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( ^ω^)メイノワ少年少女倶楽部のようです
1
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:35:43 ID:dzGjmNhk0
おわりとはじまり祭作品
閲覧注意
( ・∀・)「ああ見たね!見てしまったんだね!君は!」
( − ,)
( A )
( _ゝ )( <_ )
( ・∀・)「今日という日は君にとって!最も幸福か!或いは!最も不幸な日になるだろうよ!」
ξ ⊿ )ξ
ζ( ー *ζ
( ・∀・)「少年よ!君に残された道は二つある!」
从 ∀从
川 々 )
( ω )
( ・∀・)「『僕達』と指切りして十人目になるか!ならないか!」
( ^ω^)
|‾‾‾‾‾‾‾‾|
「歓迎しよう!」
「君こそが『僕達』──
.
2
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:37:22 ID:dzGjmNhk0
( ^ω^)メイノワ少年少女倶楽部のようです
.
3
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:38:16 ID:dzGjmNhk0
(ビロード様、ビロード様)
(どうか今日という日の僕が、平和でありますように)
ピピーーーーーッ‼︎
( - ,)「全員、笛の音に集合!」ピッ
( - ,)「全員、整列!」ピッ
( - ,)「全員、そのまま待機!」ピッ
.
4
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:40:41 ID:dzGjmNhk0
ガチャッ
バタンッ‼︎
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|「うっ」
从 ∀从「連れて来ました。兄さん」
( ∀ )「お帰り、二人共。よくやってくれたね、よくやってくれた」
( - ,)「彼を此処へ」
( ω )「はい。兄さん」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| コツコツ
川 々 )「かえってきた!」ヒソヒソ
ξ ⊿ )ξ「傷だらけ」ヒソヒソ
ζ( ー *ζ「可哀想に」ヒソヒソ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| コツコツ
( _ゝ )「白服だな」ヒソヒソ
( <_ )「白服だよ」ヒソヒソ
( A )「あーあ」ヒソヒソ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| コツコツ
コツン
.
5
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:41:39 ID:dzGjmNhk0
( ∀ )「さあさ、感動の再会といこうじゃないか!ハンカチの用意を忘れずに!」
( - ,)「彼を椅子に座らせて、頭と口の布を取って、体の縄を解いておやり」
( ω )「はい。兄さん」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
バサッ
(;%ω^)「ぷはっ」
( ・∀・)「やあやあ、白服の少年!手荒な真似をしてすまなかったね」
( %ω^)「ここは……」
(゚-゚,)
( %ω^)「君達は……?」
( ・∀・)「まずはこの学帽を受け取りたまえ。君の忘れ物だろう?」
( %ω^)「えっと……、どうも……?」
( ・∀・)「おっと!それは何が起こったのかよく分からないってお顔だね?」
( ・∀・)「眼帯の少年よ、君は選ばれた!だから『僕達』の秘密基地へ招待したのさ!」
( %ω^)「……毛利、くん?」
.
6
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:42:35 ID:dzGjmNhk0
( ・∀・)「これはこれは。驚かされたよ」
(゚-゚,)
( ・∀・)「外の世界での『僕達』を知ってるのかい」
( %ω^)「ううん。聞いたんだお、あの日に」
( ・∀・)「ああ。あの夜ね」
( ・∀・)「けれども、此処は『僕達』の世界。
この倶楽部に一歩でも入ったなら、君も僕をこう呼んでおくれ」
( ・∀・)「『モララー兄さん』と!」
( ・∀・)「ほら言ってご覧よ、『モララー兄さん』、『モララー兄さん』」
( %ω^)「……モララー兄さん?聞いてもいいかお?」
( ・∀・)「なんだい?」
( %ω^)「僕、食べられちゃうお?」
( ・∀・)「まさか!」
(゚-゚,)「モララー兄さん、そろそろ」
( ・∀・)「おほんっ、改めて。紹介しよう、『僕達』を!」
.
7
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:44:49 ID:dzGjmNhk0
( ・∀・)「ギャシャ」
(゚-゚,)「宜しくの握手を……ご免よ、ご覧の通り僕には腕がなくてね。この足が手の代わりなのさ」
( ・∀・)「アニジャ、オトジャ」
( ´_ゝ`)「すえながくよろしく、とオトジャが言ってる」
(´<_` )「すえながくよろしく、とアニジャが言ってる」
( ・∀・)「ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「お祝いしなくっちゃ!料理はお野菜?ううん、お肉にしましょう!」
( ・∀・)「デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「お人形さんはお好き?新しい兄さんにそっくりなお人形さん、作ってもいいかな?」
( ・∀・)「ハインリッヒ」
从 ゚∀从「テメェ覚えておけよ。裏切ったらただじゃおかねーからな」
( ・∀・)「ロマネスク」
( ФωФ)「はいっ!!」
( ・∀・)「クルウ」
川 ゚ 々゚)「はい!クルウです!14さいです!クルウちゃん、よくできました!」
( ・∀・)「ドクオ」
('A`)「おう。よろしく」
( ・∀・)「そしてこの僕、モララー」
( ・∀・)「僕達こそが『メイノワ少年少女倶楽部』さ!」
.
8
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:47:15 ID:dzGjmNhk0
( %ω^)「でも。どうして、僕を?」
( ・∀・)「少年よ、これから君には『僕達』の試練を受けてもらう!」
( ・∀・)「安心したまえ、難しい事など何一つ有りはしないさ。
君はなんでもない顔して僕達の倶楽部に参加するといい」
( %ω^)「君達はいったい?」
( ・∀・)「仲良し小良しの僕達九人でも、仕事の時には四組に分かれる」
( ・∀・)「そこで少年、君には一日一組ずつ巡っていってもらうよ」
( %ω^)「なんのために?」
( ・∀・)「今に分かるさ」
【一日目】
.
9
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:48:15 ID:dzGjmNhk0
(゚-゚,)「モララー兄さん、そろそろ少年の治療を」
( ・∀・)「ああそうだ。頼んだよ、アニジャ兄さん、オトジャ兄さん」
( ´_ゝ`)「はい。兄さん」(´<_` )
( %ω^)「あ、おんなじ顔が並んでるお」
( ´_ゝ`)( %ω^ )(´<_` ) ジロジロ
( %ω^)(そういえば、治療してくれるって、さっき)
( %ω^)「よろしくお願いしますお」ペコリ
( ´_ゝ`)「なあオトジャ?この白い学ラン、非常に俺等の邪魔だよな」ヒソヒソ
(´<_` )「そのとおりだ、アニジャ。俺達の黒い学ランとはわけが違う」コソコソ
( ´_ゝ`)「もしも白服をちょんとでも汚したらことだからな」ヒソヒソ
(´<_` )「先生様にこっぴどくお仕置きされてしまうからな」コソコソ
( %ω^)「おっ?なんの話してるんだお?」
( ´_ゝ`)「悪い子は裸にひん剥かれて逆様に吊るされてしまうらしい」コソコソ
(´<_` )「腕にとある刺青を入れ終わるまでそのままにされるらしい」ヒソヒソ
.
10
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:49:23 ID:dzGjmNhk0
( ´_ゝ`)「こわいこわい」クスクス
(´<_` )「こわいこわい」クスクス
( %ω^)(あれ?二人とも僕の周りをぐるぐる回るもんだから、
どっちがどっちか分からなくなっちゃったお)
( %ω^)「どっちがアニジャくんで、どっちがオトジャくんだお?」
( ´_ゝ`)「『兄さん』」(´<_` ) グルンッ
( %ω^)「おっ?」
( ´_ゝ`)「ここでは『兄さん』『姉さん』と呼んでくれ、とオトジャが言ってる」
(´<_` )「それが俺等『メイノワ少年少女倶楽部』の掟だ、とアニジャが言ってる」
( %ω^)「アニジャ兄さん、オトジャ兄さん」
( ´_ゝ`)「聞いたか?オトジャ兄さんと言ったぞ」クスクス
(´<_` )「聞いたとも。アニジャ兄さんと言ったよ」クスクス
( %ω^)(………?)
(´<_` )「さて、お次は眼帯を取り替えよう、アニジャ」コソコソ
( ´_ゝ`)「いいひらめきがあるぞ。耳を貸せ、オトジャ」ヒソヒソ
.
11
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:50:51 ID:dzGjmNhk0
('A`)「俺、ですか?」
( ・∀・)「そう、ドクオ兄さん。君にお願いすると決めたのさ、外の世界での少年を!」
('A`)「分かりました。あー……ギャシャ姉さんか双子兄さんのが得意分野では?」
(゚-゚,)「あは。お前だって優秀だよ、僕は知っているよ」
('A`)「そりゃどうも」
( ・∀・)「聞く所によると、君は少年と同じクラスだそうじゃないか」
('A`)「言われてみればそうだった気がします」
( ・∀・)「くれぐれも少年をよく見ていておくれ」
(゚-゚,)「ちょうどその少年の治療が終わる頃かな」
( ・∀・)「ドクオ兄さん」
('A`)「あいよ、兄さん」
( ・∀・)「返事は『はい』」
('A`)「はいはい、兄さん」
( ・∀・)「『はい』」
('A`)「はい」
( ・∀・)「君の番だよ。少年に説明を」
('A`)「はーい。いってきまーす」
( ・∀・)
( ・∀・)「もう暫くしたら君も行きたまえ。ほんのちょっとでも
おかしな所があったら、分かっているね?」
(゚-゚,)「はい。兄さん」
.
12
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:51:50 ID:RCYe1ZrM0
ライチ光倶楽部みたいだな
13
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:52:24 ID:dzGjmNhk0
(*´_ゝ`) ヒソヒソ
(´<_`*) クスクス
('A`)「よっ。アニジャ兄さん、オトジャ兄さん。例の少年は?」
(*´_ゝ`)「眼帯を新しく取り替えた、とオトジャが言ってる」クスクス
(´<_`*)「体はなんてことない傷だ、とアニジャが言ってる」クスクス
('A`)「なんだか妙だぞ?さてはお前ら、またなにか楽しいことしてるんじゃないだろうな?」
(*´_ゝ`)(´<_`*) クスクス
( (゚)ω^)「アニジャ兄さんとオトジャ兄さん、本物のお医者さんみたいだったお!」
('A`)
('∀`)「……ぷっ。やられたな、お前さん」
( (゚)ω^)「おっ?なに?」
('A`)「よくやるんだよ、あの悪戯好きの双子はさ。小道具まで作って
死んだふりしてみせたり、勝手に基地をヘンテコリンに模様替えしたり」
('A`)っ[鏡]「治療した少年に目ん玉を縫い付けてかっこよーく改造した眼帯をつけたり」
( (゚)ω^)「目玉?目玉ってなに……おお!目玉!?」
('∀`)「けけけ」
( ´_ゝ`)(´<_` ) クスクス
.
14
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:54:02 ID:dzGjmNhk0
('A`)「あー……もう痛くねぇか?」
( %ω^)「僕、痛いってよく分からないんだお」
('A`)「そういやそう言ってたっけ」
( %ω^)「痛くはないけど、怪我したところはちょっぴり熱くなって、変なかんじがするんだお」
('A`)「それも言ってたっけ」
('A`)「まあともかく、だ。こっからは俺が説明する番ってことで、ひとつよろしく少年」
( %ω^)「よろしくお。ええと、君は」
('A`)「『ドクオ兄さん』だよ」
( %ω^)「ドクオ兄さん。僕は2組の『内藤ホライゾン』だお」
('A`)「違うね。それは外の世界での名前だろ?ここでは違う」
( %ω^)「それなら僕、ここでは誰くんなんだお?」
('A`)「それはお前さんが決めることだ。いまはまだ『少年B』とかでいいんじゃね?」
( %ω^)「少年B?」
( %ω^)(なんか変なかんじするお。この名前を口にしたせいかお?)
( %ω^)「少年B、少年B、少年B、少年B、少年B、少年B」ブツブツ
('A`)「なんだってんだ?おかしな奴だ」
( ´_ゝ`)「少年Bだとさ」コソコソ
(´<_` )「少年B兄さん」ヒソヒソ
.
15
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:56:05 ID:dzGjmNhk0
('A`)「俺達九人の試験を受けてもらうって話はしたよな?」
( %ω^)(九人?)
('A`)「記念すべき一日目はここ、悪戯好きな俺達の組ってわけ」
( %ω^)(いち、に、さん、し)
( ´_ゝ`)(´<_` ) クスクス
( %ω^)(ご、ろく、なな、はち、きゅう……)
( %ω^)「十人いrもごっ」
('A`)「いったんお口閉じような」
( ´_ゝ`)(´<_` ) ジー
('A`)「いいか、よく聞け。俺はどちらかと言えば少年少女の掟を守らない方だが、
誰に何をしたらいけないかはきちんと守るぜ」ヒソヒソ
('A`)「もしもいまお前さんがその言葉を口にしたら、大変なことになるって言ってるんだよ」ヒソヒソ
( %ω^)「どう……」
('A`)「『どうして?』はなし、『なぜ?』もなし。人には人の事情があるんだよ」ヒソヒソ
('A`)「ここにいるのは全員、そういうのを抱えてるいかれた連中なのさ」ヒソヒソ
( %ω^)「………?」
('A`)「とにかく、あの双子は二人で一人なんだ。
どっちがどっちかなんて、永遠に分からないままでいい」ヒソヒソ
('A`)「俺達はいま九人で、最後の十人目を探してるんだ。お分かり?」ヒソヒソ
.
