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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」
1
:
◆V9ncA8v9YI
:2015/05/02(土) 12:22:52
ずっと前にマーサー王や仮面ライダーイクタを書いてた者です。
マーサー王物語の数年後の世界が書きたくなったのでスレを立てました。
2007年ごろに書いた前作もリンク先に掲載しますが、
前作を知らなくても問題ないように書くつもりです。
SSログ置き場
http://jp.bloguru.com/masaoikuta/238553/top
867
:
名無し募集中。。。
:2016/05/26(木) 06:36:42
B&S予想あったったー…けど予想の斜め前いく設定wまさかプリキュアとダーティーペアぶっこんでくるとはww
確かに『萌』『あさひ』で月と太陽ピッタリ
868
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/05/26(木) 13:22:18
ビタスイ!
大塚さんもそうですが、絶妙に本編に出てこない人たちが多数登場しますね。
このまま果実の国軍優勢で終わるのか、それとも……
869
:
名無し募集中。。。
:2016/05/26(木) 14:13:10
本編作者さん、いつもレス下さる方も本当にありがとうございます
870
:
名無し募集中。。。
:2016/05/27(金) 23:55:34
続きはまだかな〜気長に待ってますけどね
871
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 02:43:32
「ガレリアから来たなら昨日からたった一日で間に合うはずがない…」
「ユカニャめ、事前に手を回していやがったな…」
アイナはユカニャ王にしてやられたことに歯噛みした。
その通り、あざといユカニャ王はモーニング帝国からの援軍がKASTの出立に間に合わないと知り、
国防手段として2人を呼び寄せる手をアイナが宣戦布告に来訪する前から打っていたのだ。
ユカニャ王が待っていたのは始めからビター・スウィートだったのである。
もちろん通常ならこのような手続きには時間がかかるし、
何より独立を保つガレリアがそう簡単にエージェントを貸し出すはずもない。
そこを乗り越えて最短で助けに来たのは、ユカニャ王と2人が旧知の仲であったからに他ならない。
ユカニャ、モエミー、アサヒの3人はかつて大志を抱いてそれぞれ上京してきた新人同士だった。
モエミーとユカニャは隣国の出身で出生年月日が同じという縁があったり、ユカニャとアサヒは当時は雰囲気が似ていてよく間違われたものだ。
「森の泡戸」という冒険者ギルドで出会った3人はすぐに仲良くなり、
共に訓練したり、いつか大国に仕官して出世することを夢見て毎晩語らった同期であったのだ。
別の道に進んではいるが、当時の絆は今も変わっていない。
それにアサヒはKASTのトモ・フェアリークォーツの数少ない友人の一人でもある。
2人は果実の国のためならば、と全てを差し置いて駆けつけて来たのだ。
872
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 02:48:26
「Don't stop me now!私を止めてみな!」
モエミーが振り回す長柄の武器の前に、被害者たちが見る見るうちに積み上げられていく。
先端に付いた鋭い刃で矛のように斬り、槍のように突き、
両側に左右対称に付く「月牙」と呼ばれる三日月状の刃で斧のように叩き、大鎌のように薙ぎ、引っ掛けて投げ、足を払う。
これがモエミーが「九印」と名付けて愛用する武器、『方天戟(ほうてんげき)』である。
元々は別の大陸のもので、かつてモーニング帝国に来た大陸剣士が持参した物の一つと言われている。
複数の用法があってオールマイティーに戦えるが、それ故に常人にはその性能を完全には活かしきれぬ武器。
モエミーは敵の戦闘スタイルや弱点に合わせて、その全ての用法を使いこなす。
斬られ、突かれ、潰され、投げられ地に伏す敗者たちを見て、果実の国軍兵が驚くのも無理はなかった。
「火傷しても知らないから!その心の闇、私の光で照らしてみせる!」
こちらの果実の国軍兵も目を丸くした。
道に迷ったとか言う話だし、どちらかというと大人しく地味に見えるアサヒ。その手は空、剣や槍は持っていない。
だがアサヒに飛び掛っていくアイナ軍団はどういうわけか一瞬で体勢を崩し、床に叩きつけられたり、投げ飛ばされている。
そうかと思えば離れた敵は間合いを詰められ、拳や足刀を叩き込まれて一瞬で倒される。
これらはアサヒが使用する異国の格闘技「合気道」と「空手道」によるもの。そう、こう見えてアサヒは武術家なのだ。
この世界にいる徒手空拳で戦う戦士たちは、その多くが力に任せたファイトスタイル。
だがアサヒの武術は相手の力を利用したり、どうしたら効率的に倒せるかを極限まで突き詰めたもの。
荒々しいはずの徒手空拳でありながら、洗練された動きで的確に急所を突き、相手を倒すアサヒは珍しく映るのだ。
本来は徒手空拳相手に武器を使えば絶対的に有利なはず。
だが敵が振るう剣や槍はアサヒの両腕に備わった、肘まである金属製の白い籠手のようなもので防がれ、流される。
「特殊手甲・桜花」。自身の拳への負担も減らしつつ敵への攻撃力も高める、アサヒの防具であり武器だ。
オープンフィンガーのこの手甲のおかげで、アサヒは敵の武器を気にせず「打」「投」「極」の全てを相手に仕掛けられるのである。
873
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 02:50:40
「ひ、ひぃぃ…」「く、くそっ…」
気付けば敵全員が距離を取って逃げ腰になっていた。
アイナ軍団でまだ立っている者はもう300人にも満たない。形勢は逆転である。
妙な槍に近付けば訳もわからず切り伏せられ、徒手空拳には武器が全く役に立たずに殴られ投げられる。
まさにビター・スウィート。たった2人相手に、屈強な賊たちは完全に震え上がっていた。
尚も敵を睨みつけ、最後まで止める気配のないモエミーとアサヒ。
ユカニャ王と果実の国軍兵たちは勝ちムードを感じ始めていた。
「いける、いけるぞ…!」「これなら…!」
だが荒くれ者たちを率い、一国を獲ろうとするアイナがそう甘いはずがなかった。
「しょうがねえな…お前ら、アレを使え」
指示を聞いた残存アイナ軍団たちは、一斉に懐からアンプルを取り出し、ビキッと割って橙色の液体を飲み干す。
