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1みやこ:2017/02/05(日) 20:59:38
ここに提出して下さい

2みやこ:2017/02/05(日) 21:53:06
「ふ……ッ! ふふふっ、“不健全”よォーーーッ!」

登校してくる生徒達の服装を指導するため、
校門を傍に立っていた風紀員が声を荒げた。

「不健全! 不健全! ほんッッと不健全ッ!!
ああっ、もうっ! どんな神経してればそんな全身破廉恥になれるの……!?
公衆の面前なのに……ッ! ほんっとに! もーー! いい加減にしなさいッッ!」

「まずあなたッ!」

赤面の少女がビシリと人差し指を立てる。

「がう?」

刺された野性味溢れる生徒――「くま」が小首をかしげる。

「獣性があふれ出し過ぎよッ!
ワイルドなんてかわいいもんじゃない、ほとんど野生じゃない!
野生ならなにやってもいいと思ってるんでしょう!?
あっ、あんなことや、こっ……こんなこと……!
全部ぜーんぶっ本能のせいにしてっ……!
滾る熱いものを暴力的に!昂ぶるままに!愛のままに!わがままに!
ぶっ、ぶつけてくるつもりなんでしょうッ……!?
サイテー!あなた、最低よ!!
それに……ッ! まえ! 隠しなさいよ!
なんで全裸なの!? どうしてそうなったの!?
どーしてそれが許されると思ったの!
もーー!! なんかドロドロした潤滑性のいい液体も持ってるしィーーー!
もうッ! いいわ!! あなたはそこで反省してなさい!!」

「がう……」

かわいそうなくまは、校門前にできた長蛇の正座列のはじにちょこんと座らされた。
サーカス出身だけあって、器用に正座をこなしている。

一難去ってまた一難。
風紀員の摘発はすぐさま次のターゲットを捕らえた!

「ちょっとォーーーーーーーー!!!?
そこの男子!止まりなさいッ!!」

「えっ?ボク」

重厚な鎧甲冑に包まれた少年が、ビクッと背筋を正し、静止した。

「あっ! ああああ、あなたァ!?
その太くて長いものはなに!?
どうしてそんなものを持ち歩いているのッ!!?

(中略)

破廉恥よォーーーッ!! そこに正座しなさい!」

警官を振り切ることのできるフルアームド少年の弁解を一切聞き入れず、
風紀委員の少女は正座を言い渡した。
かわいそうな伝説剣術の担い手は、くまの横に正座した。

「生徒会長!? どうせ権力を利用して『部費を減らされたくなかったら』なんて言って……ッ!
わ、わわわわわいせつな行為を……!!」

(中略)

「はぁああああああッ!!!?
どうしてそんないっぱい妹がいるの!?
わかったわ!血の繋がって子達なんでしょう!?
それでっ! むりやり「お兄ちゃん」って呼ばせてッ……!
へっ、変態!!
どうせ私にも『俺の妹にしてやろう、いや、“なれ”』なんて言うつもりなんでしょッ!」

(中略)

「バンドォ〜〜〜? イヤッ! 不潔ッ!!
もう破廉恥の権化じゃない!? 破廉恥大王といっても過言ではないわッ!
なに、決めつけるなって……?
じゃあ貴方のバンド名を言ってごらんなさいよッ!
どうせ!えっちな言葉を使ってるんでしょう?
例えば、せっく!……せっ!……せ……ッ!
ああああああああああもうーーーッ!
何言わせようとしてんのよッ!! 変態! 最低!」

(中略)

「変態!」

(中略)

「変態!」

(中継)

「変態タイレン!」

(中略)





「よーしそれじゃあ出欠とるぞ〜」

7:50

渋い爽やかな声色で挨拶をし、逆光を纏いながら教室に入った教師は少しぎょっとし、
数瞬考えた後、納得したように言った。

「ああ、今日は“あの日”か」

その教室には“男子生徒が一人もいなかった”



希望崎学園名物。
≪試しの門≫

普段は、単なる生徒を迎え入れるための校舎の一部は
“とある風紀員”が立つ“その日”だけは、
強大な試練場へとその姿を変える。

――ずらりと九十九折りにならぶ正座列。
本日の男子通過率もゼロパーセントであったという。

3彩羽根:2017/02/05(日) 21:59:01
「お前らクラスに好きなやつとか居るのか?」

「な、何抜かしてやがるんでい先公。そ、そんなものこのデストロイ由美子にはいねえぜ」
「生徒にそんなプライベートな事を聞いてどうするつもりなんです!セクハラですよ!」
「そんなことより星を見に行きませんか?」
「がおー!」

「ははは、こいつは厳しいな。せっかくの合宿なんだからみんなと恋話で盛り上がらせてくれよ」
「生徒と先生が恋バナなんて、破廉恥です、淫行目当てですか!?」
「先生、それよりも先程から阿部さんと神戸くんがどこにも見当たらないのだが」
「なっ///不純異性交遊禁止〜〜!!」ドタドタ

「よし、うるさいのが居なくなったな。今がチャンスだ、お前ら好きなタイプくらいいるだろ?どうなんだ?」
「(これはアルバムに使えるかもしれませんね。メモっておきましょう)」
「好きなタイプ…僕の全身鎧にも引かない優しい人が良いですね…」
「うーん、僕は僕の作る料理を美味しそうに食べてくれる女の子がいいなあ」
「私の才能を褒め称え崇め奉る男ならいくらでも愛人にしてやるぞ、わはははは」
「いずれ世界中の女がこの俺のギターの虜さ。まあそれはそれとして金髪巨乳が良いな」
「アルバムに使えそう。撮影しておきましょう」
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ…」

ガチャッ
「あれ、みんな集まって何の話してるんですか?」
「おっ、阿部&神戸!良いところに来たな。お前ら付き合ってるんだろ。ちょっと話聞かせろよ」

「先生、今日随分グイグイ来ると思ったらあんたさては飲んでるだろ?逆光でわかんなかったけど」
「まぁまぁ良いじゃないか。お前らも聞きたいだろ?」
「聞きたい!」
「是非、参考までに!」
「メモメモ」
「ゴクリ」
「ガオー!」

「ちょっ、何なんですかみんな…まいったなあ。どうしよう、阿部さん」
「恥ずかしいよ///」
ヒューヒュー!よっ、良いぞご両人!

