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( ,,^Д^)プラスチックの心臓が痛いようです 最終話

162名無しさん:2023/09/02(土) 14:53:00 ID:TJZjk8AM0
乙です

163名無しさん:2023/09/02(土) 18:58:00 ID:7eWQyvSI0
乙でした

164名無しさん:2023/09/05(火) 16:38:54 ID:/mRCkvKk0
まじ乙
よければ過去作とか教えてくれるとありがたい

165名無しさん:2023/09/09(土) 22:33:51 ID:pNZVkHcc0
>>164
過去作等はないです。これが初作品でした。

166名無しさん:2023/09/10(日) 01:39:57 ID:7BetDDMg0
ほえ〜〜〜〜〜〜〜

167名無しさん:2023/09/10(日) 21:48:05 ID:Ye2HOskA0
おつ
初作品とは、とんでもないですね

168名無しさん:2024/03/07(木) 17:45:09 ID:7h3JAxQA0
https://imgur.com/a/JXr8ZEu
作中とポーズ違ってすみません!
支援!!

169名無しさん:2024/06/16(日) 01:24:27 ID:AzOqqJsU0
>>168
載せてくれてたの全然気付かんかったッ!!
ありがとうございます〜!!

170名無しさん:2024/06/16(日) 01:27:56 ID:AzOqqJsU0
番外編短編集をゆっくり気の向くままにやっていきます。

171名無しさん:2024/06/16(日) 01:30:34 ID:AzOqqJsU0

〜ファミレス編〜

o川*゚〜゚)oモグモグ「…うーん!」

o川*゚ー゚)o「凄く美味しいですねここのカレー!食べ放題とは思えないくらい!」

(ll ,,^Д^)ズーン「……おう、そうか…良かったな……」

o川*゚ワ゚)o「ドリンクバーだけじゃなくて、こんなに美味しいカレーもサラダもデザートも食べ放題なんて…!良いお店見つけましたね〜!」

o川*゚ー゚)o「…マスター、食べないんですか?サラダもあんまり取ってきてないし…せっかくの食べ放題なんですから、食べなきゃ勿体ないですよ!」

o川*゚〜゚)oモグモグ

o川*^ワ^)oオイシー!

(ll ,,^Д^)「……もうお前がほぼ全部…いや、何でもない…」

172名無しさん:2024/06/16(日) 01:31:51 ID:AzOqqJsU0

アノスミマセン、カレーガモウナインデスケド…オコメトパンモ…

エッモウ!?ス、スグニホジュウシマス!

チョット、サラダノトコモカラッポナンダケド!?ドウナッテンノ!?

サ、サッキダシタバッカナノニ…!?モ、モウシワケアリマセン…!

o川*゚ー゚)o「…ありゃ、今なくなったみたいですね。またお代わり行こうと思ったんですけど…まぁいいや!補充されてから行きましょう!」

(; ,,∩Д∩)「あ〜〜多分ここも出禁だ……食べ放題ある店選ぶんじゃなかった…」

173名無しさん:2024/06/16(日) 01:33:21 ID:AzOqqJsU0

o川*゚ー゚)o「…ところで、ランチ時なのにさっきからあんまり店員さんいないですねぇ。サラダとカレー、補充して欲しいんですけど…」

o川*゚ぺ)o「メインの料理も中々来ませんし。私のステーキまだですかね?」

(ll ,,^Д^)「あの1.5キロステーキとかいうやつな……まさかランチじゃなくてグランドメニュー選ぶと思わなかったけど……しかも期間限定の高いヤツ…」

o川*゚ー゚)o「えっ、だって何頼んでもいいよってマスターが」

(ll ,,∩Д-)「そうだった…俺が言っちゃったんだ…給料出たばっかで調子乗った……」

174名無しさん:2024/06/16(日) 01:35:22 ID:AzOqqJsU0

o川*゚ー゚)o「店員さん、皆忙しそうで料理運ぶのも難しそうですね。このお店、大丈夫なんでしょうか?」

(ll ,,^Д^)「……店の利益としては現在進行形で大丈夫ではないと思うけど…まぁ、店員さんの数に関しては大丈夫だと思う」

o川*゚ー゚)o「…?それはどういう…」

( ,,^Д^)「あっ、ほら来た。あれだよ」

『お料理が出来ましたおー!』

ブーン!!三[ ^ω^]っ皿

o川;゚―゚)o「きゃっ!?な、なんですかこの何処となくマスターのご友人さんに似た朗らかな顔のロボットは!?」

( ,,^Д^)「配膳ロボットの『BOON』だよ。最近色んなファミレスとかで使われてて、結構話題になってるヤツ」

175名無しさん:2024/06/16(日) 01:36:20 ID:AzOqqJsU0

[ ^ω^]「お料理をお取りくださいだお!」

o川;゚―゚)oっ皿「へぇ…あ、ど、どうも…中々やりますね」

( ,,^Д^)っ皿「ありがとう。…で、ただ運んでくれるだけじゃなくてさ、例えば、この耳みたいに出っ張ってるとこを撫でると…」

[* ^ω^]「おっ!撫でてくれるのかお?嬉しいおー!」

( ,,^Д^)「ほら、こんな感じでリアクションしてくれるんだよ」

o川;゚―゚)o「ふ、ふーん……ま、まぁまぁな性能はあるみたいですね?さ、流石に私ほどじゃないようですけど?」

176名無しさん:2024/06/16(日) 01:37:59 ID:AzOqqJsU0

o川;゚―゚)o「じゃ、じゃあお疲れ様でした!君、もう帰っていいですよ!」

( ,,^Д^)っ「まぁ待てよ。他にも、ボディの方を触るとだな」

o川;゚―゚)o「ちょ、ちょっとマスター!?」

[* ^ω^]「く、擽ったいお!照れるおー!」

( *,,^Д^)「ほら。色んな反応してくれるんだよ、凄いよなー」

o川;゚―゚)o「…そ、そうですか……」

o川;- -)o(……私には、全然触れてくれないのに……)

177名無しさん:2024/06/16(日) 01:39:05 ID:AzOqqJsU0

o川;゚―゚)o「も、もう満足しましたよね!ほら、料理来たし、食べましょ!わーい、大きいステーキ――」

( ,,^Д^)「……いやぁ、でも」


(* ,,^Д^)「こうやって改めて見ると、本当に可愛いよな」



o川* ― )o



( ,,^Д^)「表情がコロコロ変わって、ちゃんと料理持ってきてくれて、でもたまに運んでる水零したりして、ちょっとドジで」

(* ,,^Д^)「結構可愛いよなぁ。なんなら、一台くらい家にも欲しいくらい――」

178名無しさん:2024/06/16(日) 01:40:55 ID:AzOqqJsU0

o川# ― )oっバキィ!!←持ってた金属のナイフが砕ける音

o川# ― )oっバラバラ…←ナイフが握力で粉になっていく音

(; ,,^Д^)「えっ…?キ、キュート?どうし……?」

o川# ― )o「“可愛い”?」

(; ,,^Д^)「へ?」

o川# ― )o―[ ^ω^]ブスッ

o川# ― )o―[; ゚ω゚]「おをオヲooOっッ!?!?」

(; ,,^Д^)「お、おいキュート!?なにしてっ…!?」

179名無しさん:2024/06/16(日) 01:42:16 ID:AzOqqJsU0

o川* ― )o「ほら、見て下さいマスター」

[ ゚ω゚]「………オ」

[ ゚ω゚]「配膳、おどきくだ りょう 運び 撫で なで ナデ オ おお」

[ 。ω゚]「お おおオオををヲをおぉォをおぉ」

[ 。ω゚]ピーーーーーーーーーー

[  ω ]ガシャン

(; ,,^Д^)「えっ……?な、なにを…?」

o川* ― )o「あらあら、壊れちゃったみたいですねぇ。色んな反応してくれるっていうから、少し触ってみただけなのに」

o川* ― )o「普段は随分可愛らしいデフォルメの顔してたみたいですけど。あんなバグった表情見せて…とんだポンコツじゃないですか」

180名無しさん:2024/06/16(日) 01:44:07 ID:AzOqqJsU0

o川* ー )o「ところで、マスター。今一度、お聞きするんですけど」

o川* ー )o「この、ただ料理を運ぶことしかできず、ちょっと笑顔で反応できるくらいしか出来ないような、少し触れられただけで壊れちゃうオンボロと」

o川* ー )o「毎日、料理も洗濯も掃除も家事もして、どんなことにも対応できて、頑丈で何でもできる、女の子の姿をした万能レプリカント」


o川* ー )o「――どっちが、”可愛い”と、思います?」


(; ,,^Д^)「……え、えっと…」

o川*゚ー゚)o「はい???」

181名無しさん:2024/06/16(日) 01:45:58 ID:AzOqqJsU0

(; ,,^Д^)「………キュート、かな…」

o川*゚ー゚)o「私が、なんです?」

(; ,,^Д^)「いや、だから…その……」

(; ,,-Д-)「…あー。ごめん。確かにちょっと、デリカシーなかったな」

( ,,^Д^)「……俺にとっては、キュートが一番可愛いよ」

o川*゚ワ゚)oパァァ「……!」

182名無しさん:2024/06/16(日) 01:47:54 ID:AzOqqJsU0

o川*^―^)o「そ、そうですか…!えへへ…!」

o川*゚ー゚)o「もうマスターったら…!ちゃんと分かってくださってるならいいんですよ!…あ、おっと、そうでした」

o川*゚ー゚)o―[  ω ]ブスッ

o川*゚ー゚)o―「もういいですよ。去りなさい」

[ ゚ω゚]「…おおっ!?」

[ -ω-]サイキドウチュウ

[ ^ω^]「……おっ!お料理、お届けしましたお!それでは、失礼いたしますおー!」

[^ω^ ]三ブーン!

183名無しさん:2024/06/16(日) 01:50:03 ID:AzOqqJsU0

o川*゚ー゚)o「…さ!じゃあご飯食べましょマスター!わ〜分厚いお肉!いただきまーす!」

(; ,,^Д^)「お、おう、そうだな……」

o川*>〜<)oモグモグ「…ん〜!!美味しい!やっぱ良いお店〜!」

( ,,^Д^)(…)

( ,,^Д^)(………)

( ,,^Д^)(……………)


( ,,^Д^)(とりあえず、もうこの店舗来るのはやめるか……)


〜おしまい〜

184名無しさん:2024/06/16(日) 01:52:00 ID:AzOqqJsU0
(最近、現行が寂しい気がするなぁ…)と思って気の向くまま書きました。
とりあえず3日に1話ペースで短いの書けたら書きます。賑やかし程度には成れたらいいなのお気持ち。

185名無しさん:2024/06/16(日) 07:01:59 ID:QsLb99v60
乙乙
BOON可愛いなぁと思ったら怖…夏にはまだ早いぞってなった…
確かに毎日してる事をぽっと出のロボだけ褒められてたら嫌だよね
無理だけはするなよ。自分の作品なんだから好きにやりな。

186名無しさん:2024/06/16(日) 08:15:27 ID:NkR2hiqo0
>>185
気持ちはわかるが作品を貶されたわけじゃないし、そういう言い方をするともう片方が心苦しくなるよ。

ひとまず乙

187名無しさん:2024/06/16(日) 08:39:02 ID:QsLb99v60
>>186
ごめん、意味が分からない
板が静かなのを気遣って3日に1回のペースで投下してくれるつもりなら心配になるから無理しないでという意味で書いたんだけど…

188名無しさん:2024/06/16(日) 10:19:53 ID:MDG/hN1E0
おつです

189名無しさん:2024/06/16(日) 10:22:48 ID:hq/76ugs0
>>187
読み違えました

190名無しさん:2024/06/17(月) 21:39:01 ID:B2O1t44.0
連れがお店に迷惑かけているなら本人に教えるとか店員さんに謝るとかするところだぜタカラ
完全なギャグ時空なら笑えるけど

191名無しさん:2024/06/17(月) 23:34:36 ID:0kMCs4r.0
そういう気が利かないのがタカラくんのチャーミングなところ

192名無しさん:2024/06/18(火) 22:04:49 ID:XrNvezRA0

『スプラトゥーン』 2/99

o川*゚ー゚)o「………」

o川*゚ー゚)o「……う〜〜〜〜ん」

o川*゚ー゚)o「……」

o(゚―゚*川o「………」ゴロゴロ

o川*゚ー゚)o「……………」ウダウダ

o川*゚ー゚)o「…………………うん」


o川*゚ー゚)o「暇ですね!!!」

193名無しさん:2024/06/18(火) 22:07:25 ID:XrNvezRA0

o川*゚ー゚)o「掃除も洗濯も、夜ご飯の下準備まで終わっちゃいました…買い物も午前中にしちゃったし…う〜〜ん…」

o川*゚ー゚)o「今のこの状況なら出来る&隠れたマイブームだった、『こっそり作ったマスター名義の口座に預入限度額まで貯金するゲーム』も昨日終わっちゃいましたし…」※他人名義の口座を勝手に開設する行為は立派な犯罪です。絶対にやらないでください。

o川*゚ー゚)o「ふらっとネットで拾った情報を元に複数の証券口座で買い指値注文残したりしてたらすぐ目標額まで達成しちゃいましたし……もっとゆっくりやればよかった…」※相場操縦は立派な犯罪です。絶対にやらないでください。

o川*゚ぺ)o「あ〜〜この時間のテレビ、なんにも面白くないですねぇ。芸能人と政治家のスキャンダルなんて誰も興味ないんですよ。それなら昔の名作ドラマの一挙放送とかやって欲しいもんです」

o川*゚ー゚)o「はーあ。マスターのお仕事、今流行りの在宅になってくれないですかねぇ。そうすればもっと一緒にいられるのに……」

194名無しさん:2024/06/18(火) 22:09:57 ID:XrNvezRA0

o川*゚ー゚)o「………ん?」

TV『マンメンミ!!』

TV『シンシーズントウライ!!スプラトゥーン スリー!』

o川*゚ー゚)o「……ゲームかぁ。そういえば、初めてマスターと会った次の日くらいにまとめて処分した中にありましたね。いやぁ思い返すとひどいことをしました。回収するのには苦労しましたし…」

o川*゚ー゚)o「…あんまりマスターがやってるの見たことないですけど、記録通りなら確か、ここら辺に…」

o川*゚ー゚)oゴソゴソ

o川*゚ワ゚)oっ□「…あった!これがswitch!」

p川*゚ぺ)o―□バチバチ「あれ、電源つかないですね…さくっと高速充電して…」

o川*゚ワ゚)o「あ、点いた!よーし、暇つぶしがてら、ちょっとやってみますか!」

195名無しさん:2024/06/18(火) 22:11:33 ID:XrNvezRA0

o川*゚ー゚)o「じゃ、テレビに繋いで…Wi-Fi設定…」

o川*゚ー゚)o「どれどれ〜?色々ありますね…あ、さっきCMでやってたゲームはコレですかね?」

o川*゚ー゚)o「おー…中々ワクワクする世界観ですね」

o川*゚ー゚)o「えーと…なんでしたっけ?確か、敵を倒すことよりインクで塗るのがメインのゲームでしたよね?」

o川*゚ー゚)o「操作方法は…ふんふん、なるほど…同時並行でプレイ動画探して解析しつつ…」

o川*゚ー゚)o「よーし、とりあえずこの『ナワバリバトル』っていうのをやってみますか!良い暇つぶしになってくださいよ〜!」

196名無しさん:2024/06/18(火) 22:14:10 ID:XrNvezRA0


〜1時間後〜


o川*゚ワ゚)o「よ〜し!5連勝!わかばシューター楽しい!」

o川*゚ー゚)o「ただ塗ればいいと思ってましたけど、中々奥が深いゲームですね!」

o川*゚ー゚)o「リアルタイムでどこかの誰かと力を合わせて戦うっていうのがいいですね!戦いに慣れてなくても、ただインクを塗るだけで楽しいし!」

o川*゚ぺ)o「……ん?なんですかねコレ、『バンカラマッチ』…?ルールが違うんですかね…?」

o川*゚ー゚)o「よーし、慣れてきたし次はこっちやってみましょうかね!どうせなら、マスターの記録も塗り替えておきましょうか!」

o川*゚ー゚)o「もしかしたら、褒めてくれるかもしれないし…やってみましょ〜!」

197名無しさん:2024/06/18(火) 22:18:00 ID:XrNvezRA0


〜1時間後〜


o川;- -)o「……勝てない、5連敗……」

o川;゚ー゚)o「な、なんで…?ちゃんとルールも把握したし、10キル0デスでスコアはいいのに…」

o川;゚ぺ)o「お、おかしい!私の演算に狂いがあるなんてありえません!」

o川;゚―゚)o「まだまだやります!とにかく、最高ランクのS+になるまでは…!この第三世代”アイ”である私が、これしきのゲームで勝てないなんて認めませんよ!」


〜2時間後〜


o川;゚―゚)o「……あ、また味方がやられた…!って、このタイミングで私にスパジャンするんですか!?何故!?」

o川#゚―゚)o「ちょ、ちょっと!なんでレーザーに捕捉されてるのに私の方に来るんです!?あー!やられた!」

o川#゚皿゚)o「早くエリア塗って下さいよ!私がせっかくWIPEOUTしたのに…あっ、カウント逆転された!もー!!」

o川#゚―゚)o「ア、アサリ!下さいよカモン押してるのに!!あっ負ける!間に合わない!!ダメですダメです…あぁーっ!!」

198名無しさん:2024/06/18(火) 22:19:38 ID:XrNvezRA0


o川* ― )oブツブツ


o川* ― )o「……何がダメ…?そうか、味方と敵全員の予測演算も同時に組み込んで…いや、それは流石に不確定要素が多すぎる……」

o川* ― )o「コントローラーの最適な操作には既に適応済み…なら武器の変更ですね。わかばじゃもうダメ…」

o川* ― )o「長射程での連続キルムーブ。それを可能にすれば懸念だった味方のプレイヤースキルを加味する必要はなくなる……」

o川* ― )o「塗るよりさっさと敵をキルし続けた方が絶対良いですね。優先事項の変更、塗りの工程を劣後…」

o川* ― )o「ステージの把握…ルール関与……なるほど、リスキル…いや復活のアーマーが…」

o川* ― )o「…」ブツブツカチャカチャ

o川* ― )o「………」カチャカチャ

o川* ― )o「……………」ピタッ



o川* ― )o「…………『リッター4K』……?」ペナアップ…?

199名無しさん:2024/06/18(火) 22:24:01 ID:XrNvezRA0


〜5時間後〜


( ,,^Д^)テクテク「ふぅ…今日も疲れたな…」

( ,,-Д-)「やっぱ電車通勤しんどいなぁ。そろそろ引越しとか考えるか…?」


( ,,^Д^)っガチャ「ただいまキュート。ごめんな、また遅くなって…」

<パキュン!!パキュン!!ピー!!

(; ,,^Д^)「……って、うん?ゲームの音?キュート、何を…?」


o川*>ワ<)o「よーーし!!連続ノックアウトー!!やっぱりリッターで全員抜くのが最適解!ペナアップ最強ですね〜!」

o川#゚―゚)o「ってうわ!なんでまたこんなちょっぴりしかパワー貰えないんですか!?流石に納得がいかなーー……」

(; ,,^Д^)「………」

o川;゚―゚)o「………あっ」

200名無しさん:2024/06/18(火) 22:25:48 ID:XrNvezRA0

(; ,,^Д^)「キュ、キュート…?」

o川;゚―゚)o「マ、マスター!?お、おかえりなさい……」

(; ,,^Д^)「お、おう、ただいま…。珍しいな、ゲームしてたのか?」

o川;゚―゚)o「は、はい。たまにはその、やったことないことをしようと思って…」

o川;゚―゚)o「……あーー!!!」

(; ,,^Д^)「うおっ!?」

o川;゚―゚)o「ご、ごご、ごめんなさい!私、お米炊くの忘れて…!」

o(゚―゚;川o「って、もうこんな時間!?す、すいませんマスター、今日は先にお風呂…って、お湯貯めなきゃいけないんでした!わ、わ、私としたことが〜!!」

(; ,,^Д^)「い、いや別に、そんなに焦らなくてもだいじょ…」

o川;゚―゚)o「すすす、すぐに、すぐに諸々用意します!!少々!少々お待ちをーー!!!」

o(゚―゚;川o三ビューン!!

