw」などと叫んでいました

しかしオカ マは速かった、速すぎました。
もう逃げられないと思ったその時です、私の中に眠るキラーズが目覚め私はキル姫になりました。

なんとか逃げ切りましたが友達はダメでした
死にました

264名無しさん:2019/10/10(木) 23:30:26
あとがき

本当はネス視点のハートフルな物語を書く予定でしたが途中でとあるコピペを思い出し路線変更してしまいました。

不愉快な思いをされる方がいるかもしれません
申し訳ありません。

265名無しさん:2019/10/10(木) 23:34:35
エンシェントは素体になった人間はいなかったはずでは!?(何故かマジレスしたくなった)

266名無しさん:2019/10/10(木) 23:47:33
>>265
本来の設定を無視し、不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
今後このようなクソssは書かないと誓います。

267名無しさん:2019/10/11(金) 00:39:21
書いてくれるだけで嬉しいからあんまり気にしないで

268EPILOGUE ティルフィングAFTER:2019/10/11(金) 16:19:17
エロースの恋愛相談室の後日談です。

今まで投稿したエロースの恋愛相談室(お悩み相談室)シリーズは下記のサイトにまとめて投稿しています。

過去作を御覧になる方は、下記URLをご活用下さい。

小説投稿サイト ハールメン
https://syosetu.org/?mode=user&uid=289229

269エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:20:28

ーーー恋愛は知識だけじゃダメだって思い知ったので、その……

ーーー色々なことを教えてくださいね……?

マスターと恋人同士になり、そんなやり取りをした後も色んなことがあった。

最初は恋人同士になれたことが嬉しくて気にしてなかったけど……

皆が慕っているマスターと付き合ったことを、隊の皆に認めて貰えるか不安で堪らなかった。

けれど皆はマスターの選んだ人ならと、私達を祝福してくれて。

数週間が経ち、隊公認の私達の仲は更に深まって……

「はぁ〜〜……」

深まって、なかった。

「恋愛って、難しいですね〜……」

270エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:21:07

恋愛相談室に代わって立ち上げたお悩み相談室が思いの外盛況だった。

それはいい。

忙しいけどマスターと一緒にいられるから、全然構わない。

問題は……。

「あ、マスター!エロースと散歩に行きませんか?」

「ごめん!今から用があるんだ」

「じ、じゃあ一緒に……」

「え、いや、一人で大丈夫だよ。それじゃ行ってくるね」

マスターが全然構ってくれない。

一人で街に出掛けて行ってしまった。

「私、マスターの恋人ですよね……?」

こんなやりとりが毎日続いていた。

ーーーーーー

ーーー

「…………っていう感じなんです。……アダマス、エロースの話聞いてます?」

「アンタ、今日はいつにも増してグイグイくるわね……」

アダマスは(とても嫌そうな顔で)溜め息をつきながらも、相談にのってくれた。

「どうしてマスターは私のことを避けるんでしょう……?」

「全然構ってくれない、ねぇ……。しかも一人で出掛けていくとなると」

「浮気ね」

「え、えぇ!?って、マスターはそんなことしません!」

「思いっきり動揺してるじゃない」

あ、これ絶対弄られてる。

「もぉ、真剣に考えてくださいよ。これでもエロースは本当に困ってて……」

「ふぅん?じゃあマスターに構って欲しいって言ったの?」

「え?い、言ってないです」

「何の用事なのかとか、自分との時間を作って欲しいとか、そういうことは?」

……言ってない。

「相変わらず恋愛ごとに臆病ね。告白だってマスターの方からしたんじゃないの?」

「うっ……」

全部アダマスの言うとおりだった。

「いいから取り敢えずその辺のこと聞いてみなさいよ。マスターから話を聞けば全部済む話でしょ」

「そう、ですね。アダマス、ありがとうございます。上手くいったら報告しますね!」

「もう二度と聞きたくない」

アダマスはそう言うけど、口元が少し緩んでいた。

何だかんだいって助けてくれる、彼女の優しさに感謝した。

271エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:21:47

ーーーマスターに正直な気持ちを伝えよう

そう決めてから数時間後。

私達が泊まっている宿。マスターの部屋の前。

そこで、私は勇気を出せれずにいた。

「うぅ〜……。もしマスターにしつこいって思われたら……。いや、でも……」

いざノックをしようとしても、言い訳がどんどん頭の中で浮かんでくる。

「だ、ダメです!女の子は度胸と愛嬌!覚悟してくださいねマスター!」

「……僕は何をされるんだろう」

「……あれれ?」

振り向くと、そこにはマスターが。

「…………」

そういえば、さっき用事で街に出掛けてましたね。

誰も居ない部屋の前でうんうんと唸っていたかと思うと、恥ずかしさが込み上げてくる。

「き、今日はこのぐらいにしておきますから!覚えててください!」

「えぇ〜……?」

想定外の事態に今回は戦略的撤退を選んだのだった。

272エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:22:21

その後

「あ、あだます〜〜……」

「チキってんじゃないわよ!早くいけ!」

273エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:22:58

翌日。

気を取り直して、マスターに声を掛ける。

「あ、あの、マスターの用事って、何なんですか……?」

「ごめん、それはまだ話せないんだ」

まだ。

「それは、いつか教えてくれるってことですよね……?」

「うん。約束する」

そう言ってマスターは小指を差し出してきた。

自分の小指を絡ませて指切りをする。

まだ言いたいことはある。

寂しいとか、構って欲しいとか、でも。

「寂しい思いをさせてごめん。用事はもう少しで終わる筈なんだ。だから」

「その時は思いっきり遊ぼう」

「……はい!」

こうしてマスターは欲しい言葉をかけてくれるから、私は流されてしまう。

そこには、彼の些細な言葉や気遣いに喜んでしまう自分がいて。

マスターのことが大好きなのだと改めて思い知る。

「マスターは罪な人ですね」

「?」

ボソッと呟いたその言葉が、彼の耳に届くことはなかった。

274エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:23:40

その後

「あ、アダマス!聞いてください!」

「うるさい!いちいち報告すんな!」

275エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:24:11

そして、アダマスに嬉々として報告を済ませたその後。

「……え?」

隊の子から、街中で女の子と楽しそうにプレゼントを選ぶマスターに似た姿を見たと聞いた。

「うそ、ですよね?マスター……」

276エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:25:37

私達が泊まってる宿。

アダマスの部屋をノックする。

「今度は何?……陰鬱な顔してないで、用があるならさっさと部屋の中に入りなさい」

アダマスは私を部屋にあげ、茶々を入れずに相談にのってくれた。

「本当に浮気してたとはね」

本気で彼女は怒っていた。

「ちょん切るか」

「やめてください、アダマス」

私はマスターを責めたい訳ではなくて。

「どうしたら、マスターに振り向いて貰えると思いますか……?」

「でもアイツは……」

「マスターのこと、エロースは諦めきれません」

「……ハァ」

アダマスは、仕方ないと言いたげに溜め息をついた。

「じゃあ、マスターにアンタがいい女だって分からせてやるしかないわね」

「えっと、それって……?」

「アンタは元々他人の恋愛相談に乗ろうとしてたんでしょ?だったら今度は自分で実践してみせなさい」

ーーーーーー

ーーー

マスターに告白されて。

マスターに欲しい言葉をかけて貰って。

今までずっとマスターに貰ってばかりで、自分から何かをすることはなかった。

だから、これがその第一歩。

「ま、マスター!エロースとデートしましょう!」

これから、乙女の戦争が始まる。

277エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:27:06

自分から誘うことがこんなに勇気がいることだと思ってなかった。

マスターはデートの誘いに快くOKをしてくれて、今は街の中で手を繋いで歩いている。

「エロース」

「は、はい!」

緊張で声が上擦る、心臓がうるさい。

「カフェがあるからそこで一息つこうか」

マスターが自然にリードしてくれる。

嬉しい、けど。

自分から行動しないと!

「い、いえ、エロースがデートプランを考えたので、マスターは大船に乗ったつもりで……きゃう!」

ポキッと、靴のヒールが折れ、転びそうになる。

そんな私をマスターは抱き留めてくれて、

「よっ……と。大丈夫?」

「は、はい……わっ!」

そのままお姫様抱っこをされる。

「ま、マスター!ひ、人目があるのに!」

「僕も恥ずかしい。でも靴屋までは我慢して」

マスターは私を抱きかかえたまま、駆け足で靴屋に向かった。

その大胆さが男らしくて、きゅんとしてしまう。

マスターに靴屋でブーツを見繕って貰って、そのまま服屋に行って色んな格好をして、誉めて貰ったりして。

デートはプラン通りにいかなかったけど、これはこれで……

278エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:27:43

「ってこのままじゃダメです!」

「うわ!ど、どうしたの?」

カフェで一息ついてる途中で正気に戻る。

「か、観覧車!観覧車に乗りましょう!」

「この街にはないけど」

「だったら2人でボートに……!」

「この近くには湖も池もないよ」

「え、えと!えっと!」

「エロース」

ポンと、マスターの手が私の頭に乗せられ、そのまま優しく撫でられる。

「無理に恋人らしく振る舞おうとしなくても、僕達のペースでいいんじゃないかな?」

「……マスターはズルいです」

そんなこと言われて頭を撫でられたら、もう何もできない。

その心地よさに身を委ねて

「マスター、私だけを見てくれませんか……?」

気がつけばそんなことを呟いていた。

マスターの手がピタリと止まる。

「……エロース」

「それは、約束できそうにない」

目の前が真っ暗になった。

279エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:28:34

あれ?何をしてたんでしたっけ?

……そっか。

私、マスターから逃げ出したんでした。

あはは、エロースってこんなに独占欲が強かったんですね。

……エロースは悪くないですよね?

だってマスターが他の子と浮気するから……。

だから。

…………。

本当は分かってたんです。

マスターのそれが誤解だってことぐらい。

マスターは浮気するような人じゃない。

分かってます。分かってますけど。

でも自分に自信がなくて、いつかマスターの心が離れていくんじゃないかって不安で。

だから悪いのはマスターじゃなくてエロースなんです。

お悩み相談室を始めてからずっと、マスターは忙しい中でも欠かさず私のことを手伝ってくれたのに。

今まで私はマスターに何もしてあげられなくて。

愛されたいと願うばかりで、愛する努力を怠ってました。

それなのに私だけを見て欲しい、なんて図々しいですよね。

せっかく一歩を踏み出しても、マスターとのデートに浮かれてしまって失敗ばかり。

だって、しょうがないじゃないですか。

エロースはマスターのことが好きで、大好きですから。

…………辛いな。

280エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:29:31

宿に戻ってから泣き続けて、疲れてしまった。

「……マスター」

マスターのことだから、きっと私を必死で探してくれてるに違いない。

……顔を合わせたら、何て言えばいいんだろう?

コンコン、とノックの音が響く。

「エロース、いる……?」

「……はい」

「入ってもいいかな?」

「…………今は、まだ」

泣きはらした顔を見られたくない。

どんな言葉を掛けたらいいのか分からない。

「そっか。だったらそのままで聞いてほしい」

「君が僕の恋人になって、僕は浮かれていたんだと思う」

「君に寂しい思いをさせてたことを知ってて、それでも自分のワガママを優先した。……ごめん」

「マスターだってエロースのワガママを聞いてくれました」

恋愛相談室の時も、お悩み相談室の時も。

「だから、おあいこです」

今回のことも、私の独占欲が強過ぎただけ。

「エロースなんかをずっと見て欲しい、なんて行き過ぎたワガママですよね」

こんな私を見てくれるなら、恋人という今の立ち位置なら、充分幸せだ。

それ以上を望むなんて、やっぱり私はワガママだ。

「違う!」

「君が僕に見て欲しいと言ってくれた時、本当に嬉しかった!でも」

「僕はこの隊の、皆のマスターだから。君だけの僕ではいられないんだ」

彼は、隊の皆にとってのマスターで、私の恋人だけではいられない。

そんな当たり前のことが抜け落ちていた。

281エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:30:10

「マスター……」

理解はできても、納得は出来なかった。

「他の子達と同じじゃ、イヤなんです」

「ごめんなさい。こんないけない子で……」

「…………」

ドア越しに沈黙が伝わってくる。

自分がここまで自分勝手だなんて思わなかった。

「エロースのこと、嫌いになっちゃいました……?」

こんな最低なことを聞く自分に嫌気が差す。

マスターは絶対に相手を傷つけるような発言はしない。

「そんなことない」と言って欲しくて、自分が安心したくて、こんなズルい問いかけをマスターにしている。

マスターは

「………」

何も、答えてくれなかった。

「あはは……」

ーーー「好き」がこんなに辛いものだなんて、知らなかったな。

「恋って難しいですよね。両想いになれたら、後は勝手に上手くいくんだって思ってました……」

「……僕もだよ。上手くいかなくて困ってる」

「だから、僕の恋の悩みを聞いて貰ってもいいかな?」

282エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:30:58

恋の悩み。恋愛相談。

「……恋愛相談室は、もうやってませんよ?」

「今回だけお願い出来ないかな?これで最後にしてみせるから」

最後。その言葉が耳に残った。

「……はい。マスターは何に悩んでるんですか?」

「好きな子がいるんだ。とても可愛くて、不器用な子」

「金髪で、皆の為に悩みを聞いて回ってて……」

……私の、こと?

「その子は自分に自信が持ててなくて、どこか遠慮がちな所があって……」

「好きだって伝えたいけど、言葉だけじゃ彼女はきっとすぐに不安になってしまうと思うんだ」

「そんな彼女に、僕が本当に好きなんだってことを伝えたくて、沢山慣れないことをした」

「……え?」

「毎日街で働いて、自分で稼いだお金でどうしても渡したいものがあったから」

「給料3ヶ月分とまではいかないかもしれないけど」

「……エロース、君に受け取ってほしい」

ドアを開けて、マスターが差し出した小さな箱を受け取る。

「あ……」

箱を開けると、指輪が小さく煌めいていた。

283エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:31:33

「ま、マスター、これ……」

「ずっと黙っててごめん。君を驚かせたくて……」

マスターが一人で街に行っていた事実。

私を同伴させてくれなかった理由。

プレゼントを選んでたマスターの姿。

「全部、エロースにこれを渡すために……?」

「うん。僕は皆のマスターでなくちゃいけないけど、君だけが特別なんだって分かってほしくて」

ズルい。

さっきまでの辛さが嘘みたいに消えていて、幸せで瞳から涙がポロポロと溢れていく。

「もう、紛らわし過ぎます……!」

言葉とは裏腹に、自然と笑みが零れていて。

「ごめん、指輪を買うことに必死で、その間君をないがしろにしてたかもしれない」

その必死さは、自分のためにしてくれたことだから。

「だからこれで最後にする。もう君に寂しい想いをさせたりなんてしない」

「だから、指輪を付けてくれるかな?」

本当に、ズルい。

幸せ過ぎて、こんなの断れるわけなくて。

「……はい!」

本当に恋って、思い通りにならないなって思った。

284エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:32:10

「えへへ……」

部屋の中彼女とベッドに腰掛け、寄り添いあう。

「僕の好きは伝わったかな?」

「はい、バッチリです!」

エロースは左手の薬指で輝く指輪を眺めながら、嬉しそうにはにかんだ。

誤解が解けて本当に良かった。

良かった、けど。

「もう少し僕のこと信じて欲しかったな」

「え、エロースはマスターのこと信じてましたよ!マスターが浮気してるなんて、思ってな……」

「ううん、そっちじゃなくて」

「僕が君を愛してるってことを」

「あ……」

エロースは顔を真っ赤にして俯く。

「ご、ごめんなさい。で、でも、もう充分伝わりましたから」

「そっか、やっぱり分かってないみたいだね」

「え、え?え?」

彼女は何が何だかといった感じで、あたふたしている。

「指輪を渡しただけで収まるような気持ちじゃないってことだよ」

「ま、ますた、んぅ!ちゅ、ちゅぅ…」

彼女の唇を強引に奪う。

「ぷぁ……、ますたぁ……」

エロースは惚けきった表情で僕を見つめて、

「ん……」

目を閉じ、唇から舌を覗かせて、無言でキスをねだる。

「ん!んぅ、ちゅ、ちゅる、ちゅ!」

僕達にとって、この日は忘れられない夜になった。

285エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:32:52

ーーーだからこれで最後にする。もう君に寂しい想いをさせたりなんてしない。

マスターがそう言ってくれてからというものの、2人でいる時間が長くなりました。

互いに支え合って、些細なことで言い争って、夜には愛し合って。

それでも、マスターにずっと私だけを見て貰える訳ではないですけど。

「……ふふ」

でも、大丈夫です。

左手の薬指にはめられたこの指輪が、私がマスターにとって特別なんだって教えてくれますから。

それに、マスターは皆の為に頑張る私を好きだと言ってくれましたけど……。

「エロースも、皆の為に頑張るマスターが好きだったみたいです」

恋愛は難しくて、だからこそ。

お互いが好きな自分であるために、私もマスターも、隊の皆の為に頑張るんです!

「あ、あの、エロースさん、悩みを聞いて貰っていいですか……?」

「勿論です!その悩み、エロースが解決しちゃいますね!」

エロースのお悩み相談室!

困ったことや悩みがあれば遠慮せずに何でも相談してくださいね!
  




Fin

286エロースの恋愛相談室 実践編:2019/10/11(金) 16:33:34

おまけ
エロースのお悩み相談室 番外編

・アダマスの場合

アダマス
「エロース、ちょっといいかしら?」

エロース
「え!アダマス、悩みがあるんですか!?」

アダマス
「アンタぶっ飛ばすわよ」

マスター
「まぁまぁ」

アダマス
「アンタもアンタよ。ったくこのバカップルは……」

エロース
「褒め言葉ですね!何に悩んでるんですか?」

アダマス
「……毎晩隣の部屋から聞こえてくる喘ぎ声がうるさいんだけど」

宿の壁は薄い。

もうお嫁にいけません…… byエロース

287名無しさん:2019/10/11(金) 19:59:02
アダマスの恋愛相談室が開設されそうな姉御感すこぉ!

288名無しさん:2019/10/11(金) 20:22:19
ゲームですら一度も使われたことないアダマスエロース設定を使ってくれてありがとう
アダマスは耐性がないから隣からの喘ぎ声で顔真っ赤になってると思う

289リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/11(金) 23:25:12
【でぃすらぷ!】
第5話「これが私の……」

レーヴァ、どうぞ…食後の紅茶よ」

「……ありがとう」

あの一件以来、とても困っている…

スッキリ事件で何か吹っ切れたのか、最近ソロモンの距離感が近い。
今も朝食をとる間、ずっと隣でこちらを眺め、事あるごとに世話をやいてくる。
それだけならまだしも、時折体を寄せてきたり、手に触れようとしたり、隙あらばスキンシップを図ろうとしてくるし…。
ヘレナとカリスはと言うと、私が起きて来た時にはすで居らず、ソロモンいわく「2人なら朝の体操よ!」とのことで、今はソロモンと2人きりだ。

正直、こうも接近されると妙に意識してしまい気まずいのだけど…

なにはともあれ、これ以上ソロモンの行動が暴走する前に手を打つ必要がありそう…

「ソロモン、もう少し自重してくれる?」
「え?あぁ、そうね…ごめんなさい…つい…」

シュンとするソロモンに、なんだかちょっと心苦しくなる…

「別に…謝らなくていいわ。嫌な訳じゃないし…」
「もう、君はまたそうやって」

ソロモンは頬を膨らませて不満そうに言った

「私が言うのも変だけど、たまにはしっかり拒否すべきよ?君のその優しさは嬉しいけれど、どうしても甘える原因になっているわ」

確かにそうかもしれない…中途半端な態度はかえって相手に悪いのかも…

「じゃあ、近いから離れて。あと、自分の事は自分でするから大丈夫よ…それから…」
「…………」

ソロモンが少し涙目になる…だからはっきり言わなかったのに…

「はぁ…悪かったわ…嫌じゃないのは本当だから…」
「そ、そう?良かった!君に嫌われたらどうしようかと…生きていけないもの」
「そう言うの、いいから…」

ふと、ソロモンは眉をひそめて真剣な声色で尋ねてきた

「君は、私の気持ちに気付いているわよね…?」
「………」

……卑怯だとは思いつつ、あえて何も答えない…

「うん、それを前提で少し話しをするわ」

深呼吸をしてゆっくりと語り始めた…

「今はレーヴァの目的の為に戦う日々…だから結論を迫ったりはしない。でも、私には私なりに思い描く未来があるわ。今はそのために一手一手、駒を進めているの。攻略するのは、もちろん君…。君にとって『約束』が大事なように、私にとっては重要な事よ」
「…うん」

ソロモンはそっと…優しく頭を撫でてくる…

「君はさっき、そう言うのはいいって言ったけど、レーヴァと共に戦い、命を懸けられる事は私の誇りだから!やっぱり私にとっては大切な存在…ずっと、ずっと君の側に居る…君を支える。それが私の…」
「『最適解』…でしょ?」
「……そうね、少し前の私ならそう言うわ。でも、ちょっと違う…」
「…何?」
「それが私の『願い』…!分析や計算で導き出されたものじゃない、純粋な私の気持ちよ…この想いにだけは、そうはっきり言えるわ」

一気に鼓動が高まる。真面目な顔でそんな事を言われちゃ…
自然な流れでそっと手を組んでくるソロモン…その瞳は僅かに潤んでいるように見える

「いつか全ての戦いが終わった時、そこからが私と君との本当の勝負…きっと、いいえ…必ず君にチェックメイトしてみせるから!」

子供のような彼女の笑顔に、不覚にも吸い込まれそうになった…

「ふん…受けて立つわ…」

駄目だ…精一杯強がったものの、完全にソロモンのペースに飲まれている気がする

「ふふっ、覚悟してレーヴァ!私の攻めは優しくないわよ?早めにリザインするのが賢明ね!」
「調子に乗らないで…」

手をほどいて押し返す。
話に気を取られて気付かなかったけれど、随分と近くまで体が寄せられていた…。本当に、油断も隙もない…

『はぁ…ソロモンと駆け引き勝負…か…』

ソロモンの戦術の鋭さは承知している。気を引き締めないと、簡単に負けそう…
いや、こうやって彼女の好意を突き放せない時点で勝敗はもう…

「………負けないし…!」

こみ上げる感情を閉じ込めるように、ぎゅっと胸を押さえた。

つづく

290名無しさん:2019/10/11(金) 23:26:59
よき、よき

291リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/11(金) 23:27:13
少なくともでぃすらぷ!は最後まで書きたいと思います
またよろしくお願いします!

292名無しさん:2019/10/11(金) 23:28:17
帰って来てくれた!嬉しい!

293名無しさん:2019/10/11(金) 23:37:23
アロンちゃんなんていらなかったんや!

294名無しさん:2019/10/11(金) 23:39:50
こうやって対立煽りするやつは何が楽しいんだろ

295名無しさん:2019/10/11(金) 23:41:44
ディスラプ!ディスラプ!

296名無しさん:2019/10/11(金) 23:51:54
>>294
さあ?こういう煽りたい奴の神経は理解出来ないというか理解したくない

297名無しさん:2019/10/12(土) 00:26:56
これに加えてヘレナとカリスのターンがあるのか…
地底から自称姉の乱入者も来そう

298チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 02:37:06
チャレンジアロンちゃん13

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

アロンダイト
「マスター見てください!」

マスター
「なにアロン?」

アロンダイトは背中を反らせ空き瓶を胸の上に置いていた

マスター
「アロンなにやってんの?」

アロンダイト
「おっぱいチャレンジだったかたわわチャレンジだったか忘れましたが胸の上に物を乗せるチャレンジです」

マスター
「とりあえず体反らすのやめたら?」

アロンダイト
「はい私もそろそろきついと思っていたので」

アロンダイトは背中を反らすのをやめた

マスター
「それでさアロン」

アロンダイト
「はいなんですか?」

マスター
「その....たわわチャレンジ?って言うの?なんか違くない?」

アロンダイト
「え?どこが違うんですか?」

マスター
「その...たわわチャレンジってのは...なんて言うんだろう...フライシュッツみたいに大きい胸の人がやるものじゃない?」

アロンダイト
「ですが胸の上に物が乗っているこれになんの違いがあるって言うんですか!?」

マスター
「物は言い様だな〜」

299チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 02:47:40
>>298
マスター
「とりあえず体を反らさずにやるものだと思うよ」

*******

アロンダイト
「とマスターに言い負かされてしまいました」

アバリス
「それをなぜ私たちに言うんですか?」

アロンダイト
「やはり頼るべきは姉かと思いまして」

アロンダイト
「それに三人よればもんじゃの知恵って言いますし」

カシウス
「アロンダイトそれを言うなら三人よれば文殊の知恵」

アロンダイト
「そうでしたっけ?」

カシウス
「でも良き思考が巡って来るかもしれないし妹を助けるのも姉の役目」

アバリス
「困ってる人をほっとくのもダメですしね」

アロンダイト
「それで良い案ありませんか?」

アバリス
「う〜ん急に豊満な胸を手に入れるなんて無理ですよね...」

アロンダイト
「体を反らすのもダメですし...」

カシウス
「閃いた」

アロンダイト
「え!?思いついたんですか!?」

アバリス
「一体どうするんですか?」

カシウス
「三人よれば良いだけ」

アロンダイト・アバリス
「??????」

300チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 03:04:10
>>299
アロンダイト
「マスター!ついに出来ました!!来てください!」

マスター
「出来たってたわわチャレンジが出来たのかな?急にアロンのおっぱいが大きくなったのかな?」

マスター
「アロン急におっぱいでも大きく...ふぇ?」

マスターが来ると変な声が出た

アロンダイト
「マスターどうですか?これなら文句ありませよね!?」

アバリス
「あの...早く終わらせてください////」

カシウス
「御館様これが私たち三姉妹の力」

アロンダイト、アバリス、カシウスの三人がそれぞれ胸を寄せ付けあって真ん中に空き瓶を乗せていた

アロンダイト
「さあ!マスターこれでどうですか?驚きで言葉も出ないでしょう」

マスター
「あ...ああ...うん...なんかその...」

マスター
「なんかエロ画像にありそうな構図感」

アロンダイトは少しドヤッとしていてカシウスはポケーとしていてアバリスは顔を少し赤くしていて胸を寄せ付けあっているためマスターにそういう風に見えた

アロンダイト
「なんですかマスターエロ画像って!!」

カシウス
「御館様...変態」

アバリス
「マスター女性をそういう目で見るのはどうかと」

マスター
「待って!なんで俺が悪いみたいな言われようされてるの?」

アロンダイト
「マスターがエロ画像みたいなんて言うからです」

カシウス
「御館様の言葉が悪い」

アバリス
「発言には少し気を付けた方が良いですよ」

マスター
「..........」

言葉にはこうも影響があるのかと思うマスターなのであった

301チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 03:06:44
アロンがアロンでアロンな物語それがアロンちゃん
俺はなにを言ってんだろう?

302名無しさん:2019/10/12(土) 07:39:05
>>301
誰か三姉妹のチャレンジ風景をイラストで起こしてくれ!
誰かー!(尊死)

303名無しさん:2019/10/12(土) 07:45:34
>>301
哲学かな(アロンがアロンでアロンな物語それがアロンちゃん)?
今回も良かったです!三姉妹ええなぁ……

304名無しさん:2019/10/12(土) 09:42:33
そういやこの三姉妹は全員美乳チームだな

305名無しさん:2019/10/12(土) 10:35:58
以前ミネルヴァが示唆していたのはこのことか…!?
美乳特戦隊か!?

306チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 10:41:41
チャレンジアロンちゃん番外編:頑張れ!アバリスちゃん!

アロンダイト
「最近風が強いですね」

カシウス
「大渦の風が近いから」

アバリス
「今日の夜辺りに来るって聞きました」

アロンダイト
「アバリス姉さんどうにか出来ませんか?」

アバリス
「私にも出来ることと出来ないことはあります台風なんて私には到底」

カシウス
「お姉ちゃんなら出来る」

アバリス
「いやでも...」

アロンダイト
「お願いします」

カシウス
「お願い」

アバリス
「......で、出来る限りやってみます」

アロンダイト
「本当ですか!」

カシウス
「さすがお姉ちゃん」

フェイルノート
「三人ともどうかしたの?」

二人が喜んでいるとフェイルノートが来た

アロンダイト
「実はですね..」

アロンダイトはフェイルノートに説明した

フェイルノート
「へぇーアバリスが台風をどうにかしてくれるの?頼んだわ」

そしてアバリスが台風をどうにかすることが隊の全員に広まった

アルマス
「絶期待してるわアバリス」

ミネルヴァ
「尽力を尽くしてくださいね」

ラグナロク
「頑張ってください我が主」

リサナウト
「頑張ってあなたなら出来るわこれは予言や応援ではない確定事象の報告よ」

アバリス
(皆さんに応援されてしまったラグナロクだけ我が主とか言ってような気がしますが....私なんかが出来るのかな?....ん?)

アバリス
(皆が応援している....皆から期待されている私が...皆が期待してくれている....皆の期待を背負っている...)

アバリス
(今の私は存在感が...ある!)

アバリスに変なスイッチが入った瞬間である

307チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 10:58:33
>>306
マスター
「三人とも早く屋内に入ろう!」

マスター
「俺が言うのもなんだけどなんでカッパだけ着て外に出てるの?危ないよ!」

アロンダイト
「アバリス姉さんが台風をどうにかするので大丈夫です」

マスター
「いやなに言ってんの?」

アバリス
「マスター私は今皆さんから期待されてるいるんです皆さんの期待を裏切るわけにはいきません!」

マスター
「アバリス.......一旦頭冷やせ」

アバリス
「見ててください風の魔王の力を!」

台風はアバリスの方へ向かって来ていた

マスター
「アバリス本当に危ないよ!怪我でもしたらどうするの?」

カシウス
「御館様お姉ちゃんなら大丈夫それに隊の皆が期待している」

マスター
「カシウス....」

マスターは止める奴はいなかったのかというか少しバカ多すぎないか?と思った

アバリス
「たかが台風ごときが私をどうにか出来ると思わないでください!」

マスター
(たかが...たかがの相手じゃねえだろ)

アバリス
「すぅーふぅー」

アバリスは全神経を集中させて風を一点に集め台風に向かって解き放った

アバリス
「いっけーーー!!」

アバリスが放った風と台風がぶつかりものすごい衝撃波が出た

マスター
「うわっ!」

マスターは衝撃波に飛ばされ気絶した

マスター
「う...う〜ん」

マスターが気絶から覚めると台風はなくなり空は曇り1つない夜空が広がり月明かりがアバリスを照らしていた

アバリス
「マスター、カシウス、アロンダイト私出来ました!!」

アバリスはグッと親指を上に立てて満面の笑みになった

マスターも少し頬をひきつって親指をグッと上に立てた

マスター
(アバリスすげえ...)

308チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 11:06:59
>>307
次の日

アバリス
「す、すみません!!」

マスター
「ゴホッゴホッ謝らなくていいよ」

次の日隊のほぼ全員が風邪をひいた

アバリス
「まさか風だけを放ったつもりが病風まで放っていたなんて」

マスター
「いやでもゴホッ被害がゴホッ風邪をひいただけでゴホッ済んだんだからゴホッ良かったよゴホッ」

アバリス
「看病は得意ですから皆さまの看病は任せてください!」

マスター
「でもゴホッアバリス台風消すのにゴホッ頑張ったでしょゴホッあんまり無理しなくてゴホッいいから」

マスター
「それよりも...」

マスターは隊の中でピンピンしている二人を見た

マスター
「なんで近場にゴホッいた二人がゴホッ風邪ひいてないんだよゴホッゴホッ」

カシウス
「こういう未来が見えたから予防と対策は万全」

アロンダイト
「私こういう病とか毒とかはユニコーンの力で効かないんですよ」

マスター
「マジか....ゴホッ」

マスターはなんでもありだなと思う瞬間であった

309チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 11:08:05
雑談でアバリスと台風の話があったから閃いた
アバリスは万能だな〜

310名無しさん:2019/10/12(土) 11:09:14
cc4くらいまでしてそうなアバリスさん
やれば出来る長女やで…!

311名無しさん:2019/10/12(土) 11:15:34
CC4どころか5,6までいってそう

312チャレンジアロンちゃん:2019/10/12(土) 11:20:49
追記
台風には気をつけてください

313名無しさん:2019/10/12(土) 12:34:55
アバリスちゃん台風の進路変えてくれる?

314名無しさん:2019/10/12(土) 12:41:16
アバリスにCC4、CC5、CC6追加されたらどうなるんだろう

315名無しさん:2019/10/12(土) 13:28:17
CC4毎ターン突風が吹き相手を後ろへ後退させるこの際相手が出血の状態異常の際出血ダメージも入る移動範囲は2射程は2ー7
CC5毎ターン竜巻で相手を後ろへ後退させダメージを与えるこの際相手が出血の状態異常の際出血ダメージも入る移動範囲は2射程は2ー7
CC6嵐が吹き荒れ相手の移動範囲-2毎ターン相手を後ろへ後退させダメージを与えるこの際相手が出血の状態異常の際出血ダメージも入る移動範囲は4射程は1ー8
100%ネタの冗談で考えたけどこれはダメ

316名無しさん:2019/10/12(土) 14:57:42
きっと今アバリスと台風がたたかっているんだろうな

317名無しさん:2019/10/14(月) 10:45:48
新米デカ「アロンちゃんの新作まだですかね」
おやっさん「分割して小出しにするとまとめてあげろ厨がうるさいからな。今頃執筆作業に追われているに違いない、可哀想に」
新米デカ「小出しでも連載みたいだし僕は好きですけどね」
おやっさん「それをゆるさないのが今のゆる速民だ」
新米デカ「嫌な風潮になったものです」
おやっさん「不服ならSSスレを投稿するサイトにでもあげるんだな」
新米デカ「ファンキルなんて知名度低い作品誰も目にとめませんよ」
おやっさん「だな。だからそのための...」
新米デカ「ゆるりとファンキル速報SSスレですね」

318名無しさん:2019/10/14(月) 11:10:59
なんか草

319名無しさん:2019/10/14(月) 11:19:37
おやっさんがとうとうこっちにも出張してきたのか…
お勤めご苦労様です。

320名無しさん:2019/10/14(月) 14:34:51
出張版の方が分かりやすいw

321名無しさん:2019/10/14(月) 17:23:04
アロンちゃん待ちデカ

322名無しさん:2019/10/14(月) 19:03:10
アロンちゃんは新米デカすらも虜にしてしまうのか

323リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/15(火) 21:45:00
【でぃすらぷ!】
番外編「1話分に満たない小ネタ集」

その1「最強の一手」

ある日ソロモンとチェスを打つ事になった。

「チェック!」
「うっ…」

案の定と言うか…戦局はソロモンの一方的な優勢で進んで行く。

『はぁ…容赦ないわね…』

キングを逃がすも、その場しのぎ。あと数手で完全に詰む。

「チェック!ふふっ…レーヴァ、あと2ターンでチェックメイトよ?」
「………」

仕方ない……完全に詰む前に…
私がキングを逃がしてソロモンのターンに移る。

「チェ…!」
「じぃ……」

思いっ切り上目遣いでソロモンを見つめる。

「なっ……!」
「どうしたの、ソロモン?」
「……」
「……」
「……くっ!ダメ!そんな目で見つめられたら…!リザイン!」

ソロモンはその場を飛び出して行った。……ごめんなさい…

「レヴァ…お前…さすがに…」
「ムー、黙って…」
ーーーーーーーーーーーー
その2「ヘレナの悪戯」

ヘレナに呼び出された。
彼女の部屋に入るとステージらしき物と幕が…

「何なの?これ…」
「さぁ、レーヴァ。問題だ。この幕が開くとムーとニールがセで始まってスで終わる、ある事を始めるぞ?それは何だ?正解すれば止められるぞ。くふっ…!」
「ちょっ…!!ムーに何させてるのよ!」
「とってもいやらしい事だぞ?」
「……怒るわよ?」
「正解すればいいだけさ」
「うっ……」
「5」
「…!」
「4」
「ま、待って!」
「3」
「〜〜〜!」
「2」
「セッ……」
「1」
「セック……!」
「はい、時間切れだぞ」

ステージに掛かった幕が外される。

「ジャーン!アタチと!」
「バハムート様による!」
「セクシーダンスの時間だぞ!くふっ!」
「レヴァも一緒に踊ろうぜ!」

ステージはもちろん、ヘレナの部屋は半壊。ムーもしばらくは動けなくなるほどにお仕置き。ひたすら暴れた……
ーーーーーーーーーーーー
その3「そう言うとこだよレーヴァさん」

4人で寛いでいる時にカリスが心理テストを出してきた。

「ねぇ、レーヴァ!ソロモンとヘレナとカリスちゃんが敵に襲われて絶体絶命のピンチの時に、レーヴァだったら誰を助ける?」

心理テストにすらなっていない……

「意地悪な問題だな。良い子のヘレナには思い付きもしないぞ?くふっ」
「そうね。レーヴァが一人だけ選ぶとも思えないもの」

ヘレナとソロモンもそれぞれの意見を述べる。

「……うん、カリスかな」
「えっ、私?」
「なっ!」
「嘘…レーヴァが優劣を付けるなんて…!」

そう?私は至って平然と答えた。

「カリスが助かれば皆を治療できるから、全員助かるでしょ?ソロモンもヘレナも死ぬようなヘマはしないって信じてるし」
「……」
「……」
「……」

無言で3人が抱き着いてくる。何か変な事言った?

つづく

324名無しさん:2019/10/15(火) 23:15:05
オートアバターのセクシーダンスだって!?
助かる。

325名無しさん:2019/10/15(火) 23:16:13
はぁ〜、尊い!!

326名無しさん:2019/10/15(火) 23:20:39
レヴァの恥じらい顔をじっくり堪能できたヘレナが羨ましい

327名無しさん:2019/10/15(火) 23:37:14
よき

328リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/18(金) 22:45:01
【でぃすらぷ!】
第6話「病名」

「やっほい!おっはよー、レーヴァ!!朝だよ!」
「………おはよう、カリス」

いつものようにカリスが起こしにやってきた。
もはや恒例となった朝の風景だけど、寝起きでこの元気に付き合うのはかなりしんどい…

「レーヴァ、元気無いね…ちゃんと眠れてる?体調が悪い時は言ってね!カリスちゃんがバシッと直しちゃうから!」
「まだ少しぼうっとしてるだけ…大丈夫だから、向こうで待っててくれる……?」

頬を膨らませ「二度寝しちゃダメだよ?」と釘を刺して部屋を後にするカリス。
ふと、あることよぎりカリスを呼び止めた。

「ねぇ、カリス…人の事よりあなたはどう?」
「へっ?」
「あなた、自分の事は治せないんだから、また風邪なんかひかないように気を付けて…」
「うん!了解だよ!」
「うん。自分の事も…自分の躰も大切にして」

一瞬、カリスが固まる。
と思いきや、突然力を溜め、一気にもの凄い跳躍で飛び付いて来た。

「えへへ!レーヴァ、優しい!」
「ちょっと…!張り付かないでいいから!」
「あの時もレーヴァが看病してくれたもんね!しかも…アレ、しちゃったし…!」
「恥ずかしいから忘れて…」

顔が熱い…おかげさまで、すっかり意識も覚醒して来た…本当、落ち着かない朝…
まぁ、悪くはないけど…

「でも…私、病気みたいなんだ!」
「……何言ってるの?」
「悪い病気じゃないから平気だよ!むしろ治したくないかな?」
「バカ言わないで…!それが本当なら縛ってでも医者に連れて行くから!」

カリスは笑顔を崩さず、嬉しそうに話を続けた

「レーヴァ、私、この病気にかかって良かったと思ってるよ!いつかレーヴァもかかってほしいな…!できれば、私から移したいかも?」

意味が分からない……

「ひとつだけ確認させて……危険は無いの?」
「それどころかハッピーだよ!」
「…おっけ。せめて薬か何かあれば言って。何処にだって取りに行くから」
「この病気のお薬…人によって違うんだけど、カリスちゃんにとってのお薬はレーヴァだから!だから、一緒にいてね?」
「?」

私が薬?カリス、本当に大丈夫なのか不安になる…
良くない物でも食べたのだろうか…

「治しちゃダメなの…治したくないんだ!」

カリスは病気で、薬は私で、一緒にいてほしくて、でも治したくない?
もう、難解なクイズを出されているような感覚……頭が回らない……

「だって…」

カリスはいきなり私をぎゅっと抱きしめ、そのまま耳元でゆっくりと囁いた

「カリスちゃんの病名は、こ・い・わ・ず・ら・い…だよ!」

ピョンと飛び退いてドアへと向かう。

「えへへ!レーヴァが大好きだから、このままでいいんだ!ずっとレーヴァのこと好きでいたいから!」

カリスは顔を真っ赤に染めたまま部屋を出て行った。
たぶん…私の顔も相当……

「ふわぁ…レヴァ、起きてるか?…って!」

今さら起きたムーが慌てた様子で飛び上がった。

「すっげー顔が赤いじゃねーか!風邪か?急いでカリスを…!」
「今は…カリスだけはダメ…!大丈夫だから!」

ちょっとクラクラする…大丈夫じゃないかも…
私は二度寝を決め込んで、再び布団に潜り込んだ

『あぁ、もう!恥ずかしい!』

つづく

329名無しさん:2019/10/18(金) 23:01:44
よき

330名無しさん:2019/10/18(金) 23:31:35
ソロモン「話は聞かせてもらったわ」





ソロモン「要するに悪戯をしにきた仮装した人をお菓子で迎撃するイベントでしょう?」

ますたー(またか…)



ピンポーン


カリス「やっほい!トリックオアトリート!」


ますたー(あ…)


ソロモン「来たわねカリス」

ソロモン「えい!」


カリス「イタタ、ちょ、ソロモンー!お菓子くれるのはいいけど投げないでよぉ」


ソロモン「えい!」


カリス「イタ!ちょ、やめw」

ソロモン「えい!」

カリス「分かった、分かったから」


カリス「もう私行くから!」


ソロモン「行ったわね。ふぅ、これでマスターの安全は無事に確保したわ」


ピンポーン


ヘレナとレヴァ「トリックオアトリート」






この後ソロモンは2人にしかられました



331名無しさん:2019/10/19(土) 00:24:32
>>328
とうとうカリスからも明確な好意を示されたか…
レヴァの明日はどっちだ!

332名無しさん:2019/10/19(土) 00:26:17
>>330
「また」なのかマスター!
では連帯責任だな!

333解決アロンちゃん:2019/10/19(土) 00:57:01
解決アロンちゃん9

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

カシウス
「お姉ちゃん」

アバリス
「よしよしカシウスは良い娘ですね私の自慢の妹です」

カシウスはアバリスに頭を撫でてもらって甘えていた

ムラマサ
「............」

探索に出かけていたムラマサはその光景を見て言葉が出なくなっていた

ムラマサ
「しゅくん!どういうことですか!?」

マスター
「ムラマサ探索から帰って来たと思ったら急にどうした?」

ムラマサ
「なぜカシウス殿がアバリス殿の妹になっているのですか!?」

マスター
「そうか...ムラマサが探索に出かけて直ぐのことだったから知らないか.....いやちょっと待ってムラマサすごい長い期間探索に出てたの?」

ムラマサ
「はい、しゅくんのお役に立つためにほんの2ヶ月ほど探索に出ていました...ってそんなことはどうでも良いんですよ!なぜカシウス殿がアバリス殿の妹になられているんですか!?それに誰もそれに関してなぜ疑問を持っていないのですか!?」

マスター
「そういえばそうだなそのことに疑問を持っているのはアルマスやフェイルぐらいだったな」

ムラマサ
「それで拙者疑問に思い姉上やアルテミス殿グリモワール殿に聞いてきたら」

*******

アルテミス
「何を言ってるアバリスはカシウスと離ればなれになってしまった姉だっただろう忘れたのか?」

*******

グリモワール
「でえ?何を疑問に思っているのかわからないわアバリスとカシウスは姉妹じゃないムラマサあんた記憶力大丈夫?」

********

マサムネ
「ムラマサ一体どうしたのだ?カシウス殿とアバリス殿は姉妹であったが国が別々になってしまいそれを主君や拙者たちでどうにかしただろう忘れてしまったのか?」

********

ムラマサ
「ありもしない記憶を植え付けられているんですよ!」

マスター
(カシウスなにかやったな)

334解決アロンちゃん:2019/10/19(土) 01:24:40
>>333
マスターはなぜカシウスがアバリスの妹になった経緯を説明した

マスター
「ことの経緯をもうちょいはっきりと知りたい場合は解決アロンちゃん5を見ろSSスレパート1の699から702おまけで5.5はアロンがカシウスの妹になった理由がわかるこれは733と734だ」

ムラマサは頭をかかえていた

ムラマサ
「まさかカシウス殿に姉どころか妹まで出来ていたとは....」

マスター
「まあ冷静に考えてみたらおかしな話だよな」

ムラマサが頭を痛めているとカシウスが来た

カシウス
「ムラマサあなたを探していた」

ムラマサ
「カ、カシウス....殿」

カシウス
「ムラマサあなたも大衆の総意になるのよ」

ムラマサ
「た、大衆の総意?」

カシウス
「私とお姉ちゃんは姉妹という事実を植え付けるだけ」

マスター
「それは事実じゃないよ」

カシウス
「御館様それを事実にするために記憶を少しねじ曲げるだけ」

マスター
「洗脳じゃねえか!」

カシウス
「これぐらいしないと皆納得してくれない」

*******

マサムネ
「カシウス殿少し冷静になるために頭を冷やされてはどうだろうか?」

アルテミス
「カシウスあんまりあなたに言いたくはないがバカか?」

グリモワール
「カシウスあなた自分が何言ってるかわかる?百歩譲ってアロンダイトが妹は同じ獣刻だから納得してあげるわだけどD.plugのアバリスが姉っていうのは無理があるわよ!」

カシウス
「でも...アバリスは...私のお姉ちゃ」

マサムネ
「カシウス殿だからそれには無理がありますあなたは賢いんです少し冷静になられてもう考えた方が」

カシウス
「........い」

マサムネ
「え?」

カシウス
「もう良い私にとってお姉ちゃんは1人だけ....それを否定するなら強行手段をとるだけ」

335解決アロンちゃん:2019/10/19(土) 01:58:56
>>334
マスター
「それで三人の記憶を捏造したと」

ムラマサ
「で、でもなぜそのようなことをしたんですか?」

カシウス
「私は甘えさせてくれる姉が欲しかった私だってバカバカしいことだってわかってるだけどそんなバカバカしいことを受け入れて甘やかしてくれたアバリスは紛れもなく私のお姉ちゃん」

マスター
「カシウスが難しいことを言わずに淡々としゃべっているのが今は怖い!」

カシウス
「だからムラマサあなたも皆と同じになるだけ怖くないただ記憶を書き換え..」

アバリス
「記憶を書き換えて私とカシウスが姉妹であるということの捏造をするんですね?」

カシウス
「そう捏造する..お、お姉ちゃん!?」

マスター
「うわ、カシウスに集中してたから全然気づかなかった」

カシウス
「い、いつから?」

アバリス
「最初からですマスターに用件があったのでマスターのところに行くとあなたが全部ペラペラと私の前で話してましたよ」

カシウス
「...........」

マスター
「カシウスが言葉を失っている」

アバリス
「カシウス?」

カシウス
「は、はい」

アバリス
「人の記憶を書き換えるとはどういうつもりですか?」

カシウス
「だ、だって皆アバリスは私のお姉ちゃんじゃないって否定するから....」

アバリス
「それで人の記憶を書き換えて良いと思っているんですか?」

カシウス
「よ、よくありません」

アバリス
「でもあなたはそれをしたいつからやりましたか?」

カシウス
「2、2ヶ月ほど...」

アバリス
「2ヶ月間も人の記憶を書き換えていたんですか?それでどう思いましたか?」

カシウス
「さ、最初は罪悪感があり徐々に薄れて...」

アバリス
「あなたは人の記憶を書き換えておいて徐々に罪悪感が薄れていったんですか?」

カシウス
「......はい.....」

アバリス
「一体どうしたらそうなるんですか!記憶という大事なものを書き換えておいて徐々に罪悪感が薄れるってどういうつもりですか!」

カシウス
「ご、ごめんなさい...」

アバリス
「謝るなら私じゃなくて記憶を書き換えた三人と書き換えようとしたムラマサに謝ってください!」

カシウス
「ムラマサごめんなさい...」

ムラマサ
「気にしなくて良いですよ」

アバリス
「さあ他の三人の記憶を戻して謝りますよ」

アバリスはカシウスの引っ張って行った

ムラマサ
「あんなに言葉で押されてるカシウス殿初めて見ました」

マスター
「俺はあんなに怒って怖いアバリス初めて見た」

336解決アロンちゃん:2019/10/19(土) 02:11:04
>>335
マサムネ
「まさかそこまでするとは」

カシウス
「ごめんなさい」

アバリス
「許してくれませんか?カシウスも悪気があってやったことではないので」

マサムネ
「いやカシウス殿の気持ちも知らずに無下に否定した拙者たちにも責任はある」

グリモワール
「でも血の繋がりも縁もゆかりもないのを急に姉にするって言われてもね」

アルテミス
「そうだな私たちにとってカシウスは後1人の主でもあるわけだからな」

三人が悩んでいるとアバリスがカシウスを自分に引き寄せた

アバリス
「カシウスは私の妹で私はカシウスの姉です!それになんの嘘偽りはありません!」

カシウス
「お姉ちゃん....」

マサムネ
「アバリス殿はそれで良いのですか?」

アバリス
「はい良いですなぜならカシウスは私の自慢の妹ですから」

337解決アロンちゃん:2019/10/19(土) 02:19:31
>>336
アロンダイト
「それで皆さん納得してくれましたか?」

カシウス
「うん納得してくれた」

アロンダイト
「アバリス姉さんカッコいいですね」

アバリス
「い、勢いで言ってしまっただけです////」

カシウス
「お姉ちゃん....」

アバリス
「どうしました?」

カシウス
「私のお姉ちゃんになってくれてありがとう」

アバリス
「どういたしまして」

三人のやり取りを見ていたマスターはあることを思った

マスター
(今回、俺ほぼ空気だったような...)

338解決アロンちゃん:2019/10/19(土) 02:21:14
アバリスはカシウスの姉である俺の中ではこれが真実!

339名無しさん:2019/10/19(土) 09:33:21
最初のギャグ調(個人的には)からのお姉ちゃんおこの落差
たまらんなぁ!
そしてマスターどころかアロンちゃん自身もほぼ空気になっていたという。

340解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 01:09:28
解決アロンちゃん10

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

アロンダイト
「マスターあることに気づいたのですが」

マスター
「一体なに?」

アロンダイト
「解決アロンちゃんの時の私....ほぼ空気じゃないですか?」

マスター
「............」

マスター
「キ、キノセイダヨー」

アロンダイト
「少し片言になってませんか?」

マスター
「ソンナコトナイヨー」

アロンダイト
「そう....ですか...でもやはり気になって仕方ないです」

アロンダイト
「なんか最初は出番があったのに途中からほっぽり出されるような気がして....」

マスター
「大丈夫この作者はアロンのこと好きだからほっぽり出すようなことはしないから」

アロンダイト
「そうでしょうか...」

マスター
「そうだよ!絶対に大丈夫だから!」

マスター
「そ、そうだ!それじゃあ今日はアロンが相談相手になってよ」

アロンダイト
「私がですか?」

マスター
「うん今日はアロンがやってよそれに解決アロンちゃんの冒頭で『アロンダイトが人の悩みを解決する』って書いてあるし」

マスター
「アロン今日は頼んだ」

アロンダイト
「わかりました私に任せてください!」

341解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 01:27:15
>>340
レーヴァテイン
「あれ?マスターは?相談したいことがあったんだけど...」

アロンダイト
「今日は私がマスターの代わりです」

レーヴァテイン
「え?あなたが相談相手?心配なんだけど....」

アロンダイト
「なに言ってるんですかあの国にいた時は一緒にかくれんぼや鬼ごっこした仲でしょ?信頼してくださいよ」

レーヴァテイン
「いやあれは普通に逃げてただけだから」

アロンダイト
「ええ!そうだったんですか!?」

レーヴァテイン
「逆に気がつかなかったことにびっくりなんだけど」

アロンダイト
「全く気づきませんでした」

レーヴァテイン
「はぁ」

ムー
「アロンってどこか抜けてるよなまあそこがかわいくて良いんだけどよ」

レーヴァテイン
「ムー黙って」

ムー
「ムギュュュ」

アロンダイト
「そういえばムーについて気になることが一つあるんですが」

342解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 01:41:00
>>341
レーヴァテイン
「ムーについて気になること?一体なに?」

アロンダイト
「ほらムーって最高最善最大最強幻獣バハムートじゃないですか?」

レーヴァテイン
「あれ?ムーってそんなにてんこ盛り要素だったけ?」

ムー
「なんかと混ざってる気がする」

アロンダイト
「バハムートってドラゴンじゃないですか?」

レーヴァテイン
「まあそうね」

アロンダイト
「ムーって炎とかはきませんよね」

レーヴァテイン・ムー
「...............あ」

レーヴァテイン
「確かにムーって私が戦う時に大きくなったりサーフボードになったりする以外は特にないわね」

ムー
「ちょ、ちょっと待てよレーヴァおいらにだって良いところやカッコいいところの一個や二個や三個、四個あるよ」

レーヴァテイン
「例えば?」

ムー
「・・・」

ムー
(あれ?おいらって乗り物ってこと以外だとなにもないんじゃね?)

ムーはただ青く広がる空を見上げた

ムー
「おいらいつかは翼を持って大きく広げて飛ぶのが夢なんだ」

アロンダイト
「なんか....すみません」

レーヴァテイン
「後で謝っておかないと」

アロンダイト
「そういえばなんでここに来たんですか?」

レーヴァテイン
「そうよムーのことで少し忘れかけていたわ」

343解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 01:54:47
>>342
レーヴァテイン
「実はラグナロクのことでね」

アロンダイト
「ラグナロクですか?彼女がどうかしましたか?」

レーヴァテイン
「実はね...」

*******

ラグナロク
「レーヴァテイン話がある」

レーヴァテイン
「なに?早めに終わらせてね」

ラグナロク
「ほらアバリス、カシウス、アロンダイトの三姉妹いるじゃない?」

レーヴァテイン
「ああいるわね」

ラグナロク
「その三人を見て気づいたの」

レーヴァテイン
「何に気づい..!?」

レーヴァテインは今もっとも最悪な展開が脳裏をよぎった

レーヴァテイン
「ま、まさか...」

ラグナロク
「あなたは私の双子の妹よ!」

レーヴァテインはもっとも最悪な展開が起きて呆気にとられていた

レーヴァテイン
「なんでそんなことになるの!」

ラグナロク
「だってあの三姉妹は同じ髪色って理由で姉妹なのよ?そしたら髪色や顔に背丈それにスリーサイズまで同じこれは完璧に双子よ」

レーヴァテイン
「それでなんで私が妹なのよ」

ラグナロク
「あなたが妹ぽいから」

レーヴァテイン
「そんなの絶対に認めないから」

ラグナロク
「諦めて認めなさい」

レーヴァテイン
「絶対にいや!」

*******

344解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 02:17:07
>>343
レーヴァテイン
「ってことなのよアロンダイトどうにかして」

アロンダイト
「姉妹になれば良いじゃないですか」

レーヴァテイン
「いやよ!ヘレナとかに冗談で言われるならまだしも彼女よ!ラグナロクよ!」

アロンダイト
「彼女は面白くて良い人ですよそれに私初めて彼女を見た時レーヴァテインの姉かなにかかと思いましたけど」

レーヴァテイン
「そう思えるのはすごいわね」

アロンダイト
「そんなに褒めないでください///」

レーヴァテイン
「別に褒めてないから」

アロンダイト
「それにラグナロクはすごい人なんですよ」

レーヴァテイン
「そうなの?あんまり良い印象ないんだけど」

アロンダイト
「先日もこんなことがありましたし」

*******

アロンダイト
「今日は風が強いですね」

ラグナロク
「そうねまるで騒いでいるようだわ」

アロンダイト
「そうですか?私にはただ強く吹いているようにしか」

ラグナロク
「でも少し....泣いているわね...」

アロンダイト
「え?風がですか?なにか悲しいことでもあったんでしょうか?」

ラグナロク
「それは悲しくなっているんじゃない...嬉しい時だって泣くでしょ...」

アロンダイト
「え...」

ラグナロク
「さああの地平線の彼方に急ぐわよ...風が止む前に...」

アロンダイト
「...はい!」

*******

アロンダイト
「それで二人で一緒に走りました」

アロンダイト
「すごいですよね風の感情というかそういうのがわかるなんて」

レーヴァテイン
「..........」

アロンダイト
「?レーヴァテイン?」

レーヴァテインは思ったそんな奴から妹と呼ばれるのは絶対に嫌だ!とそしてそんなのを気にせず受け入れてるアロンダイトはどこかヤバい自分は絶対に相談相手を間違えている!と

345解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 02:48:02
>>344
レーヴァテイン
「はぁ....相談しに来ただけなのに相当疲れた」

アロンダイト
「レーヴァテイン大丈夫ですか?」

レーヴァテイン
「大丈夫じゃないわよ」

レーヴァテイン
「それにしてもなんかあなた変わったわね」

アロンダイト
「そうですか?私よりももっと変わった人いると思いますが」

レーヴァテイン
「素直になったというかマスターと...その...距離が近くなったというか...」

アロンダイト
「そうですか?距離は近く....なりましたね...」

アロンダイト
「でもレーヴァテインも少しマスターに対して積極的になったと思いますよ」

レーヴァテイン
「え?そう?」

アロンダイト
「ええ昨日だってマスターが寝てる布団に入ろうとしてましたよね?」

レーヴァテイン
「待って!見てたの!?」

アロンダイト
「はい入ろうとしたけどやっぱり恥ずかしくなってやめたところまで」

レーヴァテイン
「////////////////」

アロンダイト
「レーヴァテインも私から見たら変わりましたよ」

レーヴァテイン
「案外自分では気づかないものね」

レーヴァテイン
「あの時から少し反対だったから気づきやすかったのかもね」

レーヴァテインは空を見上げた

アロンダイト
「あの頃の私たち少し似てるところありますよ」

レーヴァテイン
「え?例えば?」

アロンダイト
「マスターと距離おこうとしたり変に頑固だったり諦めが悪かったり」

レーヴァテイン
「でも私はあなたみたいに蝶々と戯れようとしたり鳶相手にあんなに激怒しないし」

アロンダイト
「それだったら私はレーヴァテインみたいに年がら年中寝ようとしたり面倒くさがったりしませんよ」

レーヴァテイン
「やっぱりあなた変わったわこんなにじっくりとあなたと話ことなかったから」

アロンダイト
「そうですね私とレヴァってあの頃はあんまり人と交流なんてしませんでしたからね」

レーヴァテイン
「あれもこれも全部」

アロンダイト
「マスターのおかげですね」

346解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 03:07:58
>>345
レーヴァテイン
「ラグナロクの件は相談しときながらあれだけど私の方でどうにか解決するわ」

アロンダイト
「そうですか頑張ってくださいけど案外受け入れてるのも楽しいものですよ意外な一面が見れたりしますから」

レーヴァテイン
「そうそれも考えに入れておくそういえばちゃっかり私のことレヴァって呼んだわよね?」

アロンダイト
「ダメでしたか?」

レーヴァテイン
「いいえちょっと思ったから言っただけ」

アロンダイト
「私からも思ったというか思い出したことがあるので一言」

レーヴァテイン
「なに?」

アロンダイト
「マスターの布団の付近はアバリス姉さんが入るかどうかでいつも迷っていてうろうろしてるんです」

レーヴァテイン
「ええ!」

レーヴァテイン
「じゃ、じゃあ昨日のも....」

アロンダイト
「はいガッツリ見られたかと思いますよ」

アロンダイト
「ただ気をつかって言ってませんが」

レーヴァテイン
「////////////////」

アロンダイト
「レヴァ....その....夜這い頑張ってください!」

レーヴァテイン
「そういえ応援いらないから!」

レーヴァテインの声が一面に響いたのであった

その頃マスター

マスター
「そういえば昨日レヴァとアバリスなんで俺の布団の近くでうろうろしてたんだろう?不思議だな〜」

347解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 03:13:21
最近SSスレに投稿する周期的なのに悩んでいる
どんどんSSスレに投稿するか誰かが投稿した後にするかで悩む
どんどんSSスレに投稿していったら自分の書いたアロンちゃんばかりになったら気が引けるし誰かが投稿した後だとなんか読むことや感想を書くことの妨害みたいな気がするしもしかしたら自分が気にしすぎてるだけかもしれない

348名無しさん:2019/10/21(月) 03:27:20
不思議と目が覚めたと思ったらまた導かれたようだ…
夜這い掛けられそうになってるマスターが羨ましいぞ!
投稿ペースについては人それぞれだし感想も分かるようにすると思うから気にしなくて大丈夫だと思うぞ!

349名無しさん:2019/10/21(月) 06:58:47
ある程度溜まったら管理人ちゃんがまとめ記事化してそっちに感想行くから気にしなくてええんやで(にっこり

350名無しさん:2019/10/21(月) 07:01:53
SS職人が投稿してくれるお陰でアクセス数も上がり今年もガッツリ関連グッズを買い占められる管理人が羨ましい

351解決アロンちゃん:2019/10/21(月) 16:26:26
気にしなくて大丈夫って言われてるからこれからも気にせず投稿していく

352名無しさん:2019/10/21(月) 16:40:38
へー、したらばって金はいるんか
管理人のイシューの為になってるのかな

353ゆるりと管理人:2019/10/21(月) 18:37:35
いえ、したらば自体は一銭も入らないですよ

354名無しさん:2019/10/21(月) 18:57:18
アイエエエエエエ!!管理人サンチャン!?管理人サンチャンナンデ!?

355名無しさん:2019/10/21(月) 21:31:44
ヒュー!じゃあいくら萌えスレに病的な事書き込んでも管理人さんのイシューのためにならないのか!
残念!

356嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:05:59
ヘレナとカシウス好きなマスターからの投稿です
内容はディスラプターズ(ヘレナ)とカシウスメインです
時間軸はロスラグ最終決戦後のお話となります
一部キャラに百合と思わしき表現が出てくるかもしれませんが、この作品は健全ですので安心して下さい(ウソジャナイデスヨー)

それでは少々長くなりますがお楽しみ頂ければ幸いです

357嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:07:16
>>356
嘘憑き少女

ヘレナ「ふーん、思ってたよりちゃんとしてるようだね、ニール」
ニール「そうねぇ、もうイミテーじゃなかった・・・人間と獣人も格差なく過ごしてるかんじね」
ヘレナ「まあ、いざこざはどうしてもあるようだけどね」

ここに来るまでにヘレナとニールは少しのいざこざを解決していた。そのお礼にと貰ったクッキーを二人でわけながら歩みを進める。
トレイセーマは差別発言をしたら即エドゥーと呼ばれる教育施設(という名の洗脳施設)へ送還されるほど徹底した管理が国風だったが、いまではエドゥーも解体され、国民が自由にのびのび暮らせるようになっている。
ヘレナとニールは一応変装にと、黒猫の耳と手袋としっぽで変装をしていったが、それが必要ないほどであるほど様変わりをしていて驚いた。

ニール「でも平和って退屈ね」
ヘレナ「そうだね、ニール。だけどこれがレヴァの求めていた景色なら悪くない」

三国の戦争、地下の神、ラグナロクとの決着により、世界は安定を取り戻している。少なくとも今は平和だ。

ヘレナ「しかし、レヴァも心配性だな」
ニール「定期的に国の情勢を見守るようにしようって言い出したものね」

ヘレナは今、レーヴァテインに言われてトレイセーマの調査にきていた。
その理由は彼女、レーヴァテインの心境に原因があると言える。
レーヴァテインは元々、イミテーションと呼ばれていた旧人類を救い、種が移植された新人類を例外なく抹殺する気でいた。
理由を考えれば自明だ。新人類は羽・血・肉という天使・悪魔・幻獣となる危険因子を孕んでいる。
それにより裁定者に操られる羽目になったりと、当時は散々だったのだ。今でも危険な種が宿っているのには変わらない。
摘出方法を探すのと平行で、新人類よしとしないレヴァはヘレナたちを定期的に各国に向かわせて調査させているのだ。

ヘレナ「カリスはハルモニアへ、ソロモンはケイオスリオンへ、レヴァは瘴気がなくなってこさえられた国外の村の様子を見て回っる。・・・まったく、ヘレナ面倒な人に憧れを抱いたものだ。人使いが荒くて嫌いになってしまうそうだよ。・・・くふっ」
ニール「でも、良かったのヘレナ。ケイオスリオンの方に志願しなくて?」
ヘレナ「確かに、あそこには私の出会いたい人がいる・・・いや、これは嘘や冗談でも口に出したくないな」
ニール「伯爵はいま皇帝にゾッコンだからヘレナを見ても、別になんともならないかもよ?」

本来ならヘレナがケイオスリオン担当のはずだったのだが、事前にヘレナ自身が断った。
いまだからこそヘレナは思うのだ。アレの歪んだ愛情を受け続けていたことが心底気持ち悪いものだったのだと。
そんな気持ちを察してくれたのか、カリスがケイオスリオンへいくことを提案した。だが、ケイオスリオンへいった場合、カリスが何をしでかすかわからないので、カリスは顔馴染みである自国へ。ケイオスリオンへはソロモンがいくことになった。

ヘレナ「まったく、カリスもソロモンもお節介で困る」
ニール「またまた〜、気遣ってくれたことが嬉しいくせに」
ヘレナ「そ、そんなことはないぞ!・・・くふっ」
ニール「はいはい、そういうことにしといてあげるわ。それより、どうするもう帰っちゃう?これならどのみち、これ以上調査してもなにも出てこなさそうだし」

ヘレナとニールは喋りながらも周囲に意識を向けていた。
特にあれから目立ったいざこざはなく、国民に問題はないように思う。
エドゥーも確認済みで、施設が再稼働している風はなかった。

ヘレナ「このまま帰るか。・・・ニールはどう思う?」
ニール「うーん、このままなにもなく帰るって言うのは面白くないわよね」
ヘレナ「だったら、カシウスにでもちょっかいをかけにいこうか?」
ニール「それは面白そう」

二人の意見が合致し、13議会跡地へとむかおうとしたところである人物に呼び止められた。

???「ヘレナとニールね、ようこそトレイセーマに」

誰かと振り向くとそこには、トレイセーマの王カシウスの姿があった。

358嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:09:30
>>357
カシウスに連れられて、ヘレナとニールは長い地下通路を歩いている。
この場所はヘレナも熟知していた。ここは13議会と地上を繋げた地下通路で、偉い人間が保身のために用意した逃げ道でもある。

カシウス「足元に気をつけて、この通路は整備が終わってないから」

マナで光源となる結晶石があるとはいえ、地下通路は薄暗い。よく目を凝らして見てみると、所々に戦闘の跡があった。

ヘレナ「のこのこついてきたヘレナたちが今さら言うのはなんだが、どこへ連れていくつもりなんだ?」
カシウス「・・・ちょっと貴女たちに手伝って欲しいことがあるの」
ニール「あちしたちに?」
カシウス「そう、私は貴女たちが来るのを予見し、準備を済ませたわ。これも円環の導きを打ち破る一刺しの一念になると思って」
ニール「あちし、いまいちこの娘がなにいってるかわかんない」
ヘレナ「安心しろ、ニール。ヘレナもいまいち理解しきれない」
カシウス「・・・・・・大丈夫、貴女たちに危害を加えるつもりはないわ。それに貴女は私に用があった、そうでしょう」
ヘレナ「うん、そう、あったんだけど、カシウスの登場でその意味もなくなってしまったけどね」

カシウスに驚いてもらおうとしていたが、ヘレナは思い出す。
カシウスの能力は未来視だ。いたずら好きのヘレナとニールにとっては最悪といっていい相性の悪さだろう。

ヘレナ「(苦手なタイプだ)」

地下に入って10分ほど経過しただろうが、会話は最小限で、特に冗談を言うこともない。
こんなときにソロモンのわかりにくくてつまらないジョークやカリスのコミュ能力があれば別なのだろうが、ヘレナにはむいていない。

カシウス「ついたわ」
ヘレナ「ここ?特になにもないようにヘレナには見えるが」

まだ続いている地下通路で突然立ち止まったカシウスは、壁しかないはずのその場所に手を触れる。すると壁が回転した。

ヘレナ「隠し扉・・・こんなところに」
カシウス「ここに入ったちょっと先に扉がある。そのなかが終着点」

言うが早いか、カシウスは隠し扉の隙間に入っていった。
童心にかえったかのように少しわくわくしながら、ヘレナとニールもその中へと続く。しばらくいくと、赤い扉が目に入った。
ウロボロスの装飾が入った扉にカシウスが触れると、扉の鍵が開いた音が静かな地下通路に反響する。

ヘレナ「(この扉にかけられたのはおそらく封印の術式。しかも対象を絞る感じの。これだけ厳重で隠し通してる場所にいったい何があるんだ?)」

わくわくはなりを潜めて警戒心が増していた。
カシウスの動向を探るが、彼女は一切表情を変えないし、そこから読み取れるものはなかった。
腹を括るしかないと感じたヘレナは気付かれないように、内に眠る神器をいつでも取り出せるようにした。

359嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:12:33
>>358
カシウス「ようこそ、私の自室へ」

だがそれは、杞憂終わった。
扉の先にはヘレナが見たこともない光景が広がる。それは部屋だが、彼女にとっては異質だった。
敷き詰められた見たこともない材質の床、見たこともない植物が植えられ、見たこともない文字で書かれた布が飾り付けられていた。

ヘレナ「これは・・・一体なんだ?ニールは知っているか?」
ニール「あちしに聞かれてもわかんないわよ」
カシウス「とりあえず入って。あ、ここで靴を脱いでほしい」
ヘレナ「靴を脱ぐ?」
カシウス「この和室と呼ばれる場所での作法。色々あるけど、これだけは守ってほしい」

カシウスはお手本を見せるように靴を玄関に並べておいた。それに続いてヘレナも靴をおくが、ふとニールの方を向く。

ヘレナ「ニールは靴をはいていないが、この場合はニールの足を吹いた方がいいのか?」
カシウス「そうしてほしい」

カシウスは事前に準備していたのだろう。タオルをヘレナに手渡した。
ヘレナはニールの足を拭いたあと抱き抱えると、そのままカシウスに続いて部屋のなかに入る。
普段素足では感じない感触はむず痒いものだったが、不思議と冷たさ感じることはなかった。

ヘレナ「床のこれは?」
カシウス「それは、畳と呼ばれるもの。あそこにあるのは掛け軸、あそこにあるのはヤカン、そこにあるのは活け花、それとーー」

ヘレナはカシウスの指差すものは、どれもこれもが物珍しいもので逐一覚えていく。

ニール「凄い珍しいものばっかり。これってどこでしいてれるの?」
カシウス「これは自分で作ったのもあるけど、ほとんどがムラマサとマサムネの知識から再現した過去の遺物。彼女たちが斬ル姫になるより前の時代のもの」
ヘレナ「なるほど、ここは差し詰め博物館ってところか」

旧世界においての文化的遺物はヘレナも伯爵経由で拝見したことはあるが、それはあくまでも芸術品としてのものだ。
カシウスの自室にあるものは、ヘレナの知識から照らし合わせて日用として使うものが大半だろうと察する。

カシウス「そこにあるちゃぶ台に座ってて、座布団というお尻に敷くクッションもあるから自由に使うといい」

そういうと、カシウスは部屋から別の部屋に繋がっている扉を横に開いて出ていった。
ヘレナは言われたところの座布団なるクッションを下に引き、ちゃぶ台と呼んだ円形のテーブルに座る。

ニール「しかし、不思議な空間ね。ほとんどが見たこともないのに、なんだか落ち着く気がするわ」
ヘレナ「・・・前に、レヴァに和室のことをヘレナは聞いたことがある」
ニール「ワシツ?なんだか変わった響きね」
ヘレナ「ヘレナたちの文化は旧世界的に言うなら西洋という文化に準拠しているらしい。ここにあってヘレナたちが見たこともないということはこれは東洋の民芸品なんだろう」

ヘレナはレーヴァテインの相談の対価として様々な話を聞いた。特に興味をそそられたのがレーヴァテインがレーヴァテインになる前のお話で、いまとは違う文化が育っていたことを聞いた。
この東洋の和室に関する知識もレーヴァテインの話してくれたもので、昔はありふれて当たり前だった光景らしい。レーヴァテインが少し哀しそうな顔をして話してくれたことをヘレナは思い出す。

360嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:13:29
>>359
カシウス「この場所は私がムラマサの人間だった時代に興味を持ったから、一緒に再現したの」

ヘレナとニールの会話を聞いていたのか、隣の部屋から現れたカシウスは会話に入ってきた。
手には何やらコップのようなものと、おそらくはそれに注ぐだろう入れ物を持っていた。

ヘレナ「それは?」
カシウス「これは湯飲みコップのようなもの、こっちは急須といって湯飲みにお茶をいれるもの」
ニール「お茶ってなぁに?紅茶とは違うの?」
カシウス「似たようなものだけど、紅茶は甘いのに対して、こっちのお茶は少し苦い」
ヘレナ「ほう、苦いのか」

ヘレナはどちらかと言われれば甘いものが好きだが、東洋のお茶というもの味わってみたい衝動にかられていた。
カシウスはテーブルに湯飲みと呼んだコップを三つ置くと、片手で持っていた急須の中身を注いだ。

ニール「すんすん。・・・紅茶ほど香りがないわ」
ヘレナ「確かに、でも僅かにだが匂う。この香りをヘレナはどう表現したらいいのかわからないけど」
カシウス「どうぞ、あとでお茶菓子も出すから遠慮せずに」
ヘレナ「・・・・」
カシウス「どうしたの?」
ヘレナ「いや、レヴァから聞いた話だと作法というテーブルマナーがあるらしいじゃないか。それをしないでお茶を飲むとマナー違反なんだろう?」
カシウス「気にしなくていい。それに作法のことを言い出されたら、私も全て理解できている訳じゃないから。それと熱いから気をつけて」
ニール「ふーん、じゃあ遠慮なく頂きましょうヘレナ(毒は入っていないみたいよヘレナ)」

ニールはアイコンタクトで毒の有無を伝える。長年連れ添った間柄だからこそ、できる芸当だったがヘレナの良心は少しだけ痛んだ。
ヘレナはそれを振り払うように、熱々のお茶を吐息で少し冷ましながら飲んだ。
熱いので少量ずつではあるが、口のなかにわずかな苦味が広がるも、想像していたものと違って強烈なものではない。むしろ口のなかに広がる優しい苦味はどこか安心感すらヘレナに覚えさせた。

カシウス「どう?」

微細だが、期待が込められた眼差しと声音にヘレナの胸中は揺れていた。
お茶と呼ばれるものは紅茶とは違う独特なものだったが、ヘレナとしては好きになれそうな味だった。しかし、面と向かって正直に言うことが恥ずかしいヘレナはいつも通りに答えてしまう。

ヘレナ「ヘレナとしてはそうだな。・・・不味くはないが、紅茶の方が好きだ。ヘレナには合わないよ・・・くふっ」
カシウス「・・・そう」

口元に笑みを浮かべていつも通りの嘘をつく。
カシウスの声音が少しだけ下がっている。ヘレナの発言に落胆したようだ。

ヘレナ「(今のは・・・失言だったか)」

感想を聞き、カシウスは残念そうな表情するのを見たヘレナの良心がまたちくちくと痛んだ。

ヘレナ「(いつからだろうか。嘘をついてこんな気持ちになるようになったのは)」

ヘレナにとっては嘘は日常だ。伯爵家に無理矢理ロキをギアハックされ、鞭打たれていたあの日々。それを乗り越えるために嘘をつき続けてきた。
当たり前すぎて心が麻痺し、良心が痛むなどという感情は既になかった。
そしていつしかヘレナは嘘をつき、相手を騙すことに喜びすら感じるようになっていた。
自分の嘘を信じた相手が、それを信用する様は滑稽で、それが快感でやめられなかった。上手くやれればやれるだけ楽しいという感覚に溺れる。ヘレナにとって娯楽はそれ以外になかったのだから。
それはディスラプターズという仲間を持っても変わらなかった。腐りきった性分は死ぬまで治ることはないのかもしれない。
でも、最近は、よくこの胸のあたりが痛むのだ。その痛みのせいで今まで楽しかったはずの嘘が楽しくない。それがとっても不快で、それがきっと正しいんだとヘレナは薄々気づいていた。

ヘレナ「(だから最近嘘をつく頻度がへった。それのせいか・・・上手い嘘のつきかたが思い出せない)」

ヘレナはお茶について語り合うニールとカシウスを一瞥し、こう切り出した。

361嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:15:09
>>360
ヘレナ「カシウス。すまない、さっきのはヘレナの嘘だ。このお茶というものは美味しいし、ヘレナの口にあってる。だから・・・もう一杯いいかな?」

飲み干した湯飲みをカシウスへ手渡しを使用とする。
ヘレナの心臓は早鐘を打っている。
嘘をつく相手は軽薄だ。たった一度で印象を悪くし、一度嫌いにさせてしまった相手とはそのまま敬遠になることすらある。
カシウスはヘレナを許して、湯飲みを受け取ってくれるだろうか。

カシウス「・・・そう」

カシウスはそれだけ言うと、頬笑みをヘレナに向けてくれた。
湯飲みをカシウスは受け取って、急須より新しいお茶をいれてくれる。

カシウス「ヘレナ、時に人と人の関係は円環の輪のように一定ではいられない。拗れて捻れて、関係をもたらす糸は絡み合い切断しなければ修復不可能になることがある。それは貴女もわかっているはず」
ヘレナ「・・・・」
カシウス「貴女の生き方を私は否定しない。否定できるほど私は人格者であるわけでもない。でも、貴女の心に後悔があるなら、それはきっといけないこと」

カシウスは再びついだお茶をヘレナの前に置いてくれた。

カシウス「そういえば、今日貴女を招待した理由をまだ話していなかったわ」
ヘレナ「話?」
カシウス「・・・私の力は知っている?私のこの目は未来がみえるの。この力を使って貴女の未来をみた」
ヘレナ「その未来でヘレナになにか起きてたのか?」
カシウス「わからない」
ヘレナ「わからない?」
カシウス「近い未来ならどんな事象が待っているかを観測することができるけど、遠い未来である場合それはぼやけてしか見えないのの。・・・でも、一つだけ言えることがあるとするなら、少なからずヘレナ、貴女によくないことが起こる。そしてそれは貴女の嘘が起因になっている」
ヘレナ「ヘレナの嘘が・・・」
カシウス「最近になって貴女はレーヴァテインといざこざがあった」
ヘレナ「!?・・・そうだ、確かにあったよ」

言い当てられたことに驚いたのもあったが、それ以上にあのときのことを思い出して胸が苦しくなある。
10日ほど前に、レーヴァテインにいたずらでちょっとした嘘をついた。
いつもやっていることでお人好しのレーヴァテインはヘレナの嘘を真に受けた。その嘘の結果を確認したときの、レーヴァテインの顔がヘレナは忘れられなくなっていた。
失望とまではいかないが、それでも落胆をした彼女の表情はいつものと違っていた。それは嘘をつかれ、愛想を尽くした人のそれに近いもので、言葉には出さなかったがレーヴァテインから静かな苛立ちを感じた。
その時から、ヘレナは気まずくなってレーヴァテインから距離を取っている。
レーヴァテインもまた、夜の相談や他愛のない話をしにヘレナの下に訪れることがなくなっていた。
それについてヘレナは独白のように、カシウスに語ってゆく。

362嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:18:29
>>361
ニール「いつものちょっとした嘘のはずだったのよ。いたずら程度の・・・ほんのささやかな冗談のような嘘」
カシウス「人には許せる嘘と許せない嘘がある。嘘をつきなれていた貴女なら、きっとそれがいけない嘘だとわかっていたはず。それに虫の居所が悪ければ受け入れられないときがあるのが人間の性というもの」
ヘレナ「・・・そうだな、あのときのヘレナはどうかしていた」
カシウス「あえてその時何がおこったのか言及はしないけれど、そのあとにちゃんと謝ったの?」
ヘレナ「いや、まだ・・・あのときのレヴァの顔がもう一度向けられるのが怖くて、今日まで避け続けてる」
ニール「ヘレナ・・・」

ニールが心配そうにヘレナの側に寄り添う。
仲間に相談しようともした。しかし、明らかに自分の行いが悪く、それを知られたくないという矮小な自分が出てしまい踏ん切りがつかなくなってしまっていた。
そんな時にカリスは微妙な私たちの空気を察してくれていたようで、ヘレナに相談に乗ろうと持ちかけて来たけど、ヘレナはそれを拒否した。
きっとカリスなら、あっけらかんとして眩い笑顔で手を取って、そのままレヴァのもとへ連れていった上で無理にでも謝るタイミングを作ってくれただろう。
だが、ヘレナは怖かった。もう一度レヴァと向き合う勇気が出なかった。
時折ヘレナは思うのだ。カリスの天真爛漫さがあったら、きっともう少し素直な女の子でいられらだろうにと。

カシウス「そう。それが起因なのね。貴女の未来を曇らせる水滴は雨垂れが石を穿つように貫かれる。それは少しずつ穴を広げ、いずれは岩すら砕けるほどに大きくなっていく」
ヘレナ「・・・ヘレナは嘘つきだ。だからヘレナにはニールだけしか友達がいなかったんだ」
カシウス「その嘘が、ヘレナという個人の枷であり呪縛となってる。外すのは用意でないと、私にだって理解できるほど」
ヘレナ「わかってる。そんなことはとっくの昔にわかってた。わかってて、ヘレナは性分を曲げられなかった。嘘に憑かれてたんだ。嘘をつくのに疲れていたっていうのに、振り払えなかったヘレナが悪かったんだ!」

瞳に滲んで溢れかけていた涙をヘレナは拭いながら叫んだ。
仲間にすら打ち明けられなかった心境を打ち明けられたのは、この部屋の独特の暖かさか、それともお茶に何らかの作用があったからか。
単純にカシウスと接点がないからこそ、気が寝なく話せたのかもしれない。

ヘレナ「・・・ヘレナはどうすればいいのかな」
ニール「ヘレナ、いいのよ無理しなくて。ほら、こういうのって時間が解決してくれるってこともあるし!」
カシウス「それは駄目」
ニール「な!?話聞いてた?ヘレナの気持ちを思うなら時間を置いた方がいいに決まってる!」
カシウス「それが駄目だから私は貴女たちに会いに来た。その意味がわからない二人じゃないはず」
ニール「う、それは・・・」
カシウス「大丈夫。安心して、方法は考えてある」
ニール「方法?なにかいいアイディアがあるの?」
カシウス「ある。ただそれには条件がある。・・・その前にハンカチで涙を拭って」

カシウスはどこからか取り出したハンカチをヘレナに渡した。
ヘレナは深呼吸を繰り返し、流れ落ちる涙を止めてなんとか気持ちを落ち着かせる。

カシウス「落ち着いた?」
ヘレナ「うん」
カシウス「よかった。・・・それで、条件と言うのは簡単。私の手料理を試食してほしいの」
ヘレナ「手料理?そんなことでいいのか?」

ヘレナにとってレヴァとの問題は何よりも一大事だからこそ、どんな条件を出されるのかと思っていたが拍子抜けな条件に一瞬きょとんとなった。

363嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:19:24
>>362
カシウス「最近和食という料理に挑戦しているの。オーダーのみんなには試食してもらっているけど、みんな美味しいという。信じてないわけではないけれど、他の人の意見を聞いてみたかった」
ニール「あー、貴女相手だと美味しいものであっても、美味しくないものであっても、さすがに言えないこともあるものね」
カシウス「辛辣だけど真実。私自身も試食してみて美味しいと感じるけれど、好みというものもあるから一口には断定できない」
ヘレナ「それでヘレナたちに試食を・・・どうする?ニール」
ニール「ヘレナが決めればいいわ」
ヘレナ「そうか。ちなみに料理の名前は?もしかして激辛だったり、激苦だったりする料理だったらヘレナもさすがに遠慮するかもだぞ」
カシウス「そういえば言っていなかった。料理の名前は『肉じゃが』というもの」
ヘレナ「肉じゃが?またきいたことない料理だ」
カシウス「簡単に説明すれば肉とじゃがいもを調味料を溶かして煮る。他に白滝とか人参もいれることはあるけど、ベストな野菜の選択がいまの私のトレンド」
ヘレナ「そ、そうか」
カシウス「この料理は比較的に簡単に作れる。普通に美味しくするのは簡単でも、凄く美味しくするには技術と知識と経験がいる。だけど、そこはいま重要じゃない」

カシウスはそういうと、また隣の部屋へいった。しばらく待つと煮えて湯気がたっている鍋を持ってきた。可愛らしいキッチン手袋をつけて。

カシウス「ヘレナ、ちゃぶ台の真ん中におきたいからそれをおいてもらっていい?」

カシウスが目配せしたさきには、ちょうど鍋を置くのにちょうどいい四角形の台座のようなものがあった。
それをヘレナはテーブル真ん中へとおく。
カシウスはヘレナにお礼をいうと、その鍋を台座のようなものの上に置き、鍋の蓋を開いた。
今までヘレナが嗅いだことのない甘い匂いが立ち込める。

ニール「ふぁあ、いい匂い。さっきから匂ってからか気になってたけどこれだったのね」
ヘレナ「美味しそうだけど、本当に肉とじゃがいもと・・・この細いゼリーのようなものがしらたきなのか?」
カシウス「そう。あとは人参と玉ねぎが入っている。玉ねぎは煮ている最中に円環の理に導かれてしまったけれど」
ニール「カシウスカシウス!早く食べたいんだけどいい!」

珍しくニールがイタズラ以外ではしゃいでいる。
目の前の料理は特別に豪華と呼べる類いのものではないのだろうが、今まで感じたことがない匂いにヘレナも空腹を刺激されていた。
カシウスは子供を見守る母のような頬笑みを浮かべると、隣の部屋から次々と食器を持ってきて食事の準備をし始める。
途中ヘレナも手伝おうと言ったのだが、お客さんは座っていて待つのもマナーだと言われ静かに待った。

カシウス「ヘレナはお箸は使ったことがないだろうから、スプーンで。ニールは熱くないように私が冷ましながら取り分けてあげる」

カシウスはそういうと、カシウスは私の分とニールの分を取り分けてくれた。

カシウス「それでは、いただきます」

カシウスは両手の掌をあわせて、神に祈りを捧げるようなポーズをする。聞くとこれは東洋のマナーで作物の実りと、作った人に感謝をするためのものだという。
なので、ヘレナもそれにはならって頂きますと言い食事を始めた。

364嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:20:21
>>363
ヘレナ「ごちそうさまでした」
カシウス「お粗末様でした」


ヘレナは食事中に習った東洋のマナー真似て食事を終了する。
食事を終えたヘレナは満腹になったお腹を擦った。
いつもはそれほど多く食べない方なのだが、釜で炊いたという初めての白いご飯と初めての肉じゃがの味に感動した。それこそ、何故か涙が出るほどに。

カシウス「この肉じゃがという料理は、ムラマサとマサムネが人間だったころの時代の母の味と呼ばれる一品だったらしいの」
ヘレナ「母の・・味」
カシウス「私も初めての食べた時は心まで暖めてくれそうな優しい味に感動したもの」
ニール「母親が子供に与える味付けとして考えればそう呼ばれてもおかしくないわね〜。あちしは子供なんていないし、できないけど」
カシウス「ふふ、それで、私の作った肉じゃがは美味しかった?」

カシウスは真っ直ぐヘレナの目を見ている。

ヘレナ「・・・・・うん、美味しかった」
ニール「あちしも!」

涙を流したからだろうか、憑き物がとれたように自然にその言葉を紡げた。心がすっと軽くなった気がした。

カシウス「良かった。これで少し自身がついた。でも、ここだけの話、ムラマサは私の肉じゃがやご飯よりさらに何倍も美味しいの」
ニール「ええ!?これでも十分に美味しいのに?」
カシウス「そう、師匠越えを果たすことこそ私の宿願」
ヘレナ「はは、燃えてるんだね。ヘレナは応援してるよ」

カシウスは少し頬を赤く染めながら柔らかな笑みを浮かべる。それに少しばかり見とれながら、ヘレナに母親がいたらこういう風な人が良かったと思ったことは密かに胸にしまった。

ヘレナ「それで、本題なんだが・・・」
ニール「そうそう、ご飯が美味しすぎて忘れるところだったわ」
カシウス「約束は守る。私のアイディアは、この肉じゃがをレーヴァテインにヘレナ、貴女が作って振る舞うこと」
ヘレナ「へ、ヘレナがこれを作るのか?」
カシウス「レシピは案外簡単。コーチは任せておいて、仮に私で駄目だった場合、最終手段でムラマサを呼ぶ」
ニール「でもそんなことでうまくいくのかしら?」
カシウス「ヘレナはきっかけを作りたい。みんなにこれを振る舞えば、きっと喜んでくれる。それにレーヴァテインも食べたことがあるものだとマサムネが言ってた」
ヘレナ「レヴァが・・・」
カシウス「美味しいという感情は心を豊かにする。それが思い出に残る品ならなおさら。それに真心を込めればレヴァも心を開いてくれる」
ヘレナ「うん、そうだね。・・・カシウス、レシピを教えてもらえるか?」
カシウス「ん、食材は心配しなくてもいい。いくらでも挑戦できるように準備は万全」
ニール「あちしも手伝えることがあったら何でもいってね、ヘレナ」
ヘレナ「うん、ありがとう。ニール」

カシウスとヘレナとニールは隣の部屋にある調理場へと足を運ぶ。
調理場にはヘレナが見たこともない器具が並べてあった。一つ一つ使い方をカシウスに教わりながら、料理をしていく。
カシウスの指導もあって一度目からなかなかのものができたが、今度はカシウスの手を借りずに一から調理を始める。
レヴァもそうだが、みんなにも美味しい手料理を食べてもらいたいと思いヘレナはカシウスに合格点を貰っても味を追求し続けた。
そして、調理開始から何度目かの肉じゃがが完成した。

365名無しさん:2019/10/21(月) 22:20:50
生放送で盛り上がってるときにageすぎ

366嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:21:42
>>364
カシウス「200点満点の大満足花丸合格」