「それじゃあまずは二人がどこまで進んでるのかを教えてもらおうかな」
「ひいっ…」
「さあ!」
「さあ!!」

ガラッ
「あなたたち〜もう寝なさ〜い」
ヒラリハラリ

全員就寝オチ

4佐想美空:2017/02/05(日) 21:59:37

ソードマスター正宗

最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! 青春希望ダンゲロス第1巻は、発売未定です。
正宗「チクショオオオオ!くらえサイバーネ!顕現!真なる山田カリバー!!」
サイバーネ「さあ来い正宗エエ!オレは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ザン)
サイバーネ「グアアアア!こ このザ・アキカンと呼ばれるロボット部部長のサイバーネが…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
サイバーネ「グアアアア」
佐想「サイバーネがやられたようだな…」
逆光先生「ククク…奴は紅組の中でも最弱…」
姉崎氏 「人間ごときに負けるとはロボットの面汚しよ…」
正宗「くらえええ!」
(ズサ)
3人「グアアアアアアア」
正宗「やった…ついに四天王を倒したぞ…これで生徒会長のいる生徒会室の扉が開かれる!!」
孤守「よく来たな山田カリバー正宗…待っていたぞ…」
(ギイイイイイイ)
正宗「こ…ここが生徒会室だったのか…!感じる…生徒会長の魔力を…」
孤守「正宗よ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は「人の為。仁の生徒会長にするためのに『はちみつ』が必要だと思っているようだが…別になくてもなれる」
正宗「な 何だって!?」
孤守「そして聖剣山田カリバーは刺さるので自宅の床の間へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」
(ゴゴゴゴ)
正宗「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある 青春ダンゲロスに尾崎豊がいるような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」
孤守「そうか」
正宗「ウオオオいくぞオオオ!」
孤守「さあ来い正宗!」
正宗の勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!

5山田正宗:2017/02/05(日) 22:01:29
キェェェェイ!!!!

爽やかな朝の空気が、奇声によって切り裂かれる。

バシィ、バシィ、バシィィーン!

「ほれほれ、どうしたどうした……甘いぞ、正宗」
「はい!、もう一度行きます」

山田カリバー家の朝は早い、自宅の道場での朝稽古だ。
山田ゲイボルグ(45)が竹刀を振るう度に、正宗の山田カリバー(レプリカ)が弾かれる。

「剣が軽いぞ、もうちょい踏み込め……じゃあないと」

剣の切っ先と切っ先が触れそうなぐらいの間合いを、ゲイボルグが一足跳びに詰める。

「……こうなるぞ」

正宗の喉元に竹刀が突きつけられる。

「参りました……父上」
「うーん……どうにもな、せめて両手を使わせるぐらいにはならんとダメだぞ」
「はい、精進します」
「さて、飯だ飯、母さんが待っとるぞ」

竹刀を左手一本で器用に竹刀袋にしまいつつ、山田カリバーゲイボルグが残心を解く。

山田カリバーゲイボルグ、山田カリバー流剣術師範。
西洋かぶれの父、山田カリバー村正に誤って槍を冠する名前を付けられた悲しき男。


「あー、いつになったら父上から一本取れるのかなぁ」
ガション、ガションと大きな金属音を鳴らしながら、正宗はトボトボと通学路を歩く。

山田カリバー正宗は、産湯替わりに付けられた三種のマジックアイテム(兜、鎧、盾)が全て呪われていたため、
完全武装の中世ファンタジーの勇者じみた格好で過ごす事を強いられているのだ。

彼が、父から一本を取れない理由の半分は、その金属鎧と盾による重量にある事を彼はまだ気づいていない。

「はっはっは、ご安心召されよ、坊っちゃまはようやっておられますよ」

正宗の左腕に装備された、「七賢の盾」から声が掛けられる。
「七賢の盾」はその名の通り、七人の賢者の魂が封じられており、
冒険の最中に適切なアドバイスをくれるが、七人ともジジイであり潤いが一切ない。
つまるところ、青春とはかけ離れた存在の塊であった。

「そうは言うけどね……」

キャーーー!

正宗の抗議の声を打ち消すかのように、若い女性の悲鳴が木霊した。

「じっちゃん達!?」
「うむ「あれは「ここより「北西「茶が飲みたい「50メートルと「いったところじゃ」」」」」」」

悲鳴を聞いた瞬間、正宗は駆け出す。
全身鎧が故に通常の魔神、いや人より遅いのは置いておくとしよう。

「何している!」
正宗はバイクに跨って、希望崎学園の女子高生に詰め寄っている男に声を掛けた。
「あ、俺は何もしてねぇよ……この女が勝手に騒いでるだけで……」

「嘘よ、あなたバイクで私の服を巻き込んで、走り出した勢いで丸裸に脱がすつもりだったでしょう、不健全です」
「馬鹿か、オメー!?、そんな時代劇であーれー、よいではないかよいではないかみたいな感じになるわきゃないだろ」

眼鏡を掛けた女子生徒は佐想美空という、正宗も知っている生徒であった。
風紀委員で、人一倍厳しく、正宗も剣や鎧の事でよく詰問されていた。

「あん!?、そこまで言うんだったら本当に剥いてやろうか、このアマ!?」
「正体をあらわしたわね、ケダモノ!」

はたから聞いていたらバカ話でしかないのだが、正宗は割とドが付くほど真面目であった。

「おい、やめろ。僕が相手だ」
「若!」
「坊っちゃま」
「なんだテメーよぉぉぉぉ」

バイクに跨った男、即ち尾崎豊は盗んだバイクの向きを変え正宗に突進してきた。

「ヒャッハー、俺の落書きだらけの教科書を喰らえーーーーー!」
「くっ、こいつ強いぞ……」
「若、こうなったら「呼ぶしかありませんぞ」」

「し、仕方ない!こーーーーーい、山田カリバー!!!!」
正宗は手を天にかざし大声で叫ぶ。
尾崎豊も、その大声にびくつき動きが止まる……しかし何も起きない。
山田カリバーは通常、法定速度の60kmしか出ないのだ。