その光景を見たユカニャ王の表情が一気に強張った。
「…いけない!あれは『オレンジジュース』!!」
874
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 13:38:03
「これは!?」「どういうこと!?」
モエミーとアサヒは驚愕した。
さっきまで腰の引けていたアイナ軍団たちからおびただしい量の殺気が発せられていたからである。
「ククク…きたきたきたぁ…」「こっからはオレらのターンだぜぇ…」
血走った目でこちらを睨み返してくるアイナ軍団。一歩、また一歩と2人への距離を縮め出す。
ユカニャ王は必死に叫んだ。
「モエミー!アサヒちゃん!今のその人たちは危険すぎる!!」
875
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 13:40:18
ユカニャ王が開発した、人間の潜在能力を引き起こす不思議なジュース。
現存するジュースは、リンゴ、レモン、グレープ、メロン、そしてピーチの5種類。
だがそれらを開発するにあたって、ユカニャ王が最初に作り上げたプロトタイプのジュースがあった。
つまり全てのジュースの原点、それが「オレンジ」である。
オレンジは画期的だった。
動物実験の段階でも各能力を飛躍的に増大させ、果実の国の未来を担うものと期待された。
しかしオレンジは絶大なる力をもたらすものの、当然ながら身体への負担が大きすぎた。
そこでユカニャ王は総合的な能力アップよりも、負担を減らし各能力に特化させることへと運用方法を変更する。
オレンジの複合的な能力を5つに分散することにしたのである。
それが今の5種類のジュースなのだ。
そしてそこに至るまでの検証において、自ら治験に志願した者がいた。
それがKYAASTだったアイナ・ツカポン・アグリーメントだ。
アイナもかつては合同育成プログラムで優秀な成績を残した者の一人。
当時はカリン、サユキと並ぶKYAASTのもう一人のA(エース)。戦場での活躍はめざましいものがあった。
だがアイナは更なる力を求めた。国を、皆を守れるもっと強い力を得てもっと強い自分になる。
そのために躊躇するユカニャを押し切って、少々危険なオレンジを飲んだ。
もちろん戦績は連戦連勝。彼女のおかげで果実の国は独立を勝ち取ることができたといっても過言ではない。
全てがうまくいっているように見えた。
しかしあの日、アイナは突然姿を消した。
同時にオレンジの原液も保管庫から消えていた。
876
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 13:42:45
あれから数年。
ユカニャ王はこんな形でオレンジと再会することになるとは思いもしなかった。
「くっ!いったい何が…?」「つ、強くなった…!?」
一方的にやられるだけだったアイナ軍団は今やビター・スウィート相手に十分渡り合っている。
当然だ、軍団全員がオレンジの爆発的な効果を享受しているのだから。
一太刀、また一太刀と徐々に攻撃を受け出す2人。こうなれば戦力差は目に見えている。
形勢は再逆転した。
かつて果実の国を救ったオレンジは、今や最悪な災厄の劇薬となって果実の国に帰ってきたのである。
877
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 21:05:22
本作を上手く掘り下げてるなぁ〜次も楽しみに待ってるとゆいたいです
878
:
名無し募集中。。。
:2016/05/29(日) 22:12:35
オレンジジュース…別名つかポンジュースw本編の設定を受け継ぎつつも独自の発想盛り込んでくるの上手いなぁ
879
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/05/30(月) 08:54:21
「森の泡戸」ってなんだろうと思いましたが
フォレストアワードだったんですねw
880
:
名無し募集中。。。
:2016/05/31(火) 23:41:51
「な、なんなんだこいつらは!」「うわああーーーーー!!」
あちこちから果実の国軍兵の悲鳴が上がる。
剣は避けられ矢も当たらず、斬っても斬っても立ち向かってくる超人と化したアイナ軍団。
集中力と動体視力が増大し、恐怖心も重力さえも感じない、リミッターの外れた荒くれ者たちに適うはずがない。
あっという間に果実の国軍の数は減り、後は100人程度がユカニャ王を必死で護衛するのみになってしまった。
このまま壊滅してユカニャ王の首が獲られてしまうのも時間の問題だ。
だがビター・スウィートもこの状況を黙って見過ごすつもりはない。
「モエミーちゃん、こっちもアレをやるしかないね」
「しょうがない…またダーティペアって言われちゃうけど、背に腹は代えられない!」
2人は構えを解いて印を結び、目を閉じる。
周りの空気が大きく対流していく。
ガレリアで異文化の高僧より教えを受けた「月と太陽の呼吸法」。
朝日と月光をイメージしながら行う呼吸法で、腹部の丹田を意識して呼吸をすることにより、
身体・細胞のすべてに太陽と月のエネルギーが満ちていく。
呼吸は深くなり、脳内にα波が発生し、2人の秘められた力が解放されていくのだ。
カッと目を見開いたとき、2人の表情は別人のように変わる。
燃える太陽の暗示を持つアサヒは激情を伴って瞳に炎を宿し、
静かなる月の暗示を持つモエミーの目は据わり瞳に狂気が宿る。
リミッターの外れた連中に遠慮はしていられない。
全力の本気で一度で意識を断つのだ。
「いくよ、まずはドラゴン」
モエミーがそうつぶやくと、一瞬にして九印でアイナ軍団たちの肩を貫く。
血飛沫が間欠泉のように大きく、高く噴出する。激しく燃え盛る火花のようでもある。
敵はあっという間にバタバタと倒れていく。
「続いてナイアガラ」
今度は大きく振りかぶって、並んだアイナ軍団たちの上半身を横一列に薙ぎ払う。
噴き出した血がまるで横長の滝のように噴き出した。
「そしてスターマイン」
九印の切っ先にフックされた敵が上空へと投げ上げられる。
モエミーは高速で移動しながら槍を捌いて敵を逃がさない。
それは次々と放り上げられ、空中で激突していく。
アトリウムにドカンドカンと轟音が鳴り響く。
モエミーの必殺技「大花火」。
人間を使った、あまりに衝撃的なショーである。
これはモエミーが誇りとする、自らの出身地の祭典になぞらえたものだ。
西方では満月は狂気を増大させると言い伝えられている。
このような衝撃的な仕打ちをモエミーが表情一つ変えずに行うのは、彼女が月の力を持つからに他ならない。
アトリウムに血の雨が降る。
「怯まないか…なら続けるしかない」
