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o川*゚ー゚)oがんばれ!恋愛赤ちゃんどものようです(´<_` )

1 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:34:57 ID:9Z4bzz6Q0

扉|ヽ(´<_`*; )「兄者!! デートって何着たらいいんだ!? スーツか!? スーツに花束か!?」ドアバーン

( ´_ゝ`)ロ「プロポーズじゃないんだから、普通でいいよ普通で……。ていうか今キュートちゃ……」

⊂(´<_`#)「普通って何だ普通って! 普通の定義なんか人によって違うからこの世に普通なんてものは存在しなくて……。
       おいなに電話なんかしてるんだ! 貸せ! 切る! 俺の相談に乗れ!!」ガシッ

( ´_ゝ`)っロ「スマホ奪おうとすんな。今キュートちゃんと電話してるから」

⊂(´<_` )「キュ……」

(´<_`*; )「そういうことは早く言え!!!!!!!」

( ´_ゝ`)ロ「聞く耳を持たなかったのは弟者でしょ……」

(∩<_∩ )「あ〜〜〜〜絶対わめいてるとこ聞かれたクソダサいとこ聞かれた嫌われた失望された全てが終わったもう無理さようなら」

( ´_ゝ`)ロ「極端に病まないで。咄嗟にミュートにしたからキュートちゃんには聞かれてないよ。安心して」

(´<_` )「俺の兄、神かよ……。一生崇め奉るわ……。なに奉納したらいい?」

( ´_ゝ`)ロ「はいはい、キュートちゃんと電話するから部屋出てってねー」

(´<_` )「え……てか待って俺を差し置いて兄者がキュートと電話……? 兄者のこと許せなくなってきた……」

( ´_ゝ`)ロ「感情が忙しいなあ。もうミュート解除するから出てってねー」

2 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:35:46 ID:9Z4bzz6Q0

o川;゚д゚)oロ『ねー兄者くん! 聞こえてるー!?』

( ´_ゝ`)ロ「あーごめんごめんちょっとミュートになっちゃってたみたい」

o川;゚-゚)oロ『もー、デートまで時間ないんだから!! 待ち合わせって何十時間前に着けばいいの?』

( ´_ゝ`)ロ「桁がおかしいなあ。10分前とかでいいんじゃないの?」

o川;゚д゚)oロ『えっ!? もう家出ちゃったよ!』

( ´_ゝ`)ロ「今すぐ家に帰りな。弟者とのデートは明後日でしょ。楽しみなのは分かるけどさ」

o川;*゚д゚)oロ『た、た、楽しみとかじゃなく!!!!!!!
       時間に余裕を持って行動できる大人の余裕を醸し出すための小細工!!!!!!!!』

( ´_ゝ`)ロ「時間に余裕を持って行動できる大人は、そんな大掛かりな小細工しないよ。
       あとね、電話中の人間の大半は耳元に電話を持ってきてるからね、急な大声はやめようね」

3 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:36:19 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)oロ『あ、そうだひとつ相談があって……。デートに竹馬で行きたいんだけど、どのメーカーがオススメ?』

( ´_ゝ`)ロ「あー竹馬……竹馬ね……。オススメの竹馬ね……。
       いやゴメン竹馬のメーカーわかんないし、なんで竹馬で行こうとしてるのかもわかんない……」

o川*゚ー゚)oロ『身長を盛りたくて……。ハイヒールじゃ足りないんだよね……最低でも1メートルは盛りたいから』

( ´_ゝ`)ロ「何をそんなに盛ることがあるの? そんなに盛られたら弟者の首が終わるよ」

扉|ヽ(´<_`;)「兄者! デート中に心臓が持つ気がしないから、兄者の心臓を移植してほしくて……」ドアバーン

( ´_ゝ`)ロ「とんでもないこと言いながら部屋に入ってくるじゃん」

(´<_`*; )「まだ電話してんのかよ!!!!!!! 先に言えって!!!!!!!!!」

( ´_ゝ`)ロ「言う暇なかったよ。あとゴメン、ミュート間に合わなかったわ」

o川;゚-゚)oロ『なんか大声が聞こえたけど大丈夫!?』

(∩<_∩ )「終わった…………急に叫ぶじゃんコイツって思われた……。俺の人生、絶望しかない……」

( ´_ゝ`)ロ「急に叫ぶって点で言えばキュートちゃんもそうなんだけど」

4 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:37:13 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)ロ「キュートちゃん、さっきの大声は……」

(´<_`;)「おい待て言うな! 俺が急に叫んだことを言うな!!」

( ´_ゝ`)ロ「いや、誤魔化すつもりだから大丈……」

∩(´<_`∩*; )「さっきの叫び声はペットの鳴き声だ!!!!! 決して俺ではない!!!!!!」

( ´_ゝ`)ロ「うるさ。至近距離で叫ばないで。うちペットいないからその嘘はいずれバレるよ」

o川;*゚д゚)oロ『ワーーーー!!!!!?!? 突然の弟者くんの声!!!!?!?!?
      待って弟者くんがそこにいるの!!? 待ってボイスケアのど飴なめるから待って!!!!
      弟者くんは私の美声しか聞かないで!!!!!!!』

( ´_ゝ`)ロ「こっちもうるさ。いまこの瞬間に叫び声を散々聞かれてるから手遅れだよ」

"o(´<_`*; )「さっきの叫び声が俺だとバレないために、咳払いで声を整えてイケボを出す!! この作戦しかない!!!
       ゲフンゲフンゴホッあっなんか咽せてゲッホゲッホゴフッ!!!!!」

o川;*゚н゚)oロ『ボイスケアのど飴を大量になめて麗しの超絶美声に……あっこれダメなやつ喉に詰まるやつモゴゴ……モガ……ゴ……』

( ´_ゝ`)ロ「恋愛赤ちゃんどものワンオペ育児ムリだよ〜〜誰か助けてくれ〜〜〜〜」

5 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:37:44 ID:9Z4bzz6Q0







o川*゚ー゚)oがんばれ!恋愛赤ちゃんどものようです(´<_` )







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6 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:38:20 ID:9Z4bzz6Q0

〜事の発端は数日前〜


o川*゚ー゚)o「私たちさ、仮で恋人になってみない?」

(´<_` )「御意」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「いや、御意ではなくない?」

(´<_` )「いや御意だが」

o川*゚ー゚)o「御意って言ってるよ」

( ´_ゝ`)「ちょっと俺が御意じゃない……。仮とはなに……仮とは……」

7 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:39:11 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)o「ほら、私たちってめちゃくちゃ美形じゃん?」