「びびらせやがって、何も起きないじゃねぇか、死ねぇー……」

ガツン

尾崎豊の後頭部に山田カリバーは刺さった
正宗の勝ち



6:2017/02/05(日) 22:01:46
「山田カリバーくん・・・その・・・防具のことだが・・・どうにならないのかね・・・」
少し困ったような声色で逆光先生が僕に問いかける。
「どうにかってどういうことですか?」
「そのだね・・・防具が外せないことはわかっているんだが」
さらに逆光先生は困ったように顔をあちらこちらに動かしながら言葉を選ぶように言う
「結構派手な防具だろう?それに豪華な装飾もついている。だがなあ・・・」
逆光先生が珍しく溜め息をつく。
どんな困難があっても、生徒が本当に非行に走ったとしても直接生徒とぶつかって一緒に解決してきたいつもの逆光先生とは様子が違った。
逆光先生には入学以来この全身防具の自分に優しく接してくれている。
その逆光先生が言いかねている事があるようなのでこちらから話をうかがうことにした。
「ど、どうかしたんですか?」
僕がもどかしく思っていたのを察したのか逆光先生はある悩み事を打ち明けてくれた。
「それが、憧れてデストロイ優美子くんがそういう防具を売っている店を見つけたらしく着てくるんだよ……」
「え、えぇ……」
困惑だ。
確かに呪われているだけあって邪悪な様相をした防具だが敬遠されることはあっても、羨ましがられるとは。
しかも似たような防具を見つけてくるなんて、呪われてなければこの防具自体を押し付けたいと言うのに!
それに逆光先生はそれを僕に言ってどうしようと言うのだ。
「あの先生、改めて言いますがこの防具は呪われていて脱げないんですよ」
「ああ、その問題はわかっている難題だったが解決法を考えてみたんだ」
「その解決法とは」
夕日が眩しく逆光先生の表情がわからないが多分笑みを浮かべているんだろう、やや声色が嬉しそうだ。
「北風と太陽だよ山田くん」
「き、北風と太陽ですか?」
逆光先生は頷きながら答える。
「脱げないんならその上からまともな服を着ればいい!それが格好良く見えればデストロイくんもそっちを真似するだろう!」
逆光先生はごそごそとカバンから何かを出しながらさらに言う。
それは日の丸模様のTシャツとデニムのズボンだった。
「さあ、これを着るんだ山田くん!」
なんと言うことだ、脱がせられそうになることはあっても、無理やり着せられる事は今までなかった!
しかも、ああ、なんてことだ、ともすればこの防具よりも『ダサい』!
こんな服デストロイさんが憧れるとは思えない!
「えぇとその服は……」
「いいから着るんだ山田くん!」
そう言いながら服を着せようとしてくる逆光先生。
「わ、わかりましたから無理矢理その服を着せるのは…」

その数分後
「き、着てみましたけど」
刺々しい呪われた防具の上に着たため、あちらこちらがビリビリに破け、伸びてしまっている。
「うーむ思っていたのとは違うがこれで数日着てみてくれ」
逆光先生の表情は夕日の逆光で見ることができない。
このまま数日か……
暗澹とした気分で過ごした数日後、逆光先生からまた頼み事があった。
「山田くん!申し訳ないがその服を脱いでくれ!」
「なにかあったのですか」
「デストロイ由美子くんがやり過ぎ気味なダメージ服に目覚めてしまって風紀委員に怒られてしまったんだ!」

7ハリー:2017/02/05(日) 22:02:55
「そ、そこのあなた!なんて格好をしてるんですか!」

「あ、す、すいません、これは一応許可貰ってて…」

「かっ、兜に、鎧に、盾まで持ってるなんて…!性欲の塊じゃないですか!」

「せ、性欲の塊!?」

山田カリバー正宗は、代々聖剣山田カリバーを振るってきた山田カリバー家の長男である。
家庭の事情により生涯をフル装備で生きることを宿命づけられた彼の人生は、常に誤解と共にあった。
ただ登校しているだけで不審者として警察から事情聴取されたり、通りすがりの外国人観光客から気合の入ったコスプレだと褒められて一緒に写真を撮っていいか聞かれたりと、とにかく無用な注目を集めてきた。しかし、初対面で性欲の塊と言われたのは流石に初体験である。

「あのっ、これは僕の意思で着てるわけじゃなくて…!」

「騙されませんよ!そんな全身防備を固めて…一体どんな激しいプレイに備えてるんですか!はっ、兜の奥からいやらしい目を向けてますね!私には分かります!おとなしくしてください!」

「なんだこの人!?ちょっ、誰か助けてぇ!」

平和な学校に響き渡る悲鳴!すぐに駆けつける風紀委員たち!脱げない鎧を無理やり引っ張られる哀れな男子生徒!無理やり引っ張る風紀委員!連れて行かれる風紀委員!
…今日もまた、山田カリバー正宗の人生は誤解と共にあった。
だけど負けるな、山田カリバー正宗!ファイトだ、山田カリバー正宗!

