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5巡目のしりとりスレ
322
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/06(金) 13:00:45 ID:5SfhHhYs0
実らぬ人生に死を想う
我が喉元に牙を突き立てる時を
我が脳髄に爪を掻けることを
死を想う
そう言っていつも死後を想う
これは死への恐れなのか
わからないまま、死を想う
323
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/06(金) 20:44:54 ID:Gz13zkwY0
嘘を吐いた
友を哀しませる嘘を
恋人を泣かせる嘘を
嘘を吐いた
そうやって今宵も夢の中
これは他人への恐れなのか
わからないまま、嘘を吐いた
324
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/07(土) 01:56:26 ID:8.9A9BGg0
大変お待たせした、怪我はないかな?お嬢さん……えっ、俺のお陰?
………そうだと言いたい所だがそれは違う、俺はアイツが一晩頭コネって考え付いた策に乗っただけさ
帰り道の安全はとっくに確保してある、早くあんたの元気な姿を、アイツに見せてあげな
……ったく、あの馬鹿…あんな美人さんを泣かせた挙げ句、美人さんのピンチだって時に動かないとかどういう根性してやがるだよ…
この場は俺の巧みな舌捌きで誤魔化せたから良いものを…
……とりあえずムカつくから帰ったら後で顔面拳で全力パンチ1発からの正座で説教1時間ルートだな
325
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/07(土) 23:24:46 ID:6WruhQgw0
涙は寞かに
声は幽かに流れ出る
始まりと終わりの刹那に溺れ
黎明に吼え、黄昏に呻き
憎悪と愛情の狭間に没し
人に嘆き、神に祈り
そうして
漸く
私は
前へ
326
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/10(火) 00:15:50 ID:rCtkOIQw0
変色した古い本のとある頁
改竄した若い男の罪へ罰を
『私は知っている
それが必然であることを
私は目にしている
貴方が人ではないことを
然れど
この恋心は消えはしない』
前へ前へと進む
進め進めと叫ぶ
叫び吠える猛獣
折れた牙と運命
327
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/12(木) 15:58:53 ID:T5azNTxk0
一万、いいやそれ以上の人間が死んだ……!
全員、なんの罪も犯していない無実の人間だ!!
お前の無責任な一言で、この惨劇が起こった、お前は何様のつもりだ!?
次はどの町の人間を命令で殺すつもりなんだ!?
お前は言ったな…
これは罪深い人間一人を確実に仕留める為に必要な準備だって…!
実際はどうだ、燃え盛る焔、町に住んでいた住人の悲鳴、湖のように溢れ出る鮮血……!
お前は言ったな…!!
「俺達でみんなが笑って生きていける世界を作ろう」って…!!
…みんなだ、そのみんなが俺達の目的の為の犠牲になった…!!
……俺が、お前をここで殺す
それが犠牲になった者達へのせめてもの弔いだ…!
お前を信じた、俺が償う罰だ……!
328
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/14(土) 03:35:22 ID:KXR4SQSo0
……談笑は彼方へ
皆を別つ河は深く広く
……幻想は彼岸へ
終わることなき地平線
----------------------
戦いの幕は下りないさ
まだ上がったばかりだろう?
この物語がどんな終端に向かうのか
僕は今、とても楽しみでたまらないのだよ
329
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/15(日) 09:32:20 ID:czCj..Yc0
夜明けの戦い――
後にそう記された決闘の話、しかしその通称は時刻に由来しない
酉より高く、鐘より遠く、なにより激しく
まるで戦乱の始まりを告げるかの様に響いた剣合の音
その一撃から続く、長い永い争いの幕を、文字通り"斬って落とした"音
心に聴いた者、夢に魅た者、魂に刻んだ者
それらの運命に"夜明け"を告げたと云う
330
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/15(日) 14:57:01 ID:lxu6/Qqo0
疑うことを知らずに愚直なまでに友を信じ続けた一人の男がいた
その男には何よりも譲れない一つの夢があった
最後まで友を信じ続け、そして最後に裏切られた一人の男がいた
彼が正しいと思い渡り続けてきた道程はあっさりと引き裂かれた
自らと友の罪を贖おうとした一人の男がいた
その時、彼は人の皮を被った孤独な獣と化した
蛇よりも狡猾に忍び寄り、鴉よりも賢く各地を飛び回り、死神よりも非情に罪人を狩り続け、誰よりも深い罪を背負った者
今もまだ、彼は孤独と共に罪を贖い続ける
331
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/15(日) 16:28:45 ID:DfTglgXE0
流転は決して終わらない
彼も僕達も、廻り続ける
それを認識すらできぬまま、さすらう
僕はね……あの日、あの場所で『夜明け』を見た
醜くも美しい、血と泥にまみれた『夜明け』をね
僕や彼、もちろん君も、始まりはみな同じだろう
この雨はきっともう止む……その意味は一つ、さ
332
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/16(月) 03:47:21 ID:shFsV5uI0
最後の時も、お前は口達者な奴だな…
こうして再び会って俺が最初に感じたのは……不思議な事に憎しみなんかじゃない…
……あの時、お前を止められなかった後悔と……なんでこうなったんだろうと、どうしようもなく込み上げてくるやり場のない哀しさだよ……
笑えるよな、あれ程お前を殺そうとして…仕留め損ねて、お前の行方を探し続けて、お前と繋がりを持つ罪人を洗いざらいに皆殺しにして……この様だ
…あぁ、その通りだ
俺の黄金のように輝かしかった夢はお前の『夜明け』のお陰で醒めた
俺の目を眩ませる程に輝かしい夢は『夜明け』の太陽に跡形もなく焼き尽くされた
俺はあの時、ようやく現実と向き合ったよ
そこには黄金も、道を照らす灯火も何もない真っ暗で血塗れの道だった…
あぁ、そうだな…雨は…もうじき止むさ…だから…今度こそ俺は、お前を殺す
あの街を消し去った、忌まわしい焔のように、今度は俺がお前を消す番だ……!!
333
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/16(月) 05:45:15 ID:UzWSiCas0
誰かが言った
「悲しい戦いが終わった」
別の誰が言った
「本当の意味の夜明けだ」
また別の誰かが言った
「雨は上がり、夢は輝く」
屍と血と涙、染まる水溜まり
炎の如き憎しみと、雨の如き諦め
終わりが意味するのはひとつの始まり
しかし慌てることはない……物語を終えるには些か早い
とある『後日談』に、暫しお付き合い願おうか
334
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/16(月) 10:14:48 ID:LlDlQVf60
彼を返して・・・
コレは『白昼の悪夢』を詩った悲しいうた
戦う事も出来ず、取り残された者の絶望のうた
雨の中、纏わりつく泥の様に、ただ温もりに縋るしかなかった弱き者
闇の中、照らされた影の様に、他人に夢を重ねてしまった愚かな者
戦い傷つき倒れる者はまだ救われる、倒れて眠るだけなのだから
遺された者達に休息は許されず、安らかな眠りすら訪れない
善も悪も、勝も負も、生も死も無いひたすらな絶望の中、只々怨嗟だけが・・・
――あのひとを、かえして
335
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/17(火) 02:34:05 ID:Agt7sRko0
抵抗も、言い訳もしない……アイツは俺が愛する人々を殺した…だから俺がアイツを殺した、それだけだ
死んだ人間は、決して生き返りはしないさ
ましてや、今を生きる人間に語りかけてくることはない
これが夢であってくれと、返ってきてくれと泣いて頼んでも、返事は帰ってこない……
俺が愛したいと思った者はもういない、全員俺の手で殺した
『殺人鬼』を愛する者は誰もいない、だから俺は手を汚し続けた
俺の手を見ろ…鋭い爪もなければ毛皮もない
こんな普通の手が、一万人を殺した人間の手なんだ
後腐れは……もう残しはしない
最後に…頼みがある
もしこれから先、若い世代に俺達の事を語り継ぐ時が来たのなら…アイツの罪を、全て俺がやった事として語って欲しいんだ
友を裏切り、愛する者を皆殺しにして、無慈悲な殺戮を続けた罪深き『殺人鬼』として……
そしてその『殺人鬼』は『夢』を持った『正義の味方』に倒されたと語って欲しい
そうすれば、未来の子供達は今度こそ『笑顔』でいられる
例えそれが『嘘』であろうと…
『悪夢』に満ちた世界に、『夜明け』が来たんだと…
……そこで、話は終わりだ
…とある作家は言っていた、ハッピーエンドは何処で区切るかで変わってくるんだとな
…だから『後日談』なんてものは必要ない、『殺人鬼』の事を…語る必要ない…
さぁ、これであんたの『白昼の悪夢』にも幕を下ろそうじゃないか
……頼む…俺を、殺してくれ
336
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/17(火) 11:01:36 ID:D1ex6EqI0
黎明の頃はよかった……生きるのに必要なのものは既に揃っていて、揺るぎようのないものだった
即ち、生きたいという欲望
ただそれだけで、ヒトは生きてこれた
生きることに疑問なんて持つ余裕がなかった
だが今はどうだ!