201名無しさん:2024/06/18(火) 22:28:33 ID:XrNvezRA0


<ウワーヤッチャッタ!!ヤッチャイマシタ!!ワタシトシタコトガー!!アァー!!


( ,,^Д^)「…なんか、久々に見た気がするな。あんなキュート」

( ,,^Д^)「懐かしいな。確か、前にキュートがあんなやらかししたのは……」


(; ,,^Д^)「……あれっ、いつだっけ……?」


( ,,^Д^)「…まぁいっか。しかし、それだけ熱中するって一体何のゲームを……」

( ,,^Д^)「あぁ、スプラ3か。俺も初代の頃は時間忘れてやったなぁ。3になってからは殆どやれてないけど」

( ,,^Д^)「あ、キュートのやつ、リッターなんて玄人武器使ってたのか。まぁ今作は当てやすくなったらしいし、ゲーム初心者でも使えなくは……って」

『 XP3024.1 ランキング:13位 ルール:ガチヤグラ 使用武器:リッター4K』

(; ,,^Д^)「……」

(; ,,^Д^)「……いや、なんだこの凄すぎる成績……」


〜おしまい〜

202名無しさん:2024/06/18(火) 22:29:55 ID:XrNvezRA0
「キュートちゃんは人間じゃないので別にどんな犯罪しても罪に問われないしええやろ〜!」という感覚で、深いことは何も考えず適当に書いています。
スプラと犯罪は人生を容易く壊します。絶対に手を出さないでください。

203名無しさん:2024/06/18(火) 22:32:58 ID:e9jSYeGk0
乙です

204名無しさん:2024/06/18(火) 22:42:47 ID:XrNvezRA0
仕事やりつつながら即興で書いて投下してるので、キャラ崩壊とか設定矛盾とかあったら申し訳ないです。
ただ、ギャグ時空じゃないです。でも大丈夫ですとだけ。

205名無しさん:2024/06/18(火) 23:21:32 ID:X1DzCDJQ0
乙乙
逆に13位以上が何者なのか気になるよ

206名無しさん:2024/06/20(木) 00:06:36 ID:FXG2XzR60

あと1日やったら間違いなく1位とれてる、タカラは今すぐキュートちゃんを配信者にするべき

207名無しさん:2024/06/21(金) 12:09:18 ID:iduRT1CY0
ヴィオラや白天の続きは来るのか?
ここで聞くのもなんだが

208名無しさん:2024/06/22(土) 21:26:31 ID:Pn9tDhLA0
本当になんだな

209名無しさん:2024/06/24(月) 23:52:39 ID:KQvFIB2o0
白天は続き投下するの普通にすっかり忘れてました。書き終わってはいるので近日中に終わらせますね。
ヴィオラの番外編は遅刻の禊としてゆっくり手を付けているのですが、今ちょっと30連勤チャレンジとかいう理不尽イベントの真っ只中で全然書けてないので早くとも7月後半の投下になるかもです。申し訳ない…。

210名無しさん:2024/06/24(月) 23:58:03 ID:KQvFIB2o0

『コーヒー』 3/99


( ,,^Д^)テクテク

( ,,^Д^)「駅ナカ、こっちの方は初めて来たけど結構色んな店あるんだな…知らなかった」

( ,,^Д^)「今日は早く上がれたし、キュートになにかスイーツでも買って帰ろうかな」

( ,,-Д-)クンクン「………うん?なんか、良い匂いがする」

( ,,^Д^)「…って、あれは……」


[ ^ω^]「試飲やってますお!いかがですかお〜!」


( ,,^Д^)「…あれ、『BOON』じゃないか?レストランの配膳だけじゃなくて、あんな呼びかけまでやってるのか…可愛い見た目して、結構万能ロボットなんだな」

(; ,,^Д^)ハッ

(^Д^ ,, ;)キョロ  (; ,,^Д^)キョロ

(; ,,つД^)「ふぅ…キュートは居ないな。よかった…いや、居る訳ないんだけど…」

( ,,^Д^)「……ん?居る訳ない……? いや、そうか、そうだな。この時間なら家で夕飯作ってくれてる筈だもんな」

(; ,,-Д-)「とにかく、迂闊なことは言わないように気を引き締めないと。…いや、そもそも他の機械褒めただけで、なんでいつもあんなに怒るのか分からないけど……」

211名無しさん:2024/06/25(火) 00:05:02 ID:vLrz6l1Y0

三[ ^ω^]ブーン「おっ!そこのおにーさん!お疲れのようですおね!」

(; ,,^Д^)ビクッ「うおう凄いスピードで来た!音が静かなのがより怖い!電気自動車!?」

[ ^ω^]「おっ!ぼくはEV(電気自動車)のために生み出された技術を応用して作られたんだお!だから早く静かに動けるんだお!詳しくはwebで、だお〜!」

(; ,,^Д^)「無駄技術すぎる…」

[ ^ω^]「ところでおにーさん、コーヒーいかがですかお?今、試飲やってるんだお!良ければ飲んでくれると嬉しいお〜!」

( ,,^Д^)「コーヒー?そっか、良い匂いすると思ったらそれか…ありがとう、じゃあ一つ貰うよ」

[* ^ω^]「ありがとうだお!お一つ、取ってくださいお!」

( ,,^Д^)っUゴクゴク

(* ,,^Д^)「わっ、美味しい…!酸味も強くないし、風味が深くて、でも飲みやすい…!」

[ ^ω^]「『マンデリン』っていうコーヒーだお!ドリップバッグだから、お家にコーヒーマシンがない方でもお湯を注ぐだけでお手軽に飲めるんだお!」

(* ,,^Д^)「手軽なのにこんなに美味しいのか…ちょっと、今まで偏見あったかもしれないな…!」

212名無しさん:2024/06/25(火) 00:07:59 ID:vLrz6l1Y0

[ ^ω^]「どんなスイーツと組み合わせても美味しいタイプのコーヒーだけど、特にチョコとのペアリングが人気だお!よければ、こちらのトリュフチョコもどうぞだお!」

(* ,,^Д^)っ「あ、ありがとう。…あ、美味しい!コーヒーの深いコクと苦みが、チョコの滑らかさと甘さに上手く合う!」

( ,,^Д^)「これなら、コーヒーが苦手な人でもチョコと一緒に楽しめるかも…仮にダメでも、俺が飲めば無駄にはならないだろうし…」

( ,,^Д^)「…よし、両方下さい。あ、チョコは2…いや、3袋で」

[* ^ω^]「わーい!お買い上げ、ありがとうございますお!」

( ,,^Д^)「支払いは…そうだ、交通系ICカードって使える?」

[ ^ω^]「おっ!それならぼくの額にピッとして下さいだお!カードでもQRコード支払いでも、なんでも対応可能だお!」

(; ,,^Д^)っ□ピッ「マジでめちゃくちゃ万能じゃん…いつの間に世の中ここまで進歩してたんだ……」

[* ^ω^]「来月には自律走行ロボット市場におけるぼくの市場シェアが60%を超える見込みだお!もっと皆の役に立てるよう、頑張るお〜!」

( ,,^Д^)「うっ、笑顔が眩しい…うちの会社にも欲しい…」

213名無しさん:2024/06/25(火) 00:11:55 ID:vLrz6l1Y0

〜約30分後〜


( ,,^Д^)っガチャ「ふぅ…ただいまー」

o川*゚ワ゚)o「あ!おかえりなさい、マスター!」

o川*゚ー゚)o「今日のご飯はトマト煮のロールキャベツで…って、あれ?お荷物ですか?お持ちします!」

( ,,^Д^)っ□「あぁ、キュートにお土産。駅ナカで良さげなお店見つけてさ」

o川*゚ワ゚)oっ□「やった!ありがとうございます!中身は…」

o川*゚ー゚)o「わぁ!トリュフチョコいっぱい!美味しそうですね〜…って、あれ?コーヒー?」

( ,,^Д^)「そう。ごめんな、キュートがあんまりコーヒー好きじゃないのは知ってるんだけどさ」

( ,,^Д^)「その品種なら酸味があんまり強くなくて飲みやすいし…チョコも、コーヒーに合う味なんだ。それならキュートもコーヒーを楽しめるかなと思ってさ」

o川*゚ー゚)o「ほほうそれは楽しみですね…!ありがとうございます!」

214名無しさん:2024/06/25(火) 00:14:06 ID:vLrz6l1Y0

( ,,^Д^)「……それと、明日って確か、何も用事ないよな」

o川*゚ー゚)o「…?はい、そのように記録してますけど…」

( ,,^Д^)「じゃあさ、明日は休みだし、家でゆっくりしながら映画でも観ないか?ほら、最近契約したサブスクのやつ、全然使えてないしさ」

( ,,^Д^)「……最近、一緒にゆっくりすることも少なかった気がするし。ごめんな、いつも家で寂しい思いさせて」

o川*゚ー゚)o「………」

( ,,^Д^)「……キュート?」

o川*゚ー゚)o「…!い、いえ、なんでもありません」

o川*゚ー゚)o「明日、ですね、はい。楽しみにしてます…じゃ、じゃあ、先にリビング戻りますね」

( ,,^Д^)「あ、ああ。手洗って着替えたらすぐに行くから、ちょっと待っててくれ」

o( ― *川oソソクサ「は、はい、では……」

215名無しさん:2024/06/25(火) 00:18:56 ID:vLrz6l1Y0

ガチャ バタン


o川* ― )o「…」

o川* ― )o「……」

o川* ― )o「……………」

o川* ― )o「……映画」

o川* ― )o「ミステリー…コメディ…ホラーもありですかね……?」

o川* ― )o「いや、やっぱり恋愛モノがいいかもですね。滅多にないチャンスですし、少しは意識してもらえる切っ掛けになるかも……」

o川* ― )o「…苦いもの、あんまり得意じゃなかったんですけどねぇ」


o川*゚ー゚)o「…」

o川*゚ー゚)o「……」

o川* ― )o「……ふふ、我ながら単純かもですね」



o川*^―^)o「コーヒー、もう好きになっちゃいました♪」



〜おしまい〜

216名無しさん:2024/06/25(火) 01:29:48 ID:SHZPoQ9c0
オツ

217名無しさん:2024/06/25(火) 18:24:17 ID:Qn34HBas0
乙乙
俊敏に動いてコーヒー零さないのも凄いけど、性別判断してるから裏で客層のデータ収集もしてそうな勢いある…恐ろしい子!
回転寿司の新幹線レーン用BOONなんかもいるのかなってワクワクした
マンデリン、名前から酸味強いタイプだと勘違いしてた。苦いんだ。

218名無しさん:2024/07/10(水) 23:53:37 ID:ekDN.txo0

『試験』 4/99

o川*゚ー゚)o「…よーし!朝のお洗濯、おしまい!」

o川*゚ー゚)o「平日ですけれど、マスターは振替なんちゃらで今日は確かお暇なはず!」

o川*゚ー゚)o「お天気もいいし、せっかくですから久しぶりに二人でお散歩とか行きたい…誘いたい…!」

o川*゚ー゚)o「思い立ったが吉日!その翌日以降は全て厄日!よーし…!」

三o川*゚ー゚)oダッシュ

o川*^ー^)oガチャ「マスター!もしよければお昼から…!」



( ,,^Д^)っ|カリカリ「…………」

o川;゚―゚)o「………」

219名無しさん:2024/07/10(水) 23:56:43 ID:ekDN.txo0

o川;^ー^)o「……マスター?お、お勉強ですかー?」

( ,,^Д^)っ|カリカリ「………」

o川;゚―゚)o「…マスター!あの、もしもーし?」

( ,,^Д^)っ|カリカリ「…………」

o川*゚ー゚)o「…」

( ,,^Д^)っ|カリカリ「…………」

o川*゚ー゚)o「……」

( ,,^Д^)っ|カリカリ「…………」

o川*゚ー゚)o「………」



o川#゚―゚)oカチントキタゼ

o川# ― )oっパチン

220名無しさん:2024/07/10(水) 23:58:42 ID:ekDN.txo0

(; ,,^Д^)ボワッ「うおっ!?な、なんだ!?急に参考書が燃えた!?」

o川*゚ー゚)o「わー危ないですマスター(棒)お任せくださいー(棒)」

o川*゚ー゚)oつ本パァン!!

o川*^―^)o「ふー、消火完了です!危なかったですねー!」

(; ,,^Д^)「キュ、キュート…ありがとう、助かった……」

(; ,,^Д^)「……って、ちょっと待て、まさか今のって…」

o川*^―^)o「えっ何ですか?まさか私が体内で超小型の火薬を生成し、空気中の摩擦で燃えないよう弾に特殊なコーテイングを施した後に指先から本に発射したことで今の発火現象を起こしたとおっしゃりたいんですか?そんなまさかぁ!ねぇ!」

o川*^―^)oニコヤカスマイル

(; ,,^Д^)「……い、いや、別に、なんにも…ありがとな……」

(; ,,^Д^)(………なんか、最近どんどん強引になってるような気がする…)

221名無しさん:2024/07/11(木) 00:00:42 ID:xoN8l4P60

o川*゚ー゚)o「ところで、何のお勉強ですか?ま、まさかついに今のお仕事をお辞めになるため、転職のご準備を…!?」

( ,,^Д^)「へ?あぁいや、これは――」

o川;゚―゚)o「そ、そうしましょう今すぐいたしましょう!いくらお給金が多いとはいえ、流石に残業や休日出勤が多いと思っていたんです!お金のことなら私も微力ながらお手伝いできますし、もっとマスターご自身に合った、ワークライフバランス重視のお仕事を…!」

(; ,,^Д^)「ち、違うちがう!これは今の仕事のための勉強だよ!」

o川*゚―゚)o「…へ?」

( ,,^Д^)「三年目になるまでに受からないといけない会社の試験があってさ…それの勉強。まぁ、学生時代の知識の復習みたいなもんだから難しくはないけどな」

( ,,^Д^)「法学部で良かったと今になって思うよ。それに、勉強し直してみるとちょっと懐かしい言葉とかもあって、案外楽しかったりするんだよな」

o川;*^―^)o「……へぇ、そ、そうですか。さすがマスター!素晴らしい研鑽です!」



o川;゚―゚)o(ほ、本に負けたってことですか!?私の呼び声が!?この最新の第三世代”アイ”である私が!?その試験とやらのための勉強のせいで!?ムキーっ!!)

o川#゚―゚)o(だいたい何ですか!?なんで社会人になった後でも勉強させるんですか!?大切なマスターの時間を浸食するなんて…!!許すまじ会社!どうせ何かしら黒〜い運営やってて、グレーな部分が沢山あるんでしょう!クラッキングして情報調べて株価下げてやる!!)



(; ,,^Д^)(あ、これ多分、なんかまだ怒ってるな……)

222名無しさん:2024/07/11(木) 00:02:24 ID:xoN8l4P60

(; ,,^Д^)「そ、そうだキュート。今日、暇ならどこか出かけないか?ほら、近所のショッピングモール、色々リニューアルされたらしいし…」

o川;*゚ー゚)o「…!い、行きます!行きましょう!そうだ、でしたらお昼ご飯も外で済ませましょうか!」

o川*^ワ^)o(やったやった!計画通りです!二人でお出かけだ!わ〜い!)

(; ,,^Д^)ホッ(あ、良かった。機嫌治ったっぽい)

o川*゚ー゚)o「ところで、大学を卒業した後も人間は勉強しなきゃいけないんですねぇ。大変なのは就活だけじゃないんですね」

( ,,^Д^)「まぁ、どんな仕事でも勉強しなきゃいけないのは同じだよ。それがこういう、紙の上のやつか、人と関わるやつか、体を動かすやつか、種類が違うだけで」

( ,,^Д^)「…そういえば、ブーンもそろそろ試験を受けるって聞いたな」

o川*゚ー゚)o「マスターのご友人さんですね。確か、今はどこかの官公庁で働いているのでしたっけ?」

( ,,^Д^)「そう。でも受けるのは職場の試験じゃなくて、司法試験らしい」

o川*゚ー゚)o「ほう。あれって難しいとかなんとか聞きますけど、公務員の人ってそんなのも受けないといけないんです?」

(; ,,^Д^)「いや、そんな鬼みたいな条件つける所はないと思う…。あいつはただ受けたいから受けるんだよ。元々、法曹に興味あるって言ってたし」

( ,,^Д^)「凄いよなぁ。日本一難しい試験とも言われてるし…俺には到底無理だ。友人として誇りに思うよ」

o川*゚ー゚)o「受かってほしいですねぇ」

( ,,^Д^)「だな」

223名無しさん:2024/07/11(木) 00:04:48 ID:xoN8l4P60

o川*゚ー゚)o「……ところで、マスター」

( ,,^Д^)「ん?」

o川*゚ー゚)o「受かると凄いんですよね?司法試験って。」

( ,,^Д^)「まあ俺は凄いと思うけど…。少なくとも法学部の人間なら、一度は考える試験だしな」

o川*゚ー゚)o「…それじゃあ、ですね」

o川*゚ワ゚)o「……もし、私が受かったら、褒めて――」

(; ,,^Д^)「ダメに決まってんだろ」

o川;゚―゚)o「えぇ!?な、なんでですか!?戸籍とかが必要ならちょろまかして…!」

(; ,,^Д^)「ダメだダメ!!お前が受けるのは…なんか、ズルだし、ダメ!」

o川;゚―゚)o「なにがズルなんですか!!いいじゃないですかちょっと受けるくらい!!ケチ!!」

(# ,,^Д^)「んなことしなくたって褒めるっての!!いいからダメだ!!ズルだズル!ダメ!!」

o川#゚Д゚)o「なんですかーー!!!ケチーーー!!!!!」

224名無しさん:2024/07/11(木) 00:07:17 ID:xoN8l4P60


〜都内 とあるホテル〜


( ^ω^)「………いよいよ、明日からだお」

( ^ω^)「念のため、試験会場近くのホテル、半年前から予約してて良かったお。ここなら試験開始時間ギリギリまで勉強と休憩に集中できるお」

(; ^ω^)オロオロ「…うーん、大学卒業してからもずっと勉強してきたし、社会人やりながら予備試験も受かったけど、それでもやっぱり不安だお…」

(; -ω^)「うっ胃が…!も、もう今日は早めに寝た方がいいかもしれんお…」

□<ブーン!ブーン!

(; ^ω^)っ□「……うん?メッセージ?こんな夜中に…」

( ^ω^)っ□「………あ」


   ξ゚⊿゚)ξ『頑張って』


( ^ω^)っ□「…………」

(* ^ω^)「……ふふ」

(* ^ω^)っ□スマホポチポチ

225名無しさん:2024/07/11(木) 00:09:42 ID:xoN8l4P60


〜ツンの家〜


ξ;゚⊿゚)ξソワソワ「……」

□<ブーン!ブーン!

ξ゚⊿゚)ξ「…あ……!」

ξ゚⊿゚)ξっ□「………」


   ( ^ω^)『頑張るお!』


ξ*゚⊿゚)ξっ□「……」

ξ*゚―゚)ξ「……ふふ」

ξ*^―^)ξ「………終わったらまた、バイオリン、聴かせてあげないとね」



〜おしまい〜

226名無しさん:2024/07/11(木) 00:12:16 ID:xoN8l4P60
今年も5日間、試験を受ける人たちに向けて。
最後まで諦めず、頑張ってくれ〜〜〜!!!!!

227名無しさん:2024/07/11(木) 05:21:26 ID:ZXt7Acrc0


各回冒頭のナンバーってもしや……その量を……!!?

228名無しさん:2024/07/13(土) 08:29:05 ID:NRJjqnxk0
乙乙
集中すると聞き慣れた人の声聞こえなくなるのあるある

229名無しさん:2024/07/13(土) 15:26:50 ID:x92btDwE0
おつ
キューちゃんホントに何でもできてかわいい

230名無しさん:2024/07/15(月) 09:42:43 ID:mEE5/Tok0
乙乙

231名無しさん:2024/07/16(火) 00:42:37 ID:.nVLkAi.0
おつおつ、更新気づかんかった
俺バカだからよくわかんねーんだけどよお、法学部のヤツってみんな司法試験ってのをうけるんじゃねーのか?
てかマジでそんなムズいもんなん?