カシウスは似合わないピースサインで自分の満足感を表現した。ヘレナはそれが少しおかしくてふふ、と微笑む。

ニール「ヘレナ、なんだが久しぶりに笑った顔をみたきがするわ」
ヘレナ「そ、そうかな?」
カシウス「いい笑顔。その笑顔とこれがあればもう大丈夫」

カシウスはそういうと煮込んだ肉じゃがを透明な入れ物に入れ込んでいく。

ヘレナ「カシウス、それはなんだい?」
カシウス「真空パック。これに食材を入れて保存していれば味も鮮度も落ちにくくなる」
ニール「へぇ、便利なものがあるわね」
カシウス「それに、これは特別製。私の円環を停滞させる力を籠めているから、いまあるこの鍋の鮮度・温度そのままに保存していられる裏技仕様。象に踏まれようと中身だって溢さない」

カシウスは肉じゃがを詰めた真空パックと、料理の途中で炊いてくれたご飯をお握りにして別のパックに詰める。合計で8人分ほどの量だ。

ニール「あちしたちの分も?正直あちしたち、さっきの分と試食でお腹いっぱいなんだけど」
カシウス「そう考えて量はすくなめにしてある。それに、みんなで食べるからこそ料理の美味しさは最後に際立つ」

カシウスは真空パックを小さなリュックに詰めると、ヘレナに手渡した。

ヘレナ「本当に色々とありがとう、カシウス」
カシウス「そんなことはいい。それに、まだミッションは達成されていない。お礼はまた今度改めて」
ヘレナ「それでも、だよ」

この場所でカシウスに背中を押してもらえなかったら、おそらく今日も明日もずるずると謝る決意を固められなかっただろう。

カシウス「ヘレナ、時に人はそれがどんなに些末な事象であっても転ぶ時がある。それはどんなに修練を詰んだ弘法でも筆を誤り、猿であっても木から落ちる」

ふいにカシウスから抱き締められたが、ヘレナは驚かなかった。むしろ安心を感じて、彼女の温もりに身を預ける。

カシウス「嘘は嘘。いけないこと、それがどんなことであっても。でも貴女は嘘つきで、だからこそ言葉は選ばないといけない」
ヘレナ「・・・うん」
カシウス「でも、貴女は自分の気持ちまでも嘘はつけない、本当は誰よりも正直者。だから貴女の嘘を笑って信じられる彼女たちをいつまでも大切に」
ヘレナ「・・・うん」
カシウス「自分の心さえ見失わなければ、きっと彼女たちの温もりは貴女を包んでくれるから・・・あとは貴女が頑張る番。・・・できる?ヘレナ」

カシウスはヘレナを放すとヘレナの肩に手をおいて、真っ直ぐ見つめてくる。

ヘレナ「ああ、任せてもらおう!」

もう迷いはない。ヘレナは胸をはってそう答えた。
カシウスは成長をした子供を見る母親のような優しい笑みを浮かべる。

カシウス「さあ、それじゃあもうお別れの時間」

カシウスはそういうと中央のちゃぶ台があった部屋に戻る。
玄関からヘレナと自分の靴を持ち出し、玄関より真正面にあったもう一つの扉へ向かった。
ヘレナはカシウスより手渡された靴をはくと、扉を開けたカシウスの後に続く。
扉を越えて少し行った先にはエレベーターがあった。おそらく地上へ続くものだろう。
カシウスはエレベーターの上昇ボタンを押すと、エレベーターが静かに開き、ヘレナたちはそれに乗った。

カシウス「私に祈る神はいないけれど、貴女
の未来に幸福が待っていることを祈ってる。それと、また会いに来てくれたら嬉しい」
ヘレナ「ああ、あらためてお礼にいくよ。今度は私の友人も連れてね」
ニール「カシウス〜、バイバーイ。また今度ね〜」

カシウスがボタンから指を話すと扉がしまる。
最後にヘレナたちはカシウスに手を振りお別れをいった。
カシウスもまた、扉が絞まりきるまで手を振り続けたのだった。

367嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:24:49
>>366
エピローグ1『永遠を願う蛇』

???「まったく、カシウス殿はお節介がすぎます」

私は自室である居間に戻り片付けをしていると、誰かが訪ねてきた。
聞き覚えのある声に私は笑みを浮かべる。

カシウス「ムラマサ、今日はありがとう」
ムラマサ「いえ、お礼を言われるほどのことをしたわけではありませんが」

今日の一件、裏で食材の手配や裏で色々としてくれたムラマサに私はお礼をいった。

カシウス「ムラマサ?なんだか機嫌が悪い?」
ムラマサ「そ、そんなことはありません。拙者は単に、こういうことはもう少し早く知らせてほしいと思っているだけなので」

確かに、今回のヘレナの件は昨日手配を頼んだのだから、ムラマサに大変な思いをさせてしまったのは事実。でも、昨日は私も手伝いムラマサを楽しそうにしていた気がしたけれど、なにか癪に触るようなことをしてしまっていただろうか。

カシウス「もしかして、ヘレナと二人きりの密会について怒ってる?ヘレナは優しい娘で、仮に何かあっても対処できると伝えたはず」
ムラマサ「カシウス殿なら問題があっても対処できることはわかりますし、心配はしていません。・・・拙者の言いたいことは、そういうことではなく」
カシウス「?」
ムラマサ「むー、もういいです。この話は保留にしておいて下さい。・・・それで、ヘレナ殿はもう大丈夫なのですか?」
カシウス「彼女は大丈夫。人はきっかけ一つあれば変わるわ。私はほんの少し後押しをしただけに過ぎないけれど、今では彼女の未来にもう曇りはない」

私は未来を観る眼でヘレナを最後にみすえた。
黒く暗くぼやけてた未来は晴天のように晴れ渡っていたのだから、もうなにも心配する必要はない。

ムラマサ「そうですか、それはよかったです。ところで、この大量に作られた肉じゃがはどうするつもりですか?」
カシウス「それは保存してあるから、あとで斬ル姫のみんなに食べてもらう」
ムラマサ「最近カシウス殿が肉じゃがばかり差し入れに来るといって、みんなあきれられ始めてますよ」
カシウス「う・・・それは、至高の肉じゃがに挑戦中だから」
ムラマサ「凝るのはいいですが、こんを詰めすぎないようにして下さいね。それに、拙者に言っていただければ、前のようにご教授してあげられ」
カシウス「それはだめ」

私はムラマサの提案を拒否する。
私はムラマサの肉じゃがに近づきたいけれど、ムラマサの模倣品を作りたいわけではない。それはムラマサの手をかりず辿り着いてこそ意味のあるものとなる。
それに、ムラマサに心の底から美味しいと言って誉めてもらいたいというのが本音。恥ずかしくて口には出せないけれど。

ムラマサ「そ、そうですか」

ムラマサは少し寂しそうな表情を見せる。
私としてもムラマサと共に料理をしたい気持ちはある。永劫と円環の理に導かれて、微睡むような安寧の安らぎに身をおきたい。
しかし、それだけでは成長も進化もないと先の戦いで学んだ。来るべき停滞(マンネリ)打破のためにもこれは必要なこと。
そして、これから言う言葉も彼女との関係において必要な必須事項。

カシウス「ムラマサ、一つお願いがあるのだけれど」
ムラマサ「はい?なんでしょう」
カシウス「・・・・・・」
ムラマサ「そうしたのですか、カシウス殿?」

ヘレナにはああいったが、さすがに面と向かって本人に言うのは照れ臭い。
だが、ヘレナも勇気を出したのだ。私もそれにならって勇気を出す。

368嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:25:38
>>367
カシウス「私のことを、二人きりのときにでもいいから呼び捨てにしてほしい」
ムラマサ「へ?そ、そんな畏れ多い!」
カシウス「畏れ多くなんかない。私はトレイセーマの当地者である前に一人のカシウス。貴女もオーダーキラーズである前に、一人のムラマサなのだからなにもおかしなことなんてない。それにーー」

体温が上昇しているのを感じる。おそらくいまの私の頬は真っ赤に染まっているだろう。

カシウス「私と貴女は仲間であり同志であるけれど、それ以前に、その、と、・・・友達になりたいの」
ムラマサ「拙者とカシウス殿が友達に?」
カシウス「いまの間柄が悪いというわけではないの。でも貴女とは対等で、共に差さえあって気兼ねなくすごしていきたいから」

私はムラマサの手を握る。
ムラマサは振りほどこうともせず、私と同じぐらいの力で握り返してくれた。
お互い手汗をかいて緊張しているのがバレてしまうほど、胸のドキドキが伝わって来るようだった。

カシウス「だから、私とーーー友達になってください」

意を決して私が本当に伝えたかったことを言えた。
我ながら、こんなささやかなことを言うのにどれほどの時間がかかったのだろうと呆れる。

ムラマサ「・・・・・」

ムラマサは沈黙している。
言葉を選んでいる様子だった。
ムラマサだけは円環の瞳の力を使って未来を見ようとしたことはない。彼女とは普通の関係でいたかったから。
どのような言葉を返してくれるのか不安不安でたまらないが、ムラマサはさらに私の手に力を籠めた。

ムラマサ「拙者にとってカシウス殿は守護すべき存在で、それ以上の感情は抱いてはならぬと思っていました」
カシウス「・・・うん」
ムラマサ「それに最近カシウス殿と一緒にいられる時間もなく、カシウス殿もカシウス殿で拙者のことを避けているのだとばかり思っていました」
カシウス「そんなことはない。私は貴女に誉められたかっただけで・・・あ」

内緒だったことをつい言ってしまった。
恥ずかしくなってさらに顔が紅潮していくのを感じる。

ムラマサ「ふふ、カシウス殿は案外意地っ張りですからね。・・・カシウスど・・・いえ、カシウス。・・・私で良ければ、友達になっていただきたく・・・?」
カシウス「その、固い敬語もできればやめてほしい。友達になってくれるのなら、なおさらではないかしら」
ムラマサ「ええ、その、そちらの方は、難しいというか・・・その、気恥ずかしいと、言いますか・・・・その、あの」
カシウス「・・・じー」
ムラマサ「わ、わかり・・・わかった、か、かしうす。これから、善処して、いきま、しま・・・する」

私以上に茹で蛸になったムラマサを見て愛しくなり、私はムラマサを抱き締めた。

ムラマサ「か、かしうす!」
カシウス「少しずつでいい。少しずつ互いに歩んでいきましょう。・・・この暖かで愛しい平穏をみんなで守りながら」
ムラマサ「そう、だね。一緒に・・・守っていこう、カシウス」

少し苦しくなってしまうほど、互いに抱き締めあう。まるで、キスをするような間近まで顔を寄せあう。
私達に委ねられた世界の平穏守っていこう。
それがどれほど困難で、神からしてみれば愚かといわれる感情でも、二人なら、トレイセーマのみんなとなら歩んでいける。
私は心の奥底に、この温もりを二度忘れてしまわぬように大事に保管して、私は静かに眼を閉じた。

ーーーどうか世界が、いつまでも平穏という永劫と円環の輪廻の環より抜け出すことがありませんように。

369嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:26:55
>>366
エピローグ2『ヘレナの友達』

ソロモン「ヘレナ、遅いわね。合流の時間はとっくの昔にすぎているのに」
カリス「やっぱり何かあったのかなぁ」
ムー「大丈夫だって嬢ちゃんたち!だってあのヘレナとニールだぜ!この中でレヴァの次ぐらいにしっかりしてるんだから問題なんてそうそう起こさないさ」
ソロモン「グラウはどう思う?」
ムー「無視!?」
グラウ「私の分析ではソロモンより約70%高い確率で無事に戻ってくるとあります」
ソロモン「やだ、私の信用低すぎ。か、カリスはそんなこと思ってないわよね!」
カリス「大丈夫だよソロモン。私のフォローいっつもしてくれてるでしょ。だからソロモンが何かトラブるしたときはカリスちゃんがミラクル起こして助けてあげるから!」
ソロモン「か、カリス・・・!」
キプル「(ミラクルを起こさないといけない前提なんですね・・・キプルキプル)」

ディスラプターズの面々は各々色々言ってはいるが同じようにヘレナを心配していた。
そのなかで、レヴァだけが焚き火の前に腰かけている。

ムー「レヴァ、何かあったのか?最近なんだかおかしいぜ?以前のレヴァなら、もう既にヘレナを探しに捜索にいってる頃だぜ」
レヴァ「・・・・」
ムー「おいおい、いつもの黙ってもなしかよ。重症だなこりゃ」

レーヴァテインはただ火を見つめている。
他人からはその胸の内にどのような感情が渦巻いているのかはわからないが、少なくともそれが正のものであるとは言えるものではなさそうだ。
ムーは飛んで再びソロモンたちの元に戻った。

ソロモン「何かあったの?」
ムー「さー、俺にはさっぱりだぜ」
カリス「あー、その事なんだけどね。たぶんヘレナとレヴァは喧嘩してると思うんだ?」
キプル「ええ!?あの二人が喧嘩をしたんですか!」
グラウ「キプル、少しうるさいですよ。・・・カリス、今まで話さなかったということは言い出しにくいころであったという認識でよろしいのですね?」
カリス「うーん、まあね」
グラウ「それならばレヴァに聞かれないよう、場所を変えて話しましょう」
ソロモン「え?どうして?話ならここでもいいし、レヴァが関係してるならレヴァも話に加わってもらった方が最適解のはずでしょう?」
カリス「・・・ソロモン。人には聞かれたくないことだってあるんだよ、そういうのはマジ天使なカリスちゃんにだってあるんだよ」
キプル「あなたはもう少し人の心に機敏になった方がいいかと思います」
ソロモン「き、キプルまで!?」

事情を察した面々の辛辣な言葉にうちひしがれるソロモンはショックを受ける。
そんなソロモンを置いて、移動を始めようとしたのだが、グラウが突然空中に飛び出した。

370嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:27:47
>>369
グラウ「どうやら帰って来たようですね」

耳を済ませば、確かに馬が大地を蹴る音が聞こえていた。

ヘレナ「ただいま、みんな!」

ヘレナはディスラプターズの全員のところでニールを停止させる。

ソロモン「ヘレナ、遅かったじゃない!みんな心配していたのよ」
カリス「カリスちゃんも、みんなもだよ〜」
ヘレナ「すまない。凄く私的なちょっとしたヤボ用が入ってね。遅くなってしまった」

ヘレナはニールより降りると、全員に頭を下げた。

ムー「!?・・・どうしたんだ、嬢ちゃん。今日はやけに素直というかなんというか」
グラウ「血色、脈拍ともに正常ですね。栄養が行き届いている肉体はとても健康的ですが、何かありましたか?」
ヘレナ「ああ、そのヤボ用で色々あってね。それとヘレナからおみあげがあるんだ」

ヘレナはそういうとリュックサックの中身からカシウスに渡された真空パック(カシウス加工)された容器を取り出す。
カシウスの手が加わって時間が経過しても温度は冷めていないし、荷崩れすらしていないのにヘレナはやや驚きながらもそれを渡していく。

ソロモン「これは何?どうやら料理のようだけど、あとこの白いものはライスかしら?」
カリス「わぁ、美味しそう。これってヘレナが作ったの」
ヘレナ「これは肉じゃがというものだよソロモン。全部が全部というわけではないないけど、それはヘレナが作ったものだ」
ソロモン「へぇ、とっても美味しそうね」
カリス「食べてもいいんだよね。カリスちゃんお腹ペコペコだったんだ〜」
キプル「こらカリス行儀が悪いですよ」
グラウ「(物理法則を無視したスキルの痕跡。害はないようですね、おそらくはカシウスの能力によるものですか)」

グラウはなにやら興味ありげに、ソロモンの周囲を飛び回っている。
みんなヘレナに貰った料理を嬉しそうに、当たり前のように受け取ってくれた。中に何かイタズラされているとも考えずに。

ヘレナ「・・・どうして、こうも平然と受け取るのかな?ヘレナが作ったものなんだ。何か辺なものが入ってるとは考えないのか?」

矮小な心のヘレナはついそう呟いてしまう。

カリス「何言ってるの?ヘレナはこういう料理の時とかイタズラなんて仕掛けて来ないってカリスちゃんは知ってるよ。みんなが本当に嫌がることはしないでしょ」
ヘレナ「いや、でも、ヘレナは・・・嘘つきで・・・」
ソロモン「ふふ、たまに困るときはあるけど、全然支障がでないレベルのものだし問題なんてないわ」
ムー「ソロモンのつまらないギャグと冗談に比べたら何てことはないぜ!」
ソロモン「え!?」
グラウ「ソロモンの冗談については私も否定できませんね」
ソロモン「グラウまで!?」

このやり取りもどこか懐かしい気さえする。
あらためてお人好しなヘレナの仲間のありがたみを噛み締めながら、涙が流れそうなのをぐっと堪えた。

ソロモン「え?ちょっとみんな、私の冗談はその場に相応しいように最適なものを選んでいるのであって、それがつまらないなんてことがあるわけが」
レヴァ「ソロモン、黙って」

レーヴァテインがいつの間にか焚き火のところからやって来ていた。
ソロモンの長々とした言葉を遮り、彼女はヘレナの前にやってくる。

371嘘憑き少女:2019/10/21(月) 22:28:40
>>370
ヘレナ「・・・・」
レヴァ「・・・・」

沈黙が痛い。心が軋む。
いざ本人を目の前にすると何を語っていいのかわからない。頭も目の前も真っ白になって、お腹の底が冷えていく感覚が気持ち悪かった。
ああ、やっぱりヘレナは何も言えない臆病者だと自分を卑下してうつむきかけたそのとき、カリスが開けた器のなかから肉じゃがの香りが鼻を擽った。

ヘレナ「(ああ、そうだ。ヘレナはなんのためにここに戻ったのか。こんな料理をみんなのためにと作ったのはなんのためだったか思い出せ)」

全てはレヴァに謝り仲直りするためだ。
この肉じゃがを味わってもらいたくて、戻ってきたんじゃないか。
きっかけをくれたカシウスのためにも、ここで謝らなければならない。

ヘレナ「レヴァ!あの時はごめん!!」

ヘレナは人生で一番と言える大きな声でレヴァに謝り頭を下げた。
周囲がざわざわとなにかを言っているが聞こえない。いまは、レヴァだけに意識を集中した。

レヴァ「そう、ヘレナ・・・」

レヴァがいまどういう顔をしているのかわからない。あの時のことを思い出して、あの時と同じ表情をしているのではと不安になる。
ヘレナは怖くて顔をあげられなかった。

レヴァ「顔をあげて、ヘレナ」

怖い。けれど、ヘレナは勇気を振り絞って顔をあげる。
すると、柔和な笑みを浮かべたいつものレヴァがそこにはいた。

レヴァ「私もごめんなさい、ヘレナ。私自身も意地をはってたわ」
ヘレナ「そ、そんな謝らなくていい。もとはといえば嘘をついたヘレナが全てにおいて悪い」
レヴァ「それでも、ヘレナのことを避けてたのは私よ。ごめんなさい」

レヴァは私と同じように頭を下げて謝った。
正直、ヘレナは困惑した。許してもらうにしても、レヴァが謝る道理が思い浮かばなかったからだ。

レヴァ「もう少し、早くこうしていれば良かったのに、自分の怠惰が嫌になる」
ムー「まあ、互いに悪いところがあったってことでこれでいいじゃねぇか」
レヴァ「そうね、ムーの言うとりかも」
ムー「おおう、今日はレヴァもしおらしいとは、これは映像として永久保存版に」
レヴァ「黙って」
ムー「ムギュギュ」

いつものやり取り、いつもの会話、いつもの空気。
ヘレナが求めた居心地のいいこの場所に戻ってこれたんだとあらためて実感したら、足に力が入らなくなり倒れて尻餅をついてしまった。

ニール「ヘレナ!大丈夫?」
ヘレナ「ああ、大丈夫だよ。・・・くふっ」

声は震えているし、胸の鼓動も早すぎて爆発してしまうそうだった。けれど、ようやく言えた。
レヴァに許して貰ったことが何よりも嬉しかった。

カリス「レーヴァ、あのね。ヘレナが夜食作ってくれたんだ。肉じゃがって言うらしいよ」
レヴァ「これをヘレナが?」
ヘレナ「カシウスにちょうどあってね。カシウスのところで昼食をいただいたんだ。そのときの肉じゃがが美味しくて、みんなにも食べてもらいたくてね」
ムー「これ作るのにかなり手間がかかったんじゃないか?」
ヘレナ「いいや、それほどでもないよ。ヘレナにかかればほんのちょちょい作れるものだったから・・・くふっ」

嘘と本当を交ぜた言葉は照れ隠し。
裏であんな努力をしていたのを知っているのはカシウスだけで十分だ。

レヴァ「そ。じゃあみんなでヘレナが頑張って作ってくれた料理をいただきましょうか」

いまの嘘はおそらくはバレただろう。簡単に作れるものならこんなに集合時間をすぎて合流などしない。

レヴァ「さあ、ヘレナ・・・立てる?」
ヘレナ「うん、ありがとう、レヴァ」

私はレヴァの手を取ると立ち上がり、みんなで食を囲むために焚き火の下へと向かった。



ヘレナは嘘つきだ。
これは性分で、きっとこれからも死ぬまで変わることはないだろう。
それでも信じてくれる仲間に、ヘレナの友達に感謝をする。
こんなヘレナをレヴァは仲間に加えてくれて、ありがとう。
こんなヘレナをカリスはいつも支えてくれて、ありがとう。
こんなヘレナも交えて、ソロモンはみんなのためにといつも考えてくれて、ありがとう。
ニールも他のアバターたちもみんな大好きだ。
だから、きっと、この先もヘレナは大丈夫。
大好きだっていうこの心を、ヘレナ二度と忘れないから。
ーーーだから、この気持ちだけは偽らずに、胸の中で大切にしておこうとヘレナは誓った。

〜Fin〜

372名無しさん:2019/10/21(月) 23:32:38
うーん、乙です
ヘレナのいい子さとエピローグのムラマサ×カシウスが尊い

373名無しさん:2019/10/22(火) 05:20:00
ヘレナとニール要素マシマシで、カシムラ要素つゆだくで、ディスラプターズの絆がバリカタなの良き

374名無しさん:2019/10/22(火) 13:52:48
よかったです

375チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 00:50:32
チャレンジアロンちゃん14

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

アロンダイト
「うーん...」

カシウス
「どうかした?」

アロンダイト
「最近秋の味覚の魅力に負け過ぎて少しお肉がついてしまったんです....はぁ」

カシウス
「私も少しお肉ついたかも」

アロンダイト
「姉さんもですか...少し秋ってことに甘えてたかもしれませんね」

アバリス
「二人ともどうかしましたか?」

アロンダイト
「秋の味覚の魔力によってお肉がついてしまった話をしていたんですよ」

アバリス
「秋は美味しい物たくさんありますからね」

カシウス
「お姉ちゃんは太ってないの?」

アバリス
「私ですか?私は断食していたので大丈夫です」

アロンダイト
「........」

アバリス
「アロンダイトどうかしましたか?」

アロンダイト
「アバリス姉さん『お肉が少しついてしまいました』って言ってください」

アバリス
「え?良いですけど」

アバリス
「お肉が少しついてしまいました」

アロンダイト
「うーん...なんか私やカシウス姉さんがお肉がついてしまったって言うと太った的に聞こえますが」

カシウス
「お姉ちゃんが言うと...なんか...」

アロンダイト・カシウス
「エロい」

アバリス
「なんでですか!?」

アロンダイト
「アバリス姉さんが言うとなんか胸やお尻にお肉がついた的に聞こえるんですよ」

アバリス
「今ひどい言いがかりを聞いた気がします」

アロンダイト
「安心してくださいムッチムチのプリップリンのボンキュボーンになっても私たち二人はアバリス姉さんの妹ですから」

アロンダイトはグッと親指を立てた

アバリス
「私は一体なにに安心したら良いんでしょう....」

376チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 01:06:30
>>375
アロンダイト
「ということで今日は私たち三姉妹でスポーツ大会しましょう」

アバリス
「スポーツ大会ですか?」

アロンダイト
「はいすぐに終わる競技を複数してそれで一番多いポイントの人が優勝です」

カシウス
「賛成」

アバリス
「スポーツの秋と言いますしちょうど良いですね」

アロンダイト
「1位の人は3ポイント2位の人は2ポイント3位の人は1ポイントです」

カシウス
「勝者の報酬はなににする?」

アロンダイト
「三姉妹全員がほしいものが良いですね....」

カシウス
「お姉ちゃんが一番無欲だからお姉ちゃんがほっする物で良いと思う」

アバリス
「私がほしい物ですか...マスターを1日自由に出来る権利とか?....なーんて」

アロンダイト
「それで決定です」

カシウス
「承諾」

アバリス
(すみませんマスター私の浅はかな発言によりマスターに負担をかけてしまいました)

その頃マスター

マスター
「へっくしょん」

アルマス
「マスター風邪?絶気をつけてよねこの時期は気候が変わりやすいから風邪ひきやすいわよ」

リサナウト
「アルマスずいぶんと余裕ねあなたは私に負けて『なんでこうなるのよ!』と叫ぶはこれは予言ではない確定事象の報告に過ぎないのよ」

アルマス
「あっ上がり」

マスター
「リサちーこれでババ抜き15連敗目だね」

リサナウト
「なんでこうなるのよ!」

377チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 01:17:41
>>376
アロンダイト
「最初の競技はバスケットの1on1です」

アロンダイト
「10秒以内にゴールを決めれるかどうかにします」

アバリス
「三人なので二回しましょう」

アロンダイト
「守る側を交代する感じですねわかりました」

最初カシウスVSアバリス

アバリス
「行きます」

カシウス
「集中」

アロンダイト
「スタート!」

アバリス
「せい!」

アバリスは自分のいる場所からそのままゴールに向かってシュートしゴールを決めた

アロンダイト
「あれ防ぎようがなくないですか?」

カシウス
「防げない」

次カシウスVSアロンダイト

アロンダイト
「行きますよ姉さん」

カシウス
「いつでも」

アバリス
「始め!」

アロンダイト
「はああ!」

カシウス
「てい」

アロンダイトはあっさりとカシウスからボールを取られた

アロンダイト
「.................」

バスケ1on1対決結果
1位アバリス+3
2位カシウス+2
3位アロンダイト+1

現在のポイント
アバリス3ポイント
カシウス2ポイント
アロンダイト1ポイント

378チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 01:28:27
>>377
アロンダイト
「次は100m走です」

アバリス
「これはゴールした順で良いですね」

カシウス
「位置について....よーい....ドン」

三人は一斉に走り出した

カシウスとアロンダイトが接戦でカシウスが1位になった

カシウス
「1位...妹速かったね」

アロンダイト
「行けるかなと思ったんですがステータス上速が上のカシウス姉さんには勝てませんでしたね」

カシウス
「お姉ちゃんは?」

アロンダイト
「アバリス姉さんはまだ」

二人はアバリスの方を見た

アバリス
「はぁ....はぁ....はぁ....」

現在アバリスはジョブのロングハンターになっているため移動範囲が狭くめっちゃ遅い

アバリス
「二人とも...待っててください....すぐに....ゴールしますから...」

アバリスは全力で走ってるつもりがすごいモタモタしていた

アロンダイト・カシウス
(かわいい)

379チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 01:39:03
>>378
アロンダイト
「次はPKです」

カシウス
「行きます」

アロンダイト
「よっし来い!」

カシウスが蹴ったボールはものすごいカーブを描きアロンダイトとは反対の方へゴールした

カシウス
「よし」

アロンダイト
「行きます!」

アバリス
「どうぞ」

アロンダイトが蹴ったボールはアバリスにキャッチされてしまった

アロンダイト
「.....」

アバリス
「行きまーす」

カシウス
「いつでもどうぞ」

アバリスが蹴ったボールはカシウスにキャッチされてしまった

アバリス
「惜しかったですね」

アロンダイト
「どうします?ゴールを決めた回数と防がれた回数が姉さんたち同じなんですが」

カシウス
「同列2位で良いと思う」

アバリス
「そうですね1位は3ポイントもらえるので同列は下の順位に合わせましょう」

サッカーPK対決
アバリス2位+2ポイント
カシウス2位+2ポイント
アロンダイト3位+1ポイント

現在のポイント
アバリス6ポイント
カシウス7ポイント
アロンダイト4ポイント

380チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 01:52:12
>>379
アロンダイト
「次は野球です」

アバリス
「ピッチャーとバッターに分かれるんですね」

アロンダイト
「そろそろ1位を取りたいので本気を出します」

カシウス
「姉に勝る妹などいない」

アロンダイト
「いっけーー魔球『ユニコーンみたいに速い玉!』」

アバリス
(アロンダイトそれは魔球ではありませんそして球の字が違います)

カシウス
「ここ」

カキーン

アロンダイト
「あーー」

アロンダイト
「終わった....私たちの夏は終わった....」

アバリス
(アロンダイト今は秋です)

アバリス
「アロンダイト行きますよ」

アバリス
(少しアロンダイトがかわいそうなので負けてあげましょう)

アバリスはストレートで投げた

アロンダイト
「せい!」

カシウス
「ストライク」

アロンダイト
「とりゃ!」

カシウス
「ストライク」

アロンダイト
「おんどりゃ!」

カシウス
「ストライクバッターアウト」

アロンダイト
「なかなかやりますねアバリス姉さん」

アバリス
(アロンダイトーーー!!)

野球対決の結果
1位アバリス+3ポイント
2位カシウス+2ポイント
3位アロンダイト+1ポイント

現在のポイント
アバリス9ポイント
カシウス9ポイント
アロンダイト5ポイント

381チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 02:01:41
>>380
休憩

アロンダイト
「私お手製のサンドイッチです」

アバリス
「美味しいです」

カシウス
「栄養バランスカロリー完璧さすが」

アロンダイト
「私はこう見えて料理を作るのは得意ですから」

カシウス
「妹が作れるのは知ってるけどお姉ちゃんは料理できるの?」

アバリス
「はい出来ますよ他のキル姫が来る前はアルマスと交代交代でマスターにご飯作ってあげてましたし」

アロンダイト
「え?姉さんって最初からマスターのところにいたんですか?」

アバリス
「最初からではないですが最初に解放はされましたね」

カシウス
「お姉ちゃんがアルマスの次に古株なの?」

アバリス
「そうなりますね....」

アロンダイト
「へぇー意外でした」

三人はのんびりと昼食をとった

382チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 02:20:00
>>381
アロンダイト
「次は靴飛ばしです」

アバリス
「靴飛ばしってやる必要ありますか?」

カシウス
「それ言ったら全部やる必要ある?」

三人
「..............」

アロンダイト
「始めましょう」

アバリス
「そうしましょう」

カシウス
「靴はどうするの?」

アロンダイト
「マスターの靴を用意しました」

アバリス
「マスターの許可は得ました?」

アロンダイト
「.......................」

アバリス
(あ...無許可なんですね)

*******

その頃マスター

マスター
「あれ!?俺の靴は!?」

*******

アバリス
「とりあえず始めましょう」

アロンダイト
「おりゃ!」

アロンダイトの飛ばした靴は反対の方に飛んだ

アロンダイト
「.......」

カシウス
「せい」

カシウスの飛ばした靴は近くで落ちた

カシウス
(ドヤッ)

アバリス
「すごいですカシウス」

アバリス
(マスターの靴....)

アバリスはマスターがいつも履いていた靴を履くのにものすごい緊張した

アバリス
「ギブ」

靴飛ばし対決の結果
アバリス3位+1ポイント
カシウス1位+3ポイント
アロンダイト2位+2ポイント

現在のポイント
アバリス10ポイント
カシウス12ポイント
アロンダイト7ポイント

383チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 02:38:22
>>382
アロンダイト
「次は腕相撲です」

カシウス
「妹よ力が上の私に勝てると思っているの?」

アロンダイト
「ふっ...今回は私は姉さんに勝機があります」

カシウス
「なに?」

二人は手を掴み合った

アバリス
「レディ...ファイ!」

アロンダイト
「ふんにゅ〜」

カシウスはアロンダイトに押され負けた

カシウス
「そんな...なんで?」

アロンダイト
「カシウス姉さんは今日...武具の装備をしていないからです!」

カシウス
「!?」

カシウスは昨日のことを思い出した

******

ガ・ジャルグ
「今日少し戦闘があるからその槍貸してくれない?」

カシウス
「わかった」

*******

カシウス
「その後返されたけど装備し忘れてた...」

アロンダイト
「よし!この調子でいけば1位になれ...」

アバリス:装備ロングアーバレスト星6
物功+59スキルアーバレスト解放【射】力・速+15

アロンダイト
(あ...勝てないや)

腕相撲対決の結果
アバリス1位+3ポイント
カシウス3位+1ポイント
アロンダイト2位+2ポイント

現在のポイント
アバリス13ポイント
カシウス13ポイント
アロンダイト9ポイント

384チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 02:48:55
>>383
アバリス
「次で最後ですね」

カシウス
「負けない」

アロンダイト
(大変です....このままでは負けてしまう一体どうしたら....)

(...イト...ロン...イト...アロン....ダイト....アロンダイト)

アロンダイト
(だ、誰ですか?)

???
『私はユニコーン』

アロンダイト
(え?あなたはユニコーンなんですか?白色なのはイメージと同じですが馬型ではなく人型なんですねとても大きいですし)

ユニコーン
『細かいところは気にしなくて良いあなたにも勝機がある勝負があります』

アロンダイト
(あ、あるんですか!?それは一体?)

ユニコーン
『ありとあらゆることにおいてほぼ必ずと言っていいほどの勝負それは....』

アロンダイト
(わかりました私はそれで勝って見せます!)

アロンダイト
「姉さんたち最後の勝負の発表です」

アバリス
「なんでしょう?」

カシウス
「なんでも来い」

アロンダイト
「最後の勝負それは.....『じゃんけん』です」

385チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 03:04:23
>>385
アバリス
「え?え?じゃんけん?」

カシウスはグッと構えた

アバリス
「待ってくださいカシウスそれで良いんですか?」

カシウス
「私は逃げも隠れもしない」

アバリス
「そうですか....」

アロンダイト
「そういえば最下位の人の罰ゲームはどうしますか?」

カシウス
「御館様に関することだから....御館様に悪口とか?」

アロンダイト
「それで良いですね」

アバリス
(マスター私のせいでさらに負担がかかりそうですすみません)

その頃マスター

マスター
「へっくしょん」

レーヴァテイン
「マスターやっぱり風邪じゃない?寝たらどう?看病とかは私がするからさ」

マスター
「靴はなくなってるしくしゃみは今日で二回も出るしなんか嫌な予感がするんだよな」

リサナウト
「レーヴァずいぶんと余裕そうねあなたは『なんで負けるのよ!』っておもいっきり泣き叫ぶわこれは予言ではない確定事象の報告に過ぎ..」

レーヴァテイン
「上がり」

リサナウト
「なんで負けるのよ!」

リサナウトはおもいっきり泣き叫んだ

マスター
「だってリサちー全部表情に出てるんだもん」

アルマス
「絶その通り」

レーヴァテイン
「わかりやすかったわ」

リサナウト
「ええ!」

386チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 03:14:45
>>385
アロンダイト
「じゃんけんは1位は1億ポイント2位は0ポイント3位は-100ポイントです」

アロンダイト
「それじゃあいきますよ」

アロンダイト
「じゃん...」

カシウス
「けん...」

アバリス
「ポン!」

アバリス:パー
カシウス:チョキ
アロンダイト:グー

アロンダイト
「ふー」

アロンダイトは気合いを込めた

カシウスは次に二人の出す一手を考え自分の一手を考えていた

アバリスはなんでこんなことになっているのだろう?と疑問に思った

三人
「あいこでしょ!」

アバリス:パー
カシウス:チョキ
アロンダイト:パー

カシウス
「勝った」

アロンダイト
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

アロンダイト
「次の勝負には負けれません」

アバリス
「私もですマスターに悪口なんて絶対に無理です!」

アロンダイト
「じゃん...」

アバリス
「けん...」

アロンダイト・アバリス
「ポン!」

387チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 03:24:06
>>386
カシウス
「御館様」

マスター
「ん?どうしたカシウス?」

カシウス
「これ」

マスター
「ん?これは?」

『マスターを1日自由に出来る権利』

マスター
「え?なにこれ?」

カシウス
「三姉妹の勝負で100000013ポイントで勝ったからその賞品」

マスター
「1億以上って一体どんだけ勝負したんだよ」

カシウス
「それで御館様今日1日....」

マスター
「今日1日...」

カシウス
「私の新たなる円環によって産み出されし料理の試食お願い」

マスター
「ああそんなのだったらいいよ変なの来るかと思って少し身構えたけど大丈夫そうだな」

マスターはその言葉を後悔した

マスター
「うっぷ...カシウスまだあるの?」

カシウス
「もっとたくさん持ってくるから」

マスター
「誰か...助けて...」

カシウスが持ってくる料理を腹いっぱいになっても食べるはめになるマスターなのであった

388チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 03:33:58
>>387
次の日

アバリス
「あの...やらないとダメですか?」

アロンダイト
「仕方ないですよアバリス姉さんが-87ポイントで最下位なんですから」

アバリス
「わ、わかりました」

アバリスはマスターの元へ向かった

カシウス
「お姉ちゃんが負けるのは意外」

アロンダイト
「そうですね豪運の持ち主であるアバリス姉さんが負けるなんて珍しいですね」

二人は茂みに隠れて見ていた

アバリス
「マ、マスター」

マスター
「どうしたアバリ..」

アバリス
「バ、バカ///」

マスター
「........ご、ごめん」

アバリス
「あ、い、いえ違うんですこれは私の本心ではなく」

マスター
「なんかアバリスを怒らせるようなことしちゃったんだねごめん本当に心当たりがないんだよ」

アバリス
「いえですからこれは」

マスター
「そうだ!なんか誤魔化してる感じにはなるかもだけど買い物いってなんか買ってあげるよ」

アバリス
「え?それって...」

アバリス
(ほとんどデートなのでは?)

アバリス
「は、はい」

マスター
「よしそれじゃあ善は急げだ行こう」

マスターはアバリスの手を掴んでアバリスを引っ張って走って行った

カシウス
「負けという不運すら幸運に変えるまさに豪運」

アロンダイト
「なんか一番私が負けてる気がします」

389チャレンジアロンちゃん:2019/10/23(水) 03:35:26
頑張れ!アロンちゃん!!負けるな!アロンちゃん!!行け行け僕らのアロンちゃん!!!

390名無しさん:2019/10/23(水) 17:30:54
ユニコーンさん!?
三姉妹チームも仲良くて大変よろしいがマスターサイドのババ抜きの風景も気になる。

391リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/23(水) 23:59:20
【でぃすらぷ!】
第7話「2人の夜」

戦闘の帰り、すっかり日も暮れてきたので、その日はやむなく野宿をすることになった。
何処で手に入れたのか、ヘレナが小さな簡易テントを2組調達していたので2人ずつ分かれることにしたんだけど……

「レーヴァ!レーヴァとがいいの!」
「カリス、我が儘言わないで。このサイズでは2人ずつが精一杯なの。もちろんレーヴァは私と一緒のテントよ!それが最適解!」
「テントを用意したのはヘレナだぞ?決める権利はヘレナにあると思わないか?」

話が進まない……もう結構な時間この調子で…戦闘の疲労と重なって堪える…

「いいから早く決めて…」
「じゃあレーヴァが決めてくれないか?ソロモンもカリスも譲ってくれそうにないから、その方が早い」

少々不服そうではあるものの、ヘレナの提案に2人も頷いた。

「……ヘレナ」
「…!」

肩を落とすソロモンとカリスを背に、驚いた表情のヘレナの手を引いてテント内へと移動する。

「理由を聞いてもいいかい?」
「ソロモンだと多分、色々落ち着かない…カリスは朝、絶対に無理に起こしてくるし…ヘレナは『テントを用意した』って言い分に一理あるって思ったから」
「ふ〜ん…そうか…全く、レーヴァは警戒心が無くて困るな、くふっ」

ヘレナは荷物から小瓶を取り出し渡してくる。見慣れた小瓶…生命水だ。

「今日はこれを飲んだら休もう。正真正銘無害な生命水だぞ?くふっ!」
「露骨に怪しいし……いらない…ヘレナは先に休んで。私は辺りを見てくる」
「そうか、残念だな…」

ヘレナはわざとらしく泣きマネをした後、イタズラっぽい笑みを浮かべ、私が受け取らなかった小瓶の生命水をクイッと呷った。
あれ?自分で飲むってことは、本当に無害だったの…?
そんなことを呑気に考えていると、突然ヘレナに引き寄せられる。

「あっ…」

その勢いでへたり込んだ私に馬乗りになったヘレナは…そのまま唇を重ねてきた…

「…んっ…くっ…」

同時に何かが自分の中に流れ込んでくる。
これはおそらく、直前にヘレナが呷っていた生命水…
結局、為す術も無く、私はヘレナから送られてくる生命水を受け入れるしかなかった。

「ぷはぁっ…」
「はぁ…はぁ…ヘレナ、悪戯にしては限度を超えてるんじゃない…?」
「これに懲りたらもう少し警戒心を持つことだな。優しいヘレナからの忠告だぞ?くふっ…!」

途端に視界が歪んだ。激しい目眩と気怠さが全身に回っていく。

「ヘレナ…あなた、やっぱり…」
「ヘレナ特製の睡眠薬だぞ。さぁ、お楽しみの時間だな。くふっ!」

口ではそう言いつつも、私が最後に見たヘレナは、どこか寂しさと罪悪感を含んだ複雑な表情を浮かべていた…
沈みかけた意識の向こうで微かに声が聞こえる。

「……眠ったかな?」
「みたいね。まったくもってヘレナは損な役回りよね」
「最近アプローチが激しいソロモンやカリスと一緒だと、レーヴァがゆっくり休めないからな…それに、自分も疲れてるのに見回りなんて…無理し過ぎなレーヴァの為さ」
「あっけにとられちまったが…レヴァの貞操の危機って訳じゃ無さそうだな?」
「ああ、手を出すつもりはないぞ。ムーも手伝ってくれ。レーヴァをちゃんと寝かさないと。ニールと寝床の準備を頼めるか?」
「おう!て言うか、もしレヴァがヘレナ以外を選んでたらどうするつもりだったんだ?」
「みんなを薬で眠らせていたな。くふっ」
「マジか!?」
「でもいいの?千載一遇のチャンスよ?」
「……2人と違って、ヘレナはレーヴァに想いを伝える勇気なんてないからな…この気持ちを拒絶されたり、ぎこちない関係になるくらいなら…嫌われ者になってでもレーヴァを支える道を選ぶよ…」
「アタチ、何だか切ないわ……」
「さ、湿っぽい話は終わりだ。それより明日の朝、目覚めたレーヴァが赤面するような『甘〜い夜の営み』のストーリーを練っておこう。真実かどうか確認出来ないレーヴァが、あたふたと困惑する姿が拝めるぞ、くふっ!」
「ブレないな…」
「ヘレナがヘレナたる由縁ね…」

……ああ、そう言うことか……本当に、いつも心配かけてばっかりだなぁ…
私は深いことを考えるのを辞め、そのままヘレナに身を預けた。


翌朝。目覚めた私にヘレナはいつもと変わらない様子接して来た…

「レーヴァ、昨夜はと〜っても、激しかったぞ!くふっ!」
「……ありがとう。おかげでしっかり休めた…」
「っ!まさか、聞いていたのか?」
「さぁ?どうかしら?」
「〜〜〜!」

予定とは逆に自分が赤面させられて膨れるヘレナ。
なだめるように頭を撫でると、困ったように…でも嬉しそうに笑ってくれる…普段よりも愛おしく感じた…

(もう、みんなの気持ちから逃げてばかりもいられない…それは分かってるけど…)

本当の困難はこれからかもしれない…

つづく

392名無しさん:2019/10/24(木) 02:40:27
よき…

393名無しさん:2019/10/24(木) 03:51:18
隙だらけだけど優しさも総受けのレヴァいい…
いつでも行動を起こせるのに手を出さないヘレナのいじらしさもすき
好意をはっきりと伝えて気兼ねせずにヘレナが手を出せるようになったときが楽しみ

394チャレンジアロンちゃん:2019/10/24(木) 21:48:28
チャレンジアロンちゃん14.5

マスター
「暇だな」

マスターはポケットからトランプを取り出した

マスター
「トランプで遊びたい人この指止まれ」

アルマス
「絶やる」

リサナウト
「やるわ」

レーヴァテイン
「やる」

マスター
「三人しか来なかった」

マスター
「元凶アロンによって出来た例の三姉妹来るかと思ってた」

アルマス
「アロンダイトとアバリスとカシウスなら話してたわよ」

リサナウト
「え!?あの三人姉妹だったの...知らなかったわ」

レーヴァテイン
「違うけどね」

マスター
「トランプでなにする?俺はババ抜き」

レーヴァテイン
「マスターがやりたいのならなんでもいいわ」

リサナウト
「はい私は神経衰弱」

アルマス
「私は絶大富豪」

マスター
「2:1:1でババ抜きだ!」

395チャレンジアロンちゃん:2019/10/24(木) 21:56:42
>>394
数分後

マスター
(リサちー表情に出てるからわかりやすいな)

リサナウト
「!!」

リサナウト
(マスターまるでババのカードがわかってるような手つきだわ.....もしかして超能力者!!)

レーヴァテイン
(リサナウトあの感じを見るに気づいてないわね)

アルマス
(絶わかりやすい)

さらに数分後

リサナウト
「ああ!また負けた!!」

マスター
「リサちーこれで何連敗?」

レーヴァテイン
「20連敗目ね」

リサナウト
「まだよ!まだまだ勝負はこれからよ!」

さらにさらに数分後

リサナウト
「うわぁぁぁぁぁぁん!なんで勝てないのよ!」

リサナウト
「なんで私が一回でも勝てる時間軸が存在しないのよ!」

ついにリサナウトは泣き出してしまった

マスター
「どうしよう....」

レーヴァテイン
「はぁ....仕方ないわねこうなったらごますりするしかないわね」

マスター
「マジか...」

396チャレンジアロンちゃん:2019/10/24(木) 22:11:22
>>395
マスター
「リサちー最後のババ抜きするぞ」

リサナウト
「もう良いわどうせ私は勝てないし」

レーヴァテイン
「リサナウトここで諦めるのはらしくないわよ」

アルマス
「あなたのガッツを見せる時よ!」

リサナウト
「二人とも....良いわ私の本気の実力見せてあげるわ!」

三人はリサナウトがババを取らないようにあれこれ色々とやった

そして最後のババ抜き開始から数十分後

リサナウト
「上がり!私が一番よ!」

マスター
「すごいよリサちー」

レーヴァテイン
「頑張ったわねリサナウト」

アルマス
「さすがリサナウト私の姉ね絶誇らしい」

リサナウト
「私が本気出したらあっという間に終わっちゃうから手加減してあげただよ」

マスター
「本当にすごいよリサちー」

リサナウト
「ふふふ、そうよ私はすごいのよ」

リサナウトは上機嫌のまま帰った

マスター
「頭がすげえ痛い」

レーヴァテイン
「こんなに頭を使うことはなかったわね」

アルマス
「絶疲れたコマンドたちと戦った以上に疲れたわ」

マスター
「二人ともお疲れ様....明日はゆっくりしたいな」

次の日カシウスの新作料理を腹いっぱいになっても食べさせられその次の日にはアバリスから『バカ』と言われることをこの時のマスターはまだ知らない

おまけ:気になるカシウスちゃん

カシウス
「ムッチムチでプリップリンでボンキュボーンなお姉ちゃん....」

カシウスは想像した

******

ムッチムチになってアバリスが恥ずかしそうに胸などを手で隠そうとしていた

アバリス
「は、恥ずかしいから見ないでください//////」

********

カシウス
「見てみたい」

397チャレンジアロンちゃん:2019/10/24(木) 22:12:23
気になるという人がいたので書いてみた
リサちー負け続けたら絶対すねる

398名無しさん:2019/10/24(木) 23:26:58
1回の勝ちですぐ上機嫌になるりさちーも可愛いなあ!
ムッチンプリンなアバリスさん…インテグラル化に期待だな!

399名探偵イシューリエル:2019/10/29(火) 23:33:34
近日公開

400名無しさん:2019/10/30(水) 01:03:37
>>399
絶期待!
そらもう期待!
管理人ちゃんもにっこり

401名無しさん:2019/10/30(水) 03:04:21
チャレンジアロンちゃん15

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

アロンダイト
「うーん....」

アロンダイトは左右の口角を自分の指で上げていた

エクスカリバー
「アロンダイト何をしているんだ?」

アロンダイト
「あ、エクスカリバー...いえ実は仮装された時にマスターから笑顔が鬼のようだと言われたんです」

エクスカリバー
「お、鬼か...マスターも中々な表現をするな」

エクスカリバー
「笑顔ぐらいなら簡単に出来そうだがな」

アロンダイト
「それじゃあやりますよ」

アロンダイト
「はあ!!」

アロンダイトは自分なりに全力で笑顔になった

エクスカリバー
「................」

エクスカリバー
(鬼と言われて仕方ないような...)

アロンダイト
「どうでしたか?」

エクスカリバー
「あーそうだな....」

ロンゴミニアド
「鬼のようでしたよ」

アロンダイト
「やっぱり.....」

アロンダイトは若干泣きそうな顔になった

エクスカリバー
「ロンゴミニアド!!」

ロンゴミニアド
「え、ダメだったんですか?」

エクスカリバー
「タイミングを考えてほしかった」

アロンダイト
「私はユニコーンの貞淑さを手に入れて柔らかくなったと思ったんですがなにも変わってはないんですね....」

エクスカリバー
「いやアロンダイトは変わったと思うぞ」

ロンゴミニアド
「ええ前よりかは柔らかくなったと思いますよ」

アロンダイト
「じゃあ私は笑顔の出来ない冷たい女ってことなんですね...」

エクスカリバー
「いやアロンダイトは根本がしっかりとした騎士道に忠実なだけであって笑顔をするのが苦手なだけなんだ」

ロンゴミニアド
「色んな方にアドバイスを求めてみてはどうでしょう?」

アロンダイト
「アドバイス....」

ロンゴミニアド
「はい色んな方がいますから良いアドバイスもらえますよ」

アロンダイト
「わかりましたアドバイスを求め笑顔が出来るようになります!」

402名無しさん:2019/10/30(水) 03:11:45
>>401
アロンダイト
「ということでよく笑ってるヘレナにアドバイスをもらいに来ました」

ヘレナ
「私がいうのもなんだけど聞く相手間違ってる気がするよ」

アロンダイト
「え?ですがヘレナはよく『くふっ』って笑顔じゃないですかだから笑うのが得意なのかな?と」

ヘレナ
「あれは笑顔とは違うよあれを笑顔と言ったのは君が初だよ」

ヘレナ
「もうちょいさ笑顔といえばの人いるでしょ?近くにさ」

アロンダイト
「笑顔....わかりませんね別のにしましょう近く....近く....近く....!!」

アロンダイト
「ありがとうございます!良いアドバイスをもらえる気がします!」

403チャレンジアロンちゃん:2019/10/30(水) 03:22:08
>>402
アロンダイト
「ということでカシウス姉さんアドバイスお願いします」

カシウス
「口角を上げる」

アロンダイト
「こ、こうですか?」

アロンダイトは口角を上げた

カシウス
「鬼神」

アロンダイト
「泣きそうです」

カシウス
「泣いても良い悲しいことを流すために涙は流れるから」

アロンダイト
「カシウス姉さんカッコいい」

カシウス
「ありがとう」

アロンダイト
「ですがヘレナの言うとおり近くにいるカシウス姉さんにアドバイスを求めましたが良いアドバイスもらえませんでした」

ヘレナ
「ヘレナが悪かったヘレナの主語が足りなかった」

ヘレナ
「ヘレナの近くにいる人だよ」

アロンダイト
「.........わかりません」

ヘレナ
「はぁそれじゃあヘレナが案内するよ」

アロンダイト
「お願いします!」

404チャレンジアロンちゃん:2019/10/30(水) 03:40:56
>>403
カリス
「任せて!カリスちゃんのアドバイスを送るよ!」

アロンダイト
「お願いします!笑顔が出来るようになってマスターから『わーアロンの笑顔のすごい』って言わせたいんです」

ヘレナ
「大きそうで小さな目標だね」

アロンダイト
「それでカリスはどうやったら笑顔になるんですか?」

カリス
「うーんやっぱり楽しい時かな」

アロンダイト
「楽しい時...ですか」

カリス
「そう楽しい時だよ」

アロンダイト
「楽しい時って例えばどういう時ですか?」

カリス
「レーヴァやヘレナにソロモンみんなといる時が楽しいよ!」

アロンダイト
「みんなといる時ですか...」

カリス
「そうだね誰かといる時も楽しいよ」

アロンダイト
「楽しい....私には縁もゆかりもない言葉ですね」

カリス
「そうかな?」

アロンダイト
「え?」

カリス
「だってアロンダイトを見てるとアバリスやカシウス特にマスターといる時は楽しそうに笑ってるよ良い笑顔してるよ」

アロンダイト
「そ、そうでしょうか?全く自覚がないんですが」

ヘレナ
「楽しいとか笑顔になるのは意識して出来ないよ」

アロンダイト
「そうなんですか?」

ヘレナ
「ヘレナの笑顔も意識して出てるわけじゃないからね...くふっ」

カリス
「試しにマスターと一緒にいてみたら?」

アロンダイト
「マスターと...わかりました試してみます」

405チャレンジアロンちゃん:2019/10/30(水) 03:59:27
>>404
マスター
「..........」

アロンダイト
「...............」

マスター
「なにアロン俺になにか用?」

アロンダイト
「いえ一緒にいるだけです」

マスター
「........」

マスターはアロンダイトの両頬を引っ張った

アロンダイト
「ふぁい?」

アロンダイト
「ふぁひふぁていふぁんでふぉすか?」(なにやっているんですか?)

マスター
「いやアロンが笑顔で困ってるって聞いたから両頬引っ張ったら出来るかな?って」

アロンダイト
「ふぁふてくばはい」(やめてください)

マスター
「わかった」

マスターはアロンダイトから手を離した

アロンダイト
「マスター仕返しです!」

アロンダイトはマスターの両頬を引っ張った

マスター
「いひゃい!いひゃい!!」

マスターはアロンダイトから離れた

マスター
「マジでアロン痛いんだけど」

アロンダイト
「マスターはこれを私にやったんですよ」

マスター
「いやアロンの方が力強いんだから少し手加減してよ」

アロンダイト
「嫌です」

マスター
「嫌ですってなんだよ」

アロンダイト
「私は常に全力なんです!」

マスターはアロンダイトの両頬をまた引っ張ってアロンダイトもマスターの両頬をまた引っ張った

マスター
「やっぱ痛っ!」

アロンダイト
「もう怒りましたからね容赦しません!」

マスターは逃げ出してアロンダイトはマスターを追いかけた

マスター
「怖い怖い!」

アロンダイト
「コラー待ちなさーい!」

逃げるマスターと追いかけるアロンダイト

そんなアロンダイトの表情は笑顔だった

406チャレンジアロンちゃん:2019/10/30(水) 04:04:16
>>405
その日の夜

アロンダイト
「う〜ん....う〜ん....う〜ん....」

アロンダイトは少しうなされていた

アロンダイト
「はっ!」

アロンダイト
「はぁ....はぁ....はぁ....はぁ....」

アロンダイト
「ゆ、夢....そうですよねあれは夢ですよねもう過ぎたことですし....うん」

アロンダイトは呼吸を整え再び布団に潜り眠るのであった

407名無しさん:2019/10/30(水) 08:12:00
シリアス篇突入の予感…!
エクスロンゴミアロンの三騎士の絡みも良いなぁ

408リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/30(水) 23:00:29
【でぃすらぷ!】
特別編「ハッピーハロウィン 前編〜前夜祭〜」

10月31日…今年もハロウィンがやって来た。それはいい…いいんだけど…

「何でこんなに露出が多い衣装なのよ…」

3人が私の為に用意した衣装は化け猫…らしい
猫耳とアクセサリーの尻尾は分かる…
でも躰を覆う衣装その物は何故か普通のビキニ…

「良いわ…レーヴァ…もう少し、上目遣いで…!」
「可愛いよ、レーヴァ!」
「ヘレナだって露出は多目だぞ?」

ソロモンは吸血鬼。スラリとした体型に赤いマントが良く似合っている。
カリスは狼男…もとい、狼少女。モコモコの着ぐるみに近い衣装だ。私と同じ動物系なのにこの露出の違いは……。
ヘレナはミイラ男…もとい、ミイラ少女。全身包帯で、隠している部分も最小限と言う、確かに露出だけならある意味私よりも多い、際どい衣装…。

「で、こんな少人数でハロウィンって言っても…何するの?」
「「「トリックオアトリート!!」」」

私だけ狙い撃つのは何で…?

「はぁ…おっけ。並んで…」

まぁ、いつお菓子をねだられても渡せるように用意はしてたから良いけど……。

まずはカリスに渡す。

「はい…ハッピーハロウィン」
「ありがとう!……うん!」

カリスは私が渡したクッキーをモグモグと食べ出した。
食べ終わると満面の笑みで…

「トリックオアトリート!」
「1人1回に決まってるでしょ…」
「ガーン!!カリスちゃん、ショック……!」
「はい、次」

2番手はヘレナ。

「はい、ハッピーハロウィン」
「………これを受け取ったら悪戯出来ないのか……でもレーヴァからのお菓子は欲しいし…」
「悪戯ならいつもやってるでしょう…?」
「それもそうだな。悪戯はまた別の機会に…くふっ」

あれ?何だか悪戯に関して感覚が麻痺している気がする。いつの間にかヘレナの悪戯を日常として受け入れ過ぎていた…危ない、危ない…。
ヘレナにはキャンディを渡す。

「ふふ、ありがとう、レーヴァ」
「……次」

最後はソロモン。

「ハッピーハロウィン」
「ありがとう、レーヴァ!……その、ちょっといいかしら?」
「何?」
「食べるのが勿体なくて…出来れば長期保存の利くお菓子がいいのだけど……」
「いいから食べて」
「うっ…はい…」

ビスケットを渡した。これでみんなの分は終わり。
……迷ったけど…意を決して…。

「その…私も…トリック…オア…」

別にお菓子が欲しい訳じゃ無いけど…一応ね、うん…
でも、私の言葉はかき消されてしまう…

「ソロモン、ヘレナの知る歌にビスケットを増やす歌があるんだ」
「え!本当?」
「ポケットに入れて叩くと増えるらしいぞ?くふっ!」
「あぁ、カリスちゃんも聞いたことあるよ!」
「じゃあ、このレーヴァからのビスケットも、それで増やせば…心置きなく食べられるわね!ありがとう、ヘレナ!」

ソロモンは吸血鬼衣装のズボンのポケットに袋に入ったビスケットを入れ…それはもう勢いよく叩いた…。

わくわくとした表情で袋を取り出したソロモン。
粉々になり、確かに数だけは増えたビスケットを前に、一瞬にして凍り付いて動かない…。

「何やってるのよ…」
「言い方が悪かったな、すまないソロモン…」
「ソロモンが固まっちゃったよ!」

ソロモンはゆっくりと膝を抱え蹲った。

「…私に構わず、パーティーを続けて…すぐ、立ち直るから……」

どうするの、この空気……
て言うか、私の…お菓子…は?

「後編〜当日〜」(31日投稿)へつづく

409名無しさん:2019/10/30(水) 23:08:37
よき

410名無しさん:2019/10/30(水) 23:25:36
粉々になるなんてよほど気合を入れて叩いたに違いない

411名無しさん:2019/10/31(木) 13:51:13
きわどい衣装着せたり全員で狙い撃ちしたり、思いっきりレヴァへのイタズラを狙ってる…

412ハロウィンなアロンちゃん:2019/10/31(木) 20:38:57
ハロウィンなアロンちゃん

アロンダイト
「マスターに言うのはあれですが.....トリック・オア・トリート!」

マスター
「はい」

マスターはアロンダイトにあめ玉を一個あげた

アロンダイト
「人様からの貰い物に文句を言いたくありませんが....もう少しくれませんか?」

アロンダイト
「アバリス姉さんやカシウス姉さんを見習ってください」

マスター
「アバリスとカシウスはなにくれたの?」

アロンダイト
「アバリス姉さんはお菓子の詰め合わせカシウス姉さんは手作りカップケーキです」

マスター
「なんかすごい子ども扱いされてるような.....」

アロンダイト
「ですがいたずらはしたくないのであめ玉一個でもいいですよ」

マスター
「それにそんなにお菓子食べると太るよ」

アロンダイト
「マスターは女性に対してデリカシーを学ぶべきです」

梓弓
「アロンダイト」

スイハ
「ハッピーハロウィンです」

アロンダイト
「梓弓にスイハ、ハッピーハロウィンそしてトリック・オア・トリート」

梓弓・スイハ
「お菓子は持ってません」

アロンダイト
「え?」

アロンダイト
「........え?」

梓弓
「さあアロンダイト私にいたずら(性的なの)をしてください」

スイハ
「どんないたずらも受けましょう」

アロンダイト
「え....えっと.....」

マスター
「はぁ....アロン逃げるぞ」

マスターはアロンダイトの手を引っ張って逃げた

アロンダイト
「あ、ありがとうございますああいった場合の対処をしらなくて」

マスター
「知ってた方がびっくりだよ」

アロンダイト
「.............」

マスター
「どうしたんだアロン俺の顔をジロジロ見て」

アロンダイト
「いえ私が殺さずに今を生きてくださっているなと....」

マスター
「?」

マスター
「一体なに言ってるんだ?」

アロンダイト
「いえ気にしないでください」

アロンダイトの誤魔化すような笑顔が少し気になるマスターなのであった

413ハロウィンなアロンちゃん:2019/10/31(木) 20:40:11
今回のガチャでハロウィンアロンが当たったから短いながらも書いた
かわいいなハロウィンアロンめっちゃ好みだよ

414リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/10/31(木) 22:11:59
前編> >>408
【でぃすらぷ!】
特別編「ハッピーハロウィン 後編〜当日〜」

ソロモンが元気を取り戻した所で(ソロモンが落ち込んでいる最中、グラウが常に私の映像を見せていたことには目を瞑る…)ハロウィンパーティーを再開した。

「あの、トリックオアトリート…」

私は改めてみんなにハロウィンお決まりの言葉を告げる。
待っていましたとばかりにみんなはゴソゴソと何かを取り出して…

「はい。ハッピーハロウィン、レーヴァ!さっきは心配させてごめんなさい。ビスケット、重要なのは形じゃなく、君の気持ちだもんね!大事に食べるわ!」

ソロモンからカップケーキを受け取る。どう見ても手作り…

「ハッピーハロウィン!レーヴァがどんな悪戯をしてくれるか興味があるから、お菓子を受け取っても悪戯してくれてもいいぞ?くふっ!」

ヘレナからはチョコチップクッキー…やはり手作りっぽい…

「ハッピーハロウィン!レーヴァ、まだ沢山焼いてあるからい〜ぱい食べてね!」

カリスはハロウィンらしいパンプキンパイ…これも手作り…

「ありがとう…って言うか……みんないつの間に……?」

お店で用意しただけで満足していた自分が恥ずかしい……
3人は私や自分たちの衣装まで準備して、いつから取り掛かっていたのだろう……?

「うん…私も…みんなのお菓子、大事に食べるから…」

3人は顔を見合わせ、嬉しそうに笑った。私も吊られて笑ってしまう。

「おーい!運んできたぞー!」

入り口の方からムーの声がした。
オートアバター達はそれぞれカボチャを持って広間に集まって来る。

「ご苦労さま!ねぇ、みんな!カボチャのランタン作ろう!」
「いいわね。ハロウィンらしいわ」
「ただ作ってもつまらないな。何かお題を決めてみたらどうかな?」

私はカボチャに乗っかって「ふぅ」とひと息つくムーを眺めて、何気なく呟いた。

「それぞれのオートアバター…?」

3人は一瞬目を丸くしつつも…

「おもしろそうだな…ニール、ちょっと顔をよく見せてくれ」
「何だか…照れるわね!」
「キプル、おいでー!可愛いランタン、作っちゃおう!」
「よ、よろしくお願いします!」
「グラウ!君の形状と私の彫るランタンの誤差を定期的に計測、修正箇所を報告して!」
「了解。カボチャの形状をスキャンします」

なんか始まった…

「レヴァ、俺のランタン、ビシッと格好良く頼むぜ!」

ムーもその気になってポーズを決める。
仕方ない…私も作業に取り掛かった。

結果、出来上がったランタンは、味のある歪な3個と彫刻レベルの1個。
あまりにも個性的な出来に、またしてもみんなで笑い合う。
オートアバター達も自分たちのランタンの横で同じポーズを取ったりと、それぞれ楽しんでいる様子で安心した。

その後、思う存分パーティーを堪能し、私達は本当に…本当に楽しい時間を過ごした。

ハロウィンパーティーの終盤、私はひとつの提案をした。

「ソロモン、みんなで記念に記録を撮りましょう。8人で…」
「みんなで……は少し難しいわ。どうしても撮影するグラウは入らないもの…」
「大丈夫。考えてるから」

〜数分後〜

「ソロモン、もう少しそっちに寄れない?」
「無理よ、カリス…我慢して」
「しかし狭いな…レーヴァもこんなこと思い付くなんて…」

縦長の姿見(鏡)の枠内に納まるためにみんなでオートアバター達を抱いてくっつき合う。

「でも、鏡に映った姿を撮れば、グラウも入るでしょ?」

どうしても、みんなで…撮りたいんだもん…

「じゃあ、いくわよ!」

8つの声が重なる。

「ハッピーハロウィン!」

記録音が響く。
正面の姿見には満面の笑みを浮かべた8人が映されていた。

ハロウィン編 おわり

415名無しさん:2019/11/01(金) 01:31:09
ハロウィンアロン…よき…よき…

416名無しさん:2019/11/01(金) 01:33:30
よき…

417名無しさん:2019/11/01(金) 10:26:09
>>414
鏡に写してみんなで写るの好きだわ

418名探偵イシューリエル:2019/11/01(金) 23:29:18
この物語は当然フィクションです
殺人事件を描いているので、イシューリエルとアルマス以外はこのSSオリジナルの人物です。


登場人物

ナウレイク卿
一人目の被害者。資産家。

ミセス・マウンテンファーム
二人目の被害者。ナウレイク卿の娘。

ウッドヴィレッジ伯
容疑者。男性。

ポット・コットン
容疑者。男性。

炭 智子
容疑者。女性。




イシュ「事件が私を呼んでいますわ!これぞトゥルース!」


アルマス「絶うるさい!殺人現場の扉を思い切りあけるバカがどこにいるのよ」


イシュ「ここが事件現場ですわね。アルマスさん、状況を教えてもらえますの?」


アルマス「きて早々やる気満々ね。じゃあ端的に説明するわ」

419名探偵イシューリエル:2019/11/01(金) 23:30:26
アルマス「被害者はこの屋敷の持ち主、ナウレイク卿とその娘、ミセス・マウンテンファームよ」


イシュ「ミセス、ということは既婚者ですのね。旦那様は何を?」


アルマス「事件が起きた日にはこの屋敷には来ていなかったみたいね。なんでもこの夫婦はお金に困っているとか」


イシュ「父親はこんな立派な屋敷に住んでいるのに、大変ですのね」


アルマス「実際、娘がここにきていたのはお金の相談だったみたいだけど・・・、それはさておき、殺人現場は私達が今いるこの【書斎】ね」


イシュ「すごく立派な書斎ですが、ナウレイク卿は本の趣味は悪いようですわね。机の上に置いてあったこの本とか」


アルマス「日本のライトノベルっていう本ね。日本語だから私は読めないけど」


イシュ「通常攻撃が2回攻撃で全体攻撃の母親をどうやって好きになるんですの?」


アルマス「って、そんなことは絶どうでもいいのよ!」


アルマス「二人ともこの書斎で殺されていたわ。ほら、部屋の奥のここに絶大きな血の跡があるでしょう?」


イシュ「これは、かなり血の量が多いように見えますわね」


アルマス「端的に言うと、二人は重なっていた・・・片方が上から覆いかぶさるような形で死んでいたわ。
ナウレイク卿が下で、ミセスが上ね」


イシュ「ふむふむ。父親の死を嘆いていたのでしょうか」


アルマス「最後は一緒にいたかったのかも知れないわね。絶悲しいけど・・・」


イシュ「死因はなんですの?」


アルマス「ずばり、銃よ。ナウレイク卿は太腿、ミセス・マウンテンファームは胸を銃弾で打ち抜かれていたわ」


イシュ「それは間違いなく致命傷ですわね」


アルマス「即死とはいかなかったみたいだけどね。ほら、部屋の入口から血が点々と、死体のあった部屋の奥に向かってあるでしょ?」


イシュ「これはお二人どちらの血ですの?」


アルマス「どうもミセスのものみたいね。状況はわからないけど、扉の近くにいたミセスが、最後の力を振り絞って
父親であるナウレイク卿の傍まで歩いたんじゃない?」


イシュ「親子愛が美しいですわ」

420名探偵イシューリエル:2019/11/01(金) 23:31:12
イシュ「ところで、死体の血だまりのそばの床にあるこの赤いマークはなんですの?」


アルマス「それはナウレイク卿が自分の血を使って指で書いた・・・」


イシュ「ダイイングメッセージですのね!」


アルマス「絶言われた・・・そうよ。書いてることは意味がよくわからないけど」


【<】←こんな感じのものが書かれている


イシュ「これは日本語の「く」に見えますわ」


アルマス「そうなの?私は不等号だと思ったけど」


イシュ「そっちの可能性もありますわね。まぁいいですわ、これは後で考えましょう」


アルマス「この事件の厄介なところは、死体を発見した時、入り口の掛け金がかかっていたのよ」


イシュ「掛け金?というと、内側からしか掛けるアレですわよね?」


アルマス「そう。鍵がかかっていたんじゃなく内側からしか掛けられない掛け金よ」


イシュ「ということは、これは密室殺人ですのね!これは難事件の匂いがしますわ!」


アルマス「そこでテンションを絶上げるのね・・・」


イシュ「ちなみに凶器に使われた銃は発見されましたの?」


アルマス「屋敷の中をしらみつぶしに探しているところだけど、まだ見つかってないそうよ。少なくともこの部屋の中には確実にないわ」


イシュ「なるほど・・・では現場の状況を"端的に"まとめるとこうですわね」


①被害者は父と娘。二人は部屋の奥で、父の死体に覆いかぶさるように娘が死んでいた。

②二人とも銃殺されており、父は太腿、娘は胸を撃たれていた。

③部屋の入口から部屋の奥にかけて、娘の物と思われる血が点々と続いていた。

④死体発見時、部屋の扉には内側から掛け金がかかっていた。部屋の外から掛けることはできないものである。窓にも鍵が掛かっていた。

⑤死体のそばには父の血で書かれた【<】というダイイングメッセージがあった。

⑥凶器の銃は発見されておらず、殺人があった部屋の中には確実に存在しない。

421名探偵イシューリエル:2019/11/01(金) 23:31:57
アルマス「一応、糸とか針とか使って外から掛け金を掛けられないかやってみたけど絶無理だったわ。窓も同じよ」


イシュ「こんな密室朝飯前ですわ!」


アルマス「えぇ、本当に?もう真相がわかったっていうの?」


イシュ「二人は心中したのです!きっと娘が掛け金をかけて父親の所まで歩いて血が垂れたのでしょう!」


アルマス「・・・ハァ・・・確かにそれっぽい推理だけど、じゃあ凶器の銃はどこにいったのよ」


イシュ「え」


アルマス「それに、銃で自殺しようって時に即死じゃない方法を選ぶと思う?絶苦しいじゃない。特に父親」


イシュ「い、今のはあなたを試したのですわ」


アルマス「はいはい。それだとダイイングメッセージも関係ないしね」


イシュ「殺人事件のダイイングメッセージなんて役に立たないですわよ?」


アルマス「え?なんでよ?」


イシュ「こんなもの、犯人が捏造できますもの」


アルマス「あ、確かに・・・」


アルマス「コホン。次は容疑者について説明するわ」


イシュ「何人いますの?」


アルマス「容疑者は3人。いずれもアリバイがない人物よ」


イシュ「このひろーい屋敷の中にいた人物ということですわね」


アルマス「その通り。ひとりひとり説明するわね」


アルマス「まず死体の第一発見者の【ウッドヴィレッジ伯】。ナウレイク卿とは友人で、今日は遊びにきていたみたいね。」


アルマス「ウッドヴィレッジ伯は殺人現場から別の階の客室にいたんだけど、銃声を聞いて現場に駆け付けたそうよ」


アルマス「続いて同じく駆け付けた、これまた友人の【ポット・コットン】さんが来て、緊急事態だと思い二人でドアを破ったそうよ」


イシュ「ポット・コットンさんはなんだか可愛い名前ですのね」


アルマス「なんでもメキシコからやってきたらしいわ」


アルマス「二人は死体を発見して大慌て。そこに仕事の関係で屋敷に来ていた【炭 智子】さんもやってきて、3人はひとしきり驚いたあと警察を呼んだってわけ」


イシュ「仕事って、なんですの?」


アルマス「それは今回関係ないわ」


イシュ「あ、そうですか」

422名探偵イシューリエル:2019/11/01(金) 23:32:49
アルマス「3人とも、一人一人割り当てられた客室で休んでいたと言っているそうよ、時間も遅かったしね」


アルマス「ちなみに客室はどれも現場とは別の階にあって、現場からの距離はだいたい同じぐらい」


イシュ「状況があまりにシンプルすぎますわね。一応聞きますがこの3人以外に侵入者がいた可能性などはないんですの?」


アルマス「屋敷の戸締りは確実にされていたわ。形跡もないし、人が侵入した可能性はないと考えていいわ」


イシュ「とっかかりがありませんわ・・・」


アルマス「そうなのよね、誰にでも犯行は可能だったわけだし・・・」


イシュ「3人には動機はあるんですの?」


アルマス「なくはないってレベルよ」


アルマス「ウッドヴィレッジ伯は奥さんにちょっかいを出されていたとか、ポット氏はパワハラを受けていたとか、炭智子さんはセクハラを受けていたとか」


イシュ「それ、ナウレイク卿のことですわよね?」


アルマス「端的に言うと、その通り」


イシュ「なんだか妙にゲスい人物ですわね・・・恨みを買っていて当然な気がしますわ」


イシュ「ウッドヴィレッジ伯も奥さんにちょっかいを出されてよく遊びにきますわね〜」


アルマス「なんだったら、ポット氏の奥さんにも・・・・」


イシュ「ポット氏も既婚者なんですの?」


アルマス「そうよ。容疑者は3人とも結婚していて、子供もいると聞いているわ」


イシュ「容疑者は3人とも既婚・・・子供もいる・・・」


アルマス「なんだかミセス・マウンテンファームは巻き込まれたみたいで絶かわいそ・・・」


イシュ「アルマスさん、わかりましたわ、犯人が!」


アルマス「・・・え!?」


後編へ続く
皆さんも推理してね

423名無しさん:2019/11/02(土) 01:53:51
犯人はメキシコだな

424名無しさん:2019/11/02(土) 06:12:15
でぃすらぷ!が尊すぎてヤバいです。
自分も時々SSを書いてますけど、情景がしっかりと浮かんでく

425EPILOGUE ティルフィング:2019/11/02(土) 06:19:09
ごめんなさい。
sageを入れる前に途中送信してしまいました。
 
でぃすらぷ!が尊すぎてヤバいです。
自分も時々SSを書いてますけど、情景がしっかりと浮かんできて凄く読みやすい上に、キャラがしっかりと確立されてて話が凄く良く纏められててとにかくいつも参考にさせて貰ってます!
これからも頑張って下さい!

426名無しさん:2019/11/02(土) 08:14:44
ディスラプいいね

427名無しさん:2019/11/02(土) 10:37:14
ナウレイクって今泉ってことかw

428名無しさん:2019/11/02(土) 11:08:28
犯人はヤス!
そういやネタばらしはいつやるんですか?

429名無しさん:2019/11/02(土) 11:12:29
ナウレイク→今泉
ウッドヴィレッジ→木村
炭→ジェナ
は推理できたわ

430名無しさん:2019/11/02(土) 11:22:00
炭だけどっからやってきたか曖昧な気もする
娘は胸を撃たれたら即死な気もする
なのでナウレイクを瀕死にした後に駆けつけた?娘を殺し扉に鍵をかけて時間を稼ぎ娘を被せたあとに自分は書斎に隠れ毛破られてアタフタしてる時に駆け付けたかに見せて紛れ込んだ
ダイイングメッセージはくでも不等号でもなく炭が隠れた場所を示す矢印
凶器がないのは炭が所持してるから見つからない

431名無しさん:2019/11/02(土) 11:29:09
ダイイングメッセージは日本のライトノベルを読んでたのが伏線で日本語で「女」って書こうとしたんじゃないの
密室はわからんちん

432名無しさん:2019/11/02(土) 11:38:40
マンウテンファームは山田?

433名無しさん:2019/11/02(土) 12:07:04
だろうねw

434名無しさん:2019/11/02(土) 12:21:29
ポットコットンが意味わからんかったが
ポット(鍋)コットン(綿)でワタナベ=NAVEだな
どうやこの名推理

435名無しさん:2019/11/02(土) 14:51:30
>>434
名探偵かよ…

436名無しさん:2019/11/02(土) 16:22:30
犯人はともかく密室の謎がスゲー気になるわ

437名無しさん:2019/11/02(土) 17:50:21
俺とレヴァが密室で二人きり
何も起こらない筈がなく…

438名無しさん:2019/11/02(土) 18:16:21
>>437
レヴァと何か起こるのはディスラプチームだけだぞ

439リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/02(土) 20:58:02
>>425
ありがとうございます!
自分では長編は書けないので、EPILOGUEシリーズを「凄いな」と思いながら拝見しています。お互い頑張りましょう!


いつも感想をくださるみなさん、ありがとうございます!
みなさんが作品を読まれる祭に作者の人格がチラついては楽しめないと思い、普段は極力、作品以外の投稿は控えています。
ですがいただく感想は全てありがたく読ませていただいてます。
調度いい機会ですので、普段の分もお礼申し上げます。
と言うわけで、あまり返信は出来ませんが作品で応えたいと思いますので、今後もよろしくお願いします。

おまけ
遅筆でゴメンちゃいです

440人気投票とアロンちゃん:2019/11/06(水) 01:23:44
人気投票とアロンちゃん

アロンダイト
「カシウス姉さん1位おめでとうございます!」

カシウス
「ありがとう」

アロンダイト
「私は確か11位でした」

カシウス
「いい(11)順位」

アロンダイト
「.......お、面白いですね」

その頃アルマス

アルマス
「ふふふ誰かなんか面白いこと言った?」

441人気投票とアロンちゃん:2019/11/06(水) 01:33:16
>>440
アバリス
「カシウス1位おめでとうございます」

カシウス
「お姉ちゃん.....」

カシウスは悲しそうな顔でアバリスを見た

アバリス
「ど、どうかしたの?」

カシウス
「お姉ちゃんの順位がすごく下がった....」

アバリス
「そ、それですか!?あ...でもた、確か25位でしたからニコ(25)っと笑顔みたいな順位で私嬉しいですよ」

カシウス
「それで良いの?」

アバリス
「はい私はカシウスが1位になって嬉しいですよ」

カシウス
「ならよかった」

カシウス
「ニコっと良い順位」

アバリス
「はいニコっと良い順位ですね」

その頃アルマス

アルマス
「あははもう誰よ絶面白い冗談言うのは」

442人気投票とアロンちゃん:2019/11/06(水) 01:56:27
>>441
アロンダイト
「そういえばアバリス姉さんどこにいたんですか?」

アバリス
「え?それは...その....えっと.....」

カシウス
「お姉ちゃんどこにいたの?」

アバリス
「それは...その....えっと.....あの....あれですよ」

アロンダイト
「なんではぐらかすような言い方するんですか?」

カシウス
「気になる」

マスター
「三人ともどうかしたの?」

アロンダイト
「あ、マスター実はアバリス姉さんがどこにいたのか聞いていたんです」

マスター
「ああアバリスなら俺と一緒に旅行に行ってた」

アロンダイト
「え!?」

カシウス
「!!!!」

アロンダイト
「ど、どういうことですか!?」

マスター
「カシウスとアロンが人気投票の上位の方にいたからアバリスが一人ぽつんと誰とも話さずにいたから誘ったんだよ」

アロンダイト
「ど、どのくらいの期間ですか?」

マスター
「二泊三日」

アロンダイト
「二、二泊三日!?」

カシウス
「男女二人きりの二泊三日旅行なにも起きないはずがなく.....」

カシウスとアロンダイトは想像した

*******

アバリス
「マ、マスターそんな...ダ、ダメですよ」

マスター
「はぁはぁアバリスもう我慢できない」

アバリス
「妹たちにばれたらどうするんですか?」

マスター
「もしばれたりなんかあったら全部の責任は俺が持つよ」

アバリス
「.......わ、わかりました....初めてですから優しくしてくださいね」

マスター
「アバリス」

アバリス
「マスター」

そして二人は激しい激しい夜を一夜過ごした

********

カシウス
「お姉ちゃん大胆」

アロンダイト
「マ、マスターそういうのはしっかりと段階を踏んだ方がよ、よろしいかと」

マスター
「え?待ってなんの話?」

アバリス
「やっぱり変な勘違いされてる....」

※二人はそんな一夜は過ごしてません

443人気投票とアロンちゃん:2019/11/06(水) 01:59:45
>>442
アロンダイト
「でも姉さん本当に順位が下がって残念でしたね」

アバリス
「私はそれでもいいですよ」

カシウス
「なんで?」

アバリス
「私はたくさんの人に好かれるよりもマスターただ一人に好かれればそれで十分です」

アロンダイト・カシウス
「.............」

アロンダイト
「カシウス姉さん」

カシウス
「なに?」

アロンダイト
「私はナンバーワンよりもオンリーワンを目指します」

カシウス
「私も次はそこを目指す」

二人は新しい目標を掲げるのであった

444人気投票とアロンちゃん:2019/11/06(水) 02:02:05
『二人はそんな一夜は過ごしてません』と書いてあるが本当かどうかはマスターとアバリスの二人しかわからない

445名無しさん:2019/11/06(水) 08:28:53
>>444
実質デートでアバリスさん大勝利!
今回は強豪ぞろいで仕方ないね
来年も投票し続けるぞ!

446名無しさん:2019/11/06(水) 10:22:23
台風打ち消したり出来るちゃっかり長女
ぼんやりしてるけど賢い想像力豊かな次女
なにも考えてなさそうな三女

うーん平和

447リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/08(金) 00:29:42
【でぃすらぷ!】
小ネタ集2「それぞれの時間」

〜カリス編〜
一体どのくらい眠っていたのだろう。
広間のテーブルでうたた寝をしてしまった私は、体に感じる重みと暖かさで目を覚ました。

「カリス…?」

いつの間にかカリスが覆いかぶさるように抱き着いている…

「あ、起きた?」
「…何してるの?どう言う状況…?」
「レーヴァがそのまま寝ちゃって寒そうだったからカリスちゃんがお布団の代わりに暖めてたんだよ!」
「そう…でも、起こすか布団持ってきてくれれば…」

カリスはほのかに頬を染めて呟く。

「それだと抱き着く口実が無くなっちゃうもん」
「……そう…じゃあ、仕方ないか……」
「うん!」

しばらくの間、2人でそのまま暖かい時間を過ごした。

ーーーーーー
〜ヘレナ編〜
広間でくつろいでいるとヘレナがソワソワとした様子で声をかけてきた。
「レーヴァ、ちょっと良いか?」
「何?」
「クイズを出すから答えてほしい。なぁに、簡単なクイズさ。くふっ!」

何か裏がありそうな気もするけれど……

「おっけ…」
「では…カリスが作ってくれる食事で、甘辛く煮た肉や野菜をタマゴに付けて食べる料理は何焼きと言う?」
「好き…」

みるみるうちにヘレナの耳が…やがては顔が朱色に染まっていく。
その場にペタンと座り込み、手のひらで顔を隠すように覆った。

「じ、自分に対してじゃないけど…レーヴァの『好き』が聞けた…!うん…やっぱり、照れるな…」
「そ、そう言う意味じゃないから!」

油断した…もう少しクイズの意図を考えてから答えるべきだった。
ヘレナは指の隙間からこちらをチラリと覗き……

「ほ、本当に……?」
「……もちろん…な、仲間としては……好…き…だけど……」
「そ、そうか…ふふ♪」

私も顔が熱くなる…
照れるヘレナと照れる私…
気まずいような、でも嬉しいような…そんな心地よい沈黙が流れた。

ーーーーーー
〜ソロモン編〜
朝起きると、決まってソロモンの身だしなみチェックが入る。

「レーヴァ、襟が歪んでいるわ」
「…ありがとう……」

別の日にも…

「ほら…髪、ハネてるわよ。ちゃんとセットしたの?」
「気にしないし…」
「駄目よ、レーヴァ!見た目の乱れは心の乱れ!こう言う所から気の緩みが生じるの!」
「……そう」


と言うわけで、今日はムーにも事前にチェックしてもらい、万全の態勢で広間へと向かった。

「おはよう」
「おはよう、レーヴァ!………………えっと…」

頭からつま先まで眺めるソロモン。
どう?文句ないでしょ?

