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酒の勢いで俺が適当にSS書いてみるスレ

1名無しさん:2009/10/14(水) 23:31:13
ソル「・・・・・・」

カイ「・・・・・・」

ソル「で、だ」

カイ「で、なんでしょう?」

ソル「SSの書き方ってのを教えてくれ」

カイ「・・・・・・」

793名無しさん:2011/12/09(金) 05:07:48
ホテルに戻る。

「疲れたぁ」
「ウチもヘトヘトです・・・」
「あんたら、朝から何やってんだい」
「あ、おはよー二人共」
「・・・おはよう」
「おはようございます」

ロビーで梅軒とアバに遭遇した。
すでに朝食の時間か。随分と散歩に時間がかかったな。

「で、なんでそんなに疲れてるんだい?散歩行ってたんじゃないのかよ」
「それが聞いてよ!ソルがひどいんだよ!」
「ウチの愛を無視するんです!」
「・・・いつも通りじゃない?」

連中を無視し、部屋に向かう。

「おや、おはようございますソル。貴方は今日も散歩ですか?健康的ですね」
「しかも連れて歩く相手を取っ替え引っ替えときた。いやあ、羨ましいねえ」

カイと闇慈。これから食堂に向かうらしい。

「俺なんてずっとチップとロボの相手だぜ?ちょっとは華が欲しいもんだ」
「半裸をやめてはどうですか?こんな場所でもそれは、さすがに皆さんも若干引いてますよ」
「そいつは聞けねえな。冬だろうと雪だろうと、こいつが俺の生き様だからよ」
「意味がわかりませんが、まあ、それで華がないと嘆いても自業自得ですね」

カイと闇慈の会話を背に、部屋に戻る。
外出用の上着等を脱ぎ、部屋を出て食堂に向かう。

「あ、おはようございますソルさん」
「ああ」
「メイとブリジットを見てませんか?朝からいないんです」
「散歩に行っていた」
「ソルさんとですか?」
「ああ」
「それは・・・メイがまた何か無茶を言いました?」
「ああ」
「すみません。後でメイに言っておきますから」
「お前が謝ることじゃない」

エイプリルに非は何もない。

「朝起きた時から、なんとなく嫌な予感はしてたんです。こう、胸騒ぎがするというか」

そこまで心配することか。

「またメイが何かしでかしたんじゃないかって。まさか、もう取り返しの付かない事しました?」
「いや。そこまではない」
「それは良かったです」

安堵している。
エイプリルも、メイに関しては気苦労が絶えない。

「二人は食堂に行きました?」
「ああ」
「ソルさんも今から?」
「ああ」
「だったら、一緒に行きましょう。食堂まで大してありませんけど」

エイプリルと並んで食堂に向かう。

「貴方、今度はエイプリルに手を出してるの?」
「気が多い上に手が早いわ。ついさっきまではメイとブリジットを弄んでたそうじゃない」

そんな事はしていない。

「警戒した方がいいわよエイプリル。ジェリーフィッシュも既に何人かこの男の毒牙にかけられたって噂だから」
「またそんな。ミリアとイノは誰からそんな噂を聞いたの?」
「さあ?誰だったかしら。でも、彼が色んな女性とデートをしてるのは間違いない事実よ」

散歩をデートと言うか。

「だから貴方も気をつけなさいエイプリル」
「ミリアに同意だわ。あまり信用しすぎるといざ襲われた時に困るわよ?」
「ソルさんの家に住んでるミリアには言われたくないな。ていうか、二人共全然信じてないでしょその噂」
「まあ、そうね。ほんの冗談よ」
「あら、私としては大いに有りだったのだけど?表で善人を装って裏では外道なんて、超の付く王道じゃない」
「イノ・・・」

随分と歪んだ見方をされている。

「ソルさんも大変ですよね」

噂を広めたのは恐らくジェリーフィッシュ本人共だろうがな。

「姉がいつもすみません」
「お前が謝ることじゃない」

エイプリルも苦労が絶えない。

794名無しさん:2011/12/09(金) 05:18:24
テスタ「ブリジット単独で一緒に散歩ならず」

アバ「・・・あーあ」

テスタ「いやね、ちょっと無理だったっていうか、ソルがどうしても誘いに応じなかった」

アバ「・・・そこをどうにか」

テスタ「しようとはした」

アバ「・・・結果を出して」

テスタ「申し訳ない」

アバ「・・・やれやれ」

テスタ「難しいんだブリジット」

アバ「・・・一応メインヒロインなのに」

テスタ「誰かとコンビ組ませればいい働きするんだが」

アバ「・・・メイとかミリアとか」

テスタ「ソルとブリジットだけだとろくに会話にならない」

アバ「・・・一応メインヒロインなのに」

テスタ「一応が付く時点でちょっとな」

アバ「・・・これからどうしようか」

テスタ「これから考える」

アバ「それでは今日はここまで」

795名無しさん:2011/12/14(水) 03:25:12
午前中、約束通りディズィー達に付き合って過ごした。
そしてレストハウスで昼食後。

「ありがとうございましたお兄ちゃん。おかげでいい思い出になりました」

もういいのか。

「ソルさん、午後はウチと二人っきりで過ごしましょう!」
「断る」
「照れなくてもいいじゃないですか」

照れてなどいない。

「まあまあ、ソル先輩なんて放っといて行こうよ。残り少ないんだしさ」
「お兄ちゃんなんて気にせず思い切り楽しみましょう」

ディズィー達が去っていく。
俺は連日通りに待機しておくとしよう。

「貴殿は今日もここに残るのか?」
「ああ」

ポチョムキンが声をかけてきた。

「今日は実質最終日だが、貴殿はそれでもいいのか?」
「ああ」
「今日ぐらいは教師役など気にせず存分に遊んでいいのだぞ?」
「興味がない」

スノースポーツはこれまでで十分に体験した。

「それならば無理に勧めることもできないが・・・ならば私も貴殿に付き合い、ここに残ろうか?」
「必要ない」

何かの時のために教師が一人残っていればいいのだ。
俺一人で十分だろう。

「そうか。では、ここは貴殿に任せよう。私はスキー場の生徒達を見回ることにする」
「ああ」

ポチョムキンも出て行く。

「つまんないなあ、わるお」

テーブルの向かい席に人が座る。

「何の用だ」
「休憩の暇つぶし。そんなことよりお前、たまにはハメを外したら?」
「断る」
「童心に返って無邪気に遊びまくるわるおなんてのを見てみたいんだけど。
 どうよ、尊敬する先輩の頼みを聞いてみる気はない?」
「ない」

尊敬もしていない。

「あ、自分で言ってみたら、もっと見たくなってきた。よし、行こうかわるお。付いてこい」
「断る」

命令を聞く気はないし、持ち場を離れるわけにもいかない。

「ザッパせんせー。わるおを連れて行っていいですか?」
「え?ああ、いいですよ。ここは僕が残りますから、どうぞいってらっしゃい」
「ってことで、行くよ。ほら、さっさと立つ」

強引に連れ出される。

「あら、お姉さまにバッドガイさん。どちらへ?」
「わるおが子供っぽく遊ぶところを見にいくんだよ」
「バッドガイさんが何かするのですか?」
「何かさせるんだよ。何がいいかなあ」

辺りを探している。何をさせる気だ。

「おっと、良い物発見。よし、これでいこう」
「ソリですか?」
「そ。これで一番高い所から一気に滑り落ちてもらうよ。さ、リフトに乗るよ」

それに一度付きあえば満足するだろうか。

「でも、危険ではありませんか?」
「わるおなら多少の危険は大丈夫でしょ」
「いえ、バッドガイさんがではなく、そんなコントロールもできなさそうなものでは、他の皆さんにぶつかってしまうかもしれませんわ」

ブレーキもハンドルもない、ただ滑るための単純なソリだからな。

「それもわるおに頑張ってもらおう」
「でしたら、安心ですわね」

重心移動だけでどこまで躱せるか。

796名無しさん:2011/12/14(水) 04:52:08
リフトで移動し、最高所へ。
それなりの傾斜と麓までの距離があるが、これをソリで滑り降りるのか。

「何やってるアルカ?」
「ヘイ、面白そうなもの持ってるな!」
「ボンクラニオ似合イノボロソリダ」

紗夢達もやってきた。

「いい所に来たねお前たち。これからわるおがソリ滑りするんだ」
「ここからアルカ?ソルもおかしなことをするアルナ」
「すげえな!なあ、終わったら次は俺にソリを貸してくれよ!」
「間抜ケメ。貴様デハ死ヌノガオチダ。我輩ガヤル」
「んだとロボ?ナメんじゃねえぜ!」
「喧嘩はいけませんわザナフさん、ロボさん。仲良くお二人で滑ればいいですわ」

二人、乗れなくはないが。

「雄ト同乗ナンテ死ンデモオ断リダ。雌ナラ許ス。紗夢、結婚ヲ前提トシテ我輩ト一緒ニ乗ッテクダサイ」
「お断りアル」
「何故ダ!?我輩ガ振ラレルナンテアリエナイ」
「さあさあこのポンコツは放っておいて、そろそろいってみようかわるお」
「頑張ってくださいバッドガイさん」

さっさと終わらせるか。

「でも結構難易度高いんじゃねえか?大丈夫かよソル」
「怖くないアルカ?」
「ああ」
「おおー。怖気付かないのはさすがだね」

問題は、麓付近で多くなる生徒達を避けきれるかどうかだ。
まあ、いざとなれば転倒してでも止まればいい。どうにかなるだろう。

「バッドガイさん、ご無事を祈っておきますわ」
「わるお以外のみんなのね」
「気をつけるアル」
「付いてくぜ、ソル」
「転ンデシマエボンクラ」

ソリに乗り、滑り始める。

「おおぅ。なんか見た感じ子供っぽいよわるお。うん、満足。後は途中で『イエー!』とか叫べばグッド」
「ジェットコースターみたいアルナ」
「似たようなものですわ」

もう満足したらしいが、既に止まりようもない。
どのみち、このまま行くしかない。

「はええよ!俺以上のスピードだと!?」

とにかく真っ直ぐに滑り落ちる以外にろくにできることがないからな。
幸い、急なカーブがあるコースではないので、ソリ滑りには適している。

ただただ滑り落ちていると、少しづつ人が増えてきた。
背後から高速で迫るのだから基本的にかわしようがない。俺がどうにか避けなければ大事故だ。

「旦那、何遊んでるの?危ないじゃん」
「うわあっ!何してるのさソル!ボクじゃなかったらぶつかってたよ!」
「貴様、怪我人だけは出すなよ」
「・・・危険」
「ウチを後ろに乗せヒャアッ!?」

反応できる連中が通り過ぎざまに一言言ってくる。
なんとか人との接触を避けそろそろ麓に着く。
ブレーキはついてないが、バランスを取って勢いを殺し転倒することもなく止まりきる。

「お見事ですねえ。怪我人が出るんじゃないかとハラハラしながら見てましたが、杞憂でしたか」
「しかし、あまり感心できないぞソル。お前さんが楽しむのはいいが、他の生徒達が怖がるだろう」
「わかっている」

あいつも満足していたし、もういいだろう。

「やっと追いついたぜ。速すぎんだよソル。じゃ、次は俺に貸してくれよ」
「駄目だ」
「ホワイ!?」
「一般生徒が危険だ」
「そりゃないぜ」

怪我人が出なかったのは幸いだ。

「ワハハハハ!デハ我輩ノ物トイウコトダナ!」
「誰だろうとソリは禁止だ」
「ナニイ!?」

俺ももうやらん。元から二度目をやる気はなかったが。

「わるおー、どうだった?爽快感あったんじゃない?」
「それどころじゃない」

後半は回避行動に全力を注いでいた。

「まあ、バッドガイさんがそれほど必死になるなんて、さぞ楽しかったんですわね」
「どうしてそうなるアルカ?」

もういいだろう。俺は非常時用の待機役に戻る。

797名無しさん:2011/12/23(金) 01:41:49
夜になって消灯時間になりました。

「やった。ボクの勝ちー!」
「あれ、負けた?勝てると思ったのに」
「ちっ、また一手遅かったか」
「梅軒はさっきから負け続けね」
「うるさいよ」

寝ようとする人はいませんけどね。
修学旅行最後の夜ですし、皆さんテンション高いです。
ゲームも盛り上がってます。

「梅軒さん、ウチと替わりますか?」
「冗談じゃない。勝つまでやってやるよ」
「・・・強情」
「ブリジットちゃん、私と替わろう?」
「はいです」

梅軒さんも負けず嫌いですね。
しかしウチ達はこのゲームに慣れてますから、ついさっきルールを知った梅軒さんにはちょっとやそっとじゃ負けませんけど。

「梅軒、あなたはプレイングがまずいのよ。他の人達の戦い方を見てるかしら?」
「言われなくてもわかってるさ、イノ。でもね、俺は俺のやり方で勝ってみせるんだよ」
「だから勝てないのよ。ま、負けて悔しがるあなたも可愛いからいいけど」
「梅ちゃんはもうちょっと融通効かせようよ。そしたら勝てるようになるから」

がんばってください梅軒さん。凄く運が良ければ少しは勝ち目はありますよ。

「ところでみんな、いつまで起きておくつもり?」
「何言ってるのさエイプリル。眠くなるまでに決まってるでしょ」
「・・・同じく」
「消灯時間って知ってる?」
「いいじゃないですかエイプリルさん。今日ぐらい気にしなくても」
「全くだね。このまま勝ち逃げなんて許さいないよ。ほら、もう一戦始めようぜ」
「はぁ・・・」
「お疲れ様ですエイプリルさん」

そういう反応をわかっていて、一応注意しただけでしょうけどね。
おっと、ウチもゲームに集中しないと。

「・・・あれ?ミリアちゃんは?」
「ミリアなら、喉が渇いたって出て行ったわよ」
「それは知ってるけど、結構前じゃなかったかな?」
「そう言えばそうかも。まだ帰って来てないの?」

確かに、ミリアさんがいません。人が多いので気付きませんでした。
ごめんなさいですミリアさん。

「ザトーに付きまとわれてるとか?」
「ザトーさんが鬱陶しいなら、なおさら部屋に戻ってくるんじゃないですか?」
「じゃあ、ザトー先輩以外と会って、食堂かどこかでのんびりしてるんじゃない?」
「あいつがかい?ミリアがそんなに親しく会話する相手なんてそんなにいないだろ」
「あの子、打ち解けない相手とはあまり喋らないものね」
「・・・ソルは?」

あ、ソルさんがいました。確かにソルさんが相手ならミリアさんも態度が柔らなくなります。

「今更だけど、お兄さんとミリアちゃんって仲良くやってるの?」
「うちだと、お互い邪魔をしないようにうまく共存しているって感じです」
「それってどうなのさ」
「同居してるのにそれじゃ、つまらないわ。一線を越えたイベントは起こってないのかしら?」
「そんなイベントはウチとだけで十分です」

ミリアさんに譲る気はありませんから!

「お兄ちゃんが本気で気を遣えばミリアさんに不満なんてあるわけがありません」
「ソルさんが本気出すんだ」
「本気かはわかりませんが、一緒に生活するんですから、関係を悪くしてもデメリットばかりじゃないですか。だから、そういうことはしてません」
「ボクの頼みごとは簡単に聞いてくれないくせに!」
「メイのは頼みごとじゃなくてわがままでしょ」
「え?そんなことないよ」

ソルさんも大変です。いえ、そんな程度、ソルさんにとっては大変でもなんでもないですね。

「それで、ミリアは結局、ソルといるってのかい?」
「他に遅れる理由はないと思うわ。何か問題でも起こってるなら別だけど」
「・・・心配」
「じゃあ、私はミリアちゃんを探しに行ってくるね」
「付き合うぜ。あいつも余計な手間かけさせやがって」
「梅ちゃん、まだゲーム途中なんだけど」
「イノ、替わりな」
「いいわよ。ミリアが心配でたまらないのね。本当に可愛いわあなた」
「ば、馬鹿言ってんじゃないよ。このままじゃゲームに集中できないってだけだ」
「語るに落ちてるわよ梅軒」

もしミリアさんがソルさんと会ってたとしたらどうなんでしょう。
ソルさんが簡単に誰かに心を許すとは思いませんけど。
ていうかそれならまずウチに心を許してついでに身も許してほしいです。
・・・はっ、そんな場合じゃないです。

「ディズィーさん、ウチと替わってくれませんか?」
「はい、いいですよ」
「ブリジットも?」
「はい。ソルさんが浮気してたら許せません!」
「はいはい。行ってらっしゃい」

気のない応援ですね。ま、いいです。

798名無しさん:2011/12/23(金) 02:40:31
一階まで降りて。

「いました?」
「ううん、食堂にはいなかったよ」
「風呂場も覗いたけど誰もいやしないね」

ミリアさんがいません。どこに行ったんでしょうか。
まさか、本当に何かあったんじゃないでしょうね。

「神隠しにでもあったかね」
「このホテルは幽霊が出るって噂なら聞いたことあるけど」
「まさか、本当に?」

いやいや、そんなまさか。この世に幽霊なんているはずが・・・あ、いましたね。
ザッパ先生が呼び出してるじゃないですか。
だとしたら、神隠しなんて不思議現象も本当にあったりするんでしょうか。

「諸君、何をしている。とっくに消灯時間は過ぎているぞ」
「っ!?」
「誰だい!?」

突然声をかけられて、ちょっと驚いちゃいました。

「あ、ザトーさん。こんばんは」
「うむ、こんばんは。それで、貴様達はここで何をしている。消灯時間は過ぎた。
 大人しく寝ろとは言わないが、堂々と室外を徘徊されては注意せざるを得ないな」
「すみません生徒会長。ミリアちゃんが部屋を出てから随分と戻ってこないので、探しに来たんです」
「なに?ミリアが?」
「あんたも知らないのかい」
「当然だ!知っていたらこんなに呑気にしているものか!!」
「落ち着いてくださいザトーさん」

ミリアさんのことになると途端に人が変わりますね。
ウチも同じですから気持はわかりますが。

「私もミリアを探す!どこだミリア!」
「うるさいね。ちょっと黙りな」
「ぐっ!?」
「梅軒ちゃん、なにも縛らなくても」
「こうでもしないと落ち着かないだろこいつは」

縛ったところでどうしましょう。

「別にミリアがいなくなったって決まったわけじゃないんだ。どこかの部屋にいるのかもしれないだろ」
「そうですね。探しましょうか」
「みんなに知らせる?お姉ちゃん達にもお願いすれば、ホテル内ならすぐに探せると思うけど」
「頼りになるなジェリーフィッシュ。是非頼む。一刻も早くミリアを見つけ出すのだ!」
「もう回復したのかい」

でも、ザトーさんも少しは冷静になったみたいです。

「では貴様は連絡を頼む。私はホテルを上から探そう。梅軒は下からだ。ブリジットは宿泊部屋以外の場所を探してくれ」
「わかりました!」
「任せな」
「きっとすぐに見つかりますよ」
「誰か探しているの?」
「ミリアさんがいなくなったんです」
「・・・?貴方は何を言っているのかしら?」
「だから、ミリアさんが・・・・・・あれ?」

目の前にミリアさんがいるじゃないですか。

「おお、ミリア!心配したぞ!」
「あんた、本物かい?」
「食堂にもいないから、何かあったんじゃないかなって」
「無事で良かったです!」
「もしかして、戻らなかったからって心配かけてしまったかしら?それは悪いことをしたわね。謝るわ」

怪我もないようですし、神隠しにあったわけでもなかったんですね。
安心しました。

「で、あんたは一体どこに行ってたんだい?飲み物を取りに行ったと思ってたんだが」
「飲み物ついでに、散歩に行ってたのよ。最後の夜だもの。なんとなくそんな気分になって。
 まさか、そこまで心配をかけてるとは思わなかったわ」
「いえいえ、勝手に早とちりしたのはウチ達ですから」
「人騒がせなやつだねまったく」
「梅軒ちゃんはずっと心配してたんだよ?」
「なっ、てめっ!」
「あら、ありがとう梅軒」
「別に心配なんてしてないね!俺はもう戻るからな!!」

梅軒さんもとんだ照れ屋さんですね。
イノさんやみんながからかいたくなるのもわかります。

「それでだなミリア。一つ聞きたいことがある」
「なによ」
「なぜソルと一緒にいるのだ?」
「一緒に散歩に行ってたからよ」
「ソルさん!ウチというものがありながら、浮気ですか!」
「うるさい」

そう、それが問題です。ミリアさんの後ろにソルさんがいるじゃないですか!
予想的中。やっぱりミリアさんはソルさんといたじゃないですか!
それも一緒に散歩ですか?羨ましいにもほどがあります。

799名無しさん:2011/12/23(金) 03:15:20
ソルさんは相変わらず口数が少ないです。

「ミリアちゃん、できれば理由を教えてほしいな。心配したんだから」
「食堂に行った後でソルと会って、照明と防寒具代わりに丁度いいから散歩に付き合ってもらったのだけど」
「お兄さん、完全に道具扱いなんですね」
「甘い!甘すぎる!」
「そうです!ウチとザトーさんはそんなんじゃ納得しませんから!」

そんな言い訳通じません。

「・・・じゃあ、どう言えば納得するのかしら?私がソルと共に散歩をしたかったから、理由を付けて付き合ってもらったと言えば満足するの?」
「うぐっ!」
「それは・・・」

真正面からそう言われると何も返す言葉がありません。

「でも、私にそんな思惑はないわ。まだ納得してもらえないかしら?」
「いや、もう十分だ・・・」
「ミリアさんにとって、ソルさんは道具なんですね・・・」

それで納得しておきます。
ミリアさんまでライバルになったら、既に茨の道のウチの恋路は、修羅の道になってしまいます。

「ミリアちゃん、部屋着のままだったからコートもないもんね。寒くなかった?」
「大丈夫よ。そのためのソルだもの。生徒を寒空に晒して風邪を引かせるなんて真似はしないわ」

ソルさんがいいように使われてます。
ソルさんをそんな風にウチとディズィーさんとジェリーフィッシュの皆さんとそれに・・・結構いますね。
だったら、

「ソルさん!今からウチとデートに行きましょう!」
「断る」
「ミリア!私と共に素敵な夜を過ごさないか?」
「お断りよ」
「ザトー様!修学旅行最後の夜を二人の思い出にしましょう!」
「拒否する。ってヴェノム、なぜお前がいる」
「ザトー様の帰りが遅いのでお迎えに参りました」
「・・・そうか。心配をかけたな」

そういえばウチ達も早く戻らないと皆さんが待ってます。
あ、でも梅軒さんがもう戻ってますから、その心配はいらないですかね。
早く戻るに越したことはありませんけど、できればソルさんとのデートをした後がいいです。

「ソルさん、ウチとデートに行きましょうよ」
「消灯時間は過ぎている。部屋に戻れ」
「あ・・・」

それがありましたか。それを言われるとどうしようもないです。

「では、部屋に戻ります。おやすみなさいお兄さん」
「おやすみですソルさん。一人寝が寂しかったらいつでもウチを呼んでください!」
「おやすみ、ソル」
「ああ」

ソルさんと別れて部屋に帰ります。

「ミリア、良い夜を」
「・・・・・・」

うわ、無視ですか。経験してるからわかりますけど、それって結構辛いんですよ?

「ミリア?くっ・・・」
「元気を出してくださいザトー様。私をミリアと思って甘えていいですから」
「・・・いや、それはやめておこう」

ヴェノムさんもさりげなく攻めますね。
ウチはザトーさんもヴェノムさんも応援していますが、ヴェノムさんの恋が実るのは有りなんでしょうか?
ウチが言えたことじゃないんですけど。

部屋まで戻る途中。

「ねえミリアちゃん。散歩の間、お兄さんとどんなこと話してたの?」
「別にどうでもいいことよ。猫は元気にしてるかとか、そんな程度ね」

ソルさんもミリアさんもお喋りなほうじゃないですから、あまり会話はなさそうですけど。

「ふうん・・・」
「なに?何か言いたそうだけど?」
「そう?えっと、ミリアちゃんはお兄さんと仲良くやってるんだなってだけ」
「どういう意味かしら」
「深い意味はないよ?ただ、仲が良いんだなって思っただけだから」
「そうかしら?これぐらい、貴方達だってやってることだと思うわ」

ウチ達を基準に考えちゃ駄目ですよ。

「私達はお兄さんと仲が良いでから。私達と同じくらいって言うなら、ミリアちゃんもお兄さんと仲が良いってことだよ?」
「・・・別に仲が良いってほどでも。悪いってわけではないけど。一応恩もあることだし」

ミリアさんも割と無自覚だった部分があるんですか。

「ミリアさん!」
「何かしらブリジット」
「ソルさんはウチが射止めますから!」
「はぁ?そんなライバル宣言みたいなことを言われても困るわ」

いいんです。なんとなく、言っておきたかっただけですから。

800名無しさん:2011/12/23(金) 03:30:47
テスタ「再びブリジット視点」

アバ「・・・逃げた」

テスタ「前にもやったからいいじゃないか」

アバ「・・・ミリアとの散歩をカット」

テスタ「一応やったということにはしたぞ?」

アバ「・・・ブリジットの時も2人きりじゃなかったのに」

テスタ「申し訳ない」

アバ「・・・・・・」

テスタ「どうにも書ける気がしなかった」

アバ「・・・はぁ」

テスタ「申し訳ありません」

アバ「・・・それは置いておこう」

テスタ「ああ、そうしよう」

アバ「・・・今回の展開」

テスタ「とてもどうでもいい設定だが、スイートルームは教師陣の宴会場に使われている」

アバ「・・・どうでもいい」

テスタ「そうだな」

アバ「・・・ソルが喋らない」

テスタ「ブリジット視点にして改めて思う、ソルの寡黙っぷり」

アバ「・・・なぜこんなキャラに」

テスタ「いつの間にかこんなことに」

アバ「・・・これも置いておこう」

テスタ「またか」

アバ「・・・今回の展開」

テスタ「ブリジット視点のミリア回といった感じか」

アバ「・・・主役は梅軒」

テスタ「ソルが人をからかうタイプじゃないから、ソル視点だと使えない梅軒」

アバ「・・・なぜあんなキャラに」

テスタ「どうしてだろうな」

アバ「・・・不思議」

テスタ「それでは今日はここまで」

801名無しさん:2011/12/29(木) 03:41:52
朝、目を覚ます。まだ夜明け前。
朝食まではまだ時間があるが、二度寝をするほど眠気もない。
とりあえずベッドから出て、着替えを済ます。

やることがない。
読書をするでもいいが、ここに来てからの習慣は朝の散歩となっている。
今日は誰も来ないようだが、だったら一人で行くとするか。
部屋を出る。ロビーまで行くと、人がいた。

「あれ?おはよう、バッドガイ君」
「ああ」

返事をし、ホテルを出る。
雪が少し降っている。だがこの程度なら、帰るには何も問題ないだろう。
慣れた道を歩く。

いつも通りに歩き続け、そろそろホテルに着こうという頃。

「ねえバッドガイ君。修学旅行は楽しかった?」
「いいや」
「私は楽しかったの。来年も楽しいといいね」

ホテルに戻る。

「グッモーニン!お前ら朝っぱらからどっか行ってたのか?」
「おはようザナフ君。散歩してきたの」
「雪中行軍ってやつか?そりゃいいな。俺も朝飯前にちょっと走ってくるか!」
「え?そうじゃなくて、あ・・・」

チップがホテルを走って出ていった。

「ねえバッドガイ君、大丈夫かな?もしかしたら、また迷子になりそうな予感がするの」

可能性は否定できない。

「おはようございます、お二人とも。どうかしましたか?」
「おはようキスク君。ザナフ君が、外に走りに行っちゃったの」
「・・・それはそれは」
「雪が降ってるから、足跡が消える前に追いかけた方がいいと思うんだけど」
「わかりました。私が行きましょう」
「うん。お願い」

カイもチップを追って出ていった。

「もう朝ご飯の時間かな。また後でね、バッドガイ君」

別れて、一度部屋に戻る。

「あらソル、おはよう」
「おはよ〜ソルちゃん」
「ああ」

イノ達と出会った。

「今度は彼女とデート?私も誘ってくれないかしら」
「断る」
「つれないわね。私だって貴方を満足させてあげるわよ?どんなプレイだって応えてあげるわ」

元より、誰も自分から誘った覚えはない。

「ね〜ソルちゃん」
「なんだ」
「カワイイ妹達を泣かしちゃダメだからね〜」

悪意を持って接しはしないが、それ以上は俺の知る所ではない。

「イノちゃんも〜、ソルちゃんみたいな人には気をつけるんだよ?」
「大丈夫よ。むしろペットにしてみたくなるわ」
「イノちゃんこわい」
「あなたも結構私好みよ?いじめてあげましょうか?」
「ソルちゃん助けてー!」

部屋まで戻り、コートを脱ぎ、再び廊下に出る。

「おはようございますソルさん!こんな所で会うなんて奇跡ですね!」

食堂に向かう。

「これはもう運命ですよ。ソルさんもそう感じませんか?」
「いいや」
「ウチにはわかります。ウチとソルさんは前世から結ばれ合うことが決められている二人なんです!」

騒がしい。

「外を見てください。美しい朝陽もウチ達を祝福してくれています!」

雪が降るほどの曇だ。
陽光が差し込む隙間もない。

「ハネムーンは南の島というのがお約束ですが、こういう雪が綺麗なとこも素敵かもしれません」

食堂に着いた。

「ウチはソルさんさえいればどこでも最高の場所になりますけどね!」

朝食を摂るとしよう。

802名無しさん:2011/12/29(木) 04:43:17
ホテルを出て、帰路のバスに乗り数時間。
最初は騒がしかった車内も、今は疲れたのか眠っている者が多い。

「ご苦労だった、という言葉を贈らせてもらおう」
「何の用だ」

そんな中で、ザトーが空いている隣席にやってきた。

「なに、貴様の労を労おうを思ってな」

労などない。
そもそも、教師などいなくてもザトーやカイがいるので生徒内での自治はよくできている。
余計なことをする必要がない。

「大きな事故も事件もなく皆無事に家に帰り着く。なによりではないか」

遭難者が出たが、あいつらなら事件ですらないか。それでも、

「まだ途中だ」
「ふむ、それはもっともだ。家に着くまでが修学旅行だな」

一応、俺の教師責任はまだ残っている。
ここで終わってはない。

「だが言うにはいい機会だ。これまでご苦労だった」
「何もしていない」
「そうか、まあ良い。貴様がそういうなら礼を重ねるのも返って失礼というもの」

それでザトーが黙る。
こちらも話すことなどない。

「ところで確認しておくが」
「なんだ」
「貴様、ミリアとは本当に何もないのか?」
「ない」

何度聞いても答えは変わらない。

「昨夜は二人で密会していただろう?」
「散歩に付き合っただけだ」
「貴様にはブリジットがいるではないか」
「いない」

勝手にそういう関係にするな。

「ミリアはともかく、貴様、本当にブリジットに冷たいな」

他の連中と大して扱いに違いはない。
うるさければ、たまに力尽くで黙らせる程度だ。

「私は自らを慕うものをあそこまで無碍にはできんぞ」

ヴェノムのことか。

「ではザトー様。学校に着くまでの残りの時間は、私の横でお過ごしください」
「なっ!?ヴェノム!」
「さあこちらへどうぞ。ザトー様、存分に私の愛を堪能してください」
「待てヴェノム。私はまだソルと話が」
「ソル、君はザトー様と話すことがあるか?」
「ない」
「ソルうううううううう」

好きに連れて行け。

「お静かに。寝ている皆が起きてしまいますよ?」
「む、それは悪いな」
「そういうことですので、さあ、私達も夢の時間を過ごしましょう」
「待てヴェノム、私には心に決めたミリアという女性が」
「わかっております。このヴェノム、常にザトー様を応援していますゆえ。ですので、大したことはしませんよ。
 膝枕をするのとされるのと、どっちがお好みですか?」
「・・・・・・それは選ばないと駄目か?」