(´<_` )「周りに神格化されるレベルで美形だな、俺たちは」

( ´_ゝ`)「クラスのみんながキャーキャー言ってるのは知ってたけど、そんな宗教みたいなレベルなの?」

(´<_` )「こないだ俺の机の前に賽銭箱ができてた」

o川*゚ー゚)o「私の席に神社を創建する計画が進んでいるらしい」

( ´_ゝ`)「あのね、君たちね、嫌なことは嫌って言っていいんだよ」

8 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:39:42 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「俺、弟者と同じ顔なのに神扱いされたことないけどな……」

o川*゚ー゚)o「うーん、親しみやすい雰囲気があるからかな?」

(´<_` )「俺はなんか孤高の存在みたいに思われているからな」

( ´_ゝ`)「たしかに弟者のことクールでかっこいいって噂してる子見たことあるけど……」

o川*゚ー゚)o「で、美形すぎるあまりに私たちは逆にモテないんだよね」

( ´_ゝ`)「え、そうなの? 意外だな」

(´<_` )「恐れ多くて告白なんてできないし、もはや恋心を持つことすら不敬だとかって言われているらしい」

o川*゚ー゚)o「私たちへの煩悩を捨て去るためにみんな出家してるみたいで……」

(´<_` )「神道なのか仏教なのかよく分からないんだよな」

( ´_ゝ`)「最近校内で坊主頭の人よく見ると思ってたんだけど、あれ出家だったんだね……。
       単に坊主頭が流行してるんだと思ってた……」

9 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:40:12 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_` )「そんなわけで、俺たちは恋愛経験が皆無でな」

o川*゚ー゚)o「とはいえ恋愛に興味はあるし、かといってみんな私たちに恋愛感情は抱かないし……」

( ´_ゝ`)「それで同じく神格化されてる弟者に声をかけたってことか。仮っていうのはなんだったの?」

o川*゚ー゚)o「恋愛感情がどんなものかよく分かんないし、とりあえずお試しで恋愛っぽいことしてみたら分かるかもと」

( ´_ゝ`)「それで仮か……。弟者はそこまで理解しての『御意』だったの?」

(´<_` )「ああ」

( ´_ゝ`)「本当かなぁ。適当に返事しただけじゃないのかなぁ」

10 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:40:43 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)o「とりあえず仮の恋人ってことで、試しに恋人っぽいことやってみよう的な」

(´<_` )「今後、本気で恋愛するときに困らないための練習って感じだな」

o川*゚ー゚)σ「そうそう、そんな感じ!」

( ´_ゝ`)「うーん、練習ねえ……。まあ、二人がいいならいいんだけど……」

o川*゚ー゚)o「で、さっそく恋人っぽいことをやってみたいんだけど……何したらいいんだろ?」

( ´_ゝ`)「そうだなあ……手をつなぐとか?」

⊂(´<_` )「手をつなぐか。やってみるか」スッ

o川*゚ー゚)っ「うん、やってみよやってみよ」スッ

「……」o川*゚ー゚)っ⊂(´<_` )「……」

ミ∩(´<_`*; )「熱い!!!!!!!!」バッ

o川;*゚д゚)∩ミ「冷たい!!!!!!!!」バッ

( ´_ゝ`)「えっ、そんな相反する感想抱くことある?」

11 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:41:14 ID:9Z4bzz6Q0

∩(´<_`*; )「全身が熱い!!!!! 中でも手が一際熱い……え、死ぬ? これは死に至る体温かもしれない……」

o川;*゚-゚)∩「手が異常に発汗したせいで急激に体温が下がった……。寒……寒い……私、凍え死ぬの……?」

( ´_ゝ`)「手をつないで命の危険を感じることってあるんだね。ないよ? ないよそんなこと」

(´<_`∩*; )「顔も熱い!!!! 顔面で目玉焼きが作れてしまうかもしれない!!! 兄者、生卵持ってないか!?」

( ´_ゝ`)「高校生が学校に生卵を持ってきている可能性から考慮してみようか、まずは」

o川;*゚д゚)o「全身が熱いのに、手だけが冷たい……!!! 温度差で変になりそう!!!!」

( ´_ゝ`)「弟者、手をつないで温めてあげたら?」

(´<_` )「殺せと……?」

o川*゚-゚)o「死ねと……?」

( ´_ゝ`)「ゴメン君たち手をつなぐことに死の恐怖を覚えているんだった。俺が考慮できていなかった」

12 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:42:06 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`*; )「手をつなぐのは危ないな……」

o川;*゚-゚)o「危ないね……」

( ´_ゝ`)「危ないこと何にもないよ」

(´<_`*; )「だっ……小っ……華っ……かわっ……!!!
      (訳:だって、手が俺より小さくて、思ってたよりも華奢でかわいいなって……!!!)」

o川;*゚д゚)o「意っ……骨っ……ゴっ……かっ……!!!
     (訳:意外と骨ばってて、ゴツゴツした男の人の手でかっこいいなって……!!!)」

( ´_ゝ`)「神扱いされてるからって、言語を人外に寄せなくていいよ」

13 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:42:51 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「異性と手つないだだけでそんなになるんだったら、体育祭のフォークダンスとかどうしてたの?」

(´<_` )「人間相手に手をつなぐくらいなら緊張することないだろう?」

o川*゚ー゚)o「そうそう。人間に対しては慈愛を以って接しちゃうから、平常心だよね」

( ´_ゝ`)「あっ、この子たち思ってたより神としての自覚が芽生えてる……。大丈夫かな……まだ人に戻れるかな……」

(´<_` )「兄者、もっと安全で恋人っぽいことはないのか?」

( ´_ゝ`)「じゃあ、名前で呼び合うのはどう?」

o川*゚ー゚)o「名前! それなら安全そう!」

(´<_` )「命の危険はなさそうだな」

( ´_ゝ`)「基準が安全か危険かなんだもんな……」

14 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:43:30 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)o"「えーと、じゃあ……弟者くん?」

(´<_`*; )「オ!!!!!!! どわーーーーーー!!!!!!!!!!」

( ´_ゝ`)「うるさ〜」

o川;゚д゚)o「えっ!? これも危ない!?」

(´<_`*; )「首っ……目〜〜〜〜!!!!!!!!」

o川;゚д゚)o「首!? 目!? 見たところ外傷はないけど、なんか内側で炎症とか起きてる感じ!?」

( ´_ゝ`)「小首をかしげながら、上目遣いで名前を呼んでくれるキュートちゃんがかわいかったんだね。
      もうちょっと言語化できるようになろうか」

15 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:44:15 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`*; )(……なんかすげーかわいくない?)

(´<_`*; )(……え、かわいい。かわいいな。俺を見上げながら『弟者くん』て呼んでくれるの……すごくない?)

(´<_`*; )「兄者!!!! なんかすごい!!!!!!」

( ´_ゝ`)「ほんと、もうちょっと言語化できないかね君は」

(´<_`;)(……待てよ。俺はなんか謎に叫んで挙げ句の果てには心配させた……。ダ、ダサすぎないか!?)