安穏とした泥濘
悪意と利己に塗れた平和
今より大事なものなどないというのに、明日を見なければ落とし穴に落ちてしまう
それは怠惰であり強欲であり傲慢である
我々は生きることを求めて生きる意味を失った
否、生きることへの渇望を失った
それが正しいのだと嘲笑う貴様等が憎い!
あぁ憎い憎い憎い! 生物には闘争が必要なのだ、命の奪い合いが!
だというのにソレを拒む、度し難い、理解できない、空へ向かうために大地を捨てる愚者どもが!
爪は削れた牙は削げた命の炎は既に燻っている!
こんな、こんな世界になんの意味があるというのだ!
俺は闘う、そうして世界を取り戻してやる!
そうしなければ俺が壊れてしまう、見失ってしまう――――だから人類は、死ね!
337
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/18(水) 03:33:33 ID:l9mLeQU.0
眠気も酔いも、いつからか纏わりつく倦怠感も、瞬く間に消え去った
この時代にも未だに存在するのか……そんな驚きと共に、流る雲の如く
やあ若者……この世の中において、お前のような狂い方は珍しい
というのも、俺も現状に満足など得られてはいなくてねぇ……
あの頃は良かった、なんてこと言ったら懐古趣味のようだがな
最初は嫌だったが、いつしか戦い無しでは生きられなくなった
片足を失くし、片腕も斬り落とされ、それでも尚、変わらん
だから先の一言は、俺からの誉め言葉として受け取ってくれよ
語り騙る男の笑みは自嘲か、それとも嘲笑か
月夜を舞台に邂逅する狂気は、まさに脅威で
初春の風に揺られる菜の花が、崩壊を告げる
正確にはその序章、さらに正しくはその前兆
そして女が笑う檻の中では、悪意が動き出す
338
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/18(水) 04:33:49 ID:cFoPfTms0
スタッと!…良し良し、我ながら中々スマートな着地だ……
……待て待て待てぇい!
やい、そこの悪党め!此処から先は一歩も通させねぇ!
…何をするつもりかは知らねぇがこの街の人々に手出しするつもりなのは見りゃわかんぞ!
………悪い事は言わねぇからやめとけって
言い伝えの『孤独な殺人鬼』の『殺人鬼』さんみたいに最期には誰も味方いなくなって文字通り孤独な最期を迎えるぞ?
339
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/18(水) 11:48:48 ID:Pg5QaDK20
ゾンビが笑い、白骨死体が躍りだす
ここは妙なる音色が混ざり合う場所
我ら死霊の楽団、今後もヨロシク!
もういいよ君たち、ちょっとストップ
で、何の話だったっけ? ああ、殺人鬼か
『孤独な殺人鬼』の本はちょうどここにあるよ
悲劇だねぇ、思わず憐憫の情を抱いてしまいそうだ
しかしある噂を耳にしてね?
「殺人鬼は殺人鬼にあらず」って話さ
不思議だねぇ、何故こんな噂が生まれたのかな
実はいろいろ調べてね、浅いながらも知識を得たわけだ
それがビックリ、信じ難い「物語は歪んだ真実」なんだってねぇ
おや、雲行きが怪しい
それでは今日はこの辺で失礼しよう
今度はぜひ墓場でお会いしたいね、スマートさん
公演は特別サービスとして無料にするよ、お仲間もご一緒に〜
340
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/19(木) 03:29:56 ID:XYJ4SrSY0
賑わってくれ存分に、君達の公演は子供達に笑顔を彩らせる
…そんな尊い貴方達だからこそ一つ忠告しておこうか
まぁ所詮は中年の戯言だ、これも信憑性に欠ける噂でしかない
……悪い事は言わない…『殺人鬼』の詮索などはやめておけ……真実を探っていく内に検討が付く
あれは……そのままそっとしておくべき物なのだとな
…そうだな、これは言っても許されるだろうか…?
『 』は、最期にただ一つの『 』のためにこの物語を綴った、と…
…許されないようだな、ハッハッハッ!