周囲に気を遣い、二人も小声で話しだす。
もう声も聞こえない。

「やほーソルっち。なんであの二人はあんなことになってるの?」

また人が来た。

「説明されなくてもなんとなく予想付くけどね。さっきまで寝てたんだけど目が覚めてさ、話でもしようよ」
「断る」

話すことなどない。

「ちょっと早いけどお土産のお菓子食べる?美味しそうなのがあったんだ」

封を開ける。お土産ではなかったのか。

「食べ方があるのよ。決して前歯で噛んではいけません。ひと口めを口の奥でね・・・奥歯で噛むのよ」

菓子を一つ渡される。

「なんだこれはぁぁ―――ッ。ンマイなあああッ!!」
「静かにしろ」
「あ、ごめん。でもこれ美味しいよ?ソルっちも食べてみなよ」

結局、学校に着くまで話しかけられていた。

803名無しさん:2011/12/29(木) 05:24:00
家に着く。

「やっと着きましたね」
「ほんと、疲れたわ」
「それじゃ、また明日です!ソルさんお別れのキスを!」
「断る」

ブリジットが隣の家に向かう。

「あ、ブリジットさん。もし、お夕食の用意が大変なら、一緒にどうですか?」
「え、いいんですか?でも、ディズィーさんのおうちだって大変なんじゃ」
「大丈夫ですよ。うちはこれからお兄ちゃんがお買い物に行ってくれますから。もちろん晩御飯もお兄ちゃん特製です」

確かに今、家にはろくに食料がないから買い物は必要だ。
当然、料理もしなければならない。

「いいのディズィー?ソルだって少しは疲れてるんじゃないかしら?」
「どうですかお兄ちゃん?」
「問題ない」

荷物を置いたら出かけるとしよう。

「貴方、ずいぶんとタフね。ありがたいけど」

疲れることをしていない。

「それじゃ、また後でです!」
「はい、お待ちしています」

ディズィーが鍵を開け、家に入る。

「ただいま帰りました」
「ただいま」
「ああ」

家に入る。途端、猫が足下に寄ってきた。

「わ、っと。皆さん、お久しぶりです」
「元気にしてたみたいね。良かったわ」

数日家を開けたが、何も問題なかったようだ。
最も、何か問題があればこちらにわかるようにしてあったので、何もなかったのはわかっていたことだが。

「とりあえず、荷物を置きませんか?猫さんを可愛がるのはその後にしましょう」
「そうね」

家に上がる。

「・・・・・・」
「ミリアさん、どうかしましたか?」
「え、いえ。ただ、この家に帰ってきたって、そう思っただけよ。変かしら?」
「そんなことありません。ミリアさんがこの家を我が家と思ってくれるなら、私も嬉しいです」
「そう。・・・なんというか、これからもよろしく、ディズィー」
「はい。とりあえず、お洗濯をしますからお手伝いをお願いします」
「・・・了解よ、ディズィー。家事も分担しないとね」

俺も荷解きをして買い物に行くとするか。
自室に戻る。と、サンタナが付いてくる。

荷物を置き、ひとまずサンタナの健康状態を確認する。
・・・何もなしだ。急に人が消えたことで何かストレスを感じはしないかという可能性はあったが、杞憂だった。
他の猫も見た限りでは何か病気になったということもない。

コンコン

ノックされ、扉が開く。

「ソル、洗濯物があれば出してちょうだい」
「ああ」
「サンタナの様子を見てたのかしら?」
「ああ。健康に問題はない。明日、他のも詳しく検査するが、恐らくどれも大丈夫だろう」
「そう。それを聞いて安心したわ」

さて、買い物に行くとするか。

「行ってらっしゃい」
「ああ」

晩飯は何にしたものか。

804名無しさん:2011/12/29(木) 05:37:27
テスタ「修学旅行終了」

アバ「・・・おつかれ」

テスタ「修学旅行というのに大して進展がなかったな」

アバ「・・・いつも通り」

テスタ「どうやれば終わりに向かえるのか今もって迷走中だ」

アバ「・・・いつも通り」

テスタ「ところで、今年ももう終わりだな」

アバ「・・・うん」

テスタ「ログを見て、一年前の今年の目標を探してみた」

アバ「・・・こんな時のための私達」

テスタ「私の出番なんてここしかないしな」

アバ「・・・ご愁傷様」

テスタ「気にしてない。今年の目標は『目指せ完結』だった」

アバ「・・・・・・」

テスタ「・・・・・・」

アバ「・・・達成ならず」

テスタ「来年の目標を立てよう」

アバ「・・・なに?」

テスタ「目指せ完結」

アバ「・・・・・・」

テスタ「他にあるか?」

アバ「・・・ない」

テスタ「とうとうレス数800も越えたし、季節も冬にもなったし、来年こそは可能じゃないかって気がする」

アバ「・・・できるといいね」

テスタ「目指せ完結」

アバ「・・・目指せ完結」

テスタ「それでは今日はここまで」

805名無しさん:2012/01/06(金) 04:15:32
放課後の自室。
明日の授業予定を立てる。

「ねえソル、またわかんないんだけど」
「どこだ」

居残りで宿題提出を命じたメイの面倒も見る。
昨日やってこなかったので、その罰だ。

「・・・だから、こうなる」
「ああ、そっか。わかった、ありがとう」
「次の問題も応用で解ける。自分でやれ」
「うん」

メイは炬燵に戻り、問題に向かう。

「う〜ん・・・えーと、あれ・・・?」

こちらも仕事だ。
そろそろテストもある。それに向けた準備も必要だ。

「あ、解けた。ほら見てソル。凄いでしょ!」
「次をやれ」
「ちぇっ、褒めてくれてもいいじゃん」

さっさと終わらせてしまえ。

「ブリジットなんか寝てるし!ボクがこんなに苦労してるのにさ!」

起きて騒ぐよりは静かでいい。
そいつは今日の宿題も終わらせているしな。

「ボクも眠くなってきたよ。コタツって暖かくていいよね」
「寝るな」
「少し寝たら頭もスッキリするでしょ?大丈夫だって」
「さっさと宿題を終わらせて、帰ってから寝ろ」
「えー、だってボクの部屋にコタツないんだもん。ずっと欲しいって言ってるのにさ」

知ったことか。

「ずるいよね。エイプリルの部屋にはあるんだよ?」

知っている。昔、俺が作ったものだからな。

「ボクの部屋にもコタツがあったら宿題ぐらい毎日やるもん」

なくてもやってこい。それが宿題というものだ。

「ねーソルー。ボクもコタツが欲しい。作ってよ」
「断る」
「ジョニーにお願いしてもダメだって言うんだもん。なんでさ」

お前に与えれば、炬燵に篭って動かなくなるからだろう。

「いいよねーコタツ。あ、お茶なくなっちゃった。ソルもいる?」
「宿題をやれ」

すでに宿題から意識が離れている。
だからジョニーもお前に炬燵を与えないんだ。

「お茶飲んだらやるよ。ずっと勉強してたら疲れちゃうし」

さっきからその繰り返しだろう。
そのせいで、あまり捗っていない。

「お菓子もあったよね。修学旅行のお土産を置いてたもん。えっと・・・」

茶請けも取り出す。

「はい、ソルにもあげる」

茶と菓子が出される。

「この部屋便利すぎるよ。いいなあボクの部屋もこれぐらい色々あったらいいのに」

茶を飲んで、仕事を続ける。

「よし、あとちょっとだし一気に終わらせるもんね!・・・えーっと、ねえソル?」
「なんだ」
「ここがちょっとわかんないんだけど」

メイに解法を教える。

「そっかそっか。あれ、これって昨日やったとこ?」
「今日の授業だ」
「そーだっけ?同じ説明を聞いたことはある気がしたんだ」

だったら今のうちに復習して覚えておけ。

「ま、これで後ちょっとだね」

こちらの仕事は終わった。しかしメイの宿題はまだ時間がかかりそうだ。
終わるまで付き合うしかない。

806名無しさん:2012/01/06(金) 05:11:32
メイの宿題を終わらせる。

「疲れたー!」
「帰る。部屋から出ろ」
「もう!?もうちょっと休ませてよ」

寝ているブリジットも起こす。

「起きろ」
「・・・ん・・・あれ、ソルさん?とうとうウチに夜這いしに来てくれたんですか?」
「帰る。部屋から出ろ」
・・・お目覚めのキスをしてくれればウチも起きれるんですけドッ!?」

これで目も覚めただろう。

「痛いです・・・。もう、もっと優しく起こしてください」
「ブリジット、お茶いる?」
「ありがとうございますメイさん。いただきます」

帰れと言ったが。

「いいじゃん、これでちょうどお湯も無くなるんだしさ」
「はぁ、いいですね。美味しいです」

この2人が部屋から出ないと鍵をかけられない。
と、ドアをノックされた。

「なんだ、お前さん達はまだ残ってたのか」
「あ、ジョニー。どうしたの?」
「なあに、こっちも仕事が終わってな。帰るぞメイ」
「うん!ちょっと待って、すぐに準備するから」

茶を飲み干し、帰り支度を整えるメイ。

「そっちの2人も早く帰りな。もう暗いぞ」
「大丈夫です!ソルさんがウチを守ってくれますから!」
「それなら安心だな。きっちりナイトの役目を果たすんだぞ、ソル」

その気はない。
そもそも、この辺りの治安は何も問題がないのだ。ナイトなど必要ない。

「じゃあね、ブリジット、ソル。また明日」
「さよならですメイさん、ジョニーさん」
「施錠はほぼ済んである。最後の戸締りはお前さんに任せたぞ。気をつけて帰りな」
「ああ」

ジョニーとメイが去っていく。
俺も帰るとするか。

「ソルさん、気づいてますか?」
「なんだ」
「実は今、夜の学校に2人っきりなんですよ!」
「部屋から出ろ」
「ええっ!?この絶好のチャンスに何もしないんですかソルさん!」

もう残る理由はない。
暖房を消し、自室を出る。

「わあ、待ってください。ウチも今行きます」

ブリジットもようやく部屋を出る。

「そんなに帰りたがるということは、もしかしてソルさんはウチと一緒に下校デートをしたかったんですか?」

照明も消し、鍵をかける。

「ちょっと遠回りして帰るとか満点の星空の下で愛を語らうとか、そんなことをお望みですか!」

暗い廊下を歩き、一応戸締りを確認する。大丈夫なようだな。

「もしや懐に婚約指輪を隠していて、帰る途中にサプライズプロポーズするんですか!?」

校舎を出て、施錠する。これで問題はない。

「さすがにそれはウチも心の準備が・・・いえ、いつでも大丈夫ですよ?
 だから安心してプロポーズしてください。ウチの返事は決まってますから!」

騒がしい。

「はっ!?ウチは浮かれすぎていました。こういうのは雰囲気が大事ですよね。だったら、ウチはしばらく静かにしてます!」

そして、家に着くまでブリジットは黙っていた。

「・・・あれ?ソルさん、プロポーズはどうなりました?」

家に向かう。

「あ、また明日ですソルさん」
「ああ」

ブリジットと別れ、家に入る。

「おかえりなさいソル。ちょうど夕飯ができたところよ」
「ああ」
「思ったより遅かったわね。お仕事お疲れ様」

ミリアに出迎えられる。
食事にしようか。

807名無しさん:2012/01/06(金) 05:30:03
テスタ「ブリジットはどこまでこのキャラでいけばいいのか」

アバ「・・・ずっと」

テスタ「何というか、もう限界なんじゃないか?」

アバ「・・・まだいける」

テスタ「ブリジットの言動もソルの対応もワンパターンになってきた」

アバ「・・・それは以前から」

テスタ「それもそうか」

アバ「・・・うん」

テスタ「このままでいいのか?」

アバ「・・・いいんじゃない?」

テスタ「そうか。・・・そうか?」

アバ「・・・悩むだけ無駄」

テスタ「それもそうだ」

アバ「・・・今年こそ終わるといいね」

テスタ「前回700から800に到達するのに約5ヶ月かかった」

アバ「・・・残り250程度なら1年ぐらい?」

テスタ「今年こそ終わらせる」

アバ「・・・去年も一昨年もそんな事を言ってた」

テスタ「終わるといいな」

アバ「・・・本当に」

テスタ「それでは今日はここまで」

808名無しさん:2012/01/13(金) 05:36:12
昼休み。
午前中最後の授業が仕事だったので、自室に教材を置きに行く。

「よう旦那。お邪魔してるぜ」
「勝手に失礼してます」
「早ク我輩ヲモテナセボンクラ」

アクセル達がコタツに入って寛いでいた。

「旦那も一緒に昼飯どうよ」
「断る」
「でしょうね。無理強いはしませんよ」
「アンナボンクラハ無視シテ昼飯ダ」
「まだ闇慈とチップが来てないだろ。ちょっとは待ってろよ」

机に向かい教材をしまう。

「待たせたな。やっと授業終わったぜ」
「遅れて悪い」
「ヨシ、飯ダ」

闇慈とチップもやってくる。
教室に戻るか。

「お、なんだよソル。お前もここで食えばいいじゃねえか」
「断る」

そもそも、弁当は教室にある。

「自室にコタツがあるのに誘惑を振りきれるって、お前人間じゃねえよ」
「マルデロボットダナ」
「お前が言うな」
「まあロボの方がまだ人間味があると言えなくもないですが」
「あれが旦那の味だろ。そんな事より昼飯にしようぜ」

騒がしい自室から出て教室に戻る。

「あ、おかえりソルっち」
「お疲れさまバッドガイ君」

席に戻り弁当を取り出す。

「相変わらずミリア君の愛妻弁当?」
「おいしそうですわ」
「愛がこもってるアルナ」

ここでも自室でも、騒がしいのは変わらない。

「おかず交換しよソルっち。その玉子焼きを食べてみたい」
「断る」
「替りににあたしが作ったきんぴらごぼうを分けてあげる。意外とうまくできたんだよこれ」

勝手に取り替えられる。

「美味しいアルヨ」
「私はもっと甘い方が好み」
「私はもっと辛くして欲しいですわ」
「このままでいいと思うの」

弁当に手をつける。

「この玉子焼き・・・デズっちが作ったと見た」
「おおー、味がわかるアルカ?」
「ミリっちとは結構違うからね。あたしでもわかるぐらい」
「どうなのソル君?」

当たっている。

「正解みたいですわ」
「わかるアルカ?」
「玉子焼きの味を見抜くよりは簡単なの」

弁当を食べる。

「それよりどうさ、ソルっち。あたしの自信作は」
「うまい」
「ほんと?ソルっちにそう言ってもらえるなら自信がつくね」

実際、よくできている。

「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまアル」

ジェリーフィッシュ達と同時に、こちらも弁当を食べ終える。

「お粗末さまソルっち」
「明日の料理当番は私ですわね。何を作りましょうか」
「自分で全部作るアルカ?」
「さすがにそれは無理だよ。リープおばさんの手伝いしながら自分だけで一品作るのが普通かな?」
「そういえば、バッドガイ君は自分でお弁当作ったりしないの?」
「食べてみたいアルナ。ソル弁当」

休日以外はディズィーとミリアが料理をする。俺が作る必要はない。

809名無しさん:2012/01/13(金) 07:08:08
次の授業に備え再び自室に向かう。

「闇慈、お茶頼む」
「我輩ニモヨコセ」
「あいよ」
「貴方が淹れると見事に味が変わりますが、何か秘訣でもあるのですか?」
「基本を抑えてるだけだぜ?俺は逆に、紅茶の美味い淹れ方を聞きたいもんだね。ほら」
「サンキュ、でも美味いんだよな、お前のお茶。不思議なもんだ」
「ま、こういうのは習うより慣れろってな。日々精進あるのみ。よう、ソル。お前もいるか?」

まだいたのか。

「旦那はジェリーフィッシュに囲まれてお昼かい?うらやましいねえ」
「畜生ガ。我輩ト代ワレ」
「ロボ、お前は授業が終わった瞬間にここを目指して走ってただろ」
「廊下を走ってはいけませんよ」
「でも早くこないとコタツ取られちまうからな。昨日はザトーに負けちまったし。今日はナイスだぜロボ」
「ハハハハハ!モット我輩ヲ褒メ称エロボンクラ」

教材を取り出す。

「昼休みも残り少ないですね。ではお茶を飲み終わったら片付けるとしましょう」
「湯のみと急須洗ってくるぜ!」
「水も減ってるから用意しとかないとな」
「サア働ケ下僕ドモ」
「俺たちは掃除な。コタツから出ろ」
「ナゼ我輩ガソンナ事ヲ?」

アクセル達が動き出す。
片付けも一段落したところで、

「そうだ、ソル。茶葉が少なくなってたから新しいの持ってきたんだ。ちょっといいやつだから味わってくれ」
「お茶請けも足しといたぜ旦那」
「ストーブ用の灯油も貰ってきたからよ、しばらく補充は必要ないぜ」
「オリジナルハ何モシナイノカ。コノ無能メ」
「失礼な。紅茶の葉やティーセットを持ってきてるではありませんか。結構需要あるんですよ?」

俺の仕事場で好き勝手にしている。
誰かが自室を使えば、使われる以前より物が増えていく。

「あとは小型の冷蔵庫とかほしいよな」
「冬にコタツでアイスを食う贅沢か。いいねえ」
「コンロ持ち込んで鍋もできるんじゃねえか?スキヤキ!」
「ソコノボンクラ。我輩ノタメニ冷蔵庫トコンロヲ作レ」
「断る」

1年の教室に移動するとしよう。

「今更私が言うのもなんですが、ここ、学校ですからね、一応」
「本当に今更だぜカイ」
「次期生徒会長とは思えないほどこの部屋堪能してるだろ」
「現生徒会長も好きにやってるけどな。ビリヤード台なんて持ち込んだのもいるし、さっきも何人か遊びに来てたもんな」
「・・・もう細かいことを言うのはやめておきます。さあ、教室に戻りましょう」

カイ達も自室を出る。

「ソル、ちょっと話が」
「なんだ」

カイに呼び止められる。

「念のために聞いておきたいのですが、例えば、授業をサボってこの部屋に来る生徒などはいないのでしょうね?」
「いない」
「そうですか。ならば良いのです」

仮にそんな生徒がいれば、自室に持ち込まれたものは全て撤去し、俺が不在の間は鍵をかけている。
そういうのがいないので、俺以外の教師連中もこの自室を黙認しているのだろう。特に害も見受けられない。
学業を怠けることなく、風紀を保ち、生徒による自治が機能し、俺の邪魔にならなければこちらも関与する気はない。

「やり過ぎれば貴方が力尽くで急ブレーキをかけますか。皆さんもそれがわかっているから最後の一線を超えないのでしょうね。
 すでに色々超えてしまってる感は無きにしもあらずですが」

昼休みが終わるまで自室に残って授業に遅刻するような生徒もいない現状では、問題視する理由もない。

「足止めしてすみませんでした。では、午後の授業もがんばってください」

カイと別れる。
そろそろ授業が始まる。

810名無しさん:2012/01/13(金) 07:26:45
テスタ「ソルっていなくていいんじゃないかとたまに思う」

アバ「・・・まあ」

テスタ「ろくに会話しないし」

アバ「・・・ねえ」

テスタ「主人公ってのは中心にいた方がいいと思うんだ」

アバ「・・・うん?」

テスタ「なのでこいつも上から見ると一応話の中心に置いてはいるが」

アバ「・・・いるが?」

テスタ「横から見ると三角形の頂点にいる」

アバ「・・・・・・ピラミッド?」

テスタ「なんかそんなイメージ」

アバ「・・・ちょっと意味がわからない」

テスタ「私もだ」

アバ「それでは今日はここまで」

811名無しさん:2012/01/26(木) 04:04:36
休日の朝、目を覚ます。
寝ている猫を避けてベッドから降り、着替える。
一階へ向かう前に、ディズィーの部屋のドアを開けると、猫が出てきた。
ディズィーはまだ寝ている。

一階へ移動し、付いてきた猫達に餌と水を与えてから朝食を作り始める。

「おはよう」
「おはよう」

ミリアが起きてきた。
だが、まだ朝食はできていない。

「お茶をもらえるかしら?」

湯を沸かし、茶を淹れる。

「ありがとう」

朝食もそろそろ出来上がる。

「もう出来上がるかしら?ご飯もよそうわね」
「ああ」

こちらも料理を盛りつけ、テーブルに並べる。

「いただきます」

食事を始める。

「ソル」
「なんだ」

珍しく、食事中にミリアが話しかけてきた。

「昼間、出かけるから。だからお昼は私の分はいらないわ」
「わかった」
「夕方には戻ってくる予定だから。私の代わりにあの子達と遊んであげてちょうだい」

猫か。掃除と片付けの後でな。
会話が途切れ、食事を再開する。

「ごちそうさま。美味しかったわ」

食器を片付ける。

「いらっしゃいサンタナ。今日は私はいないから、代わりにソルに遊んでもらいなさい」

ミリアはサンタナを抱き上げ、話しかける。

「いい子にしてるのよ?まあ、貴方はいつもいい子よね」

食器を洗う。
洗い終えるまで、ミリアは猫達を撫でていた。

「お疲れさま。お茶をどうぞ」

差し出された茶を飲む。
飲み終えたら、掃除に取り掛かるとしよう。

「これから掃除かしら?」
「ああ」
「私は後で出かけるから、猫の世話をお願いね」
「ああ」

茶を飲み終わり、席を立つ。
掃除を始めるか。

「今のうちに遊んであげるわ。おいでブチ。おいで。ブチ、無視しないで。あ・・・」

ブチがこちらの足下に寄ってくる。
掃除道具に戯れるのが好きらしい。

「まあいいわ。その子は貴方にあげる。私にはまだいるもの。いらっしゃいクロ」

無理矢理にクロを抱き上げる。が、それを嫌がったクロが逃げ出してくる。

「今のは私が悪かったわ。・・・あら、ミケとタマはどこに行ったのかしら?」
「ディズィーの所だ」
「そう。サンタナとトラはずっと貴方の足元だし、もうシロしかいないわね。シロ、こっちに来て」

シロがミリアの呼びかけに応える。

「よしよし、いい子ね。貴方、今日一緒に出かけましょうか。イノ達も喜ぶわ」

連れていきたいなら勝手にすればいい。
外出先で面倒を見られるならな。

「冗談よ。それにしても、どうして貴方はそんなに猫達に囲まれるのかしら」

掃除の邪魔だ。

「貴方、実は密かに猫が近寄ってくる薬とか作ってるんじゃないかしら?」
「使っていない」
「・・・作ってはいるの?」
「ああ」
「今度使わせてもらえないかしら」

機会があればな。

812名無しさん:2012/01/30(月) 01:30:36

ジリリリリリ

・・・ん・・・朝ですか。目覚ましがうるさいです。
枕元の目覚まし時計を止めます。

「・・・・・・まだ眠れますね」

余裕があるように、早めに目覚ましかけてますからね。
まだ置きなくても大丈夫です。
寒いですし、もう少し布団の暖かさを堪能したいです。
それにしても、今日はいつも以上に寒いような。それになんだか、身体が重いです。
ウチは朝に弱いというほどでもないんですけど。
まあ、きっと後少し寝れば大丈夫でしょう。

ジリリリリリ

「・・・うるさいです」

また目覚ましが鳴ってます。
今日はやけにうるさいですね。頭に響くじゃないですか。
やっぱりなんだか怠いです。寝不足でしょうか?夜更かしはしてないですけど。

ジリリリリリ

「もう・・・起きます、から・・・」

本当に、そろそろ起きないと。いつまでも寝ていられません。
目覚ましを完全に止めて、ベッドから起きようとして

「・・・・・・あれ?」

おかしいですね。身体が起き上がりません。
なんでしょう。それに、やっぱり寒いです。
でも、いい加減にして朝の支度をしないと、ディズィーさんとソルさんを待たせてしまいます。



・・・・・・目が覚めました。

「あれ?」

確か、さっき起きようとしてたはずですけど、なんでまた眠ってたんでしょう。
今何時ですか?寝過ごしてないといいですけど。枕元の時計を確認して

「・・・・・・え?」

おかしいですね。とっくに学校が始まってる時間じゃないですか。
もしかしてウチは、完全に寝坊して遅刻してしまいましたか!?

「大変で、す。起きな・・・」

う・・・また身体が重いです。
なんなんですかこれは。

「風邪だ。寝てろ」
「はい?」

誰ですか今の。

「・・・ソルさん?」
「ああ」
「・・・どうして、ここに?」
「ディズィーにお前を看病するように言われた」

なるほど。とてもわかりやすいです。

「風邪って・・・ウチが、ですか?」
「ああ」

そう言われれば、なんだか話すのも辛いですし、頭はボーッとしますし、身体は重いですし。
あ、これが風邪ってやつなんですね。今まで引いたことがないのでわかりませんでした。

「それで、どうして、ソルさんが」

ここにいるんですか、と聞こうとしましたが、どうにも息が続きません。

「お前の看病だ」

ん?これ、さっきも聞いたような、聞いてないような。
看病ですか。ウチを、ソルさんが。

「あ、これ、夢ですか」
「違う」

おかしな夢だと思ったら、即座に否定されてしまいました。
ということは、これは夢じゃないんですね。
どうも、さっきから考えがまとまりません。
とりあえず、ウチは風邪を引いて、何故かソルさんが看病してくれてるんですね。

「食欲はあるか?」
「え?」

食欲・・・そういえば、朝ご飯食べてませんし、お腹はすいているような。でも

「えっと、お腹はすいてますけど、あんまり、ご飯を食べたいとは」
「そうか。粥を作る。寝てろ」

そう言って、ソルさんは部屋から出ていってしまいました。
何がどうなっているんでしょう。

813名無しさん:2012/01/30(月) 02:22:59
まったくどういうことなんでしょう。
風邪を引くなんて初めてです。風邪を引くようなことをした覚えはないんですけど。
それに、ソルさんが看病してくれてるのも奇妙です。そんなことをする人じゃないと思ってたんですけど。
ディズィーさんが看病してくれるなら納得できますが。
そういえばディズィーさんはどうしたんでしょう。学校ですか?
あ、学校・・・今日は休みになるんですよね。ウチは今まで皆勤賞だったのに、とうとう休んでしまいました。
となると、もしかしてソルさんも学校を休んでるんでしょうか?ウチのせいで?
確か、ソルさんは授業はサボりますけど、出席だけは転校してきて以来皆勤だったはずです。
ウチとディズィーさんと毎朝一緒に登校してましたからね。
なんだか、風邪を引いたせいか、普段考えないことを考えてしまいます。
後でソルさんに聞いてみましょう。そんなところへ、

コンコン

「入るぞ」

ノックの音と、ソルさんの声がして、ソルさんが部屋に戻って来ました。
お粥も持ってきてます。

「食えるか?」
「はい。いただきます」

食べるために身体を起こそうとして・・・う、結構大変です。
と、ソルさんが手を貸してくれました。

「ありがとう、ございます」
「自分で食えるか?」
「え、それは・・・」

どうでしょう。正直、身体を動かしたくないです。
すると、ソルさんはウチの横に椅子を持ってきて、スプーンでお粥を掬って

「食べろ」
「え・・・ええ!?」

ちょっ、何をやってるんですかソルさん!

「自分で食えないなら食わせてやる。冷ましてあるから熱くはない」

そうするしかないかもしれませんけど、恥ずかしいじゃないですか。ソルさんに食べさせてもらうなんて。
しかも、食べやすいようにすでに冷ましてくれてるおまけ付きですか。

「自分で食えるならそうしろ。できないなら大人しく食べろ」
「う・・・」

仕方ありません。ソルさんの方を向いて口を開いて、

「あむ・・・ん・・・」

・・・美味しいです。お粥ってこんな美味しいものだったんですね。熱さも程よいです。
食べたことがなかったので、イメージだけで、味のしないご飯みたいなものを想像してましたが、これなら普段から食べたいぐらいです。
ウチがそんな感想を抱いていると、ソルさんが二口目を用意してくれました。

「あーん」

もう恥ずかしがる必要もないですし、甘えちゃいましょう。
ええ、これはもう病人の特権とでも思って。怪我の功名ってやつですね。病気ですけど。

「ごちそうさまでした」

全部食べ終えました。

「美味し、かったです。」
「少ししたら薬を持ってくる。それまで休んでいろ」

またベッドに横になります。
ソルさんは食器を片付けに部屋から出ていってしまいました。
うーん、ソルさんのお料理上手は知ってましたけど、まさかこんなことまでできるなんて、ビックリです。

そういえば、食べることに夢中で、ソルさんに聞くことがあったのをすっかり忘れていました。
なんでしたっけ?学校のことと、えーと・・・

コンコン

「は、はい!」
「入るぞ」

ソルさんが戻って来ました。
お薬を持ってきたみたいです。う、ウチは苦いのは嫌いです。
風邪薬を飲んだことはありませんが、きっと苦いんです。お薬なんてみんなそうに決まってます。

「薬だ。飲め」
「・・・飲まなくちゃ、ダメですか?」
「注射がいいか?」
「ええっ」

注射!?それはもっと嫌です!

「飲みますけど・・・ウチは苦いのはダメなんです・・・」
「甘くしてある」
「え?」

またまた。いくらソルさんだからって、お薬は苦いものですよ?
甘くて飲みやすいなら誰も苦労しません。ていうか、『甘くしてある』ってどういうことですか。
まるでソルさんがそのお薬を作ったみたいな言い方じゃないですか。
とにかく、ここで我侭言っても仕方ありません。覚悟を決めてお薬を飲みましょう。

「・・・・・・甘いんですけど?」

おかしいですね。これ本当にお薬ですか?