16
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:57:24 ID:dzGjmNhk0
( %ω^)「うーん?」
('A`)「返事は『はい』」
( %ω^)「でも」
('A`)「返事は『はい』だと言ったんだぜ?」
( %ω^)「はいお」
('A`)「『はい』」
( %ω^)「はいお!」
('A`)「……まあいいか」
( ´_ゝ`)(´<_` ) ガタッ
('A`)「どこ行くんだ?」
( ´_ゝ`)「ご飯をあげにいく時間だから失礼する、とオトジャが言ってる」
(´<_` )「俺等の仕事は終わったから遊ばせてくる、とアニジャが言ってる」
( %ω^)「ごはん?なんか飼ってるんだお?」
( ´_ゝ`)「わんわん」
(´<_` )「にゃあにゃあ」
( %ω^)「えっ?どっちだお?」
( ´_ゝ`)(´<_` ) クスクス
パタンッ
.
17
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:57:59 ID:dzGjmNhk0
( %ω^)「いっちゃったお」
('A`)「気にしなさんな。あの双子は報告のときかお互いとしかまともに話さないんだ」
('A`)「仕事と悪戯は双子がいると楽だけどよ、話し合いするときは面倒ったらないぜ」
( %ω^)「ごはん作りに行ったんだお?」
('A`)「それはまた別の組の仕事。楽しみにしとけよ?
もう寮の味のない晩飯なんか食わなくていいんだぜ」
( %ω^)「ごはんが楽しみってどういうことだお?」
('A`)「楽しみにしとけって」
( %ω^)「悪戯組はどんな仕事してるんだお?」
('A`)「ふはっ、悪戯組だって?まあ悪戯組は……いろいろあるが
主に偵察とギャシャ姉さんの両腕と、さっき見たとおり治療だな」
( %ω^)「ドクオ兄さんもお医者さんみたいに出来るんだお?」
('A`)「いんや?偵察と治療は双子の仕事。俺の仕事は悪戯とお前らの観察だな」
( %ω^)「おん?それって仕事かお?」
('∀`)「おーおー仕事仕事。実に大切なお仕事だぜぇ」
.
18
:
名無しさん
:2019/01/14(月) 23:59:43 ID:dzGjmNhk0
( %ω^)「そういえば、この倶楽部でなに飼ってるんだお?」
('A`)「なんだいお前さん、質問ばっかりだな?まあいいが」
('A`)「倶楽部でじゃない、双子がなにかをどこかで飼ってるんだよ、
勝手にな。なんとも秘密主義な奴等だ」
( %ω^)「もうひとつ、聞いてもいいお?」
('A`)「構わんが。俺はいま最っ高に仕事したい気分だから、きっと悪戯に嘘をつくぜ?」
(;%ω^)「おーん。意地悪だおー」
('∀`)「けけけ。違うね、悪戯だよ」
( %ω^)「ここって何する倶楽部なんだお?」
('∀`)「なんだっけかな?世界平和か?いいや世界征服だったか?」
( %ω^)「どうしてあの日、選ばれたのが僕だったんだお?」
('∀`)「モララー兄さんが言ってたろ、あの人の言うことが全てだ。
いわゆる『運命のお導き』ってやつなのだ!」
カランコロン
('A`)(まずい。この音は)
(゚-゚,)「何故意地悪するんだい?教えてあげればいいじゃないか」
('A`)(やっぱりギャシャ姉さんの下駄の音か)
( %ω^)「ほら、ほら!やっぱり意地悪!」
('A`)「ちぇっ。かわいい悪戯なのに」
.
19
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:01:17 ID:yDLNkVI20
(゚-゚,)「許しておくれ。ドクオと来たらとんだ天邪鬼でね、本当はお前と仲良くなりたいんだよ」
( %ω^)「そうなのかお?」
('A`)「はいはいそのとおりそのとおり。はあーあ」
(゚-゚,)「どうしてお前が選ばれたのかと聞いたね?」
( %ω^)「うん」
(゚-゚,)「答えは僕達の制服の下に隠されている」グイッ
( %ω^) ビクッ
(゚-゚,)「足で触ってご免よ。何せこの僕、両腕がないものでね」
( %ω^)「ううん。そうじゃないんだお」
( %ω^)「僕の首を見ると、みんな悪い顔をするから。でも君達は違うみたい」
(゚-゚,)「勿論だとも。お前の首をぐるりと回っている
この黒い痣の輪、この印を『僕達』は探していたのさ」
( %ω^)「生まれたときからあるんだお。みんな『クビククリ』って呼ぶお」
(゚-゚,)「僕達は『メイノワ』って呼んでる」
(゚-゚,)「これをご覧よ」グイッ
( %ω^)「おっ」
(゚-゚,)「あは、驚いたかい。僕達九人の首にも同じ、首を括ったような痣があるのさ」
( %ω^)「!」
( %ω^)(………?まただお、変なかんじ……)
.
20
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:03:22 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「えっと、君は……モララー兄さん?」
(゚-゚,)「ギャシャ」
( %ω^)「ギャシャ兄さん」
(゚-゚,)「どうかしたかい、少年」
( %ω^)「ううん。『少年B』だお」
(゚-゚,)「少年B?」
( %ω^)「ここでの僕の名前だお。ドクオ兄さんがつけてくれたお」
('A`)「いや仮だからな。人様の名付け親なんてまっぴらごめんだぜ」
(゚-゚,)「少年B、確かに覚えたよ。お前が『僕達』になるまで、お前の事をそう呼ぼう」
( %ω^)「ギャシャ兄さん、変なこと聞いてもいい?」
(゚-゚,)「どんな事でも付き合うよ」
( %ω^)「ギャシャ兄さんは怒ってるお?」
(゚-゚,)「まさか。少年Bに怒った事なんて、ただの一度もないよ」
('A`)「あー……俺達が一度は通る道だな。ギャシャ姉さんが
真顔で棒読みなのはいつものことだから気にしなくていいんだぜ」
(゚-゚,)「心に体が追い付いてないだけさ」
.
21
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:04:55 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「僕、もうこれからずっと、ここにいるんだお?」
(゚-゚,)「あはははは。何を言うのかと思えば」
(゚-゚,)「少年B、そんな事はないんだよ。お前は明日も元気に学校へ行くのだから」
( %ω^)「えっ」
(゚-゚,)「学校が終わって夕暮れになったなら、僕達少年少女の時間さ。
部屋を抜け出して秘密基地に集うのさ。
そして真夜中の笛が鳴ったら、全員寮にこっそりと戻っていく」
(;%ω^)
(゚-゚,)「誰にも知られてはいけないよ、『僕達』のままでいたいならば」
(゚-゚,) ドサッ
('A`) スッ
(゚-゚,)「隣にお座りよ、少年B」
( %ω^) ストンッ
(゚-゚,)「お前に教えよう、僕達少年少女の掟を」
(゚-゚,)「大丈夫だよ。僕達の夜はきっと、外の世界より少しばかり長い」
.
22
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:08:03 ID:yDLNkVI20
( %人-)(ビロード様、ビロード様)
( %人-)(どうか今日という日の僕が、平和でありますように)
【二日目・朝】
ガシッ
( %ω^)「おっ?」
(;'A`)「はっ、はあ、やっと捕まえたぞ、おんなじクラスの内藤くん」
( %ω^)「なんだってそんなに疲れてるんだお?」
(;'A`)「はてさて、なんででしょうねぇ?誰かさんが休み時間のたんびに学校中を
走りに行っちまうから、休み時間のたんびに追いかけてたせいですかねぇぇぇ?」
(;%ω^)「ご、ごめんお。だって走らずにはいられないんだお」
('A`)「はあ。いいから教室に戻るぜ」
ザワザワ
ザワザワ
「見ろよ、あれ」
「まただ」
「また白服だよ」
ザワザワ
ザワザワ
.
23
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:09:00 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「なんかあそこ人が集まってるお?」
('A`)「気にしなくていい。いつものことだから」
( %ω^)「ふぅん。いつものことなんだおね」
( %ω^)「ちょっと気になっちゃダメかお?」
('A`)「ダメ」
(´ ω `)σ「あの教室」
( %ω^)「おっ?」
(´・ω・`)σ「昨日の夜あそこで白服が首を吊ったんだってさ」
( %ω^)「首……」
('A`)
( %ω^)「どうかしたお?」
('A`)「あっ?いや一瞬初等部のガキンチョかと思ってな」
(´・ω・`)「うっわ、びっくり。僕のこと覚えてないんだ?」
('A`)「内藤くん、お知り合いかい?」
( %ω^)「おっ。はじめましてだお?」
(´・ω・`)「うーん?じゃあそれでいいや。はじめまして、諸本くんでーす」
.
24
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:11:01 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「はじめましてじゃなかったみたいだお」
('A`)「仕方のないことだよ、内藤くん。この学校は
クラスがありすぎて、生徒も腐るほどいるんだから」
ザワザワ
ザワザワ
「やっぱりこれって」
「そうだよね」
「『ビロードの息子』の仕業だ」
ザワザワ
ザワザワ
( %ω^)「ビロードの息子?」
(´・ω・`)「ひどい人だよ、本当にひどい人」
(´・ω・`)「異常者、連続殺人鬼、サディスト、学校に棲みつくとんでもない極悪人。
悪いことならそりゃあもう、どんなことだってやるんだから」
.
25
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:12:20 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「ビロードって、ビロード様?」
('A`)「おいおい君君、どこまでついてくる気だい?」
(´・ω・`)「おんなじクラスですぅー」
( %ω^)(ひどい人?)
('A`)「あー……宇都宮くんだっけ?」
(´・ω・`)「それ君の名前じゃない?」
('A`)「言われてみればそうだった気がする」
(´・ω・`)「ぷぷっ、笑うんだけど。内藤くんもそう思わない?」
( %ω^)(ビロード様の息子がひどい人?)
(´・ω・`)「もしもーし?内藤くーん?脳味噌お留守ですかー?」
( %ω^)「おっ」
('A`)「ぼうっとしてどうしたんだい?」
( %ω^)「ううん。気のせいだったお」
('A`)「そろそろ教室だよ」
(´・ω・`)「そういえば二人にお願いごとあるんだけど」
('A`)「はあ。なんだい?」
(´・ω・`)「もっと僕から離れて歩いてくれない?」
('A`)「お前さんって奴は……」
.
26
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:13:18 ID:yDLNkVI20
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「起立」
「ビロード様、ビロード様」
「「「ビロード様、ビロード様」」」
「今日という日に与えてくださった幸福を感謝します」
「「「今日という日に与えてくださった幸福を感謝します」」」
「ビロード様に、一礼」
「それでは皆様さようなら」
「「「さようなら」」」
(;;%ω^)「さようなら」
【二日目・夜】
.
27
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:15:11 ID:yDLNkVI20
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
クスクス
クスクス
ξ ⊿ )ξ「なつはよる。つきのころはさらなり」
ζ( ー *ζ「やみもなほ、ほたるのおおくとびちがひたる」
ξ ⊿ )ξ「また、ただひとつふたつなど……」
ζ( ー *ζ「ほのかにうちひかりていくもをかし」
ξ ⊿ )ξ「あめなどふるもをかし」
クスクス
クスクス
バタンッ
.
28
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:16:15 ID:yDLNkVI20
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
バサッ
(;;%ω^)「ぷはっ」
ξ゚⊿゚)ξ「いらっしゃい。今日は私達の番よ、少年B!」
ζ(゚ー゚*ζ「よかった。また会える日をずっと待ってたんだよ」
(;;%ω^)「えっと、誰だお?」
ζ(゚ー゚*;ζ「ひゃあ!傷だらけ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「なによ弱っちいのね、あんた!手当てするから、はやくこっち来なさいよ!」
(;;%ω^)「大丈夫だお。これっぽっちも痛くなんかないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたバカなの?そういう問題じゃないでしょ!」
ζ(゚ー゚*;ζ「ああ、手もこんなに傷ついて!こんなになるまで頑張ったんだね、少年B」
(;;%ω^)「君達、誰だお?」
ζ(゚ー゚*ζ「貴方の姉さんよ。もう大丈夫だよ、ツン姉さんとデレ姉さんが守ってあげるからね」
ギュッ
(;;%ω^)(……あれ?)
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……」
バタンッ‼︎
( ・∀・)「ご機嫌よう、諸君!」
(゚-゚,)「デレ、離れて」
ζ(゚ー゚*;ζ「はっ!また抱きついちゃった!」パッ
ξ;゚⊿゚)ξ「まったくもう、デレ姉さんのくっつき癖にも困ったものだわ」
.