8葵春:2017/02/05(日) 22:08:21
これは先日僕が実際に体験した出来事です。

僕の通う学校でもうすぐ大きなイベント(体育祭みたいなものです。季節外れですが)があって、その日、僕は放課後遅く日が暮れるまでイベント準備に残っていたんです。
夜になって、僕が教室を見回した時にはもう僕とSさんの2人だけしか残ってなくて、そろそろ帰ろうか〜って2人で話して教室を出たんですね。
ただ、教室のドアを開けて、廊下に出ながら壁のスイッチに手を伸ばしてパチッと教室の電気を消したはずなんですけど、廊下に出たところで「あれっ?」ってSさんが言ったんですよ。
何かなって振り返ったら、教室のドアに小窓がついてるんですけど、そこから光がまだ漏れてたんです。教室の中に電気が点いてる?
「電気消したよね?」
「パチッて音したよ」
なんて2人で顔を見合わせて、でもやっぱりドアの窓から光が漏れてるのは変わらない。
「誰か残ってた?」
「ま、まさかこっそり教卓の裏で誰かがいかがわしいことしてたんじゃないの!?電気が消えて慌てて明かりをつけたとか」
「泥棒が窓から入ってきたとか」
2人してドアの前で混乱しながら、もう一度ドアを開けて中を確認しようって話になったんです。
念のためにSさんは護身用のバットをどこかから持ち出して、僕も護身用の愛刀を家から呼び寄せて握って、2人で顔を見合わせて、いっせーのってドアを開けたんです。

そうしたら、居たんです。

教卓のところに、オレンジ色に光った人影が立っていて、こちらを見ていたんですよ。
見ていたっていっても逆光で顔が見えた訳じゃないんですけど、とにかくその人影がこちらを見ていて、何か喋ろうとしている事はわかったんです。

「「うわーっ!ごめんなさいっ!」」

もう、それを見た瞬間、僕もSさんもとにかくごめんなさいごめんなさいってそれだけ言って、大慌てで教室から逃げ帰ったんです。

本当にあれはびっくりしました。
だってあの光る人影がなんなのか、僕達2人ともよく知ってましたから。

そう……

あの人影……僕達の居残りを見守るために教室に残ってた先生だったんですから。
教卓でうたた寝してた先生に気付かず、僕達が電気消して出てっちゃったから先生が驚いて起きて状況確認に光ってたんですね。

本当に……先生、あの時は気付かなくてごめんなさい。

お題:学園の怪談

9:2017/02/05(日) 23:12:05
・・・と……整理したい気持ちもありますがライブ感重視でそのまま提出で自分は大丈夫です。

10彩羽根:2017/02/06(月) 00:56:56
賢い私は、こういうのは「1時間で書いたのでクオリティが低いのは仕方がない」という言い訳があるから書けるのであって
改稿など始めると逆にいつまでたっても書けないということを知っているので最低限の訂正しかしません。

【使用したお題:理想の異性のタイプ+今夜星を見に行こう】

「お前らクラスに好きなやつとか居るのか?」

「な、何抜かしてやがるんでい先公。そ、そんなものこのデストロイ由美子にはいねえぜ」
「生徒にそんなプライベートな事を聞いてどうするつもりなんです!セクハラですよ!」
「そんなことより星を見に行きませんか?」
「がおー!」

「ははは、こいつは厳しいな。せっかくの合宿なんだからみんなと恋話で盛り上がらせてくれよ」
「生徒と先生が恋バナなんて、破廉恥です、淫行目当てですか!?」
「先生、それよりも先程から阿部さんと神戸くんがどこにも見当たらないのだが」
「なっ///不純異性交遊禁止〜〜!!」ドタドタ

「よし、うるさいのが居なくなったな。今がチャンスだ、お前ら好きなタイプくらいいるだろ?どうなんだ?」
「(これはアルバムに使えるかもしれませんね。メモっておきましょう)」
「好きなタイプ…僕の全身鎧にも引かない優しい人が良いですね…」
「うーん、僕は僕の作る料理を美味しそうに食べてくれる女の子がいいなあ」
「私の才能を褒め称え崇め奉る男ならいくらでも愛人にしてやるぞ、わはははは」
「いずれ世界中の女がこの俺のギターの虜さ。まあそれはそれとして金髪巨乳が良いな」
「アルバムに使えそう。撮影しておきましょう」
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ…」

ガチャッ
「あれ、みんな集まって何の話してるんですか?」
「おっ、阿部&神戸!良いところに来たな。お前ら付き合ってるんだろ。ちょっと話聞かせろよ」

「先生、今日随分グイグイ来ると思ったらあんたさては飲んでるだろ?逆光でわかんなかったけど」
「まぁまぁ良いじゃないか。お前らも聞きたいだろ?」
「聞きたい!」
「是非、参考までに!」
「メモメモ」
「ゴクリ」
「ガオー!」

「ちょっ、何なんですかみんな…まいったなあ。どうしよう、阿部さん」
「恥ずかしいよ///」
ヒューヒュー!よっ、良いぞご両人!

「それじゃあまずは二人がどこまで進んでるのかを教えてもらおうかな」
「ひいっ…」
「さあ!」
「さあ!!」
ガラガラッ
「あっ、桜火…先生…」

「あなたたち〜もう寝なさ〜い」ニコリ
ヒラリハラリ

し〜ん……
こうして合宿の夜は更けていった。

11彩羽根:2017/02/06(月) 00:58:22
また削除し忘れてた。上げ直します

【使用したお題:理想の異性のタイプ+今夜星を見に行こう】

「お前らクラスに好きなやつとか居るのか?」

「な、何抜かしてやがるんでい先公。そ、そんなものこのデストロイ由美子にはいねえぜ」
「生徒にそんなプライベートな事を聞いてどうするつもりなんです!セクハラですよ!」
「そんなことより星を見に行きませんか?」
「がおー!」

「ははは、こいつは厳しいな。せっかくの合宿なんだからみんなと恋話で盛り上がらせてくれよ」
「生徒と先生が恋バナなんて、破廉恥です、淫行目当てですか!?」
「先生、それよりも先程から阿部さんと神戸くんがどこにも見当たらないのだが」
「なっ///不純異性交遊禁止〜〜!!」ドタドタ

「よし、うるさいのが居なくなったな。今がチャンスだ、お前ら好きなタイプくらいいるだろ?どうなんだ?」
「(これはアルバムに使えるかもしれませんね。メモっておきましょう)」
「好きなタイプ…僕の全身鎧にも引かない優しい人が良いですね…」
「うーん、僕は僕の作る料理を美味しそうに食べてくれる女の子がいいなあ」
「私の才能を褒め称え崇め奉る男ならいくらでも愛人にしてやるぞ、わはははは」
「いずれ世界中の女がこの俺のギターの虜さ。まあそれはそれとして金髪巨乳が良いな」
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ…」

ガチャッ
「あれ、みんな集まって何の話してるんですか?」
「おっ、阿部&神戸!良いところに来たな。お前ら付き合ってるんだろ。ちょっと話聞かせろよ」

「先生、今日随分グイグイ来ると思ったらあんたさては飲んでるだろ?逆光でわかんなかったけど」
「まぁまぁ良いじゃないか。お前らも聞きたいだろ?」
「聞きたい!」
「是非、参考までに!」
「メモメモ」
「ゴクリ」
「ガオー!」

「ちょっ、何なんですかみんな…まいったなあ。どうしよう、阿部さん」
「恥ずかしいよ///」
ヒューヒュー!よっ、良いぞご両人!

