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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

890名無し募集中。。。:2016/06/06(月) 06:13:03

「・・・チッ」

カ・カが倒され、アイナ軍団も後は頭領のアイナひとりとなった。
ついに1対1、最後の闘いだ。

モエミーはアイナに対峙しながらアサヒの状況を伺う。
倒れたアサヒにはユカニャ王と残りの護衛がすぐに介抱にあたっていて、何とか大丈夫そうだ。

アイナは背後の倒れた自軍兵の山を見て、改めてモエミーに目をやる。
さすがのモエミーも、あれだけの数のオレンジ使用者を相手にした後では満身創痍。
至る所から出血があり、肩で大きく息をしている。
アイナは無傷の自分が負けるはずがないと思っていたが、念を入れることにする。

だがその懐に手を入れようとするのをモエミーは許さなかった。
あっという間に間合いを詰めた九印の刃がアイナの手に伸びる。

「させないっ!」
「おっと!?」

モエミーにはバレていた。アイナの懐には自分用のオレンジがあったのだ。
モエミーも今まで散々苦労させられたあの液体を今アイナに使われたらまずいと分かっている。
それだけは阻止しながら倒さなくてはならない。

突き、薙ぎ、叩く。モエミーは大きく器用に九印を振り回して、休まずアイナを攻める。
アイナはなかなかオレンジを手にできない。
足を薙ぐように九印を振り、ジャンプでかわしたところを斧のように上段から叩き切る。
アイナはたまらずジャマダハルでガードし、膝をつく。

すぐにモエミーは九印を引き、回転してアイナの顔に斬りつける。
アイナは前転でかわすがモエミーは逃がさず柄の部分を殴り当てた。

「くッ・・・」

怯んだアイナにモエミーの刺突連打が襲い掛かる。
だがアイナも伊達にKYAASTだったわけではない。

「懐に入ればオレの勝ちだろ?」

アイナの戦闘スタイルもカ・カ同様、いや尊敬する戦士と同様に、俊敏に立ち回り接近戦を手数で圧倒するタイプ。
突きをジャマダハルでずらしてダッキング、スッとモエミーの目の前に躍り出た。
こうなると方天戟のリーチがデメリットとなる。隙だらけのモエミーがそこにいた。

「終わりだッ!」
「そうはいかない!」
「なにっ!?」

確実に喉を突き刺したはずのジャマダハルが金属音と共に弾かれる。
アイナが目にしたのは柄の短い手槍を持つモエミーだった。
そのまま上段中段下段とコンビネーションで斬りつけてくる。
突然のモエミーの近接対応に不意を突かれたアイナはガード一辺倒。
何とかモエミーの一撃を強く叩いて飛び下がって距離を取る。

が、モエミーはそれも許さない。
下がるアイナめがけてぶんっとその手槍を振る。
すると当たらない距離に飛んだはずのアイナの太ももがズバッと血を噴いた。

「ぐうぅっ…なんだ…?」

アイナの足を斬ったのは、リーチの長い方天戟・九印だ。
なぜモエミーが2つの槍を使っているのか?


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