…どうしてもと気になるのなら旅の合間に昔、火災で廃墟と化した街を探し回ると良い、もしかしたらそこに何処かの誰かが書き残した日記があるかも知れない…
341
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/19(木) 16:31:07 ID:AaMvXfm60
『いつの日か、この日記を手にした誰かへ』
薄汚れた白い日記帳を開けば、この一文が表紙の裏に綴られている
『我が魂の半分は、あなたに差し上げよう』
続く文が霧のように浮かび上がり、淡く発光して意識を引き寄せる
『あなたの魂の半分は、この日記帳の中へ』
さらに続いてゆく文は、まるで語りかけるかのように妖しく揺れる
『我が魂とあなたの魂は半分ずつ、されど』
『我が魂はやがてあなたとその魂を食らう』
『ここに契約は成立し、舞台の幕は下りる』
いずれその人物が目を覚ましたとき、舞台の幕は再び上がるのだろう
炎に揺れる街の夢を、廃墟と化した少女の家をこの時代に呼び戻して
342
:
名無しの厨二能力者
:2015/03/28(土) 12:44:19 ID:q07lFHEQ0
適正検査――――pass
本人照合――――pass
容量測定――――error,over
errorの解決を試みています……一時的なlimit overの申請を受諾
容量測定――――pass
敵性確認――――敵勢力277、撃破可能圏内です
code:Brionacの起動――――error
必要魔力の充填を要請――――充填完了
使用者の著しい魔力減衰を感知――――pass、使用可能圏内です
code:Brionacの起動――――pass
起動確認、顕現します
敵勢力の捕捉――――固定しました、発動して下さい
発動確認――――敵勢力撃破、残存敵勢力0
sleep modeに移行――――使用者の瀕死を検知――――pass
残存兵力0を確認、sleep modeに移行します――――error
erroreRrOrえrrorerラーerrrrrエらあえラー……
自asdカsgイgthモhrーgerどaにsdfe移reydfs行しfsdまsす
343
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/01(水) 12:50:24 ID:pNvW5SjE0
素晴らしいほどに醜いな……
私はこのような物を求めてなどいなかった
破壊の美しさとは、その単純なところにあるのだ
あれは失敗ではないとしても、私は決して認めん
故に今、この場所で始末を着けてくれようか
私の求める輝きの一割にも満たないものだが、刮目したまえよ
344
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/03(金) 17:18:52 ID:ndeRcUiQ0
『よ、止せ!…頼む……!』
一人の父は掠れた声を振り絞り、命乞いをする
『助けて!誰か!あの人を助けて!』
一人の母は理不尽に嘆き、助けを求める
一人の母の側から一歩も離れずただ嫌だと泣き叫ぶことしかできない子供達
何時どこで、自分に暴力の矛先が向けられるのかすらわからずただ恐怖に怯え、逃げ惑う者達
力を持ち過ぎたが故に、その力に振り回され、今にも壊れそうだと、助けてと、そう言いたげに悲鳴を上げる一人の人間
そしてそれに対して複雑な感情を怒りという形にして露にさせる一人の人間
そこにあるのは……あの時の焔の災厄と同じ、誰も救われないただの混沌だった
「…悪い、ここは俺に任せてくれ」
怒りを示し、立ち塞がる人間の肩を叩き、俺はそう声をかける
あの時、子供だった俺は炎を掻き消す一粒の雫にもなれなかった
炎に焼かれていく家族を助けることもできず、ただ泣き叫び、助けを求めることしかできなかった
今では大人になり、力を身に付け、賢くもなった
偉大な先人から見れば、青二才だと鼻で笑われるのかも知れない
「よう、今から俺が相手になる、だからそこのおっさんとここのいる奴は勘弁してやってくれないか?」
それでも俺は誓う
この混沌が、惨劇へと変貌する前に
今ここにいる尊い者全てを、俺が救って見せると
345
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/06(月) 12:42:07 ID:aJSUEPSY0
トバリ
宵闇が街のすべてを覆い尽くしたあの日
三年の月日が流れた今も、何ひとつ変わらぬままに
されど、そんな恐怖と理不尽に立ち向かう心を捨てざる者たち
ここに集うは偶然か必然か、それとも誰かの描く物語、運命なのだろうか
やがて現れるひとりの少女と黒い犬、そして白い猫
白を抱いた犬、黒を秘めた猫、飼い主たるその少女
長き混沌が次の局面を迎える瞬間は、きっと愉快だ
346
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/20(月) 00:47:15 ID:uIOBOO2E0
だからアタシが言ったとおりじゃない、荒廃した街道をいくら進んでも廃墟はハイキョ!
どれだけ行こうと人っ子ひとりいやしない!歩き疲れて食料尽きて、精魂果てて行き倒れ!
ほれ見た事か!言わんこっちゃ無い!ねぇ、こんなバカ犬の言う事なんてアテにしないで
いっそ街道から外れて、野を超え山超え森を潜ってどっかテキトーに進んでみれば良いのよ!
――真っ白な毛並み、カン高い声、ほんのちょっぴり黒い物言いで
悪戯に誘うような語り口の猫は
首を見上げて跳ね回りながら、傍らの少女に言葉を投げた・・・
それは、絶望的な現状でも、どこか楽しむようで、とても無責任で…しかし溌溂とした響きだった
347
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/22(水) 13:04:34 ID:gHJzaJi60
「確かにこの辺りのはずなんだよぉ……姉上がそう教えてくれたんだ
バカとは何さアホ猫めぇ……街を離れちゃお話が始まらないよ」
弱気なようでいて、少し毒を吐く、黒くて大きな犬
「僕らはお話を導かなくちゃならないんだよぉ……
あれから3年、こんな廃墟にも希望はきっとある
砂漠に水が湧くように、闇にも光が射すはずなんだ」
その声色ははつらつとは言い難く、しかし白く晴れやかな響きを持つ
傍らに佇む少女はそんな2匹を見つめながら、静かに微笑みを浮かべた
348
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/30(木) 13:12:34 ID:SOUNAaRg0
楽しみねぇ、物語を繋げる”紡ぎ手”として、次のお話に出会う瞬間が何より楽しいわ
ほら、見えてきた・・・あれは・・・お城?いえ、学校ね
今は崩れ落ちそうな廃墟でしかないけれど、ココにも確かに物語があったのでしょう
きっと沢山の人が、想いが、ココには溢れていたのでしょう・・・
今度は、この物語を覗いてみようよ
349
:
名無しの厨二能力者
:2015/04/30(木) 16:55:55 ID:IiYkmdSA0
喜びの夜
切ない朝
爆発のような朝焼け
いつか見た風景
祈りに光る星空
残された少年
賑やかな闇の中で
「頭を繋げるメッセージ 誰かの遺したメッセージ」
350
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/02(土) 04:24:52 ID:LgitPaUA0
時期は遡る
かつてとある場所に一人の人間がいた
『彼』は俗に言うヒーローであった
一人の兄でもあり、優しい心を持ち、誰からにも好かれていた……そんな人間だ
ある日、『彼』は殺された
心を持たず、記憶を持たず、愛するべき者を持たず……まさに『無』と言うべき者に殺された
その時『無』は心を手に入れた、記憶も手に入れた……全ては『彼』の物だ
だがそこに愛するべき者はいなかった
『彼』だけの愛するべき者を愛してはいけないと、そう心で理解してしまったから
だが愛するべき者達を悔恨から救ってやらなければならなかった、他の誰でもない『彼』の記憶を持っていたから
『無』は嘆いた
自らの誕生が、多くの者に悲劇をもたらしてしまったことを
『無』は悩んだ
どうしたら、『彼』の愛するべき者達に『彼』の贈り物を届けてやれるのか
『無』は決意した
最後に『彼』が約束してきたことを自身が果たそうと
約束を果たした時、『無』は深い眠りに落ちようとした
『彼』が生涯にやりきれなかった事を成し遂げて、ただ孤独に
だがその時、その眠りを制する者がいた
それは『無』が生き急いできた人生の中で手に入れた他の誰でもない
『無』の……『私』だけの愛するべき者だ
『私』はこの物語はこう締め括るとしよう
『愛するべき者』を持て
例えこの記憶がなぞられた物でも、この心が元は『彼』の物であろうと
この人生の内に手にいれてきたものは他の誰でもない『自分自身』の物なのだから
351
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/02(土) 04:55:55 ID:53F26Pwg0
楽園がやがて滅びへと向かう
その瞬間に君は知るだろう
【黄金の海原】の真実を
あの娘と二匹は間もなくやって来る
おはよう、ようやく目覚めの時だ
『無』は輝きを得て『有』になった
君は何を得て、何になるのだろうか
その結末は、残念ながら見られない
願わくは、君達が幸せになるように
352
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/02(土) 12:08:31 ID:iw2OtBEE0
【憎しみの海流】に飲まれるな!帆を引け!しっかり舵を保て!
なんとしてでも客人を【黄金の海原】へ送り届けるんだ!
野郎共ッ!この航海中は海賊根性なんざ置いておけ、王族を護衛するクソ海軍みてぇにお上品になりやがれ!
奴隷の小娘運ぶのとはワケが違うんだ!預言書に出てくる"紡ぎ手"様だぞッ!!
ラムじゃ無ぇ、ワインを開けろ!一等畏まって小娘様のお接待だ!
353
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/08(金) 03:33:33 ID:/uAV7kCA0
ダイフクでも食べるかね、お嬢さん?
そちらのお二方にも何か用意しよう、遠慮なく行ってくれたまえ
「船長、東洋のお菓子にはまりすぎですぜ……
ほら見てくだせえ、ちょいと引かれてる」
うまいのに何を嫌がっているのか……まあいい、ひとまず晩餐と行こう
肉や魚はいろいろ、野菜も豊富にあるから好きなものを食べてくれ
話は後で落ち着いて、だ
さあお前らも席に着け
楽しむとしようか!!
