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タブンネ刑務所14

1名無しさん:2017/05/06(土) 00:36:57 ID:v4JFFnrY0
ここはタブンネさんをいじめたり殺したりするスレです
ルールを守って楽しくタブンネをいじめましょう。

568名無しさん:2021/05/03(月) 19:17:49 ID:nxYutlv60
>>567
ありがとう!
捕食は無理にしても竜族に追われるくらいの描写は見たかったなぁ...

569名無しさん:2021/05/04(火) 00:07:03 ID:Yp1YliDg0
工場による汚染とか悪い環境で狂ってしまったタブンネとか何か日野日出志作品のような情景がありますな

570タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/04(火) 19:32:13 ID:.pUx01Ko0

...また少しの日付が進みましたミィ

ベビちゃん達の幸せを願うミィですが、中々思い通りにはいかないミィ

こないだ、ベビちゃん達の初めてのオトモダチが、オゲレツなタブンネさんに殺されてしまいましたミィ

オトモダチは肥やしとなり、オゲレツな方はしゅっかされたミィ。
何もかもが地獄ミィ...

あれからベビちゃん達、すっかり元気が無かったミが、さっきミィにとって嬉しいことがありましたミィ。
4ママちゃんていう、ミィのオトモダチがお隣のおウチにやって来たのですミィ!

ミィは4ママちゃんがまだベビちゃんだった頃から知っていて、4ママちゃんのママ、4ババさんってタブンネさんともタブ見知りでございましたミィ

4ババさん.....懐かしいミィ。
今や4ママちゃんも、ママそっくりのべっぴんさんミィ!
それにしても大きなおなか...
どうか無事にタマゴを産んで欲しいミィ

—————

(ここからはミィの回想シーンミィ。どうか心して聴いて頂きたいミィ)

...それはミィが初めて“たねつけ”をさせられて、囲いつきのすとおるへブチ込まれた時だミィ

若かりしミィ
「ミゴッ....ミハッ!ぐる...苦しいミィ....ミスン....ママ!ママ〜!ミィも....ミィも死にたいミィ〜ン!」

4ババさん
「3ママちゃん、そんな悲しいことを言わないでミィ。お腹の中のベビちゃんが悲しむミィ。きっと3ママちゃんそっくりの、可愛いタブンネさんが生まれてくるミィよ!」

ミィ「あなたはお隣のおばさん...。...ベビちゃんなんて関係ミィ!どうせしゅっかされてしまいますミィ!」

4ババさん
「ミィ...。それはそうかもしれないミィけど、でもネ、3ママちゃん。世の中にはベビちゃんのまま誰かに食べられたり、目の前で子供を食べられちゃうタブンネさんが沢山居るんだミィ。だからせめて、一緒に居る間だけでも、しっかりベビちゃんを可愛がってあげなきゃ!考えようによっては、ミィ達は幸せなタブンネさんかもしれないミィよ!」

・・・

4ババさんはミィのママにも負けないくらい優しいタブンネさんで、色んなことを知っている賢タブでしたミィ

他にも色々なおはなしをしたものだミィ

4ババさんは昔、“やぐるまのもり”っていう、綺麗な木が沢山生えてるおソトの世界で暮らしていたそうですミィ

優しい旦那さんとふたりのチビちゃんと暮らしていたそうですミィ。

ある日、産みたての新しいタマゴを守ろうとして、ペンドラアってポケモンに旦那さんはタマゴ諸共殺されてしまったそうですミィ

悲しみに暮れる間も無くその数日後、残ったふたりのチビちゃんと小川へお水を飲みに行った時、ひげもじゃ(タブ舎の飼育員の一人)が突然現れて、チビちゃん達は斧でタブ頭をぶった切られて、4ババさんはもんすたあぼおるってニンゲンの道具で捕まえられて、このおウチに連れて来られたそうですミィ

4ババさんは泣き言を言わないタブンネさんだったミが、なかなか凄惨な過去だミィ...

世の中にはただの1匹も、幸せなタブンネさんは居ないのでしょうミか...

571タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/04(火) 19:35:36 ID:.pUx01Ko0

ママや兄妹達はしゅっかされ、せまくて地獄極まりないすとおるに閉じ込められ、痛くて苦しいたねつけが行われ、おなかがパンパンになって、この世の苦痛全てを背負って絶望していたミィでしたが、やがてほんの少し元気を取り戻すことができましたミィ

4ババさんの励ましもありましたミが、ミィの初めてのベビちゃん達が生まれたのですミィ!ミィんなそれはそれは可愛いタブンネさんでしたミィ!

最初のベビちゃんは全部で7匹でしたミィ
1匹はすとおるに挟まってローブシンに殺され、1匹はおマタにバイ菌が入って病死、残りの5匹は例外なくしゅっかされましたミィ

すとおるに挟まった子は毛皮がズル向けて即死でしたミィ。剥き出しになったシンゾウやハイがトクントクン動いていた様は未だに頭に焼き付いてますミィ
ビョーキになった子はおマタからじゅんばんに身体中が紫色になって行きましたミィ。可愛いアンヨがドロリと溶け落ちた時は絶望的なキモチでしたミィ
しゅっかされた子達の叫びも忘れられませんミィ

回想シーンですら幸せから絶望までの顛末が早すぎるミィ。
どうしてタブンネさんはフツーの死に方ができないのでしょうミか...

・・・

ベビちゃんがしゅっかされたり死んじゃったりする度発狂ンネに成りかけたミィでしたが、4ババさんが一生懸命に励ましてくれて、何とかタブンネさんらしく生きることができましたミィ。
次々に生まれてくるベビちゃん達、どうせしゅっかされてしまうのだからミィもタマゴを産みたくないのですミが、生まれてきたら生まれてきたでそれはそれは可愛いくて仕方ないという、何とも言いがたい感情ミィ...


それから何週か2つのすとおるを移動するうち、現4ママちゃんが爆誕しましたミィ。

ベビ4ママちゃん
「チィチィ♪オトナリのおねえさん!おねえさんさんはママのオトモダチィ?おねえさんもおソトでくらしていたのチィ?」

若かりしミィ
「ベビ4ママちゃん。そうミィ!ミィは貴方のママのオトモダチミィよ!ミィはずーっとこのおウチに住んでるミィのよ。ベビ4ママちゃんは可愛いタブンネさんミィね〜♪ママそっくりミィ!」

過去のミィのベビちゃんA
「ベビ4ママちゃん!こんチわ!ねえねえ、チィ達としりとりして遊ぼうチィ!」

ベビ4ママちゃん
「チィチィ!じゃあチィのばんチィ!
 えーっとじゃあ...、“おぼんのミ”」

ベビちゃんB
「おぼんのミ?えーっとえーっと...
 “ミィあどれなりん”!......あれ?...」

.........

4ママちゃんは特に明るいタブンネさんで、ミィのベビちゃん達とも仲良しでしたミィ。

やがて4ママちゃんもおっぱいを卒業して、おソト(雑居房)へ出されましたミィ
おソトに出てからは、ずーっと4ババさんのたねつけすとおる近くに陣取って居たようですミィ

・・・

それからミィもたねつけすとおるに移されて、苦行を終えておなかが大きくなって、またタマゴを産む方のすとおるへ戻された時、4ババさんに最期の時が訪れましたミィ...

ミィは無事にタマゴを産み終わったのですが、ミィより先に移動していた4ババさんはいつまでもタマゴが産まれず、おなかが大きいままずうっと苦しんでいましたミィ...

572名無しさん:2021/05/05(水) 22:30:36 ID:UNWdmCMk0
やはりベビが呆気なく死ぬ所はたまりませんな
ところでこのSSに出てくるストールという物がうまく想像できないのですが
リアルの畜舎にある牛が頭だけ出して飼料を食べてる鉄柵みたいなやつですかね?

573名無しさん:2021/05/06(木) 16:47:01 ID:zO.NNIxo0
>>572
ストールの解釈はそれでいいと思うよ
自分はリアルにYouTubeのブタ飼育動画想像してたけど
大切に細やかにお世話されてるそこのブタさん達と違うのがタブンネならではなんだよな

574名無しさん:2021/05/06(木) 17:01:06 ID:ck3X2nsY0
劣悪な方の動画ももちろんあって元ネタの子ブタやヒヨコは心が痛むんだが
某国がベビンネを床に次々と叩きつけてる奴とか
ブロイラー子タブンネの50日間として出荷されていく子タブンネ達がまだベビ上がりの日齢なもんだから
怯えてチイチイ悲鳴を上げて泣き叫ぶ映像と共に
「タブンネ達はまだ赤ちゃんのうちに出荷されます」と解説されつつカゴに詰められていくのは凄くいいね

575タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/08(土) 22:40:17 ID:8K7FcR6I0

4ババさん
「ミグフンッ....!ミフン!ミフンッ...!お....おかミィ...
 もうとっくに産まれるハズ......ぐるしぃ...
 おマタが張り裂けそうだミィ....」

チビ4ママちゃん
「ママ!どうしちゃったミィ⁉︎だいじょーぶ⁉︎ママ!しっかりして...!」

若ミィ
「4ババさん、ラミィズこきゅうミィ!ほら、ミッ!ミッ!フゥー!ミッ!ミッ!フゥー.......」

4ババさん
「あ....ありがどミィッ。チビぢゃんだぢ...3ママぢゃん....ミ゛ッ!ミ゛ッ!ブミィガッ...?グギャミミ゛ィ〜⁉︎オゴがガガガが....!!」

ブジュッ!グニュニュニュニュ.....

声がおかしいのを感じて心配になるや否や、4ババさんが大声ををだして、変な音が聞こえてきましたミィ

チビ4ママちゃん
「ミ゛ミ゛ィーッ!!ママ!ママだいじょぶ!?ミ゛ーッ⁉︎ミ゛ャーッ!3ママお姉ちゃん!ママ゛が!ママのおマタからヘンなブヨブヨが出てきたミィ!」

ミィの位置からはなんとなくしか見えませんでしたミが、4ババさんはおマタが張り裂けて身体の中の大事なモノが飛び出したのですミィ

これは後から知ったことですが、飛び出してきたのはニンゲンのコトバで言う、“しきゅう”というモノですミィ。

?「....ビャッ....ブググッ....パ....ププッ.....」

チビ4ママちゃん
「ミミ゛ーッ!たいへん!ブヨブヨからベビちゃんのアタマが!まっかっかミィ!血だらけミ゛ィ!」

若ミィ
「ミィ⁉︎ベビちゃんが⁉︎でもどうして⁉︎タマゴも産まれてないのに....??」

4ババさんはいわゆるさんらんいじょうというヤツでしたミィ。
ミィも難しいことはよくわかりませんが、ポケモンの産道はツルツルしたタマゴは通れても、ベビちゃんのようなフクザツなカタチをしたものはツッかえてしまうのですミィ

——

やがてニンゲンがやって来ましたミィ

ニンゲンA
「うわー...なんかタブだかりできてると思ったら....やっぱり産めんかったか〜。よりによってこのクソ人手足りねえ時に...」

ニンゲンB
「おいおい。オマエ今処理しようとしてる?今無理だぞ。早く積まねえとトラック出ちまうぞ!ただでさえ今タブンネだらけなんだからこの畜舎。4はとりま放置!死んでからミキサーでいいよ!」

若ミィ
「ミィッ!ニンゲンさん!4ババさんが大変ですミィ!早く!早く治してあげて!」

チビ4ママちゃん
「ベビちゃんも!ベビちゃんも居るのですミィ!お願いします!早くしないとふたりとも死んじゃ.....ミ゛⁉︎ミギャーーッ...!」ドサッ

囲いの前に張りついていた4ママちゃんが突然吹っ飛びましたミィ。それはニンゲンに追随していたズルズキンというクソポケのしわざでしたミィ

クソズキン
「プギャーーwwwなんだコイツwwwマタからクソ垂れてやんの!タブンネマジサイコー‼︎」

若ミィ
「グミィ‼︎なんてこと言うミ゛ィ!いま4ババさんがどれだけ苦しんでると思ってるミィ!あやまれミィィィィッ!」

クソズキンは囲いの中を見て、ほーふくぜっとうしながら涙まで流してましたミィ。
コイツは本当にイジワルなのですミィ!
絶対ロクな死に方できないミィ!

ニンゲンA
「おーいズキン!構うなよそんなヤツ!早く手伝ってくれ!超急ぎなんだよ今!」

若い頃のミィにとって信じられないことでしたが、ニンゲンは何事もなかったように4ババさんをほったらかしにして、しゅっかタブンネさんを捕まえ始めましたミィ
クソズキンはミィにアッカンベーしたあと、ニンゲンについて行きましたミィ

......この時ミィはある程度このおウチの事をわかっていましたミから、ニンゲンが酷い生き物なのは知っていましたミィ。
しきゅうから出てきたベビちゃんを助けてもらえないのはなんとなくわかって居たミが、それでも4ババさんは絶対助けてくれると思っていましたミィ。

なぜならばミィや4ババさんのようなお母さんタブンネは、ワリと丁重に扱われるのですミィ。
しかし現在は非情でしたミィ。

ちなみに4ババさんはニンゲンにも恨み節を決して言わないタブンネさんでしたミィ。
その4ババさんを裏切るなんて...
この時からミィは絶対にニンゲンを信用しなくなったミィ......

576タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/08(土) 22:49:46 ID:8K7FcR6I0

チビ4ママちゃん
「ミグン...ッ。イ....イタイミィ...。ミミッ⁉︎ミィーッ!ニンゲンさん!どこ行くミィ⁉︎ママのこと見て!ママはビョーキなのですミィ!早く!早くママとベビちゃんを助けて!」

若ミィ
「チビ4ママちゃん!ニンゲンはアテにならないミィ!!早く戻ってきて!みんなでベビちゃんを助けてあげなきゃ....!」



※4ママは5兄妹であった。
長兄ンネ、次男ンネ、4ママ、三男ンネ、妹ンネの順。

この時次男ンネは両脚の障害から既に出荷済み、妹ンネは所謂未熟児個体で、他に比べ体躯が小さく、知恵も遅れていた。

兄妹は不仲なわけではなかったが常にベッタリというわけでもなく
長兄ンネ、三男ンネはそれぞれ雑居房をいつもトテトテ巡回し、他タブとも仲良し
4ママと妹ンネは常に一緒に居て、排泄、食事以外の時間はずっと4ババ囲いに張りついていた

飼育員が気づくのに先駆け、長兄三男も囲い前に合流していた
4ババの子タブ達は例外なく母によく懐いていた



長兄ンネくん
「ミッ!ミミィ〜!...ママ、待っててミィ!今すぐ助けに...」

ニンゲンが役立たずだと察するや、長兄ンネくんと三男ンネくんは必死に柵を越えようとピョンピョンしだしたミィ
しかし悲しいかな、ふたりともまだチビちゃんミィから、全然届かミィ。

若ミィ
「長兄ンネくん!キミのじゃんぷでは柵を越えられミィ!ふたりで肩車して、だれかひとりが中に入るミィ!!」

チビ4ママちゃん
「ミハァッ!ミハァッ...!ミィが行くっ!お兄ちゃん、三男ンネ!ミィを持ち上げて!」

4ママ妹ンネちゃん
「おねえちゃ!おにーちゃ!はあくはあく!ママちんじゃう!」

クソズキンに投げ飛ばされた4ママちゃんが猛スピード(おそい)で戻ってきて、囲いの中へ入り込みましたミィ
見事な兄妹の連携プレーでしたミが、褒めてる場合ではありませんでしたミィ。
一刻も予断を許さミィ

4ババさん
「...ミガッ...ミフッ....ァァッ..ググッ......
チビ4ママちゃん
「ママ!ママしっかり!ミィが見えるミィ⁉︎今たすけ....ミ...ミィ....そういえば助けると言っても何をどうすれば....」

4ババさん
「....ミハッ...?そこ....に居る...のチビ4ママちゃ....ミィ?
....ミィはもう....ダメ...ベビチャ...を...」

死にそうな状態になって尚、4ババさんはどこまでも賢タブでしたミィ

4ママちゃんはオロオロするばかり。

4ババさんの覚悟を察してミィも涙腺が崩壊しそうでしたミが、必死に4ママちゃんにはなしかけたミィ

若ミィ
「チビ4ママちゃん!ブヨブヨからベビちゃんを引っ張り出してあげて!まだちゃんと生きてるミィ!」

恩タブとそのベビちゃんが半死じょうたいだというのに、ミィはしゃべることしかできなくてそれは辛かったミィ....
それでも4ママちゃんは必死にミィの指示を聞いて、ベビちゃんをしきゅうから救出したミィ

チビ4ママちゃん
「3ママお姉ちゃん!ベビちゃんが出てきたミィ!でも血だらけで苦しそう...!」
若ミィ
「ベビちゃんはきっと息ができないんだミィ!チビ4ママちゃん!ちょっと大変ミが、お鼻の周り舐めたげて!」

.....

チビ4ママちゃん
「ミゲホッ!...ペッペッ...ミィ...ニガくて気持ちワルイ....さあベビちゃん!お鼻キレイになったミィ!頑張って息してミて......⁉︎ミィァァッ⁉︎3ママお姉ちゃん!この子お鼻が無いミィ!」

みんな決死の思いで救出したベビちゃんは、“きけい”のベビちゃんでしたミィ。

...その後なんやかんやあって、ベビちゃんは死んでしまいましたミィ....

ミィはお医者さんじゃないから詳しくわかりませんが、息をするためのカラダができていなかったみたいですミィ....

仕方のないことですミィ。そもそもポケモンはタマゴから産まれて来なくてはいけないのですミィから...

4ママちゃんや兄妹ンネちゃん達は大泣き、ミィも悲しさと虚しさで涙が止まりませんでしたミィ...

577名無しさん:2021/05/11(火) 00:45:28 ID:enrCFKqE0
奇形ベビちゃんでも頑張って助けようとする優しさとそれが無駄に終わる儚さ、たまりませんな
チビンネ章も楽しみにしてます
この健気なベビたちが出荷の所なんか特に

578タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/13(木) 17:42:45 ID:7wdwCcsY0

4ババさん
「ミグッ...ミハァミハァッ......そこにいるのチビ4ママちゃんね...?どうか...泣き止んでミィ....ママのおはなし....ッよく聞いてミィ....!」

ミィを含めシクシクミィミィというみんなのタブ泣きが響き渡る中、しゃべり始めたのはなんと瀕死の4ババさんでしたミィ

チビ4ママちゃん
「ミ゛ッ...ン??ミィ!ママだいじょぶなのミィ⁉︎そうミィ!ここに居るのはミィ!ちゃんと聞くミィ!おはなしして....!」

4ババさん
「..ッ...チビ4ママちゃん...。ママは...もうすぐお別れミィ...きっとママがい...居なくなったアト....貴方がこのストールに入ることに...なるミ゛。....なかなか.....ストールでの生活は地獄ミィ。...でも最後まで...希望を捨てミィで...アルセウス様が...グホッ!」

ハッキリとは見えなかったミが、4ママちゃんはババさんの手を握って、コクコク頷きながらシンケンにおはなしを聞いていたミィ。
シンケンに聞いていたのはミィも同じミィ。
4ババさんは時々吐血しながらも、必死にコトバを紡いでおりましたミィ...

4ババさん
「3ママちゃん...聞こえるミィ..?今までアリガトミィ....ハァ...ハァッ!あなたがおはなし相手になってくれて、とっても楽しかったミィ...!ミィのチビちゃんのコト....どうかヨロシク....ネ...」

若ミィ
「4ババさん!聞こえてますミィ聞いておりますミィ!!お礼をしなければいけないのはミィ!今まであじがどう゛ございビィ〜ッ!」

チビ4ママちゃん
「ミミィッ!オワカレって⁉︎ママ!ママしっかり!」

4ママ妹ンネちゃん
「チュミィ!ママおめめがまっしろ!ミィにもオハナシしてオハナシして!チュビャ〜〜ン!!」

...きっとこの時4ババさんは、もう目が見えていない状態だったのですミィ...
無垢な4ママ妹ンネちゃんの大泣きにつられて、またミィ達全員のカワイイ泣き声がコダマしましたミィ....

——

...4ババさんに異変が起きてからどれくらい経ってからでしょうミか...
シゴトがひと段落したらしく、さっきのふたりのニンゲンとクソズキン、それからダゲキってポケモンがやって来ましたミィ

この時4ババさんのイキがさっきより落ち着いていて、ひょっとして治してくれるのかと期待したミィでしたが、想像のキャパシティを超えるさんげきが待っていましたミィ。

チビ4ママちゃん
「ミィッ!やっと来てくれたミィ!早く!早くママを助け...

ニンゲンA
「なんだなんだ。なんでチビ1匹中入ってんだ?...うわマジ?4番まだ生きてますよ!?」

ニンゲンB
「バーカそりゃ生きてるだろ。脱腸くらいじゃ死なねえよ。タブンネってスゲえ生命力なんだから....」

ミギャア! ブヒッ! ミギュッ! ....