「………どうして…」
「え?」
「どうして、きちんと整えて来るの!わ、私の朝の大事なスキンシップの時間が……!」

ガクリと崩れ落ちるソロモン…
だらしなくても、きちんとしても駄目って……理不尽……

結局、次の日からはソロモンに任せることにした。
小言を言いながらも嬉しそうに世話を焼く姿を見ると、やっぱり断るのは無理だもん…

つづく

448名無しさん:2019/11/08(金) 00:42:41
よき…よき…

449リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/08(金) 13:12:03
>>447
訂正
ヘレナ編のレーヴァの「好き…」ですが、正しくは「すき…」です

450名無しさん:2019/11/08(金) 13:46:55
カリスちゃんのワガママ掛け布団大胆…!
レヴァも仕方ないでいいのか…!
ヘレナの指の隙間からチラ見は破壊力高そう。
ソロモンは理不尽なとこがポンコツ感あって良き良き

451名無しさん:2019/11/08(金) 14:19:44
いっぱいちゅき

452信じるということ:2019/11/09(土) 00:58:03
ベッドに横たわりゆっくりと目を閉じていつの日か誰かに言われた言葉を思い出す

「君が愛してる者は強大な力を持っている少なくとも人よりも強靭な力だ」

「その者が決して人にその力を振るわないとは限らないだろう」

そんなはずはない....と断言できなかった

彼女がその力を振るわないとは限らない急に人に対して敵意を向けるかもしれない

もしそんなことになったら?.....いやそんなことにはならない自分が信じなくて誰が彼女を信じる

「おーい」

彼女の声が聞こえる自分を呼んでいる

手を強く握りしめ立ち上がる

彼女がもし人に対して敵意を持ちその力を振るうなら全力でこの手で止める死ぬ気で止める

その事が自分が彼女のマスターとしてやるべき義務であるのだから

END

453名探偵イシューリエル:2019/11/09(土) 01:10:48
前編 >>418 の続きです。
事件の真相編になります。

アルマス「犯人がわかったって、絶・本当なの?」


イシュ「当然ですわ。これぐらいの事件は私にとっては朝飯前...」


アルマス「でもさっきは見当違いの推理だったじゃない」


イシュ「さ、さっきの・・・自殺ですわね」


イシュ「とはいえ当たらずも遠からずという感じですのよ」


アルマス「本当にぃ〜?じゃあ説明してもらおうじゃない」


イシュ「ええ、このイシューリエルが事件の真相を解明しましょう!」




名探偵イシューリエル 後編



①被害者は父と娘。二人は部屋の奥で、父の死体に覆いかぶさるように娘が死んでいた。

②二人とも銃殺されており、父は太腿、娘は胸を撃たれていた。

③部屋の入口から部屋の奥にかけて、娘の物と思われる血が点々と続いていた。

④死体発見時、部屋の扉には内側から掛け金がかかっていた。部屋の外から掛けることはできないものである。窓にも鍵が掛かっていた。

⑤死体のそばには父の血で書かれた【<】というダイイングメッセージがあった。

⑥凶器の銃は発見されておらず、殺人があった部屋の中には確実に存在しない。

454名探偵イシューリエル:2019/11/09(土) 01:11:30

イシュ「まずは密室の謎から行きましょうか」


アルマス「いきなりメインディッシュがきたわね。この事件の絶・最大の謎」


アルマス「内側から掛け金が掛かっていて、構造上どう頑張っても外から掛けることはできないのよね」


イシュ「試したのがアルマスさんなのが若干不安ですが、まぁ見るからにそうでしょう」


イシュ「この場合だと合鍵すらも役に立たない...逆に言えば【中から鍵が掛けられたのは間違いない】ということになりますわ」


アルマス「それだと犯人は中から鍵を掛けて脱出したことにならない?煙にでもなったの?」


イシュ「いいえ、鍵を掛けたのは犯人ではありません」


イシュ「これが一つ目の真相、【内側から掛け金を掛けたのは娘のミセス・マウンテンファーム】ですわ!」


アルマス「ど、どういうことよ!どうして殺された側の人間がわざわざ密室を作り出すっていうの?」


イシュ「今回の密室で重要なのは【床の血の跡】と【死体の状況】ですわ」


イシュ「まず【床の血の跡】、これは部屋の入口から部屋の奥にかけて血が点々と続いていた
つまり鍵を掛けて血を流しながら歩いたとみるのが自然ですわ」


アルマス「そりゃ、そうすれば血の跡は説明できるけれど、絶・意味不明よ」


アルマス「ねぇ、なんでミセスは自分で鍵を掛けたの?」


イシュ「んー・・・どこから説明しましょうか」


イシュ「そうですわね、それではアルマスさんに質問ですわ」


イシュ「【ナウレイク卿とミセスはどちらが先に死亡した】と思いますか?」


アルマス「・・・それは、ナウレイク卿じゃない?だって彼の死体は重なった状態の下側にあるし」


イシュ「その通りですわ。この状況であればそういう風に"判断"されるでしょう。ミセスは血の跡を残しながら歩いたという事実もありますし」


アルマス「それがどうしたっていうのよ?」


イシュ「端的に言えば、ミセスは恐らくその状況が作りたかったんですわ。【確実に父親が先に死んだと判断される状況を作り出す】ために、この部屋を密室にしたのですわ」


イシュ「【床の血の跡やダイイングメッセージがあるため、二人は即死でなかった】ことがわかりますわ」


アルマス「う・・・うん」


イシュ「万が一、扉をそのままにしていて目撃者が入ってきた際、ミセスは死に、父親は死ぬ寸前・・・そんな状況だと困る事があったということですわね」


アルマス「本当にわけがわからなくなってきたわ・・・」

455名探偵イシューリエル:2019/11/09(土) 01:12:02
イシュ「ミセスは確かお金に困っていたのですわよね?そのことのご相談でここを訪れていたとか」


アルマス「えぇ、それはそう聞いてるわ」


イシュ「ミセスは、もはや自分は助からないということを悟り、【自分の死後、旦那様にお金を残したかった】のですわ」


イシュ「そして、言うまでもなく【父親は裕福】であり、【父親が死ねば遺産は娘に相続される】」


アルマス「あ・・・そっか!私にもようやくわかった!」


アルマス「死ぬ順番が【娘→父】だと【娘への相続が発生しないから旦那に遺産を渡せない】ってことね!!」


イシュ「そういうことですわ!大正解ですアルマスさん」


イシュ「少々端的に説明しましたが、密室の謎の詳細は・・・これぞトゥルースですわ!」


①犯人は部屋の中にいた父と娘を銃で撃つ。

②銃声が響くため、それぞれ一発ずつ打って犯人は逃亡。

③娘は自分が助からないことを悟り、旦那へ遺産を渡すために父親が先に死亡したと判断される状況を作ろうと画策。

④部屋の内側から掛け金を掛け、二人が死ぬまで誰にも邪魔されない空間を構築。

⑤最後に父の死体に覆いかぶさるように死ぬことで、死亡の順番を演出。


イシュ「こうして、父と娘は最後の時間を二人で過ごしたのですわ」


アルマス「なんだか切ないわね、最後に考えていたのはお金のこと・・・」


イシュ「きっと、ミセスはミセスで、死を利用することの罪悪感はあったと思いますわ」


イシュ「父親に覆いかぶさり、きっと謝罪していたのでしょう・・・」


アルマス「とにかく、これで密室の謎は解けたわね」

456名探偵イシューリエル:2019/11/09(土) 01:12:35
アルマス「イシューリエルは、この事件の犯人が誰かっていうのも、もうわかってるの?」


イシュ「もちろんですわ。それではまず犯人の行動を説明しましょう」


イシュ「はっきり言ってかなりシンプルですわよ」


①犯人は二人を撃ったあと、部屋から離れる。

②凶器をどこかに隠す。

③銃声を聞いてかけつけたかのように合流する。


イシュ「以上ですわ」


アルマス「密室を作ったのが犯人でないとわかったんだから、これしかありえないわよね」


イシュ「えぇ、アルマスさんもだいぶ推理が進んできましたわね」


イシュ「実際のところ、この行動は容疑者3人のうち誰でも可能ですわ」


イシュ「3人ともそれぞれ客室にいたと仰っていますから、それを証明することはできないですし」


アルマス「じゃあ犯人が絞れないじゃない!誰にでも絶・殺人が可能だったんでしょ?」


イシュ「絶・殺人って。大丈夫、犯人を示すヒントはすでに見つけていますわ」


アルマス「えぇ?また何もわからなくなってきたわ、私」


イシュ「それは、【ダイイングメッセージ】ですわ」


アルマス「確か「<」←こんな感じに書かれていたものよね」


アルマス「あれ?でも確か、ダイイングメッセージは捏造できるから信用できないんじゃなかった?」


イシュ「何を言っているんですのアルマスさん?さっき説明したじゃないですか」


イシュ「【密室は被害者が自発的に作り出したもの】なのですから【ダイイングメッセージはナウレイク卿が残したもので間違いない】ということになるのですわ」


イシュ「犯人が捏造を行ったとすれば【撃ったあと部屋の奥にいるナウレイク卿のところに移動し、生きている(即死でないため)にも関わらず指を使って血でダイイングメッセージを描いた】ことになりますわ」


イシュ「死んでいない人物にそんなことをすれば、多少なりとも抵抗を受け、服に血がついたりなんてしたら最悪ですわ」


イシュ「それはあまりに非現実的・・・要するに【このダイイングメッセージは信用してもよい】ということです」


アルマス「・・・もう眼から鱗よ・・・、そんなの私には絶対わからないわ」


アルマス「とにかく、このダイイングメッセージを解ければいいのよね」


イシュ「えぇ、ナウレイク卿は最後の力を振り絞って犯人を示してくれていますわ」


イシュ「そのカギになるのが、この本ですわ」

457名探偵イシューリエル:2019/11/09(土) 01:13:58
アルマス「それ、ナウレイク卿の書斎の机の上にあったって言ってたっけ?日本語だから私にはタイトルは読めないけど」


イシュ「この本のタイトルは「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」ですわ」


アルマス「どういう意味?」


イシュ「Do you like a mother who makes a full attack and a second attack?」


アルマス「その絶・長いうえに意味不明なタイトルはなんなの??」


イシュ「日本の小説はこういうものなのですわ」


イシュ「これを読んでいるということは、ナウレイク卿は日本語の心得があるのでしょう」


アルマス「まぁ、そうでしょうね」


イシュ「おかしいと思ったのですわ・・・、娘がくるのに、机の上にこんな本を置きっぱなしにしておく父親なんて」


アルマス「確かにちょっといやらしい感じがするけど、じゃあこれもダイイングメッセージの一種だっていうの?」


イシュ「そういうことですわ。倒れる直前、この本を机の上に置いたのでしょう・・・」


イシュ「アルマスさん、この本の表紙をよく見てください」


アルマス「んん〜?絶・可愛い人が描かれてるわね。これがタイトルにあるお母さんなの?」


イシュ「確かに日本のライトノベルのイラストは素晴らしいですが、そこではなく」


イシュ「見てほしいのは文字ですわ」


イシュ「この本のタイトルには、ダイイングメッセージと同じ部分が隠れていますわ」


アルマス「この「全」っていう文字の上の部分?」


イシュ「いえ、そうであれば「<」という形にはならないですわ」


アルマス「えーと、じゃぁこの「母」ってところとか?」


イシュ「そうですわ。これはmotherという意味・・・」


イシュ「そして何より、そもそも日本語で示すという時点で、もう犯人はわかりますわね」


アルマス「マザーで、日本・・・っていうことは」


アルマス「そっか!犯人って...」


イシュ「そう、この事件の犯人は母親であり日本人である炭 智子さんで間違いありませんわ!」


イシュ「なにせ、被害者が遺したダイイングメッセージが示しているのですから・・・」


イシュ「ナウレイク卿はとにかく日本人であること、また母親であることを伝えようとしていたのでしょうね」


アルマス「うーん、だったら名前を書けばいいと思うけどなぁ」


イシュ「炭という漢字を知らず、直前に見た字を書こうとしたのでしょう・・・」


イシュ「とにかくヤードにはこのことを伝えて、炭さんの周辺で凶器をくまなく探す必要がありますわね」


アルマス「結局、現場を見るだけで犯人がわかったわね。流石だわ」


イシュ「それでは、事件解決を祝してアルマスさんもご一緒に」




イシュマス「「これぞトゥルース!!」」




458名探偵イシューリエル:2019/11/09(土) 01:14:33
あとがき
読んで下さりありがとうございます。
先に謝ります。最後の犯人を特定する部分はちょっとアンフェアでした。
ラノベの存在が伏線ですが、もう少しわかりやすくしておけばよかったと反省しています。
かなりこじつけたようになってしまいました。
密室の謎がメインということと、前編の最後のイシューリエルの台詞も伏線ということで許してください。
しょうもない内容ですいませんでした。

459名無しさん:2019/11/09(土) 04:21:28
おつ!
推理は外れたけど面白かったで。
一応ラノベの伏線気付いてる人もいたからあまり露骨だとあれだし大丈夫かと思います!

460名無しさん:2019/11/09(土) 09:26:15
地の文なしでミステリー書ききってるのすごいわ

461名無しさん:2019/11/09(土) 11:38:09
伏線すげーな

462名無しさん:2019/11/09(土) 12:45:57
これはまとめられそう

463名無しさん:2019/11/09(土) 12:52:32
これでしょうもないとか自己評価低すぎィ!?

464名無しさん:2019/11/09(土) 17:46:55
ところどころつっこみどころや粗削りな部分はあるもののおもしろかった
ネーミングはかなり秀逸! 続編も待ってます!

465名無しさん:2019/11/09(土) 19:24:09
ああ炭が母だからイシューも気づいたのか
なるほど

466バースデー前夜:2019/11/11(月) 01:36:29
バースデー前夜

アロンダイト
「うーん....うーん....ダメ...ダメ...」

アロンダイトは夢にうなされていた

******

マスター
「アロン....」

アロンダイト
「トレイセーマの理想の平等な社会のために....」

アロンダイト
(ダメ...やめて...止まって私)

アロンダイト
「死ね!」

アロンダイトは剣をマスターに向かって振り下ろした

アロンダイト
(ダメーーーー!!!!)

******

アロンダイト
「はぁ!...はぁ...はぁ...はぁ...」

アロンダイト
「また...あの夢...」

アロンダイトは全身から汗が溢れ服はぐっしょりと濡れていた

アロンダイト
「はぁ...はぁ...」

アロンダイトはその日の夜もうまく眠れなかった

467バースデー前夜:2019/11/11(月) 01:49:25
>>466
アロンダイト
「........」

マスター
「アロン」

アロンダイト
「.......」

アロンダイトは無反応だった

マスター
「?アロン....アロン....アロンダイト」

アロンダイト
「!?」

アロンダイト
「マ、マスターどうかしましたか?」

マスター
「いやボーっとしてたけどなんかあったの?ここ最近そういうことばっかりだけど」

アロンダイト
「いえ少し考え事をしてて...」

マスター
「そう...大丈夫なら良いんだけど...そうだ!今日さ」

アロンダイト
「あ、すみません今日はちょっと...」

アロンダイトはその場を去った

マスター
「アロン大丈夫かな?」

カシウス
「御館様」

マスター
「カシウス最近アロンの調子が悪そうだけど大丈夫と思う?心配なんだけど」

カシウス
「さっきもトランプで遊んでくれなかった」

マスター
「トランプって....なんの遊びをしようとしたの?」

カシウス
「三姉妹で神経衰弱」

マスター
「アロン苦手そうだな」

二人がアロンダイトの方を心配そうに見てるとラグナロクが来た

ラグナロク
「どうかしたの二人とも?」

マスター
「あ、ラグナ最近アロンの調子が悪そうで心配なんだよ」

ラグナロク
「そう私の方から聞けることは聞いてみるわ」

マスター
「ありがとう頼んだ」

468バースデー前夜:2019/11/11(月) 02:09:52
>>467
アロンダイト
「はぁ...」

昼食の時アロンダイトは一人で食べていた

ラグナロク
「アロンダイトあまり食べる気が起きない?」

アロンダイト
「あ、ラグナロク」

アロンダイト
「いえ調子が悪いだけです気にしないでください」

ラグナロク
「どうして調子が悪いの?」

アロンダイト
「.........」

ラグナロク
「言いたくないなら言わなくても良いわよ」

アロンダイト
「夢...」

ラグナロク
「え?」

アロンダイト
「ここ最近夢にうなされるんです」

ラグナロク
「悪夢を見るからうまく寝れずに調子が悪いの?」

アロンダイト
「それもあるんですがその夢の内容が...」

ラグナロク
「そんなに悪い夢なの?」

アロンダイト
「はい....」

アロンダイトは夢の内容を話した自分がトレイセーマに再教育されてマスターに向かって剣を振り下ろした夢のことを

ラグナロク
「そう...そんな夢なのね」

アロンダイト
「実際に一度あったんですトレイセーマに再教育されてマスターやアルマスたちと敵対したことが」

ラグナロク
「でも今はマスターのところで一緒に戦ってるじゃない」

アロンダイト
「そうですが....あの時もしグリモワールをしのぐ力があれば再教育を受けても屈しない力があれば...あの夢を見る度にそう思ってしまうんです」

ラグナロク
「その事を言ったらたくさんのキル姫が私たちに操られてマスターの命を狙っていたからあなただけじゃないのよ」

ラグナロク
「そんなの気にすることじゃないわよ」

アロンダイト
「ラグナロクは優しいんですねいちいち過去のことをいじいじと気にしてる私なんかを気にして」

ラグナロク
「気にするわあなたは私にとって」

アロンダイト
「大丈夫ですそんなお世辞みたいなこと言わなくても」

アロンダイトはご飯を一気に食べて立ち上がった

アロンダイト
「私の問題は私が解決しますので失礼します」

ラグナロク
「アロンダイト待っ」

アロンダイトはその場をすたすたと去って行った

ラグナロク
「アロンダイト....あなたは背負い込み過ぎよ」

469バースデー前夜:2019/11/11(月) 02:28:02
>>468
アロンダイトは一人で森深くの川に来ていた

アロンダイト
「はぁダメですねラグナロクにまで迷惑をかけてるなんて」

アロンダイトは川の水で顔を洗った

アロンダイト
「気を引き締めないと」

アロンダイト
「そう...それに過去のことです今の私はあの頃よりも頑張って強く」

???
「成ってると思うの?」

アロンダイト
「だ、誰ですか!?」

謎の女性
「ふふふさあ私は誰でしょう?」

森の中からフードを被っていて全身を隠すほど長いロングマントを羽織った女性が出て来た

女性は俯いていて顔は見えなかった

アロンダイト
「なんですかあなたは?私はあの頃よりも頑張って鍛練を積んでさらに強くなりました!」

謎の女性
「ふふふおめでたい頭だこと」

謎の女性
「そんなに自信あるなら試して見る?」

女性は黒ベースに青ラインの剣を取り出しゆっくりと顔を上げた

アロンダイト
「!?」

アロンダイト
「か、仮面?」

アロンダイト
(あの仮面はラグナロクたちがしてた仮面と同じ...ってことはコマンド?でもなんで今?)

謎の女性
「どうしたの?怖じ気付いた?」

アロンダイト
「そんなわけありません!」

謎の女性
「じゃあ来なよ」

アロンダイト
「言われなくても!!」

アロンダイトは剣を取り出し走り出した

470バースデー前夜:2019/11/11(月) 03:01:42
>>469
アロンダイト
「ぐっ...」

アロンダイトは押されていた

謎の女性
「あははどうかしたの?その程度なの?あなたの今日まで積んで来た鍛練はその程度なの?そうその程度よ無駄なの」

アロンダイト
「違う!まだですまだ!」

アロンダイトは剣を振るうが全部空しく当たらないかあっさりと弾き返される

アロンダイト
「くっ..」

謎の女性
「ふぁぁ〜」

謎の女性
「あー眠い弱すぎて退屈過ぎ」

アロンダイト
「そんな余裕今だけです」

アロンダイトは再び走りだし剣を振り上げた

謎の女性
(ワンパターンだな)

謎の女性が剣で防ごうとした瞬間にアロンダイトは剣から手を離しすかさず回転し剣を回収し謎の女性が空いている方に攻撃した

謎の女性
「あー少しは考えたんだ....けど残念」

アロンダイトの攻撃は手ぶらの方から出て来た剣によって防がれた

アロンダイト
「な!」

謎の女性
「二本目を取り出すとは思わなかったな」

謎の女性
「二本目を使わせたご褒美に良いことを教えてあげる」

謎の女性は二本の剣で連続で攻撃してきた

謎の女性
「あんたがどんなに鍛練を積んだところで!“無能”!“役立たず”!“足手まとい”!なのよ!」

アロンダイト
「ぐっ...うっ...」

謎の女性
「この世は根本的な力が全てそれが弱いならどんなに頑張ったってどんなに鍛練を積んだところで無駄!無駄!無駄!」

謎の女性
「それを自覚して無駄な鍛練に無駄な時間使わずに部屋のすみで疼くまってなにもせずになににも関与せずに無能のままくたばって死ね!」

アロンダイト
「がっ....あ...ぐぅ....」

アロンダイトは怒涛の攻撃を受けて立つことすら精一杯だった

謎の女性
「冥土の土産に私の正体を見せてあげる」

謎の女性はフードを取り仮面を外した

アロンダイト
「あ、あなたは...そ、そんな....」

謎の女性は二本の剣を合わせ二本の剣は一本の大剣のようになり刀身は電撃を帯びた

謎の女性
「じゃあね」

謎の女性は強力な一撃を放ちアロンダイトは防ぐも吹っ飛ばされ地面に叩きつけられ転がり滝へと落ちた

謎の女性
「さーてとどうしようかな?命令通りバイブスでも消しとこうかな」

謎の女性はフードを被り仮面を付け歩き出した

アロンダイトは滝から落ち川の流れに流されるのであった

To be continue

471バースデー前夜:2019/11/11(月) 03:06:01
わかってるかもしれませんが念のために言っときます
これはアロンちゃんの話です
私はアロンちゃんと同じ作者です

472名無しさん:2019/11/11(月) 07:29:48
むしろアロンちゃんマスター以外はアロンちゃんのこと書かないちゃん

473名無しさん:2019/11/11(月) 09:02:34
梓弓なら事態を把握しているはず…!

474名無しさん:2019/11/11(月) 13:46:10
シュッツおねーちゃんの尻に顔を挟むSSはまだですか?

475名無しさん:2019/11/11(月) 13:55:57
ケツに顔を挟むくらいなら18禁じゃない…つまりこの板のルール上問題はないな!?

476名無しさん:2019/11/12(火) 00:32:29
アルマスのケツ?

477HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 02:06:58
HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん
これはバースデー前夜(>>470)からの続きです

マスター
「アロン帰り遅いなどこに行ったんだろう?」

梓弓
「アロンなら川にいますよ」

マスター
「川にいるのか....ってなんで知ってるの?」

梓弓
「最近のアロンは元気がなさそうだったので元気(性的な物を含む)を出そうと思ったんですが私としたことが道具を持ってくるのを忘れてしまって」

マスター
「それで今取りに来たと....梓弓だと色々心配だから俺が迎えに」

???
「行く必要はないよ」

マスター
「誰だ!?」

謎の女性
「『誰?』と聞かれても『私』としか答えられないよ」

梓弓
「それよりも迎えに行く必要がないとはどういうことですか?」

謎の女性
「だって彼女は私が殺っちゃったんだもん」

マスター・梓弓
「!?」

二人が驚いているとどこからともなく槍が飛んで来た

謎の女性
「おっと危ない」

カシウス
「私の妹になにをしたの?」

カシウスからは静かに溢れんばかりの怒りが出ていた

謎の女性
「妹...そういうことね」

謎の女性
「バカなあなたに解りやすく教えてあげる始末したの言うと殺し」

謎の女性が言い終わりと同時に矢が飛んで来た

謎の女性
「あっぶないな野蛮人多過ぎ」

アバリス
「私の妹に手をかけたこと後悔させます」

アバリスがゆっくりと来ると次々と囲むようにキル姫が来た

謎の女性
「へーこの世界だとこんなに好かれていたんだ」

謎の女性
「ふふふあーはははははは」

謎の女性
「良いわ!最初はバイブスだけのつもりだったけど全員ひねり潰してあげる!そして出血大サービス!私の正体を見せてあげる!」

謎の女性はそういうとフードを取り仮面を外した

一同
「!?」

マスター
「ア、アロン.....」

478HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 02:19:48
>>477
一方その頃アロンダイトは川岸に押し流されていた

アロンダイト
「くっ....うっ...」

アロンダイトは川から出てなんとか立ち上がった

アロンダイト
「はぁ...はぁ...」

******

謎の女性
「さーてとどうしようかな?命令通りバイブスでも消しとこうかな」

******

アロンダイトは意識が途絶える瞬間の言葉を聞いていた

アロンダイト
「マスターの....ところに戻らないと.....」

アロンダイトは謎の女性の言葉を思い出した

*******

謎の女性
「あんたがどんなに鍛練を積んだところで!“無能”!“役立たず”!“足手まとい”!なのよ!」

謎の女性
「この世は根本的な力が全てそれが弱いならどんなに頑張ったってどんなに鍛練を積んだところで無駄!無駄!無駄!」

謎の女性
「それを自覚して無駄な鍛練に無駄な時間使わずに部屋のすみで疼くまってなにもせずになににも関与せずに無能のままくたばって死ね!」

******

それが他ならぬ自分に似た....違うもう一人の自分に言われたことが心に刺さった

アロンダイト
「無力な私が行ったところでなにになるの?」

アロンダイトは木に寄りかかり座り込んだ

アロンダイト
「ははは私なんで生きてるんだろう?なんで鍛練してたんだろう?今までの努力は一体なんだったんだろう?」

アロンダイトはただボンヤリと空を見上げるのであった

479HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 02:35:52
>>478
マスター
「な、なんでアロンが?」

アロンダイト(?)
「私は簡単に言えば別世界から来たアロンダイト」

ラグナロク
「なんで私たちと同じ仮面をしているの?」

アロンダイト(?)
「そりゃあ私が神令だから」

アロンダイト(神令)
「私にその力を与えたのはあなたよラグナ」

ラグナロク
「そう...なるほど私とは別の私があなたに力を与えたのね」

ラグナロク
「それならその尻拭いは私たちコマンドキラーズがするべきね」

ラグナロクが剣を構えるとコマンドの面々もそれぞれの武器を構えた

マスター
「ラグナちょっと待って」

ラグナロク
「どうしたの?」

マスターは小声でラグナロクに話しかけた

マスター
「アロンを探してほしいんだ」

ラグナロク
「アロンダイトを?でもどこにいるのか心当たりあるの?」

マスター
「梓弓の情報で川にいるみたいなんだその辺りを探してくれ」

ラグナロク
「わかったわ」

ラグナロクは自分の竜に乗り飛んで行った

アロンダイト(神令)
「ラグナの奴逃げた?いや違うだろうなまあ良いや今は目の前の獲物どもを狩り殺そう」

アロンダイト(神令)は口周りを舌でぺろりとなめた

480HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 03:08:35
>>479
ラグナロクは空からアロンダイトを探した

ラグナロク
(川にいるって聞いたけど....いないわね)

ラグナロク
(滝がある....あそこから落ちたかも)

ラグナロクは滝から川の流れに沿って飛行した

ラグナロク
「この辺りに....いた!」

アロンダイトはただ空を見上げていた

ラグナロク
「アロンダイト!」

アロンダイト
「ラグナロク....どうかしましたか?」

ラグナロク
「どうかしたって戻るわよ今マスターの命が狙われてるの」

アロンダイト
「私が戻ったところでなにになるんですか?」

ラグナロク
「え?」

アロンダイト
「無力で無能で役立たずで足手まといな私が行ったところでなにか助けになるんですか?」

ラグナロク
「どうしたのらしくないわよ」

アロンダイト
「らしくない?これが本当の私なんですよ」

ラグナロク
「今のあなたが本当の姿とは思えないわ」

アロンダイト
「私....本当の自分に気づいたんですよ今まで演じてたんです明るくて頑張り屋でいつかは強くなれる自分を振る舞っていたんです」

アロンダイト
「でも本当は弱くてなにも出来ない無能だったんですよ」

アロンダイト
「ああ力がほしい力があれば出来ないことなんてない全てを凌ぐ力があれば.....」

ラグナロク
「アロンダイト力があればなんでも出来ると思う?」

アロンダイト
「ええ力があればああやって再教育されることもマスターに敵対することもなかった力があれば!」

ラグナロク
「それじゃあ仲間は不要なのね」

アロンダイト
「な、仲間は要りますよ」

ラグナロク
「私から見たらあなたは今一人で力を求める亡者のようだわ」

481HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 03:33:56
>>479
アロンダイト
「も、亡者のようって...」

ラグナロク
「私は一人で力を強さを手に入れたけどアルマスたちに負けた多分私はアルマスよりも遥かに強いはずだったけど私はアルマスに負けたきっと仲間がいたからそんな単純な理由だと思う」

アロンダイト
「.....」

ラグナロク
「力を求めるのを悪いとは言わないけどただ力がほしいじゃなくて何故力がほしいかを知らなきゃそれだと自分の身を滅ぼすだけになるわ」

アロンダイト
「でも弱いとなにも出来ない現に私は別の私に完封なきまでに叩きのめされました」

ラグナロク
「一度の挑戦で諦めるの?」

アロンダイト
「え?」

ラグナロク
「あなたは確かに負けたかもしれないでも生きてる生きてるなら何度でも挑戦が出来る」

ラグナロク
「あなたは諦めの悪さなら一番を誇れると思うわよ」

アロンダイト
「一度がダメなら二度、二度がダメなら三度、三度がダメなら四度、四度がダメなら五度...」

ラグナロク
「私の知ってる本当のあなたは何事にも何度も挑戦しようとするこれは演技では出来ないことよ」

アロンダイト
「諦めの悪さ...」

アロンダイト
「ああ!もう!考えるのが嫌になりました!」

アロンダイト
「何度でも挑戦してやりますよ!何度も何度も何度も何度も何度も!死ぬまで戦います!」

ラグナロク
「さすがよアロンダイトそういう単純なところがあなたらしいわ」

アロンダイト
「あのラグナロクそれ褒めてくれてるんですよね?」

ラグナロク
「ええ褒めてるわよさあ行くわよ」

アロンダイト
「はい!覚悟しなさい別の私!」

482HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 03:49:41
>>481
アバリス
「ぐぅ....」

マスター
「アバリス!?」

アロンダイト(神令)
「あはは口ほどにもない全員弱すぎ」

マスター
「アバリス大丈夫か」

アバリス
「マス..ター..逃げて..」

アロンダイト(神令)
「あはは私が獲物を逃がすようなまねするわけないでしょ」

アロンダイト(神令)はゆっくりとマスターに近づいて来た

マスター
(くっ....どうすれば..アロン)

アロンダイト(神令)
「それじゃあ殺してあげる」

アロンダイト
「そんなことさせません!」

アロンダイトが上から降ってきた

アロンダイト(神令)
「あれ?生きてたんだ」

アロンダイト
「私の諦めの悪さとしぶとさをなめないでください」

アロンダイト(神令)
「はぁー私のこういうところが嫌い」

ラグナロク
「場所を変えてやり合いましょ」

ラグナロクの乗った竜はアロンダイト(神令)を掴み空高く舞い上がった

アロンダイト
「マスター私たちは帰って来ます絶対に」

マスター
「アロン行ってこい」

アロンダイト
「はい」

アロンダイトは竜のしっぽを掴み飛び去って行った

483HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 04:02:26
>>482
アロンダイト(神令)
「そろそろ離せ!」

アロンダイト(神令)はラグナロクの竜に渾身の一撃を与え落下させた

アロンダイト
「ラグナロクその竜大丈夫ですか?」

ラグナロク
「大丈夫よこんなんでへこたれるようなやわな奴じゃないから」

アロンダイト(神令)
「あームカつく私がムカつく憎い」

ラグナロク
「なんでそんなにアロンダイトを憎むの?」

アロンダイト(神令)
「私は私が嫌いなだけそれに仲間だとかの上っ面の言葉も嫌い」

ラグナロク
「あなたに何があったの?」

アロンダイト(神令)
「良いわ教えてあげる」

アロンダイト(神令)
「私に起きた悲劇と奇跡を」

アロンダイト(神令)
「それは私がまだ獣刻ユニコーンであなたと同じようにアルマスたちと出会ってからしばらく....」

484HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 04:26:09
>>483
アロンダイト
「あ、あぐ...はぁ」

私がアルマスたちと離ればなれになって独自でカシウスについて調べようとして敵に捕まった後のこと

トレイセーマ兵
「さあトレイセーマの思想に従え!」

アロンダイト
「トレイセーマの思想確かに平等は素晴らしいことでも今は全然違う!私が...私が変える!」

私はトレイセーマの再教育に打ち勝ち再びアルマスたちと合流しようと一人行動していたらアルマスたちは地底へと向かいそしてコマンドキラーズなるものたちが現れた

私はアルマスたちのために戦っていたが

グリモワール
「はぁ!」

アロンダイト
「ぐぁ!」

グリモワール
「アロンダイトなぜ救世主の敵になろうとしているの?」

アロンダイト
「あれが救世主なはずありませんグリモワールあなたはいいように操られているんです!」

グリモワール
「でえ?私は私の意志でやっているわ!」

私はグリモワールの猛攻の前に倒れた

そして倒れた私の前に一人のキル姫が現れた

そうそれがラグナとの出会いだった

ラグナロク
「あなたがアロンダイトね」

アロンダイト
「あなたは」

ラグナロク
「私はラグナロクあなたを勧誘しに来た」

アロンダイト
「勧誘?」

ラグナロク
「私たちは戦力的には勝ってるだけど保険には保険をかけておきたいの」

ラグナロク
「あなたは前は『孤高』な存在になろうとして今は強い『信念』を抱いているあなたには素質を感じるわ」

ラグナロク
「私の手を掴むなら力をあげる私たちと同等で使いこなせればそれ以上の力が」

アロンダイト
「それであなた側に付けと?嫌です!私には信頼できる仲間が」

ラグナロク
「仲間?どこに?」

アロンダイト
「それは今は戦闘が厳しくて」

ラグナロク
「あなたが苦しんでいる間もあなたがそうやってボロボロになっている間もこうして敵が目の前にいるのに全く助けに来ないのが仲間?」

アロンダイト
「そ、それは..」

ラグナロク
「こうやって手を差し伸べてくれるのと全く助けにも来ない自分を覚えているのかもわからない奴らどっちが仲間なんでしょうね?」

私は迷った迷いに迷いにそして私はその手を掴んだ

485HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 04:57:32
>>484
アロンダイト(神令)
「これが私に起きた出来事」

アロンダイト
「そんなことが...」

アロンダイト(神令)
「あー昔の話したらむしゃくしゃしてきたラグナも相手だから本気で殺ってあげる」

アロンダイト(神令)はマントを取るとハイレグのような服にスカートを履いた姿をしていた

ラグナロク
「変態みたいな格好しているわ」

アロンダイト(神令)
「あなたに言われたくない」

アロンダイト(神令)は自分の左腕になにかのコードを打ち込んだ

するとどこからともなくユニコーンの見た目をした機械のようなものが現れた

ユニコーンの見た目をしたものはバラバラになりアロンダイト(神令)に鎧のように装着された

アロンダイト(神令)
「さあ殺してあげるよ私!」

アロンダイト(神令)はすぐにアロンダイトに攻撃した

アロンダイト
「はぁ!」

アロンダイト(神令)はアロンダイトの攻撃を軽やかによけるとラグナロクの追撃をしようとするが背中に着いているジェット噴射によって素早くよけた

アロンダイト(神令)
「あはは遅い遅い!遅い上に弱いなんて救いがないな!」

ラグナロク
(すばやいし確かに強いけど本人は気づいてない疲れが相当蓄積されてる)

ラグナロク
(それに見るからに...)

アロンダイト(神令)
「逃げるな!私!仕留め切れないだろ!」

ラグナロク
(アロンダイトを狙っているうまく利用すれば...行けるいやこの手で行くしかない!)

486HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 05:17:04
>>485
アロンダイト(神令)
「待て私!次は血祭りにあげてやるよ!」

アロンダイト(神令)はジェットで素早く移動して二刀流の剣で連続で攻撃した

アロンダイト
「ああ!とりゃ!おりゃーー!」

アロンダイトは全力で打ち返した

アロンダイト(神令)
「ああ!しぶとい!しつこい!うざい!」

ラグナロク
(いらだちが募ってる....これうまく使えないかしら?)

ラグナロク
「アロンダイト!そいつ怒らせて!」

アロンダイト
「怒らすってどうしたら?」

ラグナロク
「悪口でもなんでもいいから!」

アロンダイト
「え...えっと...バカ!アホ!間抜け!」

アロンダイト(神令)
「うるさい!!」

アロンダイトの悪口はアロンダイト(神令)の癇癪に触れたようだった

アロンダイト(神令)
「うああああああああああああああああああ!!」

アロンダイト(神令)は二本の剣を合わせ一本の大剣にし刀身に電撃を纏わせた

アロンダイト(神令)
「くたばれーーーーーー!!!」

アロンダイト(神令)は強力な一撃を繰り出した

アロンダイトに当たる直前ラグナロクに腕を引っ張られ避けた

ラグナロク
「アロンダイト今よ!」

ラグナロクは数本の剣を召喚し一本にまとめアロンダイトは一本の剣を地面から取り出した

ラグナロク
「はぁぁぁ!」

アロンダイト
「せい!」

アロンダイト(神令)
「!!!」

二人の攻撃はアロンダイト(神令)に向かった

アロンダイト(神令)は避けようにも疲れの蓄積により避けきれなかった

487HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 05:28:08
>>486
アロンダイト(神令)
「かはっ...」

アロンダイト
「どうですか?」

アロンダイト(神令)
「はぁはぁ....まだ....まだ....出力を上げれば....」

アロンダイト(神令)は立ち上がろうとすると空間から大きな穴が開きそこから大きな手が現れアロンダイト(神令)を掴んだ

アロンダイト(神令)
「ああ....ここまでか....姉さんの判断なら仕方ない....ねえ私...次があったなら...次こそは殺す...」

アロンダイト(神令)は大きな手と共に穴の中へと消えた

アロンダイト
「勝った....」

ラグナロク
「ええ勝った」

アロンダイト
「マスターを守れた...良かっ」

アロンダイトは倒れそうになるところをラグナロクに支えられた

ラグナロク
「お疲れ様あなたは今日とても頑張ったわさすがは私の“親友”ね」

ラグナロクはアロンダイトをマスターのところまで運ぶのであった

488HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 05:35:24
>>487
アロンダイトは夢を見た

そこにはフードを被りマントを羽織った女性がいた

アロンダイト(神令)とはまた違った雰囲気が出ていた

アロンダイト
「誰ですか?」

フードの女性
「私が誰でも問題ないでしょ?」

アロンダイト
「そうですが気になると言いますかなんと言いますか」

フードの女性
「悪夢を越えたあなたにご褒美」

フードの女性
「あなたはとても弱い」

アロンダイト
「い、言いますね」

フードの女性
「でもとても強い」

アロンダイト
「どういうことですか?」

フードの女性
「目覚めればわかる」

フードの女性
「じゃあねもう一人の“私”」

489HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 05:59:36
>>488
アロンダイトは目を開けると朝になっていた

アロンダイト
「今のは...夢?」

アロンダイトは起き上がり服を着替え外に出ると

一同
「お誕生日おめでとう!!」

一斉にクラッカーが鳴りアロンダイトはびっくりした

アロンダイト
「え...えっと...今日でしたっけ?」

マスター
「アロン...今日はアロンの誕生日だよ」

アロンダイト
「色々あったので忘れてました」

マスター
「自分の誕生日ぐらい忘れるなよ」

アロンダイトの誕生日会はガヤガヤとした

マスター
「よしケーキでも食べるか」

アロンダイト
「あのマスターその前に一つ質問良いですか?」

マスター
「良いけどなに?」

アロンダイト
「私は強いですか?」

マスター
「強いよお世辞抜きで一番」

アロンダイト
「そうですか....ありがとうございます」

アロンダイト
「それじゃあケーキでも食べま...ってなんでこんなに種類多いんですか...」

マスター
「みんなが作ったからアロンがどれを食べるか検証もかねて」

アロンダイト
「うーん...これです!」

アロンダイトは一番形が不恰好なケーキを選んだ

マスター
「ア、アロンそれにするの?」

アロンダイト
「はいこれが良いです」

マスター
「もうちょい美味しそうなのあるけど」

アロンダイト
「これが良いですこれが一番頑張って美味しく食べてほしいって気持ちを感じます」

アロンダイトはそのケーキを一口食べた

マスター
「どんな味?」

アロンダイト
「少しパサパサしてますし砂糖も分量とかを間違えた感じでしょうでもとても美味しいです」

マスター
「そう...それは良かった」

そんなことを言うマスターの顔は少し赤くなっていたのであった

490HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 06:00:38
多くは語らない
言う言葉はただ一つ!
アロンお誕生日おめでとう!!

491名無しさん:2019/11/12(火) 08:13:41
アロン誕生日おめでとう!
姉様もコマンド化してるのか…!?

492HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 23:01:33
HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん その後

アロンダイト
「うーん...むにゃむにゃ」

アロンダイトは寝ていてマスターとアバリスは後片付けの洗い物をしていた

マスター
「ぐっすり寝てるな」

アバリス
「ふふマスターの手作りケーキ好評でしたね」

マスター
「まさかみんなから一番選ばれないであろうと言われてたケーキを選ぶとは」

アバリス
「アロンって本当にびっくりするようなことしますよね」

マスター
「まあびっくりするようなことはするけど誰かを傷つけたり悲しませるようなことはしないから」

アバリス
「そういえばマスターにとって彼女が一番強いって言ってたらしいですけど....聞くのはあれかもしれませんがどうしてですか?」

マスター
「うーん俺的に強さって信頼の証みたいな物かな?と思って」

アバリス
「信頼?」

マスター
「うん信頼できてないとどんなに強くても疑われていたら強いとは言えないだろ?」

マスター
「まあ勝手な俺の考えだけどアロンが一番信頼できるだからアロンが一番強いんだ」

アバリス
「ふふ聞いたら大喜びでしょうね」

マスター
「秘密にしといてよ」

アバリス
「わかりました」

493名無しさん:2019/11/12(火) 23:05:02
なにこれ素敵すぎ

494リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/12(火) 23:18:40
【でぃすらぷ!】
第8話「悪戯姫の本心」

夜、隣で眠るムーを撫でながら、私はあることを考えていた。
この前のテントでの会話…あれが本当ならヘレナも……

(はぁ…考えても始まらない、か…)

ムーを起こさないようにそっとベッドを抜け出し、私はヘレナの部屋へと向かった。

「ヘレナ、起きてる…?」

遠慮がちに声をかけると、ほどなくヘレナが顔を出してきた。

「レーヴァ?どうしたんだ、こんな時間に?まさか夜這いか?それなら大歓迎だぞ、くふっ」
「少し話さない?」
「……ニールはもう寝てるんだ。起こすと悪いから広間へ行こう」
「おっけ…」

紅茶を用意してから2人並んで席につく。さて、どう切り出すべきだろう……

「珍しいな。何か悩みでもあるのか?」
「私…ソロモンとカリスに……好き……って、言われてる……」
「……知ってるぞ…」
「ヘレナは、どう思う?」

ヘレナはピクリと肩を震わせた。

「どうもこうも…レーヴァが決めることだ。どちらを選ぼうと、2人ならレーヴァを大事にしてくれるさ……」

目を逸らして、どこかさみしそうに呟くヘレナの姿を見て、私は確信した。きっとヘレナも悩んでいる…
衝動的にヘレナを抱きしめていた……

「レ、レーヴァ!?」
「正直、どうすれば良いか分からない…戸惑ってもいる…でも、みんなの想いから逃げたくはない…」
「……」
「だから…ヘレナも…正直に話して…」
「何…をだ?」
「私のこと…どう思ってるのか…」

長い沈黙が続いた。そして……

「あぁ……ダメだ……もう、ごまかせないな……」

ヘレナは表情を隠すように私の胸に顔を埋め、微かに震えた声を絞り出した。

「好きだ……ずっと…前から…大好きだった…」
「……うん…」
「ずっと後悔してた…2人から出遅れた自分に…勇気が出せなかった自分に…」
「……うん…」
「邪魔しようにも…ソロモンもカリスも…大事な仲間だ…2人のことも好きなんだ…悲しむ顔は、見たくない…だから見守る側でよかったのに…これで全て台無しだ…今まで抑えてきたのに…レーヴァのせいだぞ…」
「ヘレナ、前に不公平は駄目って言ってたでしょ?やっと3人が同じ立場になった。後は私の問題」

ゆっくりとヘレナの頭を撫でる。

「ありがとう…ちゃんと、真剣に向き合うから…いつもみたいに『めんどくさい』なんて言わない…」

言える訳がない…

「いいのか?後悔することになるかもしれないぞ?」
「きっと…みんなの気持ちを蔑ろにする方が後悔する…」
「そうか。なら、ヘレナも参戦だ。遠慮はしないぞ?くふっ!」
「おっけ…」

これでいい。ヘレナに辛い思いをさせるくらいなら多少の事なら受け止める。
胸の痞えが取れたからか、ヘレナの笑顔はとても晴れやかだった。


その後、しばらくヘレナとゆっくりと話しをした。
4人の賑やかな時間もいいけれど、こう言う時間も悪くない…
すっかり紅茶も冷めたころ、タイミングを見計らったように睡魔が襲ってくる。

「ふぁ…そろそろ休むか…ずいぶんと夜更かししたな」
「今日はありがとう…ヘレナ」
「それはこっちのセリフだ。おかげですっきりした…」
「そう…」
「ソロモンと同じ意味じゃないぞ?くふっ」
「分かってるわよ!」

ヘレナはクスクスと笑う。まったく…珍しく真面目に話しをしたと思ったらこれだ…

「じゃあ、お先に。おやすみ、レーヴァ」
「おやすみ、ヘレナ」

席を立ったヘレナは、ごく自然な所作で唇を重ねてきた。
あまりにも無駄のない動きに、抵抗すらできない…

「ふぅ…おやすみのキス、ゲットだ…油断し過ぎだぞ、レーヴァ」
「……やられた…」
「いつか、レーヴァの方からしてくれるのを待ってるからな?くふっ!」

ヘレナは軽やかな足取りで部屋へと戻っていった。

「はぁ…向き合うって決めたけど……精神的な面より…体の方が不安…」

胸を押さえる。今からそんなに激しく動いていたらこれから先、もたないわよ?頑張れ…そしておさまれ、私の心臓…

つづく

495HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 23:23:23
>>492
その頃アロンダイト(神令)は

アロンダイト(神令)
「はぁ...はぁ...はぁ...」

「また無断で出力上げようとした」

指でめっという感じでおでこをつつかれた

アロンダイト(神令)
「仕方ないでしょ姉さん負けるとは思わなかったから」

スイハ
「アロンダイト大丈夫ですか?」

アロンダイト(神令)
「ああ私のスイハ君から心配されると疲れも痛みも全部吹き飛んだよ」

アロンダイト(神令)はスイハに近づき熱い口づけをした

スイハ
「ん..くちゅ...待って...そんな...急に❤️」

アロンダイト(神令)
「ああスイハ今日も可愛いよ」

「タラシ場所を考えてそれとお姉ちゃんに報告する心配してたから」

アロンダイト(神令)はほっぺたを強く引っ張られた

アロンダイト(神令)
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」

アロンダイト(神令)
「わかったわかりました」

アロンダイト(神令)
「ごめんねスイハ続きはまた今晩」

スイハ
「はい❤️」

アロンダイト(神令)はある部屋の扉の前に来てノックした

コンコン

「どうぞ」

アロンダイト(神令)
「失礼します報告だけです命令には失敗しました原因は敵の多さに対する油断しすぎです」

「そう...次からはどういう敵であっても油断しないように後出力をあげるのはあなたの身が危険になるのやたらめったらに出力をあげずにこっちの調整を待って」

アロンダイト(神令)
「任務を失敗し敗北した者に対する怒号の言葉はないの?」

「ない、任務の失敗も敗北も原因さえわかっているならそれで良いそれよりもあなたが無事に帰って来たことそれが一番重要」

アロンダイト(神令)
「心配してくれてたんだありがとう」

アロンダイト(神令)
「そういえば私が行った世界も私たちの関係たぶん同じだよ」

「そう...その世界も少し特殊なのね、とりあえず部屋に戻ってゆっくりと休みなさい」

アロンダイト(神令)
「そうする夜にスイハと約束あるし」

「お休みなさい」

アロンダイト(神令)
「お休み姉さん」

アロンダイト(神令)が自室に戻るとケーキが置いてありケーキには『お誕生日おめでとう二人のより』と書いてあった手紙があった

アロンダイト(神令)
「そうか今日は私の誕生日か...あの世界の私も誕生日だったか今は違えど元は同じってことか」

アロンダイト(神令)はケーキを手づかみで頬張るながら自室へと入るのであった

496HAPPY BIRTHDAY アロンちゃん:2019/11/12(火) 23:25:39
少し補足と言いますかその後の話を書きました
朝の6時までに書いていたので今日は少々疲れました
最後に一言もう一度
アロンお誕生日おめでとう!

497名無しさん:2019/11/12(火) 23:28:26
アロン誕生日おめでとう!

498名無しさん:2019/11/12(火) 23:49:01
へレヴァよき…

499名無しさん:2019/11/13(水) 07:00:43
レーヴァは本当に隙だらけだなぁ…

500名無しさん:2019/11/13(水) 07:16:37
ムーのどこを撫でてるんですかねぇ…

501リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/14(木) 23:16:18
【でぃすらぷ!】
閑話「アバター会議」

週に一度、それは行われる。パートナーに隠れて集まった4つの影が揺れた。

「みんな揃ったな?」
「ええ」
「はい」
「全員の集合を確認しました」
「よし、じゃあ今週も始めるぜ!オートアバター会議、開幕!」
「「「おー!」」」
ーーーーーーーー
「と言うわけで、まずはそれぞれの報告だ」
「アタチからはとくに…」
「カリスもとくに変わった様子はないですね」
「ソロモンにも異常は確認出来ません」

ムーはうん、うんと頷いた。

「レヴァも相変わらずカワイイぜ!まぁ、全員問題なしって事でいいな!」
「いつものことね…このやり取り、いるの?」
「ニール、無事って言う確認が大切なんだぜ?」
「はいはい、分かってるわよ」
「それで、今週の議題は何ですか?」
「それなんだが…そろそろ斬り込んで行こうと思うんだ…」

ムーの真剣な声色に他の3人も姿勢を正す。

「アイツらの関係についてだ…!」
「ついに来たわね」
「今まで避けてましたからね」
「これまでの記録を参考に、状況をデータ化しますか?」
「いや、まずは報告があるなら聞こうぜ。挙手!」

ムーのかけ声を合図に、みんなで首をかしげながら考える。
静寂が辺りを包む中、沈黙を破ったのはニールだ。

「て言うか…結局の所、レーヴァテイン次第じゃない?好意を寄せられてるのはレーヴァテインなんだし」
「すみません、すみません!カリスもアプローチでご迷惑を…!」
「う〜ん…あいつも何か考えてはいるみたいなんだけどなぁ…」
「ヘレナなんて届かぬ恋心に毎夜、毎夜枕を濡らしているわ」
「すみません、すみません!カリスは毎日楽しそうにしてます…」
「それは別に謝ることじゃねぇだろ?」
「ソロモンはレーヴァテインのことを想い、夜な夜なシーツを濡らしています」
「おーと、グラウ!そう言うディープな話題は俺達には対処できねぇから今後は禁止だ!」
「了解。ソロモンの『自○行為』を報告内容から除外します」

グラウが何やら処理を始め、他の3人はそれを複雑な表情で眺める…
プライベートがダダ漏れのソロモンにただただ同情した…

「き、気を取り直して…とにかく俺達が枷になっちゃいけねぇ。サポートは慎重にな!」
「もちろんよ!」
「はい!」
「承知しました」

とは言え、4人共通の不安が解消された訳じゃない。最大の問題は…

「出来ればみんな、幸せになって欲しいわよね…」
「ですね…」
「同意します」
「そこは俺達の出番ってもんよ!どんな結果になってもパートナーを支えるのが…」
「パートナーが選ぶ側の奴は気楽ね。落ち込んだヘレナなんて想像したくもないわ!」
「な、なんだとぉ!俺は軽くなんか考えてねぇぞ!俺だって真剣にだな…!」
「お、落ち着いて下さい!あわわ、どうしましょう…!」
「現段階で各メンバーの恋愛が成就する確率を計算します」
「うわ〜!辞めろ、グラウ!」
「本当にその通りになったらどうするのよ!」
「もしカリスが最下位だったら…キプルキプル……」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ3人と冷静に分析を続ける1人……もはや会議の体を成していないのは明らかだ。
と、そこでグラウが何かに反応を示す。3人も問答を辞めて意識をそちらに向けた。

「この部屋の周囲に反応があります」
「アイツらが俺らを捜し始めたか…仕方ねぇ、今日はこれでお開きだ!」
「いつも最後はこんな感じよね…」
「まぁ見付かると大変ですし」
「じゃあ、また次の会議でな!解散!」

かくして会議は終わり、4人はそれぞれのパートナーの元へと散って行く。
ムーはレーヴァテインの姿を見つけ、ひらりとその肩の上に降りた。

「…!ムー、何処に行ってたの?」
「へへ、そんなに俺様の行動が気になるのか?」
「……馬鹿」
「おいおい、そりゃねぇだろ?俺はこんなにレヴァのこと…」
「黙って……」
「ムギュウウ!」
「はぁ…勝手に居なくならないで。捜すのめんどくさいから…」

そう言う彼女の表情には安堵の色が伺える。

「俺がお前の側を離れる訳無いだろ?本当にレヴァは寂しがり…」
「黙って……」
「ムギュウウ!」

(やれやれ…まだまだ俺様がついてないとダメだな!)

閑話 END

502名無しさん:2019/11/14(木) 23:18:06
レヴァムーよいぞ…よいぞ…

503名無しさん:2019/11/16(土) 00:46:31
なに?レーヴァが誰を選ぶか不安だって
逆に考えるんだ、「レーヴァをみんなで共有すればいい」と考えるんだ

504名無しさん:2019/11/20(水) 14:57:35
さっきうたた寝してたら8頭身になったムーが馬並のマグナムでレヴァを立ちバックしてる夢を見た

505名無しさん:2019/11/20(水) 15:29:08
画像化か映像化して

506名無しさん:2019/11/22(金) 23:01:24
「おはようアバリス」

アバリス「おはようございますマスター」

「アバリス俺たち結婚して夫婦になったんだからマスターっておかしいだろ?」

アバリス「そうですね...では...あなた////」

アバリスは少し顔が赤くなった

「ふふ俺の嫁さんは可愛いな」

アバリス「か、からかわないでください////」

「ほら起きたばっかりだからおはようのキスでもしよう?」

アバリス「は..はい」

二人の顔が近づいたところでアバリスは目が覚めた

アバリス「今のは......夢?」

アバリス「私とマスターが結婚して夫婦になっている夢......////////」

アバリスはとたんに自分の見ていた夢が恥ずかしくなり顔が真っ赤になった

アバリス「あああああああああああ!!!///////」

アバリスは真っ赤になった顔を手で覆い叫び声をあげた

アバリスが叫んでいるとマスターが急いで入って来た

「アバリス大丈夫!?」

アバリス「こっちに来ないでください!」

「えええええ!!」

朝のアバリスの叫び声と朝からずっと落ち込んでいるマスターは一種の謎として残るのであった

507よき夫婦な二人:2019/11/22(金) 23:03:55
タイトルつけるの忘れてた
今日はよき夫婦の日らしいのでアバリスとマスターが結婚して夫婦になる夢を見たアバリスの話を書いた
アバリスが嫁とか贅沢だなぁ

508名無しさん:2019/11/23(土) 18:12:45
いつかアバリスに綺麗なウェディングドレスを着せてやるんだ…

509名無しさん:2019/11/24(日) 11:06:34
アバリスが嫁さんとか……あぁっ、羨ましいッ!

510名無しさん:2019/11/24(日) 16:35:00
アバリスは幸せにしないと...

511解決アロンちゃん:2019/11/25(月) 02:08:50
解決アロンちゃん11

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

梓弓
「マスター助けてください」

マスター
「え、やだ」

梓弓
「私とアロンの仲を引き裂こうとする女がいるんです!」

マスター
(なんか勝手に話進められた)

梓弓
「その女の名はスイハ!」

マスター
「え?スイハ!?」

マスター
「なんでスイハが?」

梓弓
「思い出すだけでムカつきますが...今までの経緯を話ましょう」

*******

梓弓
「アロンダイト〜お昼一緒に.」

スイハが梓弓を押し退けてきた

スイハ
「アロンダイト一緒にランチなんてどうでしょう?」

アロンダイト
「良いですよどこに行きます?」

********

梓弓
(アロンダイトの水浴びがそろそろタオルを.)

スイハが梓弓を転ばせた

スイハ
「アロンダイト水浴び終わったようなのでタオル持ってきましたよ」

アロンダイト
「ありがとうございますスイハ」

*********

梓弓
「今日はアロンダイトに花束のプレゼントでも..」

スイハが梓弓を倒して花束を奪った

スイハ
「アロンダイト花束をどうぞ」

アロンダイト
「わぁ〜ありがとうございますスイハ」

*******

梓弓
「おのれ〜あの女〜」

梓弓はぶちギレていた

マスター
(うわぁ〜これはガッツリキレてる)

梓弓
「私が会長している『アロンダイトすこすこの会』の会員も謎の襲撃を受けているようですし」

マスター
「え?なにその下手したら犯罪集団になりそうな名前」

梓弓
「スイハあの女は同類です」

マスター
「え!?俺の質問はスルー」

マスター
「てかスイハが同類ってスイハがアロンのこと好きってこと?」

梓弓
「ええ私の目に狂いはありません」

マスター
「マジかよ...あのスイハが」

スイハ
「よく私の本性を見破りましたね」

512解決アロンちゃん:2019/11/25(月) 02:30:46
>>511
梓弓
「出ましたね我が宿敵」

スイハ
「梓弓アロンダイトから手を退けば痛い目にあわずに済みますよ?」

梓弓
「そんなこと言われて『はいそうですかそれでは手を退きます』なんて言いませんよ」

スイハ
「そうですか悲しいことです」

梓弓
「それに私には『アロンダイトすこすこの会』会長という3000人の会員のトップが痛い目に合うからという理由で手を退くわけには行きませんし」

マスター
(結構人数いるな...)

スイハ
「ふんそんな組織私が会長の『アロンダイトを遠くから見守るの会』が軽く潰して上げますよ」

マスター
「え?なにその下手したらストーカー集団になりそうな名前」

梓弓
「会員は何名なんですか?どうせ数人ほどでしょう?」

スイハ
「ええ私の会は50人と少数ですが...その1人1人が各国に影響がある重鎮ばかりハルモニアの上流階級からケイオスリオンの大きな土地を締める貴族トレイセーマの十三議会と接触のある人まで私が一声あげればあなたの300人なんて一捻りです」

マスター
「色々疑問あるけどその人たちはなんでどうやってそんな会に入ってんだ?」

梓弓
「くっ...私のアロンを勝手に遠くから見守るなこの変態ストーカー女め!」

マスター
(あ、俺の質問は全スルーなのね)

スイハ
「それはこっちのセリフですよ!私のアロンを勝手にすこすこするなこの変態妄想女め!」

マスター
(そういえば争いは同レベルからでしか起きないって言葉カシウスから聞いたな)

梓弓
「与一!私がアロンにどれほどふさわしいか教えてあげなさい!」

スイハ
「ネス!私がどれほどアロンとお似合いか力説しなさい!」

ネスと与一が前に出た

マスター
(あの二人洗脳されたのか?)

与一・ネス()
「アロンダイトは差し上げますから梓弓(スイハ)を元に戻してください!!」

マスター
(良かったーーー正常だったーーー!)

513解決アロンちゃん:2019/11/25(月) 02:43:35
>>512
梓弓
「どうやらそんなにアロンを渡したくはないようですね」

スイハ
「その言葉そっくりそのまま返します」

梓弓
「なぜそんなにアロンダイトを渡したくないんですか」

スイハ
「それは好きだからです」

梓弓
「私も好きですよ」

マスターは二人の会話を聞かずに今日の晩御飯を考えていた

梓弓
「考えてみたら私たちには真っ先に倒すべき相手がいますね」

スイハ
「それもそうですね」

二人はマスターの方を見た

マスター
「え?」

梓弓・スイハ
「私のアロンに平気で近づきベタベタと接触する不届き者!!」

二人は武器を構えた

マスター
「いや....え?ちょっと待って....そんな急展開ある?」

梓弓・スイハ
「覚悟!」

マスター
「マジかよ!」

マスターは逃げ出し二人は逃げたマスターを追いかけ始めた

梓弓・スイハ
「待てーーー!!」

514解決アロンちゃん:2019/11/25(月) 03:03:06
>>513
マスターはひたすら逃げた

マスター
(ヤバいこのままだと変態どもにいちゃもんつけられて殺される)

マスターが逃げているとアロンダイトが鍛練から帰って来ていた

マスター
「アロン助けて!」

アロンダイト
「マスターどうかしたんですか?」

マスター
「こ、殺される助けて」

アロンダイト
「殺されるって....もしかして敵!?」

アロンダイト
「マスター私の後ろに隠れてください」

アロンダイトが武器を構えると梓弓とスイハが来た

アロンダイト
「二人とも気をつけてくださいマスターの命を狙う敵がこの付近にいるようです」

マスター
(その二人が俺の命狙ってんだよ!)

梓弓
「マスターは私が護衛しておくのでアロンダイトは敵を探してください」

マスター
(ヤバい本格的に殺される)

アロンダイト
「いえ梓弓やスイハは接近戦が苦手ですもしも敵が急に来た場合に備えて私が守っている方が安全ですし私が守ることを怠って二人に怪我を負わせたくはありませんから」

梓弓
「アロン...///」

スイハ
「アロンダイト////」

マスター
(こいつら堕ちたメスの顔をしてやがる)

アロンダイト
「それにしても敵...現れませんね」

マスター
「きっと三人いるから不利と思って逃げたんじゃないかな?」

アロンダイト
「そうですか....でも気を抜いた時に襲われる可能性もあるので今日一日私がマスターお守りします」

マスター
「ありがとう助かるよ」

マスター
(色んな意味で)

そして夜までマスターはアロンダイトから護衛されるのであった

梓弓
(スイハだけかと思ったが他にも敵がいた)

スイハ
(アロンダイトを手に入れるにはあの二人を倒さなければならない)

梓弓・スイハ
(とりあえず覚悟しておけマスター)

マスター
「へっくしょん」

アロンダイト
「マスター風邪ですか?」

マスター
「アロンもしもの時は全力で俺を守って」

アロンダイト
「?」

アロンダイト
「はいわかりました」

マスターは心配事とアロンダイトは妙に不思議な約束をマスターとするのであった

515解決アロンちゃん:2019/11/25(月) 03:07:11
『アロンダイトすこすこの会』と『アロンダイトを遠くから見守る会』の制服はどちらも仮面にロングマントにフードです
色は『アロンダイトすこすこの会』が黒に近いグレーで『アロンダイトを遠くから見守』は黒です
会員はどちらも女性9割男性1割です

516名無しさん:2019/11/25(月) 10:05:26
目的は同じはずなのに相容れぬ二人
そして巻き込まれるマスター
アロンをめぐる三国大戦(笑)の火蓋が落とされるのであった

517リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/26(火) 22:05:32
もうしばらくしたら番外編公開します
ついにあの人が登場ですよ!
えっと、まぁ、管理人さんの判断で消されたらすみません
たぶん大丈夫
たぶん…

518リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/26(火) 22:50:33
【でぃすらぷ!】
番外編「いい風呂の日」

ティルが復活した。「長いこと眠っていたので…」と言う本人の希望で……

「ありがとうございます、レーヴァ♪」
「別に、お礼なんて…」

何故か私はティルとお風呂に入ることになった。
今はティルの背中を洗ってあげてるわけだけど…

「まさか体が縮むなんて…手伝っくれて助かります」

そう…彼女の体は縮んでいる…ひと言で言うと、幼女…子供の姿だ…どうしてこうなった…

「……痛くない?」
「はい、気持ち良いですよ!」

力を入れすぎないようにゆっくりと洗う。彼女の背中は小さく、とても柔らかい…
そのくせ、邪魔にならないように前身に垂らした髪から覗く横顔は、妙に色っぽいのだから困る……
以前のティルと重ねているからそう見えるのかな……

「はい、終わり…」

私は彼女の背中の泡とともに、そんな悶々とした感情をお湯で流す。

「じゃあ、あとは大丈夫でしょ?私はこれで…」

立とうとした瞬間…

「ま、待ってください!」

急にティルが抱き着いてくる。彼女の顔はみごとに私の胸へと沈み込んだ……

「な、何してるの、ティル!」
「私も自分で驚いています…自分がこんな体に…小さくなったからか、以前より大きく見えて……なんだか、いけない気持ちに……」

ティルの小さな手がゆっくりと2つの膨らみを押し上げる。

「っ……!」
「やはり、大きいですね…」

ティルの頬が赤く染まっているのは、お風呂で体が温まったからだけでは無いのだろう…

「次は、私の番です…」

彼女はおもむろに私の両足を開いた。そして……

「綺麗に、してあげますからね…」
「ティ、ティル…!ダメ…!」

ティルは意を決するように一拍おいて、『その場所』へ優しく唇を押し当てた。




そこで目が覚めた私はただただ呆然として…一切の思考回路が停止する。

「…………は?」

夢。まぎれもない夢。そもそもティルが小さくなるなんて……
隣りのムーも目を覚まし、「くぁっ」と欠伸をした。

「どうした、レヴァ?またすげぇ顔してるぞ?」

一気に現実味を帯びた朝の風景に意識も覚醒し……唐突に自分が見た夢を理解する。
沸騰する血液と湧き上がる感情を堪えきれず、私は枕に顔を埋め、思いっきり叫ぶことしかできなかった……

このとき見た夢のティルが、後に本当に復活したティルの姿、『リル=ティルフィング』であること知るのはまだ先の話…

番外編 END

519名無しさん:2019/11/26(火) 23:00:30
ティルレヴァええぞ!

520アバリスが誕生日を祝ってくれる話:2019/11/26(火) 23:01:33
ある日の朝

アバリス「あの...マスター」

マスターは朝からバタバタしていた

マスター「あ、アバリスごめん今は忙しいから後でいいかな?」

アバリス「マスターがお暇な時で良いですよ」

マスター「ありがとうまた後でね」

今日一日マスターはバタバタの作業で夜になった

アバリス「マスター」

アバリスがマスターの部屋に入るとマスターはベッドで横になって寝ていた

アバリス「寝てる仕方ないですね今日一日忙しかったようですし」

アバリスは手に持っていたケーキを机の上に置いた

アバリス「お誕生日おめでとうございますマスター」

アバリスはマスターの頬にそっと優しくキスをした

アバリス「//////////////」

アバリスはそそくさと部屋を出た

マスター「.........」

マスターはゆっくりと起き上がって窓辺に手を置いた

マスター「そうか....今日は誕生日だったな....」

マスターの顔はみるみると赤くなった

マスター(ああああああ!//////)

マスターはその場にうずくまった

マスター「ア、アバリスって意外と大胆だな////」

マスターは赤くなった顔に手を当てた

アマスター(あー顔が熱いし心臓もドキドキしてるこれだけで良い一日だったって感じれる)

その頃アバリスも赤くなった顔に手を当てていた

アバリス(マスターの頬にキスしてしまった....でも私からあげれるプレゼントなんてこれくらいしかないしマスター満足してくれたのでしょうか?)

マスター(.....)

アバリス(......)

マスター・アバリス(それにしても体が熱い....)

あまりにもドキドキした二人はその夜あまり寝つけれなかったのであった

521アバリスが誕生日を祝ってくれる話:2019/11/26(火) 23:04:21
ああアバリスに誕生日祝ってもらいたい
淘汰値15行ったからロングハンターにしてロングアーバレストを装備させて戦闘したらロングアーバレストが想像よりもでかくてびっくりしたけどそれを持って戦ってるアバリスってすごいなと感心した

522名無しさん:2019/11/26(火) 23:25:26
>>518
こいついっつも自分が襲われる淫夢見てんな、やっぱ好きなんすねぇ〜

523名無しさん:2019/11/27(水) 07:06:06
>>518
番外編はどちらも寸止めの夢落ちだけど、レヴァの深層心理なのか
はたまた誰かが意図的に見せてる淫夢なのか…
淫夢見せそうな容疑者がいるせいで妙に信憑性あるのが困る

524名無しさん:2019/11/27(水) 08:17:32
アバリスのような彼女が欲しい人生だった…

525名無しさん:2019/11/27(水) 12:48:44
レヴァが襲われたいのか、レヴァを襲いたい人が多いのか……とにかく今回もよきかな

526名無しさん:2019/11/27(水) 19:00:23
アバリスが現実にいれば...

527リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/11/27(水) 23:07:18
感想ありがとうございます
>>518にいくつか訂正がありましたので記載します

訂正前
「まさか体が縮むなんて…手伝っくれて助かります」
訂正後
「まさか体が縮むなんて…手伝ってくれて助かります」

訂正前
このとき見た夢のティルが、後に本当に復活したティルの姿、『リル=ティルフィング』であること知るのはまだ先の話…
訂正後
このとき夢で見たティルが、後に本当に復活したティルの姿、『リル=ティルフィング』であることを知るのはまだ先の話…


注意してはいますが、誤字脱字などあったらすみません
気付いたらそのつど報告&訂正します

528Christmas.night:2019/12/02(月) 23:01:58
リサちーと過ごすクリスマスの物語です。

元のSSはガッツリR-18描写があるのでここではR-18描写無しで投稿しますが、R-18描写有りで見られたい方は下記URLからご覧ください。

https://syosetu.org/?mode=user&uid=289229

529Christmas.night:2019/12/02(月) 23:03:12

今日はクリスマスイブ。

隊の皆とクリスマスパーティーを行い、楽しい一時を過ごした。

お金に余裕がないので普段は余りこういった催し物が出来ないけど、せめてクリスマスは楽しんで欲しかった。

皆、いいクリスマスを過ごせたと思う。

ただ一人、途中でクリスマスパーティーをひっそりと抜けたリサナウト以外は。

「リサナウト、どうしたんだろう……」

一度自室に戻って着替えてから彼女を探そう、と考えながらドアノブに手を伸ばした所で、自分の部屋からゴソゴソと音が聞こえてきた。

「まさか、空き巣……?」

静かにドアノブを回し、ドアの隙間から中を覗く。

そこには。

「ま、マズい、急がないと当主様が帰ってきちゃう。リボンをもう一度まき直して……、あ、あれ?リボンがほどけない!」

ミニスカサンタな格好で自分をリボンで縛り、もぞもぞと床を這っているリサナウトの姿があった。

「……何してるの?」

「あ、と、当主様!?これは決して自分にリボンを巻いて当主様に「プレゼントは私」ってしようと思っていた訳ではなくて!」

「そ、そう!これは縛っているの!縛っている方が当主様は興奮するでしょ!最初から予定通りよ!」

捲れあがったスカートからタイツが丸見えで、胸にリボンが食い込んでいる。

それでも一ミリも動揺しないのは、彼女の残念っぷりに呆れ果てているからか。

「じゃあ僕はもう一度出掛けてくるから」

「その前にこのリボンをほどかせてあげてもいいわ。……ちょ、ちょっと待って当主様!お願いだから行かないで!」

部屋から出るとリサナウトは涙目で助けを求めた。

「最初からそう言えばいいのに……」

530Christmas.night:2019/12/02(月) 23:04:05

リボンをほどくと彼女は佇まいを直し、ベッドに座った。

「ありがとう、当主様。リボンに縛られたくらいどうってことはなかったけど、感謝してあげるわ」

その自信は一体どこから来るんだろう?

「何で僕の部屋にいたの?」

「あら分かりきったことを聞くのね。当主様に私をプレゼントするためよ。マイナス2ポイントね」

「そうじゃなくて僕の部屋にどうして入れたの?鍵は掛けてたけど」

「……鋭いわね、当主様。10ポイントあげるわ」

くっ……、と悔しそうにリサナウトは唸る。

僕を何だと思っているのだろう?

「もし合い鍵を持ってるならポイントよりそっちをくれると嬉しいな」

「残念ながら不正解よ。私に合い鍵は必要ないわ。ピッキングできるもの」

「……ちょっと失敗して鍵穴を壊しちゃったけど」

そちらの方が問題だということに気付いて欲しい。

531Christmas.night:2019/12/02(月) 23:04:53

「そんなことより!私の格好に当主様は何とも思わないの?」

「ミニスカサンタだね」

「…………それだけ?」

とても似合っているし、可愛らしいと思う。

でも、自分をリボンで縛っていたとんでもなくポンコツな印象がどうしても拭えない。

「む〜、当主様、今のは1000ポイントマイナスよ」

そう言ってリサナウトは少し膨れっ面になった。

「当主様、他の子には可愛いって言ってたのに、なんで私だけ……」

彼女がボソボソと呟いた言葉は聞こえてないフリをする。

少しするとリサナウトは、僕に向けてビッと指を指した。

「それはそうと、当主様は992ポイントの負債をどうやって返すつもりかしら」

返さなかったらどうなるのかは気にしないことにする。

元々去年の失点を取り戻すために、リサナウトを探していたのだから。

532Christmas.night:2019/12/02(月) 23:06:12

「リサナウト、メリークリスマス」

用意してた小箱を彼女に手渡す。

「え?と、当主様……。これって……」

「クリスマスプレゼントだよ。去年渡すことができなかったから今年はそのリベンジで、ね。本当はパーティーの時に渡すつもりだったんだけど」

リサナウトは小箱をギュッと胸に抱き、俯きながら僕に尋ねる。

「開けてもいい?」

「もちろん」

リサナウトが小箱の包装をとき、中身を取り出す。

「……懐中時計」

「リサナウトは時間を操る能力を持ってるから、あると便利かなって」

「……2000ポイント」

多分、照れ隠しなのだろう。

リサナウトは懐中時計を見つめて、顔が綻んでいた。

そんな彼女を見れて、僕も嬉しかったのだと思う。

「……可愛い」

「え?」

つい、そんな感想を漏らしてしまっていた。

533Christmas.night:2019/12/02(月) 23:08:42

「……そのポイントって意味あるの?」

可愛いと言ったことをあまり追求されたくなくて、話しを逸らす。

「あ、うん。1ポイントで肩叩き一回分よ」

思ったよりショボかった。

今は大体1000ポイントだから、肩叩き約1000回分。

「1000ポイント貰っても余り嬉しくないなぁ……」

「……10000ポイントで、当主様の恋人になるって言っても?」

リサナウトに後ろから抱きつかれる。

「……軽々しくそんなこと言ったらダメだよ」

「誰にでも言うわけじゃないわ。私の恋人になれる権利があるのは当主様だけ」

背中から回された彼女の手は、少し震えていた。

「リサナウト……?」

「私にはクロノスの力があるわ。時間を操る絶対的な力」

僕の隊において、戦闘で彼女の右に出る者はいない。

彼女が隊に入ってから、仲間が戦いで負傷することもなくなった。

「時間をいじることで問題を解決してきた。それでも、どうにもならないこともあるの」

彼女はその力を仲間の為に何度振るったのだろう?

「時間を戻す度に、私と仲間が過ごした時間は乖離していく。どれだけ仲良くなっても、時間を戻せば築き上げた関係がリセットされてしまう」

それはどれだけ辛いことなのだろう?きっと僕にはわからない。

「当主様だけなの。どんな時でも私と変わらずに接してくれたのは」

彼女の手に自分の手を重ねる。

「……ごめん、今まで気付いてあげられなくて」

「いいの。誰にも気付けるようなことじゃないし、ただ当主様には知っておいて欲しかっただけ」

「そう、か……」

534Christmas.night:2019/12/02(月) 23:09:38

いつも気丈に振る舞う彼女が、こんな悩みを抱えてたなんて思いもしなかった。

気付けなかった自分が情けない。

「……この先も、君が人知れず抱えた辛さに僕は気付いてあげられないかもしれない」

「うん」

「僕じゃ頼りないかもしれないけど、それでも君の支えになりたい」

「……うん」

「もっと君のことを教えてほしい」

「……当主様は、ずっと私の傍に居てくれる?」

「勿論、リサナウトさえ良ければ」

彼女の手をほどき、向き直る。

「あ、と、当主様!こっち向いたら……」

リサナウトの瞳から涙が零れていた。

彼女の焦った表情が泣き顔を見られたくないのだと物語っていたから、リサナウトを正面から強く抱き締めた。

「と、当主様……?」

「今まで僕達を守ってくれて、ありがとう」

「強がらなくていいんだ。今度は僕が君を支える番だから、できれば甘えて欲しいな」

「……10000ポイント」

リサナウトは泣き顔を見られないように僕の肩に顔を押し付け、ぽそりと呟いた。

「当主様は本当にズルね。……もう少しだけ、このままでいていい?」

「うん」

強がりだけど本当は弱い彼女を守っていこうと、心に誓った。

535Christmas.night:2019/12/02(月) 23:11:28



ーーーーーー

ーーー

「リサナウト、落ち着いた?」

「……リサ」

「え?」

「私のことリサって呼んでくれるなら0ポイントで恋人になってあげる」

リサナウトはちらちらと僕の方を見ながら髪をいじり、返事を待った。

「……リ」

「ちょ、ちょっと待って当主様!考え直して!本当は10000ポイント必要なところをリサって呼ぶだけで恋人をゲットできるの!今ならお買い得というか!だから!」

「リサ」

パタパタと手を振りながら、顔を真っ赤にしていた彼女がピタッと止まった。

「も、もう一回呼んで……」

「リサ、好きだよ」

「あ、えと……、と、当主様にしては上出来ね!その……わ、私の恋人にしてあげる!」

「うん。これから宜しく」

リサは伺うような視線をこちらに向け、僕の袖をクイッと引っ張た。

「当主様、私のファーストキス、奪ってくれる?」

「リサ……」

「ん……」

彼女の柔らかな唇に自分の唇を押し付ける。

「……当主様のファーストキス、マイナス5ポイント」

「厳しくない?」

「そんなことないわ、当主様じゃなかったらマイナス10000000ポイント……っていうかさせない」

「キスって唇を重ねるだけじゃないでしょ?100ポイントになるまで特訓する必要があるわね。ん……」

「それってリサが沢山キスしたいだけじゃ……」

「ん!」

唇を突き出して、キスをねだる彼女がとても可愛らしくて、僕は再び彼女の唇を奪った。

「ん、ちゅ、ちゅぅ……」

彼女の唇を啄み、舌を這わせて濡らしていく。

リサはギュッと目を瞑り、時折ピクっと身体を跳ねさせた。

536Christmas.night:2019/12/02(月) 23:12:18

「リサ、舌を出して」

「と、当主様……、ん!ちゅ、ちゅる……」

彼女と舌を絡ませ、摺り合わせていく。

少しザラついた感触が堪らなくて、夢中で彼女の舌に吸い付いた。

「ちゅ、ちゅぴ、ぷぁ……。もぅ、当主様、がっつき過ぎ。それだけ私の魅力にメロメロってことかしら?」

「うん、凄く可愛いよ」

「あぅ……」

リサは顔を真っ赤にして俯いた。

ポニーテールに髪を纏めているので、襟から覗くうなじにどうしても目がいってしまう。

「さっきのキスは何ポイントかな?」

「ひゃく……、いや3ポイント。まだまだね!」

「100ポイントって言いかけたよね?本当は?」

「さ、さすが当主様、鋭いわね。……ひゃ、」

「1000000(百万)ポイント……」

喜んで貰えてたようで良かった。

537Christmas.night:2019/12/02(月) 23:13:30

「当主様は今、1011008ポイントあるわけだけど……、どうするの?」

「分かり辛いからもう1000000(百万)ポイントでいいよ。これで何ができるんだろう?」

1ポイントで肩叩き1回。

10000ポイントで恋人になってくれる。

1000000ポイントなんて想像もつかない。

「えっと、1000000ポイントで、その……、一日中、私を当主様の好きにしていいわ」

「…………」

思考が真っ白になりかける。

「えっと、それって……」

コクリとリサナウトは頷く。

「私の中に、当主様と繋がったっていう確かな証が欲しいの。だから、お願い」

「当主様、私をめちゃくちゃにして……」

538Christmas.night:2019/12/02(月) 23:14:20



ーーーーーー

ーーー

それから数時間後、僕とリサはベッドに寝転んでいた。

「くっ……、悔しいけど、認めてあげる。ベッドの上だと当主様に勝てる気が全くしないわ」

勝ち負けってあるの……?とは突っ込まなかった。

「言っておくけど当主様が私にマウントをとれるのは今日だけよ!次は私が当主様をひいひい言わせることになるわ!」

「僕はリサが次を考えてくれていることが嬉しいよ」

「ぁぅ……」

リサは真っ赤になった顔を枕にうずめ、足をパタつかせた。

素直じゃなくて意地っ張りな所も好きだなんて、まだ恥ずかしくて言えそうにないけど。

「リサ、君をもう一人にはさせない。どの時間にいても、僕は君の味方であり続ける」

「……当主様はそんなことを恥ずかしげもなく言うのね」

「……恥ずかしいかな?」

僕の本心なのだから仕方ない。

リサがこちらに向き直り、僕の手を握った。

「一日逢わねば千秋、という言葉があるわ」

「たった一時でも、当主様と一緒にいられない時間にはもう堪えられないの。だから、当主様。私の手を離さないで」

僕はそれに応えるようにリサの手を握り返した。

「うん。ずっと傍にいる」

嬉しそうにはにかむ彼女と、この先もずっと。

きっと彼女となら、新鮮で退屈のない毎日が送れると思った。

ーーー君にとっても、そんな日々が送れるといいな。

そんな未来に思いを馳せて、お互いに笑いあった。




Fin

539Christmas.night:2019/12/02(月) 23:17:28
リサちーのあまりの可愛さに衝動的に書いてしまったSSですが、彼女の魅力が少しでも伝わったら嬉しいです。

ゴッドガチャは(財布が)キツいですがもしリサちーを迎えられた方は愛でてあげてください

540名無しさん:2019/12/03(火) 10:51:49
りさちー引けた人は大切にしてあげて…(玉砕)

541名無しさん:2019/12/03(火) 12:41:21
>>539
これ読んでリサちー可愛いなぁと思って衝動的に引いたら出た。ありがとう作者様。良いもの読ませてもらったのとガチャ運を暮れて本当にありがとう

542Christmas.night:2019/12/04(水) 05:54:53
>>541
コメントありがとうございます!
リサちーを可愛いがってあげてください。

543リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/12/08(日) 15:45:23
【でぃすらぷ!】
スピンオフ「そろもん!」

私には好きな人が居る。
最初は仲間として。
そして、いつからかその想いは友情から愛情へと変わっていった。
不思議と戸惑いは無かった。
だって、どんな感情を持とうと、私の進む道は常に君と共にあるのだから。

ーーーーーー
朝の体操を終えて広間に戻った私は、想定外の状況に困惑した。
誰も居ないと思っていたテーブルにはレーヴァの姿が見える。
さらに付け加えると…

「またうたた寝してるのね」

レーヴァは無防備にも、椅子に腰掛けたまま眠っていた。
私はすぐさま状況の分析に入る。

(外で体操をしている時にカリスとヘレナは買い出しに行くと出掛けて行ったわ…普段カリスは朝食の準備が整ってからレーヴァを呼ぶから、てっきりまだ眠っていると思い込んでいたけれど…)

おそらく、レーヴァが二度寝する事も想定し、声を掛けてから朝食の買い出しに向かった…そんなところね。
レーヴァはレーヴァで、珍しくすぐに起きてきたら誰も居ないので待ちくたびれてそのままうたた寝をしてしまった…
うん、完璧ね!

「ふふっ、この程度の分析は朝飯前よ!」
「周囲を観測します。……朝食の準備は確認出来ません」
「そうねグラウ!正真正銘朝飯前ね!」

私はそのままカリス達の帰りを待つことにし、レーヴァの向かいの席へと腰を下ろす。
レーヴァは起こす理由も無いので、しばらく寝かせてあげることにした。

「本来なら起こすところだけど…たまには甘やかしてあげるわ…ゆっくり休んでね…」

すやすやと寝息を立てる彼女を見つめる。警戒心の欠片も無い。
うん、前言撤回ね。私の理性が持ちそうにない。

(ああぁ、どうして?どうしてこんなに可愛い生き物が存在するの?しかも二人きり!レーヴァは無防備!)

これはある種の拷問よ…
私は深呼吸をして、自分が取るべき行動を整理した。

1、普通に起こす
2、レーヴァに布団を掛けてやり過ごす
3、キスで起こす
4、いっそのこと襲う

選択肢に多少の疑問は抱きつつ、分析を開始する。

「まず2は無い。姿は布団で隠せてもレーヴァが眠っていると言う事実は変わらないもの…それにレーヴァが息苦しくなって結局起きてしまう。3も無いわね。私が我慢できずにそのまま4に繋がってしまう…」

私はレーヴァの隣りに立ちその表情を見つめながら、そっと頬を撫でる。

(まったく…君はどうしてこんなに無防備なの?)

“そう言う事“になっても良いと言うサイン?それとも……

「信頼の証……?」

なら…私の選択肢は決まっている……
私はレーヴァの肩に手をかけて、思いっきり力を込めた。

「ほら、レーヴァ!起きなさい!こんなところで二度寝しないの!」

選択肢は1。最初からこれしかない。レーヴァの信頼を裏切ることは出来ないもの。これが私の最適か……

「う〜ん…ソロモン…?おはよ…」
「…………」

不覚だわ……寝起きの破壊力を計算に入れていなかった……
危うく理性の壁が崩壊しかけて、私は咄嗟にレーヴァを抱きしめた。

「ソロモン…苦しい…」
「ダメ…今は顔を見せないで…こっちの顔も、見ないで……」

今、目が合ったら……想いが溢れてしまう…
何度も自分に「自制心、自制心」と言い聞かせ、気持ちを落ち着かせる。
丁度良いタイミングで入り口付近で音が聞こえた。
ここしかない。

「買い出しに行っていた2人が帰ってきたみたいね!出迎えてくるわ!」

レーヴァから離れ、そそくさとその場を後にする。自分でもぎこちない動作だと呆れる。もっと自然に振る舞わないと…

と、私はある事を思い出し…その場に崩れ落ちた。
帰ってきたカリスとヘレナ、そしてレーヴァも何事かと心配そうに駆け寄ってくれる。

(さっきの寝顔……記録し忘れた……)

落ちついて、私。大丈夫…これからもずっと一緒なんだもの。チャンスはいくらでもあるわ。
でも、こんなことですぐに落ち込んでしまうなんて…
レーヴァの一瞬一瞬を自分の物にしたいと言う欲求の表れ…

(あぁ…やっぱり好きだなぁ……)

本当に出会えて良かった…
いつか、この想いが君に受け入れられますように…

END

544名無しさん:2019/12/08(日) 16:10:02
よき…よき…

545リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/12/08(日) 20:42:02
【でぃすらぷ!】
スピンオフ「かりす!」

私はみんなを救いたい。
だから人間でも、敵でも、誰だって助けを必要とする人がいれば手を差し伸べる。
でも、ときどき思うんだ…
じゃあ、私を救ってくれるのは誰だろう……?
みんなを救っていれば、いつか私も救われるのかな……?

ーーーーーー
目を覚ますとソロモンが心配そうに顔を覗き込んでいた。
まず最初に浮かんだのは……

(ああ、やっちゃったなぁ……)

私はさっきまで倒れた敵兵さんの治療をしていた。
最後に覚えているのは、その隙を突いて私を攻撃してきた敵兵さんの仲間と、颯爽と飛び込んできたレーヴァの姿。

「ごめんね、ちょっと失敗しちゃった!」

ソロモンの膝枕から起きて、つとめて明るく振る舞う。
でも……レーヴァの表情を見て一瞬で笑顔が凍り付く…本気で怒ってる……

「……カリス、いつも言ってるでしょ?敵の治療は辞めて…どうして分からないの?」
「だ、大丈夫だよ!もう油断しないもん!」
「カリス!ここはちゃんとレーヴァテインさん達に謝りましょう?すみません、すみません、カリスがいつも…」
「キプルは黙ってて!」

私もつい、ムキになって言い返す。だって、人を救うことは私の全てなんだもん…!

「もういい……勝手にして……」

レーヴァはそう言うと、ムーに乗って拠点の方へ飛び去ってしまった。

「やれやれ、レーヴァも本当に不器用だな…」
「カリス、レーヴァの気持ちも少しは考えなさい?」
「……分かってるもん」

私達が遅れて拠点に戻ると、先に帰ったはずのレーヴァは入れ違いにどこかに出掛けていき、その日は終ぞ帰って来ることは無かった…


翌朝、いつもより早く目を覚ました私は重い足取りでレーヴァの部屋へ向かった。

(レーヴァ、ちゃんと帰って来たかな?ソロモンとヘレナは心配いらないって言ってたけど……)

ノックしようと、一度は持ち上げた手をゆっくりと下ろす。
ひとまず、朝食の準備から始めよう……
昨夜、レーヴァが何も食べていないとしたらお腹を空かせているはずだし…

「ん…あれ…?」

ふと、微かにいい香りが漂っていることに気付く。
私が急いで調理場に向かい、覗き込むと…

「レーヴァ?何してるの?」

レーヴァはびくりと肩を震わせ、驚いた様子でこちらを向く。

「え、ウソ…カリス?もうそんな時間…?」

レーヴァの腕には小さなバスケットが抱えられている。その中には、焼き立てであろうおいしそうなパンが積まれていた。

(この香りはパンだったんだ…しかもこれって…)

「レーヴァ、この匂いって…ブドウパン…?」

レーヴァは顔を赤く染めて、小さく頷く。

「カリス、ブドウパン好きでしょ…」
「レヴァの奴、昨日はあれから材料集めに駆けずり回ってたんだぜ?お前と仲直りしたいんだと……」
「黙って…」
「ムギュウウッ!」

レーヴァが私のために焼いてくれた…?

「まぁ、そんな訳だから…昨日はごめん……キツくあたり過ぎた…本当なら真っ先にカリスの心配をすべきなのに…」
「……違うよ、レーヴァ。レーヴァはちゃんと心配してくれたからこそ、本気で怒ったんでしょ?分かってる…ちゃんと分かってるから…ありがとう、レーヴァ…」

レーヴァを抱きしめる。昨日会えなかった時間を取り戻すように…ぎゅっと力を込めた。

(こっちこそ、ごめんね?いつも心配かけて…)

「カリス、これからもよろしく。でも…無茶は辞めて…」
「うん!任せて!カリスちゃんが起こす、すっごいミラクル、期待しててね!」
「レヴァ、いいのか?こいつ、分かってるようで分かってないと思うぜ?」
「はぁ…おっけ…その都度フォローする…」
「えへへ♪」


きっと、私はレーヴァに救われている。
レーヴァがワガママを許してくれるから…支えてくれるから…安心して"救う"と言う道を突き進める。
だから私も支えるよ、ずっと側で…レーヴァのこと!

その後、みんなで食べたレーヴァが焼いてくれたブドウパンは、今まで食べたどのパンよりもおいしいかった。

END

546名無しさん:2019/12/08(日) 21:11:23
よいぞよいぞ

547リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/12/08(日) 23:01:09
【でぃすらぷ!】
スピンオフ「へれな!」

ヘレナが内包するのは狡知神・ロキ。
悪戯好きの困った神様だ。
自覚はあるぞ?罪悪感もある。
それなのに…アナタは……

ーーーーーー
(そろそろだな……)

カリスと一緒に広間でくつろいでいると、レーヴァが頭を抱えてやってきた。読み通りだ。

「カリス、ソロモンが風呂場で倒れてるから看てきて…」
「えっ?うん、分かった!」

カリスが走り去ると、レーヴァはこちらに視線を向ける。その瞳には怒りと言うよりは呆れた感情が浮かんでいた。

「今は誰も入ってないって言ったわよね…?」
「それで、入りに行ったら先にソロモンが居た…と?おかしいなぁ、ヘレナが確認したときには誰もいなかったんだが…ヘレナが確認した後にソロモンが入ったんじゃないか?それをヘレナのせいにされても困るなぁ…くふっ」
「まるで言い訳を準備していたように饒舌ね……おっけ…誰もいないか確認せずに入った私も悪いし…」

素直だなぁ……少しは怒ってくれてもいいんだぞ…?

「ソロモンが倒れているって言うのは…?」
「…………風呂場がどう言うところか考えて……」
「レーヴァの裸でも見て卒倒したのかい?」
「驚いて石鹸で転んだだけよ…その時に頭を打ったみたい…」

巻き込まれただけのソロモンには少し申し訳ない気もするが、レーヴァの裸を見れたはずだし…まぁ良いだろう。

「はぁ…ヘレナ、あんまり面倒は増やさないで…」
「嘘をつくなとは言わないんだな……」
「言ってどうなる訳でもないでしょ?」

それはそうだが……

「レーヴァ……レーヴァはどうしてヘレナの言うことを信じるんだ?何度も何度も痛い目を見ているだろ?それなのに……」

レーヴァは少し考えて口を開いた。

「仲間を信じるのに、理由がいる?」
「…!」
「それに、ヘレナが100のうち99の嘘をついたとしても、残りの1つが真実だってこともある。でしょ?」
「…………レーヴァは本当にお人好しなうえに、警戒心が薄いな……」

だから、ヘレナは甘えてしまうんだぞ……?