354
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/09(土) 00:29:41 ID:lXA.QJc20
華美な装飾だ、実に美しい
(……食器に毒を仕込んだ席は……見つけた……あの席だ)
(手筈通りに行けば例の要人があの席に座ってぽっくり逝ってくれるんだろうが……)
(万が一無関係の者が座ればすぐに煙幕球を巻いてその混乱に乗じて直ぐ様に奴を仕留める、か…)
(…妙な胸騒ぎがする、突然の来客で席の入れ換えなんてことがなければ良いが……)
(……念のため、動き始めておくか…)
おやおや、そろそろ夕食の時間のようだ
それでは、私はこれにて失礼させていただきます
355
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/10(日) 02:07:25 ID:6Sj6zzdY0
スミス〜、なんだよてめえ堅苦しいぜぇ?
仕事なんて忘れてパーッと行こうや、なぁ?
俺らは楽しく飲み食いしてりゃそれでいいんだからよ
おっ、ちょうどいい席が空いてるじゃあねえか!
てめえが好きそうな席だしあそこに座るといいぜ
接待は上の奴らに任せて、さあレッツ夕食!
356
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/11(月) 21:55:10 ID:IQYKpMyg0
国敗れて山河在り、と言ったものがいた。
だが一度我々が衝突したとして、果たして山河は原型を保っていられるだろうか?
ましてや一国が滅ぶほどとなると、彼らの生命の保証は出来ないだろう。
人はいつしか、自然のパーツを逸脱した存在になってしまっていた。
357
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/13(水) 05:05:05 ID:Z8eax1b20
たしかにそれは一理あるが、知っているか?
熟れすぎた果実は、やがて腐ってしまうのだよ
ある方の話だが、曰く、『いずれ夜が下りてくる』
滅びに続く道を、奈落への階段を、そうとは知らず進む
しかしこうも言っていた・・・『朝は必ず訪れる』
これらを夢想と笑うか、真実だと畏れるか、それ以外か
どう受け取るもすべては自由だ・・・お前もいつかは知るさ
358
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/13(水) 12:32:06 ID:AS9vwJiI0
さもありなん、かたるまでもなく あさとよるはくりかえすもの
されど このものがもうすように、ひとがしぜんをいつだつしたこともまたじじつ
なれば、しぜんのせつりにくくられぬのも、またどうり・・・
くにがほろぼうと、さんががさらちにかわろうと、ひとはすでにしぜんからはずれている
なれば、いまいちど ひとをつかって、われらのだいりせんそうときょうじてみよう
ゆうきゅうのときのなか、ただかんさつするだけにもあきた
さぁおのおのがた、こまをえらんでかごをさずけよう・・・いまいちど、えいゆうをつくろうではないか
359
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/13(水) 16:30:15 ID:juqxkYGE0
斯くして、運命はまたしても【英雄たる者(主人公)】を物語に運ぶ
滅びとは万物がいつか迎える、抗うことの許されない約束された事象
それを必然と云うのだとしたら、《摂理》は『彼等』に呪いを授ける
最期の瞬間に始まる彼岸の旅路には、決して安寧など訪れないだろう
「やあ、旧友の皆々様 ここはひとつ、僕も物語に入れてもらおう」
360
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/16(土) 04:10:09 ID:Bwc9BNq.0
嘘みたいだけれど不思議と信じられるんだ、あれは夢なんかじゃないって
彼は自分を『白の観測者』だと言っていた…それがなんだか僕には分からないけれど
この力は『観測者の加護』って言っていたよ、人々を導く為に与えられたらしい
だから僕はもう弱虫じゃないんだ・・・僕は行くよ、選ばれし者の使命を果たす為に
白の加護を与えられた勇者として!
361
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/16(土) 13:34:10 ID:I6tGNsMY0
敵は二体で、いずれも大した力を持たないものだ
といっても、何の力もない人間を殺すのに一分もいらないのだけれど
さて、挨拶を前にひとまずお手並みを拝見しよう
『加護』を受けた勇者・・・僕が命を預けるに値するのかどうか、ね
362
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/16(土) 14:54:19 ID:mrykI.TM0
眠りの時だ
恐れるな『偽りの加護』を受けし者よ、その内に秘めし恐怖とその肩の荷を下ろせ、安らかに眠らせてやる
……そして、貴様だな…
貴様らが始めた茶番劇に付き合わされ、我が父と母は、命を落とした…!
あの日の事を忘れたことは一度もない…!貴様が高台から笑みを浮かべてあの惨劇を見ていたあの日を…!
……今度は貴様が地獄に落ちる番だ、こんな下らない争いは此処で終わらせる
……それと、勘違いしてもらっては困る
俺はもう、あの時のように一人じゃなければたったの二人と言う訳でもない
…伏兵部隊!奴等の左右に矢を放て!挟み撃ちで仕留める!
363
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/16(土) 17:45:45 ID:pQ8fVfLI0
瑠璃色の輝きを右手に、藤色の煌めきを左手に
胸元には黒曜の揺らめきを携え、戦場を駆けろ【黒き加護の宝玉騎兵隊】
この程度の攻撃で私の能力を破ろうなど、侮られたものよ
戦いの舞台に上がったからには、かつての友が相手でも容赦はなしだ!
364
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/18(月) 16:50:29 ID:joSZ/yXU0
『第一に、私が正面から向かって左右に矢を放たせる、そこからは…………』
「……時間だな」
木の枝に佇む鷹は空へ発つ、その身体は黒き翼、その頭は白き羽衣
木の枝に佇む一人の男は鷹と共に空へ駆ける、風と木の枝に煽られた黒い服と共に、その銀色の眼差しを光らせながら
『お前が奴を仕留めるんだ、これは、お前だけにしか出来ない大仕事だ』
空に飛び立ちながら鷹は爪を後ろに立てる、今その首元を掻き切ろうと
空に駆け、男は刃を構える、その眼光は全てを切り裂こうと
慈悲もなく、死肉を食らうだけだった筈の禿鷹が殺意を持って戦場に姿を表した瞬間
その【革命の刃】は、加護を食い千切り、神をも殺す剣と成る
『たった一匹の鳥葬』と呼ばれ、血も涙もたった一人の男に貪り尽くされた、長い戦争、革命の始まりだ
365
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/19(火) 16:22:15 ID:/qVw82Oc0
騙して騙して騙しまくること十余年
いつしか、『騙り鳥』の名は空へ羽ばたいた
そして今、加護なき双鳥が密やかに合間見えることになる
革命という闘争を無理矢理にでも終端へ運ばんとする意思によって
「私はシがない詐欺師でございます故、剣も槍も握れませぬ
されど鳥の名を冠す者として、この戦という空で踊りましょう」
これは、加護を受けし者達と受けざる者達の、それぞれが生きた物語
水平線へと消え行く白き翼は、果たして結末を知っているのだろうか
366
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/24(日) 10:17:31 ID:xaKgHPNQ0
カナリアの加護、私が彼に与えたのは『言葉の力』
白黒ハッキリつけてお仕舞いじゃぁつまらないでしょう?
勿論、どっちつかずの灰色じゃぁ『観測者』としてオハナシにならない・・・
彼自身に力は無い・・・誰かを先導する事や、自ら戦える様な加護は与えていない
だけれど、彼の『言葉』には・・・私の加護が根付いているの
ヒトからヒトへ、国から国へ、いずれ彼が倒れても・・・『言葉』はどんどん膨らむの
フフフ・・・・「しがない詐欺師」とは良く言ったモノね・・・
言葉に"死が無い"のは、あたりまえじゃないの・・・
極彩色に輝け、飛べ、踊れ、歌えカナリア
もっと激しくもっと煩く、闘争を!戦乱を!