大花火は多勢向けの技であり、恐怖心で敵を圧倒する意味合いも大きいのだが、オレンジを飲んで恐怖心のないアイナ軍団にそれは通用しない。
いかに非情な技であろうとも、向かってくる限りはモエミーは人間花火を打ち上げ続ける。
881
:
名無し募集中。。。
:2016/05/31(火) 23:43:14
「はぁぁぁ〜〜〜〜…!」
一方のアサヒは大軍を前にして、両手の指をしっかり畳んでギュッと拳を固め、力を溜める。
すると白かった手甲の桜花が見る見るうちに赤くなっていき、まさに桜色に染まる。
「たあっ!」
そして向かってきた最初の敵の腹に溜めた正拳突きを叩き込む。
するとどうだ、爆発音とともに敵は十数メートルも吹っ飛んでしまった。
鎧は破壊され、何人か巻き込まれた者も同様に意識を飛ばされている。
「なンだそれは…?」
先程までとは桁違いの威力になった正拳に足が止まるアイナ軍団。
でもそれがまた命取りになる。
「隙あり!」
またもや爆発音とともに数人が吹き飛ばされ壁に叩きつけられてしまう。
明らかに異常な攻撃力である。
近接単体攻撃だけだったアサヒが複数を巻き込めるようになったのだ。
これはアサヒの桜花がガレリア秘蔵のオーパーツ金属を使った手甲であることの表れである。
桜花はアサヒの燃え上がる太陽エネルギーを吸収し、拳で解放するという機能を持つ。
これにより、太陽の力を使ったアサヒの正拳は、それだけで大砲一撃分とも言われる衝撃を放つことができる。
アサヒの両手が真っ赤に燃えて、敵を倒せと轟き叫ぶのだ。
力を解放して多人数攻撃を仕掛けるビター・スウィート。
だがオレンジを飲んで異常な力を得たアイナ軍団との戦闘をいつまでも続けるわけにはいかない。
「モエミーちゃん、残りをお願い!私がヤツを引き受ける!」
そう叫ぶとアサヒは眼前の敵を一気に飛び越し、奥のアイナへとダッシュする。
多人数戦にはリーチも長く攻撃範囲が広いモエミーが有利なのは事実。
よって疲労してしまう前に、単体戦向きの自分が首魁を仕留めようというのがアサヒの考えであった。
「おっと…もうオレと1対1をやろうってのか?」
腕組みしながら嘲笑う金髪のアイナ。ゆっくりとジャマダハルを装着する。
邪魔する軍団員を吹き飛ばし、スルリスルリと駆け抜け、ついにアイナの元へと到達したアサヒ。
ダッシュの勢いのまま飛び上がり、全てに決着をつけんと拳を振り上げる。
「痛いよ!覚悟しなさい!」
「フン!やってみろ!」
ガキィンという金属音と共に、両雄の剣と拳が交わった。
・・・かに見えた。
「・・・・っ!」
膝をついて悔しそうに胸を押さえるアサヒ。その手の隙間から流血が見える。
しかし一方のアイナのジャマダハルには血は付いていなかった。
アイナとアサヒの数メートル先に、5本の爪に付いた血を眺める異民族の女がひとり。
彼女が一瞬で飛び込んで、アサヒの薄い胸を切り裂いたのである。
「おう、外の掃除は終わったのか?カ・カよ」
アイナ軍団の隠し玉。
辺境の地から来た異民族の戦士。
野趣溢れる顔立ちのその女は、カ・カといった。
882
:
名無し募集中。。。
:2016/06/01(水) 00:43:43
長岡花火wそしてまさかのカ・カww茂木だっけ?ふーちゃんは無事アイナ軍団から逃れられたのか
883
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/06/01(水) 23:10:24
茂木が出る予感はしてましたw
桜に月に、ビタスイ楽曲(田﨑名義含む)の歌詞がよく登場しますね。
884
:
名無し募集中。。。
:2016/06/02(木) 00:12:09
「アサヒちゃん!大丈夫!?」
モエミーが方天戟で敵を斬り上げながら声をかける。
「大丈夫…まだ…やれる!」
アサヒは立ち上がると胸の痛みを堪えながら構えを取った。
そんなアサヒを横目で見ながらアイナはユカニャ王に残念なお知らせを伝える。
「おい、外に隠してた残りの兵はみんなこいつが片付けてくれたそうだぜ」
「当てが外れて悪かったなユカニャ!ハッハッハッハ」
ユカニャ王は下唇を噛んだ。
アトリウムで迎え撃ちつつ、後半戦で隠していた兵を投入して奇襲を仕掛ける予定を見抜かれ、阻止されてしまったのだ。
カ・カを既に外に放っていたことからして、ビター・スウィート乱入以外のユカニャ王の作戦は読まれていたのだろう。
悔しいがアイナの方が一枚上手だった。
王の作戦が阻止されたのならば、後はモエミーとアサヒに全てが託されていることになる。
アサヒは自分を急襲したこのカ・カと呼ばれた女を必ず倒さねばならないと理解した。
構えを取って対峙すると、アサヒはカ・カを観察する。
先程の両手の爪は鋭く発達していてまるで獣のよう。
さっき使わなかったことから武器は持っていない、これはスピードや身体能力で肉弾戦を挑むタイプと見た。
つまりは自分と似たタイプ。
ならば尚のこと自分が倒すべき相手だ。そして最短で倒す道は見えた。
既にオレンジを飲んだ軍団兵にやられたりカ・カにやられた傷で、白い服も桜色に染まり出しているアサヒ。
一方、両の爪をこちらに向けて威嚇してくるカ・カ。
お互いにジリジリと少しずつ間合いを詰めていく。
床の土煙がパッと上がって、飛び出した2人の間でバシバシと激しい連打の攻防が展開された。
アサヒの的確な急所への拳撃を、カ・カも同様の攻撃で相殺する。
カ・カの攻撃は系統立っていないナチュラルなものであったが、それゆえに軌道が読みにくく、次第にアサヒも防御に回っていく。
そしてカ・カは自分が優勢と見るや更に手数を増やして連撃を加えてくる。
アサヒの腕や腹が少しずつカ・カの爪によってダメージを受けていく。このまま押し切られてしまいそうだ。
885
:
名無し募集中。。。
:2016/06/02(木) 00:15:31
だがアサヒはあきらめていなかった。防御の型・「蕾」で自らの急所はガッチリと守りつつ、ある一瞬を狙っている。
上段への攻撃を蕾で逸らしたアサヒはついにカ・カの右手を取った。
「!!??」
アサヒはそのままカ・カの後ろに回り込み、その回転を利用して手首を反し、取った手を振り下ろして後ろに引き倒す。
合気道の片手取り四方投げである。急に後方に身体を倒されるこの技に対応するのは困難。
もちろん、異民族でそのような「技術」を知らないカ・カには効果覿面だった。
驚き、訳もわからず受身も取れずに後頭部を床に強打するカ・カ。
そこを逃さず、アサヒは顔面に向かって拳を打ち下ろした。
ドゴォ、という破壊音がアトリウムに響く。
見守る果実の国軍兵たちはカ・カの顔が潰れた音だと思った。
だが破壊されたのは床のブロックだけ。
カ・カはすんでのところで思い切り顔を背け、直撃を避けたのである。
「は、外した…?」