囲い前に集まっていた兄妹ンネちゃん達をらんぼうに投げ飛ばしながら、ニンゲンはズカズカと囲いの中へ入っていきましたミィ

ニンゲンB
「あーやっぱタマゴできなかったんだな。もう出てきてたわ」

チビ4ママちゃん
「ミィーッ!ベビちゃんに何するミィ⁉︎かえしてかえして...!」

4ママちゃんがずーっと大事に抱いていたきけいベビちゃんのムクロをニンゲンが取り上げて、らんぼうにゴミ袋の中へ突っ込みましたミィ

579タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/13(木) 17:43:54 ID:7wdwCcsY0

ニンゲンA
「へー、卵できてなくてもちゃんとタブンネの形になるんすねぇ。コレ肥やしっすか?」

ニンゲンB
「いや、アドレナリンなきゃ大した養分ねえだろうからなあ。後でその辺のマメパトにでもやっていいよ。それよりどうする4の処分?今やっちゃうか?昼休み削れるけど」

ニンゲンA
「午後便で出すんじゃないんすか?午後だけで3ピストン(トラック3往復の意)あるんすよ。どっかに混ぜれば..」

ニンゲンB
「いや、出しちゃダメだよコイツ。オレが獲ってきた完全野生だから4は」

ニンゲンA
「へー野生って出荷できないんすか?でも3の先代って出しませんでしたっけ?」

ニンゲンB
「アレは保護団の譲渡で、しかもポケセンの出生だったから。完全野生は衛生法でプロセスできねえんだよ。オマエもタブ産やるならもっと色々覚えろ」

....必死にベビちゃんを奪還しようと跳ね続ける4ママちゃんのことなど全くムシして、ニンゲンはよくわからん談義で盛り上がってましたミィ。

・・・

ニンゲンB
「...よし。じゃあ運ぶぞ。歩けるかオマエ?ありがとうな4ママちゃん!オマエのおかげで一儲けさせてもらったわ。最後の一仕事だ。頑張ってくれ!」

ニンゲンA
「ママってか完全ババアっすよねコレ。よく妊娠できたなあ...。何才なんだろ?」

チビ4ママちゃん
「ミ゛ィッ!ミ゛ー!!ママをどこ連れてくミィ⁉︎ビョーキなんだミィ!らんぼうしないで...

ニンゲンA
「うっせえなあ!邪魔!オマエ!」ポフッ!

ミギャーん!

ニンゲンB
「おーい腹蹴るな!たぶん実子だろソレ?次世代候補たしか1匹しか居ねえはずだから」

ニンゲンは囲いを開けると、4ババさんの両脇を抱えて引き摺るように連れ出しましたミィ

長兄ンネくん
「ミィッ!ママッ!ママをどうする気ですかミィ⁉︎」

4ママ妹ンネちゃん
「チミィチュミィ!ニンゲンさん!ママにイジワルしちゃヤンヤ!」

さっき投げ飛ばされた兄妹ンネちゃん‘sが再び集まってきたミィ

4ババさんは子供達の前でもニンゲンのことを悪く言わないタブンネさんでしたミが、この時チビちゃん達は危機を察していたようですミィ。
殺される時とか、死ぬ時というのは教わらなくてもわかるものなのですミィ。生き物の不思議ミィ

ニンゲンB
「1,2,3....中にいるヤツ含めて4。コイツらたぶん実子だな。ついでだから“見せしめ”やろう!おーいズキン、ダゲキ!コイツら捕まえて!」

クソズキン
「プギャーハハハ!やったなオマエら!めっちゃ良いモン見れるぜ!超ラッキー!!」
ダゲキ
「・・・・」

なぜそんなコトをするのかこの時わかりませんでしたが、兄妹ンネちゃんが次々捕らえられましたミィ。

...悍ましい出来事が待っていましたミィ...

ニンゲンの考えることは狂ってるミィ......

580名無しさん:2021/05/14(金) 22:32:22 ID:o7P7lAds0
4ババの娘は4ママだけじゃなくて妹もいるのに
なんで次世代候補が1匹だけなんだ?
長女ンネ以外の♀タブは一律出荷組ってことかな

581タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/16(日) 20:38:15 ID:e5LYManY0
 
ニンゲンA
「うーんやっぱ歩けんすね...。両脚痙攣してますわ...」
ニンゲンB
「てか随分重くねえかコイツ?子宮引き摺んのかわいそうだけどしゃーねえな。最後の苦労だ!我慢してくれ!」

若ミィ
「ミィッ!なんてらんぼうするミィ!優しく扱えミィッ!ちゃんと治療してミィよ!」

4ババさん
「...イダッ!いだミィ痛ミィッ!...ハァッ...ハッ....
...3ママちゃん....どうか取りミィださないで...ミッ...ミィは....先に天国に行くだけミ゛ィッ....バイバイミィ...。サヨナラ....3ママちゃん....ッ..!」

ミィや兄妹ンネちゃん達が返事やリアクションをする間も無く、更なるヒゲキが畳み掛けて来ましたミィ...

ズリュッ....ブポッ!...ズボッ!...ボトッ、ボトッ

「ヂビィッ!...ヂプァッ....」「...チ....ゴォッ...」

引き摺られて破れかかった4ババさんのしきゅうから、ふたりのベビちゃんが落ちて来たのですミィ!
やはり血まみれで、濁った苦しそうな泣き声をしていたミが、さっき死んじゃった子よりも大きく、たまにいる小さいベビちゃん(未熟児ベビンネ)くらいの大きさでしたミィ
さっきの子よりは元気で、手脚を必死にパタパタ動かしていましたミィ。

三男ンネくん
「ミ゛ミィーッ!ブヨブヨからまたベビちゃんが出てきたミィ!どうしよ...ママ!ベビちゃんが....!」

三男ンネくんがいち早くベビちゃんの存在に気づいて、長兄ンネくんと4ママちゃんもみんな必死に身体を捩ったミィけど、ダゲキとズルズキンに首根っこをガッシリと掴まれていて、まさに手も足もでミィ...


モブタブンネくんA
「なんだミィ!なんだミィ!あーっ!おソトにベビちゃんが落ちてるミィッ!」
モブタブンネちゃんB
「ホントだ!ベビちゃんだミィベビちゃんだミィ!でも血だらけミィ!なんかコワイミィ〜」

・・・

おソト(雑居房)にいた他の子達もベビちゃんに気づいて、ちょっとしたタブだかりができましたミィ
子供達は純粋ミィから、ちょっと珍しいことが起こるとミィんなキョーミが湧くんだミィ。おソトにベビちゃんが居ることはまず無いミィから....

若ミィ
「4ママちゃんたち!ベビちゃんはミィに任せて!今は4ババさんに付き添ってあげて!おーいだれかーッ!ベビちゃんをミィのところまで連れてきて!だれか!早く早く!」

このときミィが考えていたのは、ふたりの生まれたベビちゃんをミィが育ててあげることでしたミィ

このおウチ(タブ舎)には、“さとご”ってしすてむがあるのですミィ。
要は産卵でお母さんタブンネが死んでしまったり、おっぱいが満足に出なくなってしまったりした時に、他のお母さんタブンネが代わりにベビちゃんを育ててあげることですミィ。

タブンネさんは優しいポケモンミィからね。
ちなみにミィはこれまで3匹のさとごベビちゃんを育てたことがあるミィ。3匹ともしゅっかされてますミが...

必死に野次馬ンネちゃん達に呼びかけたミィでしたが、みんなタカってはいるものの、一定の距離を取って、中々誰も動いてくれまミィ

だれもベビちゃんを抱きあやしたりしたことなんてないし、勝手な行動をしてニンゲンに蹴られたりするのもコワイだろうし、何より血だらけで泣き声もヘンだから不気味だし...、様々な事情があったのでしょうミィ

今思えばですが、さっきメソメソ泣いていた時に、ミィがもっとしっかりしていればよかったのですミィ...。
耳を澄ませば心音に気づけたハズですミィ...
いじょうじたいでそんなココロのよゆうが無かったのですミィ...

582タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/16(日) 20:38:52 ID:e5LYManY0

そうこうしているウチに4ババさん一行はズルズルと遠ざかってゆき、ベビちゃん達は少し動きが鈍くなってきたミィ。きっと上手くイキができなかったんだミィ

ニンゲンA
「なんかウルセエな...、あーっ!軽くなったと思ったら!もう2匹産み落としてやがる!どうします?生きてるみたいっすよ?」
ニンゲンB
「コイツもう全く卵殻できねえ身体だったんだなきっと...。とりま放っとこう。時間もねえし、直産って95パーくらい自然淘汰だから。誰か喰っちまいそうで嫌だけどな...。クセになると面倒だけど、コッチも急ぎだし...」

早くしないとベビちゃんが呼吸不全で死んでしまうのを心配したミィでしたが、最期はもっと惨いものでしたミィ...。

モブタブンネくんC
「ブミィブミィ!ニクだブヒィ!ニクだブヒィ!」
モブタブンネくんD
「ぜっこーきブミィ!ニンゲンもみてないブミィ!でも血がネチョネチョしてるブミィね...」

野次馬を掻き分けて、ふたりのオゲレツタブンネさんがベビちゃんを掴んだのですミィ!

ミィ「オマエらッ!何する気ミィ!ベビちゃんをミィにわたし....」

グチィッ!ブチャッ!

「ギギィャーーーーーーーッッ!!」
「ア゛ア゛グヤァーーーーーーーーー゛ー゛」

......皆さんは赤ちゃんタブンネが食べられるトコロを見たことがあるでしょうか...
少なくともタブンネが食べてるトコロは見たことがないでしょう...。通常自然界では起こらないことだと思いますミィ...

「ミィーッ!キモチワルイミィ〜!」
「逃げろ!逃げろミィ〜〜!」..........

ァァ゛---ッ.......ギッ.......ッ.......

野次馬ンネちゃん達が一斉に逃げ出したので、ミィはハッキリとそれを見てしまいましたミィ...
ホントはまだ閉じてるハズのおめめがギョロギョロと動く様子。信じられない速さで動く尻尾。ボタボタ落ちてくるカラダの中のモノ。ブチュブチュというおにくが千切れる音...。ベビちゃんの最後の声.....

またたく間に、ベビちゃんだったモノは2つの血溜まりに変わりましたミィ

ミィからベビちゃんまでの距離はほんのわずかだったのミ...。こんな箱がなければ....

チビ4ママちゃん
「ミィーッ⁉︎今のコエはナニ⁉︎まさかベビちゃん⁉︎」
長兄ンネくん
「きっとそうだミィ!ダゲキさん!お願いミィ!ボクをはなして!大変なんだミィ!」

兄妹ンネちゃん達はベビちゃん達のだんまつまに気がついて、今一度バタバタ暴れ出しましたミが、ダゲキやズルズキンが彼らのお願いを聞くわけもなかったミィ。

ミィはただ涙が溢れて、なにも言うことが出来なくて、ただただ彼らの後ろ姿を見ていたミィ
この時4ババさんは泰然タブ若としていましたが、やがて背中がプルプルと震えてきましたミィ。
きっとベビちゃん達の悲鳴に心を痛めていたんだミィ。そのヒサンな残骸(ほとんど血だけ)を見なかったことが、4ババさんにとってせめてもの救いだったように思いミィ....

583タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/16(日) 20:39:22 ID:e5LYManY0

どんどん遠ざかってゆく4ババさん。
その道スジを見て強烈な悪寒が立ち込めてきましたミィ。向かっているのは“みきさあ”の方角でしたミから....
やがてミィの位置からは完全に姿が見えなくなってしまいミィ...

・・・・

ニンゲンB
「よーしじゃあやるか。オマエらちゃんとママの最後見とけよ。しっかり旨味溜めるんだぞ〜」

クソズキン
「わーいわーい♪お楽しみ!タブンネはコレがお似合いだぜ〜」

4ママ妹ンネちゃん
「チミィチミィ♪おたのしみってなんだミュチィ?このハコおもちゃなのミュミィ?」

モブママンネさん(22番)
「ギャミー‼︎みきさあが始まるミィ‼︎イヤーーッ!ミィャァーー!」
モブママンネさん(19番)
「あなた!これまでよく頑張ったミィ!決して悲観しないで!きっと天国に行けるミィから!南無阿弥タブツ。南無阿弥タブツ...」

周辺が騒がしくなってきましたミィ...
....ミィのイヤな予感は当たってしまいました...
...まさか4ババさんがみきさあにかけられるなんて...。しかもどうやら子供達の目の前で...。なんでそんなヒドイことを...。どうして4ババさんがこんな目に....許されミィ...!

ミィの生涯で、みきさあが起動されたことはこれまで2,3度ありましたミィ。
ミィは遠い位置に住んでますからそれを見たことはありませんが、みきさあとはタブンネさんを殺戮するニンゲンの兵器のことですミィ。それはそれはコワイ音で、いつももの凄い叫び声が聞こえますミィ

タブンネさんがなぜみきさあにかけられるのかよくわかっていませんでしたミが、てっきり悪さをしたオゲレツタブンネさんが殺されるのだと思っていましたミィ。
まさか優しい4ババさんが殺されるだなんて...

ビョーキだから治してもらえるなんて希望をチラッと持ってしまったミィが恥ずかミィ。4ババさんはきっと、しきゅうが飛び出した時にこの運命をわかっていたのでしょうミィ...


•••ギュいーーーーーーーーーーン..!!

ブチャッ!グジュルジュジュジュ....!!

4ババさん
「ア゛あ゛がーーーっ!!ギギギグぐっ..!!聞いでミィーーッ!ビィのごどもだちッ!しんあいなる同胞たちッッッ!4ババ死すともタブンネ死せずビィーッ!どうがっ!どうかみんなタブンネの誇りをっ!み゛んだで助けあって生ぎるミィーッ!タブンネは優しい生き物ミ゛ミ゛ィーーッ⁉︎オゴガガガガグガげべべベッ......」

「ミィーッ!マ゛マ゛ッ!マ゛マ゛ーーーーーーッッ!」
「ママ⁉︎チミャ〜ーーーーッ...チゴプルルルッ.......」
「イヤ゛ーーーッ!ヤベでっ!!ニンゲンざんっ!!ごのキカイを止めでぐだざいビィ〜〜〜ッ!!!」

・・・・・

姿は見えなくとも、4ババさんの最後のコトバを、ミィはしっかりと聞き届けましたミィ...
カラダが震えて涙とウンチとオシッコが止まりませんでしたミィ...

名えんぜつというのはどこの世界にもあるモノですミィ。4ババさんは最後まで強く優しい、偉タブでしたミィ...。

ミィにとってふたりめのママが殺されたも同然の出来事でしたミィ。

584タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/27(木) 21:10:43 ID:XOoSE20g0

悲劇から立ち直る間も無く、次のゲンジツがやってきましたミィ。その時のミィのタマゴが孵化したのですミィ

親愛なる4ババさん、同じお母さんタブンネの仲間が殺されちゃって何もかもイヤになっていたミィでしたが、身を奮い立たせてゴハンを食べ、ベビちゃんにおっぱいをあげて、おハナシを聞かせてあやして、一生懸命愛情を注ぎましたミィ

生まれてくるベビちゃんは何も悪くないミィからね。

....それでも気が気ではなかったミィ。4ママちゃん達が心配で心配で...。

しばらく経っても、4ママちゃん達はミィのトコロにはやって来ませんでしたミィ

よく考えたら4ママちゃんはきっとたねつけをする方のすとおるに閉じ込められたんだと気づきましたミィ。こんな狭苦しいすとおるの中で悲しんでると思うとフビンでならないミィ。

4ママ妹ンネちゃんも心配ミィ。カラダも小さな子でしたし、いつまでも幼くてとっても純粋な子でしたミから...。
きっと4ママちゃんのすとおるの近くに居て、ふたりで静かに過ごしているだろうと都合の良い想像をしていたミィでしたが、ゲンジツとはいつも辛いモノですミィ....。


4ババさんが死んじゃった次の日、いやそのさらに次の日、いやいやさらに次の日だったでしょうか。よく覚えていませんミが、見慣れないふたりのやつれたタブンネさんがミィの囲いの前までトボトボやって来ましたミィ。そのコエを聞いてギョッとしましたミィ

「3ママお姉さん、ママが....ママがニンゲンさんに殺されちゃったミィ...」

ミィ「ミィーッ!そのコエはっ!長兄ンネくんミィ‼︎?じゃあひょっとしてオトナリに居るのは...」

三男ンネくん
「そうミィ、ボクは三男ンネ。もうイヤミィ...ボクも死にたいミィ....

ミィ「ふたりとも!気を確かにするミィ!キミ達は4ババさんのブンまで生きなくちゃ...!ところで4ママ妹ンネちゃんは⁉︎4ママちゃんのトコロに居るのミィ⁉︎」

長兄ンネくん
「...ミスンミスン.....。3ママさん、妹ンネは死んじゃったミィ。みんなでママが死んじゃうトコ見せられて、その時アワ吹いて倒れちゃって...、そのままオタブツミィ....」

ミィ「...そんな....ッ......」

なんて言ったらいいのか、ミィには続くコトバが出てきませんでしたミィ

4ママ妹ンネちゃんの精神では、きっと刺激が強すぎてショック死してしまったんだミィ

仕方がないミィ。大好きなママが目の前で惨殺されたのですミィから...

585タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/05/31(月) 17:45:24 ID:8IjuGH1I0

数日前まで可愛くて元気いっぱいのタブンネさんだった長兄ンネくんと三男ンネくん

廃タブの如く生気を失ってミィの囲いの前で、いつまでもヘタり込んでいましたミィ

ミィの指示によって少しだけゴハンは食べましたが、それから一言も喋らず過ごしていましたミィ

・・・

彼らがやって来て次の日のことでしたミィ

ふたりはニンゲンに捕まえられ、朝のとらっくに乗せられてしゅっかされましたミィ

ニンゲン曰く“みぃあどれなりん”がおーばーふろうしただとか何とか

要は元気が無くなって、大きくなれなさそうだからしゅっかされたみたいですミィ。あんなヒドイことをしておいて、ニンゲンはなんて勝手な生き物ミィ!
みぃあどれなりんってなんなんだろミィ....

ふたりはたいした抵抗も見せず、ミィにひとことお別れを言って、トボトボととらっくに乗せられてゆきましたミィ
ミィの位置からとらっくはハッキリとは見えないのですミが、彼らの悲壮なうしろ姿と、一際小さなカラダ(出荷ンネの中で)が切なくてたまりませんでしたミィ....

•••ニンゲンは許せミィが、彼らにとってこれは幸せなことだったと思うことにしておりますミィ。きっと4ババさんと同じ天国に行けるでしょうミから...。

こんな死に方を幸せと言うのもヘンなおハナシな気もするミが....なんて狂った世界だミィ。

—————

昔のハナシはおしまいにするミィ
長くなって申し訳ミィ

今いったいなにを....

ミィ!そうだミィ!さっき4ママちゃんがおトナリに来たんだミィ!

連れられてくる時に見たケド...ホントに大きなお腹だったミィ....。なんだか4ババさんの最後の時に似て....

ミィッ!そんなフキツなことは言うもんじゃないミィよね。4ママちゃんはミィよりずっと若くてピチピチタブンネさんなんだミィ
きっと無事にタマゴが産めるハズだミィ!


ミィの4匹のベビちゃん達、さっき4ママちゃんに怒られて、今はミィのすとおるにしがみついています。
でもミィんなチラッチラッて4ママちゃんを気にしてるみたいミィ。とってもいじらしいミィ!オトナリは今まで誰も居なかったものね。気になるよね。

さっきは怒っていたけれど、4ママちゃんはホントはとっても優しいタブンネさんなんだミィよ。ベビちゃん達もそれがわかってくれたら嬉しいミィ。

586タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/02(水) 23:54:41 ID:EuC3QhSE0

4ママちゃんがオトナリにやって来た次の日のことですミィ

4ママちゃんの産卵がはじまりましたミィ

オトナリでお母さんタブンネの産卵が始まっても、もちろんミィはお手伝いすることができませんミィ。すとおるに閉じ込められていますから....

産卵がとても大変なコトだとゆうのは皆さん想像に易いと思いますミィ
4ババさんの例からもわかるように、まさしくいのちがけミィ!
(妊娠促進剤と多量排卵の所為。野生や育て屋はこのタブ舎に比べかなり低リスクでほぼ安産)

産卵しているお母さんタブンネの前をたまたまニンゲンが通りかかると手伝ってくれることもあるミが、今は全くその気配が感じられミィ。

まったくニンゲンは何してるミィ!
タブンネさんのタマゴをなんだと思ってるミィ!

——

産卵が終わってしばらくして、ようやくニンゲンがタマゴを取り上げて、ほるだあってゆうボウの上にタマゴを嵌めてゆきましたミィ

4ママちゃんのタマゴ...、1,2,3....全部で5つミか。大変だったでしょう....。どうか母子ともに無事であって欲しいミィ。今4ママちゃんはあおむけに横たわっています。

え?すとおるに居るのになぜタマゴの数がわかるかって?ミィ達タブンネさんのおミミはとっても高度なのですミィ。見えなくたって鼓動の数を数えることなどお茶の子みぃみぃミィ!


.....そんな自慢をしている場合ではミィ。

タマゴは5つって言いましたミが、実はひとつ、産んでる途中に割れてしまいミィ
すとおるの中でタマゴを産んだせいですミィ
あっぱくされてハレツしてしまったのですミィ

なんでこんな狭い場所でタマゴを産まなければならないのでしょうミか....
タマゴが割れちゃう音もそうだし、中から出てきたベビちゃんのコエもそれはそれは可哀想なモノでしたミィ

ふつうタマゴが孵るまでは2,3日かかるミィからね。きっとカラダも凄く小さいし、イキも上手くできなかったことが想像されますミィ

どうか広くて綺麗な草むらでタマゴを産みたいものだミィ。なぜいつもタブンネさんだけがこんな目に....


不満を言っていても仕方ないミィよね...。

今はとにかく4ママちゃんと、産まれたタマゴを心配しなくては!

4ママちゃんは死んでしまうことはなかったミが、ハァハァッってイキが苦しそうミィ
タマゴもニンゲンが来るまでミシミシってイヤな音が聞こえていたし、中のベビちゃん達が心配だミィ....

587タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/03(木) 22:53:14 ID:Jb.YrznM0

さらにその翌日のことですミィ

朝、ミィが起きたら4ママちゃんはすでに起きていて、ガツガツと餌箱を貪っていましたミィ

元気でよかったミィ〜!

あたりまえミィよね!4ママちゃんはまだまだ若タブさんなんだから!それにしても凄い勢いミィ...

ミィ「4ママちゃん!おはミィ!元気で良かったミィ!」

4ママちゃん
「ビフンッ!うっせえミ!」ムシャムシャ...

ミフフ、もう話しかけるのはやめるミィ。ホントに元気で良かったミィ!
聞こえるベビちゃんの鼓動も1,2,3,4,5。タマゴも無事みたいミィね。何もかもが順調ミィ!
まぁベビちゃんはどうせいつかしゅっかなのですミが...

ミ?4ママちゃんのキャラが回想シーンと全然違うって?

それは仕方のないことですミィ

4ママちゃん、今はちょっと乱暴なコトバづかいになっていますが、最初のベビちゃんを産んだ時はそれはそれは優しいお母さんでしたミィ

しかしその子達と引き離されて、挙句しゅっかされてしまってから、タブが変わってしまったのですミィ

これはお母さんタブンネなりの処世術なのですミィ。
まともな感覚でいたら狂ってしまいますミからね。なんせ精一杯の愛情を注いで育てたベビちゃんがしゅっかされるのですミから....。

ミィの知ってる他のお母さんタブンネにも、タブが変わってしまったタブンネさんがおりますミィ

4ママちゃんはまだマシな方なんですミィよ。

お母さんタブンネのタブが変わってしまうと、コトバづかいが悪くなったり無口になったりするだけでなく、聞こえる鼓動がポケモンではないみたいになったり、ベビちゃんをムチャムチャ食べちゃうタブンネさんになったり....

4ママちゃんはコトバづかいこそ少しオゲレツですミが、聞こえてくる鼓動は昔と変わらない、トクントクンって優しい音ですミィ。

上手く言えませんミィけど、ニンゲンのコトバでゆうところの“えんぎ”をしているようなモノだとミィは思っています

なんだかミィの触角、某ハンター漫画の某念能力者みたいになってるミィね...
まったく物語によっていろんな設定がつけられるものだミィ
どうか皆さんもっとタブンネさんをリスペクトしていただきたいミィ....


妹ンネちゃん
「チィチィ♪ねえママ?あのまんまるからベビちゃんが出てくるチィ?」
長女ンネちゃん
「きのうよりオトがおっきく聞こえるミチ?ねえママ、もうすぐ産まれるミチィ?」
弟ンネちゃん
「ねえママ、ボクたちもあのまんまるから出てきたの?」

ミィ「ミッミッ♪ベビちゃん達!その通りミィ!きっと明日にはカワイイベビちゃんが産まれてくるミィよ!あのまんまるは“タマゴ”ってゆうんだミィよ。」

ミフフ。ミィのベビちゃん達もタマゴが気になって仕方ないみたいだミィ。

それにしてもタマゴを初めて見るハズなのに、なんてものわかりが良いのでしょ!
さすがはミィのベビちゃん!
ミィのきょういくが良かったのかしら♪

(昨日破裂した卵から超未熟児ベビンネが出てきて死んだのを見ている)

588名無しさん:2021/06/07(月) 01:23:45 ID:yqoLaMdQ0
そうね
タブンネちゃんの事はちゃんとリスペクトしてるよ
ミィアドレナリンってすごいよね
しかも可愛いから愛情をもっていぢめちゃう
ベビちゃん達もこれからしっかり旨味を溜めていってほしいな

589名無しさん:2021/06/07(月) 01:34:47 ID:yqoLaMdQ0
ペットショップの裏側にいた
ママべったりのかわいいチビベビちゃんがここにいたなら
小さな体で無理矢理ストールにもぐり込んだりして事故にあったり
いつまでもおっぱいから離れず餌を食べないし(チビママが手ずから食べさせてやらなくちゃダメ)結局出荷どころか柵の外に出るまで生きてなさそうなイメージあるわ

590タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/07(月) 18:52:58 ID:OkM2RIO60

ミィには夢がありますミィ

綺麗な木がたくさんあって、綺麗な川が流れている静かなトコロで、広いおウチに住んで、沢山のベビちゃん達と平和に暮らすコトですミィ。
ここのゴハンとは違う、新鮮で美味しいきのみをいっぱい食べて、ふわふわのベットの上で眠って、すとおるにジャマされずにみんなで身を寄せ合って過ごして....

すぐ近くには、4ママちゃんと4ママベビちゃん達が住んでいるんだミィ。お互いのベビちゃん同士はとっても仲良しで、いつも広くて綺麗な草むらでかけっこして遊ぶんだミィ。

おとこのこベビちゃんのおマタにはちゃんとチェリンボさんがついていて、ミィんなもちろんカラダにウンチなんてついていなくて、シッポも毛並みもいつも綺麗で....


・・・ミィ、考えごとが多くて申し訳ミィ

ずうっとすとおるの中で過ごしていますと、たくさんたくさん考えるのですミィ

ミィ達タブンネさんは知能が高くて、本当はいろんなことができて、好奇心旺盛なポケモンなのですミィ。
刺激の無い窮屈な生活を強いられ続けていますと、考えごとするしかないのですミィ....

ちなみにおソト(野生)のコトを考えるようになったのは、4ババさんのおはなしを聞いてからですミィ。ミィは生まれてからずっとこのおウチの中に居ますミィから....

それは4ママちゃんも同じミィよね。
いつかおソトの世界に戻って、元の優しい4ママちゃんに戻ってくれたらいいな。

“もり”とか“かわ”とか“きのみ”とか...
いったいどんなモノなのでしょミィ。想像するとワクワクもしますミが、なんだかむなしくもなりますミィ....


—ピキッ...バリッ!バリバリバリ...!

ミミッ⁉︎この音は!

—チィチィ!ヂギャー!ヂィッ!ミギャー!...

次女ンネちゃん
「チィッ!生まれたチィッ!」
妹ンネちゃん
「かわいいチィ!みんなおめめとじてるチィッ!」

ミィッ!4ママちゃんのベビちゃん達が無事に産まれたようですミィ!

大体タマゴが出てきてから、2回おねんねしたくらいでこうしてベビちゃんが産まれますミィ。
“ほるだあ”はとても暖かいらしくて、タマゴが早く孵化するそうですミィ。誰も近くに居ないから産まれたてベビちゃんがイタイイタイしちゃいますミが...。

早くベビちゃんが産まれるのは嬉しいけど、ホントは自分でベビちゃんのタマゴを温めたいものですミィ。

お母さんタブンネがタマゴを温めると、寝ている時にすとおるに挟まって割ってしまうからほるだあが使われるそうです。
そもそもすとおるが無ければ、決してタマゴを割ったりしないのに....

591タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/07(月) 18:53:29 ID:OkM2RIO60

...チィ....チ.....チビュー......チィ.......

....ミィ。元気な産まれたてベビちゃんのウブゴエに混じって、ひとりだけ苦しそうな泣きゴエが聞こえてくるのをミィの耳は決して聞き漏らさなかったミィ。

なにせミィ達タブンネさんのお耳はとっても高度で....
しつこいミィね

長女ンネちゃん
「ママ、ひとりだけ動けないベビちゃんがいるミチィ。カラダも他のベビちゃんより小さいミィチィ」

.....ヂ.......チィ~........チィ~.....

動けないベビちゃんはミィの位置からはどうやっても見えないのですが、長女ンネちゃんが事情を教えてくれましたミィ

泣きゴエでわかるミィ。もちろんまだタブンネさんのコトバになっていませんが、ミィくらいの実力になると、ベビちゃんの気持ちくらいは理解できますミィ。

どうやらアンヨかおててをケガしちゃったみたい。これは痛がってる泣き方ミィ

ほるだあから落ちたベビちゃんがイタイイタイしちゃうのはさっきも言ったミか?
フツーの大きさのベビちゃんならば一時的なもので済むのですミが、小さいベビちゃんだと結構重傷になることがありまミィ。

みなさん自分が生まれた時のことを思い出してみてほしいミィ
タマゴから出てきた時、自分の背よりも何倍も高いトコロからいきなり落っこちたりしなかったでしょ?
カラダの小さなベビちゃんにとっては大変なことなのですミィ。
まったくなんて不親切なおウチなんだミィ!

...まあ今はそんなこと言っていてもしようがないミィよね。
カラダが小さい子が心配ミィ。

おケガもそうだし、ちゃんとおっぱいが飲めるだろうか....
4ママちゃんがちゃんとケアしてくれたらいいのだけど、かなり不安だミィ....

——

やがてニンゲンがやってきて、生まれたてベビちゃん達の“たぐづけ”が終わりましたミィ

ミィのベビちゃん達もそうですが、ニンゲンがタブンネさんに番号をつけることをたぐづけと言いますミィ
番号をつけるくらいなら、もっとタブンネさんを大切に思って欲しいものだミィ

チュピチュピチュピ......

チュイ~♪ チィチィチッ♪ チュヤ~!チュミィ♪......

弟ンネちゃん
「チィ〜!みんなおいしそうだチィ!」
次女ンネちゃん
「おめめ開いてないのに凄いミチィ!なんでおっぱいの場所わかるミチィかな⁉︎」

ニンゲンが去ってようやく、ベビちゃん達のおっぱいタイムが始まりましたミィ
まったく最初のおっぱいくらいたぐづけ前に飲ませろミィ!

....チヒッ.....チィッ....チビッ.....チビィ~ン....ヒッ.....

どうやら文句を言ってる場合じゃないミたい...
小ベビちゃん、やっぱりおっぱいを飲めてないミィ
おなかが空いていて、寒くて、そして寂しい、悲しいって泣き方だミィ

4ママちゃん、どうか小ベビちゃんのコエに気づいてあげて.....

592名無しさん:2021/06/08(火) 21:28:34 ID:vGRdc/8M0
このチビベビちゃんの泣き声聞いてると
ママだけ愛護団体に保護されちゃって
巣穴に取り残されたまま

「オナカスイタヨウ」「サムイヨウ」「サミシイヨウ」

ってママを呼びながらどんどん弱っていくベビちゃんの小ネタ思いだしちゃってたまんねぇ

593タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/10(木) 19:03:56 ID:hBzG40JE0

4ママちゃんが最初のベビちゃんを育てていた時は、それはそれは優しいお母さんだったことは前にも言ったミか?

2周目以降生まれたベビちゃんには、4ママちゃんすごく冷たいんだミィ。
今だっておソト(雑居房)のどこかには4ママちゃんのおチビちゃんがなんにんか居るはずなのですミが、誰も4ママちゃんを訪ねては来ていません。
ハッキリ言ってしまうと、あまり慕われてないのですミィ...

ちなみにミィのチビちゃんは今おソトにはひとりも居ません。このところタマゴ不精でしたミィから...
前にもたしか一度こういう時期があったミィ
....どうでもいいミィか?


今は4ママちゃんのはなしミィよね

4ママちゃんは他の一部のお母さんタブンネのようにベビちゃんをボコしたり、まして食べちゃったりすることは決してありません。いつまでもおっぱいに引っ付いてる子を引っ剥がしてブン投げることはありましたミが...

話しかけて、あやしたりすることもしません。
4ママちゃんの子達はコトバを覚えるのが遅いし、おっぱい離れしても口調の覚束ない子が多いようです。

だけどキョーミ無さそうに見えて、踏んづけたりしないように気をつけていることもミィにはわかります
ブー垂れることが多いですが、ベビちゃんが『おっぱいほしい』って泣き方をするとちゃんとミルクもあげています。まあ座り姿勢でちょっと不親切なのですミが...

でも4ママちゃん、小さいベビちゃんやビョーキになりかかったベビちゃんにも冷たいものですミから、前にふたり、おソトに出る前に死んじゃった子がいます

これはいわゆる“自然淘汰”と言えるかもしれまミィ。自然淘汰は4ババさんから教わったことです。

おソト(野生)の世界では、弱い子よりも強い子を優先して育てることがあるそうですミィ
手のかかるベビちゃんが沢山いるとたいへんだから、強い子だけでも生き残れるようにするそうですミィ
正直よくわからミィが、おソトはおソトで色々たいへんだとゆうことミィね...

お母さん(4ババ)に知識として教わりその娘さん(4ママ)に実演を見せてもらうという、何とも稀有なできごとだミィ....


昔死んじゃったふたりのベビちゃんをニンゲンに回収された時、ほんの一瞬ですミが、4ママちゃんの凄く悲しそうな横顔を、ミィはたまたま見ていました。
4ママちゃんがホントは心の優しいタブンネさんだってミィにはわかります

....4ママちゃん、この狂ったおウチで生き抜くためにワザとイジワルな態度をするのは仕方がないミィ

でもどうか、この囲いの中に居る間だけでも、自分のベビちゃんに対してだけでも、どうか素直なココロで接してあげて。

もし小ベビちゃんが死んじゃったりしたら、また悲しい思いをすることになるんだよ....

594名無しさん:2021/06/11(金) 20:58:12 ID:bzkw7D2w0
生きるためだけのお世話して全く愛情注いであげない赤ちゃんは長生きしないって
昔そんな人体実験があったんだけど
ベビンネちゃんなんて余計もろそうだな
と言うか赤ちゃんにとってのストレスを実母自ら与えて旨味出させるとは4ママちゃん本当にタブッてるよな

595タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/12(土) 19:38:42 ID:bqYSj.6M0

今は4ママベビちゃん‘sが生まれて最初の夜です

ミィのベビちゃん達も、4ママベビちゃんも4ママちゃんも、ミィんなスヤスヤミィミィと寝息を立てています。ただひとり、寂しそうに泣いている子を除いて....。

ミィの視界にはうつ伏せに横たわる4ママちゃんのカラダ上半分と、そこにピットリくっつくベビちゃんが2匹だけ見えています。

小ベビちゃんはおそらく4ママちゃんすとおるの外側、足元に居るミィのかな?
見えてるふたりのベビちゃんは健やかなお顔で、タブンネさんらしくお腹がポッコリとしています
もうふたり見えないベビちゃんが居るはずミが、きっと4ママちゃんの反対側に居るのでしょう、気持ち良さそうな寝息が聞こえてきます。

皆さん、タマゴから出てきたばかりの赤ちゃんタブンネを見たことありますミ?
出てきたばかりの時は、カラダにベチョベチョしたお水がついていて、そしてお腹がまだゲッソリとしています。
ポケモンとは不思議なもので、生まれてすぐにゴクゴクとミルクを飲むと、あっという間にタブンネさんらしいカラダに変わるのですミィ

.....ピィ.......ピヒィ......ヂ.......ヂグッ......

....小ベビちゃん、ベチョベチョはニンゲンに拭いてもらったでしょうミが、きっとカラダはゲッソリしたままでしょう
もう泣き方も弱りきっていて、何を訴えているのかミィでさえわかりません。

寒くないだろうミか?このおウチの夜は結構寒いのです。フツーはベビちゃん同士で固まったり、お母さんにふっついたりしてあったかいするのです
どうかせめてぬくもりを得ていればいいのですが....



....ミィには今、一つの思惑があって、どうしようかずうっと悩んでいます。前にも同じように悩んだことがあります
それは小ベビちゃんをミィのすとおるまで呼びこんで、おっぱいをあげることですミィ。このままでは死んでしまうかも知れないミィから
産まれたて、ましてカラダの小さな子ならばきっと柵の下を潜れます

”きょーどーいくじ“とか言ったミィかな?
おソト(野生)の世界でも、お母さんタブンネ同士で役割を分担して、他ベビちゃんを育てることがあるそうですミィ。例によってこれは4ババさんに教わったことです。
このおウチですらさとごがありますミィからね。まあニンゲンが勝手に決めるのですミが...

しかしミィの思惑は少し事情がちがいます
4ママちゃんはベビちゃんをじゅうぶんに育てられるわけですミィから...
寧ろミィよりも若くて、きっとミルクもたっぷり出て栄養もまんてんミィ

どうせ育児放棄しているのだから、さっさと小ベビちゃんを呼び込めばいいと思いますミ?

そう単純なものでもありません。

なんというか、お母さんタブンネには“お母さんのプライド”のようなものがあるのですミィ

もし小ベビちゃんをミィが育てて、ミィのおっぱいを飲んで、完全にミィに懐くようなことになったら、4ママちゃんきっとすごく傷付きます

ミィも、もし自分のベビちゃんをさとごに出すってなったら、とてもイヤです。
他のタブンネさんを信頼していないわけではないですミが、自分のベビちゃんはとっても大事なのです
上手く伝わるミィか....

昔4ババさんから、きょーどーいくじをしても、ベビちゃんは賢くて、決して自分のママを間違えたりしないと聞いたことがあります
....4ババさんには申し訳ないミが、それは嘘です。ミィが昔育てたさとごベビちゃんは、ミィんなミィのことを『ママ』って呼んでくれたミィから
もちろん嬉しかったミが、少し本当のお母さんに申し訳なくもありましたミィ。
....そういえば一体どこから来たさとごちゃんだったのかな?

昔4ママちゃんが育児放棄した時、
「ミルクを飲めてない子がいるミィ!」
ってミィがちょっと怒ったことがあるのですミが、その倍くらいの勢いでどなり返されましたミィ
それ以来ミィは口出しをしていません....

ある意味4ママちゃんはポケモンとしての本能が残っているのかも知れミィね....

どうか小ベビちゃんが無事に....

...ミィ....

なんだかミィもねむく....

596名無しさん:2021/06/13(日) 20:31:03 ID:SWnbOkDU0
小ベビ「....ピィ.......ピヒィ......ヂ.......ヂグッ......(…もう……ごーるしても…いいよね…)」

597名無しさん:2021/06/14(月) 11:39:13 ID:Kvwgsw1A0
生まれ落ちた瞬間から痛みと苦しみと悲しみと寒さにじわじわと満ちあふれていく小ベビちゃんだけど
そのまま弱って静かにこと切れる事も許されないとか
マジタブンネさん

598タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/16(水) 21:06:44 ID:lyDi5sgA0

その次の日のおはなしですミィ

この日はミィの人生で何度目かの、人生最悪の日となりましたミィ。

お昼過ぎのことですミィ

ミィはいつものように、ベビちゃん達におっぱいをあげていましたミィ
オトナリでは4ママちゃんも、昨日産まれたベビちゃん達におっぱいをあげています。

赤ちゃんタブンネがおっぱいをせがむ泣き声と、お母さんタブンネが授乳を促すあやし声には特徴がありますミから、一ヶ所でおっぱいタイムが始まると、こうして周りでもおっぱいタイムが始まることがよく起こります。まぁミィの方はもうベビちゃんがしゃべれますから今回のは偶然ミィけど

とにもかくにも、側から見るととても平和なように見えたでしょう....

ミィは精一杯アゴを引いてオトナリを眺めると、4ママちゃんのお腹に4匹のベビちゃんが吸い付いているのが見えました。
4ママちゃんはすとおるの後ろに座るスタイルでおっぱいをあげますミィから、横たわるミィからもなんとかその光景が見えるのです。

案の定と言いますミか、やはり小ベビンネちゃんの姿は見えませんでしたミィ
4ママちゃんの授乳スタイル上、どうやっても最大4匹までしか同時におっぱいが飲めません。小ベビちゃんは撥ね出されてしまったのでしょう

ちなみにベビちゃんが大きくなってきてすとおるに完全に入れなくなると、4ママちゃんは立っておっぱいを与えるようになります。
なんて言うのか....ちょっとエッチな光景に見えますミィ

そういえばずっとコエは聞いていたけど、小ベビちゃんの姿はまだ一度も見ていないなとこの時思いましたミィ

不安で、悲しい気持ちになって、ミィが視線を戻した時ですミィ

大きな奇声が聞こえたと共に、ミィの視界に猛スピードで“なにか”が吹っ飛んで来ましたミィ

ガシャン!ゴスッ!ゴッ!グキッ!

「チィ~」「...ゥァ...」「...ッ...」「チ」

“なにか”が4ママベビちゃん‘sであると理解するのに、少し時間がかかりましたミィ
ベビちゃん’sのコエはとてもか細い、キケンなものでしたミ。
みなさん、赤ちゃんがイタイイタイすると大声で泣き叫ぶのは想像しやすいと思いますミィ。すごく痛いハズなのにほとんどコエも出ないってことは、命のキケンが想像されミィ

すとおるや囲いの柵にガッチャンして、ベビちゃん達は地面に落っこちました。
パタパタとおててを動かす子、腕がひん曲がってしまった子、ピクピクと震える子、この世のものとは思えぬ光景に少し唖然としたミィでしたが、すぐに冷静になりましたミィ

さっきの奇声も、この子達を投げ出したのも間違いなく4ママちゃん、こんなことは初めてでしたミィ。

ミィ「ミィッ!4ママちゃん!何があったミィ⁉︎」

599タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/16(水) 21:09:00 ID:lyDi5sgA0

4ママちゃん
「ミ゛ィィ゛ァぁぁ゛っっ!グミャアア゛っ」

ミィのベビちゃん達も驚いて振り向いたミが、みんな何が起きたのかわからず呆然としています。当然ミィ。ミィですら何が起きたかよくわかりません。

ブチュッ!ビリビリビチャーッ!...

少しの間4ママちゃんの呻き声だけが響き渡った中、ヘンな音が聞こえてきました。
ミィには聞き覚えのある音でした。なんと言うか、おニクがイビツに破れるような、それはそれはイヤな、とらうまになる音ですミィ....

