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( ,,^Д^)プラスチックの心臓が痛いようです 最終話

280名無しさん:2024/09/12(木) 23:28:29 ID:15QUJAJI0

夏風に揺られる緑の葉を見ながら、自分の思考にふっと笑みが零れた。
“恋人”なんて、まるで人間が思いつくような概念とエピソードだ。
そもそもこんな風に、例え話を考えるということ自体、おかしい。
以前の自分ならば、絶対にありえなかった行動だ。

自分で自分を笑っていると、遠くから、何かが近づいてくる音が聞こえた。
少し涼しくなった夏風の音でも、宙を舞う花びらや木々から離れた葉が落ちる音でもない。
顔を上げる。すると視線の先、青空の中に浮かぶ雲の中心を、何かが動いているのが見えた。

鳥だ。それも、見るからに只の鳥じゃない。
雲の一部から生まれたような、一切の交じり気のない、白い鳥。
“純白”と言っていいほどに穢れのない光を纏った白い鳥は、その自慢の羽を優雅に動かしながら、ゆったりとこちらに近付いてきていた。

四月中旬に零れる桜みたいにゆっくりと、白い鳥は私の前に降り立つ。
「久しぶりですね」と声をかけると、その鳥もまた返事をするみたいに、恭しく頭を垂れた。

私の言葉を本当に理解しているのかは分からない。
以前の私ならいざ知らず、今の私はもう、なんでもすぐに知ることは出来ない。今思えば前の自分は随分とオーバースペックだったように思う。
けれど存外、こんな状態になってしまったのにもかかわらず、私は今の私を気に入っていた。


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