(´<_`;)「兄者……俺はダメだ……。俺は……ダサい……」

( ´_ゝ`)「えっ……? いや、言語化できなくてもダサくないしダメでもないよ……?」

16 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:45:19 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚-゚)o「よし、じゃあ次は私の名前を呼んでみて!」

(´<_`;)「危ないかもしれないが大丈夫か? 少なくとも俺は危なかった……」

o川;*゚-゚)o「私は平気かもしれないし試してみて! やってみないと分かんないから!!」

(´<_`;)「……分かった。兄者、すぐに救急車を呼べるように準備しておいてくれ!」

( ´_ゝ`)「絶対いらんよ」

o川;*゚-゚)o「よし! それじゃ私を呼んでみて!」

(´<_`;)「分かった。……じゃあ、呼ぶぞ?」

(´<_` )「……キュート」

o川;*゚д゚)o「ヒーーーーーーーーー!!!!!!!?!?」

( ´_ゝ`)「初手絶叫」

o川;*゚д゚)o「呼びが捨てられているーーーーー!!!!!!!?!?
      雨の中、ダンボールの中で捨てられた呼びが震えているーーーーーー!!!!!!!」

( ´_ゝ`)「呼び捨ての表現が斬新だね」

(´<_`;)「兄者!!! 救急車!!!!」

( ´_ゝ`)「いらんよ」

17 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:45:58 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚д゚)o(私、呼び捨てされるのって初めてじゃない!?)

o川;*゚-゚)o(家族は『キューちゃん』って呼んでくれるし、
      兄者くんは『キュートちゃん』だし……)

o川;*゚ぺ)o(低い落ち着いた声で、私の目を見ながら『キュート』って……!! 呼びが捨てられて……!!)

o川;゚д゚)o(呼びが捨てられているって何!? 動揺のあまり変なこと言っちゃってない!!?)

o川;´〜`)o(変な子だって思われたかも……。もっと余裕のある大人な振る舞いを……)

( ´_ゝ`)「すごい百面相じゃん。どしたん?」

18 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:46:44 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ぺ)o「とりあえずこれは……危ないね! 呼び捨て危ない!」

(´<_`*; )「『弟者くん』呼びも危ないな」

o川;*゚-゚)o「最近はクラスの皆に『キュート様』って呼ばれがちだったから余計にね……」

(´<_`*; )「俺も『弟者神』って呼ばれてばっかりだったから……」

( ´_ゝ`)「俺の知らない間にめちゃめちゃ神格化が進んでいるんだな……。
       危ないなら別の呼び方で呼び合う?」

o川;*゚-゚)o「……いや、呼び捨てがいいかな……。危ないけど嫌な危なさじゃないっていうか……」

(´<_`*; )「分かる……。それに、慣れれば平気になるかもしれないしな」

o川*゚ー゚)o「よし、慣れるまで呼び合ってみようよ! 弟者くん!」

(´<_` )「そうだな、キュート!」

o川;*゚д゚)o「捨てーーーーーー!!!!!!!!」

(´<_`*; )「目!!!!!!!!!」

( ´_ゝ`)「公共の場では呼び合わない方がいいね、君ら」

19 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:47:52 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_` )「名前で呼び合い、手もつないだ……。これで恋人としては完璧か?」

o川*゚ー゚)o「私たち、もうマスターしちゃった?」

( ´_ゝ`)「そんなわけない」

(´<_`;)「ま、まだ上が……!?」

o川;゚д゚)o「一体、どれだけ底が知れないの……!!」

( ´_ゝ`)「君たち、かなり浅いところにいるからね?」

(´<_`;)「これ以上は本当に危険じゃないか!?」

o川;゚д゚)o「死、覚悟した方がいい?」

( ´_ゝ`)「しなくていいよ」

(´<_`;)「これ以上となると……一緒の墓に入るとか!?」

( ´_ゝ`)「それはもはや死の危険を通り越しているね。死んじゃってるもんね。
      そんなに飛躍しなくても、デートとかあるでしょ」

o川;゚д゚)o「デートって……あの!?」

(´<_`;)「あのデートか!?」

( ´_ゝ`)「どのデートかは知らないけど多分そのデートだよ」

(´<_`;)「日付のことか……」

( ´_ゝ`)「そのデートじゃな〜い」

20 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:48:20 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「恋人同士で一緒に出かける方のデートね」

o川*゚ー゚)o「恋人といえばデート、デートといえば恋人って言うもんね!」

( ´_ゝ`)「それは初めて聞いたけど」

(´<_` )「恋人の代名詞とも言うもんな」

( ´_ゝ`)「それも初めて聞いた」

(´<_` )「デートか……かの有名な……」

o川*゚ー゚)o「すっごく恋人っぽい!」

( ´_ゝ`)「さっそく、今度の休みにデートしたら?」

(´<_` )「そうだな、日曜日はどうだ?」

o川*゚ー゚)o「うん、いいよ!」

( ´_ゝ`)「決まりだね。頑張ってねー」

21 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:48:57 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_` )(デートか……)

o川*゚ー゚)o(デート……)

(´<_` )

o川*゚ー゚)o

(´<_`*; )(デート!!!??!?!?)

o川;*゚д゚)o(デート!!!!!!!!!)

(´<_`*; )(休日に一緒に出かける!!? 私服で!!!?? 手をつないだり!!!!!?!?)

o川;*゚д゚)o(隣を歩いて、名前を呼ばれたり!!!!?!??? どう考えても危ない!!!!!!)

(´<_`*; )(ぜ……絶対、ダサい奴だと思われたくない……)

o川;*゚ぺ)o(変な子だって思われないように……!)


o川;*゚ぺ)o((兄者(くん)に相談しよう……!!!))(´<_`*; )

( ´_ゝ`)「なぜだろう、過労の予感」

22 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:49:20 ID:9Z4bzz6Q0

〜デート前日の夜〜


(´<_`;)「何を着て行けばいいんだ……? 逆に何も着ない方がいい……?」

( ´_ゝ`)「ダメな方に迷走しているね。捕まるから服は着ようね」

(´<_`;)「待ち合わせって前日に着いていなくて大丈夫か!?」

( ´_ゝ`)「大丈夫だよ。安心して当日行きな」

(´<_`;)「でも、キュートがもう待ち合わせ場所に来ていたら……」

( ´_ゝ`)「それは俺が阻止したから大丈夫」

23 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:49:57 ID:9Z4bzz6Q0


(-<_- )

(´<_` )

(´<_` )(寝れん……)

(´<_` )(ね、寝れないが……? 普通の人間はデートの前日に快眠できるものなのか?
      すごいな人間。俺、神だからなぁ……)

(´<_` )

(´<_`;)(マジで寝れん……。クマ作ってデート行くなんてありえない……)

(´<_`;)(兄者〜助けてくれ兄者〜〜)

24 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:50:41 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)〜♪

扉|ヽ(´<_`;)「兄者、大変だ!! 寝付けな……なに歌ってるんだ!?」ドアバーン

( ´_ゝ`)「睡眠用BGM」

(´<_`;)「睡眠用BGM……?」

( ´_ゝ`)っロ「キュートちゃんからのリクエストで……」

(´<_`*; )「電話が繋がっているなら早く言え…………!!」

( ´_ゝ`)「弟者にしては声量を絞れているね。弟者も眠れないなら聴いてく?
       俺のことは睡眠用BGM動画だと思ってくれたらいいからさ」

(´<_`;)「兄者、疲れてないか……? いつから歌っているんだ……」

( ´_ゝ`)〜♪

(´<_`;)「兄者…………!!!」

25 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:51:14 ID:9Z4bzz6Q0

〜翌朝〜


(´<_` )

(´<_` )(兄者の睡眠用BGMを聴いてたら寝落ちてた)

(´<_` )