長女ンネちゃん
「ママ!おばさんのおマタから赤いウンチみたいのが出てきたミチィ!おばさんビョーキになっちゃったんだミィ!」

視野が不自由なミィに、お姉ちゃんが4ママちゃんの状況を教えてくれました
もしかしてとは思ったけど、残念ながらそれは起きてしまいましたミィ。4ババさんと同じ状態です。

でもどうして⁉︎4ママちゃんはタマゴを産んでしばらく経っているし、さっきまで....、昨日だって元気一杯で、ゴハンだって食べていたんだミィよ⁉︎

しきゅうのビョーキ....。4ババさんと同じ...。みきさあ?殺されちゃうミィ⁉︎まさか...。そんなまさか...!?どうして。どうして...!?

....あたまがパニックになってしまって、それから先のことはミィも全部ハッキリとは覚えていません。ミィのベビちゃん達に何かを聞かれた気もするミが、4ババさんの時の事を思い出して、ココロが壊れそうだったのですミィ

チュイ?.....チィ....チィッ!

ミィがどんな姿勢で居たのか、なぜソッチを見ていたのかもわからミィが、どこからともなく産まれたてベビちゃんのチィチィ声が聞こえて、ミィの視界に、小さな小さなベビちゃんのアタマがモゾモゾと現れましたミィ
その時はミィも錯乱状態でしたミが、それは間違いなく小ベビンネちゃんでしたミィ

「ウビャーーーッ!チガァーーーッ!
ヴォォォぉぉぉぉっ.....」
—いたい!いたい!ママ、やめて!どうして、ママ!ボクもおっぱい....ボクはさびしくて....ママ......

................

ようやっと姿が見えた小ベビンネちゃんは、瞬く間に変わり果ててゆきましたミィ....
....ミィにとってはパニックが多すぎて...。気がつけば小ベビちゃんの小さくて可愛いおててが無くなって、ボタボタと血が落ちてきて、おなかから長い紐が出てきて、アタマからは黄色のグジュグジュが滴り落ちてきましたミィ。あんなに弱りきっていたとは信じられないくらいの、絶望的な大きな叫び声が聞こえてきましたミィ

死するタブは全タブ賢タブとはよく云ったものだミィ。生まれてからずうっと命の瀬戸際に居た小ベビちゃんの叫びには、たしかに意思が宿っていましたミィ。
....君も辛かったんだね。ママに甘えたかったんだね

小ベビちゃんをそんなんしたのは、目が真っ白になった4ママちゃん.....
もう、もう何も考えられミィ....。
どうして、どうしてこんなことに....

なぜいつもタブンネさんが、あの優しい4ママちゃんが、産まれたばかりのベビちゃんが......

——

「3ママお姉ちゃああ゛あん!怖いミィ!死にたくないミィ!助けて!だすげてっ!3ママ゛おでえぢゃあああんん゛!」

どれくらい経ってからでしょうミか...
聞き慣れたコエで、しかしながら絶望感に満ち満ちた大きなコエが聞こえて、ミィがハッとして顔を上げた時です。
オトナリの囲いの前、おソト(雑居房)に連れ出された4ママちゃんが精一杯コッチを向いて、精一杯の大声で叫んでいましたミィ

....そのコエは、可愛いお顔は、フキゲンな態度になる前の、昔の4ママちゃんそのものでしたミィ。
しきゅうのビョーキになったタブンネさんの末路は、ミィ以上に4ママちゃんはよくわかっているでしょう....。自分のママが殺されるのを、4ママちゃんは目の前で見せられているのですから......

600タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/19(土) 19:23:18 ID:D8nT.Xco0

.........気がつけば夜になりましたミィ

ミィの横ではベビちゃん達が身を寄せ合って寝ていますミ。お昼まで賑やかだったオトナリの囲いは、もう誰も居ません

4ママちゃんは、さっき4ババさんと同じトコロへと旅立ってゆきましたミィ
4ババさんと同じ方法で....
ヒドイ、ヒドイ方法で......

.....もう、もうミィにはなにも考えられミィ

生まれてこなければよかったんだミィ
ミィも、ミィのママも、4ママちゃんも、ミィのベビちゃん達も....みんなミィんな.....


—3ママお姉ちゃーーん!
—死にたくないミィーーッ!!
—おでえぢゃーーーン!
—だすげでビィ〜ーーーッ!
—こわいビィーーーー!!................

....4ママちゃんの最後の雄叫びが、頭の中でグルグルしています

4ママちゃんはミィよりも若いタブンネさんなんだミィ
この汚いおウチで生まれて、一度もおソトに出たこともないんだミィ
生まれて間もない時はカラダも綺麗なタブンネ模様で、チィチィ♪ってすごく可愛いコエで鳴いていたんだミィ
初めてのタマゴが孵化した時は、泣きながら喜んでいたんだミィ
ニンゲン達の為に、何個も何個もタマゴを産み続けたんだミィ
最後はビョーキになって、凄くイタイ方法でニンゲンに殺されて......

.........................

4ママちゃんが連れて行かれる時、ミィは必死に戦いました
このすとおるを壊して4ママちゃんを取り戻そうと、何度も何度もブツかりました

戦ったのは何度目ミィか....
ママとお別れした時、初めてのたねつけの時、最初のベビちゃんがしゅっかされた時、オゲレツモブさんが囲いに侵入してきた時....

すとおるに刷ってしまったせいで、ミィのお腹の横の毛も禿げ落ちてしまったミィ

ムダだとわかっていて、ニンゲンと戦うのは愚かだと思いますミ?そうかもしれません

だけど、だけど他にどうすればいいのでしょミィか?4ママちゃんは、ミィの、ミィの大切なオトモダチなのですミィよ?
その4ママちゃんが殺されちゃうのに、黙ってお祈りなんてできるわけありまミィ

ミィが戦ってる時、クソローブシンがケラケラ笑ってコッチを見ていたミィ

どうしてアイツは笑ってられるミか?
こんなの、どう考えても許されミィ
4ママちゃんも、どのタブンネさんも、尊い尊いポケモンなんだミィよ?
クソブシンも、ニンゲンも、おかしいと思わないのかミィ?アイツらにはココロがないのミィ?

ミィだって、タブンネだって、別にニンゲンを、従業ポケ達を嫌いたくて嫌ってるわけじゃないんだミィ!

どうしてこんな....

どうして.......

........

601タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/19(土) 19:23:48 ID:D8nT.Xco0

.......気づけば朝になりましたミィ

おウチの外が明るくなっても、ミィ達タブンネのトコロには、お日さまは届きません。

お日さまの下はポカポカあったかいって、昔ママや4ババさんがゆってたな....

遠くでマメパトの囀りが聞こえるミィ
空なんて飛べなくてもいいから、生まれてきたくなかったミィ

——

やがてベビ達もムニャムニャと起き出したミィ

ミィが何も言わなかったから、誰も何も言いません

——

やがてひとりのニンゲンがやって来て、ブツブツ言いながらミィのエサバコにほんの少しゴハンを入れて去って行きましたミィ
昨日食べなかったから、あまり好きじゃないゴハンが山になっています。食べようとも思いません

ニンゲンはなんで毎日毎日ミィのエサバコにゴハン入れるんでしょ?そんなことして楽しいミか?いいことなんかミィのに

——

「......チスンチスン。ママ、おっぱいちょーだい。
ママ。お願いチ。」

ミィ?....今のコエは、妹ンネちゃんミか?

.....もうミィにはそんな気もなかったミが、気がつけば横になっていて、ベビちゃん達がミィのおっぱいに吸い付いています

ベビちゃん達におっぱいをあげる時は、いつもとってもくすぐったくて、勢いが強い時はチョット痛い時すらあるのですミが、その痛さすらも嬉しさが溢れるものでした。タブンネさんの特徴なのかな。

しかし今は嬉しさなど感じられません
煩わしいだけです
....なんだか4ママちゃんが赤ちゃんに冷たくなった理由がわかった気がするミィ。きっと4ママちゃ..

チィ.... ミチッ... ....チビン.... ....ミッ

.....ミィ。いつもはずうっとおっぱいに吸い付いているベビちゃん達が、少しだけ吸って離れていきました

......思わず、触覚を使いました。
何度も言いますが、ミィ達タブンネさんの触覚は、感情を読み取ることができます

.....ベビ達、『寂しい』って思ってるミィ。
それだけではミィ。おなかがすいて、『ママどうして?』って気持ちミィ。今おっぱいを吸ったばかりなのミ....


.....どうゆうことかわかったミィ....

ミィ、ミルクが出なくなっちゃったんだミィ...

ベビ達は隅っこに固まっておしくらまんじゅうしています。昨日の朝よりもおなかがペッタンしているように見えます

もう、ミィにはママの資格もミィ
ごめんネ。ミィのベビちゃん達....
4ママちゃん、どうやらミィも、そのうちソッチへ行くようだミィ....。待ってて、また仲良くしてね....

602タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/21(月) 22:08:03 ID:Wiv7muPA0

ミィッ!

こうしてただメソメソしているわけにはいかミィ!

ミィはお母さんなんだミィ!優しい優しい、タブンネさんなんだミィ!
ベビちゃん達におっぱいをあげる為に、ゴハンも食べなきゃ!お水も飲まなきゃ!沢山おはなししてあげなきゃ!沢山愛してあげなきゃ!


4ババさんのおはなしを思い出すミィ。
世の中には、まだ目の開く前に食べられちゃうベビちゃん、目の前でタマゴを破られちゃうタブンネさん、気の毒なタブンネさんが沢山居るんだミィ

ミィは、ミィの目の前には、可愛い可愛い、大切な大切なベビちゃん達が居るんだミィ!
ミィは幸せなタブンネさんなんだミィ!

この子達ももうすぐおっぱいを卒業して、いずれはとらっくに乗せられて、短い命が終わってしまうんだミィ。今ミィがおっぱいをあげることは、キライなニンゲンを喜ばせるだけかもしれミィ。

でも、でもこの子達は、毎日真剣に生きているんだミィ!
こんな汚くてうるさくて毎日酷いことが起こるおウチに生まれたくて生まれてきたわけじゃないでしょうミが、それでもどの子もとっても優しくてココロの綺麗な、タブンネさんらしいタブンネなんだミィ!

ベビちゃんは何も悪くないんだミィ
お母さんが、ミィが、せめて少しだけでも、ほんの少しの間だけでも、幸せにしてあげなくちゃ!

ありがとミィ、妹ンネちゃん。
たいせつなことを思い出せたミィ。
ごめんネ、ベビちゃん達。おなかがすいていたよね。ママに甘えたかったよね。不安だったよね。

きっともう少し、一緒に居られるから。
ママは君達のおかげで、とっても幸せミィ!

603タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/21(月) 22:08:42 ID:Wiv7muPA0

ミィの思いは、なんだか振りのようになってしまったミィ

お昼のゴハンの時間のことミィ

ニンゲンはミィのゴハンだけではなく、ベビちゃん達のゴハンとお水も置いて行きましたミィ

ミィはこれまでなんにんものベビちゃんを育てていますから、ベビ用のゴハンが与えられる意味がわかるミィ
もうすぐきっと、この子達とお別れしなければなりません

———

ミィ達のゴハンのことをおはなししていなかったミィね

ミィ達のゴハンは、おソト(種付けストール前の屋外)になっているヤツ(黒ずんで小さくて歪な形状のオボンオレン)が主な原料だそうですミィ。ミィのママがそう言ってましたミ

.....ママはそこまでしか教えてくれませんでしたが、ずうっと食べているうち、ミィには気づいたことがあります。このゴハンにはなんと、タブンネさんが混じっています。

間違いではないと思っています。
だってゴハンを眺めてみると、所々ピンクのおけけが混じっていますミから。
そしてたまに入っているイモムシみたいなのは、きっとタブンネさんの触覚です。
気づいてからはミィはイモムシは食べていません。食べれるハズがありません。
仲間を食べていることに気づいてからしばらくは、ゴハンを食べられなくなってしまったものですミィ。
...まあおっぱいを出すためにまた食べ始めたのですミが。それでも進んで食べたいとは思わミィけど。これしか食べものはありません

ニンゲンはこのゴハンのことを“たぶこっぷん”と呼んでいます。改めてニンゲンの考えることは狂っていると思いますミィ。
どこまでタブンネさんをいじめたら気が済むんだミィ!仲間を食べさせるなんて...!

ミィはファンタジーがキライなタブンネさんですミから、なるべくこの世界のゲンジツを子供達に伝えていますミが、ゴハンのことは教えないようにしています
知らないままでいた方が幸せに決まっているミィ


ママも、4ババさんも言っていたミが、タブンネさんは、本当は“おぼんのみ”っていうのと“おれんのみ”っていうのを食べて生きていくそうです。いつか食べてみたいと思っていますミィ。きっとおいしいんだろうなぁ...

(屋外に成っているのはオボンオレンだが、あまりにも汚く歪な為4ババですらそれに気づかない。工場群排気と酸性雨の為か味はやや酸味と苦味があり、「肥やしタブンネ」の為か少し旨味もある。本来のそれとは全く別の代物である)

———

長女ンネちゃん
「ねえママ、もうすぐお別れするミィ?ママはどこに行くミィの?」
妹ンネちゃん
「チィおソト行きたくない!ずーっとママと一緒チィ!」

ミフフ、ベビちゃん達が少し元気を取り戻してくれてよかったミィ。それにしても、生まれた時はあんなに小ちゃかったのに、よく成長したものだミィ。

ベビちゃんが大きくなるのは本当はすごくすごく嬉しいことなのですミが、ミィはフクザツです。
スクスク育つってことは、それだけしゅっかまでの時間がなくなるってことですミィから....

604名無しさん:2021/06/24(木) 14:43:27 ID:jzs/LFCo0
ここから子タブンネ達がどういう風に処理、加工されて運び出されていくのか今から楽しみ

そしてポケモンユナイトにもまさかの殴られ役としてタブンネちゃん続投とは……
やっぱ殴られるの好きなんすねコイツ

605名無しさん:2021/06/24(木) 21:12:40 ID:AffyRklM0
>>604
一度離乳で引き離すのに
4ママちゃんが初子の出荷がトラウマだって言ってるとこから
ベビを甘やかすいけないママには目前でやるのかと想像できてエモいですね

606タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/25(金) 21:17:02 ID:WaIDFhn20

感慨に浸っているばかりではいられません

ベビゴハンが与えられたということは、今一度ベビちゃん達に伝えなければならないことがあります。
ミィ達タブンネさんの運命ですミィ

おソト(雑居房)では、毎日のようにタブンネさんがとらっくに乗せられて、しゅっかされてゆきます。

今ここにいるようにミィはとらっくに乗ったことはありませんミが、かぜのたよりというヤツで、しゅっかされるタブンネさんの行く先はなんとなくわかります。

殺されるのですミ

ほとんど感情の無さそうなおチビちゃんすら、とらっくに乗せられる時は凄く大声で暴れます。殺されることをみんなわかるのです。タブンネさんはとっても賢い生き物だってことを、どうか知っていただきたいミィ

ミィ達は、タブンネさんは、ベビちゃん達は、ニンゲンに殺される為に生まれてきて、殺される為に生きているようなものです。

....なんか我が子へ伝える教育としてイカれてる気もするミが、ゲンジツはゲンジツなのです


ミィのようなお母さんタブンネは、ベビ達を可愛いするだけではありません。色々なことをおはなしします。

もちろん4ババさんも色んなおはなしをしていました。

....いつも隣でミィもそれを聞いていました。

4ババさんはとっても優しくて、賢いタブンネさんでしたミが、ミィにはひとつだけ、どうしても賛成できないことがあります。
ニンゲンや従業ポケのことですミィ

4ババさんは、ニンゲンさんにも、他ポケさんにも、みんなに対して優しく接することが、“タブンネの誇り”だと言い聞かせていましたミィ。
しかしながら、いずれはニンゲンの手によってしゅっかされるのです。従業ポケどもはニンゲンに従って、タブンネさんをイジメるのです。そんなヤツらに優しくなんてする必要あるわけミィ!

4ババさんはちょっと優しすぎたのです!
ちょっと失礼ミが、4ババさんが『ニンゲンさんにも優しく』なんて言うもんだから、ベビちゃん達はみんなニンゲンを信頼していましたミ。
そのニンゲンさんに結果裏切られるから、4ママ妹ンネちゃんはショック死してしまい、4ママちゃんはイジワルな態度を取るようになってしまったのですミィ。



ミィはニンゲンは酷い生き物だとベビちゃんに教えています。そしてニンゲンのはなしの他に、従業ポケどもに対する接し方も、ベビ達に教えなければいけません....

このおウチにはミィ達タブンネさんの他にも、色々なポケモンが居ます

まずはタブンネさんを捕まえたりぶん殴ったりするヤツらミィ。ダゲキ、ローブシン、ズルズキンってのが居ますミィ

ズルズキンとローブシンは、タブンネを挑発したり、ニンゲンの目を盗んで触覚を引っ張って遊んだりする腐れゲドー野郎共ミィ。
ダゲキはちょっとマシですミが、アイツはアイツでココロのないヤツなんだミィ。ダゲキに殴られると凄く痛いんだミィ....

607タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/25(金) 21:22:03 ID:WaIDFhn20

他に、おウチの床を掃除する係の、水の技を使うポケモンが居るんだミィ。ウンコ掃除係のクセに、みんな生意気なんだミィ!

フタチマルってヤツは割と無害ミが、しかしながら別にタブンネの味方をしてくれるわけではありません。
タチの悪いヤツはマリルリってヤツです。コイツはタブンネよりも小さくて弱そうなクセに、熱い水を吹きかけたり、ニンゲンに隠れてタブンネをブン殴ったりするクソポケなのですミィ!
もうひとり、シャワーズってのが居ますミィ。皆さんシャワーズを見たことがありますミか?おとなしそうな顔してますミが、皆さん決して騙されてはいけないミィ!とんでもない性悪女ミィ!タブンネのことを『ゴミタブ』とか『ウンコポケ』とか呼ぶのですミィ!

....そしてもう一匹、クワガノンっていうポケモンがいます。ミィがお母さんになって間もない頃にやってきました。

ミィがまだチビちゃんだった頃、シビビールってヤツが居たんだミィ。クワガノンと同じ、すごく痛いビリビリを飛ばしてくるヤツだったミィ。
未だに夢に見るミが、ある日突然、ニンゲンの横でシビビールは口の大っきい化け物に変わったんだミィ。突然の出来事におソトのチビちゃん達が逃げ出す間も無く、化け物は次々とチビちゃんを食い散らかしていったミィ。ニンゲンが慌てて化け物を引っ込め、後には見るも無惨な残骸が残りましたミィ....

シビビール、化け物が居なくなって喜んでいた矢先、クワガノンはやって来たミィ。
....なんて言うのか、ブシンやマリルリとは違う恐ろしさがありますミィ。ただただタブンネさんを殺戮することを楽しむ、ポケモン兵器のようなヤツですミィ。
ミィは戦うことは嫌いミが、クワガノンが尋常じゃないくらい強いのはなんとなくわかります。クソブシンやダゲキですらガノンが出てきたら怖がっていますミから....

———

......ミィッ。...ミグフン....ッッ.......ミスンスン.....

なんか自分で話していて、とても辛いおはなしだミィ....

ポケモンは.....同じポケモンです。

どうして、どうしてタブンネさんだけが、いつも辛い目に遭わなければならないのでしょう。殺されなければならないのでしょう。
どうして他のポケモン達は、タブンネを助けようとしてくれないミィ?タブンネじゃなくてニンゲンの味方をするミィ?同じポケモンなんだミィよ?
どうしてニンゲンは、タブンネだけを殺すミィ?マリルリやローブシンのことは可愛がるのに...。タブンネはよしよししてくれないミィ?

ベビちゃん達におはなししてこの世界のことを教えるのは当然ミィ。でもその世界自体が狂っていたら、一体ミィ達はなんのために生まれたんだミィ?
ミィだって、本当は4ババさんのように、
『みんなと仲良くするミィ!』ってベビちゃんに教えたいミィのよ?タブンネさんは優しいんだミィ。どうしてどうして、誰もそのことをわかってくれないミィ.....?



ミィッ!

いけないミィ。お母さんとして強く生きるって決めたばかりだったミィ!
ベビちゃん達は泣きながらも、ミィのおはなしを真剣に聞いてくれましたミィ。ミィがしっかりしなきゃいけないミィよね。

今までのベビちゃん達も、ミィんな、ミィんな良い子だったミィけど、今回の4ベビちゃんも、本当に素直な良い子達だミィ!

暗いおはなしをしてしまったミが、みんなどうかそのままのいい子で....
いつかきっと、アルセウス様がタブンネを助けてくれるミィ!こんな優しいタブンネさんがいつも悲しんでいていいわけが無いミィ!

きっと、きっといつか.....

608名無しさん:2021/06/26(土) 09:31:58 ID:XNiTLIDA0
そろそろクワガノンの再登場かな?
シャワーズちゃん、タブンネさん嫌いなの分かるけど
そんな汚い言葉遣いしたらダメよww

609名無しさん:2021/06/29(火) 22:00:48 ID:MU9a9HLQ0
>いつかきっと、アルセウス様が

タブンネが創造神の名前を呼ぶとか凄い不敬ですねw
そして君達が食虐ポケモンなのは、神様も承認してると思うよ。

610タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/30(水) 16:15:46 ID:BvM5LS1E0

ベビちゃん達もすっかり元気を取り戻してくれて、ミィ達おやこは、これまで以上に仲良しするようになりましたミ。

すとおるのせいで抱っこもできないし、ギュッてしてあげることもできません

それでもひとりずつ、ミィのすとおるの前まで来て、尻尾をフカフカにしてあげたり、毛並みを整えてあげたりしています
....ちょっと窮屈なんだミィけどね。
ゴメンネ....ベビちゃん達。すとおるを壊す力がママにあったら、抱きしめてあげられるのに。ホントはみんなママにもっと甘えたいよね....