フフ・・・フフフ・・・終るには、まだまだ早い
367
:
名無しの厨二能力者
:2015/05/25(月) 00:55:55 ID:d0fWkCwA0
……嫌な女だ
争いを煽るだけ煽って、自分は外側の特等席で見物か
まあ僕も他人のことをとやかく言える立場じゃあないがな
戦乱の時代はまだまだ続く
鳥が墜ち、花が枯れ、獣が塵になっても終わらない
僕達のような存在が消えて無くならない限り、決してだ
さあ、次の演者を舞台に運ぼう
蠢く影はしなやかに、海原を血に染めてゆく
鮫の名を持つ彼に、ご登場を願おうか……
368
:
名無しの厨二能力者
:2015/06/21(日) 10:40:01 ID:9M.gRP.k0
かなしい
369
:
名無しの厨二能力者
:2015/06/25(木) 14:50:58 ID:2sYWUDm20
いつからだろう、彼が泣き始めたのは
いつからだろう、僕が彼と話さなくなったのは
いつからだろう、母が僕を彼から遠ざけ始めたのは
いつからだろう、父が彼と目を合わせると殴るようになったのは
いつからだろう、皆が彼を責めるようになったのは
今日で何度目かになる外からの衝撃が耳障りだ
くそっ、また間に合わないと言うのか!この事象を止められる算段はあったのに!
あの頭の固いジジイ共め、今更俺を頼ったって遅いのに!
まぁあいつらの最後を見届けるのは余興だったよ…ふふ…ふはは…ハハハハハハハハハハハハハハッッ!!
彼と最後に会ってからどれほどの時が流れただろうか
僕はお札が何枚も貼られた重厚な扉をゆっくりと、開いた
370
:
名無しの厨二能力者
:2015/06/28(日) 12:32:14 ID:eiF2cJZE0
溜息だ、これで何回目だ?
実につまらないと言わんばかりの膨れっ面だな、欲求不満ここに極まりと言ったところか?
まぁそんなことはどうでも良い
欲求があるなら欲望を吐き出せば良い、不満があるなら満足するまで満たせば良い
俺ならば誰が相手だろうと支配できる
俺ならば誰であろうと好きに生き、好きに死ねる世界を作れる
…だから……
『Join me, Join the Rebellion』
『この俺に、お前の全てを賭けろ』
371
:
名無しの厨二能力者
:2015/06/30(火) 21:02:30 ID:3J8CiwMc0
ろくでなしが知恵と力を持った結果、狂った巨鳥、史上最悪の革命家……
彼に対する後世の評判は酷いものさ
彼の名を出せば誰もが口を揃えて彼を力にまみれた屑だの知恵と共に生まれた殺人鬼だのカリスマのあるキチガイだのと侮辱し始める
まぁかく言う僕もその意見にはあらかた同意見でね、彼の逸話はどれも不気味な物が多く、恐ろしくて仕方がない
そうだな、例えを出してみるならば…
彼が部下に気晴らしにと、ひょっこり町へと外出したときだ
彼はたまたま見かけた酒場に入り、奥から数えて三番目の客に近付いて
そのままなぶり殺した
ここまでなら単なる狂人、下らない殺人鬼で話が終わる
だが彼はそのなぶり殺した客の懐を探りだした、するとそこには手紙があったんだよ、なんの手紙だと思う?
それはとある国のお偉いさんに渡すはずだったとても大事な大事な手紙だ
そこから流れに乗るように彼の率いる組織はただの弱小組織から国一つを一睨みで一蹴できる化け物集団へと変貌した
その場にいた一般人には恐怖を植え付け、反骨心に溢れていた部下には敵わないと反逆を諦めさせ、彼はそのまま自身の目的を、革命なんなく果たした
ホラーみたいだろ?実際彼を題材にしたホラー映画はそれなりにある
彼は悪霊なのか実は神話生物ではないのかとまで言われている
彼は革命を終わらせた後、誰もが権力を良いように扱って世界を闇に陥れる、と思った
実際はそんなことはなく、彼自身の財産を持ってその町から去っていったそうだ
その後は彼の恐ろしさを身を持って知ってた者達が政治を懸命に治めた故に、特にこれと言って大きな争いもなく平和な町になったのは実に皮肉な話だよ
372
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/02(木) 15:00:12 ID:Jaq2IFOc0
よくやった、と声がする
ふと見た自分の手は赤く、とても赤く
上を見上げるといつもと変わらない青空が広がって
求めるように僕の赤い手は青い空へと伸びていく
焦がれるように、手を伸ばす、力の限り
だが届く事がないのを僕は知っている
そして声がした
何をしているんだと、次を探せと
僕は操られるようにその言葉に従い始める
この声に対する怒りも憎しみも既にない
だって
何をしようと
何を望もうと
どんなに抗おうと
もう戻れないのだ
あの空には、あのどこまでも広く美しい世界には
決して
373
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/05(日) 22:33:03 ID:OtDv9YhI0
抵抗の意思すら見せず大人しく捕まり
連行の途中で謎の心配停止、そのまま眠るように・・・か
納得出来かねる話しだな、一時期は当局を震え上がらせた殺人鬼だぞ?
数十人の特殊部隊を壊滅させ、名だたる賞金稼ぎを返り討ちにし
なおも止まらなかった化物が、陳腐な通り魔騒ぎを起こしてアッサリ逮捕
そして怪死・・・そんな馬鹿な終りがあるかよ
374
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/07(火) 23:25:44 ID:xSKd8GpI0
よう、ついに気付いたのか?
ならば答え合わせと行こう
俺としてもまわりくどいヒントを与えるのは嫌いなんだ
正解はその陳腐な通り魔騒ぎさ
被害者は軽傷、単なる胸部の切り傷だけ
確かあの時の肉体は既に高齢、杖を突いて歩くのが精一杯な状態だったか?
世間では確か記憶が正しければ……賢い乱暴者、とかで騒がせてたこともあったな
そんな賢いと評判だった殺人鬼が己の限界を悟らずに仮にも一端の若者に何の考えもなしにナイフを向けると思うか?
乗り換えたのさ、その若者の肉体に
さて、察しの良いお前なら何故俺が此処に現れ、何故こんなことを教えてるかのか
そしてなんでこの机の上にナイフを置いているのか
もう、わかるだろ?
『Good night. Sweet dreams.』
『お前の時間は、俺が預かろう』
375
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/21(火) 15:33:39 ID:oajvY3wM0
『ウルスラ 君の微笑みが眩しくて
意気地のない僕は 今日も
アメジストを溶かしたカクテルに揺蕩うのさ』
君も聞いたことがあると思う
七年前に一世を風靡したラブ・バラードのワンフレーズさ
これを歌ったある売れないシンガーソングライターは忽ち脚光を浴び……その一年後に怪死した
表向きでは事故死として処理されているけど、事故にしてはあまりにも不可解な要素が多すぎてね
謎が謎を呼び都市伝説に形を変えて、七年経った今でもこの街で囁かれている
「彼は名声と引き換えに悪魔に魂を売ったんだ」
「悪魔の正体はファムファタルだ」
「アメジストの目を持ったファムファタルに殺された」
依頼の内容は、これらの都市伝説の真実を暴くこと
事件の真相が人為的なものであるならば、あわよくば犯人の尻尾を掴むこと
捕獲できたなら報酬は上乗せ!
他に紹介できる依頼は……脱走した飼い猫の捕獲、浮気の調査、ベビーシッター……
こんなところだね。どうかな?