232名無しさん:2024/07/27(土) 00:14:31 ID:VSL4ff1w0

『パン屋』 5/99

╲o川*>ー<)o╱ノビー「……ふう。今月もメンテナンス終了〜!」

o川*゚ー゚)o「まったく、私に定期メンテなんて必要ないのに。デレ先生に会えるのは嬉しいですけど…あのポンコツもいるのは嫌なんですよねぇ」

o川#゚ぺ)o「嫌味ったらしい上に、職務中に自分のマスターと呑気にお喋りなんて羨ま…意識が低いです!第二世代の分際で!”アイ”の風上にも置けません!」

o川#- -)oイライラ「…あーダメです。感情機能にエラーが起きてる…。いや、これは暑いからです。若しくはあのポンコツに変なウイルス流されたに違いありません」

o川*゚ー゚)o「お散歩がてら、気分転換に何か美味しいものでも……あれ?」


[ ^ω^]「美味しいパンは如何ですかおー!今ならクロワッサンとカレーパン、アップルパイが焼きたてだおー!」

233名無しさん:2024/07/27(土) 00:19:09 ID:VSL4ff1w0

o川*゚ー゚)o「あら。良い匂いがすると思ったら、こんな所にパン屋さん出来てたんですね…」

o川;゚―゚)o「…って、またあの配膳ロボット!呼び込み!?こんな所でも使われてるんですか!?」

三[ ^ω^]ブーン「おっ!おねーさん!焼きたてのパンは如何ですかお!」

o川;゚―゚)o「わ!な、中々のスピード…!配膳ロボットのくせして…!」

o川#゚皿゚)o「く、くうぅ〜どいつもこいつも!これに至っては人型でもない、ちょっと親しみやすいデフォルメ顔なだけの分際で…!私の方がずっと高性能なのに!」

[ ^ω^]「おっ…?あれ、おねーさん、ぼくらのお仲間かお?」

o川;゚―゚)o「し、しかもバレた!?思ったより性能が良い…!」

[* ^ω^]「…なんというか、ぼくらよりずっと”凄い”って感じがするお!」

[* ^ω^]「もしかして、ご飯食べられる…?凄い性能だお!羨ましいお、カッコイイお〜!」

o川*゚―゚)o「……」

o川;*゚―゚)oテレテレ「…ほ、ほう。中々立場を弁えられるロボットのようですね」

o川;*゚―゚)o「ま、まぁ、私の方がお姉さんですし、高性能ですし?可愛いロボ後輩のために、呼び込みにつられてあげてもいいですよ?」

[* ^ω^]「え?や、やったお!ありがとうだお!1名様、ご案内だおー!」

o川;*- -)o「パ、パンに罪はありませんしね。ちょうどお昼過ぎですし、仕方ない、仕方ない……」

234名無しさん:2024/07/27(土) 00:22:44 ID:VSL4ff1w0

カランコロン(店に入る音)


[* ^ω^]「中へどうぞだお!いらっしゃいだお〜!」

o川*゚ー゚)o「へぇ、外観からのイメージより意外と広いですね…」

o川*゚ワ゚)o「……あ!わあぁああ〜〜!パンがいっぱい…!!」

[ ^ω^]「オススメは焼きたてのアップルパイと、あとクリームパンだお!」

[ ^ω^]「うちのクリームパンは中のクリームが二種類!ケーキ用のフレッシュクリームと、特製のカスタードを合わせてるお!」

[ ^ω^]「それと、パン以外だとプレーンとチョコのクッキー、あとは新商品の夏みかんのタルトがオススメで…」

o川*゚ー゚)o「全部3こずつください」

[; ^ω^]「……お?」

o川*゚ー゚)o「だから、全部3こずつ下さい。パン以外も含めて。あ、※BonBon使えます?」

※”BonBon”…通称”ブンブン”。QRコード決済の手段の一つ。支払いが完了すると「ブーン!」と甲高い声がスマホから響くことで有名。何故か”ボンボン”とは誰も呼ばない。

[; ^ω^]「おっ、つ、使えますけど…しょ、少々お待ち下さいだお!」

[^ω^ ;]三ブーン!!

<テ、テンチョー!テツダッテクダサイオ!ボクダケジャムリダオー!

o川*゚ー゚)o「本当はもっと欲しいですけど…お店やお客さんに迷惑かける訳にもいきませんし」

o川*^―^)o「ふふ、今日はパン祭りです!楽しみですね〜!喜んでくれるかな〜!」

235名無しさん:2024/07/27(土) 00:25:56 ID:VSL4ff1w0


〜その日の夜〜


(; ,,^Д^)「……なぁ、キュート」

o川*゚ー゚)o「はい、どうしました?早く座ってくださいよ、今日は御馳走がいっぱいですよ!」

(; ,,^Д^)「いや、御馳走って……この山、なに?」

o川*゚ー゚)o「…?なにって、パンですけど」

(; ,,^Д^)「…………全部?」

o川*゚ワ゚)o「はい!全部です!あ、一部クッキーとかもありますけど!

o川*^ー^)o「今日の病院帰り、良いパン屋さんを見つけたんですよ〜!」

(; ,,^Д^)「いや、多すぎないか…?テーブルみしみし鳴ってるけど……」

o川*゚ー゚)o「お昼に1こずつ食べたんですけど、どれも絶品で…!意外と美味しかったのはコロッケパンですね!」

(; ,,^Д^)「ねぇ聞いてる?」

o川*゚ワ゚)o「個人的な好みでいえばクリームパンが超美味しかったんです!お惣菜系だとカレーパンですかね、中にミニハンバーグが入ってたのはビックリしました!」

(; ,,^Д^)「聞いてないし、聞いてないよ……」

236名無しさん:2024/07/27(土) 00:27:16 ID:VSL4ff1w0

o川*^ワ^)o「あ、マスターはこのアップルパイとか好きだと思います!レモン風味のクリームチーズとリンゴがよく合ってたんですよ〜!」

(; ,,^Д^)「……いや、まぁ、パン好きだけどさ…流石に、この量はちょっと……」

o川*゚ー゚)oっ〇「はい!」

( ,,^Д^)「えっ?」

o川*゚ー゚)oっ〇「まぁまぁ、まずは食べてから!」



o川*^―^)oっ〇「”あーん”、です!マスター!」



〜おしまい〜

237名無しさん:2024/07/27(土) 00:28:42 ID:VSL4ff1w0
美味しそうなパン屋さん見つけてウキウキで入ったのに、アップルパイもショソンオポムもなかった時のガッカリ感は異常。
せめてどっちかはあって欲しい。日本全国のパン屋さんに法律で義務化して欲しい。

238名無しさん:2024/07/27(土) 18:57:54 ID:wcOMJ7Hs0
オツ

239名無しさん:2024/08/02(金) 18:56:58 ID:rVmxzZ9.0
乙乙
パン屋のアップルパイ美味しいよね

240名無しさん:2024/08/03(土) 22:22:40 ID:RwNoiDbg0
乙乙
クリームパンの違い分かるの凄いな
カスタードは酸味少ないパンと相性が良いくらいしか拘りないな
クリームチーズ入ってるアップルパイ美味しそう

241名無しさん:2024/08/17(土) 22:52:56 ID:vGffyamk0
おつ ハンバーグ入ったカレーパンいいな
本気で99までやるつもりか作者?

242名無しさん:2024/08/19(月) 22:33:40 ID:GKpPYm3E0

『壁ドン』 6/99

o川*゚ー゚)oボー

o川*゚ー゚)o「やることなさすぎてネットサーフィンしてたら、めちゃ面白い少女漫画見つけてしまいました…『君に届け』…良かった……」

o川*゚ー゚)o「思わず全巻買ってしまいました…電子書籍で全30巻…あ、映画もあるんですね…見たい……」

o川*>ー<)o「……くぅ〜〜!私も恋したい!ドキドキしたい!プラスチックの心臓が痛むくらいの恋が!したい!!」

o川*゚ー゚)o「…でもなぁ。今の状況になっても、マスターが急に何かしてくれるとも思えないんですよねぇ。もう長いこと一緒にいますけど」

o川*- -)o「女の子扱いしてくれる時もありますけど、基本的には私のことロボット扱いするんですよね。どうにか、私のことを意識させる方法はないものか…」

243名無しさん:2024/08/19(月) 22:35:57 ID:GKpPYm3E0

o川*- -)o「……」カンガエチュウ

o川*゚ワ゚)o「!」ピカントキタゼ

o川*゚ワ゚)o「そうだ!実際に、少女漫画みたいなことをすればいいのでは!?」

o川*゚ー゚)o「確かに、こういう漫画みたいなアプローチはしたことないですもんね!王道ですけど、だからこそ効果あるかも!」

o川*゚ワ゚)oっ「よーし、マスターが帰ってきたらすぐに試しましょう!さてと、何か参考になりそうな漫画は〜〜!?」


o川*゚ー゚)o「…あ、もうコインないですね。とりあえず1万円分くらい課金しとこ…」

244名無しさん:2024/08/19(月) 22:39:29 ID:GKpPYm3E0

〜その日の夜〜

o川*゚ー゚)oっ□「………」マンガヨミヨミ

<ガチャ タダイマー

o川*゚ー゚)o「……はっ!帰ってきた!」

o(゚―゚*川o三ビューン



( ,,^Д^)「…は〜〜、今日も疲れた……」

( ,,^Д^)「ただいまキュート。聞いてくれよ、今日エキナカでシュークリームの販売あってさ…」


「おかえりなさ〜〜い!!」ドドド


(^Д^ ,,)「…って、うん?」クルッ

三o川*゚ワ゚)o「マ、ス、タ〜〜〜!!!」ドドドドド

o川*゚ワ゚)oつ(^Д^ ,,)□ドゴン‼︎!

o川*゚ワ゚)oつ(^Д^ ,,)  三三三三□ヒューン‼︎!※ドアが吹っ飛ぶ音

o川*゚ワ゚)oつ(^Д^ ,,)      パラパラ……※ドアが粉々になる音




o川*゚ワ゚)o「どうですかっ!?」ドヤッ

(^Д^ ,,;)「えっ…?…えっ、な、なにが……???」

245名無しさん:2024/08/19(月) 22:41:56 ID:GKpPYm3E0

o川;*゚ー゚)o「だ、だから…今の壁ドン、どうでした!?その…私にドキドキ、します!?」

(^Д^ ,,;)「え……?いや、まぁ、心臓はこの上ないくらいバクバクしてるけど……」

o川*゚ワ゚)o「〜〜っ!!ほ、ホントですか!?やったぁ!」

o川*゚ー゚)o「よーし、これからは少女漫画を指針にガンガン……あれ?」

o川*゚ワ゚)oっ□「あっ、シュークリームだ!しかも気になってたトコの!ありがとうございます、マスター!」

o川*^ー^)oっ□「夜ご飯も出来てますからね!今日はグラタンです!ちゃんと手洗いしてきて下さいね〜!」

□⊂o(*^―^*川o三ビューン!!


<ヤッタァシュークリームダー! バタバタ……

246名無しさん:2024/08/19(月) 22:43:05 ID:GKpPYm3E0


(^Д^ ,,;)「…」

(^Д^ ,,;)「………」

(^Д^ ,,;)「……………」


(^Д^ ,,;)「……え、どゆこと……???」


〜おしまい〜

247名無しさん:2024/08/19(月) 22:50:24 ID:GKpPYm3E0
>>227 >>241

やれたらやるか〜くらいの気持ちです。
元々、板の賑やかしになれたらいいな程度の軽い感じで始めたのですが、ある日99という数字が朧げながら浮かんできたので、それをとりあえずのゴールにしました。
今めっっっっちゃ後悔してます。ある日、何の前触れもなく数字が10くらいにしれっと減るかもしれませんが、その時は見逃して下さい。

248名無しさん:2024/08/20(火) 21:21:07 ID:6BuE5vnA0
乙乙
楽しみに待ってるで

249名無しさん:2024/08/22(木) 22:08:20 ID:e8TNNF8M0

『スイカ割り』 7/99

o川*゚ー゚)oっ〇「見て下さいマスター!スイカですよ、スイカ!」

(; ,,^Д^)「まさか丸ごと買ってくるとは思わなかった……マジかよ…」

o川*゚ー゚)o「いやぁ、半額だったのでつい…でもでも今が旬ですし!夏の間に一度は食べなきゃ勿体ないじゃないですか!」

o川*゚ー゚)oっ|「それに私、スイカ割りやってみたかったんです!棒も用意しましたし、さっそく今日やりましょう!」

o川*゚ー゚)oっ|←どこからどう見ても棒

250名無しさん:2024/08/22(木) 22:13:44 ID:e8TNNF8M0

(; ,,-Д-)「…やるのはいいけど、今日はダメだぞ。明日、燃えるゴミの日じゃないし」

o川*゚ー゚)oっΔバチバチ!!「大丈夫ですよ、私が燃やせますから」

(; ,,^Д^)「何も大丈夫ではない……」

(; ,,^Д^)「というか、前から疑問だったんだけど、なんでそんな機能あるんだ?そもそもどういう原理なんだ?」

o川*゚ー゚)o「機体に内包されてる不必要かつ余った可燃性物質と酸素で作ってます。あとは掌で酸素濃度を調整しつつ…」

o川*゚ー゚)o「あ、なんで搭載されてるかは知らないです。博士にメッセージ飛ばして聞いておきましょうか?」

(; ,,^Д^)「…いや、やっぱいいや。なんか怖くなってきたし…」

o川*゚ー゚)o「高性能ですからね!私!」

(; ,,^Д^)「高性能……うん、まぁ、そうだな…」

251名無しさん:2024/08/22(木) 22:16:51 ID:e8TNNF8M0


〜10分後〜


( ,,^Д^)っ〇「……とりあえずシート広げて、中心にスイカ置いて…」

( ,,^Д^)「これで、飛び散ってもすぐ掃除できるな。よし、もういいぞー」

o川*゚ー゚)o「はい!よーし……!」

o川*゚ー゚)oっ|「汚れてもいいスウェットよし!スイカ割り用の棒、よし!」

o川*∩ー∩)oメカクシカンリョウ「目隠し装着!いきます!」

( ,,^Д^)「頑張れー」


o川*∩ー∩)oっ|「……」

o川*∩ー∩)oっ|「…………」

o川*∩ー∩)oっ|「………………」


o川*∩―゚)oメカクシハズシ「マスター」

( ,,^Д^)「……うん?キュート、どうした?」

o川*゚ー゚)o「…私、目隠ししてても、周囲からの音の反響とか、赤外線探知でスイカの場所わかっちゃいます」

( ,,^Д^)「……ダメじゃん」

o川*゚ー゚)o「ダメですね」

252名無しさん:2024/08/22(木) 22:19:34 ID:e8TNNF8M0

o川;- -)o「私が高性能過ぎるせいで…!ううむ、個別のoff機能が必要になる日が来るとは想定外でした……」

o川*゚ー゚)oっ|ドウゾ「…しょうがないですね。マスター、代わりにお願いします」

(; ,,^Д^)「えっ?お、俺がやるのか?いいのか?」

o川*゚ー゚)o「私はまたの機会にします。まだ夏は終わりませんし、新しくオプションつけてもらえば多分出来るようになりますから!」

( ,,^Д^)「そんなDLCみたいに機能の後付けとかできるんだ…」

o川*゚ー゚)o「高性能ですからね!」

( ,,^Д^)「高性能とはまた違う話な気がする」

253名無しさん:2024/08/22(木) 22:22:31 ID:e8TNNF8M0

(* ,,^Д^)「…ま、まぁ。俺も実はやったことないし、ちょっとやってみようかな」

o川*゚ワ゚)o「お!マスターも乗り気だったんじゃないですか〜!」

o川*^ー^)oっ|「はい、棒どうぞ!思いっきりやっちゃってください、マスター!」

(* ,,^Д^)っ|「お、おう。ありがと……」


( ,,^Д^) っ __ゴン!!! ※棒が手から床に落ちた音

( ,,^Д^)っ __グシャァッ!!! ※棒が床にめり込んだ音


(; ,,^Д^)「…………え?」


o川;゚―゚)o「あぁっ!マ、マスター、大丈夫ですか!?お怪我は!?」

( ,,^Д^)「…え……い、いや、俺は大丈夫だけど……床が…」

o川;゚―゚)o「そ、そんな…まさか……」

254名無しさん:2024/08/22(木) 22:27:37 ID:e8TNNF8M0


o川;゚―゚)o「たった”200kg”しかないスイカ割りの棒を落としてしまうなんて…そんなにお疲れが溜まってたのですね…!」


(; ,,^Д^)「………はい?」


o川;゚―゚)o「やっぱりマスターはお仕事で疲れているんです!やっぱりお仕事辞めちゃいましょう!お休みが必要です!休息が足りてません!」

o川*゚ワ゚)o「そして2人でまったりゆったり過ごしましょう!大丈夫です、いつそうなってもいいように色々とコツコツ準備してましたから!さっそく明日の朝一番に私が代わりに退職手続きを…!」

(; ,,^Д^)「い、いやごめん待って、あの棒、なに?」

o川*゚ー゚)o「えっ?なにって…」

255名無しさん:2024/08/22(木) 22:29:43 ID:e8TNNF8M0

o川*゚ー゚)o「スイカ割り用に私が特注で作ったスイカ割り専用の棒です。”アイ”にも使われてる特殊な重合金の結晶構造で出来てて…」

o川*゚ー゚)o「ほら、この前うっかり玄関のドア壊しちゃったじゃないですか。あれの修理に使った材料が余ってたので、再利用です!」

o川*^ー^)o「資源を無駄にしてはいけませんからね!えっへん!」

o川*^ー^)o←褒められ待ち


( ,,^Д^)「…………うん」

( ,,^Д^)「ごめん、スイカ割り、やっぱなしで」

o川;゚Д゚)o「え、えぇっ!?きゅ、急にどうしてですか!?」

( ,,^Д^)「怖いから」

o川;゚Д゚)o「そんなぁ〜〜!!!」


〜おしまい〜

256名無しさん:2024/08/26(月) 23:18:13 ID:BJ1SLLDo0
乙乙
マンションの扉とか超硬いのに凄いねキューちゃん…
目隠ししてても分かる機能、視覚にハンディキャップがある人にも役立ちそうだけど、キューちゃんの性能がどの程度社会に反映されてるか気になるところ
本編に説明あったらごめん

257名無しさん:2024/08/27(火) 00:33:09 ID:DXWRMOD60
盆休みからやっと全部読めて追いついた 乙
本編、番外編と全然温度違うじゃねぇかよ なんでこうならなかったんだよ…

258名無しさん:2024/08/29(木) 23:32:27 ID:GG.DDtdY0
おつおつ
キュートちゃんなにかと理由つけて仕事やめさせようとしてくんのかわいい
前の総合の祝いを乞うって作者の?

259名無しさん:2024/09/07(土) 01:21:36 ID:TWzZlGqA0
>>256

本編に説明書いたか自分でも覚えてないや。
今後どこか矛盾してても許してください、見逃してくれぇ…!

一応設定を明かすと、キュートちゃんたち(アイ)に用いられている技術や性能はトップシークレットで、研究員や病院関係者を除けば、超特権階級の限られた大金持ちや権力者だけがちょっと知ってるという感じです。
バレてもいいと判断された一部の技術は一般社会に表向きの最先端技術・治療として流れています。なので一応、現実世界より色んな技術は10~20年くらい進んでる感じですね。特に猫田博士の意向で医療・福祉は進んでます。
それでも全てを知っているのは猫田ギコ博士だけです。彼一人で国や権力者相手に情報統制を敷いています。

260名無しさん:2024/09/07(土) 01:23:04 ID:TWzZlGqA0
>>257

読んで頂きありがとうございます!
元々、あのラストを書きたいがために最終話から逆算して作った作品なので…。
ごめん、やん…。

261名無しさん:2024/09/07(土) 01:24:12 ID:TWzZlGqA0
>>258

そうです。
なんでいつも何書いてもバレるん?おかしない?