きっともうすぐお別れミィ

みんなどうか、タブンネさんの誇りを忘れちゃいけないミよ?
きっと大丈夫ネ。4ベビちゃん共とっても優しいもの。ママ、とっても嬉しいミィ。



その日はみんなで精一杯ふっついて眠りました。相変わらずすとおるが邪魔するミが、それでもベビちゃん達のぬくもりをミィはしっかり感じましたミィ
これまで何度も感じてきましたが、いつもとっても優しい気持ちになります

....昔4ババさんが言ってた通りだなぁと、今思っています。
なんやかんや悲しい出来事が起きて、許せミィと思うことも一杯ありますミが、やっぱり我が子達と居られるこの時間はとっても幸せです。
ミィの子どもに生まれてくれてありがとネ。
生きていればきっときっと、良いことが起こるミィから....ママはそう信じているミィ

———

次の日になりました

昨日と違って、ニンゲンは朝と夜、2回ベビゴハンを持って来ましたミ。
いよいよお別れが近づいてきたんだと改めて感じます

ミィは今日も、代わりばんこにベビちゃん達を呼んで、すとおるの前でヨシヨシしてあげました
ホントにみんな大きくなったもので、行き違うのも一苦労です

ミィがヨシヨシしてあげられない時、ベビちゃん達はおソト(雑居房)をよく眺めるようになりました。
ベビちゃん達もきっともうすぐお別れして、おソトに出ることがわかってきたんだミィね...
まあミィがしつこく言ってるからかもだけど...

ベビちゃん達は、もしかしたら早くおソトに出たいのかもしれないミィ。なぜならば、この囲いはとっても狭いのです。今のベビちゃん達が走り回ることなんてもちろんできません。あらゆる面でこのおウチは不自由です

ベビちゃん達、長女ンネちゃんと次女ンネちゃんは割とゴハンを食べてるミが、弟ンネちゃんと妹ンネちゃんはゴハンもお水もキライみたい。
わかるよ....ママもこのゴハンは好きじゃないから。仲間を食べちゃうなんてホントはしたくないミィ

611タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/30(水) 16:18:27 ID:BvM5LS1E0

ミィ達の暮らすこの囲いも、少し様子が変わってきました

ベビちゃん達がまんぞくに動き回れないのもそうですが、昨日一日でもの凄くクサイクサイになりました。
...敢えて口には出さミィけどね。

原因はハッキリしています
長女ンネちゃん達のウンチが、ミィのと同じ破壊力に成り上がったのです。自分で言うのもとっても恥ずかしいミが、“たぶこっぷん”を食べるとウンチがとってもクサイクサイになるのです。

この囲いは、たねつけのすとおるから戻って来た時はまあまあ綺麗にされてるのですミが、お母さんタブンネとベビちゃんが暮らしている間は一切掃除されません。
閉じ込められているわけですから囲いのどこかにウンチをしなければならず、ずっとクサイままです。ミィのかわいい肉球もきっとウンチまみれミィ。決して慣れることなどありません

今回のベビちゃん達はちゃんとトイレのできる子達ですが、それでも床はあちこちウンチ跡とオシッコ跡があります。怖いことが沢山あったから、ベビちゃん達その度にお漏らししちゃうからだミィ。綺麗好きな子でも、ビックリするとお漏らししちゃいます。


なんとなく、4ママちゃんの居た囲いの方を見てみました。
少ししか居なかったから割と綺麗ミが、よく見ると血の跡がついてるミィ
そういえば、小ベビちゃんは4ママちゃんに咬み殺されちゃったんだったミィね...
あの時はミィもパニックだったミが、他のベビちゃん達はどうなったんだミィ?どこかにさとごに行ったのミィかな?

今冷静に考えてみると、あの夜小ベビちゃんが寂しく泣いていた時、やっぱり無理矢理でもミィのところへ連れ込めばよかったミィ。あんなに小さいまま死んでしまうなんて可哀想ミィ
でもあの時は4ママちゃんに嫌われちゃうかもって怖かったんだミィ

....きっと今頃、天国で一杯ママに甘えているところだよね。キミのママはホントはとっても優しいミよ。沢山ミルクを飲んで、天国で大きくなってネ...

———

次の日、また朝からベビゴハンが与えられました。

ベビちゃん達、もう少し、もう少しだけきっと一緒に居られるミィ。ママが居なくなっても、ずっと仲良くね。どうかそのままの優しさで....

——

お昼過ぎのことですミィ

ニンゲンがひとりのお母さんタブンネを引き連れて、左の囲いまでやってきましたミィ。2ママさんってタブンネさんですミィ。たしか「2ママさん」じゃなくて別のおなまえがあるって昔言っていた気がするけど、忘れちゃったミィ。ごめんなさい...

2ママさんは、ミィや4ママちゃんのようにすとおるには入れられず、囲いにそのまま置かれました。
....無理もないことだミィ。2ママさんのお腹は、4ママちゃんよりももっと大きくて、とてもすとおるに入れるワケなんてミィことはミィにもわかるミィ

ミィもすとおるの外に出たいなってちょっと思ったミが、決して2ママさんを妬んだりはしませんミィ。ホントに大きなお腹だから心配ミィ

ミィ「2ママさん、こんにちミィ。おかげんいかがミィ?どうか無事にタマゴを産んでくだミィね」

「・・・・・・」

612タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/06/30(水) 16:21:54 ID:BvM5LS1E0

ミィが優しく話しかけても、2ママさんはうんともミィとも言いません。最初のベビちゃんがしゅっかされてしまった時からだったかな?あっと言う間に変わり果ててしまった、チョット気の毒なタブンネさんです

ミィのベビちゃん達も、久しぶりのオトナリさん登場で気になってるみたい。
だけど、みんな一度隣を見たミが誰も話しかけません。怖がってるみたいミィ

....無理もないことですミィ
こーゆう言い方は良くないかもしれませんが、2ママさんはとっても不気味です。ミィは挨拶するけど正直チョット怖いですミィ

みなさんは触覚がないからわからないかもしれミィが、フツーのタブンネさんのカラダの音は、「トクン、トクン...」て優しい音が聞こえます。オゲレツなタブンネさんだとそれがちょっと早くなるような感じです

それが2ママさんの場合、「ドッ...ドッ...ドッ...」って、なんかタブンネさんどころか、生き物ではない感じの音がします。
タブンネさんの触覚は相手の感情を読み取れるのは有名なはなしミが、2ママさんは一切の感情が読み取れません。ダゲキやクワガノンですら感情があるのミ....

さっきも言ったように、彼女はちょっと気の毒なタブンネさんなんだミィ...
このおウチへ来たばかりの時は、こんな感じではなかったのです....

—————

(また昔のおはなしですミィ。ちょっとお付き合いくださいミ)

初めて2ママさんと会ったのは、たしか種付けすとおるでしたミィ

ニンゲンA
「テメー!また入ってねえじゃねえか!そんなに交尾好きか⁉︎子宮でガキ殺してんじゃねえだろうな?オイ!」

昔のミィ
「ギャミーー!ごめんなさいミィごめんなさいミィ!!叩かないで下さいミィ!蹴らないで下さいミィ!もうたねつけは嫌ミィ!タマゴは産みたくミィ!ミィヤーーーン!」

そうだミィ。あれはミィが2回くらい連続でたねつけをやらされて、なぜかすとおるを移動させられず、かわりにニンゲンからブン殴られていた日だったミィ

お昼頃だったかな?ニンゲンがまんまるいヤツ(モンスターボール)を開けると、突然2ママさんは現れたのです。
まんまるに入れられるのは必ず別ポケだと思っていたから、あの時は驚いたミィ…

2ママさん
「ミッミィ?ここがミィの新しいおウチ...?ミィッ!タブンネさんがいっぱい!でもみんな凄く汚いミィ!それにとっても臭いミィ!どうして閉じ込められてるミィッ!?ミィこのおウチ怖い!イヤイヤ!牧場に帰るミィ!」

2ママさんは登場するや否や、何かが決壊したようにけたたましく叫んでいたミィ。
ニンゲンがぶっ叩いたり蹴り飛ばしたりしながらされるがまま、ミィのオトナリのすとおるに入れられました。
すとおるに入ってから狂ったように暴れていたので、ミィはちょっとおててとおなかを擦りむいてしまいミィ。たねつけすとおるは囲いの方と違って、お母さんタブンネ同士が密接しています。

613タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/01(木) 21:54:24 ID:705nSFdc0

2ママさん
「ミ゛ィッ!ミ゛ィッ!いやミィいやミィ!どうしてこんな狭い所に...!何かの間違いだミィ!飼育員さーん!助けに来て!ベッドもソファーも無いミィ!アンヨも痛いミィ!臭いミィ!こんなのイヤー!」

時々聞き慣れないコトバを言いながら、2ママさんはすとおるの前の方を必死に叩いていました。
よくわからミィが、無理矢理連れて来られたんだなってゆうのはなんとなくわかったミィ。
2ママさんが来たばかりの時は、嗅いだことのないとても良い匂いが漂ってきました。

昔のミィ
「2ママさん、落ち着いてミィ!おソトから来たのミィ?今は悲しいかもだけど、逆らってもミィ達の運命は変わらミィ!おててケガしちゃうミィ!だから落ち着いて....」

2ママさん
「...ミスンミスン。あなたは...?どうしてそんなに汚れているのミィ?ここはどこミィ?ミィは2ママさんじゃないミィ!◯◯(忘れちゃったミィ)っておなまえがちゃんとあるんだミィ!」

昔のミィ
「...ミィ。ごめんなさいミ。◯◯...さん?ミィ達は生まれた時にニンゲンにばんごうをつけられて、それで呼びあっていますから...」

2ママさんは4ババさんともミィのママとも違う、ちょっと変わったタブンネさんでしたミィ。決して嫌いってことはありませんが、なんていうか、ちょっと見てきたものがすごく違うっていうか...、ミィとはおはなしがなかなか噛み合わミィ。



2ママさん
「ミィ〜ン♪ミミィ〜ッ♪ニンゲンさん♪きのみをくれるミィ?それともポロックミィ?ミィ、ゴハンよりも先にここから出して欲しいミィ!それにミィ、どこかにリボン落としちゃったミィ!探してきて欲しいミィ♪」

ニンゲン
「おうおうおう新入りか。元気に媚びるね〜気色ワリィぜ、それ。明日は早速イチャイチャタイムだぞ〜。楽しみにしとけよ〜」

夜のゴハンの時、2ママさんはお耳をパタパタさせて尻尾をフリフリしながら、甘ったるいコエでニンゲンに話しかけました。
ご存知のようにタブンネさんは色々な可愛いコエを出すポケモンですミが、2ママさんのコエはミィも聞いたことのないようなコエでしたミィ
....チョット悪いけど、なんてゆうか、ニンゲンに向かってそんなコエを出すのはみっともないなってその時思いましたミ

2ママさんのお願いなど聞いてもらえるはずはなく、またしばらく大声で暴れたあと、しぶしぶ“たぶこっぷん”をチビチビと食べ始めました。

2ママさん
「ペッペッ!ミケホッ!....ミィ。このフーズ美味しくないミィ。お水もヘンなお味....。ねえ、3ママさん。他にはどんなメニューがあるのミィ?おやつはポロックミィ?ヒウンアイスミィ?」

昔ミィ
「めにゅ?ぽおっく?ミィ達が食べたり飲んだりできるのは、このゴハンとこのお水だけミィ。....お察ししますミィ。美味しくないミィよね。だけど我慢して食べミィと、死んでしまいますミィ」

2ママさんはギャグみたいな顔で驚きながら絶望していましたミィ



2ママさん
「ミフッ。ミグッ。...ミンミン。....こんなの絶対何かの間違いミィ。ニンゲンさんのおウチはフカフカのソファーがあって、美味しいオヤツも沢山食べれるって....。早く迎えに来ないかな。ミィ臭い所嫌いミィ...」

なんやかんや言いながら、2ママさんはゴハンを全部食べて、お水も全部飲んでました。

2ママさんがどんなトコロから来たのか、今でもあまり詳しくは知らないミが、なんとなく悪いタブンネさんではないんだなと思いました。最初はちょっぴりニガテだったけど。

元のおウチに帰るって言い張っていましたミが、次の日たねつけが行われミィ....

614名無しさん:2021/07/04(日) 12:59:24 ID:s66uVSPM0
2ママ元バースデータブンネちゃんかw
落ちぶれたバースデーちゃん主役の話はたくさん見るけど客観的に他タブさんの目から見てみるとこんなんなのか
究極のお花畑系なんだろうな

615名無しさん:2021/07/06(火) 16:41:07 ID:2Fw5FDuE0
タブ虐するのは発達障害、愛着障害、パーソナリティー障害のどれか
つまり人間的価値が低く、貧困家庭に生まれた生まれながらの棄民であるのは明白である

616名無しさん:2021/07/06(火) 16:45:51 ID:2Fw5FDuE0
虐.厨は脳に障害があって、自分の幸せを自覚できないから他者を虐げて留飲を下げようとする
チー牛キモメンなので女にもありつけないから女性的な印象が強いタブンネを凄惨な目に遭わせることで心の平衡を取ろうとする異常性欲者なのだ

617タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/07(水) 16:55:11 ID:ne.MMYCY0

2ママさん
「ミギィ〜ッ....ッァ...。ぐ、ぐる゛ミィッ。なんなのミィ?ごのネッグレスは...?ニンゲンざん!外して欲じいビィ〜....」

昔ミィ
「2ママさん!それは“くびわ”ミィ!もう諦めるしかミィ!”たねつけ“が終わるまでは外されミィ!歯を喰い縛って!気持ちを強く保つミィ!」

朝ごはんの少し後、それは唐突に始まりましたミィ
始まる前にたねつけのコトを教えてあげればよかったなと後悔したミが、仕方がなかった気もしますミィ。2ママさんがあまりにもゲンジツを受け入れていない様子だったものですから、アレコレ言うのも気が引けたのですミィ....

ニンゲンA
「新入り、暴れんじゃねえ!もうすぐママになれるぞ〜、嬉しいなあ、良かったなー!」
ボコッ!ゴスッ!

2ママさん
「ミキャキャァァあ゛ばばっ....!いだいっ!イヤ゛ッ!ごわいミィ!ごばいビィ〜ンン....!どぼじでっ!なんでだだぐのビィっ⁉︎だでがっ!だずげでっ!ヤメてミ゛ィーーッ!」

ニンゲンB
「いや〜スゲえ抵抗っすねコレ....。ペット用個体ってどんな教育受けて....てか、あーっ!やべえ!コレって注射打ちましたっけ?」

ニンゲンA
「あーやべえ!打ってねえわ!今からでもいい!お前持ってこい!バージンの9ヶ月だから生殖は問題ねえけど、数出なくなる!」



ミィや4ママちゃんも“初めての時”はかなり抵抗したものですが、2ママさんもその例に漏れませんでしたミィ。
2ママさんは“とざま”ですミィからこの後何が起こるかまだわかっていなかったでしょうミが、恐怖で泣き叫んでいました。涙の飛沫がミィにもたくさんかかりましたミィ。

たねつけの時はくびわとくさりで自由を奪われてから、すとおるの後ろが開けられます。
ニンゲンの言う通りにお尻をすとおるの外に出すまで、きんぞくばっとってヤツで何度も突かれるのです....



2ママさん
「グミブミミグミィブィャ〜〜ァ゛ァ゛ァ゛!?びっダ〜!イダイ!ビィのアンヨ゛がぁ!?ビィ〜ぶるるっ....」

やがてニンゲンによってタブモモに“くすり”を打ち込まれ、2ママさんの呂律が回らなくなってきましたミィ
ミィはこの時何度もたねつけを経験していましたミから慣れっこというか、当たり前のできごとのようになっていましたが、改めて狂った行為だなって思いましたミィ
他のポケモンさんやニンゲンも、こんなコトをしてタマゴを作るミィのかな?

ドスン、ドスン、ズズ...ズリュズリュ.....

そうこうしているウチに、”たねタブンネさん“の足音が聞こえてきましたミィ

たねタブンネさんがなんにん居るのかミィも知らないミィけど、トコトコっていう普通のタブンネさんの可愛い足音とは違い、重々しく、何かを引きずるような重厚な音がしますミィ....

ニンゲンA
「おうおう王子来ちまったぞ!ホラ2番、姿勢悪い。もっとケツ突き出せ!」

ゴッ!ゴキッ!

2ママさん
「...グッ!....ミゴッ.....

ニンゲンはすとおるの上によじ登ると2ママさんを踏みつけ、もうひとりがボウを嵌めて2ママさんのアゴと背中を固定します。ミィのところにボウははみ出してきますが、頑丈に固定されていて助けてあげられません
すとおるはタブンネさんを閉じ込めるだけでなく、時に拷問器具と化しますミィ...

618タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/07(水) 16:57:25 ID:ne.MMYCY0

たねタブンネさん
「グミヒヒィ〜ッ♪ブミビィ!ブミッ!ブヒッ!若い娘だミィ!いいニオイだブヒィ♪はやくっ!はやぐっ!」

ニンゲンC
「お待たせっす〜2番って新入りだっけ?準備良いっすか?種Aで記録お願いしまーす。放しますよ?」

ニンゲンB
「Aね、了解。いや〜今日も不気味なほど元気だねー。。俺何に生まれ変わっても畜タブ舎の母タブンネだけは絶対嫌だわ。そんなんツッ込まれたら死ぬだろ...マジで....」

2ママさん
「.....ミィ⁉︎.....次はナニ?男の子のタブンネさん...?....ミィ?....ハァ...ッ.....あなた....しゃべり方がお下品ミ。そんなんじゃレディに嫌われえ゛オオオオオがアガガガガがびぃぃぃやーーーああ゛!?痛い!イダァァァァァビィ!ヤベデッ!おでがいヤメでミィィィガァァァァァ....!!!

ブチュッ!ゴッ!ゴッ!.......

.....惨い悲鳴とおマタが破ける音が響いて、たねつけは始まりましたミィ
ミィは何度もやらされてるって言いましたが、実は何が行われているのかハッキリとは知りません。ただおマタにものすごく太くて長くて熱い“何か”が入ってきて、カラダの中から焼かれているようなカンジです。
.....言ってるだけで震え上がるミィ

たねタブンネさん
「ブミィバッフォン!ミバッフン!アア゛ア゛♪やめられないミ゛ィ♪アア゛ッ!アアア゛ア゛♪」

たねタブンネさんの姿をハッキリ見たことは無いミが、少なくともミィが知ってるだけで3にんは居ます。
寡黙に大きなイキリ声を上げるたねさんも居ますが、この時のたねさんはオゲレツに喚くタイプのたねタブさんでしたミィ....


モブチビちゃんA
「ミュィーッ!“たねつけ”ミィ!おねえさんが“たねつけ”やってるミィ!」
モブチビちゃんB
「違うミィ!あれは“なかよし”ってゆうんだミィよ!ミィのママがゆってたミィ!」
モブチビくんC
「おにいさんの方は喜んでるミィ?ボクもおとなになったらあんなコトするのかな?なんかイヤだミィ....おねえさんがかわいそう」

たねつけが行われる時は毎度のことなのですミが、チビちゃんスペースのおチビちゃん達が集まってきましたミィ
自分がやらされる時はイタくてコワくてそれどころじゃないミが、こうしておチビちゃんのコエを聞くと改めて狂っているなと思いますミィ
純粋な子供達の前でこんな乱暴を見せつけるなんて...



たねタブンネさん
「アア゛ア゛いイ゛イ゛ッ!オオオオ゛ッ
フィニッシュだブミィーーーーー!!!」

2ママさん
「イヤァ゛ーーーーア゛ーーーーッッ!!」

やがてたねさんが果てたようで、2ママさん最初の試練が終わりましたミィ
ニンゲンたちはたねさんをよしよししながら首輪を嵌めて引きずって行き、すとおるの中には泣きながら悶絶する2ママさんが残りましたミィ

ミィ「2ママさん、苦しかったミィね。痛かったミィね。ミィ達も何度もやらされてるんだミィ。どうか、どうか助け合っていきましょミィね...!」

2ママさん
「....ァァ....ど....どうじで.....ミィ.......」

.......2ママさんはやがてそのまま失神してしまいミィ
おマタからはものすごい血が出ていたようで、ミィの足もとまで流れてきましたミィ

619名無しさん:2021/07/07(水) 21:13:39 ID:NJNAjL8s0
頭お花畑のタブンネが現実を知って壊れていく様とかめっちゃ好き
もうすでに壊れかけだけどここからどうやって壊れていくか気になる

620名無しさん:2021/07/10(土) 17:51:40 ID:3lU/rjIs0
強制種付けの描写、丁寧で良かったです。
次は産卵、育児、離別、そして種付けのループですねw

621タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/12(月) 22:34:58 ID:QdcIi65Y0

たねつけが終わってから、2ママさんはシクシクミィミィと泣いているだけでミィの問いかけには答えてくれませんでしたミィ

だけどゴハンはちゃんと食べてお水も全部飲んでいました。背に腹はかえられミィ
ちなみにベビちゃんにおっぱいをあげる以外の時期は、ゴハンの量はとっても少ないです。太り過ぎて、すとおるに入れなくならないようにするためだそうですミィ
太るなって言うのなら、お母さんタブンネにちゃんと運動させて欲しいものだミィ。
ポッコリしたおなかが、タブンネさんの可愛いトコロなのミ....