「……実は、ヘレナの気持ちも分からなくもないし…」
「?」
「以前の私は怠け者で…色々と人に押し付けて…みんながバタバタするのを見ていい気になってた。そう言うの嫌いじゃない…」

レーヴァは珍しく、悪戯好きな子供のように悪い笑みを浮かべる。

「じゃあ、たまにはレーヴァも仕掛ける側になってみるかい?」
「え…?」
「やがてカリスとソロモンが戻って来るだろうから、一緒に2人を驚かせようじゃないか。くふっ」
「……本気?」
「本気も本気さ。レーヴァの意思も尊重して今回は悪戯の内容も軽めにしよう。どうだい?」

レーヴァは先ほどよりも長い時間考え……

「おっけ……こ、今回だけよ…?」

口ではそう言いながら、明らかにわくわくし出すレーヴァを見て思う。

(やっぱり、レーヴァは警戒心が薄い…こちらが心配になるくらいに…)

「で、何するの?」
「そうだなぁ……シンプルにいこう。どこかに隠れて、2人がやってきたら飛び出して驚かす」
「おっけ」

2人で隠れるさい、レーヴァは小さく呟く。おそらくこっちに聞こえているとは気づいていないだろう…

「ふふっ…一度、やってみたかったのよね……」

そうこうしていると、奥から2人が戻って来た。
カリスとソロモンがヘレナ達を捜し始めたのを見てレーヴァに3、2、1の合図を送る。

(3、2……)

もちろん最後の1を待たずに、レーヴァを後ろから押し出す。

「きゃっ!?」

可愛い悲鳴と共にレーヴァがべしゃりと、情けない姿で転倒した。

「レーヴァ?」
「レ、レーヴァ……今日の君は……ちょっとサービスが過剰じゃないかしら……嬉しいけども……」

驚くカリスに顔を染めるソロモン。そして……
顔を真っ赤にし、涙目で抗議を示すレーヴァ。

「油断大敵、だぞ?優しいヘレナからの忠告だ。くふっ」

ありがとう、レーヴァ……信じてくれて……そんなレーヴァだからこそヘレナも信じる事が出来る…安心して嘘がつける…ヘレナなりの信頼の証……
ヘレナが安心出来る居場所…これからも守っていこう。アナタと共に。

END

548名無しさん:2019/12/09(月) 10:18:13
あのレヴァが仕掛け人側にまわる時のウキウキ感すこぉ!
そして1番の被害者(勝者)は多分ソロモン

549名無しさん:2019/12/09(月) 23:57:51
ヘレナもカリスも尊い好意を寄せてるのに
ソロモンが直球すぎる好意で笑う、風呂場でソロモンが転倒してなかったらヤバかった

5504.6が越えられない(1番):2019/12/13(金) 06:52:13
雑談の方にしようか悩みましたがこちらに投稿
某○アーマンが倒せないの替え歌で星5育成のストレスから書きました


気がついたらメタガばかりプレイ♪
そしていつも似たような成長値♪
諦めずに転生して挑戦するけど♪
すぐに在庫無くなる♪
リアルラックがあれば楽に星6進化出来るけど♪
何回やっても何回やっても4.6が越えられないよ♪
あの数値何回やっても越えれない♪
速技を狙ってやり続けてもどっちか成長が足りない♪
足りたと思って数値見たけど他が届かなきゃ意味がない♪
だから次は絶対越える為に僕は超虹彩だけは最後までとっておく♪

「…ふぅ。スッキリした、それじゃあメタガ行くか。」

匠型の速技の最大引き継ぎ値狙いは底無し沼…

551名無しさん:2019/12/13(金) 08:17:45
>>550
ワロタ
でも真理だ…

552かるま★けいおす!:2019/12/15(日) 18:56:42

・暴食!べるぜぶぶ!

フェイルノート
「ケイオスリオンは深刻な食糧危機にあるわ。理由は分かってるわね、パラシュ?」

パラシュ
「……シユウか、僕が躾てくるよ」

フェイルノート
「えぇ、任せたわ」

ーーーーーー

ーーー

パラシュ
「そういう訳で、今日からおやつもつまみ食いも禁止だ」

シユウ
「えぇ〜〜!!パラシュだって黒い時は暴食だったぞ!なんでシユウだけガマンしないといけないんだ?!」

パラシュ
「僕が平らげてたのは戦場だ。食糧を食い荒らしてはない」

シユウ
「パラシュはバカだな、戦場は食べれないぞ!」

パラシュ
「…………」

パラシュ
「…………そうだね」

正論過ぎて何も言えないパラシュだった。

553かるま★けいおす!:2019/12/15(日) 18:57:25

・働け!さるがたなす!

フェイルノート
「実力主義のケイオスリオンで勤労待遇の改善を求める声があがってるわ。パラシュ、黙らせてきなさい」

パラシュ
「……了解だ」

ーーーーーー

ーーー

ガンバンテイン
「あい うぉんと とぅ ほりでぃ!」

パラシュ
「やはり君か。処罰されたいみたいだね」

パラシュ
「……とはいえ、24時間国中の監視をさせるのは流石に僕も心苦しい」

パラシュ
「週休2日、1日8時間勤務の三交代制に変える事にしよう」

ガンバンテイン
「ほ、ほんとに!?ゴネておいて良かった……」

パラシュ
「勘違いするな。働いているのは君の精霊であって君自身じゃない。今話したのは君の精霊についての待遇だ」

ガンバンテイン 
「あ、あれ……?」

パラシュ
「今までサボってた分、君には働いて貰うからそのつもりでいるんだね」

ガンバンテイン
「そ、そんなぁ……」

パラシュ
「意見するのは結構だけど、それなりに働いてからにしてもらおうか」

ガンバンテインは社会の厳しさに絶望した。

554かるま★けいおす!:2019/12/15(日) 18:58:20

・緊急事態

フェイルノート
「緊急事態よ、ケイオスリオン国内で謎の疫病が散発しているわ。パラシュ、原因を突き止めなさい」

パラシュ
「……この国は問題ばかりだな」

ーーーーーー

ーーー

疫病の発生現場についたパラシュ。

パラシュ
「酷い瘴気だ。堪えられない程ではないけど……」

パラシュ
「瘴気が濃い方へ向かえば、いずれはその発生原に辿り着くハズだ」

数分後。

パラシュ
「……ここか。何もないじゃないか」

「あの……」

パラシュ
「くそ、強烈な瘴気をすぐ傍に感じるのに……!原因が全く分からない!」

「多分、それ私……」

パラシュ
「一体どこに隠されてるっていうんだ……?」

「目の前です。アナタの目の前にいますよ」

疫病の原因が分からず、歯噛みするパラシュ。

その謎は迷宮入りした。

555かるま★けいおす!:2019/12/15(日) 18:58:52

・逃げて!はるふぁす!

フェイルノート
「雑賀を……」

パラシュ
「任せてくれ。首を跳ねてこよう」

パラシュは雑賀のもとへと駆け出した。

フェイルノート
「……小説でいいように利用されてたこと、まだ根に持ってるようね」

556かるま★けいおす!:2019/12/15(日) 18:59:43

・エイプリルフールでの出来事

フェイルノート
「オティヌスのイタズラが目に余るわ。パラシュ、後始末をしておきさない」

パラシュ
「オティヌスが何をしたんだい?」

フェイルノート
「ファンキルのロード画面を全てゲバルトにされたわ」

パラシュ
「皇帝、済まないが僕が行く必要は感じられ……」

フェイルノート
「パラシュ……、今回の件で増長するバカが出ることくらいお前なら分かるハズよ」

フェイルノート
「ゲバルトを躾てきなさい」

パラシュ
「なんで僕がオティヌスの尻拭いを……。というかオティヌスはお咎めなしかい?」

フェイルノート
「オティヌスは駒として優秀よ。勿論お前もね、パラシュ」

フェイルノート
「実力主義のケイオスリオンでオティヌスを優遇するのは当然のことよ」

パラシュ
「……もう彼女が面倒を起こさないことを祈るよ」

そうしてパラシュはゲバルトの断罪に向かった。

フェイルノート
「……」

フェイルノート
「ぷ、くく……、いやー、さすが私!賢いなぁ!」

フェイルノート
「これからもイタズラの後始末は全部パラシュにやって貰おうかな!」

オティヌスがフェイルノートに化けていたことを、パラシュは知る由もない。

※この後オティヌスはフェイルノート本人に絞られました。

557かるま★けいおす!:2019/12/15(日) 19:06:53
・緊急事態
で登場してるのは、人より少し影が薄い彼女です。分からない方(いないかもしれませんが)は下のヒントを参考にしてください。

ヒント
・「あ○○す」という名前です。

お目汚し失礼しました。

558名無しさん:2019/12/15(日) 19:19:13
彼女かな?ここだとほぼレギュラーばりにいる彼女かな?

559名無しさん:2019/12/15(日) 19:34:29
容疑者がアルマスかアバリスしかいないじゃないか

560名無しさん:2019/12/15(日) 19:51:43
一体何アバリスなんだ…

561名無しさん:2019/12/15(日) 20:05:19
アバリスにも種類が?!

562名無しさん:2019/12/15(日) 20:26:18
優しいアバリス
ドSアバリス
ヤンデレアバリス
怪盗アバリス
暗殺者アバリスetc.

563名無しさん:2019/12/15(日) 20:35:50
キューティハニーみたいなアバリス

564名無しさん:2019/12/15(日) 21:24:27
アダマス「…………」

565名無しさん:2019/12/16(月) 22:14:07
アバリスはいつもキューティーだから仕方ないね

566名無しさん:2019/12/17(火) 00:16:39
キューティアバリス

567ナースアバリス:2019/12/20(金) 01:01:31
マスター「ごほっごほっあー風邪引いた」

アバリス「マスター体調は大丈夫ですか?」

アバリスがドアをノックして部屋に入った

マスター「う〜ん少し熱はまだあr..!?」

アバリスはナース服を着ていた

マスター「あの...ごめん頭がぼーとして言葉が思いつかない」

アバリス「いえ大丈夫ですまたオティヌスが急に始めたじゃんけん大会に負けて」

マスター「ああいつぞやのメイド服と同じ状況ね」

アバリス「まああれと同じですね」

マスター「似合ってるよ」

アバリス「ありがとうございます」

568ナースアバリス:2019/12/20(金) 01:15:46
アバリス「はい体温計です」

マスター「ああ、ありがとう」

マスターは体温計を受け取り体温を計り終わってアバリスに渡した

アバリス「下がってはいますけどまだ安静した方が良いですね」

マスター「うんそうする」

アバリスはテーブルに置いといていたお粥を手に取った

アバリス「ふぅーふぅーはいあーん」

マスター「あ、あのアバリス...自分で食べれる///」

アバリス「あ、ああそ、そうですね/////」

アバリスはとたんに自分の行動が恥ずかしくなった

マスターは黙々とアバリスの作ったお粥を食べた

マスター「アバリスさ」

アバリス「はいなんですか?」

マスター「料理もできる掃除もできる洗濯もできるそれに看病もできる」

アバリス「そ、そんなに褒めないでください///」

マスター「ああアバリスがお嫁さんになってくれたらな」

アバリス「............」

アバリス「あ!そういえばリンゴがあるのでか、皮剥いても、持ってきますね!」

アバリスは急いで部屋を出た

アバリス「//////////////////」

アバリスの顔はリンゴよりも真っ赤になっていた

マスター(あれ?なんかすごいことを言ってしまったような?)

マスターはぼーとする頭で考えたがわからなかったのであった

569ナースアバリス:2019/12/20(金) 01:24:28
アバリスに看病してほしいなんならナース服も着てほしいということで出来た
今回アバリスが着ていたナース服はナースキャップがあってスカートの昔のじゃなくて今現在のズボンのナース服です
後寒いと思うので紺のカーディガンを着てます
なんでそんな感じのイメージなのかって?
アバリスはコスプレとして着るよりも仕事着として着る方が似合ってる気がするから

570名無しさん:2019/12/20(金) 08:15:47
オティヌスグッジョブ!
アバリスに看病されたい人生だった…

571名無しさん:2019/12/20(金) 16:15:10
アバリスに看病されるという幸せ...

572Christmas.night:2019/12/24(火) 18:01:19

リア充の皆さん、さようなら。
クリぼっちの皆さん、こんばんは。

クリスマスを1人で過ごすロンギヌス好きの皆さんに(しょうもない)プレゼントです。

下記URLにロンギヌスと性夜を過ごすSS(R-18 タイトルChristmas.night)を投稿しました。駄文ですが、よければ読んでやってください。

二次小説投稿サイト ハールメン
https://syosetu.org/?mode=user&uid=289229

573Christmas.night:2019/12/24(火) 18:02:05

もしURLから入れなかった方は、お手数ですが「ハールメン」という小説投稿サイトから「荒ぶる異族」で検索をかけて貰えると見れます。

スレ汚し失礼しました。

574名無しさん:2019/12/24(火) 19:36:14
おつおつ。ちなみに他のクリスマスキャラでもやる予定はあるんですかいな?

575Christmas.night:2019/12/24(火) 21:52:52
リサナウトとロンギヌスは書きましたが、もしかしたらフォルカスは書くかもしれません。

書いた際はまた紹介するので、その時は読んで頂けると嬉しいです。

576魔王少女アロンダイト:2019/12/24(火) 22:38:41
魔王少女アロンダイト

「ぼくと契約して魔王少女になってよ」

アロンダイトの目の前に犬とも猫ともアライグマとも感じれない生命体が話しかけて来た

アロンダイト「.........ふぅー」

アロンダイト(落ち着け私これは幻覚だたぶんそうだ最近疲れているんだそうだそうに違いない今日は早めに寝よう)

「この力があればなんでもできるよ」

アロンダイト(確かに魔弾が使えれば万年射程1にどうにかなるかもしれない)

アロンダイト「そうですねやってみる価値はあるかも知れませんね」

アロンダイト「私の名前はアロンダイトあなたは?」

「はい私の名前はアダム・クルメルト・カーボン・ディバイド・アイスナックル・メポポンジュニア・アダム・センターガイ・マッチョ357世です」

アロンダイト(な、長い....)

グルテン「みんな略してグルテンと呼びます」

アロンダイト(どう略したらグルテンになるんだ?)

グルテン「それでは魔王の剣です」

アロンダイト「杖じゃないんですね」

グルテン「なに言ってるんですか?杖よりも剣のイメージですよ」

アロンダイト「そ、そうなんですね」

アロンダイト(ジェネレーションギャップってやつですかね)

グルテン「それでは剣を空に掲げてこう叫んでください」

グルテン「スーパーマジカル奇跡の突然変異!」

アロンダイト「わ、わかりました...」

アロンダイトは少しダサイのでは?と思ったがこらえ剣を空に掲げた

アロンダイト「スーパーマジカル奇跡の突然変異!」

アロンダイトは変身した

アロンダイト「なんか思ったより禍々しい見た目ですね....」

グルテン「そりゃあ魔王少女ですからね」

アロンダイト「え?魔法少女じゃないんですか?」

グルテン「え?魔王少女ですよ」

アロンダイト「え?」

グルテン「え?」

アロンダイト「え?」

グルテン「え?」

アロンダイト・グルテン「え?」

577魔王少女アロンダイト:2019/12/24(火) 22:43:38
続かない!!

pixivでおばあちゃんが魔法少女になるってマンガを見つけてふと魔法と魔王ってちょっと呼び方似てんなと思いそしてアロンを魔王少女にしようと昨日の夜中に思い付いた
それに今日はクリスマスイブだからサンタとサタンも呼び方似てるしこれがダブルミーニングってやつだね(違います)

578名無しさん:2019/12/25(水) 08:34:59
ちゃんと最初から魔王少女と切り出して聞き間違えてるアロンがかわいいんじゃあ!

579チャレンジアロンちゃん:2019/12/25(水) 22:16:33
チャレンジアロンちゃん16

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

クリスマスそれはサンタが良い子にプレゼントを配り回る日

レーヴァテイン
「あークリスマスかつい最近あったような気がするけどまあいっかそれよりも早くパーティーの準備しないと」

遠くから鈴の音が聞こえて来た

レーヴァテイン
「鈴の音?誰かがサンタのコスプレでもしているのかしら?」

「あ!レーヴァテイン」

レーヴァテイン
「その声はアロンダイトあなたがサンタのコスプレ...え?」

レーヴァテインがアロンダイトの方を見るとそこには奇妙な光景が広がっていた

580チャレンジアロンちゃん:2019/12/25(水) 22:24:25
>>579
レーヴァテインの目に映った光景はアロンダイトがロープを両手にしっかりと握りしめていてカシウスがプレゼント箱らしき物に入っていてアバリスがマスターの上にまたがっている光景だった

レーヴァテイン
「えっと....」

アロンダイト
「トナカイです」

カシウス
「プレゼント」

アバリス
「サ、サンタです」

マスター
「ソリです」

レーヴァテイン
「なんでそんなことになっているの?」

アロンダイト
「それは数時間前に遡ります」

*********

アロンダイト
「カシウス姉さんサンタが来るのが楽しみですね」

カシウス
「うん楽しみ」

アバリス
(二人ともサンタを信じきってる....)

アロンダイト
「でも私本物のサンタさんを見たことないんですよね」

カシウス
「私もない」

アロンダイト
「どうしたら良いんでしょう?」

カシウス
「サンタに変装する」

アロンダイト
「それです!」

マスター
「ということで俺が呼ばれたのか」

アロンダイト
「はい四人で同時にくじを引いて役割を決めますよ」

四人は同時にくじを引いた

********

581チャレンジアロンちゃん:2019/12/25(水) 22:32:16
>>580
アロンダイト
「というわけでこうなりました」

レーヴァテイン
「なりましたじゃないわよ」

アバリス
「あの...レーヴァテイン」

レーヴァテイン
「アバリスどうかしたの?」

アバリス
「なんだかマスターの上にいるとなんとも言えない高揚感が...なんかマスターを支配しているようで胸が高鳴るんです」

レーヴァテイン
「よし早く降りなさい」

マスター
「ありがとうレヴァこのままだとソリ人間として生きて行くかと思った」

アロンダイト
「はぁですがどうやってサンタさんに会いましょう」

カシウス
「策が潰えた」

レーヴァテイン
「.......わかったわ私がサンタを呼んで来るわ」

アロンダイト
「え!?本当ですか!?」

レーヴァテイン
「ええだからそこで待っていなさい」

アロンダイト
「カシウス姉さん楽しみですね!」

カシウス
「楽しみ」

二人はワクワクとしていた

マスター
(レヴァのやつどうするんだろう?)

582チャレンジアロンちゃん:2019/12/25(水) 22:41:37
>>581
数分後

レーヴァテイン
「サンタだよ」

レーヴァテインはサンタのコスプレをしてやって来た

マスター
(うわ懐かしい姿だな)

アロンダイト
「サンタさんだーーーー!!!」

カシウス
「サンタサンタ」

二人ともすごく嬉しそうにした

マスター
(うわー気づいてねえ)

アロンダイト
「サンタって身長53メートル体重4万4千トンある巨人かと思ってました」

マスター
「ウ◯トラマンかな?」

アロンダイト
「残念テ◯ガです」

マスター
「嫌知らんよ」

レーヴァテイン
「それじゃあ私はこの辺で」

アロンダイト
「あ、サンタさんプレゼント」

レーヴァテイン
「!!!」

レーヴァテイン
「ププププ、プレゼントはなんだったかな?」

アロンダイト
「なんでしたっけ?」

カシウス
「サンタに会う方法を考え過ぎてて頼むの忘れてた」

アロンダイト
「プレゼントは大丈夫です」

レーヴァテイン
「そ、そうかでは去らば」

レーヴァテインはその場からそそくさと帰った

583チャレンジアロンちゃん:2019/12/25(水) 22:49:47
>>582
マスター
「良かったなーアロン、サンタに会えて」

アロンダイト
「はい良かったです」

カシウス
「あ、パーティーの準備」

アロンダイト
「ああ!忘れてました」

アバリス
「二人とも大丈夫ですよ」

アロンダイト
「どうしてですか?」

アバリス
「二人がサンタに会っている間にパーティーの準備を終わらせておきましたから」

アロンダイト
「さすがですアバリス姉さん」

マスター
「それじゃあクリスマスパーティー始めるか」

アロンダイト
「はい!」

その日は楽しい楽しいクリスマスパーティーで賑わったのであった

その頃レーヴァテイン

レーヴァテイン
「はぁー全くアロンダイトはどこか抜けてるというかなんというか....」

レーヴァテイン
「ん?カリス?ヘレナ?ソロモン?三人ともどうして黙っているの?な、なんか目が怖いんだけど...」

三人はレーヴァテインにゆっくりゆっくりと近づいて来た

レーヴァテイン
「三人ともちょっと待って...本当に待って...」

レーヴァテイン
「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!」

その日の夜はディスラプによる性夜が行われるのであった

584チャレンジアロンちゃん:2019/12/25(水) 22:50:51
アロンとカシウスはマジでサンタの存在を信じてそう

585名無しさん:2019/12/26(木) 00:42:12
サンタレヴァの格好は襲われてもしゃーない

586名無しさん:2019/12/28(土) 15:16:22
>>583
アバリスサンタ(s)の召喚は失敗か…
この子達のクリスマス衣装出るまでいつまでも待ちたい

587リクエストあれば気が向いたら書くかも:2019/12/28(土) 22:26:20
前話>>494
【でぃすらぷ!】
第9話「皆の想い、自分の想い」

それから数日。私は自室でこれまでのことを振り返っていた。
3人の想い…素直に嬉しいけれど……

(どうしたらいいんだろう……)

隣りのムーは呑気に寛いで欠伸をしている。なんかムカつく……

「いいわね…こっちは色々と大変なのに……」
「ん?……もしかしてアイツらのことか?その件に口を出すつもりは無かったんだけどよ…そんなに悩んでるんならいっその事、俺様と付き合っちゃうってのは……」
「黙って…」
「ムギュギュゥゥ!」

はぁ……て言うか……

「そもそもなんで付き合うの前提?皆の気持ちには向き合うつもりだけど、受け入れるかは別の問題でしょ。真剣に考えて、やっぱりそう言う関係にはなれないって結論も……」
「え…?」
「何?」
「……」
「?」

ムーは本当に分からないと言った表情で……

「いや…お前、アイツらのことすでに大好きだろ…?」
「…………そう言う聞かれ方すると『いいえ』とは言い辛いじゃない…」
「ウソだろ!?レヴァ、無自覚か?鈍感過ぎるってもんだろ!まさか、まだそんな段階で悩んでたなんてよぉ!これじゃいつまでたっても結論なんて出ねぇぞ!」
「ちょっと、どうしたの?」
「いいか、レヴァ!客観的に見たら、お前は十分3人を恋愛対象として意識している!」
「!」
「好きって言われて喜んだり、キスされて舞い上がったりしたのは何でだ?お前にもそう言う気持ちがあるからだろ!」
「そ、それは……好きって言われて嫌な気はしないでしょ!意識するのも仕方ないじゃない…!」
「例えば他の奴ならどうだ?そうだな…アルマスとかに同じことされたらどうする?」
「ありえない……」

ありえない……?

「あ…………」
「おう!やっと分かったみてぇだな!」

そうか……あの3人だからこそ、私は…………

「あ…あぁ……!」

堪らず布団に潜り込む。いても立ってもいられず、ひとしきりバタバタと暴れ回る。

(胸が…苦しい……)

自覚した……自覚してしまった……皆、こんな気持ちを抱えていたなんて…

「私、3人のことが…好きなんだ……」

暴れたのと動悸で全身が熱い。と、同時に…

「ふふっ…はは…!」
「レヴァ…大丈夫か?」
「ん…平気よ。ちょっと嬉しいだけ…」
「嬉しい?」

やっと皆と同じ想いを持てた。気付けた。

「自分の気持ちが皆とは違うんじゃないかって、少し不安だったから…」
「そうか。よかったじゃねぇか!まぁ俺はちょっぴり残念だけどな…レヴァの恋を陰ながら応援するぜ!」
「……1度しか言わない…あ、ありがとう…」
「レヴァがデレたっ!?」

なんか、はっきり"恋"とか言われると恥ずかしいんだけど…



その後、私はティルが眠る部屋向かう。親友に大事な報告をするために。
ティルはいつも通り、封印されたままの姿で出迎えた。

「ティル、私は絶対にあなたとの約束を果たす。待ってて…それと、あなたが目覚めたら…私の大事な…大切な人達を紹介するから……驚かないでね?」

こんな気持ちでティルの前に来るのは初めてかもしれない。



翌朝、私はある決意を胸に広間に居た。3人は普段と変わらない生活を送っている。
朝食の準備が整い、カリスも席についたところで、ゆっくりと切り出した。

「ねぇ…食事の前に、皆に大事な話があるの…」

3人は首をかしげ、こちらに向き直る。深呼吸をし、皆の目を順に眺め、高らかに宣言した。

「現時点より、私達ディスラプターズは恋愛禁止ね…」

ピシリッと3人が固まる音がした気がする…
でも、これでいい。これが私の決断。

さぁ、3人がどう出るか……私の戦い(恋愛)は今、ここから始まる。

第1部END

588名無しさん:2019/12/28(土) 22:45:19
よいぞ…波乱の幕開けだ…

589名無しさん:2019/12/29(日) 00:27:51
このまま普通にディスラプとネチョネチョするもあり、ありえないと言われたアルマスが巻き返すのもあり、目覚めたティルが本気出すのもあり。ついでに言うとマスターとリサの参戦も無しではない!
レヴァの周りってヤバくないか?

590名無しさん:2019/12/30(月) 06:38:34
素晴らしすぎて悶える。最高です。

591チャレンジアロンちゃん:2019/12/31(火) 23:59:51
チャレンジアロンちゃん18

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

アロンダイト
「マスター私には越えなければならない宿敵がいます」

マスター
「なに?」

アロンダイト
「それはテーブルクロス引きです!」

アロンダイト
「あいつのせいで私は恥をかきましてや怒られる始末...」

マスター
「怒られたことに関してはアロンのせいだろ」

アロンダイト
「私は今日のために特訓に特訓を重ねました」

カシウス
「そしてアロンダイトのための特設ステージ」

アロンダイト
「私は今日ここであいつに勝ちます!」

隊のみんなが応援しに来た

カシウス
「頑張って」

アバリス
「頑張ってください」

ラグナロク
「あなたならできるわ」

アルマス
「絶成功するわ」

フェイルノート
「まあ少しは期待するわ」

アロンダイト
「皆さん...ありがとう行きます!!

592チャレンジアロンちゃん:2020/01/01(水) 00:15:01
>>591
アロンダイトは目をつむり決心したように目を見開きテーブルクロスを引いた

アロンダイト
「はぁ!」

テーブルクロスは見事にテーブルの上の物を巻き込みテーブルごとひっくり返った

アロンダイト
「.............」

マスター
「............」

一同
「..........」

ものすごい沈黙の中カシウスがふと時計を見た

カシウス
「あ、年が明けてる」

アロンダイト
「....ん、んん」

アロンダイトはわざとらしく咳払いして一言

アロンダイト
「今年も一年間よろしくお願いします!!!」

マスター
「こちらこそよろしくお願いします!!」

二人の声が年明けの夜に響くのであった

593チャレンジアロンちゃん:2020/01/01(水) 00:16:26
明けましておめでとう
今年もよろしくお願いします
今年もぼちぼちとSSを書いていきます

594名無しさん:2020/01/01(水) 09:44:12
あけおめ!
アロンちゃんはテーブルクロス引きの練習してね!

595名無しさん:2020/01/01(水) 10:37:23
やっぱアロンちゃんだけSSのレベルが突出しているな

596名無しさん:2020/01/01(水) 10:54:42
やっぱアロンちゃんだな

597ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:01:06
ティルフィング✕マスターのSSです。

少し長めになってます。

SS投稿前に本編学園ストーリーの補足をザックリしておきます。


黒い霧……負の感情によって発生する自然現象。黒い霧に包まれた者は、異族を生み出し、自我を失ったキル姫となる。

マスター……女の子しかいない学園に特待生枠できた唯一の男性生徒。被害者本人の悩みを解決することで黒い霧を払うことができる特別な存在。

ティルフィング……マスターと同じく特待生。黒い霧を見ることができる。皆の学園生活を護るために、人為的に黒い霧を発生させるMAIを追っていた。MAIがいなくなった今は、普通の学園生活を送っている。

もしかしたら設定が間違えてるところがあるかもしれませんが、暖かい目で見守って頂けると嬉しいです。

次レスからSSを投稿します

598ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:02:06

黒い霧による生徒の異族化。

デュリン理事長のもと、僕とティルフィングは特待生として黒い霧の対処をしていた。

そう、それはもう昔の話。

MAIによる黒い霧の騒動を終え、ティルフィングは晴れて普通の学園生活を送ることになった。

今となっては同じ学校の同じ教室で授業を受け、彼女と共に学園生活を過ごしている。

赤点スレスレの僕はティルフィングに勉強を教えてもらうことが多かった。

ティルフィングは優等生だ。

文武両道。才色兼備整。整った顔立ち。綺麗な桃色の長髪。

高嶺の花だとしても。

それでも僕は彼女のことがーーー

599ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:03:03

放課後の教室。

マスターに頼まれ数学の勉強を教えていた。

彼はため息をつきテキストを見つめる。

「マスター?」

「あ、ごめん……。なんだったっけ?」

「手が止まってましたけど、どこか分からないことがありましたか?」

「いや少しぼーっとしてただけ。だから大丈……」

再びテキストに視線を戻したマスターの目が点になる。

「大丈夫じゃ、ないかな……。数式によく分からない記号やアルファベットが混じってる気がする……」

「ここの問いは最初に……」

解き方を説明している途中でマスターと指が触れ合う。

「あっ……」

思わず手をぱっと引っ込める。

少し顔が熱くなった気がした。

「す、少し近すぎましたね」

「そう、だね」

ぎこちない会話。最近はいつもこんな調子だ。

「ティルフィング、採点を頼んでいい?」

解答用紙と答案用紙を見比べる。

「81点、ですね」

「よし、この調子なら数学も心配ないかな」

「……はい」

彼は努力家だ。

苦手だったはずの勉強も、もうほとんどできるようになってきている。

「……」

「ティルフィング?」

彼と一緒にいられるのは勉強を教えている時だけ。

「……すごいです。こんなに短い間に勉強ができるようになって」

「講師が優秀だからね」

彼の役に立てたことを喜ばないといけないのに。

「油断は禁物です。きっちり復習しないとすぐに忘れてしまいますから、もう少し頑張りましょう」

皮肉なことに、勉強を教えることで少しずつマスターと過ごせる時間が少なくなっていた。

「……もうこんな時間か」

外を見ると、もう陽は沈みかかっていた。

600ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:03:59

寮までの帰り道、私は彼と肩を並べて帰宅する。

「あの、よかったんですか?校舎から女子寮までそんなに距離はないのに、わざわざ送ってもらって……」

「僕としては勉強を遅くまで見てもらってるし、それに」

マスターは照れた表情でぽりぽりと頬をかく。

「いや本当は僕の方がそうしたいだけなんだ。わざわざ付き合わせてゴメン」

「あ、いえ……」

彼の何気ない言葉が嬉しくて、でもそれを悟られたくなくて。

俯いて、素っ気ない返事をしてしまう。

別に私が特別というわけではない。

勘違いしちゃいけないと自分に言い聞かせながら、それでも。

「今度のテストの点がもしよかったら、大切な話があるんです」

気持ちを抑えることなんてできなくて。

「……いいですか?」

上目遣いにマスターを見つめる。

「うん。赤点の心配はないと思うけど、ちゃんといい点を取れるように頑張るよ」

601ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:04:51

夜8時。レーヴァテインの部屋を訪ねた。

いくら寝るのが好きな彼女でもこの時間ならまだ起きてる、……はず。

ノックをすると、部屋の中から「ちょっと待って」と彼女の気だるげな声が聞こえた。

「……ティルフィング、どうしたの?」

「ちょっと相談したいことがあって……」

彼女には友達の話だと言って、悩みを聞いてもらった。

今日は期末テスト最終日の前日。

マスターはテストを順調に解いているようだった。

明日彼を呼び出して想いを伝えたいけど、初めてのことにどうしたらいいかわからなくて。

「……それってティルフィングのこと?」

バレバレだった。

「な、何でですか?」

「ティルフィングに仲の良い友達っていなかったと思ったから」

「う……」

この学園の特待生として人知れず黒い霧の対処をしていた私は、長いこと普通の学園生活を送れていない。

今でこそ皆と変わらない生活を送れているが、それはつい最近、2ヶ月前からだ。

孤立はしていないものの、特別仲の良い友達がいないことも事実だった。

「それにしても、友達の話ってベタすぎ……」

レーヴァテインは口元を押さえてくすくすと笑っている。

「わ、笑わないでください……」

顔から火が出る思いだった。

そうして数十分。

面倒くさがりな彼女にしては珍しく、私の相談を最後まで真剣に聞いてくれた。

「私も恋愛経験はないんだけど、どうして私に相談したの?」

「女の子で一番話しやすかったのがアナタだったからです」

「そ……」

素っ気ない返事だったけど、彼女の口元は緩んでいた。

「ま、気が向いたらまた相談に乗ってあげるから。適当に頑張って」

今度一緒に授業サボる?い、いえ私は……と、たわいもないことを彼女と話して夜を過ごした。

602ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:05:53

黒い霧。

負の感情が顕在化したもの。

この霧をまとったものは、異族を生み出し続ける。

黒い霧が見えるのは私はマスターのような一握りの人だけ。

そして黒い霧を払えるのはマスターだけだ。

自分にしかできないことがあるのなら、それを誰かのために役立てられるなら、この力をみんなのために使おうと誓っていた。

きっと彼も私と同じなのだと、そう思っていた。

事実彼は黒い霧を払うためにいろんな生徒の悩みを解決してきた。

でもそれだけじゃなかった。

MAI が引き起こしてきた黒い霧騒動を終え、数カ月。

自分の進級がかかっているのに彼はそれを投げ出して生徒を助けに行ったことがある。

他にも数え出したらきりがない。

黒い霧が絡まなければ彼はただの一般生徒だ。

何の力もない一人の生徒。

それでもマスターは困っている人に手を差し伸べることを止めなかった。

ーーーあぁ、そうか。

私が助けられるのは私の力が及ぶところまでだけど。

ーーーこの人はきっと。

彼は誰も見捨てない。自分の力が及ばずとも、特別な力がなかったとしても関係ない。

そう気づいてしまったその日から、私は彼に惹かれていた。

603ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:07:08

「はいそこまで。後ろの列から答案用紙を回収しなさい」

ハルパー先生の掛け声で最後のテストが終了した。

「そこ、諦めてペンを置きなさい。指導されたいのかしら?」

先生に脅され、慌てて手を止める生徒も少なくなかった。

それぐらいに最後のテストは難しかった。

隣の席ををちらりと見てみると、マスターは満足気な表情で答案用紙を渡していた。

彼にこっそり声をかける。

「マスター、約束のことなんですけど……、放課後に体育館裏に来てもらってもいいですか?」

「あ……、う、うん」

少し緊張したような面持ちで返事をするマスターの頬に、少し赤みが差していた。

もしかしたら私の気持ちはもうすでにバレているのかもしれない。

604ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:07:45

人生で初めての告白に緊張していた。

両思いだったらいいなとか、振られたらどうしようだとか。

体育館裏で待っているこの間にも、いろんな考えが頭をめぐっていく。

日直の仕事が終わったらすぐに行くよと彼は言っていた。

そうして待つこと2時間。

結局彼が、姿を現すことはなかった。

晴天だった空は、雲に覆われ始めていた。

605ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:08:41

ポツポツと雨が降り出した。

ーーー体育館裏で待ってます。何かありましたか?

LINEでマスターにメッセージを送ったが、既読はつかない。

電話をかける勇気はなかった。

その場にしゃがみ込み膝を抱える。

どれだけ待っても返事はこない。

「…………」

少しすると雨足は強くなったが、それでもその場を動く気にはなれなかった。

「……風邪ひくわよ」

傘が差し出される。

顔を上げると待ち望んだ彼ではなく、レーヴァテインが心配そうに私のことを見ていた。

「はは……、ありがとうございます」

傘を受け取り、礼を言う。

せっかく来てくれたのだ。これ以上心配させちゃいけない。

……ちゃんと笑えただろうか。

「……別に強がらなくていいから。帰ろう」

彼女にはお見通しだったみたいだ。

雨はやまない。

暫くはやみそうにない。

606ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:09:53

お風呂に入って、ご飯を済ませて、ベッドの上に寝転がる。

「……マスター」

彼は体育館裏に来てくれなかった。

何がいけなかったんだろう?

いや、彼は約束を破るような人じゃない。

でも、もしかしたら。

嫌な考えが頭をよぎる。

「まだ、振られたわけじゃ……」

突然スマホが鳴り出した。電話だ。相手は……

「マスター……」

画面に表示された「通話」のボタンをタップするだけ。

それだけでいいのに。

指が震える。

怖い。

「あ……」

スマホが鳴りやむ。

かけ直すことはできなかった。

心の中にドロドロしたものが湧き出してくる。

苦しい。辛い。堪えられない。

   ・・・・・・・・・・・
いつか一度経験したことがある嫌な感覚に襲われる。

その直後。 LINE にマスターからメッセージが届いた。

ーーー今日は本当にごめん。明日改めて話がしたい。君さえよければ9時に体育館裏に来てほしい。

明日は土曜日で授業はない。

ーーーわかりました。

LINE を返信する。

「…………良かった」

嫌われた訳じゃなかった。振られた訳じゃなかった。

スマホを両手で握り、胸に抱き込む。

安心して、気が緩んだのかもしれない。

「本当に、良かった……」

瞳からポロポロと涙が零れ落ちた。

いつの間にか無くなった嫌な感覚のことなど、もう忘れ去っていた。

607ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:10:52

体育館裏。約束の時間。

昨日の雨はあがり、空は晴天になっていた。

「昨日はごめん」

マスターは何の言い訳もせず、謝罪の言葉とともに頭を下げた。

「い、いえ、頭を上げてください。私の方はそこまで急な用事じゃなかったので……」

「でも、大切な話だったんだよね?」

「……はい」

言わなきゃ。

アナタのことが好きだって。

「だから、今……、聞いて貰ってもいいですか?」

「……うん」

マスターは顔を上げ、真剣な表情で私を見つめた。

「私は……」

口が渇く。心臓がうるさい。

もし……、

「アナタのことが……」

もし、振られたら。

今の関係を居続けることはできるの?

「…………あ」

きっと堪えられない。

その先の言葉を続けることはできなかった。

「ティルフィング?……っ!」

マスターのスマホが、私の告白を遮るように鳴り出した。

電話の相手を確認したマスターの顔つきが険しくなる。

「ごめん、急用ができた」

「……え、えっと」

「この埋め合わせは必ずするから!」

まるで何かに急かされてるかのように、彼はこの場を去っていった。

引き留めることなんてできなかった。

「……また、言えなかったな」

マスターのスマホに着信がなくても、きっと想いは伝えられなかったと思う。

臆病な自分に嫌気が差す。

何も考えたくない。

心の底からにじみ出た感情に気付かないフリをした。

608ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:12:19

十数分ほどだろうか。

何をするでもなく体育館裏に佇んでいた。

知らず知らずの内に、もう無視できないレベルで、

・・・・・・・・・・・
心が何かに蝕まれていると、気付きかけたその瞬間に。

レーヴァテインからLINEがきた。

ーーー今ヒマ?電話していい?

短くて、それでいて気を許してくれてると感じるようなそんなメッセージ。

レーヴァテインへ電話をかけると、彼女は直ぐに出てくれた。

「おはようございます。どうしたんですか?何か困ったことでも……」

「別に。ヒマしてたから会えないかなって……。忙しければ別にいいんだけど」

「今丁度ヒマになったところです、けど……」

そういえばマスター以外だと、連絡先はまだレーヴァテインしか知らない。

「ティルフィング?」

「……もしかしたら、私達って、その……、と、友達だって思ってもいいんですか?」

「…………はぁ。別にワザワザ確認するようなことでもないでしょ」

「あ、ありがとう……」

少しだけ心が軽くなった気がした。

今どこに居るの?
学校です。
……流石優等生、じゃ今からソッチ行くから。

そんなこんなでレーヴァテインと遊ぶ約束をした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
溢れかけていたものがギリギリで留まる。

彼女のお陰で、少しだけ勇気を出すことができそうだった。

LINEでメッセージを送る。

とても簡素で、飾り気のない言葉。

レーヴァテインと待ち合わせる為に校門前へ向かおうとして。

そして。

「ーーーえ?」

私の目に入ったのは、校舎の玄関でロンギヌスと晴れやかな表情で話すマスターの姿だった。

609ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:13:00

ーーーごめん、急用ができた。

彼は確かにそう言っていた。

「なんで……」

マスターが着信を受けたのは、つい半刻程前だ。

だから、彼がここに居るのは。

今もロンギヌスと嬉しげに会話をしてるのは。

そんなのはきっと何かの間違いだ。

「……うそ」

心が軋み、内から嫌なモノがとめどなく溢れていく。

せき止めるモノは何もなくて。

もう、ダメだった。

610ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:13:44

ーーーーーー

ーーー

彼女は、ティルフィングは優し過ぎる。

MAIによる黒い霧の騒動は決着した。

人為的な黒い霧による被害は無くなった。

デュリン理事長は、ティルフィングに残った時間を普通の学園生活にあてるように指示を出してくれた。

だけど僕の方はその翌日に理事長室に呼び出されていた。

デュリン理事長が真剣な面持ちで話を切り出す。

「わかってるとは思うけど、黒い霧自体が無くなった訳じゃないわ。そして、黒い霧を払うにはアンタの力が欠かせない。悪いけど、これからも力を貸して貰うわよ」

「僕にできることなら」

「私にできる限りのフォローはするわ。必要ならティルフィングの手も借りて……」

「待って。僕はもうティルフィングの力を借りるつもりはないんだ」

「…………はい?」

ティルフィングはずっと自分の学園生活を犠牲にして、皆を護ってきた。

僕の知らない所で、きっと何度も助けられてきたのだろう。

だから今度は僕がーーー。

「そういうことなら反対しないけど、異族を相手取るとなったら協力者は必要よ。黒い霧が見えるのは……、レーヴァテインって子は確か見えてた筈だけど……」

彼女は極度の面倒臭がりだ。

手伝ってくれるかは分からない。

「一人、心当たりがあります」

611ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:14:34

そうして僕は、黒い霧が見える人物にして人助けが趣味の魔法少女、ロンギヌスに協力を頼んだ。

とはいうものの、黒い霧の被害者が出ることはなかった。本当に、ごく最近までは。

テストが終わり、ティルフィングから大切な話があると言われた。

日直の仕事を済ませて、約束の場所に向かう途中。

黒い霧を滲ませている人物を見つけてしまった。

直ぐにロンギヌスに連絡をとった。

今思えば焦っていたんだと思う。

僕はロンギヌスと合流するまでの時間を惜しみ、その人を説得しようとして、そして。

かえって刺激してしまった僕は、異族によって気絶させられた。

僕は後から来たロンギヌスに救われた。

僕が目を覚ます頃には、黒い霧の人物はもう居なかった。

そして土曜日、ティルフィングに改めて大事な話を聞いてる最中に、ロンギヌスから着信が入った。

彼女が被害者を見つけてくれたので、協力して黒い霧を払った。

ロンギヌスの尽力で、事は20分程で済んだ。

「ありがとう、助かったよ」

「い、いえ!私なんかでよければいつでも力になりますから。また頼ってくださいね」

やっと一段落がついたと、そう思っていた。

「あああああああああ!!!」

聞き慣れた声。

悲鳴がした方を振り向くと、そこには。

「ティルフィング!?」

黒い霧に覆われたティルフィングの姿があった。

612ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:15:38

「ああああああァァァ!!!」

絶叫が響き渡る。

ティルフィングは痛みに耐えるかのように自身の身体を抱きしめ、うずくまった。

黒い霧は今まで見てきたどれよりも暗く、昏く。

見る者さえ呑み込みかねない程の濃い闇となって、ティルフィングの身体にまとわりついていった。

「ティルフィングさん、どうして……!?」

「ティルフィング!呑まれちゃダメだ!」

「な、んで……」

「ーーーーーー!」

顔を上げたティルフィングは僕らを見て、更に悲痛な表情になっていた。

「私じゃ、ダメなんですか?……私は、頼りないですか?」

違う。

彼女を護ると誓った筈なのに……。なんで

「アナタの傍に居たいと願ったら、ダメですか?」

ーーーなんで僕は、彼女にあんな表情をさせてるんだ。

ティルフィングにまとわりつく暗闇から、次々と異族が出現していく。

瞬間、ロンギヌスが僕を庇うように異族のもとへ駆け出した。

「『封印解除(レリーズ)』!!」

ロンギヌスは戦闘態勢に入り、顕現した槍を振るい異族を薙ぎ払っていく。

「マスター、私が異族を引きつけます!下がってください!」

「ダメだ!前に出過ぎたら……!」

ロンギヌスが倒す以上のペースで、今もなお異族が産み落とされている。

そして、何より。

「うっ……!今まで戦ってきた異族と、レベルがちが……、きゃ!」

ロンギヌスが善戦する程に、異族は急激に力を増していく。

ティルフィングの姿はもはや見えず、闇だけがそこに佇んでいた。

「あ……!」

槍が遠く弾かれてしまう。

「ロンギヌス!!」

気がつけば彼女の元へ駆け出していた。

ーーー間に合わない!

異族の武器がロンギヌスを捉えたその瞬間。

613ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:18:50

「ふっ……!」

横合いから駆けてきたレーヴァテインの飛び回し蹴りが異族に炸裂し、周囲の敵を巻込んで吹き飛ばした。

「れ、レーヴァテイン、さん……?」

「なんか面倒臭そうなことになってるけど、大丈夫?」

「あ、えっと、助かりました……」

「……あんまり無駄話はできそうにない、か」

友達待たせてるんだけど……、とレーヴァテインは一人ごちりながら剣を呼び出しーーー

向かってくる異族を瞬時に切り払っていった。

「すごい……」

「……闘えるなら見てないで加勢して」

「ご、ごめんなさい!」

ロンギヌスが直ぐに槍を構え直し、異族との距離を計りながら冷静に切り結ぶ。

レーヴァテインもまた、僕をジロリと睨みながら異族を牽制した。

「……マスター、言いたいことがあるんだけど」

「後にしてほしい」

「じゃあ質問を変えるけど、あの黒い霧は何?今まで見たことないくらい濃くて、明らかにヤバそうなん……」

「ァァァァアアア!!!」

慟哭がレーヴァテインの疑念を遮る。

闇が収束され、人の姿を形成していく。

レーヴァテインの表情が驚愕に染まる。

彼女の目に映ったそれは、紛れもなくーーー、

「ティル、フィング……?」

「アアアア!!!!」

一瞬の隙だった。

レーヴァテインは、受け入れることができない現実に硬直して

黒を身に纏ったティルフィングが闇から剣を精製し

次の瞬間にはレーヴァテインの目の前で剣を振りかぶっていて。

「あ……」

激痛が全身を貫いた。

614ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:21:27

「が、ぁ……」

斬りつけられた背中が熱い。

・・・・・・・・・
僕に突き飛ばされたレーヴァテインは、目の前で起きた事態に呆気にとられていた。

ロンギヌスが駆け寄り、僕の名前を必死に呼んでいる。

僕が倒れた瞬間、異族は全て消え去っていた。

そしてティルフィングを包んでいた闇もまた消えていて。

「う、そ……」

だから、彼女の浮かべた表情もしっかりと見えてしまった。

ーーー立て。今すぐ立ち上がって、僕は大丈夫だと伝えるんだ。

ーーー彼女の表情をこれ以上曇らせるな。

ドクドクと傷口から血が流れ、想いとは裏腹に腕から力が抜けていく。

「あ、あ……、ぁ……」

ティルフィングはその場を逃げ出した。

ーーーく、そ……

彼女の背中を尻目に、僕は意識を手放した。

615ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:22:23

「…………ここ、は」

目を覚ますと、あまり見慣れない天井が目についた。

「ま、マスター!良かった……!」

「…………保健室?」

周りを見渡すとロンギヌスとレーヴァテイン、デュリン理事長に……、

「えっと、どなたですか……?」

「この子、命の恩人に失礼なこと言うのね」

金髪にメガネをした白衣の女性が保健室にいた。

何もわかってない僕に、デュリン理事長が簡潔に状況を説明してくれた。

「ロンギヌスから連絡を受けて、私の伝手で彼女に来て貰ったの。アンタ相当危なかったのよ!」

金髪の女性、アスクレピオスさんは凄腕の名医だと理事長は自慢げに話した。

まだ僕が生きているのは、どうやら理事長達のお陰らしい。

「そう、ですか。……ティルフィングは!?っぐ、ぁ……っ!」

「こ、こらっ!応急処置を済ませたとはいえ、アナタは重症なのよ!急に身体を動かさないで!」

そんなこと、どうでもいい!

意識がハッキリして、我にかえる。

「僕が寝てからどれくらい時間が経った……!?」

「あ、えと、まだ2時間とちょっとくらいです」

そんなに時間は経っていない。

多分だけど、まだ彼女はあそこにいる。

「早く、ティルフィングのところに行かないと……!」

「だ、ダメですよ!まだ起きたら!」

ロンギヌスの静止を振り切り、背中に走る激痛に耐えながら身体を起こす。

もう一秒でさえ時間が惜しかった。

616ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:23:25

「待って」

レーヴァテインが保健室のドアの前に立ち、僕を阻む。

「大体のことはロンギヌスに聞いた。マスターが黒い霧の対処をしてたこと、そのせいでティルフィングの約束を守れなかったこと……」

彼女にしては珍しく、その表情に悔しさを滲ませていた。

「友達を支えてあげられなかったのも、マスターに怪我をさせたのも私。…………ごめん。だから、ティルフィングのことは私に任せて」

「友達、か……」

こんな状況なのに僕は思わず笑みを零してしまった。

少し不謹慎だったかもしれないけれど。

学園の高嶺の花とされていたティルフィングに、親しい友達ができていたことが嬉しかったから。

「理由は分からないけどティルフィングから黒い霧はもう消えてる。だから……」

黒い霧を祓えるのはこの学園に僕だけだ。

そしてティルフィングにまとわりついていた黒い霧は既に消えている。

だけど。

「違うよ、関係ない。黒い霧だとか異族だとか、今はそんなものどうでもいい」

「……それって」

「ティルフィングが苦しんでることに、僕が堪えられない。それに」

 ・・・・
「大切な話をこれ以上先延ばしにする訳にはいかないから」

「……!」

レーヴァテインは少し逡巡してから、僕の目を見て……、

「……はぁ。分かった」

道を譲ってくれた。

「ありがとう!」

背中に走る痛みに耐えながら、真っ直ぐに目的の場所へと駆けていく。

スマホを確認すると、LINEにメッセージが届いていた。

それはとても簡素で、飾り気のない言葉だった。

ーーー好きです。

617ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:24:10

ーーーーーー

ーーー

「ちょ、ちょっと!レーヴァテインどいて!アイツ重症なんだってば!」

「ごめん、理事長。行かせてあげて」

理事長達を止め、マスターの背中を見送る。

彼はもう気づいている。

互いの気持ちに。その想いに。

今まではすれ違っていたけれど。

「はぁ……、バカらしい……」

だからきっと、二人なら大丈夫。

ーーーティル、頑張れ……

親友の恋路に、心の中でエールを送った。

618ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:25:04

ーーーーーー

ーーー

体育館裏に一人、私は膝を抱えてしゃがみこむ。

マスターがロンギヌスと嬉しそうに話しているのを見た。

マスターが理由もなく約束を反故にするような人じゃないことぐらい分かってる。それでも。

私との約束よりも彼女の方が優先されたことがどうしようもなく悲しくて、堪えられなかった。

私の心から溢れた闇の矛先は、マスターの傍にいる人に向けられた。

……本当は、途中から気づいてた。

ロンギヌスが、黒い霧に対処する為のマスターの相棒なのだと。

悔しかった。

マスターに、私を選んで貰えなかったことに。

黒い霧が見えるのは、面倒臭がりのレーヴァテインと私だけだと思っていたから。

マスターが勉強できるようになってから、一緒に過ごせる時間が減っていく中で。

彼の隣で笑顔を見せていたロンギヌスに、マスターの傍にいる彼女達に嫉妬して……。

この手でマスターを斬りつけた感触が、未だに忘れられない。

身体に張り付いた冷たさに、震えが止まらない。

「もう、皆に顔向けできない……」

恣意的な理由で皆を巻込み、傷つけた。

私は救う価値のない人間なのに。

「ティルフィング!!」

「ーーー!!」

愛しい人の声が耳に届いた。

619ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:25:57

彼が無事だったことに少し安堵しかけて、自分の浅はかさを呪った。

「……どうして、来たんですか」

 ・・・・
「大切な話を聞くため……、いや、するために来たんだ」

マスターはもうボロボロだった。

こちらに歩み寄ってくる彼はフラフラで、今にも倒れてしまいそうで。

「……もう、いいんです。今は抑えれてますけど、私が近くに居るとマスターを傷つけてしまいます」

多分、誰かに嫉妬する度に、マスターを遠く感じてしまうその度に、黒い霧が出てしまう。

「だからもう構わないで……」

この恋を諦めれば、誰も傷つけなくてすむ。

「…………LINE、見たよ」

「…………!」

ーーー好きです。

私が送った、たった4文字の簡素なメッセージ。

「凄く嬉しかった。……本当は、もしかしたらって前から思っていたんだけど」

「ーーー今の関係に戻れなくなるのが怖くて、僕は何もできなかったから」

「……え?」

彼は優しく微笑んだ。

「……最初は憧れだった。君は僕にないものを沢山持ってて」

心の内から少しずつ、私を蝕んでいた悪意とは違う暖かな想いが湧いてきた。

「勉強を沢山教えて貰って、帰り道を並んで歩いて。一緒の時間を過ごしてる内に、上手く言えないけど」

身体に浸透していた冷たい闇を、温もりがさらっていく。

「もっと、ずっと一緒にいたい」

瞳から、涙が零れ落ちた。

620ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:26:43

マスターの歩みは止まらない。

「わ、私のせいで、マスターは傷ついて……」

彼との距離が少しずつ縮まっていく。

「それに、また黒い霧が出るかもしれなくて……」

後、数歩。

「えと、あの……」

2人の距離が0になった。

キツく、強く抱きしめられる。

「君が好きだ。ずっと傍に居てほしい」

「……はい」

温もりで満たされる。

心も、身体も。

黒い霧は、一片も残さず消え去っていた。

621ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:27:24

マスターは私が泣き止むまで優しく抱きしめてくれた。

手を繋いで保健室に戻ると、彼はデュリン理事長にこっぴどく怒られた。

「バッカじゃないの!?重症だって言ってんでしょ!いいからさっさと寝てなさい!」

「あはは……」

マスターは渇いた笑いでお説教を聞き流していた。

「あ、あの……、皆さん、迷惑をかけてすみま……」

「ティルフィング」

頭を下げようとして、マスターに優しく遮られる。

「君のことを迷惑だなんて皆思ってない。だから」

「……はい。皆さん、ありがとうございました」

622ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:28:06

その後、マスターは保健室のベッドでぐっすりと眠り、残った皆で今後のことを話した。

マスターの怪我は、アスクレピオスさんが後日本格的に治療にあたるとのことだった。

今日は急患が入ったので、もう帰ったと聞いている。

全治数カ月の傷を1週間で治してみせると意気込んでいたそうだ。

私にまとわりついていた黒い霧はというと、レーヴァテインが推察をたててくれていた。

「昔、MAIとひと悶着あった時にティルフィングは一度黒い霧に呑まれてたでしょ。その時もティルフィングは自力でなんとかしてたけど……」

「多分ソレが残ってたんじゃないの?今回も前回も、マスターがキッカケで黒い霧を払ってた訳だし」

マスターとすれ違う度に心が霧に蝕まれる感触がしていたから、多分その通りなのだと思う。

恋愛相談から、今日の騒ぎまでレーヴァテインには世話になりっぱなしだ。

「あの、レーヴァテイン……」

「レーヴァでいい。……私も勝手にティルって呼ぶから」

「……レーヴァ、色々とありがとう」

「別に。今度サボりに付き合ってくれるならそれでチャラね」

「理事長本人の前で堂々とサボり宣言しないでくれる!?」

デュリン理事長はカンカンだった。

623ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:29:04

「問題はまた黒い霧が再発するかもしれないってことなのよね……」

理事長が悩ましげにボヤく。

「それなら多分もう大丈……」

「ティルをマスターの部屋に泊めれば?」

……………。

私の主張に被せて発言したレーヴァがとんでもないことを言った。

「な、何言ってんの!?女の子をコイツの部屋に入れさせたらどうなるか!?」

「食べられちゃうかもね」

ちょっとだけ想像して、顔が凄く熱くなってしまう。

ロンギヌスも顔を真っ赤にして、あぅぅと息を吐きながら俯いていた。

……レーヴァはとっても意地悪げな笑みを浮かべている。

「大体男子寮に女の子を連れ込める訳ないでしょ!」

「男子寮っていっても、マスターしかいないんでしょ?」

「間違いが起きたらどうするのよ!?」

「もう付き合ってるみたいだからいいんじゃない?」

「で、でも……!」

「ティルの黒い霧はマスターがキッカケで払われてるから、もしもの時を考えたら同棲させたほうがいいんじゃないの?」

「ぐっ……!」

デュリン理事長の主張が悉くレーヴァに潰される。

さらっと付き合ってるとか、間違いが起きてもいいとか、同棲とか、そういうことを言わないでほしい。

「黒い霧は問題だけど、いやでも生徒の貞操が……!」

「もういい、この学園は黒いモヤモヤが危ないですってツイートしよ……」

「お願いわかったからやめて!」

終いには理事長がレーヴァに泣きついている。

私の耳元で、貸し一つね、とレーヴァが囁いた。

「それじゃ帰るから。遊ぶのはまた今度ね」

「メチャクチャな一日だったわ……」

そう言ってレーヴァと理事長は帰っていった。

「私ももう戻りますね」

ロンギヌスは帰る支度を終え、少し考える素振りを見せて。

「……ティルフィングさん、マスターのことなんですけど」

624ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:29:40

保健室に二人、私とマスターが残される。

先程、帰り際にロンギヌスから聞いた話を思い返す。

ーーー黒い霧の話をする時にマスターと時々連絡を取るんですけど、マスターはティルフィングさんのことばかり話すんです。

ーーーティルフィングさんのおかげで成績が上がったとか、どうしたらもっとティルフィングさんがクラスに馴染めるかとか。

ーーーマスターが私の力を貸して欲しいって頼んだ時、言ってました。ティルフィングさんが普通に友達を作って、
普通の学園生活を送れるように協力して欲しいって。

ベッドでぐっすりと眠る彼の頬を撫でる。

私をずっと守ってくれていたこと。

私の為に密かに頑張ってくれていたこと。

彼は私に、一言も言わなかった。

きっと、私が訊ねなければずっと言うつもりはないのだろう。

顔を寄せ、彼の頬に口付ける。

「ありがとうございます、マスター……」

小さく呟いた想いは、彼の耳に届くことはなかったけれど。

いつかちゃんと伝えれるといいな。

625ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:35:47
今回はここまでになります。

次回からはマスターとティルのイチャラブ同棲生活が始まる予定です。内容も多分シリアスじゃなくてシリアルになります。

過去に投稿したEPILOGEのSSよりも長くなりました。
区切りのいいところで切ったつもりですが、もっと分けて出した方がいい等の意見や感想があれば、よければお願いします。

626ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/02(木) 22:40:42
学園ティルの可愛さを伝えたくて書いたSSですが、ティルを少しでも好きになって頂けたら幸いです。

ファンキルは丁度学園の復刻をしてるので、まだ手に入れてない方は是非ゲットして愛でてあげてください!

お目汚し失礼しました。

627ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:10:48

ーーーーーー

ーーー

「ん……」

保健室で目を覚ますと、既に陽は沈みかけていた。

傍でティルフィングが椅子に座ったまま、すやすやと眠っている。

「いっつ……」

まだ背中の痛みはひいてない。

彼女を起こさないように慎重に身体を起こす。

いろんなことがあった一日だけど、結果的には良かったと思う。

「僕が、ティルの恋人に……」

彼女のことをティルと愛称で呼びたいけど、本人の前だと恥ずかしくてなかなかできない。

「……女の子の寝顔を勝手に覗くのは悪いかな」

そう思いつつ、まじまじと見つめてしまう。

まつげが長くて、顔立ちは整っていて、柔らかそうな唇に。

「……綺麗だな」

そして、次第に彼女の耳は赤くなり、目をキュッと瞑って、頬も朱に……。

………………。

「も、もしかして……、起きてた?」

ティルフィングは両手で顔を覆い、俯き、ぽそりと呟いた。

「恋人に……、のあたりから……」

「あ、えっと………………、ごめん」

恋人ができて浮かれていた僕の発言は、ほぼ全て聞かれていた。

……今度からは気をつけよう。

628ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:11:49

寮に帰った僕は、急いで部屋の片付けを始めた。

ーーー背中の傷のこともありますし、後でマスターのお部屋にあがってもいいですか?

本来ならば男子寮に女子は入れないがデュリン理事長も了解済みだと歯切れが悪そうに言っていた。

「まぁ、物が少ないからそんなに散らかっては……、いっ…、」

物を取ろうとして屈む度に背中が痛みを訴える。

でも堪えられない程ではなかった。

「応急処置だって言ってたけど、ホントに名医なんだな……」

傷口は残っているものの、完全に塞がっている。

正直死ぬかもしれないと思っていた傷を治すものだから驚き物だ。

そんなことに関心していると、ピンポーンとチャイムが鳴り響いた。

おぼつかない足取りで玄関に向かう。

「あ、お待た……」

なんで彼女は旅行用と思われる大きいカバンを持っているのだろう。

どこかに泊まるのかな?

…………。

「あ、やっぱり……、迷惑でしたか?」

「そんなことない」

若干食い気味に答える。

上目遣いでそんなことを言うのはズルい。

それに彼女の荷物だって、僕の思い込みかもしれない。

「そのカバンは……?」

「き、着替えと、日用品……、です」

クロだった。

「泊まってもいいですか……?」

まっクロだった。

「……うん」

そして、僕もちゃんと男だった。

629ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:12:54

「あ、あ〜……、なるほど。そういうことだったのか……」

ティルフィングが僕の部屋に泊まるのは裏があった。

黒い霧の再発を考慮した暫定措置として、デュリン理事長がしぶしぶ決断を下したらしい。

そんなことだろうとは思ってた。

誘われてるのかと期待したりは断じてしてない。

「それじゃ、えっと……、いらっしゃい?少し散らかってるけど、気にしないで」

「あ、えと……、お、おじゃまします……」

恋人を部屋にあげる。

2人で住むには少し狭い部屋かもしれないな、と考えてるとティルフィングがポソリと呟いた。

「……マスターの匂いがします」

「…………」

思わず彼女を見つめてしまう。

「あ、ち、違います!変な意味じゃなくて!その……、お、お夕飯作りますね!」

僕と視線がぶつかったティルフィングは顔を真っ赤にしながら抗弁し、キッチンに逃げ込もうとして……。

「キッチンって、どこですか……?」

寮の部屋の一室にそんなものはない。

630ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:17:05

「本格的なものなら食堂に行くか、小さくても構わないなら各階の端っこにキッチンがあるよ」

ついでなので彼女に寮の中を紹介した。

「寮長室や食堂にも人がいませんでしたけど、今日って何かあるんですか?」

「いや、この寮はいずれ男子寮として正式に使う予定らしいけど、今は僕しかいないから。……僕一人に人件費はかけれないから、寮長も誰もいないよ」

「え?じゃあ、晩ご飯や朝ご飯は……?」

「大抵はコンビニ弁当か、クックパッドを見ながら自炊してるよ」

     ・
「マスターは料理ができるんですね……。すごいです」

「簡単なものしか作れないけどね。……ん?」

何か凄く……、会話に違和感があった。

……なんだろう?

「あの……、マスター」

ティルフィングが少し聞きづらそうに、僕に訊ねる。

「……トイレってどこですか?」

「あー……」

ここは男子寮だ。(僕が知らないだけで、食堂の裏とかにはあるかもしれないけど)女子トイレなんてない。

部屋の中のトイレが洋式なので、トイレは隣の空いた部屋を使って貰うことにした。

違和感のことなど、頭から消え去っていた。

631ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:18:45

お夕飯を作ってきますね。部屋でゆっくりしててください、とティルフィングが言われてから2時間が経過した。

「メチャクチャ凝ったものを作ってるのかな……?それとも……」

何かあったのか。

黒い霧のことを思い返し、心配になってきた。

「様子を見にいこう……」

そう、僕は迂闊だった。

                ・
ティルフィングは確かに「マスターは料理ができるんですね」と言っていた。

つまり、彼女は……、

「あ、あれ……?な、なんで、上手くいかな………、あ」

キッチンで悪戦苦闘しているティルとばっちり目が合う。

ティルの顔がみるみるうちに羞恥に染まっていく。

「僕も手伝うよ」

余談だけど、ティルのエプロン姿は可愛かった。

632ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:21:18

ティルフィングが隣の部屋で風呂に入ってる内に、僕は風呂場で身体を拭くことにした。

背中の傷が癒えるまで、湯船に浸かるなとアスクレピオスさんが強く念押ししていたとティルフィングに教えて貰った。

「ティルフィングに身体を拭かせてくださいって言われた時はビックリしたけど……」

きっと罪悪感に駆られて申し出たのだろう。

背中の傷は塞いで貰ったものの、生々しい傷跡が残っている。

ティルフィングに傷跡を見せるつもりはなかった。

身体を拭き終え、時折走る痛みを堪えながら寝間着(という名のジャージ)に着替える。

暫くすると、コンコンとドアがノックされた。

「マスター、入ってもいいですか?」

「うん、いいよ」

「おじゃまします……」

ティルフィングが遠慮がちにドアを開け、部屋にあがる。

「あ、あの……、何かヘンですか……?」

「い、いや……」

ティルフィングのパジャマ姿に目を奪われる。

「なんていうか、その……」

何か言わないとと思いつつ、余りの可愛さにドモッてしまう。

「……すごく、可愛いと、思う」

「あ、ありがとうございます……」

結局、月並みなことしか言えなかった。

633ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:22:33

恋人同士。二人きり。

「「…………」」

お互いに意識しあって、気まずくて。

とりあえずテレビをつけて空気をもたせる。

ソファに並んで座ってバラエティ番組を眺めた。

風呂あがりの女の子のいい匂いがする。

内容なんて一つも頭に入ってこなかった。

634ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:23:37

夜10時。

「……そろそろ寝ようか」

「は、はい……」

ティルフィングは緊張してるのか、俯いてしまう。

……女の子にベッド以外のところで寝てくれなんて頼むつもりはなくて。

「僕はソファで寝るから」

「え?でも、マスターは傷が……」

「痛みは大分ひいてるから」

ソファで横になろうとすると、ティルフィングに裾をつままれた。

「ティルフィング?」

「もう、ティルって呼んでくれないんですか?」

……保健室で僕がティルと呼んでたことをしっかり聞いていたらしい。

ティルフィングは俯いたまま、僕の背中に頭を預ける。

「恋人同士なら、ベッドで一緒に寝ても問題ないと思います」

「……いいの?」

顔は見えなかったけど、彼女の耳は真っ赤になっていた。

恥ずかしいのを堪えて、僕の為に言い出したことなのだろう。

ティルフィングは小さく、コクリと頷いた。

635ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/01/04(土) 20:25:37

2人で寝るには、寮のベッドは狭かった。

背中合わせに寝転び、一緒に毛布を被る。

すぐ傍に、抱きしめられる距離にティルフィングはいる。

寝られる訳なんてなくて、そのまま半刻が過ぎる。

「……まだ起きてますか?」

「……うん」

「少し、お話をしてもいいですか……?」

「ん……」

少し不安そうな声色だった。

きっとこれから話そうとしてるのは、彼女にとって大事なことなのだろう。

「今日は、いろんなことがありましたよね。ロンギヌスに嫉妬して、レーヴァが駆けつけてくれて、マスターの恋人になって……」

「いろんな人に迷惑をかけて、助けて貰いました」

彼女の声は震えていた。

僕の背中に、彼女の手がソッと添えられる。

「痛い、ですよね」

「……もう殆ど痛みはひいてるよ」

「それでも、治療が間に合わなかったら……、マスターは」

ティルフィングは優しすぎる。

自分が傷つけたことに傷ついている。

こんな背中の痛みなんかよりも、ずっと深く。

「たった数時間ですけど、マスターの恋人として過ごした時間は凄く輝いてて……」

「こんなにアナタを傷つけたのに、私は幸せになってもいいんですか?」

でも、そんな彼女だからこそ。

「いいに決まってる」

 ・・・
「ティルの幸せが僕の幸せだ。だから一緒に幸せになろう」

返事はなかったけど、僕の気持ちはキチンと伝えることができたと思う。

ーーーありがとうございます、好きです。

背中ごしに呟いた彼女の言葉は、確かに僕の耳へ届いた。

636重要任務:2020/01/11(土) 23:37:38
オーダーキラーズがカシウスに呼び出された
カシウスに二つの箱を渡される

カシウス
「これをフェイルノートとティファレトに届けて」

マサムネ
「両国の長ではないか…!」

ムラマサ
「さぞかし重要な品物…」

アルテミス
「気を引き締めて行きますよ」

グリモワール
「誰に向かって言ってるの?」

カシウス
「この書状も一緒に」

マサムネ
「もしや果たし状!」

ムラマサ
「遂に全面衝突!」

アルテミス
「ではこの箱は?」

グリモワール
「何だっていいでしょう」

カシウス
「よろしく」

オーダー
「はっ!」

・・・・
・・・
・・


アルテミス
「では二手に分かれて各国へ向かいます」

マサムネ
「拙者はムラマサと行こう」

グリモワール
「ホントに妹想いね」

マサムネ
「いや、それほどでも」

グリモワール
「嫌味よ…」

マサムネ
「・・・・・・」

ムラマサ
「ところで、何やら先程から良い匂いが…」

グリモワール
「そうね」

アルテミス
「これは…」

マサムネ
「この箱から!」

オーダー
「・・・・・・」

四人は蓋を開けた
中身は美味しそうな肉ジャガだった

マサムネ
「ムラマサ、書状の内容は?」

ムラマサ
『作り過ぎたのでよかったら食べて』

オーダー
「お裾分けかい!」

何だかんだで仲良しなゴッドキラーズなのでした

637名無しさん:2020/01/12(日) 00:18:41
やっぱりカシウスと言えば家庭的な肉じゃがを連想させますよね

638名無しさん:2020/01/12(日) 11:02:27
ええやん
こういうのでいいんだよこういうので

639アロンちゃんとCC:2020/01/24(金) 01:08:33
アロンダイト
「マスター!私にもついにCCが来ました!ニンジャですよ!ニンジャ!」

アロンダイト
「しかも射程2!これで万年射程1だとか雑魚とか言われずに済みますよ!」

マスター
「ふーんそうだね」

アロンダイト
「なんかマスター乗り気じゃありませんね?」

アロンダイト
「なんかもっとこう『おめでとう!』とか『良かったね!』とかありませんか?」

アロンダイト
「緑で顔に文字のあるあの人みたいに祝ってくださいよ」

マスター
「緑で顔に文字があるあの人はアホだから祝ってんだよ破壊者からも『誰に言ってんだ?』とか『くどい』とか言われてるしそれに」

アロンダイト
「それに?」

マスター
「ハロウィンの仮装あれほとんどニンジャじゃんだから『おめでとう』よりも『あ、ふーん』って感じなんだよ」

アロンダイト
「...................」

アロンダイト
「......忍と書いて刃の心!」

マスター
「うるさい」

アロンダイト
「すみません調子乗りました」

マスター
「まあとりあえずCCおめでとう」

アロンダイト
「ありがとうございます」

640アロンちゃんとCC:2020/01/24(金) 01:12:25
アロンダイトCC実装されたよ記念のSS
とりあえず書きましたCC3のニンジャになった時の話はまた別で書くと思います

641名無しさん:2020/01/25(土) 10:25:33
アロンちゃんフューチャリングシノビ説。
とにかくCC実装嬉しいですよね。アロンファンとしてよく分かる。このまま覚醒も来て欲しいところですよ!

642名無しさん:2020/01/25(土) 12:28:50
アロンちゃんおめでとう!
しかし忍者ccするのにバーテックスディスクが足りねぇ…

643フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 14:56:51
悪魔王 ルシファー、司る業は傲慢。

キラーズは必中の弓、フェイルノート。

ケイオスリオンの皇帝にして、魔を統べる王。

それが私を形作る全てだ。

心を許せる者などいない。いるのは忠実な部下だけ。

信頼などありはしない。あるのは信用と利用価値のみ。

並び立つ者など存在しない。

私と対等でいられるのは、私と同等の輝きを放つ者だけだ。

だが、明けの明星の輝きの前では皆等しく灯火同然。

故に孤独。

実力主義であるケイオスリオンのトップを務めるということは、そういうことだった。

644フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 14:57:36

「フェイルノート」

「……どうしたのかしら、お前様」

マスターという主を得て、今の私は一人のキル姫となっていた。

彼の要件など、すぐに察しがつく。

「また皆と揉めたそうだね」

「そうね。問題があるのかしら?」

「ある。このままじゃ君が孤立してしまう」

「…………」

孤立。

その言葉に沸々と苛立ちが湧いてくる。

「お前様は弱者に同調しろと言いたいのね。皇帝であったこの私に」

「仲良くしてほしいんだ」

「無理ね」

ルシファーをギアハックしたあの日から、皇帝という座を捨てた今でも変われずにいる。

「本物の輝きを持たない者は認められない。私の輝きに並ぶ者など存在しないわ」

私はずっと独りだった。

「歩みよれば、今よりも彼女達の輝きが見えるハズだ。そうすればきっと」

仲良くなれるよ、とマスターは戯言を述べた。

「…………ふん」

たまには、悪くないか……。

645フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 14:58:11

この隊の誰よりも戦果は挙げている。

戦闘は私一人いれば充分だが、使える駒を遊ばせておくのは勿体無い。

ーーー数で劣るなら質で勝負すればいい。私が分断した敵を各個撃破に持ち込むべきね。

ーーーお前の本領は狙撃にあるわ。援護に徹して、接近した敵を優先的に仕留めなさい。

皆に役目を与え、指揮を取り、完璧な勝利をおさめる。

力も、知略も、誰も私に敵わない。

昨日揉めたキル姫から、「ありがとう」と頭を下げられた。

「……別に。活かせるだけの力を持っているから、私がそれを使ってやっただけのこと。他意はないわ」

皆が私を認めた。

もう尊大な物言いを指摘する者はいなくなっていた。

誰も。誰一人として。

私は隊で尊敬の対象になっていた。

並び立つ者など、いない。

ーーー仲良くなれるよ。

「…………嘘つき」

依然、私は独りのままだった。

646フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:00:44

「最近、皆と仲良くできるきるみたいだね」

「私が力を示したのだから当然の結果ね」

持ち上げられているだけで仲良くはなっていない。

彼は少し嬉しそうだったので指摘はせず、適当に相槌をうっておいた。

「少し暇つぶしに付き合ってほしいんだけど」

「……お前様は私のことを何だと思ってるのかしら?」

「大切な……、仲間だと思っているよ」

嘘のつけない人だ。

「仲間」だと言うのに逡巡したことには目を瞑ることにした。

こういうことにはもう慣れている。

「チェスしない?」

「……ふぅん。お前様にしてはいいチョイスね。勝負ごとは嫌いじゃないわ」

ーーーーーー

ーーー

端的に言うと、彼の腕は普通だった。

私の相手は到底務まらないが、まぁ暇つぶしくらいにはなるかといった具合だ。

「もう一回!もう一回だけやろう!」

「……お前様は諦めるという言葉を知らないのかしら?」

もう三度目だ。

……だけどまぁ、久方ぶりの戯れに退屈なんてしている筈もなく、再戦の申し出を受けることにした。

647フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:01:36

彼の癖はもう大体分かっている。

暫くすると彼の手番で滞るようになった。

盤面は私の有利。

持ち駒は彼より少ないが、確実に王を追い詰めている。

「チェスの面白いところはわかるかしら?」

「ポーンでもクイーンやナイトに成れるところ、かな」

「お前様は見る目があるわね。その上で私の考えを聞かせてあげる」

駒を取られながらも、王の逃げ場を無くしていく。

チェスは本当によくできたゲームだ。

チェスが面白いのはーーー、

「どれだけ劣勢になろうと、他の駒を何枚犠牲にしようと……、王さえとってしまえば勝ちになるところよ」

もう彼の王の逃げる場所がなくなった。

「チェックメイト」

「あぁ!?」

「王は唯一無二よ。それは言い変えれば他の駒など代わりがきくということ」

クイーンですら、ポーンで成り上がれるのだ。

王だけが真の意味で孤独。

そこまで考えて、少しだけ胸が痛んだ。

「……お前様は、弱い駒を大事にし過ぎてるわね」

「そうかもしれない」

盤面に残された王。あれは私だ。

逃げ回ることしかできず、特別であるが故に理解されない。

「もう少し王に気を回すべきじゃないかしら」

どうしようもない寂しさに、目頭が熱くなった。

「………君は王じゃないよ」

「…………は?」

彼は突然意味の分からないことを言い出した。

「私以上に王に相応しい者がいると言いたいのかしら?」

そういうことが言いたいんじゃない、と彼は首を横に振る。

「君を孤独な王になんて絶対にさせない」

「今まで気づけなくてゴメン。もう君を独りにはさせない。寂しい思いはさせないから」

胸中を見透かされ、頭の中が茹だってしまう。

「的外れもいいところね。同情なんて要らないわ!」

「同情じゃない。僕は……」

「もういい、勝手に言ってなさい!」

部屋を出て乱雑に扉を閉める。

胸が苦しい。動悸が全く治まらない。こんなにも顔が熱い。

アレは正真正銘の莫迦だ。

土足で人の心に入り込んでくる無礼者。

私を王でないと言い切り、対等に接してくる彼こそ……、

ずっと私の求めていた理解者だった。

648フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:02:19

それから事あるごとに彼と行動を共にした。

ーーー今日は買い出しに付き合ってほしいんだ。

ーーー……私にそんな雑事をさせるつもり?随分と偉くなったものね。

ーーーまぁまぁ、そう言わないで。お菓子買ってあげるから。

ーーーお前様、私をお子様扱いするなんていい度胸ね。私への狼藉は寿命を著しく縮めるものと知りなさい。

悪びれもせず、無遠慮に私を連れ回して。

ーーー買い出しは終わったから、このまま街を見て回ろうか。

ーーー……お前様、最初からこうするつもりだったわね。

ーーーデートだって言ったら来てくれないと思ったから。

ーーーそうね。癪だけどお前様の判断は正しいわ。

私は仏頂面で終始仕方ないといった具合に彼と接していた。

ーーーあのぬいぐるみ可愛くない?

ーーーず、随分と幼女趣味なのね、お前様は……。

ーーー……何でチラチラぬいぐるみを見てるのかな?

ーーーチラ見なんてしてない!

彼の笑顔は絶えることがなくて。

ーーーお前様、これは……。

ーーー今日一日付き合ってくれたお礼だよ。受け取ってくれると嬉しいんだけど……。

ーーー……ぬいぐるみに罪はないわ。仕方ないから貰ってあげる。

陽だまりの中にいるような暖かさに感化されたのかもしれない。

ーーー今日は楽しめた?

ーーー別に。…………でも。

いつの間にか、私の口元は緩んでいた。

ーーーお前様となら、何をしても退屈はしないわね。

649フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:03:06

「フェイルノート、リベンジに来たよ」

彼はチェス盤を片手に私の部屋へ訪れた。

「お前様は本当に懲りないわね……。いつになったら私を追い詰めてくれるのかしら?」

「全然上達してないかな……?」

「誰もそこまでは言ってないわ。……そうね、私が相手をする程度には認めてるつもりよ」

「良かった」

実際に彼の腕はそこそこ上がっている。

前回と比べ、打つのに迷いが見られない。ただ……

「……王に気を回すべきだと言ったこと、覚えてないのかしら?」

「覚えてるよ。でも、これが僕だから」

やはり彼は、弱い駒を大事にし過ぎている。

リターンを考えれば犠牲にするべき駒を、彼は見捨てない。

「…………」

ーーーもう君を独りにはさせない。

「……以前相手をしたとき、私を独りにさせないと言ってたわね」

「同情じゃないなら、どうしてお前様は私の在り方に拘るの?」

彼の手が止まった。

「……気づいて欲しかったんだ。君は、君が思うほど特別なんかじゃないってことに」

「……え?」

「君がルシファーを零装支配していて、ケイオスリオンの皇帝だったとしても君は君だ。もう皆にとって、君は大切な仲間だよ」

「……そう」

本当に隊の皆がそう思ってくれているかなんて、正直分からない。

でも、信じてみたいと思えた。

ありのままの私を受け入れてくれる、目の前の彼を。

650フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:03:39

「だからお前様は私を特別扱いしないのね……」

「…………」

彼は気まずそうに目を逸らし、黙り込む。

…………イラっとした。

「ふぅん?私を特別じゃないと偉そうに語っておきながら、自分は特別扱いしてたと?お前様はそう言いたいのかしら?」

「お、怒らないで……。最初は手のかかる子が隊に入ったな、程度にして思ってなかったんだけど……」

「どうやら死にたいらしいわね」

「その、気がついたら、君のことを目で追うようになって……、それで……、」

「……は?」

この男は何を言い出してるのだろう。

「フェイルノート、君が好きだ。やっぱり他の子と同じ様には見れないよ」

「な……!」

頭の中が沸騰しているのかと思う程に、顔が熱くなった。

必死に平静を取り繕う。

「やっと私の魅力に気づいたということかしら?それなら仕方ないわね」

「それで、返事の方は……?」

「…………」

確かめたいと思った。

この気持ちを、私の在り方を。

「私に勝てたら、返事を聞かせてあげる」

651フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:04:12

私と対等でいられるのは、私と同等の輝きを放つ者だけだ。

彼の輝きは灯火程度に過ぎない。

この隊の中でもっとも弱々しい光、吹けば飛ぶ命。

だが、限りがあるからこそ美しい。

目を灼くような私の輝きとは全く違う。

懸命に己を燃やして輝く、見る者を惹きつけるソレは、まるで線香花火だ。

彼の輝きに目を奪われている自分がいた。

もう、とっくに認めていた。

「……私も、お前様のように変われるのかしら」

盤面は終盤に差し掛かる。

手を抜くつもりは毛頭ない。

私と彼が対等であればこそ、彼はハンデなど望まないと分かっているから。

付け焼き刃で勝てる程、勝負の世界は甘くない。

「チェックメイト」

だからこそ、これは当然の結末だった。

652フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:04:52

「……慣れない戦い方をするものではないわね」

完敗、だった。

取られた駒の数は圧倒的に少ないが、王を上手く掠めとられた。

「普段の打ち方じゃなかったね」

「……少しだけ憧れてしまったのよ。お前様の輝きに」

彼の様に、弱い駒を活かす打ち方で勝負に臨んだ。

戦い方を変えてはいるが決して手は抜いてない。

少しでも駒を取られないようと立ち回っていたが、所詮は付け焼き刃。

「私には向いてなかったみたいね。お前様のようにはなれないわ」

「……フェイルノート」

「お前様は違うと言ったけれど、私は王よ。そして私のキングはお前様に奪われてしまったわ」

「王であることの孤独に苛まれたこともあったけど、お前様が傍に居てくれるなら……」

彼に右手を差し伸べる。彼は私の前にかしづき、私の手を取った。

「離れるつもりも、離すつもりもないよ」

「いいわ。お前様が望むのなら、私の傍で生涯仕えることを許してあげる」

彼の唇が差し伸べた手の甲へと落とされる。

忠誠を誓う口付け。

「……ふふ」

ーーー特別扱いも、こういうものなら悪くないわね。

653フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:05:38

悪魔王 ルシファー、司る業は傲慢。

キラーズは必中の弓、フェイルノート。

ケイオスリオンの皇帝にして、魔を統べる王。

          ・・・
それが私を形作る全てだった。

「今度はどこにいこうか」

「お前様は本当に勝手ね」

独りだった頃の私はもうどこにもいない。

「どこでも構わないわ。私の手を引いてくれるなら」

繋いだ手から伝わる温もりが、寂しさをさらっていく。

「お前様となら、何をしてても退屈しないわ」

気がつけば笑みを零していた。

「見せて貰いましょうか。お前様の輝きを」

お前様の傍で、この先もずっと。



Fin

654フェイルノート様のファン:2020/01/25(土) 15:14:54
バレンタインverフェイルノート様のイラストに震え、勢いで書きました。※タイトルはつけてないです。

個人的にはフェイルノート様の分かりにくいデレ具合が堪らないですが、彼女の魅力が少しでも伝わったら嬉しいです。

フェイルノート様が好きな全てのマスターの皆様が、彼女を迎えられるように祈っています。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!

655名無しさん:2020/01/25(土) 16:55:43
なんてこった…
脳内再生余裕じゃないか…!
この絶妙なツンデレ感はたまらん

656名無しさん:2020/01/26(日) 02:32:24
>>654
とても良かった(語彙力低下
きゅんきゅん来たぜ!
俺もフェイルノート推してるからお互い引けるといいな!

657名無しさん:2020/01/26(日) 07:30:00
良いものを見させてもらいました。作者様にフェイルが当たりますように

658名無しさん:2020/01/26(日) 08:55:13
こういうのでいいんだよこういうので

659名無しさん:2020/02/01(土) 14:04:04
いい・・・とても良かったです。絶妙でした。
フェイルノートに呪われてる位縁がない(引けない)けどこういう素敵な話読んじゃうと来てほしくなるなあ(血涙)
せめて作者さんのとこに行ってあげて(切実)

660リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/02/01(土) 22:17:28
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第10話「新たな物語のプロローグ」

あの宣言から数日。
私の思惑とは裏腹に、事態は明らかに悪い方へと向かっていた……

無言

食事の最中も、戦闘中も、みんな一様に無言……
いつしかプライベートな時間に4人で過ごすこともなくなり、3人はほぼ自室に籠もるようになってしまった…

(うまくいかないなぁ……)

そもそも恋愛禁止もみんなとのこれからの為…だったのに…
それがこんなことになっては元も子もない。
仕方なく、私は引きこもりの3人を呼び出した。




「妥協点を話し合いましょう」

全員揃ったところで直ぐさま本題を告げる。ともかく今のままでは駄目だ。

「妥協点ね…それ以前に、恋愛禁止の説明も受けていないんだが…ヘレナ達の最大の不安はそこなんだけどなぁ…」
「そうだよ…レーヴァ、全然説明してくれないんだもん…」
「よしなさい、2人とも。レーヴァが説明しない…説明できないってことは、そう言うことよ…あの日の夜、3人で話し合ってそう結論づけたでしょ?だから…」

いつの間に話し合いなんて…それより…

「じゃあ、逆に3人の結論とやらを聞かせて。みんながこのままだと色々支障が出るの…」

3人はうつむき、言い辛そうに口を開いた。

「レーヴァ、今までごめんなさい…特に私は、その……少しばかり自分の気持ちに正直に動き過ぎていたわ…」
「私も、レーヴァの気持ちを考えないで甘え過ぎてたよね…」
「その上、ヘレナまで参戦を宣言したんだ…レーヴァの心労は計り知れない…」

これはもしかしたら……

「レーヴァ、君は優しいから突き放すことはしない…ああ宣言することで、どうにか私達を傷付けずに距離を取ろうとしたのよね?」
「大丈夫だよ、レーヴァ!今はまだちょっとショックで元気が出ないけど、ちゃんといつものマジ天使なカリスちゃんに戻るから!」
「まぁそう言うことさ、レーヴァ。みんなレーヴァに嫌われるくらいなら……」

そこで我慢の限界。私は必死に堪えた笑いをはき出した。

「ふっ…あはは…なにそれ、ふふっ、全然らしくない…」

3人はポカンとする。

「恋愛禁止そのものにヘコんでるのかと思ったら…そう言う事ね…なに変な気遣ってるのよ…て言うかムカつく…私がみんなの気持ち、重荷扱いするって本気で思ってる?それだけは絶対に無いから!」

たぶん、みんなもそれぞれの関係が壊れないように、それでも抑えきれない気持ちを抱えて、悩みながら一歩一歩進んできた。
少しでも早くその想いに応えたい。

「おっけ…恋愛禁止は撤回。でも、これまで以上に気を引き締めて本来の私達の目的に邁進する。それで良い?」

これまで曇っていた3人の瞳が輝きを取り戻す。
と、同時にみんなに飛び付かれる。

「わーい!レーヴァ、大好き、大好き!」
「くっ、カリスずるいぞ!ヘレナだってこれまでの分レーヴァと!」
「良かった…良かった…!やっぱり諦めるなんて無理!レーヴァ!」

ああ、もう滅茶苦茶……でも、この方がみんならしい…

「はぁ…ごめん…私も勝手に突っ走ることがあるから…みんなの気持ちを知ってて、恋愛禁止なんて…やり過ぎた…」
「レーヴァが突っ走るのはいつものことじゃない」
「そうだよ!みんなそれについて行くだけだもん!」
「次はレーヴァが殊勝になって…『らしくない』な…くふっ」
「……1人1回ずつ…遊びに付き合うわ…それで恋愛禁止についての埋め合わせって事で……」

再び3人の動きが止まった。

「それって…」
「つまり…」
「デート…?」

私は小さく頷く。
3人は弾けるようにはしゃぎだした…
まったく…みんな子供じゃあるまいし……でも、可愛い…

「あいつら、はしゃいでんなぁ…ま、これでひとまず一件落着だな!」
「ムー…」
「でもわざわざ恋愛禁止にしたんだろ?よかったのか?」
「……目的達成を急ぐために…集中してもらうために出した措置だもん…それで士気が下がるなら意味ないでしょ…」
「目的達成を急ぐ?何で急に…」
「だって…早く終わらせて、みんなと…気兼ねなく、ゆっくり…こ、恋…したいし……」
「…………それ、あいつらに言ってやったら狂喜乱舞するぜ」

それにしても、デート…か。大丈夫かな…
また深く考えずに提案してしまった後悔と、少しの不安…それと、大きく膨らむ期待を胸に…私はみんなの嬉しそうな笑顔を眺めた。


でも…後にこの時の、この判断が、本当の意味で私達の運命を決めることになるなんて…

つづく

661名無しさん:2020/02/01(土) 22:22:44
いいぞ…

662名無しさん:2020/02/02(日) 16:44:09
不穏な引きにワイ気になる

663名無しさん:2020/02/02(日) 18:32:15
こういうのでいいんだよこういうので

664名無しさん:2020/02/02(日) 18:49:55
>>663
少し気になるんだけどお前それ以外の感想ねえのかよ

665名無しさん:2020/02/03(月) 01:02:35
>>664
同一人物とは限らないのでは

666節分アロンちゃん:2020/02/03(月) 22:13:52
節分アロンちゃん

アロンダイト
「今日は節分らしいのでじゃんけんに負けた人が鬼役をしましょう」

カシウス
「あいこが続いたらどうする?」

アロンダイト
「5連続あいこで全員で鬼役です」

アバリス
「なんだか少し嫌な予感がするんですが...」

アロンダイト
「最初は」

カシウス
「グー」

アバリス
「じゃんけん」

三人
「ポン!」

667節分アロンちゃん:2020/02/03(月) 22:24:23
>>666
マスター
「....で5連続あいこになったから」

アロンダイト
「はい!三人とも鬼です」

マスター
「あ...うん...そう...」

三人は虎柄のブラに虎柄のパンツを履いて頭に角を着けていた

アロンダイト
「ガオー」(楽しい)

カシウス
「がおー」(ノリノリ)

アバリス
「ガ、ガオー/////」(恥ずかしい)

アロンダイト
「さあマスター豆を投げてください!」

マスター
「お、鬼は外」

アロンダイト
「声が小さいですよ!」

マスター
「福は内!」

アロンダイト
「もっと勢い良く投げる!」

マスター
「鬼は外!」

マスターは強く豆を投げた

アロンダイト
「もう一回!」

マスター
「福は内!!」

アロンダイト
「マスター良いですよ!その調子です!」

アバリス
「あの...私たちがこれを着た意味ありました?」

カシウス
「二人が楽しいならそれで良い」

アバリス
「そうですね」

二人は節分を楽しむアロンダイトとマスターを見守っていた

そしてマスターは一体自分は何のプレイを要求させられているんだ?という疑問が湧き段々と訳がわからなくなりその日はやけくそに豆を投げたという

668節分アロンちゃん:2020/02/03(月) 22:26:23
今日は節分なので書いた
うちの実家は節分の時は家の人が豆を食べる人がいないから袋で小分けにされてるチョコを投げてた

669名無しさん:2020/02/04(火) 07:37:10
あんまりソワソワしないで
マスターいつでもキョロキョロ
ふむ、うらやまけしからん

670_(´ཀ`」 ∠)_:2020/02/05(水) 20:35:40
【双子の日】

「ミトゥムちゃ〜ん、ミトゥムちゃ〜ん!もう、あの子ったら…どこまで行ったんでしょう?」

慌てた様子のマスターに「ミトゥムが飛び出して行った」と聞いて半時ほど。
思い当たる場所を手分けをして捜している。
案の定、ミトゥムが良く遊びに行く花畑にその姿はあった。

「はぁ…ミトゥムちゃん…」

シタは頭を抱える。
ミトゥムは無防備にも、お腹が見えるのもお構いなしに、草原の上に大の字で眠りこけていた。
何ともまぁ、実に気持ち良さそうに寝息を立てている。

「ミ・トゥ・ムちゃん、起きなさ……」

いつものように"お説教モード"で起こしかけるシタだったが、ふと、ミトゥムの寝顔を見て思いとどまる。

「ふふっ、こうやって大人しくしてると、まだまだ小さな子供みたいですね♪」

思わずぷにぷにと頬をつつく。柔らかく、とても気持ち良い。
しかし、さすがにミトゥムもそれで目を覚ます。

「うんっ…うん…?うぇえええ!!!ね、ね姉ちゃん!?」
「ふふふ、ミトゥムちゃん…何か言う事はありますか?」
「あ…う…ごめん…なさい…」
「はい、じゃあ次はちゃんとマスターにも謝りましょうね。心配していましたよ?」
「あ…ま、待って!いや、何でもない…」

口ごもるミトゥムに、首をかしげるシタ。
見ると、ミトゥムの手には花の輪が握られている。見るからにまだ作りかけだ。

「ふぅ、分かりました。マスターには後で一緒に叱られましょう。無理に連れて帰って、また飛び出して行かれても困りますから。さぁ急いで仕上げますよ」
「マジか!ありがとう、姉ちゃん!!」

無邪気に笑うミトゥムに、やれやれと微笑むシタだった。


しばらくするとマスターもその場所へとやって来る。
その頃には、シタ・ミトゥム・そしてマスターの3人分の花飾りが完成していた。


帰り道、「嬉しそうだね」とマスター。

「ふふ…マスター、私の妹は世界一です♪」

そんな二人に、前を行くミトゥムが呼びかける。

「姉ちゃん、マスター!早く来いよ〜!置いてくぞ〜!」
「もう!待ちなさい、ミトゥムちゃん!」

二人並んで歩くイナンナシスターズ。
その後ろ姿に「きっとミトゥムも同じように君のことを想っているよ!」と微笑むマスターなのでした。

END

671名無しさん:2020/02/06(木) 07:49:31
今日は双子の日なのか〜

672名無しさん:2020/02/06(木) 11:58:24
イナンナシスターズおかわわわ!

673アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:23:42
一つ目の巨人、サイクロプスが鍛えた聖剣。

アスカロン。それが私のキラーズ。

竜殺しを成し得たこの剣の凄まじさは言うまでもない。

……そして、その代償も。

巨人の呪いによって生み出された剣。

その呪いはキラーズを通して、今も私の身体の中に流れている。

一度でもキラーズの制御を誤れば、呪いが全身を蝕み、自我の無い醜く巨大な怪物へと私を変えてしまう。

マスターに拾われる前の私は、既に限界が近かった。

呪いに怯え、憔悴し、恐怖に震えていた私の手を彼はとってくれた。

彼のバイブスがあるから、キラーズを制御できる。

私が私のままでいられるのは彼のお陰。

初めて出会ったその時から、私はマスターに惹かれていた。

674アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:24:35

「ふっ!せぃ!」

早朝。今日もまた人知れず剣を振るう。

純粋な向上心からではなく、不安を拭いたいという情けない理由で。

修行に集中している間は、他のことを考えずに済む。

日課となっている鍛錬を終え、剣を鞘に納めて呼吸を整える。

「……ふぅ」

「アスカロン、お疲れ様」

「わっ!マスター!?お、脅かさないでください!」

「あはは、特訓の邪魔をしたら悪いと思って。はい、差し入れ」

「ありがとうございます。頂きますね」

マスターから手渡された飲み物で喉を潤す。

「マスター、これ……」

「気に入ったかな?飲むヨーグルトだよ」

ヨーグルト好きの私を労うためにわざわざ用意してくれたのだろう。

そんな彼の気遣いが少し嬉しくて、

「……羨ましい」

「アスカロン……?」

「あ、な、何でもないですよ!マスターのお陰で元気が出ました!もう少しだけ頑張っちゃいますね!」

煩悩を消し去るべく、再び剣を振るう。

彼は誰にでも手を差し伸べるし、誰にでも優しい。

勘違いしてはいけない。

私に向けられた優しさもまた、大勢の内の一人へと与えたものに過ぎないのだから。

675アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:25:24

初恋だった。

呪いに蝕まれていた私を救ってくれたマスターはまるで王子様で。

私は彼の隊のキル姫となり、同じ時間を過ごした。

マスターの優しさが、恐怖に凍りついた私の心を溶かしてくれた。

惚れるなと言う方がムリだと思う。

でも彼は人気者で、隊の皆から慕われていて。

そこに私がつけいる隙なんて何処にもなくて。

他の子達が羨ましかった。

マスターが他の子達と仲良くする姿を見掛ける度に嫉妬心は募り、恋心はどうしようもなく膨らんでいく。

ほんの少しだけ勇気を出してみようと思った。

抑えきれないこの気持ちを、彼に伝える為に。

676アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:26:04

それは一月程前の出来事だった。

バレンタイン。

女の子が気になる男の子にチョコを渡す、特別なイベント。

ーーーあ、あの!マスター!

ーーーアスカロン、どうしたの?

ーーーマスターに渡したい物があって……。こ、これ!

ーーーチョコ?さっきフェイルノートの分と一緒に貰ったけど……。

ーーーフェイルノートと一緒に渡したのは、マスターに日頃からお世話になってるお返しの分です。このチョコは……、

そのチョコはマスターに想いを伝えるべく作った特別なもの。

ーーー……私の気持ちです。

好きです、とは恥ずかしくて言えないけど。

ーーー……ありがとう、凄く嬉しい。

……伝わるといいな。

677アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:27:58

「はぁ……」

バレンタインから約一月、マスターの様子は変わらない。

チョコはどうでした……?とそれとなく聞いてみたけど、美味しかったとありがとう以外の返事は貰えなかった。

私の好意は、多分彼に伝わってない。

「……アスカロン、私の前でこれみよがしに溜息をつくのは止めなさい」

「うぅっ……、フェイルノート。私達友達ですよね?」

「……お前は何を企んでいるのかしら?」

面倒事の匂いにフェイルノートが眉を寄せた。

そんなに警戒しなくてもいいじゃないですか、と言いたくなる。

「わ、私、実はマスターのことが好きで……」

悩みを相談すると、フェイルノートはそんなことかといった具合に言い放つ。

「今更ね。本人以外は皆知ってるわよ」

「その本人に伝わってないんですよぅ!」

人に溜息をつくなと言ったのに、フェイルノートは心底悩ましげに溜息をついた。

「まぁ、アレが相当鈍いのは認めるけれど、お前にも問題はあるでしょう?」

「うっ」

「自覚はあるみたいね。お前はアレに一言でもハッキリと好意を伝えたのかしら?」

「うぅっ……」

図星だった。

678アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:28:44

「アレに好かれたいならちゃんと告白することね」

「……分かってます。分かってはいるんですけど」

怖かった。

もし、私を受け入れて貰えなかったら。

「アスカロン、アレがお前を見捨てることはないわ」

「で、でも……」

……嫌われてしまったら。

「……そういうところ、本当に似た者同士ね」

「え?」

「意味のない仮定は好きではないけれど、……もしお前が見捨てられても、私がお前を拾ってあげる」

「だから安心なさいアスカロン、お前に必要なのは自信よ」

そう言って微笑んだフェイルノートのお陰で、少しだけ気持ちが楽になった。

「フェイルノート、ありが……」

「私が相談に乗ってあげたのだから、それなりの対価を払って貰うわ」

「へ?」

679アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:29:25

私は今、キッチンでお菓子作りに苦戦していた。

ーーーシユウが空腹で暴走寸前よ。早急にヨーグルトとチョコを作りなさい。後でシユウをお前の部屋に向かわせるわ。

ーーーもしシユウを止められなかったら、今晩は隊の皆がお腹を空かせることになるでしょうね。

「うぅ、シユウの食欲を満たす量なんて簡単に作れませんよぅ……」

泣き言を言いながらも手を動かす。

材料が許す限りのチョコとヨーグルトを作り、自室に戻った。

「こ、これで満足できるかな……?」

出来上がったチョコは数人で食べると少し多いくらいか。

シユウにかかれば、恐らくは秒も持たない。

吸い込む様にして食べる様は、ブラックホールさながらだ。

……こんな量じゃ、かえってシユウが暴れ出すかもしれない。

そんなことを考えていると、ノックの音が響いた。

「あ、どうぞ!」

「お邪魔するよ」

「え?」

来客の姿に目を丸くする。

私の部屋を訪ねたのはシユウではなく、マスターだった。

680アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:30:21

「あの、マスター、シユウを見かけませんでした?」

「シユウなら遊び疲れてお昼寝してたよ」

「あ、あれ?」

ーーー後でシユウをお前の部屋に向かわせるわ。

フェイルノートは確かにそう言っていた。

彼女が狙いを外すことなど有り得ない、とすれば……。

「マスター。もしかしてフェイルノートに何か言われました?」

「あ、うん。君が部屋で待ってるって教えてくれたよ」

「やっぱり……」

フェイルノートにとって、シユウは体のいい口実だったのだろう。

マスターを引き合わせ、告白のチャンスを作ってくれた。でも。

「うぅっ、フェイルノートの嘘つき……。こんな急に言われても、私だって準備が……」

「アスカロン?」

「な、何でもありません……。そ、そうだ!お菓子を用意したんです!一緒に食べませんか?」

私には告白をする勇気がまだなかったけれど、彼と同じ時間を過ごせるだけで充分だった。

681アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:31:03

「あ、美味しい……」

好きな人の横顔を眺める。

嬉しそうにチョコを摘んでいく彼のことをちょっと可愛いな、なんて思いながら見つめてしまう。

「「あ……」」

視線がぶつかると、恥ずかしくてお互いに目を逸らしてしまう。

……お互いに?

ーーーマスターも私のこと、意識してくれてるのかな?

「……マスターは、好きな人はいますか?」

気がつけば、自然と口が動いていた。

「あ、ご、ごめんなさい!今のは……」

「いるよ」

聞き間違いかと思った。

「……気になる子がいるんだ」

「そう、ですか……」

心が急激に冷めていった。

682アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:32:19

「その子は凄く気が回る子でね」

「……マスターみたいに、ですか?」

「僕は気が使えるっていうより、皆と違ってできることが少ないから。それしかしてあげられることがないんだ」

そんなことはない。

マスターは皆に必要とされているし、皆の見てない所で頑張ってるのも知ってる。

「初めての告白だから上手く言えるかは分からないけど」

「その子は頑張り屋で、一生懸命で、前向きで……、それと人懐っこいからかな?僕のことを慕ってくれてるんじゃないかな、って勘違いしそうになるんだけど……。どう、かな?」

照れた様子で話すマスターを見て、失恋のショックに唇を噛みしめる。

「……羨ましい」

マスターに好意を向けられている子が羨ましくて。妬ましくて。

気持ちが抑えられなくて。

「ん……」

気がつけばマスターの頬に口付けをしていた。

683アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:33:09

「あ、アスカロン……?」

「私は、マスターのことが好きです」

きっと今の私は、かつてない程に嫉妬している。

あまり顔を見られたくなくて、彼の胸元に額を押し付けた。

「告白はもう少しだけ待ってください……」

嫉妬心が私を突き動かす。もう止まれない。

「その間に、マスターに好きになって貰えるように頑張ります!だから!」

「あ、えっと、どういうこと……?」

「……マスターは、私じゃダメですか?」
 
「い、いや、そんなことないよ。でも両想いなら今すぐ付き合いたいな、なんて……」

……………………。

ーーーその子は頑張り屋で、一生懸命で、前向きで……。

も、もしかして、私……?

「ま、マスターの好きな子って……」

胸いっぱいに恥ずかしさが込み上げてきた。

顔が熱い。

チラリとマスターを見上げると、彼の顔が間近にあって……。

暫く見つめていると、唇を塞がれた。

触れ合った場所から伝わる熱に、嫉妬心は優しく溶かされていった。

684アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:33:52

晴れて、私とマスターはお付き合いをすることになった。

「両想いだって知ってたなら教えてほしかったです……」

「アスカロン、アレに好かれてると私が教えたらお前は信じることができたのかしら?」

「ぅ……」

ぐぅの音も出ない。告白はできなかったと思う。

フェイルノートは部屋で私が待ってることをマスター伝えた際に、私がマスターを好きだということも伝えていたらしい。

全部彼女の狙い通りだったという訳だ。

彼女のお陰で、私はマスターと結ばれることができた。

「どうしてそこまで私のことを……」

「借りっぱなしは嫌いなの。アスカロン、お前が思うよりもずっと、私はお前に助けられてきた。それだけのことよ」

この身に掛けられた呪いに絶望したこともあったけど、今の私には親友がいて、恋人がいる。

「フェイルノートが困った時、今度は私が助ける番ですからね!」

「アテにさせて貰うわ」

かつての主従は、友達として互いに微笑む。

胸を満たすこの温もりに、嫉妬という名の氷は溶かされていった。

Fin

685アスカロンの恋物語(仮):2020/02/09(日) 14:41:54
今年のバレンタインストーリーは最高でした。

フェイルノート様とアスカロンの主従以上の関係がなんとも堪らない……。

嫉妬するアスカロンの姿に、少しでも彼女の魅力を感じて貰えたら嬉しいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

アスカロンをまだ迎えていない方は、ポイントクエスト報酬に彼女は居ますので迎えにいってあげてください!

686名無しさん:2020/02/09(日) 17:04:34
嫉妬の羨ましい辺りのくだりが余裕でした…!
今回のイベは絡みが多くてよきよき

687名無しさん:2020/02/09(日) 18:23:33
>>686
脳内再生するのが余裕!
肝心なところが抜けていたッ!

688理事長デュリン:2020/02/10(月) 22:22:23
「ほら、纏めといてあげたわよ!これからもどんどん色んなお話し、持ってきなさいよね!楽しみにしてるんだから!」

〈アバリス新たなる力〉
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リサナウト
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ロンギヌス
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>>681 >>682 >>683 >>684

690名無しさん:2020/02/11(火) 09:16:44
ありがてぇ……さすが理事長だぜ!

691名無しさん:2020/02/11(火) 10:22:58
ねえねえ>>160はどうなったのかな?かな?
途中で投げ出すなんてことありえないよねぇ?

692名無しさん:2020/02/11(火) 13:14:35
さすが理事長…!
ちょうど見返したい時にまとめてくれる!
そこにシビれる憧れるぅ!

693リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/02/14(金) 01:18:13
【でぃすらぷ!】
特別編「意地っぱりレーヴァと甘いチョコ」

2月13日…いよいよ明日はバレンタイン。でも……

「はぁ…どうしてこうタイミングが合わないのよ…」

前々からこっそり夜にみんなが寝静まってから準備をしようと考えていた…材料もしっかり揃えてある。
それこそハロウィンで自分だけ買ったお菓子だったことを悔いて以降、今度は手作りで!と意気込んで来た。
しかしながらここ数日、みんな同じ考えなのか…誰かしら夜中にキッチンで作業を行っているのだ…
見事に3人に遅れをとった私は結局チョコの用意を出来ないままでいた…

「レヴァ、今回は仕方ねぇよ。明日の朝一で店のを買いに行こうぜ。俺様に掛かればアイツらに見付かることなく超高速で運んでやれるしよ!任せろって!」
「……ダメ。私が納得出来ない……」
「でもよぉ…」
「黙って……」
「むぎゅぎゅううぅう!」

今もキッチンではカリスとキプルがパタパタと走り回っている。
邪魔は出来ない…最後の夜も何も出来ず、自室へと引き返す…

(今日はカリス…昨日はソロモン…その前はヘレナ…みんな手作り…また私だけ……!)

申し訳ない気持ちと焦り…苛立ちが頂点に達した私は翌朝、みんなに何も告げずに拠点から飛び出した……

・・・・・・

小高い丘にポツンと座り込む。
着いてきてくれたムーも一緒にちょこんと座っている。
もう夕方。みんな、心配しているはず…

「そろそろ気が済んだか?レヴァ」
「たぶん…みんな私にもくれるわよね…」
「たぶんも何も本命はレヴァだろうからなぁ。他のメンバーはそのついでだろ」
「はぁ…絶対もらったりなんて出来ない…」
「また難しく考えてんなぁ…いいんじゃねえか?くれるってんなら貰ってもよ」
「でも…」
「アイツらもの気持ちとお前の意地、どっちが大事かって話だ!」
「……!」
「このまま受け取らねぇと、せっかく準備したアイツらの気持ちが無駄になっちまう。レヴァはそれで平気なのか?」
「……平気なわけ、ないでしょ…!」

ダメだなぁ…肝心な所で頭が回っていない…
危うくみんなを悲しませるところだった。

「ありがとう……ムー、昨夜言ってた『超高速』ってやつ、お願い…!」
「おう!しっかり掴まれよ!」

・・・・・・

拠点に戻ったのは日が沈む直前。室内には誰の姿も無かった。

「嘘だろ!アイツら何処行っちまったんだ!?」
「おそらく私達を捜して…」

ここで私達がまたみんなを捜しに飛び出してもすれ違いになる可能性がある…下手に動かない方が良い…だったら…!

「ムー、入り口でみんなを待ってて!望んだ形じゃないけど、せっかくの時間…最後まで諦めない!」
「そうか!アイツらがいないうちに…!分かったぜ!こっちは気にすんなよ!」

私は頷き、部屋に走る。隠していた材料を手にキッチンへ急いだ。

「ホント…みんなに心配かけるし、捜しに行かずにこんなことしてるし…情けない………ソロモン、カリス、ヘレナ…帰ってきたらちゃんと謝るから…!」

懸命に作業を行い、なんとかラッピングまで終わらせることが出来た。
それを見計らったように入り口からみんなの声が響く。

・・・・・・

「ごめん……」

まずは3人に頭を下げた。当然ながら3人からは抗議を受けることになる…

「もう…無事だったから良かったものの…」
「そうだよ!すごく心配したんだから!」
「今回はさすがに罰が必要だな…」
「いいわ……言って」
「では、今夜はみんなとゆっくり過ごすこと!バレンタインと言う大事な日に留守にしたんだもの。その分はきっちりと一緒に居て貰うわ!」
「うん!チョコもあるし、お茶も入れて…何なら他のお菓子も用意するよ!眠くなるまで付き合ってね、レヴーァ!」
「ふふ、長い夜になりそうだな…今夜は寝かさないぞ?くふっ」
「……おっけ。とことん付き合うわ…」

分かっていた…みんなが優しいことも…許してくれることも…
感謝を伝えるなら今が良い。

「それじゃあ、お詫びの内容も決まったことだし…これを……その…いつもありがとう…」

さっき出来上がったばかりのチョコ……そっと3人に差し出す。
3人の弾けるような笑顔に、諦めずに頑張って良かったと心から思った。
そしてみんなからのチョコも受け取り、さっそくそれらを囲んで語り合う。

「で、レヴァ。みんなに渡したチョコに違いは無さそうだったけどよ、本命は誰なんだ?」

ムーの言葉に3人が身を乗り出した。
そんなの…決まってる…

「…………教えてあげない!」

END

694名無しさん:2020/02/14(金) 07:06:12
よいぞ…

695名無しさん:2020/02/14(金) 07:58:36
この女たらしがよぉ……(褒め言葉)

696静かなバレンタイン:2020/02/14(金) 21:17:30
今日はバレンタインである

この日のための準備は万端....ではない

アバリスのために彼女の純潔とかを表すために白バラの花束を...と思ったがまさか一本しか残ってないとは心底ショックである

まあ全くプレゼントできないという状態よりかは良いだろう

マスター「アバリスちょっと用があるんだけど」

アバリス「すみませんマスター私さきにやらないといけないことが」

マスター「ああそれなら仕方ないよさきにそっち終わらせていいよ待っとくから」

アバリス「すみませんマスター」

数分後

アバリス「マスターお待たせしてすみませんそれで用件はなんですか?」

マスター「渡したい物が...」

「マスター今日はバレンタインだからチョコプレゼントするね!」

「あ!先駆けはズルい!マスター私のももらって」

次から次へと隊の姫たちが我先にとマスターにチョコをプレゼントしようと入り乱れた状態になった

マスター「ちょ、ちょっとみんな...」

アバリス「ああ...マスター」

マスター(ああ...アバリスから離れて行く....)

マスターはアバリスから離ればなれになってしまった

697静かなバレンタイン:2020/02/14(金) 21:35:17
それから夜になるまでかかりマスターは解放された

マスターは広い平原の丘に座っていた

マスター「はぁ...夜になってしまったしバラが...」

マスターは枯れてしまった白バラを見た

マスター「はぁ...もう....最悪....」

ため息をついているとアバリスが心配そうに来た

アバリス「マスター大丈夫ですか?」

マスター「ん?大丈夫だよ大丈夫...」

アバリス「そうですか?少し元気が無さそうに見えますが...」

マスター「気のせいだよ気のせい....はぁ...」

アバリス「マスター空を見てください」

マスター「空?」

マスターが空を見上げると綺麗な満月が輝いていた

マスター「綺麗な満月だな」

アバリス「そうですね」

マスターはアバリスと満月を二、三度見比べると口を開いた

マスター「アバリスと月って似てるな」

アバリス「え?」

マスターは自分でなにを言っているんだ?と思ったが口が止まらなかった

マスター「月って昼にも空にあるんだよ」

マスター「でも朝とか昼は太陽が輝いていて色んな物がごちゃごちゃしていて全く見えないんだけど」

マスター「夜のこの雲が少ない邪魔するものがない時だけ見える美しさ」

マスターはアバリスの方を見た

マスター「アバリスも誰もいないまるで静寂の夜のような時だけはっきりと見える輝きまるで夜空に登る月にそっくりなんだ」

アバリス「そ、そうですか////あ、ありがとうございます///」

アバリスは顔を赤らめていた

マスター「あ、決してアバリスが目立たないとか存在感がないとかそういう意味合いで言ったんじゃなくて」

アバリス「大丈夫ですよわかってますから」

マスター「そ、そう...」

アバリス「そういえば昼の時の用件ってなんだったんですか?」

マスター「ああ...それは...」

マスターは少し黙って深呼吸した

マスター(よし覚悟はできた)

698静かなバレンタイン:2020/02/14(金) 21:48:55
マスターが覚悟を決め言おうとした瞬間

アバリス「マスターそういえば今日はバレンタインでしたよね?」

アバリス「これどうぞ」

マスターはアバリスからチョコをもらった

マスター「あ、ああ...ありがとう」

アバリス「地味なのは私の手作りなのでご了承ください」

マスター「手作りなんだ嬉しいなありがとう」

アバリス「そろそろ戻りましょうか」

マスター(ヤバいこのタイミングを逃したら後がない!)

マスター「ア、アバリス!」

アバリス「は、はい!」

マスターが急に立ったのでアバリスも立ち上がった

マスター「こ、これ!」

マスターは枯れてしまった白バラをアバリスに渡した

アバリス「あ...えっと...」

アバリスは急に渡された白バラに一瞬困惑した

マスター「本当は枯れてない満開の白バラの花束をプレゼントしようと思ったんだけど...色々と事情が立て込んで」

アバリス「いいえとても嬉しいです...ありがとうございます最高のバレンタインです」

アバリスは赤かった顔をさらに赤くして嬉しそうに枯れた白バラを見ていた

マスターはそんなアバリスをただただ見ているとアバリスがマスターの方を向いた

アバリス「マスターそれじゃあ戻りましょうか」

マスター「そうだね」

アバリスの嬉しそうな笑顔につられてマスターも笑顔になった

その次の日ぐらいにマスターは枯れた白バラの花言葉を知り一人悶絶するのであった

699静かなバレンタイン:2020/02/14(金) 21:53:29
ちょっとした豆知識
アバリスの出身であるギリシア(ギリシャ)のバレンタインはカップルや夫婦がお互いの愛を確認する日である
また付き合ってる相手に結婚のプロポーズすることもあるとのこと

700名無しさん:2020/02/15(土) 11:20:27
白バラの時点で尊み溢れるのに
枯れた白バラにそんな意味まであったとは…
豆知識といいなかなかのアバリストだな!

701名無しさん:2020/02/15(土) 12:23:51
余計なおせっかいかもしれないがバラ一本だけの花言葉は『一目惚れ』『あなたしかいない』

702アズラエルの独白:2020/02/17(月) 06:55:08
新年を迎えてもうすぐ夜が明けようとしている時、私はマスターとティファレトをこっそり追いかけていた。
マスターはよく思い付きで行動をするから、私はその行動自体に驚きはしなかった。でも、我らがティファレトが同行するとなっては話は別だ。
私は彼女のナイトとして守らねばならない立ち位置のキル姫だ。とはいっても、ハルモニアから離反した身としてはもうそのような柵はないのだが。

「ヨハン見えるかい? ベリービューティーフォーな光景だ」

私は空を見上げ、今まで曇り空だった場所に目映い光弾が放たれたのを目にした。
光弾は空中で弾け、覆っていた雲を弾き飛ばした。するとそこにはまるで太陽が二つあるかと錯覚させられるほど目映い光が地上を照らした。

「神の御業ってやつなのかな。超エキサイティングだよ」

光弾は役目を終えて、光を失ってゆく。
私は思わず手を伸ばしたが、光弾に手が届くはずもなく、その光は役目を完全に終えてしまった。

「まるで命の灯火のようだと思って手を伸ばしてしまったよ。シット、私が感傷的になるとはね。・・・・どうかしてる」

残った太陽はそのままあり続けるが、役目を終えた光は既にない。それはまるで私のようだと思った。
ギアハックが解除され、マスターと共に生き、もう既にティファレトを護る役割はない。彼女のナイトでない私は太陽の光を浴びる権利はない。何故なら私が輝いていていたのは、太陽(ティファレト)の輝きを阻害するものを排除してきたからだ。

「それに、ギアハックの影響が薄れていくにつれ、私は昔の私にカムバックしつつある。こんな私を彼女が受け入れてくれるはずもない」

ベリィハァピィだった私。
はっきり言って昔を思い返せば、ハイテンションガールな私は今の私と似てもにつかない。
ティファレトが恋い焦がれたナイトは偶像の産物で私ではないんだ。正直十中八九引かれるとは考えている。
だから偽りから始まった関係は、偽りのままであった方が幸せだろう。彼女もきっとそれを望んでる。

「でも、もし、昔の私を知っても幻滅されなかったら、ベリィハァピィ・・・なんだけどね」

私は選択をしなければならない。
本来の私を偽って再び彼女のナイトに戻るか、それとも本来の私をさらけ出して同士として共に歩むか。
それはきっと心の在り方の違いだが、私にとっては重要なこと。
その答えがわからなくて、最近ティファレトとは距離を取っていたのはアンニュイだった私の秘密だ。

「さて、ヨハン行こうか。マスターたちが帰っていくようだし」

未来がどうなるのかはわからない。
選択というものに正しいも間違いもない。
ならばそうだ。ゴーウィングマイウェイ。それが私なのだから。
まだその答えはでないけれど、いつかはきっと話せる時が来る。暗雲の空に差した初日の出を見れたのだ、きっと私の願いは叶う。そう思えたから。

「ハッピーニューイヤー。今年はきっといい年になる」

ハァピィな太陽の温もりに押されるように、私はいつもより軽快な足取りで、マスターとティファレトを追いかけていった。

703アズラエルの独白:2020/02/17(月) 07:32:15
時期が外れてしまいましたが、賀正ティファレトのクエストでクーゲルが何をしていたのか?
というのを書いてみました

クーゲルは元のクーゲルとアズラエルのクーゲルとでキャラが変わるのを気にしてるのかな?と思ってのことです

704名無しさん:2020/02/17(月) 09:23:47
何をって...ナニしてたんだろ

705名無しさん:2020/02/17(月) 09:49:39
クーゲルの秘め事とか尊すぐる

706名無しさん:2020/02/17(月) 11:35:52
セリフ回しもクーゲルらしさがある感じがして良き

707謝罪アロンちゃん:2020/02/18(火) 01:56:59
アロンダイト
「ど、どうも....」

パシャパシャパシャ

『チャレンジアロンちゃんの17を飛ばしたという今回の事件についてはどうお考えでしょうか?』

アロンダイト
「今回の事件につきましてはこちら側の注意力の無さが引き起こした事件だと考えております」

『よく出席番号が17になる人に対しては申し訳ない気持ちなどはあるのですか?』

アロンダイト
「あります本当に失礼なことをしてしまったと思っております」

『エネミー番号17の超メタルメイデンにはなにか一言どうぞ』

アロンダイト
「えっと...超メタルメイデンさんこれからもよろしくお願いします」

『そしてその飛ばしてしまったのを親切な人が番号をふって分けてくれたことで初めて知ったというのはこれは少し管理能力が低すぎるのではありませんか?』

アロンダイト
「今後はこのようなことにならないためにもしっかりと番号の確認の上やって行こうと思います」

『本当にできるんですか?』

『実は知っていて黙っていたのではないですか?』

『読んでくださってる方々をなめているのではないですか?』

アロンダイト
「そのようなことは全く」

『本当に思ってるんですか?』

『内心、少しバカにしてるのではありませんか?』

アロンダイト
「いえ....そのようなことは...」

アロンダイトは色んな人にもみくちゃにされた

********

アロンダイト
「という夢を見たんです」

マスター
「うんどんな夢見てんだよ」

708ドリームアロンちゃん:2020/02/18(火) 02:05:44
>>707
アロンダイト
「マスター最近は夢見ました?」

マスター
「最近見た夢....」

マスターは最近見た夢を思い出した

*******

ちっちゃいアロンが椅子の上に乗った

チビアロン
「きょだいまーくっす」

チビアロン
「がおー、でかいぞーこわいぞーつよいぞー」

チビアロンはぐーっと手を上に伸ばし大きいアピールをしていた

マスター
「ダイマックス砲」

チビアロン
「ぎゃーやられたー」

チビアロンはこてんと倒れた

*********

マスター
「.....うん変な夢だった」

アロンダイト
「どんな夢だったんですか?」

マスター
「絶対教えん」

アロンダイト
「ええーなんですか?」

マスター
「理由も言えないから絶対に教えん」

アロンダイト
「なんかそう言われると余計気になるんですが...」

マスター
「永遠に悩み苦しむがいい!」

709ドリームアロンちゃん:2020/02/18(火) 02:06:46
本当にまとめられるまで気づかなかった
近々17を出すと思います

710名無しさん:2020/02/18(火) 13:24:33
ちびアロン想像したら可愛い
マスターはポケモントレーナーも兼業していた…?

711名無しさん:2020/02/18(火) 16:16:08
ポケモントレーナーも兼業してるマスター略してポケモンマスター

712名無しさん:2020/02/18(火) 17:08:14
ポケモンになった獣刻アロンはS高めの物理フェアリーみたいなイメージ
でもって剣だから鋼複合で……これは……

そしてヘビボン覚えてる

713名無しさん:2020/02/28(金) 11:28:22
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714ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:20:41
ティルの誕生日記念ということで、ティルフィング✕マスターのSSです。

以前投稿したSSですが細かい所を書き直したので、もう一度あげようと思います。(大筋の展開に変わりはありません)

よければ意見・感想の程を頂けると嬉しいです。

715ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:21:19

第一話 揺れる心 


黒い霧による生徒の異族化。

デュリン理事長のもと、僕とティルフィングは特待生として黒い霧の対処をしていた。

もう数カ月も前の話だ。

MAIによる黒い霧の騒動を終え、ティルフィングは晴れて普通の学園生活を送っている。

同じ学校の同じ教室で授業を受け、彼女と共に学園生活を過ごす毎日。

赤点スレスレの僕はティルフィングに勉強を教えてもらうことが多かった。

ティルフィングは優等生だ。

文武両道。才色兼備整。整った顔立ち。綺麗な桃色の長髪。

高嶺の花だとしても。

それでも僕は彼女のことがーーー

716ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:22:16

放課後の教室。

マスターに頼まれ数学の勉強を教えていると、彼はノートを見つめながら溜息をついた。

「マスター?」

「あ、ごめん……。なんだったっけ?」

「手が止まってましたけど、どこか分からないことがありましたか?」

「いや少しぼーっとしてただけ。だから大丈……」

再びプリントに視線を戻したマスターの目が点になる。

「大丈夫じゃ、ないかな……。数式によく分からない記号やアルファベットが混じってる気がする……」

あはは、と苦笑いする彼の傍に寄り、プリントを覗く。

「ここの問いは最初に……、あっ……」

解き方を説明している途中でマスターと指が触れ合い、思わず手をぱっと引っ込める。

少し顔が熱くなった気がした。

「す、少し近すぎましたね」

「そう、だね」

ぎこちない会話。最近はいつもこんな調子だ。

「ティルフィング、採点を頼んでいい?」

解答用紙と答案用紙を見比べる。

「81点、ですね」

「よし、この調子なら数学も心配ないかな」

「……はい」

彼は努力家だ。

苦手だったはずの勉強も、もうほとんどできるようになってきている。

「……」

「ティルフィング?」

彼と一緒にいられるのは勉強を教えている時だけ。

「……すごいです。こんなに短い間に勉強ができるようになって」

「講師が優秀だからね」

彼の役に立てたことを喜ばないといけないのに。

「油断は禁物です。きっちり復習しないとすぐに忘れてしまいますから、もう少し頑張りましょう」

皮肉なことに、勉強を教えることで少しずつマスターと過ごせる時間が少なくなっていた。

「……もうこんな時間か」

外を見ると、もう陽は沈みかかっていた。

717ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:22:53

「あの、いいんですか?校舎から女子寮までそんなに距離はないのに、わざわざ送ってもらって……」

寮までの帰り道、私はマスターと肩を並べて帰宅している。

嬉しさ半分、申し訳無さ半分といった具合で正直複雑だけど、彼はそんなことないよと照れた表情でぽりぽりと頬をかいた。

「僕としては勉強を遅くまで見てもらってるし、いや本当は僕の方がそうしたいだけなんだ。わざわざ付き合わせてゴメン」

「あ、いえ……」

彼の何気ない言葉が嬉しくて、でもそれを悟られたくなくて。

俯いて、素っ気ない返事をしてしまう。

別に私が特別というわけではない。

勘違いしちゃいけないと自分に言い聞かせながら、それでも。

「今度……、マスターのテストの点がもしよかったら、大切な話があるんです」

胸の内で膨らんでいた気持ちを抑えることなんてできなくて。

「……いいですか?」

上目遣いにマスターを見つめる。

「うん。赤点の心配はないと思うけど、ちゃんといい点を取れるように頑張るよ」

718ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:23:56

夜8時。レーヴァテインの部屋を訪ねた。

いくら寝るのが好きな彼女でもこの時間ならまだ起きてる、……はず。

ノックをすると、部屋の中から「ちょっと待って」と彼女の気だるげな声が聞こえた。

「……ティルフィング、どうしたの?」

「ちょっと相談したいことがあって……」

彼女には友達の話だと言って、悩みを聞いてもらった。

今日は期末テスト最終日の前日。

マスターは順調にテストを解いているようだった。

明日彼を呼び出して想いを伝えたいけど、初めてのことにどうしたらいいかわからなくて。

「……それってティルフィングのこと?」

バレバレだった。

「な、何でですか?」

「ティルフィングに仲の良い友達って、確かいなかったでしょ」

「う……」

この学園の特待生として人知れず黒い霧の対処をしていた私は、長いこと普通の学園生活を送れていない。

今でこそ皆と変わらない生活を送れているが、それはつい最近、2ヶ月前からだ。

孤立はしていないものの、特別仲の良い友達がいないことも事実だった。

「それにしても、友達の話ってベタすぎ……」

レーヴァテインは口元を押さえてくすくすと笑っている。

「わ、笑わないでください……」

顔から火が出る思いだった。

そうして数十分。

面倒くさがりな彼女にしては珍しく、私の相談を最後まで真剣に聞いてくれた。

「恋愛経験は私もないんだけど、どうして私に相談したの?」

「一番話しやすかったのがアナタだったからです」

「そ……」

素っ気ない返事だったけど、彼女の口元は緩んでいた。

「ま、気が向いたらまた相談に乗ってあげるから。適当に頑張って」

今度一緒に授業サボる?い、いえ私は……と、たわいもないことを話して夜を過ごした。

719ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:24:44

黒い霧。

負の感情が顕在化したもの。

黒い霧が見えるのは私やマスターのような一握りの人だけ。

自分にしかできないことがあるのなら、それを誰かのために役立てられるなら。

この力をみんなのために使おうと誓っていた。

黒い霧は彼にしか祓えない。

きっと彼も、私と同じなのだと思っていた。

事実彼は黒い霧を払うためにいろんな生徒の悩みを解決してきた。

でもそれだけじゃなかった。

MAI が引き起こしてきた黒い霧騒動を終え、数カ月。

自分の進級がかかっているのに彼はそれを投げ出して生徒を助けに行ったことがある。

他にも数え出したらきりがない。

黒い霧が絡まなければ彼はただの一般生徒だ。

何の力もない一人の生徒。

それでもマスターは困っている人に手を差し伸べることを止めなかった。

ーーーあぁ、そうか。

私が助けられるのは私の力が及ぶところまでだけど。

ーーーこの人はきっと。

彼は誰も見捨てない。自分の力が及ばずとも、特別な力がなかったとしても関係ない。

そう気づいてしまったその日から、私は彼に惹かれていた。

720ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:25:19

「はいそこまで。後ろの列から答案用紙を回収しなさい」

ハルパー先生の掛け声で最後のテストが終了した。

「そこ、諦めてペンを置きなさい。指導されたいのかしら?」

先生に脅され、慌てて手を止める生徒も少なくなかった。

それぐらいに最後のテストは難しかった。

隣の席ををちらりと見てみると、マスターは満足気な表情で答案用紙を渡していた。

彼にこっそりと声をかける。

「マスター、約束のことなんですけど……、放課後に体育館裏に来てもらってもいいですか?」

「あ……、う、うん」

少し緊張したような面持ちで返事をするマスターの頬に、少し赤みが差していた。

もしかしたら私の気持ちはもうすでにバレているのかもしれない。

721ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:26:04

人生で初めての告白に緊張していた。

両思いだったらいいなとか、振られたらどうしようだとか。

体育館裏で待っているこの間にも、いろんな考えが頭をめぐっていく。

日直の仕事が終わったらすぐに行くよと彼は言っていた。

そうして待つこと2時間。

結局彼が、姿を現すことはなかった。

晴天だった空は、雲に覆われ始めていた。

722ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:26:35

ポツポツと雨が降り出した。

ーーー体育館裏で待ってます。何かありましたか?

LINEでマスターにメッセージを送ったが、既読はつかない。

電話をかける勇気はなかった。

その場にしゃがみ込み膝を抱える。

どれだけ待っても返事はこない。

「…………」

少しすると雨足は強くなったが、それでもその場を動く気にはなれなかった。

「……風邪ひくわよ」

傘を差し出される。

顔を上げると待ち望んだ彼ではなく、レーヴァテインが心配そうに私のことを見ていた。

「はは……、ありがとうございます」

傘を受け取り、礼を言う。

せっかく来てくれたのだ。これ以上心配させちゃいけない。

……ちゃんと笑えただろうか。

「……別に強がらなくていいから。帰ろう」

彼女にはお見通しだったみたいだ。

雨はやまない。

暫くはやみそうにない。

723ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:27:11

お風呂に入って、ご飯を済まし、ベッドの上に寝転がる。

「……マスター」

彼は体育館裏に来てくれなかった。

何がいけなかったんだろう?

いや、彼は約束を破るような人じゃない。

でも、もしかしたら。

嫌な考えが頭をよぎる。

「まだ、振られたわけじゃ……」

突然スマホが鳴り出した。電話だ。相手は……

「マスター……」

画面に表示された「通話」のボタンをタップするだけ。

それだけでいいのに。

指が震える。

怖い。

「あ……」

スマホが鳴りやむ。

かけ直すことはできなかった。

心の中にドロドロしたものが湧き出してくる。

苦しい。辛い。堪えられない。

・・・・・・・・・・・
一度経験したことのある嫌な感覚に襲われる。

その直後。 LINE にマスターからメッセージが届いた。

ーーー今日は本当にごめん。明日改めて話がしたい。君さえよければ9時に体育館裏に来てほしい。

明日は土曜日で授業はない。

ーーーわかりました。

LINE を返信する。

「…………良かった」

嫌われた訳じゃなかった。振られた訳じゃなかった。

スマホを両手で握り、胸に抱き込む。

安心して、気が緩んだのかもしれない。

「本当に、良かった……」

瞳からポロポロと涙が零れ落ちた。

いつの間にか無くなった嫌な感覚のことなど、もう忘れ去っていた。

724ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:27:45

体育館裏。約束の時間。

雨はあがり、空は晴天になっていた。

「昨日はごめん」

マスターは何の言い訳もせず、謝罪の言葉とともに頭を下げた。

「い、いえ、頭を上げてください。私の方はそこまで急な用事じゃなかったので……」

「でも、大切な話だったんだよね?」

「……はい」

言わなきゃ。

アナタのことが好きだって。

「だから、今……、聞いて貰ってもいいですか?」

「……うん」

マスターは顔を上げ、真剣な表情で私を見つめた。

「私は……」

口が渇く。心臓がうるさい。

もし……、

「アナタのことが……」

もし、振られたら。

今の関係を居続けることはできるの?

「…………あ」

きっと堪えられない。

その先の言葉を続けることはできなかった。

「ティルフィング?……っ!」

マスターのスマホが、私の告白を遮るように鳴り出した。

電話の相手を確認したマスターの顔つきが険しくなる。

「ごめん、急用ができた」

「……え、えっと」

「この埋め合わせは必ずするから!」

まるで何かに急かされてるかのように、彼はこの場を去っていった。

引き留めることなんてできなかった。

「……また、言えなかったな」

マスターのスマホに着信がなくても、きっと想いは伝えられなかったと思う。

臆病な自分に嫌気が差す。

何も考えたくない。

心の底からにじみ出た感情に気付かないフリをした。

725ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:28:29

十数分ほどだろうか。

何をするでもなく体育館裏に佇んでいた。

知らず知らずの内に、だけどもう無視できないレベルで、

・・・・・・・・・・・
心が何かに蝕まれていると、気付きかけたその瞬間に。

レーヴァテインからLINEがきた。

ーーー今ヒマ?電話していい?

短くて、それでいて気を許してくれてると感じるようなそんなメッセージ。

レーヴァテインへ電話をかけると、彼女は直ぐに出てくれた。

「おはようございます。どうしたんですか?何か困ったことでも……」

「別に。ヒマしてたから会えないかなって……。忙しければ別にいいんだけど」

「今丁度ヒマになったところです、けど……」

そういえばマスター以外だと、連絡先はまだレーヴァテインしか知らない。

「ティルフィング?」

「……もしかしたら、私達って、その……、と、友達だって思ってもいいんですか?」

「…………はぁ。別にワザワザ確認するようなことでもないでしょ」

「あ、ありがとう……」

少しだけ心が軽くなった気がした。

今どこに居るの?
学校です。
……流石優等生、じゃ今からソッチ行くから。

そんなこんなでレーヴァテインと遊ぶ約束をした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
溢れかけていたものがギリギリで留まる。

彼女のお陰で、少しだけ勇気を出すことができた。

LINEでメッセージを送る。

とても簡素で、飾り気のない言葉。

レーヴァテインと待ち合わせる為に校門前へ向かおうとして。

そして。

「ーーーえ?」

私の目に入ったのは、校舎の玄関でロンギヌスと晴れやかな表情で話すマスターの姿だった。

726ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 14:29:15

ーーーごめん、急用ができた。

彼は確かにそう言っていた。

「なんで……」

マスターが着信を受けたのは、つい半刻程前だ。

だから、彼がここに居るのは。

今もロンギヌスと嬉しげに会話をしてるのは。

そんなのはきっと何かの間違いだ。

「……うそ」

心が軋み、内から嫌なモノがとめどなく溢れていく。

せき止めるモノは何もなくて。

もう、ダメだった。

727ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 16:54:56

第ニ話 すれ違う想い



彼女は、ティルフィングは優し過ぎる。

MAIによる黒い霧の騒動は決着した。

人為的な黒い霧による被害は無くなった。

デュリン理事長は、ティルフィングに残った時間を普通の学園生活にあてるように指示を出してくれた。

だけど僕の方はその翌日に理事長室に呼び出されていた。

デュリン理事長が真剣な面持ちで話を切り出す。

「わかってるとは思うけど、黒い霧自体が無くなった訳じゃないわ。そして、黒い霧を払うにはアンタの力が欠かせない。悪いけど、これからも力を貸して貰うわよ」

「僕にできることなら」

「私にできる限りのフォローはするわ。必要ならティルフィングの手も借りて……」

「待って。僕はもうティルフィングの力を借りるつもりはないんだ」

「…………はい?」

ティルフィングはずっと自分の学園生活を犠牲にして、皆を護ってきた。

僕自身も、きっと何度も助けられてきたのだろう。

だから今度は僕がーーー。

「そういうことなら反対しないけど、異族を相手取るとなったら協力者は必要よ。黒い霧が見えるのは……、レーヴァテインって子は確か見えてた筈だけど……」

彼女は極度の面倒臭がりだ。

手伝ってくれるかは分からない。

「一人、心当たりがあります」

「え!?まだウチに黒い霧が見える子がいたの!?」

728ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 16:55:31

黒い霧が見え、積極的に人助けをし、異族と戦える人物。

僕はロンギヌスに協力して貰うことにした。

とはいうものの、黒い霧の被害者が出ることはなかった。本当に、ごく最近までは。

ティルフィングから大切な話があると言われた日、日直の仕事を済ませて約束の場所に向かう途中。

黒い霧を滲ませている人物を見つけた僕は、直ぐにロンギヌスに連絡をとった。

今思えば焦っていたんだと思う。

僕はロンギヌスと合流するまでの時間を惜しみ、その人を説得しようとして。

かえって刺激してしまった僕は返り討ちにあい、気絶させられた。

僕が目を覚ます頃には、黒い霧の人物はもう居なかった。

そして土曜日、ティルフィングに改めて大事な話を聞いてる最中に、ロンギヌスから着信が入った。

彼女が被害者を見つけてくれたので、協力して黒い霧を払った。

ロンギヌスの尽力で、事は20分程で済んだ。

「ありがとう、助かったよ」

「い、いえ!私なんかでよければいつでも力になりますから。また頼ってくださいね」

やっと一段落がついたと、そう思っていた。

「あああああああああ!!!」

聞き慣れた声。

悲鳴がした方を振り向くと、そこには。

「ティルフィング!?」

黒い霧に覆われたティルフィングの姿があった。

729ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 16:56:16

「ああああああァァァ!!!」

絶叫が響き渡る。

ティルフィングは痛みに耐えるように自身の身体を抱きしめ、うずくまった。

黒い霧は今まで見てきたどれよりも暗く、昏く。

見る者さえ呑み込みかねない程の濃い闇となって、ティルフィングの身体にまとわりついていった。

「ティルフィングさん、どうして……!?」

「ティルフィング!呑まれちゃダメだ!」

顔を上げたティルフィングは僕らを見て、更に悲痛な表情になっていた。

「私じゃ、ダメなんですか?……私は、頼りないですか?」

違う。

彼女を護ると誓った筈なのに……。なんで

「アナタの傍に居たいと願ったら、ダメですか?」

ーーーなんで僕は、彼女にあんな表情をさせてるんだ。

ティルフィングを覆う暗闇から、次々と異族が出現していく。

瞬間、ロンギヌスが僕を庇うように異族のもとへ駆け出した。

「マスター、私が異族を引きつけます!下がってください!『封印解除(レリーズ)』!!」

ロンギヌスは戦闘態勢に入り、顕現した槍を振るい異族を薙ぎ払っていく。

「ダメだ!前に出過ぎたら……!」

ロンギヌスが倒す以上のペースで、今もなお異族が産み落とされている。

そして、何より。

「うっ……!今まで戦ってきた異族と、レベルがちが……、きゃ!」

ロンギヌスが善戦する程に、異族は急激に力を増していく。

ティルフィングの姿はもはや見えず、そこには闇だけが佇んでいた。

「あ……!」

槍が遠く弾かれてしまう。

「ロンギヌス!!」

異族の武器がロンギヌスを捉えたその瞬間。

730ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 16:56:51

「ふっ……!」

横合いから駆けてきたレーヴァテインの飛び回し蹴りが異族に炸裂し、周囲の敵を巻込んで吹き飛ばした。

「れ、レーヴァテイン、さん……?」

「なんか面倒くさそうなことになってるけど、大丈夫?」

「あ、えっと、助かりました……」

「……あんまり無駄話はできそうにない、か」

友達待たせてるんだけど……、とレーヴァテインは一人ごちりながら剣を呼び出しーーー

向かってくる異族を瞬時に切り払っていった。

「すごい……」

「……闘えるなら見てないで加勢して」

「ご、ごめんなさい!」

ロンギヌスが直ぐに槍を構え直し、異族との距離を計りながら冷静に切り結ぶ。

レーヴァテインもまた、僕をジロリと睨みながら異族を牽制した。

「……マスター、言いたいことがあるんだけど」

「後にしてほしい」

「じゃあ本題だけ。あの黒い霧は何?今まで見たことないくらい濃くて、明らかにヤバそうなん……」

「ァァァァアアア!!!」

慟哭がレーヴァテインの疑念を遮る。

闇が収束され、人の姿を形成していく。

レーヴァテインの表情が驚愕に染まる。

「ティル、フィング……?」

ティルフィングは黒い装束に身を包み、目は光を失っていた。

この世界の僕等が知る由もないことだが、それは別の世界でブラックキラーズと呼ばれた者と同じ姿をしていた。

凄まじい殺意が肌を刺す。

直感が脳内で激しく警鐘を鳴らしている。

「ティルフィング、なの……?」

「ァァァァあアアア!!!!」

一瞬の隙だった。

レーヴァテインが抱いた疑念に硬直していた、ほんの一瞬の間。

黒を身に纏ったティルフィングが闇から剣を精製し、次の瞬間にはレーヴァテインの目の前で剣を振りかぶっていて。

「あ……」

激痛が全身を貫いた。

731ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 16:57:24

「が、ぁ……」

斬りつけられた背中が熱い。

・・・・・・・・・
僕に突き飛ばされたレーヴァテインは、目の前で起きた事態に呆気にとられていた。

ロンギヌスが駆け寄り、僕の名前を必死に呼んでいる。

僕が倒れた瞬間、異族は全て消え去っていた。

そしてティルフィングを包んでいた闇もまた消えていて。

「う、そ……」

だから、彼女の浮かべた表情もしっかりと見えてしまった。

「(立て。今すぐ立ち上がって、僕は大丈夫だと伝えるんだ……!彼女の表情をこれ以上曇らせるな!)」

想いとは裏腹に傷口から血がドクドクと流れ、腕から力が抜けていく。

「あ、あ……、ぁ……」

ティルフィングはその場に膝から崩れ落ちた。

ーーーく、そ……

彼女の悲痛な表情を尻目に、僕は意識を手放した。

732ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 16:59:41

第三話 ただそれだけで



「…………ここ、は」

「ま、マスター!良かった……!」

目を覚ますと、あまり見慣れない天井が目についた。

傍でロンギヌスが僕の手を握り、ポロポロと涙を零していた。

「…………ロンギヌス?僕は、一体……」

周りを見渡すとロンギヌスとレーヴァテイン、デュリン理事長に……、

「えっと、どなたですか……?」

「この子、命の恩人に失礼なこと言うのね」

メガネをかけ、白衣を着た金髪の女性が保健室にいた。

何もわかってない僕に、デュリン理事長が簡潔に状況を説明してくれた。

「ロンギヌスから連絡を受けて、私の伝手で彼女に来て貰ったの。アンタ相当危なかったのよ!」

金髪の女性、アスクレピオスさんは凄腕の名医だと理事長は自慢げに話した。

まだ僕が生きているのは、どうやら理事長達のお陰らしい。

「ロンギヌス、……ティルフィングはどこに?」

「分かりません。マスターが斬られた後に、ティルフィングさんの姿は元に戻ったんですけど……。どこかに行ってしまって……」

少しだけ安心した。してしまった。

「ごめんなさい。あの時のティルフィングさんは、触れたら壊れてしまいそうな、そんな危うさがあって……。呼び止められませんでした」

「(僕は馬鹿だ……)」

まだ何も終わってはいない。

733ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:00:18

ティルフィングは今もきっと苦しんでいる。

心の底で誰かの助けを求めている筈だ。

一秒だって休んでいるヒマなんてない。

身体を動かそうとすると、鈍い痛みが背中に走った。

「っぐ、ぁ……っ」

「こ、こらっ!応急処置を済ませたとはいえ、アナタは重症なのよ!急に身体を動かさないで!」

そんなこと、どうでもいい。

多分だけど、まだ彼女はあそこにいる。

「早く、ティルフィングのところに行かないと……」

「だ、ダメですよ!まだ起きたら!」

ロンギヌスの静止を振り切り、背中に走る激痛に耐えながら身体を起こす。

「待って」

レーヴァテインが僕の前に立ち、行く先を阻んだ。

「大体のことはロンギヌスに聞いた。マスターが黒い霧の対処をしてたこと、そのせいでティルフィングとの約束を守れなかったこと……」

彼女にしては珍しく、その表情に悔しさを滲ませていた。

「友達を支えてあげられなかったのも、マスターに怪我をさせたのも私。…………ごめん。だから、ティルフィングのことは私に任せて」

「友達、か……」

こんな状況なのに僕は思わず笑みを零してしまった。

少し不謹慎だったかもしれないけれど。

学園の高嶺の花とされていたティルフィングに、親しい友達ができていたことが嬉しかったから。

「理由は分からないけどティルフィングから黒い霧は消えてる。だから、マスターはもう休んでて」

黒い霧を祓えるのはこの学園に僕だけだ。

そしてティルフィングにまとわりついていた黒い霧は既に消えている。

だけど。

「違うよ、関係ない。黒い霧だとか異族だとか、今はそんなものどうでもいい。ティルフィングが苦しんでるから、僕が傍に居てあげたい。それだけのことなんだ」

「……はぁ。分かった」

レーヴァテインは少し逡巡してから、僕の目を見て……、道を譲ってくれた。

「ありがとう」

「ちょ、ちょっと!レーヴァテイン、ダメよ!ソイツ重症なんだってば!」

「ごめん、理事長。行かせてあげて。多分これはマスターにしかできないことだから。……貸一つね」

「分かってる!」

背中に走る痛みに耐えながら、真っ直ぐに体育館へと駆けていく。

多分ティルフィングはそこにいる。

時間を確認するためにスマホを取り出すと、LINEでメッセージが届いていた。

送り主はティルフィング。

「すぐに行くよ」

そのメッセージはとても簡素で、飾り気のない言葉だったけれど、何よりも心に響いた。

734ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:01:05

ーーーーーー

ーーー

体育館裏に一人は膝を抱えてしゃがみこむ。

マスターがロンギヌスと嬉しそうに話しているのを見た。

マスターが理由もなく約束を反故にするような人じゃないことぐらい分かってる。それでも。

私との約束よりも彼女の方を優先されたことがどうしようもなく悲しくて、妬ましかった。

私の心から溢れた闇の矛先は、マスターの傍にいる人に向けられた。

……本当は、途中から気づいてた。

ロンギヌスが、黒い霧に対処する為のマスターの相棒なのだと。

悔しかった。

マスターに、私を選んで貰えなかったことに。

黒い霧が見えるのは、面倒臭がりのレーヴァテインと私だけだと思っていたから。

マスターが勉強できるようになってから、一緒に過ごせる時間が減っていく中で。

彼の隣で笑顔を見せていたロンギヌスに、マスターの傍にいる彼女達に嫉妬して……。

この手でマスターを斬りつけた感触が、未だに忘れられない。

身体に張り付いた冷たさに、震えが止まらない。

「もう、皆に顔向けできない……」

恣意的な理由で皆を巻込み、傷つけた。

私は救われる価値のない人間だ。

「ティルフィング!!」

「ーーー!!」

735ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:01:39


愛しい人の声が耳に届く。

「……どうして、来たんですか?」

マスターはもうボロボロだった。

こちらに歩み寄ってくる彼はフラフラで、今にも倒れてしまいそうで。

「……もう、いいんです。今は抑えれてますけど、私が近くに居るとマスターを傷つけてしまいます」

多分、誰かに嫉妬する度に、マスターを遠く感じてしまうその度に、黒い霧が出てしまう。

「だからもう構わないで……」

この恋を諦めれば、誰も傷つけなくてすむ。

「…………LINE、見たよ」

「…………!」

ーーー好きです。

私が送った、たった4文字の簡素なメッセージ。

「凄く嬉しかった。……本当は、もしかしたらって前から思っていたんだけど」

「ーーー今の関係に戻れなくなるのが怖くて、僕は何もできなかったから」

「……え?」

彼は優しく微笑んだ。

「……最初は憧れだった。君は僕にないものを沢山持ってて」

心の内から少しずつ、私を蝕んでいた悪意とは違う暖かな想いが湧いてきた。

「勉強を沢山教えて貰って、帰り道を並んで歩いて。一緒の時間を過ごしてる内に、上手く言えないけど」

身体に浸透していた冷たい闇を、温もりがさらっていく。

「もっと、ずっと一緒にいたい」

瞳から、涙が零れ落ちた。

736ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:02:24

マスターの歩みは止まらない。

「わ、私のせいで、マスターは傷ついて……」

彼との距離が少しずつ縮まっていく。

「それに、また黒い霧が出るかもしれなくて……」

後、数歩。

「えと、あの……」

2人の距離が0になった。

キツく、強く抱きしめられる。

「君が好きだ。ずっと傍に居てほしい」

「……はい」

温もりで満たされる。

心も、身体も。

黒い霧は、一片も残さず消え去っていた。

737ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:03:06

マスターは私が泣き止むまで優しく抱きしめてくれた。

手を繋いで保健室に戻ると、彼はデュリン理事長にこっぴどく怒られた。

「バッカじゃないの!?重症だって言ってんでしょ!いいからさっさと寝てなさい!」

「あはは……」

マスターは渇いた笑いでお説教を聞き流していた。

「あ、あの……、皆さん、迷惑をかけてすみま……」

「ティルフィング」

頭を下げようとして、マスターに優しく遮られる。

「君のことを迷惑だなんて皆思ってない。だから」

「……はい。皆さん、ありがとうございました」

738ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:03:40

その後、マスターは保健室のベッドでぐっすりと眠り、残った皆で今後のことを話した。

マスターの怪我は、アスクレピオスさんが後日本格的に治療にあたるとのことだった。

今日は急患が入ったので、もう帰ったと聞いている。

全治数カ月の傷を1週間で治してみせると意気込んでいたそうだ。

私にまとわりついていた黒い霧はというと、レーヴァテインが推察をたててくれていた。

「昔、MAIとひと悶着あった時にティルフィングは一度黒い霧に呑まれてたでしょ。その時もティルフィングは自力でなんとかしてたけど……」

「多分ソレが残ってたんじゃないの?今回も前回も、マスターがキッカケで黒い霧を払ってた訳だし」

マスターとすれ違う度に心が霧に蝕まれる感触がしていたから、多分その通りなのだと思う。

恋愛相談から、今日の騒ぎまでレーヴァテインには世話になりっぱなしだ。

「あの、レーヴァテイン……」

「レーヴァでいい。……私も勝手にティルって呼ぶから」

「……レーヴァ、色々とありがとう」

「別に。今度サボりに付き合ってくれるならそれでチャラね」

「理事長の前で堂々とサボり宣言しないでくれる!?」

デュリン理事長はカンカンだった。

739ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:04:20

「問題はまた黒い霧が再発するかもしれないってことなのよね……」

理事長が悩ましげにボヤく。

「それなら多分もう大丈……」

「ティルをマスターの部屋に泊めれば?」

……………。

私の主張に被せて発言したレーヴァがとんでもないことを言った。

「な、何言ってんの!?女の子をコイツの部屋に入れさせたらどうなるか!?」

「食べられちゃうかもね」

ちょっとだけ想像して、顔が凄く熱くなってしまう。

ロンギヌスも顔を真っ赤にして、あぅぅと息を吐きながら俯いていた。

……レーヴァはとっても意地悪げな笑みを浮かべている。

「大体男子寮に女の子を連れ込める訳ないでしょ!」

「男子寮っていっても、マスターしかいないんでしょ?」

「間違いが起きたらどうするのよ!?」

「もう付き合ってるみたいだからいいんじゃない?」

「で、でも……!」

「ティルの黒い霧はマスターがキッカケで払われてるから、もしもの時を考えたら同棲させたほうがいいんじゃないの?」

「ぐっ……!」

デュリン理事長の主張が悉くレーヴァに潰される。

さらっと付き合ってるとか、間違いが起きてもいいとか、同棲とか、そういうことを言わないでほしい。

「黒い霧は問題だけど、いやでも生徒の貞操が……!」

「もういい、この学園は黒いモヤモヤが危ないですってツイートしよ……」

「お願いわかったからやめて!」

終いには理事長がレーヴァに泣きついている。

私の耳元で、貸し一つね、とレーヴァが囁いた。

「それじゃ帰るから。遊ぶのはまた今度ね」

「メチャクチャな一日だったわ……」

そう言ってレーヴァと理事長は帰っていった。

「私ももう戻りますね」

ロンギヌスは帰る支度を終え、少し考える素振りを見せて。

「……ティルフィングさん、マスターのことなんですけど」

740ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 17:04:55

保健室に二人、私とマスターが残される。

先程、帰り際にロンギヌスから聞いた話を思い返す。

ーーー黒い霧の話をする時にマスターと時々連絡を取るんですけど、マスターはティルフィングさんのことばかり話すんです。

ーーーティルフィングさんのおかげで成績が上がったとか、どうしたらもっとティルフィングさんがクラスに馴染めるかとか。

ーーーマスターが私の力を貸して欲しいって頼んだ時、言ってました。ティルフィングさんが普通に友達を作って、
普通の学園生活を送れるように協力して欲しいって。

ベッドでぐっすりと眠る彼の頬を撫でる。

私をずっと守ってくれていたこと。

私の為に密かに頑張ってくれていたこと。

彼は私に、一言も言わなかった。

きっと、私が訊ねなければずっと言うつもりはないのだろう。

顔を寄せ、彼の頬に口付ける。

「ありがとうございます、マスター……」

小さく呟いた想いは、彼の耳に届くことはなかった。

でも、今はそれで構わない。

いつかちゃんと伝えようと、心に決めたから。

741ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:09:54

第4話 新生活



「ん……」

保健室で目を覚ますと、既に陽は沈みかけていた。

傍でティルフィングが椅子に座ったまま、すやすやと眠っている。

「いっつ……」

まだ背中の痛みはひいてない。

彼女を起こさないように慎重に身体を起こす。

いろんなことがあった一日だけど、結果的には良かったと思う。

「僕が、ティルの恋人に……」

彼女のことをティルと愛称で呼びたいけど、本人の前だと恥ずかしくてなかなかできない。

「……女の子の寝顔を勝手に覗くのは悪いかな」

そう思いつつ、まじまじと見つめてしまう。

まつげが長くて、顔立ちは整っていて、柔らかそうな唇に。

「……綺麗だな」

そして、次第に彼女の耳は赤くなり、目をキュッと瞑って、頬も朱に……。

………………。

「も、もしかして……、起きてた?」

ティルフィングは両手で顔を覆い、俯き、ぽそりと呟いた。

「恋人に……、のあたりから……」

「あ、えっと………………、ごめん」

恋人ができて浮かれていた僕の発言は、ほぼ全て聞かれていた。

……今度からは気をつけよう。

742ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:10:35

寮に帰った僕は、急いで部屋の片付けを始めた。

ーーー背中の傷のこともありますし、後でマスターのお部屋にあがってもいいですか?

本来ならば男子寮に女子は入れないがデュリン理事長も了解済みだと歯切れが悪そうに言っていた。

「まぁ、物が少ないからそんなに散らかっては……、いっ…、」

物を取ろうとして屈む度に背中が痛みを訴える。

だが堪えられない程ではない。

「応急処置だって言ってたけど、ホントに名医なんだな……」

傷口は残っているものの、完全に塞がっている。

正直死ぬかもしれないと思っていた傷を、応急処置で治しているのだから驚きだ。

関心していると、ピンポーンとチャイムが鳴り響いた。

おぼつかない足取りで玄関に向かう。

「あ、お待た……」

なんで彼女は旅行用と思われる大きいカバンを持っているのだろう。

「(……どこかに泊まるのかな?)」、

「あ、やっぱり……、迷惑でしたか?」

「そんなことない」

若干食い気味に答える。

上目遣いでそんなことを言うのはズルい。

それに彼女の荷物だって、僕の思い込みかもしれない。

「そのカバンは……?」

「き、着替えと、日用品……、です」

クロだった。

「泊まってもいいですか……?」

まっクロだった。

「……うん」

そして、僕もちゃんと男だった。

743ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:11:15

「あ、あ〜……、なるほど。そういうことだったのか……」

ティルフィングが僕の部屋に泊まるのは裏があった。

黒い霧の再発を考慮した暫定措置として、デュリン理事長がしぶしぶ決断を下したらしい。

そんなことだろうとは思ってた。

誘われてるのかと期待したりは断じてしてない。

「それじゃ、えっと……、いらっしゃい?少し散らかってるけど、気にしないで」

「あ、えと……、お、おじゃまします……」

恋人を部屋にあげる。

2人で住むには少し狭い部屋かもしれないな、と考えてるとティルフィングがポソリと呟いた。

「……マスターの匂いがします」

「…………」

思わず彼女を見つめてしまう。

「あ、ち、違います!変な意味じゃなくて!その……、お、お夕飯作りますね!」

僕と視線がぶつかったティルフィングは顔を真っ赤にしながら抗弁し、キッチンに逃げ込もうとして……。

「キッチンって、どこですか……?」

寮の部屋の一室にそんなものはない。

「本格的なものなら食堂に行くか、小さくても構わないなら各階の端っこにキッチンがあるよ」

ついでなので彼女に寮の中を紹介した。

「寮長室や食堂にも人がいませんでしたけど、今日って何かあるんですか?」

「いや、この寮はいずれ男子寮として正式に使う予定らしいけど、今は僕しかいないから。……僕一人に人件費はかけれないから、寮長も誰もいないよ」

「え?じゃあ、晩ご飯や朝ご飯は……?」

「大抵はコンビニ弁当か、クックパッドを見ながら自炊してるよ」

     ・
「マスターは料理ができるんですね……。すごいです」

「簡単なものしか作れないけどね。……ん?」

何か凄く……、会話に違和感があった。

……なんだろう?

「あの……、マスター」

ティルフィングが少し聞きづらそうに、僕に訊ねる。

「……トイレってどこですか?」

「あー……」

ここは男子寮だ。(僕が知らないだけで、食堂の裏とかにはあるかもしれないけど)女子トイレなんてない。

部屋の中のトイレが洋式なので、トイレは隣の空いた部屋を使って貰うことにした。

違和感のことなど、頭から消え去っていた。

744ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:11:53

お夕飯を作ってきますね。部屋でゆっくりしててください、とティルフィングが言われてから2時間が経過した。

「メチャクチャ凝ったものを作ってるのかな……?それとも……」

何かあったのか。

黒い霧のことを思い返し、心配になってきた。

「様子を見にいこう……」

そう、僕は迂闊だった。

                ・
ティルフィングは確かに「マスターは料理ができるんですね」と言っていた。

つまり、彼女は……、

「あ、あれ……?な、なんで、上手くいかな………、あ」

キッチンで悪戦苦闘しているティルとばっちり目が合う。

ティルの顔がみるみるうちに羞恥に染まっていく。

「僕も手伝うよ」

余談だけど、ティルのエプロン姿は可愛かった。

745ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:13:25

ティルフィングが隣の部屋で風呂に入ってる内に、僕は風呂場で身体を拭くことにした。

背中の傷が癒えるまで、湯船に浸かるなとアスクレピオスさんが強く念押ししていたとティルフィングに教えて貰った。

「ティルフィングに身体を拭かせてくださいって言われた時はビックリしたけど……」

きっと罪悪感に駆られて申し出たのだろう。

背中の傷は塞いで貰ったものの、生々しい傷跡が残っている。

ティルフィングに傷跡を見せるつもりはないので、やんわりと断った。

身体を拭き終え、時折走る痛みを堪えながら寝間着(という名のジャージ)に着替える。

暫くすると、コンコンとドアがノックされた。

「マスター、入ってもいいですか?」

「うん、いいよ」

「おじゃまします……」

ティルフィングが遠慮がちにドアを開け、部屋にあがる。

「あ、あの……、何かヘンですか……?」

「い、いや……」

ティルフィングのパジャマ姿に目を奪われる。

「なんていうか、その……」

何か言わないとと思いつつ、余りの可愛さにドモッてしまう。

「……すごく、可愛いと、思う」

「あ、ありがとうございます……」

結局、月並みなことしか言えなかった。

746ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:13:58

恋人同士。二人きり。

「「…………」」

お互いに意識しあって、気まずくて。

とりあえずテレビをつけて空気をもたせる。

ソファに並んで座ってバラエティ番組を眺めた。

風呂あがりの女の子のいい匂いがする。

内容なんて一つも頭に入ってこなかった。

747ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:14:31

夜10時。

「……そろそろ寝ようか」

「は、はい……」

ティルフィングは緊張してるのか、俯いてしまう。

……女の子にベッド以外のところで寝てくれなんて頼むつもりはなくて。

「僕はソファで寝るから」

「え?でも、マスターは傷が……」

「痛みは大分ひいてるから」

ソファで横になろうとすると、ティルフィングに裾をつままれた。

「ティルフィング?」

「もう、ティルって呼んでくれないんですか?」

……保健室で僕がティルと呼んでたことをしっかり聞いていたらしい。

ティルフィングは俯いたまま、僕の背中に頭を預ける。

「恋人同士なら、ベッドで一緒に寝ても問題ないと思います」

「……いいの?」

顔は見えなかったけど、彼女の耳は真っ赤になっていた。

恥ずかしいのを堪えて、僕の為に言い出したことなのだろう。

ティルフィングは小さく、コクリと頷いた。

748ティルフィングと学園生活とマスターと:2020/03/01(日) 18:15:10

2人で寝るには、寮のベッドは狭かった。

背中合わせに寝転び、一緒に毛布を被る。

すぐ傍に、抱きしめられる距離にティルフィングはいる。

寝られる訳なんてなくて、そのまま半刻が過ぎる。

「……まだ起きてますか?」

「……うん」

「少し、お話をしてもいいですか……?」

「ん……」

少し不安そうな声色だった。

きっとこれから話そうとしてるのは、彼女にとって大事なことなのだろう。

「今日は、いろんなことがありましたよね。ロンギヌスに嫉妬して、レーヴァが駆けつけてくれて、マスターの恋人になって……」

「いろんな人に迷惑をかけて、助けて貰いました」

彼女の声は震えていた。

僕の背中に、彼女の手がソッと添えられる。

「痛い、ですよね」

「……もう殆ど痛みはひいてるよ」

「それでも、治療が間に合わなかったら……、マスターは」

ティルフィングは優しすぎる。

自分が傷つけたことに傷ついている。

こんな背中の痛みなんかよりも、ずっと深く。

「たった数時間ですけど、マスターの恋人として過ごした時間は凄く輝いてて……」

「こんなにアナタを傷つけたのに、私は幸せになってもいいんですか?」

でも、そんな彼女だからこそ。

「いいに決まってる」

「ティルの幸せが僕の幸せだ。だから一緒に幸せになろう」

返事はなかったけど、僕の気持ちはキチンと伝えることができたと思う。

ーーーありがとうございます。

背中ごしに呟いた彼女の言葉は、確かに僕の耳へ届いた。

749チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 02:51:01
チャレンジアロンちゃん17

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

エロース
「第1回!」

アフロディーテ
「愛してるゲーム大会!」

アロンダイト
「わー」(パチパチ)

マスター
「..........」

マスター
「エロースお前みたいなキャラに対してこんな感じのセリフを言うと嫌われるんだよなけどな言わせてくれ」

マスター
「なにいってんだ?てめえ?」

エロース
「マスターは感じてますよね?愛、不足してますよね?」

マスター
「愛が不足するのはノリと勢いと責任能力の低いやりまくってできちゃた婚をした人たちとかだよ」

エロース
「それに色んな人から愛してる愛してるって言われたいですよね?」

マスター
「いや好きな人から言われるだけで十分なんだけど」

エロース
「そう!マスターのように愛に飢えてる人たちのためにこの大会を開いたんです!」

マスター
「あ、俺の意見は全無視ね」

アフロディーテ
「それに言わぬが花と言いますが時には言葉として出るのも美しいのです」

マスター
「なんか俺を良い感じに言いくるめようとしてるけど納得しといてやるよ」

エロース
「さあ!大会の開始です!」

マスター
「はぁ.....」

マスターはどこか嫌な予感を感じるのであった

750チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 02:56:19
>>749
エロース
「さあ対戦表はこうなっています!」

1回戦

第1試合
マスターVSアバリス

第2試合
カシウスVSムラマサ

第3試合
アロンダイトVS梓弓

シード枠
スイハ

マスター
(なんか俺1戦目から死にそう....)

マスターはどこか遠い目をしてあることに気がついた

マスター
「俺エントリーしてないけど!?」

エロース
「勝手に決めて勝手に参加させました」

マスター
(この大会終わったら抗議しよう)

751チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:05:43
>>750
エロース
「さあ1回戦第1試合ファイト!」

アバリス
「そ、それではマスター行きますね」

マスター
「ど、どうぞ」

アバリス
「ふぅ〜」

アバリスは深呼吸をしてマスターを見て言った

アバリス
「愛してる」

マスター
「ゴフッ!」

エロース
「さあマスター口から血反吐を吐いた!」

マスター
(これはヤバい.....普段は積極的じゃなくてオドオドしてていつも一歩後ろにいるアバリスからの『愛してる』の言葉の破壊力はヤバい)

マスター
(一発は耐えれたから良いものの次食らったら死ぬぞ俺、嫌だよ愛してるゲームで死ぬとか....とりあえず俺の番で終わらせなければ俺が死ぬ!)

マスター
「い、行くぞアバリス」

アバリス
「はい」

マスター
「愛してる」

アバリス
(マスター「愛してる....愛してる....愛してる....」)

アバリスの頭の中でマスターの言葉がエコーがかかったように何回も流れた

アバリス
「キュー」

アバリスは顔を真っ赤にして倒れた

エロース
「第1試合勝者マスター!」

マスター
「やったー!」

マスター
(なにやってんだろう俺?)

752チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:12:53
>>751
エロース
「さあ続きまして第2試合ファイト!」

カシウス
「ムラマサ愛してる」

ムラマサも頭の中でカシウスの言葉がエコーがかかったように何回も流れた

ムラマサは顔を真っ赤にして倒れた

エロース
「第2試合勝者カシウス!」

カシウスは無言のまま上に腕を上げた

エロース
「さあそのまま第3試合もファイト!」

アロンダイト
「行きますよ梓弓」

梓弓
「どこからでも」

アロンダイト
「愛してる」

梓弓の脳内では今までない速度で変換が行われていた

梓弓
(愛してる→めちゃくちゃ好き→結婚しよう)

梓弓
「ブハッ!」

梓弓は興奮のあまり鼻から血を流して倒れた

アロンダイト
「梓弓!?」

エロース
「勝者アロンダイト!」

アロンダイト
「いやそれよりも梓弓が...」

マスター
「大丈夫いつものことだから」

753チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:16:07
>>752
アフロディーテ
「さあ盛り上がって来たところで第2回戦へと突入しました」

マスター
(もう帰って寝たくなってきた)

アフロディーテ
「対戦表はこのようになっています!」

第2回戦

第1試合
マスターVSカシウス

第2試合
アロンダイトVSスイハ

アフロディーテ
「それでは第1試合スタート!」

754チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:22:12
>>753
カシウス
「御館様、愛してる」

マスター
「グフッ!」

アフロディーテ
「おおっとマスターまたもや口から血が出てしまった」

マスター
(ヤバい.....アバリスとは違う破壊力があるいつもは感情とかが表に出てこないカシウスからの愛してるはこれはこれでえげつない破壊力が...またここで一発で決めないと俺は死ぬ!)

マスター
「あ、愛してる」

マスターは前の試合の謎ダメージと今回の試合の謎ダメージによって少し死にそうになりながら言った

カシウス
「ポッ///」

カシウスは顔が赤くなった

アフロディーテ
「勝者マスター!」

マスター
「わー」

マスター
(帰りたい....)

755チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:29:32
>>754
アフロディーテ
「さあ第2試合スタート」

アロンダイト
「行きますよスイハ」

スイハ
「ええ私なら余裕です」

アロンダイト
「愛してる」

スイハの脳内では今までない速度で変換が開始された

スイハ
(愛してる→今まで見守ってくれてありがとう→溢れる感謝→めちゃくちゃ好き→結婚しよう)

スイハ
「フバッ!」

スイハは鼻から血を流して倒れた

アロンダイト
「スイハ!」

アフロディーテ
「勝者アロンダイト!」

アロンダイト
「いやそれよりもスイハが」

マスター
「諦めろそれが運命だ」

756チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:38:58
>>755
エロース
「さあなんかトントン拍子で進んだ気がしますが決勝戦です!」

アフロディーテ
「きっと白熱したバトルが..」

マスター
「ギブ」

エロース・アフロディーテ
「え?」

マスター
「ギブ、ギブアップです」

マスターは本格的に命の危機を感じて棄権した

エロース・アフロディーテ
「.........」

場の空気は気まずい雰囲気が漂った

エロース
「優勝アロンダイト!」

アフロディーテ
「おめでとうございます!」

アロンダイト
「やったーーー!!!」

アロンダイト
「それで優勝は何がもらえるんですか?」

エロース
「名誉です」

アロンダイト
「やったー!マスター名誉を貰いました!」

愛してるゲーム優勝の名誉という実際もらってなんになるんだ?というものをもらってこんなにも喜ぶのはアロンだけなんだろうなと密かに思うマスターなのであった

757チャレンジアロンちゃん:2020/03/02(月) 03:43:09
飛ばされし17です
アロンの登場率が低い解決アロンちゃんも近々書こうかな?

758名無しさん:2020/03/02(月) 10:06:29
純愛系からギャグ次元の高低差が高すぎて耳キーンなるわ!
ティルさん…2人きり…何も起きないはずもなく…

アロンちゃんのマスターはよく頑張った…。

759名無しさん:2020/03/07(土) 03:14:15
解決アロンちゃん12

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

ロジェスティラ
「あの...マスター」

マスター
「ん?どうしたロジェ?」

ロジェスティラ
「マスターのおかげで前よりかは輪の中に入れるようにはなったんですが...」

マスター
「なったけどまだ遠慮してしまうってことかな?」

ロジェスティラ
「はい...マスターに背中を押させてもらったのにすみません」

マスター
「いやいやロジェは悪くないよそんな1,2回で克服できたら誰も苦労しないよ」

ロジェスティラ
「それで頼みがあるのですが...いいですか?」

マスター
「ロジェからの頼みとかめったにないからいいよ俺のできる範囲なら頑張ってみるよ」

ロジェスティラ
「あの...無遠慮で誰ともすぐに仲良くなろうとして輪の中に平気で飛び込めて誰であろうとも壁を作らずに接してくれるような人を教えてくれませんか?....ってマスター?」

マスターは頭を抱えて座り込んでいた

ロジェスティラ
「あのすみませんそんなに頭を抱えるほどの難しい頼みをしてしまって」

マスター
「いや違う違うんだロジェ心当たりはあるあるんだけど...俺じゃ責任がとれるかどうか...」

ロジェスティラ
「そ、それほど危険人物なんですか?」

マスター
「危険も危険だよあいつと関わったら最後性格を変えられ元々持っている病気がさらに悪化されひどいと勝手に身内にしてくるこの隊きっての危険キル姫そして本人無自覚!」

ロジェスティラ
「そ、それほど危険な方と接触するんですね」

マスター
「これを聞いた上で確認する本当に会うんだな?」

ロジェスティラ
「はい!覚悟はできてます」

マスター
「よし今はおそらくあそこにいるはずだから用心して行くんだぞ」

ロジェスティラ
「はい!」

ロジェスティラはマスターが指差した方に行くのであった

760解決アロンちゃん:2020/03/07(土) 03:29:26
>>759
ラグナロク
「..........」

アロンダイト
「........」

ラグナロクとアロンダイトは黙って見つめあっていた

ロジェスティラ
(この辺りを差してたはずだからこの二人の内どちらかのはず....だけど名前聞くの忘れてたから確認のしようがない)

ロジェスティラが悩んでいると二人は片方の腕を上げ拳と拳を当てた

ロジェスティラ
(もしかして....ステゴロ!?)

ロジェスティラ
(と、止めないと....)

アロンダイト
「私は今から賢き者になる...すなわち私は賢者になる賢者の拳は全てを砕くよって私はグーを出す!」

ロジェスティラ
(グーを出すってことは....なんだじゃんけんか....にしてもグーと宣言して心理戦に持ち込むなんてマスターの言ってた人はこの人じゃない?)

アロンダイト
「私のグーの拳でパーすら破壊して勝つ!そう範馬勇◯郎のように!」

ロジェスティラ
(????????????????)

ラグナロク
「ふっ笑わせてくれるわねあなたのようにたった3つの中でしか選ぶことしかできない愚かなルールに縛られし者とは私は違うのよ私はその3つ全てを超越した力であなたを粉砕して差し上げます」

ロジェスティラ
(これじゃんけんしようとしてるだけですよね!?)

ロジェスティラは二人のあまりにもぶっ飛んだセリフに混乱した

761解決アロンちゃん:2020/03/07(土) 03:52:18
>>760
アロン・ラグナ
「じゃんけん...ぽん!!」

アロンダイト:グー

ラグナロク:グーチョキパー

アロンダイト
「あーーーー!!賢者の拳がーー!範馬勇◯郎のようにはいかなかったーーー!!」

ラグナロク
「ふふこれが私とあなたの実力の差よ」

アロンダイト
「あーラグナロクすごいですねその発想はありませんでした」

ロジェスティラ
(え?それは普通にズルじゃ....)

ラグナロク
「それじゃあ勝ったから私の考えたセリフを言ってもらうわ」

アロンダイト
「わかりました...これですね」

アロンダイトはラグナロクからもらった紙を確認した

アロンダイト
「我が体の中に流れる光よ今こそ闇にその力を堕とし我が憎しみと怒りの炎に力を貸し放たれよ!」

アロンダイト
「インフィニティフレイムダークインフェルノ!!!!!」

アロンダイト
「........ラグナロク」

ラグナロク
「なに?」

アロンダイト
「これ.......カッコいいですね」

ラグナロク
「でしょ?」

ラグナロク
「それにしてもそこで覗いてるのは誰?」

ラグナロクはすかさず足元の枝を取って草むらに投げた

ロジェスティラ
「ふぇ!?」

ロジェスティラは急に枝が飛んできて驚いて立ち上がった

762解決アロンちゃん:2020/03/07(土) 04:05:30
>>761
ラグナロク
「あなたは...ロジェ....ロジェ....ロジェスフィア?」

ロジェスティラ
「あの...違います」

ラグナロク
「え?違うの?」

ロジェスティラ
「すみません私の名前覚えにくいですよね」

アロンダイト
「ロジェスティラじゃないですかどうかしましたか?」

ロジェスティラ
「え?あれ?私の名前...」

ラグナロク
「名前覚えてるの?」

アロンダイト
「そりゃあそうですよ仲間なんですから覚えてて当然です」

アロンダイト
「それでなにか用があるんですか?」

ロジェスティラ
「あの実は...」

ロジェスティラは事情を全て話した

ラグナロク
「それはアロンダイトのことじゃない?」

アロンダイト
「マスター私のこと無遠慮の無自覚女と思っているんですか!?全く失礼です」

ラグナロク
「そうね全く失礼な人ね」

ロジェスティラ
(多分怒るところはそこじゃないと思う)

アロンダイト
「ロジェスティラはそんな人にあってどうするつもりだったんですか?」

ロジェスティラ
「考えてませんでした....」

ラグナロク
「そうね....アロンダイトの1日に密着してみるのはどう?」

ロジェスティラ
「アロンダイトの1日ですか?」

アロンダイト
「ああいいですね説明するの苦手ですし」

ロジェスティラ
「よろしくお願いします」

アロンダイト
「はい、こちらこそお願いします」

763解決アロンちゃん:2020/03/07(土) 04:39:12
>>762
ロジェスティラはアロンダイトに1日に密着した

そして1日が終わった

アロンダイト
「どうでした?なにか学べましたか?」

ロジェスティラ
「う〜んよくわかりませんでした」

アロンダイト
「そうですか...なんの力になれなくてすみません」

ロジェスティラ
「いえためにはなりました」

アロンダイト
「そうですかそれなら良かったです」

ロジェスティラ
「積極的に話して行くべきと学びましたので」

アロンダイト
「そうですか....」

アロンダイト
(あれ?私って本来はこっちの正しかったのかな?それとも前の方?でも今の方が大事に守らなきゃいけない気が...!?)

アロンダイトはふとなにかの記憶が呼び起こされた

******

「またケンカしたの?」

見たことのないはずのでも懐かしい感じの女性からほほに絆創膏を貼られた

「だってまたあの子を省いたんだよ変な奴だからって言ってなんで?なんでみんな同じなのに省くようなことするの?」

記憶の少女はポロポロと涙を流した

「そうね...それが通じないのが残念ながら人なのでも×××みたいにそれに賛同してる大多数に対しておかしいって反感できるのも人なのだからあなたは分け隔てなく人と接するのよ」

「うん!」

「うんうんさすが我が最愛の娘頑張るのよ」

「うん私頑張るよ!」

*******

「ト....ロン...ト...ダイト....アロンダイト」

ロジェスティラ
「アロンダイト?」

アロンダイト
「!?」

アロンダイト
「はい!はい!どうかしましたか?」

ロジェスティラ
「いえ急にボーっとし始めたので」

アロンダイト
「ああすみません心配をかけてしまい」

ロジェスティラ
「大丈夫なら良いんですが」

アロンダイト
「はい大丈夫ですよ」

アロンダイトは笑顔にしていたが心の中ではキル姫ではない自分...遥か過去の自分について少し考えるのであった

764解決アロンちゃん:2020/03/07(土) 04:43:23
アロンの過去については興味あるけどおそらく言及はされないだろうな

765名無しさん:2020/03/07(土) 09:33:30
ロジェちゃんにもアロンの魔の手が忍びつつあった…
みんなの過去編は気になるけどまぁやらないやろなぁ…

766名無しさん:2020/03/07(土) 09:54:15
やらない可能性が高いならこっちが勝手にやって良いとポジティブ的解釈をする

767名無しさん:2020/03/09(月) 16:14:14
ロジェちゃんとやっていいとな!

768チャレンジアロンちゃん:2020/03/15(日) 21:34:02
チャレンジアロンちゃん19

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

アロンダイト
「マスター大変ですカシウス姉さんの誕生日プレゼントができてません」

マスター
「謝って後日渡すっていうのは?」

アロンダイト
「ダメですよやはり誕生日なんですから誕生日当日に渡すのが良いですよ」

マスター
「まあ言い分はわかるけど」

アロンダイト
「他の皆さんはなにを渡すんでしょう?」

マスター
「俺が聞いた限りだと.....」

******

アバリス
「カシウスが図書館で熱心に読んでいた本を二冊ほど」

アバリスはマスターに本を見せた

一冊目は『異世界転生したかと思ってたら実は冥界に落とされたしがない料理人の俺はどうしたらいい?』

二冊目は『疫病と熱病の区別がつかないから熱心に勉強してたらインフルにかかった人の話』

マスター
「すごい本を渡すんだな」

******

アルマス
「なんとなくガゼルのぬいぐるみよ」

*******

マスター
「それで俺はカシウスの獣刻がウロボロスだから蛇のぬいぐるみ」

アロンダイト
「冥界...疫病...熱病...ガゼルに...蛇....うっ...頭が」

マスター
「気のせいなのだわ」

769チャレンジアロンちゃん:2020/03/15(日) 21:46:50
>>768
アロンダイト
「もう思い付かないのでケーキを作りたいと思います!」

マスター
「ケーキの作り方とか知ってるのか?」

アロンダイト
「大丈夫ですよ前にイシューと一緒にケーキを作ってマスターにプレゼントしたんですから」

マスター
「あのえもいわれぬ味のケーキを作ったのお前らだったのか」

アロンダイト
「それじゃあ拳を奮って作ります!」

マスター
「奮うなら腕にしろ」

数時間後

アロンダイト
「出来ました!」

マスター
「これなにケーキ?」

大量の丸い物が円上に並んで上からクリームが塗られてあるケーキがあった

アロンダイト
「カシウス姉さんが団子好きなので団子ケーキです」

マスター
(うわ....)

