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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

871名無し募集中。。。:2016/05/29(日) 02:43:32

「ガレリアから来たなら昨日からたった一日で間に合うはずがない…」
「ユカニャめ、事前に手を回していやがったな…」

アイナはユカニャ王にしてやられたことに歯噛みした。
その通り、あざといユカニャ王はモーニング帝国からの援軍がKASTの出立に間に合わないと知り、
国防手段として2人を呼び寄せる手をアイナが宣戦布告に来訪する前から打っていたのだ。
ユカニャ王が待っていたのは始めからビター・スウィートだったのである。

もちろん通常ならこのような手続きには時間がかかるし、
何より独立を保つガレリアがそう簡単にエージェントを貸し出すはずもない。
そこを乗り越えて最短で助けに来たのは、ユカニャ王と2人が旧知の仲であったからに他ならない。

ユカニャ、モエミー、アサヒの3人はかつて大志を抱いてそれぞれ上京してきた新人同士だった。
モエミーとユカニャは隣国の出身で出生年月日が同じという縁があったり、ユカニャとアサヒは当時は雰囲気が似ていてよく間違われたものだ。
「森の泡戸」という冒険者ギルドで出会った3人はすぐに仲良くなり、
共に訓練したり、いつか大国に仕官して出世することを夢見て毎晩語らった同期であったのだ。

別の道に進んではいるが、当時の絆は今も変わっていない。
それにアサヒはKASTのトモ・フェアリークォーツの数少ない友人の一人でもある。
2人は果実の国のためならば、と全てを差し置いて駆けつけて来たのだ。


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