(´<_`*; )「デートッッッ!!!!!!!!!」

( ´_ゝ`)「起きがけからうるさ」

(´<_`*; )「助けてくれ兄者……俺、死ぬかも……」

( ´_ゝ`)「はいはい、死なないから早く準備して行きなさいね」

26 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:51:45 ID:9Z4bzz6Q0


(´<_`;)「兄者!! 髪、変じゃないよな!? 寝癖ついてないよな!?」

( ´_ゝ`)「ついてないよ。大丈夫だよ」

(´<_`;)「本当に大丈夫か!? 俺の存在、おかしくないか!?」

( ´_ゝ`)「そ、存在……? おかしくないよ、大丈夫だよ。遅れるから早く行かないと」

(´<_`;)「それもそうだな……。行くか……」

( ´_ゝ`)ノシ「いってらっしゃーい」

(´<_`;)「……え?」

( ´_ゝ`)「ん?」

(´<_`;)「兄者は来てくれないのか!?」

( ´_ゝ`)「え……だって、デートでしょ……」

27 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:52:14 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`;)「兄者が来てくれないと俺は……!! 俺は〜〜〜〜!!!」

( ´_ゝ`)「マズいなこれ、すっごい依存されてるぞ」

(´<_`;)「兄者がいなかったら誰が救急車を呼ぶんだ!!?」

( ´_ゝ`)「救急車を呼ぶことを前提にしないで」

(´<_`;)「兄者がいないのヤダ!!!!!! 一緒に来てくれ!!!!!!!」

( ´_ゝ`)「俺が保育園に預けられるのが嫌でぐずった時、母者と父者はこんな気持ちだったのかな……」

28 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:52:48 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「じゃあ待ち合わせ場所に着くまでね。キュートちゃんと合流したら俺は帰るから」

(´<_`;)「そんな……」

( ´_ゝ`)「世の恋人たちは、兄ないし友人をデートに同伴しないからね。ほら、もう行かないと本当に遅れるよ」

(´<_`;)「ぐ……し、仕方ない……」

( ´_ゝ`)「じゃあ行こうかー」

29 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:53:16 ID:9Z4bzz6Q0

〜待ち合わせ場所〜


( ´_ゝ`)「キュートちゃん、まだ来てないみたいだね」

(´<_`;;;)「そうだな」

( ´_ゝ`)「発汗すごっ」

(∩<_∩ )「汗だくのダサい奴だと思われる……終わった……俺の人生はここまでだ……さようなら……」

( ´_ゝ`)σ「唐突に病みスイッチ入るじゃん。あ、ほらキュートちゃん来……」

( ´_ゝ`)σ

( ´_ゝ`)σ(……あれ、キュートちゃんでかいな? でかいっていうか、背が高いっていうか……)

( ´_ゝ`)σ(あ、違う。これアレだ。あの子……)


( ´_ゝ`)σ(あの子、マジで竹馬で来ちゃった……!)

30 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:53:47 ID:9Z4bzz6Q0

Ф川;*゚д゚)Ф「ごめん! 待たせちゃったね!」

( ´_ゝ`)「高いところから声がする」

(´<_`*; )「私服かわいいな……」

( ´_ゝ`)「え、着眼点そこ? 竹馬ガンスルーなのマジ?」

Ф川;*゚д゚)Ф「かわっ!? ギャーーーーー!!!!! うわーーーーーー!!!!!!」

( ´_ゝ`)「高いところから叫び声が聞こえる」

31 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:54:29 ID:9Z4bzz6Q0

Ф川;゚д゚)Ф ))「あ……やば、バランスが……」グラッ

(;´_ゝ`)「危ない! そんな高い竹馬で来るから……」

Σ⊂(´<_`;)「キュート!!」ガシッ

Ф川;*゚д゚)Ф「あ、お、弟者くん……」

(´<_`;)「平気か!?」

Ф川;*゚-゚)Ф「う、うん……。ありがとう……」

Ф川;*゚-゚)Ф(さ、支えてもらっちゃった……!(竹馬を))

(´<_`*; )(と、咄嗟とはいえ、掴んでしまった……!(竹馬を))

( ´_ゝ`)「その照れ方、竹馬なことあんまりないのよ」

32 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:55:07 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「竹馬は危ないので没収です」

Ф川;゚-゚)Ф「えー……せっかく身長盛ったのに……」

( ´_ゝ`)Ф彡「よく見たらハイヒールで竹馬に乗ってる。完全に危ない。没収です」

o川;゚-゚)o「そんなー」

Ф( ´_ゝ`)Ф「でか……でかいな……この竹馬……。帰りがてらキュートちゃんの家に届けようかな。郵送するにはでかい」

o川;゚д゚)o「え、もしかして兄者くん帰るの?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「帰るよ。だってデートでしょ?」

o川;*゚д゚)o「兄者くん帰っちゃったら、弟者くんと二人っきりじゃん!!!?!?」

Ф( ´_ゝ`)ノシ「うん、デートだからね。じゃあねー」

o川;゚д゚)o「え、本当に!?」

(´<_`;)「無慈悲!!」

33 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:55:40 ID:9Z4bzz6Q0

壁|´_ゝ`)Ф「……」


o川;*゚-゚)o「え、えと、じゃあ、行く?」

(´<_`*; )「そ、そうだな、行くか」

o川;*゚-゚)o「行く……」

(´<_`*; )「行く……」

o川;*゚-゚)o((どこに……?))(´<_`*; )


壁|´_ゝ`)Ф

壁|´_ゝ`)Ф「あいつら……準備に舞い上がって、どこに行くのか全く決めていない……!!」

壁|´_ゝ`)Ф「もしかしてあの二人……俺がいないとダメなんじゃないか……?」

壁|´_ゝ`)Ф

壁|´_ゝ`)Ф「勘弁して……」

34 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:56:38 ID:9Z4bzz6Q0

Ф( ´_ゝ`)Ф「……やっぱり俺も同行しようかな」

o川*゚ヮ゚)o「勝った!!!!!!」

(´<_`*)「光明!!!!!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「大喜びじゃん」

o川*゚ー゚)o「デートって、どこに行ったらいいの?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「行きたいところに行けばいいと思うけど……。うーん、カフェとかどう? 食事もできるしさ」

(´<_`*)「カフェか! いいな」

o川*゚ヮ゚)o「じゃあカフェ行こう! 出発出発!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「あの……待って」

(´<_` )「どうした?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「いや……、え? 何も違和感とか感じない?」

o川*゚ー゚)o「違和感……?」


o川*゚ー゚)o Ф( ´_ゝ`)Ф (´<_` )


Ф( ´_ゝ`)Ф「この並び順で歩くのはおかしいでしょ……俺を挟むな……」

35 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:57:28 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ぺ)o「や、だって、弟者くんの隣は緊張しちゃうっていうか……」ゴニョゴニョ

Ф( ´_ゝ`)Ф「俺は緩衝材じゃないよ」

(´<_`*; )「一生に打てる心拍数は決まってるって説があるんだぞ!?
      こんなにかわいいキュートが隣にいたら俺は一生分の心拍をするぞ!! 今ここで!!! いいのか!?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「どんな脅し?」

o川;*゚д゚)o「かわーーーーーーーーーっっ!!!!?!?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「ついさっきあんなにしおらしかったのが嘘みたいにうるさいよ〜」