814名無しさん:2012/01/30(月) 03:01:49
再び横になって休みます。
ソルさんが額に冷たいタオルを当ててくれました。気持ちいいです。
薬を飲んだおかげか少し気分も良くなってきましたし、まだ眠くもないのでソルさんとお喋りしましょうか。

「あの、ソルさん」
「なんだ」
「どうしてソルさんがこんなにしてくれるんでしょうか?」
「ディズィーに言われたからだ」

ああ、そういえばそんな事を朝も聞いたような。
それって、ディズィーさんに言われなかったら、ウチのことなんてどうでもいいってことですか?
うん、ソルさんならそうですよね。そっちの方がらしいです。
それに、ディズィーさんに押し付けられた看病でも、全く手抜きしてる感じがないのもソルさんらしいです。

「学校はどうしたんですか?」
「俺もお前も休みだ。ディズィーが伝えている」
「すみません」
「なにがだ」
「ソルさんって、休んだことなかったですよね?ウチのせいで、初めての休みにしてしまいました」
「どうでもいい」

どうでもいいって・・・。皆勤に拘らないなら、ソルさんが学校に行く理由なんてないでしょうに。
そういえば、ソルさんは授業はほぼ全部サボってますし、それでも全く問題ないぐらい頭がいいのに、どうして学校は休まないんでしょう?
考えてみれば当然の疑問ですけど、今まで聞いたことありませんでした。
聞いたら答えてくれるでしょうか。こんな機会も滅多にないでしょうし、思い切って聞いてみましょうか。

「ソルさん」
「なんだ」
「ソルさんは学校に行かなくても頭がいいですよね?授業も出てませんし。なのに、どうして学校にはちゃんと行くんですか?」
「ディズィーとの約束だ」
「約束?」

一体どういう。

「ここに来る前、ディズィーと一緒に学校に行くと約束をした」
「・・・それだけですか?」
「ああ」

ええと、ソルさんとディズィーさんの事情はよくわかりませんけど、その約束があるから律儀に学校に行ってるわけですか。
凄いのか凄くないのか、よくわかりません。でも。約束を守るというのはいい事だと思います。

「じゃあもし、その約束をしてなかったら、学校には?」
「行かん」
「ですよね」

行く理由がなさそうです。でも、勉強するだけが学校じゃありませんよ。
友達を作ったり、一緒に遊んだり、楽しいじゃないですか。
・・・ダメですね。ソルさんが、それを楽しんでる風景が全く想像できません。
でもきっと、何年もすれば、ソルさんだってウチ達と仲良く学校生活を送るようになってくれますよね。

「ふあ・・・」

眠たくなってきました。

「眠いなら寝ろ」
「はい。そうします」

惜しいですね。ディズィーさんに言われてるせいか、今日のソルさんはウチの言うことなら何でも聞いてくれそうなのに。
最後に、ちょっとした我侭でも言ってみましょうか。

「ソルさん」
「なんだ」
「おやすみのチューをしてください」

なんて、冗談ですけどね。
さすがにソルさんもそこまではできないでしょう。
・・・って、え?ほっぺに何か感触があるんですけど?おかしいですね。熱のせいですか。気のせいですよね。

「・・・え?あの・・・えええ?」
「寝ろ」
「いや、あの、な、何するんですか!」
「頬じゃ不満か」
「そんなことじゃなくてですね!?」
「だったら騒ぐな。大人しく寝てろ」

なんでそんなに平然としてるんですか!?
失敗しました。少しはわかってたつもりでしたけど、この人、ウチの常識を遥かに越えた所にいました。
あ、なんか熱が上がってきた気がします。

「・・・・・・寝ます」

布団を被って寝てしまいましょう。

「・・・あの」
「なんだ」
「その、見られていると寝にくいので、すみませんが部屋から出ていただけると助かります」
「ああ」

普段はそんなこともないんですけど。さすがにこの状況じゃちょっと眠れません。落ち着くまで一人になりたいです。
ソルさんといえば、照れてる様子もまるでなく、部屋から出ていってしまいました。
なんなんですかあの人。そりゃ、あんな冗談を言ったウチが悪いですけど。
それにしたって本気でやりますかあんなことを!ほっぺで良かったです。
もし唇が奪われでもしたら、ウチは死ぬか、ソルさんに責任を取ってもらうしかありませんでした。
いや、ソルさんに責任を取ってもらうのもおかしな話ですね。落ち着きましょう。
そうです。こんな頭で考えてもろくなことになりません。とりあえず寝ましょう。そうしましょう。

815名無しさん:2012/01/30(月) 04:07:51
ピンポーン

・・・・・・ん?今、何か鳴ったような。

ガチャ

玄関のドアが開く音ですか?誰か来たんでしょうか?
声と足音がどんどんウチの部屋に近づいてきます。

「メイ、寝て・・・しれな・・・静か・・・よ」
「わか・・・・・・」

メイさん達ですか。お見舞いに来てくれたんでしょうか。

コンコン

と、控えめなノックの音がして、

「お邪魔します?」
「どうぞ入ってください」
「わ、起きてたんだ、ブリジット」
「すみませんブリジットさん。起こしてしまいましたか?」
「いえ、そんなことはないですから気にしないでくださいディズィーさん」

気分もかなり良い感じです。ソルさんの薬が効いたみたいです。

「やっほーブリジット。元気?」
「まだ全快じゃないですけど、かなり良くなりました」
「良かったねブリジット。あなたが風邪を引くなんて珍しいから、心配したのよ?」
「ご心配おかけしましたエイプリルさん」
「お兄ちゃんに看病を頼んだんですけど、何か問題はありませんでしたか?」
「問題どころか、ソルさんの看病は快適すぎます」

おやすみのアレは置いておきましょう。

「それにしても、ほんと珍しいよね。ブリジットが風邪引くなんてさ。初めてじゃない?」
「ウチの記憶にある限り、そうです。今朝なんて、ソルさんに言われるまで、自分が風邪を引いたなんて思いもしませんでした」
「馬鹿は風邪を引かないって、馬鹿は風邪を引いたことに気づかないって意味らしいわよ?」
「そうなんですか?」

ウチってバカだったんですね・・・。
確かに、風邪を引いたのにまるでそのことを理解してなかった自分は笑われても仕方ありません。

「ボクも風邪引いたことないけど、じゃあボクはバカじゃないんだね!」
「メイさん、馬鹿は風邪を引かないって、そのままの意味もあるそうです」
「そうなの?」

つまり、そういうことですね。

「ま、とにかくブリジットが元気そうで良かったよ。明日は学校来れる?」
「はい。きっと大丈夫です」

この調子なら、明日にはしっかり治ってるはずです。

「そう。今日の授業のことは明日教えてあげるから」
「ノートもお貸ししますから、ご安心ください」
「ありがとうございます。今日の学校はどうでしたか?」

ウチのいない学校はどうだったんでしょう。
ウチがいない間に面白いことがおこったりしてませんでしたか?

「んーそうだなあ。ボク達のクラスはいつも通りだったよ」
「姉さん達はソルさんと遊べなくて残念がってたかな」

あの人達は何故かソルさんと一方的に仲が良いですからね。

「ブリジットも元気そうだし、そろそろ帰りましょ、メイ」
「え、もう帰るの?」
「ウチは大丈夫ですよ?」
「あんまり長居しちゃダメでしょ。ブリジットもまだ本調子じゃないんだから、休まないと」
「ブリジットさんの看病は私とお兄ちゃんでやりますから、任せてください」
「お願いね、ディズィー。それじゃ、お大事に、ブリジット」
「明日はちゃんと学校に来なよ、ブリジット。バイバイディズィー」
「はい。また明日です」
「お気をつけて」

お二人が帰って行きました。

「それじゃ、ブリジットさんも休んでください」
「はい。でもその前にディズィーさん」
「なんですか?」
「今日は、色々とありがとうございました。学校への連絡とか、ソルさんに看病をお願いしたこととか」
「そんな、大したことじゃありません。それに看病のお礼は、私じゃなくてお兄ちゃんに言ってあげてください」

明日、ウチの風邪がすっかり治ったら、ちゃんとお礼をしないといけませんね。
それに、

「もしいつかディズィーさんとソルさんが風邪を引いたら、ウチが看病しますから」
「その時はよろしくお願いします。風邪を引かないのが一番ですけどね」
「そうですね。ごめんなさいです」

でも、たまに風邪を引いて、今日みたいにソルさんに付きっきりで手厚く看病してもらえるなら、それもいいかななんて思ってしまったり。
はっ、こういうことを考えちゃいけませんよね。風邪のせいで考えごとも弱ってるみたいです。
とにかく、今はゆっくり休みましょう。
今日はありがとうございました、ソルさん。おやすみなさい。

816名無しさん:2012/01/30(月) 04:13:28
テスタ「今日はがんばった」

アバ「・・・前回がんばらなかったから」

テスタ「ソルとミリアの会話は何気に困るのだ」

アバ「・・・どっちもお喋りな性質じゃないからね」

テスタ「これからどうしようか」

アバ「・・・いつもの悩み」

テスタ「いつも悩んで、いつも答えが出ない」

アバ「・・・やれやれ」

テスタ「それでは今日はここまで」

817ジベタリアン ◆FOxSH0WLqA:2012/02/01(水) 02:12:28
〜レイとルーン物語〜
昔、あるひとつの村にルーンと言う若者がいました。
ルーンは背が高く、力が強くてかりが上手でした。
そしてその村で、一番お金持ちの家の娘、レイもかりが上手でした。そして、二人はとても愛し合っていました。しかし、レイの兄は(金持ちの娘とあんな貧乏人の男が付き合っているなんて何事だ!)と思っていました。
そして、レイの兄はある日こんな会話をを耳にしました。村人A「ねぇねぇ、しってる?ルーンさんってお母さまの好きな魚を取るために日が落ちてから海まで行って魚を取るんですって」村人B「そうそう。ここから海まで1㎞も離れているのにねぇ」
村人A「なんでも、レイ様のおやしきのほうから海を見るとルーンさんのランプの火が見えてロマンチックだそうよ。」
そんな話を聞いたレイの兄はすぐさまやしきに帰り、レイが帰ってくるといいました。
「レイ、あの海の上で光っているものを、射抜いてごらん」「はい。お兄様」そう言ってレイは矢をかまえました。
「ヒュゥ!」そして見事に射抜いた光るもの、それは、みなさんも承知のとうりルーンだったのです。
でも何も知らないレイは「やったぁー!」と無邪気に叫んでいました。

818名無しさん:2012/02/01(水) 03:03:26
テスタ「僕たち・・・これからどうなるんですか?」

アバ「しらないわよっ!私に聞かないでっ!私だって、好きでこんなとこ来たわけじゃないし」

テスタ「そっか・・・それもそうですね」

しばらく沈黙が続いた

アバ「・・・はぁ〜・・・ジベタリアンさん・・・助けて・・・」

テスタ「・・・・・・ジベタリアン・・・彼氏の・・・名前ですか?」

アバ「・・・うん。小学校からの同級生で、私の憧れ・・・」

テスタ「いつも、アバさん悩んで居たの、そう何ですか・・・えっと、ジベタリアンって・・・駄目だ、答えが出ない・・・」

アバ「・・・ごめん。私はジベタリアンさんが、好きですけどね」

テスタ「・・・アバさん。俺は、やっぱり・・・・・・このままだと、ずっとアバさんの事が忘れられません気がします。此れから、自分の出口、探して来ますね・・・」

819ジベタリアン ◆DL6xKyOq9k:2012/02/02(木) 01:19:33
続けろ

820名無しさん:2012/02/04(土) 22:28:05
テスタ「ちょっと話あるんだけど・・・」
アバ「・・・なに?私はないよ」
テスタ「え・・・ああゴメン」

821名無しさん:2012/02/05(日) 13:55:38
ここは、オシャレな街として知られる新大久保

オシャレな人が行き交う新大久保は、ファッションアイテムなど人気のセレクトショップもたくさん
新大久保は、心地よいカフェや、美味しいレストランが充実しており、落ち着いたシックな時間が流れるちょっと大人のデートエリアであることが人気の秘訣

822名無しさん:2012/02/06(月) 02:34:53
放課後の自室。

「とうとう明日からテストアルナ」
「憂鬱ですわ」
「でも、それが終わったらすぐに冬休みなの」
「もう今年も終わりアルナ」

仕事をしている横で、テスト勉強が行われる。

「冬休みは何するアルカ?」
「特にこれということもありませんわ。いつも通り過ごします」
「蔵土縁さん、一緒に二年参りに行かない?」
「ウーン・・・行きたいアルガ、お店が有るから約束できないアル」
「そうなのですか。年末なのに大変ですわね」
「年末だから大変アルヨ」

スレイヤーから渡された雑事を片付ける。
年末だからか、整理する書類が多い。

「バッドガイ君は行くよね?ディズィーさん達と一緒に」
「今年はミリアさんも一緒ですわ」
「年越しから賑やかアルナ。・・・ン?この問題解けたアルカ?」
「そこは・・・・・・こうするの」
「アイヤ、ありがとうアル」
「多分テストに出るから、覚えておいたらいいと思うの」
「注意しますわ」

書類整理を進める。

「あ、お茶淹れるの」

空になった湯呑みに茶が注がれる。

「お疲れさま。お仕事がんばってね」

茶を飲んで、整理を続ける。

「ワタシ達も一息入れるアル」
「お菓子を出しますわ」
「大分外は暗いけど、まだ残るの?」
「バッドガイさんもまだお仕事を続けるみたいですわよ?」

俺に合わせる必要はないだろう。帰るなら勝手に帰れ。
書類も大分片付いてきた。

「結構勉強したアルナ」
「疲れましたわ」
「お茶が美味しいの」

茶を飲み、再び仕事に戻る。

「ソルも精が出るアルナ」
「バッドガイさんはテスト勉強をする必要がありませんもの」
「でも、テストより大変だと思うの」
「テストは嫌アル」
「まあまあ。今回もテストが終わったらバッドガイさんの家でパーティをしましょう」
「お料理は何にするの?」
「そうアルナァ・・・おでんなんてどうアルカ?」
「今の季節にぴったりですわ」
「いいと思うの」
「皆にも聞いて、反対がなかったらそうするアル。ソル、おでんでいいアルカ?」
「ああ」

好きにしろ。
ようやく仕事も終わりかける。

「そろそろ終わる。片付けろ」
「了解アル」
「洗い物してくるの。バッドガイ君、もうお茶いらない?」
「ああ」
「じゃあ、これも洗ってくるの」
「私はお掃除しますわ」

動き出す。
そして、こちらも仕事が終わった。帰り支度を整える。

「お疲れアル」
「帰る。出ろ」
「早いアルナ」
「片付け終わりましたわ」
「こっちも大丈夫なの」

自室を出て鍵をかける。

「結局、最後はお茶を飲んでくつろいでただけだったアルナ」
「勉強なら十分にしましたわ」
「きっと大丈夫なの」
「そうだといいアル・・・。それじゃソル、さよならアル」
「さようなら、バッドガイさん」
「また明日ね」
「ああ」

紗夢達と別れ、スレイヤーに仕上げた書類を届けに行く。
明日からテストか。俺には関係ないが。

823名無しさん:2012/02/06(月) 03:52:44
自室。外は雨が降っている。
再びスレイヤーに雑用を与えられたので、テストの間、仕事をこなす。

コンコン

テストが始まって少しして、ドアがノックされた。

「失礼するわ」

ミリアが入ってきた。

「何の用だ」
「貴方に用はないわ。テストが終わったから、ここで時間を潰そうと思っただけ」

ミリアがコタツに入る。

「あら、良さそうなティーセットがあるじゃない。誰が持ってきたのかしら」

それを取り出し、紅茶を用意する。

「貴方は砂糖とミルクは無しでいいわよね」
「ああ」
「こんな時も仕事?貴方も大変ね」

机に紅茶を置き、コタツに戻っていく。
茶を飲み、仕事を続ける。少しして、

コンコン

再びドアがノックされた。

「失礼する。ミリアッ!?何故お前がここにいる!」
「静かにしろ。テスト中だ」

ザトーが入ってくるなり、ミリアを見て声を上げる。

「そうだな、失礼した。ミリア、何故ここに?」
「テストが終われば自由でしょ。貴方にどうこう言われる筋合いはないわ」
「それはそうだが・・・」
「何の用だ」

ミリアに用があるわけじゃないだろう。

「おっと、すまんな。貴様に話があったのだ」
「何だ」
「立ち話もなんだ、私もコタツに当たっていいかな?ミリア」
「お断りよ。話があるならすぐに終わらせて出ていきなさい」
「・・・はい」

用件はなんだ。

「話というのはだな。実は、クリスマスパーティを生徒会主催で開催する予定だ」
「そうか」
「そこでだ、貴様には生徒会長として厳に命じることがある」

なんだ。

「いいか?貴様は『何も手伝うな』。これが生徒会長命令だ」
「ああ」
「どういう命令なのよ」

手を出さなければいいのだろう。
それをわざわざ言いに来たのか。

「仮に、ジェリーフィッシュや他の誰かが貴様に助けを求めても、私の命令を盾に断れ」
「ああ」
「たまには貴様を頼らずにやらねばな。それに、こうでもしないと貴様も断りきらないだろう」

そうまでして断る理由がない。が、今回は生徒会長命令だ。従おう。

「これは今までの貴様の労を労う意味もある。今回はVIP扱いでパーティを堪能するが良い」

それで話は終わりか。

「ところでミリア」
「なによ」
「パーティでは、是非私にエスコートさせてもらえないかな?」
「お断りよ」
「何故だ」
「既にソルと約束済みだからよ。一足遅かったわね」
「最速で誘ったというのに・・・」

ザトーが出て行く。そろそろ最初のテストが終わる。

「私も教室に戻るわ。また来るでしょうけど」

ミリアも立ち上がる。

「楽しみね、パーティ」

俺も仕事に戻るとしよう。

824名無しさん:2012/02/06(月) 03:54:36
テスタ「疲れた」

アバ「・・・おつかれ」

テスタ「それでは今日はここまで」

825名無しさん:2012/02/07(火) 08:58:20
アバ「そんなこと、どうでもいいよ」

826名無しさん:2012/02/10(金) 20:51:28
朝から下腹部が痛い…
ちょっと今月の生理が、いつもより重かったから、そのせいかも…
せっかくの休み時間だっていうのに、余り動く気がしないので、自分の席でマッタリしていると、ザトーがやって来た。

「ミリア!うちのババアが近所のババアに聞いたんだけどさ」
ザトーの母親は、近所でも有名な情報通だ。
半径10キロ以内の出来事は全て知っている。
「実はソルの親父が痴漢で捕まって、それが原因で両親が離婚しちゃったらしいんだ。
で、ソルは母親に引き取られたらしいんだけど、しばらくの間、母親と近親相姦してたんだって。親も親なら、子も子だわな。(笑)」

827名無しさん:2012/02/13(月) 02:34:10
夜。自室。

コンコン

「お邪魔します」

カイがやってきた。

「何の用だ」
「暇ができたもので。久々にチェスでも一局どうかと思いましてね」
「断る」
「どうせ貴方も暇でしょう。以前より腕は上げたはずですから」

勝手に部屋に入り、チェス盤と駒を用意する。

「先手は貰いますよ。長考も無しでお願いします」

研究資料を片付け机から離れ、カイと向かい合う。
カイが一手目を動かす。

「貴方は相変わらず、夕食が終わったら自室に篭るんですから」

俺の勝手だ。

「テストが終わった開放感というのは良いものですよ。貴方は感じないでしょうがね」

テストを受けていた昔でも、そんなものは感じたことはない。
チェスを進める。と、サンタナが膝に乗ってきた。

「その猫は随分と貴方に懐いていますね。おでんを食べている間も貴方の膝の上で、ジェリーフィッシュの方々が羨ましがってました」

あいつらはあいつらで、家の猫で自由に遊んでいた。

「チェック。今も下で遊んでるんじゃないですかね。いいんですか?」
「勝手にしろ」

限度を超えない限りどうでもいい。
キングを動かす。

「テストも終わってテンションが上がってますからね。アクセル達は徹夜で遊ぶ気ですよ」

この家でか。

「騒がせるな」
「おっと、チェックですか。それはもちろん。近所迷惑にならないように注意はします」

ならばいい。カイのキングを追い詰める。

「ふむ、これで受かりますかね」                チェック・メイト
「フン!逃れることはできんッ!きさまはチェスや将棋でいう『詰み』にはまったのだッ!」
「静かにしろ」
「ごめんごめん。いやあ、ちょうどいいタイミングだったからさ」

急に部屋に入ってくるなり騒がしい。

「・・・これ、詰んでますか?」
「まだだ」

負ける気はないが、この時点では形勢五分だ。

「あれ?まだチェックメイトじゃない?まあいいや。ちょっと休憩にきたのさ」

連れてきたタマを抱えたままベッドに座る。

「テストは終わったしおでんは美味しかったし打ち上げは楽しいしネコは可愛いし、いいよね」
「同感です。ソルは共感してくれませんでしたが」
「そりゃソルっちはさ。昔からでしょ」
「ごもっとも」
「冬休みも楽しみだよね。その前にまたパーティやるけど」

生徒会主催と、ジェリーフィッシュが毎年行なっているパーティ。
いつもディズィーに連れて行かれる。

「ザトーがミリアにフラれたせいで随分と張り切ってますので、どうぞお楽しみに」
「うちも今年は特にやる気だよ。期待しててねソルっち」

どうでもいいことだ。

「これで詰みだ」
「しまった・・・迂闊」
「負けたのカイっち?」
「ええ、やられました。読みが足りてませんでしたね」

雑談に気を取られるからだ。

「あたし達じゃ全然カイっちに勝てないのに、そのカイっちもソルっちには勝てないんだね」
「力及ばす、申し訳ありません」
「ドンマイ。次はあたしと勝負だソルっち。ポーカーで勝負!」
「断る」
「親は私。あとイカサマ禁止。プライドがレフェリーね」

こちらを無視してカードが配られる。
手札は3のフォーカード。

「コール」
「フォルド」
「なんで降りるの!?」

お前は8のフォーカードだろ。わかりやすいサマをやっている。

828名無しさん:2012/02/23(木) 02:50:03
自室。終業式も終え2学期も終わった。
冬休み中は出勤する必要はないとスレイヤーから通達されているので、今年最後となる自室を掃除する。
まずは、掃除に邪魔な炬燵等を廊下に出す。

「何ヲシテイル」
「何の用だ」
「ボンクラニ用ハ無イ。暇潰シニキタノニ何ダコレハ」

ロボカイのみか。
他の連中は今日の夜に行われる一足早いクリスマスパーティの準備をやっているのだろう。
俺は手伝い禁止なので関係ないが。ジェリーフィッシュの連中も生徒会命令は守る気らしい。

「コレデハコタツガ使エナイゾ」

掃き掃除を行う。

「我輩ノタメニ至急コタツヲ用意シロボンクラ」
「邪魔だ」

用がないなら出ていけ。

「役立タズメ。仕方ガナイ。我輩ハ雌共ニプロポーズシニイク。我輩ニ嫁ガデキテモ嫉妬スルナヨ」

ロボカイが去っていく。
次は雑巾がけだ。バケツと雑巾を用意する。

「やっほーソル。掃除してるの?ボクも手伝うよ」
「断る」
「いーからいーから。普段この部屋にお世話になってるんだし」

勝手に雑巾がけを始める。

「呼んでくれたら最初から手伝ったのに。ソルがぼく達を手伝うのはダメでも、逆は大丈夫でしょ?」

お前はお前で、パーティの準備があるはずだが。
ジェリーフィッシュの連中は紗夢と共に食堂の厨房で料理担当だったか。

「みんないるんだから、ボクがいなくても平気だって。こうやって掃除してるし、遊んでるわけじゃないしさ」
「メ〜イちゃん。お姉ちゃんがお迎えにきたよ〜」
「げっ・・・」
「なにかなその反応?勝手にいなくなっちゃダメでしょ?ごめんね〜ソルちゃん。メイは連れて行くから〜」
「ボクこっちで掃除の方がいい!」
「ダ〜メ。メイちゃんはひたすら野菜の皮むき係って決まったんだから、お仕事はちゃんとやりましょ〜」
「だってあれとんでもない量あったよ?全校生徒分の料理の野菜の皮むきとか地獄だよ・・・」
「みんなで手伝ってあげるから、戻るよ〜」

メイが引き摺られていく。
雑巾がけだけはちょうど終わっていた。次は窓拭きだ。

「精が出ますねえ」
「何の用だ」
「失礼。スレイヤーさんから言伝を頼まれましてね」

今度はファウストか。

「なんだ」
「パーティ後、教師で二次会を予定してますが、貴方出席しますか?」
「断る」
「でしょうねえ。そう伝えておきましょう」

用件はそれだけか。

「もう一つ、ちょっとした誘いがありましてね。冬休みの間、私は人々を救いに旅する予定ですが、貴方も一緒に来てみませんか?
 難病治療を現場で学べますよ。貴方から頂いた研究成果も使わせてもらいます。いい経験になるでしょう」
「断る」
「そうですか。残念ですがしかたありませんね。貴方には医者としての使命があるわけでもありませんし」

あっさりと引き下がる。

「では私はこれで。掃除を頑張ってください」

ファウストが出て行く。
窓拭きも終わった。最後はワックス掛け。道具を揃える。

「お待たせしましたソルさん!」

ワックス掛けを始める。

「パーティの準備で遅れましたが、ウチが来たからには教室の掃除なんてあっという間です!
 ウチ達の愛の力を見せてやりましょう!で、ウチは何をやればいいですか?」
「邪魔だ」

ワックスを掛けた所を踏むな。

「さあソルさん。遠慮せずにウチに命令してください。亭主関白でもウチは受け入れます!」

ワックス掛けも終わった。ワックスが乾くまで待つとしよう。

「あれ?もしかしてもう終わっちゃいました?早いですね。やはり愛の力ですか!」

その後は炬燵等を戻し、掃除は完了だ。

829名無しさん:2012/02/27(月) 02:37:07

冬休みになりました。
そして今日は、ジェリーフィッシュさんの所でパーティです。
ディズィーさんとソルさんとウチの3人で向かいます。

「お兄ちゃん、ちゃんとプレゼントは用意しました?」
「ああ」

ソルさん、パーティ自体乗り気じゃないのに、交換会用のプレゼントまで用意したんですか。
妹の期待に応える兄というのも大変ですね。

「お兄ちゃんはジェリーフィッシュさんのお家は初めてですよね?」
「ああ」
「ちゃんと挨拶してくださいね?」
「ああ」

ソルさんがちゃんと挨拶するところなんて想像できません。
ウチの時も投げやりな感じでしたし。でも、ディズィーさんの頼みなら素直にやっちゃうかもしれませんね。
一体どういう挨拶をするのかちょっと楽しみです。

「ところでソルさん。プレゼントって何にしたんですか?」
「お前には関係ない」

うわぁ、相変わらずウチには容赦ないです。
ウチを看病してくれた優しいソルさんは幻覚だったのかと思えてきますね。

「少しぐらい教えてくれてもいいじゃないですか」
「断る」

まあでもこっちの方がソルさんらしいです。
四六時中あんな優しいソルさんだと気味が悪いかもしれません。
ウチも随分と慣れたもんです。

「ブリジットさん、そういうのは交換までのお楽しみにしておきませんか?」
「それもそうですね」

誰のプレゼントが貰えるのか楽しみです。
でも、できればソルさんのがいいなあなんて、少し思ったり。
それで、ウチの用意したプレゼントがソルさんに渡れば完璧ですね!

「そろそろ着きますよソルさん。楽しみです!」
「そうですね」

ジェリーフィッシュさんのお家に着きました。

「あ、来た。メリークリスマス!」
「こらメイ。いらっしゃいませ。ディズィー、ブリジット、ソルさん。どうぞ上がってください」
「おじゃまします。メイさん、メリークリスマスです!」
「お邪魔します」

メイさん達に案内されて広いお部屋へ。

「あのね、3人に言っとくことがあるんだ」
「なんですか?」
「実はさ、リープおばさんは風邪引いちゃったんだよ」
「まあ、大丈夫なんですか?」
「ええ。ファウストってお医者さんに見てもらって、少し休めば大丈夫らしいから」
「良かったです」

この時期は風邪が流行ってますからね。健康には気を付けないと。
ウチが言えたことじゃありませんが。

「あ、だとすると、今日のパーティは騒ぐとご迷惑なんじゃないですか?」
「それは大丈夫よディズィー。部屋は防音だし、結構離れてる所に寝てるから」
「そうですか」
「でも困ったことがあってさ、リープおばさんがいないから料理がないんだ。
 リープおばさんは、無理して作ってくれようとしたけど、さすがに休んでもらったから」

そりゃそうです。風邪を引いた時は大人しく休むのが一番です。

「お菓子やジュースはたくさんあるから、それでいいかなって。ねえ、それでもいい?」
「ウチは全く構いません」
「ほんと?ディズィーは?」
「エイプリルさん、お聞きしたいんですけど、おばさんは無理して料理しようとしたってことは、料理の材料とかはあるんですよね?」
「あるわよ?」
「じゃあ大丈夫です。こんな時のためにお兄ちゃんがいるんですから」
「えっ?」

・・・ディズィーさんって、ソルさんのことをなんだと思ってるんでしょう?ソルさん相変わらず無反応ですけど。
とても自然に無茶苦茶言ってる気がします。ソルさんのウチに対する扱いより酷くないですか?
実は兄妹仲が最悪だったりするんでしょうか・・・。そんな事はないと思いたいです。

「あー、ちょっと失礼」
「こんにちはジョニーさん」
「こんにちはです!」
「ああ、よく来た。お前さんが噂のソル=バッドガイか。うちの娘がとても世話になっている」
「妹が世話になっている」

あ、普通に挨拶してます。やれば出来るじゃないですかソルさん。

「今の話を漏れ聞いたんだが、お前さん、パーティ料理を作れるのか?」
「おそらくな」

さすがソルさん。実際にパーティ料理を作ったことはないみたいなのになんという自信。

「うちの娘達も今日を随分と楽しみにしててな。料理はこちらで何か手配しようと思ったんだが、任せてもいいのか?」
「妹の頼みだ」
「確かにそいつは聞かないわけにはいかないな。なら任せよう。うちの厨房は好きに使ってくれ」

あっさりと話がついてます。ウチはまだまだソルさんを理解しきれてないみたいです。

830名無しさん:2012/02/27(月) 03:54:15
ソルさんがお料理をするというならウチも手伝おうかと思ったんですけど。

「ソルさん、ウチもお手伝いします」
「断る」

バッサリ斬られました。そりゃあウチはまともに料理もできませんけど、お皿を出すとか料理を運ぶぐらいできます。
それもジェリーフィッシュの皆さんが手伝うみたいですから、ウチは本当に邪魔なのかもしれませんが。

「んで、旦那は料理担当になったわけ?すげえな旦那」
「何が彼をそこまでさせるんでしょう」

これが妹の力です。何故完全にディズィーさんの言いなりなのかは知りませんけど。

「後輩君が私達のために犠牲になってくれたんだから、私達はその屍の上でダンスでも踊って報いよう」
「悪魔か」
「いい趣味とは言えませんね」
「ソルさんに悪いです」
「冗談半分。後輩共はノリが悪いねえ」
「冗談に聞こえねーって」
「本気半分。後輩君に遠慮して楽しめないじゃ、後輩君も浮かばれないというものだよ」
「死んでないですからね?」

勝手にソルさんを殺さないでください。でも、仰ることには一理あります。
ソルさんは料理担当になったことも、パーティに普通に参加できなくなったことも、多分なんとも思ってないでしょうね。
そういう人です。だったら、先輩さんの言う通り、ソルさんに遠慮するだけ損かもしれません。

「そうです!ウチ達はウチ達で全力で楽しみましょう!」
「そうだなあ。旦那にゃ後で礼でもすりゃいいか」
「おや、その料理ができたようですよ」

フライドポテトや唐揚げ、ピザまであります。美味しそうじゃないですか。
リープおばさんが冷凍物を使うとは思えませんが、まさか生地から作ったんでしょうか。恐るべしソルさん。
料理に目を奪われていると

「全員注目!今日は来てくれてありがとう!パーティを楽しんでいってね。
 もう知ってると思うけど、今日の料理はリープおばさんの代わりにソルっちが作ってくれてるよ!
 食べたいものがあったら言ってね。今日のソルっちなら多分なんでも作ってくれるから。ケーキも作ってるらしいからお楽しみに。
 それじゃあ乾杯しよう。メリークリスマス!」
「メリークリスマス!!!」

挨拶を一気に終わらせて乾杯。

「カンパーイ!」
「乾杯です!」
「さ、食べよ食べよ!どれも美味しそうだよ」
「ディズィーちゃんのお兄さんはお料理上手だもんね」
「お兄ちゃんですから」
「いただきます」

ウチも料理を取って食べましょう。
うん、美味しいです。

「ソルがいて良かったー。リープおばさんが風邪引いた時はどうしようかと思ったよ」
「たまにはソル先輩に感謝しないとね」
「たまにですか?」

ウチ達は割りとディズィーさん家でソルさんの世話になってますけど。

「ディズィー、あんまりソルさんをイジめちゃダメよ?」
「なんのことですかエイプリルさん?そんなことするわけないじゃないですか」
「言い切ったね」

兄も兄なら妹も妹です。
きっとこれで仲良くやってるんでしょう。

「うわっ、もうお皿が何枚か空になっちゃったよ」
「じゃあ私が下げてくるわ」
「お願いエイプリル。あと、ハンバーグが食べたいってソルに言っといて」
「メーイー」
「いいじゃん。好きなもの頼んで良いって姉さんも言ってたしさ」
「言うだけはするけど、作ってもらえるかは知らないから」

エイプリルさんが部屋から出ていきました。

「作ってくれるかな?」
「ソル先輩なら、作っても驚かないよ」
「ウチもです」

あの人冗談が通じませんから、本当に作ってしまいますよ。
でも、ハンバーグを作った所で、メイさん以外の人は食べるんでしょうか?
いや、ウチは食べますけど。ソルさんの料理なら美味しいでしょうし。

それからしばらくして、エイプリルさんが戻って来ました。

「遅かったですね?」
「ちょっと手伝ってたから。これ作るの」
「うわっ、ほんとに作ってる。てか早いよ!?」

パーティ用なのか、少し小さめですが間違いなくハンバーグ。
それをお皿に一杯。作ったことは驚きませんが、完成が早すぎですよ!