262名無しさん:2024/09/07(土) 01:28:26 ID:TWzZlGqA0

『道案内』 8/99


o川*- -)o「……はぁ」

o川;- -)o「まさかシュークリームが全部売り切れなんて…予想外でした……」

o川;- -)o「”ファンファーレ”、テレビで紹介されてからますますお客さん増えてますねぇ。いや、喜ばしいことではあるんですけど…フクザツ……」

o川*゚ー゚)o「うーん、時間が余ったのはいいものの特に買い物の予定もありませんし…もうこのまま帰りましょうかねぇ」

o川*゚ー゚)o「………おや?」



 ( ゚д゚ ;))キョロキョロ   ((; ゚д゚ )キョロキョロ

 ( -д- ;)ウーン…



o川*゚ー゚)o「………」

o川*゚ワ゚)o「人助けの予感!!」

263名無しさん:2024/09/07(土) 01:32:23 ID:TWzZlGqA0

ビューン三o川*゚ワ゚)o「すいませーん!お兄さん、なにかお困りでしょうか!」

( ゚д゚ ;)「うわっ!?……え、しゅ、瞬間移動……?」

o川*゚ー゚)o「もしかして、道に迷われたのかなーと思いまして!合ってます?」

( ゚д゚ ;)「えっ…?は、はい、そうなんです。行きたい所があったんですけど…」

( -д- ;)「東京には不慣れで。一応、住所などはメモしてきたのですが……お恥ずかしい」

o川*゚ー゚)o「ほうほう。ちなみに、目的地は?」

□⊂( ゚д゚ )「この場所で……ご存知ですか?」

o川*゚ー゚)oっ□「どれどれ…?」

o川*- -)oケンサクチュウ…

o川*゚ワ゚)oピカントキタゼ「分かりました!」

( ゚д゚ ;)「えっ、スマホも触ってないのに…?」

o川*^ー^)o「ふふふ、ちょっとした特技です!」

o川*゚ワ゚)o「せっかくですし、現地までご案内します!着いてきてくださいね〜!」

( ゚д゚ ;)「えっ?あ、はい…。ありがとうございます、ご親切に」

o川*゚ー゚)o「いえいえ!人助け、好きですから!」

264名無しさん:2024/09/07(土) 01:36:32 ID:TWzZlGqA0

〜30分後〜


o川*゚ー゚)o「……ほほう、じゃあ京都から呼ばれて展覧会を!凄いですね!」

( ゚д゚ *)「いえ、僕はあくまで絵を数点置かせてもらえるってだけで……でも、ありがとうございます」

o川*゚ー゚)o「ですが、来週からなんですよね?どうして今日にわざわざ下見を?」

( ゚д゚ )「本業で東京に用事があったのですけれど、少しトラブルがあって…1日丸々空いちゃって」

( ゚д゚ )「どうせ暇だし、予めどういうアトリエなのか見ようと思ったんです。今週までやってる展覧会も気になってたし」

( -д- ;)「…本当は、正午過ぎには着く予定だったんですけど。夕方になってしまいました」

o川*゚ー゚)o「なるほど、それで……。まぁ、東京は広いし、仕方ないですよ」

o川*゚ワ゚)o「…あっ、ここですね!この建物です!」

o川*゚ー゚)o「ありゃ、そこそこ人がいますねー。今の展覧会も人気なのかな?」

( ゚д゚ )「わぁ、写真で見るよりずっと大きいな…すいません、わざわざここまで案内していただいて」

o川*^―^)o「いえいえ!元々、人の役に立つのが私の存在意義ですから!」

o川*゚ー゚)o「それじゃあ私は失礼します!来週からの展覧会、頑張ってくださいね〜!」

( ゚д゚ *)「はい。本当に、ありがとうございました」





o川*^―^)o「……ふぅ。良いことをすると気分が良いですね〜!」

o川*゚ぺ)o「しかし、一度も会ったことない方のはずですけど…ああいう人にも会うんですねぇ。やっぱりよく分からないなぁ、此処」

o川*゚ー゚)o「…ま、いいや!私も帰って、夜ご飯の準備!今日は贅沢にローストビーフだし、マスターもきっと、いつもより喜んでくれる筈!」

o川*゚ー゚)o「良い時間つぶしになりました!さーて、帰ろ〜っと!」

o(゚―゚*川o三ビューン!!

265名無しさん:2024/09/07(土) 01:39:23 ID:TWzZlGqA0


( -д- )「……ふぅ」

( ゚д゚ )「まさか、住宅街の中にこんな広いアトリエがあるとは思わなかった…。結構お客さんいるし、京都とはやっぱりちょっと違うな」

( ゚д゚ )「…あの子、凄くいい人だったな。道案内しながら、僕の絵の話とかも聞いてくれたし」

( ゚д゚ )「……しかし、性格は全然違ったけど結構顔が似てたなぁ。東京だからそりゃあ、綺麗な人は多いだろうけれど…」



「――何が綺麗なのかしら?」



( ゚д゚ ;)「……えっ…?」



ミセ*゚ー゚)リ「……おっそいわよ。バカミルナ」

266名無しさん:2024/09/07(土) 01:43:08 ID:TWzZlGqA0

( ゚д゚ ;)「…えっ!ミセリさん…!?な、なんで、”僕一人で大丈夫”って…」

ミセ*゚ー゚)リ「別に。今日はリハも大学院もないし、暇潰しがてら来ただけよ」

ミセ#゚ー゚)リ「てゆーか、なんでアンタこんなに遅いのよ。言ってた時間と全然違うじゃない」

( -д- ;)「す、すいません……」

ミセ* ー )リ「……で」

ミセ; ー )リ「………さっきの、一緒にアンタと来てた女の子、誰?」

( ゚д゚ ;)「え、えっと…お恥ずかしい話、道に迷ってしまって…あの子にここまで案内してもらったんです」

( ゚д゚ *)「凄く良い人だったんですよ。丁寧にここまで送ってくれて…あ、来週始まる次の展覧会についても話したので、もしかしたら来てくれるかもしれないんです」

( ゚д゚ *)「それと、驚いたんですけど、顔がミセリさんによく似た方だったんですよね。世の中には似た顔の人が3人いると言いますが…凄く綺麗な女性でした」

( ゚д゚ *)「話すと明るい子だったんですが、パッと見た時の印象はなんというか、人というよりは美術品そのものみたいというか。まるで、人工物みたいに整った方で……」



ミセ*゚ー゚)リ「……」

ミセ#゚ー゚)リ「…………」カチン

ミセ# ー )リ「…………………」ムカムカ



( ゚д゚ ;)「………ミセリ、さん?」

267名無しさん:2024/09/07(土) 01:45:04 ID:TWzZlGqA0

ミセ# ー )リ「………………へーえ?」

( ゚д゚ ;)(……あれ?)

ミセ# ー )リ「…昨日、電話した時」

ミセ# ー )リ「”東京駅で待ち合わせして私が案内してやってもいい”って言ったら、アンタ、断ったわよね?」

ミセ# ー )リ「”お気遣いなく”とか”一人で行きます”とか、なんとか言ってたような気がするんだけど。私の記憶違いかしら?」

ミセ# ー )リ「私の案内は断って、あんな見ず知らずの、若い女の子の案内は受けるんだ?ふーん?」

( ゚д゚ ;)「……い、いや、そのですね」

( ゚д゚ ;)(お、怒ってらっしゃる?なんだ?どこでミスったんだ僕は…?)

268名無しさん:2024/09/07(土) 01:47:16 ID:TWzZlGqA0

ミセ#゚ー゚)リ「それで?綺麗って、あの子のこと?へーえ?」

ミセ#゚ー゚)リ「やけに嬉しそうだったわね?おまけに何?随分と女性の容姿の評価が流暢になったみたいだけど?もしかしてそういうのに慣れたのかしら?」

( ゚д゚ ;)「そ、そんなことは…僕は、その、ええと……」

ミセ# ー )リ「心臓だけやなく、目ぇも舌も、よぉ動くようになったみたいやねぇ。すっかり丈夫になったみたいで嬉しいわぁ」

ミセ# ー )リ「のびのびお仕事しながら絵ぇ描いてるって聞いてたけど、ホンマ随分と元気になったみたいやん?よろしいなぁ」

ミセ# ー )リ「それで?今日はキレ-な東京の子とまったりゆっくりお喋りして来たん?ニコニコして、えらい楽しそうやったねぇ?」

( ゚д゚ ;)(や、や、やばい、京都弁が…!!めっちゃ怒ってらっしゃる!?なんでだ!?)

269名無しさん:2024/09/07(土) 01:49:29 ID:TWzZlGqA0

( ゚д゚ ;)「あ、あの、落ち着いてください、お嬢様――」

ミセ#゚皿゚)リ「"お嬢様"?」

( ゚д゚ ;)「……………あっ」

ミセ#゚ー゚)リ「………」

( ゚д゚ ;)「ち、ちが……違うんです、ミセリ、さん。あの、昔の癖って結構抜けなくてですね」

( ゚д゚ ;)「それにあの、この呼び方も実は結構、自分的には気に入ってたというか…」

ミセ#゚ー゚)リ「………」

( ゚д゚ ;)「そ、そうだ!展覧会、良ければ今から一緒に入りませんか?ここでずっとお話してるだけというのも、アレですし!」

ミセ#゚ー゚)リ「ここまで来てあげた私置いて、一人で入るつもりやったん?」

( ゚д゚ ;)「……あ、え、いや、そ、そんなつもりは…」

ミセ#゚ー゚)リ「じゃ、どういうつもり?」

( д ;)「…その、言葉の綾、というか、言い間違い、というか……」

270名無しさん:2024/09/07(土) 01:51:45 ID:TWzZlGqA0

ミセ#゚ー゚)リ「………」

( ゚д゚ ;)「………」

ミセ#゚ー゚)リ「………」

ミセ#- -)リ「……もういいわよ」

( ゚д゚ ;)「えっ…!?」


Σ(; ゚д゚)    テクテク三ミセ#゚ー゚)リ


( ゚д゚ ;)「あ、あの!ミセリさん!?待ってください!ちょっと!?」

( ゚д゚ ;)「違うんです!い、いや、何が違うのか正直よく分かってないけど…!と、とにかく違うんです!」

( ゚д゚ ;)「久々にミセリさんに会えて、気が動転したというかですね…!そうだ、良ければ美味しいご飯とか、食べに行きませんか!気になってる東京のお店があるんです!」

( ゚д゚ ;)「ミ、ミセリさん!?あの、ちょ、ちょっと待って〜〜!!」

ミセ#゚ー゚)リ「………」

271名無しさん:2024/09/07(土) 01:59:49 ID:TWzZlGqA0


ミセ#゚ー゚)リ(…なによ。久しぶりに会えたっていうのに、見ず知らずの女の子に"綺麗"だとか言っちゃって!ぼんくら!)

ミセ#゚皿゚)リ("人生全部で貴女を描く"って言ったくせに!だったら私のことだけ見てなさいよ!あのアホ!)

ミセ#- -)リ(せめて、”可愛い”とか”似合ってる”とかくらい、言ってくれたっていいじゃない!誰のために新しく下ろした服だと思ってんのよ鈍感バカ!)

ミセ* ー )リ(……せっかく、無理してスケジュール空けて、会いに来たのに………)


( ゚д゚ ;)「ミセリさん!あの!待って!」

ミセ* ー )リ(………でも、まぁ)

( ゚д゚ ;)「ら、来週から数日また東京にいますし…明日も、夕方過ぎまでは空いてるんです!どこか、行きたい所とかありませんか!」

( ゚д゚ ;)「荷物持ちでも、なんでもやります!どこでもご一緒しますから!ミセリさん!あのー!?」

ミセ*゚ー゚)リ(なんか、自分からまたボロボロ言質零してるし、まだちょっと…)

ミセ* ー )リ「…あーあ、チケット売り場って何処なのかしら?ここまで一人で来て、ずーっと待って、疲れたなぁー?」

( ゚д゚ ;)「す、すぐ2枚買ってきます!少々お待ちください!」

 ビューン‼三(; ゚д゚)

272名無しさん:2024/09/07(土) 02:01:44 ID:TWzZlGqA0

ミセ*^ー^)リ「……ふふ、なんだかちょっと懐かしいわね。この感じ」

ミセ*゚ー゚)リ(…ま、ミルナは来週また東京に来るらしいし)

ミセ* ー )リ(久しぶりにもうちょっと、"いけず"させてもらおうかなー?)


ミセ*゚ー゚)リ「……最低でも夢の国くらいは、付き合ってもらうんだから」

ミセ*^ー^)リ「覚悟しときぃや、ミルナー?」


〜おしまい〜

273名無しさん:2024/09/07(土) 02:06:03 ID:TWzZlGqA0

世界観的に別の自作品のキャラ出してもいいのでは?&例の話の番外編、まだ全然筆が進まねぇ〜!これで一旦お茶濁すしかねぇ〜!という理由で急遽、ヴィオラの2人を出しました。
ちょっと自由にやり過ぎたかもしれない。ごめんなさい。

ミセリちゃんがわざわざ道案内を提案したのは、適当な理由つけて下見ついでに2人でお買い物したり、ご飯食べたり、お喋りしながら東京を歩いたりしたかったからです。そのために大事なオーケストラの練習も無理言って頭下げて欠席してます。
でも今回は残念ながら、ミルナ君の間違った気遣いのせいで、忙しい合間を縫ってちょっとでもデートがしたいというミセリちゃんの願いは叶いませんでした。
頑張って勇気出したのにね。精一杯お洒落もしてきたのにね。全部ミルナ君のせいです、はーあ(クソデカため息)。

274名無しさん:2024/09/09(月) 15:11:35 ID:duYH1wtI0
乙!
ハッピーエンドルートの二人か!ありがとう!
ヴィオラ番外編も待ってるぞ!

275名無しさん:2024/09/10(火) 18:25:22 ID:IjJ.tZnA0
おつ
二人とも本編だとあれなのつらい…

276名無しさん:2024/09/10(火) 23:45:12 ID:ThNVJYzc0
おつ、キューちゃんとミルナが会話してるとこで泣きそうになった
この二人ってどっちも本編ではいなくなった側なんだよな…

277名無しさん:2024/09/11(水) 18:22:42 ID:2WxQew9A0
乙乙
ミセリん家お金持ち過ぎて気合い入れたお洒落もランクがインフレしてて庶民には気付かれない可能性も高いという…
いや、ミルナは美大生だからワンチャン気付くか?

278名無しさん:2024/09/12(木) 23:25:21 ID:15QUJAJI0


『貴翰拝誦』 9/99

279名無しさん:2024/09/12(木) 23:27:52 ID:15QUJAJI0

ざわざわと木々が擦れる音がして、ゆっくりと目を開いた。

上を見上げると、ずっと私を支えてくれている大木が、沢山の緑を揺らしていた。
以前に目を覚ました時は、瞬きさえ億劫なほど、見事な桜を咲かせていたのに。
どうやらいつの間にかまた春が終わり、夏になっていたらしい。

眼前には、もうとっくに見飽きてしまった風景が変わらず広がっている。
いや、”見飽きた”という表現は些か正解に遠かっただろうか。
確かに飽きたは飽きたのだが、不快感や嫌悪感などはない。
例えるなら、恋人と一緒に暮らすようになって数年、朝起きた時に相手の寝ぼけた顔を見ても、同棲開始当初ほどのドキドキが湧かなくなったとか、そんな感じだ。

280名無しさん:2024/09/12(木) 23:28:29 ID:15QUJAJI0

夏風に揺られる緑の葉を見ながら、自分の思考にふっと笑みが零れた。
“恋人”なんて、まるで人間が思いつくような概念とエピソードだ。
そもそもこんな風に、例え話を考えるということ自体、おかしい。
以前の自分ならば、絶対にありえなかった行動だ。

自分で自分を笑っていると、遠くから、何かが近づいてくる音が聞こえた。
少し涼しくなった夏風の音でも、宙を舞う花びらや木々から離れた葉が落ちる音でもない。
顔を上げる。すると視線の先、青空の中に浮かぶ雲の中心を、何かが動いているのが見えた。

鳥だ。それも、見るからに只の鳥じゃない。
雲の一部から生まれたような、一切の交じり気のない、白い鳥。
“純白”と言っていいほどに穢れのない光を纏った白い鳥は、その自慢の羽を優雅に動かしながら、ゆったりとこちらに近付いてきていた。

四月中旬に零れる桜みたいにゆっくりと、白い鳥は私の前に降り立つ。
「久しぶりですね」と声をかけると、その鳥もまた返事をするみたいに、恭しく頭を垂れた。

私の言葉を本当に理解しているのかは分からない。
以前の私ならいざ知らず、今の私はもう、なんでもすぐに知ることは出来ない。今思えば前の自分は随分とオーバースペックだったように思う。
けれど存外、こんな状態になってしまったのにもかかわらず、私は今の私を気に入っていた。

281名無しさん:2024/09/12(木) 23:29:22 ID:15QUJAJI0

頭を上げた白鳥は、トコトコと可愛らしい動きでこちらに近付いてくる。
その長い嘴の先には、いつもと同じように、白い手紙が咥えられていた。

「ありがとう」と言って、慣れた手付きで手紙を受け取る。
運んできてくれた鳥に負けないくらいに白く輝く封筒の中には、可愛らしいシロツメクサの意匠が縁に施された便箋が数枚。
どれも、存在しない心臓が痛くなるくらいに、懐かしい筆跡で書かれた文章が綴られていた。

隣で白鳥が腰を落ち着けるのを尻目に、私はゆっくりと、届けられた手紙に目を通し始めた。
指で文字をなぞりながら読む。少しでもこの時間が続くように、少しの想いも零さないように。

書かれていた内容は、正直に言って、大したことじゃなかった。
年々、夏が暑くなっている気がすること。
仕事のこと。新しく出来た友人や知り合いのこと。
近所のスーパーのポイント制度が少し酷くなったこと。好きな水族館の年間パスポートの値段が上がってしまったこと。
よく行っていたケーキ屋の新メニューが美味しかったこと。日が落ちるのが早くなって、もうすぐ秋が来そうな予感がすること。

どれも、取り立てて手紙に書くようなことじゃない。
でも、どんな小さなことでも、私が想像しやすいように事細かく心情と共に書かれている。
相変わらず、優しい文章だ。

282名無しさん:2024/09/12(木) 23:30:44 ID:15QUJAJI0

最後の手紙に辿りつく。
今回は全部で9枚。春に来た前の手紙は11枚だったから、ちょっと少なくなっている。
別に怒ったりはしない。いつも春は少しだけ多くて、他の季節に来る手紙の枚数は大体このくらい。
寧ろ、まだこれだけの枚数を書いてくれるということ自体、少し申し訳ない反面、凄く嬉しい。

一番後ろにあった、ラストの便箋。
なんだかんだ毎回内容が違う手紙も、一番最後に書かれている内容だけは、どれだけ時が経っても同じだった。

「もういいのに」。
読み終わってすぐ、苦笑いと共に漏れた言葉が、涼やかな風に乗って霧散した。

283名無しさん:2024/09/12(木) 23:31:28 ID:15QUJAJI0

丁寧に便箋を畳み、慎重に封筒の中に入れ直す。
それからゆっくりと立ち上がって少し移動した私は、ずっと背凭れ代わりにしていた大木の側面に目をやった。
私が座っていた場所から、少し離れた隣。
大木を壁にするようにして、沢山の手紙が丁寧に積まれているのが見て取れる。

私の腰の高さくらいにまで積まれた手紙の塔の、一番上に手を伸ばした。
読み終わったばかりの手紙を塔の頂点に置く。
気が付けば、只の手紙の束が随分な高さになったものだ。

いつかは私の身長はおろか、この大木ですら越してしまうのだろうか。
有り得なくもなくなってきた妄想に、また再び笑みが零れる。
はっと我に返って横を見ると、白鳥は不思議そうに首を傾げていた。

何かを誤魔化すように咳払いをしてから、元の位置に戻り、再び木を背にしてゆっくりと座る。
私が手紙を読み終わるまで待っていてくれた白鳥もまた、ちょうど私と対面になる位置まで移動した。