36 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:58:01 ID:9Z4bzz6Q0

Ф( ´_ゝ`)Ф「俺は少し後ろを歩くから、二人は並んで歩きな」

(´<_`;)「心拍の上限で死ねと!?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「そんなにすぐ上限こないから。ほら、手とかつないだら?」

o川;*゚д゚)o「手!!?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「仮とはいえ恋人なんだし」

(´<_`*; )「しかし、危険が……!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「君らだけなんだよね、手をつなぐのが危ないの」

37 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:58:47 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚-゚)o「た、たしかに、デートで手をつなぐのって恋人っぽい……」

(´<_`*; )「つ、つなぐか……?」

o川;*゚-゚)っ⊂(´<_`*; ) キュッ

⊂(´<_`*; )「熱ッッッつ!!!!!!!!!」

o川;*゚д゚)っ「冷っっった!!!!!!!!!」

⊂(´<_`*; )))「熱い熱い熱い熱い!!!!!」テクテク

(( o川;*゚д゚)っ「冷たい冷たい冷たい冷たい!!!!!」テクテク

Ф( ´_ゝ`)Ф「手をつないだまま歩いている……! 成長している!
        あとは大声で周囲に迷惑をかけない配慮ができたら完璧かな!」

38 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 22:59:24 ID:9Z4bzz6Q0

〜カフェ〜


(´<_`*; )「……」

o川;*゚-゚)o「……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「……」

(´<_`*; )「……誤算だったな」

o川;*゚-゚)o「誤算だったね……。まさか……」


o川;*゚-゚)o「まさか、竹馬がデカすぎて兄者くんが入店できないなんて……!!」

(´<_`*; )「店員さん、デカすぎる竹馬見てすごい困った顔してたな……」


Ф( ´_ゝ`)Ф

(´<_`;)「竹馬を持った兄者が窓越しにこちらを見ている……」

o川;゚-゚)o「どことなく憂いを帯びた表情をしている……」

39 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:00:03 ID:9Z4bzz6Q0

Ф( ´_ゝ`)Ф「うーん……二人とも大丈夫かな……。注文はちゃんとできたみたいだけど」

Ф( ´_ゝ`)Ф「……注文くらいはできるか。俺、二人のことガチの赤ちゃんだと思ってるかもしれない。よくないな」

Ф( ´_ゝ`)Ф「……あ、注文したやつ来たみたい。いいなー、俺も食べたかったな」


o川;*゚ー゚)o(よ、よーし! 大人っぽく、ナイフとフォークを華麗に使って食べちゃおう!)

o川;*゚ー゚)o"(ナイフが右手だよね? ……あれ、なんか難しいな……)

Ф( ´_ゝ`)Ф

Ф( ´_ゝ`)Ф「あの子……ナイフとフォークでパフェを食ってる……!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「あれ? ということはつまり……」

"(´<_`;)「なんか食べにくいな……?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「弟者がスプーンでパンケーキ食ってる〜〜!!」

40 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:00:54 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ー゚)o ???

??? (´<_`;)

Ф( ´_ゝ`)Ф「デートでテンパってるせいか全く気づいていないぞ……。これは俺がなんとかしなきゃ……」


(´<_`;)「……ん? なんか兄者がサイン出してる?」

o川;゚-゚)o「え、サイン?」

( ´_ゝ`)σ

∂( ´_ゝ`)

∂( ´_ゝ`)σ
 ミ   彡

(´<_`;)「なんだ……? 俺らを交互に指差して……」

o川;゚-゚)o「そのまま右手と左手をクロスさせている……?」

(´<_`;)(まさか……!)

o川;゚-゚)o(兄者くんが伝えたいのは……!)


o川;*゚-゚)o((食べさせ合えってこと……!!?))(´<_`*; )


∂( ´_ゝ`)σ「あ、たぶん伝わってないなこれ」

41 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:01:39 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚-゚)o(食べさせ合うって……アーンするってことだよね!?)

(´<_`*; )(死の気配……!! ……でも兄者の指示だし、間違いないはず……!!)

(´<_`*; )「ひ、ひとくち交換するか……?」

o川;*゚ー゚)o「う、うん! 交換しよっか!」

ー⊂(´<_`*; )「じゃあ、せーので交換するか」

o川;*゚ー゚)っー「うん! いくよ? せーの……!」


Ф( ´_ゝ`)Ф

Ф( ´_ゝ`)Ф「やっぱ伝わってない」

Ф( ´_ゝ`)Ф「アーンするのはいいんだけど、カトラリーが正しくないからな……。
        スプーンで抉り取ったパンケーキと、フォークに乗ったアイス……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「弟者のスプーンが右手で、キュートちゃんのフォークが左手なのに、
        せーので食べさせ合ったから、かち合って食べづらそう」

Ф( ´_ゝ`)Ф「ただでさえカトラリーが間違ってるせいで食べづらいだろうに……。更にハードモード……」

42 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:02:47 ID:9Z4bzz6Q0

< アリガトウゴザイマシター

(´<_`*; )「……」

o川;*゚-゚)o「……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「結局カトラリーが逆なの気づかないんかい」

(´<_`*; )「逆……?」

o川;゚-゚)o「えっ、もしかしてフォークが右手でナイフが左手なのが正しいの!?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「そうじゃないよ。そこに関しては合ってたよ。
        どうしてナイフとフォークでパフェを食べたことに違和感を覚えないんだ……」

o川;*゚-゚)o「あっ……! それでパフェが溶けるのが早かったんだ……!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「関係ないよ。たぶんキュートちゃんの体温で溶けてるよそれは」

(´<_`*; )「パンケーキも口の中ですぐに溶けると思った……!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「それはたぶん口どけのいいパンケーキだっただけじゃないかな」

43 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:03:26 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ー゚)o「こ、この後ってどこに行ったらいいの?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「うーん、そうだな……。映画館……はダメだな。大声出して周囲の迷惑になるか。
        とりあえず適当にぶらぶら歩いてみる?」

(´<_`;)「そうだな。適当に歩……」

(´<_`*; )「食べさせ合い!!!!!!!!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「すごい時間差で発作くるじゃん」

(´<_`*; )(冷静に考えたら、間接キッ……!?!?!?)