「それじゃあまずは二人がどこまで進んでるのかを教えてもらおうかな」
「ひいっ…」
「さあ!」
「さあ!!」
ガラガラッ
「あっ、桜火…先生…」

「あなたたち〜もう寝なさ〜い」ニコリ
ヒラリハラリ

し〜ん……
こうして合宿の夜は更けていった。

12みやこ:2017/02/09(木) 01:25:36
本日木曜日開催のラジオ終了後に提出しますので、
清書の予定がある方は仰って下さい。

13ヌガー:2017/02/09(木) 22:34:31
何も思いつかなかったので仕方ない

【お題キャラ:くま&伊藤早矢梨】
【お題:TRPGをしよう、入学当時の思い出、カーバダス】

伊藤早矢梨「た、食べないでください〜」
くま「食べないよっ!!」

くま「ご、ごめんねっ。わたし、蜂蜜ぬるぬるプロレスが大好きで。あなたは蜂蜜ぬるぬるプロレスがあんまり好きじゃない魔人なんだね」

伊藤早矢梨「ひっ…ひっ…」

くま「じゃあ代わりにわたしの考えたカーバダスTRPGで遊ぼうよ」

伊藤早矢梨「カーバダスTRPG…?」

くま「そうだよ。まずはこの診断メーカーでガチャを引いてね」

伊藤早矢梨さんが引いたカバは、☆☆☆カルビとバラの盛り合わせセット、コストは2で、スペックは2/3、スキルは罠解除(場に出ている間、罠カーバの効果を無効化できる)でした。

くま「すっごーい。おいしそうなカーバだね」

伊藤早矢梨「???」

くま「じゃあわたしも引くね」

くまさんが引いたカバは、☆☆☆☆☆十河馬集・命のカバの十常寺、コストは2で、スペックは7/2、スキルは卍カバい!!(飼い主さんの装備カーバの攻撃力+2する。お昼寝だ!河馬王!卍カバい!!)でした。

くま「すっごーい。レアなカーバだよ。スタッツも優秀だね」

伊藤早矢梨「卍カバい???卍カバいって何???」

くま「じゃあこのカーバを蜂蜜でぬるぬるにして戦うんだよ。お互いに土俵をトントン叩いて倒れたほうが負けだね」

伊藤早矢梨「それTRPGじゃないですよね!?」

-----

伊藤早矢梨「入学当時はそんなこともあったわね…」

くま「くまー?」

14Orfevre:2017/02/09(木) 22:50:29
【お題キャラ:くま&天満宮ベガ&伊藤早矢梨(1年ベース)】
【お題:唐突な水着回】
【書いた人:Orfevre】

 今日は希望崎学園のプール開き、今年も男子たちの注目は山乃端一人の水着に集まっていた。特に今年は彼女が3年生ということでさらに注目を集めていた。
 プール裏の飼育スペースで水浴びをしているくまを見ながら、そんな男子たちの会話をベガは聞いていた。
「黒ビキニじゃね?」
「なんとなくストライプな気がするよ」
--ああいうのとは、付き合いたくない--
 小説のような恋に憧れるベガにとって、下世話な男は彼女の心に描いてる恋愛の相手には程遠かった。そんな中で、山乃端一人ほどではないが注目を集める一年生がいた。
 確か放送部のパーソナリティを務める子だったはずだ。彼女はフリルのついたビキニを着ていた。しかし、彼女が集めた視線は一瞬で、その「本命」へと移った。

 山乃端一人だ。今年の彼女はパレオ付きの水着を着ている。放送部の子の表情が一気に曇ってくる。そんな光景をベガは彼女はくまと共に眺めていた。

15翻訳者:2017/02/09(木) 22:51:14
【お題キャラ:伊藤早矢梨】
【お題:さよなら時間マン+子猫を拾う】
【書いた人:翻訳者】

 魔人とは夢見る生き物であるだなんてどいつの言葉だ?
 私は伊藤早矢梨。魔人なんてやってる女の子だから、夢を食べて生きてる生き物とかいえないこともなーい。今日も放送委員として夢をみんなに吐き出してまわってる。
 
 私は夢を見ないでは生きられない。

 今日も夢を吐き出し終えたマイクを人差し指で弾くと、軽い残響音がした。何かを転がしたような、転がり落ちていくようなそんな感じで少し憂鬱だ。
 名前もあやふやなブランドのショルダーバッグを担ぎ上げ、家に帰りたい。
 今日も放課後、放送室のキーを職員室へ返却する。先生たちも振袖だとか、逆光だとかキャラが立ってやがる。

 あの人たちは生まれ付いたように個性的だ。
 きっと、生きているだけでは自分は伊藤早矢梨になれない。私は嫉妬するし、希望崎の誰にだって負けたくないって思ってる。それが私の信じている伊藤早矢梨という女の子だから。

 応援部はほとんど体育会系だし、一年生の私が目立つ位置に食い込むのは正直骨が折れた。帰路について、少し足が痛む。
 応援部で私はかたちを作り、放送委員の私はゆめを吐き出す。
 正直、上手くいっていると思う。――山乃端一人さえいなければ、二年もいらなかった。
 あいつの卒業を待つなんて、逃げの一手を取らないといけない自分が情けなくて、足下の石を蹴飛ばして、痛みが強くて、それには何の意味も意義も無くて――。
 