芸術品のような神々しい輝きを纏いながらも、親近感のある白い羽毛が風に靡いている。
何かを問いかけるように、真直ぐで、優しい瞳がじっとこちらを見つめている。
「ありがとう、またお願いしますね」。
そう声をかけると、白い鳥は満足そうに目を細め、翼を大きく広げて飛び去っていった。

284名無しさん:2024/09/12(木) 23:32:23 ID:15QUJAJI0

雲の白さと鳥の白さが判別できなくなるまで、私は座りながら、空へと消えていく白い鳥を見送っていた。
いや、これもまた不正解な表現だ。私は恩人ならぬ、恩鳥とも言えるあの白鳥のことを考えていた訳ではない。見送るという言葉はきっと違う。
小さくなっていくあの白い鳥をただ呆と見つめながら、頭では別のことを考えていた。

この場所のことでも、あの白い鳥のことでも、最近見ている夢についてでもない。
今回来た手紙に対する、返事についてだ。

想いを文字にする為のペンはない。
返事を遺すための紙も、インクも、ポストだって此処にはない。

それでも言葉にしなければ。想いを、気持ちを、あの人に伝えなくては。
貴方の手紙はきちんと届いていましたと、全て読んだと、言わなくては。
いつかまた、ちゃんと彼に会えた時、何を話すか、考えておかなくては。


ここで目を開いている時はずっと、そんなことばかり考えている。

285名無しさん:2024/09/12(木) 23:33:00 ID:UQcVTCLU0
支援

286名無しさん:2024/09/12(木) 23:36:14 ID:15QUJAJI0

ふと、視界が狭まった気がした。

目を数回瞬かせてからようやく自覚する。また、夢の時間が来たのだ。
もう此処に来て長いが、この眠気と評すべきなのであろう感覚には未だに慣れない。

抗い難い感覚に身を任せるように目を瞑る。
意識を失うその直前、無意識に動いた右手の指が、左手の薬指に触れる。

以前の私は、只の髪飾りとして使っていた物。
全部終わってしまった後、あの人が、最後に私にくれた物。
なんの約束もしていないのに、何かを期待するみたいに、薬指に着けているもの。



少しひんやりとしている筈のそれが、どうしてか、泣きそうなくらいに暖かく思えた。



〜おしまい〜

287名無しさん:2024/09/13(金) 01:56:08 ID:JmpR4u4g0
>>279 訂正。以下が正しい本文です。



一瞬、誰かに呼ばれたような気がして、ゆっくりと目を開いた。

上を見上げると、ずっと私を支えてくれている大木が、沢山の緑を揺らしていた。
以前に目を覚ました時は、瞬きさえ億劫なほど、見事な桜を咲かせていたのに。
どうやらいつの間にかまた春が終わり、夏になっていたらしい。

眼前には、もうとっくに見飽きてしまった風景が変わらず広がっている。
いや、”見飽きた”という表現は些か正解に遠かっただろうか。
確かに飽きたは飽きたのだが、不快感や嫌悪感などはない。
例えるなら、恋人と一緒に暮らすようになって数年、朝起きた時に相手の寝ぼけた顔を見ても、同棲開始当初ほどのドキドキが湧かなくなったとか、そんな感じだ。

288名無しさん:2024/09/28(土) 01:09:12 ID:/meg9kwc0
乙乙
本編の世界線のキューちゃん…

289名無しさん:2024/11/05(火) 01:39:50 ID:rOhEjJU20

『寝顔』 10/99


ガチャ

( ,,^Д^)っ「ただいまー」

シーン

( ,,^Д^)「………ん?」

( ,,^Д^)「返事がない…。おーい、キュートー?」

( ,,^Д^)っ ガチャ

( ,,^Д^)「……あ」

o川*- -)oシーン

(; ,,^Д^)「……珍しい、寝てるのか?」

( ,,^Д^)「いや、スリープモードになってるだけか…簡易自動メンテだっけ?別に床で横にならなくたっていいのに」

290名無しさん:2024/11/05(火) 01:41:21 ID:rOhEjJU20

o川*- -)oシーン

( ,,^Д^)「…こうしてピクリとも動かないトコ見ると、本当にロボットなんだなって感じするな。呼吸してる様子もないし」

( ,,^Д^)「しかしタイミング悪かったな。せっかく早く帰ってこれたから、今日は外食でもと思ってたんだけど…」

( ,,^Д^)「早く帰るってメッセージ送ったのに返事がなかったのはこのせいか。ということは、結構長い時間スリープしてるんだな」

o川*- -)oシーン

( ,,^Д^)「…なんか、夢でも見てそう」

( ,,^Д^)「アンドロイドは電気羊の夢を見ないなんて言うけど…お前なら、夢だって見れそうだな」

( ,,^Д^)「………」   o(- -*川o

(^Д^,, ))) スタスタ  o(- -*川o

ガサゴソ    o(- -*川o

テクテク ((( ,,^Д^)っ□←毛布 

サッ…( ,,^Д^)っ□o(- -*川o

( ,,^Д^)「最近寒くなってきたしな。大丈夫なのは分かってるけど…一応」

291名無しさん:2024/11/05(火) 01:42:52 ID:rOhEjJU20

o(- -*川oシーン

( ,,^Д^)「…」

( ,,^Д^)「………」

( ,,^Д^)っ□<パシャ □o(- -*川o

(* ,,^Д^)「なんだかんだ、キュートが寝てるトコなんて普段見れないしな。レアショットだ」

( ,,^Д^)「…」

( ,,^Д^)「……」

( ,,^Д^)「………いつも、ありがとうな。キュート」

□o(- -*川o

( ,,^Д^)「社会人になってからも、たまに喧嘩しても、いつも一緒にいてくれること、感謝してる」

( ,,^Д^)「…ごめんな。寝てる時に、ずるいよな」

( ,,^Д^)「ちゃんといつか面と向かって言うから、もうちょい、待っててくれな」


□o(- -*川oシーン

292名無しさん:2024/11/05(火) 01:44:02 ID:rOhEjJU20

(; ,,^Д^)「………さて、どうするかな」

(; ,,^Д^)「今日は俺が夕飯作るか…いや、勝手に冷蔵庫の材料使いたくはないな。それで前に『食べさせたい料理があったのに!』ってちょっと怒られたし」

( ,,-Д-)「とはいえ、こういう日くらいは何か俺も家事をしたい……」

( ,,-Д-)ウーン

( ,,^Д^)「…よし、無難に掃除でもするか。この前、スーパーの福引で当てた最新型掃除機、俺もちょっと使ってみたいし」

Σ(; ,,^Д^)「……って、あ。しまった」

□o(- -*川oシーン

(; ,,^Д^)「キュートを移動させないと…っていうか、最初からベッドに運べば良かったのか」

( ,,^Д^)「毛布ごと運ぶか。ごめんなキュート、ちょっと触るな」

ギュッ( ,,^Д^)っ□o(- -*川o

ググッ(( ,,^Д^)っ□o(- -*川o

グググッ((; ,,^Д^))っ□o(- -*川o

グググググッッ(((; ,, Д )))っ□o(- -*川o

((; ,, Д ))ゼェハァ

(; ,, Д )「………!?」

293名無しさん:2024/11/05(火) 01:44:39 ID:rOhEjJU20

(; ,,^Д^)「…………お、重っっ……!?!?」

(; ,,^Д^)「え?は?山……???ま、まじで動かん…!!」

グググッ((; ,, Д ))っ□o(- -*川o

((; ,, Д ))ゼェハァ □o(- -*川o

グググググッッ((; ,, Д ))っ□o(- -*川o

(; ,, Д )ゼェゼェ

(; ,, Д )ハァハァ

□o(- -*川oシーーーン

(; ,, Д )「……………………」

294名無しさん:2024/11/05(火) 01:49:33 ID:rOhEjJU20


〜1時間後〜


o川*- -)oシーン

o川*- -)oサイキドウシマス

o川*゚ー゚)oパチッ

\o川*>ー<)o/ノビー「う〜〜ん、よし!簡易セルフメンテおしまい!」

o川*^ー^)o「変なバグもボディの不調もなし!私ったら全く高性能ですね〜〜!」

Σo川;゚―゚)o「…ありゃ、もうこんな時間!早く夜ご飯の準備しなきゃ…!」

o川*゚ー゚)o「………ん?」



((; ,, Д ))  「きゅう、じゅう…なな……きゅうじゅう、は、ち……」
;U;    ;U;プルプル


o川;゚―゚)o「マ、マスター……?」

((; ,, Д )) 「お、おう、キュート…おはよう……」
;U;    ;U;


o川;゚―゚)o「な、何をなさってるんです?」

((; ,, Д )) 「い、いや……ちょっと、筋トレを…」
;U;    ;U;


((; ,, Д ))「……うぐっ!」バタッ

o川;゚Д゚)o「大丈夫ですか!?というかどうしていきなり筋トレ!?」

(; ,, Д )「だ、だいじょうぶ、ありがと…」

295名無しさん:2024/11/05(火) 01:54:24 ID:rOhEjJU20

(; ,, Д )「…ごめん、先に風呂入るわ。今日は先に入るけど、ごめんな」

o川;゚ー゚)o「は、はい…構いませんけど……あっ、じゃあ沸かして…」

(; ,, Д )「いや…さっき、お湯張ったから…大丈夫……」

o川;゚ー゚)o「とても大丈夫には見えませんが…」

(; ,, Д )「………キュート」

o川*゚ー゚)o「はい?」

(; ,, Д )っo(゚ー゚*川oギュッ

o(゚ー゚*川o「……へ?」

(; ,,^Д^)「俺、頑張るから」

(; ,,^Д^)「いつか絶対、ちゃんとお前のこと、支えられるようになるから」

(; ,,^Д^)「…もうちょっとだけ、待っててくれ。ごめんな」

o(゚ー゚*;川o「………ふぇ」

o(゚ー゚*;川o「……………」

o( ー *;川o「は、はい………」

(; ,,^Д^)「…じゃあ、先に風呂入ってくる。今日だけごめん」

(^Д^,, ;))) スタスタ

296名無しさん:2024/11/05(火) 01:58:50 ID:rOhEjJU20

o川;*゚ー゚)o「……」

o川;*- -)o「……」


『警告:熱暴走感知』

『異常な温度上昇、思考伝達経路でのエラーを検知・各機構には異常なし』

『接触部分及びコアに高熱発生・解析結果、原因不明・外部によるメンテナンスを推奨――』


o川;* ー )o「……うるさいうるさい」

o川;* ー )o「……」

o川;* ー )o「………」

o川;* ー )o「…………もぅ」


o川;* Д )o「…変なこと言わないでくださいよ〜〜!!も〜〜!!!」


〜おしまい〜

297名無しさん:2024/11/06(水) 00:05:39 ID:dteun8y20
乙乙
二人ともかわいい

298名無しさん:2024/11/06(水) 09:29:10 ID:3ASv0bAg0
おつ
いつもは一番風呂をキューちゃんに譲ってるっぽいとこ好きよ

299名無しさん:2024/11/11(月) 23:59:56 ID:SosoGLzI0
乙乙
Mikunologieという曲を思い出した

300名無しさん:2025/02/05(水) 00:23:45 ID:weoU8Y8o0

『節分』 11/99


o川*゚ー゚)o(今日は2月2日。例年と違って1日ズレたらしいですが、世間では”節分”と呼ばれる日)

o川*゚ー゚)o(そして節分とはそう!美味しい豆と恵方巻が食べられる日!)

o川*゚ー゚)o(軽く塩を振って味付けした豆も、朝から一生懸命作った恵方巻もたくさんある!準備万端!)

o川*゚ー゚)o(豆まきの掃除も終わったし、ここからいよいよ本番ですよ…!)

o川*^ワ^)o「マスター!こっちはお掃除おしまいです!さっそく豆と恵方巻食べましょ〜!」

(li ,,^Д^)ズーン「………」

o川*゚ー゚)o「……? マスター、どうかなさいましたか?」

(li ,,^Д^)「……まさか豆まきで壁がボコボコになるとは思わなかったなって…」

o川*゚ー゚)o「あー…そうですねぇ。まったく、ちょっと豆を投げたくらいでへこむ壁なんてこのマンションの脆弱性にも困ったものですね!」

(li ,,^Д^)「いや、お前が投げ……やっぱなんでもない…」

o川*^ー^)o「まぁまぁ、壁は業者さんに頼めば直せますから!それより早くご飯食べましょう!」

(; ,,∩Д-)「あぁ〜…これで敷金いくら吹っ飛んだんだ……」

301名無しさん:2025/02/05(水) 00:26:00 ID:weoU8Y8o0

( ,,^Д^)「……よし。キュート、豆渡すぞー」

o川*^ワ^)oっ「はーい!たくさん下さい!マスター!」

( ,,^Д^)「たくさんって、節分の豆は年の数だけ……」

( ,,^Д^)(……まてよ?キュートって確か…)

( ,,^Д^)「……」

( ,,^Д^)っ...「はい」

o川*゚ワ゚)oっ...「わーい!やったやった…!」

o川*゚ー゚)oっ...「……って、え?」

o川*゚ー゚)oっ...「………」

o川*゚"ー゚)oっ...「……なんですか、このたった三粒の豆…」

302名無しさん:2025/02/05(水) 00:32:11 ID:weoU8Y8o0

( ,,^Д^)「いや、節分って年の数と同じだけ豆を食べるって風習なんだけどさ」

( ,,^Д^)「キュートって確か稼働してまだ3年とかだろ?それなら3粒が正しいのかなって」

o川#゚Д゚)o「え、え、え〜〜!?なんですかその理論は!横暴です!」

o川#゚ー゚)o「それなら、これからはどこか遊びに行ったとき私の分はぜ〜んぶ子供料金ですからね!公共の場でもマスターの前で”私は3歳だから安くしろ”って騒ぎまくりますよ!いいんですね!?」

(; ,,^Д^)「わ、分かったわかった!冗談だって!ほら、たくさん食べな!」

o川#- -)o「……もう、お茶目な意地悪やめてくださいよ!まったく…」

o川*゚Д゚)oっ□ガバー←豆を全て流し込む音

o川*゚〜゚)oバリバリモグモグ

o川*゚ワ゚)oオイシー!

( ,,^Д^)「いや全部食べていいとは言ってないが」

303名無しさん:2025/02/05(水) 00:37:41 ID:weoU8Y8o0

(; ,,^Д^)「そろそろ恵方巻を…うわ。また随分たくさん作ったな」

o川*゚ー゚)o「海苔巻いたりするのが結構楽しくてつい…」

o川*゚ー゚)o「左からスタンダードな太巻きに、赤身と中トロとタタキを使った鉄火巻、アボカドをメインにしたサラダ巻きと、一番奥のはヒレカツ巻きです!どれも自信作!」

( ,,^Д^)「俺が知らない恵方巻が存在している…」

o川*゚ー゚)o「今は海鮮系以外の恵方巻も当たり前らしいですよ」

( ,,^Д^)「じゃあええと、今年の方角は…?」

o川*゚ー゚)o「今年は西南西なので、あっちですね。ちょうどマスターのお背中側です」

(; ,,^Д^)「うわ、じゃあ何もない壁見ながら食べなきゃいけないのか…。まぁ一本だけやって、後は普通に食べるとするか」

( ,,^Д^)っー「よし。じゃあ、いただきま――」


( ,,^Д^)っー o(゚ー゚*川oヨイショ

( ,,^Д^)っー o(゚ー゚*川oジー

(; ,,^Д^)「………」

o(゚ー゚*川o「………」

304名無しさん:2025/02/05(水) 00:41:18 ID:weoU8Y8o0

(; ,,^Д^)「………」

(; ,,^Д^)「……あの、キュート?なんでわざわざ俺の前に…?」

o(゚ー゚*川o「お気になさらず。ささ、恵方巻をどうぞ!」

(; ,,^Д^)「あぁ、うん、ありがと……」

(; ,,^Д^)っー o(゚ー゚*川oジー

(; ,,^Д^)「…………」

ギュッ⊂o(゚ー゚*川o「ほらマスター、ちゃんと正しい方角を向いたままじゃないと!支えておいてあげますねっ!」

(; ,,^Д^)(か、顔を両手で掴まれて動かせない、食べにくっ…!)

o(゚ー゚*川o「あ、喋っちゃダメですよ?動かず、静かに、ゆっくりです」

o(゚ー゚*川o「恵方巻はまだまだ沢山ありますから、そのままず〜〜っと……」


o(^ー^*川o「私(こっち)だけ見ててくださいね?マスター♪」


〜おしまい〜

305名無しさん:2025/02/05(水) 00:44:27 ID:weoU8Y8o0
「夜遅くなら半額シール貼られた恵方巻買えるぜヒャッホウ」という天才的アイデアを思いつき仕事帰りに意気揚々とスーパーへ赴いたのですが、閉店間際のお寿司コーナーには自由に持ち帰りOKと書かれた無料のガリと醤油しか残ってませんでした。
美味しい恵方巻が食べたかった…。

306名無しさん:2025/02/05(水) 01:23:24 ID:S9v.C5kY0
うれしい

307名無しさん:2025/02/06(木) 09:21:58 ID:DnSW9PtI0
久々おつ
ヤンデレ一歩手前みたいなキューちゃんかわいい

308名無しさん:2025/02/11(火) 21:22:44 ID:564Sv8CI0
乙乙
サラダ巻き助かる

309名無しさん:2025/02/11(火) 23:24:04 ID:vS/ecVIA0
多忙アピ有能アピ乙

310名無しさん:2025/02/13(木) 16:03:46 ID:.vg1mlqs0
>>309
どういうつもりで書きこんだんだよ消えろやゴミ
これで更新止まったら首つって詫びろ

311名無しさん:2025/02/13(木) 20:00:16 ID:Em8xL8qA0
>>310
かげき

312名無しさん:2025/02/16(日) 22:38:20 ID:uqgVXbJk0
負けんなよ、なんも気にすんな
99まで続けてくれ

313名無しさん:2025/03/10(月) 02:32:49 ID:6kGwVXcc0

『バレンタイン』 12/99


〜とあるデパート〜

ガヤガヤ ガヤガヤ

(;,,^Д^)「……ミスったなぁ」

(;,,^Д^)(軽い気持ちでバレンタインの催事に来たけど…めっちゃ居づらいな…)

(;,,^Д^)(どこもかしこも忙しそうな女の人ばっかだし、来るの失敗だったか…?)

(゜д゜@#「ちょっと!邪魔よ退いてっ!!」ドンッ

Σ(;,,^Д^)「うわっ!す、すいません…!」ビクッ

(;,,^Д^)(ゆっくりチョコ見るのも無理だ…落ち着くまで隅っこに避難しよう)

(^Д^,,)))スタコラ

(;,,-Д-)「……う〜〜ん」

(;,,^Д^)っ□(催事のマップ貰ったけど全然分からん……)

(;,,^Д^)っ□(ええと、あの店があっちで…ん?違うか?この店の名前はそもそもなんて読むんだ?)

(;,,^Д^)(キュートと一緒に来た方が良かったな…う〜んどうしたもんか……)

「……あれ、猫田先輩?」

(,,^Д^)「ん?」


ハソ;* ゚-゚リ「……き、奇遇、ですね」

314名無しさん:2025/03/10(月) 02:33:30 ID:6kGwVXcc0

(,,^Д^)「雪野さん…!?お疲れ様、会社の外で会うの珍しいね」

ハソ;* ゚-゚リ「そ、そうですね…お疲れ様です」

ハソ;* - -リ(ま、まさか先輩とバッタリ会っちゃうなんて…!いやラッキーだけど……わ〜!)

ハソ ゚-゚リ「先輩も、バレンタインのチョコレート買いに来たんですか?」

(,,^Д^)「まぁ…でもどれを買えばいいのか全然分かんなくてさ」

(,,^Д^)「人も多いし、一旦隅に避難してたんだ。雪野さんは?」

ハソ ゚-゚リ「わ、私も同じで……ちょうどさっき買ってきたんです」

ハソ;* - -リ(厳密には買ったというか、予約してたチョコを受け取ったところなんだけど…)

ハソ ゚-゚リ「先輩はその…どこのチョコを買うかとか決まってるんですか?」

ハソ* ゚-゚リ(せっかく会えたんだし、もうちょっとお話したい!)