「あと追加の料理もいくつかあるから、そっちに置いて」
「お任せ下さい」

これだけ色々作ってるのに、ハンバーグなんて作る余裕まであるんですか。
ウチも何か頼んでみましょうか。

831名無しさん:2012/02/27(月) 05:35:44
それからパーティも随分と盛り上り、プレゼント交換も終わった所で。

「お待ちかね、バッドガイ特製のクリスマスケーキよ」

最後のケーキが出てきました。

「たくさんあるから、みんな取り合わないように」

ウチも頂きましょう。
イチゴにしましょうか、チョコにしましょうか。その他のも美味しそうです。

「全部食べたい!」
「メイ、欲張りすぎ」
「でもどれも美味しそうなんだもん」

気持ちはわかります。でもさすがに、全種類全員分はないみたいですね。
既にかなりの量を食べてますから、そんなにあっても食べ切れませんし。
ここはイチゴのケーキをもらいましょう。うん、やっぱり美味しいです。
すぐに食べきっちゃいました。ごちそうさまです。

「私は空になったお皿片付けてくるね」
「あ、エイプリルさん。ウチが行きます。ケーキ食べてていいですよ?」
「いいのよブリジット。あなたはお客さんなんだから」
「いえ、少しぐらい手伝わせてください」

今日はずっと何もしてなかったから、最後ぐらい手伝わないと。

「これぐらいやらせてください。じゃあ、行ってきます」
「あっ。ありがとうブリジット」
「おやすいごようです」

ちょっと強引でしたけど、お皿を持って厨房へ。
その前に着くと、中から声が。

「やっと一息ついたの」

そういえば、ソルさんともう一人、パーティ会場にいない人がいました。
ずっと厨房でソルさんのお手伝いをしていたんでしょうか。

「バッドガイ君の作ったケーキ、とても美味しそうなの。バッドガイ君も食べる?」
「いらん」
「あ、じゃあ飲み物でも」
「いらん」

ソルさん容赦無いです。客観的に見ると、いかにソルさんがコミュニケーションを取る気がないのかわかります。
こっそり覗くと、ソルさんは一人淡々と食器洗いやってました。

「あの、今日はありがとう。バッドガイ君」

ソルさん、無視してないで答えてあげたらどうですか。

「おかげで、みんな楽しめたんじゃないかなって思うの」

その通りです。皆さん大盛り上がりでした。
パーティにも出ず、料理を作ってくれていたお二人のおかげですね。

「バッドガイ君も今からでも行ったらどうかな?」
「興味がない」

わぁ・・・主催者側の一人の目の前でそんなことを堂々と言いますか。まあ、ソルさんですしね。

「もうプレゼント交換も終わってるのかな。バッドガイ君、プレゼントはどうしたの?」

・・・あれ?そういえばプレゼントはぴったり無くなってましたね。
ウチはとあるバンドのアルバムをもらいました。
ウチが出したクマのぬいぐるみはカイさんが引き当ててましたっけ。
ソルさん、もしかしてまだ自分のを持ったままなんでしょうか。

「もし良かったら、私のと交換する?」
「断る」

ソルさん軽く無慈悲です。

「・・・じゃあ、私だけでもプレゼントあげるの。自分で持っててもしょうがないから。メリークリスマス。
 それと、バッドガイ君の作ったケーキ、美味しいかったの。ごちそうさま。私も片付け手伝うの」

あ、強引に押し付けました。それ、ソルさんには結構有効な手ですからね。
ソルさんはと言うと・・・もしかして、ソルさんの用意したプレゼントを渡す気なんでしょうか?

「覗き見は男らしくねぇなぁ」
「ッ!?」

誰ですか!?ってジョニーさんですか。いつの間にウチの後ろに。

「お前さん、好奇心も時と場合によりけりだぜ。こういう所を覗き見るのは感心しないな」
「うぅ、すみません」

・・・ジョニーさんの言う通りです。覗き見というのは良くない行為でした。でも、

「ジョニーさんは気になりませんか?」
「気にならないとなったら嘘になるが、覗きはしないさ。
 まあ、もしソルが俺の可愛いお姫様を泣かせるようなことがあれば、容赦しないがな。ほれ、さっさとその皿持って行きな」

そうでした。忘れてました。
さっきまでちょっと入りづらかったんですが、こうなったら自然に入って行きましょう。
ウチが目を離している間、どんなやりとりがあったのか気になりますが、今は気にしないことにしましょう。
何もなかった可能性が一番高いですしね。

832名無しさん:2012/02/27(月) 05:43:32
テスタ「何書けばいいのか何も思い浮かばない時がある」

アバ「・・・よくある」

テスタ「そんな時は諦めて次へ行く」

アバ「・・・うん」

テスタ「結果がこれだ」

アバ「・・・はぁ」

テスタ「生徒会のパーティとか無理だった」

アバ「・・・全カット」

テスタ「まあどうせいつも通りの展開だったからカットしても問題ない」

アバ「・・・それもどうかと」

テスタ「そんな事より次をどうするか」

アバ「・・・JFパーティ現在版」

テスタ「カットしても問題ない」

アバ「・・・えー」

テスタ「書けそうなら書こう」

アバ「・・・書けなかったら」

テスタ「当然カットだな」

アバ「・・・・・・がんばれ」

テスタ「それでは今日はここまで」

833名無しさん:2012/03/05(月) 02:02:03
朝、目を覚ます。
ベッドから置き着替え等を済ませ、一階へ向かう。

「おはようございますソルさん!」

台所へ向かうと、ブリジットがいた。

「何の用だ」
「見ての通り、愛情たっぷりの朝食を作ってます!」
「何の用だ」

朝食を作りに来たのか。

「わからないんですかソルさん?」
「ああ」
「今日はクリスマスですよ?」

だからなんだ。

「メリークリスマスです!クリスマスプレゼントはウチ自身です!どうぞ身も心もウチの全てを受け取ってください!」
「断る」
「そんなわけで、今日は朝からソルさんのために朝食を作っているんです。これも妻の務めですからね!」

そんなことは聞いていない。

「ソルさんはどっしりと亭主関白で構えててください!朝食もすぐに出来上がりますから!お茶いりますか?すぐに用意しますね」

忙しなく駆けまわる。
何故こいつがここにいるのか。

「・・・どうしてブリジットがいるのかしら?」
「あ、おはようございますミリアさん」
「おはようブリジット。で、どうして貴方がここに?」
「ソルさんの愛妻としてウチがここにいるのは当然じゃないですか!」
「貴方が何を言ってるのかわからないわ。おはようソル」
「ああ」

ミリアも起きてきた。
ディズィーはいつも通り、まだ寝ているのだろう。

「もう少し詳しい説明をしてもらえないかしら?」
「わかりやすく言うと、冬休みの間、ウチはソルさんのお嫁さんです」
「全く意味がわからないわ」

俺もだ。

「だってミリアさんばっかりソルさんと一緒に暮らして羨ましいじゃないですか!
 だからウチもソルさんと一つ屋根の下であんなことやこんなことをしようと決めたんです!」
「羨ましがられるようなことは何もないわよ。でも、勝手に決めていいのかしら?」
「もちろんディズィーさんの許可は得てますよ?冬休みの間だけなら問題ないそうです」
「聞いてないわ・・・。ソル、貴方は?」
「知らん」

だが、ディズィーならやりかねない。
恐らく、ブリジットの言うことは真実だろう。

「そんなわけで、冬休み限定でウチはソルさんの新妻です。もちろんこの家に泊まりこみですから。
 不束者ですが、これからよろしくお願いしますソルさん。いえ、アナタ」
「気持ち悪いわね」
「そんな!?」

ディズィーめ。起こしてくるか。

「あれ?どこに行くんですかソルさん?もう朝ご飯できますけど」
「わけがわからないけど、少しは手伝うわ。何人分のお皿が必要かしら?」
「3人です。ディズィーさんは寝てますからね」

ここまで想定内か。
ディズィーの部屋へ向かう。

「ディズィー。起きろ」
「・・・・・・まだ眠いです」
「燃やすぞ」
「・・・わかりました」

脅しでないことが通じたらしい。

「説明しろ」
「ブリジットさんがしませんでしたか?」
「した。だが、それを俺が受け入れる理由はない」
「今日はクリスマスですよお兄ちゃん?」

それはブリジットも言っていた。

「つまり、私の誕生日でもあるんです。クリスマス&誕生日プレゼントと思って、私のお願いを聞いて頂けませんか?」
「お前用のプレゼントは既に用意してある」
「じゃあ、それはそれで貰いますね」

好き勝手やってやがる。

「ダメでしょうか?お兄ちゃん?」

だが、妹の祝の日の願いとなれば、聞くしかない。

「わかった」
「そんなお兄ちゃんが大好きです。じゃ、私は寝直します。
 あ、そうだ。おはようございますお兄ちゃん。おやすみなさい」
「ああ」

再び寝に入るディズィー。もういい、部屋を出るか。

834名無しさん:2012/03/05(月) 03:39:18
朝食を食べる。

「どうですかソルさん?ウチの愛を感じますか?」
「いいや」
「まだ愛が足りてませんでしたか・・・」

わけのわからないことを。

「でも、美味しいわよブリジット。貴方、結構料理上手なのね」
「それはもちろん!ソルさんのお嫁さんとして恥ずかしくないように、特訓してきましたから!」
「・・・・・・そう」
「ところでミリアさん。率直に言って欲しいんですけど、ウチとソルさん、どっちの料理が美味しいですか?」
「ソルね」
「そんな即答しなくてもいいじゃないですか!?」

ブリジットの料理も十分によく出来てはいる。

「ショックです・・・」
「しょうがないじゃない。私の好みの問題かもしれないけど、ソルの方が美味しいと思うわ」
「ウチの自慢の旦那様ですからね!ソルさんの料理がウチより美味しくないわけないじゃないですか!」
「貴方、どう答えれば満足なのよ」

誰が旦那だ。
ディズィーの頼みなので家に置いてはやるが、夫婦関係を認めたりはしない。

「ウチとしては、ソルさんに勝るとも劣らない程度の評価が欲しいんです」
「ソル並ってことね。・・・できると思うの?」
「思いません!でもやります!」
「滅茶苦茶ね」
「足りない分はウチの愛でカバーしますから!」

食事を終える。

「ソルさん、お代わりはいりませんか?」
「いらん」
「そうですか。お粗末さまでした。ウチの愛妻朝食はどうでしたか?」
「美味かった」
「ほんとですか!?聞きましたかミリアさん!ソルさんが認めてくれましたよ!ウチの愛が届いたんですね!!」
「ソル。貴方、自分の料理とブリジットの料理、どっちが上だと思うかしら?」
「俺だ」
「えええっ!?」

謙遜でも自信過剰でもない評価をすればそうだろう。
技術的な問題で、まだ荒い。

「ブリジット、先は長いわね」
「そんなこととっくの昔にわかってます。いいんです。今すぐじゃなくても、いつかウチの愛が届けばいいんですから」
「・・・理由は知らないけど、貴方も随分と献身的よね」
「そんな献身的なウチに、ソルさんはグッと来たりしませんか?」
「いいや」

そんなことはない。

「ソルって薄情よね。薄情どころか、無情かしら?」
「いいんです。わかってます。その方向性で張り合うと、勝てない相手がいるんですから。むしろ助かってると考えてます」
「?・・・どういう意味・・・・・・ああ」
「ソルさん、食後のお茶はいかがですか!!」

湯呑みに茶を注がれる。

「私も貰えるかしらブリジット?」
「もちろんですミリアさん!どうぞ!」
「ありがとう」

茶を飲む。

「そういえば、今夜はジェリーフィッシュさんの所でパーティですね!楽しみですね!」
「そうね。先日の学校のも楽しめたけど」
「ザトーさんがミリアさんにフラレたから八つ当たり気味に頑張ってたらしいと聞きました」
「らしいわね。おかげで盛り上がっていたみたいだけど。私も余計な邪魔が入らなかったし」
「ウチはザトーさん寄りなので言いますけど、あんまり邪険にしてあげないでください。正直、居たたまれないです・・・」
「仕方ないじゃない。どれだけ断ってもしつこいんだもの」
「・・・うぅ。それ、ダメですか?」
「人それぞれじゃないかしら?」

茶を飲み終わる。
皿洗いをして掃除をするか。

「ソルさん、何のためにウチがいると思ってるんですか?皿洗いとか掃除はウチがやりますから!
 任せてください。ソルさん並の家事スキルを見せてあげます!」
「じゃあ、ソル。貴方、時間が空くなら買い物に付き合ってもらえないかしら?」
「えっ!?」
「何の買い物だ」
「ディズィーへのプレゼントをね。迷ってたけど、貴方が暇なら丁度良かったわ」

ディズィーなら何を送っても喜ぶだろうが、まあいい。

「ちょっと待ってください!それならウチが一緒に行きます!」
「貴方は家事をするんでしょう?」
「いや、それはそうですけど・・・でも」
「別に貴方に付き合ってもらってもいいけど、それだとソルが家事をすることになるわよ?貴方はそれでいいのかしら?」
「うぅ・・・」

話は決まったようだ。

835名無しさん:2012/03/05(月) 04:00:58
テスタ「もういいや」

アバ「・・・えー」

テスタ「もう100行ぐらい書けると思ったけど無理だった」

アバ「・・・最近怠慢気味」

テスタ「決してそんな事は・・・」

アバ「・・・あるよね」

テスタ「ごめんなさい」

アバ「・・・やれやれ」

テスタ「それはともかく、そろそろいい加減先延ばしにしてきたことに決着を付けなければ」

アバ「・・・つまり?」

テスタ「誰EDにしようかなと」

アバ「・・・まだ決めてなかったんだ」

テスタ「正直もうこのままグダグダに引き伸ばしてスレ埋めて終了でいい気がしてきた」

アバ「・・・えー」

テスタ「他にどんな手が」

アバ「・・・適当にヒロイン決めてゴー」

テスタ「それが最大の問題だというのに」

アバ「・・・まあね」

テスタ「なんでメインヒロインポジションにブリジットなんか配置したんだろう」

アバ「・・・酒の勢い」

テスタ「これだから酔っぱらいは困る」

アバ「・・・まったく」

テスタ「酒は恐ろしい」

アバ「・・・飲み過ぎ注意」

テスタ「これが飲まずにやってられるか」

アバ「・・・もうね・・・」

テスタ「それでは今日はここまで」

836名無しさん:2012/03/15(木) 03:28:18
ミリアに付き合い商店街を歩く。

「貴方はディズィーへのプレゼントってちゃんと渡してるの?」
「ああ」
「そう。貴方でもそういうイベントはこなすのね」

ディズィーが俺へのプレゼントを用意するからな。
こちらが無視するわけにもいかない。

「参考までに、どんなものを送ってるのかしら?」
「服、アクセサリー、雑貨品、家具、ディズィーの要望があったもの」
「幅広いわね・・・」

ずっと同じ物を送るほど、何かに拘りがあるわけでもない。

「私は何を送れば喜んでもらえるかしらね」
「何でもいい」
「そうは言っても、どうせなら社交辞令じゃなくて喜んで欲しいじゃない」

それで迷い続け、当日になっても選べずに用意できなければ本末転倒だ。

「貴方、ディズィーが欲しい物とか聞いてないかしら?」
「知らん」
「じゃあ、ディズィーが欲しがってそうな物は何かないかしら?貴方ならわかるでしょう?」
「無い」

あいつも欲がある方じゃないからな。
何か我侭を言うとすれば俺にだけ、それも今朝のブリジットの件のような無茶なことだろう。

「何もないということも不自然だと思うわ。何かあるはずよ」
「だったら、自分で考えろ」
「それでわかれば苦労しないわ」

何もないということもないが、わざわざクリスマスのプレゼントで贈るような物でもない。

「ほら、ここは色々お店があるけど、貴方、見てて何か閃くものはないかしら」
「ない」
「何のために貴方を連れてきてると思ってるのよ」

何を贈っても喜ぶというアドバイスはした。
後は自分で考え決めるしかない。

「夕食の献立決めみたいね。『なんでもいい』っていうのは全くヒントにならないのよ?」

「何が食べたい」と聞かれても、食べたいものも食べたくないものもなければ「なんでもいい」という答えにもなる。
「冷蔵庫の中身とスーパーの特売を考慮して考えて」と言われれば、まともな答えを返してやる。

「ところで、貴方は今年は何を用意したのか聞いてもいいかしら?プレゼントが被るのも避けたいわ」
「着物だ」
「着物?」
「初詣は振袖で行くのがディズィー達の慣例だ。昔も贈ったことがあるが、新しいのを用意した」
「・・・凄いと思うけど、クリスマスに和服を送るのは雰囲気的にどうなのかしらね」

夏物を贈るわけでもないし、すぐに正月だ。
そう外れたものでもないだろう。

「・・・あら、でもそれで思いついたわ。貴方に合わせて、簪なんてどうかしら?」

簪か。ディズィーは既に持っているが、複数あって困る物でもないだろう。

「悪くなさそうね。それに決めたわ。・・・どこの店に売ってるのかしら」
「もう通り過ぎた所にある」
「よく知ってるわね」

以前、ディズィーの使いで色々回ったからな。
来た道を引き返す。

「ねえ、さっきの話なんだけど。初詣に振袖で行くって」
「ああ」
「みんな着物を持ってるってことかしら?」
「ああ」
「そう」

俺が贈ったものだからな。

「私も用意したほうがいいのかしら・・・でもそんな簡単に買えるものでもないわよね」
「お前の分ならある」
「は?」
「クリスマスプレゼントだ。ディズィーとお前の分はある」
「・・・あら、そ、そうなの・・・・・・ありがとう・・・?貰ってから言うべきかしら?」

動揺している。

「まさか、本当にまさか、貴方が私にプレゼントを用意してくれてるなんてのは予想もしていなかったわ。
 ディズィーに言われたのかしら?」
「いいや」

現状、家族も同然の同居人だ。
ディズィーに贈るならミリアにも贈るのは当然だ。

「どういう風の吹き回し?熱でもあるの?未知の病にでも冒されてるんじゃないでしょうね?」
「気味が悪いならプレゼントは無しだ」

関係を険悪にしてまでに贈る気はない。

「いえ、そんな事は決して。つい言いすぎて悪かったわ、ごめんなさい」

謝罪される必要もないが。
ミリアが目的としている店に着いた。

837名無しさん:2012/03/15(木) 04:31:37
買い物を済ませて、店を出る。

「おかげでディズィーへのプレゼントも用意できたわ」

用も済んだなら、帰るとしよう。

「ちょっと待って。まだ買い物は終わってないわ」

ミリアに引き止められる。

「俺になら、いらん」
「察しが良くて助かるけど、貴方から貰うのに、こっちが何も贈らないじゃ申し訳ないわ」

そう言われてもな。

「何か欲しい物はないのかしら?この際だからいうけど、貴方へのプレゼントも今まで考えていたんだけど、ディズィー以上に迷ってたわ」
「ない」
「そうよね。貴方は大抵のものは自作するし、手に入らないものはないでしょ?」

そこまで強大な力は持っていない。

「何でもいいかしら?」
「ああ」
「だったら、適当に目についた物にするわ。少し見て回りましょう」

いくつか店を巡る。ミリアの目につく物はまだないようだ。

「よう旦那、とミリア。メリークリスマス。まさか2人がそこまでの関係になってるなんて思ってなかったぜ」

アクセルと遭遇した。

「なんのことかしら?」
「あれ、とぼける気?クリスマスに男と女が仲良く並んで歩いてるんだぜ?これがデートじゃなかったらなんなの?」
「ただの、プレゼント選びの買い物よ?別に私とソルはそんな関係じゃないわ」
「立派なデートじゃん。旦那も隅に置けないねえ」

鬱陶しい。行くか。

「相変わらずツレねーぜ旦那・・・。悪かったって。冗談が過ぎた。」
「冗談?」
「そりゃそうだろ。旦那がクリスマスに恋人とデートなんて、エイプリルフールでも誰も騙されないぜ」
「・・・そうよね」
「それにもし万が一何かの間違いでそうだったとしたら、さすがの俺も空気読んで声かけないって。ちょっと迷ったけど」

何を迷うことがある。

「とにかく暇でさあ。めぐみとのデートの待ち合わせしたんだけど、ちょっとばかり早く来すぎてさ。
 周りがカップルだらけなのに一人孤独にポツンと突っ立ってるのも寂しいもんだぜ?」
「知ったことじゃないわ」
「だよな。引き止めて悪かったよ。また夜にジェリーフィッシュの所でな。お互い楽しいデートになるといいな旦那」

好きに言ってろ。
アクセルと別れる。

「今日はクリスマスなのよね」
「ああ」

だから、こうしてプレゼントを選んでいるのだろう。

「例えば、何も知らない第三者から見れば、私達も恋人同士に見えてるものなのかしら?」
「恐らくな」

今日という日のこの状況で、そうじゃないと判断する方が難しいだろう。
俺を知ってる奴はそうは思わないだろうが。

「・・・平然としてるわね」
「動揺する理由がない」
「そうね。その通りだわ。見知らぬ他人になんて思われても関係ないわよね」
「大有りだ!私は認めんぞ!!!」」
「ザトー様、お気を確かに」

ザトーとヴェノムか。

「貴様、クリスマスというのにミリアと2人で買い物とはどういうことだ!?」
「お前には関係ない」
「ある!ミリアは渡さん!」
「ザトー様、落ち着いてください」
「これが落ち着いていられるか?クリスマスにソルとミリアがデートしているのだぞ!?いつの間にそんな仲になった!!」

うるさい。

「ヴェノム、おめでとう」
「ヴェノム?どうした、何か祝い事でもあったか?」
「いえ。私に心当たりはありません」
「クリスマスにザトーと2人でデートしてるじゃない。いつの間にそんな仲になったのかしら?」
「言われてみれば。ザトー様、ついに私の愛が届いたんですね!?」

ザトーの言葉を捉え、ミリアが話を逸らす。

「・・・違う。これは違う。そんなんじゃなくてだな。私達はただちょっと買い物に来ただけで決してそんなデートとかでは・・・」
「おめでとうヴェノム。私は心から貴方達を祝福するわ」
「ありがとうミリア。私達は必ず幸せになる。不束者ですがよろしくお願いしますザトー様」
「誤解だ。わかってくれミリア!私はお前一筋で浮気なんかしないんだ!!」
「さ、デートの続きに行きましょうザトー様!」

ヴェノムに腕を取られ、ザトーが去っていく。

「貴方も少しは何か言ったらどうなの?黙って見てるだけじゃ、誤解は解けないわよ?」

他人になんと思われようとどうでもいいからな。一々訂正する気もない。

838名無しさん:2012/03/15(木) 05:35:08
買い物も終わり家へ戻る。

「おかげでプレゼントも用意できたわ。ディズィーも貴方も喜んでくれるといいけど」

貰って嬉しいプレゼントなど、俺自身思いつかないが。

「ところで、ブリジットはどうするの?冬休みの間だけでも、家に置くのかしら?」
「嫌か?」
「決めるのは貴方でしょ?」
「お前が嫌なら追い出す」
「あら、ディズィーの頼みでしょう?そんなことできるのかしら」
「お前も無関係ではない」

急に他人と暮らし始めるのが嫌ならディズィーも無理はさせるまい。
いくら妹の頼みでも、わざわざ悪環境にしてまで聞く気はない。

「でも、別にいいわ。私は気にしないわよ。思うところがないわけじゃないけど、不満を言うほどでもないから」
「そうか」

となると、ブリジットは家に住むことになる。

「貴方自身はどうなの?言い方が悪いかもしれないけど、実際、ブリジットが家にいない方がいいでしょ?」
「ああ」

あいつが家にいることのメリットが見当たらない。
家事をするというが、俺もディズィーもミリアも全員家事はこなせる。
これ以上人手は必要ない。

「それでも、ディズィーの頼みだから断らないわけ?」
「ああ」
「大事にされてるのね、ディズィーは」

兄妹だからな。

「とりあえず、冬休みの間だけって話なんでしょう?」
「ああ」
「冬休みだけで済めばいいわね」

ディズィーの気まぐれ次第だな。
家に着く。

「お帰りなさいですソルさん!早速ウチにしますか?それとも少し休んでウチにしますか?」
「貴方、これから家に帰る度にこの歓迎を受けるんじゃないかしら?」

鬱陶しい。

「さあ選んでくださいソルさん!」
「お帰りなさいお兄ちゃん、ミリアさん」
「ただいま、ディズィー」

ディズィーも起きたか。
なら部屋からプレゼントを持ってくるか。

「ディズィー、渡すものがある。ミリアもだ」
「あら、今から?」
「あ、私からも」
「ウチもクリスマスプレゼント用意してます。・・・あれ?ソルさん、ウチには?」
「ない」
「そんな!?」

何故お前にプレゼントを贈らなければならない。

「でも、ミリアさんにはあげるみたいじゃないですか?」
「ああ」
「だったらウチにもください!」
「断る」
「物じゃなくていいんです。気持ちだけで。ソルさんの愛を頂ければウチは幸せですから!!」

そんなもの用意していない。

「ショックです・・・。ミリアさんはプレゼントが貰えてウチは貰えないんですね」
「なんだか悪いわねブリジット」
「いえ、ミリアさんのせいじゃないですから。・・・でも、密かにちょっと優越感感じたりしてませんか?」
「・・・まさか」

部屋に向かいプレゼントを取り、階下に戻る。

「これだ」
「ありがとうございますお兄ちゃん。私からも。メリークリスマス」
「感謝するわソル。はい、貴方に。気に入ってくれるかは保証できないけど」
「ソルさん、どうぞウチを貰ってください」
「断る」

何を言い出す。

「ミリアさんとディズィーさんにも。どうぞ」
「ありがとう。私からもプレゼントよ。ブリジットにも」
「わぁ、嬉しいです。ウチからもディズィーさんとミリアさんにプレゼントです」

プレゼントを交換しあう。さて、部屋に戻るか。
ジェリーフィッシュのパーティに連れて行かれるまで時間潰しでもしていよう。

839名無しさん:2012/03/15(木) 05:44:52
テスタ「ブリジットはずっとこんな扱いだが、これでいいのだろうか」

アバ「・・・今更」

テスタ「なんでこんな扱いされて、まだソルの事好きなんだろうかという疑問が」

アバ「・・・過去編やって」

テスタ「過去編でフォローできる気がしない」

アバ「・・・あーあ」

テスタ「ハードルが上がり続ける」

アバ「・・・自分で上げてる」

テスタ「下げ方がわからない」

アバ「・・・詰んでる」

テスタ「どうしたものか」

アバ「・・・ねー」

テスタ「逆にミリアとは意外と楽に会話が進む」

アバ「・・・別に障害もないし」

テスタ「この先どうしたものか」

アバ「・・・はぁ」

テスタ「とにかく終わりを目指して」

アバ「それでは今日はここまで」

840名無しさん:2012/03/30(金) 02:11:30
ジェリーフィッシュの所に着く。

「いらっしゃい。今年こそソル君の手を借りることはないから安心してパーティを楽しんでね」
「それ毎年言ってますよね?」

今まで手伝いをせずに済んだことはなかった。

「今年は本気だよブリジット君。生徒会がそれをやったんだから、私達も自分達だけでやってみるさ」
「がんばってください」
「ありがとう。君達にも楽しんで頂けたら幸いだよ。じゃ、どうぞごゆっくり」

会場に通される。

「あら、イノ達ももう来てたのね」
「こんばんわミリア。ディズィーとブリジットも」
「メリークリスマスです」
「・・・メリークリスマス」

すでに結構な人数が来ている。

「おっ、ソル!メリクリだぜ!」
「楽しんでるか?」
「サア我輩ニプレゼントヲ貢ゲ」
「断る」

チップ達が話しかけてくる。

「なんだよテンション低いな。クリスマスだぜ?もっと盛り上がろうぜ!!」
「ま、こいつはこの前の時もずっとそんな感じだったけどな」
「空気ノ読メナイ奴ダ」

騒がしい。俺のことなど放っておけばいい。

「そういやお前は今年は料理作んねえの?去年お前が焼いた七面鳥美味かったぜ?」
「何ダソレハ。我輩ハソンナ物食ベタコトガナイゾ」
「そりゃロボはそうだろ」

今年製造したものだからな。

「美味イノカ?」
「最高だったぜ」
「紗夢の北京ダックといい勝負だな」
「ヨシボンクラ。我輩ノタメニターキーヲ焼ケ」
「断る」

ロボカイに命令される筋合いは無い。

「私もまたあれを食べたかったアル」

紗夢もやってきた。

「本当に美味しかったアルヨ?また作らないアルカ」
「断る」
「残念アルネ」
「仕方ねーなこいつは」

俺に料理をさせることを諦めたようだ。

「エエイ!我輩ノタメニ働ケボンクラ!」
「諦めろってロボ。おい、また料理が運ばれてきたみたいだぜ。食おう!」
「ヨシ、取ッテコイ」
「ざけんな。ほら、グズグズしてると無くなっちまうぜ」
「仕方ナイナ」

出てきた料理を口にする。

「美味しいアルナ。ところでこれ、ソルが教えた料理アルカ?」
「いいや」
「違ったアルカ?リープさんよりソルの味付けに近いと思ったアルケドナ」

よく気がつく。だが教えたわけではない。毎年俺を手伝っていたからその影響を受けただけだろう。

「私も何か作らせてもらいたいアル」
「ジャムっち、悪いけど今日はあたし達だけでやらせてほしいな」
「そうアルカ・・・」
「ソルっちに手伝って貰ってないのに、ジャムっちに手伝って貰うわけにもいかないしさ」

どういう理屈だ。

「まあゆっくりしててよ。そろそろ余興とかやるからさ。そっちなら飛び入り参加歓迎だよ」
「皿回しぐらいしかできないアルヨ」
「宴会芸のお約束じゃん。じゃ、それお願い」
「任せるアル」
「ソルっちもなんかやる?」
「断る」

興味がない。

「だよね。それでこそソルっち。今日はその調子で何もせずにのんびりしててね」

できるかどうかは、お前達次第だがな。

841名無しさん:2012/03/30(金) 03:04:51
テスタ「駄目だ」

アバ「・・・おつかれ」

テスタ「間が開くとどうにもならないな」

アバ「・・・あるある」

テスタ「あれこれどうしようか考えたんだがもういい」

アバ「・・・あーあ」

テスタ「こういう時は切り替えて次へ行こう」

アバ「・・・パーティ終了」

テスタ「それでは今日はここまで」

842名無しさん:2012/04/02(月) 02:24:04
朝、目を覚ます。
猫共を追いやり、ベッドから出て着替えを済ませ階下に向かう。

猫に餌と水を与え、朝食を一人分作る。
昨夜はジェリーフィッシュのパーティが遅くまであった。
ディズィーはもちろん、ミリアとブリジットもまだ寝ているだろう。

案の定、朝食を作り終えても誰も起きてこない。
一人で朝食を取りつつ、側で待つ猫達に魚を与える。餌は十分にやっているはずなのだがな。
それに少量でも与えれば満足するようなので、餌が足りないということではない。
毎朝ミリアが与えている結果の慣習か、ただの味の好みか、そんなところだろう。

朝食を食べ終え片付ける。足元の猫をあしらいつつ食器を洗う。
他の連中が寝ているので、構う相手が俺しかいない。
ミリアでも起きていれば何匹かはあいつが相手をするんだが、わざわざその為に起こすこともない。