(´<_`*; )「間接……間接!!!!!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「なに? 関節でも痛い?」

44 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:04:19 ID:9Z4bzz6Q0

o川;゚-゚)づ「弟者くん、関節痛!? 大丈夫?」ソッ

(´<_`*; )「ヒッ!!!!!? ザーーーーーーー!!!!!!!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「叫び声のクセが強い」

o川;゚-゚)づ「ヒザ……膝!? 膝が痛いの!?」サスサス

(´<_`*; )「ニーーーーーーーー!!!!!!!???」

o川;゚-゚)づ「ニー!? やっぱり膝が痛いんだね!?」サスサス

Ф( ´_ゝ`)Ф「クセの強い叫び声が偶然にも膝を表している」

45 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:04:54 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚д゚)∩ミ「ごっ……ごめん!! 勝手に膝撫でちゃって……!!」バッ

(´<_`*; )「い、いや、大丈夫だ。心配してくれてありがとう」

o川;*゚-゚)o(膝……撫でちゃった……!! ガッシリしてて男の人の膝って感じだったな……)ドキドキ

(´<_`*; )(膝を撫でられてしまった……!! しゃがんでまで撫でてくれて……優しい!)ドキドキ

Ф( ´_ゝ`)Ф「その照れ方、膝なこともあんまりないのよ。竹馬に引き続いて」

46 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:05:33 ID:9Z4bzz6Q0

Ф( ´_ゝ`)Ф「とりあえず歩くか〜。俺は後方腕組み彼氏ヅラしてるから、二人は前歩いてね」

o川*゚ー゚)o「竹馬を持ってるから腕組めなくない?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「それはそう」

(´<_`;)「彼氏ヅラ……!? 待て、仮とはいえキュートの彼氏は俺だぞ!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「俺相手に牽制いらないよ。ごめんね、言葉をもっと選ぶべきだったね」

o川;*゚ー゚)o「か、彼氏……うへへ、彼氏……!! ぐっへへへ……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「弟者の彼氏ヅラが嬉しいのはわかるから、スケベオヤジみたいな笑い方はしないで」

47 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:06:14 ID:9Z4bzz6Q0

(( Ф( ´_ゝ`)Ф(適当に歩くとは言ったものの、目的地を決めないとな……)

(( Ф( ´_ゝ`)Ф(水族館とか動物園……はこの辺にないんだよなー。近場でいい場所は……)

(( Ф( ´_ゝ`)Ф(……いや、そもそも弟者とキュートのデートなんだから、
         俺が行き先を決めてばっかりじゃいけないよな)

(( Ф( ´_ゝ`)Ф(二人の成長のためにも、自分たちで行きたい場所を決めてもらおう!)

(( Ф( ´_ゝ`)Ф(よし……俺はひたすら見守るとするか)

48 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:06:53 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`*; ) )) テクテク

(( o川;*゚-゚)o テクテク

(( Ф( ´_ゝ`)Ф テクテク

(´<_`*; ) )) テクテク

(( o川;*゚-゚)o テクテク

(( Ф( ´_ゝ`)Ф テクテク…


Ф( ´_ゝ`)Ф「ダメだ……こいつら、一生歩いてる!!」

Ф( ´_ゝ`)Ф「まずい……既に数時間歩き続けている……。
        15分くらい歩いたあたりで嫌な予感はしていたけど、二人の自主性に任せてしまった……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「もう日が暮れ始めているし……ろくに会話もしていない……! 何だこのデート……」

49 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:08:00 ID:9Z4bzz6Q0

o川;゚-゚)o「……いたた」

(´<_`;)「……ん? どうした?」

o川;゚-゚)o「足が痛くて……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「そっか、キュートちゃんハイヒールだから……」

(´<_`;)「どっ……どうする!? 救急車か!?」

Ф( ´_ゝ`)Ф「なんでもかんでも救急車を呼ぼうとするな」

⊂(´<_`;)「とりあえず、座れる場所に行こう! 歩けるか!?」ギュッ

o川;*゚-゚)っ「へぁ、う、うん、歩ける……!」

⊂(´<_`;)「どこか公園とか……」キョロキョロ

o川;*゚-゚)っ「ほぁ……ナ……手……!!
      (訳:ほぁぁ〜〜〜!!!! ナチュラルに手を握られちゃった!!!!!!!!!!)」

Ф( ´_ゝ`)Ф「訳が騒がしい」

50 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:08:43 ID:9Z4bzz6Q0

Ф( ´_ゝ`)Ф(弟者……成長したな……。すぐに照れては病んでたお前が……)ホロリ

⊂(´<_`;)「ベンチとか……」キョロキョロ

Ф( ´_ゝ`)Ф(安心しろ、弟者……。座れるところが見つからなかったら、俺がベンチになってやるからな……)

⊂(´<_`;)「あっ、向こうに公園がある! ベンチに座って休もう!」

Ф( ´_ゝ`)Ф(ああ、よかった。俺がベンチになるまでもなかったか……)

Ф( ´_ゝ`)Ф

Ф( ´_ゝ`)Ф(俺がベンチになるって何)

Ф( ´_ゝ`)Ф(なんか……変な思考になってたな。子どもの成長を喜ぶ親の気持ちになっていた)

Ф( ´_ゝ`)Ф

Ф( ´_ゝ`)Ф(弟の成長を喜ぶ兄の気持ちであってくれよ……。父性を身につけるには早いぞ、俺……)

51 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:09:38 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`;)「平気か!? 靴擦れとかしていないか!?」

o川;*゚-゚)o「うん、平気。靴擦れはしてないよ。歩き疲れちゃっただけ」

(´<_`;)「す、すまない……。気づかずに歩いてて……」

o川;*゚-゚)o「ううん、私も何も言わずに歩いてたし……」

o川*゚ー゚)σ「……それにさ、見て」

(´<_` )「? ……あ」

Ф( ´_ゝ`)Ф

(´<_` )「……綺麗な夕焼けだ」

o川*゚ー゚)o「ここまで来たから一緒にこの景色を見られたって思ったらさ、
      むしろ足が痛くなってよかったかなー……なんて」

o川;*゚ー゚)o「へ、変なこと言ったね! ごめん……」

(´<_` )「……いや。俺も、一緒にこの景色を見られてよかった」

o川*゚ー゚)o「……そっか」

o川*^ー^)o「えへへ、そっか……!」

Ф( ´_ゝ`)Ф

Ф( ´_ゝ`)Ф「デカい竹馬を持つ俺込みの風景でいい雰囲気になるな」

52 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:10:21 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)o「そろそろ帰ろうか?」

(´<_` )「ああ、足はもう平気か?」

o川*゚ー゚)o「うん! 休んだからもうすっかり平気……」

o川*゚ー゚)o「……じゃなくて、ちょっとまだ痛いかな……」

(´<_`;)「え、だ、大丈夫か!?」

o川;*゚ー゚)o「……そのー、手を貸してくれたら歩けるくらいの痛みっていうか……」

(´<_` )「手を……」

(´<_`*; )

o川;*゚ー゚)o


⊂(´<_`*; )

o川;*゚ー゚)っ


Ф( ´_ゝ`)Ф

Ф( ´_ゝ`)Ф「俺込みの風景にならないようポジションに気をつけてたら、めっちゃいい雰囲気じゃん……」

Ф( ´_ゝ`)Ф「二人とも成長したな……。これ、もう俺いなくてもいいんじゃない?」

53 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:11:04 ID:9Z4bzz6Q0

〜帰宅後〜


(∩<_∩ )「もうダメだ〜〜〜〜俺全部ダサかった無理だ俺じゃダメなんだ〜〜〜〜〜〜」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「あ、あれー……おっかしいなー……?」

( ´_ゝ`)「なんか……振り出し……? すごくいい感じだったじゃん……あれぇ……?」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「……これ、キュートちゃんの方はどうなってるんだ?」