29
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:17:41 ID:yDLNkVI20
ξ゚⊿゚)ξ「誰にも彼にもちっちゃい子にするみたいにしちゃうんだから。
そんなんだから誰にも彼にも勘違いされて、危ない目に遭うんだからね!」
ζ(゚ー゚*;ζ「ごめんなさい……」
(;;%ω^)「モララー兄さんにギャシャ兄さん?」
( ・∀・)「やあやあ。驚かせてすまなかったね、少年」
(゚-゚,)「アニジャ、オトジャ、集合」ピピーッ
タタタッ
バタン
( ´_ゝ`)「お呼びですか」(´<_` )
(;;%ω^)「笛?」
ξ゚⊿゚)ξ「あの笛で私達に号令をかけるのよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ギャシャ姉さんだけが持ってるの」
(゚-゚,)「少年Bの治療を」
( ´_ゝ`)「はい、兄さん」(´<_` )
.
30
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:19:07 ID:yDLNkVI20
( ´_ゝ`)「治療が終わりました、とオトジャが言ってる」
(´<_` )「昨日よりひどい傷だ、とアニジャが言ってる」
(゚-゚,)「そうかい。二人共ありがとう」
( ・∀・)「終わったかい?それじゃあ約束の時間まで、僕達はお暇するとしよう」
( ´_ゝ`)「はい、兄さん」(´<_` )
( ・∀・)「君はここに残りたまえ、ギャシャ。いいね?」
(゚-゚,)「はい、兄さん」
ζ(゚ー゚*ζ「少年B、治療中じっと我慢できて偉かったね。もう痛い……変に思うところない?」
( %ω^)「ありがとう、大丈夫だお」
ξ゚⊿゚)ξ「私達からハイン兄さんとロマネスク兄さんに止めるよう言おうか?」
( %ω^)「へっちゃらだお。僕の体ってすっごく強いんだお、怪我なんてすぐ治っちゃうお!」
( %ω^)「ええと、どっちがツン姉さんで、どっちがデレ姉さん?」
ξ゚⊿゚)ξ「私がツンよ」
ζ(゚ー゚*ζ「デレだよ。これからよろしくね!」
ξ゚⊿゚)ξ「って、こら!また抱きつこうとしてる!」
ζ(゚ー゚*;ζ「はっ!ご、ごめんなさい……」
( %ω^)「ううん。ちっとも嫌じゃないお」
ξ゚⊿゚)ξ「でも恋なんてしちゃダメよ?絶対にダメなんだから!」
( %ω^)「恋?うーん、恋とか愛とか、そういうのよく分かんないお」
.
31
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:21:39 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「聞いてもいいお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いちいち言わなくたって、ちゃんと聞いてるわよ」
( %ω^)「僕、ここにくるとき、ずっとこうなのかお?」
ζ(゚ー゚*ζ「こうって、どう?」
( %ω^)「あの、頭に袋を被って、口に布を突っ込まれて、手を縄で縛って」
ξ゚⊿゚)ξ「当たり前でしょ、少年少女の掟だもの!
あんたにはまだ倶楽部の活動場所を教えられないわ」
ζ(゚ー゚*ζ「もうちょっとだけ我慢してちょうだいね」
( %ω^)「いつまでこうなんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたが『私達』になるまで。だからはやく『私達』になりなさいよね」
( %ω^)「どうして僕を仲間に入れてくれたんだお?」
(゚-゚,)「仲間?」
(゚-゚,)「お前は僕達をそう思ってたのかい?」
( %ω^)「えっ?違うお?」
(゚-゚,)
ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚ー゚*ζ「心配しなくていいんだよ。この試練が終わったら分かるから。
モララー兄さんが教えてくれるから。ぜんぶぜんぶ、分かるからね」
.
32
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:22:36 ID:yDLNkVI20
( %ω^)
(゚-゚,)
( %ω^)「こんなに長いテーブル初めてだお」
(゚-゚,)「十人用だからね」
( %ω^)「もっとそっちにいっていい?
反対側と反対側に座ってたら、お話ししにくいお」
(゚-゚,)「それは出来ない相談さ。僕達の席はもう決まってる」
( %ω^)「ツン姉さんとデレ姉さんは?」
(゚-゚,)「今頃頑張ってるさ」
( %ω^)「僕なんにもしなくていいお?」
(゚-゚,)「二人の力になりたいんだね。それならとびっきり
驚く準備と、とびっきり喜ぶ準備をしていてあげたまえ」
( %ω^)「おっ?」
(゚-゚,)「そろそろ時間だ」
ピピーーーーーッ‼︎
(゚-゚,)「全員、笛の音に集合!」ピッ
( %ω^)「おっ!笛!」
.
33
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:24:00 ID:yDLNkVI20
タタタッ
ガチャ
パタンッ
( ´_ゝ`)「お呼びですか」(´<_` )
(゚-゚,)「流石だね、一等賞だよ。アニジャ、オトジャ」
( ´_ゝ`)「聞いたか?また一等賞だと。流石だな、俺等」ヒソヒソ
(´<_` )「流石だよな、俺達。兄さんの優秀な両腕だからな」コソコソ
( ´_ゝ`) クスクス
(´<_` ) クスクス
ドタドタ
ガチャッ‼︎
バッターン‼︎
从 ゚∀从「ハッハァ!残念だったな、ロマネスク兄さん!
今回はハインリッヒ様のが早かったぜ!」
( ФωФ)「なんの。吾輩の勝ちである」
从# ゚∀从「あ゛あ゛ん!?この俺が負けたって言うのか!?テメェの目は節穴かよ!?」
( ФωФ)「わざと負けた方が良かったであるか?真実を言わない方が良かったであるか?」
从# ゚∀从「わざと負けたらぶっ殺す!!いや負けてねーわ!!」
( ФωФ)「なら我輩の勝ちである。このロマネスク、嘘は吐かないである」
从# ゚∀从「その役に立たねー目ン玉ほじくって脳みそちゅーちゅー吸っちゃうぞクソネコがァ!!」
(゚-゚,)「ハイン兄さん、優しく」
从; ゚∀从「……チイッ。『世界が平和になりますように』!」
.
34
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:26:06 ID:yDLNkVI20
トタトタッ
ガチャッ
川 ゚ 々゚)「じゃじゃーん!トーチャーク!」
( ・∀・)「おや。もうみんな揃ってるのかい?」
(゚-゚,)「ドクオがまだ」
( ・∀・)「やれやれ。またかい」
川 ゚ 々゚)「きいてください!クルウちゃん、なんと!モララー兄さんをゴエェしました!」
川 ゚ 々゚)「ちゃんとおててつないで、モララー兄さんつれてきました!
モララー兄さん笑ってました!ほめてください!」
( ・∀・)「有り難うクルウ姉さん、お陰で無事に辿り着いたよ。君は素晴らしい!」
川* ゚ 々゚)「んふふー!」
スタスタ
パタンッ
('A`)「おいおいドア開きっぱだぜ」
( ФωФ)「開きっぱなしにするのはクルウ姉さんかドクオ兄さんだけである」
('A`)「あー……俺の中にいるもう一人の人格がやったのかもな」
( ФωФ)「なんと。ドクオ兄さんはもう一人いるのか?」
('∀`)「いるいる。普段は俺の右手の中で眠ってるが、ひとたび起きたら大変なことだぜ」
( ´_ゝ`)「またドクオ兄さんがくだらない嘘をついてるであるぞ、オトジャ」ヒソヒソ
(´<_` )「ロマネスク兄さんったら騙されやすいであるからな、アニジャ」コソコソ
川 ゚ 々゚)「あたらしい兄さん!」ガバッ
(;%ω^)「おっ!?」
.
35
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:29:39 ID:yDLNkVI20
川 ゚ 々゚)「クルウちゃん、ツン姉さんとデレ姉さんの、おてつだいにいきます!
じょうずにできたら、ほめてください!」ギリギリ
(;%ω^)「く、首っ……ぐぇえ……」ギュウゥゥゥ
从 ゚∀从「お゛お゛い!今日は俺達の番じゃねーつったろうが!
ロマネスク兄さん、クルウ姉さん持ってけ!」
( ФωФ)「クルウ姉さん、吾輩達の番は明日である」ヒョイッ
川 ゚ 々゚)「あうっ」
(;%ω^)「げほげほっ」
川 ゚ ∀゚)ノシ「またね、あたらしい兄さん」
(;%ω^)ノシ「ま、またね、だお」
从 ゚∀从「オラァ!どいつもこいつも座れ座れ!」
( ´_ゝ`)「ハイン兄さん怒ってる怒ってる」クスクス
(´<_` )「ハイン兄さんこわいこわい」クスクス
从# ゚∀从「聞こえてんだよなァ!!テメェ等ツン姉さんとデレ姉さんに
飲み物注ぐよう頼まれてただろうが!とっととお手伝いしてきやがれ!」
( ´_ゝ`)「鬼だオトジャ!白い鬼が出たぞー!」クスクス
(´<_` )「きゃーきゃー!逃げろアニジャー!」クスクス
.
36
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:31:57 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「おお!見たことない食べ物がたくさん!」
('A`)「こんなん学校の寮じゃあ永遠に食べられないぜ」
( %ω^)「すっごくいい匂いだお!なにが始まるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ただの晩ご飯よ」
ζ(゚ー゚*ζ「いつもみんなでご飯を食べてから、それぞれの仕事に入るんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「朝と昼は無理だけど、あんたもこれからはここで食べなさいよ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんはお料理がとっても上手なの!あの日の夜からね、
ずっと言ってたのよ。『少年Bは美味しいって言ってくれるかしら?』って、それで」
ξ;*゚⊿゚)ξ「わーわー!!ばかねっ!言わなくっていいのよ、そんなことは!」バッ
ζ(゚ー゚*;ζ「んむむっ」
ξ;*゚⊿゚)ξ「とにかく!料理と裁縫、これが私達の仕事よ。例外を除けばねっ」
( %ω^)「ドクオ兄さんのいうことは、本当だったんだおね。
ごはんが楽しみになったお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふんっ。お口に合うなら、いくらでもおかわりしてもいいのよ?」
( %ω^)「……?」
( %ω^)(まただお。このかんじ)
(゚-゚,)「モララー兄さん、準備が整ったみたいだよ」
( ・∀・)「おほんっ。親愛なる諸君!静粛に、静粛に!」
(゚-゚,)「全員、モララー兄さんに注目」ピッ
( ・∀・)「まずは、デレ姉さん」
ζ(゚ー゚*ζ「えへへ。少年Bに贈り物があるの」
.
37
:
>>36一行目ミス
:2019/01/15(火) 00:33:37 ID:yDLNkVI20
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと十人全員に行き渡ったかしら?」
( %ω^)「おお!見たことない食べ物がたくさん!」
('A`)「こんなん学校の寮じゃあ永遠に食べられないぜ」
( %ω^)「すっごくいい匂いだお!なにが始まるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ただの晩ご飯よ」
ζ(゚ー゚*ζ「いつもみんなでご飯を食べてから、それぞれの仕事に入るんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「朝と昼は無理だけど、あんたもこれからはここで食べなさいよ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんはお料理がとっても上手なの!あの日の夜からね、
ずっと言ってたのよ。『少年Bは美味しいって言ってくれるかしら?』って、それで」
ξ;*゚⊿゚)ξ「わーわー!!ばかねっ!言わなくっていいのよ、そんなことは!」バッ
ζ(゚ー゚*;ζ「んむむっ」
ξ;*゚⊿゚)ξ「とにかく!料理と裁縫、これが私達の仕事よ。例外を除けばねっ」
( %ω^)「ドクオ兄さんのいうことは、本当だったんだおね。
ごはんが楽しみになったお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふんっ。お口に合うなら、いくらでもおかわりしてもいいのよ?」
( %ω^)「……?」
( %ω^)(まただお。このかんじ)
(゚-゚,)「モララー兄さん、準備が整ったみたいだよ」
( ・∀・)「おほんっ。親愛なる諸君!静粛に、静粛に!」
(゚-゚,)「全員、モララー兄さんに注目」ピッ
( ・∀・)「まずは、デレ姉さん」
ζ(゚ー゚*ζ「えへへ。少年Bに贈り物があるの」
.
38
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:36:30 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「おお!これは……眼帯だおね?」
ζ(゚ー゚*ζ「私が作ったの。あの日初めて少年Bに会ったあと、必要かなって思って」
ζ(゚ー゚*;ζ「昨日なんにも知らなかったアニジャ兄さんとオトジャ兄さんが持ってっちゃって、
おまけに目玉までくっついちゃってたときはびっくりしたよ」
ζ(゚ー゚*ζ「どう、かな?気に入ってもらえたかな?」
( %ω^)「うん。大切にするお!」
( ・∀・)「ああ!なんという感動的な瞬間だろう!涙が溢れて止まらなくなりそうだ!」
( ・∀・)「拍手喝采!」
パチパチ
パチパチ
ζ(゚ー゚*ζ「少年Bのお人形さんも作りたいな。それと、お洋服も!