次の日にはミィもたねつけをやらされて、その次の日には2ママさんはニンゲンに変なニョロニョロ(聴診器)をおなかに当てられて、囲いがついている方のすとおるへ移動させてゆきましたミ。無事にタマゴができたようですミィ
嬉しいと言うのか何と言うのか....

さらにその次の日にはミィも後を追うことになりましたミィ

——

ミィの方が後に移動したにもかかわらず、2ママさんは中々タマゴが生まれませんでしたミィ

ミィや4ママちゃんも最初の頃はそうでしたが、2ママさんのおなかはそれはそれは大きくなっていましたミィ

2ママさんはずっと苦しそうに呻いていて心配でしたミが、耳を澄ますとおなかからは確かに鼓動が聞こえてきました。

相変わらず、ミィの問いかけには答えてくれません
仕方のないことミィね、酷いことが起こる上に、産卵の苦しさもあるのですミィから....

2ママさんが一体どんなトコロから、なんで、どうやってここへ来たのかとか、前のおウチではどんな暮らしをしていたのか、色々と聞いてみたいことはありました。

ミィはこのおウチで生まれて、ずうっとこのおウチで過ごしているので、おソトのおはなしを聞くのが大好きです。
なんて言うか、「しあわせ」を想像するにも何を想像して良いのかわからないのですミィ....

だけどとてもそんなコト聞けるような様子ではありませんでした。
2ママさんはおそらくしあわせな暮らしをしていたと思いますミから、思い出したら辛い気持ちになるだけだミィ

とにかくココロが壊れてしまわないか心配だったミィ。どうやら悪いタブンネさんではなさそうでしたミから

622タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/12(月) 22:38:01 ID:QdcIi65Y0

ミィの心配は杞憂だったようで、やがて2ママさんは元気を取り戻すことになります

ベビちゃんが生まれたからです

前よりもよくしゃべるようになった気がしました



....2ママ1stベビちゃん‘sが生まれる前には、これまた一悶着あったんだミィ

ミィの方が先にタマゴが生まれたから凄く心配したんだミが、2ママさんはタマゴの数が多くて、ひとつひとつがとっても大きかったものですミから、時間がかかってしまっただけでした。
最初のタマゴが生まれてから最後のタマゴが生まれるまでたしか丸一日かかった気がするミィ

2ママさんのタマゴがふたつくらい出てきた後、通りかかったニンゲンにそれを回収されたんだミが、2ママさんものすごく抵抗しましたミィ

ニンゲン
「おうおう!ようやっと生まれたか2番!そりゃそうだよなー。安くねえカネ払ってんだぞおま....てか待て。これタブンネのタマゴか!?デカ過ぎじゃね?ホントにお前が産んだ?ドラゴンとか出てこねえだろうな...」

2ママさん
「ミ゛ィーッ!ミ゛ィミィ!!ニンゲンさん!ミィのタマゴ取っちゃダメ!どうしてそんなコトするのミィ!!?ミィがあっためるの!ミィのベビちゃん...!!」

2ママさんはこれまでの様子が嘘のように、物凄い勢いでニンゲンに歯向かいましたミィ
気持ちはわかるミィ。お母さんにとって、タマゴやベビちゃんというのはとっても大事なのです

ミィ「2ママさん!落ち着いて!横になるミィ!まだおなかの中にタマゴがあるんだミィから!ころんだら割れてしまうミィ!くやミィが、今はニンゲンに従うミィ!タマゴはすぐ近くにあるミィから!落ち着いてミ!」

2ママさんはしばらく取り乱していましたが、最後はミィの言うことを聞いてくれました。
丸一日かけて8個ものタマゴを産んだ後はちょっと苦しそうにしていたミがすぐ元気になって、精一杯首を動かしてタマゴを見ようとしていました。
首が真後ろを向けるわけミィから、ほるだあのタマゴは見えないんだけどね...

623タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/12(月) 22:42:49 ID:QdcIi65Y0

やがてミィのタマゴの方が先に孵ったのですミが、ミィのベビちゃんが2ママさんの方の囲いを気にして寄って行くと、2ママさんはとっても優しくアヤしてくれました

2ママさん
「こんにちミィ、オトナリのベビちゃん♪可愛いチィチィ声ミィねえ〜。もうすぐミィのベビちゃんも産まれるんだミィ!ミィんな仲良くしてネ!ほら、ベロベロミィ〜」

ミィのベビちゃん達もみんな嬉しそうで、それはとっても微笑ましい光景でしたミィ。
改めて、2ママさんは決して悪いタブンネさんではないんだなって思いましたミィ



結構時間はかかったミが、やがて2ママさんのベビちゃんも無事に孵っていって、2ママさんは涙を流しながら、ホントに喜んでいましたミィ

2ママさん
「オオ゛ッ!ミオオオン゛オン...!なんて...!なんでガワイイんだビィッ!ミィのベビちゃんだちっ!ミィがママだビィッ!ずーっと一緒だミ゛ィよっ!ミィ〜ンミンミン!」

2ママさんが元気になってから、いつかこのおウチのコト教えてあげたほうがいいかもって考えていたのですが、そんなコトはとても言えませんでした。

いずれは離されるミィ、とか
いつかはしゅっかミィ
なんて口が裂けても言えないほど、ホントに感動的な光景で、ミィももらい泣きするほど2ママさんは喜んでいました。

——

2ママさん
「ミッミッ♪いっぱいおっぱい飲んでミィ!スクスク育つミィよ〜、ミィのベビちゃんたち♪やっぱりニンゲンさんは優しいミィねぇ〜♪こんなにたくさんのベビちゃんと一緒に過ごせるなんて!」

2ママさんは本当にすっかり元気を取り戻して、来たばかりの頃と同じようなカンジになっていきました

2ママベビちゃん‘sは孵ったばかりの時から凄く大きかったです。ニンゲン曰く母親の“えーよーじょーたい”が良いからだとか何とか。
カラダは大きくて、コエも大きくてとっても健康そうなのですが、少しアンヨを覚えることや、しゃべり始めるのが遅くて不思議に思いました。

——

「ベビちゃん達♪ニンゲンさんがゴハン持ってきてくれたミィ!みんな挨拶するミィ!」



「さあベビちゃん達、もうお日様もおねんねだからタブンネさんもおねんねミィ♪むかーしむかしのことだミィ。山に住むタブンネが、リングマと相撲をとっていましたミィ。リングマがタブンネをぶん投げると、谷底へ真っ逆さまに...」



「ベビちゃん達、ママのゴハンもワケたげるミィ♪ほーらみんな押さないで、ミフフ、おいちいミ?」



「今日はママがおウタを歌ってあげるミィ!
♪た〜ぶん〜ね〜ご〜ろし〜の〜ゲッコウガ〜♪♪...」



「どうしたミィ?眠れないミィ?ママがおはなししたげるミィ♪むかーしむかしのことだミィ。ある砂浜で、エビワラーがプロトーガを虐めていましたミィ。そこへ通りかかったタブンネタロウ、エビワラーを注意しますが、きあいパンチを喰らうと一瞬で胴体が消し飛んで....」



「ニンゲンさんがお仕事してるミィ。ミィんなでおてて振りましょミ♪そのうちきっとお名前つけてくれるミィ!ベビたちニンゲンさんに良い子だってアピールするミィよ〜♪」



.......................................

624名無しさん:2021/07/13(火) 00:59:52 ID:W/T8fcKY0
2ママがタブ舎に来た理由が気になる。リボン無くしたとか言ってたから、おそらくバースデイタブンネ・・・
①子供が受け取り拒否したので処分
②バースデイが不評で、行き場が無くなり処分
③おつむが弱く、バースデイ基準から落選により処分

625名無しさん:2021/07/13(火) 07:29:45 ID:6YaLhGZI0
>>624
③に1票w
産まれたベビの歩行や言葉が遅いってのも気になるな

しかし子守唄やお話の内容ひどいわ
よく2ママも平気で子供達に歌えるもんだ
ゲッコウガに対する風評被害じゃん

626タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/15(木) 00:32:20 ID:x5VDvSfU0

2ママさん
「ねえ、3ママさん?あのポケモンさん達は?沢山のおチビちゃんはなぜあんなに騒いでいるのミィ?みんなどこに行くのミィ?」

ミィ
「アレはダゲキってのとズルズキンってヤツですミィ。....ちょっと言いにくいですミが、彼らはあまりタブンネさんに友好的なポケモンではありまミィ。おチビちゃんがどこに行くのかは、ミィもあまり詳しくはわからないミィ」

——

2ママさん
「ねえ3ママさん?ダーリンはいつになったらこのおウチに来るのかしら?まぁちょっとお下品だったから、少し心配ミィけど」

ミィ
「だーりん?たねタブさんのことミィ?彼らはここには来ませんミィ」

——

2ママさん
「ねえ3ママさん?ベビちゃん達のお風呂はいつ入らせてもらえるミィ?みんな所々汚れちゃって汚いミィ」

ミィ
「おふろ?ベビちゃん達の汚れは、かわいそうだけどずっとそのままミィ...。ミィ達の汚れはいずれ落として貰えるミが、ちょっと乱暴な方法ですミィから、少し覚悟が必要かもですミィ」

——

....2ママさんにこのおウチの残酷さを伝えられるタイミングは何度もあったのですが、いつも言いそびれてしまったミィ
ベビちゃんが生まれて数日間、2ママさんがあまりにものんびりしたことを言うので、なんとなく心配に思ったミィ。今思えば、ベビちゃんがしゃべれない内にハッキリ言っておくべきだったかも知れないミィ...

———

2ママベビちゃん‘sが生まれて何日経ってからでしょうミか、最初の悲劇が、立て続けに起こりましたミィ

2ママさん
「ミィ....。オシャレさせてくれるのは良いんだミィけど、ベビちゃんの耳飾りセンスが悪いミィね....。可愛いリボンに変えて欲しいミィ...」

2ママさんはひとりのベビちゃんを正面に立たせてすとおる越しに抱きながら、何やらブツブツ小言を言いはじめましたミィ
ミィはちょうどおっぱいをあげている最中でその様子がよく見えていました。



ベビちゃん’s誕生以降、2ママさんはタブが変わったように、このおウチに対する文句とゆうのを言わなくなりましたミ

あんなに嫌がっていた狭いすとおるの中で精一杯体勢を変えて、はみ出すことのできる腕や脚、おクチを使って巧みにベビちゃんをアヤしていましたし、教えるまでもなくミィと同じようにおっぱいもあげて、不味いと言っていたゴハンも美味しそうに食べるし、ベビちゃんに分け与えたりもしていました。
ベビちゃんの汚れを気にしながらも、いつの間にか2ママさん自身のアンヨはウンチで汚れていました。きっと妊娠していた頃うまく後ろで用を足せず、すとおるの中でしちゃって踏んづけちゃったんだと思うミィ。来たばかりの頃の良いニオイも完全にしなくなったミィ

まぁベビちゃんが生まれたらベビちゃんに夢中になってしまうので、自分のことがあまり気にならなくなるのはミィにもよくわかるケドね...

何よりもミィが不思議に思ったのは、来たばかりの頃にもましてニンゲンを信用してるってゆうか、よくあの甘ったるいコエでニンゲンに話しかけるようになりましたミ
すとおるに閉じ込められたり、あの苦痛なたねつけを促したのもニンゲンなのに、どうしてそんな親しみを持てるのか、まったく理解ができなかったミィ

627タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/15(木) 00:35:41 ID:x5VDvSfU0

おっぱいをあげながらボンヤリと2ママさん‘s囲いを眺めていたミィでしたが、よく考えたら2ママさんの姿をハッキリ見るのは今が初めてだなって気づきました
たねつけすとおるはお母さんタブンネ同士の距離が近すぎて、逆によく見えないのですミィ

だいぶこのおウチに馴染んできてウンチ汚れがある反面、毛並みや尻尾はミィや4ママちゃんよりもうんと綺麗だなって思いました

そして2ママさんの横腹に、見覚えのあるものを発見したのですミィ!ミィのママのおなかにあったのと同じ傷、たぶんこのおウチでできたものじゃない白い傷(刃物による刺し傷)ですミィ!

....ミィはそれを見てハッとしてから、ひとつ気づいたことがありましたミィ。2ママさんがここへ来てから度々口にしていた『りぼん』って言葉です。
このおウチで生きていく上で使わない言葉なので忘れていたのですが、ミィのママが大事に尻尾にしまっていた黒いカサカサ(汚れきって劣化したバースデーリボン)、ママのママから貰った大切なお守りだってママは言っていたミが、あのお守りもたしか「りぼん」ってママが呼んでいた気がしたのです!

ミィ「ねえ2ママさん!2ママさんひょっとしてニンゲンのおウチで暮らして....

2ママさん
「うん、やっぱり可愛くないミィ!待っててベビちゃん、ママが取ったげるミィ!今度もっと可愛い耳飾りを貰おうね!」

ミィの言葉を遮るようにして、2ママさんが徐にベビちゃんの“たぐ”を掴みました

ミィ(一体何を....?まさか....ね?....)

たぐがおミミにしっかりと打ち込んであるのはチビンネちゃんが見たって明らかなことなのでそんなはずないと思っていたのですが、それは起きてしまいました

掴まれ2ママベビちゃん
「.....ミュイ?........ミチュィ....?.......」

ベビちゃんは怪訝なお顔を浮かべて鳴いていました
大好きなお母さんがそばに居て安心している反面、おミミに危険なテンションを感じて怖がっているようなカンジでした
(掴まれベビちゃんはまだ目が開いてませんでした)

ミィ「ちょっと、2ママさん⁉︎何をするつもりミ..

ビリビリ....ブチィッ!


ベビちゃん
「チュミャ゛アア゛!!ギィヤ゛ーーーアあ゛あああアア゛ーーゥッッッ.....

か弱いベビ耳が音を立てて千切れ、血と透明なお水、黄色いニュルニュルしたお水がピューピュー飛び出してきてようやっと、2ママさんも自分の過ちに気づいたようでした

2ママさん
「.....ミ...?......ミ゛ィ!?ミィッ!ミ゛ーッ!ごめんミィ!ベビちゃんだいじょぶミ⁉︎ママはただダサい耳飾り取ってあげようと....ああ゛ッ....!どうして....」

2ママベビちゃんの絶叫と異変にミィの乳飲みベビちゃんもみんな驚いて、チィチィ喚きながらミィの背中側に逃げ出しました。

ミィは空いた口が塞がらず、何も言うことができなかったミィ

「....ウビィ~....ミヂィ~......ゥゥゥ゛....ミガァァ゛....」

ドピュッ!....ピュー!....ピュー......

「『ダサい耳飾り取ってあげようと....』
じゃねーよ!」ってツッコミが頭に浮かんだミが、千切れベビちゃんの状態は笑いごとじゃない程に深刻でした。

よかれと思った行為が事故を招くことはたまに起こることかもしれませんが、いくらなんでも限度というものがありますミィ!

それまでもうっすら思わなくはなかったのですが、2ママさんはちょっと抜けているってゆうか、ハッキリ言ってしまうとおバカなんだなって思いました。
失礼ながらもっと色々注意しておくべきだったミィ

628タチワキ養タブ舎・ブリッジ、ママンネside:2021/07/15(木) 00:42:00 ID:x5VDvSfU0

2ママさんを非難する気持ちもありましたミが、起きてしまったものは仕方がミィ
とにかく千切られベビちゃんを最優先に考えなくては!

ミィ「2ママさん!決して舐めたりしてはいけないミィ!おーいニンゲン!こっち見ろ!ケガしてる子が居るミィ!」

ミィの心配をよそに、2ママさんの行動はミィの想像とは違うものでしたミィ

2ママさん
「ごめんミィごめんミィ!ベビちゃんっ!ママが“タブンネのまほう”で治してあげるミィから...!」

ポウッ...

なんと2ママさんのおててから、優しい光の玉が出てきて、ベビちゃんのおミミに降り注いだのです!

ミィはまた別の意味で、空いた口が塞がらなくなりましたミィ
それはミィのママが使っていたのと同じ、ミィがどんなに練習しても使うことのできない、紛れもない“タブンネさんの魔法”でしたミィ!

2ママさんってホントは凄いんだか何なんだか...

——

2ママさんの魔法を以ってしてもベビ耳がふっついたりすることはなかったミが、血は止まったようでイキもだいぶ落ち着いてきた頃、ふたりのニンゲンが囲いの前までやって来ました

ニンゲンA
「なんだなんだ必死になって....あーっ!耳千切れてんじゃねえか!嘘だろ⁉︎コイツひょっとして虐待ママ?ざけんなよ?虐待ママの入れ替えで買ってきたんだぞ!」

ニンゲンB
「いや待て。今癒しの波動使ってなかったか?そういやコイツポケセン配布個体の可能性高いとか何とか...」

2ママさん
「ミィッ!ニンゲンさん!ベビちゃんがおケガしちゃったのですミィ!早く手術して!...ミィッ!治してくれるのミィ⁉︎ありがとうございミィ〜ン!」

ニンゲンは2ママさんから千切れベビちゃんを引ったくると、イキを確認しているようでした

ニンゲンB
「うーん...。どう思うコレ?生後6日だっけ?結構深いぞ?赤ん坊だし抗生剤は勿体ねえからあり得んけど、一応傷薬くらい塗っとくか?」

ニンゲンA
「まあ8匹も居るしね。駄目なら駄目で別にいいと思うけどね。てか母親責じゃねえとしたら誰がやったんだ?兄弟ゲンカ?ベビンネハンター?」

ニンゲンはケガしたおミミに適当にスプレーを吹っかけると、ポケットからギラギラ(カッター)を取り出しましたミィ
ミィもすっかり忘れていたミが、男の子ベビちゃんのおマタ傷つけの為にやって来たようですミィ

千切れベビちゃん
「.....ミヒィ....ミフッ....ハッ.........ミ!ミガァーーーーーッ!!ギャギャギャミゴブバァーーーーーっ!!」

千切られベビちゃんは不幸にも男の子だったようで、おミミを千切られて数十分後にチェリンボまで取られてしまったミィ

2ママさん
「ミ゛ィーッ!ミ゛ーーッ!何するのビィッ!?ベビちゃん痛がってるビィっ!やめでっ!ベビちゃんをがえじでミィ〜ッ!!」

2ママさんはタマゴを取られた時さながら、もの凄い勢いですとおるに突進を始めました

ニンゲンB
「おーやべえやべえ!2ママちゃ〜ん。これは赤ちゃんが美味しくなるための必要な治療なんだよ〜。だから静かにしてね〜。俺たちただでさえ去勢処理苦手なんだぞ〜」

2ママさん
「“治療”!?なーんだ♪それを先に言って欲しいミィ!ベビちゃん達!ニンゲンさんの言うこと聞くミィ!治療してくれるミィって♪」

ニンゲンが何か話すと2ママさんは一瞬で翻りましたミィ。まるでコントみたいでしたミィ

ミィはニンゲンの言うことの意味がハッキリとはわからないことが多いんだけど、2ママさんは細かい意味まで理解しているようでした。やっぱりニンゲンと暮らしていたんだミィ!
それにしても、なんか都合の良い解釈をしているようにも思えるケド....

629名無しさん:2021/07/16(金) 17:46:33 ID:tHOX3Kkg0
"ベビちゃんをおいしく "
のフレーズには誰も突っ込まんのか…
まあ主役ママちゃんも
出荷の先は知らんからなぁ

630名無しさん:2021/07/16(金) 21:39:26 ID:v.QoO57A0
言葉は理解できてもその背景や機微を理解できないんだろうなぁ
3ママもたいがい頭悪いけど2ママは輪をかけて頭悪いね
そういうタブンネさんが好きだよ

631名無しさん:2021/07/17(土) 22:09:37 ID:atBDlus60
3ママ、嘘は言わないけど本当の事も言わないのなw
まあその方が後々ダメージデカくなるからGJだけど。
はたして千切られベビは呆気なく逝くのか無事出荷されるのか・・・

632名無しさん:2021/07/21(水) 19:55:12 ID:gBijU6gQ0
タブンネさんWikiでショーケースの裏側読み返してたんだけどやっぱ面白い
望み薄かもしれんが続きこないかな

633名無しさん:2021/07/22(木) 06:24:26 ID:TMCyONXA0
>>632
ショーケースあれはあれで完結されてる大作だけれど
それこそ小ママサイドの話とか番外は作れそうではあるね

634名無しさん:2021/07/25(日) 01:30:13 ID:8SJBzALI0
ユナイトでも仲良くしようねタブンネちゃん!

635名無しさん:2021/08/18(水) 23:36:55 ID:p.zNOjd60
レジェンズではまだタブンネさんの姿が見えず……
トレーナーがポケモンを直接攻撃できる仕様だったら絶対タブンネさん出してほしい
やっぱりさ、ポケモンバトルじゃなくてタブンネさんは直接殴りたいっしょ

636名無しさん:2021/08/19(木) 00:23:44 ID:ygWpoWQs0
タブンネ(ヒスイのすがた)

637名無しさん:2021/09/02(木) 20:00:35 ID:8n1swCLc0
養タブ舎のママンネsideの続きとチビンネの章マダー?

638名無しさん:2021/09/10(金) 02:46:03 ID:Qek3H.O20
ようつべの子猫動画とか見てたら
出荷じゃなくて普通に大事に飼われているのにチィチィピィピィ泣きながら必死にケージから抜け出そうとするベビンネちゃんが見たくなる
あと子供に尻尾掴まれてモフられながらか細くチーチー悲鳴あげてるの

639名無しさん:2021/09/12(日) 01:10:56 ID:GYlKYb.o0
ポケモン剣盾でタブンネ狩りしてて思うのはもっと被ダメージ描写が生々しかったらよかったなってこと
タブンネさんがきあいパンチとかコメパン喰らってグチャグチャになるところが見たい

640名無しさん:2021/09/16(木) 00:54:03 ID:CrsVDMqc0
タブ舎の更新2ヶ月止まってる…作者戻ってきて-!