376
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/25(土) 08:38:08 ID:mcnpd2No0
7年前の新聞記事、ゴシップ・カルト雑誌に至るまでとにかく情報を集めよう
勿論、例の曲も歌詞から楽譜まで暗唱出来る程に聴く事
それから・・・え?『なんでそんな事』って・・・そりゃ君が頭脳労働不得意なのは知っているよ?
けれども、チームとして今回の依頼は・・・
は?ベ…ベビーシッターを請けてきた?
一体何を考えているんだ!!何も考えて無いのか!?考えられないのか!!?
脳ミソ筋肉だとは思っていたけれど、ギルド窓口までの御使いすら出来無いのか!このド低脳がッ!!!
377
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/27(月) 11:52:42 ID:kTgpM6Ng0
ってことは、だ……えっなに、アンタがガキの機嫌をとったり、そこのバカがおしめを取り換えたり、俺が飯を食わせたり……そういうことするのかい?
ハッハッハこりゃ傑作だなオイ。レディ、アンタはべろべろばぁでもしてみるか?
……どーすんだよ大将、ハッキリ言ってこいつはクールじゃないぜ
許してくれるならそこのバカの喉笛噛み千切りたいんだけどダメかね
378
:
名無しの厨二能力者
:2015/07/28(火) 12:37:32 ID:Yk/oTjXc0
寝ぇんねーん〜殺ぉ〜すぞ〜怒〜ろーりーよー
坊ぉやはー良ぃ〜子ぉだぁ〜はやーくー寝ぇーろぉー
……さて話しを戻そう、誠に遺憾ながら予定外のタイムロスを取り戻す為にも
調査と実働の同時進行で動いてもらう事になりそうだ…そして、更に遺憾ながら…ッ!!
私はッこの場からッ一歩もッ動く事が出来んッ!!!!
ああっ、よちよち起こしちゃったねー大丈夫でちゅよー良い子でねんねちまちょーねぇ・・・・・・
――では、解散だ
379
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/03(月) 09:18:29 ID:1PCmq0Ns0
駄犬、聞いたぞ。お前のチーム今は子守りの仕事してるんだって?
泣く子も黙る能力者がガキのご機嫌とりかい?
お前も赤ちゃん言葉であやしてるかと思うと…意外とありか…いやいやいや、傑作だねぇ!
それで?もうそんな仕事を受けちまうところには愛想が尽きたんじゃないかい?
だ、だからその…お前がどうしてもっていうんならだ!え、えーと…
私が、その…コ、コンビを組んで仕事してやってもいいんだぞ!
お前は犬なりになかなかやる奴だし…私の力との相性も、悪くないと思うし…
こ、こんなこと言ってやるのは今だけなんだからな!
380
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/03(月) 10:15:48 ID:sThoA8160
「なぜだか知らんが、咽返る様な春の匂いを感じたんだ…俺は鼻には自信があるのによぉ」
「能力まで狂っちゃったら俺はホントに能無しになっちまうだろう?だから、匂いの出所を必死に探したんだよ」
『プッククク・・・でぇ?アイツの話しもロクに聞かずに鼻をひくつかせたってワケだ?』
「それが…"春の匂い"はアイツから漂ってきてるみたいなんだ、不思議に思ってアイツの顔を覗き込んだら、益々匂いが強くなってきてさ…」
『ヒッ・・・フッ・・・う、うん、うん、そうかそうか、それは不思議だなあ?それでそれで?』
「だから教えてやったんだよ…お前こそ、サカリ付いた雌猫の匂いがするぞ って…思いっきりブン殴られたけどさ…」
『ぶはははははははは!!!!おい!!そりゃ災難だったなぁ!!女ってのはわからねぇなぁ?オイ!わはははは・・・爆発しろよクソ駄犬がああああああ!!!』
381
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/09(日) 17:46:05 ID:qTgO1haE0
あーあ、あの子ってばまたあのバカ犬口説いたのね……あれのどこがいいんだか
ま、あの子も同じくバカってことなんでしょうね。腕はいいのに
それじゃ私はもう行くわね。今回はソロで動くことにしたから
子守りする気なんてさらさらないもの、そっちはお任せするわ
……まあ定期的に連絡は入れるから安心して
やり方はいつもの方法だから南側の窓だけ開けておいてね
三日経って何もなかったらトラブったと思って切り捨てるなり調べるなりしてちょうだい
……じゃあね
382
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/11(火) 08:46:33 ID:0nlzxl/I0
狙った獲物は逃がさない
手にした得物は離さない
そう、仕事を終える瞬間まで
やあお嬢さん、ご機嫌よう
僕の歌に付き合ってくれたまえ
383
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/14(金) 08:57:32 ID:deiEEWsU0
宴に誘われ惹かれた縁
得物を構えた貴方が獲物
仕事を追って迎えた秘め事
ん〜、今回の標的はファムファタール【悪女】だって聞いたから興味失せてたけれど
こんな素敵なオニーサンだったのね
良いよ!一緒に歌いましょう?
互いに喉が・・・
―――狩れるまで!!
384
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/14(金) 10:11:57 ID:svdiYE9E0
『出会いはいつも突然のものさ
紙切れを乱雑に張っただけのチープな牢屋で退屈で怠惰な生活を送る日もあれば
その紙切れを引っぺがして僕に会いに来てくれた『奴』もいた』
とは言っても目先の事だけを真実と決めつけて自分で考えようともしない
周りのしょうもない馬鹿共に辟易して新たな出会いを求めてわざわざ俺が探し回る時もあったな
『奴』のような逸材には滅多にお目にかかれないとは理解していたが……
こうも出会いが見つからないと過去への愛しさを感じるよ
それと悪いが、今のこの喉は『奴』と同じぐらいにはお気に入りなんでな、ただではやれない
非常に惜しいが今回の出会いは自己紹介と言う形で区切らせていただこう
次に会うときは…
そうだな……革命家、乱暴者、殺人鬼、歌手、そしてファムファータル
そんな者の魂が揺れそう歌でも教えてくれ
『See you again.』
『また共に歌おう』
385
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/15(土) 07:22:40 ID:fXG1Aj0E0
動かざる天秤を、しかし僅かに傾けることができる者
彼の者に名はなく、人はただ思い思いに名付けるのみ
主な例を挙げるのなら、それは【運命】に他ならない
還らざる存在に壁たるせせらぎを越えさせるのは悪戯か
今はただ、我々は見守ることしかできはしない
386
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/15(土) 08:34:12 ID:7asbRwL20
依頼内容としちゃ完遂とは言い難いが、まァ一応達成って事で報告しておくぜ?
お前等なら完全解決してくれると思ったんだがなぁ・・・
ぁ、そうそう"もう一つの仕事"の、方だが・・・こっちは報酬にだいぶ上乗せが入ってるよ
クライアントは複雑な表情をしてたがね・・・フッフフフフ・・・
あの赤ん坊、とうとうお前等のボスを『ママ』って呼んだらしいじゃないか
ハッハッハッハ・・・とうぶん笑い話には困らんな、流石だよ、また一つ伝説を作ったな?