寮や学校の中は卒業するまでこの制服しか着たらいけないもんね」
ζ(^ー^*ζ「一生懸命作るから、楽しみにしていてね!」
( %ω^)「……?」
( %ω^)(まただお。なんなんだお?分かんないお)
( ・∀・)「さあ、乾杯しよう!グラスを持ちたまえ!」
( ・∀・)「今日という日の僕達に!」
「「「今日という日の僕達に!」」」
( %ω^)
( %人-)(ビロード様、ビロード様)
( %人-)(今日という日に与えてくださった幸福を感謝します)
.
39
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:37:25 ID:yDLNkVI20
( %人-)(ビロード様、ビロード様)
( %人-)(どうか今日という日の僕が、平和でありますように)
【三日目・朝】
カランコロン
( %ω^)「おっ?兄さんの音がするお」
(゚-゚,) カランコロン
( %ω^)ノシ「やっぱり兄さんの音だお!おーい、おーい!」
(゚-゚,)
(゚-゚,) カランコロン
( %ω^)ノシ「あれ?聞こえないのかお?おーい!」
(゚-゚,)「誰ですか?」
( %ω^)「おん?僕僕!僕だお!」
(゚-゚,)「知りません。そこを退いてください」
('A`)「内藤くん!よしなよ、毛利さんは忙しいんだぜ」
( %ω^)「毛利さん?」
(゚-゚,)「失礼します」カランコロン
( %ω^)「あっうん。またね、だお」
(゚-゚,) カランコロン
.
40
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:39:49 ID:yDLNkVI20
ザワザワ
ザワザワ
「また今日も白服が死んだって」
「何組の白服?2組?13組?それとも32組?」
「32組のは一昨日死んだんじゃなかった?」
ザワザワ
ザワザワ
(´ ω `)「毛利くーん」
(゚-゚,)「はい?」
(´・ω・`)「落し物だよ、64組の毛利くん」
(゚-゚,)「ああ。礼を言うよ、2組の諸本くん」
(´・ω・`)「ひゃあ。相変わらず涼しそうで羨ましいや。制服の前全開にして?
下に袖なしの服を着て?おまけに下駄だなんて!僕がやったら逆様ものだよ」
(゚-゚,)「日常的に二の腕と素足を使うにはこれが一番なんだよ。ご覧の通り、」
(゚-゚,)「僕には腕がなくてね」(´・ω・`)
(´・ω・`)「あはは。知ってるー」
(゚-゚,)「あはは。知られてたか」
(´・ω・`)「お礼なんていらないよ。いいことしたら気持ちいいからしただけ」
(゚-゚,)「お前も相変わらずだね。でも、礼は言うよ」カランコロン
(´・ω・`)ノシ「ばいばい」
.
41
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:41:10 ID:yDLNkVI20
(::::::)「毛利さん!やっと見つけた!」
(゚-゚,)「誰ですか?」
(::::::)「いつになったら覚えてくれるんですか?隣の席の██です!次の授業のことで……」
ザワザワ
ザワザワ
「知ってる?『クビククリ』の噂!」
「噂なんてありすぎて分かりゃあしないさ」
「何人もの『クビククリ』が集まって、組織を作ってるって噂!」
ザワザワ
ザワザワ
(´・ω・`) コツコツ
('A`)
( %ω^)
(´・ω・`)「……あれ?あそこにいるのは」
('A`)ノシ「内藤くん、ちょっとお話が」
( %ω^)「おっ?なになに?」
('A`)「こっちこっち、この教室の中に」
ガラガラ
ピシャン
.
42
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:43:39 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「おー!これぜんぶ、学校で飼ってるんだお?
僕、動物をこんなに近くで見るのはじめてだお!」
( %ω^)「よしよし、かわいいおー。おとなしいおねー」
('A`)「ホルマリンだよ。みんな死んでるぜ」
( %ω^)「なーんだ。この水槽ぜんぶ棺桶なんだおね」
('A`)「標本なんだおよ」
( %ω^)「そういえば、さっきのギャシャ兄さんにそっくりだったお」
('A`)「だろうな。ありゃギャシャ姉さんその人だぜ」
( %ω^)「おっ?」
('A`)「あんな真顔で棒読みで、おまけに両腕なくて下駄まで履いてる奴、二人もいてたまるもんか」
('A`)「掟にあったろ。倶楽部の外の世界じゃあ、俺達は他人なんだ。
話しかけたり関わりすぎるのは、少年少女の掟に反するぜ」
( %ω^)「でも、僕とドクオ兄さんは?」
('A`)「『僕と宇都宮くん』だ。さんはいっ」
( %ω^)「おっ?僕と宇都宮くんは?」
('A`)「俺達はクラスメイトだろ。こうして普通にしてるのが普通なんだよ」
('A`)「お前さんは掟を守らなくっちゃあいけない。そら見ただろう?
初めてこの秘密基地に迷い込んだ日にさ。裏切り者が一体どうなるか」
( %ω^)「あの子はどうして裏切り者になったんだお?」
.
43
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:44:16 ID:yDLNkVI20
('A`)「あー……言うなって言われてんだけど」
('A`)「まあいいか。俺から聞いたって誰にも言うなよ?」
( %ω^)「うん。誰にも言わないお」
('A`)「少年少女の掟を破っちまったんだ」
( %ω^)「よっぽどひどいことなんだおね」
('A`)「ああ、ひどいね。ありゃひどいよ。なんせ、」
(´・ω・`)「こんこん。入ってますかー?」
( %ω^)「おっ?誰かきたみたいだお」
('A`)「あー……こりゃあ面倒がきたな」
ガラガラ
ピシャン
(´・ω・`)「お邪魔しまーす。うひゃーここ死体だらけで悪趣味ー」
( %ω^)「誰だお?」
('A`)「内藤くん、覚えてないのかい?」
.
44
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:46:16 ID:yDLNkVI20
(´・ω・`) スウッ
(´>ω<`)「ビロードの息子ときたら!ひどい人!ああ本当にひどい人!」
(´>ω<`)「異常者!連続殺人鬼!サディスト!学校に棲みつくとんでもない極悪人!
悪いことならそりゃあもう、どんなことだってやるんだから!」
(´・ω・`)「……どう?」
( %ω^)「ああっ!昨日の!ええと、ええと!」
(´・ω・`)「かわいいクラスメイトの諸本くんでーす」
( %ω^)「ごめんお。僕、家族とか友達とか以外は覚えていられないんだお」
('A`)「君君、一体なんなんだい?教室ではさんっざん僕達を無視したくせに」
(´・ω・`)「だって周りの人に友達だって思われたらどうするの」
('A`)「お前さんって奴は……」
(´・ω・`)「たまたま二人が第一理科準備室に入るのが見えたからつい来ちゃった」
( %ω^)「僕等、友達になれないんだお?」
(´・ω・`)「んー、どうせ裏切るよ?それでもいい?」
('A`)
.
45
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:47:09 ID:yDLNkVI20
( %ω^)「裏切られるのはよくないお」
(´・ω・`)「でしょ?こうやってお話しするくらいがちょうどいいと思うんだよねー。
ここにいる三人でさ、長い休み時間にさ、人の目から隠れたところでさ」
( %ω^)「明日もこの時間にここで?」
('A`)「おんなじ時間と場所は関心しないな。二時間目の休み時間に第二倉庫は?」
(´・ω・`)「そこやだ。お昼休みに第七図書資料室にしない?決まりね!」
('A`)「勝手に決めやがって」
( %ω^)「お昼休みにダイナナトチョウシリョウシツ……覚えたお!」
('A`)「はあ。内藤くん、そろそろ教室に戻ろうか」
(´・ω・`)「待って」
( %ω^)「おん?」
(´・ω・`)「放課後。今日の放課後は時間ある?」
( %ω^)「ごめんお。放課後は行かなくっちゃいけないところがあるんだお」
.
46
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:48:38 ID:yDLNkVI20
ズルッ
川 々 )「しーろーいードーレースーきていーるーデレ姉さーん♪」
川 々 )「ドーアーのーべールーにツン姉さんのーディーナー♪」
川 々 )「リーボーンーむすびーのー少年Bー♪」
ズルッ
川 々 )「みーんーなー私ーのーおきにーいりー♪」
バタンッ‼︎
【三日目・夜】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
バサッ
(;;%ω^)「かはっ、げほげほっ!」
川 ゚ 々゚)「クルウちゃん、やりました!ここまで少年Bをひきずってきました!
とってもがんばりました!ほめてください!」
(;;%ω^)「な、に、こほっ」
.
47
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:49:54 ID:yDLNkVI20
川 ゚ 々゚)「ほめてください!クルウちゃん、たいへんよくできました!
ほめてください!なまえをよんで、あたまをなでてください!」
(;;%ω^)「あ、ありがとうお?」
川 ゚ 々゚)「ほめてください!ほめてください!」
(;;%ω^)「おう?」
川 ゚ 々゚)「クルウちゃん、少年Bにほめてもらいたいです!
どうしたらほめてくれますか?クルウちゃん、いいこになりたいです!」
(;;%ω^)「クルウ姉さん」
川 ゚ 々゚)「少年Bがこわいもの、にどとみなくていいようにしたら、ほめてくれますか?」
(;;%ω^)
カラコロッ
(゚-゚,)「クルウ姉さん、おいで!」
川 ゚ 々゚)「!」
(゚-゚,)「よしよし。クルウ姉さんは良い子だよ」
川 ゚ 々゚)「クルウちゃん、みんなのやくにたちましたか?
ちゃんとギャシャ姉さん達のいいこでいられてますか?」
(゚-゚,)「勿論だよ。お前はいつだって僕達の為に一生懸命じゃないか」
川* ゚ 々゚)「んふ。んふふ」
.
48
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:52:17 ID:yDLNkVI20
(;;%ω^)「……?」
( ・∀・)「ご機嫌よう、少年!」
(;;%ω^)「モララー兄さん。クルウ姉さん、どうしたんだお?」
( ・∀・)「いつもの事さ。おかしな所など一つもない。良い事をして良い子であろうとしてるのさ」
( ・∀・)「君もクルウ姉さんが良い事をしたら褒めてやってくれたまえ」
(;;%ω^)「でも僕、褒めるの下手っぴだお?」
( ・∀・)「何を言うのかと思えば!」
(;;%ω^)「迷惑だって思われないお?」
( ・∀・)「君は思うのかい?下手糞な褒め言葉を、迷惑だと思うかい?」
(;;%ω^)「とんでもないお!」
( ・∀・)「全く以ってその通りさ!君の真心を否定する輩なんて、僕達の中にいるものか!」
从 ゚∀从「あ゛あ゛ん!?やいロマネスク兄さん!コイツはどういうことだぁ!?」
「にゃーん」
( ФωФ)「猫ちゃんである」
从# ゚∀从「そういうこっちゃねーんだよ!なんでここに猫ちゃんがいるんだよ!」
( ФωФ)「来るなと言ってもついて来るである」
从# ゚∀从「ちっがーう!!猫が入れるくらい秘密基地の警備ガバガバだっつってんだよ!」
.
49
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:53:16 ID:yDLNkVI20
从# ゚∀从「俺達の仕事は掃除と警備だろうが!マジメに仕事しろやドチクショウがあああ!!」
川 ゚ 々゚)「ハイン兄さん、優しく!」
从# ゚∀从「くそが!『世界が花で溢れますように』!!」
(;;%ω^)「おっ?」
(゚-゚,)「掟だよ。悪い言葉を言ったら、優しい言葉を言うんだ」
( ・∀・)「勿論、君も!この僕もさ!いいかい?お返事は?」
(;;%ω^)「お、おお。気をつけるお」
( ・∀・)「返事は『はい』」
(;;%ω^)「はいお」
( ・∀・)「『はい』」
(;;%ω^)「は、あ、けほけほっ」
( ・∀・)「おっと!ギャシャ、少年の治療を」
(゚-゚,)「はい、兄さん」
.
50
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:55:09 ID:yDLNkVI20
川 ゚ 々゚)「少年Bみてみて!」
( ФωФ)「クルウ姉さん、いけないである。モララー兄さんが『少年Bの治療を』と言ったのだ」
( ФωФ)「モララー兄さんの言うことは絶対である。相手が誰でも邪魔させないである」
川 ゚ 々゚)「ジャマなんてしないの!チリョウがおわるまで、
おひまだよね?私がとっておきの人形劇したげるね」
(;;%ω^)「それは?」
川 ゚ 々゚)「兄さんたちのお人形さんなの!このこはハイン兄さん人形でー、
このこはロマネスク兄さん人形でー、このこはクルウ姉さん人形ー!」
(;;%ω^)「よくできてるお。このかんじ……ひょっとして、
僕がもらった眼帯とおんなじものでできてるんだお?」
川 ゚ 々゚)「いいでしょ!デレ姉さんがつくってくれたの!いいでしょ!」
(;;%ω^)「デレ姉さんすごいお、こんなにいっばい作っちゃうなんて」
川* ゚ 々゚)「ツン姉さんも!ツン姉さんもほめて!」
(;;%ω^)「ツン姉さんもすごいお。美味しい料理いっぱい作っちゃう」
川* ゚ 々゚)「んふふー!」
川* ゚ 々゚)「もうすぐ少年Bのお人形さんもカンセイするの!