アサヒは驚いていた。これまで四方投げを初めて喰らって混乱しない人間など一人もいなかった。
しかも確実に後頭部を床に叩きつけたのに追い討ちの拳すらかわすなんて…。
先程カ・カの実力を見立てた時に、ここまでやれば対応もできず、拳の初撃でKOできると踏んでいた。
だが実際は仕留め切れず、特殊手甲・桜花による一撃必殺の爆圧の存在すら知られてしまった。
戸惑うアサヒを跳ね飛ばし、カ・カが飛び上がって起き上がり距離をとる。
後頭部を打ったダメージはあるようだが、アサヒの拳を警戒する目つきで睨みつける。
非常にやりにくくなってしまった。
アサヒは果たしてこのタフで獣人のようなカ・カをどう攻略したら良いのだろうか。
886
:
名無し募集中。。。
:2016/06/04(土) 22:40:51
一瞬でも隙を見せるとカ・カは飛び上がって手刀で斬りつけてくる。
アサヒが辛くもかわすと後ろの壁に一筋の裂け目が入る。
お互いが一撃必殺、クリーンヒットした時点で勝負が決まるのだ。
こうなるとアサヒの狙いは一つしかなかった。
だがそれに向けての布石を打つのも、カ・カの止まぬ攻撃を避けながらでは並大抵なことではない。
上下左右から、袈裟懸けに爪で切り裂いてくるカ・カ。
桜花で防いだり受け流して正拳に繋げても、勢いのあるカ・カ相手に拳は空を切った。
前蹴りで間合いを広げつつ応戦するも有効打が出ない。
ナイフのように突いてくるカ・カの手を取って引っ張り、体勢を崩させる。
そこに顔面へ向けて渾身の手刀を振り入れる。
だがそれでもカ・カは後ろに仰け反って避けてしまう。
空振ったアサヒにはわき腹に貫手を入れられ、足を払われて倒される。
次の瞬間、カ・カの鋭い爪は寝た状態のアサヒの顔をかすめて床に穴を開けた。
すぐに転身して脱するアサヒ。頬から一筋の血が流れ落ちる。
ダッシュで間合いを詰めて攻撃を再開するカ・カ。
無言で静かに、だが激しく攻めてくる。まさに殺し屋といったところか。
前進しながら連撃を止めないカ・カ。受けながら下がりつつ機会を伺うアサヒ。
その時、振り下ろす爪の向こうでカ・カの口元が一瞬ニヤリと歪んだ。
「(何か来る!?)」
アサヒは前面からの攻撃への防御に意識を集中させる。
だが読みは合っていたが対策は外れていた。
「1対1とは言ってないよなあ?」
後ろからの声。
一筋の光と共に肉が切られる音がした。
「ッ・・・しまった・・・」
背中を大きく斬り裂かれ、膝から崩れるアサヒ。
背後でアイナのジャマダハルが血にまみれて嗤っていた。
カ・カは単にゴリ押し攻撃をしていたのではない。
気付かれぬようにアイナと挟み撃ちにできる位置へと誘導していたのだ。
アサヒを見下ろすカ・カとアイナ。
2人は仲良く右手を振り上げた。後は打ち下ろして終わりだ。
アイナのジャマダハルがキラリと光る。
「させるかぁーーーーー!!!!」
叫びと同時に方天戟が振り下ろされ、辺りの床ブロックが粉々に砕け散る。
アイナとカ・カは反射的に左右へと飛び退いた。
ようやく最後のアイナ軍団兵を打ち倒したモエミーが割って入ってきたのだ。
「アサヒちゃん!?」
「う、うん、、ごめん、ちょっとやられちゃったみたい・・・」
「こっちこそごめん!あいつらに手間取っちゃったから…」
即座にアサヒを守るように立ちはだかるモエミーの後ろで、よろよろとアサヒは立ち上がった。
「まだ立てるの・・・?」
「ふふ…モエミーちゃんを不利にはさせないよ・・・」
「アサヒちゃん…」
「モエミーちゃん、お願いがあるの」
887
:
名無し募集中。。。
:2016/06/04(土) 22:41:39
「フン…あいつらめ、オレンジ飲んだならもうちょい粘れるかと思ったのによ」
アイナはジャマダハルを撫でながら吐き捨てた。
「これで2対2、ようやくオレの出番ってワケだ。さっさとやろうぜぇ!」
言い終わらぬうちに飛び掛ってくるカ・カとアイナを、前に出たモエミーが九印を高速回転させて弾き飛ばす。
そしてすぐに離れたアイナに向かって突進しつつ刃を高速で突きまくる。
「おっ、おっ?オレとやろうってか?」
アイナも受けて立ち、飛び下がりつつキンキンと金属音を鳴り響かせながら刺突を捌く。
「ほぅ、なかなか鋭い攻撃だな!だがこれじゃあお前の負けだぜ?」
「えっ?」
アイナの言葉に反応したモエミー。その後ろで大きな影が飛んだ。
「やれ、カ・カ!」
「!!!!」
またもこの2人による挟み撃ちだった。
2対2なのだから、モエミーがアイナを攻めるならカ・カはアサヒに向かうと思っていた。
しかしそれは勝手な思い込みで、完全なミス。
重傷のアサヒなど後でゆっくり相手しても遅くはない。ならば動けるモエミーを先に潰すのは自明の理。
モエミーが乱入した時点でアイナとカ・カは考えを合わせていたのだ。
2対1ではモエミーに勝ち目はない。
上空から両爪で切り裂かんと迫るカ・カ。
背後の上空から、しかも予想外の攻撃なら普通は反応できるはずがない。
だが、モエミーは九印をひらりと翻すと上空のカ・カに向かって突き上げた。
「!?」
空中への予想外の反撃に、慌てて切っ先をかわすだけになるカ・カ。
しかしモエミーが相手ならそれだけでは済まない。
切っ先を回転させて、横の月牙をカ・カに引っ掛ける。
「てぇぇぇーーーーい!」
長柄をぐるりと回し、カ・カの勢いを利用して逆に上空に放り投げ返す。
方天戟ならではの反撃だった。
「なんだと!?」
一連の行為があまりにも流れるように行われたことにアイナは驚いた。
なぜここまでモエミーは綺麗に反撃できたのか。
それはカ・カのバックアタックがモエミーの罠だったからである。
カ・カは「仕掛けさせられた」のだ。
888
:
名無し募集中。。。
:2016/06/04(土) 22:42:35
この2人がアサヒより自分を優先してくることはモエミーにもわかっていた。
だからあえてアイナに攻撃を集中させて距離を取ることで背後に隙を作り、カ・カを飛びかからせたのである。
だが、突くことができたのになぜ斬らずに放り投げたのか。
それは「時間稼ぎ」だった。
上空に飛ばされたカ・カは懸命にバランスを取り、着地に備えようとしていた。
しかし放り投げられた先で、既に攻撃対象から外していたアサヒの姿が目に入る。
アサヒは腰を落とし、両肘を横腹につけて何か力を溜めている。
アサヒの周りの空間が、まるでプロミネンスのように激しいオーラで歪んでいるように見えた。
この時、初めてカ・カは自らの窮地を自覚した。
アサヒと自分の着地点には5mほど距離がある。近接攻撃のアサヒでは射程範囲外だ。
だが、アサヒはあの傷で何か大それたことを間違いなく企んでいる…。
そして空中にいる限り自分は避けることはできないし受身も取れない。
寒気がゾワッと全身を走った。