それじゃぁ、また次の機会に
387
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/16(日) 10:32:23 ID:OH3JEhuU0
日常と日常の狭間を生きる闇の存在にも休息は必要である
滑稽な笑い話というのは悪くないと言えるだろう
笑っていられる内はまだ己も人の身でいると思える
戦いの日々は終わらない。だがこのような穏やかな時がまた来ることを静かに願う
我々のような罪深い存在の願いでも、願うだけなら神も許してくれるだろう
というか許せ
しばらくはこの手の中に、あの温かな感触がないことに違和感と寂しさを覚えそうである
……それにしても私がママというのは、正直どうかと思う
XX年X月X日
とある手記より
388
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/16(日) 15:09:29 ID:j01EG83g0
りゅうじんさまは、なんこもいるの
いろんないろで、いろんなばしょにおうちがあるでしょ
みんなとてもつよくて、とてもえらいの、おうさまよりえらいのよ
でも、だれがいちばんつよくていちばんえらいのかな
389
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/16(日) 23:31:35 ID:FR5grm560
流れ竜、はぐれ竜、亜竜種、そういうものでも討伐隊が出る
まして棲み所を構えた龍は手におえない
さらに、龍神と呼ばれる古龍は、これもう災害と同じだからね
古龍同士が戦う事は無いさ、どっちが強いかなんて…きっと彼等は考え無いよ
さぁ、もうおやすみ
390
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/17(月) 09:12:46 ID:vGvEDzes0
見ただけで分かるぜ……あんた、つえぇだろ?
391
:
名無しの厨二能力者
:2015/08/17(月) 22:30:28 ID:A7G5iCYI0
ロシアにいた頃、そう言って話しかけてきた男がいた
最初は妙なチンピラかと思ったのだが、実は違ってね
彼は確かに持っていたのだよ……【龍の使者】たるその証を
そして彼は、私を自らと同じ道へと誘った
君も知っているだろう? 使者がいかにして生まれるか
私は君が欲しい……可憐な姿を永久に留めたくて堪らないのだ
392
:
名無しの厨二能力者
:2015/11/30(月) 21:50:20 ID:QNbEbtYc0
抱きしめた途端、深い眠りの奥へと意識が散った
少女の夢見た幻想は、そうして永遠のものとなる
終わらない夏、それは爛々たる龍の瞳の中にこそ存在する
その輝きに射られたが最後、何人たりとも出られはしない
393
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/02(水) 19:12:34 ID:CUkqB56Y0
今は、昔なのである
394
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/12(土) 09:03:17 ID:1cI08SoA0
涙腺が脆くなっていけねえな、オッサンになると……
自分の愛した、何てむず痒い表現だが、そんな場所の衰退は悲しいぜ
だがよぉ、まだ終わったわけじゃねえ……そうだろう?
395
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/12(土) 21:06:15 ID:lLLtr9pQ0
鬱陶しいと言うか女々しいと言うか、月日の流れが残酷な物ですね?
蛮勇とすら言われていた男が、自棄酒片手にうじうじと・・・
愚痴を吐ける脳ミソがあった事に、少々驚きを隠せませんよ
いつから"終り"を他人に委ねる様な、臆病者に成り下がったんです?
たった一人でも最前線で、道化の様に我武者羅で、結局みんなを巻き込んで
ねぇ、昔の貴方は"終り"なんて考えもしなかったでしょう?
愚直で、夢中で、短慮で、子供で、素直で、単純で・・・どこまでも馬鹿で
泣いているのですか?・・・ねぇ、ソレは・・・何に対する涙ですか?
もう一度、お尋ね致しますよ
貴方は、いつから"終り"を他人に委ねる様な、臆病者に成り下がったんです?
396
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/13(日) 06:57:07 ID:LoiMDIho0
ステージは常にそこにあるし、キャストも今だって立っているはずなのさ
彼女は貴方を臆病者と呼んだが、僕はそうは思っていない
ただ貴方も彼女、そして僕もまた、ただ時代の波に飲まれただけのことだ
彼女の意見と僕の意見、何だかんだと言い合っていても、結局は同じだよ
終わりは他でもない皆の手で・・・でも勘違いはしないでくれ?
終わりとは動き出すこと、そして今こそ皆が集うべき時だ
397
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/14(月) 07:06:33 ID:rZgp5uuk0
誰かと思ったらお前等か
もう諦めろよ
398
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/14(月) 14:38:26 ID:cEN9IwcU0
よくないぜ、自分に嘘をつくのは。
じゃあ何であんたは今もここに残ってるんだ? あんたくらいの男なら、こんな箱庭を出てもっと遠くへ行けるのに。
あんただって本当は抗いたいんだろ。誰かに、否定してもらいたいんじゃないのか?
分かるよ。だって俺も同じだからさ。
このまま瓦礫と一緒に朽ち果てることを受け入れながら……けど内心では一条の光を諦めきれないんだ。
……あぁ、酒がなくなったな。マスター、おかわりをくれないか。
399
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/15(火) 11:21:46 ID:53HyOFBk0
かえってきたらおはなしきかせてくれるやくそくでしょ
おさけくさいのはきらい
きょうはどんなおはなしをしてくれるの?
はやくきかせてよ
400
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/15(火) 15:32:46 ID:VKWNmG620
よすんだ、お嬢ちゃん
そいつはとっても疲れてる
代わりにおじさんがお話を聞かせてあげよう
『天窓と女の子』の始まり始まり……ってもう寝たのか
401
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/16(水) 14:57:01 ID:2H19QjVI0
変わりに聞いてやるよ、そのおとぎ話…いや、懐かしい昔話を
最初は…そうだな、港だ
あの波止場の話から聞きたいな
402
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/17(木) 00:18:09 ID:koiNgVvA0
波の音、潮の香り、遠くない昔、確かに過ぎ去った思い出
まだ繁盛していた冒険宿、喧騒に包まれた酒場
新たに張り出された依頼、集まる視線・・・
――貪欲に睨む者、興味に染まる者、使命を秘める者、功名に滾る者、戦意を研ぐ者
最初に席を立ったのは誰だったか――
403
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/17(木) 20:36:43 ID:uZQQKJPM0
侃侃諤諤、回山倒海、灰心喪気、夏虫疑氷、汗牛充棟――"か"、から始まる"それらしい言葉"など、いくらでもある。
しかし、私のキイボオドを叩く指は、"か"から始まる四字熟語を一通り調べ終わった時に、事切れたように止まってしまった。
その時の私の心情はこうである。つまり、夜の沼の濁るのと同じように、この昼の水のように透き通った心は混濁したのだ。
分かりやすく言えば、例えばそれは猛獣が集う曚い林の中で、幽く冥い睡魔に負けてしまう時のようになったのだ。
要は、白い球が黒い布に覆われて居るような気分、と言うことである。
平たく言えば、隠者が森を抜けた先の洞穴の中で、その大いなる智慧を湛えたまま頓死する、と言う事なのだろうし、
突き詰めて言えば、愚者が目の前に広がる崖に気付いたままに歩を進めるという事になってしまうのだろう。
またこれは、黒く黒く塗りたくられた画板に爪を立てる浮浪者の心情でもある。
とにかく私は今、キイボオドのホオムポジションに十指を置いたまま事切れているという事なのでしょうか?