もうすぐザイリョウがくるって、そういってたもん!」
(;;%ω^)「それは楽しみだおね」
.
51
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:56:23 ID:yDLNkVI20
川 ゚ 々゚)「それでは、開幕ー!はじまりはじまりー!」
川 ゚ 々゚)「これは私達が生まれるより、ちょっぴりむかしのお話しです」
川 ゚ 々゚)「ちょっぴりむかしむかし、この学校でそれはそれは
大変な事件が起こりました。十人の生徒が集団自殺をしたのです」
川 ゚ 々゚)「彼等は卒業式の前夜、教室で一斉に首を括りました。
とある倶楽部の十人全員で。黒板に『僕達は僕達のまま』という遺書を書いて」
川 ゚ 々゚)「それからです。首に黒い輪の痣、『メイノワ』を
持った赤ん坊が、この街で生まれるようになったのは」
川 ゚ 々゚)「私達は彼等の生まれ変わりなのです。前世で約束した十人を探してるのです」
川 ゚ 々゚)「しかし、どうしたことでしょう。神様はとてもとても意地悪でした。
『メイノワ』を持って生まれた子供達は、十人だけではなかったのです」
川 ゚ 々゚)「けれども大丈夫です。私達を集めたモララー兄さんは言いました」
川 ゚ 々゚)「『今此処に約束しよう!きっといつか、全員を見つけてみせると!
共にいれば分かるのさ!本物の十人ならば、本物の『僕達』ならば!
決して『僕達』を裏切ったりするはずがないのだから!!』」
川 ゚ 々゚)「モララー兄さんが大丈夫と言ったら大丈夫なのです。
裏切り者にはみんな印を、」
( ´_ゝ`)「治療が終わりました、とオトジャが言ってる」
(´<_` )「今日は歩かない方がいい、とアニジャが言ってる」
川 ゚ 々゚)「やだやだー!まだ人形劇おわってないのにー!」
从 ゚∀从「仕事が先だ仕事!」
川 ゚ 々゚)「やーだー!少年Bにほめてもらうのー!」ジタバタ
.
52
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 00:59:09 ID:yDLNkVI20
从 ゚∀从「ロマネスク兄さん!少年B連れて来い!」
( ФωФ)「はいっ!!」
从 ゚∀从「うるせー!!いいお返事をするな!」
(//%ω^)
( ФωФ)「立てるであるか?動けないであるか?」
(//%ω^)「ちょっと歩きにくいけど大丈夫だお」
( ФωФ)「クルウ姉さんが無理させたようですまない。手を貸すである」グイッ
(//%ω^)「おっ?おっ?」ミシミシ
川 ゚ 々゚)「あーっ!おれちゃう!」
从 ゚∀从「ロマネスク兄さん、止まれ!」
( ФωФ)「!」
从 ゚∀从「まーた人の腕を折る気か!力加減を覚えやがれ化け猫!」
( ФωФ)「すまぬ」
从 ゚∀从「テメェも痛かったら痛いって言え!この化け猫ヤローは
クソ鈍チンヤローだから、口で言ってやらないと怪我させられるぜ」
(//%ω^)「でも僕には痛いっていうのがないから、たとえ怪我したって大丈夫だお」
从# ゚∀从「次それ言ったらそのニヤケ面ぶん殴ってや……ぶん殴っちゃうぞォ」
(//%ω^) ビクッ
.
53
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 01:00:39 ID:yDLNkVI20
( ФωФ)「少年B、手を貸すである。もう折らないから」
(//%ω^)「どこいくんだお?」
川 ゚ 々゚)「おひっこしなの!」
(//%ω^)「ここから出ていっちゃうんだお?」
( ФωФ)「メイノワ少年少女倶楽部は数日ごとに別の秘密基地に引っ越すのである」
( ФωФ)「新しい秘密基地の発見と偵察はアニジャ兄さんとオトジャ兄さんの仕事である。
ここいらは廃墟だらけだから、移動する場所に困ったことはないがね」
川 ゚ 々゚)ノ「はい!私達のおしごとはアトカタヅケです!」
川 ゚ 々゚)「いろんなものをアトカタヅケをします!キタナイものを
キレイにアトカタヅケします!私達のコンセキをなくすのです!」
川 ゚ 々゚)「あと、あと、ヒミツキチに入ってきたシンニュウシャなんかも
やっつけます!とてもつよいです!コテンパンです!」
川 ゚ 々゚)「クルウちゃん、じょうずにセツメイできました!」
(//%ω^)「うん。上手に説明できましたお」
川* ゚ 々゚)「んふふー!少年Bにほめてもらったー!うれしいな、うれしいな!」
(//%ω^)(………?)
(//%ω^)(またこのかんじ。なんなんだお?)
.
54
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 01:01:36 ID:yDLNkVI20
从 ゚∀从「よしっ。掃除と荷物の準備完了!」
(//%ω^)「まるで昨日とは別の部屋みたいだお」
川 ゚ 々゚)「キレイにキタナクしたの!私達がはじめてココにきたときみたいに!」
从 ゚∀从「クルウ姉さん、みんはを集めてくれ」
川 ゚ 々゚)ノ「あーい!」
从 ゚∀从「は?『はい』だろ?」
从 ゚∀从「ロマネスク兄さんは少年Bを持ってけ」
( ФωФ)「はいっ!!」
(//%ω^)「持って……?」
バサッ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|「おっ?」
( ФωФ)「右肩に担いだ方がいいであるか?左肩に担いだ方がいいであるか?」
从 ゚∀从「左利きなら左肩に担げばよくね?」
( ФωФ)「把握である。よいしょっと」ヒョイッ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|「またこれなのかお?」
从 ゚∀从「手は縛ってねーし、口に布も突っ込んでねー分、いつもよりよっぽど豪華だろ?」
( ФωФ)「お主はまだ吾輩達ではないから、秘密基地の移動先は教えられないのだ。
そういう掟である」
.
55
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 01:02:44 ID:yDLNkVI20
川 ゚ 々゚)「ハイン兄さーん!みんなきたのー!
アニジャ兄さんとオトジャ兄さんはおさきにいってるってー!」
从 ゚∀从「そんじゃまっ、こことはおさらばすっか」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|「もうここに戻ってこられないのかお?」
从 ゚∀从「もし場所が分かっても絶対ここに戻るんじゃねーぞ。それが掟だ。
掟を破るってことは、俺達十人の命を危険な目に遭わせるってことだ」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|「なんだか寂しいお。せっかく思い出を作った場所なのに」
从 ゚∀从「バーカ。場所が変わったって、俺達が作った思い出が
消えるわけじゃ……バカヤロッ!なに言わせやがる!」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|「おっ?」
川 ゚ 々゚)「ねーねー、ロマネスク兄さん!あたらしいヒミツキチは、
どんなとこなの?お花はいっぱいなの?どんな鳥がいるの?」
( ФωФ)「はて」
川 ゚ 々゚)「たのしいことある?うれしいことある?」
( ФωФ)「うむ」
川 ゚ 々゚)「どのくらい?いっぱい?」
( ФωФ)「うむ」
川 ゚ 々゚)「ほんと!?」
( ФωФ)「吾輩は嘘を吐かないである。少年Bが増えた分、思い出が多くなるからな」
川 ゚ 々゚)「ほんとだね!」
川 ゚ 々゚)「んふふー!クルウ姉さんー、ハイン兄さんー、ロマネスク兄さんー♪
ツン姉さんー、デレ兄さんー、モララー兄さんー、ギャシャ兄さんー♪
アニジャ兄さんー、オトジャ兄さんー、ドクオ兄さんー♪」
川 ゚ 々゚)「少年Bー♪」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|(……あっ。また)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|(変なかんじがする。これって、もしかして)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|(痛い、かお?)
.
56
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 01:03:52 ID:yDLNkVI20
今日はここまで
読んでくれてありがとうございます
57
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 11:28:13 ID:DPktrE/E0
乙!
続きも楽しみ
58
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 18:32:22 ID:hMMI81u20
乙
59
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 18:40:53 ID:8WYS8W1I0
乙!
60
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:43:39 ID:VPpVz3X60
(//%人-)(ビロード様、ビロード様)
(//%人-)(どうか今日という日の僕が、平和でありますように)
【四日目・朝】
(//%ω^)「でぃ兄さん、なんてどうかお?」
('A`)「でぃって顔じゃないだろ」
(//%ω^)「じゃあ、つー兄さんは?」
('A`)「ダメ」
(//%ω^)「じゃあ、じゃあ、ジョルジュ兄さん!」
('A`)「ダメダメ」
(//%ω^)「ワカッテマス兄さん!」
('A`)「論外論外」
(//%ω^)「おーん。なかなか僕の新しい名前が見つからないおー」
('A`)「そういうのはギャシャ姉さんに頼めよ」
('A`)「しかしどういう風の吹きまわしだ?いきなり『俺達』の名前が欲しいだなんて」
.
61
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:44:35 ID:VPpVz3X60
(//%ω^)「僕にもよく分かんないけど。昨日、名前があった方がいいなって思ったんだお」
('A`)「………」
('A`)「お前さん、本気で『俺達』の一人になる気か?これっぽっちもおかしいとは思わないのか?」
(//%ω^)「えっ?」
('A`)「まだメイノワ少年少女倶楽部の……、
モララー兄さんがここを作った本当の目的も知らないままなのに」
(//%ω^)「あっ……」
('A`)「『クビククリ倶楽部』の話はクルウ姉さんから聞いただろ?」
('A`)「十人が卒業式の前日に、一斉に首を括って死んだって事件だ。
『僕達は僕達のまま』って文字を黒板に遺して」
('A`)「モララー兄さんはあの事件を再現しようとしてるんだ。
『僕達が何度でも僕達のまま』でいられるように」
('A`)「俺達にとっての卒業式がいつなのかは知ったこっちゃあないが、
いずれ全員で天井から宙ぶらりんすることになるだろうよ」
(//%ω^)「ふぅん」
('A`)「大体の奴はこれ聞くと、しっぽ巻いて逃げ出すんだけどな」
('A`)「そんで俺がギャシャ姉さんに密告密告はいおしまいって流れだ」
(//%ω^)「ドクオ兄さんが密告するとどうなるんだお?」
('A`)「裏切り者が生まれるんだよ」
.
62
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:46:19 ID:VPpVz3X60
('A`)「安心しろよ、さっきの話は真っ赤な嘘だからよ。
俺達を拒絶して逃げるような奴なんざ、『俺達』じゃあないからな」
(//%ω^)「裏切り者が生まれるとどうなるんだお?」
('A`)「お前さんが『あの日』に見たとおりさ」
(´・ω・`)「こんこん。あーけーてー」
('A`)「入ってません」
(´・ω・`)「入ってるじゃん。はやくしてくれない?」
ガチャッ
パタン
(´・ω・`)「ひぇっ。内藤くん、日に日に怪我ひどくなってない?」
('A`)「よくもそんなことが言えたものだね」
(//%ω^)「君、誰?」
(´・ω・`)
(´>ω<`)「ああっビロードの息子ときたら!ひどい、ひどい!本当にひどい人!」
(´>ω<`)「異常者!連続殺人鬼!鬼畜生!学校に棲みつくとんでもない極悪人!
悪いことならそりゃあもう、どんなことだってやるんだから!」
(//%ω^)「あっ分かった!クラスメイトの諸本くんだお!」
(´・ω・`)「ふふふ。アタリだよ、クラスメイトの内藤くん」
('A`)「よくもまあ、どいつもこいつも。そんなにも簡単に人のこと忘れられるものだね」
(´・ω・`)「いやあ僕の知り合いにもいるんだよね。友達と家族以外、
興味なさすぎて顔も名前も忘れちゃう人!」
('A`)「もしかして君はその人にも忘れられてるのかい?ざまあみろって笑っていいかい?」
.
63
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:47:56 ID:VPpVz3X60
(´・ω・`)「残念だけど笑えないよ。ちっちゃい頃からの付き合いだから、嫌でも覚えちゃったみたい」
('A`)「可哀想な人もいたもんだね、君が幼なじみだなんてね」
(´・ω・`)「でしょ?」
(//%ω^)「覚えてるってことは、向こうは諸本くんのこと、友達だって思ってるんじゃないお?」
(´・ω・`)「だとしたら困るなぁ。あの人の裏切り者なんかになりたくないのに」
(´・ω・`)「僕の話より、君だよ内藤くん。よかったね。
もうすぐその白服とも、周りのやかましい優しさや親切とも、お別れだね」
(//%ω^)「そうなのかお?」
(´・ω・`)「知らなかった?その白服には期日があるんだよ」
('A`)「内藤くんが転校してきてもうそんなに経つのか」
(´・ω・`)「校長先生もなんだってこんな掟を作っちゃったかなー」
(´・ω・`)「『転校生は分かりやすいように白服を着せましょう!