( ´_ゝ`)「弟者がこうなってるってことは、キュートちゃんもなんか拗れているかもな……。
      同レベルの恋愛赤ちゃんだもんなぁ……」

54 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:11:53 ID:9Z4bzz6Q0

〜翌日〜


(∩<_∩ )「俺は……、俺では……」

( ´_ゝ`)「昨日からずっとこの調子だな……」

(( o川*゚ー゚)o

( ´_ゝ`)ノ「あ、キュートちゃんおはよー」

o川*゚ー゚)o「あっ、兄者くん。おは……」

ヽ(´<_`;)「あ……キュ、キュート……」

o川;*゚д゚)o「あ……」

o川;゚-゚)o「お……」

o (゚д゚;川o三「ワーーーーーー!!!!!」ダッ

ヽ(´<_`;)「……え」

( ´_ゝ`)「あー……やっぱりなんか拗れてんな……」

:(´<_`iii):「……お、俺は……やっぱり俺は……俺じゃ……俺は所詮……」ワナワナ

( ´_ゝ`)「こっちも更に拗れた気配するな」

55 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:12:46 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)ノ「弟者ー落ち着きなー」

:(´<_`iii):「お、俺……おれ、俺俺俺俺俺俺俺……」

( ´_ゝ`)「オレオレ詐欺Lv.100みたいになってる。……うーん、これは一旦キュートちゃんが先かな」

(´<_`iii)「……?」

( ´_ゝ`)「俺が二人のカウンセリングをするとしよう。
      流れで始まったワンオペ育児だけど、最後まで面倒は見るよ」


.

56 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:13:41 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ぺ)o

( ´_ゝ`)「あ、キュートちゃん見つけ……」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「キュートちゃんの席になんか神社の骨組みみたいなのできてる」

o川*゚ー゚)o「ああ、兄者くん……。私の席、神社になるから……」

( ´_ゝ`)「思ってたより計画が進んでた。ほんと、嫌なことは嫌って言いなね……」

57 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:14:33 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「キュートちゃん、さっき下駄箱で会った時なんで逃げたの?」

o川;*゚-゚)o「う……それは……、その、弟者くんがいたから……」

( ´_ゝ`)「昨日あんなにいい雰囲気だったのに……。逃げることはなかったんじゃ……」

o川;゚-゚)o「……あの、ね。なんか、わかんなくなっちゃったっていうか……」

( ´_ゝ`)「わかんなくなった?」

o川;*゚-゚)o「うん……。弟者くんにすごく、その……なんていうか……ドキドキしちゃうんだけど」

( ´_ゝ`)「うん」

o川;゚-゚)o「相手が弟者くんだからドキドキしているのかどうかが……わからないっていうか……」

58 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:15:08 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)「俺には、弟者だからこそドキドキしているように見えるけど。
      ていうか、弟者にしかドキドキしていなくない? 昨日のデートのこととか思い出してみなよ」

o川;*゚-゚)o「昨日のデート……」

o川;*゚д゚)o「食べさせ合っ……!!!!!!? 手をつないでもらっっっ…………!!!!!!!!
      景色エモ!!!!!!!!!!」

( ´_ゝ`)「数多の発作が今更きちゃった」

59 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:15:53 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚-゚)o「……私、恋愛に全然慣れてないし、男の子にも慣れてないから……。
      それでドキドキしてるだけなんじゃないかなって……」

o川;*゚-゚)o「例えば、兄者くんと仮の恋人になっていたとしたら、兄者くんにドキドキしていたのかもしれない」

( ´_ゝ`)「……」

o川;*゚-゚)o「だとしたら……弟者くんじゃなくてもいいのなら、
      それって弟者くんにすごく失礼っていうか……不誠実じゃない?
      仮とはいえ恋人なのに、別に弟者くんじゃなくてもいいなんて……」

o川;*゚-゚)o「昨日、家に帰ってからずっとそんなこと考えてて……それで今日、弟者くんの顔まともに見れなくて……」

( ´_ゝ`)「……キュートちゃん」

o川;* - )o「そうだ、さっき私、弟者くんから逃げちゃったんだった……。嫌なことしちゃったな……」

( ´_ゝ`)「キュートちゃん!」

o川;゚д゚)o「えっ!? は、はい!」

( ´_ゝ`)っ「握手しよう、俺と」

o川;゚-゚)o「あ、握手……?」

60 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:16:29 ID:9Z4bzz6Q0

( ´_ゝ`)っ「うん、握手」

o川;゚-゚)o「なんで?」

( ´_ゝ`)っ「いいから。ほら」

o川;゚-゚)づ「……?」キュッ

( ´_ゝ`)っ「どう?」

o川;゚-゚)っ「どうって……何が?」

( ´_ゝ`)っ「ドキドキする?」

o川*゚ー゚)っ「……あ」

o川*゚ー゚)っ「しない……」

( ´_ゝ`)「うん。じゃあ、そういうことなんじゃないのかな」

61 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:17:08 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)o「……そっか」

( ´_ゝ`)「うん」

o川*゚ー゚)o「っ私! 弟者くんと話さなきゃ! さっきのこと謝りたいし、それに……」

( ´_ゝ`)「……あー、それはちょっと待ってもらってもいいかな?」

o川*゚ー゚)o「え?」

( ´_ゝ`)「先にキュートちゃんの方に来ちゃったからさ」

( ´_ゝ`)「弟者のカウンセリングがこれからなんだよね」

.

62 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:17:43 ID:9Z4bzz6Q0

:(´<_`iii):「オーレ……オレ……」

( ´_ゝ`)「マツケンサンバみたいになってる」

(´<_`iii)「あっ、兄者……」

( ´_ゝ`)「待たせたな弟者、カウンセリングの時間だ」

(´<_`;)「カウンセリング……?」

( ´_ゝ`)「弟者はさ、何に落ち込んでるの? 何が弟者の中で引っかかっている?」

63 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:18:32 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`;)「……俺は」

(´<_`;)「俺は、たぶんキュートが好きなんだ」

( ´_ゝ`)「うん」

(´<_`;)「だけど俺とキュートの関係は、仮の恋人だろう?」

(´<_`;)「仮の関係だから、いつかは解消される。いつかキュートに好きな人ができたら、この関係は終わってしまう……!」

( ´_ゝ`)「……うん」

(´<_`;)「俺たちはあくまで恋愛の練習のために、仮の恋人関係になっただけに過ぎない。
      もし、この関係が終わったら……いや、終わるんだ。いつかは絶対に」

(´<_`;)「……俺は、その日が来るのが怖い。俺よりもいい人なんて、絶対にいるから」

( ´_ゝ`)「つまり弟者は『仮』の関係であることが引っかかっているんだね?」

(´<_`;)「……ああ」

( ´_ゝ`)「うん、じゃあ簡単なことだ。キュートちゃんと本当の恋人になればいい」

64 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:19:29 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`;)「お前……簡単に言うけどな……! それが難しいから悩んでいるんだろ!」

( ´_ゝ`)「なんで難しいと思うの?」

(´<_`;)「そんなの、キュートは俺のことなんか何とも思っていないから……」

( ´_ゝ`)「それは、キュートちゃんにそう言われたの?」

(´<_`;)「……いや。でも、俺のことは恋愛の練習相手としか思っていないだろ……」

( ´_ゝ`)「それは弟者が、キュートちゃんの気持ちを勝手に決めてるだけでしょ?」

(´<_`;)「う……」

( ´_ゝ`)「じゃあ、確かめなきゃ始まらないでしょ。キュートちゃんの本当の気持ちをさ」

65 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:20:14 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`;)「でも……本当の恋人になりたい、なんて言って断られたら……!」