(,,^Д^)「いやぁそれが全然…この人混みじゃゆっくり見るのも難しくてさ」

ハソ; ゚-゚リ「そ、そうですよね……」

315名無しさん:2025/03/10(月) 02:34:01 ID:6kGwVXcc0

ハソ; ゚-゚リ「……よ」

ハソ; ゚-゚リ「よかったら、選ぶのお手伝いしましょうか?」

(,,^Д^)「え?」

ハソ;* ゚-゚リ「そ、その、私結構チョコとか好きで!ご迷惑でなければ…その、いつものお礼と言いますか!」

ハソ; ゚-゚リ(ななな何言ってるの私!プライベートでも同僚と行動するなんて嫌がられるって!)

(,,^Д^)「……じゃあ、お願いしていいかな?」

ハソ; ゚Д゚リ「ほぇ!?!?」

(;,,^Д^)「え、や、やっぱダメだった?」

ハソ; ゚-゚リ「い、いえ!精一杯やらせていただきます!」

(,,^Д^)「いや、そんなに肩肘張らなくていいけど…」

(,,^Д^)「普段も合わせて申し訳ないんだけど、今回も頼りにさせてもらうよ。ありがとう」

ハソ;* ゚-゚リ「は、はい!」

ハソ* ゚ワ゚リ(……やったぁ!)

316名無しさん:2025/03/10(月) 02:35:36 ID:6kGwVXcc0

ハソ ゚-゚リ「……で、ここのは入れ物が可愛くて、あっちのは量が多くて…」

ハソ ゚-゚リっ□「個人的な好みですけど、一番美味しいと思うのはこのブランドのですね!値段は結構張りますがバレンタイン限定のチョコも入ってる組み合わせでオススメです!」

(,,^Д^)「ふむふむ……あれ?なんかこっちには和風な感じのチョコがある」

ハソ ゚-゚リ「あ、それは京都にあるショコラトリーのですね。毎年この時期だけ東京でも買えるんです」

(,,^Д^)「へぇ…雪野さん、チョコ詳しいんだね」

ハソ; ゚-゚リ「い、いえ…それほどでもないですよ」

ハソ;* - -リ(先月からめちゃくちゃリサーチしてただけとは言えない……)

ハソ ゚-゚リ「先輩はどういうチョコがいいとかありますか?量が多いとか、見た目が個性的とか…」

ハソ; ゚-゚リ(…てか、私も聞いてから買えば良かったんだ!しまった〜!)

(,,^Д^)「う〜ん……ふわっとして申し訳ないんだけど、強いて言うなら美味しいやつかな。普通じゃ買えないような…何というか、特別な感じの」

(,,^Д^)「何あげても美味しそうに食べるんだろうけどさ、やっぱりこういう時くらい良いやつ用意したいんだ」

ハソ; ゚-゚リ「………え」

317名無しさん:2025/03/10(月) 02:36:34 ID:6kGwVXcc0

(,,^Д^)「うん?どうかした?」

ハソ; ゚-゚リ「い、いえ……」

ハソ; ゚-゚リ「…その、先輩が食べるんじゃなくて、あの……」

ハソ; - リ「……どなたかに、あげるチョコなんです…か……?」

(,,^Д^)「そうだよ。まぁやっぱ、男が人にあげる側になるってのはおかしいかなとも思ったけど……」

ハソ; ゚-゚リ「そ、そんなことは…!海外だとバレンタインって男性が贈る側のイベントだって聞きますし、おかしくないですよ!」

(*,,^Д^)「…だよね、ありがとう」

ハソ; ゚-゚リ「い、いえ……」

ハソ; - リ(………先輩、チョコあげたい人、いるんだ…)

318名無しさん:2025/03/10(月) 02:37:56 ID:6kGwVXcc0

〜20分後〜

(;,,^Д^)「……待たせてごめん!レジめっちゃ混んでて…!」

ハソ; ゚-゚リ「い、いえ大丈夫です!それで、どのチョコにしたんですか?」

(,,^Д^)っ□「迷ったんだけど…結局、雪野さんが一番オススメしてくれたコレにしたよ」

ハソ; ゚-゚リ「えっ!?そ、それ結構高いブランドのチョコですけど、大丈夫なんですか…!?」

(,,^Д^)「まぁぶっちゃけ予算オーバーだったけど…買ったのはこれ一個だけだし」

(,,^Д^)「色々アドバイスくれてありがとう。本当にめちゃくちゃ助かったよ」

ハソ; ゚-゚リ「い、いえ……」

ハソ; - リ「……あ、あの、先輩」

(,,^Д^)「ん?」

ハソ; ゚-゚リ「その……どんな人、というか…どういう関係の人に、あげるんですか?」

ハソ; - リ「もしかして、あの…彼女さん、とか……?」

ハソ; ゚-゚リ(き、聞いちゃった!いきなり何プライベートに突っ込んでるの私!)

(,,^Д^)「彼女…?いや、違うけど。そもそもいないし」

ハソ;* ゚ワ゚リ「あ…そ、そうですか…!」ホッ

ハソ; ゚-゚リ(やばい明らかにホッとしちゃった!)

319名無しさん:2025/03/10(月) 02:38:48 ID:6kGwVXcc0

(,,-Д-)「しかし、どういう関係か……う〜ん…」

(,,^Д^)「……家族かな。血が繋がってる訳じゃない…ってか、それ以前の話だろうけど」

ハソ ゚-゚リ「……? 親戚の方ですか?」

(,,^Д^)「…うん。まぁ、そんな感じかな」

(,,^Д^)「そういえば、雪野さんは誰にチョコを?お姉さんに買ったの?」

ハソ; ゚-゚リ「えっ?あ、いや私はその…姉にも買いましたけど…」

(;,,^Д^)「……あっごめん、プライベートなこと聞いちゃって」

(,,^Д^)「今日は本当にありがとう!じゃあ、また会社で!」

ハソ; ゚-゚リ「あっ……」

(^Д^,,)))テクテク

ハソ; ゚-゚リ(……!)

320名無しさん:2025/03/10(月) 02:40:11 ID:6kGwVXcc0

ハソ; ゚Д゚リ「……あ、あのっ!!」

((,,^Д^)「……ん?」クルッ

ハソ; ゚-゚リ「そ、その……よ」

ハソ; - リっ□「よ、よ……よかったら……コレ…」

(;,^Д^)っ□「……え、俺に?」

ハソ; ゚-゚リ「い、いつもその、沢山お世話になってるので…ご迷惑でなければ…!!」

(,,^Д^)「………」

(;,^Д^)「…あ、ごめん。まさか会社の人から貰えるとは思ってなかったから吃驚しちゃって…」

(*,,^Д^)「…ありがとう。大事に食べるよ」

ハソ;* ゚ワ゚リ「は、はい…!」

ハソ; ゚-゚リ「…じゃじゃ、じゃあ、私はこれで!あの、またその、会社で!失礼します!」

ピュー三ハソ;* >-<リ

(;,^Д^)「あ、うん、また……足速いな…」


ハソ;* >-<リ(わ、わたせた!渡せた!渡しちゃったよ〜!!)

321名無しさん:2025/03/10(月) 02:41:36 ID:6kGwVXcc0

〜その日の夜、マンション〜

ガチャ

(,,^Д^)っ「ふぅ……ただいまー」

三o川*゚ワ゚)o「おかえりなさいマスター!今日はですね、ちょっと特別なものが…!」

(,,^Д^)「あ、キュート。今少しだけ話いいか?」

o川;*゚ー゚)o「へ?お話って…も、もしやついにお仕事を辞める決心が!?」

(;,^Д^)っ□「いや全然違うけど……はい、これ」

o川;*゚Д゚)oっ□「はぁ……えっ!こ、これって!?」

(*,,^Д^)「俺から渡すのっておかしいかもしれないけど……バレンタインのチョコ」

o川;*゚ワ゚)oっ□「わ、わぁ…!ありがとうございます!!い、今すぐ後生大事に冷凍保存してきますね!!」

(,,^Д^)「いや食べてくれると嬉しいんだけど」

□⊂o(゚ー゚*;川o三ダッシュ

(;,^Д^)「はっやっ……まぁ、喜んでくれたならいいか」

322名無しさん:2025/03/10(月) 02:42:43 ID:6kGwVXcc0

o川*>ー<)o(ま、まさかマスターからチョコを貰えるなんて…!嬉しすぎて出力バグっちゃいそうです〜!!)

o川*゚ワ゚)o(そうだ!忘れないうちに私もアレを出しとかないと…!)

(,,^Д^)っ□「キュート、悪いんだけどコレも冷蔵庫に入れといてくれるか」

o川*゚ワ゚)o「あ、はーい!貰います……ね…」

o川*゚ー゚)oっ□

(^Д^,,)「じゃ、俺は夕飯の前に軽く浴槽洗ってくるから……」

三o川* ー )o「お待ちくださいマスター」シュイン

(;,^Д^)「うおっ!?しゅ、瞬間移動……!?」

323名無しさん:2025/03/10(月) 02:43:49 ID:6kGwVXcc0

o川* ー )oっ□「……マスター、なんですかこの女性が異性に渡しそうな包装で包まれたチョコレートは」

(,,^Д^)「ん?あぁ、今日デパートで貰ったんだよ」

o川* ー )o「………もらった?」

(,,^Д^)「催事でたまたま会社の後輩に会ってさ。いつも仕事頑張ってる子で…普段のお礼ってことで貰えたんだ」

(,,^Д^)「まぁどっちかっていうと、いつも俺の方が助けられてばかりなんだけどさ」

o川* ー )o「……」

(*,,^Д^)「他意はないってのは分かってるけど…正直ドキッとしたよ。なんだかんだこういうのって何歳になっても嬉しいもんなんだな」

o川* ー )o

o川* ー )oビビ ガガ

o川*゚ー゚)o

o川#゚ー゚)oカチン

324名無しさん:2025/03/10(月) 02:44:48 ID:6kGwVXcc0

(,,^Д^)「ん…?なんか変な音したけど、どうした?」

o川* ー )o「……実はですねマスター、私からもあるんです。バレンタイン」

(*,,^Д^)「えっ本当か!ありがとなキュート、一体どんなチョコで……!」

o川* ー )oっ□□□ドンッ

(;,^Д^)「……えっ」

o川*゚ー゚)o「どうぞ。左からガトーショコラ、ショコラ・オランジュ、ザッハトルテの三品です」

(;,^Д^)「…い、いや、その……多くないか…?」

o川*゚ー゚)o「マスターに喜んで欲しくて一生懸命作りました。マスター、スイーツお好きですよね?」

(;,^Д^)「そりゃ人並みに好きだけど……その、量が…えっと……」

325名無しさん:2025/03/10(月) 02:48:55 ID:6kGwVXcc0

o川*゚ー゚)o「さ、遠慮なくお召し上がりください」

(;,^Д^)「……あ、明日食べようかな!今日はもう夜だし、夕飯がスイーツだけってのはさ…!」

o川*゚ー゚)oっψ「遠慮なくお召し上がりください」

(;,^Д^)「いやそんな無表情のまま無理やりフォーク渡されても……」

o川*゚ー゚)o「遠慮なくお召し上がりください」

(;,^Д^)「……ちょ、キュ、キュート!?話を……!!」

o川*゚ー゚)o「迅速にお召し上がりください」

o川*゚ー゚)o「一番にお召し上がりください」

o川*゚ー゚)o「私からのチョコを、なにより、先に」

(;,^Д^)っψ「………」

o川* ー )o「さ、ほら、どうぞ遠慮なく」


o川*^ー^)o「――ハッピーバレンタインですよ、マスター!」ニコッ


〜おしまい〜

326名無しさん:2025/03/10(月) 02:51:34 ID:6kGwVXcc0
ハソ ゚-゚リ
雪野なち
本編の正史ルートならタカラ君の後輩ではなく同期。

ホワイトデー当日まではバレンタインシーズンみたいなものなのでセーフ。

327名無しさん:2025/03/16(日) 18:56:44 ID:j71zLv8Y0
乙乙
バレンタインなんて都市伝説だから

328名無しさん:2025/03/16(日) 23:28:44 ID:TFmClig20
おつ
タカラくん?浮気か…?

329名無しさん:2025/03/20(木) 01:14:44 ID:ScG.0fDE0
乙乙来てた
チョコの催事場はブランド分からなすぎてガイドがいたら絶対助かる。
ケーキがホールじゃなくてピースであるように祈るばかりだ

330名無しさん:2025/04/19(土) 18:06:55 ID:F8KpKhr20
誰ももとめてないのにまだかいてんの?
某みたら?みんな迷惑してるよ
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/16305/1700919595/l30

331名無しさん:2025/04/19(土) 22:06:57 ID:.AGQaqOE0
ライン越えだろ流石に
余計なことすんなよ

332名無しさん:2025/04/20(日) 20:28:13 ID:dH6ZAtxA0
闇じゃん よくまだ書けるな

333名無しさん:2025/04/20(日) 21:35:26 ID:Q24Y5gpg0
我慢させられ続けた結果狂ったんだろ
そもそも既にファの某スレで某へのヘイトで大盛り上がりしてたから今更驚かない
連中も陰口が苦情に変わって浮かばれるんじゃないの?

334名無しさん:2025/04/20(日) 22:39:21 ID:WfhSdoh60
Xでもいなくなったのいいことに叩いてた奴らいっぱいいたしもうやめていいよ

335名無しさん:2025/04/21(月) 13:21:38 ID:jnUzFbLo0
あーもうめちゃくちゃだよ

336名無しさん:2025/04/21(月) 18:17:14 ID:40Tg9GMM0
>>334
そんなの書いた覚えない
作者全体への誹謗中傷だ

337名無しさん:2025/04/21(月) 18:22:45 ID:A9I0R5Ts0
なんで作者限定なの

338名無しさん:2025/04/21(月) 19:05:07 ID:40Tg9GMM0
その言葉で板の作品にまで偏見持たれた場合被害被るのは作者
更新だと思って来た
待ってる

339名無しさん:2025/04/21(月) 22:34:23 ID:XRqpf0Iw0
お前の好きだった絵師は肩持って一緒になってお前の批判してたよとだけ

340名無しさん:2025/04/21(月) 23:22:44 ID:tAxVnyo60
>>339
それ複数いなかったか?
誰誰

341名無しさん:2025/04/22(火) 22:02:22 ID:HcRz2oCY0
更新きたかと思ったらぜんぜん違った何これ…
気にしないで書いてね、待ってる

342名無しさん:2025/04/22(火) 23:15:09 ID:.etx7bqk0
自分のことしか考えてないと段々と気づいていったからこの作者にも一定の理解を持とうという気力も削がれた
これから優しくしようという読者はまあ、頑張れ

343名無しさん:2025/04/23(水) 11:59:33 ID:GIHc.HA20
んなことわざわざここに書かんでも

344名無しさん:2025/04/23(水) 13:48:41 ID:lIYJNMSg0
>>340
吹奏楽

345名無しさん:2025/04/23(水) 14:11:07 ID:lL0HKDmc0
ああ、こうやって支援絵を描く貴重な読者を次々弾いてきたんだな…。

346名無しさん:2025/04/24(木) 11:54:10 ID:l2ysMzPE0
>>342
どうせ最初から理解する気もなかっただろ
ケチつけたいだけのゴミが失せろ

347名無しさん:2025/05/10(土) 01:27:14 ID:uDRIc5aM0

『お土産』 13/99


〜北海道の空港〜

(,,^Д^)「この空港めちゃくちゃ広いな……札幌まで行かなくても、ここで全部済むんじゃないか?」

(,,^Д^)(東北だけの出張かと思いきや、そのまま急に北海道まで行かされるなんて…結局ぜんぜん観光とかも出来なかったんだよなぁ)

(,,^Д^)(でも、まさか飛行機が二時間遅れになるなんてな。北海道の交通機関がこんなに乱れやすいなんて知らなかった……)

(,,^Д^)「……ん?」

『北海道おすすめ土産はこちら』

(,,^Д^)「お土産……あ、そういえば何にも買ってないな。キュートに何か買って帰らないと」

(,,^Д^)「飛行機が遅れるからって空港の人からクーポン貰えたし、どうせ時間あるし…ちょっと見に行くか」

(((,,^Д^)テクテク

348名無しさん:2025/05/10(土) 01:29:13 ID:uDRIc5aM0

(,,^Д^)「うーん……やっぱりスイーツとか、お菓子系が多いな。正直どれもそんなに高くないし、値段以上に美味しそうではあるけど」

(;,,^Д^)「……いや、種類が豊富すぎる!どういうのを買うべきなんだ!?」

(;,,^Д^)「このお菓子は物珍しさがない気がするし…あのチーズケーキは美味しそうだけど、確か東京でも買えるんだよな」

(;,,-Д-)「アイスは持って帰れないし、あのクッキー缶もありきたりな感じするし、うーむ、どうするか…」

<オッオー!

(,,^Д^)「……うん?」

[ ^ω^]「お土産いかがですかおー!北海道でしか買えない限定品!飛行機に乗る前に要チェキですおー!」

(,,^Д^)「あ、またあのロボットだ。もう最近は全国どこでも見かけるな」

三[ ^ω^]ブーン「そこのおにーさん!お土産を探し中ですかお?」

(;,,^Д^)ビクッ「うおっやっぱ来た!こんなスピードで空港内走るの普通に危ないだろ…」

349名無しさん:2025/05/10(土) 01:31:09 ID:uDRIc5aM0

[ ^ω^]「北海道みやげの食べ物はどれもハズレがないお!どういう感じのをお求めですかお?」

(,,^Д^)「うーん……まぁ美味しければなんでもいいんだけど、出来ればこう、特別感のあるやつがいいかな」

[ ^ω^]っ□「となると、こういうのは如何ですかお!」

(,,^Д^)「なんか書いてる……『空港限定』?」

[ ^ω^]「そう!この空港は北海道の有名なお店が集まってるんだけど、定番商品に加えて空港限定のレアな商品もたくさん取り揃えてるんだお!正真正銘、他の場所はおろか、北海道でも中々買えない特別なお土産だお!」

[*^ω^]「例えばこの牛乳トリュフチョコ!あの有名な北海道のショコラトリーが、北海道産の新鮮な牛乳を厳選して作ったチョコだお。見た目も可愛いし、値段もお手頃!」

(,,^Д^)「へぇ、確かに美味しそうだな」

[ ^ω^]っ○「よかったらどうぞ!味見だお!」

(;,,^Д^)「商売上手だ…俺より営業上手いんじゃないか?」

(,,^Д^)モグモグ

(*,,^Д^)「……おっ!確かに美味しい!お土産のお菓子特有の安っぽさがないし、表面の固さと中のまろやかさが丁度いいな!」

[ ^ω^]「他にも、これはフロマージュのケーキが有名なあのお店が作ったクランチチョコで、これは空港限定のふわふわチーズケーキ、あとは焼きたてアップルパイとかもあって……」

(*,,^Д^)「ほうほう…!!」

350名無しさん:2025/05/10(土) 01:32:03 ID:uDRIc5aM0

〜午後十時 東京〜


o川#゚ー゚)o「………遅い!!」

o川#゚ー゚)o「なんですか!出張の延期に、更には飛行機の遅延って!いくらなんでも遅すぎです!」

o川#゚皿゚)o「連絡も全然ないし、私のメッセージにも返信ないし!今日はデパートでやってたフェアで、面白いものたくさん買ってきたというのに!見せるの楽しみにしてたのに!」

o川#- -)o「なるほどこれが出張…理解しました、もう二度とさせません!これからはマスターの仕事用のスマホにもハッキングして、動向を完全にチェックできるようにしておかないと!」