邪魔されつつ、家の掃除も終わらせる。
時間も経った。そろそろ誰か起きてくる頃だろう。
そろそろ昼食の準備を始めてもいい。

「おはよう、ソル」
「ああ」

ミリアが起きてきた。

「ごめんなさい、寝過ぎたかしら?」
「いいや」

毎朝定刻までに起きろなんてこともない。
学校もないのだ。好きに寝て好きに起きればいい。
テーブルに着いたミリアに茶を出す。

「ありがとう。シロとタマ、やっぱりこっちにいたのね。昨夜は私の布団の中にいたのに、貴方、私の部屋を開けたの?」
「ああ」

でなければ、猫が出てこれない。
ミリアだけでなく、ディズィーとブリジットの部屋にいた猫も連れだした。
どいつも熟睡していて俺に気付くことはなかったようだが。

「・・・まあいいわ。朝食、私の分は?」
「ない」
「作ってないの?」
「ああ」
「何もかもお見通しなのね。だったら昼食まで待つわ」

それまで猫の相手でもしていろ。

「おいで、トラ。ブラッシングしてあげるわ」

言わなくても、ミリアならそうするがな。
昼食を用意しよう。
と、慌ただしい足音が近づいてきた。

「おはようございますソルさん!すみません寝坊しちゃいました!!」
「うるさい」
「ああっ!?昨日家事はウチがやるっていったじゃないですか!どうして起こしてくれなかったんですか?
 どんなにウチが深い眠りの中でも、ソルさんのキスがあれば一瞬で起きてみせますのに!
 いえ、今からでも遅くありません!さあソルさん、おはようのヂュ!?」

黙らせる。

「痛いです・・・おかげで目は覚めましたけど。お昼ごはんですか?ウチもお手伝いします」
「必要ない」
「安心して下さい。邪魔はしませんから。それに、お台所で並んでお料理なんてどうみても仲良し夫婦じゃないですガッ!?」

邪魔だ。

「ソルさんの愛が激しいです・・・」

昼食を作る。

「ブリジット、貴方がいると昼食が遅くなるわ。ソルの邪魔をしないであげてくれないかしら?」
「うぅ、ミリアさんにまでそう言われるなんて・・・。わかりました、今回はソルさんにお譲りします。
 でも今夜の夕食は絶対にウチが作りますからね!」
「残念ですがブリジットさん、お夕飯作りは私のお仕事です」
「えっ、そんな。あ、おはようございますディズィーさん」
「おはようございます」
「ああ」

ディズィーも起きたか。

「ブリジットさん、そういうわけでお夕飯は私が作りますので、他をお願いします。お手伝いしてもらうことはあると思いますけど」
「ディズィーさんがそう言うなら・・・。じゃあ朝と昼はウチが作ります!」
「貴方、毎朝ソルより先に起きれるのかしら?」
「ソルさんためならウチはなんでもします!愛の力は無限です!!」
「今日早速寝坊したじゃない」
「うぐっ!?」

昼食がそろそろ用意できる。

「お兄ちゃん、お皿出しますね」
「ああ」
「あっ、ウチの仕事・・・」

昼食が整う。

843名無しさん:2012/04/02(月) 03:22:33
4人で卓を囲む。

「それで、結局ブリジットはどうするの?」
「ええと、お昼ご飯だけでもウチがやりたいと思います」
「朝は諦めたんですね」
「だってソルさん早起きなんですもん。ソルさんより早く起きて朝ご飯を作り終えるのはちょっと大変だと思うんです」
「愛の力はどこにいったのよ」
「ソルさん、もうちょっと遅めに起きてください」
「断る」

休みだからと就寝時間を遅くするわけもなく、起床時間をずらすこともない。

「たまにはいいんじゃないですか?私もお休みの日はお昼まで寝てますし」
「夏休みも毎日昼まで寝てたのは正直凄いと思ったわ」
「ディズィーさんはいつもそんな感じです」

ディズィーも予定があれば朝から起きるんだがな。
ただ寝るのが好きなだけだこいつは。

「朝食作りを諦めたのはわかったけど、朝食は食べるのかしら?」

だとすると、3人分を作らなければならなくなる。
手間がかかるわけではないが、分量の調整は必要だ。

「食べます。起きます。もし寝てたら起こしてくださいソルさん。知ってますか?寝ているお姫様を起こすのは王子様のキスというのがお約束ですよ?」
「作るのは2人分で良さそうね、ソル」
「ああ」
「ウチを無視しないでください」

起きた時は起きた時で対処すればいい。

「ミリアさんもお昼まで寝てればいいじゃないですか!ウチを差し置いてソルさんと2人っきりで食事なんて羨ましいじゃないですか!」
「あの子達の世話があるから、私もソルに合わせて朝起きるようにしているだけよ。たまに寝過ごすこともあるけど」

猫を指して言う。
ミリアは、たまに俺より早く起きて朝食を作っていることがあるしな。

「それに、羨ましいなら単純な話なのよ?貴方も朝、ちゃんと起きればいいだけ。違って?」
「その通りです・・・。でもほら、お布団の魔力には逆らえないというか、誘惑を断ち切れないというか・・・」
「わかりますブリジットさん」
「わかりますよね?ウチの味方はディズィーさんだけです」
「ねえソル。ブリジットの貴方への愛って、思ったより軽いのかしら?」

どうでもいいことだ。

「違いますミリアさん!ウチのソルさんへの愛より重いものなんてこの世に存在しません!」
「布団に負けてるじゃない」
「ソルさんが『ブリジットの作る味噌汁を毎朝飲みたい』なんて言ってくれれば、敵じゃありません!さあ言ってみてくださいソルさん!」
「断る」
「このままじゃウチが布団に奪われますよ?ソルさんから離れちゃいますよ?それでもいいんですか?」

全く問題ない。

「そんな事言って、実際にウチと離れたらソルさんはきっと寂しがりますから!失ってウチの存在の大きさに気がつくんです!」
「以前、お兄ちゃんとブリジットさんが一週間ほど接触禁止なんてことやりましたけど、そんな様子ありませんでしたよ?」
「あれは過去です。大切なのは今!今ならきっと違う結果になります!」
「じゃあ試したみたらどうかしら?」
「・・・・・・・ちょっと待ってください。今のは無かったことに・・・」

静かになった。
昼食も食べ終えた。

「ごちそうさま、ソル。片付けは私がやっておくわ」
「ああ」
「ミリアさん、ウチがやりますけど?」
「私だって居候の身なのよ?何もしないじゃ居心地が悪いもの。やらせてもらえないかしら?」
「わかりました・・・って結局ウチはまだ何もしてないじゃないですか・・・」

午後は何も予定がない。
となるといつも通り暇潰しだ。

「ソルさん、暇ならウチとデートに行きませんか?」
「断る」
「今ならウチと手を繋ぐ特典が付きますよ?」

いらん。
自室へ向かう。

「ブリジット、貴方は何かを根本的に間違えてる気がするわ」
「そうは言いますけどミリアさん。今までウチはあらゆる手を尽くしてきたんです。
 よくある正攻法じゃソルさんには通じないんです」
「だからって、今の方法が通じているようには全く見えないわ」
「私は前向きなのはいいことだと思います。がんばってくださいブリジットさん」
「はい!」

ディズィーめ、まさか冬休みの後も、ミリアの時のようにブリジットを家に置き続けるきじゃないだろうな。
あいつならやりかねない。

844名無しさん:2012/04/02(月) 03:35:00
テスタ「ダラダラとイベントもなく」

アバ「・・・いつも通り」

テスタ「次は何をしたものか」

アバ「・・・さあ」

テスタ「ブリジットを一つ屋根の下に置いてみたが、やることがない」

アバ「・・・おかしい」

テスタ「かといってミリアフラグが立ってる感じもしない」

アバ「・・・微妙」

テスタ「もうJFの少女ルートに行ってもいいんじゃないかこれ」

アバ「・・・えええ・・・」

テスタ「なんかそれが一番適当にまとまりそうな気がする」

アバ「・・・まさかの展開」

テスタ「驚きだな」

アバ「・・・どうかと思う」

テスタ「なるべくそうならないように努力しよう」

アバ「それでは今日はここまで」

845名無しさん:2012/04/09(月) 03:21:25
大晦日。
自室で研究をしていると、扉をノックされた。

「なんだ」
「ソルさん、そろそろお出かけするそうです」
「ああ」
「ウチ達の準備は完璧です!」

恒例の二年参りか。
道具や資料を片付け、サンタナを膝の上から追いやり、出かける準備をする。

「ソルさん、こんな時まで勉強なんてしなくてもいいじゃないですか」

他にやることもない。

「今年のウチとの愛の思い出を振り返るとかしたかったです」

そんなものはない。
用意を終え部屋から出る。

「はっ!もしかして今年のうちにソルさんと二人きりになれるのって今が最後のチャンスですか!?
 ソルさん、今のうちにやっておきたいことがあるならドンと来いです!キスですか?ハグですか!それいじょウッ!?」

鬱陶しい。

「・・・ぐぅ、わかりました。つまりいつも通りがいいんですね?そのままのウチが好きということですね?」

階段を降りる。

「遅いですお兄ちゃん」
「悪かった」

予定の時間には間に合っているが、待っていたディズィーからすれば遅刻か。

「ブリジット、落ち込んでないで行くわよ。無視されるなんていつものことでしょう?」
「いいんです。これがソルさんの望みならウチはいくらでも叶えます」
「何を言っているのかしら?」

家から出る。
目的地はそう遠くない。

「やっぱり冷えるわね」
「寒いです。ソルさんウチを暖めてください!」

近付いてきたブリジットを追い払う。

「照れなくても大丈夫です。ウチとソルさんの仲じゃないですか」
「ブリジットさん、夜道でふざけてると危ないですよ?」
「ふざけてなんかないんですけど・・・」

しかし、ディズィーの注意でブリジットが大人しくなった。

「ふざけてないです・・・ウチはいつでも真剣です・・・」
「元気出してくださいブリジットさん。来年はきっといいことありますよ」
「貴方は誰の味方なのディズィー」
「もちろんお兄ちゃんです」
「迷いなく言い切ったわね」
「えっ、ウチは?」

お前が味方に思えることはあまりない。

「ブリジットを応援してるようにも見えるのだけど」
「してますよ?」
「してるの?」
「私はお兄ちゃんを幸せにしてくれる方なら誰だって応援しますから。ブリジットさんでも、他の方でも」
「・・・そういう理論なのね」

余計なことはしなくていいのだが。

「兄想いの妹を持って幸せね、貴方は」

ミリアが同情を込めた風に言う。

「ソルさんに一途な幼馴染もいますよ!」
「急に同居することになったミリアさんもいますしね」
「私をそこに加えないでほしいわ」

騒がしい。

「あ、そろそろですね」
「あら、お店が出てるのかしら?」
「夏のお祭りほどじゃないですけど、ちょっとした賑やかしです」
「でも、それを楽しむのはまた明日、改めて来た時ですね。今はお参りだけです」
「実のところ、お参りよりみんなで年越しの盛り上がりがメインですからね!何かイベントがあるわけじゃないですけど」
「明日は着物で行くのよね?」
「そうです!ウチの着物姿でソルさんを虜にしてみせます!」
「お兄ちゃんはお留守番ですけどね」

初詣ならこうして今付き合っている。
二度行く理由もない。

「今日も部屋に篭ってたじゃない。年末年始でも付き合い悪いのね」
「ソルさんはいつも、いつも通りです」
「お兄ちゃんですから」

目的地に到着した。

846名無しさん:2012/04/18(水) 01:22:23
朝、目を覚ます。
着替えを済ませ階下に向かい、猫に餌と水を与える。
いつもならこれから朝食を作るところだが、今日は元旦。ディズィー達が御節を作っているので作る必要がない。
しかし、昨夜ディズィーが決めた朝食の時間までは時間がある。
一先ず湯を沸かし茶を淹れる。3人が起きてくるまで待っていればいい。
茶を飲みながら、寄ってきた猫にブラッシングを施して時間を潰す。

「おはようございます、お兄ちゃん」
「おはよう」
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「ああ」

ディズィーが最初に起きてきた。茶を淹れてやる。

「ありがとうございます。御節の準備しますね。お兄ちゃんはそのまま猫さんの相手をしてあげててださい」
「ああ」

手伝う必要もないらしい。
料理は完成しているので、並べるだけだしな。

「おはようございます!あけましておめでとうございます!」
「おはようございますブリジットさん」
「今年もよろしくですディズィーさん」

ブリジットも起きたか。

「ところで聞いてくださいよソルさん。なんと初夢にソルさんが出てきたんです!
 夢の中でウチ達は誰もが羨むラブラブカップルだったんです!!もうこれは正夢になること間違いなしですね!」
「初夢って今日の夜に見る夢じゃないのかしら?」
「えっ!?」
「おはよう。あら、朝早くから猫の手入れをしてくれてるのかしら?」
「ああ」
「珍しいこともあるものね。やっぱり正月だから貴方も少しは変わるのかしら」

朝食の必要がなく、暇だっただけだ。

「ちょっと待ってくださいミリアさん。今の話は本当ですか?」
「さあ?詳しくは知らないわ。そういうのは物知りなソルに聞いたらどうかしら」
「どうなんですかソルさん?ウチの最高な初夢は夢だったんですか!?」
「夢でしょ」

どっちの説もある。どころか、明日見る夢を初夢とする説もある。

「自分に都合の良いように解釈してろ」

どの道正しい定義なんて存在しない。

「そうですよね?じゃあウチの初夢は正夢だったってことで。ソルさんにとうとうウチの愛が届いたんですね!」
「都合良すぎるんじゃないかしら」
「それにもし今日が初夢でも問題ないです。今夜もソルさんの夢を見たら、これはもう恋愛成就間違いなしってことじゃないですか!」
「前向きね。ディズィー、おはよう。手伝うわ」
「ありがとうございますミリアさん。そっちのお皿を並べてもらえます?」
「ええ」

ミリアがディズィーを手伝いに行く。
もう朝食が整うか。

「初詣デートに行きましょうソルさん。2人で腕を組んで歩くなんて素敵です!」
「断る」
「無駄ですよソルさん。これは夢のお告げなんですから。ウチ達が結ばれるのは運命なんです!」

知ったことか。

「だから逃げられませんし、逃がしません。諦めて大人しくウチの愛の虜になってください!」
「お兄ちゃん、ブリジットさん、御節用意できましたよ」
「ああ」
「そんな、後一歩でソルさんがウチを好きになっていたのに」
「早く夢から覚めなさいブリジット。朝ご飯よ」
「わかりました」

テーブルに御節料理が並ぶ。

「ウチ達が頑張って作りましたからね。さあご堪能くださいソルさん!」
「私は初めてだったから、味の保証はできないわ」
「大丈夫ですよミリアさん。それでは、いただきます」
「いただく」

いつもは俺とディズィーで作っていたものだが、今回は俺抜きだ。
だが、ディズィーの腕なら心配ない。

「どうでしょうか?」
「よくできている」
「良かったわ」
「ウチの愛が入ってますからね」

愛はともかく、これだけ作れれば上出来だ。

「お屠蘇もあるわよ。飲むわよね?」
「ああ」

ミリアに注いでもらう。

「あ、次はウチにもください。ソルさんの盃で」
「ブリジットさんはこちらの盃でどうぞ」
「何故ですか!?」

賑やかな元旦の朝だ。

847名無しさん:2012/04/18(水) 02:19:03
朝食後、皿洗い。
ディズィー達は再び初詣に行くために着物に着替えている。
それも片付いたころ。

「ソルさんソルさん見てくださいウチの艶姿!どうですか?抱きしめたくなりませんか!?」
「ならん」

ブリジットが着替えを済ませ戻ってくる。

「え、じゃあ帯を解きたいとか着物をはだけたいとかそういう感じの欲望ですか?まだ朝ですよ?
 でも、ソルんがやりたいならウチはいつでモッ!?」

黙らせる。
片付けも終わったので茶を飲む。

「あ、ウチも一杯もらいます」

ブリジットも茶を注ぎ、腰掛ける。

「ソルさんはやっぱり行かないんですか?ウチとのデートは置いておいて、一緒に行きませんか?」
「断る」

行く理由もない。
ディズィーに頼まれれば行くが、あいつもこれには無理矢理付き合わせる気がないからな。

「残念です・・・」

ブリジットが静かになったところで、ディズィーも戻ってきた。

「あ、お兄ちゃん。どうですか?不自然な所はないでしょうか?」
「問題無い」

何度も着ているし、もう慣れているだろう。

「良かったです。では、ミリアさんもどうぞ」
「・・・ねえ、ソルに披露する必要はないんじゃないかしら?」
「その着物、お兄ちゃんからプレゼントされたんですよね?照れなくてもいいじゃないですか。よくお似合いです」
「別に、照れてるわけじゃないわ」
「だったら気にしないで、さ、こちらへどうぞ」

ディズィーがミリアを引っ張りだす。

「・・・・・・どうかしら?」

ディズィーと違って着慣れていないな。動作もぎこちない。
今まで持ってなかったというし、初めて着るならこんなものだろう。
柄はミリアに合う物を選んだので、それは問題なく似合っている。

「しばらく動けば慣れるだろう」
「何その感想」
「ソルさん、こういう時は褒めなきゃダメです!お世辞じゃなくてミリアさん綺麗じゃないですか!」
「そう?ありがとうブリジット」
「お兄ちゃんの言うことなんて気にしないでいいですから」

お披露目も終わったところで、玄関のチャイムがなった。

「あ、もう来たみたいですね」
「ウチが行ってきます」

ブリジットが玄関に向かう。そして、

「あけましておめでとー!今年もよろしくー!」
「おはようディズィー、ミリア。おはようございますソルさん」
「おおっ、ミリちゃん綺麗!デズちゃんも」
「お兄さん、あけましておめでとうございます」

ジェリーフィッシュの4人が来た。

「ソル、お年玉ちょうだい!」
「メイ・・・挨拶の次の言葉がそれって、自分でどうかって思ったりしない?」
「なんで?しないよ?」
「まあまあエイプリルさん。毎年のことですし」
「毎年だから呆れてるんじゃない」

懐からポチ袋を取り出す。

「あら、貴方にしては用意がいいのね」

そういう慣習だからな。

「ディズィー」
「ありがとうございますお兄ちゃん」

ディズィーにお年玉を渡す。
ついでに他の連中にも配る。

「わーいありがとソル」
「無駄遣いしちゃダメだからねメイ」
「お兄さん、ありがとうございます」
「露店巡りの資金ゲット。感謝しますソル先輩」
「楽しみです!」
「私にも?貰っていいのかしら?」

お前だけ除け者にする理由もない。

「その、ありがとう。大切に使わせてもらうわ」

好きに使え。

848名無しさん:2012/04/18(水) 03:30:01
ディズィー達が出かけ、一人家に残る。
やることもなく、部屋に戻り研究を始める。

昼になり、中断して一階へ降りる。
御節がまだ多く残っている。それを食べるとしよう。
用意をしたところで、再び玄関のベルが鳴った。玄関に向かい応対する。

「誰だ」
「よっ、おけおめ」
「ころよろだぜ!」
「今年モ我輩ニ傅クガイイ」

闇慈、チップ、ロボカイ。

「何の用だ」
「まあ新年の挨拶だな。それと、ロボがお前にどうしても話があるってよ」
「サッサト家ニ入レサセロボンクラ」
「土産も買ってきたぜ」

ロボの話か。想像はつく。

「客ヲ饗スコトモデキナイノカ下等生物メ」
「悪いな。ちょいと邪魔させてもらうぜ」
「ヘイ!オセチじゃねえか。なあ食っていいか?焼きそばやるからよ!」

上がりこみ、料理に手をつける。
ディズィーもこういうことを想定して、多めに作ってあったしな。

「うめえぜ!」
「オイ半裸。ソッチノ海老ハ我輩ノダ」
「早いもん勝ちだ。それに今日は俺の誕生日だぜ?譲ってくれよ」
「ソンナ事ハドウデモイイ。我輩ハ海老ガ食ベタインダ!」
「この野郎、海老は渡さねえ!」

騒がしい。

「何の用だ」
「おっと、悪い忘れてた。ロボ、お前ちょっと食うのやめろって」
「エエイ、我輩ノ食事ノ邪魔ヲスルナ!」
「今はそれより大事な話があるだろうが」
「そうだぜロボ。その鰤は俺が食っといてやるからよ」
「お前もちょっと大人しくしてろチップ」

話が進まん。

「ソウダ、思イ出シタ。オイボンクラ。我輩オ年玉ヲ寄越セ」

やはりそれか。

「貴様ハ超優秀ナ我輩ヲ造ッタンダ。ダカラ一応百歩譲ッテ認メタクモナイガ不可解ナコトニ貴様ハ我輩ノ親ト言エル。
 親ナラ子ニオ年玉ヲ渡スのは絶対的ナ義務ダ。ダカラ寄越セ」

確かに、こいつを造った。俺が親でロボカイが子と言えなくもない。

「金なら十分に与えているはずだ」

なので、必要な程度には金を渡している。

「金ノ問題ジャナイ!我輩ハオ年玉ガ欲シインダ!」
「なあ、聞いてやれよソル。こいつにも一度そういう体験ぐらいあってもいいだろ?」
「そうだぜ!正月だしな!」

正月だからなんだ。
だが、まあいい。製造者として責任もある。自室に向かうか。

「お、何か貰えそうだぜ」
「当タリ前ダ」
「よっしゃ、じゃ、食おうぜ」
「まだ食うなって」

お年玉を用意し、戻る。
ロボカイにお年玉を渡す。

「ヨシ、褒メテヤルゾボンクラ」
「良かったなロボ」
「また祭りに戻ろうぜ」
「・・・ン?オイ、タッタコレダケカ?」
「いや、お前さっき金の問題じゃないっつったよな?」
「しかもそれだけ貰っといて『たった』ってなんだよ。十分だろ」
「エエイ、モットダ!貴様ノ全財産ヲ我輩ニ寄越セ」
「はいはい。邪魔したな、ソル。俺ら帰るわ」
「オセチ美味かったぜ!またな!」

ロボカイを引きずって闇慈達が帰っていく。
昼食を食うとするか。

849名無しさん:2012/04/18(水) 03:35:53
テスタ「JF出したかったけど、疲れたから無理だった」

アバ「・・・あーあ」

テスタ「闇慈とかロボとか削ってそっちやれば良かったかもしれない」

アバ「・・・どっちでも変わらない」

テスタ「JF分が最近足りてない」

アバ「・・・そう」

テスタ「そろそろ補充したいところ」

アバ「・・・どうでもいい」

テスタ「それでは今日はここまで」

850名無しさん:2012/05/06(日) 02:25:20


冬休みもそろそろ終わりです。
ディズィーさんと一緒に宿題を終わらせようと、お隣へ。
チャイムを鳴らして少し待っていると、玄関が開いて

「はいどちら様ですか?・・・あ、ブリジットさん。あけまして・・・はもう言ってるよね。こんにちは」
「あれ?あ、こんにちはです」

どうしてこの人がここにいるんでしょう。
遊びに来たんでしょうか。ジェリーフィッシュの皆さんはソルさんと仲が良いみたいですし。

「遊びに来たの?」
「ディズィーさんと一緒に宿題しようかと思いまして」
「私達と一緒なの。バッドガイ君と一緒に宿題やろうと思って。どうぞ、上がって」
「はい。お邪魔します」

って、ディズィーさんはどうしたんですか?ソルさんでもいいんですけど。
お二人とも手が離せないんでしょうか。
お邪魔して居間に向かうと、

「ソルっちィ〜〜あたしねェッ…。真の『幸せ』って考えたことあるぅ?本当の幸せを……」

なんかソルさんに迫ってるんですけど。
なにしてるんですかあの人。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「あたしはすでにわかっている」

あなたが何をしているのかウチにはわからないです。

「『幸せ』っていうのは……『思い出』を誰かと共有することよ」

・・・ああ、またいつもの奇妙な行動ですか。
ソルさん相手だとよくやってますよね。

「ということでソル君。一緒に宿題をやろう」
「バッドガイさん、幸せになりましょう?」
「断る」

そしてソルさんにあっさり断られてます。
そんなやり取りを見ていると。

「いらっしゃいませブリジットさん。すみません、お茶を淹れてて手が離せなくて」
「こんにちはです」
「ありがとうディズィーさん」

ディズィーさんがお茶を持ってきました。

「やあ、ブリっち。久しぶり」
「今日はメイ達はいないよ?」
「家で大人しく宿題やってますわ」
「こんにちはです」

メイさん達も宿題に追われてるんですね。
きっとエイプリルさんに怒られながら宿題を片付けているんでしょう。
そんな場面が簡単に想像できます。ウチも他人事じゃないです。
ディズィーさんに手伝ってもらって宿題を終わらせないと。

「ディズィーさん、宿題が終わらないんです!助けてください!」
「ブリっちも?だよね、だよね。こういうのって普通ギリギリまでやんないよね」
「君と一緒にしないで。私は今日中には終わるよ」
「私も大体片付いてますわ」
「全部終わってるの」
「裏切りものおおお!助けてソルっち!もうソルっちだけが頼りだよ!!」
「断る」

あれ?もしかして、宿題って普通はもうほとんど終わってるものなんでしょうか?

「ええと、ディズィーさんは?」
「冬休みが始まって数日で終わらせましたよ?」
「そんな!?」
「安心してください。手伝いますから」
「ありがとうございます!!!」

本当にありがたいです。
こういう交渉であっさり引き受けてくれるディズィーさんは天使です。
ソルさんなんて頼んでも簡単に引き受けてくれないのに。メイさんみたいに力技で頼むわけにはいきませんし。
ソルさんは宿題は・・・聞くまでもないですね。冬休みが始まったその日に終わらせてそうです。

「仕方ないじゃん。ちょっと息抜きに1部だけ読もうと思ったら、いつの間にか3部まで読んじゃってたりしちゃうんだもん」
「どれか読むなら5部だね」
「私なら7部ですわ」
「4部かな?」
「まあ、どれ読んでも結局最後まで読み切って宿題放置しちゃうけどね」
「一緒にしないでほしいですわ」
「ちゃんと宿題もするの」
「ジョニーに怒られるからね」
「それは本当に勘弁だから!」
「うるさい」

ソルさんに文句言われてます。
ていうか、息抜きでそれを読まないという選択肢はないんでしょうか?
この人達だと、それが一番安全な気がするんですけど。

851名無しさん:2012/05/15(火) 01:58:31
もし鰤がこんなに積極的に迫ってきたら、俺だったらとっくに落ちてるわw
何とも思わず冷静に対処できるソルが凄すぎるw

852名無しさん:2012/05/17(木) 01:07:55
ジェリーフィッシュに請われ宿題を手伝う。

「はぁ、疲れた。休憩しない?」
「さっき始めたばかりなの」
「飽きるの早すぎだからね」
「もうちょっとがんばってくださいませ」
「ええぇ・・・自分達は終わってるからってさ」
「宿題やろうっていつも誘ってるのに、聞かないのは誰かな?」
「ごめん。ソルっち、この問題どう解くの?」

宿題が終わってないのは一人だけだが。

「ソルさんウチもわかりません!懇切丁寧に教えてください!」
「ディズィー、教えてやれ」
「ソルさんに教わりたいです!」
「お兄ちゃん、ご指名ですよ」

こっちが先だ。

「悪いねブリっち。それで、これなんだけど」

不明な点をわかるように解説する。

「あーそっか。なるほどね。ありがと」
「じゃあ次はこっちですね。さあさあソルさんウチの隣へ!密着するぐらい!」
「教科書を開け」

ページ数を指定する。それを見れば解けるはずだ。
後は自分で考えろ。

「それだけですか!?」

それ以上は答えを教えるようなものだ。

「全匹毛並みいいよね。撫でてて気持ちいい」
「人見知りもしませんし、かわいい子ばかりですわ」
「でも7匹もいると、お世話も大変じゃないの?」
「大丈夫よ、ソルがよく見てくれてるもの。ディズィーもね」
「そんな。私たちはミリアさんに比べれば大したことはしてませんよ」

宿題が終わって暇な連中は猫と遊んでいる。

「なんで宿題なんてあるんだろ」
「ウチ達はいつもギリギリまでやりませんよね」
「なんか終わんないんだよね」
「わかります!」
「休憩して1部を読み始めたら、つい徹夜して3部読んでたりね」
「それ毎年やってますよね?」

手が止まっている。
そうやって他の事に気を取られるから終わらないんだ。

「ウチはソルさんが愛を持って教えてくれたら毎日でも勉強するんですけど」
「断る」
「毎日数時間部屋で2人っきり!縮まる距離!近づく心!そして2人はつヴィ!?」
「宿題やれ」

いつまで休んでいる。

「ソルっち、またわかんない」
「ウチもです!」

先ほどの次の問題で早速躓いている。少しは自分で考えろ。

「少しは自分で考えなよ」
「聞いてばかりじゃ宿題にならないの」
「ブリジットさん、私が厳しく教えますよ?」
「どの子が一番のお気に入りなのですか?」
「そんなの決められないわよ」

盛り上がっているミリア達から逃れてきたのか、サンタナがやってきて膝の上に乗る。

「ああ、あの子はソルが気に入ってるみたいね」
「よくお兄ちゃんのお部屋にいますし」
「さすがサンタナ。あたしが名付けただけのことはあるね!」
「ソルさん、ウチ達の子供にはどんな名前をつけましょうか?」
「ブリジット、現実を見て宿題をしたらどうかしら」
「どういう意味ですか!?」

このままでは今日中に宿題が片付かない。

「猫いいよねえ。飼いたいな」
「ええ、猫はいいわよ。ぜひお薦めね」
「犬も素敵だと思いますわ」
「名前はダニーかイギーかポリスだね。あたしとしては・・・」
「そろそろ真面目に宿題した方がいいと思うの」
「う、わかったよ。やろ、ブリっち」
「はいです」

注意されて問題に向かうが、すぐに

「助けてくださいソルさん!」
「ソルっちヘルプ」
「今度はウチが先ですね」
「惜しい」
「2人とも・・・もぅ」

聞いてばかりだ。

853名無しさん:2012/05/17(木) 02:36:51
しばらく勉強時間が続き、休憩になる。

「やっと休憩かあ。あ〜疲れた」
「ウチはもう限界です。ソルさんの膝枕で休ませてください!」
「断る」

膝上にはサンタナが寝ている。

「お疲れ様です。お茶を淹れました」
「お菓子もあるの。どうぞ、バッドガイ君」

茶を貰う。

「あれ?あたしよりソルっちが先?」
「ウチも頑張りましたよ?」
「お兄ちゃんが一番大変だったみたいですから」

この程度大したことはないが。

「君達、自分だけで解いた問題ってあった?」
「少しはあったよ」
「ソルさんに教えてもらったおかげです!」
「バッドガイさん、お二人のお菓子も奪っていいですわ」
「そんなっ!?」

いらん。

「それで、宿題はどこまで終わったの?」
「3/4くらいかな?」
「ウチもそれぐらいです」
「それなら今日中には終わりそうね」
「はぁ、大変だなあ」
「元々今回の宿題ってそんなに量多くないからね」
「私達でも終わるぐらいですもの」

俺の担当ではそもそも宿題を出していないしな。

「裏切り者がいるよ・・・。もう信じられるのはブリっちだけさ」
「がんばりましょう。ウチ達もいつか見返してやるんです!」
「楽しみにしてるの。だから、勉強がんばってね」
「いや、それは・・・」

休んだのなら再開したいが、まだ早いか。

「あれだね、宿題が終わったらご褒美的な物がほしいな」
「それです。やる気を出すための何かがあればウチも頑張れます!例えばソルさんの熱いキスとか!」

誰がやるか。

「ではこういうのはどうでしょう。今夜の晩御飯、どんなリクエストでも作ります」
「デズっち、いいの?」
「はい。お兄ちゃんに不可能なメニューはありません」
「バッドガイ君・・・いいの?」