白服の生徒を見つけたら進んで親切にしましょう!優しくしましょう!』」
(´・ω・`)「学校の外の世界からきたってだけで標的になるのに、
こんな目立つことしたら『転校生いじめてください』って言ってるようなもんじゃん」
(//%ω^)「でも転校生を殴ったり蹴ったり、いじめて白服を
汚した人は厳しい罰を受けるって、先生が言ってたお」
(´・ω・`)「そんなもの、制服さえ脱がしちゃえばどうとでもなるってこと、君は知ってるでしょ?」
(´・ω・`)「知ってるからこうして、制服の下に洋服なんか着込んでるんでしょ?
いつ白服を剥がれてもいいように」グイッ
.
64
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:48:38 ID:VPpVz3X60
('A`)「!」
(//%ω^)「!」
(´・ω・`)「うん?」
(//%ω^)「……いいかお?聞いても?」
(´・ω・`)「ご自由に?」
(//%ω^)「諸本くん、びっくりしないんだお?」
(´・ω・`)「なににびっくりすればよかった?」
(//%ω^)「あの、僕の首にある、黒い輪っか、とか」
(´・ω・`)「内藤くんが『クビククリ』だってこと?」
(//%ω^)「メイ……う、うん」
(´・ω・`)「驚いたりなんかしないよ」
(//%ω^)「ほんとに?」
(´・ω・`)「そんなこと、もうとっくに知ってたもん」
.
65
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:50:03 ID:VPpVz3X60
「」
「」
(//%ω^)(つまんないお)
(//%ω^)(楽しいこと考えよう。ありったけの楽しいを
考えてたら、こんな時間あっという間に終わるお)
「〜〜〜!」
「〜〜〜?〜〜〜!」
(//%ω^)(今日の晩ごはんはなんだろうな。ツン姉さんのごはん、
美味しいだろうな。そう言ったら笑ってくれるだろうな)
(//%ω^)(もしデレ姉さんが新しい洋服を作ってくれたら、
白服なんかよりずっとずっと大切にするんだお)
「おい……なに……」
「……どこ……えろよ……」
(;;%ω^)(ドクオ兄さんは倶楽部にいるときのがずっと
ドクオ兄さんらしいお。ときどきイジワルだけれどね)
(;;%ω^)(アニジャ兄さんとオトジャ兄さん、どんな動物を飼ってるんだろう?
いっぺんでいいから一緒に遊んだりしたいお」
「まただんまりかよ。なんとか言ったらどうだ?」
「喉が絞まって声が出せないんだろ、『クビククリ』くんは」
(;;%ω^)(こうしてみんなを集めたり、掟を作ったり、モララー兄さんは
ほんとにほんとにすごい人だお。僕も兄さんみたいになりたいお)
(;;%ω^)(少年少女の掟も覚えてきたんだお。いつもギャシャ兄さんが
教えてくれるおかげだお。僕の新しい名前、一緒に考えてくれないかな)
「聞いてるのかよ、内藤ホライゾン」
「お前が『ビロードの息子』なんだろ!」
.
66
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:50:52 ID:VPpVz3X60
ガッ
(;;%ω )「ぐっ、ふ……」
ドサッ
「起きろ。横になって楽してんじゃねーぞ」
「すぐには殺してやらねーからな。洗いざらい吐いてもらうぜ」
(;;%ω )
(;;%ω )(僕の人形ができたら、クルウ姉さん、他の兄さん達の人形と、一緒にしてくれるかな)
(;;%ω )(ロマネスク兄さん……嘘つかないって……うれしいこと、たのしいこと、あるって……)
(;;%ω )(……ハイン兄さん。どう、して、あのとき、怒っ……だお……?)
「やめなよ。死んだら面倒なことになるよ」
【四日目・夜】
ズルズル
ズルズル
( _ゝ ) クスクス
( <_ ) クスクス
.
67
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:51:38 ID:VPpVz3X60
( _ゝ )「新しい秘密基地だぞ、オトジャ」ヒソヒソ
( <_ )「新しい秘密基地だな、アニジャ」コソコソ
( _ゝ )「今日は仕事中なにして遊ぼうか?俺等だけが分かる言語をもうひとつ作ろうか?」ヒソヒソ
( <_ )「仕事中にはなにをしようか?秘密基地の中に秘密の秘密基地を作ってしまおうか?」コソコソ
( _ゝ )「こわいこわい。また鬼がくるぞ、白い鬼がくるぞ」クスクス
( <_ )「こわいこわい。またハイン兄さんに叱られてしまうぞ」クスクス
ピシッ
( <_ )「いっ……」
( _ゝ )「どうしたオトジャ?」
( <_ )「アニジャ、すまない」
( _ゝ )「怪我をしたのか?見せてみろ」
( <_ )「すまない。さっきガレキの隙間を通ったときだ。ほっぺたを切ってしまった」
( _ゝ )「これくらいならすぐに元どおりだ。どれ、ハサミを貸してみろ」
ピシッ
ガチャッ
パタン...
.
68
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:52:47 ID:VPpVz3X60
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
バサッ
(;;%ω^)「ぷはっ」
('A`)「うげっ。また派手にいじめられたな、少年B?」
(;;%ω^)「ちっとも痛くないんだお」
('A`)「痛くなくても俺達はお前さんにひどくしたりはしないぜ」
( ´_ゝ`)(´<_` ) ジー
(;;%ω^)「あれ?アニジャ兄さんとオトジャ兄さん、おんなじところ怪我してるお?」
( ´_ゝ`)「ガレキで引っかいた、とオトジャが言ってる」
(´<_` )「ほっぺたを擦りむいた、とアニジャが言ってる」
(;;%ω^)「おんなじところをおんなじときに怪我するなんて。
まるでドクオ兄さんが言ってた、ナントカカントカってやつだおね」
('A`)「一心同体な」
( ´_ゝ`) クスクス
(´<_` ) クスクス
( ´_ゝ`)「オトジャ、救急箱を取ってこないと」ヒソヒソ
(´<_` )「アニジャ、救急箱はどこにいった?」コソコソ
( ´_ゝ`)「そういえば。ここに引っ越してから見てないな」ヒソヒソ
(´<_` )「兄が知らないことを弟が知るはずもないな」コソコソ
.
69
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:53:39 ID:VPpVz3X60
(´<_` )「はやいとこ救急箱を探しにいこう、とアニジャが言ってる」グイグイ
( ´_ゝ`)「ドクオ兄さんも一緒に探してくれ、とオトジャが言ってる」グイグイ
('A`)「分かった分かった。分かったから両腕を
引っ張るんじゃあない。動きにくいったらないぜ」
( ´_ゝ`)「ロマネスク兄さんが運んだ荷物にまぎれてるかも、とオトジャが言ってる」グイグイ
(´<_` )「ハイン兄さんが放り投げたまんま忘れてるかも、とアニジャが言ってる」グイグイ
('A`)「俺の推理ではクルウ姉さんの玩具箱が怪しいな。とにかく掃除屋共を問い詰めてこようぜ」
バタバタ
(´<_` )「時に少年B兄さんは大丈夫か?いくらとんでもない
回復力を持ってるとはいえ、とアニジャが言ってる」ヒソヒソ
( ´_ゝ`)「これ以上ひどくなったら、いくら少年B兄さんとはいえ
大丈夫ではなくなってしまうぞ、とオトジャが言ってる」コソコソ
('A`)「ええい、耳元で同時に話すんじゃあない!」
('A`)「まあ少年Bなら大丈夫だろ、知らんけど。
頼りになる正義の味方もついてることだしな」
( ´_ゝ`)「オトジャ、正義の味方だって」クスクス
(´<_` )「アニジャ、正義の味方だって」クスクス
('A`)「なんだよ」
.
70
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:54:22 ID:VPpVz3X60
(;;%ω^) ポツン
(;;%ω^)「僕どうすればいいんだお?周りにだれかいないお?」
シン...
(;;%ω^)「僕も一緒に探しにいこうっと」
コツコツ
(;;%ω^)「おお!新しい秘密基地、お部屋がいっぱいあるお」
(;;%ω^)「でもこんなんじゃ迷子になっちゃいそうだお。はやく兄さん達を見つけないと」
(;;%ω^)(ドクオ兄さんとアニジャ兄さんとオトジャ兄さんは、たしかこっちにいったお)
(;;%ω^)(お次は……道が三本に分かれてるお。三人はどっちにいったんだお?)
(;;%ω^)(この道にだけ貼り紙があるお。ええと、『立入禁止』?)
(;;%ω^)(ギャシャ兄さんが言ってたお。『ここは僕達メイノワ少年少女倶楽部の
秘密基地だから、僕達以外が入ってこれないようにいくつものワナが仕掛けてある』って)
(;;%ω^)(だからきっと、これはワナのひとつだお!この道で間違いないお!」
.
71
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:54:56 ID:VPpVz3X60
コツコツ
[立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止]
[立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止]
[立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止]
(;;%ω^)
[立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止]
[立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止]
[立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止][立入禁止]
ズルッ
(;;%ω^)(うん?あっちからなにか聞こえたお?)
ズルズル
ズルズル
(;;%ω^)「ドクオ兄さん?」
(;;%ω^)「アニジャ兄さん?オトジャ兄さん?」
.
72
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:55:47 ID:VPpVz3X60
(;;%ω^)(おん?なんか落ちてる……うわっ、ばっちぃ袋!)
(;;%ω^)(しかもすっごくいっぱい。あちこちに積んであるお)
( - ,) ヒュッ
ドカッ
(;;%ω^)「ぎゃっ!?」
(゚-゚,)「……少年B?」
(;;%ω^)「ギャシャ兄さん?」
(゚-゚,)「ああ驚いた。すまなかったね、突然蹴ってしまって。侵入者だと思ったのさ」
(゚-゚,)「立入禁止の貼り紙を見なかったかい?」
(;;%ω^)「見たけど、ギャシャ兄さんが言ってたワナかと思って……ごめんなさいお」
(゚-゚,)「これは参ったな。そんな理由ならお前を叱れないじゃないか」
(゚-゚,)「もしかすると、その怪我は僕が?」
(;;%ω^)「怪我はもともとだお」
.
73
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:57:45 ID:VPpVz3X60
(;;%ω^)「ギャシャ兄さん、こんなところでなにしてるんだお?」
(゚-゚,)「ただのゴミ処理さ」
(;;%ω^)「いつもの下駄は?」
(゚-゚,)「作業中は専用のゴム手袋を履いてる。
ここが立入禁止なのは、危険な薬品を使うからなのさ」
(;;%ω^)「お手伝いするお」
(゚-゚,)「アニジャとオトジャは?」
(;;%ω^)「救急箱を探しにいったお」
(゚-゚,)「ドクオは?」
(;;%ω^)「救急箱を探しにいったお」
(゚-゚,)「しかしお前は……傷だらけじゃないか。無理はしなくていい」
(;;%ω^)「傷だらけだって荷物くらい運べるお」
(゚-゚,)「しかし」
(;;%ω^)「あの、ギャシャ兄さん。お手伝いする代わりに、お願いを言ってもいいお?」
.
74
:
名無しさん
:2019/01/15(火) 23:58:16 ID:VPpVz3X60
(゚-゚,)「言ってご覧」
(;;%ω^)「一緒に考えて欲しいんだお、僕の新しい名前を!」
(゚-゚,)「やれやれ。断る訳にはいかなくなってしまったな」
(゚-゚,)「お安い御用さ」
(;;%ω^)「やったぁ!」
(;;%ω^)「この手袋をして、このばっちぃ袋を、この水の中に入れればいいんだお?」
(゚-゚,)「気を付けておくれ。くれぐれもドラム缶に入ってる魔法の水に触らないように」
(;;%ω^)「魔法の水?どんな魔法?」
(゚-゚,)「汚いものをなかった事にしてくれる魔法さ」
トプンッ
.
75
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:00:05 ID:LG7C36NA0
(;;%ω^)「これでぜんぶだおね?」
(゚-゚,)「お陰で助かったよ」
(;;%ω^)「なんてことないお!」
(゚-゚,)「この事は僕達の秘密にしよう。ギャシャとブーン、二人だけの」
(;;%ω^)「ブーン?」
(゚-゚,)「ブーン」
(*;;%ω^)「ブーン!それって、もしかして!ひょっとして!」
(゚-゚,)「お前の事さ」
(*;;%ω^)「ブーン!僕の新しい名前!僕はブーン!ブーンだお!」
(*;;%ω^)「どうしてブーン?」
(゚-゚,)「お前の足の速さを皆が知っているからさ」
(゚-゚,)「僕達は本当に感謝してるんだよ。だから皆、お前の為に一生懸命だ。
お前はその速さで僕達の最も大切なものを守ってくれた」
(;;%ω^)「いいんだお。僕は僕以外の人が痛くなければ、それで」
(゚-゚,)「そういう所だよ」
(;;%ω^)「ギャシャ兄さんはどうしてギャシャ兄さんなんだお?」
(゚-゚,)「兎にも角にも、此処での事は僕達だけの秘密にしよう」
(;;%ω^)「どうしてだお?」
.