強敵、カ・カを倒すにはもうこれしかなかった。
この技は発動前に体内の気を練りに練って極限まで洗練しなければならないため、時間が必要なのである。
それは鍛錬を積んだアサヒには数秒に過ぎなかったが、殺し屋カ・カにはその数秒が命取り。
何とか自分でその隙を作ろうとしたがその前にやられてしまい、後は発動させるのが精一杯。
だからアサヒは代わりにモエミーにその数秒の時間を作ってくれるように頼んだのだ。
「アサヒちゃん、決めて!!」
モエミーはアサヒを信じて、その時間を作った。
アサヒはモエミーの信頼に応える。
カ・カは焦った。
早く、コンマ数秒でも早く、技の発動より早く着地できれば回避できる。
懸命に足を伸ばし、大地を求める。
早く、早く。
アサヒは落ち行くカ・カから目を離さず、左拳を前に突き出し、右拳を思い切り後ろに引き絞る。
そして最大級の気合を発し、右の正拳を打ち出した。
光。
大きな爆発。
それはまさに太陽フレア。
一瞬でカ・カは壁に激突し、大きくめり込んで動かなくなっていた。
自らの太陽エネルギーを最大限に高めて爆発させ、拳気にして放つ。
それは錬気なれば、目には見えず、離れた相手でも打ち砕く。
そこに在るのに見えない、雨夜の月。
アサヒの最終奥義『神手』が、見事に炸裂した。
「やったよ・・・ありがとう、モエミーちゃん・・・」
アサヒは力尽き、ばたりと倒れた。
889
:
名無し募集中。。。
:2016/06/05(日) 11:18:23
凄いバトルだ…読んでて鳥肌たった…
890
:
名無し募集中。。。
:2016/06/06(月) 06:13:03
「・・・チッ」
カ・カが倒され、アイナ軍団も後は頭領のアイナひとりとなった。
ついに1対1、最後の闘いだ。
モエミーはアイナに対峙しながらアサヒの状況を伺う。
倒れたアサヒにはユカニャ王と残りの護衛がすぐに介抱にあたっていて、何とか大丈夫そうだ。
アイナは背後の倒れた自軍兵の山を見て、改めてモエミーに目をやる。
さすがのモエミーも、あれだけの数のオレンジ使用者を相手にした後では満身創痍。
至る所から出血があり、肩で大きく息をしている。
アイナは無傷の自分が負けるはずがないと思っていたが、念を入れることにする。
だがその懐に手を入れようとするのをモエミーは許さなかった。
あっという間に間合いを詰めた九印の刃がアイナの手に伸びる。
「させないっ!」
「おっと!?」
モエミーにはバレていた。アイナの懐には自分用のオレンジがあったのだ。
モエミーも今まで散々苦労させられたあの液体を今アイナに使われたらまずいと分かっている。
それだけは阻止しながら倒さなくてはならない。
突き、薙ぎ、叩く。モエミーは大きく器用に九印を振り回して、休まずアイナを攻める。
アイナはなかなかオレンジを手にできない。
足を薙ぐように九印を振り、ジャンプでかわしたところを斧のように上段から叩き切る。
アイナはたまらずジャマダハルでガードし、膝をつく。
すぐにモエミーは九印を引き、回転してアイナの顔に斬りつける。
アイナは前転でかわすがモエミーは逃がさず柄の部分を殴り当てた。
「くッ・・・」
怯んだアイナにモエミーの刺突連打が襲い掛かる。
だがアイナも伊達にKYAASTだったわけではない。
「懐に入ればオレの勝ちだろ?」
アイナの戦闘スタイルもカ・カ同様、いや尊敬する戦士と同様に、俊敏に立ち回り接近戦を手数で圧倒するタイプ。
突きをジャマダハルでずらしてダッキング、スッとモエミーの目の前に躍り出た。
こうなると方天戟のリーチがデメリットとなる。隙だらけのモエミーがそこにいた。
「終わりだッ!」
「そうはいかない!」
「なにっ!?」
確実に喉を突き刺したはずのジャマダハルが金属音と共に弾かれる。
アイナが目にしたのは柄の短い手槍を持つモエミーだった。
そのまま上段中段下段とコンビネーションで斬りつけてくる。
突然のモエミーの近接対応に不意を突かれたアイナはガード一辺倒。
何とかモエミーの一撃を強く叩いて飛び下がって距離を取る。
が、モエミーはそれも許さない。
下がるアイナめがけてぶんっとその手槍を振る。
すると当たらない距離に飛んだはずのアイナの太ももがズバッと血を噴いた。
「ぐうぅっ…なんだ…?」
アイナの足を斬ったのは、リーチの長い方天戟・九印だ。
なぜモエミーが2つの槍を使っているのか?
891
:
名無し募集中。。。
:2016/06/06(月) 06:14:10
だがこれは簡単なことだった。
九印の柄には伸縮自在のスイッチが付いているのだ。
モエミーはこれで近接戦闘の際には柄を短くして手槍として使い、対応するのである。
「チッ、小賢しい真似をしやがって!」
再びリーチを取ったモエミーはさらにアイナを攻め立てる。
攻勢のモエミーにアイナは少しずつ圧され、生傷が増え始めていた。
アサヒの介抱は衛生兵に任せ、戦況を固唾を呑んで見守るユカニャ王。
ここまではモエミーがリードしている。
まだ安心はできないが少しずつまた勝ちの目が出てきた、そう感じ始めていた矢先。
ユカニャ王の視界の端を何者かが横切る。
「…え!? モエミー、危ない!!」
だがその声は遅かった。
モエミーの九印がアイナのガードを弾き、ついにその胸に刺さろうかというその瞬間。
ひとりの人物が間に飛んで入った。
九印はその人物に突き刺さり、動きが止まる。
「!!?? なんで・・・はッ!!??」
それはもう動けないはずのカ・カだった。
カ・カが最後の力を振り絞り、身を挺してアイナを守ったのだ。
だがこのカ・カの働きは単にアイナへの直撃を防いだだけではなかった。
これが今回のカ・カ最大のファインプレー。
「ありがとうよ、カ・カ…おかげでちゃんと『飲めた』ぜ」
カ・カの身体がずるりと崩れ落ちる。
モエミーの顔が凍りつく。
そこには空になったオレンジのアンプルを持ったアイナがいた。
892
:
名無し募集中。。。
:2016/06/06(月) 20:27:51
「あ・・・あぁ・・・そんな・・・」
オレンジを飲んだアイナの強さをユカニャ王が知らぬはずがない。
またもや形勢は逆転してしまった。
「ぐはぁっ!」
反応もできずにモエミーの胸から血が噴出した。
今のアイナのジャマダハルより速く動ける者はこの場には存在しない。
モエミーの胸のサイズはアサヒより上ではあるが、ジャマダハルの斬撃をまともにくらえばひとたまりもないのだ。
「ぐ・・・がはぁっ・・・」
「モエミー!」
膝をつくモエミーの口から血がこぼれる。
ユカニャ王は震えながらも懸命に見守ることしかできない。
「フン・・・頑張ってくれたが、ここまでだな!」
モエミーの周囲にアイナの残像がババッと表れて消えると、更にモエミーの体中から鮮血が飛び散った。