404
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/18(金) 07:16:19 ID:30qkKM0E0
簡単に言うと寝落ちだよな
405
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/18(金) 10:31:31 ID:R5Ot4WaY0
名はそれを縛る鎖、あるいは閉じ込める檻、または翼を刈る刃である
故に私は名を捨て、私達は同一の存在として新たな始まりを得るに至った
されどそんな抵抗など些事にすぎないと、私達は後に知ることになる
鎖を解けば新たな鎖が現れ、檻を破れば外側にあるより頑強な檻を目にする
刈られた翼は元に戻らず、頭上に広がる黒い湖に女神は不在であった
この場所に辿り着く者がいるのなら、来た道を引き返すべきと忠告したい
与えられた世界を生きることこそが、我々のあるべき姿に他ならないのだ
406
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/20(日) 19:30:22 ID:UpfZWn1s0
だからどうした、俺はこの先、これから先も俺だけの道を歩み続ける
この世に引き返せる道など存在しない、道は常に人の歴史と共に歩み続けるのだ
もし翼をもがれたなら今度は爪を研いで鎖を砕き続ける
神がいないのならば上等だ、そこで好き勝手に生きても誰も文句は言わないだろう
俺自身の事を何一つ知らん者に定められた鳥籠など、死んでも御免だ
407
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/20(日) 22:40:07 ID:Fr1yKvxg0
だがら若いと、幼いと言われるのだよ
先達忠告通り、籠の外にまた籠、鎖が切れても檻の中さ
それは肉親であったり他人であったり、秩序であったり道徳であったり
自分の感じた限界であったり、果てには漠然とした諦念であったり
無駄な抵抗はおよしなさい、自堕落で安全な檻の中も良い物さ
408
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/21(月) 00:26:39 ID:Px6kTtGE0
悟った賢い老人気取りか、椅子に座ってただ見ているだけの生き方はさぞ気楽で退屈なものだろうな
たが所詮、貴様はただの知ったかぶりでしかない、何故なら俺自身の事を何一つわかってないからだ
言った筈だ、例え俺の爪が折れようと牙が折れようと
俺はこの檻が錆びて朽ちるまでひたすら唾を吐き続けてこじ開けてやる
先に進むために目の前の者の首を焼き切れと言われれば俺は喜んで首を焼き切ってやる
人としての全てを捨てろと言われればその時は醜い幽鬼や亡霊と化してでも俺は前に進み続ける
無駄な抵抗、そう切り捨てたいなら勝手にしろ、だがこれだけは言っておく
俺の旅路を完成させるのは、他の誰でもないこの俺だ
409
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/21(月) 13:36:18 ID:GaW.Pdao0
脱出は容易ではない、か
どこまでも続く合わせ鏡のように、籠もまたその果てを見せず……
なるほどな、例の手記にあった忠告はなかなか尤もなことらしい
しかし、もう少しだけ頑張ってみるとしよう
たとえここが狭い場所でも、楽しく生きることこそすべて
そうだろう?
410
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/22(火) 23:20:13 ID:imB/gZaY0
上、だな
考えてみろよ。その檻だか籠だか鎖だかがどこまであるのかは知らねえけどよ、
上から抜ければ抜け出せますよってモンでもねーだろうし、天井があるんだろ?
天井ってのは要するに上にある床だよ。そんなもん下に持ってくりゃ、ほら床になる
でもよ、その檻だか籠だか鎖だかは、どこまでもずーッと続いてるって言うじゃねえか。また天井があるな?
頭の良いお前らなら分かる筈だぜ。そうだよ、どこまでもずーッと昇れるんだ。登る毎にちゃあんと床があるから休憩も出来る
たっぷり休んだらまた次の階だ。どうだいいだろ?
俺はこの方法でどこまでも上ってやる。へへ、いいだろ? お前らも上って来いよ。ずーッと上で待ってるぜ
411
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/23(水) 10:12:21 ID:Ydf8DBWo0
「是非もない
ここは貴様の戯言に乗ってやろうではないか」
割れた窓
光陰に置き去りにされた扉
壊れた本
天井に散らばったクレヨン
ここは少女の暮らす場所であり
少女の生きていた部屋でもある
「あら……いらっしゃい
お兄さんたちは久しぶりのお客様よ
さあ、わたしと話しましょう?」
辿り着いたその館は
何故にそこにあるのだろう
412
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/23(水) 18:07:04 ID:DyB.UzMw0
噂の廃墟・・・そう言うと途端に陳腐な都市伝説になっちまうけどな
館の中にゃとんでもないバケモノが居るって話もあれば、可憐な少女が待ってたって話もある
勿論帰った来たヤツもいるぜ?だから噂になってんだろ・・・もっとも、ほとんど廃人になっちまってるけどよ
うわ言の様に報告したらしい『時間の感覚も、上下の感覚すらも麻痺していく』『もう自分が誰だかも分からない』ってな
413
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/23(水) 19:43:06 ID:lHBuCBFI0
何億の挫折を繰り返しても未だに答えのでない果てなき旅路なのだ
己の意思を保つ絶対の意思がなければ先に精神が擦り切れるのも自然なことと言えよう
…私が思うには恐らくはあの道の先を進み続ける事が出来るのは常に自分一人の意思だけで突き進む者のみだ
……私もかつては旅路の果てを求めて歩み続けてきた、その先でたまたま出会った一人の男は私に不敵な笑みを浮かべてこう言ったのだ
『俺という存在は、既に俺だけで完成している』
『だから次は、俺の旅路を完成させる』
……私は気付いたよ、己の限界と彼との圧倒的な差に
だから私は今こうして健全に生きている
……恐らくは彼も、当たり前と言わんばかりに平然と生きているのだろう
414
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/23(水) 19:57:36 ID:M7uyFXuo0
「う」攻めやめよう
415
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/24(木) 00:17:27 ID:Zz4yxVj60
移ろう季節に置いて行かれ
いずれ朽ちる彼女の愛でる庭
それは時に恐ろしく、しかし美しい
君達もいつかは出逢うだろう
今宵の私と対面したように
さあ
扉はもう開いている
行け
416
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/24(木) 23:41:47 ID:GJKx1jJI0
化粧をしよう
扉の外に、負けない為に
衣装を飾ろう
扉の外で、霞まぬ為に
愛想をまこう
扉の外で、戦う為に
塗りたくろう、重ねよう、繕おう・・・そうして最後に気が付こう
『誰だコレ』
417
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/25(金) 01:57:57 ID:KlRo2wl20
レター・オブ・ザ・サンタクロース
それは赤と白が織り成す残像の唄だ
満月を覆い隠す厚い雲
街を濡らす聖夜の冷雨
今、この場所に『彼』が降り立った
さあ、届け物の中身を見てみようか
418
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/31(木) 14:48:00 ID:tXwQ3Dz60
格別のもてなしを以て、今年最後の宴といこうではないか
さあ諸君、そして淑女も・・・グラスは持ったかね?
では新たに迎える年が良きものになることを願って、乾杯
419
:
名無しの厨二能力者
:2015/12/31(木) 17:41:18 ID:nOAeSiqc0
いらねえよ、酒なんざ。そんなもん仏さんにでも捧げといた方がよっぽど良い。
こんな会に何の意味がある。いつの間にか廃れ、人が消え、名も地に落ちた俺達の会に、何の価値がある。
ならいっそ、来年の吉凶なんか案じるんじゃねえ。
……ここでその幕、降ろさせてもらおうじゃねえか。
420
:
名無しの厨二能力者
:2016/01/02(土) 14:45:02 ID:ZaLjw9EY0
完璧だった。完璧だった筈だ。なのに、何故今になって――
飛んだ。跳んだのだ。私は躍んだ。跳躍したのだ。
しっかりと跳躍んでいた筈だ。昨年――否、一昨年は成功しなかったが今年は、昨年は成功していたのだ。
成功した筈だ。完璧だった筈だ。なのに、何故今になって――あいつは――
「お前年越しの瞬間地上に居ただろ」
違う! 私は年越しの瞬間地上に居たのだ!
421
:
名無しの厨二能力者
:2016/01/02(土) 21:32:41 ID:/M9PrtHE0
だからお前はヴァカなのだよ
いいか? 跳躍程度で威張るのはグァキのすることだ
私ほどのレヴェルになれば、そんな程度では愉悦に満たん
そう、私は……私はぁ! ああ! 新年を!
夢という幻想世界の中で迎えたのだ!
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