また勝手なことを。ディズィーがそう決めたなら口出しもしないが。
それで宿題が捗るなら面倒もない。

「どうしよブリっち」
「ウチはソルさんが作ってくれるならなんでもいいです!」
「どんなものでも構いませんよ?普段食べられない珍しい料理や高級食材でも、お兄ちゃんにお任せあれです」
「ソル君、君、一方的に責任を押し付けられてるよ」
「いつものソルとディズィーじゃない」
「それもそうですわ」

せめて、材料を調達できる範囲であればどうにかなると思うが。

「急に言われてもな。食べたい物・・・食べたい物・・・」
「イタリア料理を食べに行こう」
「んーそれは魅力的だけど、前にも作ってもらったことあるから今回はいいや」
「あれは美味しかったですわ」
「アフリカキリマンジャロの5万年前の雪解け水を用意したのは驚いたの」
「そんなことがあったの?」

ミリアがまだいない頃にな。
今注文されても、その水はない。

「そだ、すき焼きなんてどう?」
「あ、いいですね」
「うちだと人数多すぎて滅多にやらないしね」
「意外とまともね。もっとわけのわからないのを言われるんじゃないかって思ってたわ」
「失礼なッ!」
「普段の言動を考えたら仕方ないですわ」
「じゃあ、お兄ちゃんに美味しいお肉や材料を買ってきてもらいましょう」

買い物か。行くのはいいが、

「じゃあ私も一緒に行くの」
「お前は駄目だ」
「え?私じゃダメかな?」
「こいつらの宿題見てろ」

俺とお前が消えると、他にまともに教えられるやつがいなくなる。
ディズィーやミリアもさすがに一学年上の内容を教えられるほどではない。

「そっか。うん、わかったの」
「ドンマイ。代わりにソル君には私が付き合おう」
「お願いね」
「お兄ちゃんに遠慮せずに、高いお肉を買ってきてくださいね。私も楽しみですから」

妹の期待には応えねばな。

854名無しさん:2012/05/17(木) 03:48:28
商店街に向かう。
高いものが良品とは限らないが、良品を手に入れるならスーパーよりも商店街だろう。

「そういや、ソル君と買い物なんて久しぶりじゃない?」

道すがら、話しかけられる。
普段、そんな機会ないからな。

「ブリジット君に倣って、腕でも組んでみる?」
「断る」

そもそもそんなことはしていない。

「つれないね。女の子の誘いを無碍に断るなんて」

誘いに乗る理由もない。

「でも、商店街だと恋人っぽくしてるといいことあるかもよ?」
「何がだ」
「昔から通ってるから、色々おまけしてもらえるんだよ。恋人とデートだって言えば、いつも以上に奮発してくれるかもね」
「必要はない」

食材が必要ならば金を払って買う。それだけだ。

「君さ、ナチュラルに金持ちの発想だよね。私達やディズィー君の節約術も、楽しいもんだよ」

だとしても、俺には不要だ。

「今回は君がスポンサーだから無理は言わないよ。代わりに、容赦なく奢ってもらうからね」
「ああ」

好きにしろ。元よりそういう話だ。
商店街に着く。

「とりあえず具材を色々買っていこう。君んちのすき焼きだと、何を入れてるの?」

食材を選び買い物する。
その途中。アバと出会った。

「・・・こんにちは」
「アバ君、こんにちは。梅軒君とイノ君は一緒じゃないの?」
「・・・宿題・・・監視」
「ああ、ね。どこも変わらないんだね」
「・・・そっちも?」
「まさに。それで、君は私達と同じく、晩御飯のための買い物かな?」
「・・・そう」
「そっか。梅軒君も頑張ってるだろうから、美味しいものを作ってあげるといいよ」
「・・・うん」

そのやり取りで、アバと別れる。

「メイ達も今頃宿題を投げ出してる頃かな」

ブリジットが終わってないのだ。メイ達もまだだろう。

「それでエイプリルに叱られながらやってるんだろうね。あの子達、姉のダメな所に似てるんだから」

姉妹か。ディズィーに関して苦労したことはないな。
たまにある我侭を聞くだけだ。

「ま、でも、うちの妹はかわいいもんだよ。ディズィー君に負けず劣らずね」

妹自慢をやりあう気はない。
買い物を済ませてしまおう。

「そろそろお肉屋さんかな。ソル君、ここは一つ最高級品を頼むよ」
「ああ」
「ふふ、頼もしい。ブリジット君のため?」
「いいや」

ブリジットは関係ない。

「かわいそうに、あれだけ慕ってるのに。こんにちは。すき焼きやるんで、一番いいお肉をお願いします」

簡単なやり取りの後、買い物を終える。

「ほら、やっぱりおまけしてもらえた。私達恋人同士に見えるんだってさ」

どうでもいい。
これで全部のはずだ。家に帰るとしよう。

「ところで、荷物全部君が持たなくてもいいんだけど?私も少し持つよ」
「必要ない」

量も問題ないし、この程度重くもない。

「そういうことするから、なんだけどな」

もう、夕飯の準備を始めてもいい時間だ。
帰って料理を作るとしよう。

855名無しさん:2012/05/17(木) 05:13:23
夕食の時間。

「宿題終わったー!」
「やりましたー!ソルさん褒めてください!」
「お疲れ様。こっちも出来上がったみたいなの」

すき焼きが完成し、食事の準備を整える。

「わぁ、いい匂いです」
「あっ!こりゃたまらん!ヨダレずびっ!〜〜ツウ〜よーな味だぜェ〜〜っ。きっとおお〜〜おお〜〜っ!」
「お皿並べるから、テーブルの上片付けてもらえないかしら?」
「あ、ごめんねミリっち。今すぐに」

夕食前に一応宿題は全部片付けたか。。

「これで明日は最後の休みを満喫できるね」
「どうですかソルさん?ウチだってやる時はやるんです!」

普段からやればいいだけの話だ。
夕食が整う。

「お疲れ様ですわ。さ、お夕飯にしましょう」
「おおー。いただきます!」
「いただきますです!」
「いただきます」

口々に挨拶し、食事を始める。

「ウンまああ〜いっ」
「美味しいです!」
「まだたくさん具材はありますから、どんどんどうぞ」
「お野菜もおいしいの」
「なんて言うか、ここまでおいしいものだったんだね、すき焼きって」
「バッドガイさんが手伝いもつけずに作ってらっしゃいましたもの」
「ソルの本気を見たわ」

そういうリクエストだからな。
好評ならよし。

「バッドガイ君、ありがとう。とっても美味しいの」
「お前に言われる事じゃない」
「うん。わかってるの」

だったら、言うこともないだろう。

「お肉追加してくれる?それとご飯おかわりちょうだい」
「はい。ちょっと待っててね」

基本は作ったが、後は任せる。
鍋奉行までやる気はない。好きにやればいい。

「ソルさん、あんまり食べてないんじゃないですか?ウチが食べさせてあげます!あ〜んしてください!」
「断る」
「じゃあ、ウチが取ってあげます!お肉が欲しいですか?豆腐ですか?それともウチですか!?」
「ブリジット、食事中ぐらい大人しくしていてほしいわ」
「う、すみません」

ミリアに指摘されブリジットが静かになる。

「あ、それと、猫達には無闇にこれを与えないでちょうだい。ネギなんて絶対禁物よ」
「わかってるよミリア君」
「大丈夫ですわ」
「猫にネギってダメなの?」
「ダメなの」
「そうなんだ。犬にチョコってのは聞いたことあるけど」
「体質的に問題あるのよ。猫にチョコもダメよ。迂闊にあげないでね?」
「了解。あたしも可哀想な事はしたくないし」

その辺はミリアも調べてある。
無知で傷つけるなんてこともない。

「ソルさん、ウチには何を与えてくれても平気ですよ?」

だからなんだ。

「あ、でも、できれば冷たい態度や優しくない言動は与えないほうがいいです。ウチ的に問題有りです」
「ご飯のおかわり頂けますか?」
「はい、どうぞ。お兄ちゃんもどうですか?」
「もらおうか」
「ディズィー、私もいいかしら?」
「お野菜追加するよ」
「やっぱりおいしいよね、このお肉。お野菜もだけどさ」
「私達だけ食べるの、ちょっと申し訳ないの」
「全員スルーですか!?」

静かに食事できないのか。

「あーそれにしても明日で冬休みも終わりかあ」
「とうとう3学期ですわね」
「ま、後1年以上あるんだけどね」
「多分、それもあっという間なの」
「新年早々、気の早い話ですね」
「そうです!今年は始まったばかりです!ウチとソルさんの関係も!」
「それは何も始まってないわ」

賑やかな食卓だ。

856名無しさん:2012/05/17(木) 05:29:17
テスタ「久々にJF分を堪能した」

アバ「・・・はぁ」

テスタ「まさか『ソル君』の少女で1レス使うことになるとは」

アバ「・・・まさか」

テスタ「いや、このキャラも気に入ってはいるんだが」

アバ「・・・それにしても」

テスタ「私自身予定外だったのは認めざるを得ない」

アバ「・・・ねえ」

テスタ「ところで、まだ客がいたぞ」

アバ「・・・想定の範囲外」

テスタ「正直驚きを禁じ得ない」

アバ「・・・びっくり」

テスタ「世の中には変わった人がいるものだな」

アバ「・・・その言い方はどうかと」

テスタ「彼のためにも、改めて目指せ完結ということで」

アバ「・・・おー」

テスタ「とはいえ、おまけの終着点はどこなんだろうな」

アバ「・・・さあ」

テスタ「それでは今日はここまで」

857名無しさん:2012/05/18(金) 07:12:18
書き込んだだけでそんなに驚かれるとは思わなかったw
俺は最初から今までずっと読んでるよ。
>>1の書くSSは好きだし、何回かレスも書いてるよ。
無理にとは言わないけど、できれば完結させてほしいな。
どう締めるかは勿論>>1の自由だけど、個人的な意見を言うとなるべく鰤エンドにしてほしいw

858名無しさん:2012/05/19(土) 04:01:13
朝、目を覚ます。
時間を確認すると、普段の起床時間には少し早い。
そんな時、ドアが静かに開けられた。

「おじゃましま〜・・・・・・あれ?ソルさんなんで起きてるんですか?」

部屋の外にお前の気配を感じたからだ。

「せっかくウチが起こしに来たのに、寝ててくれないとダメじゃないですか」

知ったことか。

「いいですか?今日から新学期ですよ?でもお休みに慣れてて『もっと寝ていたい』とか思いますよね?
 そこでウチが幼馴染らしく起こしに来るわけです。『早く起きてくださいソルさん!遅刻しちゃいますよ!』って!」

休み中だろうと学校があろうと起床時間に変わりない。

「そしたらソルさんはこう言うんです『後5分』って!定番ですよね!
 あ、ソルさんはその後『ダメです!遅刻してしまいます!』って無理矢理起こされるのと、
 『もう、ソルさんは仕方ないですねえ』って寝顔を眺められるのでは、どっちがお好みでしょうか?ウチはどっちでもご期待に応えます!」
「うるさい」

朝から騒がしい。

「そんな感じで、ウチがソルさんの部屋に忍び込んで起こす所からやり直したいです。だからもう一度寝てください!」
「断る」

そんなことに付き合う気はない。

「眠れませんか?じゃあウチが添い寝しますよ?抱き枕代わりにどうぞウチを抱きしめてください!」
「ブリジット、貴方、朝から変なこと言うのやめてくれないかしら」
「え?あ、ミリアさん」
「おはよう、ソル。もうお目覚めかしら?」
「ああ」

ミリアがやってきた。

「どうしたんですか?」
「朝食ができたわ。貴方、ソルを起こしに行ったっきり、帰ってこないんですもの」
「はっ、すみませんつい」
「そんなわけだから、ソルも起きてくれるかしら?もう休みは終わったんだから、いつまでものんびりしてられないわよ」

そんな気はないが、ブリジットに時間を取られたか。
身支度を整えるとしよう。

「もう朝食並べてるから、早く降りてきて。行くわよ、ブリジット」
「あ、ウチのことはお構いなく。ソルさんの着替えが終わるまでここで待ってます」
「来なさい」
「えっ、わわっ髪が!?いいじゃないですかソルさんの着替えを覗くぐらい!」
「どうしてかしらね。良くない気がするわ」
「そんなっ!」

ミリアが強引にブリジットを部屋から連れ出す。
俺も早く着替えて階下に行くか。

すぐに支度を終わらせ一階へ。

「おはようございますお兄ちゃん」
「おはよう」
「おはようございますソルさん。さっきは言うの忘れてましたから改めて」

席に着く。すでに朝食は並べられている。

「久しぶりに朝ご飯を作りました。どうぞお召し上がりください」
「貴方はいつも昼近くまで寝てたものね。いただきます」
「いただきますです。ウチもディズィーさんの朝ご飯は久しぶりな気がします」
「いただく」

食事を始める。

「美味しいです」
「そうですか?ありがとうございます」
「でも、明日はウチに作らせてください!ディズィーさんに負けてられません!」
「はい、いいですよ」
「・・・ねえ、それについて今更なんだけど」
「なんですか?」
「冬休みが終わったけど、ブリジットはいつまでこの家にいる気なのかしら?」

当初の条件では、休みの間に限っていた。

「痛い所を突いてきますねミリアさん・・・」
「触れて当然の話題じゃない」
「そういえばそういう話でしたね」

惚けるなディズィー。忘れてないだろう。

「ウチとしては、あとちょっとなんです」
「何がかしら」
「あとちょっとでウチとソルさんは相思相愛の仲になれるんです!」
「ねえディズィー、この子を今すぐ家から追い出していいかしら?」
「遠慮無くどうぞ」
「ちょっと待ってください!?」

どうでもいい話だ。ディズィーとミリア次第だな。

859名無しさん:2012/05/19(土) 05:04:09
朝食を食べ終える。

「大体、貴方はすぐ隣に立派な家があるじゃない」
「わかってませんねミリアさん。ウチは少しでもソルさんの近くにいたいんです。距離的にも時間的にも!」
「大して変わらないでしょうに」
「全然違います!だったらミリアさんがウチの家に住んでみますか?この家の猫さんと引き離されますけど」
「そんなの嫌に決まってるじゃない」
「ですよね?ウチも同じです」
「お兄ちゃん、お茶はいかがですか?」
「ああ」

食後の茶を飲む。
これを飲み終えたら、そろそろ家を出なければな。

「そういえば、私は今日は生徒会の会議があるそうで、帰りは午後になります」
「俺も仕事だ」
「時間が合えば、一緒に帰れるかもしれませんね」

仕事の前に、学校の自室を軽く掃除する必要があるだろうな。
休み前に掃除はしたが、しばらく使ってないので埃も積もっているだろう。

「ちょっとそこの2人。貴方達の家の問題なのよ?どうして私より無関心なのよ」
「私としては、どちらでも構いませんので。決定権はお兄ちゃんにありますし」

主導権は妹にあるがな。

「結局どうなりました?」
「ウチはソルさんの妻としてここにいます」
「断る」
「ブリジットさん、残念ですがご自分の家にお戻りください」
「えええっ!ちょっと待ってください今のは1割ぐらい冗談です!」
「ほぼ本気じゃない」
「当然じゃないですか」

茶を飲み終えた。
が、再びディズィーに茶を注がれる。まだ席を立つなということか。

「あの、今更ですが真面目に率直に答えて欲しいんですけど、ミリアさんはウチと一緒に住むのは嫌ですか?」
「え?」
「これでもウチは男ですし、それで気を遣うこともあるでしょうし、ソルさんラブで周りが見えないこともありますし」
「まあ、それは無いとは言わないけど」
「それでご迷惑をおかけして、だからウチとは住めないと言うなら潔く諦めます。あと、謝ります」
「いいえ、そんな謝られるほどのことじゃないわ。冬休みの間、楽しかったわよ?」
「本当ですか?ありがとうございます。ウチもとっても楽しかったです」
「ソルがいたからでしょ?」
「ソルさん抜きでも、です」

もう、あまりゆっくりしている時間もなくなってきた。
そろそろ結論を出せ。

「・・・もう、わかったわ。認めればいいんでしょ?でも、私なんて所詮居候よ。ディズィーとソルが認めるかは知らないわ」
「ミリアさんが問題ないなら、私も異存ありません。後はお兄ちゃんだけです」
「好きにしろ」

ディズィーとミリアに不満がないなら、俺が口を出すことでもない。

「ありがとうございます!ソルさん、やっぱりウチの事を愛してクヴェ!?」

黙らせる。

「いたた・・・。ところでどうしてミリアさんはあんなに反対してたんですか?
 まさかとは思いますが、ウチとソルさんが仲良くなるのに嫉妬してですか?」
「いえ、ただ、一般論というか、常識的な判断というか、本当に私が言えた義理じゃないけど、他人の同居なんて普通は簡単に許さないでしょ?」
「お兄ちゃんにそんなの通じませんよ」
「貴方にもね、ディズィー。兄妹揃ってネジが飛んでるわ」
「仲良し兄妹ですから」

話はまとまったらしい。
ならば、学校へ行くとしよう。

家を出る。

「いってきます」
「さあ行きましょうソルさん。手を繋ぎますか?腕を組みますか?」
「遊んでないで、少し急がないとまずいわよ」

学校へ向かう。
今日から3学期だ。

860名無しさん:2012/05/19(土) 05:12:46
テスタ「冬休みやっと終わった」

アバ「・・・おつかれ」

テスタ「とりあえずブリジットの居候を続けさせてみたわけだが」

アバ「・・・これからどうするの?」

テスタ「これから考える」

アバ「・・・もうちょっと考えて書いて」

テスタ「それができれば最初からやっている」

アバ「・・・ああ、うん」

テスタ「ブリジットエンドどころか、ミリアエンドさえ怪しい状況だしな」

アバ「・・・どうすんの」

テスタ「どうしようか・・・」

アバ「それでは今日はここまで」

861名無しさん:2012/05/24(木) 01:23:20
3学期が始まった。
その最初の授業。仕事のために1年の教室へ向かう。

「あ、おはようソル。ねえねえ昨日のテスト、ボクどうだった?ちょっと自信あるんだ」
「ウチもいつもよりできたと思います。きっとソルさんの愛のこもった家庭教師のおかげですね!」
「こら、二人共席に着きなさい」
「はーい」

エイプリルに注意されそれぞれの席に戻る。

「授業を始める。まず、昨日行ったテストを返却する」

休み明けに行われる恒例の試験。
昨日のうちに採点も終わらせたので生徒に返却する。

「ほら、いつものボクより大分良いでしょ?」
「やるじゃないメイ。それに比べて梅軒、あなたときたら」
「うるさいね。黙ってなイノ」
「宿題がないからって何もしないからよ」
「せっかくやらなくていいのに、わざわざ勉強なんかするもんかい」
「・・・ハァ・・・」
「いつも通りの点数だし、説教されるほどのことじゃないね」
「今回の平均点は――」

全員に返却し終え、平均点を告げる。

「・・・・・・あれ?ボク平均以下?」
「・・・ウチもです。おかしいですね?」
「ねえソル、何かの間違いじゃないの?」
「間違っていない」

今回のテストは難易度を他の教員レベルに合わせたからな。
これまでの俺のテストより難易度は下がり、その分平均も上がる。多少真面目に勉強していればだが。

「ちなみにエイプリルはどうだった?」
「私?満点取ったの久しぶり」
「えっ!?」
「アバはもちろん、ミリアとディズィーも満点だって」

平均を大きく引き上げてる連中だ。

「ソルさん、今回のテスト簡単にしすぎじゃないですか?」
「そんな事言う!?」
「エイプリルさん酷いです!」
「ちょっと言い過ぎだけど、どうなんですかお兄さん?」
「これが平均レベルの試験だ」

簡単に作ったわけではない。
生徒の習熟度が高いだけの話だ。

「聞いてた梅軒?このテストでいつも通りの点数のあなたって結構危ないわよ」
「うるさいね」
「うるさくもなるわ。しばらくの間、私とアバで勉強させるから」
「・・・逃がさない」
「嫌だね」
「冬休み遊びまくってたツケよ。大人しくしなさい」


862名無しさん:2012/05/24(木) 02:37:44
「静かにしろ。授業を始める」

結果を見てしばらく騒いでいた教室を静かにさせる。
テストの解説を行わなければ。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、授業を終える。
教材を片付けていると、メイがやってくる。

「ずるいよソル!」
「何がだ」
「せっかく点数が上がったって喜んでたのにさ、テストが簡単だっただけなんて!」
「それさ、ソル先輩ずるくないよね?」
「ウチもぬか喜びじゃないですか!ソルさんの愛の教育が実ったって喜んでたんですよ!?」

知ったことか。

「八つ当たりはやめなさいメイ」
「エイプリルはいいよね、満点だったし」
「そ、今結構いい気分なの。フフフフフ」
「うわぁ・・・なんか気味悪い」
「いつものエイプリルさんに戻ってください」
「しっかりしてエイプリル!」

騒がしいブリジット達を背に、教室を出る。
次の授業も教師側だ。一度自室にテストを取りに戻る。
その途中。

「どうも。お疲れ様です」
「ああ」

ファウストと出くわした。

「見せてもらいましたよ、試験結果。もちろん試験問題もですが。
 まったく、あの結果はお見事です。一度貴方の教育方法を伝授してもらいたいものですね」
「特別なことはない」

ただ生徒が理解できるように教えるだけだ。それが仕事なのでな。
なので、本来、このテストでは全員が満点を取れるほどに学習させていなければならないのだが。
一部の勉強嫌いな連中でも授業を聞くだけで完全に理解できるようになる、というのは理想が過ぎる。
梅軒にも満点が取れるような授業を行うとなると相当に難しい。

「ご謙遜を。今度こっそり覗かせてもらいましょう。なに、仕事の邪魔はしませんよ」

邪魔にならないなら勝手にすればいい。

「そうそう、こちらから渡した資料には目を通して頂けましたか?」
「ああ」
「貴方が発見、開発した新治療法や新薬を試した結果、一部の治療不可とされていた患者を救うことができました。感謝しますよ。
 ですが、上手くいかないケースもありましたね。悪化はしませんでしたが」
「ああ」


そういったケースの詳しい状況は渡された資料にあった。その理由、改善方法もファウストなりに推測されてある。
失敗が前提ではないが、全てがうまくいくとも思っていなかった。
また暇があれば研究し、適切な方法を考えればいい。

「いずれは世界中の患者を共に救いましょう」
「断る」

興味が無い。一人でやってろ。

「惜しいですねえ。貴方と組めばより多くの人を助けることが」

人助けでやってるわけでなく、ただの暇潰しの副産物だからな。

「時間がない。行くぞ」
「おっと失礼。貴方は次も授業があるんでしたか。がんばってください」

そろそろ次の授業が始まる。
ファウストと別れ、自室に向かう。
授業の準備をし、教室へ。

チャイムが鳴り終えるとほぼ同時に、教室に入る。

「どったの旦那?こんなに遅いなんて、旦那がまさかの正月ボケ?」

遅刻はしていない。

「授業を始める。まず、昨日行ったテストを返却する。アクセル」
「はいはい。っとあれ?簡単じゃんとか思ってたけど、マジで?なんで?」
「席に戻れ。次」

返却を終え平均点も教えると、1年での状況が再現される。

「どうしたのですかソル?貴方がこんなことをするなんて何か深い理由でも?」
「下等生物メ。ヨウヤク身ノ程ヲ弁エタカ」
「なあ旦那、次のテストもこの難易度にしてくれよ」
「静かにしろ。解説を始める」

ただ、本来の学力を把握すればいいだけだ。
通常の俺のテストでは、そういうことは分かり辛いからな。
次の試験では、これまでのレベルに戻る。

863名無しさん:2012/05/24(木) 03:15:48
テスタ「久々にミスで途中送信をやってしまった」

アバ「・・・やる気ダウン」

テスタ「仕方がないので3学期のことを考えてみよう」

アバ「・・・バレンタイン」

テスタ「鉄板だな。もうそれをゴール地点としようかと思っている」

アバ「・・・おお」

テスタ「一応2年生という設定なので、卒業式でもない修了式じゃ微妙だからな」

アバ「・・・一年の終わり」

テスタ「春休みまで行って決着も有りか」

アバ「・・・どうまとめるのか」

テスタ「どうまとめればいいのか」

アバ「・・・そろそろ真面目に考えて」

テスタ「考えてはいるんだが」

アバ「・・・がんばれ」

テスタ「それでは今日はここまで」

864名無しさん:2012/05/28(月) 03:55:03
学校。
テストも終わり本格的に授業が始まる前に

「これから席替えするぞ」

ジョニーの一声で席替えが始まる。

「これでソルっちとチプっちともお別れかな」
「グッバイ!お前のことは忘れないぜ!」

席が固定されている俺には関係のない話だ。

「あ、そういえばよ。お前がソルの横が指定席ってあの話、本当か?」
「私?どうだろう、ただの偶然だと思うの」
「偶然はこんなに続かないって」
「なあ、じゃあさ、一番最初にクジ引いてきてくれよ。それでまた同じ場所を引いたら俺も信じるぜ!」
「え、でもそんな勝手なことできないの」
「いいアルヨ?」
「ああ、面白そうだし俺も構わねえぜ?みんなもいいだろ?」

紗夢と闇慈が賛意を示す。

「ほら、クラスのみんなもOKだって。久しぶりに呪いの凄さを見せてよ」
「別に呪いなんかじゃないの」
「ほれ、引きな」
「うん。じゃあこれで」

ジョニーに差し出されたクジ箱から無造作に一つ選ぶ。

「どうだ?」
「聞くまでもないと思うけど」
「・・・うん」
「マジかよ」
「凄いアルナ」
「ね?こればかりは一切細工無しだよ」
「またよろしく、バッドガイ君」

慣れたものだ。

「お祓いでもしてもらったらどうだ?俺がやってみるか?」
「害はないし大丈夫なの」
「ていうか御津っち、そんなことできるの?」
「効果は期待できないアルナ」
「おいおい、昔から踊りっていうのは神聖なものでなあ。邪を払ったりとか色々できるんだぜ?」
「だったらさ、ザッパ先生に憑いてる幽霊祓ってみてよ」
「いや、ありゃちょっとな。俺の手には負えねえ」
「ダメアルナ」

クジも引き終わり、席替えが行われる。

「戻ってきたアル」
「蔵土縁さんも、縁があるね」
「私こそ本当に偶然アル」
「よっ。チップに替わってよろしく頼むな」

闇慈が前の席へ。紗夢がその隣へ移動してくる。

「お前達、最後の学期だ。仲良くな。それでは残り時間も少ないし、適当に自習してろ。俺は戻る」

そう言って、ジョニーが教室を出ていく。
次の時間は、俺の授業がある。俺も自室に行くか。

「どこ行くのバッドガイ君?お仕事?」
「ああ」
「あ、次だっけ。がんばってね」
「最初の授業だ。お手柔らかに頼むぜ」
「ワタシには当てないでほしいアル」

教室を出て自室に向かう。
まだ時間はある。雑務を少し片づけておくか。

865名無しさん:2012/06/04(月) 03:22:07
朝、目を覚ます。
ベッドから出て着替えを済まし、階下へ向かう。
側で寝ていた猫共も付いてくる。

「ウチに作らせてくださいよ」
「貴方は昨夜の夕食を作ったじゃない。今回は私がやるから休んでなさい」
「お構いなく。朝早くから愛するソルさんのために苦手な早起きして朝食を準備するウチ。
 これでソルさんの心も鷲掴み間違いなしです!」
「冬休みの間も、何度か同じ事やってなかったかしら?結果はどうだったかしらね」
「次は成功すると信じています!」
「・・・・・・前向きね」

ブリジットとミリアが既に起きていた。
台所に入る。

「あら、おはようソル」
「おはようございますソルさん!おはようのキスを!」
「断る」
「すぐ朝ご飯作るから、お茶でも飲んで待っててちょうだい」
「ああ」

ミリアが茶を用意したので、テーブルに着く。

「あ、ずるいですミリアさん。ウチがやりますってば」
「貴方はソルの相手をしていたらどうかしら?」
「わかりました!さあソルさん二人の愛を育みましょう!」
「断る」
「ミリアさんがいるからって、照れなくてもいいじゃないですか」

照れてなどいない。
茶を飲み、膝に飛び乗ってきたミケを撫でる。

「ソルさん、遠慮せずにどうぞウチのことも存分に可愛がってください!」
「添え物は何にしようかしら。ソル、リクエストは?」
「ない」
「いつもそれね。わかってるけど。新しいものでも試してみようかしら」
「ウチを無視しないでください!?」

騒がしい。茶を飲む。

「なんですか今の!ウチがいないもののように振る舞って」
「だって、まともに相手してられないじゃない」
「酷いこと言いますね」

ミケは満足したのか、膝から降りる。入れ替わりにタマが上ってきた。
まだ朝食は完成しない。相手をしてやる。

「ていうか、新しいものってなんですか?」
「最近読んだ料理の本で覚えたものよ。まだ作ったことはないけど」
「あれ、そんな本読んでるんですか?」
「同じものばっかりじゃ芸がないわ」
「まさか、密かに料理スキルを上げてソルさんの気を引こうって計画ですか!?」
「貴方と一緒にしないで」

茶が無くなった。

「あ、ウチが淹れますよ。どうぞ、ウチの愛情たっぷりのお茶を」

自分で淹れる。

「そんなひどいです」
「自業自得よ。少しは引くことを覚えたらどうなのブリジット」
「ウチの愛は攻めあるのみです!」
「まあ、貴方の好きにすればいいわ。ところでお皿を用意してもらえるかしら?」
「了解です」

朝食ができたか。タマを膝から降ろし、手を洗う。

「ねえソル」
「なんだ」
「ブリジットを家に置いたこと、少しは後悔してない?」
「いいや」

この程度の騒々しさは予測できていた。

「それはつまり、ウチと一生を共に過ごしたいってことですね!」
「違う」
「違うんですか!?」

そんな気はまるでない。

「でもですね、このままズルズルと同居を続けるなら、いつの間にかソルさんの内縁の妻に収まってみせますよ?」
「ありえそうで怖いわ」

お前がどう思おうと、俺にその気はない。

「さてと、お待たせしたわ。おふざけはその辺にして朝ご飯にしましょ」
「ウチはふざけてないです!」
「いただく」
「どうぞめしあがれ」
「また無視ですか!?って、いただきますです」

朝食を摂り始める。

866名無しさん:2012/06/04(月) 04:13:07
朝食中。

「どうかしら、新しいおかずの出来は」
「おいしいです!」
「そう?ソルはどうかしら」
「問題ない」

この出来なら十分だ。

「ありがとう。じゃあ、今後もたまに作ろうかしら」
「ウチもミリアさんに負けてられません!新しいお料理を覚えないと!!」
「私に張り合われても困るのだけど」
「現状に満足してちゃソルさんの嫁は務まりませんからね!」
「だから、私にその気はないわ」

魚の身を少し取り、足元にいるシロに与える。

「そんな事言って、ウチは騙されませんからね。ソルさんの妻の座は誰にも譲りませんよ」
「そもそも、貴方はその座に収まってないじゃない」
「うぐっ、痛い所を突いてきますね・・・」
「ソル、ご飯のおかわりはいるかしら?」
「ああ」

もらおうか。
ミリアに椀を渡し、よそってもらう。

「もうわざとですか?ウチに見せつけてますか!?」
「何のことよ」
「今の一連のやり取りです。以前から思ってましたが、いつの間にそんな仲良くなってるんですか?
 いいですか?今のと全く同じやり取りをウチとソルさんがやったと想像してください」
「・・・できないわ」
「無理矢理想像力で補ってください。どうですか?どこからどう見ても仲睦まじいラブラブでお似合いな夫婦ですよね!?」
「・・・・・・そうかしら?」

ミリアから椀を受け取り、食事を再開する。

「なにしろ、ソルが無機質で無表情じゃない。とても仲睦まじいようには見えないわね」
「う、それはそうですけど・・・でもですね?なんというか、顔には出ないけど心で通じあってるみたいな、そんな感じで」
「貴方ね、さっきの私とソルが、そこまで深い関係に見えたわけ?」
「・・・見えないです。大体ソルさんがそんな人じゃありませんでした」
「わかってもらえて嬉しいわブリジット」
「ソルさんが内心で感情豊かな人なら、とっくにウチの魅力の虜になってますよね」
「それは知らないわ」