「・・・くッ・・」
ここまでオレンジを飲んだ大軍を相手に立ち回って全滅させただけでも驚異的な粘りだというのに、
攻勢から一転、逆襲を受けたモエミーの体力も精神力も限界だった。
ここで自分が倒れたらユカニャ王の命が、果実の国が奪われてしまう。
しかし必死に意識を繋ぎ止めても、ボロボロの身体で振る方天戟には、威力も怖さも、もうない。
アイナはやれやれ、と言った表情で方天戟を受け止めると大きく遠くへ蹴り飛ばす。
「ここで見てな・・・果実の国の王位継承をな!」
そう言い放つとアイナは素早くモエミーの背後に回り、強烈な肘打ちを落とす。
モエミーは床面に叩きつけられ、もう立ち上がることはできなかった。
893
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/06/06(月) 22:54:39
緊迫したシーンなのにアサヒより上という一文が気になってしまう……
894
:
名無し募集中。。。
:2016/06/06(月) 23:52:07
希望は潰えた。
絶望へのカウントダウンが始まる。
震えるユカニャ王に向かって一歩、また一歩と金髪のアイナが近付いてくる。
「う、うわああああああああああ!!!」
最後の護衛兵などアイナの敵ではなかった。ましてやオレンジを飲んでいるのだ。
為す術もなく斬られ倒れていく護衛たち。
ユカニャ王を守る最後の壁はあっという間に消えていった。
するとアイナの前に出る影がひとつ。
ひとりの護衛兵がブルブル震えながらアイナに話しかける。
「アイナ様・・・私のことをお忘れですか・・・?」
「新兵の頃より貴女に従い、貴女に育てて頂いた者です・・!」
それはアイナがKYAASTだった頃の部下の一人だった。
アイナの強さに憧れ、果実の国とアイナのために尽くしてきた一介の兵だ。
「お願いです、もうお止めください、このようなことは・・・」
「まだ間に合います、もう一度あの頃を思い出してください・・・!」
「貴女はそんな女性ではなかったはず・・・私は信じています、貴女g」
「うるせえよ」
言い終わらぬ内に兵は無残に斬り捨てられた。
それは氷。どこまでも凍てつく氷のように冷たいアイナの眼。
もう誰もアイナを止めることはできない。
流血の水たまりに足を踏み入れるアイナの靴に、黒い血がピチャリと跳ねる。
最後の護衛もあっけなく斬られ、この場に立つ者はいよいよユカニャ王とアイナの2人だけとなった。
「やめなさい・・!」
「ん?何の真似だそれは」
ピーチジュースが無くとも、ユカニャ王は王であった。
ガタガタと震えながらも、隠し持っていた護身用の小型拳銃デリンジャーを構えている。
意地でも、このままタダではやられない。
「そんな生まれたての小鹿みたいに震えてて、弾丸が当てられるのか?ははは」
「やめて・・これ以上近付かないで・・私にこれを撃たせないで・・!」
「アイナ・・やめましょう、こんなこと・・」
「泣き落としか?さすがあざといなユカニャ。だがここまで来てやめられるわけねぇだろ!」
「それでも・・・私は・・・!」
「やってみろ!!オレンジを飲んだこのオレが、そんなヘナチョコ拳銃を避けられないとでも思ってるのか?」
ユカニャ王は覚悟した。
ぎゅっと目を瞑って思い切り引き金を引く。
ぱん。
だがその結果は大方の予想通り。
アイナは余裕でかわし、ついでにデリンジャーも手から叩き落としていた。
万策尽きたユカニャ王は、力なく床に膝をついた。
昨日同様に、王の首に冷たく当たるアイナのジャマダハル。
もはやユカニャ王の命と果実の国の命運は風前の灯。
その首筋には、震えすぎて刃に当たった皮膚から薄く血が垂れ始めていた。
アイナは大きく息をつく。
「ふぅ・・・招かれざるゲストが2人も来やがったから手間取っちまったが、ようやくオレの望みが叶うってわけだ」
「ユカニャ!さぁ国民どもと、てめぇの胴体にお別れしな!」
ユカニャ王は今度こそ最期を感じ、強く目を瞑る。
国民たち、そして遠く戦いに赴いたKASTのみんな・・・ごめん。
「ユカ・・・」「ユカちゃん・・・」
「ユカニャ王…」「王様…」
わずかに意識のある全ての戦士が、ことの成り行きを歯を食いしばって見つめていた。
アイナはジャマダハルを大きく振りかぶると、
ユカニャ王の首めがけて斬り落とした。
895
:
名無し募集中。。。
:2016/06/06(月) 23:53:57
金属音。
それも強い意志のこもった、抵抗の刃の音。
ユカニャ王は恐る恐る目を開いた。
まだ自分は死んではいない。
見上げると、ローブを深くかぶった人物が、アイナのジャマダハルをギリギリで受け止めていた。
「な、なんだ!?」
最後の最後に、予想もしなかった乱入に驚くアイナ。
だが本当の驚きはこの後にやってくる。
「悪いな・・・招かれざるゲスト、3人目だ」
まさかまだ奥の手を残していたのかと、アイナはユカニャ王を見た。
だがユカニャ王も何がなんだかわかっていない顔をしている。
「誰だてめ・・・ハッ!!??」
アイナは気付いた。
ジャマダハルを受け止めるその刃。裾からのぞく腕。
そして醸し出すこの空気。
アイナの表情が一瞬で強張り、急いで飛び下がる。
「つれないことを言うな。私が誰だかわからないか?」
アイナの身体中から、冷や汗がじっとりとにじみ出る。
知らないわけが無かった。
まさか。こいつは。こいつだけは。
その人物がゆっくりとローブを外し、素顔を見せる。
そこにいた全員が声を失った。
果実の国軍も、アイナ軍団さえも。
言い尽くせぬ衝撃が一帯を貫いた。
「私は・・・お前だよ」
なぜなら、
ローブを脱いだその人物、
その人もまた、アイナ・ツカポン・アグリーメントだったのだから。
896
:
名無し募集中。。。
:2016/06/06(月) 23:59:47
やばい…鳥肌がだった!いったいどういう事なんだ!?
てか本編作者さんどこ気にしてんのさw
897
:
名無し募集中。。。
:2016/06/07(火) 21:20:35
??
助けに来た方が本物のツカポン?全然先がよめない
898
:
名無し募集中。。。
:2016/06/07(火) 22:47:15
もう一人のA INA。
まったく同じ顔の2人のアイナ。
「て、てめぇは・・・!!」
飛び下がったアイナはようやく言葉を発した。
だがアイナ以外の人物たちは未だに状況が理解できていない。
なぜ同じ顔の人物が2人いるのか??
最初からいた方は金髪ロング、今来た方が黒髪ショート。かろうじて見分けは付く。
果実の国の国民たちが知っているかつてのアイナは黒髪ショートだった。
それにずっと共に戦ってきたユカニャ王だけは、黒髪の方からどこか懐かしい空気を感じていた。
となると、金髪の方が偽者のアイナなのだろうか??