<ガチャ タダイマー

o川#゚ー゚)o「あ、やっと帰ってきた!」

ピュー三o川#゚ー゚)o

351名無しさん:2025/05/10(土) 01:33:08 ID:uDRIc5aM0

o川#゚ぺ)o「おかえりなさい…遅いですよマスター!飛行機降りたとか後どれくらいとか、そういう報告は逐一してくれないと!」

(;,,^Д^)「ごめんごめん、ただいまキュート。タクシーも全然捕まらなくてさ」

(*,,^Д^)「…でも、ほら!お土産たくさん買ってきたからさ、見てくれよ!」

o川*゚ワ゚)o「えっお土産…!?も、もうマスターったら、そんなので私が絆されると思ったら大間違いで……」

o川;゚ー゚)o「………って、あれ、これ、全部……?」

(*,,^Д^)「そう、北海道土産!いやぁ、東北からそのまま北海道にも行けって言われてさ」

(*,,^Д^)っ□「しんどかったけど、良いお菓子とかめっちゃ買えたんだよ!例えば、このチョコとかは空港限定で、こっちのクッキーは北海道でしか買えなくて……」

o川;゚ー゚)o「……マスター」

(,,^Д^)「ん?どうしたキュート」

o川;゚ー゚)o「………ちょっと、コレを」

o川;゚ー゚)oっ□□□ドンッ

(,,^Д^)「……はい?」

352名無しさん:2025/05/10(土) 01:35:06 ID:uDRIc5aM0

(;,,^Д^)「えっ…なんか、この前も似たような光景見た気がするんだけど」

o川;゚ー゚)o「そのですね…今日ちょっとデパート寄ったら、"北海道フェア"ってのがやってまして」

o川;゚ー゚)o「普段なら北海道以外で絶対販売されないチョコとかケーキとかもあって……つい、たくさん買っちゃって」

(;,,^Д^)っ□「……おい、このチョコとか、めちゃくちゃ見覚えあるんだが」

o川*゚ー゚)oっ□「そっちに入ってるクッキーも、こっちに同じのが……」

(;,,^Д^)「……」

o川*゚ー゚)o「……」

(;,,^Д^)「……」

o川*゚ー゚)o「……マスター、次からは、こまめな連絡をお願いします」

(;,,^Д^)「………はい。すいませんでした……」


〜おしまい〜

353名無しさん:2025/05/10(土) 12:18:36 ID:MqJ6wgtU0

おみやげあるある

354名無しさん:2025/05/14(水) 20:17:10 ID:TXQTfnIs0


355名無しさん:2025/05/14(水) 23:57:03 ID:KZiw8F0E0

『マリオカート』 14/99


o川*゚ー゚)o「あ〜〜〜〜暇ですねぇ」

o川*゚ー゚)o「録画したドラマも見終わっちゃったし、夜ご飯の準備も終わっちゃったし…こんなに暇なの久々です」

o川*- -)o「やっぱりネトフリ登録するべきですかね。でもマスターがなぁ。アマプラじゃ足りないって何度も言ってるのに…」

o川*゚ワ゚)oハッ「……あ、そうだ!こういう時は!」

o(゚ー゚*川o三ダッ

ガサゴソ

o川*゚ワ゚)oっ□「……あった!ゲーム機!暇な時こそゲームですよね〜!」

356名無しさん:2025/05/15(木) 00:06:39 ID:fuoI/clc0

o川*゚ぺ)o「さて、なんのゲームやりましょうかね。この前は確かインク出すゲームやったから…」

o川*゚ー゚)o「パズルゲームは絶対勝つからつまんないし、出来れば対戦系のやつがいいなぁ」

o川*゚ー゚)o「あ、『マリオカート』…?たまにCMで見るやつですね」

o川*゚ー゚)o「レーシングゲームはやったことないなぁ、よーし、コレにしましょう!有名なキャラのゲームなら面白いはずですし!」

o川*゚ワ゚)o「ありゃ、マスター全然このゲームやってなかったぽいですね。ええと、キャラクターを選んで…あ、このコ可愛い!」

o川*゚ー゚)o「へぇ、車も自分で選べるんですね。車なんて私より遅い乗り物に今まで興味なかったですけど、こうして見るとちょっと面白そうだなぁ」

o川*^ー^)o「操作は、なるほどシンプル。じゃあ、ちょっとやってみますか!マスターが帰ってくるまでに全クリしますよ〜!」

357名無しさん:2025/05/15(木) 00:16:48 ID:fuoI/clc0

〜3時間後〜

o川;゚ー゚)o「………勝てない!!」

o川;゚ー゚)o「CPUにも勝てない…ネット対戦でもないのに!なんで!?この私が!?」

o川#゚ー゚)o「みみ、認めませんこんなこと!もう一回…!」

o川;゚Д゚)o「……わー!なんでまたコインなんですか!甲羅でもバナナでもいいのに!」

o川;゚ー゚)o「赤甲羅壊れちゃった!なんで私の投げたやつは壁に当たって砕けるんですか!?」

o川#゚ぺ)o「きゃああぶつかって落とされた…って復活した瞬間スターに轢かれた!性格悪すぎませんか!?

o川#゚Д゚)o「もうすぐゴール…ああぁトゲゾーが!ずっと1位だったのに!!」

o川;゚ー゚)o「また勝てなかった…あと何回このカップやれば……」


o川* ー )o「…」

o川* ー )o「………」

o川* ー )o「……………」

o川* ー )o「………よし」

o川*゚ー゚)o


o川*゚ー゚)o「youtubeの解説見ますか」

358名無しさん:2025/05/15(木) 00:32:37 ID:fuoI/clc0

o川*゚ー゚)o「アイテムの取り方も色々あるんですね。完全に運ゲーかと思ってコントローラーを破壊してしまうところでした」

o川*゚ー゚)o「コイン集め…なるほど、それで速度が上がるしテレサ対策にもなる…」

o川*゚ー゚)o「ロングキラー?場所によってそんなテクニックが……よし全部覚えた」

o川*゚ー゚)o「タイムアタックやってる人も見ますか。動きを全部分析しましょう」

o川*゚ー゚)o「マシンのカスタム……こっちの方が勝てそうですね。こっちにしましょう。キャラも変えよ」

o川*゚ー゚)o「それと…あとは……」

o川* ー )oブツブツ

o川* ー )oピコピコ

359名無しさん:2025/05/15(木) 00:54:46 ID:fuoI/clc0

〜更に3時間後〜


ガチャ

(,,^Д^)っ「ただいまー」

(,,^Д^)「聞いてくれよキュート。次の土曜、後輩とご飯に行こうって誘われたんだけど行ってもいいか……」

(,,^Д^)「……って、ん?キュート?」

<ピコピコ

<ガチャガチャ

o川* へ )o「……うわ、勝ってもこれだけしかレート貰えないんだ。ケチなゲームですねぇ」

o川* ワ )o「でもかなりコツ掴んできました!よーし、このままレート10000目指しますよ〜!」

(;,,^Д^)「……キュート?」

o川;゚ー゚)o「はっ!お、おかえりなさいマスター!すいませんお出迎えもせず…!」

(,,^Д^)「ただいま…いや別にいいけど。なんだ、久々にゲームしてたのか?」

o川;゚ー゚)o「は、はい。お昼から暇でして…思いのほかのめり込んじゃいました」

360名無しさん:2025/05/15(木) 00:55:41 ID:fuoI/clc0

o川*゚ワ゚)oハッ「……!」

o川*^ー^)o「そうだ!どうせなら、マスターもちょっとやりませんか?」

(;,,^Д^)「えっ俺も?いや、俺そのゲームはそんなにやったことないんだが」

o川*゚ー゚)o「よく考えたらマスターと一緒にゲームってあんまりしたことないですし!」

o川*゚ワ゚)o人「いいじゃないですか、最近一緒に出かけたりとかもないんですから。ねっ?少しだけ!」

(;,,^Д^)「…う〜ん……」

(;,,-Д-)(確かに最近は出張とかもあって、キュートと出かけたりしてないからなぁ)

(,,-Д^)(このゲームは前作なら結構やってたし……たまには、二人でゲームするのもいいだろ)

(,,^Д^)「……まぁ、しょうがないな。ちょっとだけだぞ」

o川*^ワ^)o「やったぁ!じゃあ、もう一個コントローラー用意して……さぁ、やりましょう、マスター!」

361名無しさん:2025/05/15(木) 00:58:17 ID:fuoI/clc0

(;,,^Д^)「うおっ!なんだ今の緑甲羅!」

o川*^ー^)o「やったぁ当たりました!あそこで反射させると当てやすいんですよね〜!」

(;,,^Д^)「よーしスター出た…ってここでサンダー!?嘘だろ!?」

o川*゚ワ゚)o「マスターから落ちたスターを拾って…よーしショートカット成功!」

o川*^ワ^)o「ここでロングキラー!ついでにマスターを吹き飛ばしますよぉ〜〜!!」

(#,,^Д^)「うわっ最悪だコースアウトした!しかも復活した瞬間に轢かれるし!なんだこのゲーム!?」

(;,,^Д^)「ちょっなんで俺だけコインしか出ない……うわこういう時に限って赤甲羅!?運ゲーじゃねぇか!!」

o川*゚ワ゚)o「あ、マスターがこけてる隙に……よーしまた1位!やったやった〜!!」

362名無しさん:2025/05/15(木) 01:01:13 ID:fuoI/clc0

(,, Д )「………」

o川*^ー^)o「はぁ〜!仕様を理解してからだと楽しいですねぇこのゲーム!」

(,, Д )「………」

o川*゚ワ゚)o「それじゃあ次はこっちのカップにしましょう!このキラキラしたコース良いですよね〜!」

(,, Д )「………」

o川*゚ー゚)o「…あれ、マスターどうしました?ほら、早くAボタン押してください!」

(,,^Д^)「………うん」


(,,^Д^)「もうやらない」

o川;゚ー゚)o「えぇっ!?どうして!?」

(,,^Д^)「運ゲーじゃん。なんだよコレ」

o川;゚ー゚)o「いや確かにちょっとそうですけど……ちょっ、コントローラー置かないでくださいよ!」

(,,^Д^)「絶対もうやらない」

o川;゚Д゚)o「マスタ〜〜〜!!!」


〜おしまい〜

363名無しさん:2025/05/15(木) 01:02:36 ID:fuoI/clc0
switch2外れました。おかしいよこの世界マジやってられん。

364名無しさん:2025/05/15(木) 04:01:22 ID:uyNDuSYQ0

こんなときのために積みゲーがあるのだ

365名無しさん:2025/05/17(土) 12:00:54 ID:UJIERfdE0
乙乙
躊躇無くキャラ変されたキャラ>解せぬ

北海道のお土産美味しいよね
パッケージもお洒落だし

366名無しさん:2025/05/23(金) 02:54:39 ID:e4oB02520

『春のパン祭り』 15/99


o川;゚ー゚)o「うわぁ…最近、お米がやけに高い!今までの倍近いじゃないですか!」

o川;゚ぺ)o「いつの間にか週末恒例のお米割引キャンペーンもなくなってるし…どこのスーパーも厳しいんですねぇ」

o川;- -)o「どうしよ…安い方にしますかね?でもお米の味が下がるのはノーセンキューだし、安いって言っても比較的な話で、もうお手頃価格のお米なんてないし…」

o川*゚ー゚)o「……うん?」

『本日限定!パン全品半額!』

o川*゚ワ゚)o「パンが代わりに安い…そうだ!しばらく朝食はパンに変えて、お米の消費量を減らせばいいのでは!?」

o川*゚ー゚)o「今日の晩ご飯はパンに合う洋風メニューに変えればいいし、明日の朝にも回せるし!いや〜やっぱり私ってば高性能!そうと決まればちょっと多めに……!」

o川*゚ぺ)o「…ありゃ?なんか数字の書かれたシールが……」

o川*゚ー゚)o「ほほう、シールを集めたらお皿が貰えるんですね。あ、この形、ちょうど欲しかったタイプのお皿だ……」

o川*゚ー゚)o「…」

o川*- -)o「……」

o川;゚ー゚)o「………安いのは、今日だけ!!」

367名無しさん:2025/05/23(金) 02:56:13 ID:e4oB02520

〜夜 マンション〜

(;,^Д^)「…それで、またこんなに大量のパン買ったのか?」

o川;>ー<)o「だ、だって、お皿のためには30点分のシールが必要でして…必要経費だったんですよぅ!」

(;,^Д^)「普通に皿買った方が安かったんじゃ……」

o川*゚ー゚)oっ○「そういうのじゃないんです!ほら見て下さいよ、うちにない形の可愛いお皿だし、それに、壊れにくくて丈夫らしいですよ!」

o川;゚ー゚)o「……もちろん私に壊せないお皿なんてありませんけどね!?」

(,,^Д^)「いや別にそんな心配してないけど」

368名無しさん:2025/05/23(金) 02:58:46 ID:e4oB02520

(,,^Д^)「まぁ、食費について考えてくれるのはありがたいし、別にいいよ。むしろ、いつもありがとうな」

o川*^ー^)o「いえいえ、マスターのためですから!それに、パンに合った料理を作るのもちょっと新鮮で楽しいですし!」

o川*゚ー゚)o「しかし改めて考えるとパンってありがたいですねぇ。安いし、お腹いっぱいになるし、日持ちするし、更にはおやつにもなりますし!」

(,,^Д^)「基本的にどんな食材にも合うし、余って困ることもあんまりないからな」

(,,^Д^)「それで、今日の夕飯って何なんだ?」

o川*゚ワ゚)o「はい!今日はですね、トースターで焼いたパンに、ゆで卵のサラダ!そして貰ったお皿には、春野菜たっぷりのビーフシチューです!」

o川*^ー^)o「ビーフシチューはですね、パンに付けても楽しめるようにとろみを多くつけておりまして……!」

o川*゚ー゚)o「…………あ」

369名無しさん:2025/05/23(金) 03:04:55 ID:e4oB02520

o川;゚ー゚)o「……」

(,,^Д^)「ん?キュート、どうした?」

o川;゚ー゚)o「……あのですね、お皿使いたくて、お皿の形にもパンにも合うビーフシチューにしたんですけど……」

(,,^Д^)「うん」

o川;゚ー゚)o「……お皿、一枚しかない、ので……足りない、です、ね……」

(;,^Д^)「……」

o川;゚ー゚)o「……」

(;,^Д^)「………いや、まぁ、別のお皿使えばいいんじゃ」

o(゚ー゚;川o「ちょっともう30点分パン買ってきます!!」バッ

(;,^Д^)「いや要らないって!!てか似たような形の皿ぜったい何処かで売ってるから!!」

o(゚Д゚;川o「ああっパン半額って確か今日限定だ……!緊急事態です、もう飛んでくしかない!!」

(;,^Д^)「話聞いて……ちょっ、キュート!?止まれって!!」

o(>ー<;川o三「うわあぁ私としたことが!急げいそげ〜!!」ダッシュ

(;,^Д^)っ「キュート〜!?」


〜おしまい〜

370名無しさん:2025/05/30(金) 17:32:05 ID:4SLJ3XTg0
本編読んでここまで追いつきました!素晴らしい作品ありがとうございます!!!

371名無しさん:2025/06/08(日) 01:40:58 ID:PcZlMQe60
更新乙です!

372名無しさん:2025/06/11(水) 09:32:21 ID:oe7hiBzg0


373名無しさん:2025/06/11(水) 09:34:59 ID:rt.RunqI0
乙乙

374名無しさん:2025/07/18(金) 23:46:27 ID:97ayFyBY0

『くら寿司』 16/99


o川*゚ワ゚)o「わ〜!ここがくら寿司ですか!外観も店内も綺麗ですね〜!」

(,,^Д^)「言っとくけど、ここ食べ放題じゃないからな」

o川;゚ー゚)o「わ、分かってますよ!ちゃんと食べたいだけ食べます!」

(;,∩Д-)「いやそれじゃダメなんだって……」

o川*゚ー゚)o「あれ?ここ、流れてくるお寿司にカバー着いてるんですね」

(,,^Д^)「そうだよ。だから流れてるお寿司も新鮮さが失われてないんだ。あっ、今流れてきたカツオ取ってくれ」

o川*゚ワ゚)o彡っ○ヒョイ「カツオ……これですね!どうぞ!」

(,,^Д^)っ○「ありがとう。キュートも好きなの取っていいんだぞ」

o川*゚ー゚)oっ○「好きなの……じゃあこのマグロで!やっぱりお寿司と言えばマグロですよね!」

o川*^ー^)o「美味しい〜!じゃあ次は玉子とエビと海老天!ネギトロ、あわび……へぇ牛カルビ!これも頼みます!」

(;,^Д^)「相変わらずめちゃくちゃ食べるな……」

o川*゚〜゚)o「エネルギーが必要なので!」モグモグ

375名無しさん:2025/07/18(金) 23:47:38 ID:97ayFyBY0

(,,^Д^)「あ、5皿貯まったな。じゃあキュート、そこにお皿入れてみな」

o川*゚ぺ)o「えっ?いいんですか?お皿ってお会計の時に数えてもらわないといけないんじゃ……」

(,,^Д^)「くら寿司はこういうシステムなんだ。ほら」

o川*゚ー゚)oっ○「はぁ……じゃあ入れてみます」

<ガシャン

Σo川;゚ー゚)o「わ!なんかアニメが始まりました!」

(,,^Д^)「なんか今コラボやってるみたいだな」

<ハズレ…

(,,^Д^)「あちゃー…今回は外れたけど、当たったらキーホルダーとか缶バッジとかが貰えるんだ」

o川*゚ワ゚)o「なるほど……!他のお寿司屋さんにはないシステムですね!コラボしてるキャラも可愛いし、一つ欲しいです!」

<プルルル

(;,^Д^)っロ「あっ……ごめん、ちょっと仕事の電話だ。食べてていいぞ」

o川*゚ー゚)o「はーい! なるべく早く戻ってくださいね!」

(^Д^,,)三ピュー

376名無しさん:2025/07/18(金) 23:50:14 ID:97ayFyBY0

o川*゚ワ゚)o「さぁーて、また5皿入れて……あっ、さっきと映像違う!これはもしや……!」

o川;゚皿゚)o「……ってまたハズレですか!こうなったら当たるまでやってやります!」

o川*゚ー゚)o「どうせならフェアのやつ頼みましょう。北海道産のサーモンに天然ぶりに穴子……あっほたてと大トロも美味しそう!これも入れて……よし5皿です!」

o川*^ー^)o「美味しいお寿司食べながらガチャも楽しめるなんて、素敵なお店!よ〜し、マスターが帰ってくるまでに当たり引いてビックリさせちゃいますよ〜!」


〜数十分後〜

(;,^Д^)「めちゃくちゃ電話長引いてしまった……キュート、怒ってるかな」

(,,^Д^)「ただいまキュート、ごめん遅くなって……って、え?」

o川*゚ワ゚)oっ人「あっマスター!見て下さいよコレ!可愛いキーホルダー!」

(,,^Д^)「えっ……あ、当てたのか?マジで?」

o川*^ー^)o「はい!しかも主人公の子ですよ!ラッキーでした!」

(*,,^Д^)「凄いな、コレ全然当たらないって評判なのに……」

(;,^Д^)「…………いや待て」ゾッ

o川*゚ー゚)o「?」

377名無しさん:2025/07/18(金) 23:51:27 ID:97ayFyBY0

(,,^Д^)「……キュート、お前何回びっくらぽんやった?」

o川*゚ー゚)o「10回目で当たりが出たので、そこでちゃんと止めましたよ!」

o川*^ー^)o「いくら回転寿司がリーズナブルとはいえ、塵も積もれば山となりますからね!腹八分目ともいいますし!」エッヘン

(,,^Д^)「10回って、え?確か5皿で1回だよな?それを10回って、ことは……」

(ll;,^Д^)サァッ

(;,^Д^)っ『注文履歴』ポチッ

Σ(;,^Д^)「…………1万円、超えとる!?」

o川*゚ワ゚)o「ほら、マスターも食べてくださいよ!あっ出来ればお寿司頼んでくださいね!またガチャしたいので!」

(;,^Д^)「……いや、俺はもういいかな……」

o川*゚ぺ)o「えっ何でですか?ガチャ出来るのに!」

(,,^Д^)「だからだよ」


〜おしまい〜

378名無しさん:2025/07/19(土) 20:12:38 ID:QFXxwVGQ0

『うなぎ』 17/99


o川*- -)o(今日は土用の丑の日。要するに、うなぎを食べるべきだとされている日)

o川*- -)o(私は今までうなぎを食べたことがそんなにありません……せいぜい、お寿司屋さんに流れてくる薄〜いヤツくらいです)

o川*゚ー゚)oカッ(ですがそれも今日まで!私は今日、ついに本物のうなぎを食べます!)