食事を終える。

「あら、もう食べたの?」
「ああ。ごちそうさま」
「お粗末さま」

食器を片付ける。

「皿洗いなら私がやるわよ?まだ食べ終わってないし、水に漬けておいてくれるかしら」

では、掃除をするか。

「ソルさんソルさん、お掃除ならウチにお任せ下さい!家中ピカピカにしちゃいますから!」

ならば、自室と地下書庫で資料整理か。
それが終われば、昼食まで暇潰しだな。

「お昼はウチが作りますからね?」
「ええ、どうぞ」
「期待しててくださいソルさん!ウチの愛を感じてください!」

自室に戻る。

867名無しさん:2012/06/04(月) 04:13:49
テスタ「とても眠たい」

アバ「・・・寝なさい」

テスタ「おやすみ」

アバ「それでは今日はここまで」

868名無しさん:2012/06/11(月) 03:13:10


朝、目覚まし時計が鳴ったので目を覚まします。

「・・・・・・あれ?」

でも、今日はお休みの日です。うっかり、いつものように目覚まし時計をセットしちゃいましたか?
本当はもっとゆっくり寝てられます。なんだかもったいないことをしました。
しっかりとお布団をかぶり直し、二度寝します。うーん、温かくて幸せです。

暖房が効いてるお部屋ももちろん素敵ですけど、温かなお布団の気持ちよさは格別ですね。
このまま一日中何もしないでお布団に包まったまま過ごしたいです。
いえ、そうしましょう!そうすればずっと寝てられます。幸せです。

そんなことを決心して横になっていると、また眠たくなってきました。

「おやすみなさいです」

誰にともなくつぶやいて、寝ちゃいます。今日のウチは自由です。


ピンポーン

「・・・はい?」

玄関のベルが鳴りました。時計を見ると、もうお昼ですか。結構寝ちゃってました。
ところで、誰か来たみたいですね。誰でしょう?
ディズィーさんかメイさん達が遊びにでも来たんでしょうか。
だとすると、出なきゃダメですね。他の人なら居留守してでも寝たいですけど、お友達にそれをするわけにもいきませんし。

仕方なくお布団から出てベッドから降ります。

「うぅ、寒いです」

冬ですもんね。寒いのは当然です。だからこそお布団が最高なんです。
なんてことは今は置いておいて、玄関に向かいます。パジャマのままですけど着替えは・・・まあ必要無いですよね。
多分ディズィーさん達の誰かでしょうし。

「はい、どちら様ですか?」

玄関のドアを開けます。と、

「・・・・・・ソルさん?」

予想外の人がいました。
なんでソルさんがウチの家に?これは夢ですか?夢ですね?
ウチってば起きたつもりで、まだおかしな夢を見てるんですね。
なんでソルさんの夢なんか見てるのかはわかりませんが。
もしかしてウチは、自分でも気付かぬうちにソルさんの夢を見たいとでも思ってましたか?
・・・・・・いや、さすがにそれはないです。ないはずです。

「おはようございますです」

とりあえず挨拶しましょう。

「ああ」
「夢の中でも無愛想ですね?せっかくですから、もっとはっちゃけたソルさんなんてどうですか?」
「あ?」

笑顔で陽気でハイテンションなソルさんなんてのも見てみたいです。
きっととても面白くて笑えそうです。そんな楽しい夢ならぜひ見たいです。

「笑ってください」
「断る」
「ダメです。これはウチの夢なんですから、ソルさんといえどもウチの言うことは聞いてもらいます」

・・・あれ、反応悪いですね?
あ、そうか。夢だからって、なんでも自由に見れるわけじゃないんですね。
そりゃそうですよね。自分の見たい夢が自由に見られる方法があるなら、いつでもそうしますもん。

「起きろ」
「はい?」

『起きろ』?夢から目を覚ませってことですか。
なんでそんなことを命令されなくちゃならないんでしょう。ウチの夢なのに。
それに起きたら夢が見れなくなるじゃないですか。

「ディズィーが昼食を作っている。お前と食べると約束していたというから、呼びに来た」
「・・・・・・あ」

そういえば、昨日そんな約束をしたような・・・。
確か、ディズィーさんが最近料理をソルさんに習い始めたから一度ウチに食べてみてほしいと。

「・・・え、あれ?じゃあ、今、ウチって起きてます?」

ソルさんがとても珍しくウチの家にいるから夢じゃないかって思ったんですけど、気のせいでした?
ウチは今起きてるんでしょうか。夢を見てるんでしょうか。

「・・・・・・あのすみませんソルさん。ウチのことを叩いてみてくれませんか?」

よく言いますよね。夢だと痛みを感じないって。

「さあ、遠慮せずにどうゾッ!?」

痛いッ!痛いです!これは間違いなく夢じゃないです!!
そしてソルさん、本当に容赦なく殴ってくれましたね・・・。手加減はしてくれてるんでしょうけど。

869名無しさん:2012/06/11(月) 03:56:39
部屋へ戻り急いで着替えとかして再び玄関へ。

「お待たせしました!」

ソルさんはまだ待っててくれました。

「あの、ソルさん。さっきはすみませんでした」

まさか、寝ぼけてあんな失敗をするなんて。

「これからは注意します!ですから、できればさっきのことは誰かに言ったりしないでほしいんですけど」

さすがに笑われちゃいます。
自分でもこれが他人事だったら絶対に笑ってます。

「ソルさん?聞いてます」
「ああ」

聞いてはいるんですよね。
まあ、ソルさんのことですから大丈夫でしょう。誰かに笑い話を語るような人ではないですし。
そういう点に関しては、わざわざお願いしなくても安心できる人です。

「あと、もう一つお願いがあるんですけど」

ソルさんが聞いてくれるかはわかりませんが。

「もしまたウチがさっきみたいに寝ぼけてたり夢見てるような事を言ったら、どうぞ遠慮なくウチを叩いてください」

ソルさんなら容赦なく、ウチの目を覚まさせてくれるでしょう。
さっきのは痛かったです。怪我したりはしてないみたいですけど。

さあ、ディズィーさんも待ってるでしょうしソルさんの家に行きましょう。
と言っても、お隣さんなんで一瞬なんですけどね。

「ディズィーさんのお料理、楽しみです」

すぐにお隣に着いて、家に上がらせてもらいます。

「おはようございます、ブリジットさん」
「おはようございますですディズィーさん」

わぁ、いい匂いです。そういえば、朝から何も食べてないからウチはお腹空いてました。

「もうすぐ完成しますから、少し待ってて下さいね」
「はいです」

美味しそうです。

「ソルさんは手伝わないんですか?」
「お兄ちゃんには一切手も口も出さないようにお願いしてますから」
「じゃあ、これ全部ディズィーさんが一人で作ったんですか?」
「はい。がんばりました」
「すごいです!」

ウチなんて家事は全く全然できないのに。

「ふぅ、完成しました。お料理を並べますので、どうぞお席へ」
「手伝いますよ?」
「今日は全部私にやらせてください。お兄ちゃん、お座りください」
「ああ」

ディズィーさんが手際よく・・・ってわけでもないですけど、出来上がったお料理を並べてくれます。
ウチもお料理とか家事を色々少しずつ覚えていかないといけませんね。
ディズィーさんにできるならウチにもきっとできるはずです。

「お待たせしました。ブリジットさん、美味しくなかったらすみません」
「大丈夫です。おいしくないはずがありません。いただきます!」
「いただく」
「どうぞお召し上がりください。いただきます」

箸を手にとって早速一口。

「おいしいですディズィーさん」
「ありがとうございます。お兄ちゃんは、どうですか?」
「まあまあだな」

まあまあって・・・。

「ソルさんひどいです!こんなにおいしいじゃないですか!素直に褒められないんですか?照れてるんですか?」
「いいんです、ブリジットさん」
「でもっ」
「お兄ちゃんはお世辞や社交辞令はいいませんから」

妹相手にぐらい言ってもいいじゃないですか。

「初めて全部一人で作った結果で、いきなり手放しで褒められる出来なんて思ってないですから」
「い、いえ、ウチは本当においしいって思います。嘘じゃないです」
「ありがとうございます。嬉しいです。でもお兄ちゃんに比べたら、まだまだですよね?」
「それは・・・」

えっと、なんて言えばいいんでしょう?

「だから、私はまだこれからです。お兄ちゃんに美味しいって言ってもらえるまでがんばります」
「ディズィーさん・・・」

なんというか、ウチのフォローとか必要なかったんですね。
ウチもまだまだこのお二人のことを理解しきれてませんでした。
でも、ウチもディズィーさんと一緒でこれからですよね。
これから頑張って、ソルさんとも仲良くなって、いつか何か一つでも認めてもらえるようにがんばりましょう。

870名無しさん:2012/06/11(月) 04:08:33
テスタ「ソルの設定を非暴力的にしたのに何故ブリジットだけ殴られるのか」

アバ「・・・謎が明らかに」

テスタ「後付って便利だな」

アバ「・・・ね」

テスタ「何故ブリジットだけやたら殴られてるんだろうと疑問に思っていた」

アバ「・・・自分でそうしといて」

テスタ「何も考えてなかったからな」

アバ「・・・伏線とかないしね」

テスタ「そこでこんなことが過去にあったんだと」

アバ「・・・捏造した」

テスタ「捏造ではなく後付だ」

アバ「・・・どっちも変わらない」

テスタ「細かいことは置いといて」

アバ「・・・置いといて」

テスタ「後はブリジットがソルにああまで惚れた理由が要るな」

アバ「・・・また捏造」

テスタ「後付な」

アバ「・・・一体どうするのか」

テスタ「一体どうなるのか」

アバ「・・・酒でも飲んで考える」

テスタ「それが一番だな」

アバ「・・・ほどほどに」

テスタ「それでは今日はここまで」

871名無しさん:2012/06/21(木) 01:18:35
放課後の自室。
仕事を進める。

「コーヒーいるかしら?」
「ああ」

ミリアがコーヒーを淹れ、カップに注ぐ。

「どうぞ」

カップを机に置くと、ミリアはコタツに戻り読書を再開する。
コーヒーを一口飲み、こちらも仕事に戻る。

しばらく静かに仕事を進めていると、ドアがノックされた。

「誰だ」
「私とヴェノムだ。邪魔させてもらう」
「何の用だ」
「なに、貴様に用はない。たまにはここでのんびりさせてもらおうと・・・ミリア?」

ザトーとヴェノムが部屋に入ってくる。

「おおミリアよ。こんな所で会うとは奇遇だな」
「邪魔よ。出ていきなさい」
「相変わらず冷たいな」
「ザトー様、お気になさりますな」
「貴方達二人でデートでもしながらさっさと帰るといいわ」
「わかったミリア。お前の意見を参考にさせてもらおう。さあザトー様、帰りましょう!」
「おい待て」

騒がしくなった。
雑務は終わらせた。明日の授業計画を立てる。

「しかしザトー様。ザトー様が愛するミリアからのアドバイスですが、無下になさるのですか?」
「せっかく私がザトーのためを思って言ってあげたというのに」
「それが本当なら嬉しいが、どう考えても私のためじゃないだろう」
「ザトーはヴェノムと一緒にいるのが一番の幸せなのよ。私にはわかるわ」
「おおおミリア!!やはりそう思うか!?聞きましたかザトー様?ミリアもああ言ってます」
「何も聞こえない」
「うるさい」
「あら、仕事の邪魔して悪いわねソル」

仕事を続ける。

「私の代わりにザトーを幸せにしてあげるのよ、ヴェノム」
「任せてくれ。ザトー様への愛と忠誠に誓おう」
「ミリアよ、頼むからヴェノムを煽らないでくれ」
「そんなつもりはないわ」

と、そこへ再びドアがノックされた。

「誰だ」
「すみません、ザッパですが。ああ、君達もまだ帰っていなかったんですか」
「まあな」
「何の用だ」
「至急まとめてほしい書類がありまして。誰も手が空いてませんので君にお願いできないかと」

仕事が増えるか。

「こちらです。頼めますか?」
「ああ」
「終わったら職員室に持ってきて頂けますか?」
「それならばヴェノムに届けさせよう。よいな?」
「はっ、お任せを」
「では頼みます。手間を取らせてすみません」

ザッパが部屋を出ていく。

「というわけで、我々は帰るわけにはいかなくなった」
「コタツに入らせて貰ってもいいかミリア?」
「ヴェノムはいいけど、ザトーはそこで正座でもしてなさい」
「愛の鞭が痛いぞ」
「ただの鞭よ」
「ザトー様だけに辛い思いはさせません。このヴェノムもお供します。まずはお茶でも淹れましょう」

授業計画立案を中断し、頼まれた仕事を始める。
至急というなら、手早く終わらせる必要がある。

「それにしてもミリアよ、何故私の愛を受け入れてくれない」
「何故も何も、貴方に対して欠片も好意を持っていないからよ」
「おおぅ・・・ズバッと来たな・・・」
「ザトー様の魅力がわからないとは、見る目がない」
「無くて結構よ」

書類整理を進める。
大して時間は取らないな。すぐに終わる。

「ところで、ミリアは一人なのか?」
「見ればわかるでしょう。ディズィーは生徒会、ブリジットは一人で夕食を作るってさっさと帰ったわ」
「そうか。つまり、ソルの仕事が終われば一緒に帰るということか

872名無しさん:2012/06/21(木) 02:00:07
ザッパに頼まれた仕事を終わらせる。
これで問題ないはずだ。

「ヴェノム、持っていけ」
「む、終わったか。了解した。確かに届けよう」

ヴェノムが自室を出ていく。

「で、貴方は何が言いたいのかしら?」
「いやなに、ミリアも随分とソルとうまくやっているようだな、と」
「一緒に暮らしているんですもの。当然でしょう」
「ぐっ、そういう台詞は心に刺さるから、あまり言わないでくれ」

元の仕事に戻る。

「私の求愛が断られるのは、もしかするとミリアに他に意中の相手がいるせいではないか、などとふと考えてな」
「だったらどうなの?」
「だとすれば、私は潔く諦め、ミリアの恋がうまくいくことを応援したい」
「あら」
「私自身の手でお前を幸せにできないのは残念だが、ミリアがそれで幸せになれるのならば私も満足だ」
「・・・そう」

授業計画も3クラス分終わった。
後は1年の分だけだ。

「ここで聞くのもなんだが、いいタイミングかもしれん。あまり会話の機会もないしな。どうだ、ミリア。私はお前が好きだ」
「悪いわね、貴方の気持ちには応えられないわ」
「理由を聞いてもいいか?」
「そうね。単に貴方に対してそういう気持ちを持てないというのもあるけど」
「けど、なんだ」
「もしかしたら、他に気になる人がいるのかもしれないわね。正直、私自身どうなのかわからないわ。
 以前はただ貴方への拒否感で断ってたけど、今断ったのはそれだけじゃない気がする。そんな所ね」
「そうか。ならば、私はミリアのその気持を尊重しよう」

仕事が終わった。
片付けて帰るか。まずはコーヒーカップを洗う。

「私が行ってくるわ」
「ああ」

ミリアが自室を出ていく。
洗い物はミリアに任せ、帰りの準備を整える。

「貴様、本当に我々のことを無視してたな」

お前たちも俺を無視していただろう。

「話は聞いてたのだろう?思う所はないのか?」
「ない」

「平然としているミリアもミリアだがな」
「帰る。部屋を出ろ」
「失恋したばかりの人間を相手に厳しいな。もう少し優しさがほしいぞ」
「ザトー様、失恋なさったのですか?」
「ん?」

ヴェノムが戻ってきた。

「それはつまり、ミリアを完全に諦めたということでしょうか?」
「む、まあ、そうなるな。告白したが、振られた。それだけのことだ」
「おお、お労しやザトー様。愛に破れる辛さ、このヴェノムよくわかります。今夜は騒ぎましょう!」
「そうだな。そうするか」
「失恋と、私とザトー様の新たな愛の旅立ちに向けて!」
「それは待て」
「騒がしいわね」

ミリアが戻ってきた。

「ミリア、ザトー様の愛を拒んだというのは本当か?」
「ええ、事実よ。だから、貴方がザトーの心を癒してあげるといいわ」
「愚弄するな。弱った所に付け込んで好かれだとしても、嬉しくない。私は正々堂々と愛をぶつける」
「貴方もザトーもブリジットも、随分と真っ直ぐなことね。そこは尊敬に値すると思ってるわ」
「部屋から出ろ」

会話がしたければ後でやれ。
鍵をかける。

「では、帰りましょうザトー様」
「そうだな。さらばだ、ミリア、ソル」
「ええ、さようなら」

ザトー達と別れる。

「私達も帰りましょう。ディズィーはもう帰ってるみたいだし、ブリジットが夕食を作って待ってるわ」
「ああ」

帰途に着く。

「ところで」

会話も無く歩いていた道中、ミリアが話しかけてくる。

「さっきの話、貴方が気にすることじゃないわよ?こっちの問題だから」
「ああ」

どうでもいいことだ。

873名無しさん:2012/06/21(木) 02:12:34
テスタ「さて・・・」

アバ「・・・さて」

テスタ「どうしたものか」

アバ「・・・えー」

テスタ「最大の問題はブリジットでもミリアでもなくソルだということ」

アバ「・・・まあ」

テスタ「こいつがバカップルのごとくになる展開が想像できない」

アバ「・・・うん」

テスタ「というか、誰かに好意を抱く姿すら想像できない」

アバ「・・・・・・無理」

テスタ「どうしよう」

アバ「・・・愛の力で」

テスタ「奇跡は起こるのか」

アバ「・・・起きるといいね」

テスタ「それでは今日はここまで」

874名無しさん:2012/06/28(木) 01:45:19
朝、学校に向かう。

「ソルさん、ウチのマフラーが長いのはなんのためだと思いますか?」

横にいるブリジットが鬱陶しい。

「正解はソルさんと一緒にマフラーを巻けるようにです!」
「ブリジット、貴方のそれは長すぎるんじゃないかしら」
「ウチとソルさんの身長差を考えればこれぐらいで適正です」
「一人で使うには長すぎよね」
「ブリジットさんが頑張って編んだんですから、いいじゃないですか」
「そうです!ウチの愛情たっぷりの手編みのマフラー!暖かいこと間違いなしです!」

それが必要なほど寒くもない。

「さあソルさん存分にウチの愛で暖まってください!」
「断る」
「今ならさらにウチと腕を組むこともできますよ?」

いらん。
学校に着いた。

「残念です。じゃあ続きは帰りでやりましょう」

一人でやってろ。

「ディズィー達おはよー!」
「おはようございます!」

ジェリーフィッシュの連中と遭遇する。

「おはよソルっち。ちょうどいい所に」
「バッドガイさんに聞きたいことがありますわ」
「拒否は認めないから悪しからず」
「おはようバッドガイ君。朝からごめんね」

何の用だ。

「ズバッと聞くけど、昨日ミリっちに告白されたって、本当?」
「いいや」

昨日の放課後の話か。

「あれ、違うの?」
「話が違いますわ姉さま」
「え、でもザトーちゃんからそう聞いたよ〜」
「わるおじゃなくてミリアに聞いてみたら?」
「よし聞いてきてメイ」
「ボクが?いいけど」

放課後の後、ザトーとこいつらの誰かが会い、軽く事情を聞いたというところだろう。

「でね、ミリア。ソルに告白したの?」
「ちょっと待って。なんでそんな話になってるの?」
「ちょっと待って下さい!どういうことですかミリアさん!!」
「私も知らないわよ」
「昨日の放課後、ソルに告白したんじゃないの?」
「してないわよ」
「してないんだ」

教室に向かうか。

「こら逃げない後輩君。まだ時間に余裕はある」
「お兄ちゃん、私もどういうことか知りたいです」

お前らに付き合う気がないだけだ。

「貴方達、説明を求めるわ」
「ウチもです!場合によってはソルさんの浮気を糾弾します!」
「バッドガイは何も悪くないと思うわよ、多分」
「落ち着いてミリア、ブリジット。知ってることは話すから」

エイプリルが事情を話す。

「・・・つまり、昨日、空元気のザトーと会ったから事情を聞いたら、『私はソルが好きだから』という理由で振られたって言ったわけね」
「聞いたのは姉さんだけど。で、これが本当なのかなって昨夜から私達の間で盛り上がってたの」

おおよそ予想通りだ。

「今の話は本当ですかミリアさん!?」
「・・・間違ってるわ」
「えええ」
「ザトーちゃんの嘘つき〜」
「お姉ちゃんの聞き間違いじゃないの?」
「そんなことないと思うけどな〜。ザトーちゃんかなり落ち込んでたもん」

正しくもないが完全に間違ってるというわけでもない。

「ミリちゃんがザトー先輩を振ったっていうのは事実なの?」
「それは、本当よ」
「その理由が『お兄さんが好きだから』じゃないの?」
「・・・違う、わね」
「今、間があったよ」
「ミリアさん!?」

そろそろ始業時間だ。
教室に向かう。

875名無しさん:2012/06/28(木) 03:08:06
教室。

「おはようアル。ミリアに告白されたそうアルナ」
「羨ましいぜこの野郎。でも、そいつを即断で一蹴したらしいな?酷いやつだなお前は」

紗夢と闇慈が話しかけてくる。

「バッドガイ君、ごめんなさい。なんだか、いつの間にかそんな話になってたの」

人通りの多い場所で騒いでいたからな。
かつ、告白されていたとして、そこでの俺の対応を想像すると、そういう尾鰭が付いたのだろう。

「お前らには関係ない」

噂がなんであれ、俺から話す事はない。知りたければミリアに聞け。

「あ、うん。ごめんねバッドガイ君」
「確かに興味本位で聞くことじゃあねえかもな」
「誤解ならソルにもミリアにも悪いアルナ」

それで納得したらしい。

「よおし席に着けお前達」

ジョニーがやってきてHRが始まる。
そしてそれが終わると、教室を出る。

「お仕事がんばってねバッドガイ君」

自室に向かう。

「ああ、待ちなソル」

教室を出ると、ジョニーに呼び止められる。

「なんだ」
「お前さん、随分と噂になってるな」

だからなんだ。

「うちの娘達がすまんな。悪気はなかったんだろうが、こうもデタラメな噂が広がってはなあ」
「そうか」

俺は噂などどうでもいい。
謝るならミリアにしておけ。

「まあ、お前さんが告白を一蹴したってのは実に想像しやすい光景ではあるんだがな」

普段のブリジットへの対応を見ていればな。

「とにかく、しばらく話題になるかもしれんが、あまり気にするな。もっとも、お前さんは大丈夫だろうがな」

元より気にしていない。
ジョニーと話を終え、自室に向かう。

「ソル」
「なんだ」

自室前にザトーがいた。

「いや、すまんな。私が迂闊にジェリーフィッシュに話をしたせいで、こうなるとは」

どうでもいい。
責任を追求する気もない。

「とはいえ、『実はこうだった』などと真実を詳細に語った所で、どれほど効果があるかもわからんしな。
 かえって、本当だったと解釈される可能性もある」

昨日のミリアの言葉を考えると、十分そう考えることはできるだろう。
事実、ザトーはそう捉えたのだ。

「私にはどうすればいいかわからない。なので、お前に頼む。この状況をどうにかしてほしい」

しばらく放っておけば勝手に噂も消えるだろうが、今すぐにとなるとどうしたものか。

「今回の件、ミリアにとって面白い話ではないだろう。長引かせたくはない。私が言える義理ではないが、どうか頼む」

お前に頭を下げられても意味は無いが、同居人の問題だ。
ならば、少しは解決に手を貸してやろう。

「では私は教室に戻る。時間を取らせて済まなかったな」

ザトーと別れる。
自室に入り、教材を用意する。まず、1年の授業。

876名無しさん:2012/06/28(木) 04:13:23
1年の教室。

「てめえ、よくものこのこと顔を出せたもんだな」
「・・・どうどう」
「落ち着きなさい梅軒」
「これが落ち着いていられるかってんだ。それで、何しにきたんだ」
「授業だ」

他に何がある。

「ミリアは黙ってるけどな、俺はあんたを許さないね」
「あなたが口を出すことじゃないわよ梅軒」
「ああ!?ダチをやられて黙ってろってのかい!」
「・・・まあまあ」

まだ、具体的な出来事は話していないのか。
当然だな。ミリア自身、どう解釈されるかわかっている。
自分がそんな台詞を言ったということも、他人に言いたいことではないだろう。

「ソルさん!ウチはソルさんを信じています!!」

このままでは授業にもならない。
先にどうにかするか。

「ミリア」
「・・・なにかしら」
「結婚してくれ」
「・・・は?」

求婚する。

「ちょおおおおっと待ってくださいソルさん!!!」
「黙れブリジット」
「いやこれは黙れませ」
「ふざけてんじゃないよ!!」
「黙れ。全員静かにしろ」

ざわめく教室を静かにさせる。

「どうだ」
「いえ・・・あの、それは・・・えっと・・・・・・急にそんなことを言われても・・・」
「そうか。では。授業を始める。教科書を開け」
「ちょっと?どういうつもりなのかぐらい」
「授業中だ。静かにしろ」

授業を始める。
察しのいい連中なら、俺の意図を理解するだろう。
ディズィーとエイプリルだけでもいい。それでどうにかなる。

その後は問題もなく、授業を終える。

「あんた!最初のあれは一体なんだったんだい!?」
「・・・梅軒・・・そこまで」
「あん?」
「この話は終わり。さ、次の授業の準備しましょ。宿題は終わってるの?」

教材を片付ける。

「なんなのよ、一体」
「ミリアちゃん、わからない?」
「理解できないわね」
「お兄さんが本気であんなこと言ったわけじゃないのは、わかるよね?」
「ええ、まあ。そうでしょうね」
「だとすると、あれはミリちゃんのためにソル先輩が言ったんだよ」
「ソルさんがそんな奇行に走るぐらい、ミリアが困ってるってこと。ごめんね、色々無神経だったかも」
「あ、そういうことだったんだ」
「メーイ。わかってなかったの?」

片付けも終わり、自室に向かう。

「ソルさんソルさん」
「なんだ」
「もし、ミリアさんがプロポーズを受けてたら、どうしてたんですか?」
「それはない」

今のミリアが俺の求婚を受けることはない。
だからこの手を使った。

「万が一の話です」

その時は、後でミリアの意思を確認し、本気ならそのまま婚約関係となる。

「・・・・・・ウチなんて相手にもされないのに」
「落ち込むなんてブリジットさんらしくないと思います」
「わっ、ディズィーさん?」
「私はいつでも前向きなブリジットさんの方が素敵だと思いますよ?」
「そうですか?・・・そうですね!ウチにできることはミリアさんに負けないように頑張るだけですよね!!」

うるさい。

「あ、噂に関しては私とジェリーフィッシュの皆さんで後はどうにかしますから、任せてください」
「ああ」

ディズィーがそう言うなら、問題ないだろう。

877名無しさん:2012/06/28(木) 04:33:49
テスタ「どうするんだこれ」

アバ「・・・どうしようね」

テスタ「ブリジットかミリアか」

アバ「・・・きつい二択」

テスタ「本来迷う必要すらない選択のはずなんだが」

アバ「・・・ブリジットをメインヒロインに設定するから」

テスタ「何故こうなった」

アバ「・・・出オチだったのに」

テスタ「ここからブリジットが巻き返すにはどうすればいいのか」

アバ「・・・考えて」

テスタ「いつもそれだ」

アバ「・・・他に方法が?」

テスタ「ない」

アバ「・・・がんばれ」

テスタ「それでは今日はここまで」

878名無しさん:2012/07/11(水) 02:39:38
ブリジットの方がいいなぁ
ソルを振り向かせようと一生懸命に頑張ってるし
ブリジットの想いが報われてほしい
それにあの可愛さなら性別なんて関係ないんじゃない?
ここのソルなら「別に恋愛に性別なんて関係ない。好きになった奴がたまたま男だっただけだ」とか言っても不思議じゃないと思うしw

879名無しさん:2012/07/19(木) 01:01:52
朝、目を覚ます。
猫共を退かしベッドから出、着替えを済ませ階下に向かう。
猫に餌と水を与え、朝食を作る。

「おはよう、ソル」
「ああ」

ミリアが起きてきた。

「手伝うことはあるかしら?」
「ない」
「そう。だったらお茶を飲んで待ってるわ」

茶を淹れ、ミリアに出す。

「ありがとう」

朝食作りに戻る。

「ねえ、貴方が朝食を作ってるのは久しぶりじゃないかしら」

最近の休日はブリジットかミリアが作っていたし、平日はディズィー任せだからな。
確かに俺が朝食を作るのは冬休み以来か。
元より料理が好きというわけでもない。率先して作ろうとは思わない。

「私達の誰より料理が上手いのに、もったいないわね」

お前達が料理をしないなら、俺が作るがな。
そこまでして俺に料理をさせる気もないらしい。
朝食が完成した。盛り付ける。

「そういえば、ブリジットはまだ寝てるようね。せっかく久々の貴方の手料理なのに食べそびれるなんて」

一応三人分用意はしてある。
だが、ミリアも起こしに行こうとはしない。
寝ているなら無理に起こす必要もない。

「それじゃ、いただきます」
「ああ」

朝食を食べ始める。
問題ないな。味が落ちていることもない。

「相変わらずの美味しさね。簡単な料理なのに、どうしてこうも差がつくのかしら」
「技術的な問題だ」

包丁捌きや火加減がまだ甘い。

「まったく奥深いわね」

もっとも、ミリアの料理も文句など付ける必要のない程度に完成している。
更なる上達を求めなければ十分な出来だ。

「貴方ほどじゃなくても、ディズィーやブリジットには並びたいわ。一番下手なままというのも癪だもの」
「数をこなすことだな」

ミリアはただ経験値が足りていない。
何度もやれば上達するものもある。

その後朝食を終え、片付ける。

「私がやるわ。それと、昼食は私が作るから。一応聞くけど、食べたいものは?」
「ない」
「でしょうね」

好きなものを作れ。

「貴方にも好みの一つでもあれば、考えやすいんだけど」

食えるなら、文句は言わん。

「何を作ろうかしらね」

ミリアが献立を考えながら食器を洗い始める。
さて、俺も掃除をするか。
そしてテーブルから立ち上がった時。

「おはようございますソルさん!もう朝ご飯無くなっちゃいましたか!?」
「おはようブリジット。貴方の分は残ってるわよ」
「おはようですミリアさん。ありがとうございます。ウチとしたことが寝坊してしまいました・・・」
「すぐ温めるから座ってて。ほとんど冷めてないし」
「あ、どうぞお構いなく片付けを続けてください。自分でやりますから」

部屋を出る。

「あれ、もしかして今日はソルさんが作りました?」
「ええ。見ただけでよくわかるわね」
「せっかくソルさんがウチのために作ってくれた朝ご飯なのに、出来立てを食べられなかったなんて!!
 どうして起こしてくれなかったんですかミリアさん!」
「たまには静かな朝食をと思って」
「そんな!?」

騒がしい。
掃除するか。

880名無しさん:2012/08/06(月) 02:18:50

目が覚めました。
時計を確認すると・・・まだ朝じゃないですか。
いつもならまだ寝てる時間ですけど、目が覚めちゃいましたしね。
休みの日でも早起きというのはたまにはいいと思います。

パンを焼いてミルクを用意して、朝ご飯も食べました。
さて、これからどうしましょうか。暇です。誰かと遊ぶ約束もしてませんし。
午後からならお隣のディズィーさんの家に遊びに行くんですけど、まだお昼前ですし。
きっとディズィーさんもまだ寝ています。あ、でもソルさんは起きてるかも。ていうか絶対起きてますよね。
この時間だと、お掃除してるんでしょうか。ソルさんは行動パターンが固定されてるので読みやすいです。