 希望崎大橋の真ん中で私は立ち止まる。
 泣き出してなどなるものか、だけど進むことは出来ない、戻ることも出来ない。
 橋の欄干にあてどなく体重をゆだねてみる。夕暮れの時間はまだ長いと思ったのだけれど、潮の香りは少し遠かった。

 瞼を閉じて、開くと夜になった。
 「え?」
 思わず辺りをきょろきょろと見回す。

 「ごきげんよう。それともこんばんわとはじめまして? 伊藤早矢梨さん」 
 唐突にその女は私の三メートルくらい後方に立っていた。まるでそこにいるのが当然というように、まるで自分が舞台の上でスポットライトに照らされる大女優であるかのように立っていた。
 形のいい顎をくいと上げて、そいつは傲慢にも私に向かって微笑みを向けた。
 
 肌の白も髪の艶も負けているだろうか、いいや負けてはいまい。私は嫉妬しているんだから、私は上に立つんだ、カラーの色からすると上級生を睨み返す。
 「あー……、センパイ。誰ですか〜☆彡」
 「態度と言葉があってなくてよ。それより上を見なさい↑」
 人差し指を上に向けた。その人を食ったような態度は腹が立つんだけど、釣られて視線をずらすのは当然だった。そいつの顔を見たくなかったから。

 「夏の……大三角?」
 「そう、あれがデネブアルタイルベガ、大宇宙の真理の前では放送部のアイドル(笑)もちっぽけなものでしょう?」
 言うまでもなく、本来の今日は冬の星座しか見ることは出来ないはずだ。いつのまにか地球の南半分に移動したかとかいうでない限りは魔人能力を受けている。

 そして悔しいことに、この女はひどく個性的だ。
 ゴーイングマイウェイ☆彡、魔人能力に強弱なんてないのだけれど、魔人に、人間に、強いやつはいる。弱いやつはいる、そんな当たり前の真実を私は否が応にも思い知らされていた。

16翻訳者:2017/02/09(木) 22:51:34
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 私は弱かったんだ。
 視線を戻すと、星空女の腕の中には子猫が一匹抱かれていた。にゃあ、と心安げに鳴いていた。黒猫だったその猫は首のところに白い環状の模様が巻かれている。
 それは、あの日、私が絞めた小さな首のようで、暗示するようでいて――。

 きらきらと流星群が背後に落ちる。
 願い事を言うには目移りし過ぎている。
 
 「あら、どうしたのそんな蒼い顔をして。あなたは猫を殺したことなんてない、そうでしょ?」
 チェシャ猫のようなにやにや笑いと真顔を混ぜ合わせたような、ひどく矛盾する表情だった。ここに鏡があれば私はさぞひどい顔をしているんだろう。
 ひざまずいたままの私の顎をくいと上げて、女はその瞳を、私のそれと合わせる。
 「殺したのは、あなたの……」
 「やめて!」
 
 猶予を与えられた。少し考え込むような間合い、ほっとする私。
 「一年間、そうでしょ?」
 
 私は子どもの頃に流行ったヒーローの名前を思い出していた。
 顔の無いヒーロー、自分の名前なのにいつも時間に追われてる。今は忘れられたヒーローの名前は時間マンといった。
 「時間マンの儀式は一度きりよ」
 チックタック、私の一年間、ひとつだけ歳を止めるのをやめたわたし、山乃端一人と同じ時間を生きたくなかったから、本当にいた時間マンに捧げたの。
 
 「お別れを言える?」
 先輩に支えられ、よろよろと立ち上がる。
 あれでも大好きだったんだ。でも、逃げてはいられなかったんだ。二回目はいらない。
 だから言おう。

 「さよなら時間マン……」
 訣別の言葉と共に名前も知らない先輩はパンと私の頬を張った。
 「何するんですか!?」
 「なんとなくよ」

 こうして、無駄な演出効果が途切れても夜は更けていった。
 負けてたまるかバカヤロー!

17ハリー:2017/02/09(木) 22:53:02
【お題キャラ:くま&天満宮ベガ&伊藤早矢梨】
【お題:】
【書いた人:ハリー】


がんばれ☆はやりん奮闘記〜お昼の放送withくま&ベガ編〜


『はーい、みなさんこんにちは!本日のお昼休みの放送も、
はやりんこと、放送部二年、伊藤早矢梨がお送りしまーす☆』

「さてさて、本日は遂に『ダンゲロス・ハルマゲドン』前日ということで!この番組にも、スペシャルゲストをお呼びしちゃいました☆
それではゲストのお二方、早速自己紹介をよろしくお願いします!」

「がおー」

「あれがデネブアルタイルベガ…」

「……はいっ☆というわけで本日はなんとダンゲロス・ハルマゲドン紅組陣営から、2年生の天満宮ベガさんと、サーカス部のアイドルくまくんがやって来てくれました!
ちなみに私はやりんも紅組所属です。みなさん応援してくださいね☆」

(………帰りたい!!)



「それでですねー、実は私もお二人と落ち着いてお話するのは初めてなんです!なので、これを機に是非仲良くしたいなーなんて思ってたりして!とはいっても時間も限られてますから、まずは最初の質問行ってみましょう!
えーと何々…『明日へ向けた意気込みを一言』!いいですねぇ、それではどうぞ!」

「がおー」

「…なるほどっ☆気合は十分ってところですね!言葉の節々から闘気が溢れています!それでは…ベガさんの方はっ?」

「あれが…デネブアルタイルベガ…」

「はいありがとうございます!これまでの過去を背負って明日は精一杯戦い抜く、といったところでしょうか!中々味のあるコメントですね☆」

(味ねーよ!無味無臭だよ!無理!本当に無理これ!なんでよりにもよってこの人選なのよ!っていうか片方人でもないし!誰か、この放送を終わらせてくれ…!)