アロンダイト
「さあ誕生日パーティーの開催ですよマスター」

マスター
(大丈夫かな)

マスターはとんでもない不安感に襲われるのであった

770チャレンジアロンちゃん:2020/03/15(日) 22:01:38
>>769
誕生日パーティーが始まりみんながカシウスにプレゼントを渡した

カシウス
「みんなありがとう」

アロンダイト
「カシウス姉さんプレゼントです!」

カシウス
「これは?」

アロンダイト
「団子ケーキです」

カシウス
「団子....ケーキ?」

カシウスが団子ケーキを一口食べた

カシウス
「うっ....お、美味しい....」

マスター
(うわカシウスこれ耐えてるよめちゃくちゃ耐えてる)

アロンダイト
「本当ですか!?」

アロンダイト
「どんどん食べてください!」

カシウス
「美味しい....美味しい....美味しい....」

マスター
(カシウス自己暗示しながら食ってるしすごい顔してるよつかカシウスのこんな表情できんのかよ)

マスターはチラッとアルマスの方を見た

マスター
(アルマスが驚愕な顔してるよ初めて見たというよりも見てはいけない物を見てしまった時の顔してるよ)

マスター
(ここは俺が止めなければ大変なことになるような気がする)

マスター
「カ、カシウスここで全部食べるともったいないから後で食べよう」

カシウス
「う...うん....」

マスター
「アロンあの....その.....ムラマサと一緒に買い物行ってきてほしいんだよ頼めるかな?」

アロンダイト
「はい良いですよ」

マスター
「それじゃあメモを渡すから買って来てなるべくじっくり時間かけて買い物してきて」

アロンダイト
「わかりました」

アロンダイトがどこかに行くのを確認すると残った全員でケーキを少し食べてみた

マスター
「うっ....まっず」

アルマス
「マスター、アロンダイトって料理できたはずよね?」

マスター
「アロンは料理はできるが...とんでもない化け物級の発想力があるんだ」

アルマス
「地獄ね」

マスター
「地獄だ」

次の日、隊のほぼ全員が謎の腹痛に悩まされるのであった

771名無し:2020/03/19(木) 00:39:47
大阪で1番の恥さらしな男、究極の汚れ、最低中の最低のゴキブリ男が書いた
ノンフィクション自叙伝
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中学2年時に覚醒剤を覚え、17歳から45歳まで【少年院1回、刑務所8回、合計20年】獄中生活を繰り返した男だったが、ある女性との出合いで生き方を180度変えて鉄の信念で、見事に更生した奇跡の一冊!!
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772リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/03/19(木) 21:57:37
ご無沙汰です
現在連載中のでぃすらぷ!ですが、申し分ないのですが今月一杯までお休みです
で、一気に4月に完結まで行こうと思っております
今ちょっと忙しいのと、二部の三国編は多少キャラが増えることもあって色々と頑張っております
お待たせしてすみませんが、4人と4体の物語、最後まで書き切りますのでどうかもう少しお付き合い下さいませ

現在の最新話>>660

773名無しさん:2020/03/19(木) 22:05:18
舞ってる

774名無しさん:2020/03/20(金) 18:52:06
>>770
カシウスのすごい顔が想像つかねぇ!
これは長女もピンチか…!?

775名無しさん:2020/03/26(木) 00:26:30
続きをお待ちしています

776名無しさん:2020/03/26(木) 08:48:46
待ってますね

777教えて!りさなうとせんせー!:2020/03/27(金) 16:55:46

リサナウト好きのマスターの皆さん、こんにちは!
萌えスレでも案内させて貰いましたが、こちらでも宣伝させてください。
リサナウトがファンキルのことについて教える動画を作りました!
下記URLから飛ぶかYouTubeで「りさなうとせんせー」と検索をかけて貰えれば見つかると思いますので良ければ見ていってください!


教えて!りさなうとせんせー! https://www.youtube.com/watch?v=ZTkhCh7h2_A

778名無しさん:2020/03/27(金) 18:37:40
>>777
エピローグシリーズの先生じゃないですか…!
正直ロウギアカオスギア分かんなくて投げてた所あるからめっちゃ分かりやすくて助かる!
動画も見やすくてよかった!

779教えて!りさなうとせんせー!:2020/03/27(金) 21:39:16
>>778さん、ありがとうございます!
動画投稿が初の試みだったので、そう言って頂けて嬉しいです!
これとは他にオーバーキラーズや育成関連のことも
動画にして上げようと思っているので、その時はまた見て頂ければ嬉しいです。

780名無しさん:2020/03/27(金) 22:50:08
最近なかなか続き物じゃないSSこないなあ

781名無しさん:2020/03/27(金) 23:25:25
俺の考えだけど単発がなかなか出ない原因は
①1から設定やらなんやら考えないといけない
例えばアルマスのSSを書くとしてもどういう関係なのか(例:恋人とかキル姫とマスターとかもろもろ)それに最初の距離感のあるアルマスなのか最後辺りのデレてるアルマスなのか
②どういうストーリーにするか
まあこれは人によるすっごいストーリー練って書いてる人もいれば勢いだけで書いてる人もいるだろう
③書くのにかける時間とやる気や気力
俺の思う一番の原因はこれだと思ってる単発は続き物と違ってやっぱり長くなってしまうからやる気が出ないとなかなか書けないと思うそれに書ききるまでも相当大変と思う
まあSSを書かない俺の思ってる原因を上げてみたもしかしたら別の要因があるかもしれないしどこか間違ってるかもしれない
まあこの問題は気長に待つか待てないほどなら自分で書いてみるっていう二択かなぁ

782名無しさん:2020/03/27(金) 23:27:00
皆こんなのが読みたいとかない?
意見が出れば書き手さんも創作しやすいきゃもよ!
とりまおいらは以前の探偵イシューみたいに読者参加型の作品希望しゃす

783名無しさん:2020/03/29(日) 01:34:35
うーん見てみたいSSか....
そうだな俺は素直になりたいけどキラーズのせいで毒舌になってしまいなかなか素直になれないフラベルムとそんな彼女の毒舌によってMに目覚めてしまったけど彼女の素直な言葉を聞きたいとも思ってしまうマスターとの関係が発展しそうでなかなかしないそんな絶妙な距離感の二人のSSが見てみたい

784名無しさん:2020/03/29(日) 09:16:38
>>783
なんかこじらせてるなおいwww

785フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:30:03
初めて会ったときの印象は良くなかった。

軟弱な体に低すぎる物腰。

こんな下賤な者とキラーズが共鳴したことを当時は嘆いていた。

隊の皆は彼を「優しい」と口を揃えて評価していたが、私には到底認めることが出来なかった。

自分がのし上がる為に周りへ媚びへつらう豚共と同じだと、そう決めつけていた。

彼の隊に入って一月が経った頃に、その評価はひっくり返る。

キラーズの影響で毒舌となっている私は、思ってもいない台詞を吐き、隊で孤立していった。

その辛さに堪えられなかった私は、人目につかない場所へ逃げ込みしゃがみ込んだ。

ーーーどうしたの?

マスターに声を掛けられる。

立場上は主人にあたるとはいえ、下に見ていた者に同情されたことが悔しくて差し伸べられた手を拒んでしまう。

ーーーあなたの様な下賤な者と交わす言葉など、わたくしは持ち合わせていません。

ーーーそっか。

彼はそれきり、私に話かけなかった。でも、

私の手を握り、ずっと傍に居てくれた。

786フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:30:56

マスターの隊に入って数ヶ月。

今では隊にすっかり馴染めている。

マスターの様子を見に行くと、隊の子と楽しそうに談笑していた。

自分も混ざろうと輪の中に入り、彼に微笑む。

「アナタは盛りのついた犬か何かなの?いえ、それでは犬に失礼かしら?残念ながらアナタと並び立つ罵詈雑言をわたくしは知らないわ」

女の子とイチャつくマスターの姿に、反射で毒舌を吐いていた。

「あ、うん……、犬と比べられるなんて、中々ないよね」

「あらあら、どうしてニヤけているのかしら?……あぁ、変態さんにはこの評価ですらご褒美なのですね」

私の罵詈雑言にマスターは平然としているが、周りは唖然としている。

……いけない。皆に引かれている。

コホンと咳払いをし、持ち直そうとして……

「こうして君と話せるなら、確かにご褒美かな」

「ぁ、なっ……!?」

マスターは人前でも平気でこんなことを言う。

羞恥で頬が紅く染まっていくのを感じた。

「これは躾け直す必要がありますね……。こっちへ来なさい」

彼の手を取り、他所へと引っ張っていく。

周りの皆は、苦笑いをしながら私達をその場で見送った。

787フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:32:10

二人きりになり、周りの目がなくなった所で、彼を冷ややかに蔑む。

「アナタの辞書に恥という言葉はないのですか?分かりきったことを聞くわたくしの方が失礼だったかしら?」

違う、本当はそんなことがいいたいわけじゃない。

他の娘達じゃなくて、もっと私を見てほしい。

傍に居てほしい。

「恥、かぁ……。君とこうしていられるなら、恥知らずでも構わないよ」

繋いだままの私の手を、彼は少しだけ強く握ってくる。

「いつまで触れているつもりですか。さっさと離しなさい、イヤらしい……」

「僕からは離すつもりはないよ」

私の手を握る強さが緩められる。

「でも、まだこうしていたいな」

「汚らわしい。さっさと離して、己の罪を悔いなさい」

「うん……」

素直になれない自分に嫌気が差す。

でも、私が彼の手を振り解くことはなくて、

彼もまた繫いだ手を離さなかった。

その心地良さに、今日もまた溺れてしまう。

「好き」というたった2文字の言葉さえ伝えられないまま。

788フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:33:24

日が沈みきる前に、私達の隊はなんとか街に着いた。

今夜はこの街で宿をとることになる。

就寝までの間の自由行動、展望台で星を眺める。

「中々、難しいですわね……」

ここ数ヶ月の自分は、ずっと彼に感情を振り回されている。

「いや、違いますね……、勝手にわたくしが空回っているだけ」

彼はいつだって私を受け入れてくれた。

どんなに突き放しても。

どんなに心無い言葉を浴びせようとも。

そんな彼を気づけば好きになり……。

「……」

好きになれたのに。

「素直、ですか……」

ポツリと呟いた言葉は虚空に消えていく。

「やっぱりここにいた」

「なっ…」

思いもしなかったマスターの登場にトクンと胸が跳ねた。

789フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:34:32

「あらマスター、ストーキングですか?せっかくの星空が台無しですね」

急いで平静を装ったけど、マスターは大して気にもせず私の隣に座った。

「隣に座ってもいいと許可した覚えはありませんよ」

「はは…、それじゃ改めて、隣に座ってもいいかな?」

「ダメです」

ん、そっかぁ……と彼は残念そうに呟き、私の目の前で膝をついた。

真っ直ぐな視線が私の瞳を捉える。

少しずつ顔が熱くなってきた。

「……マスター、目が穢れます。どいてください」

「先に僕の話を聞いてくれたらね」

その話が真剣なものだと、彼の目が訴えている。

心臓が早鐘を打つ。

応えないと、と思って。

思っているのに。

「聞く義理はありません」

口から出た言葉は真逆のものだった。

どこまでも変われない自分が堪らなく悔しくて、唇を噛んで俯いた。

790フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:35:24

「フラベルム」

優しい手付きで、マスターに頭を撫でられる。

「あなたは、馬鹿なんですか……?」

「ううん、見ての通りだよ。僕は、君に何を言われても嬉しい……。いや、君の傍に居られるのが幸せなんだ」

こんな私でも彼は受け入れてくれる。

それが例え、誰であろうと。

この心地良さが私をダメにする。

「知りませんでした……。マスターはマゾヒストだったんですね」

「誰にでもって訳ではないよ。こうしてなじられても嬉しいと思えるのは君だけだ」

聞き間違いかと、思った。

「え?わたくし、だけ?」

顔を上げると、笑顔の彼と目が合った。

「フラベルムが何に悩んでるか分かってるつもりだから、そのままで聞いてほしい。……別に今のままでいいんじゃないかな?」

「良く、ありません。何を言って……」

「入ったばかりの頃と違って、皆がありのままの君を受け入れてる。表面上の言葉だけじゃなくて、本当の君自身を」

卑怯だ。

マスターはいつも私を甘やかす。

「それでも伝えたい言葉があったとして、マスターがわたくしの立場だったらどうするつもりですか?」

「言葉じゃなくても想いはきっと伝わるよ。それでも君の気がすまないなら……。君が素直に気持ちを伝えられない分は、僕が言葉をつくすよ」

本当に。

「フラベルム、好きだよ」

本当に、ズルい人だ。

告白の返事は出来なかった。

思ってもいない罵詈雑言が出てしまうかもしれないし、

何よりもあなたがそのままの私でいてもいいと言ってくれたから。

ーーー言葉じゃなくても想いはきっと伝わるよ。

彼の唇にソッと自分の唇を重ねる。

こんなにも簡単なことだったんだ。

「ふふっ、責任を取って貰いますからね」

頬が緩み、笑みが零れる。

星空はどこまでも澄んでいた。

791フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:36:51

宿までの帰り道を彼と共にする。

「あらあら、猿でも分かるようなことが何で分からないのか、理解に苦しみますね」

「そ、そうかな?そんなに僕はダメかな?」

「嬉しそうにして…、変態マゾヒストは手に負えませんね」

彼と街を歩いていると破局寸前だとか変態カップルだとか、色んなことを囁かれた。

でも、構わない。

交わす言葉に正直あまり意味なんてなくて、想い合っていることは互いに理解しているから。

「マスター(主人)というなら、せめて淑女のエスコートくらい覚えるべきですよ」

「うん、僕で良ければ」

辛辣な言葉とは裏腹に、寄り添い合う2人の手はしっかりと繋がれていた。

792フラベルム real me:2020/03/29(日) 14:43:34
>>783さんの書き込みを見て、キャラクエを確認したらフラベルムの可愛さに気づけました。

個人的には海上編の破壊力(可愛さ的での)がとんでもないです。

彼女の可愛さが1mmでも伝わったら嬉しいです!

>>783さん、シチュエーションが細かすぎて妄想捗りましたありがとうございますフラベルム大好き。

短いですが、見てくださった方ありがとうございます!

793名無しさん:2020/03/29(日) 14:54:22
フラベルム良いよね
俺も海上編でフラベルマーになったわ

794名無しさん:2020/03/30(月) 08:34:26
ついにきたか

795名無しさん:2020/03/30(月) 09:32:19
783も細かなシチュ提供もすげぇけど
それを形にする785もすげぇ!

796名無しさん:2020/03/30(月) 09:53:41
こういうのでいいんだよこういうので

797解決アロンちゃん:2020/04/01(水) 02:16:07
解決アロンちゃん12

これはアロンダイトの疑問を解決したりしなかったりアロンダイトが人の悩みを解決したりしなかったりするものです

アロンダイト
「マスター」

マスター
「なにアロン?」

アロンダイト
「私はこの起きているのが現実なのかはたまた本当は寝ている際に見ている夢が現実なのかどっちが現実でどっちが夢か判断できるのか?と思いました」

アロンダイト
「どっちが現実と思います?」

マスター
「痛い方」

アロンダイト
「もしかしたら夢でも痛みを感じてるかもしれませんそれに夢での痛みを覚えてないだけかもしれません」

マスター
「そうなったら一生かけても終わらない議論が始まるけどそれでも良い?」

アロンダイト
「..............」

アロンダイト
「遠慮しときます」

798エイプリルフールアロンちゃん:2020/04/01(水) 02:28:31
エイプリルフールアロンちゃん

アロンダイト
「エイプリルフールということなのでなにかしらの嘘を言ってみたいのですが思いつきません!」

アロンダイトはエイプリルフールということでなにかしらの嘘をマスターにつこうとしたが思いつかず二人の姉(笑)に相談した

カシウス
「二人で考えて一人が言うのは?」

アロンダイト
「採用です」

アロンダイト
「それじゃあ、じゃんけんで決めましょう」

アバリス
「え?アロンダイトが言うんじゃないんですか?」

アロンダイト
「せっかくなので私たち三姉妹の中から決めようかと」

カシウス
「頑張る」

アバリス
「はぁーわかりました」

三人はじゃんけんの準備をした

カシウス
「最初は」

アバリス
「グー」

アロンダイト
「じゃんけん」

三人
「ポン!」

799エイプリルフールアロンちゃん:2020/04/01(水) 02:41:00
>>798
アバリス
「あ、あの....マスター」

マスター
「どうしたアバリス?」

アバリス
「その...できちゃった...みたいです」

マスター
「ん?できたってなにが?」

アバリス
「い、言わせるんですか?」

マスター
「いやだってなんのことかわからないから」

アバリス
「マ、マスターとわ、私の....赤ちゃん」

アバリスはゆっくりと優しく自分のお腹をさすった

マスター
「ふぇ!?」

レーヴァテイン
「マスターどういうことかしら?」

レーヴァテインがマスターの肩に手を置いた

マスター
「いやいや待って俺もどういうことか意味がわからないんだけど!」

アルマス
「マスターその言い逃れは絶あり得ないわ」

マスター
「いやいやいやいやあり得ないもなにもアバリスとはなんもしてない!」

ティルフィング
「レーヴァにアルマス一旦マスターの話を聞きましょう」

マスター
「ティル....俺の味方はお前だけだ」

ティルフィング
「ちゃんとことの経緯をじっくりはっきりとどういう気でやったのか聞きませんと」

マスター
「なんで俺がやった前提なの!?」

800エイプリルフールアロンちゃん:2020/04/01(水) 03:00:29
>>799
数分後

アロンダイト
「さてどういう風になったんでしょう?」

二人が見に行くとマスターは正座されていた

アバリスは状況が状況で嘘だということを言えずにいた

ティルフィング
「マスター白状しなさい」

マスター
「いや....だからティルさん私はなんにもしてないしやってません」

ティルフィング
「マスター私は別に責めてるのではありません」

ティルフィング
「ただなんでアバリスとやったのかを聞いてるだけです」

マスター
「だからやってないんだって!」

アロンダイト
「なんか大変なことになってますね」

カシウス
「修羅場」

アロンダイト
「これ説明しないといけない奴ですかね?」

カシウス
「たぶんしなきゃダメ」

アロンダイト
「そうですね...あの」

三人は全てを話した

マスター
「あのさ.....アロンが言うのはともかくアバリスが言うのはガチっぽいじゃんというかもうガチじゃん本気で信じるじゃんかよ」

アバリス
「すみませんマスター」

ティルフィング
「そうですよ下手したらマスターを殺っちゃてたかもしれませんよ」

マスター
「おお、エイプリルフールという軽い日に俺の命がかかってた」

アロンダイト
「マスターも大変ですね」

マスター
「誰のせいでこうなったと思ってんのかな?」

801エイプリルフールアロンちゃん:2020/04/01(水) 03:06:15
>>800
その後アロンダイトはこってりと叱られた

アロンダイト
「思いっきり叱られました」

カシウス
「本当にお姉ちゃんのお腹の中にお館様との赤ちゃんがいたらどうなるの?」

アロンダイト
「そうですね...マスターは姉さんと結婚して私たちの義兄さんになるんじゃないですかね?」

カシウス
「お館様がお兄ちゃん...」

*******

カシウス
「お兄ちゃん」

マスター
「おおよしよしカシウスお前は俺の自慢の妹だ」

*******

カシウス
「それは良いかも」

アロンダイト
「?」

何か変なことを思い付いたカシウスとカシウスの思い付いたことが全くわからないアロンダイトなのであった

802名無しさん:2020/04/01(水) 17:16:12
今なら合法でお兄ちゃんよびが出来るぞ!
あとアバリスの子は僕のです。

803783:2020/04/04(土) 00:15:04
>>792
すっごい遅レスですみません
とても良い物を読ませていただきました
誰も書いてはくれないだろうなと思って書き込んだらまさか書いてくださるとは思っていなくてびっくりしました
本当にとても良い物を読ませていただきましたありがとうございます

804リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/04/05(日) 09:53:45
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第11話「侵入者」

私が朝の支度をすませて部屋を出ると、何やら3人が揉めていた。

「……どうしたの?」
「レーヴァ、おはよう。聞いて!ヘレナが…!」

すごい勢いで話そうとするソロモンを押さえて、ヘレナが歩み寄る。

「やあレーヴァ。さっそくだが…この間のデートの権利を使いたいんだ。いいかい?今日は急過ぎるだろうから…明日あたりにでも」
「それは別にいいけど…だからソロモンとカリスも騒いでたの?」

むすっとしたソロモンが首を振る。

「違うわ…いつかは自分も同じ権利を使うんだもの。それ自体に文句は無いわ…問題は行き先よ!」

カリスも口を尖らせてつづく。

「しかも着いて行っちゃダメって言うの!レーヴァは良いって言ってくれるよね?ね?一緒に行きたいよぉ!」

私は頭を抱える…朝から揉め事なんて…勘弁して…

「なぁに、ちょっとケイオスリオンまで行きたいだけさ。ヘレナのラボにレーヴァを招待したくてね」
「だから危険よ!行き先を変えるか、私達も同行するか!でないと許可出来ない!」
「別にソロモンの許可は必要ないだろ?むしろ黙って出掛けずにきちんと2人に断りを入れたことを褒めて欲しいくらいだ。くふっ」
「ヘレナ、あんまり煽らないで……おっけ、ケイオスリオンに行ってもいいわ。できるだけ要望には応じたいし…でも2人の言い分も分かるでしょ?」
「……いいだろう、ソロモン達も一緒で構わないよ。けど、ラボの中まで来るのは遠慮してもらうぞ?あくまでレーヴァとヘレナのデートだからな。まぁ2人がデートをする時に邪魔をしてもいいと言うのなら別だが…くふっ」

その怪し気な笑みに、2人も渋々ながら了承せざるを得なかった。
あのヘレナに妨害されることを考えれば賢明な判断と言える…
かくして、翌日みんなでケイオスリオンへと向かう事になった。

朝食中も3人は旅路についてワイワイと意見を交わしている。
道中、距離を取るだの取らないだの…ケイオスリオンの外で待つか、ラボの側で待つかとか…正直、私にとってはどうでもよかった。
もっと切実な問題が生じたから…

(一応デートよね…?服、いつもの戦闘服じゃあんまりかな…ヘレナに確認するのも…なんかはりきってると思われるとムカつく……て言うか、別に浮かれてる訳じゃないし!)

結局その日は遅くまで寝付けなかった……

ーーーーーー

(で、結局いつも通りの服だし…)

私の悩みもなんのその、ヘレナは普段の衣装でデートへと出発した。
念のため、多少は着飾る準備をしていたのに……

「レーヴァ、どうかしたの?」

カリスが顔を覗き込んでくる。

「別に…大丈夫だから…」

そう、服なんて重要じゃない。うん、ちょっと残念とか思ってないし……
ケイオスリオンに到着すると、ヘレナの誘導で内部へと侵入する。
ヘレナいわく、「警備のルートを把握していれば案外入るのは簡単なもんさ。くふっ」とのこと。
その言葉通り、敵に見つかる事なく目的地まで移動出来た。

「さぁ、ここから先はヘレナとレーヴァの2人きりだ。ソロモンとカリスはここで待っていてくれ」
「…ヘレナ、もしレーヴァといい雰囲気になったらちゃんと呼ぶこと!邪魔はしないからせめて撮影させ…」
「じゃあ行ってくるぞ」
「ああぁん!」

嘆くソロモンを無視してさっさと歩き出す。

「まったく、ソロモンは自分の欲望に正直だな…羨ましいよ」
「ヘレナまでああならないで……身が持たないわ…」
「それはおもしろそうだな。レーヴァが弱ったところで堕としにかかれば……くふっ!」

やっぱり気が抜けない…

「さぁ、すぐそこだ。ゆっくり寛いでくれ」

ヘレナの示す先には小さな小屋が建っている。彼女がさまざまな研究を行っていた実験室。

「お邪魔します…」

扉を開け中を見回す。実験道具や薬品が並んでいる以外は至って普通の部屋だと思う。
ヘレナと2人きりなんてこれまで何度も経験しているのに、いざこうやって1つの空間になると緊張する…
ムーとニールも気を遣ってかこちらには介入せず、2人で話しているし…ちょっとくらい冷やかしてくれれば緊張もとけるのに…ムーのバカ…

「さて、拠点にある材料が減ってきていたから補充をしたかったんだ。いい機会だし、レーヴァにも色々と薬やらの説明をしたいところだが……」

ヘレナの眼差しが鋭くなる。そこでようやく私もその気配に気付いた。

「誰…!?」

武器を構え、気配のする方へ向ける。ムーとニールも異変を察してすぐさま臨戦態勢に入る。
物陰からゆっくりと姿を現したのは意外な人物だった。

「識別系統、B・〇八…オーダーキラーズが一人、名はムラマサ・獣刻・ヤマタノオロチ…!よくぞ参った、ディスラプターズ!」

私とヘレナは顔を見合わせる。どうして……

「……誰も来ないかと思った…グスン」

つづく

805アバリスの誕生日:2020/04/07(火) 20:20:39
マスター「はぁー」

マスターは大きなため息をついた

なぜなら今日は好きなあの娘....アバリスの誕生日なのだが今の今まで誕生日プレゼントが決まっていなかったのである

マスター(うーんネックレスも綺麗で良いけど指輪も良さそう...でも変に重いとか思われないか?...いやでも彼女がそんなこと考えるはずが...いやでも...)

マスター「ああ!もう!」

マスターは悩みに悩んでいるとアバリスが部屋に入ってきた

アバリス「マスター大きい声を出されていましたがどうかしましたか?」

マスター「あ...えっと...なんでもないよ心配かけてごめん」

アバリス「大丈夫なら良いですが...」

アバリスは部屋を出た

マスター「はぁ...彼女に心配かけるわ...誕生日プレゼントも決まらないわ...最低な奴だな...」

アバリスの誕生日会が始まる時間になったがマスターは誕生日プレゼントが決まってない気まずさと申し訳なさで参加できなかった

806アバリスの誕生日:2020/04/07(火) 20:44:04
>>805
マスター「はぁ...」

マスターはため息が止まらなかった

誕生日プレゼントも決まらなかった誕生日会にも参加しないそんな自分に嫌で嫌でたまらなかった

マスター「もう...なにやってんだよ俺は...」

マスターがベッドでうずくまっているとコンコンっとドアをノックする音が聞こえた

アバリス「マスター起きてますか?」

マスター「アバリス...起きてるよ」

マスターはアバリスに合わせる顔がないと思って布団を被っているとアバリスが声をかけてきた

アバリス「マスター布団から出てください」

マスター「..........」

アバリス「お願いします」

マスターは布団から出ると机の上に一切れのケーキが置いてあった

アバリス「マスターの分のケーキです」

マスター「残してくれてたのか...ありがとう」

アバリス「マスター私の誕生日を祝ってください」

マスター「今?」

アバリス「はい」

マスター「た、誕生日おめでとう」

アバリス「ありがとうございます」

マスター「そのごめん」

アバリス「なにがですか?」

マスター「アバリスの誕生日プレゼントが決まらなくてその申し訳なさで誕生日会にも参加せずに本当にごめん」

アバリス「誕生日プレゼントですか...それならいつももらってますしなんなら今ももらってます」

マスター「え?」

アバリス「私はマスターと一緒にいられるこの時間がとても嬉しいプレゼントです」

マスター「そ、それはアバリスが良いなら良いけど誕生日なんだからなんか特別なプレゼントをあげたいよ」

アバリス「それなら勝手ながら今もらいますね」

マスター「え?それってどういう....!?」

アバリスはマスターの唇に自分の唇を重ねた

アバリス「ふふ、ちょっと恥ずかしいですね」

マスターは口をパクパクさせることしかできなかった

アバリス「最高の誕生日プレゼントありがとうございます」

マスター「ど、どういたしまして」

その日の夜マスターは異常な興奮と体の熱さで眠れなかったのであった

807アバリスの誕生日:2020/04/07(火) 20:45:59
今日はアバリスの誕生日ということでアバリスの誕生日SSを書いたけどアバリスは本当に幸せにしてあげたいキャラだわ

808名無しさん:2020/04/07(火) 21:14:22
自分からプレゼントを貰いに行けるくらい主張ができる子になってくれるとは…
アバリスのような彼女が欲しい人生だった

809チャレンジアロンちゃん:2020/04/07(火) 23:23:41
チャレンジアロンちゃん20

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

アロンダイト
「カシウス姉さんその手を離してください!」

カシウス
「絶対離さないお姉ちゃんは私が守る」

アロンダイトの腕をカシウスががっちりと掴んでいた

マスター
「どうしたんだよ二人とも」

アロンダイト
「姉さんがケーキを作らせてくれないんです!」

カシウス
「アロンは前科があるし今回は青い色の物を揃えてるから嫌な未来が未来予知使わなくてもわかる」

マスター
「そりゃあアロンが悪い」

アロンダイト
「ええ!マスターもですか!?」

マスター
「アロン別のプレゼントないの?」

アロンダイト
「道端で拾った変わった石ならありましたが」

マスター
「そんな新しく寺建てたから土産持ってこいと言われて行ってる最中に土産持ってくるのを忘れてそこら辺の石や草を土産にした人の真似は止めろ」

アロンダイト
「でもこの石不思議なんです」

マスター
「どういう風に不思議なんだ」

アロンダイト
「なんかハッピーバースデー!って言いたくなる雰囲気が」

マスター
「どんな雰囲気だよ」

マスター
「ダメダメそんな無限を越え無欲にして果てしない欲望を持つ少しのお金と明日のパンツがあれば大丈夫とか言いそうな人が使ってたベルトに似た石なんてアバリス渡されたら困るだろ」

アロンダイト
「そうですね、それなら別の案にしましょう」

810チャレンジアロンちゃん:2020/04/07(火) 23:32:55
>>809
アロンダイト
「別の案にしようと思いましたが思いつきません」

カシウス
「お姉ちゃんって明確にあれが欲しいって物がない」

アロンダイト
「無欲ですね....やっぱり姉さんにはオー◯の素質が...」

マスター
「ねえから早く考えろ」

カシウス
「それならレーヴァテインはディ◯イド...」

マスター
「誰がなんのライダー素質があるかじゃなくてアバリスの誕生日プレゼントを考えろ」

アロンダイト
「そうだ!思いつきました!!」

アロンダイトはカシウスに耳打ちした

カシウス
「うん、それならお姉ちゃん喜ぶと思う」

マスター
「え?決まったの?まあカシウスが良いって言ってるなら良いものなんだろうな」

811チャレンジアロンちゃん:2020/04/07(火) 23:47:30
>>811
アロンダイト
「姉さん!」

カシウス
「お誕生日おめでとう」

アバリス
「ありがとうございます誰もなにも言わないので祝われないかと思ってました」

マスター
「まあアバリスいつも気配消えてるからね」

マスター
「はい、誕生日プレゼント」

マスターはアバリスにブローチをあげた

アバリス
「わぁありがとうございますマスター」

マスター
「ほら着けてあげる」

マスターはアバリスにブローチを着けてあげた

マスター
「うん自分で言うのもなんだけど似合ってるよ」

アバリス
「ありがとうございます」

カシウス
「私は手作りケーキ」

アバリス
「ありがとうカシウス後で皆さんで食べましょう」

アロンダイト
「私からはこれを」

アロンダイトは紙を渡した

アバリス
「いったいなんでしょう?あ、もしかして感謝の手紙でしょうか?」

アバリスが紙を見ると紙にはこう書いてあった

812チャレンジアロンちゃん:2020/04/08(水) 00:04:05
>>811
紙にはこう書いてあった

『マスターを3日好きにできる権利』

アバリス
「あの...これは?」

アロンダイト
「文字通りマスターを3日好きにできる権利です」

アロンダイト
「あ、三日間連続じゃなくても良いですよ」

マスター
「俺には人権がないのか?」

アバリス
「そ、そうですよ!マ、マスターにめ、迷惑がかかってしまいます!」

マスター
「嫌まあ世界が平和になったから暇な時は結構あるから良いけど」

アバリス
「い、良いんですか?」

マスター
「うんまあアロンの相手をよくしてくれてるし3日ぐらいなら良いよ」

アバリス
「え?え?でも....」

*******

悪魔のアバリス
「えへへその権利を使ってマスターと××××して××××して××××しまくってマスターを自分の物にすれば良いんだよそれに私は悪魔だ悪魔らしいことしようぜ」

天使のアバリス
「ダメですいくら自分が悪魔だからって悪魔全ての言葉を聞く必要はありませんそれに子どもが出来たら困るのはマスターです安全な日に××××しなさい」

******

アバリス
「なんでどっちもその意見になるんですか!!」

マスター
「その意見って?」

アバリス
「天使の私も悪魔の私もどっちもマスターと××××しろって.....あ」

マスター
「あ、うん、そう...なんか聞いてごめん」

******

悪魔のアバリス
「さすがに本人に聞かれるのは」

天使のアバリス
「めちゃくちゃ恥ずかしい!!」

*******

アバリス
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アバリスはどこかへと走って行った

アロンダイト
「あー姉さんーー」

カシウス
「お姉ちゃん待って」

二人はアバリスを追いかけて行った

マスター
「..........」

その日の夜

マスター
(アバリスもやっぱりそういうのに興味あるというか知ってたんだな....まあアバリスだって一人の人だしそりゃあねえ)

マスターは1人悶々として妙にムラムラしたのだった

813名無しさん:2020/04/08(水) 08:25:11
天使も悪魔も同じ結論にいくのワロタ
このむっつりスケベめ!好き!

814教えて!りさなうとせんせー!:2020/04/11(土) 10:26:06
リサナウト好きのマスターの皆さん、こんにちは!
リサナウトがファンキルのことについて教える動画第二弾を作りました!
※併せて第一弾の動画のセリフ間違いを修正して上げ直してます。
今回のテーマは「オーバーキラーズ」です。
下記URLから飛ぶかYouTubeで「りさなうとせんせー」と検索をかけて貰えれば見つかると思いますので良ければ見ていってください!

教えて!りさなうとせんせー!オーバーキラーズ編https://www.youtube.com/watch?v=Yx6SqFP8w60

教えて!りさなうとせんせー!神話霊装編(修正しました) https://www.youtube.com/watch?v=fTTf-EzzUdc

815お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:52:05
こんにちはみなさまいかがお過ごしでしょうか
少々気が早いのですがロンギヌス(ブラック)の誕生日絵と一緒にSSも描きました
とは言っても、こっちはブラックである彼女の物語です
お暇であれば読んでいただければ幸いです
ちなみに、ロンギヌスの誕生日絵は別でハッピー版を描くつもりです、この娘のものではないですが
この物語はハッピーなのかもしれないし、長い目を見ればベターなのかもしれないし、もしかしたらバッドエンドなのかもしれません
そこは読んでもらった人の解釈ということでお願いします(ちなみに私はハッピーも好きですがバッドも好きです)

816お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:53:49
今日は私の誕生日。
ロンギヌスという存在に上書きされたブラックキラーズの私が、誕生日を祝って貰えるなんて思わなかったけれど、いまのマスターは私を祝ってくれている。毎年、毎年。
私はみんなに認められて、マスターとみんながたくさん好きになった。
お陰様で顔色はよくなり、以前のような目の下にクマもなく、元から土気色だった肌は健康そのものになった。
それはとても嬉しいことだけれど、一つ困ったことがある。
1年を費やすごとに私はマスターのことが好きになっていった。
そして、それと比例するように血に宿す『嫉妬』も大きくなっていった。
誰かがマスターの傍にいると嫉妬してしまう。1年目は胸がもやもやする程度だった。
誰かがマスターと会話をしていると嫉妬してしまう。2年目は胸焼けするほど苦しかった。
誰かがマスターに視線を送る。3年をすぎて、嫉妬はいつしか破壊衝動を宿すようになっていた。

ああ、こんなにも愛しいマスター。私だけをみて欲しいーー嫉妬の心がそう囁く。

他のキル姫だって大切だ。傷つけたくない。

でも、駄目だ。心の茨がこんなにも私を雁字搦めにする。息をすることすら苦しいほどに。

だから戦いの時にその衝動を異俗にぶつけた。
ぶつけた。ぶつけてぶつけてぶつけてぶつけた。

ああ、心地いい。血が沸き喜ぶ。楽だ。こちらの方が万倍心地イインダ。ソウ、コッチノホウガーーー気付いたときには私は異族の亡骸を踏みつけ、血を浴びて嗤っていた。

817お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:54:36
今日はロンギヌスの誕生日だというのに彼女は部屋に引きこもっている。
午前中にロンギヌスは異族出現の報告を受けてマスターや他のキル姫と共に討伐にでかけていた。
いつもより異族の数が多かったというだけで、いつもの討伐任務と変わりはしなかった。
ただ一つ違ったのはロンギヌスだった。
今日は彼女の誕生日。キル姫のキラーズが最も活性化する日であったということ。
彼女の戦果は凄まじく、鬼気迫る姿は最早獣だった。
技ではなく力で敵を薙ぎ払い、引きちぎり、その生き血でシャワーを浴びる恍惚の表情はどこかキル姫たちの昔の姿を彷彿とさせた。
ロンギヌス大半の異族を全てその聖槍で食らいつくし赤く染めた。
彼女は誰も傷つけはしなかったが、正気に戻った彼女が自らの姿で傷付いたのは言うまでもない。

「狂気を抑えられなかったのは私が自分の血を制御仕切れてないから・・・・・・もう何度目かもわからない・・・・・・どう、して・・・・・・私、こんなにも弱い・・・・・・の・・・・・・」

ーー喉が渇いて掠れているのがわかる。喉が渇く。●が欲しい。
ーー涙が出そうになっているのに頬からはなにも伝わらない。ああ、渇く渇く。

「こんな醜い私なんて、誰にもみられたくない・・・」

ロンギヌスは返ってシャワーを浴びた時、自分の身体を鏡で見て絶句した。
彼女の肉体はマスターと出会う以前よりも酷いものになっていた。
目は充血し、目下にはクマが浮かび、血色の良かった肌は土気色になり、華奢な彼女の身体は僅かに腫れて膨れている。それはかつて身体中を蝕んでいた茨のような傷が復活し彼女の頬まで達していた。
喉は潰れているかのように以前の彼女の可愛らしい声はない。涙を流そうにも、もはやそれすら許されないのか瞳からは一滴の涙も出なかった。
似たことは起こったこともあるが、今回はもう数時間もこの状態だ。そんな状態の彼女が誰にもあえるはずもない。帰るときも、シャワーのときも隠れるようにして部屋に戻った。そして、他のキル姫が訪ねに来ても無視を続けた。
彼女を心配する娘の心を考えるとロンギヌスの呼吸がさらに息苦しくなるのを感じた。

「ロンギヌス、いるか?」

こんこんと控えめなノックと共にマスターの声がロンギヌスの耳に届く。
いま一番出会いたくない人の突然の訪問に驚き、彼女は軽く悲鳴のような声を漏らしてしまった。

「ロンギヌス!?大丈夫か!いま、悲鳴を上げなかったか?」
「・・・・・・だ、大丈夫で、す」
「本当にそうか?声が変だぞ、体調とか崩してないか?さっきロンギヌスが変だったって他の姫が言っていたが」

マスターは優しい声でロンギヌスに問いかけるが、大丈夫としか口にしなかった。

「そう、だったらいいんだが・・・今日はお前のお誕生日だぞ。体調が悪くないんだったらちゃんと顔を見せてくれ、心配なんだよ、そうされてると」
「ええ、私は大丈夫ですから、後でちゃんと出席させて貰いますね」

ロンギヌスは震える声を何とか抑えながら精一杯の虚勢をはって答える。
らしくもないロンギヌスの精一杯の嘘、どうかマスターに届いて欲しいと彼女は願いを神に祈る。

「むぅ、そうか・・・・・じゃあ」

だが神様は残酷だ。

「って帰るわけねーだろ!!」

いつだって彼女の祈りを聞き入れたことなどないのだから。

818お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:55:40
マスターはロンギヌスの自室の扉を蹴破って入ってきた。
ロンギヌスのマスターは結構このような無茶をする。その時は大抵緊急を要するときだけではあるが、当然勘違いして部屋に突入する時もある。彼は粗暴にみえてかなりの心配性だ。
マスターは本心でロンギヌスを心配して突入してたが、当の本人が望んでいるかは話が別だ。

「・・・・・・あー、そうか・・・そういう」

マスターはベットの上で布団にくるまっているロンギヌスを見て察したのか、目を閉じてバイブスの力を頭部に集中させた。

『もしもーし、グリこ〜いま暇〜?』
『は?なに?いまパーティの準備で忙しいんだけど?』
『悪いんだが至急、この室と周囲に結界貼ってくれ。あとここの状況を他のキル姫に、適当な説明を』
『なぁに?私に命令?・・・あとでアンタの分のケーキのイチゴ貰えるなら聞いてもいいわよ』
『それでいい。やってくれ〜』
『いいわ、即席でやってあげますわ。感謝することね』

マスターはグリモワールとの連絡を終えると私の元にゆっくり歩み寄ってきた。

「来ないで下さい、といっても来るんですよね」
「ああ、性分なんだ」
「本当にどうしようもない人だと思います」

胸に軋む想いを収めて、諦めてロンギヌスは被っていた布団をとった。

https://i.imgur.com/qchfIhK.png

「お前・・・」

基本的には何も動じないマスターが顔を僅かに顰める。無理もない。今朝見た彼女は健康そのもので見目麗しい姫だったのだから。ある程度予測しても、受け入れるには衝撃が強すぎる。
ロンギヌスはマスターのその表情に何を思ったのか、堪えるように歯軋りをした。

「醜い、でしょう。まるで昔の私を見てるみたいでって、昔の私の方がまだ人らしかったですよね」

ロンギヌスの顔が泣きそうに歪む。目からは何も流れない。

「いままではしばらくしたら戻っていましたよ、この症状は!この獣みたいな充血した目だって!みんなにいっぱい良くしてもらって褒めてもらった肌だって!消えかけてた茨のような傷だって!!」

涙のかわりに溢れる心の痛み。初めてかもしれないロンギヌスの叫びにマスターは沈黙する。

「もう何時間も戻らないんです!胸の疼きが収まらないんです!水なんて求めてないのに喉が渇いてるんです!どうしようもない胸の嫌な感じが私を支配して、それに引っ張られてあんな!あんな!!!!!」
「ーーーーッ」

ロンギヌスは片手をベッドに叩き付けようとしたが、マスターがそれを止めた。

「(冷てぇ。まるで死体の手だ)」

ほんの僅かに膨れた手から伝わるものは冷たさだった。彼女の手が冷たいのはもとからだが、まるで生物の体温を奪い尽くそうかというほどだった。
マスターは両手でロンギヌスの手を強く握った。

「なんでも言って良い。いまは俺とお前の二人だけだ。俺の相棒が気を利かせたからな、ここなら誰も聞いてない」
「・・・・・・」
「横に座るぞ」

ロンギヌスは何も言わないが、拒否もしない。
マスターはロンギヌスの隣に座って彼女が語り出すのを待った。

819お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:57:17
布団にくるまって体を隠すロンギヌスをマスターが眺めて10分ほどたったあと、ロンギヌスは口を開いた。

https://i.imgur.com/DkAGCSr.png

「マスターは、私が背負った業を覚えていますか?」
「嫉妬だろ」
「それが誰に向けられてるか・・・知ってますか」
「自惚れでなければ・・・・・・俺か?」
「・・・・・・(こくり)」
「あーそうか、そうか(フォルカスとも考えたが、まあないわな)」

嫉妬とは好意の裏返しで生まれる感情の一つだ。それを向けられていると思うとマスターはむず痒くなって鼻をかく。

「私がマスターを目で追うほどに私の嫉妬の血が私を蝕みました。誰かがマスターと話しているのが嫌でした。誰かがマスターに触れるのも、誰かがマスターの視線を独り占めしてるのも、みんなみんな嫌でした。そして、それに嫉妬する私自身も」
「・・・・・・」
「心がずきずき痛みました。その度に体が渇いて血が疼くんです。嫌なものはみんな壊してしまえばって、そう思う心に呑まれて・・・私ダメですね」

ロンギヌスは脚を抱えて顔を膝に埋める。その体は震えていた。
マスターは彼女の髪に触った。艶のあった髪はなく、指を通してしまえばって絡まってしまいそうだ。

「なあ、ロンギヌス・・・お前との出会い憶えてるか?」
「・・・・・・マスターとの出会い」
「あの時のお前は凄かったよな。幽鬼って表現が似合うほど、鮮烈で、苛烈で、激的だった」
「・・・・・・正直、憶えてません。あの時の私は壊れかけていましたから」

ロンギヌスとマスターとの出会いはけっしていいものではなかった。
遠征を終えて帰還をしようとした時に出会い交戦した。マスターのいなかった彼女は傷だらけで、いったい何故存命ができているか不思議なほどだった。
亡霊。亡者。第一印象はまさにそれだった。それこそ、今日の彼女のように、ただ渇きと呻きを満たすだけの存在のようだったから、マスターは彼女を助けると決めた。
死闘の末に彼女を保護したが、彼女はまるで保護したての猫のように警戒心を剥き出しにし、人語すら交いすることもなかった。
マスターは隊のキル姫に彼女を保護し続けることを何度か反対された。それもそうだ。暴走したキル姫を救う手などないことは彼が一番よく理解している。ただ、ロンギヌスとバイブスが繋がった時に、彼女が手遅れでないと知ってしまったから助けなければいけなくなってしまったのだ。
何故そこまでしてしまったのか、マスターはその胸中を一番古参のグリモワールにすら話していない。グリモワール自身には見透かされているようではあったが。

「マスターと他のキル姫の献身的な介護の結果、私は私を取り戻しました。以前の記憶はなくなってしまいましたが」
「そうだな〜、本当にみんなには苦労をかけたよ」
「そのことについては感謝をしても、したりません。でも、どうして・・・」
「どうして、俺がロンギヌスを助けたか?」
「・・・はい。マスターと出会わなければ、おそらく数刻もしないうちに消滅していました。そうすれば、こんな、嫉妬にまみれた穢らわしい私で苦労することもなかったのに」

ロンギヌスは布団を被さり、さらに体をぎゅっと縮めて丸まった。
布団越しでは表情は見えないし、涙もおそらく流れないだろう。けれど彼女は泣いていた。

「なあ、グリモと話すのは楽しいか?」
「・・・・・・楽しいです」
「俺もだ。特に表情がころころ変わるのが見てて楽しい」

ロンギヌスの胸がちくりと痛む。

「なあ、アスクのお説教は鬱陶しいか?」
「・・・・・・そんなことは、ないです」
「そうだよな、アスクはいっつも人のためにお説教だ。その優しさにいつも助けられてる」

ロンギヌスの胸がズギズギと苦しくなっていく。

「なあ、フォルカスの生真面目なところは苦手か?」
「・・・・・・別に」
「俺は大雑把なところがあるからなぁ、フォルカの生真面目さぐらいが俺には丁度良い」

ロンギヌスの胸の痛みがまして、●が欲しい衝動が抑えられなくなってゆく。

「なあ、ロンギヌス・・・お前は自分のことが好きか?」
「・・・嫌いです」
「そうか、俺は・・・お前のことが好きだぞ」
「・・・・・・・・・・え?」

むかむかして吐きそうになっていた胸の痛みが少しだけ和らぐ。
彼女は僅かに顔を上げてマスターを見上げると、頬を赤くさせて照れくさそうにしてる愛しい人が目に映った。

820お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:58:02
「言っておくが、キル姫として好きなんじゃないぞ!一人の女性として好きなんだ。まあ、初めは一目惚れに近かったんだけど」
「ありえません。そんなこと・・・」
「信じられないかもしれないが、本当だぞ」
「初めの出会いは最悪で、最初からみなさんに迷惑をかけてましたよ」
「出会いが最悪なのはお互い様だな。俺なんか毎日迷惑をかけてるぞ、いまとかまさに」
「私は根暗で内気で嫉妬深くいですよ・・・それこそ、好きな人に近づく人を殺そうと思うほどに」
「俺なんか考えなしでデリカシーもなくて・・・それに、俺だって嫉妬深いぞ。好きになった人を誕生日の日だけでも独り占めしたいぐらいには」
「わた、しは・・・わたし、は・・・・・ぁ」

マスターの手がそっと私の背中に触れられる。
あったかくて大きい手。それにゆっくりとゆっくりと背中を撫でられると、私の苦しみが少しずつ和らいでいく。

「お前が誰かに嫉妬深いなんて知ってる。宿業で苦しんでることも。全部見てきたし」

マスターは今度は私の頭を撫でる。子をあやすように優しく。

「お前の良いところもいっぱい知ってるぞ。戦いが嫌いなのに、最前線で1番戦ってくれるのは仲間の負担を減らそうするためだったり、ほんとは一人が良いけど頑張ってみんなに会わせてくれたこととか、俺にいっぱい嫉妬してくれるところとか。嫉妬は男冥利に尽きるんだぜ、だってそれって愛しいって気持ちの裏返しだって俺は思うし」

どうしてマスターはこんなにも優しいんだろう。こんな私を好きになっても良いことはないのに。

「これからもいっぱい教えて欲しいんだ。お前全部を知ってもっと好きになりたい」

どうして私はこんなにも嬉しいのだろう。早鐘を打つ心臓に、さっきまでの嫌な苦しさはない。

「お前が自分のことが嫌いならお前を好きな理由を毎日でも言う。お前が嫉妬深いなら、俺が何度だって好きだって伝えるさ」

どうして私の頬に熱い雫が伝わっているんだろう。目から溢れ出る涙は止まらない。

「それでいいなら、これを受け取って欲しい。本当は誕生日パーティあとにでも渡そうと思ってたけど」

視界が涙で歪みながらも、マスターからさしだされたプレゼントを受け取った。

「こ、れは・・・?」
「それは名前を彫り込むペンダントだ。国によってはそれに大切な人の名前を彫り込んでプレゼントしたりするらしい」
「でも、私に・・・名前、なんて・・・・・」

記憶のない私は以前の私と他人同然だ。昔の真名なんて思い出せない。

「前から決めてたんだ。もしお前と両想いにでもなったら、ロンギヌスって呼び方じゃなんか寂しいってさ。それにお前も言ってただろ?お前のはあくまでもロンギヌスの誕生日で、私個人としては実感がわかないって・・・・・・だから、今日が『お前の誕生日』になるように」

私は彼の言葉を聞いて、袖で溢れ出る涙を拭って、ペンダントをよく見る。
そこにはミントと、名が掘られていた。

「ミント・・・これって」
「花言葉の意味は色々あるけど、お前に送る意味は、口に出すのも恥ずかしい・・・『永遠の愛』」
「永遠の、愛」
「お前が永遠に嫉妬に苦しむっていうんなら、俺が永遠に愛を伝える。そして、それが伝わっていて欲しいっていう、俺の願いでもある。・・・・・・受け取ってくれるか?」

目から涙が再び溢れ出す。流れた水滴を得た花のように、私の渇きが癒えていく。
私はタブレットをぎゅっと両手で包み込んだ。彼の愛情を逃がさないように、その思い出を二度と忘れないように胸に刻みこむ。

「ます、・・・・・・マスター!!!」
「おわ!?」

私はマスターの胸に思わず飛び込んだ。もう心を止める茨も敷居も何もなかった。
こんなにも素敵なプレゼントをしてくれた愛しいマスターを感じたい、それだけだった。

821お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 17:59:34
私はブラックキラーズの一人にして、かつて多くの命を奪ってきました。
記憶のない私だけれど、その罪が消えたとは一日だって思ってはいません。
だから私の日課は祈りと懺悔で、それをしなければ一日を始めないと決めています。
こんな私が許されて良いのでしょうか?と何度も自問自答しました。
許しを請うても誰も許してくれない。何故なら、神はいつだって私を救っては下さらなかった。
でも、彼は私に償うチャンスをくれました。
彼は私に幸せになっても良いと言ってくれました。
仲間はいつだって、迷子になる私に手を差し伸べて道を示してくれました。
だから私はもう、神へ祈ることも懺悔することもやめにします。
祈るのは仲間のために、そしてまだ見ぬ救われない誰かのために。そして愛しい彼の人の安念を。
新しく生まれかわった私(ミント)は、また私の誕生日を祝福して貰えるように生きていきます。
それこそが、ブラックロンギヌスとして受け入れてくれた彼にたいしての恩返しで、私が伝えられる愛だと思うから。
愛しています。いつまでも、永遠に貴方の愛を感じてーー

『私の誕生日』〜fin.〜

https://i.imgur.com/r47IyUB.png

822お誕生日出張ブラック版:2020/04/11(土) 18:21:10
バッド版
https://i.imgur.com/XwlIBDa.png

823名無しさん:2020/04/11(土) 21:18:42
挿絵付きとは凄い豪華…とても愛に溢れてる作品でした

824名無しさん:2020/04/11(土) 21:31:39
>>815
ここに来てまさかの挿絵付きで来るとは恐れ入った!
月並みな感想ですまねぇが良きとしか言えねぇ
兎にも角にもロンギ愛を感じたぞ!
さりげなくグリモ他姫達の信頼関係も垣間見えるのもグレートだぜ…

825名無しさん:2020/04/11(土) 21:49:00
>>814
おつ!
オバキラを装備してる枠からユニット詳細行くのは知ってたけど
オバキラされてるユニットからオバキラ先ユニットに行けるのは知らなかったなぁ

826リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/04/12(日) 22:30:35
前話>>804
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第12話「荒ぶる妖刀」

色々と言いたい事はあるけれど、とりあえず一番の疑問を投げ掛ける。

「…えっと、何でここに居るのよ…ムラマサ」
「ふふん、知りたいか?」

見たところ戦意は感じられない。私達を待っていたような口ぶりだったけど…

「レーヴァ、今なら2対1でこっちが有利だ。どうする?」
「ここで騒ぎを起こすのは面倒ね……何か訳ありなんでしょ。話して、ムラマサ」
「……賢明な判断だな。では用件を訊いてもらおう!と、その前に…」

彼女が何か言い掛けると同時に…

きゅるるるっ…

「……」
「……」
「……何か食べる物はないだろうか…丸一日食事をとっておらぬのだ…」

本当に何しに来たのよ…

ーーーーーー
ヘレナが実験で部屋にこもる時のために備蓄しておいた非常食を食べながら、ムラマサはここまでの経緯を話し出した。

「まず、現段階においては交戦の意思はない。だがそちらの返答次第ではその限りでは無いことも伝えておこう。さて、本題だ。トレイセーマの小さな集落ではこの時期、そこそこの規模で祭りが開かれる。まあ警戒する程では無いのだが、万が一反乱を企てる輩が祭りに乗じて集結せぬよう、姉上と共に警備を買って出ることにした。決してそれを口実に一緒に祭りを楽しもうなどとは考えておらぬからな?その祭りを間近に控え、拙者はわくわ…おほん……段取りの確認のため姉上に伺った。『祭り当日、予定に問題はありませんか?』と…するとどうだ…!姉上はその日、別の任務を受けておられたのだ!拙者に断りもなく!いや、それ以前に拙者との予定を反故にしたことが大問題だ!拙者は…私は…あんなに楽しみにしてたのにいぃぃ!!お姉ちゃんの馬鹿ぁぁ!」

うん、途中から分かってはいたけど…これ、訊くべきじゃ無かった……単純に関わりたくないと言う意味で…
ムラマサはなおもまくしたてる。

「どうしてと問う拙者に姉上はこう言われた。『其方なら一人で立派に務めを果たせよう』と!そうでは無い!そう言う話では無い!拙者一人で十分なのは百も承知!拙者は姉上と共に祭りを見て回りたかったのだぁ!」
「どんどん本音が漏れているな」
「変なスイッチが入ってるみたいだから刺激しないで…」

と言うか、ここに来た理由もまだ出てきていない…この話、まだ続くの?

「姉上の態度に憤慨した拙者は勢いに任せてトレイセーマを飛び出し、気が付くとケイオスリオンの側まで来ていた…さすがに引き返そうとしたのだが、そこでふと思い出したのだ。風の噂でケイオスリオンには怪しげな実験を好む斬ル姫が居ると!」
「それって……ヘレ…」
「パラケルススだろう。ヘレナの実験は怪しげなものではないからな。くふっ」

どちらだろうと構わないけど…何となくムラマサの目的は見えてきた気がする…

「ケイオスリオンに潜入してそれらしい施設を捜索し、ようやくここに辿り着いた次第。ただ、拙者には棚に並ぶ薬品が何なのか皆目見当もつかぬ。そこで部屋の主を待ち伏せし、その者に必要な種類を揃えさせる事にした。主が外部の者だったのは想定外だったが…お陰でひもじい思いをするはめに…」

ヘレナは途中から険しい表情で訊いている。勝手に小屋に入られたのだから分かるけど…何かひっかかる…

「……拙者は、拙者の望む物が手に入ったならば…きっと後悔するだろう…姉上の御心をねじ曲げてしまうのだから…それでも拙者は引く事は出来ぬ!その後悔も、その罪も、全て背負う覚悟は出来ている!」
「で、何を御所望かな?」

ヘレナの問いにムラマサは高らかに宣言した。

「惚れ薬だ…!惚れ薬を使い姉上を"めろめろ"にし、拙者との約束を果たして頂く!」

……何でこう、うちの皆もそうだけど…自分の欲に忠実な人ばっかりなのよ…

「…奇遇だな。ヘレナも丁度その手の薬を調合するつもりだったんだ」

……え?

「真か!?では…!」
「条件は付けるが、それさえ飲めるなら譲っても良いぞ。くふっ」

私はすかさずヘレナを引き寄せる。

「ちょっと…!勝手に話を進めないで。せっかくケイオスリオンにはパラケルススも居るんだから、適当にそっちになすり付けて私達はすぐに離脱するわ」
「そうしたいが、結局はパラケルススの居所まで道案内させられるだけだろう。どちらにしたって面倒に巻き込まれるんだ。だったら……」

ヘレナの顔がこれでもかと言うくらい悪い笑みを浮かべた。

「だったら、このまま良いように遊ばせてもらうさ。レーヴァとのデートを邪魔してくれた分はしっかり償ってもらうぞ。くふっ」

……ご愁傷様。ヘレナを怒らせたのが運の尽き…
無邪気に喜んでいるムラマサを見て、心底同情した。

つづく

827名無しさん:2020/04/12(日) 22:39:29
ムラマサはお姉ちゃんと祭りに行けなくなった怒りからヘレナに惚れ薬を要求する。
デートの邪魔をされたヘレナから出された条件とは…

828名無しさん:2020/04/12(日) 22:44:20
よき

829名無しさん:2020/04/13(月) 00:25:45
欲望に忠実な仲間が惚れ薬つくるつもりだったと犯行を自白してるのに、ムラマサの心配とは…
レヴァは危機感が足りなさすぎる…

830名無しさん:2020/04/13(月) 15:16:05
>>829
無意識の内に犯され願望があるんだよ。じゃなきゃあんな誘う服装するわけがない

831リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/04/14(火) 20:50:43
前話>>826
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第13話「本当に信じるべきは」

静かな室内に薬を調合する音が響く。
取り残され私はただ黙ってその光景を眺めていた。
ムーが不安そうに寄って来る。

「なぁレヴァ、いいのか?」
「何よ…急に…」
「いや、本当にこのまま何も起きないとは思えないからよ…」

確かに…と言うか絶対起こると思う…

「もうそのつもりで対処するしかないでしょ。ニールは何か聞いて…」
「あいつなら少し前にヘレナの指示で出て行ったぜ?」
「?」

いつの間に…余計に不安になる…

「先ほどから何をこそこそと…少しは大人しく待てぬのか…」
「ムラマサ…」

ヘレナとは違い私には素っ気ない態度を取って来る。おそらくは…

「無茶したわね…マサムネ、心配してるんじゃない?」
「貴様が姉上を語るな…!」

まぁ、そうよね…あの日、マサムネの制止を振り切った私と気軽に話せる訳ないか…

「レヴァ…気にするなよ」
「大丈夫よ…」

ありがとう、ムー……

「そろそろ完成だ。ムラマサ、ちょっといいかい?」
「おお!待ちわびたぞ!かたじけない!」
「…レーヴァはそのまま待っていてくれ」

そして2人は向かい合う。その中心に小瓶がコトリと置かれた。

「これが完成した薬だぞ。効果は抜群だ。使う時は注意した方が良い」
「で、条件を出すと言う事だったな」
「なに、簡単な事さ。"受け取った薬は必ず飲ませること"だ」
「そのような事で良いのか?」

黙って居るつもりだったけれど、堪らず割って入る。

「ちょっと待って…ヘレナ、それ本当にムラマサの欲しがってる薬?」
「は?」

呆けるムラマサ。全く警戒していなかったのね…

「……さすがだなレーヴァ。と、言いたいけれど…本当に惚れ薬だぞ。レーヴァは用心深いなぁ。くふっ」
「ほ、本当であろうな?姉上が口にされるのだ…もし虚言ならば許さぬぞ!」
「疑うなら受け取らなければいい。薬はパラケルススにでも頼むんだな」
「うっ…か、構わぬ!貴様を信じよう!」

ムラマサは勢いよく小瓶を掴む。止める余裕は無かった…

「……契約成立だな。じゃあその薬をしっかりマサムネに飲ませるんだぞ?その劇薬を。くふっ」
「…今何と申した?」
「劇薬と言ったんだ。効果を最大にした惚れ薬だからな。飲んだら思考や感情の制御が効かなくなって、最終的には廃人のようになる。要するに"壊れてしまう"のさ」

何てことを…仕返しにしては完全にやり過ぎよ…

「な…!よくも…よくも拙者を謀ったな!」
「嘘は付いてないぞ?ちゃんと惚れ薬であることは確かなんだ。そっちの方こそ約束を破るのかい?」
「うぐうう…拙者は…このようなはずじゃ…!くっ…!」

約束を破ったマサムネを責めた手前、自分が同じように約束を破る訳にはいかない。でも危ない薬を飲ませる訳にもいかない…そんな葛藤がムラマサを襲う。

「ヘレナ…約束は果たす…だから…薬を作り直してくれ…!この通りだ!」

ムラマサはついには頭を床へとへばり付けようとする…
寸前でそれをヘレナが止めた。
額が付く直前にムラマサの体を抱き上げる。

「……いいかいムラマサ。ヘレナの側にとってもお人好しで危なっかしい人が居るんだ。ヘレナは噓憑きだからな…簡単に引っかかてくれて楽しい半面、罪悪感もある…でも、そんなヘレナを受け入れてくれるんだ。信じてくれるんだ…だからヘレナもその人を信じていられる。そう言うものだろう?」

びっくりするくらい優しい声音でムラマサをなだめる…

「ムラマサ、あなたはヘレナを信じると言ったけれど、相手が違う。あなたが真っ先に信じるべき人は誰だい?あなたが信じればきっと応えてくれるはずだぞ?だって、こんな場所にまで救いに来てくれるんだからな!」

ヘレナの言葉にハッとし、耳をかたむけた。丁度小屋の外で聞き覚えのある声が響く。

「ムラマサ!ムラマサ、無事か!?」
「お姉ちゃん…!」

その声にムラマサも気づき、扉へと向かう。

「ムラマサ、この薬は必要かい?」
「……いや、拙者が間違っていた。拙者と姉上の間にそのようなものは必要無い!」

扉が開きマサムネが姿を現す。
2人はしっかりとお互いを抱きしめ合う。
そんな二人を見つめるヘレナの表情は何処か満足そうだった。

つづく

832名無しさん:2020/04/14(火) 20:55:28
キューピッドヘレナ

833リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/04/15(水) 22:08:58
前話>>831
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第14話「妖刀(姉)の場合〜例のやり取りの真実〜」

困った…大事な約束がある日に…
いや、この任務ならば早く切り上げる事も可能だ。
ムラマサもそれまでは一人で大丈夫だろう。
何せトレイセーマを守護するオーダーキラーズ。
たかが祭りの警備など、赤子の手を捻るようなもの。

拙者はその場で任務を受諾した。

しかしどう切り出したものか…祭りの日取りはそう遠く無い。早めにムラマサに伝えねばならぬ。
そう思っていた矢先、ムラマサの方からその件に関し、進言があった。

「姉上!例の祭りの事ですが、もう間近に控えています。当日、予定に変更はないでしょうか?拙者としては噂のお店は押さえておきたいところ…姉上もご希望があれば…」
「すまぬ、ムラマサ…その件なのだが、其方に預ける事になる」
「……へ?」
「間の悪いことに、別件が入ってな。共には回れぬ」
「そ、そんな……約束したでわありませんか!一緒に、祭りに向かうと…!」
「大切な任務だ。其方も分かっていよう。拙者達はオーダーキラーズ…国に尽くすべき立場なのだ。必要とされる時にその力を振るわずにいつ役立てる?」
「でも…よりによって…どうして!姉上は拙者との任務は大事ではないのですか!」
「ムラマサ、其方なら一人で立派に務めを果たせよう。なに、別件と言っても直ぐに片がつく…終わり次第ちゃんと合流…」
「お…お姉ちゃんのバカああぁぁぁぁ!!!」
「!!!」

瞬足で走り去るムラマサ…あまりの勢いに直ぐさま追うことが出来なかった…

「ムラマサ…」

明らかに最後まで話しを聞いていなかった…が…
軽い衝撃に目眩がする…拙者は判断を誤った…

「ムラマサ…ムラマサ…!」

トレイセーマ内を隈無く捜すも発見には至らず、アルテミスに許可を得て国外へと範囲を広げる。

そう…拙者はオーダーキラーズ…国を背負いし存在…しかし!

「それ以前に一人の姉だ!たった一人の妹を傷付けるとは…!不甲斐ない!」

任務を受けるにしても、もっと上手く立ち回る事は出来たはずだ。己の不器用さが口惜しい…



一晩かけるも手掛かりすら掴む事が出来ぬ…
すでに捜索の足はケイオスリオンの近辺まで及んでいる。

「居たわ!あそこよ!」
「さすがソロモンね!バッチリじゃじゃないの!」
「ふふっ、ニール、グラウと私に掛かれば導き出せな物は無いわ!」

突如、上空より声が聞こえた。

「貴様はディスラプターズ…!」

このような時に…!苛立ちばかりが募る。

「待ちなさい。今は一時休戦よ!信じるか信じないかは任せるけど、ムラマサがケイオスリオンの内部に居る。私達が安全に保護しているから迎えにきなさい」
「良かったわね。ヘレナの優しさに感謝するのね!」

ムラマサがケイオスリオンに…?しかもディスラプターズと共に?
俄には信じがたい。相手は各国に仇なす反逆者共…
だが、本能が告げている。
拙者は迷う事なく告げた。

「……案内いたせ!」

通されるままケイオスリオンを駆ける。今はムラマサの事だけを考えて進め!
やがて眼前に小さな小屋が現れた。

「あ、お帰りソロモン!」
「お待たせ、カリス。さぁマサムネ、ここよ。この中に居るわ」

ここは敵地…警戒すべきなのは明白。
それでも抑える事は無理だ。

「ムラマサ!ムラマサ、無事か!?」
「お姉ちゃん…!」

小屋から聞こえたその声に一気に安堵する。
ああ、良かった…

扉を開けはなち、その姿を確認する。
胸に飛び込んでくるムラマサをしっかりと抱きとめた。

すまぬ、ムラマサ…至らぬ姉を許してくれ…

つづく

834名無しさん:2020/04/15(水) 23:59:38
部屋に取り残されたムーとレヴァ
なにもおきないはずがなく…

835名無しさん:2020/04/16(木) 13:43:42
ティルフィングのプロフィールみてたら、野菜編だろうが趣味が〈デュリンの着せ替え〉なんだよね。
…それぞれの世界・時系列でその趣味にどう向き合ってるのか気にならない?

836名無しさん:2020/04/16(木) 16:43:52
>>835
野菜ティルだとドール勢お姉様と化し、ドルフィー規模のデュリンドールが飾られてたりとか

837名無しさん:2020/04/16(木) 19:30:03
野菜勢が拉致した一般ピープルの中から見た目が近い人をデュリン扱いしている野菜ティルとかいう怪電波

838名無しさん:2020/04/16(木) 19:49:49
>>836
ロスラグ世界でデュリン人形相手に死んだ目で着せ替えするティル…

839名無しさん:2020/04/16(木) 20:11:59
>>838
リルティルだからパッと見微笑ましいやつだ……

亜麻色ロングで童顔な一般女性が「はい……わたしデュリンです……チョコ大好きです……」とか虚ろな目で呟く方舟世界いい……

グリードさんもどうしてたのか
あと海上世界にはデュリンさんいなくなかったっけ

840名無しさん:2020/04/16(木) 20:57:09
天上:微笑ましい光景
学園:微笑ましい光景
ロスラグ:人形みながら思い出に浸る…事もできる
海上:人形好きなんだなー
野菜:アタマオカシイ

841名無しさん:2020/04/16(木) 21:20:33
その話題なんでssスレに投下したんやキャラ萌えスレで良くね?そう言うシチュの作品読みたいとかならわかるけどさ

842名無しさん:2020/04/17(金) 08:13:24
読んでみたかったんじゃね?

843リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/04/19(日) 21:23:31
前話>>833
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第15話「信頼と嫉妬と心地よさと」

「申し訳ありませんでした…」

結局マサムネに促される形で土下座をするムラマサ…
マサムネも深々と頭を下げた。

「愚妹が世話になったな。此度は我々姉妹の不甲斐なさゆえ……すまなかった。レーヴァテイン、其方に借りを作る事になろうとは…」
「……やめてよ…今回はヘレナが勝手にやったことだし。私は関係ないわ…」
「そうか…そう申すならば何も言うまい…」

まったく…今回はヘレナもどうして…

「全部ヘレナの思惑通り?」
「マサムネがケイオスリオンの近くに来ているかは賭けだったぞ。ニールに頼んでソロモンにも協力を仰ぎ、得意の分析で居場所を予想してもらったんだが…まぁ居なかったら居なかったで別の展開に移ればいいだけだからな」
「……例えば?」
「レーヴァがムラマサを乗せてトレイセーマに送ると言うのはどうだい?仲の良いムラマサと二人で里帰り。楽しそうだろう?くふっ」

拷問かしら……一切の会話が無く、かなり気まずい空気になるでしょ…

「さて、拙者達はそろそろ行く。次に会う時は…再び敵だ…!」
「分かってる…」

でも…このまま帰れば…

「すみません、姉上…帰ればおそらく処分は必至…」
「ああ、そうであろうな…」

調教機関エドゥー

最悪、二人はそこに送られる可能性もある……

「だがムラマサとならば、どんな処罰であろうと受け入れるつもりだ」
「姉上…拙者もです!拙者も姉上とならば…!」
「ああ、感動的な決意表明の最中に悪いんだが、大丈夫だと思うぞ?」

ヘレナが惚れ薬とは別の小瓶を振りながら告げる。

「ヘレナ達を捕らえて差し出すのが手っ取り早いが、あいにくそう言うわけにはいかないからな。代わりこれを十三議会の連中にわたすといい」
「その薬を?一体どのような…」
「『若返りの秘薬』さ。手土産には充分だろ?疑うならここでヘレナが飲んで見せてもいいぞ」

さすがに二人は躊躇う。明らかに怪しい…
けど、結論はすぐに出た。

「姉上、拙者は受け取ろうと思います」
「…うむ、異議は無い。この者を信じよう」

どうして信じたか…は、あえて聞かない。
小瓶を受け取ったムラマサはヘレナに微笑んだ。

「ありがとう、ヘレナ。知人がお人好しと言っていたな…拙者に言わせれば、お主も相当なお人好しだ!」
「ふふっ、どうかな?その知人に比べればヘレナなんてまだまださ。くふっ」

チラチラとこちらを見ながら……ああ、さっきの話しってやっぱり私のことだったのね…

「では、御免!」
「さらばだ!」

颯爽と二人は小屋を後にした。
ようやく落ち着ける…

「はぁ、せっかくのデートだったのにな…すっかり気分が削がれたよ」
「自業自得でしょ?さっさと追い出せばよかったのに」
「やけにムラマサには厳しいな。同じトレイセーマの斬ル姫だからって訳じゃないんだろ?」

………あのねぇ…

「……ずいぶん楽しそうにしてたじゃない……私をほったらかしにして…」
「もしかして…嫉妬かい?なんてな…くふっ」
「…………ふん」

わざとらしくプイッとそっぽを向く。

「…まったく、ムラマサの次はレーヴァがいじけるのか。悪かった…レーヴァ」

ヘレナはそっと私の頭に手を乗せる。そのままゆっくりと撫で始めた。

「何で慰められてるのよ…ムカつく…」
「次は邪魔が入らないようにしっかり手を打とう。今度こそ二人きりだ」
「次なんて無いし…一人一回だもん…」
「拗ねてるレーヴァも可愛いな。ふふっ」

こっちは怒ってるのに、嬉しそうに抱きしめてくる…何よ…

「安心してくれ。ヘレナが好きなのはレーヴァだけだぞ?」
「………知ってる」

いけないな…独占欲まで出てきたみたい…以前は皆が誰と話していても気にしなかったのに…

「ねぇ、ヘレナ…もうしばらくこうしていて…」
「…ああ、良いぞ…」

油断するとそのまま飲み込まれしまいそうな心地よさ…
でも、今だけは良いよね?まだデート中なんだから…

つづく

844名無しさん:2020/04/19(日) 23:01:14
よいぞ…

845名無しさん:2020/04/20(月) 02:06:54
こういうのでいいんだよって作品待ってるぜ

846名無しさん:2020/04/20(月) 21:54:32
レヴァ総受けあくしろよ

847マスター×学園ティル:2020/04/24(金) 10:33:11
指を切ったマスターが恋人のティルに保健室に連れられ、保健室の先生がいなかったら…、という妄想です。
めちゃくちゃ短い上に尻切れトンボですが、甘過ぎる2人の日常の一部をどうぞ。

848マスター×学園ティル:2020/04/24(金) 10:41:54

それは、指を切ったある日のこと。

ティルに保健室へ無理矢理連れられ、怪我の手当てをして貰っていた。

「えっと、絆創膏に……、消毒液は…、ない、ですね」

「ティル。そんなに大した怪我でもないし、絆創膏だけつければ別に…」

「ダメです!バイ菌が入ったままで絆創膏をしても意味はありませんから…」

ティルは消毒液を探すのをやめ、怪我をした僕の手を取って傷口を見つめた。

「絆創膏をつける前に、指、キレイにしますね……、あむ」

「て、ティル……?」

ティルは小さく口を開け、僕の指を咥える。

彼女の舌が傷口を舐めとっていった。

「ちゅ、ちゅぴ……、ちゅ、ちぅぅぅ……」

そのままティルは僕の指に吸い付いた。

彼女の口の中は暖かく、思わず彼女の唇を見つめてしまう。

「ちゅぅぅ、ちゅぷ……、マスター?きゃ!」

我慢できなかった。

ティルをベッドに押し倒し、覆い被さる。

「ティル、目を閉じて」

「だ、ダメです。もし誰か来たら……、んぅ!」

彼女の唇を無理やり奪う。

「ぷぁっ……、だ、ダメですってばぁ……、ん、ちゅ……、もぅ……」

ティルは僕の腕の中でもぞもぞと抵抗していたけど、少しすると諦めて僕を受け入れた。

「ちぅ、ちゅ……、マスターがこんなに強引だなんて思いませんでした」

「……ティルが僕をそうさせてるんだよ」

彼女の華奢な身体を抱き締める。

身体の隙間がなくなるくらいに強く、キツく。

ティルはそれに応えるように僕の背中に手を回して。

「マスター、好きです……」

「僕もだよ」

何度も唇を重ね合った。

互いに身体を押しつけ合い、ベッドがギシギシと音をたてる。

ティルの胸がぐにぐにと押し潰され、彼女の柔らかさを堪能した。

「ちゅ、ん……ふ……、マスター」

時折漏らすティルの艶やかな吐息に、惚けきったその表情に、もう僕は止まれずにいた。

「ティル、舌を出して」

「あ……、で、でも……」

彼女の目をまっすぐに見つめる。

ティルは頬を赤く染め、視線をさまよわせる。

「ん……」

逡巡した末に小さく口を開き、チロリと舌を出して目を閉じた。

「ティル……」

二人の舌先が触れ合うその直前。

「はぁ……、何してるの?」

レーヴァテインが溜め息をつきながらシャッとカーテンを開けた。

「「…………」」

静寂。

彼女の視界に映るのは、保健室のベッドの上で身体を重ね、舌を伸ばしあう僕等の姿だった。

気だるげにしていたレーヴァテインが無表情になっていく。

「…………おっけ」

レーヴァテインはカーテンをソッと戻し、保健室を出ていった。

終わり。

849名無しさん:2020/04/28(火) 15:38:01
甘ーい
甘いよティルさん
煮詰めたハチミツと黒蜜をぶっかけられた壇蜜くらい甘いよ

850名無しさん:2020/05/04(月) 01:18:01
リクエストなんですが未来捏造物なんですがピナーカとマスターが結婚していて子どももいる夫婦生活を書いてくださいお願いします

851ピナーカの夫婦生活:2020/05/04(月) 14:20:44
・馴れ初め

ーーー僕と付き合ってください。

ーーー……は?

数年前、マスターに告白された時のことを思い返す。

この頃のオイラは、隊の中で上手く折り合いをつけられず皆から敬遠されていた。

ーーーアンタ、オイラをおちょくってんのか?

他のヤツらは皆良い子ちゃんで、乱暴者のオイラは怖がられて、嫌われていた。

暴れることしか取り柄のない自分が、男から求められるなんて信じられなかったから。でも。

ーーー……そう、か。

マスターは寂しそうな表情を浮かべて、視線を反らした。

アイツは誰かを騙せるような器用なヤツじゃない。

だから、応えてやってもいいと思えた。

ーーーいいぜ、付き合ってやるよ。その間にオイラに釣り合う男になれよ。

ーーーうん。宜しく、ピナーカ。

腕っぷしが強いワケじゃないけど、アイツはアイツで男らしいところがあったんだ。

ずっと一緒にいる内に、アイツのいろんな一面を知っていって。

二年後には、アイツとの子を私は産んでいた。

852ピナーカの夫婦生活:2020/05/04(月) 14:21:40
・昼ご飯

昼ご飯に焼きそばを作っていると、匂いに惹かれて娘がとてとてとキッチンに顔を出した。

「お母さ〜ん、ご飯まだ〜?」

「まだだ。オイラは忙しいから父さんに構ってもらいな」

分かった〜、と娘はリビングにいる父のもとへ戻っていった。

「……珍しく聞き分けがいいな」

感心していると、今度はマスターが娘を抱っこしてキッチンに来た。

「ピナーカ、ご飯まだ?」

「まだ〜?」

「お前らぶっ飛ばすぞ!」

怒鳴りつけると、イラつく父娘が「きゃー」とわざとらしい悲鳴をあげて逃げ出していった。

「ったく……」

オイラの家庭は騒がしい。

父娘の仲が良すぎる上に、二人揃ってオイラに構ってもらおうとあれやこれやをしてくる。

その結果、オイラが二人を諌める(怒鳴る)ことが多くなるのだ。

「はぁ…、仕方ねぇか……」

オイラの娘だから跳ねっ返りなのは当然だ。

溢したため息とは裏腹に、胸いっぱいの幸せを感じていた。

家族の団欒を楽しむありふれた光景は、マスターと付き合う前の私からは考えられないものだったから。

853ピナーカの夫婦生活:2020/05/04(月) 14:23:57
・教訓

「お母さん、一緒に遊ぼ〜」

昼ご飯を食べ終え皿洗いをしていると、娘が服の裾を引っ張ってきた。

「はいはい、コレ(皿洗い)が終わったら構ってやるよ」

「え〜…、後じゃダメなの?」

「ダメだ。油汚れってのは放っておけば厄介になるんだ。それに何事もキレイにしておかないとオイラの気が済まない」

オイラの家庭には唯一にして絶対のルールがある。

「いいか、我が家の教訓は汚すな、片付けろ、掃除しろ!だ」

「汚すな、片付けろ、掃除しろー!」

娘は教訓を復唱しながらパタパタと庭へ駆けていった。

「怪我すんなよー」

娘の姿を見送り、皿洗いを終え、リビングを見渡して気づく。

今日はまだ家の掃除をしていない。

「……いや、でも構うって言ったしな」

約束は守るべきだが、気になるものは気になる。

ぁ〜〜と唸っていると、マスターが部屋から出てリビングに顔を出した。

「ピナーカ、なんで唸ってるの?」

「あぁ、それがよ……、」

事情を説明すると、マスターは苦笑した。

「そんな教訓が我が家にあったの……?」

「オイラが作った。文句あるか」

「我が家の教訓は『気に入らねぇヤツはぶっ飛ばせ』だって言ってなかった?」

「……」

「……」

以前、勢い任せにそんなことを言ったような気がする。

「宗旨替えしたんだよ!」

「そっか」

クスリと笑いながら、マスターは納得した。

やけに顔が熱く感じる。

全部アンタのせいだ。

「それじゃ掃除が終わるまでの間、僕が相手をしてくるよ」

「……おう」

旦那を尻に敷いてる筈なのに、実際はオイラがずっと振り回されている気がする。

幾つになってもマスターはオイラと一緒に過ごして幸せそうだ。

「オイラのどこがいいんだか…」

ポツリと呟いた言葉は誰にも聞かれることなく、空気に溶けていった。

854ピナーカの夫婦生活:2020/05/04(月) 14:25:56
・夫婦

その晩、娘を寝かしつけた後でマスターに時間をくれと言われた。

庭に出ると、アイツが花火を用意していた。

「……なんで花火?」

「なんでって、燃えているものを見るのは好きでしょ?」

「いや、そうだけどさ」

分からないのは急に花火をしようと言い出した理由だ。

「暗い顔をしてたから」

「あん?」

「何か悩みがあるんじゃないの?」

「……はぁ」

マスターはオイラの心の機微に対して、妖怪並みに察しがいい。

諦めて白旗を降ることにし、手渡された花火に火をつけた。

「……どうしてオイラだったんだ?アンタを慕ってるヤツなら他にも山程いただろ」

色のついた火花を寂しく眺める。

なんだってそうだ。

美しいものには、限りがある。

自分を燃やして輝く花火と同じ。

「オイラと過ごしてても幸せなのは伝わってくる。でも、他のヤツとならもっとアンタが幸せになれたんじゃないかって…」

だから、いつか自分への気持ちが色褪せてしまうのではと、思ってしまって…、

「お互いの好きなところを言ってみようか」

当の本人は意味の分からないことを言い出した。

「いやいやいや、なんでそうなるんだよ!?」

「じゃあ僕から。男勝りなところ」

「ぶっ飛ばされてぇのか?」

マスターはここぞという時だけ強引だ。

溜息と共に、できる限りぶっきらぼうに答えた。

「……物怖じしないところ」

「誰よりも女の子らしいところ」

「ちょっと待て、やっぱりおちょくってんだろ?」

乱暴者の自分には全く当てはまらない言葉だ。

「……?」

「なんでアンタがキョトンとしてるんだよ。分かるだろ……」

「ピナーカより家事ができて、料理ができて、キレイ好きな子なんていたっけ……?」

「……本気だったのかよ」

毒気を抜かれてしまい、怒鳴る気にもなれない。

アンタにとっての一番は本当にオイラだったんだな……。

「やめだ、やめ!馬鹿らしくなってきた」

「えぇ〜、僕は二つ言ったから、ピナーカももう一つ言ってくれないと不公平だよ」

「あぁはいはい、そういうとこだよ、そういうとこ!」

いつも欲しい時に欲しい言葉をかけてくれる、アンタのそういう優しさに惹かれたんだよ。

分かれよ、バカ。

二人で軽口を叩き合い、儚くも必死で輝く花火を最後まで眺め続けた。


fin

855名無しさん:2020/05/04(月) 14:27:31
かわいい

856ピナーカの夫婦生活:2020/05/04(月) 14:28:28
・ついで

マスター
「花火って、後片付けが面倒なんだね……。バケツの中の水とゴミを分けるのが……」

ピナーカ
「口よりも手を動かせ!ポリ袋用意すれば良かっただろ!」

※バケツに切り込みを入れたポリ袋を入れておくと、ゴミだけをポリ袋に分けることができるのでとても楽みたいです。

857ピナーカの夫婦生活:2020/05/04(月) 14:34:35
当時は優秀だったトラストスキル目的で海上編デートをしている内にピナーカの可愛さや意外な一面に気付けたのは自分だけじゃないと思います。

求められているものをちゃんと書けたかは分からないですが、ピナーカの女の子らしいところが伝われば嬉しいです。

短いですが最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

858名無しさん:2020/05/05(火) 00:43:16
ベリィグッド!ビューティフォー!
ピナーカ様が三角巾にエプロンつけて、部屋掃除しながらこどもに構って〜って言われてる姿を幻視しちまったぜ

859名無しさん:2020/05/06(水) 16:12:45
なんか恋愛モノばっかりだな〜
そうじゃないんだよな〜

860アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:47:24
インテグラルノアストーリーにおけるアルマス×ラグナロクのSSです。

時系列は天上世界でユグドラシルを目指して旅をしている頃を想定しています。

2人の関係と絡みが好き過ぎてSSにしました。

アルマスとラグナロクを更に好きになるきっかけになればと思います。

次レスから投下します。

861アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:48:13

崩壊が迫る世界の中、彼女を見つめる。

ラグナロクは決して挫けない。

絶望を前にしてもその歩みが止まることはない。

ラグナロクは軍旗を掲げる。

勇気を、知恵を、信仰を、正義を、愛を、規律を、正義を集わせて。

ラグナロクは、……。

「本当に、絶バカ……」

いつ裏切るかも分からない私のことを、信じてくれて。

頑固で、正義感が強くて、普段はクールを装っている癖に他人のことになるとすぐに熱くなってしまうお人好しで。

良く分からない言い回しをするのが玉にキズだけど。

決して退かない、倒れない不屈の剣。それが私【アルマス】。

だから、どうしようもなくラグナロクに憧れてしまう。

前線で軍旗を掲げ続けるその姿は、私にとって理想そのものだったから。

気がつけば彼女のことを考えてしまうのも、目で追ってしまうのも。

それ以外の理由なんて、ない。

そう自分に言い聞かせて、胸の奥に生じた気持ちにソッと蓋をした。

862アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:49:07

アルマスの様子が変だ、と心配されるまでに時間はかからなかかった。

「アルマス、どうした?何か気掛かりがあるならこのブリューナクが話を聞こう」

「え、いや……、私は別に悩んでなんか」

「悩みがあるのだな」

「……今のは誘導尋問じゃない?」

「なるほど。すぐにボロが出るほど思い悩んでいるのだな」

「察しが良すぎて怖い!?」

ブリューナクに隠し事はできそうにない、と諦めて悩みを話すことにした。

「最近なんだか胸がモヤついて不快……、っていうわけじゃないんだけど絶落ち着かないというか、それがなんだかイヤでもなくて、むしろ……。いや、いやいやいや!やっぱり絶不愉快よ!」

「もっと端的に言って」

いつの間にかラグナロクが私の顔を覗き込んでいた。

何故だが急に顔が熱くなってくる。

「わ、分かってるわよ!今の説明は流石にダメよね。考えをまとめて、また今度話すからそれまで待ってて」

シッシッとラグナロクを遠ざけようとするけど、本人は全く納得してくれない。

863アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:50:21

「アルマス、深刻な悩みなら今聞くわ。後顧の憂いは断っておくべきよ」

「こうこのうれい……?」

後々になって出る心配事のことだ、と直ぐ様ブリューナクのフォローが入る。

「……はぁ、いろんなことが有りすぎて疲れてるだけ。だから気にしないで」

「……アルマス」

はぐらかした答えに、ラグナロクは不服そうだった。

ブリューナクに至っては「理解した、ブリューナクの出番はなさそうだ」と言って去っていった。良く分からないけど怖い。

「……アルマス、正直に答えて。もう一人のアナタが出そうなの?」

「……」

あたりまえの事実確認に胸がズキリと痛む。

「そうだって言ったら、私が元の私になったらどうするの……?」

「決まってるわ。闘って、今ここにいるアナタを取り戻す」

逡巡すらせずにラグナロクは言い切った。

「後顧の憂いは断つべきじゃなかったの?」

「誰かを見捨てれば、彼女達インテグラルキラーズと変わらない。それに仲間を見捨てるつもりなんて毛頭ないわ」

私はいつから我儘になったのだろう。

ラグナロクならそう言ってくれると分かりきっていたのに、それでも少し目頭が熱くなった。

「ん……、ありがと」

「何か言った?」

「別に」

ラグナロクに聞こえないように小声で呟いた言葉は、やはり彼女には届かない。

これでいい。

864アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:51:08

「アルマス、私と運命を共にすると約束して」

「うん。………ん?」

ラグナロクの言っている意味が分からなかった。

「今だって一緒にユグドラシルを目指して旅をしてるでしょ?」

「そうね。でもアルマスにはもっと近くに…、私の隣に居てほしいの」

「え!?べ、別に良いけどっ…」

……ラグナロクが変なことを言うから少しだけ声が裏返ってしまった。

「ぁ、あの…、ラグナロク、なんで?」

「今のアナタがいるのは私のバイブスがアナタに移っているからよね。逆に言えばアルマスの中にあるバイブスが弱まってしまえば……」

「元の私が出てくるかもしれないってこと…?」

「えぇ。元のバイブス所持者である私との距離がバイブスの強弱に関わるなら、傍にいるべきよ」

「……あっそ」

「アルマス、なんでむくれてるの?」

「むくれてなんてない!……ふぅ」

ラグナロクに振り回されている自分に、目を閉じて心の中で落ち着けと念じる。

もう一度目を開けると、ラグナロクが私の顔を間近で覗き込んでいた。

「!?」

「顔が赤くなってる。やっぱり本調子じゃないんじゃ…」

少し身じろぎしただけで唇が触れ合いそうな距離に、心臓がバクバクと暴れだす。

「ら、ラグナロク…、近い!近すぎるから!一旦離れて……」

「ダメ。アルマス、体調が優れないなら正直に言って」

「〜〜〜〜っ!アナタのせいでしょ、この絶バカ!!」

緊張に堪えられなかった私は、ラグナロクから距離をとって先頭を歩いていった。

865アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:52:03

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


「……アルマス」

私は何か怒らせるようなことを言ってしまったのだろうか。

「ラグナロク、ブリューナクはもう一度アルマスの言動を振り返ることを推奨する」

「アルマスの……?」

ーーーアナタのせいでしょ、この絶バカ!!