「ど、どっちが本物なの…?」
先程まで生死の境目にいたユカニャ王が、止まらぬ震えを押さえながら聞く。
黒髪のアイナは落ち着いて答える。
「どちらも本物さ、ユカニャ王」
899
:
名無し募集中。。。
:2016/06/07(火) 22:53:47
一同はますますわからなくなってしまう。
だが混乱する皆を前に、黒髪のアイナがゆっくりと口を開いた。
「わからなくて当然だ、私だって今も信じられないのだから」
そして金髪アイナをけん制しつつ、淡々と語り出す。
「今こそ語ろう、あの日に何が起きたのか・・・」
アイナがKYAASTにいた頃。
オレンジを飲むことでアイナは無双の活躍をしていた。
新しい力。国を守る力。KYAASTの大黒柱とまで呼ばれた。
仲間でありライバルでもあった、サユキやカリンをも凌駕する力、そして自分。
アイナは幸せだった。何もかもがうまくいっていた。
だがオレンジの強大な力の影響は、少しずつアイナの身体を蝕んでいく。
普段の自分とオレンジを飲んだ自分。その乖離に悩み始めた。
自分はこのままでいいのか、本当の自分の実力が追いついていないまま、戦い続けていいのだろうかと。
オレンジによる各能力の飛躍的な増強は、肉体は耐えられても、常人では精神が耐えられない。
よって脳は自己防衛的に、本人の中にオレンジを制御するための、もうひとつの仮想人格を作る。
そのおかげでアイナは戦場でもオレンジの力をいかんなく発揮することができたのだ。
アイナが本来の自分との乖離に悩むうちに、少しずつ、仮想人格の力が強まってくる。
オレンジをうまく扱い、成功を手にし続ける攻撃的な人格。
それはアイナの中にいる、もうひとりのアイナ。Aina I N Aina。
アイナは徐々にその人格を抑え続けられなくなりつつあることに怯えていた。
だがオレンジなしで戦場に出れば元の自分のまま。苦しかったが飲まないわけにいかなかった。
そしてあの日。
アイナが目覚めた時、もう一人の自分が『現実世界に存在』していたのである。
それが今目の前にいる、金髪のアイナだったのだ。
とても信じられない現象だったが、猛烈に悪い予感がした。結果はその通りだった。
金髪のアイナはオレンジの原液を盗んで遁走し、黒髪のアイナは事態を収拾しようと単身で追いかけた。
そして国境山中の崖まで追い詰めたものの、オレンジを飲んだ金髪アイナに返り討ちにされ、突き落とされてしまう。
こうして黒髪アイナは滝に飲まれ、行方知れずとなったのだった。
900
:
名無し募集中。。。
:2016/06/07(火) 22:59:31
驚愕の真実。
誰もが一言も漏らさず、黒髪のアイナの言葉に耳を傾けた。
だがその内容を疑う者はひとりもいない。
現にこうして目の前に2人のアイナが存在しているのだから。
「それから河に流されて、気付いたときにはアンジュ国の外れにあるサナトリウムにいた」
「そこのフユカという女性に助けられ、傷を治して、今までずっと暗躍するそいつを追っていたんだ」
「アイナ・・・あなた・・・ずっと一人で・・・ずっと独りで戦っていたのね・・・」
全てを知ったユカニャ王は、溢れる涙を抑えられなかった。
「どうして、どうして話してくれなかったの・・もっと早くに知っていれば・・・うぅ」
誤解だった。不幸な出来事に襲われただけ。脱走者でも犯罪者でもない。
黒髪のアイナはKYAASTだったあの頃と何も変わっていなかったのだ。
「報告が遅くなってすまない、ユカニャ王」
「そしてたくさん迷惑をかけてすまなかった・・・いくら謝っても許されることではないが」
「私は責任を取らなくてはならない・・・!」
黒髪のアイナはそう言うと、改めて金髪のアイナの方に向き直った。
「やっと会えたな、もう一人の私。この日をどれだけ待ち焦がれたことか」
「今日でこの運命ともお別れだ!私は私を取り戻す!」
「まさか生きていたとはな…あの時に死体を確認しておくんだったぜ」
「だが昨日までと何も変わらねぇよ。あの日からもこれからも、アイナ・ツカポン・アグリーメントはずっとオレだけだ!」
「今度こそ完全に存在を消してやる!」
金髪のアイナがジャマダハルを構える。
同時に黒髪のアイナもジャマダハルをその右腕に装着する。
ユカニャ王の心は震えた。
この姿。あれから何年経っても、今も忘れぬこの雄姿。
戦場を駆け抜けた、あのアイナとジャマダハル「梅茶香」。
希望が、もう一度この国に帰ってきたのだ。
「アイナ・・・!」
ユカニャ王を見て、強く頷く黒髪のアイナ。
正真正銘の、最後の闘いが始まった。
901
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 06:52:10
あぁ・・・俺達のつかぽんが帰ってきた
しかもここでふーちゃんの名前が出てくるなんて…アンジュ国にまだいたんだね
「梅茶香」=ばいちゃーこかw1本づつのジャマダハル…前作のチサトとアスナの戦いを思い出す
902
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 22:27:36
金髪のアイナが素早く踏み込み、足を刈るように斬りつける。
バックステップでかわし、即座にダッシュで距離を詰める黒髪のアイナ。
ドシュドシュッと風を切る重い音がアトリウムに響く。
金髪のアイナも負けじとしゃがみこんで避け、アッパー気味に突き上げる。
背中を反らせて最小限の動きでかわした黒髪のアイナが右腕で突くと、金髪が数本、風に舞った。
「ケッ…ちったぁ鍛えたようだが、まだまだ十分『見える』ぜ」
「オレンジが欲しくなったんじゃねえのか?クックック」
「私はオレンジは使わない。私自身の力でお前に打ち勝ってみせる!」
「面白れぇ、やってみやがれ!」
そう言うと一気にギアを上げる金髪のアイナ。
そのスピードは先程モエミーを斬り刻んだ時のように残像が出るレベルである。
高速で黒髪のアイナの周囲を飛び回り、かく乱する金髪のアイナ。
一瞬でも隙ができれば斬撃が襲ってくる。
「ハァッ!」
「くッ!!」
キンキン、と刃が交錯する音がする。
だがそれすら、倒れている一般兵では目が追いつかない。
かろうじて見えているユカニャ王だったが、心境は穏やかでない。
幼少より蹴球で鍛えた強靭な脚力もアイナの武器の一つなのだが、
やはりオレンジを飲んだ金髪のアイナの方が、スピードも力も優勢なのだ。
元々の力に加えて、重力も感じずリミッターも外れているのだから当然である。
徐々に凶刃は黒髪のアイナの身体に届き始めた。
黒髪のアイナの攻撃はほとんど当たらず、当てても防がれていた。
意を決したように金髪のアイナの移動先を呼んで足払いを仕掛けるも、
直前で空中に逃げられ、一回転した金髪アイナに肩を斬られる。
意表をついた裏拳で急襲しても、金髪アイナには払い流され、腹に思い切り膝を入れられてしまう。
「ぐふっ…かはっ…」
黒髪のアイナは明らかに劣勢だった。希望に暗雲が立ちこめる。
やはりオレンジの力は圧倒的なのだ。今の金髪アイナに勝てる者などいるのだろうか。
黒髪のアイナは集中が切れたかのように、大振りで何度もジャマダハル「梅茶香」を振り下ろす。
もちろんそれらは全てかわされ、逆に落ち切った右手を蹴り上げられ、梅茶香は外れて地に落ちた。
武器すら失った、黒髪のアイナ。既に負傷箇所も多く、肩で息をしている。
金髪のアイナが動きを止めてゆっくりと近付いてくる。
「ここまでだな…ノコノコ出てこなければそのまま生きていけたのに、馬鹿な真似しやがって」
「もう終わりにしようや。お前はオレに勝てない。潔く死にな、もうひとりの自分の手に掛かってなぁ!」
金髪のアイナはジャマダハルを引き、腰を落としていく。
最大スピードで一気に駆け抜けながら斬る、いや構えからして心臓を貫くつもりだろう。
今度こそ終わりだ。
武器すらない黒髪のアイナに防ぐ手立てなど残されていない。
最後の希望が、目の前で消え行く・・・。
だがユカニャ王は気付く。
黒髪のアイナの瞳の光が、まだ消えていないことに。
ダメージでフラつく身体の、その瞳の奥に確かな闘志を見た。
黒髪のアイナは、丸腰でも何か考えている。
ユカニャ王はその瞳の光に殉じることにした。
指を組んで、祈る気持ちで最期の攻防を見届ける。
(アイナ・・・あなたを信じてる!)