んー・・・たまにはソルさん相手に押しかけてみるのもいいかもしれません。
「断る」なんて言われるんでしょうけどね。あの人いつもそれです。
ま、それならそれでいいです。ディズィーさんが起きるまで待たせてもらいましょう。
ソルさんが作るお昼ご飯は美味しいですしね。

そんなわけでお隣へ。
チャイムを鳴らして玄関前で待機です。
ドアが開きました。

「おはようございます!」

元気よく朝の挨拶です。

「何の用だ」

そしてやっぱりソルさんはいつも通りでした。

「遊びにきました」
「ディズィーなら寝ている」
「わかってますよ?たまにはソルさんと遊びたいと思いまして。ウチと遊びませんか?」
「断る」

ですよね。わかってました。ここまで予想通りです。

「じゃあ、ディズィーさんが起きるまで待っていてもいいでしょうか?」
「ああ」
「お邪魔します」

家に上がらせてもらいます。
何度も来てるので慣れてます。一人、居間で待たせてもらいましょう。
なんて、居間に入ったのですが。

「よっ、おはよ」
「おはようございます、ブリジット」
「あれ?あ、おはようございます」

アクセルさんとカイさんがいました。
このお二人も、たまにこの家で見かけます。

「アクセルさん達も遊びに来たんですか?」
「まあな。旦那は相手してくんないけどな」
「アクセル、彼が午前中忙しいのはわかってたでしょう」

でも、押しかけちゃったんですね。
ソルさんが相手してくれるわけないのに。あ、それはウチもですか。
当のソルさんは掃除に戻っちゃいました。

「ま、ブリジットが来たなら丁度いいや。3人でできるゲームでもやってようぜ。旦那対策に」
「新しいボードゲームを仕入れてきましたので」
「へー。面白いんですか?」
「そりゃモチ。つまんないゲームやったって楽しくないだろ?」

それもそうですね。このお二人が用意して、かつソルさんに勝てる可能性のあるゲームですか。
ちょっと面白そうです。主に、ソルさんに勝てるという部分がですが。
ソルさんは反則的な強さですが、たまに負ける時だってあるんです。
勝ったことがあるのはアクセルさんとカイさんとディズィーさんだけですけどね。
ウチも一度くらい、ソルさんに勝ってみたいです。

「ルールはちょっと複雑だけどな。カイ、説明頼む」
「貴方はいつも。自分でやったらどうですか?」
「そういうの苦手なんだよ俺は。お前の方が向いてるだろ?」
「仕方ありませんね。では、簡単に説明します。その後、プレイしながら補足説明としましょう」
「わかりました。お願いします!」

ウチもソルさんに勝ちたいです!
それから、カイさんにゲームを習って、テストプレイも終了。

「ルールは覚えましたか?」
「はい、多分大丈夫です」
「よし。じゃあ旦那、やろうぜ」
「断る」

・・・ですよね。

「掃除終わったんじゃないの?」
「昼食を作る」
「ああ、もうそんな時間か。じゃあ昼飯食い終わったらやろうぜ」
「断る」

ですよね。さすがソルさん。
もう慣れましたけどね。

「んじゃ昼飯後にな。旦那、昼飯なに?」
「すみません、ご馳走になります」
「ウチはディズィーさんを起こしてきますね」

全員食べる気満々です。まあ、ソルさんはちゃんと人数分作ってくれるんですけど。

881名無しさん:2012/08/18(土) 04:11:07
放課後、自室。
雑務の整理と明日の授業予定を立てる。

「知ってますかソルさん?そろそろバレンタインデーだということを!」
「まだ先じゃない?」
「甘いですねメイさん。そうやって油断してるといつの間にか当日になってしまっているんです」

騒がしい。

「どっちでもいいけど、ちゃんと課題やりなさい二人共」
「はい・・・」

エイプリルに注意され静かになる。

「でも、もうそんな時期なのね」
「ソル先輩は今年も大量にチョコ貰うんだろうなあ」
「お兄さんは律儀に3倍返しを守らなくていいと思うんです」

ディズィーが返礼はきちんとしろと言うんでな。

「絶対に3倍になって返ってくるんだから、誰だってソルにプレゼントあげるよね」
「ウチの愛も3倍にして返してください!」
「ブリちゃんの愛を3倍返しするとどうなるんだろうね」
「ソルさんが壊れるんじゃない?」
「そんなお兄さんは見たくないかも・・・」

仕事を進める。

「きっと『ブリジット愛してる!大好きだ!!』って会うたびに言うんだよ」
「それだけじゃ3倍にならないんじゃない?」
「じゃあ抱きしめてキスも追加しよう」
「うわあ・・・そんなのソルじゃないよ」
「最高じゃないですか!」
「えええ・・・」
「ソルさん、お願いですから正気を保ってください」

そんな返礼をする気はない。

「ソルさん、ホワイトデーは期待してますから!ホワイトデーと言わず今からでも大丈夫ですけど!!」
「ブリジット、さっきから手が止まってる」
「はっ。すみませんでした」

静かに課題をやっていろ。

「バレンタインかあ」
「どうかしたの?」
「え、いや。毎年だけど、姉さん達にとっちゃ複雑なイベントだなって」
「それ、お兄さんの前でする話題じゃないと思う」
「あ、そだね。ソル先輩、今の会話は聞かなかったことにしてください」

どうでもいい。

「メイ、終わりそう?」
「うーん、もうちょっと。最後の問題だもん」
「もう少しね。ブリジットは?」
「助けてください」
「はいはい」

そろそろこちらも仕事が終わる。

882名無しさん:2012/08/18(土) 04:22:44
テスタ「なんか色々とダメだな」

アバ「・・・駄目駄目」

テスタ「前回と前々回は寝落ちしてた」

アバ「・・・飲み過ぎ」

テスタ「しばらく書いてないからやる気が出ない」

アバ「・・・困った」

テスタ「この先の展開も考えつかない」

アバ「・・・アイディア不足」

テスタ「どうにもならないな」

アバ「・・・どうにもならないね」

テスタ「書いてない間にブリジットルートをどうするか考えてみたが」

アバ「・・・考えたんだけど」

テスタ「何も思いつかない」

アバ「・・・じゃあミリアルート?」

テスタ「ところがそれも思いつかない」

アバ「・・・ええー・・・」

テスタ「なのでもうどうしようもないので」

アバ「・・・ないので?」

テスタ「ルート確定なんかせずにその時に思いついたままで行こうと思う」

アバ「・・・行き当たりばったり」

テスタ「その結果もし『俺達の戦いはこれからだ』エンドになってもしょうがないと開き直ろう」

アバ「・・・仕方ないね」

テスタ「風呂敷畳むの難しいと今更知った」

アバ「・・・遅すぎた」

テスタ「とりあえずバレンタインイベント始めて強制的に終わりに向かわせる」

アバ「・・・決着付けばいいけど」

テスタ「どうなることやら」

アバ「それでは今日はここまで」

883名無しさん:2012/09/03(月) 03:27:57
放課後、自室。

「『復習』とは自分の運命への決着をつけるためにあるッ!」
「わかってるなら宿題やりなよ」
「疲れたからちょっと休憩」
「一問解くたびに休憩してますわ」
「早く終わらせたほうがいいと思うの」

ジェリーフィッシュの4人組が宿題をやっている。

「今日の宿題の量は多過ぎる」
「文句を言っても減らないの」
「君だけ進んでないからね」
「バッドガイさん、紅茶飲みます?」

机に紅茶と茶菓子が置かれる。

「お疲れ様ですわ」

一口飲み、仕事を続ける。

「終わる気がしない」
「私はそろそろ終わるの」
「えっ、もう?」
「真面目にやるとそんなもんだよ」
「そういう自分はどうなのさ」
「もうちょっとかかるけど、まあなんとかなるかな」
「似たような感じですわ」
「あれ、あたしだけ遅れてる?」
「今気づいたの?」

雑務を片づけた。
後は明日の授業計画を立てる。

「わかんないとこが多くてさ」
「教えられるとこは教えるの」
「ありがとう!」
「わからないのに、答えを丸写ししようとはしないよね」
「そうだな・・・わたしは『結果』だけを求めてはいない。『結果』だけを求めていると人は近道をしたがるものだ・・・・・・・・・・・・。
 近道をした時真実を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。
 大切なのは『真実に向かおうとする意思』だと思っている。向かおうとする意思さえあれば、
 たとえ今回は問題が解けなかったとしてもいつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな。
 ・・・・・・・・・・・・違うかい?」
「違ってはいませんが、それなら宿題以外でも毎日勉強してはいかがでしょう?」
「いや、それはちょっと・・・」

俺の仕事もそろそろ終わる。
終わらなかった場合、残りは家でやれ。

「ふぅ、私の方は終わったの。どこがわからないの?」
「次の問題」
「そこだけ?」
「そして次のもわからない問題だ」
「・・・だけじゃないよね」
「その次の次のも。その次の次の次のも・・・・・・その次の次の次の次のも・・・次の!次も!
 わからない問題だあああ――――――ッ。これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!」
「そういえば、私は今日お夕飯のお手伝い当番だったの」
「あ、私は風呂掃除だった」
「なんだか姉さんの顔が見たくなりましたわ」

3人が帰り支度を始める。

「あれ?ちょっと、ねえ」
「残りはソル君に聞くといいよ」
「バッドガイさん、後はお任せしましたわ」
「終わらせてから帰ってきてね。夕飯は貴方好みの献立にしておくの。バッドガイ君、また明日」

3人が帰っていく。

「なんか・・・・・・急に涙が出てきて・・・・・・おもいっきりさ――あんたのとこで、泣きたいんだけれど・・・・・・
 そんな時間・・・泣いてる余裕なんてないかもしれない」
「宿題やれ」
「ソルっちまであんまりだー!」

泣いてる余裕があるなら宿題に取り掛かれ。

「でも、ソルっちが教えてくれるならすぐ終わるよきっと」

教えなければいけないのか。
仕事は終わったが、帰れそうにない。

「そっちも終わったの?紅茶でも飲む?」
「いらん」

さっさと宿題を終わらせる。

884名無しさん:2012/09/20(木) 01:42:11
テスタ「今日はがんばろう」

アバ「・・・はい」

テスタ「もうこうやって自ら宣言でもしないとやる気が出ない」

アバ「・・・酒が足りない」

テスタ「有言実行は大切だ」

アバ「・・・寝落ちしないように」

テスタ「・・・どうだろうな」

アバ「・・・えー」

テスタ「今日の展開もこれから考えるし」

アバ「・・・アイディア不足」

テスタ「眠くなる前にやるしかない」

アバ「・・・がんばれ」

885名無しさん:2012/09/20(木) 02:37:36


とある連休の日。その初日。
メイさん達の家にお泊り会です。

「こんにちはです」
「こんにちはメイさん。今日はお世話になります」

ディズィーさんと一緒にやってきて、ご挨拶です。

「いらっしゃい!上がって上がって」
「はい。おじゃまします」
「お邪魔します」

靴を脱いで家に入って、とりあえずメイさんの部屋へ向かいます。

「おう、お前達か」
「あ、こんにちはですジョニーさん。お久しぶりです」
「こんにちはジョニーさん。お邪魔しています」
「ああ、うちに泊まるんだってな。ゆっくりするといい。メイ、ちゃんとお客さんをもてなすんだぞ」
「わかってるよジョニー。任せてよ!」

あんまりお気遣いしていただかなくても大丈夫です。
いつも通り遊ぶだけですから。

「ブリジットちゃん、ディズィーちゃん。いらっしゃ〜い」
「こんにちはです」
「こんにちは」
「リープおばさんがお菓子用意してくれたからね〜。お部屋に持っていったよ〜」
「ありがと姉さん」
「ありがとうございます」
「うん。ごゆっくり〜」

その後も何人かとすれ違って、ようやくお部屋にたどり着きました。
さすが、ここは人が多いです。皆さん仲良しで楽しそうです。

「いらっしゃいデズちゃんブリちゃん」
「こんにちは。飲み物どうぞ」
「こんにちはです。ありがとうございます」
「いただきます」
「二人共、荷物は適当に置いておいていいからね」
「はい」

お泊りの荷物を置かせてもらって、やっと一息付きました。

「さ、遊ぼ!何しよっか?」
「最近買ったボードゲームやろうよ。6人プレイも可能なやつだしさ」
「あれは今お姉ちゃんがもってるんじゃないかな?」
「じゃ、取りに行ってくるわね」
「お願いエイプリル」

おおう、口を挟む間もなく話が決まっていきます。
まあ、別に文句もないんですけど。
あんまり難しいルールは苦手なので、簡単だといいですね。

「あ、ディズィーちゃんとブリジットちゃんもそれでいいかな?」
「はい。大丈夫ですよ」
「ウチもお任せします」
「結構面白いよ。うちで流行中」

そういうのいいですね。
ウチは一人暮らしなのでそういうのありませんし。

「ただいま」
「おかえりなさい」

エイプリルさんがゲームを抱えて戻って来ました。

「やっほー。いらっしゃいデズっち、ブリっち」
「こんにちはです」
「こんにちは」

あれ?この人も一緒にゲームをやる気なんでしょうか?

「あー、邪魔はしないよ。ちょっとデズっちに聞きたいことがあってさ」
「私ですか?何でしょう?」
「ソルっちはさ、今日も家にいるの?」
「お兄ちゃんですか?はい、いつも通り部屋に引きこもってますけど」

あ、ディズィーさん、ソルさんの勉強熱心を引きこもりって言っちゃうんですね。

「じゃあさ、あたし達も遊びに行っていいかな?」
「はい、どうぞ。お兄ちゃんの相手をしてもらえるなら喜んで」

ソルさん的には多分迷惑な話が勝手に進んでるんですけど。

「ディズィーちゃん、ディズィーちゃんのお兄さんは勉強中じゃないの?邪魔していいの?」
「いいですよ?」
「いいんだ」
「ソル先輩にはきっと良くないよね」
「ディズィーはソルさんには強気だものね」

ウチ達にはとっても優しい人なんですけどね。

「ありがとーデズっち。それじゃ、お邪魔させてもらうね」
「はい。なんなら、泊まっていただいても構いませんよ?」
「え、いいの?」
「はい。お夕飯はお兄ちゃんに作らせてください。なんでも作れますから」

またソルさんの負担が増えてます。

886名無しさん:2012/09/20(木) 04:05:43
それにしても、ソルさん抜きでそこまで決めていいんでしょうか?

「ディズィーさん、勝手にそんな約束までして、ソルさんは大丈夫ですか?」
「これぐらいでうろたえるお兄ちゃんじゃありません」
「ドイツ軍人はうろたえないッ!」
「姉さん、ちょっと静かに」

あ、おとなしくなりました。

「とにかく、お兄ちゃんもお休みの日ぐらい、お友達と遊んだりしてもいいと思うんです」
「ソルってずっと一人で勉強してるだけだもんね。ボクだったら絶対できないよ」
「メイは宿題さえ一人じゃできないでしょ」
「宿題ぐらいちゃんとやりなよメイ。あたしを見習え!」
「お姉ちゃん、嘘は良くないよ」
「お姉ちゃんを信じてよ!?」

ウチも勉強は苦手です。ソルさんみたいに暇潰しで勉強なんてとてもやりたくないです。

「そういうわけですので、お兄ちゃんをよろしくお願いします」
「うん、オッケーわかった。遠慮無く泊まらせてもらうね」
「姉さん、あんまりソルさんに迷惑かけないようにね?」
「わかってるってエイプリル。一晩中遊ぶだけだよ」
「わかってないよね」
「ボク達だって徹夜で遊ぶもんね!」
「張り合わないで」

うーん、ソルさんがそんな遊びに付き合ってくれるんでしょうか。
この前、カイさんとアクセルさんと一緒に遊んだ時は付き合ってくれてましたけど。
あれはきっと、仕方なくって感じでしたね。楽しそうでもなかったですし。
それでも、ほとんどのゲームに勝ってたのはさすがですけど。
と、そんな所にもう一人やってきました。

「ごめんね、ちょっとお邪魔するの。いらっしゃいディズィーさん、ブリジットさん。ねえ、何やってたの?宿題がまだ途中なのに」
「姉ちゃん?さっき信じてとかなんとか」
「ちょっと待って、今はそれどころじゃないんだって」
「さっきもそうやって休憩したの」
「いやいや話を聞けばきっと」
「ごめんね、お邪魔したの。ゆっくりしていってね」
「はい」
「お兄ちゃんをよろしくお願いします」
「え?うん・・・・・・?」

それでドアが閉じ、連れて行かれました。

「ディズィーちゃん、今の言い方だとまともに伝わらないと思う」
「まあいいじゃないですか」
「いいんだ」
「ねえ、何の話?」
「さあ?」

なんとなくわかりますけど。
なんとなくわかりたくない気がします。
あの人達はきっとソルさんの家に遊びに行くんでしょうね。
それでソルさんを無理矢理引きずり出して、美味しい料理を作ってもらったり、色々遊ぶんでしょう・・・。
楽しそうだなあ・・・っていやいや、別にうらやましがることないじゃないですか。ウチはウチでメイさん達と楽しく遊ぶんです!

「それじゃお姉ちゃんと話してる間にゲームの準備も整ったし、始める?」
「はい!お願いします!」
「どうしたのブリちゃん?なんかテンション高いね」
「そうですか?ウチはいつもこんな感じです!さあやりましょう!ルールを教えて下さい!」
「う、うん。えっとね・・・」

それからしばらくは皆さんで楽しくゲームです!
確かに、おっしゃっていた通り結構面白いですねこれ。

「いえー!ボクの勝ちー!」
「あ、私は2位ですね」
「おお、すごいねデズちゃん」
「最下位はブリジットちゃんだね」
「ま、負けました・・・」
「初めてだからしょうがないわ。次はがんばりましょ」
「は、はい。今度こそ!」

ルールは理解しました。次は勝ちます!
そしてゲームスタートです。

「姉さん達はもうディズィーの家に行ったのかしら」
「まだじゃない?行くならデズちゃんに声かけると思う」
「なんでそんなにソルと遊びたがるかなあ」
「メイだってディズィーちゃんのお兄さんにはお世話になってるのに」
「宿題は見てもらうけどさ、遊んだりとかあんまりないよ?ソルが相手してくれないんだもん」

そうですよね。ソルさんは基本、ウチ達とはあんまり遊びませんね。

「やっぱりクラスが同じだと仲良くなったりするんじゃない?」
「姉ちゃん達が強引なだけだと思うよ?ソル先輩ってそういうのに弱いみたいだし」
「ウチはあんな態度をソルさんには取れません」
「年上だしね。お姉ちゃん達はその点は気楽だと思う」
「お兄ちゃん相手に遠慮なんか必要ありませんよ?歳の差も気にしなくていいです」
「ディズィー、私たちはそんな簡単に割り切れないの」
「ディズィーさんは割り切りすぎです」

一番ソルさんに無茶な要求してるのはディズィーさんですからね。
それとも妹だからわがままも言いやすいんでしょうか。

887名無しさん:2012/09/20(木) 05:35:59
再びゲームが終わって。

「あ、今度は私が1位ですね」
「やりました、ウチは2位です」
「・・・あれ?おかしいな、なんでボク達負けてるの?」

やった!2位です。
ディズィーさんに負けたのは残念ですけど、最下位から大躍進です!

「ディズィーちゃんが手強いね」
「ソル先輩並に強いよね」
「いえ、私なんてお兄ちゃんにはまだまだです。たまにしか勝てませんし」
「たまに勝つんだ」
「ディズィーさんは対ソルさんだと一番勝率高いですよ?」

カイさん達と一緒に遊ぶ時、やはりソルさんは強いですが、たまにディズィーさんも勝ちますからね。
次にカイさん、アクセルさんときて、ウチは一番弱いです。

「よし、次はディズィーを徹底マークだね」
「あ、ウチはそういうのなら得意です」
「そうなの?」
「ブリジットさんがそういうプレイをするとかなり厄介ですよ」

ひたすらソルさんの足止め役に徹したりしますからね。それで鍛えられました。
ウチが抑えている間に早く!ってプレイングも面白いです。

「よしじゃあもう一回やろ。その後は別のをやろうよ」
「そうね。じゃあ始めましょう」

そしてゲームスタートです。
と、部屋のドアがノックされました。

「失礼しますわ。ディズィーさん、貴方の家にお邪魔させてもらいますが、バッドガイさんに伝言はありますか?」
「そうですね。『お客様を丁重におもてなししてください』と伝えていただけますか?」
「わかりましたわ。必ずお伝えします。では今夜は貴方の家に泊めさせていただきます」
「はい、どうぞ我が家と思っておくつろぎください」
「ありがとうございます。貴方もごゆっくり。ブリジットさんも。では失礼しますわ」
「ソルによろしくねー」

やっぱり泊まるんですか。

「姉ちゃん達はソル先輩に親しすぎじゃないかな」
「仲が良くていいじゃないですか」
「ふと思ったんだけどね、そろそろバレンタインじゃない?」
「そうだよね。クラスのみんなやジョニーにあげるチョコ用意しないと」
「姉ちゃん達はソル先輩にチョコをあげるのかなって」

あ、そういう話題って有りなんですか。

「義理ぐらいは渡すと思うけど」
「そんなんじゃなくてさ、ほら、本命の方を」
「わ、それ言っちゃうんだ」
「姉妹だからって詮索するのはダメでしょ」
「何?何の話?」
「メイさん、次はメイさんの番ですよ?」
「あ、ボク?うーん、どうしようかな」

一人確実な人がいますけど・・・。
他の3人はどうなんでしょう。

「ひょっとしてちょっとした修羅場になったりするかな?」
「姉さん達はそんなんで喧嘩しないわよ」
「お兄ちゃんって人気なんですね」
「ソル先輩のどこがいいのかわかんないけどね」

全くです。愛想も無いですし付き合いも悪いですしほとんど喋りませんし。
まあ宿題見てくれたり料理が美味しかったり無茶な要求に応えてくれたりでいい所もあるんですけど。

「ていうか、あの姉さんに関してはみんな気付いてたんだ?」
「そりゃまあ。割りとバレバレだし・・・」
「お姉ちゃん、なんていうか可愛くなったと思う」
「恋する乙女は綺麗になるって言いますしね」
「それにしても、ソルさんは気付いてるんでしょうか?」
「ソル先輩が人の気持ちとか察する人かなあ?」

ああ、確かに。他人なんてどうでもいいって人でした。

「ソルってそういうの得意じゃないの?」
「メイ?なんで?」
「だって、宿題とか教えてもらう時、ボクが休みたいと思ったらすぐ注意してくるもん」
「・・・あー」
「おかげで宿題が進むんだよ」
「メイ、今年はソルさんに義理でいいからチョコを渡すようにね」
「へ?なんで?」

お世話になりすぎです。あ、ウチもですね。ソルさんにはなんだかんだでお世話になってますし。
はっ、いやいや、ウチは男じゃないですか。でも、同性同士で贈り合うなんてありますし、おかしくはないですか?
ソルさんにバレンタインチョコですか。どんなチョコだと喜んでもらえるんでしょう?

「あ、ボク2位だ。ちぇっ、惜しかったな」
「え?」

いつの間にかゲームが終わってました?

「ブリジットちゃんがまた最下位だね」
「それでまたデズちゃんが1位かあ」
「ブリジットさん、何か考え事してました?心ここにあらずでしたよ」

やっちゃいました!普通に負けてるじゃないですか。
き、気持ちを切り替えましょう。今はバレンタインのことじゃなく、遊びを満喫しましょう!

888名無しさん:2012/09/20(木) 05:45:06
テスタ「よし、がんばった」

アバ「・・・まだ途中」

テスタ「がんばった」

アバ「・・・・・・うん」

テスタ「久々に長々と書いたな」

アバ「・・・お疲れ」

テスタ「そしてとうとうバレンタインに踏み込んだわけだ」

アバ「・・・過去でだけど」

テスタ「この調子で現在の方でもサクッとやってしまおう」

アバ「・・・お泊りの続きは?」

テスタ「これで終わりだが?」

アバ「・・・えー」

テスタ「さてさて、現在のブリジットとミリアの方はどう展開させるかな」

アバ「・・・JFは?」

テスタ「所詮は名も無き脇役なんだよ・・・」

アバ「・・・・・・かわいそうに」

テスタ「では今後も終わりに向けてがんばろう」

アバ「・・・おー」

テスタ「それでは今日はここまで」

889名無しさん:2012/10/09(火) 02:31:23
テスタ「さあがんばろう」

アバ「・・・おー」

テスタ「今日何を書くか、まだ何も考えていないが」

アバ「・・・えー」

テスタ「風呂敷を畳むのって難しい」

アバ「・・・何度も聞いた」

テスタ「とりあえずミリアを出そう」

アバ「・・・最近出てないしね」

テスタ「状況は放課後か休日か。どっちかだな」

アバ「・・・選択肢がない」

テスタ「放課後は最近多用してる気がするから、休日にするか」

アバ「・・・それも多用してるような」

テスタ「・・・・・・そもそも放課後と休日以外の選択肢がほとんどないな」

アバ「・・・ああ・・・」

テスタ「ネタに詰まるわけだ」

アバ「・・・とにかくがんばろう」

テスタ「おお」

890名無しさん:2012/10/12(金) 04:23:30
朝、目を覚ます。
ベッドから出て着替えを済ませ、階下に向かう。
台所に向かうと、すでに朝食が作られはじめていた。

「おはよう、バッドガイ君」
「ああ」

昨日、ディズィー達がジェリーフィッシュの所に泊まりがけで遊びに行き、こいつらがうちに遊びに来た。

「もうちょっとかかるから待っててね。コーヒーあるの」

コーヒーを用意される。テーブルに付き、それを貰う。
すでに猫に餌や水は与えているようだ。朝食が出来上がるまで待つとしよう。
膝の上のサンタナを撫でていると、一人、起きてきた。

「おはよう」
「おはようレイジさん。早いね」
「貴方もね。何か手伝おうかしら?」
「もうすぐできるから大丈夫なの。ちょっと待っててね。コーヒー飲む?」
「いただこうかしら」

ディズィーとブリジットに付いていかず、ミリアはうちに残っていた。

「結構濃いめに淹れてるから、ミルクとお砂糖は多めにするといいの」
「ありがとう。でも少しぐらい苦くても大丈夫よ。目覚ましにはちょうどいいわ」
「・・・忠告はしたの」

ミリアがコーヒーをそのまま飲む。

「ッ!?」
「だ、大丈夫?お水いる?」
「大丈夫よ・・・でも、何よこれ。失敗したの?」
「ううん、味はわりと狙い通りなの」
「貴方、苦味が強いほうが好きなの?」
「そんなことないの」
「だったらどうしてこんなコーヒーを淹れたのかしら?」
「バッドガイ君はこれぐらいが好みだから」
「なんですって?」

俺に好みなんてないが。

「そういえばソル、貴方はよく平気な顔してこれを飲めるわね。苦いとか思わないの?」
「多少はな」

飲めるのだから気にするほどのことではない。

「ていうか本当なの?貴方にこんな好みがあったなんて知らなかったわ」

俺もだ。
この味が好きかと問われても、そんなことはない。

「違うみたいよ?」
「そんなことないの。それと、朝食できたから、3人を起こしてきてほしいの」
「・・・随分な自信ね」

こいつがここまで言うのなら、俺はこの味が好みなのかもしれない。
参考にしておこう。
席を立ちまだ寝ている連中を起こしに行く。

「貴方が行くの?仮にも女性を起こしに行くなら、私の方がいいんじゃないかしら」
「仮はいらないと思うの。でも大丈夫だから。レイジさんには難しいだろうし、お願いバッドガイ君」
「ああ」

今までに何度もやってきたことだ。

「随分と慣れてるわね。私にはわからないわ・・・」

3人の寝ている部屋に向かう。
ノックをし、声を掛ける」

「起きろ。朝食ができた」
「は〜い。今行くよ」

返事はするが、動く気配はない。
ドアを開け部屋に入る。

「起きろ」
「おはよ〜ソルっち。おやすみ」
「ん?朝?時間は・・・まだ早いね」
「zzz」

あいつは、毎朝こいつらを起こすのに苦労しているのだろうか。

「起きろ。朝食ができた」
「後で食べる〜」
「昨夜遅くまで遊んだから眠たいんだよ」
「zzz」

起き上がる気配がない。
だが、この部屋にいた猫共は起きてきた。
餌を求めて部屋を出ていく。

891名無しさん:2012/10/12(金) 05:59:55
3人共起きる気配がない。

「ソルっち、このお布団がいけないんだよ。気持ちよすぎ」
「ずっとこうしていたいよね」
「暖かくて、フカフカで、寝心地良くて、柔らかくてそして濡れている」
「起きる気力を奪われた」
「zzz」

このままでは朝食が冷める。
部屋の空調の設定を変え、室温を最大まで上げる。
自身の炎も使い、部屋を熱する。

「暑いよッ!」
「ていうか熱いね」
「・・・おはようございます、バッドガイさん」

起きたか。

「支度をしてこい。朝食ができている」
「はーい」
「はぁ、起きようか」
「・・・どうしてこんなに暑いのでしょうか?」

部屋を出て、台所に向かう。

「長い付き合いだから、なんとなくわかるの」
「そんなものかしら」
「レイジさんは一緒に暮らしてるんだから、これからだと思うの」
「別に、彼を理解したいわけじゃないわ」
「そう?」

部屋に入る。

「あ、おかえりバッドガイ君。みんな起きた?」
「ああ」
「ありがとう。こっちももう準備できたの」

すぐに、残りの3人もやってきた。

「おはよー」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよう。どうぞ召し上がれ」
「いただきます」
「いただく」

朝食を摂る。

「やっぱり同じメニューでも結構味が変わるものね」
「うん。私のはリープおばさんに習ったレシピだから」
「でも、これってうちで食べるのとも味が違うよね?」
「うちとは道具とか食材が違うからちょっと変わるの」
「なんにせよ美味しいよ。どうソル君。感想は?」
「美味い」
「ありがとう。おかわりあるから、たくさん食べて欲しいの」

朝食を食べ終える。

「ごちそうさま」
「お粗末さまでした。お茶淹れるの」
「・・・ソル好みに?」
「ううん、普通に淹れるの」
「そう。良かったわ」

俺の好みに合わせることもない。

「この後どうしようか」
「ソル君、君の予定は?」
「掃除する」
「暇なのですわね」
「いつもなら、いつまでいるの?」
「お昼を食べてから帰るかな。デズっち達もそんな感じ」
「とにかく、お昼まではいるんだよ」

掃除を始めるか。

「それじゃ、あたし達も掃除しよっか」
「結局それだよね」
「必要ない」
「立つ鳥跡を濁さずですわ」
「みんなでやればすぐに終わるの」

すぐに終わらせる必要もないんだがな。

「遊びに来たのに、掃除なんてするの?」
「掃除も遊びだよ、ミリア君」

とにかく、掃除をするとしよう。

892名無しさん:2012/10/12(金) 06:08:33
テスタ「前回がんばると言ったのに寝落ちするという」

アバ「・・・かっこ悪い」

テスタ「そんな日もある」

アバ「・・・頻繁に」

テスタ「それはそうと、このスレが始まってから3年が経つ」

アバ「・・・3年も・・・」

テスタ「我々は何をやっているのか」

アバ「・・・何してるんだろうね」

テスタ「1年前を探してみたら、『来年には終わってると思いたい』と」

アバ「・・・無理だった」

テスタ「この1年何をしていたのか」

アバ「・・・・・・何してたんだろう」

テスタ「酒を飲んでた」

アバ「・・・それは間違いない」

テスタ「来年は何をしているだろう」

アバ「・・・酒を飲んでる」

テスタ「それは間違いない」

アバ「・・・命があれば」

テスタ「恐ろしいことを言う」

アバ「・・・1年後までには終わらせよう」

テスタ「できればそうしたい」

アバ「それでは今日はここまで」


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