「アルマスの体調が優れないのは私のせい…、考えられるのは……」

彼女の中にある私のバイブス?

アルマスは、私の体力が回復してないからバイブスが復調しないのだと伝えたいのだろうか?

……根拠はないけど違う気がする。

「少し休みをとる必要があるかしら…」

天上世界崩壊までの時間は決して長くない。

けれど、それ以上にアルマスのことが気掛かった。

866アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:53:09

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

夕刻に小さな村へ辿り着いた。

村人はただの一人もいない。

「インテグラルキラーズの行動によるものだとブリューナクは推測する」

「ユグドラシルに近づく程、彼女達の影響は強まるはずよ。この先の街や村は彼女達の管理下にあるか、全員去った後だと思った方がいいわね」

「私の美貌を見せてあげることができないなんて…、残念だわ」

「……こんな時でもブレないわね」

フラガラッハだけ的外れなことを喋っていることには誰も突っ込まない。

「今日はもう暗くなるし、取り敢えず宿を探しましょ。アルマスもそれでいい?」

「ラグナロク、私に伺いをたてなくてもいいから……」

「…わかったわ」

なんとなくラグナロクとの間に微妙な空気が流れる。

見つけた宿は、2人部屋が幾つかある程度の小さなものだった。

「私はアルマスと寝るわ」

「ぶっ!」

ラグナロクの爆弾発言に思わず吹き出してしまう。

「面白いところなんて無かったと思うけど……。相変わらずアルマスの感性は分からないわね」

「そっちが変なこと言うからでしょ!?」

ラグナロクはキョトンとした表情で私を見つめてきた。

自分が自意識過剰だったのだと、後から気付かされる。

「今のラグナロクの発言はアルマスからすると……、」

「ああああ!うるさい!さっさと休むわよ!」

(無駄に)鋭いブリューナクの言葉を遮り、部屋の中に逃げ込んだ。

867アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:53:50

「……疲れた」

ボフっと、ベッドに身体を預け、一人ごちる。

「フラガラッハはあんなだし、ブリューナクは察しが良すぎるし、ラグナロクは……」

ーーー私と運命を共にして。

間近で見た彼女の顔を思い返す。

長いまつ毛。

端正な顔立ち。

柔らかそうな桜色の唇。

ラグナロクのことを考えると、どんどん身体が火照っていく。

そんな自分を誤魔化すように彼女への悪態をついていった。

「厨ニ、バカ、鈍感!そもそも軍服が胸も太腿も際どすぎるし!それに……!」

「それに?」

喉が渇き、冷や汗がブワッと出てくる。

低めの声に振り向くと、ラグナロクが既に室内にいた。

貼り付けられた笑顔がすごく怖い。

「……えと、体調が良くないからもう寝るわ。おやすみ!」

取り敢えず、頭から毛布を被って現実逃避することにした。

868アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:55:13

「……ス、ねぇ」

まどろみの中で心地良い声が耳に入り、目が覚めていく。

「アルマス、起きてる?」

「今、起きたとこ…」

眠たい目を擦りながら毛布から顔を出すと、私に添い寝をしているラグナロクと目があってドキリとする。

「……なんで私と同じベッドにいるのよ」

「話がしたかったから」

夜10時。ちょっとのつもりが、少し長く眠ってしまったみたいだ。

「アルマス、悩んでいることがあるでしょ。それを私に話して」

「……何のこと?」

「誤魔化しても無駄よ。バイブスからアナタの想いが伝わってくるの。私に知ってほしいとアナタが願っている。そうでしょ」

「……はぁ、全部お見通しだったってわけね」

バイブスを介して、ラグナロクが私を心配しているのが伝わる。

「アルマス、端的に言ってね」

「無理よ。自分でもこんなに悩んでいる理由が分からないんだもの。ねぇ、ラグナロク……。アナタにとっての私って何?」

今のバイブス保持者だとか、裏切り者だとか、そんなことを彼女が考えてないのは分かってる。

「大切な仲間よ」

……ほら、やっぱり。

「エンシェントキラーズと、…彼女達と私だったらどっちが大切?」

「……アルマス?」

「……ごめん、どうかしてた」

顔を見られたくなくて、ラグナロクに背を向けるように寝返りをうった。

869アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:56:04

ラグナロクと親しくしている彼女達が羨ましい。

どっちが大切かなんて、そんな分かりきったことを聞いても傷つくだけだ。

(あぁ、私はラグナロクに嫌われたくないんだ……。)

「どっちが大切、なんて比べれるものでもないけど、私にとっての彼女達が家族であることは確かよ」

私はラグナロクの仲間だ。

それ以上でも以下でもないから、特別になりたいなんて望めないし、望んじゃいけない。

私は彼女達エンシェントキラーズほどラグナロクと踏み込んだ関係になれない。分かってる。

「アルマス、アナタのしたいことを教えて」

「私のしたいこと……」

だからこそ、私とラグナロクの間にできたバイブス以外のこの繋がりを大切にしていきたい。

そう考えると、自分の願いが見えてきた。

「ラグナロク、ありがと。自分のやるべきことが分かったわ」

「……アルマス」

「誰も犠牲にしないで済む優しい世界で、アナタに笑ってほしい」

世界は決して易しくないことも、それが吹けば飛んでしまうような儚い望みだということも分かってる。でも。

「ラグナロクなら絶対にやり遂げるって、そう信じてる」

そのためにらアルマスを、私という敵を、これ以上ラグナロクに近づけちゃいけない。

私の中で息づいている彼女のバイブスを還そう。

きっとそれは、仲間という繋がりを最後まで守りきれる唯一の選択だから、……。

870アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:57:32

「ダメ。宿命から逃げないで」

「ら、ラグナロク……?」

ラグナロクに背中から抱き締められた。

耳にかかる彼女の吐息の熱さに、押し付けられた身体の柔らかさに、心臓が激しく脈打つ。

「アルマス、自分を犠牲になんて考えないで」

「……それも、バイブスを通して分かるものなの…?」

「そんなものなくてもアナタを見たら分かる。見くびらないで」

お互いの身体の隙間がなくなるくらいに、ラグナロクに強く抱き寄せられた。

「誰も犠牲にしないで済む世界を作るのに、自分を犠牲にするなんて間違ってる」

「でも!バイブスが在るべき場所へ……、アナタの中に戻ればきっと私は元の私に、……敵に、戻ってしまう」

「アルマス、私の気持ちは既に伝えたつもりよ」

「ぁ……」

ーーー私が元の私になったらどうするの……?

ーーー決まってるわ。闘って、今ここにいるアナタを取り戻す。

ーーー誰かを見捨てれば、彼女達インテグラルキラーズと変わらない。それに仲間を見捨てるつもりなんて毛頭ないわ。

私の心配を彼女はとっくに見抜いていたのだ。

元の私に戻っても繋がりは消えない。

ラグナロクが今の私を取り戻してくれると約束してくれたから。

「……お人好しが過ぎるわ」

「誰にでもじゃない。アルマス、アナタだからよ。バイブスを預けられるのも、他の何に代えても失いたくないと思えるのも」

「……え?」

「私達の関係は不思議ね。好敵手でも、家族でもなく、だけど仲間や相棒という括りには到底収まりきらない」

ラグナロクは本当にズルい。

「端的に言ってよ、絶バカ……」

「そうね、敢えて言葉にするなら、きっと私達は運命という名の見えない赤い糸で結ばれているのね」

ラグナロクにとっての私は、とっくに特別だったなんて。

その事実に身体が熱く火照りだす。

「ぁ…、」

振り向くとラグナロクと視線がぶつかった。

どこまでも真っ直ぐで、止まることを知らない彼女の瞳を鼻先が触れる距離で見つめる。

心臓がうるさい。上手く呼吸ができなくて息が荒くなる。

きっと今の私は、耳まで真っ赤になってしまっている。

「アルマス、もう大丈夫?」

大丈夫なわけない。

それでも、この温もりをまだ感じたいと思った。

「いつかこの身体からバイブスが無くなっても今の私でいれるように、確かなものがほしい。……少しだけ心細いのかもしれない。だから……、んぅ!?」

ラグナロクにムリヤリ唇を奪われ、頭が真っ白になる。

「ちゅ、……これでいい?」

キスをしたのにラグナロクは相変わらずに毅然としてて、唇に感じた柔らかさに私は惚けることしかできなくて。

「ぁ、すごすぎてよく分かんなかった…」

……良く見るとラグナロクの頬も少し赤みがかっている気がする。

「じゃあ分かるまで、アルマスの中で確かなものになるまで続けるから」

「あ、うん……」

突然の事に間の抜けた返事しか返せない。

「心配しなくても、気持ちは一緒よ。アルマスが私との繋がりを大事にしてくれたように、私にとってもアルマスが特別なの。だから遠慮しないで。ん…、」

両手で優しく頬を抑えられ、ラグナロクの唇が押し付けられる。

さっきよりも長く、そして段々と熱烈に。

身体の火照りが冷めるまで、確かなものを感じるまで、私とラグナロクは互いを求めあった。

871アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 19:58:42

「よし、絶・好調!早くユグドラシルに向かうわよ!」

「あら、マスターの調子が戻ったみたいね。綺麗よ。わたしにはまだ及ばないけど」

「フラガラッハは平常運転ね……」

翌朝、私達はユグドラシルへと再び旅立つ。

もう迷いはない。

いつか元の私に戻ってしまう運命だとしても。

私とラグナロクの間に、確かな繋がりを感じているから。

「ふむ、やはりブリューナクの出る幕ではなかったか」

「「………」」

ラグナロクと目を合わせ合う。

やはりブリューナクは察しが良すぎるし、あと口調が若干ゲイボルグみたいになってる。

そんなブリューナクに対して、思わず二人で吹き出した。

「まぁ、いいわ。ラグナロク、早く取り戻すわよ。この世界の平穏を」

「えぇ、急ぎましょう。仲間達を集めて、ユグドラシルへ!」

私達なら大丈夫だ。

例えこの先でどんな選択を迫られたとしても。

元の私に戻っても、ラグナロクが道を踏み外したとしても。

お互いを信じ合っているから、必ず取り戻せる。

どんな世界でも、どんな時でも、私とラグナロクは繋がっているから。

ラグナロクと作る未来に想いを馳せて、ユグドラシルへの一歩を今日も踏みしめた。


fin

872名無しさん:2020/05/08(金) 20:00:39
てえてぇ…

873アルマス×ラグナロク:2020/05/08(金) 20:09:06
最後まで読んでくださった方ありがとうございました。

アルマスとラグナロクの絡みを(殆ど妄想入ってますが)少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。

ロストラグナロクではアルマスがラグナロクを、インテグラルノアではラグナロクがアルマスを見捨てない決断をしたことがとてもエモいです。

お目汚し失礼しました。

874名無しさん:2020/05/08(金) 20:31:19
すばら

875名無しさん:2020/05/09(土) 00:56:47
序盤の珍道中的なパーティーの旅、結構好きだったから良き物を読めた…

876名無しさん:2020/05/09(土) 18:06:50
65点

877名無しさん:2020/05/09(土) 21:43:53
勝手にリレーSS・目指せ10レス完結
・10レス目で完結
・誰が書いても良し
・前の話のアンカを必ず付ける
・形態不問(話が繋がっていれば小説型でも台本型でも何でもあり)
・何話か(何レス目か)は記入
・タイミング悪く誰かと投下話数が被ったら先に投下された方で繋げる

其の一
マスターが目覚めるとすぐに体調の異変に気づいた。
発熱、喉の痛み、倦怠感。

マスター
「う〜ん、ちょっと風邪気味だな・・・。隊の誰かに薬を買って来てもらうか・・・。おーい、誰か来てくれ〜」

その呼びかけに一人の姫がやって来た。

next→
次の方お願いします(^^)

878名無しさん:2020/05/09(土) 23:26:22
>>877

その煮

やって来たのはパラケルススだった。

パラケルスス「どうしたんだ、マスター。なに?体調が優れないだと?それは大変だ」

パラケルススはマスターのオデコと自分のオデコに手を当てて熱を測る。

パラケルスス「ふむ、少し熱があるようだな。・・・そうだ、マスター。実は最近いい薬品ができてな、肉体の一切の病原菌取っ払ってくれるというもので・・・」

パラケルススは得意そうに薬品の説明を始めるが、マスターは饒舌に語るパラケルススにとあることを聞いた。

パラケルスス「なに?効能はいいけど、デメリットはないのかだと・・・ふむ、少しばかり目から大量の涙と、背中から大量の垢が取れるのと、凄い腹部に激痛が走るぐらいでーーー」

マスターは最後まで聞かず脱兎の如く逃げ出した。

パラケルスス「むう、せっかくアスクレピオスと合作で作ったというのに」
パラケルススは走っていったマスターを追いかけるようとするが、ベッドの下に何か除いているのを発見する。

「こ、こここ、これは!?」

その日、パラケルススもまた高熱を出して倒れた。

次の方お頼み申す

879名無しさん:2020/05/09(土) 23:51:40
おもろいことするね

880名無しさん:2020/05/09(土) 23:58:55
>>878
三番目

「生命の神秘……欲望の倫理とは……うごごご……」

うなされるパラケルススは、アスクレピオスの診断で、感冒ではなく知恵熱の類いだと診断された。
しかし、隊きっての頭脳派がここまでになる何かがあったとは……どうやら本を見たらしい……
さらに様々な憶測や流言飛語が飛び交ううち、どんどん根も葉も加えられていき……

我が隊は「マスターは異常性癖者」派、「マスターはホモ」派、「マスターはクトゥルフの神の信奉者」派の3つに分かれ、混沌を極めていた……
(コノーママー)

881名無しさん:2020/05/10(日) 03:09:59
>>880
その4

3つの勢力はある日支配された
その支配した者は「私は黄昏の変革者」「I am messiah」と言った

マスターとの面会時間に面会しても良い日にちと様々な制限を設けられた

そして自称メサイアはレヴォルティオ、ゴッド、ディスラプにアルマス、ティルと強力なキル姫たちを「マスターと会いやすくするし面会時間を失くす」という条件で手中に納めた

そんな中密かに反逆の機会を伺ってた五人のキル姫がいた

その五人とは...

次の人に託します

882アルマス×ラグナロク:2020/05/10(日) 18:17:13
下記URLに先日上げたアルマス×ラグナロクのSS(タイトル:Connect with you 〜アルマス×ラグナロク〜)のノーカット版(R18)を投稿しました。
もし下記URLから上手く飛べない場合は二次小説サイト:ハールメンにて「荒ぶる遺族」で検索をかければ見つかると思います。
駄文ですが、よければ読んでやってください。

二次小説投稿サイト ハールメン
https://syosetu.org/novel/223818/

883メイドの日のアロンちゃん:2020/05/10(日) 20:44:19
メイドの日のアロンちゃん

アロンダイト
「今日はメイドの日らしいです」

カシウス
「メイド....従者と主の禁断の恋」

アロンダイト
「最近そういう本を読んだんですか?」

カシウス
「うん」

アロンダイト
「それは良かったです」

アロンダイト
「メイド....」

カシウス
「メイド....」

二人は少し想像した

884メイドの日のアロンちゃん:2020/05/10(日) 20:51:30
>>883
アロンダイト
「カシウス姉さんはメイドというより」

*******

カシウス
「二時の方向に敵対勢力発見」

カシウス
「攻撃フェイズに移行」

カシウス
「御館様の邪魔する者は全て殲滅する」

カシウス
『ウロボロスブラスト』

*******

アロンダイト
「なんかメイドのイメージじゃないですね」

カシウス
「アロンは...」

*******

アロンダイト
「民たちよ!今こそ立ち上がる時だ!」

そこら辺の市民
「ウオオオオオオ!!」

アロンダイト
「『朝食はパンかご飯とかどうでも良いから食わせてくれよ』同盟の戦いの時だ!」

そこら辺の市民
「ウオオオオオオオオオオ!!!」

アロンダイト
「今こそ我々の食卓に自由を!!!」

そこら辺の市民
「自由を!!」

*******

カシウス
「メイドのイメージない」

885メイドの日のアロンちゃん:2020/05/10(日) 21:01:18
>>884
カシウス
「それだとやっぱり....」

アロンダイト
「アバリス姉さん.....」

*******

アバリス
「はぁ....はぁ....ダメですご主人様私はメイドあなた様とこういう行為をするのは....」

マスター
「アバリス今夜の俺たちは従者と主じゃない男と女だ」

アバリス
「もしもできてしまったら.....」

マスター
「その時は一緒に逃げよう誰の手も届かない遠い遠いところへ」

アバリス
「......わかりましたそれなら今夜は存分に愛してください1人の女として私を存分に」

マスター
「アバリス....」

アバリス
「ご主人様.....」

その夜二人は熱い熱い愛の営みをした

******

アロンダイト
「やっぱりアバリス姉さんですかね」

カシウス
「一番メイドが似合う」

二人は謎にエロスな想像して納得した

一方その頃マスター

マスター
「はっくしょん!!」

アバリス
「マスター風邪ですか?」

マスター
「いや変な想像に俺が使われたような気がした」

アバリス
「?」

886メイドの日のアロンちゃん:2020/05/10(日) 21:04:08
今日ってメイドの日らしいね
メイドって言ったら東方の咲夜と崩壊3rdのリタが頭に浮かぶな

887名無しさん:2020/05/11(月) 00:57:59
カシウスとアバリスはメイドの格好でそう言う事してもまだ分かるけど、アロンはどうしてそうなったwww

888名無しさん:2020/05/11(月) 01:21:21
やっぱアロンちゃんだな〜

889名無しさん:2020/05/11(月) 01:40:03
>>887
どっかの騎士王もメイド服で客全員ひれ伏したことあるからな
うんなんの問題もないな

890名無しさん:2020/05/11(月) 22:15:31
リレーSSここからどないするのw

891名無しさん:2020/05/12(火) 02:06:26
次のアロンちゃんシリーズは何の日になるのかな

892リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/05/12(火) 21:59:24
前話>>843
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第16話「想い通ずる」

ここは小さな小部屋。
あの日以降、拙者と姉上はここで謹慎処分を受けている。

「もう明日か…結局祭りには参加出来なかったな…」
「よいのです。こうして姉上と居られるだけで…」
「そうだな…謹慎処分で済んだだけでも運が良かったと言えよう」
「それもこれも例の薬のお陰…なのでしょうか」
「ふふっ、しかし『若返りの秘薬』とは良く言ったものだ」
「ぷぷっ!思い出しただけでも笑いが…!」

拙者と姉上はヘレナから受け取った薬を十三議会にわたした。
特に食い付きが良かったのは中でも高齢の者達。
一人が恐る恐る薬を口にし、皆がその結果を固唾をのんで見守った。
次の瞬間、薬を飲んだ議員の体に目に見えて異変が起こる。
そこでヘレナの言った『若返りの秘薬』の意味を理解した。

「よもや『育毛剤』だったとはな」

そう、薬を飲んだ議員はフード越しにも分かるほど、頭髪がモサモサと生えだしたのだ。
年齢はそのままに、頭髪のみが育つ異様な光景。
しかし高齢の議員にとってはよほど魅力的だったのだろう。

「他の議員も我先にと薬を奪い合って…その様と言ったら」
「さすがにアルテミスも反応に困っておったようだ」
「姉上、グリモワールに至っては影で大笑いしていましたよ」

顔を合わせて笑う。
祭りには行けなかった。けど、これで良かったのだ。
今回、拙者は改めて姉上との絆を確認出来た。

「……姉上、拙者はまだまだ未熟者です。どうか、これからも拙者の側で御指導下さい」
「うむ、無論だ。さらに厳しくなるが、着いてこられるか?」
「はい!臨むところです!」

ディスラプターズ…今回ばかりは礼を言う。
この大きな借り、いずれ返すぞ。

ーーーーー

あれから数日。
ソロモンは用事、カリスは買い出しで留守にしていて、部屋には私とヘレナの二人きり…
あの日、ヘレナにあんな甘え方をしてしまい少し後悔している…
だって…

「レーヴァ、お茶でもどうだ?カリスが作ったお菓子もあるぞ。ほら、ヘレナが食べさせてあげよう。なに、遠慮はいらない。この間みたいに存分に甘えてくれていいんだぞ?さあ、あ〜ん」

あれ以来ずっとこんな感じだし…

「はぁ…調子に乗らないで…て言うか、あの日は…何か落ち着かなかっただけだから…忘れて…」
「ふ〜ん、デートを邪魔されてそんなに不服だったのかい?ヘレナにとっては嬉しい事だな」
「う…」

これ以上誤魔化そうとしても墓穴を掘るだけ…話を別の方向に持っていく…

「やけにムラマサに優しかったけど、何か理由でもある訳?」
「ヤキモチかい?まあ、強いて言うなら…」

ヘレナは戯けた表情を解いて、遠くを見つめる。

「相手の心を思い通りにしようとする姿に、以前のヘレナを見ているようでね…我慢出来なかったのさ…」
「……だからムラマサの話を聞いてる時…」

ヘレナが険しい表情を浮かべていた事を思い出した…

「今はそんな事で手にした心に意味が無いのを知っている。教えてくれたのはレーヴァだ。ちゃんとヘレナの気持ちに向き合うと言ってくれた。だからヘレナも真っ当な方法で想いをぶつける。何よりその方が、思い通りに操るより気分が良いんだ」
「…ムラマサに自分も惚れ薬を作る所だったって言ってたくせに…」
「ただの冗談さ、くふっ」

いつものように笑うヘレナ…
ヘレナはヘレナなりに、ムラマサを本気で救いたかったんだろう…

「で、とりあえずはデートのやり直しを申請したいな。レーヴァへの正当なアプローチとしてね。くふっ」
「…イヤって言ったでしょ。一人一回よ…でも…」

確かにこのままじゃ、不完全燃焼だし…

「今回だけ特別…デートの代わりに今夜、一緒に寝てあげる…もちろん手を出そうとしたら部屋から叩き出すけど…」

一瞬ポカンとしたヘレナは…

「本当に…レーヴァはお人好しにも程があるぞ!」

そう言って、嬉しそうに微笑んだ…
上機嫌でお菓子を頬張るヘレナを見て、改めて思う。

ごめん、ムラマサ…マサムネ…やっぱりトレイセーマには帰れない…
トレイセーマでは得られ無かったものがここには沢山ある…それを手放すことは出来ない。

(ありがとう、ヘレナ…こんな私を好きになってくれて…)

こうして、ひとまず最初のデートは終わりを告げる…
私とヘレナ…そして妖刀姉妹にとって、お互いの想いを感じる大切な時間となった。

第二部《三国編》第一章、トレイセーマ編・完

893リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/05/12(火) 22:02:28
次の章は一部の人にはごんめなさい案件です
ご容赦を!

894名無しさん:2020/05/12(火) 22:13:21
あまーい!
そして不穏

895名無しさん:2020/05/13(水) 09:26:24
ディスラプ!ディスラプ!

896リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/05/13(水) 22:11:33
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第17話「二番目」

朝、支度をすませて部屋を出るとカリスとヘレナが二人で盛り上がっていた。

「おはよう…何、それ?」

よく見ると、二人はカードのような物を捲っている。

「あ、おはようレーヴァ!これね、買い出しの時に見つけた占い用のカードなんだよ!」
「やあ、おはよう。なかなかおもしろいぞ。レーヴァも今日の運勢を占ってみるといい」
「占い…ね…」

そう言えばアイツも占い好きだっけ…昔はよくアスカロンと一緒にそう言うのをやってたっけ…
私はそれを眺めていただけだけど…

「じゃあ私は朝食の準備するから、レーヴァの運勢、後で聞かせてね♪」

カリスが席を立つ。ヘレナがカードを切ってこちらに向ける。

「三枚選んで、その組み合わせで運勢が決まるそうだ。詳細はそれを見てくれ」

ムーが側にあった数枚の紙を眺める。

「レヴァ、選んでみろよ。俺が解説するぜ!」

あんたまで乗り気なのね…断る方がめんどくさそう…

「……おっけ…別に占いなんて気にしないけど…」

適当に三枚選んでムーに渡す。
ムーはさっきに解説書とにらめっこを始めた。
と、そこでちょうどカリスがお茶を持って来る。

「はい、モーニングティーだよ!すぐにご飯も持ってくるね!」

カリスに軽く礼を言ってから、真っ先にヘレナが口にする。

「うん、やっぱり冷める前にいただくべきだな」

まぁ、確かに…

「ありがとう…」

私もカリスからカップを受け取り、ゆっくりと最初の一口を含む。

「あった、あった。結果が出たぞぉ。『突っ込み過ぎ注意』だとよ」

ムーの一言にその場の全員が吹き出した……

「レ、レーヴァ…!まさか…いつも…」
「レーヴァ…そ、そんなに突っ込むほど欲求不満なのか?」
「ちょっと!変な想像しないで!って言うかムー、あんた何口走ってるのよ!」
「お、俺は結果を伝えただけだぜ!」
「どんな占いよ!」

ムーの持つ解説書をひったくり、引き破る…本当に何なのよ、この占い!
突然ヘレナがハッとする。冷や汗と共に呟いた。

「レーヴァ、今日は…」

そこでヘレナが言わんとする事を理解する。
カリスでさえ「あっ…」と小さく声を絞り出す…

「おはよう、皆!どうしたの?今日は大事な日なのよ!私とレーヴァのデートは既に始まってるわ。ちゃんと昨夜渡したプラン通りに行動する事!そう言ったはずよね?」

朝の体操から戻って来たソロモンが活を入れる…

「ふふっ、今日のためにしっかり準備をしたんだもの!失敗は許されないわ。いいえ失敗なんてさせない!私の全てを賭けてデートを成功に導く!それが私の最適解!」

ソロモンがビシッとポーズをキメる…
まさか…ね…まさかね…?

「さぁ、既に3分の遅れよ!すぐに朝食にしましょう!」

もう一度カードを眺める。自分が選んだ三枚のカード…

「…ヘレナは中止した方がいいと思うぞ…?」
「私も、かな…」
「レヴァ、最大の危機ってか…ゴクリ…」
「う、占いでしょ…たかが…」

とは言え…鼻歌交じりでカリスが作った食事を運ぶソロモン…
中止なんて言い出せる空気じゃない……

「『突っ込み過ぎ』ね…」

まだ「そう言う事」と決まった訳じゃない…けど…

「食事が終わったらすぐに出発よ。いざ、トレイセーマへ!」

こちらの気を知ってか知らずか、高らかと宣言するソロモン。
不安しか無い…

つづく

897リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/05/14(木) 22:27:35
前話>>896
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第18話「お祭り」

ヘレナとのデートで偶然もたらされたトレイセーマのお祭りと言う情報。
この人がそんな絶好のイベントを逃す訳も無く…

「ソロモン…離れて…」
「ダメよ!今はデート中…腕を組むのは当然でしょ?」

ソロモンはしっかりと私の腕を掴んで離さない…
ヘレナとカリスは強制的に別行動をとらさせている。

「本当に抜け目ないわね…」

久しぶりのトレイセーマ。規模は小さいと言っていたけど、そこそこの賑わいを見せている。

「あ、レーヴァ。次はそのお店よ!出店の中でも美味しいと評判らしいの!」

ソロモンは宣言通り、プランに沿って予定をこなして行く。
関心するのがしっかり私の好みに合わせたピックアップがされていること。

「ねぇ…今日の為にどんだけ時間を費やしたの?」
「そんなの、たいしたことではないわ。レーヴァはただ、純粋に楽しんで♪」
「……おっけ…」

最初は変な占いのおかげで不安だったけど…やはり気にすべきじゃ無い…今はソロモンの言葉に甘えて…
と、思った矢先…

「待って、レーヴァ…!」

ソロモンが制止する。その視線の先には…

「…何であの二人が…」

フォルカス、そしてロンギヌス…
セイントキラーズと呼ばれるハルモニアを守護する斬ル姫…
それが何でトレイセーマに…

「レーヴァ、あっちの方向は人通りも少ない裏道よ…」
「……一応、追うわ…念のために…」
「了解…」

私とソロモンはゆっくりと二人の後を付けた。
どんどん人の数は減り、本当に二人と私達の四人だけとなる…
やがて開けた空き地に出る。二人は周囲を見回し、しばらく俯いたまま…
ソロモンとは小声で言葉を交わす。

「レーヴァ、これって何かの密会かしら…」
「……」

真剣なソロモンには悪いけれど…二人の様子から私は察していた…

「あの二人…手、握ってるわよね…」
「ええ…何かあった時に離れないよう、しっかり絡めてあるわね…!」
「表情も若干、赤いわよね…」
「ええ…よほど大事な用件なのね…落ち着きも無いわ…!」
「……あのさ…」

私が結論を告げようとしたその時…

「動いたわ…!」

フォルカスとロンギヌスが向き合う。
フォルカスがゆっくりとロンギヌスの体に腕を回す…
空いた手でロンギヌスの頬を撫で…首から手を入れ…
ロンギヌスが小さく震える…
体中をひと通り撫で、最後に再び頬を撫で…唇を重ねた…

な に し て る の ?

フォルカスは自分の衣服を脱ぎ捨て、ロンギヌスの体も剥いていく…
あらわになった体を重ね、フォルカスがロンギヌスの某所に手をあてがい…
彼女の体がピクンと跳ねた…

ナ ニ シ テ ル ノ ?

私はそこで限界だった。隣で私の肩をバシバシ叩いて興奮しているソロモンに、アイコンタクトで撤退を促す。
ソロモンはしっかりと頷き、ビシッとグラウを構え、録画を開始した。

「何でよ…」

思わずソロモンの頭を叩く。

「え…録画しろって事じゃあ…」
「だから何でよ!」
「良い教材よ!」
「何の教材よ…」

頭を抱える…そして当然のように…

「何者です!?」
「ひゃぁ…!」

二人に気付かれた…まぁ騒げばこうなるわよね…

つづく

898名無しさん:2020/05/14(木) 22:33:46
ロンギとフォルカスか
そういや同じセイントだけど新章では濃い絡みなかったよね

899名無しさん:2020/05/17(日) 22:51:22
ラブじゃなくコメディがほしいぜ単発の

900名無しさん:2020/05/19(火) 22:34:01
約80/12

901キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:35:13
雑賀「カチ、カチカチッ」

オティヌス「雑賀、パソコンとにらめっこして何をしてるんだい?」

雑賀「フォートナイトっすよ。ざっくりと説明するとサバゲーっす」

オティヌス「サバゲーかぁ…、戦争好きの君には堪らないだろうけど……。本当に血生臭いのが好きなんだね」

雑賀「アハハ、ネットで戦争の真似事をしても到底満足できないっすけどね。リアルでサバゲーがしたいんすけど、オティヌスの力でどうにかできないすか?」

オティヌス「できるよ」

雑賀「そっすよねー…。流石のオティヌスでも……」

雑賀「……」

オティヌス「……どしたの?」

雑賀「オティヌス、もう一度答えてほしいす。リアルで戦争ができるんすか……?」

オティヌス「さり気なくサバゲーから戦争にランクアップさせないでくれるかな?……まぁ、リアルでの真似事でいいなら、できなくはないよ」

雑賀「ほ、ほんとっすか?トマトジュースを飲んで自分を落ち着ける日々からウチは解放されていいんすか!?」
注)雑賀は血生臭いの大好き。でもトマトジュースでガマーンしてます。

オティヌス「拗らせてるなぁ…。ま、安心してよ!神器が実装されてる今の私にできないマジックはないよ」

雑賀「それなら…!」

オティヌス「でもさ、雑賀。君の相手をしてくれる人なんているの?軍師として恐れられてる君に戦をするヤツなんて居ないと思うけど」

雑賀「その点は心配ないっすよ。ウチなんか目じゃないとびっきりの策士がこの国の頂点にはいるじゃないすか」

オティヌス「……え、本気?」

雑賀「ジャイアントキリング。実力主義の皇帝の好きな言葉っす。……ウチはウチの流儀で戦争を楽しませて貰いますよ」

雑賀「下剋上といきますか」

902キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:36:49

雑賀「そういうワケで皇帝達には今からウチらと戦争をして貰うっす」

カシウス「……」

ティファレト「……あの」

アルマス「いや、なんでよ!」

アルマス、ティファレト、カシウスはフェイルノートからケイオスリオンへの招集を受けていた。

雑賀「何か問題がありました?」

アルマス「問題ない要素がどこにも見つからないわ。どういう経緯でこんなことに……」

フェイルノート「雑賀からの戦の申し出を受けた。それだけよ」

アルマス「戦なら二人でやってなさいよ」

雑賀「そんなつれないことを言わないでほしいすね。戦争はタイマンと全然別物。軍と軍がぶつかって、その末に流れる血の匂いが堪らないんすけど、分かって貰えませんかね?」

ティファレト「分かりたくありません」

雑賀「残念っす。でもまぁ安心してください。ウチらがやるのは本物の戦争じゃなくてあくまでもゲーム。戦争ごっこっす」

アルマス「え、ゲーム?それって、一体……?」

雑賀「そんなの決まってますよ」

不敵な笑みを浮かべる雑賀に、アルマスはごくりと唾を呑む。

雑賀「フォートナイトっす!!」

一同「…………」

静寂。

全員お互いの様子を伺った後、信じられないものを見るかのような視線を雑賀に向けた。

雑賀「……フォートナイト。知らないすか?」

フェイルノート「そんな遊戯は見たことも聞いたこともないわ。雑賀、さっさとルールを説明しなさい」

雑賀「あっ…、そうっすか…。ルールの方はゲームの用意をしてくれるオティヌスから聞いてください……」

ショボンと肩を落とした雑賀の隣に、ドロン!と煙と共にオティヌスが登場した。

アルマス「わ!……ビックリした」

オティヌス「やっほー!それじゃフォートナイトのルールを簡単に説明するね!」

903キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:37:53

フォートナイトとは。

・無人島に投げ出されての過酷なサバイバルゲーム。

・無人島には銃器等のアイテムが隠されている。

・アイテムを駆使して相手パーティーを殲滅しよう!

オティヌス「ルールはこんな感じかな。ストームとか救援とか色々あるけど、それは今回は無しでいいんだよね?」

雑賀「ええ、ルールは公平を期すためにシンプルに。……っと、そうそう。少しだけルールを追加させてほしいっす」

雑賀「銃器以外の攻撃は禁止、かすり傷でも負わされた時点でその人はリタイアってことにしましょう。皇帝達に自前の力を使われたら、ひとたまりもないっすから」

フェイルノート「なるほど。相応のハンデね」

雑賀「皇帝達、質問の方は?」

ティファレト「雑賀のパーティーメンバーは?」

雑賀「秘密っす」

アルマス「いや、教えなさいよ」

雑賀「ダメっすよ。皇帝のパーティーメンバーに口を出さない代わりに、ウチのパーティーメンバーの秘匿とゲームを指定させて貰うようになってるんで」

アルマス「……フェイルノート」

フェイルノート「何かしら?言っておくけど文句なら受け付けないわよ」

アルマス「いや、文句じゃなくて…、私達を頼ってくれたってことでいいのよね?」

アルマスの言葉にフェイルノートは目を丸くし硬直する。

その後フェイルノートは額に手をあてて、大きく溜息をついた。

フェイルノート「……ふん。使えるだけの力を持っているから利用するだけよ。今後は分かりきったことを言わせないことね」

雑賀「頬が若干赤くなってる…。ツンデレっすね」

オティヌス「ツンデレだね」

フェイルノート「何か言ったかしら?」

雑賀「アハハ、何でもないっす。質問は他にないってことでいいですかね?」

アルマス達は皆コクリと頷いた。

オティヌス「準備はオーケーかな?私の合図でゲームを開始するからね」

雑賀「それじゃ戦争を始めましょうか」

フェイルノート「たまには私の威光を見せないとね。オティヌス」

オティヌス「よしきた!イッツ、ショータイム!」

オティヌスの指がパチンと鳴らされた瞬間、その場にいる全員の意識が暗転した。

904キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:39:34

ーーー1、2、3、ハイ!

アルマス「ん……、ここは…」

再びパチンと指を鳴らす音をがしてアルマスの目が覚める。

アルマスの視界に広がるのはサバイバルゲームで良く見るような廃墟でも無人島でもなく……、

アルマス「………なんでケイオスリオン!?」

……外に出ただけだし、無人島じゃないし、とボヤくアルマス。

ーーーごめんごめん。無人島ってリクエスト受けてたんだけど、行ったことないしイマイチ分かんなくてさ。自分のよく知る場所の方が幻覚を見せるのも簡単だし。

アルマス「オティヌス?なんか声が頭に直接響いてくる……」

ーーー味方がリタイアした時やゲームセットのアナウンスはこんな感じで私がするから。まずは味方と合流することをオススメするよ。それじゃ!

アルマス「あっ、ちょっと!オティヌス!」

アルマス「……オティヌスさん」

アルマス「…………………聞こえてないの?」

アルマス「……オティヌスノバーカ」

ーーーうるさいよ!?

アルマス「聞こえてるじゃない。皆の場所を教えて欲しいんだけど」

ーーーえ、察して欲しいんだけどなぁ…。視界の端にレーダーを映してるでしょ。

アルマス「あ、ホントだ。……便利だけど、邪魔くさいわね」

ーーーまぁ、そこは我慢して貰うしかないね。もう…、片側にあんまり肩入れしたくないから、あんまり話しかけないでよ?

アルマス「ん、ごめん。オティヌス、ありがとね」

ーーーはいはい、じゃーね!

905キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:40:12

アルマス「さてと、どうしようかしら……。レーダーを見る限り、カシウスとティファレトはフェイルノートの所に向かってる。……うん。一番賢いし、地の利があるフェイルノートと合流すべきよね」

フェイルノートのいる方角へ視線を向けると、銃や弾薬がそこかしこに地面へ散らばっていた。

アルマス「なんかシュールね。っと、銃持たないと」

アルマス「…………うーん。色々あるけど、かさばるし拳銃でいっか。ん?」

拳銃を拾おうとして屈んだアルマスの足首を、地面から出てきた骨の手がガシっと掴んだ。

骸骨「ハロー」

アルマス「………」

もう一度周りを見渡すと、そこら中の地面から次々と骸骨が這い出てきた。

アルマス「ちょ……!せいっ!」

足首を掴まれた骸骨の手を切伏せると、骸骨達が一斉にグリンとアルマスの方を向いた。

骸骨達「があああぁァァァ!」

アルマス「うわあぁぁぁ!!」

骸骨の総勢がアルマス目掛けて一直線に駆け出した。

アルマスも脱兎の如く駆け出した。

アルマス「ちょっとちょっと!サバイバルゲームじゃなかったの!?これだとホラーゲームじゃない!」パンパンパン!

アルマス「のわっ!あっぶない!」

轟いた銃声に対し、咄嗟に身を屈めたアルマス。

アルマスが後ろを向くと、骸骨達が銃を拾ってこちらに向けてるのが見えた。

アルマス「ちょっとオティヌス!これ、どうなってるの!?」

骸骨達「ナンダナンダ?」

アルマス「………」

アルマス「返事しなさいよ!」

骸骨達「ワァー」パンパンパンパンパンパン

アルマス「あぁもぉ!こんなの逃げるしか…、うわっ!」

アルマス「か、囲まれた……。もう、逃げ場が……、ッ!?」

次の瞬間、銃声が一帯に鳴り響いた。

906キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:41:49

雑賀「今頃、向こうはどうしてますかね……。初動の作戦で皇帝達の合流を阻止できれば上々、皇帝さえ討取ってしまえばほぼ勝ちみたいなモンすけど…」

骸骨「ヤッホー」

???「待たせたみたいだね」

雑賀「おっ、ウチの方はもう合流ですか。それじゃ本腰入れて攻めますかね…」

雑賀「それじゃ作戦通りに。宜しくお願いしますよ、御三方」



続く!

907キル姫フォートナイト(仮) 前編:2020/05/22(金) 21:46:39
ストームとか建築といったフォートナイト要素はないので、キル姫によるガチサバイバルゲームのSSだと思ってください。

最後まで目を通して下さった方、ありがとうございます。
良ければ雑賀側のパーティーメンバーを予測してみてください。

ちなみに全員ケイオスリオンのキル姫です。

908名無しさん:2020/05/22(金) 21:47:14
おもしろそうやん!

909名無しさん:2020/05/22(金) 22:33:53
スナイパーアバリスさんの本領発揮や!

910ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 13:57:46
どうもこんにちは、今回二次創作としてもロスラグのイフを書かせていただきました。
内容は「もし、最終決戦の旧コマンドたちの戦いの際にエンシェントが助けに来てくれたら?」という内容のものです。

ちなみに、エンシェントはイミテイトができる状態とします。なぜイミテイトできているかは深く考えないでください。

本当は一人分しか書くつもりがなかっため、ミネルヴァのものだけ決着を書き、他のエンシェント(ラグナ除く)は戦闘前の導入までです(書く気はない)。
また、旧コマンドの敵キャラ感をマシマシに書いているので、ヒールキャラが嫌いな人は読むことをオススメはしません。

最後に、エピローグ的なものは気分がのれば書くかもしれませんが、期待しないでください

読んだ人の暇潰しの娯楽になれれば幸いです

追記:共鳴を得たダモクレスはいいこです。ネタキャラよりこういう路線のキャラにイミテイトで変化していると考える、それが愛だと思います○

911ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 13:59:26
サイドS「孤独な勇気」

蒼い火花が虚空に散る。
正確無比な弓矢は創造絶する威力で放たれているが、それを全て蒼い剣閃が撃ち落としている。

「ありゃすげぇぜ!なにもんだ、あのネーちゃん!?」

ぼろぼろになって倒れているレヴァを守るように立つムーは、突然現れた新たなキル姫目を奪われていた。
レヴァとムーが全力で立ち向かっても、けっして敵わなかった神令スイハの猛撃を悉く退けていた。
そして、何よりも、目の前で戦っている相手がまるで双子のように瓜二つだったからだ。

「あ、れは・・・スイハ・・・?」

レーヴァテインは霞む視界で彼女を見る。衣装や肉体に多少の変化があったが、それが記憶に朧気に残った記憶が彼女であると確信させる。

「ラグ・・・レーヴァテイン、大丈夫ですか?傷の方は?(あまりに彼女と瓜二つだから、間違えてしまった!?)」

彼女は姿を隠した神令スイハに意識を集中させながらも、レーヴァテインに声をかけた。

「・・・えぇ、問題ない、わ」
「問題ないわけあるか!全身穴だらけにされてんだぞ!」

消滅しないのがおかしいほどの傷をおってもなおも生きているのは、レーヴァテインの神器の自己回復のなせる技か。しかし、それでも最早彼女は立ち上がる力さえもない。

「あなたの名前は?(なにこの生き物、可愛い)」
「お、オレか?俺は世界最強の伝説の竜、バハムートだ。ムーって呼んでくれ」
「では、ムーこれをレーヴァテインに使ってあげてください。今から私はレーヴァテインが回復する時間を稼ぎます(正直、怖いけど・・・)」
「いやだが、回復しても俺たちの実力じゃ」
「大丈夫です。回復と共に彼女は新たなステージに立つことができますから(さあ、勇気を出してーーーいこう!)」

そう言うと、彼女は地を駆けて、敵に向かって駆け出した。

「弓兵が剣士の真似事とは愚かな、それは勇気ではなく無謀です」

どこから聞こえたのか、神令スイハの声が空間に反響した。声の元はわからないが、擬装スイハは真っ直ぐ空間をかけていく。
彼女の向かう先から、轟音と共に風を巻き込む爆炎の弓矢が放たれる。当たってしまえば、その弓矢は対象者の行動力を奪う。
一撃当ててさえすれば、行動を許すことはなく、擬装スイハを一蹴できるだろう。だが、その矢じりは一つも彼女を貫くことはなかった。

「その程度では私は倒せませんよ、そんな臆病なやり方では」

擬装スイハは一気に距離を詰め、目の前のなにもない空間をを斬り裂く。すると空間が切り開かれ、中から神令スイハが出現した。

「私が臆病ものだと?孤高である私が?何を恐れると言うのです」

神令スイハは持ち前の移動力で、擬装スイハと距離を取ろうとしたが、

「その跳び引く姿が、です!」

擬装スイハの刀身が伸びた。突然の事態に反応が遅れたスイハは、とっさに脚のブレードで彼女の攻撃を防ぐ。
激しい金属音とともに、砕けたのは神令スイハの脚のブレードだった。

「勇気とは誰かの後ろに隠れることではない。己の力を誇示し、力を振るうことではない!自らの信じた想いを貫くこと!そしてーーー」

912ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:00:17
>>911
擬装スイハの追撃の前に、速射されようとしった神令の必殺の反撃が彼女を狙うが、

「仲間を信じ抜いて、己の想いを仲間に託すこと!!」
「なに!?」

それは回復したレーヴァテインの乱入によって阻まれた。
レーヴァテインの一撃を受けた彼女は、そのまま吹き飛んでいき、空間に存在する壁に激突した。

「く、ぅ・・・かは・・・っ」

神令スイハにとって貧弱だったはずのレーヴァテインの一撃を受けて、かなりのダメージを負わされたことに驚愕する。

「(彼女は速度だけなら私と同等程度だったはずなのに、反応できる速度だったはずなのに・・・何故・・・こんなに速くなっているのか)」

神令スイハはレーヴァテインを見た。
彼女の周囲にはなにかオーラのようなものが見え、その存在の密度がはね上がったことが見ただけでわかった。
それはクラスチェンジの力だった。
技術自体は神令スイハの世界に存在するが、それをこの場で適応する技術など彼女は知らない。

「スッゲーぜ!力が沸き上がってきやがる!これなら最近面目丸潰れなバハムートとしての活躍を期待でき」
「ムー、黙って」
「ムギュギュ」

レーヴァテインとムーのやり取りをなにか、言いたそうにもじもじしているスイハだったが、再び肥大した殺気を前に剣を構える。

「・・・甘いですね、追撃をせず友達ごっこですか」
「甘いとは違いますね。私は貴女と戦うことはしても、貴女を滅ぼそうとは考えていません」
「・・・なに?」
「私は貴女と手をとりたいんです。一緒に歩んでいける道を探したいんです。いいえ、一緒に歩んでもらいます」

スイハは自信を持って、手を差し出す。今にも矢を向けて殺しかからんとするほどの殺気を放つ相手に。

「随分と我が強くなったものですね」
「ええ、これでも少しは勇気を出して、自分を出していこうとしているので(ああ、恥ずかしいことを行ってしまった!レーヴァテインに変なこと思われてないかな?)」

ほんのすこしの強がりだとわかる目の前の少女の『勇気』を見て、彼女はほんのすこしだけ微笑んだのかもしれない。それは仮面でわからなかったけれど。

「ならば来るがいい!私の『孤高』の力で蹂躙してあげます!!」

決着をつけるため、二人と一匹は目の前の孤高であろうとする少女を助けるべく、駆け出していった。

913ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:01:11
サイドG「自らを正義と呼ばぬ断罪者」


「ぐ、やはり、私には・・・何も・・・」

ティファレトは地面に倒れ、神令グラシーザの尻の下敷きになっていた。
圧倒的なパワーの前に終始圧倒され、地に倒れふしたあとも抗おうとしたが、動くこともできず土の感触を味わっている。

「ははは、やはり、私のしょうりだったな」

神令グラーシーザは高らかに笑い声をあげる。
いまティファレトが殺されていないのは、彼女が教皇という権力者を自ら断罪できることに喜びを感じているからだ。
ティファレトを椅子とする独裁の裁判長の機嫌がわずかでも損なわれたら彼女の命はない。

「なあ、どんな気分だった?自らのせいぎが無力であった時のぜつぼうは?さぞこたえたんじゃないか?」

グラーシーザはティファレトの頭を掴んで地面い擦りつける。

「ちからなきせいぎに、意味などない。それはなんでも同じだ。そして、力のないちつじょはとうそつをうしないいずれがかいする。とうちしゃを失っても同じことだ。・・・いまのお前のように・・・いや、果たしてお前は国にひつようとされていたのかな?」
「うぅ・・・」
「特別に許可してやろう。なにか言い返してみろ」

神令グラーシーザは裏表のない感情をティファレトに向ける。
その言葉に、ティファレトは答えを返すことができなかった。
形だけの教皇であり、自分は何もしていない。全ての事柄をセイントに任せ、自分が動けば止められたはずの天使人の強行すら見逃して、王座に引きこもっていたことを良しとしていた独りぼっちの己に何が言い返せるだろうか。

「っは!裁判長であるわたしの問いに何も答えんとはふけいである!もういい、お前をしょぶんする」

ティファレトが答えなかったのが癪に障った神令グラーシーザは、まるで子供のように激昂し、その槍をティファレトに突き刺そうとする。

「そこまでだ!!!」

槍が彼女の首を穿とうとした瞬間、突如目の前に現れた巨大なハンマーに神令グラーシーザは度肝を抜かれた。

「この私が、パワーまけをするだと!?」

咄嗟に、槍でガードするが、その圧倒的なパワーによって吹き飛ばされる。
意識すら持っていかれそうになる神令グラーシーザだったが、なんとか耐えきり、持ち前のフィジカルで無事着地を果たす。
顔をあげるとそこには神令グラーシーザがよく知る人物がいた。

「なぁ!?私だとォ!?」

突然の予期せぬ乱入者に神令グラーシーザは目を見開き驚く。

「きさまはなにものだ!私のにせものか!?」
「わたしはにせものなどではない。わたしはグラーシーザ・擬装・ウォーリアーだ」
「やはり、にせものじゃないか!」
「だから、にせものじゃないといっているだろう」
「うるさいぞにせものが!この私のまねをするなどふけいである!断罪してやる!」

まったく話を聞かない神令グラーシーザは地を蹴り、自慢の槍を横一閃する。だが、その渾身の一撃はあっさりとグラーシーザに止められてしまった。
まるで見えない壁でもあるように、神令グラーシーザの攻撃を通すことを許さなかった。

914ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:01:51
>>913
擬装グラーシーザはあきれた声で、再び巨大なハンマーを振ろうとする。
それに気付いた神令グラーシーザはすぐに飛びひいた。

「どうだ?・・・いまどんな気分だった?さきほどおまえがいった通りだな。あっとうてきなちからのまえには、くっするか身をひくしかない」

神令グラーシーザは何も答えない。先ほどの余裕そうな態度はもうない。蹂躙するだけの弱者ではなく自らの敵であるものを、静かに観察していた。

「みな、それぞれの正義をかかげて生きている。たとえ、それがあまりにもゲスな外道であってもだ。・・・だから、わたしはお前の正義をひていしない」

神令グラーシーザは彼女が持ったリングをティファレトにつけてやると、それはティファレトの自然治癒力を高め癒しだした。

「だが、わたしはむていこうの相手をいたぶるしゅみはない。むしろむかつくといったほどだ。お前も私ならわからないわけでもないだろう?」

擬装グラーシーザの体躯では扱えることすら考えられない巨大な炎のハンマーを掲げる。
それはまるで、裁判長が判決を下し振り下ろす鉄槌のようで神令グラーシーザの癪にさわった。

「ああ、だから、たんてきに、このこういを正義と呼ばず、私情をこめて言わせてもらうなら。ーーーお前だけは許さない」

擬装グラーシーザはそういうと、地を蹴った。

「一度こてんぱんのしてやるぞ。てっていてきに!おまえがいったあっとうてきなちからで、お前の鼻っ柱をへしおろう!だだをこねるこどものようなお前にはちょうどいい『断罪』だろう?」

一度の跳躍で一気に距離をつめた擬装グラーシーザはハンマーを振るう。
方や人の罪を赦さず断罪を強要する姫と、方や自らの正義と向き合い、それでも自らの心を見失うことはない姫。
二人の想いに間違いはない。互いの正義は胸にあり、それを信じて今まで戦い続けて来た。
仮に、もしここに正しさがあるのだとしたら、それはきっと勝者のみ語れるのだろう。
故に、神令グラーシーザは吼える。

「やってみろ!!この世のことわりもしらず、のうのうとせいろんだけをたれながすきさまに!それが!!できるのなら!!!」

その雄叫びにも似た怒声は、誰に向けられたものなのか。
その言葉は虚しく、彼女自身が作った空間に木霊し消えていった。

915ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:02:37
サイドF「捨てたはずの信仰(想い)」

「お姉ちゃん未来視に変な雑音が混ざってた理由はこれだったんだね」

コマンドフライシュッツは目の前でカシウスを救った自分の姿を凝視する。
その姿は自らの姿に似ていたが、その手には銃ではなく槍を持っていた。

「カシウスちゃん大丈夫〜?ごめんね〜お姉ちゃん遅くなっちゃって」
「あ、貴女は・・・誰?」
「フライシュッツ・擬装・セイバーだよ〜。はじめまして」

彼女は彼女のままにカシウスを抱き締める。

「初めまして、私。・・・自分の未来は見通せないからまさか私がここに来るとは思わなかった」
「ちょっと、遅れちゃったけどね〜。ほんとはもっと早く駆けつけたかったけど、私たちにも事情があったの」
「まあ、どうでもいいけど。どのみち私が来たところでやることは変わらないよ」

神令フライシュッツは銃口を向ける。
それがどんな相手であろうと、彼女は彼女が好きになったものが失われないよう、自分のために戦うのだ。それが例え自分が相手でも、共鳴のない意思はかわらない。

「貴女、凄く辛そうだよ?」
「・・・何をいっているの?」

一瞬、擬装フライシュッツの言葉に彼女はピクリと反応した。

「ほらーやっぱり辛いんだ!わかるよ〜、だって私のことだもん!本当はこんなことしたくないんだよね?」
「・・・関係ない。私は共鳴なき『盲信』を自ら選んだの。貴女にとやかく言われる筋合いはないよ」

少し間が空いたことに、神令フライシュッツは自らの心の弱さを認識する。そんなものは切り捨てなければならない、やるべきことをやるために。
そんな彼女に擬装フライシュッツは穏やかな笑顔を向けた。

916ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:03:28
>>915
「昔ね。ずーっと昔に私たちのマスターになってくれた人がいたんだけど、私・・・その人のことが好きだったんだ」
「なにを」
「それでね、彼に一番美味しいバレンタインチョコをあげたくてわがまま言って、グラーシーザちゃんとちょっと険悪になったことがあったの。グラーシーザちゃんはなにも悪くなかったのに私はあの子の好意を無下にした」
「・・・・」
「仲直りできたんだけど、笑っちゃうよね。いつも大好きなみんなにハグを求めて、いざ好きになった人ができたら、同じ気持ちの人を突っぱねるって」
「・・・・」
「それこそ、自分の気持ちに『盲信』してたのかも。相手のことを考えず、自分の好きなことばかり押し付けて・・・でも、みんな優しいからついつい甘えちゃって」

長々と語る擬装フライシュッツの言葉にいつの間にか彼女は耳を傾けている。

「信仰と盲信って本質は同じだと思う。でも、そこに誰かを想う気持ちがなければ独りよがりなんだってあの時気づいたの・・・貴女にだって、きっとわかるよ。ううん、きっとわかってる。だって、そんな姿になってもハグすることをやめてはいないでしょう?」

擬装フライシュッツは満面の笑みで、カシウスを支えた片手を広げーー

「私たちはわかりあうために来たの。そして、泣き出しそうになってる私を救うために」

そう、言い切った。
その言葉に神令フライシュッツが何を思ったのかは、彼女にはわかる。
神令エンシェントが作った空間に入ってから、胸が張り裂けそうなほどに苦しかった。
神令は共鳴を断つ。しかし、キル姫の性質上同じ存在である共鳴する性質までは止められるものではない。彼女は彼女のことを知らずとも、知っている。

「だから、そんな仮面脱ぎ捨ててしまおう?この世界の『彼女』はいなくなってしまったけれど、貴女にはまだーーー」

乾いた銃声が、虚空に鳴り響く。
フライシュッツが天空に向かって魔弾を放ったのだ。それは擬装フライシュッツの拒絶を意味していた。

「そっか、残念。だったら、お姉ちゃんも容赦しないよ。もっと、いーーーーっぱい私の気持ちを伝えてあげる」

天空に撃たれた魔弾は軌道を変えて、擬装フライシュッツに降り注ぐが、それを身の丈ほどもある巨大な槍が貫き消滅させる。
既に戦える状態になかったはずのカシウス自らの力を放っていた。

「ありがとう。お陰で再び輪廻を回す歯車は回り出すことができる」

擬装フライシュッツはカシウスをハグしてると同時に徐々に回復をさせていた。彼女が大好きなミネルヴァとの絆(ギア)によって。

「うん、きっとお姉ちゃん一人じゃ勝てないからカシウスちゃんお願いね!」

二人は互いの槍を構える。まるで長年戦った相棒のように、スキルによって互いの力を底上げさせていった。
それを見て、神令フライシュッツは

「失せて、消えて、もうソンナモノは捨テタンダカラ!!!」

痛ましく怒声を浴びせて魔弾を放った。

917ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:04:39
サイドL「信念(希望)を求めて」

決着はついた。ーーはずだった。
仮面を砕かれ、アルマスとマスターに共鳴してしまった神令エルキュールにもう戦う力は残されていないはずなのに、その信念はいまだに折れてはいなかった。

「アァアアアアアアアーーーー!!」

もう既に決着がついたと思っていたアルマスとマスターとティニの誰も反応ができないでいた。
神令エルキュールの戦斧がマスターの首を狙う。本来、バイブスに共鳴したものはマスターを直接的には害せないが、エルキュールは神令を受けている。その例外は、彼女に踏みとどまらせることを許さなかった。

「マスター!!」

アルマスからの距離では遠すぎて間に合わない。ここに彼女たちの希望は潰える。

「な、に!?」

そう確信した神令エルキュールだったが、それよりも速く赤い閃光がマスターを救った。
神令エルキュールの暴力的な力を前に、真正面から大鎌で鍔迫り合いをする。
たなびくリンゴのように赤い髪。一度の見たら忘れないだろうその美貌の持ち主は、神令エルキュールと瓜二つだった。

「あ、アナタは、何者ですか!」
「私はエルキュール。エルキュール・擬装・セイバーです」

そう名乗った擬装エルキュールは剣を思い切り振り抜き、神令エルキュールを吹き飛ばした。

「絶、凄い。あのエルキュール・・ああ、と、あっちもエルキュールだったわね?い、いやそんなことよりマスター大丈夫だった!?」

マスターはこくりと頷く。
マスターの無事に安心したアルマスは擬装エルキュールに向けて視線を移した。

「アナタ何者?エルキュールって名乗ってたけど、あっちもエルキュールでこっちもエルキュールだし」
「アルマス。落ち着いてください。彼女はおそらくこの世界のエルキュールさんなのでしょう」
「そういうことです。それと、結界は私が破壊しておきましたから、ここ私に任せて先にいってください」

エルキュールは自信満々な笑顔で答える。
マスターはそれを見て、ここは任せて自分達は行こうと言った。

「えぇ、本当にいいの?」
「構いません。彼女の力の源である仮面と武器、その片方が壊れている状態であれば、あとは私だけでもどうにかできます」
「・・・・わかったわ。あとでマスターを助けてくれたお礼がしたいから、絶っっ体死なないでよ!」

擬装エルキュールはまっすぐ親指を立てて見せた。その背中の頼もしさに確信する。彼女に任せておけば大丈夫だと。
アルマスたちは擬装エルキュールが破った結界の割れ目から脱出する。
この場に残ったのは二人だけとなった。

「さあ、立って下さい。この程度で倒れる私ではないでしょう?」

擬装エルキュールの言葉に反応し、倒れていた神令エルキュールは立ち上がる。まるでその姿は亡霊のようだと彼女は感じた。

「・・ぃ・・・ら・・・・」

掠れた声で、この音のない世界ですら聞こえないほど小さく神令エルキュールは声を発する。
擬装エルキュールは静かに、彼女の想いの吐露を待った。そしてーー

918ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:05:34
>>917
「いまさら・・・いまさら希望(あなた)が絶望(わたし)の前に現れるな!!!!」

振り絞った怒声と共に彼女の体から紫電の雷が迸る。

「そうですね。正直、あなたの前に現れるつもりはありませんでした。アルマスさんが決着をつけてくれたから、それでいいと思っていました。・・・でも、あなたの信念(ぜつぼう)はとまらなかった。だから、私が来たんです」

擬装エルキュールは大鎌を神令エルキュールに向ける。
輝く黄金の意思の宿る刃で、彼女を照らしてあげるかのように。

「私にはわかる。あなたの仮面がなくなって、さらに強くなった共鳴が私に教えてくれる。あなたがもう既に、折れてしまってることに」
「ふざけないでください。そんなことはけっして」
「いいえ、折れています。アルマスさんと戦ってる時じゃない。気の遠くなるような遥か昔に」
「あなた、まさか・・・」
「ええ、アルマスさんとあなたの強い共鳴により、私にあなたの記憶の一端が流れ込んでいました。その手がどれ程血に染めたかも知りました」

神令エルキュールは苦虫を噛み砕いたような顔を浮かべ、いまにも吐きそうなほどに顔を歪めた。

「私は一度躓くと誰かに引っ張ってもらわないと起き上がれなかったから、今まで辛かったでしょう?」

エルキュールは神令になる前に、命を奪っている。襲われたから返り討ちにするしかなかったという理由では誤魔化しきれない後悔が、彼女の心を折っていた。
例えそれが神令という、他者というものの認識を曖昧にするものであっても記憶の片隅にはいつまでもその時の感触がこびりついていた。
だから、彼女は止まろうとしなかった。
信念という言葉を信じなければ、歩みを止めてしまえば足元に這い寄る絶望の闇に飲まれてしまう。一度捕まれば立ち直ることはできない。だから、彼女は逃げるように、自暴自棄のような戦いで自分を傷つけ続けた。
いや、あるいは、自滅することで自分の歩みが止まることを心のそこでは望んでいたのかもしれない。
もし、他のエンシェントが神令を享受しなければ間違いなく彼女を止めていただろう。だが、時は既に遅く、彼女を止めてくれる存在がいなくなってしまった彼女は信念というレールを走り続けてしまった。

「安心してください。大丈夫ですよ。あなたはようやく止まれます。私の希望があなたの信念(ぜつぼう)を照らしてみせますから」

擬装エルキュールは満面の笑みで、神令エルキュールに告げた。自分を救ってくれると。

「ああ、ばかみたいに陽気で明るい。簡単に希望を語って、誰も彼もを救おうとする。それは私も持っていたものだったのに・・・」

神令エルキュールが一筋の涙を流す。
それがトリガーのように、彼女の肉体を変質させていく。
体にまとっていた衣装が変化し、体には呪いのように刻まれた神令のゲッシュが浮かび上がる。
それはおそらく、エンシェントのリーダーである神令エルキュールにのみ刻まれた特別製のものだと擬装エルキュールは確信する。
つまり、これを取り除かぬ限り、彼女の呪縛はとけはしない。

「・・・やっぱり、アルマスさんに手伝ってもらうべきでした」

先程の表情から一点して、笑顔の意味が変わっている擬装エルキュールはそれでも絶望してなどいられない。
そんなものはあとからでいいのだ。彼女には立ち直らせてくれる家族がいる。

だから、何度でも絶望よ立ち向かってこい!私の希望の元に集え!それらを全て照らして、この世界に安寧を取り戻す。
それが、彼女の求めた信念(希望)なのだから。

「エルキュール・擬装・セイヴァー!!参ります!!」

希望の大鎌を手に、彼女は自身を絶望から救うため、刃を振るった。

919ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:06:27
サイドN「支配という名の」

「ここまでですね、新参でありながらよくやったと思いますよ、あなた」

感情の籠ってない言葉を浴びせるのは神令ネスだった。
彼女の杖を向ける先にはモラベガが倒れている。

「ぐぅぅ・・・ぁぁ・・・」

ぼろぼろになりながらも必死で立ち上がろうとしているモラベガを前に、神令ネスはため息をつく。

「・・・まったく、あなたのような人種は厄介です。なまじ意思が強すぎて、折ろうとするのは一苦労です」

神令ネスとモラベガは10分ほど前に、もう決着がついていた。
それでも、まだ、モラベガが消滅していないのは一重に神令ネスが目の前の姫を支配しようと思ったからだ。
10分間、彼女は傷をつけられては回復を繰り返していた。痛みと癒し、別方向感覚を味わい、何度も反吐を吐かされた。
目からは涙を流して、肉体は拒否反応を起こして痙攣を続けている。これ以上やれば、回復をしたとしても身体機能の方が先に死を求めるだろう。
それでも折れないモラベガに、少し苛立ちを神令ネスは感じ始めている。

「ほら、どうしたのですか?先ほどまで、アルマスアルマスと元気にしゃべっていたではないですか?・・・それとも、私の支配を享受する気になりましたか?」

ネスは自らの杖でモラベガの頭を突っつく。
モラベガは立ち上がろうという気配はもうない。気絶したのか、死んだのかわからないが、神令ネスは自分が時間を無駄にしたことを嘆き、再びため息を吐いた。

「時間の無駄でしたね。無益な殺生は、私の支配に反しますが」

神令ネスは感情のこもらない声音で言い放つと、杖をモラベガに放りおろそうとする。その 刹那に、エンシェントの結界が破壊された衝撃が彼女の精神を揺さぶった。

「どういうことです!?」

結界が突破された場所を振り向くと、そこから一直線に、流星如きなにかが神令ネスに突っ込んできていた。
神令ネスは身の危険を感じ咄嗟に、距離を取った。
蒼と黒い閃光は軌道を変えることなく、倒れたモラベガ元に降り立った。

「何者ですか!名を名乗りなさい!」
「貴女に名乗る名はありません」

そこに降り立ったのは、機械のような何かを手にした自らと酷似した存在であり、神令ネス困惑した。
この世界に自分は存在するだろうことは考えていたが、他のエンシェントより強固に作った結界を破り、おまけに訳のわからない武器を装備しているのだ。彼女が混乱するのは当然である。

「何ですか、そのいかつい武器は?」
「色々あったのです、色々と・・・」

答える気はないとばかりに、神令ネスから視線を外しモラベガに彼女は触れる。
回復をしているのかと思った神令ネスだったが、治癒の力は発動してない。
何もかもが不可解だ。目の前の自分が結界を突破するだけの火力を有しているのも。だが、神令ネスは考えるのをやめた。
思考は推測でしかなく、この場では意味をなさない。彼女はいつも通りに力を振るい、支配によって事をなすだけだ。

「答える気はないようですね。ならば、あなたを支配してあげましょう!」

神令ネスは杖を掲げ、自らにスキルをかけていく。その行動を前に、擬装ネスはなぜか微笑んでいた。

「なんですかそれは・・・何がおかしいというのです?」
「いえ、ただ、あなたの行動を見ていると以前の私を見ているようで、ちょっとおかしいとおもったものですから」

擬装ネスは無防備だ。まるで目の前に敵がいるなど思ってもいないように振る舞う。

920ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:07:33
>>919
「あなた、他人を支配して楽しいですか?」
「楽しい?そんなものはありません。わたしはわたしの定めた共鳴なき節制、その支配の理に従うのみ」
「・・・そうですか。・・・わたしは一度も節制する行為を楽しいと思ったことはありません」
「・・・何が言いたいのです」
「あなたが私なら知っていると思いますが、わたしはスイハに憧れていました。徹頭徹尾クールで、その弓が射抜くそれはとても美しかった」
「それが・・・どうしたというのです」
「完璧だと思ってたスイハは、実は心がとても臆病で勇気という仮面をつけていたことを知りました」
「・・・」
「それはもう、驚きました。わたしが想い描いていたスイハの人物像が消し飛んだんですから。・・・でも、憧れるのをやめて自分の本音を言い合えるようになったら、私たちはもっと仲良くなりました」

擬装ネスは遥か昔の思い出を振り替える。
そのときのことを思い浮かべて、彼女は少し寂しそうな顔になった。

「私たちは自らの欲を表に出さず、それを美徳として誕生しました。当然です、創造主はそのように私たちを作ったのですから」

どこか遠くを見る擬装ネスは、懐かしむように胸中を語ってゆく。

「でも、そんなものはもうどうだっていいんです。すぎた美徳はなんてものは、他人を不幸にするだけだとわたしはマスターと、みんなから学びましたから」

まるで子供に物事を教える母のように、優しい声音で神令ネスに語り続ける。

「知っていますか?クラウソラスは女性でも男らしくクールでカッコいいけれど、お菓子がだーいすきなんです。パラケルススは他人を遠ざけているようで、熱心にお願いしたら凄く面倒見がいいんです」

思い付いたことを、思ったままにいう。
その表情はとても晴れやかだった。

「規則も規律も、大欲を節制することも時に必要です。それでも、その心は自由であるべきです。私だけではなく、あなただってそう」
「わたしが・・・?」
「そうです。支配なんて言葉を使わなければ自分の気持ちを支配できないなら、そんなものは捨てて楽になってしまってください」

擬装ネスは穏やかな視線を神令ネスに向ける。彼女はうつむき、足の袖をぎゅっと握っていた。

「・・・それでも、わたしは支配します。それが彼女の望みだから・・・」
「それがあなたの本当の望みでなくても?」
「そうです。わたしの想いはちっぽけで、あなたの言葉で揺り動かされるほどのもの。でも、もう戻れないから・・・もう、振り返ってはいけないから・・・」

神令ネスはポケットに入れてあった赤と蒼のブローチを取り出し、それを空に投げる。それに向けて彼女は魔弾を放つ。
烈火の如く燃え盛る紅蓮が二つのブローチを撃ち抜こうとしたが、それより先に擬装ネスはそのブローチを守るために炎の前に立ちふさがった。
パイルバンカーから射出される槍が炎を打ち消し、ブローチを回収する。

「ダメですよ。これは大事なものなのでしょう?」
「もう、私にそれはいりません」
「嘘ですね」
「・・・・嘘なんて、いってない」

手に取ったブローチを見ると、それが誰のものかを察した擬装ネスは、パイルバンカーを神令ネスに向ける。

「・・・では、こうしましょう。私のこれは形状こそかわれど、本質はかわっていません。あなたが真に嘘を言っていないのであればなにもおこりませんが・・・」

パイルの撃鉄が虚空に反響する。
もう交わす言葉はない。あとは戦いのなかで理解しあっていけばいいのだ。

「あなたが嘘を言っていたのだとしたら、しかるべき『罰』が下ることでしょう」

擬装ネスは一歩蹴りだし、神令ネスとの距離を詰める。
互いに譲れぬ想いがある。産まれは一緒でも歩んできた生は違う。
擬装ネスは意思と誇りで、神令ネスは過去と彼女の夢のために力を振るう。

「(共鳴(他人)がないなんて、嘘っぱち。あなたはちゃんと、彼女を失いたくないんじゃないですか)」

擬装ネスはさらに力と想いを込めてパイルバンカーを握る。
交差する杖の魔力とパイルバンカーの力の激突で、発生した余波が空間に響くのだった。

921ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:09:04
サイドD「壊れた愛を抱き締めて」

「君もクレス様が愛してあげるからね」

恍惚の表情で神令ダモクレスはティルフィングを踏み潰していた。
ティルフィングは既に追い詰められ、声すらも発せられないでいる。
肉体は神令ダモクレスの猛毒によって蝕まれ、彼女がいくらエイレーネの加護で耐えていたとはいえ限界を迎えていた。

「さあ、クレス様の愛で満たして逝って、クレス様のものになって」

神令ダモクレスが、風前の灯火のティルフィングの命を摘み取ろうと踏んでいた脚に力をさらに込めようとした。
その瞬間に、それは起こった。
一陣の突風が吹き荒れ、一瞬神令ダモクレスの視界を遮ったかと思えば、風は質量をおびたかのように神令ダモクレスをその肉体ごと吹き飛ばした。
だが、神令ダモクレスは何者かの攻撃に臆することなく自身のスキルを発動させようとする。彼女の前では距離という概念は意味をなさない。あらゆる攻撃を受けきったとき、彼女の必殺の一撃は相手の喉元の食らいつき、猛毒で侵し尽くす。ーーーそのはずだった。

「へぇ、まさかこんな素敵なことになるなんてクレス様思わなかったなぁ」

スキルが発動しないことで、神令ダモクレスは己の直感の正しさを認識する。その眼に映るのは、自らと瓜二つの存在だったのだった。

「ティルフィング大丈夫〜?ごめんね〜、クレスここに来るの結構迷っちゃって〜」

緊張感のない声と、場に不釣り合いな笑顔を見せながらダモクレスはティルフィングに治療を施す。
彼女が本来持つのは剣であったが、今では何があったのか杖を持ち、ティルフィングの回復を行い始めた。

「貴女、この世界のクレス様だよね〜。嬉しいな〜まさか出会えるなんて思わなかったから」
「うん、初めましてだね〜。クレスも嬉しいよ〜」

天真爛漫な笑顔を互いに向ける。どちらの表情にも含みはなく、両者は裏表のない感情を互いに向けあっている。それがこの場ではあまりにも異常だった。

「でも、どうして、その娘を助けようとしているの?クレス様とおんなじならわかるでしょ?死ぬときは死んじゃうだし、それにその娘はもう助からないよ。そんな苦しませるような行為をして何がしたいの?」

しかして、やはり微笑を携え冷酷に笑うのは神令ダモクレスだった。
彼女は本気で、目の前の自分が何をしているのか理解できないらしい
その問いにたいして擬装ダモクレスは、

「助けようとしているんだよ、消えそうな命を」

あっけらかんに、当然のように、そう答えた。

922ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:10:12
>>921
「助けたい?何をいっているの?私に殺(あい)されて死ぬことこそ、その娘にとっての幸福なのに・・・」
「そんなこと、絶対にないよ」

神令ダモクレスの言葉を一蹴し、擬装ダモクレスは自らの力に全力を注ぎ込んだ。
普段の彼女を知るものならば、目を疑う光景だ。同じ存在である神令ダモクレスにすら理解が及ばない。
擬装ダモクレス目は真剣だった。いつもの笑顔はすでになく、必死な表情で、消え逝こうとする命を手探りで繋ぎ止めようとしていた。

「・・・な・・・に・・・?」


神令ダモクレスは呟く。本人も意識しないほどか細く。
初めて、彼女は目の前のソレを認識したのかも知れない。目の前にいたのが自分だったから認識できたかも知れない。
目の前にいるのは、ワケノワカラナイコトバをカタる誰カ、だと。

「クレスもずっと昔は同じ気持ちだったよ。死ぬときは死ぬんだって、何をやってもどうしても死ぬ時が来るんだって」

擬装ダモクレスはよりいっそう魔力を込めながら言葉を紡ぐ。

「マスターに言われてもわかんなかった。何度も何度も言われたよ、そしてバイブスが共鳴してそのとき、そこで理解できた気がしてたんだ。してだんだよ。・・・でも、違った」
「・・・・」
「私が気付いた時はマスターが死んじゃった時だった。いつも通り戦って、マスターは敵にやられて死んじゃった。本当に、ふいに、ね」

彼女はありったけの力を込めた。目の前の命を取りこぼさないように。

「クレスは、そのときようやく知ったんだ。大切な人が死んだら悲しいってことを。・・・ひどいよね、マスターが死んでからそんなことに気づくなんて」

光はさらに大きくなり、ティルフィングはの全身を包み込んだ。

「マスターの手を握ったとき、冷たかったよ。マスターに話しかけたのに、何も答えを返してくれなかったよ。もう叱ってもくれなかった。撫でてもくれなかった。・・・みんな泣いてた。・・・・・みんな泣いてたんだよ」

擬装ダモクレスの瞳から涙が零れ落ちる。一つ二つとティルフィングの頬に落ちると、そこから毒素にやられていた肌が元に戻っていった。

「それからクレスは、ずっと後悔してる。いまだってそう。あの時、ああしていればきっとマスターはまだ生きていられたって、人間の一生がどんなに少なくても、もう少し一緒にいられたって」

治療を終えた彼女は杖を持ち立ち上がる。目の前に見据える自分に向けて、杖を向けた。

「だから、クレスはあの時と同じ気持ちにならないように全力でみんなを助けるの!この力だってクレス自身が望んだことなんだから」

神令ダモクレスは酷い悪夢を見ているかのような表情で、目の前の『誰カ』を見据えている。
それが今にも爆発しそうなことは、擬装ダモクレスにはわかった。
ティルフィングを助けるために多くの体力を使った擬装ダモクレスは、目の前の自分に破れるかもしれない。以前の彼女ならきっとそれでも良かった。
だが、もう、ここに以前の彼女はいない。
ならば、あらゆるものを諦めて死体にすがりついて泣いている自分に負ける道理などあるはずもない。

「■■■■■■■ーーーーー!!!!」

それは言葉にならない絶叫をあげて、毒素を撒き散らした。
それでも不敵に笑う擬装ダモクレスは、風を起こして杖に魔力を籠めた。

「助けるよ、マスター。クレスが、この娘を!!」

両者の力が激突し、彼女たちの戦いが幕を開いた。

923ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:11:10
サイドM「盲目でありたかったもの」

「こんなこと、あり得ないわ・・・」

フェイルノートはコマンドミネルヴァの前に屈していた。

「初見殺しというほどのものではありませんが、相性も悪かったですね。他の相手ならまだしも、私の相手をするべきではなかった」

コマンドミネルヴァの胸部には大穴が空いている。普通なら即死しているだろう傷をつけられても、彼女は声音をひとつ変えることもなく佇んでいた。

「最初から貴女は私には勝てない。不死の肉体と自らのダメージを反射する力の前では、力があればあるほどに効果が発揮されます。自業の自得に呑まれなさい」

コマンドミネルヴァは冷徹に語る。
属性は互いに有利であり、射程に関してはフェイルノート分があった。自らの弱点をドミネイトギアにより克服済み、対処は万全で、終始彼女が優勢だった。
だが、負けた。敗北という二文字が彼女のプライドを傷付ける。

「貴女の知謀は心得ています。他のものならば勝利をその手にできていたでしょう」
「最後に運がなかったというわけ・・・かしら」

精一杯の強がりで神令ミネルヴァにむけていい放つが、彼女はくすりと微笑みをフェイルノートに向けた。
それだけで、フェイルノートは理解する。自分が彼女と戦うことを仕組まれていたのだと。

「戦う前から既に勝敗は決まっているものです。私は策を労し、貴女は最初に運に天命を預けた。・・・その結果がこれです」

何を仕掛けていたのかはわからなかったが、彼女の空間に入るときに既に細工が施されていたのだろう。おそらく、他の突入メンバーも同様にそれぞれが苦手とする相手と相対していはずだ。

「ああ、でも一番の理由は、自分が負けるはずがないという『傲慢』な自惚れでしょうか。最後にその衝動に抗えなかった時点で、もう既に貴女は敗北は確定していたのです」

コマンドミネルヴァは自らの槍をフェイルノートに向ける。その声に感情はなかった。

「そう、そうね。まったくもって・・・その通りだわ」

彼女は弱いキル姫だった。誰よりも弱かったからこそ、彼女は頭を使ってあらゆる事柄に挑んだ。
彼女は臆病なキル姫だった。自らが弱いからこそ、怯えと恐れを知っていた。故に、彼女はあらゆるものが見えていた。
それら全てを、力を得たことで失くしたわけではない。だが、彼女は力を持つものの責務と立場、そして自らの背負った傲慢によって、彼女らしさの一欠片を落としてしまっていた。
この敗因は、その一点を狙われた必然の敗北だった。
もしかしたら、以前の彼女なら気づけていたかもしれないが、もう既に決着はついている。

「さようなら。どこか出会う場所が違えば・・・いいえ、これは無駄でしたね」

既に傷の塞がったコマンドミネルヴァは、その細い腕を振り下ろす。

924ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:12:20
>>923
フェイルノート「(ごめんなさい、アルマス・・・アスカロン・・・みんな・・・)」

フェイルノートは自らの敗北を認めて、目を瞑った。ーーー次の瞬間、大きな金属音が空間に鳴り響いた。
フェイルノートの死の刹那に介入した黄金の矢は、力を込めたコマンドミネルヴァの槍を容易く弾いた。

「この矢は・・・なんです?こんなものを私は視たことがない。神令され、オーディンの全知を得た私が知らぬものが・・・」

地面に落ちた黄金の矢をコマンドミネルヴァは手に取る。
彼女はそれを矢として認識したが、よくみると大きさと共にまるで槍のようであった。
最早質量を感じさせない黄金の矢は霧のように霧散して消える。

「・・・・」

コマンドミネルヴァは矢が放たれたであろうその先を観る。そこには、誰よりも知っていて誰より見知らぬ少女がいた。

「ああ、そうか、この世界にいてもおかしくはありませんでしたね。・・・なぜ、貴女が弓兵の真似事をしているのかは理解しかねますが」

コマンドミネルヴァがみた先にいたのは、コマンドミネルヴァのように黒を基調とした衣装に身を包み、槍ではなく弓を携えたミネルヴァの姿だった。

「まあ、どのみち、誰がこようとやることは変わりませんが」

そういうと神令ミネルヴァは、弓を携えるミネルヴァに向かって走り出した。
その速度はとてつもなく速く、数秒と経たないうちに神令ミネルヴァは距離を完全に詰めてしまう。

「浅はかですよ。盲目となって思考まで霞がかかってしまいましたか?」

弓兵である以上、懐に入ってしまえば脆いと考える神令ミネルヴァの槍を擬装ミネルヴァは対応して見せた。
先程まであった黄金の弓は既になく、その手に持つのは白銀の弓ヘラクレスだ。
ヘラクレスで神令ミネルヴァの槍を受けて見せる。それはまるで槍を扱うように。

「考えましたね。ですが、悪手でしょう?それは」

ヘラクレスは特別頑丈で、その弓自体で近接戦闘が行えるよう想定して創られた武器である。だが、その弓は他の弓より頑丈であるが故に重いのだ。

「そうでもないですよ、案外私には合っている武器です」

だが、そのヘラクレスで神令ミネルヴァと打ち合っている。速度としては神令ミネルヴァのほうが速いのだが、一発の重さと威力、そして槍と打ち合い自身の不利を帳消しにする『技』によって拮抗していた。

「なによ、あの娘は・・・」

フェイルノートは地に背をつきながら、神令ミネルヴァと瓜二つの少女を見ていた。
技量に力、そのスキルの応酬は彼女の知識にはないレベルの戦いだった。

「なんて、情けないなの姿かしら・・・」

無様な姿を晒している自分をフェイルノートは嫌悪する。
なにもできない自分が悔しくて、小さな手で地面を感情のまま叩きつけようとしたが、その手を一匹の鳥が止めた。
その鳥は梟だった。神令ミネルヴァの傍らにいた梟とは色違いだがよくにている。

「お前は・・・ニケ?」

ニケと呼ばれた梟は肯定するように、ホー!となくと帽子に隠していた液体の入った瓶を取り出した。

「それを・・・私に飲めというの?」

ニケはもう一度ホー!と強く鳴く。
梟の言葉などフェイルノートにはわからなかったが、この梟に悪意がないのはわかった。

「わかったわ。どのみち私には選択肢がないもの・・・動けないから、飲ませてくれると助かるのだけど」

こくりと頷くニケだったが、瓶の蓋になっているコルクが固くてびくともしなかった。
困ったぞ、と首を傾げるニケ。
このままではニケは自らの目的を達成できないと、じゃっかん焦りを感じたところで、ニケの肩を何かが叩いた。
ニケは驚き振り返る。するとそこには、黒ニケがいた。
ニケは全身の毛を逆立て、威嚇をする。敵である自分に邪魔をされては、ミネルヴァを助けることはできない。
いまは拮抗しているようではあるが、ニケの見立てでは擬装ミネルヴァは神令ミネルヴァに勝てない。それは彼女とて承知だろう。故に、フェイルノートの協力が必要不可欠だと判断したのだ。
邪魔をされるわけにはいかない。ニケは刺し違えてでも、黒ニケを倒すつもりでいたのだが。
黒ニケはほー、と一声鳴いて見せる。おおよそ敵に向ける声音ではないという人間でもわかるそれで、ニケは敵意がないことを悟った。
黒ニケは瓶を抑えて持つと、ホーとニケを呼ぶ。
ニケはそれに応えるように黒いニケの持つコルクに向かって嘴を突き刺す。
ニケは全身全霊でコルクを引き抜く。衝撃で瓶が揺れるが、それを黒ニケが中身をこぼさないように抑えた。
そして、黒ニケから瓶を器用に渡さたニケはそれをフェイルノートに飲ませる。すると、フェイルノートの体力と傷が僅かだが回復した。

925ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:13:23
「・・・・」

肉体が僅かに動くようになって、フェイルノートは黒ニケを見た。
黒ニケはフェイルノートやニケに目もくれず、神令ミネルヴァを見ていた。どこか、悲しそうな雰囲気で。
それだけで、フェイルノートは黒ニケの本心がほんの少しだがわかった気がした。
弱いからこそのやるせなさ、弱いからこその手の届かなさがいまのフェイルノートには言葉ではなく、心で理解できた。

「安心しなさい。お前の想いは必ず、主人に届けてあげる」

何をすればいいのか、語らずとももうわかった。これが共鳴というものなのか、不思議と悪くない気分で彼女は立ち上がり弓を構える
フェイルノートは倒れたルシファーを一本の矢に変え、いまできる限りの力をこめて弓を放つ。

「だって私は、必中の弓らしいから」

その言葉の通り、必中の弓は標的を間違えることなく、ぶつかり合う二人の元へ向かっていった。

「どのみち、あなたはでは私には勝てなかった、ということですね」

何度打ち合ったかもわからないほどに拮抗した戦いの天秤は、やはり神令ミネルヴァに傾いていた。
神令ミネルヴァは擬装ミネルヴァを、全知の眼で観察した。癖も、力も、技も、スキルも、全て彼女は自分の知識とした。
インプットを完了した神令ミネルヴァに、最早隙など一切なくなった。彼女の知恵は何通りもの勝利の方程式を組み、それを取捨選択し実行するだけで擬装ミネルヴァを攻略した。
劣勢に陥り、傷だらけになった擬装ミネルヴァは息を荒くしながらも、いまだに諦めた様子もなく神令ミネルヴァの前に立っていた。

「たいしたものですね、自画自賛ではありますがさすがは私といったところでしょうか。まさかここまで粘られるとは思いませんでしたが」

ヘラクレスと黄金の弓を同時付け替えながら、無数の攻撃パターンを構築して挑んだが、たった一つのスキルが決定打を阻んでいる。
反射。肉体のダメージをそのまま相手に返すというものは、相手の弱所を的確に射抜くフェイルノートと擬装ミネルヴァにとって致命的な相性だった。
通常、敵にとって運が悪ければ悪いほど不利になるはずの条件が逆転してしまっている。
下手に大技を放ったのなら、彼女は身をもってその攻撃を受け、反射によりミネルヴァを再起不能にするだろう。

「・・・凄いですね。その知識と観察眼は・・・素直に尊敬してしまえるものだと思います。ですが、私はそれを羨ましいとは思えません」
「・・・なぜです?神令によってもたらした全知は私にいつだって勝利をもたらしてくれていますよ」
「それが、どんな方法であっても・・・ですか・・・」
「ええ、そうです」
「仲間を平然と犠牲にして、それで何かを成して、あなたは自分を誇れるのですか!」

擬装ミネルヴァの問いに、ピクリと体を反応させる。

「あなたは盲目になって何も見えなくなって・・・いえ、何も見ようとしなくなっている。目をそらし続けているのではないですか?違いますか!」

何か思い当たる節があったのか、擬装ミネルヴァの問いに彼女は押し黙った。

「知恵というものが、どんなものか私なら理解してるでしょう?人も私たちも始めは等しく無垢で無知です。そこ誰かが知識を与えてくれることで知恵を育むことができる」
「・・・・」
「知恵と知識は、世代を越えて繋がっていく。私が大好きな裁縫も、先駆者の知識があって繋いで来てくれたからこそ、それを私が受けとることができたのです。それがわからないあなたではないはずです!」
「・・・・・っ」
「互いに知恵を出しあい、新たな知識の発見を喜びあい共有する。それは他者との共鳴(繋がり)なくして成り立つものではありません。誰も喜んでくれない全能な叡知など得ても、私はそんなものを誇ることなんてできません」

それが自分自身と瓜二な少女だったからか、それともそれが彼女の本心からの言葉だったからか、神令ミネルヴァの心を射抜く。
それでも、彼女には譲れないものがある。戻れぬ過去があるから、彼女は盲目になるために、自らの誰かを慈しむ心を黒ニケに封じたのだから。

926ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:14:15
>>925
「遅いのです。何もかも」
「遅くなんてありません。全てはあなた次第でいくらだって変わります」
「変わりませんよ。・・・でも、もし、変わるきっかけがあるとするなら!」

神令ミネルヴァは持てる渾身の膂力で、大地を蹴った。

「私に勝ってみせてください!」
「勝ちますよ。ーー私たちの繋がりで!!」

刹那、漆黒の矢が飛来する。
それは神令ミネルヴァの槍を直撃し、彼女の手から槍を離させる。
しかし、神令ミネルヴァは止まらない。この展開は読めていたからこそ、次の手段をうつ。
神令ミネルヴァのローブのなかに隠された『退化のリリボン』の力が発動する。
これはキル姫の力を例外なくリセットしてしまう強力なアイテムだ。本来なら、相手のキル姫に使い力を奪うために開発されたものだが、彼女は奥の手を自分自身に使った。
一見、愚かな行動に思えるこの行為は彼女にとって必殺の秘術へと変わる。
力も防御力も運も全てが初期化された彼女の反射は、いまこそ最大の凶器となって擬装ミネルヴァを襲うだろう。
そして、いまの擬装ミネルヴァはヘラクレスを装備している。キル姫は共通して、自分を害する攻撃にたいして咄嗟に反撃をしてしまう性質を持つが故の必勝の戦法。
痛々しく、まるで自らを傷つけて壊さんとする行動により、この戦いの終止符が打たれる。彼女はそう確信していた。確信したのだ。だからこそ、彼女の敗北は決した。

「なん・・・だと・・・!?」

神令ミネルヴァは驚く。擬装ミネルヴァはヘラクレスを手放した。それどころか、両手を広げて自身が突っ込んでくるのを待っている。
当然、全力をもってした疾走を自ら止める術などなく、神令ミネルヴァは『反撃ができなくなった』擬装ミネルヴァに捕まった。

「く・・・こんな手が・・・」
「あなたのスキルは確かに厄介です。でもこうなってしまえばあなたはなにもできませんよ」

神令ミネルヴァは逃げ出そうともがくが、既にキル姫の力がリセットされてしまってる彼女を振り払ことなどできなかった。

「・・・私の感情を逆撫でしたのは、この状況を作るためでしたか」
「ええ、そうです。退化のリリボンは想定外でしたが、それを使われなくても、あなたを抑え込むことはできていましたよ」

擬装ミネルヴァは既に、スキル『勝利の先へ導く者』を発動させていた。たとえ、神令ミネルヴァがリリボンを使わなかったとしても、擬装ミネルヴァの拘束を振り切ることはできなかっただろう。

「まだ隠し球を持っていたとは、完敗・・・ですね」
「切り札は最後にとっておくといい、私たちのマスターだった人が教えてくれた知恵です」
「そう、ですか。私は・・・遥か昔に負けていたんですね」

神令ミネルヴァはもう抵抗しようとはしない。
敗北により完全に戦意を喪失している。だが、彼女の仮面は砕けない。
アルマスと神令エルキュールの戦いは、彼女の共鳴する力を引き上げる能力があったからこそ仮面を砕くことができた。この仮面を擬装ミネルヴァでは外すことかなわないのか、そう考えていたとき、黒ニケが神令ミネルヴァの頭の上に乗った。

「・・・ニ・・・ケ・・・」

神令ミネルヴァが、神令を受けて共鳴を失っても一緒にいた愛する家族の名を呼ぶ。
その瞬間、黒ニケの眼帯の紋章から目映い光が雷のように迸った。
目映く眩むほどの雷光が神令ミネルヴァの仮面を照らすと、仮面は塵となって消えていった。

「ぁ・・・ぁぁ・・・」

仮面が消えた神令ミネルヴァは、心が解放されたことで内に巣くっていた感情が爆発する。
言葉にならない、感情の濁流が彼女に大粒の涙を流させる。

「・・・ニケ・・・ごめんね・・・ニケ・・・ごめんね。・・・・ごめんね」

彼女は最愛の家族に謝った。
こんなことをし続けてもずっと一緒にいてくれた存在に、感謝と申し訳なさでいっぱいなりながら。
黒ニケは抱き締めて泣く彼女の力に少し苦しさを感じてながらも、頬から涙を流して喜ぶ。
そんな一人と一匹の絆を見て、ぼろぼろになった二人と一匹が慈しむような頬笑みを浮かべた。

927ロスラグIFストーリー:2020/05/23(土) 14:20:30
神令ミネルヴァ戦はゲームのメタ設定と、射程1のギアのない擬装ミネルヴァの設定を生かしたかったのでこうなりました
あとニケとの友情も書きたかった
個人的な想像ですが、神令エンシェントはこんなものを抱えているのではと思いながら書きました
みんな元は凄くいいこですし!