641名無しさん:2021/11/15(月) 20:52:57 ID:S.zH4.2E0
今ここ見てる人います?
これまで投下された作品とトーンの違うネタがあるのですが、需要はありますか?

642名無しさん:2021/11/16(火) 22:46:12 ID:uEUWKj1Q0
ちょくちょく見てるよー
どんな作品か気になるし投下してくれたら嬉しい

643名無しさん:2021/11/17(水) 12:01:52 ID:2LwECj2M0
自分も見てます。
良かったら新作投稿お願いします。

644名無しさん:2021/11/17(水) 22:25:22 ID:HY6ExpZU0
ありがとうございます。では、投稿させて頂きます。
タイトルは「情はないけど掟はあった」です。

645情はないけど掟はあった:2021/11/17(水) 22:26:07 ID:HY6ExpZU0
TO:○○地方レンジャー協会事務所 担当者様
CC:○○地方ポケモンセンター本部 担当者様、カントーポケモン学研究所 主任研究員 オーキド・ユキナリ博士

メールにて失礼いたします。
いつもお世話になっております。1月ほど前に当○○地方の研究所分室に赴任した●●と申します。きのう確保した野生ポケモンについて通報させていただきます。
先週、地元自治体から頂きました依頼(山脈の尾根で一昨日通報があった、暴れまくるボーマンダの件です)に絡む件となります。

きのうの夕方、ボーマンダ確保後にレンジャー協会にて借り受けていたリザードンで山脈上空を飛行していたところ、リザードンが尾根の登山道上で衰弱したポケモン2体を発見、三度旋回した後で現地に降下しました。
エルレイドを繰り出し、テレパシー経由で「私の群れに来るか? もしかしたら死よりもひどい目に遭い続けるかもしれないけれど」と伝えたところ、1体は逃走、もう1体のみ同意してエルレイドに接触したため確保しております。

確保個体の調査結果は以下の通りです。

種族名:タブンネ(イッシュ地方原産)
個体情報:♀、Lv44
推定月齢:満3年6月〜4年
特性:さいせいりょく
技:なきごえ、いやしのはどう、てんしのキッス、チャームボイス
飼育歴:当個体についてはトレーナー管理個体データベース該当なし(個体管理チップ見当たらず)
近親交配の有無:あり(少なくとも直近の親世代は近親交配)

てんしのキッスは純野生では覚えない技であったため、DNA採取結果を元に再び関係各機関データベースに広汎に照会したところ、警察管轄の捜索者リスト及びイッシュ地方の管理個体データベースにて、血縁個体の該当がありました。
10年前に当○○地方で失踪した、イッシュ地方出身のA氏のタブンネです。

関係各機関においては既知かと思われますが、10年前に親族通報を受けた捜査が行われた際は、A氏が無届けでポケモン保護区から侵入して山脈の踏破を試みた説が浮上したものの、決め手を欠いていたために捜査が打ち切られていたとのことです。
またA氏が「コモルー・タブンネ・メタモンを無許可で同伴させて入国したことを遺族に密かに自慢していた」との情報について、当方は今朝になって初めて認識したのですが、この2体がつがいになって山脈で子孫を成していたとの推理が成立するところです。

ボーマンダは去勢済かつ個体管理チップ有りのため遺族に厳重注意の上で返還されるとのことですが、この確保したタブンネの扱いについては当分室の独断では決定しかねるところです。
近親交配した個体は当地もイッシュも輸送・生育共に不可ですし、借り受けたリザードンのしつけ方の問題もあります。
(また、当地では、無去勢個体の持ち込みに対する強硬論と評しますか、他地方の如き安楽死は絶対不可だと強く反対される方もおられるのは皆様御承知のところかと存じます。外来種は特にその世論が強硬であるのが現状でありますが)

当研究所本部を含めて各機関で対応を協議するにあたり、メールにて取り急ぎ情報共有させて頂きます。

646情はないけど掟はあった:2021/11/17(水) 22:35:39 ID:HY6ExpZU0
ミーちゃん達のねぐらは、岩と雪の山の中に隠れるようにあるほらあなでした。近くに崖がありました
ミーちゃんの実のおじいちゃまは、メタちゃまとタツおじいちゃまと仲がよくて、マスターの相棒でした。とおいとおい場所でヒトと一緒に住んでいて、マスターと一緒にこの場所にやって来たそうです。
他のヒトにはないしょだよってマスターに言われながら雪の季節の山に入って行った遠い昔、マスターはうっかり崖から滑り落ちてしまったそうです。
タツおじいちゃま達はたまたまマスターを下敷きにして落ちたから助かって、でも、マスターは頭の骨を折って死んでしまっていました。タツおじいちゃまは特に雪も氷も苦手だったから死にそうになって、そばで運よくほらあなを見つけて、マスターの亡骸を抱えてみんなで逃げ込んだそうです。

メタちゃまは他の生き物のこころを読むことができました。実のおじいちゃまはキスでねむらせることができて、タツおじいちゃまは戦うことができました。
ほらあなの生き物たちがどんな風に生きているのか読み取って、殺して、食べて、みんなで助け合って生きていました。ミーちゃんが生まれるずっと前からです。
実のおじいちゃまとメタちゃまは生き続ける中でつがいになって、ほらあなの中で子どもを生みました。一番初めに生まれた子がミーちゃんのおかあちゃまで、7回孵った卵の中で一番体力があって、それでいてしんちょうな性格だって言われてました。おかあちゃまの兄弟姉妹は他に3体生き延びて、ほらあなの群れから出ていきました。
このほらあなは、岩と雪の山の中では一番すごしやすい場所です。群れを続けさせることを考えて、おかあちゃまとおじいちゃまがつがいになりました。そのつがいから生まれた4回目の卵がミーちゃんです。一番上のおにいちゃまとつがいになって、卵を2回産みました。

ある日の朝、めっきり弱ったメタちゃまが年のせいで息を引き取りました。タツおじいちゃまはほらあなの中で激しく泣きわめいて、荒れ狂いながら急に大きくなりました。
灰色の素敵な身体だったおじいちゃまは突然光ると、翼を生やしながら色を変えてほらあなの天井を突き破って吠えたのです。
ここにいちゃいけないんだと思いました。このほらあなはもう住んじゃいけない。お別れもできないまま、みんな思い思いに地吹雪の吹き荒れる山を駆けまわったせいでしょう、おかあちゃま以外のみんなともはぐれて、いいねぐらも見つからない中でフラフラと雪の中をさ迷っていました。

5日くらい逃げた頃、気が付けばとても目立つ尾根の道の上にいました。何も考えたくありませんでした。
タツおじいちゃまとも違う翼の大きな生き物が目の前に降り立って、その翼から初めて見る生き物が降りました。ほらあなの中のねぐらにあったマスターの格好と同じような姿、「ヒト」だと直感しました。言い伝えのマスターとも違う、メスのヒトでしたが。
ミーちゃんは気の毒がられていました。へたり込むミーちゃん達の目の前に緑と白のお兄さんが出てきて、その考えを頭に直に教えてくれました。
私たちの群れに掟があるように、ヒトの群れにはヒトの掟があって、その掟でミーちゃんは助けられるか分からないけれど、ただ、今この瞬間死にそうな状況だけは救えるかもしれない。ただ、それから先はどうなるかこのヒトにも分からないって。この時死ねばよかったって悔やむかもしれないけれど、死ぬよりひどい目に合い続けるかもしれないけれど、それでもよければヒトの群れにおいで、って。

このヒトは、優しくはないけれど正直だって思いました。おかあちゃまは弱った身でも怖がって、一目散に逃げていって雪の向こうに消えました。
迷って、迷って、ミーちゃんは緑と白のお兄さんの腕の中にうずもれたんです。「ほかのヒトには存在を知られちゃいけないよ」っていうのは、マスターが言い遺したっていう群れの掟だったけど、でも、今、とっても苦しいのは間違いなかったから……。

(続く)

647情はないけど掟はあった:2021/11/17(水) 22:50:52 ID:HY6ExpZU0
>>646
すいません、以下の箇所はミスです。
× 実のおじいちゃまはキスでねむらせることができて、
〇 実のおじいちゃまはキスでこんらんさせることができて、

てんしのキッスは眠り技じゃなくてこんらん技でした……。

648名無しさん:2021/11/18(木) 22:34:34 ID:gyVPNVSo0

確かにあんまり見たことない切り口の作品だね
これからタブンネさんがどんな一生を送るか楽しみにしてる

649情はないけど掟はあった:2021/11/18(木) 22:54:36 ID:gE2qrRp20
「最初は新種のポケモンではないかと思っていました。図鑑が『タブンネ』だと判定した時は、正直申し上げまして、とても驚きました。何故にイッシュのポケモンがここに住んでいるのかと」

パソコンの画面上で何人かがうなづいた。「でしょうね」なんてつぶやきも聞こえた気がする。

あの雪の登山道で見つけた子が完全な新種ならベストだった。新種でなくとも生息地域の新発見であればベターだった。この研究所分室で、研究名目で可愛がられるから。
真相はどちらでもなくて、それどころか想定の斜め上だった。無許可で持ち込まれていた外来種の子孫、それも近親関係で生まれた子で。この地域どころかカントーでさえ安楽死一直線の個体である。いや、カントーで起きた事象ならまだ精神的には負荷は軽かったかもしれない。即座に薬殺で処理完了だ。それでも精神的負荷はゼロだとは思わないけれど、まだマシだ。
……もっとも、そんなことは思うだけで口には出すまい。立場を自覚してない甘ちゃんだって非難されるのが分かってるからだ。

年の大半が吹雪いているか、そうでなければあられが降っているような岩と雪の山脈に囲まれた土地。その中で相対的にマシな小さな盆地にへばりつくように、ヒトは集落を作って古くから生きてきた。ちょっと昔までは交通の便も悲惨な場所で、何とかして生きてきたような場所だった。
ポケモンとヒトの関係はカントーやシンオウとは異なるもので、よく言えば独特で、悪く言えば排他的とも言えた。普段からあまりにも実りに乏しい土地なのだ。うっかりすればヒト共々飢えかねない環境は、当然の帰結としてひどく厳しい規則を生んだと思われる。

規則その1、ヒトは山脈の生態系を乱してはいけない。特定の種が増えすぎたり減ったりし過ぎると、結果的にヒトの暮らしに響くから。
規則その2、ヒトに飼われるポケモンは、その生死と繁殖の一切を飼い主たるヒトに委ねるものとする。繁殖のしすぎは飢餓に直結するから。
規則その3、山脈から降りてきてヒトの領分を犯したポケモンは、その生命を以ってヒトに償うものとする。そうでもしなければヒトが死ぬ。
規則その4、ヒトは山脈にむやみに入り込んではいけない。どうしても入山する場合は各山で整備された登山道を行くこと、そこを外れた者は自殺者とみなす。
規則その5、ヒトは山脈のポケモンをむやみに食べてはいけない。ただし、明らかに死にかけている個体は、発見者のポケモンの生き餌にしてもいい。繁殖も譲渡も不可。一冬一個体に限り、うっぷん晴らしの的にして虐めても構わない。

他の地方で議論の的になるのは特に5つ目の規則だろう。近年になって交通の便が発達し、ゆるやかにだが意識が変わりつつあった。もっとも、生き餌以外にも研究用途でポケモンを確保することが許されるようになったのはつい最近で、今から2ヶ月くらい前の話だ。先月この地に研究所の分室が開設されたのも、当然、この規則変更に基づく。

この地方の法制度が今の仕組みになった何十年も前から、あの雪の山脈は「ポケモンの保護区」だった。言うまでもなく他所からのポケモンの持ち込みは厳しく規制されている。
10年前に無許可で入り込んで勝手に遭難死したA氏に対して、この地の世論は滅茶苦茶に厳しい。亡くなった人だから本人には言えないが、「何で外来ポケモンを繁殖させてるんだバカ!」的な罵倒は、普通に世間話の愚痴で言われる。
新しい研究所の分室に勤める余所者の女は、愚痴の向け先としてちょうどいいらしかった。何しろその余所者がタブンネを最初に確保したのだから、地元の人は余計に愚痴りたくなるらしい。

「●●さん、そのタブンネは一通りの調査が完了次第うちに引き渡しをお願いします。スケジュール感が固まり次第、メールで構いませんので御一報下さいね」

レンジャー協会の会長は、画面越しにそう言った。言い分は正しい。
タブンネを見つけたのは正確に言えばレンジャー協会から借りたリザードンだった。あの雪の登山道でルール通りに3回旋回、逃げなかった個体は死にかけと判定して降下、事前のルール通りに念話でどうしたいかを聞いて、それでも来た個体を連れてきた。
新種ならばこの分室で研究用にする、さもなければ発見者(この場合はレンジャー協会)の所有物。レンジャー協会は地元の人達の集まりだ。当然にリザードンの生き餌にするだろう。

パソコンのディスプレイは何分割かされている。そのうちの1つは研究所の本所で、会議に参加しているオーキド・ユキナリ主任の顔は、あえて言えば若干引きつってる気がした。カメラの映り方の問題かもしれないが。
主任は知っているのだ。この分所で合法的に飼ってるエルレイドがこっそり教えてくれたこと。

――あの子は、ほんとうにリザードンにあげちゃうんですか? リザードンはあの子に欲情してますよ? 子どもができるような組み合わせでもないのに。

650情はないけど掟はあった:2021/11/18(木) 22:55:23 ID:gE2qrRp20
ヒトのねぐらは、あのほら穴とも山の中とも違って、屋根も壁も真っすぐで、聞いたことがない音と、嗅いだことがない匂いがしていました。
食べたこともない美味しい食べ物を食べて、温かい場所で静かに眠れて、あの尾根の道で出会ったヒトのお姉さんの下でとても安らかに過ごせたんです。2日間だけは。

エルレイドのお兄さんにふわふわ浮かせてもらいながら、広い広い世界のかたちを教えてもらいました。
北のあの辺りがマスターが落ちた崖とミーちゃんの昔のねぐら、タツおじいちゃまが飛び回ってヒトに捕まったのがあの辺り、ミーちゃんがお姉さんと会ったのはあの辺り。真反対の南の山脈を飛び越えて遠くに遠くに行ったらカントーという土地に出て、ずっと南に行ったらクチバという土地がある。マスターはクチバに上陸した後、山を越えてこの土地にやって来た。

――あなた達の存在そのものが掟破りだった。マスターは山に入るべきではなかったし、ほら穴の中でつがうべきでもなかった。

ヒトのお姉さんも、エルレイドのお兄さんも、静かに教えてくれました。

――山もヒトも生き物も、優しくはないけど掟はある。長く生き続けるための掟が。
  山の外から血筋が混ざってはいけなかったんだ。あの山でよそから来た者がつがうこと、増えること、生きるために殺すこと、どれも掟を破ることだった。だからあなた達の親も子もこれから殺される。よそ者の血がこれ以上増えないように。

――待って。ミーちゃんはそんな掟知らない!

――そうだね。でもマスターは知っていたはずなんだ。ヒトの世界では大切な掟だったから。あなた達にそうしたことを何も教えず、掟を破らせたマスターがいちばん悪い。
  ただ、私達にはあなたは救えない。ヒトだってここで生きる限り掟は破れないから。破ったら私達が食い詰める。

お姉さんも、エルレイドのお兄さんも、正直でした。優しくないけど正直でした。ミーちゃんを気の毒がりながら金縛りをかけて、浮かせて、ねぐらの外へ。
気の毒がっていたのは分かっていたから動けませんでした。こいつに逃げられたら俺達が困るなぁって、エルレイドのお兄さんが考えていたのも分かりました。それで頭の上にミーちゃんを浮かせながら、お姉さんの言葉を教えてくれました。

――違う場所で違うように生まれ育ったのなら、こことは違う幸せを感じられたかもしれないね。
  あなたはこれからあのリザードンのものだ。それがここの掟。冬の間のうっぷん晴らしに使うって。たぶん、あなたがここをこうして見るのは最初で最後だ。

嗅いだ事の無い香り、見たことのない街並み、変わらない雪の空、山々。地面に下ろしてはもらえなかったけれど、眼に焼き付けるように嗅いで、見て、感じて。
おじいちゃんが語っていたことを思い出しました。マスターが生きていた時はずっと良い暮らしだった、良いものも食べてた、ヒトの恵みのおこぼれだったけれど、ほら穴とは違うもの。ヒトの群れが長い間をかけて創り上げたもの。

――なあ、隣の俺の主には内緒ってことにしてくれ。あのリザードン、とんでもない性格してるぞ。
  こっそり心を壊してあげようか? 何もかもを忘れて、何も感じない心になるように。ここのヒト達はな、ただメシさえ食わせておけば何したって構わないってフツーに思ってるんだぜ?

迷いました。あの雪の道で質問された時はフラフラで夢中だったけれど、今は違います。考えて、考えて、決めたことをただ念じました。

――ありがとう。でも、ミーちゃんはミーちゃんのままでいさせて。死ぬよりひどい目に合い続けるかもしれないって教えてくれて、それでも良いってミーちゃんが考えたことだから。
  それに、生まれたことが掟破りだったっていうのなら、それで怒られるのも仕方ないって思うから。

――そうかい。「まじめ」で「かんがえごとがおおい」奴は、こういう時には損だな。

(続)

651情はないけど掟はあった:2021/11/19(金) 00:04:46 ID:BbzG.3020
>>648
乙ありです。
切り口が独特なのは自覚しています。
読んだ時にどう感じたか、折をみて教えて頂けましたら嬉しいです。

652情はないけど掟はあった:2021/11/19(金) 23:02:00 ID:BbzG.3020

――この先どうなるかは私にも分からない。後から振り返った時、今この山で死ねばよかったって悔やむかもしれないけれど、死ぬよりひどい目に合い続けるかもしれないけれど、それでもよければヒトの群れにおいで。

そんなのはイヤ! 我に返った時、叫びながら尾根から逃げ出してしまっていました。
ミーちゃんはいません。横にいた大事な娘。雪の山の中で辛うじてはぐれずに一緒にいた、かけがえのない存在。さっきまで座り込んでいた尾根を見上げます。見えにくいけれど音ははっきり聞こえていました。抱えられて飛び立っていくらしい大きな翼を見上げるしかありませんでした。

何故わたしは逃げてしまったのでしょう。娘と離れたことなんて一度もないのに。ひどい目に合うのが怖くて逃げて、それで一匹ぽっちです。なおさら怖くなるのは当たり前なのに。
夕闇迫る中で、風も雪も強く吹き荒れます。山は温かみの全くない、冷たいだけの世界でした。5日間ねぐらがなく弱った身体には堪えます。

ズシャッ!

突然、ほっぺたに鋭い痛みがありました。視界の中で血が舞います。
斜め後ろにニューラさんが2匹いました。いつの間にか近づいてきたのでしょう。どちらも爪を振り回しながらニタニタ笑っていました。振りほどくわたしの腕に噛みつき、あっという間に引き倒されて、更にお腹に爪を振るわれるところまでは覚えています。


「コイツすげえ回復するねぇ。アンちゃんっ」「ほんとだぁ〜」

気が付いたとき、かつてのねぐらとも違う岩穴にいました。ニューラさん達が面白がりながら、横たわった私をつついて馬鹿にしていました。
腕と脚が猛烈に痛みます。どちらも一本ずつ無くなっていました。目の前でニヤニヤしたニューラさん達が美味しそうにかじり付いて見せびらかしてきました。
雪の山は一切気が抜けない世界ですから、弱った姿で気を抜いた方が悪いのです。食べられて生涯が終わるのだろうと思いました。いじめ倒されてここで生命が尽きるのだと。

下手に体力のある身体がアダになりました。岩場の中で、いたぶられながら少しずつ少しずつ食べられていったのです。

653情はないけど掟はあった:2021/11/19(金) 23:04:02 ID:BbzG.3020
レンジャー協会の事務所に、リザードンが降り立った。先日借りたのとは違う個体だ。背にレンジャーを載せ、爪にロープを握っていた。ロープの先端は薄赤い物体だ。目の前にどさりと下ろされる。

「さっそく1体確保しました。まだ息あるようですんで、そっちの分室で鑑定をお願いできます? こないだの協議通り、血縁鑑定と、できれば過去の動きを追跡できれば」

リザードンが運んでいたのは逆さ吊りのタブンネ。ひどく汚れていて、血だらけで打ちのめされているが意識はある。辛うじて息があるという程度だが。

――おかあちゃま!! おかあちゃま!!

エルレイドの上でタブンネが震えた。エルレイドは器用に片手のねんりきで浮かせながら封じ込み、もう片方の手で私の手を握る。

――ちょっと暴れないで黙ってて。ただ知りたいことを念じて。あなたが知りたいことを私が聞き出して、教えてあげるから。

――ごめんなさいっ!! えっと、何があったの? 死んじゃうのっ!?