76
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:01:04 ID:LG7C36NA0
(゚-゚,)「ご覧の通り、僕には二の腕の半分から先がなくてね。モララー兄さんの
許可なく薬品を使うのを禁止されてるのさ。けれども使ってしまった」
(゚-゚,)「そして少年Bは貼り紙を無視してこの薬品がある危険な部屋に
来てしまった。モララー兄さんが知ったら、心配で心配で泡を吹いて倒れてしまうよ」
(;;%ω^)「それは大変だお!二人だけの秘密だお!」
(゚-゚,)「有り難う」
(;;%ω^)「もう兄さん達のところに戻らなくっちゃ。
新しい名前だって、はやく教えたいお!」
(゚-゚,)「ああ。悲しいけれどもそれを教えた所で、今はまだその名前を呼ぶ事は出来ない」
(;;%ω^)「少年少女の掟だお?」
(゚-゚,)「そんな顔しないで。全て上手く行くさ、お前が『僕達』になればね」
(゚-゚,)「さあ、もうお帰り。迷子にならないように気をつけたまえ」
(;;%ω^)「大丈夫だお!戻りたいって気持ちがあれば戻れるお!」
.
77
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:02:00 ID:LG7C36NA0
(;;%ω^)
(;;%ω^)(うーん。もとの部屋ってどれだったお?)
(;;%ω^)(行き止まりになっちゃったお。この部屋かお?)
ガチャ
(;;%ω^)「アニジャ兄さん?オトジャ兄さん?」
(;;%ω^)(まっくらだお。ここじゃないおね)
「…………う゛っ……」
(;;%ω^)「おっ?」
(;;%ω^)「アニジャ兄さん?オトジャ兄さん?」
「あ゛ぅ……ええ……」
.
78
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:02:38 ID:LG7C36NA0
(;;%ω^)(兄さん達じゃないお。なんかいるのかお?)
(;;%ω^)(ひょっとしてアニジャ兄さんとオトジャ兄さんが飼ってるっていう?)
ズッ...
ズズズ...
(;;%ω^)(おーん。動いてるみたいだけど、まっくらで
部屋の奥の方がなんにも見えないお)
(;;%ω^)(噛みついたりするかお?もうちょっと、
もうちょっとだけ、近づいたら姿が見えるかも?)
コツン
コツン
「う゛う………」
(;;%ω^)(あれ……?これ……)
(;;%ω^)(思ってたより、ずっと大きさが……)
.
79
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:04:12 ID:LG7C36NA0
(;;⊃ω⊂) バッ
(;;⊃ω⊂)(なに?これ、目が?後ろから目隠しされた?)
( _ゝ )「少年B」( <_ )
(;;⊃ω⊂)「!」
( _ゝ )「ここでなにをしてる」( <_ )
(;;⊃ω⊂)「ドクオ兄さんとアニジャ兄さんとオトジャ兄さんを探しにきたんだお」
「う゛ーっ、う゛ーっ!」
( _ゝ )「なにか見たか」( <_ )
(;;⊃ω⊂)「ううん。まだ」
.
80
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:04:40 ID:LG7C36NA0
( _ゝ ) コソコソ
( <_ ) ヒソヒソ
(;;⊃ω⊂)
( _ゝ )「救急箱を見つけたからはやく、とオトジャが言ってる」グイグイ
( <_ )「はやくこんな部屋から出よう、とアニジャが言ってる」グイグイ
(;;⊃ω⊂)「う、うん!」
(;;⊃ω⊂)「聞いてもいいかお?」
( _ゝ )( <_ )
(;;⊃ω⊂)「兄さんはいったい、なにを飼ってるんだお?」
「う゛うううう……!」
( _ゝ )「わんわん」クスクス
( <_ )「にゃあにゃあ」クスクス
.
81
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:07:16 ID:LG7C36NA0
(//%人-)(ビロード様、ビロード様)
(//%人-)(どうか今日という日の僕が、平和でありますように)
【五日目・朝】
('A`)「恋だよ」
(//%ω^)「こい?」
('A`)「そう、裏切り者は恋をしちまったのさ。イッチバンやっちゃあいけない行為をな」
(//%ω^)「恋はいけないことなんだおね?」
('A`)「いけないね。俺達の目的にとって悪でしかない」
('A`)「それよりなにより、俺達以外に俺達『メイノワ少年少女倶楽部』の
存在を知る奴なんて、この世にいちゃあいけないんだ」
(//%ω^)「ふぅん」
('A`)「それにしても、シャキンのやつ遅いな。今日は第五音楽準備室で待ち合わせだったよな?」
.
82
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:08:35 ID:LG7C36NA0
(//%ω^)「シャキン?」
('∀`)「けけけ。あだ名だよ、あだ名」
('A`)「まあ俺が勝手につけたんだけどな。あえて正反対の名前をつけるなんて、
なかなか皮肉がきいて……って、お前さんまた忘れてるか」
(//%ω^)「諸本くんのことかお?」
「ふあーあ……」
(//%ω^)「おっ?」
('A`)「!?」
(´-ω・`)「おはよ。うっかりうたた寝しちゃったみたいだ」
(;'A`)「お前さん、いつから……」
(´ぅω・`)「んっとお、二人を待ってたら先生が入ってきてさ、
まあ部屋を間違えたみたいですぐいなくなったんだけど、
棚のてっぺんに寝そべって隠れたところまでは覚えてるんだけどねー」
(//%ω^)「つまりずっといたんだおね?」
(;'A`)「………」
(´・ω・`)「それより見てよ。この布の下にさ、いいもの見つけちゃった」
.
83
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:09:59 ID:LG7C36NA0
パサッ
(//%ω^)「これ、兵器?」
(´・ω・`)「ピアノは初めて?」
ポーンッ
ポロポロ
(//%ω^)「すごいお!歌う兵器だお!」
(´・ω・`)「兵器じゃなくて楽器だってば」ポロポロ
('A`)「弾けるのかい?」
(´・ω・`)「ひとつだけね、あとは忘れちゃった。
ピアノの先生だいっきらいだったから」ポロポロ
('A`)「育ちのよいことで」
(´・ω・`)「この学校に捨てられる前はね。
ここにはピアノを弾く人もいないみたい」ポロポロ
ポーンッ
.
84
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:12:03 ID:LG7C36NA0
(´・ω・`)「内藤くん、今日の放課後は?」
(//%ω^)「今日も行かなくっちゃいけないところあるんだお」
(´・ω・`)「なら、寄り道せずに行くことをおすすめするよ。
奴等は昨日よりもっとひどいことしようとしてるよ」
(´・ω・`)「いよいよ殺されてしまうよ」
(//%ω^)「やつら?」
(´・ω・`)「いじめっ子八人組さ。いまは六人組だけど……。
奴等は君が『ビロードの息子』で、仲間二人を殺したんだって信じて疑わないみたい」
(//%ω^)「だから僕をいじめるんだお?」
(´・ω・`)「始まりは『転校生だから』だと思うけど」
(//%ω^)「転校生っていけないことかお?」
(´・ω・`)「きっと責められる理由がひとつあれば、それで条件なんて十分なんだよ」
('A`)「ずいぶんといじめっ子に詳しいね」
(´・ω・`)「だって僕もいたもん」
(//%ω^)「?」
.
85
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:14:35 ID:LG7C36NA0
(´・ω・`) スウッ
(´・ω・`)「『やめなよ。死んだら面倒なことになるよ』」
(//%ω^)「あっ」
(´・ω・`)「……どう?」
(//%ω^)「思い出したお」
(//%ω^)「諸本くん、君はずっと僕のそばにいたんだおね」
(´・ω・`)「はじめから君がいじめられるのを見てたよ。
隠してるつもりはなかったんだけど、君ったら僕のこと覚えてなかったから」
('A`)「内藤くん、本当かい?」
(//%ω^)「でも」
(´ ω `)『やめなよ。死んだら面倒なことになるよ』
(´ ω `)『そいつ痛ぶるよりずっと楽しいこと思いついたんだけど。のる人いる?』
(´ ω `)『あーあ、冷めちゃった。相手にする価値なくない?はやく行こ行こ』
(´ ω `)『お腹空いたんだけど。こんなの相手するよりお腹を膨らませることのが大事じゃない?』
(//%ω^)「でもシャキンがいなくっちゃ、僕はもうとっくに死んじゃってた気がするんだお」
('A`)「まあそうだろうな」
(´・ω・`)「は?」
.
86
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:18:20 ID:LG7C36NA0
(´・ω・`)「君達おかしくない?なに?シャキンって?」
(//%ω^)「諸本くんの新しい名前だお!」
('A`)「あだ名な」
(´・ω・`)「わけ分かんない。僕は君をいじめてたんだけど」
(//%ω^)「シャキンに殴られたり蹴られたりされたことは一回もないお」
('A`)「どうせさっき言ったいじめっ子の数に自分は入れてないんだろ?」
(´・ω・`)「もちろん。そろそろ裏切ろうと思ってたんだ」
('A`)「悪ぶったってムダムダ。君の手口はまるっとお見通しだぜ」
(´・ω・`)「内藤くんはともかくとして。君までなにを言うの、宇都宮くん」
('A`)「いやあ。だって」
('A`)(俺のときとやり方まるで変わってないんだよなぁ。俺が白服だった頃にいじめられたときと)
('A`)(いじめてる奴等の仲間になって、俺が致命的な傷を負わされそうになったら
やんわり逸らして、奴等に狙われる昼休みや放課後には安全な場所に俺を呼んで)
('A`)(諸本くんはむかし助けた宇都宮くんのことなんか、これっぽっちも覚えちゃあいないようだが)
('A`)(よくもまあ、どいつもこいつも。そんなにも簡単に人のこと忘れられるものだぜ)
.
87
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:19:56 ID:LG7C36NA0
(´・ω・`)「だって、なに?」
('A`)「死ぬまで教えてやらん」
(´・ω・`)「は?わけ分かんない」
('A`)「シャキンのくせに」
(´・ω・`)「言ったね?宇都宮くんにはどんなバカみたいなあだ名つけてやろうかな」
(//%ω^)「やっぱり僕達って友達じゃないお?」
(´・ω・`)「やーだよ。友達なんかにならないでよ。僕を裏切り者にしないで」
(//%ω^)「でも僕、もう諸本くんのこと覚えちゃったお。
友達でも家族でもないなら、これってどういうことなんだお?」
(´・ω・`)「はっ……?」
(*´・ω・`)「ふ、ふふっ。さあ?どういうことなんだろうね?」
.
88
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:20:57 ID:LG7C36NA0
「内藤の野郎……どこいきやがった……」
「しばらくは抵抗ひとつしなかったくせに、また逃げ始めたのかよ」
「諸本、お前同じクラスだろ。どこに行ったか知らないか?」
(´・ω・`)「見当もつかないや。散り散りになって探さない?」
【五日目・夜】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
クスクス
クスクス
ξ ⊿ )ξ「きみたちがため、おしからざりし、いのちさへ」
ζ( ー *ζ「ながくもがなと、おもひけるかな」
ζ( ー *ζ「あれ?」
ξ ⊿ )ξ「私にはこれであってるのよ」
ζ( ー *ζ「じゃあ私達にとってもそれであってるね?」
ξ ー )ξ「ふふっ」
クスクス
クスクス
バタンッ
.
89
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:22:04 ID:LG7C36NA0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
バサッ
(//%ω^)「ぷはっ」
ξ゚⊿゚)ξ「あら?」
ζ(゚ー゚*ζ「わあ!」
(//%ω^)「おいすー、だお。ツン姉さん、デレ姉さん」
ζ(゚ー゚*ζ「よく見せて。うん、うん、新しい傷がない。すごいよ、少年B!」
ξ゚⊿゚)ξ「やるじゃない。いじめっ子達からうまいこと逃げられたのね?」
(//%ω^)「えへへ。走るのだけは誰にも負けないお」
ξ゚⊿゚)ξ「その調子その調子」
ζ(゚ー゚*ζ「いっぱい頑張ったね、偉かったね。逃げることだって、
戦うこととおんなじくらい、勇気がいったでしょうに」ギュッ
(//%ω^)「おっ」
ξ゚⊿゚)ξ「デレ姉さん、離れて」
ζ(゚ー゚*;ζ「わわっ!ごめんなさい!」
|_ゝ`) ジー
|_>`) ジー
.