903
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 22:29:15
ここからの出来事は全て一瞬だった。
見えたのは、2人のアイナとユカニャ王、倒れたビター・スウィートの2人だけ。
黒髪のアイナが軽く腕を上げて構えると、金髪のアイナの脚に力が入る。
力は足の親指から発して膝、大腿、腰で前進する力に変換され、爆発的なスピードが生まれる。
もう次の瞬間には金髪アイナのジャマダハルの切っ先は、黒髪アイナの左胸に到達していた。
胸当てを貫き、服の繊維を切り裂いて進むジャマダハル。
その切っ先は、服を抜けて肌に触れ、表層組織を掻き分ける。
毛細血管が破壊され、鮮血が外へと溢れ出す。
だがその刹那、黒髪のアイナの目がカッと見開かれる。
何年も待ちわびたこの瞬間。
忌まわしき運命を越えて、今アイナの闘志が燃え上がる。
両手で胸を刺すジャマダハルごと腕を取る。
切っ先を外し、そのまま飛びつくように地面を蹴る。
右足は大きく振り上げて踵落としを後頭部へ、
同時に下からは渾身の左蹴り上げが、顎を目がけて加速する。
全力で腕を取られた金髪のアイナに避けることは不可能。
天と地から迫りくる、殺気をはらんだ風圧と戦慄。
次の瞬間、金髪のアイナの頭部は上下同時に、最大級の衝撃と共に蹴り込まれた。
因縁も、運命も、思い出も、後悔も、執念も、責任も、全て乗せて、
まるで大顎を開けたワニの如く、強烈で残酷に頭蓋骨を噛み砕く。
そして両脚は頭部を挟んだまま、体重を預けて身体ごと地に落とす。
それは因縁を断ち切る、とどめのギロチンであった。
素手だからこそできた、一度きりの大技。
仕掛けられた相手は問答無用で夢の世界へと連れ去られ、二度と戻ることはない。
黒髪のアイナが研鑽に研鑽を重ね、この日、このチャンスのために、磨き抜いてきた秘奥義。
その名も「夢王」、ここに完了。
904
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 22:31:23
終わった。
長い戦いが、今終わった。
ユカニャ王は未だ信じられないといった表情で目を見開いている。
それは倒れたままのモエミーとアサヒも同じだった。
黒髪のアイナは、ずっと、ずっと、この一撃に賭けていた。
いくら鍛えても、常人がオレンジに長期戦を挑むのが不利なのは自分が良く分かっていた。
集中力と動体視力が増大し恐怖心もないのだから、一度外してしまえば最後、2度目は通用しない。
だからこそ、オレンジの隙をついて一撃で確実に葬り去る必要があった。
ユカニャ王が悲しい事件でその力を失ったように、
オレンジの弱点は恐怖心のなさと、その力への驕りにあるとアイナは考えた。
特に使い続けている金髪のアイナなら尚更だ。
だからあえて攻撃を受け、自分の方が強いと自覚させ、愛用の武器すらわざと捨てて丸腰になったのだ。
そうすれば金髪のアイナには必ず油断が出る。
だが、それは一度きり。そのチャンスに決めきらなければ自分の負けであり、死だった。
果たして、金髪のアイナはフェイクも入れずに全力で心臓を狙ってきた。
突進の狙いさえ分かれば、ベクトルをずらして一瞬なら隙を作ることができる。
そして一撃必殺の「夢王」を叩き込んだのだった。
それは怖ろしい賭け。まさに命懸けの作戦だった。
勝負が終わっても、未だに黒髪のアイナは全身から冷や汗が止まらず、荒い息を吐いている。
どんなに怖くても、あきらめない。
最期まで希望を捨てず、心で勝つ。
これが黒髪のアイナの、たったひとつの作戦だった。
倒れた金髪のアイナ。もう動くことはできない。
ユカニャ王が近付くと、その身体はサラサラと灰になって崩れてゆく。
アトリウムに一陣の風が吹くと、その灰も風に乗って散っていった。
こうして、数年前からの因縁の全てが終わったのだった。
905
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 22:35:02
「アイナはこれからどうするの・・・?」
「さあ、まだ何も決めていないな」
「もし、もし良かったら・・もう一度・・」
「いや、それはダメだよ、ユカニャ王」
ユカニャ王の申し出に、アイナは首を振ってきっぱりと断った。
「一連の事件の原因は全て私にある。迷惑をかけた責任は取らなくてはならない」
「・・・その気持ちだけ頂いておくよ、ありがとう」
そしてアイナはいずこかへと旅に出た。
ユカニャ王は忘れないだろう。
オレンジの運命に翻弄された一人の戦士のことを。
そして本当の実力を身につけ、オレンジの運命に打ち勝った、誇るべき友のことを。
さようなら。
そしてありがとう、アイナ。
全てを終えて、ユカニャ王は玉座で物思いに耽る。
今回の一連の事件のこと。
奇しくも、「ジュースへの決別」という同じ選択をしたアイナとKAST。
開発中の"NEXT YOU"。
そして宿敵"ファクトリー"。
KASTと、果実の国の未来のために、
王として取るべき選択は。
窓の外には曇り空が広がっている。
大きく息をつくと、ユカニャ王はゆっくりと目を閉じた。
(終)
906
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 22:38:37
以上です
お付き合い頂きましてありがとうございました
907
:
名無し募集中。。。
:2016/06/08(水) 23:59:34
何故ユカニャ王は力を失ったのか?
開発中の"NEXT YOU"とは?
アイナと再び出会う事はあるの?
気になることは沢山あるけどまずは完結乙でした本編の物語が進めばまた新たな外伝も出てくるのかな?
908
:
名無し募集中。。。
:2016/06/09(木) 22:04:19
上二つは本編に記述がありますね
最後のはどうでしょうね
ちなみにつかぽんには「オレンジジュース」という持ち歌が本当にありますw
909
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/06/10(金) 01:23:53
外伝さん、お疲れ様でした。
緊迫感のあるバトルシーンが楽しめただけでなく、
「KASTが居なくなったら国防はどうなるの?」という本編のツッコミ所を補っていただいたことについても嬉しく思ってます。
アイナやビタスイが本編に出る事は有りませんが、ユカニャ王は重要な役回りで再登場する予定です。
その際には今回のお話を意識してしまうかもしれませんね。
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