その時ベガが無駄に顎を上げた。同じ陣営の仲間の危機を救いたかったのだ!

「えっ、ちょ、これ何…切なさが…っ、(今だ!)これはアクシデントですねしょうがない…!本日のゲストは天満宮ベガさんとくまくんでした!それではみなさんまたお昼休みにお会いしましょう!」

18山田正宗:2017/02/09(木) 22:53:53
【お題キャラ:くま&天満宮ベガ&伊藤早矢梨】
【書いた人:薬岡龍汰】

ふふーんふふーふ町のー、ひかーりとかげふーふふん
さりゆくーふふふーん、ふふふーことばー

「はい、注目ー、良いですか、人という字は〜」
「先生、黒板が光って見えません」
「おっと、失礼……」

逆光先生はツカツカと窓際まで歩いていき、遮光カーテンにグルグルと巻かれていった。

「良いですかー、人という字は人と人とが支えあっているわけではありません。
正確には、人が腕を垂らして立っている形を表した字です〜。胡散臭い説は信じないように!」

「流石だぜ、逆光つぁん!」
「凄いわ、逆光先生!」

この男の名は、逆光先生、希望崎学園の名物教師だ。
熱血教師との評判も高く、非行に走る生徒をもう六人も更生させているのだ。
校長先生も「彼には何か光るものがある」と太鼓判を押していた。

しかし、彼にも悩みの種があった。
目の前の生徒である、いや生徒と言って良いのだろうか。
目の前に居たのは、動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門 哺乳綱
食肉目 イヌ型亜目 クマ下目 クマ小目 クマ科

つまり、くまである。

「おい、くまぁー、お前また補習か」
「がうー」

くまは今日も赤点だ、なぜならくまは筆記具が持てないから。

「全く……、お前の悪い噂は入ってきてるんだぞ、このバカチンがぁ!」

少しばかり前の事である。逆光先生の元に匿名で『あのケダモノは、はちみつを使ってぬるぬるプロレスをしようとしまいます!不健全です!』と投書があったのだ。
流石にこれは放っては置けぬと、はちみつをくまから取り上げた逆光先生であった。

しかし、これは効果がなかった。なぜなら、くまははちみつを取るのが上手なフレンズだったから。
すごーい!

「おい、くま、またテスト用紙破いてぇー、しっかりしなさい」
「が、がうー」

逆光先生は、教師と生徒の一対一の話し合いをすればどんな生徒であろうと心を通わせる事が出来ると信じていた。
しかし、このクマという生徒を正しい道に戻すのは苦難の道であった。

なぜなら、くまは人語が分からないから。

「くま……お前、このまま行くと留年……いや、退学まであるぞ」
「がー」
「先生な、そんなの見たくないんだ、分かってくれ。真面目に授業受けてテストを受けよう」

無茶な話である。

「どうだ……分かってくれないか、くま……」
逆光先生がパチリと指を鳴らすと、校舎を包んでいた夕陽が姿を消す。
窓の外には、どこまでも澄んだ星空。

天満宮ベガの能力、「君の知らない物語」だ。
逆光先生が事前に依頼をしていたのだ。

「お前も、級友たちと一緒に青春を過ごしたいだろう、なぁ……修学旅行、文化祭、楽しい事は幾らでもあるぞ。」
「うがー」

逆光先生の情に訴えかける作戦だ!
しかし、切なくなるような夜空も、煌々と光る逆光先生の頭部のせいで台無しである。

「こら、君達!、まだ残っていたのか、早く帰りなさい!」

その時であった、凛とした声が教室に響き渡る。
現れたのは孤守悪斗、生徒会長である。

「全く、もうこんなに暗くなってきた……うわぁ」

孤守が現れた瞬間、弾け飛んだように動く影があった。
今まで、逆光先生の説教を大人しく聞いていたくまである。

「う、うっぷ、な、なんだ…ちょ、ちょやめ……」
「がうー」

生徒会長にマウントを取ったくまがはちみつを塗りたくる、塗りたくる、塗りたくる。

シュタッ!

更に、天井の暗闇から何者かが降り立つ!

「生徒会長が野獣のべたついた汁でネトネトになってるわ!不健全です!」

通りすがりの風紀委員だ!!

「…………こら!良い加減にしなさい!!」

逆光先生の虚しい叫び声が響き渡る。
頑張れ逆光先生、負けるな逆光先生。
あと、くまはそもそも生徒じゃないぞ、逆光先生!!

19葵春:2017/02/09(木) 22:55:41
【お題キャラ:くま&天満宮ベガ&伊藤早矢梨】
【書いた人:葵春】

満天の星空の下、バルコニーに佇むは儚げな一人の少女。
少女は万感の想いを込め、全ての懊悩と羞恥とを人の目から隠す夜の帳の内へと叫ぶのでした。

「おお、くま……貴方はどうしてクマなの?
 もしも貴方がクマでなく、私がヒトでさえなかったなら。
 私達の愛の睦言(むつごと)を遮る天の霹靂(へきれき)も鳴り響きはしなかったでしょうに。
 どうか、天に坐(ましま)す我が主よ。今夜ばかりはその智慧と理性を眠らせて。
 どうか、自然の摂理を冒涜する私の想いへ、怒りの鉄槌を下すのはやめてください。
 だって、そうでしょう?
 私はただ、一人の女として、
 女が産まれながらに備えている当然の感情を発露しているだけなのだから。
 すなわち、ただ一人の殿方への愛を――!」

深窓の令嬢は種族の垣根を越え、愛を語らうのでした。
彼女の想う相手。許されざる相手。くまへの愛を。
少女の想いは、胸の内から湧きあがる赤い泉の熱は、留まることを知りません。
再び、夜空へ向けて言葉を紡ぎます。

「ああ、くま……もしも貴方が私の事を真に愛するのであれば。
 どうか、私のためにクマという名を捨ててください。
 貴方のためならば、私もヒトという名を捨てましょう。
 薔薇の花は、薔薇という名を失ったとしても芳しい香りを損ないはしない……。
 私達一頭と一人、クマでもヒトでもなく、
 匂い立つ若葉を繁らす大樹の如き未来をどこまでも広げ伸ばしていけたなら――!」

その時、奇跡が起こりました。
バルコニーの下の茂みが大きく揺すぶられるや、黒い影がまろび出てきたではありませんか。
その影こそ誰あろう――くま、その人(クマ)!