「……血縁は大丈夫ですけど、記憶の方は1日で済むかどうかも含めてちょっと明言いたしかねますね」

右脚、左腕、右耳いずれも根元から欠損、ついでに言えば尾も無い。意識不明で出血多数。ヒトがつけた傷ではないだろう。おそらく小型のポケモンに食われたか千切られた辺りか。

――生きるかどうかは分からない、やるだけのことはやるけれど。でも命をつないだとしても最期は生き餌という掟だ。生きているうちにあなたと話せるどうかも分からない。それは分っておいて。

――あっ……。

「今の技術上、メンタルが壊れてると記憶の鑑定は無理ですので、それも御了解頂けますでしょうか? こういう状態ですと、生きてるかどうかも含めて一か八かになると思います。あと、事後で構いませんのでメールの方で申請書の提出もお願いします」

「そうですかぁ。よろしくお願いします。申請は出しますので」

「この傷はなかなかキツいですね。記憶の解析の都合でお伺いしたいのですが、どんな状況で見つかったんです?」

「最初の1体が見つかった尾根の割と近くですよ。複数のニューラに嬲られてました。うちのウィンディが見つけたんです」

――あなたとはぐれてから、割と近い場所で何体かのニューラにやられていたらしい。よく生きていたものだね。

「ところで、こいつも含めたタブンネ達の駆除後の扱いですけど、今回の騒動が一段落したら、生き餌にする以外にもここの事務所で食べちまおうという話が出てるの、知ってます? 外来種の繁殖って村が襲われるのと同じくらいキツいことですんでね。伝統に従って茹でて食っちまえって主張する奴がいるんですよ。うちの事務所に」

(続)

654情はないけど掟はあった:2021/11/19(金) 23:06:33 ID:BbzG.3020
>>653
誤字がありました。
× 意識不明で出血多数。ヒトがつけた傷ではないだろう。
〇 意識不明瞭で出血多数。ヒトがつけた傷ではないだろう。

655情はないけど掟はあった:2021/11/21(日) 21:57:09 ID:G6a1qewY0

「生態系を乱すことは禁忌」で、かつ「登山道を除いてはヒトがうろつくことが禁忌」である山脈で、「登山道以外の場所に外来ポケモンが繁殖していた」事が判明した場合、ヒトはどうするべきか。
生態系維持のために駆除が必要だが、さりとて登山道ではない奥深くに不用意に分け入るのはそれもマズい。解は、「熟練した地元のレンジャーが、細心の注意の上で山に入る」。
いつもは登山道の安全確保を主として動いているレンジャーの方々が、こういう処置を選ぶというのは特別なことだ。死と隣り合わせの世界に踏み入れる事だと表現する方もいる。世論として仕方ないとは許容されている。レンジャー協会が貸し出しているリザードンが普段は登山道の上しか飛行しないというのも、こうした考え方からすればもっともなことだった。

10年前に無許可で山に入ったA氏は、自らの意思で登山道を外れたらしい。生前、故郷の家族にだけは自慢していた。
そして登山道から見えない場所で崖から落ちて即死、連れていたコモルーとメタモンとタブンネだけが生き延びた。元々タツベイ時代に去勢されていたコモルーは繁殖しようがなかったが、メタモンとタブンネは繁殖可能な身体だった。
最初の3匹のポケモンのうちタブンネは昨年のうちに寿命で死亡、メタモンが次いで最近死亡、コモルーはメタモンの死と進化のタイミングが重なってボーマンダの身体で狂乱してしまい、理性がやられた状態で動き回って、登山道付近に出没した。こおりタイプが苦手なドラゴンポケモンが、10年間も雪山の中で食糧事情の劣悪な状況で過ごし続けたのだ。むしろ10年も正気だったのが不思議だった話だ。

レンジャーの方々は、3人がかりで天井がだいぶ崩落したほら穴に踏み込んだ。
無防備に入った訳ではない。ゲンガーとルージュラとユキノオーを繰り出し、中のポケモンを全て眠らせたという。「さいみんじゅつ」と「うたう」と「くさぶえ」を5分間重ねがけ続ければ大体のポケモンはまず眠る。レンジャーの経験則だった。
雪が吹き込まない最奥の場所に、ヒトの男性の全身の骨と、雪山登山の道具の残骸があった。A氏の遺体と遺品だ。他には、ひとつ残らず割れたタマゴの残骸と、タブンネの骨と、巣穴の跡。さらに生きたマニューラ1体とニューラ4体が眠っていた。
念入りに見分を終えて生きたタブンネがいないことを確認した後、レンジャーの方々は出せるポケモンを全てボールから出した上で、マニューラ達を叩き起こしたという。
マニューラを頂点とする野生の群れ5体vs(相性的に不利な個体を含むとしても)強大なポケモン10体以上。さらにほら穴の外ではリザードン3体が堂々と主を待っていた。表面上は笑顔でも半ば力の差で恫喝するようにやり取りを交わし、「A氏の身体と残った遺品、タブンネ達の残骸をほら穴から持ち出す」というヒトとポケモンの交渉は成立した。

なお、レンジャーの方々がマニューラを叩き起こす直前には、ほら穴の出入り口に集音機材を固定していた。
一見すると岩に見えるそれは、頑丈で、電源がなくとも1月ほど稼働するタイプだ。電波類は飛ばさないタイプなので1月後にはまた回収に赴かなければいけないが、回収後には研究所の分室でタブンネの鳴き声の有無を徹底的に分析することになっている。
ニューラ達が巣くってしまった上、仮にニューラ達が居なくなったとしても鳴き声をキャッチされたらヒトが来る。もはやほら穴は、タブンネという種の寝床としては成立しないようになっていた。

656情はないけど掟はあった:2021/11/21(日) 22:00:09 ID:G6a1qewY0
TO:○○地方レンジャー協会事務所 担当者様
CC:○○地方ポケモンセンター本部 担当者様、カントーポケモン学研究所 主任研究員 オーキド・ユキナリ博士

メールにて失礼いたします。
いつもお世話になっております。○○地方研究所分室の●●です。

現在各機関にて対応中のタブンネの件につきまして御報告致します。当分室宛に鑑定依頼ありましたタブンネ(生体2体目、遺体1〜5体目、タマゴ1〜3個目)の件です。

まず、生体2体目の調査結果は以下の通りです。

管理番号:№2
個体情報:♀、Lv53
推定月齢:満9年〜9年6月
特性:さいせいりょく
技:なかまづくり、いのちのしずく、てんしのキッス、チャームボイス
飼育歴:当個体についてはトレーナー管理個体データベース該当なし(個体管理チップ見当たらず)
血縁関係:(A氏のメタモンとタブンネを第1世代とする)第2世代目
特記事項:精神面の傷が大きく記憶探知不可、尾、右脚、左腕、右耳欠損。
№1の確保直前まで共に雪山にいた(エルレイドに打診された際に逃げ出した)個体と思われます。確保時には「複数のニューラになぶられていた」との確保者の証言有り。
身体の欠損はニューラに捕食されたものみて矛盾しません。「さいせいりょく」のとくせいにより体力が比較的維持されたため、長期にわたりニューラに害されたと推測されます。
レンジャー協会の強い要望により身体の最低限の治療後に引き渡し予定です。


また、遺体1〜5体目の調査結果は以下の通りです。

管理番号:№3
個体情報:♂
推定月齢:6年〜6年6月
血縁関係:第3世代目と推定。母:№2 父:第1世代のタブンネ
特記事項:A氏の遺体があったほら穴にて発見。発見時はほぼ骨のみ。研究所に持ち込まれた時点で死後3〜4日経過。ボーマンダの狂乱後に一旦ほら穴に戻ってきたものの、その後マニューラに襲われたものとみて矛盾しません。

管理番号:№4
個体情報:♀
推定月齢:3年〜3年6月
血縁関係:第3世代目と推定。母:№2 父:第1世代のタブンネ
特記事項:№3と同じ

管理番号:№5
個体情報:♀
推定月齢:1年〜1年6月
血縁関係:第4世代目と推定。母:№1 父:№3
特記事項:№3と同じ

管理番号:№6
個体情報:♀
推定月齢:1年〜1年6月
血縁関係:第4世代目と推定。母:№4 父:未発見個体(第3世代のタブンネ)
特記事項:№3と同じ

管理番号:№7
個体情報:♀
推定月齢:1年〜1年6月
血縁関係:第4代目と推定。母:№4 父:未発見個体(第3世代のタブンネ)
特記事項:№3と同じ

タマゴ1〜3個目の調査結果は以下の通りです。

管理番号:№8
個体情報:♂
血縁関係:第4世代目。母:№1 父:№3
特記事項:A氏の遺体があったほら穴にて発見。発見時は卵殻のみ。マニューラに捕食されたものとみて矛盾しません。

管理番号:№9
個体情報:♀
血縁関係:第4世代目。母:№1 父:№3
特記事項:№8と同じ。

管理番号:№10
個体情報:♀
血縁関係:第4世代目。母:№4 父:未発見個体(第3世代のタブンネ)
特記事項:№8と同じ。

以上、御報告致します。

なお、№1の記憶の分析情報に基づくと、ほかにタブンネの未発見個体が山で生存している可能性が十分あります。

・ボーマンダが狂乱状態になる前にひとり立ちした個体:第2世代が3体、第3世代が5体程度か。
・ボーマンダが狂乱状態になった際に逃げ出した個体:第3世代が最低2体、第4世代が最低5体。

現状、山の中でタブンネと繁殖可能な種は未発見ですが、近親交配の上で繁殖した個体が山の中で生きている可能性は否定できません。

(続)

657情はないけど掟はあった:2021/11/21(日) 22:10:51 ID:G6a1qewY0
なお、№1と№3の間の繁殖状況に関しては、№1により、「タマゴを計2回4個産み、うち初回の1個は無精卵だった」との情報がありました。
№5・№8・№9が所生の子とタマゴであると思われ、この組による子孫は駆除されたものと思われます。

イッシュ地方の文献と比してだいぶ繁殖・生育ペースが劣る状況です。栄養状況を鑑みハイペースでの繁殖は難しい状況であったと推測が成り立つところです。

(続)

658名無しさん:2021/11/22(月) 06:21:58 ID:y.X/A0BQ0
投稿乙
生き残ったミーちゃんのその後も楽しみなんだけど、
生態環境の話とか思いの他ガチな内容でお話としても続きが楽しみ

659情はないけど掟はあった:2021/11/23(火) 19:34:18 ID:DAJzSu1g0

山脈の生態系は独特だった。
氷タイプではムチュール系・ニューラ系・ウリムー系の繁殖が確認されており、その氷ポケモンを狙う炎タイプとしてヒトカゲ系・ガーディ系も繁殖している。
意外なことにヨーギラス系もいる。ジョウトやカントーでの主食は土だが、ここの地方では多少硬い岩でも何でもないように消化するらしい。水や氷に弱いのは他地方と変わらず、サナギラスの頃までは地中で生きている。運よくバンギラスに進化できた個体のみ地上に掘り出てくることがあり、掘り出た跡が穴になったり崖になったりして、雪に隠れて天然の落とし穴になったり、がけ崩れや雪崩の原因になったりする。
山の雪解け水は北の方から低地に流れを形成し、凍ったり解けたりを繰り返しながら盆地に流れ込み、一本の川になる。川は盆地を突っ切り、南の山脈の切れ目を通って、カントー方面に繋がる深く険しい渓谷を流れ抜けていく。
この川の中では、コイキング系やニョロモ系が(他地方の川と比べて多いわけではないが)いることにはいる。川の流域にはイーブイ系も繁殖している。イーブイの進化先はおおよそグレイシアで、たまにシャワーズだ。北の山脈の上の方では、地面を掘り出した時にたまに「こおりのいし」が出るし、川の底にはたまに「みずのいし」が転がっている。運のいいイーブイやニョロゾがこうしたものに触れるらしかった。
盆地を囲む山々でも、場所によっては地質と生態系の微妙な違いがある。南側の渓谷の両岸では質のイマイチな亜炭の層が露出しているが、その辺りでは炎ポケモンは出てこない。地元のヒトが焚き付けにするくらいの使い道しかないが、下手に炎を出すと出した個体ごとえらい事になりかねないと本能的に忌避されているらしい。

明確な食物連鎖の頂点となる種がこれだとは言えない山の環境で、それぞれ喰う喰われる関係性を持ちながら、微妙な食物連鎖が成立していた。
コイキング以外の全てポケモンが、タイプ上で不利な相手に対しても一度は攻撃できるような有効な技を遺伝したり、成長で身に着けたりしている。山の中の生存競争は熾烈で、たとえ二段階進化した個体であっても、極限まで食い詰めてしまえば駄目元で人里に降りてくる。
ヒトが畑で育てているのは、主に、きのみ・芋・雑穀。地質に恵まれない地域であっても何とか育てられるものを、懸命に育てて生きてきたのだ。畑に手を出せば怒り心頭のヒトに確保される。
水と焚き付けは取り合えず困らない土地柄ゆえ、そうしたポケモンは即座に生きたまま茹で上げられて生命が終わる。「食べられる部分は全て胃袋に入れる」という表現そのままに(ヨーギラスのわずかな筋肉でさえ)最大限栄養になり、食べきれない部分も余すところなく利用されるのがオチだった。

660情はないけど掟はあった:2021/11/23(火) 19:35:08 ID:DAJzSu1g0
「骨も提供してほしいという依頼は初めてでした。聞いてはいましたが、ここの方々は食糧にされるんですね」「そりゃあ食べられますからね」

レンジャー協会の事務所の庭先、大鍋がかまどの火の上で鎮座していた。まだ中身は水だけだが、煮えてきていて湯気が激しい。
セメントの床に敷いたブルーシートには、5体分のタブンネの骨が並んでいる。分室での鑑定後にここに引き渡され、綺麗に洗浄を終えていた。
骨は何もしなければ食用にはならないが、何時間も煮れば溶け切って出汁が取れるしスープになる。そこそこ美味しいらしい。近くのヒト達に振舞うことになっている。定期的にやっていることだという。

ブルーシートの上のひときわ大きな頭骨に棒が振り上げられる。かなり硬かったはずの♂の骨はいとも簡単に砕けた。ある程度粉々になってから鍋に突っ込むとかどうとか。

研究者に連れられたエルレイドは、黙ったまますぐそばの金網に視線を向ける。先日引き渡したあのタブンネは網にしがみ付いて骨を凝視していた。首輪を鎖でつながれて全身ボロボロだ。案の定、リザードンに手酷い目に遭っているらしい。そのリザードンは今は不在だ。つい先ほどタブンネの群れの捜索に大張り切りで飛んで出て行った。
つがいも子も、全員がねぐらでニャースにやられて死んでいた。どれほど抵抗したのかは知りようがなく、ヒトは骨しか手にしていない。そのことを主に独断で密かにテレパシーで告げた時、タブンネの心は波打った。波打ったが、筋道だった思考の発露は今のところ無い。
そういえば母親がどうなったのか話したこともなかった。あの母親の身体はともあれ心は壊れ切っていて、ここでただ喰われて終わるらしい。エサも水も摂れないのだから、早々にそうせざるを得ないだろう。主は見切りをつけている。明日辺りにはここに運ばれるはずだ。

棒は容赦なく次々と骨を打ち据えていく。「かんがえごとがおおい」あのタブンネは、何も言わず涙も流さずにヒトの作業をじっと見ていた。

(続)

661情はないけど掟はあった:2021/11/23(火) 19:38:59 ID:DAJzSu1g0
>>658
乙ありです。設定を考え始めたら止まらなくなりました。それらしく説得性があれば幸いです。
次回以降ミーちゃんサイドのお話(レンジャー協会であったこと)です。

662情はないけど掟はあった:2021/11/23(火) 21:26:06 ID:DAJzSu1g0
>>660 誤字がありました。たびたびすいません。

× つがいも子も、全員がねぐらでニャースにやられて死んでいた。
〇 つがいも子も、全員がねぐらでマニューラ達にやられて死んでいた。
雪山にはニャースは出ないです……

663名無しさん:2021/11/24(水) 12:12:05 ID:DeUQeMgE0
投稿ありがとうございます。
この先はブイズも登場するのでしょうか?
リザードンとタブンネの話も見てみたいです。

664情はないけど掟はあった:2021/11/24(水) 23:13:01 ID:Uv/Zr7NY0
――あなたとはぐれてから、割と近い場所で何体かのニューラにやられていたらしい。よく生きていたものだね。
  これから私の住まいに連れて帰る。運が良ければもう一度会えるかもしれないね、ここで。でも期待はしないで。身体が生きて治ったとしても、心が死ねば何もできない。ひどい目に遭い続ければ、生き物はたまにそうなる。

――おかあちゃま、体力は強いから。

――あなたの母だけでなく、あなたも同じだよ。身体が生きていても、心が死ねば何もできない。それはヒトも生き物も同じこと。あなたの身体や心でも同じことだ。そうではないかな。

ミーちゃんはゆっくりと下ろされて、代わりにおかあちゃまがエルレイドのお兄さんの上に浮き上がりました。
それを見る暇も無く、ヒトのお姉さんとも違う、ヒトの太い腕が荒っぽくミーちゃんの首に巻き付いてきて、感じたことのない重く冷たいモノが喉を締めました。
ミーちゃんの触覚がこのヒトの思いに触れました。おかあちゃまとは真反対の方向に連れて行きたいようです。隙あらば乱暴に蹴り飛ばしたいような心持ちのヒト。覚悟していたはずなのに、ミーちゃんは縮こまった心で従うしかありませんでした。

665情はないけど掟はあった:2021/11/24(水) 23:16:04 ID:Uv/Zr7NY0
「毎年のことだけどやっべえな、アイツ」

そのレンジャーは、半ば笑い半ば感嘆するようにガラス窓の外のリザードンを指した。1つ年下の後輩レンジャーが呆れながら同意する。

「アイツ、冬になるとああなりますもんねぇ」

肥えた個体が好みらしい奴だった。そういう体型の野生ポケモンと雪山で触れることはそうそうないが、まれに出会うと目の色を輝かせるし、飛び方もえらく生き生きするのでレンジャー協会でも有名だ。タブンネの丸々した体型はそういう好みのリザードンにはたまらないだろうと関係者の誰もに予想されていたし、実際予想通りだった。

この地の古くからの掟には、『雪山で明らかに死にかけている個体は、発見者のポケモンの生き餌にしてもいい。繁殖も譲渡も駄目だが、一冬一個体に限り、虐めの的にして構わない』というものがある。
冬の始まりのこの時季に雪山でこうした個体を見つけて、被虐対象としてこんな♀があてがわれたことは、リザードンにしては本当に喜びの極地だろう。
発見以来とんでもなくうずうずしていた思いは存分に発散されている。協会敷地の、とりあえず他所からは見えない(事務所の窓からは丸見えの)庭の奥で。

リザードンは図鑑に載っている背丈(1.7m)よりもやや大きい形で育っていたし、タブンネは栄養状態が悪かったためか、逆に図鑑に記載された背丈(1.1m)よりもやや小さい。
タブンネが鎖で金網に繋がれた時、倍ぐらいの身長差と、倍どころではない重量差で圧倒されながら震えていた。リザードンはお行儀よくレンジャーが庭から去るまで待っていて、去った瞬間に本性丸出しで襲い掛かったのだった。

まず「かわらわり」を繰り出した。ノーマルタイプのポケモンに格闘技はよく効くようで、タブンネは、あの真新しい分室で唯一の技として残された「なきごえ」を1発だけ上げて失神している。セメントの床の上にリザードンは座り込み、脱力したタブンネを自らの股の上に抱え上げたのだ。
タブンネが意識を取り戻した時の痛みはとんでもなかっただろう。種族が違いすぎ繁殖できない組み合わせで、本来は考えられない大きさのものを突っ込まれ続けているのだから。リザードンの腕の中でちょっとした悲鳴を上げるなり、リザードンは余計にヒートアップした。幾度目かの繰り返しで学習したのか体力が尽きたのか、もはやタブンネは声も上げない。
今は、あられのちらつく中で金網に押し付けられている。挿さったまま覆いかぶさられるのは、それはそれでしんどいだろうと思い、レンジャーは半笑いになる。

少し前まで、あてがわれたポケモンはまさしく見つけたポケモンのものだった。ヒトが干渉することはなく、冬を越せずにすぐ死んでいた。
エサだけは出すようになったのが、5年前だ。
他地方との交流による意識の変化もあるが、一因はこのリザードンにもある。あまりにも激しすぎて1日で潰してしまった例が3年連続したからだ。もっとも、許される時だけはとんでもなく気性が荒れるというだけで、ヒトの示した規範は厳守しているし、普段の働きぶりもレンジャー事務所では一番優れていると言って良い。そのためレンジャー協会の会長にいたく気に入れており、「さすがにもったいないから、もうちょっと生かすようにするかね? 他所の地方のフーズも普通に買える世の中だしな」の鶴の一声で、エサの配給が解禁された。

一応の外聞があるから表からは見えないが、レンジャーではなくても皆知っていた。このタブンネのように泣こうが血を出そうが絶望に苛まれようが、それは掟に従ったものだとヒトもポケモンも理解していたし、この地で生きるための当然かつ最小限の犠牲だと考えていた。
こんな生贄がなければ、あの山を飛んでヒトのために戦う過酷な日々は、間違いなく絶対に割に合わないのだ。

(続)

666情はないけど掟はあった:2021/11/24(水) 23:17:10 ID:Uv/Zr7NY0
>>663
リザードンとタブンネの関係を書いてみました。今はこんな感じです。今後も視線を変えてこの2匹を描写できればとは思っています。
ブイズはどうでしょう。話の筋次第では出せるかもしれませんし、アイディアはあるのですが、この掲示板の場所柄、タブンネの絡まない更新はできるだけ避けたいところです。

667名無しさん:2021/11/26(金) 12:33:27 ID:/0hWa88w0
お応えいただきありがとうございます。
冬の間のうっぷん晴らしってそういう意味でしたか(すみません。649の最後、三行見落としてました)
これはこれで楽しみです。

ブイズの方は山に棲む個体が登場したら嬉しいと思っただけですので、お気になさらないでくださいね。




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