90
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:23:21 ID:LG7C36NA0
(//%ω^)「アニジャ兄さん?オトジャ兄さん?」
|ミ サッ
|ミ サッ
(//%ω^)「いっちゃったお」
ζ(゚ー゚*ζ「怪我してなかったから安心したんじゃないかな。
アニジャ兄さんとオトジャ兄さん、少年Bのことすっごく心配してたから」
ξ゚⊿゚)ξ「さっきっからああやって顔を覗かせてたのよ。
いつもはイタズラかつまみ食いにしか顔を見せないくせに失礼しちゃうわっ」
ξ゚⊿゚)ξ「さて。ご飯の仕上げをしましょ。今日もごちそうよ」
ζ(゚ー゚*ζ「少年Bに見せたいものがあるから、あとでお披露目するねっ」
(//%ω^)「いいことだらけで困っちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんで困るのよ?おかしな子ね」
(//%ω^)「よく分からないんだお。最近よく胸のここんとこが
『ぶわー』ってなって、『じーん』って痛くなるんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「痛……?」
(//%ω^)「でもそれは悪いかんじじゃなくって、」
ζ(゚ー゚*;ζ「アニジャ兄さーん!オトジャ兄さーん!
助けてー!少年Bが痛いって言ってるー!」
( ´_ゝ`) シュタッ
(´<_` ) シュタッ
(;//%ω^)「違う違う!違うんだおー!」
.
91
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:25:30 ID:LG7C36NA0
ξ゚⊿゚)ξ「少年B、ちょっと手伝ってくれるかしら?味見をお願いしたいんだけど」
(//%ω^)「トクイブンヤだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「こっちにいらっしゃい」
(//%ω^)「台所はじめてだお。あっ!すっごくいいにおい!」
ξ*゚ー゚)ξ「褒めたって美味しい物しか出ないわよ。はい、これ」
(//%ω^)「食べていいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「味見って言ったでしょ?食べてもらうわよ!
お肉を挽き肉にしてみたんだけど、どうかしら?」
(//%ω^)「いただきますお」パクッ
(//%ω^)「美味しいお!僕これ好きだお!」モグモグ
ξ*゚⊿゚)ξ「そう?よかった」
ピピッ
ξ゚⊿゚)ξ「あら?ギャシャ兄さんが呼んでるわ。ちょっと行ってくるわね」
ξ゚⊿゚)ξ「おかわりと特製の飲み物は右の棚のお皿よ。
左の棚のお皿は失敗作と試作の飲み物だから、口にしたらダメだからね」
ξ゚⊿゚)ξ「あっそうそう、このことみんなには内緒にしなさいよね?
久しぶりのお肉だからって、うるさいったらないんだから!」
.
92
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:26:34 ID:LG7C36NA0
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ行ってくるわ」
(//%ω^)「いってらっしゃいお」モグモグ
(//%ω^) ポロッ
(//%ω^)(あっ落としちゃったお。もったいないもったいない)
(//%ω^)(どこいったお?あったあった)パクッ
(//%ω^)(あれ)
(//%ω^)(食べていいお皿って、どっちだったお?
どっちも変わらなく見えるお。どっちも美味しそうだお)
(//%ω^)(よし、こっちにするお!ツン姉さんの料理ならきっと、失敗したって美味しいお!)パクッ
(//%ω^)(うんうん、美味しいお!こっちで当たりだったお!)モグモグ
(//%ω^) ガリッ
(//%ω^)「……ぺっ。なんかかたいの噛んじゃったお」
(//%ω^)(なにこの白い石……歯?歯が欠けちゃったお?)
.
93
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:29:32 ID:LG7C36NA0
(//%ω^)(でも口の中におかしいかんじはないけど……)パクッ
(//%ω^) ガリガリッ
(;//%ω^)「ぺっ!ぺっ!」
(;//%ω^)「また歯……こんなにいっぱい……」
(;//%ω^)(これ僕の歯じゃないお?なんか、なんか嫌だお。飲み物飲み物、あった)ゴクッ
(;//%ω )「うえっ!げほげほっ!」
ビチャビチャ
(;//%ω )「?」
ポタッ
(;//%ω )(僕が吐いた飲み物の中に、なにか、バラバラになったなにかが)
(;//%ω )(足が、胴が、体が)
(;//%ω )(まるで……まるで、虫の)
(;//%ω )「うっ……」
(;//⊃ω⊂) ソッ
.
94
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:30:16 ID:LG7C36NA0
(;//⊃ω⊂)(なに?また、目を?後ろにいるのだれ?)
ξ ⊿ )ξ「飲んで。お水よ」
(;//⊃ω⊂)「ん」ゴクッ
ξ ⊿ )ξ「いけない子ね、少年B。こんなに散らかして」
(//⊃ω⊂)「その声……ツン姉さん?」
ξ ⊿ )ξ「左はダメって言ったでしょ。あらあら。口のはじっこについてるわ」
(//⊃ω⊂)「ごめんお。ツン姉さんの作ったのなら美味しいと思ったんだお」
ξ ⊿ )ξ「あの飲み物はね、いざ食べる物がなくなったときのために、
モララー兄さんやギャシャ兄さんと考えてる途中のものなの」
(//⊃ω⊂)「そうだったんだおね」
ξ ⊿ )ξ「あんたには美味しくない思いをさせちゃったわね。
でも次はもっと上手くやってみせるわ」
(//⊃ω⊂)「聞いてもいいお?」
ξ ⊿ )ξ「ダメよ。ダメ。
みんなが私達を待ってるわ。今日はごちそうなんだから」
.
95
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:31:30 ID:LG7C36NA0
(゚-゚,)「御馳走様でした」
「「「ごちそうさまでした」」」
从 ゚∀从「はーっ。食った食ったー、もうなんにも入んねー」
( ФωФ)「こんなに肉を食べるのは久方ぶりである」
(*´_ゝ`)「台所から失敗作と思われる料理を盗んできたぞ、オトジャ」ヒソヒソ
(´<_`*)「流石だな、アニジャ。あとでこっそりと一緒に食べよう」コソコソ
川 ゚ 々゚)「きょうもおいしかったの!ツン姉さん、ありがとうござます!」
ξ゚⊿゚)ξ「どういたしまして」
ζ(゚ー゚*ζ「クルウ姉さんはすごいね。美味しかったとか、嬉しかったとか、
ちゃんと口に出して伝えられるの、すごいごとだって思うんだよ」
川* ゚ 々゚)「えっ!?うふふー!」
( ・∀・)「ツン姉さん、優秀な仕事を有り難う!
お陰で今日という日が更に素晴らしいものになったよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、兄さん」
( ・∀・)「しかしよくあれだけの肉が手に入ったものだね?
寮の食事ではほぼ出ないくらい貴重だというのに」
ξ゚⊿゚)ξ「デレ姉さんと頑張りましたので。デレ姉さんといえば、ほら」
.
96
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:33:00 ID:LG7C36NA0
ζ(゚ー゚*ζ「とうとう出来上がったんだよ、少年Bのお人形さん!」
川* ゚ 々゚)「きゃー!!」
(//%ω^)「おお。これが僕……」
川* ゚ 々゚)「きゃーきゃー!ちっちゃい少年Bだー!クルウちゃんの少年Bだー!」バッ
(//%ω^)「あー僕ー!僕が持っていかれたおー!」
ξ゚⊿゚)ξ「あらあら。クルウ姉さんがああなったら、眠らない限り離さないわよ」
ζ(゚ー゚*;ζ「ごめんね。クルウ姉さんは作り始めた『あの日』から
毎日のように作ってるところ見にきて、完成を楽しみにしてたから……」
(//%ω^)「おーん。もうちょっとちゃんと見たかったおー」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたツイてるわよ、今日は恒例のお泊まり会があるんだから。
クルウ姉さんったらいつも一番最初に寝ちゃうのよ」
(//%ω^)「おとまり会していいのかお?」
( ・∀・)「今日という日だけはね!さあ、みんな眠る仕度を始めたまえ!
体を拭いて歯を磨いたなら、真ん中の集会所へ集合さ!」
(//%ω^)「こんなにはやく?ちっとも眠くないお」
(゚-゚,)「お泊まり会では早い時間に眠ってしまって、いつもより遅い夜に起きて解散するのさ。
寮には帰らないといけないからね、太陽が昇ってしまう前に」
.
97
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:33:58 ID:LG7C36NA0
(゚-゚,)「ツン、デレ、毛布の用意を」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、兄さん。デレ姉さんが少年Bの分も作りました」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、姉さん。前の毛布をよりよく改造しました!」
(//%ω^)「なんだかわくわくしてきたお!」
( ФωФ)「吾輩も集会所で輪になって雑魚寝するのは好きであるぞ」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふんっ。お子ちゃまなのね」
从 ゚∀从「俺は知ってるぜ。ツン姉さんだってかなり前から
モララー兄さんにお泊まり会の日付を確認しにいってたのをよ」
ξ;*゚⊿゚)ξ ギクッ
川 ゚ 々゚)「ハイン兄さん、ロマネスク兄さん、人形劇しよう!」
从 ゚∀从「もう寝るんだよバーカ。とっととお人形さんはお人形さんのお家に帰してこい」
川 ゚ 々゚)「えー!」
( ФωФ)「ならば人形共と一緒に眠って、夢でみんなで人形劇すればいい」
川* ゚ 々゚)「兄さん達なにしてるの!はやくよこになって!はやくねむるの!」
ξ;゚⊿゚)ξ「体を綺麗にすのが先よ!まったくもう、やってあげるからこっちいらっしゃい!」
.
98
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:35:18 ID:LG7C36NA0
(//%ω^)「あの毛布のカタマリは?」
ξ゚⊿゚)ξ「アニジャ兄さんとオトジャ兄さんね。いつものことね、
毛布の中で懐中電灯つけて本を読んでるのよ」
川 ゚ 々゚)「私、ハイン兄さんとロマネスク兄さんの間がいい!」
ξ゚⊿゚)ξ「あら寂しいわ。今日は私とデレ姉さんの間って言ってくれなのね?」
川 ゚ 々゚)「!」
川 ゚ 々゚)「ツン姉さんとデレ姉さんとハイン兄さんとロマネスク兄さんの間がいい!」
从 ゚∀从「あ゛?どうでもいいじゃねーか。どうせ頭は向き合ってんだからよ」
('A`)「うわっ。隣ハイン兄さんかよ、蹴られるから嫌だぜ」
从 ゚∀从「毛布ドロボーするヤローに言われたくねーなァ!!」
( ФωФ)「実に賑やかである。吾輩も賑やかにした方がいいであるか?
皆を寝かしつけた方がいいであるか?」
「にゃあ」「にゃあにゃあ」「ごろごろ」
(゚-゚,)「賑やかさならロマネスクも負けてないさ。しかし猫は没収だよ」
( ФωФ)「勝手につきまとうのである。ああこれこれ、
毛布に潜るでない、兄さんが没収と言ったら没収なのである」
.
99
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:37:43 ID:LG7C36NA0
ζ(゚ー゚*ζ「少年B、お隣だね。楽しい夢を見ようね?一緒に!」
(//%ω^)「おん!」
( ・∀・)「静粛に!静粛に!」
( ・∀・)「さて、準備はいいかい?『今日という日の僕達』は此処で死ぬのさ、
明日になれば明日の『今日という日の僕達』が生まれる」
( ・∀・)「生まれ変わる前にゆっくりと休みたまえ。お休み」
「「「おやすみなさい」」」
(//%人-)(ビロード様、ビロード様)
(//%人-)(今日という日に与えてくださった幸福を感謝します)
(゚-゚,)「これからは小声で話すように。何かあったら僕に声を掛けて」
(//%ω^)「ギャシャ兄さんは眠らないのかお?」ヒソヒソ
(゚-゚,)「見張番は必要さ。また猫達が攻めて来るかも知れないからね」
川 ゚ 々゚)「ツン姉さん、デレ姉さん、眠れないの。子守唄を歌って!」ヒソヒソ
ζ(゚ー゚*ζ「でも」ヒソヒソ
( ・∀・)「姉さん達、歌っておくれ。僕達も望んでる」ヒソヒソ
ξ゚⊿゚)ξ「しょうがないわね」ヒソヒソ
.
100
:
名無しさん
:2019/01/16(水) 00:39:43 ID:LG7C36NA0
ξ - -)ξ「〜♪」
ζ(- -*ζ「〜♪」
川* ゚ 々゚)
川- 々-) スウッ
(//%ω^)(あれ……この歌……どこかで……)
ζ(゚ー゚*ζ「少年B、はい」ヒソヒソ
(//%ω^)「おっ!もう一人の僕!」ヒソヒソ
ζ(゚ー゚*ζ「えへへ。クルウ姉さんからちょっぴり借りてきちゃった」ヒソヒソ
「〜♪」
(//%ω^)「みんなのお人形さんとなんだか違うお」ヒソヒソ
ζ(゚ー゚*ζ「作りたてだから。まだ色が明るいけど、大丈夫だからね。
しばらくもしたらみんなとおんなじ色になるから」ヒソヒソ
(//%ω^)「お人形さんってもともとは肌色と肌色だったんだおね。
はやくみんなとおんなじ茶色と黒色になって欲しいお」ヒソヒソ
(//%ω^)「あれ?このお人形さん、ここのところになんか書いてあるお。
なにか漢字の……『正』みたいなのが並んで……」ヒソヒソ
.
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