「クマー」
(副音声:捨てましょう!)
「まあ、くま! 貴方、どうしてここに?
 ここは高い塀に囲まれた屋敷の奥深くだというのに」
「クマー」
(副音声:愛の翼で飛び越えました。種族の垣根を越えんとする者が、
 この程度を越えられなくてなんとしましょう)

くまは神の怒りも恐れず、想い人のところへと姿を表したのです。
屋敷の警備の目を盗み、高い塀を越え、深い堀を越え、バルコニーへと至ったのです。
そう、彼はそこで、彼女の想いを確かに聞き届けていたのです。
想い人が自分の事を愛し、絶望の淵から希望の叫びを叫ぶ声を確かに聞いたのです。
真実の愛を得たくまに怖いものなど最早ありはしません。
胸を張り、彼女の涙と夜露に濡れた文字にも表せぬ一夜の手紙の末尾に、
愛と若さの筆をもって力強き返礼を書き添えたのでした。

「クマー」
(副音声:私は今宵限り、クマという名を捨てましょう。
 これより先、私は貴女一人のために生きる存在。
 貴女だけが唯一私の名を呼ぶ我が主人となります。
 ですから、どうか我が愛しき君よ! 今こそ私の新たなる名を呼んでください!
 この世に唯一人、私だけが貴女にそう呼ばれるべき、私だけの名――恋人と!)
「ああ……くま! 我が愛しき人(クマ)! いいえ、私の恋人よ!」

――こうして少女とくまは星々のみが見守る星空の夜の下。
二人で寄り添い、そっと蜂蜜を舐め合い、狂おしいその甘さを堪能したのでした。



 * * *



「いやーウケたウケた! お芝居大盛況だったよ! 脚本ありがとう文化!」
「BLラッシュに疲れた頭で書いた妄言がまさかこんなことになるとは……」
「ベガっちもヒロインの雰囲気ピッタリで大人気だし、仕掛け人としてはやりんも鼻が高いよ!」
「そろそろまともなものが書きたい……」

fin

20ヒロとセント:2017/02/09(木) 22:56:48
【お題キャラ:くま&天満宮ベガ&伊藤早矢梨】
【お題:もしかして、私達、入れ替わってる!?】
【書いた人:セント】

「はちみつおいしい……」
「あれがベガ、あれがデネブ、あれがアルタイル……」
「待て待て待ちなさい、あなた達。現実を見ましょうよ」

 一人の少女が素手を蜂蜜の瓶に突っ込んでは腕を引き抜いては舐めている。

 美少女が一人、首を捻じ曲げながら虚空へ指を向けた向こうでは、天井が消滅して星空が広がっている。

 大きな獣が一匹、理知的な眼で他の二人の肩を揺さぶっている。

「落ち着け、伊藤君。彼らとは言葉でも暴力でもまともに会話することは叶わないだろうよ」
「落ち着くなんて無理ですよ、どうなっているんですか会長!!」

 希望崎学園生徒会長、孤守悪斗の腕を掴んで嘆いているのは伊藤早矢梨である。ここにはいつもの努力によって磨き抜かれたルックス、振舞いを見せている彼女のらしさは無い。何より、会長に縋りついている早矢梨とは別の早矢梨がここにはいる。

 会長の隣にいた早矢梨の傍へ、一匹の獣、くまが近づいた。そして、人語でもって彼女を𠮟りつけた。

「何やってんのよ、私!! 情けない!」
「そんな状態で正気を保っているあなたがおかしいのよ!」
「おかしいおかしくないじゃないでしょ。これまでだって無理することなんて何度もあったんだから、今回だって我慢しなさいよ、私」

 お題とここまでの流れを見てもらえば、作者がしようとしていることが少しは分かっていただけただろうか。今回は入れ替わりの物語である。具体的に言えば、くまはベガの姿に、ベガは早矢梨の姿に、早矢梨はくまの姿になっていることになる。

 ではどうして彼女がくまになってしまったのか。そして、どうして彼女が二人も同時に存在しているのか、それらについて説明しておかねばなるまい。

 本来、今日は次のハルマゲドンに向けた戦斗素体の実験テストを行う予定だった。戦斗素体が戦場でどこまで判断力を発揮し、作戦を遂行できるかについて確かめる必要があることは、生徒会長が事前にチームの者達に通知していた。
 しかし、実際に予定が合って集合することができたのは、企画した会長の他には、早矢梨、くま、ベガ、ロボット研究会のメンバーだけだった。

「仕方が無い。生物部のセント君の例があるからには、戦斗素体の挙動については確認を行っておきたかったが、後で個別に協力してもらうしかないな。まあ、何にせよ今日集まってもらった君たちには早速実験してもらおう」
「我々ロボ研が十全なサポートを行います。どうぞ存分に申し付けてください」

 そして会長とロボ研の指導の下、戦斗素体の実験を行ったのだが、一通りのテストが終わったあたりでロボ研の協力者、姉崎氏が唐突な提案を行ったのだ。

「私達の全力少年は周囲の戦斗素体の操作を行うための機能がありますが、同時に何体か動かすことができるかやってみたいんですよねー。できたらきっと便利ですよー」

 思いつきの提案であったが、そこにあまり心配性な参加者もいなかったため、その案は受け入れられてしまったのだ。
しかし、全力少年は戦斗素体同時操作の末にオーバーヒート。


こっちだったか……

21みやこ:2017/02/10(金) 00:15:16
1時間くらい後に、第1回分をまとめて提出してしまいたいと考えています。
まだ直したい方がいらっしゃいましたら、その旨教えて下さい。
そちらだけ提出を遅らせます。

宜しくお願い致します。


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