・・・これ、ラグナロクまじでラグナロクでなしじゃんっていう突っ込みはなしでお願いします

928名無しさん:2020/05/23(土) 15:28:26
実際のパワーバランスとかはおいといていいもの見れた
あと誤記だけど>>915でフライシュッツの名乗りがセイバーになってたね

929名無しさん:2020/05/23(土) 15:33:26
>>928
ああ、それは読み返して気付きました
お兄さん許して〜

930リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/05/23(土) 23:05:59
前話>>897
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第19話「槍と指輪と」

「ディスラプターズ!?何故こんな所に!」
「フォルカス、まず服…服を…!」

素っ裸で立ち塞がるフォルカスと、そのフォルカスが踏んでいる
服を懸命に引っ張るロンギヌス…
さらに…

「久しぶりね、フォルカス!そしてロンギヌス!」

ウチのポンコツお姉さんはしっかりとグラウを抱えたまま対峙する。

「ロンギヌス、下がって…ここは通しません!」
「大丈夫よ、邪魔はしないわ!構わないから続けて!」
「フォルカス〜服…服…踏んで…ます」

素っ裸で凄むフォルカス、テコでも撮影を続けるソロモン、服を回収できずに涙目のロンギヌス…

ハルモニアの斬ル姫って全員こうなの?

「いいから…フォルカスとロンギヌスは服着て…ソロモンは…後でちょっと説教ね…」

三人はようやく動き出す。
ソロモンは渋々録画を停止し、心底残念そうな表情を浮かべた…。

「…何でよ……」

ーーーーー

改めて服を着たフォルカス、ロンギヌスと向き合う。

「……まさかあなた達がこんな場所に居ようとは…目的を言いなさい!」

直前まで素っ裸だったとは思えない態度でフォルカスが睨む。

「レーヴァ、ここは私に…」

こちらも直前まで鼻息を荒くして素っ裸を撮影していたとは思えないソロモンが真剣な表情を見せる。

「分析した結果…君達の目的はズバリ、デートね!」
「!?」
「!?」

ソロモンの宣言に驚愕するセイントの二人…

「何でよ…」

明らかにプライベートで来ているのに、そこを指摘されて驚く理由が分からない…

「ふふっ、なら安心して。私達も同じ目的でここに居るの」
「まさか…ソロモン、それを証明出来ますか?」

フォルカスの問いに胸を張ってソロモンが告げる。

「連れ込むなら、もう二つ先の通りを左折し、5件進んだ空き家が良いわ。先日、下見を済ませておいたの」

あ、だからこの前居なかったんだ…って…

「何でよ…」

何でそんな下見をしてるのよ…

「こ、ここだってあなた達が来なければ…!」
「でも、実際に私達に見付かった…」
「くっ…すみません、ロンギヌス…私の不手際です…」
「いえ、フォルカスは悪くないですよ。フォルカスとこうして一緒に息抜きを出来るだけで…」

そんなロンギヌスの言葉をフォルカスは遮る…

「いいでしょう…そのような情報を持っていると言う事…あなた達の目的も同じであると認めます…ですが!」

突然フォルカスが紅炎を纏い、槍を構える。

「私達の関係を知られた以上、帰す訳には行きません!この場で裁きを受けなさい!」

私も咄嗟に武器を構える。

「ソロモン…!」
「待って、レーヴァ!フォルカス、ここはお互いの交流を邪魔しないのが得策だわ。私達は君達のことを口外しない。君達も私達のことを見なかったことにする。それでお互いデートを無事に再開出来る。これが私の最適解よ!」

ソロモンはあくまで説得を試みる。でも…

「裏切り者のあなた達を信じることなどあり得ません!ロンギヌスとの関係が露呈したら…私はセイントキラーズとして…ハルモニアの守護者として…恥ずかしくて…表に出ることもできない…!」

そんなフォルカスを止めたのは予想外の人物の言葉だった。

「…………そんなに恥ずかしいですか?」
「!」
「さっきから、ろくに私の話も聞いてくれないし…そんなに恥ずかしいなら…こんな関係、もう辞めちゃえばいいでしょう…!!」

涙を浮かべて走り去るロンギヌス…
その剣幕に全員が立ち尽くした…

つづく

931名無しさん:2020/05/24(日) 07:26:21
ぽんこつソロモン

932キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:48:42
前回までのあらすじ!

アルマス「本スレの901にある前編から見て!」

フェイルノート「大雑把がすぎるわ。端的に言えと言ったけど、それは只の思考放棄よ。雑賀、手本」

雑賀「ウチと皇帝で4対4のサバイバルゲームっす!ルールの方は、下にある通りっす!」
・相手に銃器以外の攻撃は禁止→したらリタイア
・相手にかすり傷でも負わされたらリタイア
・相手を殲滅したら勝ち
・銃とかの兵器は落ちてるものを拾ってね

オティヌス「ルールは分かったかな?イッツ、ショータイム!」

933キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:49:37

雑賀「それじゃ作戦通りに。宜しくお願いしますよ、御三方」

雑賀の指示にグリダヴォル、セファー、ブリューナクの3名は頷きを返した。

雑賀「まずは武器を揃えますか。戦いは数っす。掘り出し物を見つけて順次展開していきましょう」

グリダヴォル「そこまでする必要があるのかい?皇帝とティファレトはともかく、カシウスとアルマスなんて数に入らないも同然だと思うけど」

セファー「私の本にも、二人は銃の扱いが素人だと書いてあるわ」

雑賀「すごいっすねー。セファーのその……、過去・現在・未来におけるあらゆる知識を書き記した本、でしたっけ?確かに二人は数合わせかもしれないっすけど……」

雑賀「それでもやっぱり皇帝を侮っちゃいけませんよ。対等の条件だと、ウチなんかじゃ到底あの人を出し抜くことなんてできないっす」

雑賀「だから、駒の強さやこのルールにしたアドバンテージを捨てる訳にはいきません。皇帝の凄さはケイオスリオンにいるウチ達が一番知ってるでしょう?」

グリダヴォル「……それもそうか」

セファー「であれば、私も全力を尽くしましょう」

雑賀「ええ、ウチらはチャレンジャーですよ」

ブリューナク「フッ…、下剋上か。ロマンだな」

雑賀「グリダヴォルは引き続き骸骨達に皇帝、ティファレトの分断と足止めの指示を。ブリューナクは掘り出し物をどんどん見つけていってください」

セファー「私は?」

雑賀「セファーは、カシウスかアルマスが孤立したらそっちを追ってほしいっす。ダンタリオンの力で思考を読み取って相手の策をこちらに教えてください」

雑賀「さぁて、仕掛けていきますか」

934キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:50:10

アルマス「……死ぬかと思った」

骸骨達に囲まれ一斉射撃を受けたアルマスは、上空に飛んで逃げ延びていた。

アルマス「これだけ高度を上げておけば大丈夫でしょ。皆の位置は……、カシウスとフェイルノートはもう合流してる。ティファレトが孤立してるけど……」

アルマス「まずはフェイルノートね」

935キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:50:50

岩陰に身を潜めるフェイルノートの元へと、アルマスは降下した。

アルマス「二人とも無事……ってカシウスは?」

フェイルノート「カシウスとはつい先程別行動をとったわ。ティファレトの方は雑賀の策で足止めされてるわね」

アルマス「あ、それたら多分…」

骸骨達が、とアルマスが言いかけた所で、フェイルノートが続く言葉を遮る。

フェイルノート「分かってる。アルマス、時間がないから端的に言うわ。お前はーーー……、」

ドオン!と耳をつんざく爆音が響いた。

アルマス「うわ、何!?」

フェイルノート「始まったみたいね」

岩陰の向こうには、車を爆走させながらこちらにロケットランチャーを構える骸骨達の姿があった。

アルマス「いや、いやいやいや!色々とダメでしょそれは!?」

フェイルノート「こっちに割かれた骸骨の数が思ったより少ないわね。雑賀はよっぽどティファレトを警戒してると見えるわ」

アルマス「ちょっと!感心してる場合じゃないから!絶対にアレ無免許運転よ!」

フェイルノート「騒がないで。それよりもアルマス、お前は私がさっきした指示を全うしなさい」

アルマス「けど、フェイルノートは…!」

フェイルノート「平気よ、私達の勝利は既に確定してるわ。だから早く行きなさい」

アルマス「……分かったわ」

ティファレトの元へと飛んだアルマスを見送り、フェイルノートは確認事項を述べた。

フェイルノート「オティヌス。このゲームで禁止されているのは、銃器以外によるプレイヤーへの攻撃で間違いないわね?」

ーーーうん。プレイヤー以外に対する攻撃に制限はないよ。
ただ、プレイヤーを銃器以外で攻撃してしまった時点でリタイアになるからね。

フェイルノート「ルールに反撃の糸口を残すなんて甘いわね、雑賀。存分に利用させて貰うわよ」

フェイルノートが骸に向けて手をかざす。

どこからともなく顕現された矢がゴッ!!と骸骨達を貫き、車を爆散させた。

936キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:51:29

雑賀「当然皇帝なら、このルールの穴に気付いてるっすよね」

ドオン…、と遠くの爆発音を雑賀の耳が捉える。

雑賀「でも、ウチがその穴を看破される前提で策を立ててることには気付けなかったみたいっすね。戦闘音で居場所が丸分かりっと」

次々と凪払われていく骸骨の先に人影はない。

雑賀「上手く身を隠しながら闘っているところを見るに、ここに居るのは皇帝で間違いなさそうっすね」

雑賀「本命のアタリはつけました。ブリューナク、B.R.U.T.Eの方は?」

ブリューナク「既に6機集めた」

雑賀「その財宝を察知する能力、トレジャーハンターが泣いて羨みそうっすね。王さえとってしまえば後は掃討戦、出し惜しみはなしっす」

ブリューナク「了解した。全機出撃させよう」

雑賀「その前に、ちょいと小細工を弄しておきましょうかね」

937キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:52:20

フェイルノート「……キリがないわね」

向かってくる骸骨を砕いても、暫くするとバラバラに砕いた骨がカタカタと動き出し、すぐに復活してしまう。

フェイルノート「それでも数を間引かないと囲まれて袋叩き。骸骨で各々を足止めして各個撃破といった筋書きかしら。……やるわね、雑賀」

フェイルノート「!!。アレは……!」

フェイルノートが部下の有能さに感心していると、無骨な巨躯が上空からドズンと次々に降ってきた。

フェイルノート「仕掛けてきたわね…!」

フォートナイトを知らないフェイルノートの知る由もないが、地上へ降り立った6機の巨大なソレは、

B.R.U.T.Eと呼ばれる対人制圧用のロボットだった。

B.R.U.T.Eが一斉に骸骨達が目指す方、フェイルノートが身を隠す岩陰にミサイルを一斉射した。

フェイルノート「ちっ…、きゃあ!」

フェイルノートは一瞬で複数の矢を放ちミサイルを迎撃するが、爆風で身体が吹き飛んでしまう。

フェイルノート「この…!くっ…!」

B.R.U.T.Eを跡形もなく吹き飛ばそうとしたフェイルノートの手がピタリと止まる。

フェイルノート「本当にやってくれるわ…!」

フェイルノートは身を翻し、再び岩陰に隠れながらB.R.U.T.Eから逃げ惑った。

938キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:53:01

フェイルノートとB.R.U.T.Eの戦闘を遠くから眺めている雑賀が不敵に笑った。

雑賀「そうっすよねー。皇帝なら気づきますよね。このルールのキモに」

ブリューナク「……どういうことだ?」

雑賀「ウチが決めたルールは銃器以外によるプレイヤーへの攻撃の禁止、それを破ったら反則負けになるんす」

雑賀「B.R.U.T.Eは強力ですけど、皇帝なら倒せないシロモノじゃない。それなのに反撃できないのは何故か?それは…」

ブリューナク「……そうか、さっきコックピットに細工をしていたのは」

雑賀「ええ、コックピットの中が見えないようにミラーフィルムを張っておきました。プレイヤーが乗っているかもしれないB.R.U.T.Eに皇帝は攻撃できない」

雑賀「重ねて言いますけど、B.R.U.T.Eは強力です。その辺に転がっている銃器で倒すことも、ましてや6機も相手取るなんて不可能っす」

ブリューナク「割り切って全滅させようものなら、B.R.U.T.Eに搭乗したグリダヴォルへの攻撃でリタイアか。策士だな」

雑賀「さ、フィナーレっす」

939キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:54:08

骸骨とB.R.U.T.E達の銃撃に対し、フェイルノートは岩陰を盾にし、駆けながら内心で舌打ちする。

銃撃によるかすり傷でリタイアになる以上、一切の被弾が許されない。

対してB.R.U.T.Eは誘導ミサイルとショットガンを乱発し、骸骨達は逃げ場を無くす様にガトリングを斉射してくる。

フェイルノート「やっかいね。統率された軍隊並みに骸を制御する腕は流石グリダヴォルといったところかしら」

そう、やっかいなだけだ。

フェイルノートはこの程度の窮地を何度だって乗り越えてきた。

フェイルノート「正攻法でいかせて貰うわ……!」

銃を手に取り、フェイルノートが岩陰から飛び出す。

ミサイルとショットガンの猛威に晒されながらも、的確にコックピットを撃ち抜いた。

ひび割れた強化ガラスからは、骸骨の姿があった。

フェイルノート「分かってはいたけど、これで遠慮なく潰せる!ふっ!」

巨大な矢を召喚してコックピットを晒したB.R.U.T.Eを刺し貫いた。

フェイルノート「これで…!」

B.R.U.T.Eの攻略にフェイルノートは勝利を確信しながら、再び身を隠しーーー、

雑賀「流石皇帝、でもチェックメイトっす」

ブリューナク「ジャイアントキリング、いや雑賀風に言うなら下剋上か。いつの世も逆襲劇はロマンだ」

岩陰の先には、雑賀とブリューナクが銃を構えて待ち構えていた。

940キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:55:04

雑賀が手を上げてB.R.U.T.Eと骸骨達を待機させた。

フェイルノート「……敵の前に姿を出すのは愚策よ」

雑賀「そういう訳にもいかないんすよ。キル姫の身体能力だと、どれだけ銃撃に晒されても余裕で躱しきってしまう。こうして今まで皇帝が生き延びてられたように」

雑賀「でも、コイツをこの距離で躱せないっすよね?」

雑賀達が構えているのは自分のキラーズに起因する銃。

彼我の距離は数十メートル。

雑賀「そこらに転がってる銃なんかより、ウチらの銃を使った方が遥かに強いし確実っす。ま、B.R.U.T.Eまで攻略されかけたのには焦りましたけど」

フェイルノート「……最初からこうするつもりだったわね」

雑賀「当たり前っすよ。相手をリタイアさせるには数の暴力に訴えるか、相手を捉えて被弾させるか」

ブリューナク「高性能な銃で確実に仕留めるか」

フェイルノート「……それで、銃器による攻撃以外を禁止したのね。私達の攻撃手段を取り上げた上で、自分達が力を存分に使える環境を整えた」

雑賀「その通りっす。王さえ討ち取ってしまえば後は容易い。皇帝、その首頂きまーーー」

ーーーハイ、連絡事項!カシウスがリタイアだよ!

雑賀「おっとお仲間がリタイアしたみたいっすね」

フェイルノート「……カシウスはよくやってくれたわ」

雑賀「そっすね。ズブの素人の割には長く保った方っす。さしもの皇帝も、もはや風前の灯。ゲームオーバーっす」

941キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:56:17

雑賀の勝利宣言に対して、フェイルノートは不敵に微笑んだ。

フェイルノート「面白いことを言うわね。私が灯火?」

フェイルノート「いいわ。本物の輝きというモノを見せてあげる。明けの明星の輝き、その目に焼き付けるがいい!」

雑賀達が引き金を指にかけた瞬間、ズドォン!と凄まじい轟音と共に全てのB.R.U.T.Eと骸骨達が一掃された。

雑賀「なっ!?ちょ、何が!?」

ーーーグリダヴォルがリタイアだよ!

雑賀「はい!?今の攻撃、皇帝の反則じゃないんすか!?」

フェイルノート「私じゃないわ。いるでしょう?私のチームにもリタイアを取られずに全力を出せるキル姫が」

雑賀「あ、あれは…!」

雑賀の視界に入ったのは、こちらに手をかざしているティファレトを抱えて飛ぶアルマスの姿。

アルマス「重いし疲れるんだけど!?」

ティファレト「ごめんなさい、アルマス。もう少しだけ頑張ってください…」

宙に浮かぶ6挺の銃が雑賀とブリューナクを捉えている。

B.R.U.T.Eの居た場所には、6つの巨大なクレーターができていた。

942キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:57:18

雑賀「どうしてティファレトがここに!?骸骨達にティファレトを足止めさせてた筈じゃ」

ブリューナク「アルマスにティファレトを回収させたのか…!」

フェイルノート「このルールの穴には気付いていたわ。この勝負、最初からティファレトが機能すれば勝てるのだから当然の選択でしょう?」

雑賀とブリューナクでは、ティファレトの圧倒的な力の前に当然敵わない。

雑賀も徹底してティファレトは足止めさせていたが…、

フェイルノート「カシウスがここではない遠くでリタイアしたということは、ここにもうお前の伏兵はいない。……アバリスの存在を警戒していたのだけど、どうやら思い過ごしだったみたいね」

雑賀「……それで、カシウスのリタイアを聞いてから動いたんすね」

アルマス「ねぇ!まだなの!?腕がつりそう!」プルプル

ティファレト「いいところなので我慢してください」

フェイルノート「王さえ討ち取ってしまえば後は容易い。その通りね。チェックメイトよ、雑賀」

雑賀「……はぁぁ〜。やっぱり皇帝には敵わないっすね」

雑賀は仕方ないと言いたげに、ともすれば清々しい表情で。

雑賀「降参っすよ。完敗っす」

雑賀の白旗にフェイルノートは勝利を収めるのだった。

943キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 07:58:10

数日後

雑賀とフェイルノートは向き合って座り、チェスをしていた。

フェイルノート「珍しいわね、雑賀。お前の方から私を誘うなんて」

雑賀「前回の勝負で思い知りましたからね。自分の未熟さというか、甘さみたいなものを」

雑賀「ウチはあの手この手を尽くした訳ですけど、真っ向から潰されて参りました。でも、お陰でウチのやるべきことが見えてきたんすよ」

フェイルノート「ふぅん……?」

雑賀「搦手に頼った時点でウチは皇帝に策士としての負けを認めていたんすよ。今のウチの目標は、皇帝に少しでも近づくことっす」

笑顔で語る雑賀に、フェイルノートは少し頬を緩ませた。

フェイルノート「そう。私はお前の有用性をそれなりに認めているつもりよ。少なくとも将棋の腕はパラシュ以上ね」

雑賀「やだなぁ皇帝、当たり前じゃないっすか!」

フェイルノート「チェックメイト」

雑賀「うぇ!?」

…ほんと敵わないっす。と肩を落としてうなだれる雑賀に、フェイルノートは楽しそうに告げた。

フェイルノート「いつでも相手になるわ、また私を楽しませて」

雑賀「……はいっす!」

新たな目標を胸に、雑賀は鬱屈とした日常に別れを告げた。


fin

944キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 08:01:45
・その後

フェイルノート「そういえば、雑賀。何故アバリスを起用しなかったの?アバリスなら私達に気取られずにこめかみに銃を突きつけることができた筈よ」

雑賀「いやぁ、それが……、ウチも真っ先に考えたんすけど、そもそも見つからなくて…」

アバリス「あの、目の前にいます」

フェイルノート「……愚問だったわね。忘れなさい、雑賀」

アバリス「いえ、皇帝。ここに、ここに私はいます。いますよ?」

945キル姫フォートナイト(仮) 後編:2020/05/24(日) 08:12:27

雑賀とフェイルノートの攻防(浅いけど)を考えるのが思いの外楽しくて、
大分前に上げたホラー・ゴッドチームの時よりもギャグに振り切れてなかった点は反省しています。

少しでも展開を楽しんで頂けたら嬉しいです。

最後まで、呼んで下さった方ありがとうございました!

946名無しさん:2020/05/24(日) 09:09:44
遊びでも全力でやるのはいいよね…オティヌス便利!
オチも草

947名無しさん:2020/05/24(日) 10:20:13
面白かったわこれ

948名無しさん:2020/05/24(日) 10:48:24
こういうのでいいんだよこういうので
求められてた

949名無しさん:2020/05/24(日) 21:28:34
ゆるりとファンキルの雑談板にて管理人さんのSSスレに関する方針をいただきました。
一応の御報告をさせていただきます。

しつこく発言することで不快に思われた方もおられると思いますが、今回で終わります。
すみませんでした。

950アバリス!結婚しよう!!:2020/05/25(月) 02:48:55
それは何年も前の記憶

私はある小さなマスターの元にいた

そのマスターは小さいながらも色んなことを頑張り努力した

そんなある日私はマスターと離れなければならなくなった

「本当に行っちゃうの?」

アバリス「はい行かなければならないんです」

「それなら一緒に行く!」

私はゆっくりと首を振った

アバリス「ダメですそこは危険な場所です危険な目には合わせたくないんですわかってください」

「でも....離ればなれは嫌だよ.....」

マスターは目に涙を浮かべた

アバリス「ごめんなさい....変わりになるかわかりませんが」

私は帽子を取りマスターに被せた

アバリス「その帽子私と思って大事にしてください」

「アバリス.....」

アバリス「私が帰って来た時は笑顔で迎えてください出来れば今も笑顔で見送ってください」

マスターは涙を自分の手で拭った

「わかった」

「それと一つ約束して」

アバリス「なんですか?」

「アバリスが帰って来てボクが素敵で立派な大人になったら結婚して」

アバリス「はい、私なんかで良ければ約束しましょう」

「うん!約束だよ!」

そしてそれから数年の月日が経ちその子は

「お〜い」

素敵で

「アバリス〜」

立派な

「ようやく出会えた結婚しよう!」

大人の....女性に成長してました

951アバリス!結婚しよう!!:2020/05/25(月) 03:24:51
>>950
「ああ!アバリスようやく会えた一体この時を何年何月何日何時間何分何秒待ちわびたこと」

アバリス「あの.....えっと....その.....」

「さあアバリス約束通り結婚しよう」

アバリス「あのマスター少しお待ちください」

「ぐふっ!」

彼女は急に手で顔を抑え手からは血が流れた

アバリス「マ、マスター!大丈夫ですか!?」

「アバリスからのマスター呼びが久しぶり過ぎて興奮が」

アルマス「あなたがアバリスね」

アバリス「は、はい私のことはご存知で?」

アルマス「ええ良く知ってるわマスターが毎晩毎晩あなたの話ばっかりするから」

アバリス「そ、そうなんですか?」

アルマス「ええある時は夜が明けるまで語ってまたある時はギターを弾きなからまたある時はあなたの名前を呼びながらベッドで暴れて」

アルマスはどこか遠くを見つめるような目をした

アバリス「すみません私のせいで」

アルマス「別にあなたは絶悪くないわ」

「ああ、アバリス久しぶりに会ってもその顔の可愛さと体のバランスの美しさは変わらないね」

彼女はアバリスの体をゆっくりと撫でた

アバリス「あの.....やめてくださいマスターくすぐったいですしちょっと恥ずかしいです」

オリビエ「アバリス私たちはこれから結婚するんだからマスター呼びも嬉しいけど出来れば名前のオリビエって呼んでほしいんだけど」

アルマス「そういえばなんで結婚の約束を了承したの?」

アバリス「マスターといた時は髪は短く男の子みたいな格好をしていたのと一人称がボクだったのでてっきりそれに子どもの頃の約束でしたし私との約束なんて覚えているわけないと思ってたので」

オリビエ「は?アバリスとの約束を忘れるとかどこのダメ人間?」

オリビエの目は完全に感情がなく唯一感じれるものは獲物に対する明確な殺意だけだった

アバリス「マスター私がそう思ったの話ですそんなに殺気を溢れ出さないでください」

オリビエ「なーんだアバリスの想像かそんな奴いたら足と手の指の爪を一本一本剥がしながらいたぶり殺してやろうと思ってたけど全くアバリスは自己評価が低いなもっと自分に自信持ってよ」

オリビエの目がパッと感情が戻るとアバリスにムギューと抱きついた

アルマス「はぁーマスターはアバリスが絡んでなかったらすごい人なのに」

アバリス「そうなんですか?」

アルマス「ええ、たまにだけどフェイルを見事に欺いたり戦闘に出て敵を薙ぎ倒したりしてるわ」

アバリス「ああマスターは昔から『アバリスの助けになるように頑張る』と言って勉強や特訓などを毎日毎日夜遅くまでやってましたから」

アルマス「アバリスに関することなら絶すごい執念ね」

アバリス「私も驚いてます」

952アバリス!結婚しよう!!:2020/05/25(月) 03:47:09
>>951
アルマス「でもオリビエって男につけるあれよね?なんで女性のマスターがそんな名前なの?」

オリビエ「ああウチのお父さんがカッコいいってのと男の子と勘違いしたままオリビエってつけたの」

オリビエ「だから名前だけならアバリスと結婚できるってこと」

オリビエは目をキラキラと輝かせた

アルマス「それにしてもアバリスとの結婚には本気ね」

アバリス「そうですマスターなんで私とのずいぶん昔のしかも口約束での結婚をそこまで、もっと私より良い人はいたのでは?」

オリビエ「だってアバリスって影薄いから昔は買い物行くだけで足踏まれたり人にぶつかったりその度に謝ったり建築業の人の抱える木材ぶつけられたり散々なのに小さい私を心配させないように必死に笑っていて文句や愚痴の一つもこぼさない」

オリビエ「こんなに良い娘で優しくて笑顔を守ってあげたくてそしてなりよりこんなに欲情する娘には誰一人として会わなかった!」

アバリス「よ、欲情...」

アルマス「マスターって比較的女好きなのよねまさか原因がアバリスだったなんて」

二人が呆気にとられているとオリビエは懐からメモ帳を取り出した

オリビエ「それでアバリスはどっちが良いの?やっぱり羨ましそうに見てたドレスで洋式が良い?けど私の勘だけどアバリスは着物も似合うと思うから和式も良いと思うんだよね....あ!もういっそのことどっちもするって言うのはどう?」

アバリス「あの...マスター今は頭の整理したいのでそれはまた後日」

オリビエ「わかった今日はアバリスと会えたんだからこれでもとても良いことだからね」

オリビエはニヤニヤと笑っているのであった

953アバリス!結婚しよう!!:2020/05/25(月) 04:13:49
>>952
その日の夜

アバリス「う〜ん....ん?」

アバリスはなにかの気配を感じて目が覚めた

オリビエ「おはようアバリスって言ってもまだ真夜中なんだけどね」

オリビエはベッドの上で四つん這いになっていた

アバリス「マスターなんで私の部屋に?」

オリビエ「いや〜アバリスとの初めては新婚初夜にしようと思ってたんだけど我慢できなくなっちゃってね」

アバリス「マ、マスター落ち着いてください////」

オリビエ「顔を赤くしちゃって可愛いな大丈夫だよ優しくしてあげるから」

オリビエがゆっくりと顔を近づけるとアバリスが強くオリビエを突き飛ばし立ち上がった

アバリス「待ってください!私、頭の整理させてほしいって言いましたよね?」

アバリスが急に大声を出したのでオリビエはポカーンとしていた

オリビエ「え?あ...はい」

アバリス「もしかして結婚の話じゃないエッチなら良いだろうって思ってたんですか?」

オリビエ「えっと....はいそう思っていました」

アバリス「マスター私は今日色んなことが一斉に起きて頭が少し痛むんです」

アバリス「だから今日の夜ぐらいはゆっくりさせてほしいかったんです」

オリビエ「ごめんなさい」

アバリス「だって昔から好きだったマスターが大人に成長していた、だけど女性だったしかも昔の約束を覚えていて嬉しさと驚きとで頭が少しこんがらがったんですよ」

オリビエ「え?私のこと好き?」

アバリス「ええあの時は小さく幼いあなたに可愛さを感じて一生懸命なところに惹かれて叶うはずがないと思っていた約束をしてそれが叶うと思ったら急に結婚しよう結婚しようって攻められたらちょっとってなりますよマスターも女性なら少しは女心を..」

アバリスがオリビエの方を見るとオリビエは耳まで真っ赤にして手で顔を隠していた

アバリス「マスターもしかして」

オリビエ「いやだってアバリスから好きって言われるなんて思わなかったしそれにこここんなにもはっきりと言われるのも覚悟していませんでした//////////」

アバリス「......ああ、マスターすみません」

オリビエ「え?」

アバリスはオリビエの腕をグイっと引っ張るとベッドの上に押し倒した

オリビエ「あ、あの....アバリス?」

アバリス「ごめんなさいマスターちょっとスイッチみたいなのが入っちゃいました❤️」

オリビエ「あ、あの....初めてなので優しくしてください」

アバリス「わかってますよ❤️」

オリビエ「あ〜〜〜〜〜〜!!」

954アバリス!結婚しよう!!:2020/05/25(月) 04:24:40
>>953
オリビエはベッドで疼くまっていた

オリビエ「優しくしてって言ったのに....」

アバリス「ごめんなさいあまりにもマスターが可愛くてつい」

オリビエ「あんなにもアバリスが積極的だったなんて」

アバリス「嫌いになりました?」

オリビエ「新しい一面が見れて余計好きになった」

アバリス「それは良かったです」

オリビエ「それでどっちにするの?洋式と和式」

アバリス「どっちもですマスターが望む理想の結婚式をしましょう」

オリビエ「もうアバリス大好き!さすが私のお嫁さん」

アバリス「そんなに好き好き言ってくださるんですね私のお嫁さんは素敵な人です」

アバリス「ですが私もオリビエのこと大好きですよなんなら心の底から愛してますよ」

オリビエ「私も愛してるよ地球よりも大きい愛だよ」

アバリス「だったら私はこの宇宙よりも大きい愛ですよ」

オリビエ「だったら私はこの宇宙よりももっともっと...ふふふ」

アバリス「ふふ」

二人は互いを見て笑って微笑んだ

オリビエ「アバリス愛してるよ」

アバリス「オリビエ私もですよ」

二人は唇を重ね再び体を重ねるのであった

955アバリス!結婚しよう!!:2020/05/25(月) 04:32:41
別ゲーで百合に感化された
今回は珍しい女性マスターです特徴は金髪に青目です
頭は良くフェイルとチェスで遊んで負けの方が多いが勝つ時もあり戦闘能力も高くキル姫とも互角に渡り合えます
これら全て自分を守るために戦うアバリスの助けになるためアバリスから「キャーマスターカッコいい素敵!!」と言われるために幼い頃から日々積んで来た結果である

愛は偉大なり

956名無しさん:2020/05/25(月) 08:08:29
すばら
こういうのもいいね

957キラーサッカープリンセス(笑):2020/05/25(月) 12:42:04
超キャラ崩壊していますので、キャラ像を崩したくない方はご遠慮ください

958キラーサッカープリンセス(笑):2020/05/25(月) 12:43:12
>>957
キラーサッカープリンセス(笑)

「さー始まってしまいました第1回キル姫サッカー大会っす!実況はケイオスリオンのうら若き乙女軍師こと、雑賀・D.plug・ハルファスっす!解説はトレイセーマの王カシウスさんと我らが女王にして才色兼備、うちをも越える頭脳をもったフェイルノート様っす!!」
「どうもこんにちは、フェイルノートよ」
「解説に何かよからぬことを感じる。これも円環の理の綻びだとでも言うの?」

第1回三国レクリエーションが開幕する。

「さー既に試合は後半!0―0のまま折り返しに突入しているっす!」
「ええ!?いまさらこの紹介いったかしら?試合は試合開始前にするのではなくて?」
「細かいことはいいっこなしっす!実況一人じゃ大変だから急遽二人を呼んだんっすから」
「お前、私のこと本当に敬ってるのかしら?ーーって!カシウス!お前は呑気にお茶をすすってないで突っ込みを入れなさいよ!強いられているのよ私たちは!エンターテイナーとして!」
「やっぱり、ムラマサの入れたお茶は美味しい」
「カシウス!?」

カシウスは自由にお茶を啜っている。
水筒には無数の愛していますの文字がびっしり掘られていた。

「そんなことを言ってる間に、アルマスチームの陣営に切り込んできたっす!青い彗星のように来たのはどこの国にも所属してないトリシューラーだー!!」
「これって三国のレクリエーションのはずよね?なんであのこが参加してるの?」
「フェイルノート」
「な、何よ、カシウス」
「お団子、美味しい」
「お前は少しは解説しなさーーーーーい!!」

解説席のコントに、この試合を見にきた観客がドッと笑う。

「笑うなーお前たちー!」

フェイルノートは真っ赤になりながら、解説席の机をばんばんした。

「そんなことを行ってる間に、トリシューラはゴールの目の前っす!」
「あの娘はスキルによって円環をおきざるほどのスピードを出すことができる。さすが・・・
韋駄天の名を関し水着のままに暴れる姫」
「な、なんで水着なのよ!というか、韋駄天なんて言われてるの始めて聞いたわ」
「(わ・た・し・が・名・ず・け・た)」

声を出さずにジェスチャーで伝えたカシウスは思いっきりドヤGAOをした。

「普通に言葉を喋りなさいよ!つたわるけれど!」
「それで伝わるとはさすがっす。とー!トリシューラが速度を生かして、そのままシューーーーート!超!エキサイティン!!」

しかし、ゴールを守るのは、最強の守護神ルシファー様だった。

「ちょっと!?なんでお前、私の元を離れて試合してるのよーーー!」

フェイルノートはさっきまで背後に一緒にいたはずだと、後ろを振り返ると、そこにはプラカードが地面に突き刺さっていて「探してください」と書かれていた。

「豪快なシューーーーートに、我らが元皇帝は果敢に挑む。そして、な、ななな、なんと発動しのは伝説のゴールキーパー技ゴッ○ハンドっすーーーー!!」
「あれは、某アニメよりルシファーが獲得した必殺技!完成させていたの、そう頑張ったわね」
「懐かしむな!私はそんなことをしらなーーーい!!」

解説をしてる間にもボールは飛び続ける!時間法則を無視して!
空気を読んでいるようだ!健気!

「そしてついにボールはルシファー様の目の前っす!ルシファー様はこれを必殺技で止めるーーー!!」
「当然よ、私の一番の下僕だもの、負けるはずないじゃない」
「オオーッと!ルシファー様ぶっ飛ばされたーー!!」
「ええーーー!?」

ルシファーは飛んでいった。明日へ。彼方へ。
しかし、ゴールは守った。よくやったぞルシファー様!

959キラーサッカープリンセス(笑):2020/05/25(月) 12:44:09
>>958
「そのままボールはゴールへ!このまま」

その時、不思議なことが起こった。
颯爽と登場する赤い服にえっちなケツが魅力的な女性。そう我らがリサナウトがいつの間にかボールを持っている。

「なに、いまの感覚。それに、さっきまであった飲み物の中身がなくなっている・・・これはいったい・・・っ!?」
「フェ、フェイルノート・・・いま起こったことをありのままに話すわ。私はお茶を飲んでいたの・・・でも気付いたらお茶とお菓子がなくなっていた。何が言いたいかはわからないと思けれど、私にはわかる」

わなわなと震えるカシウスの額には青筋がたっていた。お気に入りのお茶っタイムが消し飛んだのだ当然の怒りである。

「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

カシウスの瞳はまるで獣のように理性を失っている。彼女が暴走するのは時間の問題だったが。

「カシウス殿!新しいお茶とお菓子です!どうぞ!!」
「わーい、むらまさだいすき〜」

どこからか現れたムラマサに新しいお茶とお菓子を渡され大人しくなった。そして、場面はリサナウトへ。

「私がゴール直前で時を止め、時間を終了直前まで吹き飛ばした。やれやれだわ」

周囲に誰だこいつ?誰こいつ?と言われながらも気にせず、リサナウトは高らぁかに宣言する。

「私がきたからには、このチームの勝利は確定事象よ!さあ!最後の攻めを開始しましょう!いくわよー!アルマス!!」

そういってリサナウトはボールを投げた。アルマスへ。ボールは確かに一直線に飛んでいき、アルマスへ渡ったのだが。

「絶、ありがとう」

パスを渡したのはアルマスチームではない敵にいたアルマスだった!?

「おおーと!アルマス選手シューーーートっす!」
「し、しまった!さっき時間を吹き飛ばしたせいで時間を制御するガッツがた・り・な・い!?でも、やって見せるわ!!やればできないことなんて」

ドキューーーーーーーーーン!!リサナウトは吹っ飛んだ。

「おおーと!謎の選手吹っ飛んだー!そのままゴーーール!ゴーール!ゴーール!ゴーーーーールっす!そして試合終了!!勝者はアルマスチームだぁああああ!!」
「あっちもこっちもアルマスチームじゃない!ややこしいのよ!チーム名を変えてきなさい!!」
「お茶が美味しいですね、カシウス殿」
「ムラマサ、食べさせて♥️」
「わかりました。はい、あーんですよ、カシウス殿〜♥️」
「お前たち!いい加減にしなさい!」
「お後がよろしいようっすね!それではまた、第2回キル姫サッカー大会でお会いしましょうっす!」
「もう二度と私を呼ばないで!!」

チャン・チャン!

960キラーサッカープリンセス(笑):2020/05/25(月) 12:45:05
>>959
「あれ?私なんで宇宙にいるの?時を止めてどうにか生きているけど、このままじゃどうしようもないじゃない」

リサナウトは宇宙にいた。

「あれ?でも時を止めていたら、誰も助けに来ないわよね?これ、確定事象で詰んでないかしら?」

リサナウトは絶望する。

「うえーん、グリモワール助けて〜。貴女の忠告を無視して、勝手に隊を抜け出したのは謝るから〜」

リサナウトは泣き出した。

その後、リサナウトが救出されたのはグリモワールが時の秘術を会得し、リサナウトの世界に入門してからである。
時間にして数千年の時が流れたが、リサナウトは救出されるまで暇になり、それまでの間、リサナウトは考えるのをやめた。

961名無しさん:2020/05/25(月) 13:48:08
>>955
金髪で青目でアバリス好き女性マスター…!?
pixivのあの方なのかっ!?

962名無しさん:2020/05/25(月) 13:53:41
>>957
勢いめっちゃ好き
ルシファー様の探してくださいは卑怯

963キラーサッカープリンセス(笑):2020/05/25(月) 15:31:23
>>962
むしろ勢いのままに書てしまったのですわ
最近ジョジョのアニメと、魔方陣ぐるぐるのスピーディーなギャグに感化されたのですわ
淑女として、キャラ崩壊などあるまじき行為ですのに、はしたないことをしてしまって申し訳ありませんの

964ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 16:59:53

「ねぇ団長、優しい嘘って何だと思う?」

ーーー相手のことを想っての言葉だと、僕は思うよ。

「ふぅん……、ミュルはそう思わないけどね。優しい嘘を吐くのは欺瞞と自己満足の為。団長みたいな偽善者が自分を肯定する為に使うものなの」

ーーー……そうかもしれないね。

「なんで怒らないの?」

ーーー君の言うことも合ってると思えたから。

「……あっそ。つまんないなぁ。団長をミュルの玩具にしようかと思ってたのに」

ーーーどうして君はそんな憎まれ口を叩くの?もっと素直になれば、皆も君のことを誤解しないのに。

「ヒョウハにも昔そんなこと言われたなぁ…。もういいよ、団長。今日はもうミュルは寝るから」

ーーー……うん。おやすみ、ミュルグレス。

「あ、そうそう。隊で団長のことが好きだって言ってる子がいたよ」

ーーー……そっか。

「あれあれ?辛そうな顔してどうしたの?もしかして既に気になる子が既にいるから面倒って思った?」

ーーー……いや、気になる子はいないよ。

「あ〜あ、残念。団長はほんとにからかい甲斐がないなぁ。眠たくなってきちゃったから、ミュルはもう部屋に戻るね」

一方的に話を打ち切って、自室に戻る。

ヒョウハが団長を好きだと言ってたというのは勿論嘘だ。

気になる子はいないと彼は言った。

「団長って嘘がつけないんだね。全部顔に出てるよ」

もっと素直になれば、皆も私のことを誤解しないと彼は言った。

「誤解って何…?ミュルはミュルだし……。ミュルのこと色眼鏡で見てるのは団長の方じゃん」

身を守る為に嘘で塗り固められた自分がミュルグレスだというのに。

団長の見透かした様な物言いが鼻につく。

「……決めた。やっぱり、団長はミュルの玩具にしよう」

これは仕返しだ。

私を馬鹿にした団長への、細やかな仕返し。

そうして私は、団長の恋路を邪魔することを決めた。

965ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:00:47

それからというものの、私は団長に文字通りピッタリとくっついていた。

具体的には彼の腕を抱いて、ずっと傍で一日を過ごしている。

「……ミュルグレス、歩きにくいんだけど」

「えぇ〜。団長はミュルにこういうことされるのは…、イヤ?」

少し不満げに上目遣いで尋ねると、団長はポリポリと頬を掻いてぶっきらぼうに答えた。

「……嫌ではないけど」

(ちょろ……)

団長の自分への扱いに内心ほくそ笑む。

隊のキル姫達の私を羨む視線が心地良い。

(団長、まんざらでもなさそうな顔してる。ミュルに構ってたら好きなコに誤解されちゃうんじゃないの〜?)

顔に貼り付けた笑みの裏で、団長をこき下ろす。

「ミュルグレス、僕はもう自室に戻るから」

「うん。分かった」

言葉とは裏腹に彼の腕をキュっと抱き締める。

「あ、あの…」

団長が分かりやすいくらいに狼狽えているのが面白くて堪らない。

「ミュルも…、団長の部屋に行きたいな……」

「いや、男の部屋に女の子一人で入るのは流石に……」

団長は優しく腕を振り解いて、私に背を向けた。

(……もう一押しかな?)

俯きながら、団長の裾をしおらしく摘んでポソリと呟く。

「団長の言うこと、何でも聞くから……。ね、お願い…」

「ごめん」

団長は会話をバッサリと切って、一人で自室に入った。

「……は?」

愕然としていると、ドアからガチャリと音が鳴った。

……カギをかけやがった。

(え?ミュルがここまで媚びてるのにスルー?こんなにコケにされたの始めてなんだけどっ!)

怒りに手がプルプルと震える。

私は常にイジめる側の人間だ。

舐められたままで終わるなんて絶対にあっちゃいけない。

(絶対に堕としてやる…)

耐え難い屈辱を前に、私は歪な決意を固めるのだった。

966ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:01:33

自分の身を守る為なら、裏切りさえ厭わない。それが私。

キラーズの影響で猜疑心が強いナーゲルリングは、私と似た者同士だと思ってた。……始めて会ったその時だけは。

ーーーアンタのマスターって、実はアンタを体のいい召使いだと思ってるのかもね。そんなのひどいよね〜。裏切られる前に裏切る方がいいよ。相手はアンタに酷いことしてるんだから。

ーーーそうですね…。でも、それも当然かなーって思うんです。

ーーーは?

ーーーそういうキラーズだからかもしれませんけど、いつか裏切られるのかもって…、いつも思ってます。だから…、それが現実になったとしても仕方ないんです。

何ソレ?

騙されてるんだよ?傷つくんだよ?裏切られるんだよ?

仕方ないで受け入れられるようなことじゃないのに、どうかしてる。

騙されたくないから、騙す。

傷つけられたくないから、傷つける。

裏切られたくないから、裏切る。

そっちの方がずっと仕方ないじゃん。

その化けの皮、絶対に剥がしてやるから。

何度もちょっかいをかけた。

何度も。何度も。何十回も。出会う度に私のことは忘れている筈なのに、一度として違う返事を聞くことはなかった。

「……ほんと、バカみたい」

裏切られても、それを笑って許せるナーゲルリングの優しさが疎ましかった。

団長を見ていると彼女の面影がチラつく。

私が団長に絡み続けるのはそういう理由。

他に理由なんて、ない。ない筈だった。

967ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:02:28

ずっと団長に付きまとった。

お花見では、団長にたくさん「あ〜ん」をしてあげた。

皆の前だから恥ずかしそうにしてたけど、ゴリゴリに押して無理矢理食べさせた。

「嬉しそうにしちゃって。チョロ過ぎてビックリしちゃった」



夏に海へ行った時は散々だった。

他の子達の水着姿に鼻を伸ばす(ように見える)団長が無性に腹立たしくて、皆の居ない場所で海を眺めた。

少しすると当たり前のように団長が私の隣に座って、それからはずっと傍に居てくれた。

「……バカじゃないの?ミュルなんて放っておけばいいのに」





クリスマスも変わらずに、団長へ積極的にアタックした。

部屋に行きたいってねだったら団長が快い返事をしてくれて、心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかっていうくらいドキドキして。

皆には内緒だよ、と私にだけクリスマスプレゼントをくれた。

……私をからかうなんて、団長のクセに生意気だと思ったけど、鏡に映っている私は頬が緩んでいた。

「あれ?どうしてミュルは楽しそうなの……?」

団長を玩具にするって、そう決めていた筈なのに。

同じ時間を過ごしている内に、暖かい想いが小さく息づいていて。

今ではもう、胸が苦しくなるくらいに想いが膨らんでしまった。

「あ〜あ…、ミュルの方がほだされちゃってるじゃん…」

団長から貰ったプレゼントを胸に抱きしめる。

気がつけば笑みが零れていた。

968ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:04:17

バレンタインデー。

女の子が気になる異性にチョコを渡す日。

ぎこちない足取りで団長の部屋へと向かう。

お情けで団長にチョコをあげよう、と自分に言い聞かせて作った手作りチョコを持って。

(大丈夫かな?団長、喜ぶかな?)

今まで貰ってばかりで、お菓子なんて作ったことがなかったから渡すのに緊張してしまう。

「ぁ……」

視界の先に、部屋の前でヒョウハと親しげに話している団長の姿が目に入った。

「師匠。ミュルグレスのこと、ありがとな」

(……ミュルの話?)

咄嗟に身を隠して、二人の話に耳を傾ける。

「ミュルグレスが隊に入ってからずっと気にかけてくれてただろ?師匠も知っての通り、あいつは素直じゃないからさ。嘘で周りに壁を作ってしまうやつなんだよ」

「だから、あいつの傍にずっと居続けてくれて本当に感謝してる。あたしは、ミュルグレスに心を開いて貰うことが最後までできなかったから…」

(ヒョウハはホントお節介だなぁ。……悪い気はしないけど)

ヒョウハがこんなに自分を気にかけてくれていたなんて、知らなかった。

そして、直後に告げられた真実も。

「それにしても、さすが師匠だな!私が頼んだこととはいっても、ミュルグレスがあんなに誰かに懐くのは初めて見たよ」

(……え?)

ヒョウハが団長に頼んだことなんて明白だ。

ーーーミュルグレスのこと、ありがとな。

ーーーあいつの傍にずっと居続けてくれて本当に感謝してる。

団長が私に向けてくれた優しさは、全部ヒョウハに頼まれて仕方なく施されたものだった。

「…………あはは」

善意という名のナイフに心を深く抉られる。

当時孤立していた私を二人が気遣ってくれたことも、悪気がないのも分かってる。

もしかしたら団長が自分に気があるのではと、私が勝手に舞い上がっていただけ。

可愛らしい包装がされたチョコを渡せないまま、楽しそうに話す二人を尻目に自室へと引き返した。

「優しい嘘なんて、やっぱり欺瞞じゃん…」

騙され、傷ついても仕方ないと受け入れる強さを私は持ち合わせていない。

いつの間にか大切になっていた団長と過ごした時間は、全部偽りのモノだった。

「ほんと、バカみたい……」

自然と瞳が熱くなった。

969ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:05:05

因果応報だった。

愛して貰えないのに、愛することはできない。愛することができないから、愛して貰えない。

これ以上ないくらいに簡単な理屈だ。

ベッドに身を預け、腕で目を覆う。

「ミュルのことなんて、最初から放ってくれてたら良かったのに……」

そうしてくれたら、こんな辛さを知ることもなかったのに。

コンコンとドアがノックされ、団長が私の部屋に入ってきた。

泣き顔を見られないように目元を袖で拭い、団長に背を向けてベッドの上に座りこむ。

「……ミュル、入っていいなんて言ってないけど」

「今日はまだ一度も君の顔を見れてなかったから」

「そんなの理由になってない。団長が私に構うのはヒョウハに頼まれたからでしょ?」

団長が息を呑む音が聞こえた。

「分かり易すぎ……、団長はホントに嘘が下手だね。同情だったんでしょ?余計なお世話なら、もうミュルに構わないで」

違う。本当はそんなことが言いたいんじゃない。

ヒョウハに頼まれたからじゃなくて、ちゃんと団長の意思で私の傍に居てほしいだけなのに。

「そんなこと…」

「できないの?じゃあミュルがその理由をなくしてあげるね。ミュルは団長が大嫌いなんだよ?団長が気にしてる子に誤解されて悔しがる姿を見たくて演技してただけ」

傷ついたら、傷つけられずにはいられない。

ミュルグレスのキラーズを持つ私にはできやしない。

「ホント恥ずかしいね♪ミュルの本心に気づきもしないで嬉しそうにして…、それで…」

心にも無い言葉が口をついて出てくる度に胸が締め付けられる。

本心を打ち明けられないまま相手を傷つける自身の醜悪さに嫌気が刺して……。

「もういいんだ。自分を傷つけるような嘘をつかないで」

優しく諭すような物言いで、続く言葉を団長に遮られた。

970ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:05:52

「何を言ってるの?勝手に納得して決めつけないで。ミュルの言葉が本心じゃないっていいたいの?」

うん、と団長は私と背中合わせにベッドへ腰掛ける。

「……勝手に言ってれば?団長にミュルの本心を証明することなんてできないでしょ」

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ミュルグレス、「化かし合い」をしよう」

「化かし合い」は他のプレイヤーに決められた言葉を言わせる遊びだ。

「化かし合いでミュルに勝てたことなんてないクセに」

「絶対に勝つ方法を考えたんだ」

「……ずっと黙ってる以外に、そんな方法ある訳ないじゃん。すぐに終わらせて恥をかかせてあげるね」

嘘だ。絶対に勝つ方法はある。

このゲームのキモは、自分の決めた言葉を相手が知る術はないところだ。

相手が話した言葉を自分が決めた言葉だと言い張れば、その時点で勝ちとなる。

私のような噓つきが勝つようにできているのだ。

だから、彼のような正直者が勝てる可能性なんてーーー、

「僕の決めた言葉は「好き」、だよ」

「……は?」

団長の選択は、私の理解を超えていた。

971ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:07:49

「ねぇ団長、自分でソレをバラしたらもうミュルには勝てないよ?分かってるの?」

「分かってる。でも、僕にはこの言葉以外を選ぶ理由がないんだ。だって、これは相手にかけて欲しい言葉を言わせるゲームだから」

団長が私に言わせたい言葉。それが示す意味。

私に団長を好きだと言わせることが、団長にとっての勝利。

「……ミュルは団長のことを騙してたんだよ?大嫌いって言ったんだよ?」

「こんなに好きなのに今更嫌いになんてなれないよ。キッカケがヒョウハの頼みだったとしても、今は僕の意思で君の傍にいる。どうしようもなく好きなんだ」

明かされた自分への好意に、心臓がドキドキと脈打つ。

「皆は僕をマスターとして立ててくれるけど…、我儘かもしれないけど、僕と壁を作らずに居てくれたのはミュルグレスだけで……。君が傍にいる日常が、今の僕にとっての当たり前なんだ」

嬉しさで涙が溢れてくるなんて知らなかった。

「……団長のズル」

いつでも勝てるのに、踏み切ることができない。

だって団長の言葉は、全てが自分の望んでいた言葉だったから。

「ミュルが勝つ為には、その言葉が団長にかけて欲しい言葉だってミュルが認めないといけないんでしょ?」

私が勝つには、団長の私への好意が嬉しいのだと、自分の気持ちを素直に認めないといけない。

「うん。だから僕も勝つ為に、君に好きだって言って貰える為に言葉を重ねるよ」

これは嘘だらけの私に本心を伝えさせるためのゲーム。

「僕は君が好きだ。どうしようもなく、他の誰よりも」

今なら、そして彼になら、きっと。

「ミュルグレス、こんな僕で良ければだけど……、付き合ってください」

私にとっての勝利はーーー。

「……はい、ミュルの勝ち」

団長は負けちゃったか、と笑って自身の敗北を受け入れた。

「勝負には負けたけど、返事を聞かせてほしいな」

「……分かってるクセに。団長って意外とイジワルだね」

これは相手に掛けて欲しい言葉を言わせるゲームだ。だから、勝ちを宣言した時点で団長に私の本心はバレている。

ゲームを通さなくても団長になら、今より少しだけ素直になれる気がした。

振り向いて彼の背中にソッと抱きつく。

「ミュルも団長のことは嫌いじゃないから。……仕方ないから団長と付き合ってあげるね」

嘘で固められた心の壁は、彼の優しさにゆっくりと溶かされていった。

972ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:08:38

恋人同士になって、団長へバレンタインチョコを渡すと凄く喜んでくれた。

美味しそうにチョコを食べる彼の肩に寄りかかり、頭を預ける。

「団長、優しい嘘ってホントにあったんだね」

「随分前にそんなことを話したような?僕は嘘なんて……」

「絶対に勝つ方法なんて嘘じゃん。ミュルは団長に勝っちゃったよ?」

「あ、そうだったね」

そう、これは団長の優しい嘘。

団長は絶対に勝つ方法なんて始めから考えてなかった。

私に本心を伝える機会を与える為に、ゲームを降りさせない為の嘘なのだから。

「忘れたならもう一回聞くね。ねぇ団長、優しい嘘って何だと思う?」

「相手のことを想っての言葉だと、僕は思うよ」

「うん。ミュルもそう思う」

誰かを救える嘘もあるのだと、団長が教えてくれた。

「団長みたいに優しい嘘がつけるようにミュルも頑張ろうかな……」

「今の、凄く素直だったと思うよ」

団長に茶化されて少しだけムッとしてしまう。

やられたらやり返さないと。

「ね、団長。ミュルのチョコどうだった?」

「凄く美味しかったよ」

「良かった。味見してないから不安だったけど♪」

「そうなの?」

少し驚いてる様子の団長に顔を近づけると、動悸が速まって胸が少しだけキュっと締め付けられる。

「ミュルもチョコの味が気になるからちょうだい。んっ……」

鼻先が触れ合う距離で見つめ合ってから唇を押し付けた。

唇から伝わる彼の熱に頭がクラクラする。

小さく口を開けて、舌先でちろりと彼の唇を舐める。

チョコを食べ終えた団長への細やかな仕返し。

「あ、あの…」

「団長、ホワイトデーは3倍にして返してね…」

「い、今の3倍…?」

ゴクリと喉を鳴らす団長を見つめながらニンマリと笑みを浮かべると、団長は「しまった」と言わんばかりに頭を抱えた。

「知ってる?ミュルみたいな小さい子にハァハァする団長みたいな人をロリコンって言うんだよ?」

「い、いや!好きな子がたまたま小柄だっただけで!」

「助けておまわりさ〜ん、ロリコン狼さんに襲われちゃう〜♪」

嘘をつかないのは難しい。素直になるなんて尚更。

でも、これからは。相手を傷つけない嘘をついていこう。

誰も傷つけない、誰かの為の優しい嘘を。

(ありがとね、団長)

くだらない言い合いをする二人の顔には、屈託のない笑顔の花が咲いていた。



fin

973ミュルグレス×マスター SS:2020/05/29(金) 17:09:48

コマンドサイドストーリーに出るコマンドキャラは全員が魅力的ですね!
特にミュルの小動物的な可愛さに震えた人もたくさん居たと思います。
彼女の素直じゃない所がホントに大好きで、少しでもミュルグレスたんに(*´д`*)ハァハァ して貰えたら嬉しいです。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました!




海上編はよ

974名無しさん:2020/05/29(金) 19:22:11
おつおつ
ミュルミュルしてきた

975名無しさん:2020/05/29(金) 19:30:56
あまーい

976名無しさん:2020/05/29(金) 23:39:28
前話>>930
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第20話「シリアス・ブレイカーズ」

一番始めに口を開いたのはソロモンだった。

「フォルカス、追いなさい!」
「!?」
「いいから、追うの!」

ソロモンは私に向き直り、アイコンタクトで指示を促す…

「…おっけ。行くわよ」

またこのパターンか…
内心ではため息をつきつつ、二人でロンギヌスの後を駆ける。
フォルカスもそれに続いた。

「待ちなさい!どう言うつもりですか?ロンギヌスなら放っておけばすぐに戻って来ます!」
「それが間違いよ!」

ソロモンはフォルカスの瞳をしっかりと見つめて断言する。

「彼女を泣かせたまま放っておくなんて…私だったら100%あり得ないわ!」
「そ、それは…」
「フォルカス、今はロンギヌスを追うことに集中して。まずは会って、そして謝るの。それが最適解よ!」
「…何故、そんなに私達のことを…」

問われたソロモンは一瞬私を見て…恥ずかしそうに目を逸らす。

「ねぇ、フォルカス…私にも好きな人がいるわ。その娘と一緒に居るだけで本当に幸せよ。毎日が想定外で、予想外で…でもそれが楽しくて。得意なはずの分析が通用しない…これが恋なんだって、嬉しかった。その想いに気付いてからは私の思考はその娘の笑顔の為にフル稼働している。だから君を導くの。恋のある場所に涙は不要!…でしょ?好きな人に泣いてほしい人なんて居ないわ」

満面の笑みを浮かべるソロモンに黙って話しを聞くフォルカス。フォルカスは目を閉じ、ゆっくりと開いた。

「ソロモン、私のとるべき行動は…?」
「分析…いいえ、言うまでもなく…ロンギヌスと仲直りする事。それが私の最適解!」
「……あなたも変わりましたね。ですが、確かにロンギヌスの優しさに甘え、大事な事を忘れる所でした…」

彼女はしっかりと前を見据え、宣言する。

「恋に涙は不要…!」
「ええ!恋に涙は不要!」
「涙は不要!」
「笑顔が一番!」

ハルモニアの二人は変なスイッチが入ったようで…走りながらずっと同じ言葉を繰り返した…

「何でよ…」

途中までは良い話風に進んでいたのに…

「ソロモン、ロンギヌスの追跡が完了しました」
「ありがとう、グラウ!場所は?」

グラウが上空より、ひらりと舞い降りる。

「二つ先の通りを左折し、5件進んだ空き家です」

それって…

「例のホニャララスポットね!」
「なるほど…咄嗟の行動をとる時、人は無意識のうちに直前の情報や意識に左右される…と言うことですか…」
「左右され過ぎ…」

まったく…今日はデートのはずがさっきからハルモニア組に突っ込んでばっかり…ん?

「……ねぇ、ムー…今日の運勢は…?」
「え、『突っ込み過ぎ注意』のことか?」

私は堪らずその場で崩れ落ちた…

「そう言う…意味…?」
「?」

ノロノロと例の空き家に向かう。もう絶対に突っ込まないし…て言うか本当に色々と振り回され過ぎじゃない…?
空き家の前まで行くと、ソロモンとフォルカスが扉を見据えていた。
確かに扉はわずかだが開いており、誰かが侵入した形跡がある。
ロンギヌスとみて間違い無い。

「もう、さっさと捜すわよ…」

二人を促す。でも…

「待ってレーヴァ。フォルカスとも話したのだけど、ここは分かれて捜索した方が効率的よ。フォルカスと、君と私の二手に分かれるの」
「普通の空き家でしょ?そんなに広くないし…」
「レーヴァテイン、察して下さい…邪魔はされたくありません…」

あぁ…元々ここは……うん、別に良いけど…ナニしようと…

「じゃあ私達はここまでね。もう一人で平気でしょ?これ以上世話を焼く理由も無いし…ソロモン、行くわよ」
「レーヴァ、私も…いいえ!私と君もここに用が…!」

再び鼻息の荒くなるソロモンの口を塞ぐ。
やっぱり目的はそうなるのね…
これが最後…そう決意し……

「何 で よ !」

つづく

977名無しさん:2020/05/29(金) 23:43:47
>>976
リクエストあれば気が向いたら書くかもです

コテハン変えようと思い、考え中なので非表示にしてます

978チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 01:59:06
チャレンジアロンちゃん21

これはアロンダイトをバカにするものではございません出来ないアロンを愛でるためのものです

イチイバル
「ボクは怒っているムカムカ」

アロンダイト
「?」

カシウス
「?」

アバリス
「?」

神経衰弱をしていた三人は急なイチイバルの訪問に首を傾げていた

イチイバル
「ボクとキャラ被りしてるアバリスよ隠れてないでボクと戦え」

アバリス
「あの....隠れてはないんですが」

アロンダイト
「アバリス姉さんならここにいます」

アロンダイトはアバリスに指をさした

イチイバル
「な!いつの間にそこに?びっくり...まあ良いさあこの天才美少女戦姫イチイバルさんと戦え」

アバリス
「いやあのまずなんで戦わないといけないんですか?」

イチイバル
「そっちから来ないならこっちから行かせてもらう先手必勝」

イチイバルが弓を引き矢を放とうとした瞬間

マスター
「なにやってんだよアホ」

マスターがイチイバルにチョップを食らわせた

イチイバル
「いたたたた」

イチイバルはその場にしゃがみ込んだ

マスター
「なに仲間と戦おうとしてんだよ」

イチイバル
「お兄さんそれには深い深い理由があるんだよ」

マスター
「理由?なんだよ言ってみろ」

イチイバル
「そのアバリスって女はボクとキャラが被ってるドーーン」

979チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 02:17:10
>>978
マスター
「..........」

アバリス
「........」

カシウス
「.........」

アロンダイト
「ほぉ〜」

マスターはイチイバルの両頬を引っ張った

マスター
「お前どこがアバリスとキャラ被ってんだよ言ってみろ」

イチイバル
「いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいいひゃい」

アバリス
「あのマスターとりあえず離してあげてください」

マスター
「アバリス良いのか?キャラ被りとか意味不明なことでケンカ売られたんだぞ?」

アバリス
「もしかしたら彼女にとってはとても気にするところなのかもしれません」

マスター
「はぁアバリス優しすぎ」

アロンダイト
「さすがアバリス姉さん心の広さは空より広く」

カシウス
「慈悲深さは海より深い」

マスターはイチイバルから手を離した

マスター
「それでどこがアバリスとキャラ被ってんだ」

イチイバル
「お兄さん見てわからないの?」

イチイバル
「まず同じ弓、同じ青系の髪色さらには髪型は同じ三つ編み!これはどう見てもキャラが被って..」

マスターは再びイチイバルの両頬を引っ張った

マスター
「お前言いがかりってレベルじゃねえぞ弓が武器ってだけで何人いると思ってんだ?それに青系で三つ編み?そこにいるカシウスもそうじゃねえか」

アロンダイトはテーブルを強く叩いた

アロンダイト
「天才美少女戦姫イチイバルさん....」

マスター
(フルで呼んだしかも怒っている)

アロンダイト
「確かに自分の見た目と被ってるのは問題かもしれません....ですが姉さんに挑むのは1000年と数ヶ月早いですよ!」

マスター
(うーん?怒っているところがおかしいぞそれに謎の数ヶ月プラスはなんだ?)

アロンダイト
「姉さんと戦いたいならまずは末っ子の私を倒してからにしなさい!天才美少女戦姫イチイバルさん...いやイッチ!」

マスター
(なぜ略した)

イチイバル
「ふっボクをイッチ呼ばわりとは良い度胸だボクも燃えて来たよメラメラ」

アロン・イッチ
「いざ勝負!」

980チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 02:31:53
>>979
イチイバル
「さあなんの勝負にする?ボクはなんの勝負にでも勝てるよ」

アロンダイト
「なぜ断言出来るんですか?」

イチイバル
「ボクは未来を占うことが出来るのさ」

アロンダイト
「み、未来予知!」

マスター
(本当は違うんだけどな)

アロンダイト
「ですが私にも未来を占うことが出来る頼もしい仲間がいるんです!」

アロンダイト
「梓弓、私とイッチどちらが勝つか占ってください」

梓弓
「アロンが勝ちます」

アロンダイト
「どうですか!!」

マスター
(占う素振りを全く見せずの即答だったんだけど)

イチイバル
「どうやらボク以外にも占うことが出来る者がいたとはね」

マスター
(イチイバルよく見ろ相手側全く占ってなかっただろほぼ即答だっただろ)

イチイバル
「だが未来は変えられるボクが勝ってみせよう」

アロンダイト
「なら私だって未来を変えてあなたに勝ちます」

イチイバル
「さてそれじゃあ先手必勝でやらせてもらうよ」

イチイバルが弓を構えるとマスターに止められた

マスター
「ダメだダメだ一緒に戦う仲間なんだ下手に戦闘に参加できないほどの怪我を負わせたらどうするそれに周りに被害が出るかもしれないだろ別のにしろ」

イチイバル
「ボクは戦闘して勝ちたかったのにその気でいたからちょっとガッカリだよガックリ」

アロンダイト
「それではラグナ考案の空想バトルというのはどうでしょう?」

イチイバル
「空想バトル?」

マスター
(ラグナ考案で空想とか嫌な予感しかしないんだけど)

981チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 02:49:09
>>980
アロンダイト
「空想バトルとは互いに好きで自由な技や攻撃を繰り出して相手と戦うんです」

アロンダイト
「まず攻撃側が攻撃の仕方もしくは技名を叫んで受ける側はどうやって防御をするかを考えるそれで防御仕切れなかった方が負けというルールです」

マスター
(要は厨二病同士の痛々しい妄想対決ってことじゃねえか)

イチイバル
「面白そうだね乗った」

マスター
「乗るなーー!!」

アロンダイト
「マスター水を刺さないでください」

イチイバル
「そうだよお兄さんこれはボクとアロンダイトの真剣勝負なんだから」

マスター
「え?なに?俺が悪いの?」

アバリス
「まあここは口出しせずじっと見守るのが良いかと」

カシウス
「傍観者に徹するべき」

マスター
「はぁなんかイチイバルってカシウスの不思議ちゃんに加えてアロンのアホさを塗り固めたような奴だな」

アロンダイト
「それじゃあ私から行きます食らえアルティメット....サンダー!!」

イチイバル
「避雷針!」

アロンダイト
「アルティメットサンダーが防がれた!」

マスター
(アルティメットサンダーよっわ避雷針で止められるのかよ)

イチイバル
「次はボクの番だ燃えろ...イビルフレイム!」

アロンダイト
「消火器!」

イチイバル
「イビルフレイムが消された」

マスター
「......」

アバリス
「.........」

カシウス
「.......」

戦ってる妄想をしてる二人には激しい戦闘を繰り広げているのだろうが見てる側からしたらただ二人が叫びあってるようにしか見えないのだ

アロンダイト
「スパイラルレーザー!」

イチイバル
「鏡!」

マスター
「.....なんか菓子かなんか作ろう」

アバリス
「あ、手伝いますよ」

マスター
「ありがとうアバリス、カシウスはどうする?」

カシウス
「手伝う」

マスター
「それじゃあ三人でなにか作るか」

982チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 03:12:20
>>981
数時間後

マスター
「美味しくアップルパイ出来たな」

カシウス
「美味しく出来た」

カシウスはウキウキしていた

アバリス
「そうですね戦ってる二人が終わったら五人で食べましょう」

戻って来るとアロンダイトは謎に膝をついていた

マスター
「え?何があったの?」

イチイバル
「ふっふっふアロンダイトもう防ぐのにも限界が来たようだね」

アロンダイト
「はぁ...はぁ...はぁ...強い」

マスター
(空想してるだけで激しい戦闘を行った後にはなんねえだろ)

イチイバル
「そろそろ諦めたらどうだい?」

イチイバル
「私の強さ思い知っただろ?ドヤッ」

アロンダイト
「諦める?すみませんが私はこれまで諦めたことはありません確かに一度諦めかけたことはありましたですが私の友が背中を押してくれたそしてその時知りました諦めることの罪の重さを」

アロンダイト
「だから私は諦めるわけにはいきません!」

マスター
(妄想のバトルしてるだけなのになんであんなに熱くなれるんだ?俺がおかしいのか?)

イチイバル
「ふっ自分のその諦めの悪さを呪うがいい!アルティメットメテオ....バースト!!」

アロンダイト
(諦めない...私は勝つ勝って皆の元へ戻るんです)

ラグナ
(そうよアロンダイトあなたなら出来るあなたならどんなに絶望的状況でも勝てるわ)

アロンダイト
(ラグナ...ありがとう私の友よ)

アロンダイト
「全てを受け止め消し去れミラー◯ォース!」

イチイバル
「なに!私の最大限の攻撃を防ぎきっただと!?」

マスター
(へぇー空想にも最大限とかあるんだ〜)

マスターは考えるのを止めた

アロンダイト
「食らえス◯ークレ◯ェンドーー!!」

イチイバル
「これは....どうあがいても防ぎきれない」

イチイバル
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

イチイバルはその場に倒れた

983チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 03:33:17
>>982
アロンダイト
「勝った....マスター!私勝ちましたよ!!」

マスター
「あーうんおめでとう」

イチイバル
「ボ、ボクは負けた...のか」

アロンダイト
「これで金輪際姉さんにはキャラ被りで勝負を挑まないでください」

マスター
(そうだったそれが全ての始まりだった)

イチイバル
「君のその諦めない気持ちはボクよりも上だったようだね」

イチイバル
「ボクは確実に勝てると思っていたそうなる運命だと感じてたけど違った君は最後の一瞬も諦めず運命を変えた」

イチイバル
「ボクは諦めていた変えられないと決めてそして負けた」

イチイバル
「ボクは運命とか未来とかは変えられると思ってただからボクよりも諦めの悪い人はいないと思っていただけど現にボクの目の前にその人はいた」

マスター
(空想の戦いしてただけなのに壮大な話になってる)

イチイバル
「だから君のその諦めない心を未来を運命を変えようとする意志をボクに教えてくれ君の...嫌違う師匠のその精神の強さを!キラキラ」

イチイバルはアロンダイトの手を握った

マスター
(イチイバルが珍しいぐらいに目を輝かせてる)

アロンダイト
(師匠...師匠...師匠...師匠!!)

アロンダイトの中で師匠という言葉がエコーがかかったように何回も何回も流れた

アロンダイト
「わかりました!!私に着いてきなさいイッチ!」

イチイバル
「はい!師匠!」

アロンダイト
「とりあえずあの夕日に向かって走るぞ!」

イチイバル
「まだ昼ですけどわかりました師匠キラキラ」

二人は走り去って行った

マスターはその場にうずくまった

カシウス
「お館様大丈夫?」

マスター
「また頭を痛めるようなことが増えた気がする」

マスターはその日激しい頭痛を起こすのであった

984チャレンジアロンちゃん:2020/06/01(月) 03:34:13
途中イッチがボク呼びじゃなくて私呼びになってるところがあるが気にするな

985名無しさん:2020/06/01(月) 19:16:20
>>976
2人きりのホニャララスポット…何も起きないはずもなく…

986名無しさん:2020/06/01(月) 19:17:09
>>984
髪型…髪色…姉妹…うっ!頭が…!?

987リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/01(月) 23:43:57
前話>>976
【でぃすらぷ!】第二部《三国編》
第21話「一件落着」

思った通りロンギヌスを見付けるのに時間はかからなかった。
一室の隅っこでうずくまり、泣いているのを発見する。

「フォ、フォルカス…ディスラプターズ…!」

驚くロンギヌスをそっとフォルカスが抱きしめる。
ロンギヌスも少しは抵抗するかと思ったけど、予想に反してすんなりとフォルカスに身を預けた。

「…すみません、ロンギヌス。もう、大丈夫ですから。安心して…」
「うん…私こそごめんなさい…フォルカス、追ってきてくれたんですね…ありがとう…」

そんな二人を見てソロモンは「良かったわね…」と涙を浮かべている…

「じゃ、もう本当に帰るわよ…?」

本気で疲れた…て言うかフォルカスだけ送り出せば済んだのに…ヘレナといい、どうしてこうも無駄に世話を焼きたがるのか…

「待ちなさい!」

フォルカスがビシッと制止する。
まだ何か?

「…一応礼は言います…ですが、そもそもあなた達が邪魔をした事が発端!見逃すのは今回だけです!」
「……そう…」

フォルカスらしいと言うか…まぁ帰してくれるなら何だっていいけど。

「それと、ソロモン…ちょっと…」
「何かしら?」

フォルカスとソロモンは二人でこそこそと何かを話し始める。「ちゃんと濡らしてから」とか「爪の手入れは必須」とか、何の情報交換をしているのか…
うん、考えないでおこう…

「あの…レーヴァテイン…」
「…何よ…」
「フォルカスはああ言いましたが、今日はありがとう…あなた達にとっても大事な日だったのでしょう?」
「お互いさまでしょ…悪かったわね…」
「いえ…敵を見かけたら警戒するのは当然…逆の立場なら私も同じく見過ごせませんから。あなたの行動は理解します」

今はこうして話しを出来る…でも、はっきりと敵と言われた…
ふと、かつてのロンギヌスを思い返す。
絶望しかない世界で、交わした友情…

「…今、幸せ?」
「…はい…!フォルカスは堅い所もあるけど、とても大事にしてくれますから。今日はちょっと…楽しみだったのを誰かさんに邪魔されたのでふて腐れてみただけですよ!」
「…つい最近似たような経験したから…分かる…」

顔を見合わせ、どちらとも無く笑う。
うん…幸せなら良かった…

「お待たせ、レーヴァ。どうしたの?」

何故か機嫌の良さそうなソロモンと、満足そうなフォルカスが戻って来る。

「別に…行くわよ…」

そうだ…最後に…

「フォルカス、あんた占い好きだったでしょ?これ、あげる…」
「?」

実は朝、ソロモンが時間通りの行動を急かすものだから、つい焦って荷物に入れてきてしまった例のカード…

「これは…!」
「知ってるの?」
「ええ…最近流行りのカード占いです。でも何故この3枚だけ…?」
「今日の運勢らしいわ…じゃ…」

ソロモンと部屋をあとにする。
後方でわずかだがフォルカスとロンギヌスの声が聞こえた。

「フォルカス、それ…」
「……そう…この3枚の意味は…つまりこの場所は私達に譲ってくれると言うことですね…」
「ふぇ?」
「ですが、"突っ込み過ぎない"保証は出来ません…!」
「ひゃぁ…!フォ、フォルカス、急に…ふわぁぁあ…!」

………お幸せに…って、あのカード占い…やっぱりそっちの意味なの…?

「さぁ、レーヴァ。デートを再開しましょう。大丈夫!大幅な修正は必要だけど、不測の事態に備えたパターンも用意しているの!あとはその中から今の状況を分析して最高のパターンを導き出すだけよ!」
「…ねえ、ソロモン。ここからは私のプロデュースってのはどう?」
「え?」
「…色々考えてくれてありがとう…でも、ソロモンはちゃんと楽しめてる?ソロモンからすれば予定の場所をただ回ってるだけでしょ?…せっかくなんだし、ソロモンも楽しんでよ…」

ハルモニアの二人を見ていて思う…やっぱり、お互いを想い合うのが大事…だから、ソロモンにも少しずつでも届けたい…

「…じゃあ、お願いするわ!」
「おっけ…あんまり時間もないし、どんどん行くから覚悟して?」
「ええ!ありがとう…レーヴァ!」

心底嬉しそうなソロモンの手を引き、再びトレイセーマの町へと繰り出した。

つづく

988名無しさん:2020/06/02(火) 17:32:08
フォートナイトのやつ面白かった

989名無しさん:2020/06/02(火) 20:03:00
何を突っ込むんですかね…

990名無しさん:2020/06/02(火) 20:08:31
>>988
単発でなおかつラブストーリーじゃないのがくるとこういうのでいいんだよこういうのでってなるよね

991リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/02(火) 21:32:18
期待に添えず申し訳ないです。でぃすらぷ!は長編で恋愛系だけど、あとはカリス編と最終章だけなのでご容赦を!要らない作品だとは思いますが待って下さる方のために最後までは書くつもりなので、終わるまでもう少し我慢してね!

992名無しさん:2020/06/02(火) 21:52:33
期待して待ってるゾ

993ファンキル De 神話:2020/06/03(水) 21:29:26
ヘレナ
「集え、我が子達よ」

フォルカス
「はい」

マサムネ
「うむ」

ヴァド
「は〜い」

クレス
「呼んだ?」

ヘレナ
「ヘルが一人多い気がするけどまあいい。今こそユグドラシルに混沌と動乱を!」

みんな
「おー!!!」

ヘレナ
「強力な同志もいる。頼んだぞ、スルト」

レーヴァテイン
「めんどくさいけど、任せて」

ミョル
「どうしよう!このままじゃユグドラシルが!止めてよ、ロキ!」

ヘレナ
「トールか。それは無理だ。くふっ」

???
「そうはいかなよ?キラキラ」

みんな
「ああ!」

ヘレナ
「出たな、兄よ。いや、」

みんな
「天才美少女戦姫イチイバルさん!!!」

イチイバル
「ラグナロクにはボクが手出しさせないよ!ドヤッ☆」

ラグナロク
「ZZZZZZ」

ヘレナ
「いや、ただ彼女を起こしたいだけなんだが」

ラグナロク
「むにゃ・・・あれ?みんなどうしたの?」

イチイバル
「ラグナロクが起きてしまった!ガクッ」

ヘレナ
「我々の勝ちなのか?」

ヴァド
「オーディンは頑張りましたよ〜よしよし」

イチイバル
「ああ、優しい温かい・・・フェンリルに、フェンリルの愛に飲まれて行く・・・」

ラグナロク
「どうでもいいけど」

みんな
「あ、ラグナロクが!」

ラグナロク
「お前たち、私のお昼寝を邪魔しないで!」

みんな
「わああああああ!」


こうして世界を焼いたとされるラグナロクは起こった(怒った)。

チャンチャン

994名無しさん:2020/06/03(水) 21:51:16
ユグドラシル(ラグナロク)の根っこをかじってるニーズヘッグ(グリモ)
つまりふたなりラグナロクに、歯を立ててドSフェラしてるグリモという関係ができあがる

さらに、スルトに挑んだフレイ(グラム)は武器がなかったために敗北するので、ふたなりラグナロクが非ふたなりなグラムをハメ倒す関係もできあがる

995名無しさん:2020/06/03(水) 23:34:26
ノリは好き

996リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/05(金) 05:52:02
だいぶ迷ったけど
先に謝る
すみません

997リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/05(金) 05:52:59
ソロモン編エピローグ
・例の家に居るフォルカスの元にロンギヌスがやって来て告げる。「そろそろ出立しましょう。すぐにハルモニアへ戻らないと」「では…!」「はい。先ほど使いの者が来て例の件、前向きな返事をいただきました」「分かりました、すぐに!」
・フォルカスは思う。ディスラプターズ…彼女達もあるいは情報を掴んでいるかと思ったけれど…あの様子ではこちらの本当の目的は知られてはいないはず…せいぜい大人しくしていて下さい…
・ソロモン、実はフォルカスとの最後のやり取りで宿泊施設のチケットをグラウで録画した映像と交換。次は宿泊施設のあるハルモニアへ。

カリス編
・宿泊施設でパラシュ、シユウと遭遇。
・ケイオスリオンに侵入者が現れた事件(ムラマサの時)で言うことを聞かないシユウとパラシュが衝突。
・シユウの扱い方をマスターする為に二人で宿泊施設に。しかしうまくいかずパラシュ、疲弊。
・そこでカリスがシユウの好きなお菓子を作ろう!と提案。
・レーヴァは難色を示すものの、カリスに「お料理デート」として例の権利を出されてしぶしぶ了承。
・パラシュも最初はノリ気では無いけれど、カリスの「自分もシユウのように勝手な行動をとるけれど、それを咎めつつも許してくれるレーヴァに感謝している。きっとシユウもパラシュに感謝しているはずだよ」と言う言葉に奮起。
・パラシュは何とか完成させたマーラカオで無事にシユウとの絆を深めるのであった。
・カリスも改めてレーヴァに感謝を告げる。「レーヴァ、これからも迷惑かけちゃうけど、一緒に居て良い?」「…居て貰わないと困るし…頼りにしてる…」「うん!」
・一人宿泊施設の窓から夜空を見つめそれぞれのデートを思い返すレーヴァ。部屋に戻ろうとした時、遠くから聞き覚えのある声が…「グギャァ」
・レーヴァは驚くものの、気のせいだろうと部屋に向かうのだった。

最終章
・三国の中間地点で居るはずの無い異族が目撃される。ディスラプターズは急遽現場へ。
・おびただしい数の異族にボロボロになる四人。一度身を隠すことに。
・見付かるまでの僅かな時間で作戦会議。退却し体制を立て直そうにも、周囲には異族の群れ。全員疲弊し突破は厳しい状況。
・さらにグラウの周辺探索で異族の進行方向に人間の集落があることが判明する。
・レーヴァは集落を守る為、三人を守る為に一人で異族との交戦を決意する。集落と今後の事を三人に託して、異族の群れへと向かう。
・残された三人はソロモンの宣言でとにかく集落へと向かうことに。「レーヴァの思いを無駄にはしない!集落は守り抜くわ!その上で、絶対にレーヴァも死なせない!」そしてレーヴァの為にある行動を起こす。
・ずいぶん長く続いた戦闘。レーヴァもムーも限界を超えていた。異族の一撃で動けなくなったムーを庇うレーヴァ。「ごめん…みんな、ティル…さよなら…」異族の剣がレーヴァに振り下ろされる。
・時は遡り、ソロモン達が集落へ向かった時。「行ったわね…さすがソロモン。でも、それだけでは駄目なの。あと一手足りない」予想よりも早く異族の影が迫る。「地底の連中の仕業ね…安心して、私がその足りない一手になってあげるわ。それで全てがうまく行く」斧を構える少女。「私が介入した時点で、あなた達の生還は確定したわ。そう。これは予言ではない。確定事象の報告に過ぎないの」(仲間に戻ることは出来ない。けど、今だけはいいでしょ?)
・レーヴァの眼前に居た異族が吹き飛び、轟音と絶叫が響く「ウガァァァァ!!!」「シユウ…!?」「大丈夫か、レーヴァテイン?」「まったく、世話の焼ける…」「パラシュ、どうして…」「ボク達だけじゃないよ」ムラマサ、マサムネ、フォルカス、ロンギヌスが続く。「拙者は其方などどうなろうと…だが、借りがある!」「うむ。その借りを返しに来た!」「あなた達を裁くのは私達です。ここは引きなさい」「すぐに残りのメンバーもやって来ます。そうなると面倒なので、今のうちに…!」「あと、これも連れて行くんだね」パラシュ、ムラマサ、フォルカスがそれぞれオートアバターを差し出す。「あなたの危機を伝えに来ました」「今は疲れて休んでいる。全速で飛ばしたようだからな」「でも、この数…」「我々を誰だと思っている?」六人を闘気が包む。「ごめん…ありがとう…!」オートアバターを抱えてレーヴァは駆け出す。
・みんなの想い(デート)が彼女達と繋がりをくれた。みんなの諦めない気持ちが彼女達を間に合わせてくれた。「ありがとう…ヘレナ、カリス、ソロモン、ニール、キプル、グラウ…お疲れさま、ムー…」
・前方にフラフラな三人の姿を見付ける。「逃げてって言ったのに…何で来るのよ…」三人もレーヴァに気づき、泣きながら駆け寄る。その姿に安心して緊張が解けたのか、レーヴァはそのまま崩れ落ちた。

998リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/05(金) 05:53:31
【でぃすらぷ!】最終章
最終話「みんなと進む道」

次に気が付いたのは拠点のベットの上だった…
きっと三人が連れ帰ってくれたんだろう。

「!」

重みを感じ、上体を起こす。
私のベットを囲むように三人とオートアバターのみんなが眠っていた…
椅子に座って、私が起きるのを待っていたのか…そのまま布団に突っ伏している。

「…良かった…みんなが無事で…」

全員をゆっくりと撫でていく。
本当に、もう会えないかと思った…
みんなはぐっすりと眠り、まったく起きる気配が無い。

「はぁ…いつもはうるさい位なのに…人が話したい事がある時に限って…」

みんなが起きたら伝えよう…
二度と後悔しないように…

しばらく待つとムーが最初に目を覚まし、大声で騒ぎ出した。
それを合図にみんなも一斉に起きる。

みんなに抱き着かれて、揉みくちゃにされて…でも…今はそれが嬉しい。
伝えるのはこのお祭り騒ぎが終わってからでいいか…


みんなのことが…大好きです…って…

ーーーーー
体を休めること数日。みんなが全快し、今日から活動を再開する。
休んでいる間の情報収集で、あのあと異族の発生が止まったことは分かっている。

(結局、あれは何だったの…)

もうこの世界に居るはずの無い異族…
理由は分からないけど、今後も警戒はしておかないと…
ちなみに三国は早くに異族の存在に気付いて、討伐の準備をしていたらしい。
実は出会ったみんなも他国に来ていた理由が、休暇が半分、残り半分が協定の申し込みや情報交換等の任務だったらしい。
どうりで他国で各国のリーダークラスである彼女達と立て続けに遭遇するはず…
おかげこうしていつもと変わらない朝を迎えられるんだけど。

ううん…変わったこともある…
私達の関係…

支度を終えて広間に向かう。

「おはよ…」

待ってましたとばかりに三人が抱き着いてくる。

「おはよう、レーヴァ!具合はどう?」
「おはよう。もう大丈夫そうだな」
「レーヴァ、おはよう。うん、顔色も良さそうね。熱や痛みは…」
「あのねぇ…あんまりくっつかないで…」

三人は顔を見合わせ…
頷き合い、さらにぎゅっと力を入れてくる。
私が嫌がってる訳じゃ無いって分かってるからこんなことを…

「は…恥ずかしいから…勘弁して…」

そう…単純に恥ずかしいから…

「ふふっ…照れちゃって。可愛い…♪」
「三人を相手にするって言ったのはレーヴァだぞ?ヘレナ達はそれを尊重してみんなでレーヴァを愛することに決めたんだ」
「そうだよ!だからレーヴァも安心してカリスちゃん達み〜んなとお付き合いしていこう!」
「ああ、もう…おっけ…」

うん、こればかりは仕方ない。だって…一人なんて選べないもん。

食事を済ませて出掛ける準備をする。
みんなが先に向かう中、私はふと広間を見渡す。
目を閉じ、浮かぶのはこれまでのみんなとの日常…

「ここが私の…私達の居場所…」

必ずここに帰ってくる。みんなと…

入口付近でみんなの声がする。

「レーヴァ、忘れ物?」
「周囲の索敵を開始します」
「レーヴァ、まさか拠点で迷子かい?くふっ」
「アタチ考えたの。ヘレナが手を繋いであげたら良いんじゃない!」
「レーヴァと手を繋ぐなら私も!」
「カリス、本当に迷子な訳じゃないですよ」
「さぁ、行くぜ!レヴァ!」

もう一度部屋を眺めて、みんなのもとへ駆ける。
大丈夫。きっとどんな困難も乗り越えられる…みんなとなら!

「みんな、お待たせ!行くわよ!」

8つの影が光の中へと飛び出した。

でぃすらぷ! おわり

999リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/05(金) 05:54:14
こんな形ですが完結です
なんとしてもブツ切りは避けて、物語の流れだけは届けなくてはと思いダイジェストになりました
完全な状態でなくてすみません
これまで読んでいただきありがとうございました

1000リクエストあれば気が向いたら書くかも:2020/06/05(金) 05:54:49
最後に
完全版の予定はありません
もし読みたいと言う方は他の書き手さんにダイジェストを元に書いて貰って下さい
どう扱っていただいても一向に構いませんので

と言うわけで他作品を書くことも無いと思いますし、これにて完全引退します!
さよなら!




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