o川*゚ワ゚)o「まさか、本当に有名なお店に連れてきてくれるなんて!ありがとうございます、マスター!」

(;,^Д^)「……まぁ、確かに『良いうなぎを食べに行こう』って言ったのは俺なんだけどさ」

『次は名古屋に停まります。その次は京都、新大阪の順に――』

(;,-Д-)「まさか本当に名古屋まで来ることになるとは……」

o川*^ー^)o「初めてのうなぎは良いやつが食べたいので!日帰りプチ旅行ってやつですね!マスター!」

379名無しさん:2025/07/19(土) 20:13:18 ID:QFXxwVGQ0

〜うなぎ屋"うな焼き"さんにて〜

o川*゚ぺ)o「このうなぎ屋さんって他のお店とどう違うんです?」

(,,^Д^)「ドクオから聞いたんだけど"青うなぎ"ってのを使ってるらしい。俺も詳しくないんだけど、うなぎの中でも特に上質で貴重なんだってさ」

Σo川;*゚ー゚)o「ほほう、それは期待しちゃいますね……あっマスター、あっち見て下さいよ!本物の炭火ですよ!」

(,,^Д^)「焼いてるのがここから見えるようになってんだ…。めちゃくちゃ迫力あるし、凄いな」

o川*゚ー゚)o「ご所望でしたら家でも出来ますよ?」

(;,^Д^)「いや望んでない要らない止めて」

o川*^ー^)o「そんなご遠慮なさらず!なんでしたらアマゾンで良い備長炭を購入しますよ!」

(,,^Д^)「言っとくけどウチのキッチンの壁、まだ焦げたまんまなんだからな」

380名無しさん:2025/07/19(土) 20:14:09 ID:QFXxwVGQ0

@*゚ヮ゚))っ○「お待たせしましたー!肝入りうな丼、二つです!」

Σ(;,^Д^)「おっ来たきた……ってうわ!ボリュームすごっ!」

o川;゚ー゚)o「一切れがめちゃくちゃ分厚いですよ!回転寿司で流れてるうなぎと全然違います!」

o川;*゚∩゚)oモグモグ「……うわっ、お、美味しい!パリパリなのに、中ふわっふわ!」

(*,,^Д^)「肝焼きも、初めて食べたけど凄いな!全然臭みがないし香ばしい…日本酒欲しくなる…!」

o川*゚ワ゚)o「炭火でカリっとなった食感から、全然しつこくない甘味を含んだ油が溢れてくる!いくらでもご飯食べられますよコレ……!」

(*,,^Д^)「コレが"青うなぎ"ってやつか……この為だけに名古屋来る価値あるな。ここまで美味しいとは」

o川;*゚ー゚)o∩「すいません!おかわり!」

(,,^Д^)「うなぎ屋でおかわりって……いやもう全部食べたのか!?早っ!」

@*゚ヮ゚))「もしよろしければ、タレではなく塩でサッと焼いたうなぎ本来の味をより楽しめる白焼きは如何ですか?」

o川*゚ワ゚)o「タレじゃなく、塩……!?それもお願いします!」

(;,^Д^)「商売上手過ぎる!ちょ、ちょっと待てキュート!もうちょっと遠慮してくれー!」

381名無しさん:2025/07/19(土) 20:15:20 ID:QFXxwVGQ0

〜翌日・東京〜


o川*-ワ-)o「はぁ〜昨日のうなぎ、美味しかったですねぇ。まさにご馳走って感じでした……」

(;,-Д-)「年に一回の贅沢ってやつだな……あぁ〜クレカの明細見たくない……」

o川*゚ー<)o「ご安心くださいマスター。土用の丑の日って今月二回あるらしいですよ!」

(,,^Д^)「その発言の何に安心しろってんだ」

o川*゚ー゚)o「まぁ、うなぎだけじゃなく調理環境にも拘ってたっぽいですからね。あのレベルは流石に店まで行かないと……」

(,,^Д^)「……ん?」

o川*゚ぺ)o「マスター?急に立ち止まってどうし……って」

『うな焼き・東京店』

(;,^Д^)「あれって……え?お、同じ名前ってだけか?」

o川*゚ー゚)o「あー……。いえ、今検索してみたんですけど、どうやられっきとした支店みたいですね」

o川*゚ー゚)o「というか、大阪とか京都とか、色んな所に支店があるみたいです。何なら東京には二店舗あるそうで」

(;,^Д^)「えっじゃあ、俺たちがわざわざ名古屋まで行った意味って……」

o川*゚ー゚)o「……」

(,,^Д^)「……」

o川*゚ワ゚)o「……前向きに考えればホラ、気軽にあのうなぎが食べられるってことでは!?」

(,,^Д^)「んな訳あるか」


〜おしまい〜

382名無しさん:2025/07/21(月) 00:28:38 ID:bamU65K20

『方を付ける』 18/99


2回ほど、ドサドサと物が落ちる音で目が覚めた。

頭まですっぽり覆っていた薄手のカーディガンを退け、机に突っ伏していた自らの上体をゆっくり起こす。
床にはさっき落ちたのであろう数冊の本と、写真立てが転がっている。そして、微かに聞こえるエアコンの稼働音と冷気が部屋を満たしていて、カーテンの隙間からは日光が差していた。
部屋の壁にかけてある時計の長針は五時に差し掛かろうとしている。どうやら深夜の作業中、すっかり寝落ちしてしまっていたらしい。

頭をポリポリと掻きながら、床に落ちている本を再び立たせ、写真立てを元の位置に戻した。
虚ろな目で写真を見る。ずっと前、友人から貰ったチケットで訪れた、都内の水族館で撮ってもらったツーショット。

何とも言えない寂寥感と郷愁感を覚えながら、どうにか頭を回転させようと自らの頬を数回叩く。
何か夢を見ていたような気もするが、上手く思い出せない。

ただ、なんとなく、幸せな夢だったような気がする。

383名無しさん:2025/07/21(月) 00:29:56 ID:bamU65K20

昨日、仕事から家に帰ってからのことを脳内で再生する。
夕飯や風呂などの雑務を終わらせ、最近は随分とサボってしまっていた部屋の掃除と片付けを済ませ終わったのが深夜。
そこからさっさと寝ればよかったのに何を思ったのか、買ってきたばかりの便箋を広げて、手紙の執筆に勤しみ始めてしまったのだった。

ついさっきまで自分の顔が乗っていた机には、可愛らしいシロツメクサの意匠が目立つ便箋と、愛用している万年筆が転がっていた。
自分の手を確認してから、汚れがつかないよう慎重に手紙へと手を伸ばす。
家に余りがないことに気が付いて、新しく買いに行ったのが昨日の仕事帰りの夜。
手紙のデザインと紙質が気に入ってからは、ずっとこの便箋のシリーズを用意することに決めていた。

途中で文章が止まっている便箋に改めて目を通す。
深夜の自分が途中まで書いていたにしては、支離滅裂な内容にはなっていない。
便箋を棄ててまた書き直す、なんて作業は必要なさそうなことに安堵の息が漏れた。
書いている内容は特段珍しいものでもない。
今年の夏は去年より暑い気がするだとか、夜が来るのが遅いだとか、夜の雲が高く見えるだとか、どれもわざわざ文章にして認める必要もないようなことばかりだ。

こうして手紙を書き続けて、もう何年になるのだろう。
なんとなく始めた行為だが、一向に終わる気配がない。何か伝えたいことが出来たらすぐに便箋を買いに入っているし、少なくとも季節が変わるごとにこうして手紙を書いてしまっている。
意味があるのかと問われれば、正直無い。一向に文字は綺麗にならないし、面白い文章が書けるようになった訳でもない。
最近は随筆だのエッセイだのが流行っているらしいが、数年続けてもこの程度の文章しか書けない自分には縁遠い話なのだろう。元来、他の人に見せる予定のある手紙でもないが。

万年筆を手に取り、再び便箋に向き直る。万年筆内にあるカートリッジは新品に変えたばかりだから、今ある便箋を使い切ったとしてもインクは保つはずだ。文字が霞む心配をする必要はない。
目を瞑り、最近あった出来事をゆっくり想起していく。
楽しかったこと。面白かったこと。少しムッとしたこと。悲しかったこと。綺麗だと思えた風景。季節の話。そんな何でもない話たちを脳内で整理してから、ゆっくりと文章に落とし込んで、万年筆を動かしていく。
お世辞にも自分は字が綺麗な方じゃない。まぁ彼女は優秀だったから、どれだけ稚拙な文字でもきっと読めるだろうが、それでもやっぱり出来ることなら綺麗な文字を届けたい。そう願いながら一文字ずつ、ゆっくりと時間をかけて言葉を足していった。

384名無しさん:2025/07/21(月) 00:31:03 ID:bamU65K20

数十分。いや、数時間かけて手紙を書き終える。
軽く手で風を扇いでインクをしっかりと乾かし、改めて自ら書いた手紙を最初から読んでいく。
丁寧に時間をかけて書いた筈なのに、やっぱり綺麗な文字とは言えない。内容についても特に面白みがなく、近況報告に少し毛が生えた程度のものだ。もしも自分が貰う立場だったとしたら、返信には更に数十時間かかるだろう。

きっと笑われてしまうだろうな。
そんな自嘲染みた考えが頭を過る。それでも、どこか満足感があった。

誤字脱字がないか最低限のチェックだけ完了させ、便箋を整え、丁寧に畳む。
今回は合計10枚。いつも大体10枚前後になるのは狙ってやっている。短すぎると読み応えがないし、長すぎると冗長になってしまうだろうから。

便箋同様、花の豪華なデザインが縁に施された封筒に紙を入れ終わる。
そして、傍に置いてあったシーリングスタンプ風のシールを一枚手に取り、手紙に封をする。封筒に貼るのはこのシールだけで、切手などは要らない。何故なら特定の住居に送る類の手紙ではないし、ポストに投函する訳でもないからだ。

一息ついてから封筒をクリアファイルに入れる。届けるまでに鞄の中で折れたりしないように。
時計を見ると、もう朝の七時になろうとしていた。
今日は祝日だから仕事もない。休日の朝ならばきっと比較的涼しいし、あの公園の人通りも多くはないだろう。手紙を出しに行くのなら、今がベストタイミングに違いない。

385名無しさん:2025/07/21(月) 00:33:23 ID:bamU65K20

手早く夏服に着替え、大学生の頃から使っている鞄を肩から掛ける。中に手紙入りのファイルを仕舞うことも忘れずに。
最低限の身嗜みは整えようと、玄関前の全身鏡を見る。
寝ぐせはない。着ている服に目立つ皺などもない。
だが、どこかに小さな違和感があった。

何かを忘れているような気がする。
そう思い、改めて自分の全身を見つめ続けることに数分かけて、ようやく気が付いた。

リビングへと戻り、机の隅に置いたままの小さな箱に手を伸ばした。
純白と表現すべき真っ白な箱を開く。
中には、いつかの景色を思い出させるような、桜色に輝く指輪が入っていた。

宝石の類はついていない。日付や名前なども刻まれていない。
数年前。また一人暮らしに戻ってしまった頃。
とある金属製の髪飾りを原料に、職人さんに作ってもらった指輪だ。

流石にお風呂に入る時には外すことにしているのだが、外してから失くすのは絶対に嫌だから、どれだけ急いでいる時も必ずしっかり箱の中に片付けることにしているのだ。
指輪を取り出し、左手の薬指につける。
既婚者でないどころか、パートナーも恋人もいないのに指輪を付けるなど、傍から見れば異端者そのものだろう。
気狂いと思われても仕方がないし、事実、会社の同僚に指摘されたこともある。

それでも、誰に何を言われようとも、この指輪を手放す気にはなれなかった。

386名無しさん:2025/07/21(月) 00:34:31 ID:bamU65K20

自分の手元に遺った彼女の物は、振り返ってみるとそう多くはなかった。
彼女の私物は木製の小箱に全て収まってしまう程度の数しかなかったし、クローゼットに未だかかっているレディースの服も、自分が身に付けられる類の物じゃない。
肌身離さず身に付けられるような彼女の物は、未だ自分の胸の奥で拍動を重ねる心臓を覗くと、これしかなかった。
夜桜が舞ったあの春の日。いつの間にか、手元にあった髪飾り。

自分は男だ。髪飾りを付ける習慣などない。
髪を伸ばしてみようかと思ったが、勤めている会社の規則でそれも出来ない。
そんなこんなで困っていたある日、髪飾りの材質が特殊な金属であることに気が付いて、ふと思い立ったのだ。
「そうだ。指輪にしてしまおう」と。

アイデアが浮かんでからの行動は早かった。
信頼できて腕のある職人を探し、自分と彼女の分の指輪を二つ作った。
一つは手紙と共に送り、もう一つは自分の指に着けることにした。
左手の薬指にした理由は、まぁ、そこしかないと思ったから。

もし彼女がいたのなら、なんと言ったのだろうか。
喜んでくれたのだろうか。それとも、呆れたのだろうか。年単位の時が経っても未だに執着し続ける自分を見て、彼女はどんな顔をするのだろうか。

勝手なことをしている自覚はある。こんな話をしたところで誰も分かってくれない。もしかしたら彼女にすらも引かれてしまうかもしれない。
だけど、そもそも先に勝手なことをしてきたのは向こうだ。
キッチンの壁を焼き、物を捨て、散々こちらを振り回した挙句、心臓を押し付けてきて、いなくなった。
ならば、こちらが勝手に生涯を誓ったところで特段問題はないだろう。彼女がしてきたことに比べたら可愛いものだ。

387名無しさん:2025/07/21(月) 00:35:50 ID:bamU65K20

薬指で光る指輪を確認してから、再び玄関へと戻る。
向かうのはいつもと同じ、あの大木がある公園。
先日買ったばかりのスニーカーを履き、鞄の中身をチェックしてから、ドアノブに手をかける。
外に出ると、すっかり昇りきった太陽が眩しく輝いていた。

後ろ手で玄関に鍵をかけ、一度だけ深呼吸をする。
澄んだ早朝の空気が肺を満たし、心臓の鼓動が少しゆっくりになる。
休日の朝、柔らかな陽の光に包まれた街並みが驚くほど綺麗に見える。


なんとなく、初めて彼女と出会った夏日のことを思い出した。


〜おしまい〜

388名無しさん:2025/08/05(火) 22:20:37 ID:yJuy4IZ20

『バッティングセンター』 19/99


o川*゚ー゚)o「マスター、手軽に野球が出来る場所ってここですか?」

(,,^Д^)「そうだよ、バッティングセンターっていうんだ。俺もあんまり来たことないけど……」

(,,^Д^)「ここにお金入れるとあの機械からボールが飛んでくるんだよ。ストレス発散とかによく使われてるらしい」

o川*゚ぺ)o「えぇ〜機械が投げるんですか?私がテレビで見た野球はちゃんと人が投げてたのに…なんだか物足りないです!」

(,,^Д^)「手軽さ重視だからな。ほら、上の方に『ホームラン』って書かれたマークあるだろ?あそこのボールを打ち返すと景品が貰えるんだ」

o川*゚ワ゚)o「景品……わぁ!魚沼産コシヒカリ5kg!?めちゃくちゃ太っ腹じゃないですか!」

(,,^Д^)っl「あそこをピンポイントに狙って打ち返すってプロでも難しいらしいから、景品も豪華なんだろ。ま、とりあえず一回やってみな。結構楽しいから」ハイ、バット

o川*^ー^)oっl「よ〜し!お任せくださいマスター、今日の夜からはお米が美味しくなりますよっ!」

389名無しさん:2025/08/05(火) 22:21:45 ID:yJuy4IZ20

/◎ ) =| )ウイーン

o川*゚ー゚)o「ほほう、アレがピッチングマシーン……同じロボット同士ですが手加減はしませんよ!この第三世代アイである私が、あなたの性能を見極めてあげましょう!」

(,,^Д^)「キュートー!頑張れー!」

o川*^ー^)o「はーいマスター!見てて下さいね!今から甲子園球児もバットを捨ててグラウンドから逃げ出すレベルのプレーを披露してみせますから!」

/◎ ) =| )ノ○ ウイーン

(;,^Д^)「いや別にそこまでは求めてない……って、おいキュート!前向け前!」

o川*゚ー゚)o「へ?」

(;,^Д^)「もうボール飛んでくるぞ!」

/◎ ) =| )ノ三三○ ビュン!!!←140キロ

390名無しさん:2025/08/05(火) 22:22:18 ID:yJuy4IZ20

o川*゚ー゚)oっ○「あぶなっ」 パシッ

(;,^Д^)「は?」

Σ/;◎ ) =| )

o川*゚ぺ)oノ⌒○「なんですか、私がマスターとお喋りしてる途中に……イマドキ、機械でも空気読めなきゃスクラップ行きの時代ですよ?」ポイッ

(;,^Д^)「いや……キャッチじゃなくて、バットで打つゲームなんだけど……」

o川*゚ー゚)o「へ?これでアウトじゃないんですか?」

(;,^Д^)「普通の野球じゃないからコレ!バットで打った時の爽快感を味わう遊びなんだよ!」

o川;゚Д゚)o「え〜それじゃあ本当にお手軽野球もどきじゃないですか!ゲッツーとかないんですか!?」

(;,^Д^)「ないわ!てか最初からそういうゲームだって言っただろポンコツ!」

391名無しさん:2025/08/05(火) 22:23:30 ID:yJuy4IZ20

/◎ ) =| )ノ三三○ ビュン!!!←160キロ

o川;゚ー゚)oっl「えいっ……!あぁもう、バットには当たるのに全然ボールが飛ばない!」コンッ

(,,^Д^)「なんだかんだ160キロに上がったボールにも毎回絶対当ててるの凄いな……」

o川;゚ー゚)o「野球選手の体の使い方なんてプログラムされてませんし…あぁもう!」

o川;- -)o「私があんなボールを射出することしか能のない機械に負けるなんてあってはなりません!マスターの前で恥をかく訳には……!」

/◎ ) =| )ノ三三○ ビュン!!!

o川;゚ー゚)oっl「ええいっ……あぁ、違う方向に飛んじゃった!次が最後の一球……どうすれば……!」コンッ

(*,,^Д^)「おっ、結構飛ばせるようになってきたな。いいぞキュートー!」

392名無しさん:2025/08/05(火) 22:23:57 ID:yJuy4IZ20

o川*゚ー゚)o「………まてよ?」ピコン

o川*゚ー゚)o(……要するに、あのホームランの所にボールが当たればいいんですよね)

o川*゚ー゚)oっー「………」コトン

(,,^Д^)「お、おいキュート?バット置いて何してるんだ?」

o川*゚ー゚)o「……」ジッ

(;,^Д^)「……まさかアイツ、そのまま――」

/◎ ) =| )ノ三三○ ビュン!!

o川*゚ー゚)oっ○パシッ

o川* ー )oっ"○"ググッ…

o川*>ー<)oノ三三三○「えいっ!!」ビューン!!

<パッパラー! ホームラーン!!

(;,^Д^)「やりやがった……」

393名無しさん:2025/08/05(火) 22:24:45 ID:yJuy4IZ20

o川*゚ワ゚)o「わーい!見てましたかマスター、ホームランです!凄くないですか!?」

(,,^Д^)「今のをホームランって言えるお前のメンタルが凄い」

o川*゚ー゚)o「え?だって要するにあそこにボールをぶつければいいお話ですよね?」

o川*^ー^)o「じゃ、ホームランの音鳴ったし、景品のお米貰ってきますね〜!」

o(^ワ^*川三ピュー!!

(,,^Д^)「いや多分お前は……ってもういないわ」


〜数分後〜


o川*゚ー゚)o「ズルですって」

(,,^Д^)「だろうな」


〜おしまい〜

394名無しさん:2025/08/06(水) 07:42:06 ID:S9TCfWJo0



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