したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

881名無し募集中。。。:2016/05/31(火) 23:43:14

「はぁぁぁ〜〜〜〜…!」

一方のアサヒは大軍を前にして、両手の指をしっかり畳んでギュッと拳を固め、力を溜める。
すると白かった手甲の桜花が見る見るうちに赤くなっていき、まさに桜色に染まる。

「たあっ!」

そして向かってきた最初の敵の腹に溜めた正拳突きを叩き込む。
するとどうだ、爆発音とともに敵は十数メートルも吹っ飛んでしまった。
鎧は破壊され、何人か巻き込まれた者も同様に意識を飛ばされている。

「なンだそれは…?」

先程までとは桁違いの威力になった正拳に足が止まるアイナ軍団。
でもそれがまた命取りになる。

「隙あり!」

またもや爆発音とともに数人が吹き飛ばされ壁に叩きつけられてしまう。
明らかに異常な攻撃力である。
近接単体攻撃だけだったアサヒが複数を巻き込めるようになったのだ。

これはアサヒの桜花がガレリア秘蔵のオーパーツ金属を使った手甲であることの表れである。
桜花はアサヒの燃え上がる太陽エネルギーを吸収し、拳で解放するという機能を持つ。
これにより、太陽の力を使ったアサヒの正拳は、それだけで大砲一撃分とも言われる衝撃を放つことができる。
アサヒの両手が真っ赤に燃えて、敵を倒せと轟き叫ぶのだ。


力を解放して多人数攻撃を仕掛けるビター・スウィート。
だがオレンジを飲んで異常な力を得たアイナ軍団との戦闘をいつまでも続けるわけにはいかない。

「モエミーちゃん、残りをお願い!私がヤツを引き受ける!」

そう叫ぶとアサヒは眼前の敵を一気に飛び越し、奥のアイナへとダッシュする。
多人数戦にはリーチも長く攻撃範囲が広いモエミーが有利なのは事実。
よって疲労してしまう前に、単体戦向きの自分が首魁を仕留めようというのがアサヒの考えであった。

「おっと…もうオレと1対1をやろうってのか?」

腕組みしながら嘲笑う金髪のアイナ。ゆっくりとジャマダハルを装着する。

邪魔する軍団員を吹き飛ばし、スルリスルリと駆け抜け、ついにアイナの元へと到達したアサヒ。
ダッシュの勢いのまま飛び上がり、全てに決着をつけんと拳を振り上げる。

「痛いよ!覚悟しなさい!」
「フン!やってみろ!」

ガキィンという金属音と共に、両雄の剣と拳が交わった。

・・・かに見えた。

「・・・・っ!」

膝をついて悔しそうに胸を押さえるアサヒ。その手の隙間から流血が見える。
しかし一方のアイナのジャマダハルには血は付いていなかった。

アイナとアサヒの数メートル先に、5本の爪に付いた血を眺める異民族の女がひとり。
彼女が一瞬で飛び込んで、アサヒの薄い胸を切り裂いたのである。

「おう、外の掃除は終わったのか?カ・カよ」

アイナ軍団の隠し玉。
辺境の地から来た異民族の戦士。
野趣溢れる顔立ちのその女は、カ・カといった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板