( ´_ゝ`)「……」

(´<_`;)「フラれて、仮の恋人ですらいられなくなったとしたら……!」

( <_ ;)「……そんな恐ろしいこと、他にない……」

( ´_ゝ`)「……うん」

(´<_`;)「なあ兄者。人間たちって、こんな怖い思いをして恋人になるのか!?」

( ´_ゝ`)「そうだよ」

(´<_`;)「……そう、か」

( ´_ゝ`)「うん」

(´<_` )「そう、だよな……」

66 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:20:49 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_` )「……怖いのは、みんな同じなのか」

( ´_ゝ`)「同じだよ」

(´<_` )「……決心がついたよ、兄者。俺、キュートにきちんと気持ちを伝えてくる」

( ´_ゝ`)「俺の付き添いはいらない?」

ヾ(´<_` )「ああ、いらない! 行ってくる!」

( ´_ゝ`)ノシ「うん、頑張ってきなー」

67 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:21:30 ID:9Z4bzz6Q0


(´<_`*; )「キュート!!」

o川;*゚-゚)o「あ……弟者くん!!」

(´<_`*; )「……えっと、あのさ!」

o川;*゚д゚)o「待って! 私から話させて!」

(´<_`;)「えっ、あ、ああ。わかった」

o川;゚-゚)o「まず、さっきはごめんね? 逃げちゃって……。
      弟者くんとのことを色々考えてたらなんか、頭いっぱいになってわかんなくなっちゃって……」

(´<_`;)「俺とのこと?」

o川;゚-゚)o「うん。私たちって、仮の恋人でしょ?」

(´<_`;)「……ああ」

o川*゚ー゚)o「前にも言ったと思うけど、弟者くんに声をかけたのは、私と同じでみんなに神格化されてるからなんだ」

o川*゚ー゚)o「同じ立場の弟者くんとなら、対等に恋愛の練習ができるのかなって……」

68 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:22:04 ID:9Z4bzz6Q0

o川*゚ー゚)o「でもね、思ったの。別に弟者くんじゃないといけない、なんてことはないのかもって」

(´<_`;)「……」

o川*゚ー゚)o「例えば兄者くんと仮の恋人になっていたとしても、同じようにドキドキしたのかもしれない」

(´<_`;)「……っ! キュート!!」

o川;゚-゚)o「えっ?」

(´<_`;)「遮ってごめん……。先にキュートの話を最後まで聞くべきなのはわかってる。
       ……でも、それでも、今、俺の話を聞いてくれないか?」

o川*゚ー゚)o「……うん、わかった。話して?」

69 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:22:46 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`*; )「……俺は」

(´<_`*; )「俺は! キュートと仮ではなく、本当の恋人になりたい!!」

o川;*゚д゚)o「どぇっ!!!!!?!?」

(´<_`*; )「わざわざしゃがんでまで膝を撫でてくれて、俺とのデートのためにオシャレして来てくれて……」

(´<_`;)「……せっかく可愛い靴で来てくれたのに、俺の気遣いは足りなかったけど、でも……」

o川;*゚-゚)o「……」

(´<_`*; )「それでも、俺の足りないところをフォローしてくれて、手をつなぎたいと甘えてくれて……」

o川;*゚-゚)o「……うん」

(´<_`*; )「……俺との仮の恋人が終わって、キュートが他の人と同じことをすると思ったら……それは嫌だと思った」

(´<_`*; )「だから、本当の恋人になりたいと、伝えたかった……。
       ……すまない、どうしてもフラれる前に言いたくて」

o川;゚-゚)o「……ん?」

(´<_`;)「キュートは、兄者と本当の恋人になりたいんだろう?」

o川;゚-゚)o「んんん!? 待って! 待って待って!!」

70 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:23:46 ID:9Z4bzz6Q0

o川;゚-゚)o「私の話す順番が間違ってたね。
      えっとね、私は兄者くんと本当の恋人になりたいわけじゃないよ」

(´<_`;)「……えっ?」

o川*゚ー゚)o「もしかしたら、兄者くんでもよかったのかもしれない。弟者くんに、仮の恋人になろうって言った時点では。
      兄者くんと仮の恋人になっていたら、私は兄者くんにドキドキしていたのかも」

(´<_`;)「……」


o川*゚д゚)o「……でも、それは仮定の話! 私が今! ドキドキするのは弟者くんだから! ……弟者くんだけ!!」

(´<_`*; )「へっ」

o川*゚д゚)o「私の手を引いて、ベンチを探してくれて、一緒に綺麗な夕焼けを見たのは、弟者くんだから!!」

o川;*゚ー゚)o「……だから、また手をつないで一緒に綺麗な景色とか、見たいなって……ちゃんと、本当の恋人になって……」

o川;*゚ー゚)o「そう言おうと思ってたんだけど……先、越されちゃったな……」

71 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:24:22 ID:9Z4bzz6Q0

(´<_`*; )「お」

(´<_`*; )「あ、あーーー待ってくれ、まだ頭が追いついてない……」

o川;*゚-゚)o「大丈夫、正直私も追いついてない……」

(´<_`*; )「……本当に、俺でいいのか?」

o川;*゚-゚)o「え?」

(´<_`*; )「……俺、すぐ落ち込むっていうか、病むし……」

o川*゚ー゚)o「じゃあ弟者くんが病んだときは、私が寄り添おうか」

(´<_`*; )「……すぐ叫ぶし、俺」

o川;*゚ー゚)o「叫ぶのは……私も身に覚えがあるなぁ」

72 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:25:19 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ぺ)o「……弟者くんだってさ、本当に私でいいの?」

(´<_`*; )「え? 俺はキュートがいいが……」

o川;*゚ぺ)o「急にそういうこと言う……!!
      ……私、すぐ見栄張って身の丈に合わないことするよ?
      身長盛りたくて慣れないハイヒールでデートに行っちゃうし……」

(´<_` )「それは、オシャレして来てくれたんだろう?」

o川;*゚ぺ)o「そうだけど……身長を盛りたいあまりに竹馬に乗ってきちゃうんだよ? 完全に変な子でしょ?」

(´<_`;)「まあ、ハイヒールに竹馬は危ないから、安全な方法で来てほしいが……。
      正直、竹馬に乗って来たことを気にするよりも、キュートがオシャレして来てくれたことが嬉しかったからな……」

o川;*゚д゚)o「ぐぅ〜〜〜〜〜〜心臓!!!!!! 心の臓が!!!!!!!!」

73 ◆e1jsmskFzQ:2024/04/29(月) 23:25:57 ID:9Z4bzz6Q0

o川;*゚ぺ)o「……この通り、私もすぐに叫んじゃうんだけど」

(´<_`*; )「うん、俺にも身に覚えがあるな。叫ぶのは」

o川;*゚ー゚)o「……ふ、ふふ。んふふふ……」

(´<_`*)「はは……似たもの同士だな、俺たち」

o川*^ー^)o「うん、本当に……! 似たもの同士だ! 私たち!」


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